
2025年の夏ごろだったろうか?ある日、久しぶりにSteam Deck (LCDモデル)を起動させてみた。理由はそのときに買ったポータブル充電器でSteam Deckを充電したかったからだ。
正直に言うと、それまでは全くSteam Deck (LCDモデル)を使う気にはなれなかった。理由は、内蔵eMMC(64GBモデル)がいっぱいになり、やるゲームもなくなっていたからだ。
購入した当時はEmudeckでレトロゲームをしたり、ストリートファイター5、ストリートファイター6などの格ゲーをプレイしたりとなかなか楽しかった。
しかし、しだいに容量がなくなり、PS2ゲームがまともに動かなかったり、ストリートファイター6に飽きてしまったりすると、もう起動させる気にはなれなかった。
それになんといっても、充電がやっかいだ。ポータブルゲーミングPCはAndroidタブレットとは比較にならないほど電力を消費する。使いすぎると、電気代も決してばかにならないほどになるのがやっかいだ。
再び使いだすきっかけ
ところが、ポータブル充電器を購入し、ソーラーパネルで充電しだすと、「ああ、これならSteam Deck (LCDモデル)も使えるな」と思い直し、本当に久しぶりに起動させてみたのだった。
しばらくぶりに起動させて驚いたことが3つある。
驚いたこと1:PCSX2(PS2エミュレーター)の劇的進化
まず、PCSX2(PS2のエミュレーター)だが、起動させたら、アップデートの通知があり、それを適用したら、驚くほど快適になった。具体的にいうと、以前はまともに動かなかったゲームがびっくりするほど、滑らかに動くようになったのだ。
例えば、苦労して手に入れた、『ヴァンパイア ダークストーカーズコレクション』(Vampire: Darkstalkers Collection)。2024年ごろまでは、まるでスローモーションのようにしか動かなく、思わず発狂しそうになったのだったが、これがまるで嘘のようにキビキビ動く。
また、これまた苦労して手にいれた、『セガラリー2006 (SEGA RALLY 2006)』。2024年ごろまでは、自転車よりも遅く、スローモーな動きだったはずが、まるでジェットコースター並みに動くように改善された。
他の山のように持っている私のPS2ゲームコレクションも同様だ。試した限り、すべてのゲームが完璧に動作し、もはやPS2の実機を出すまでもないほどに快適になった。これは非常に嬉しかった。
驚いたこと2:Emudeckが起動しない…
2つ目のEmudeckは、全く起動させることができなくなっていた。なぜか最初のわずかな期間だけ、RetroArchが動いたのが、それも何かのアップデートのせいなのか、全く動なくなってしまった。調べてみたところ、Steam Deck (LCDモデル)でEmudeckが使えなくなった、というニュースはなく、どうやら新しくインストールし直せば普通に使えるようだ。
しかし、それが非常に面倒だ。いったん、デスクトップモードに行き、今ではもうすっかり忘れてしまったLinux画面で操作しなくてはならないのだ。それが苦痛すぎて、未だにEmudeckをインストールしていない。
なお、2024年まで使えていたEmudeckは非常にすばらしいものだった。どんなファイルを入れているのかは知らないが、ROMさえあれば、ほぼ完ぺきになんでも動作するのだ。これがAndroid端末であればそうはいかない。RetroArchとROMファイルがあっても動かないゲームはたくさんある。だから、例えば挟んで使うゲームコントローラーを購入しても、それは決してSteam Deck (LCDモデル)にはなり得ない。Steam DeckはEmudeckが使えるため、唯一無二の超快適なレトロゲーム機になり得る。
驚いたこと3:R-Typeが動かない(と見せかけて)
ここでいうR-Typeとはもちろん、レトロシューティングゲームの名作『R-Type Dimensions EX (アールタイプ・ディメンジョンズ EX)』のことである。私はこのゲームがとても好きで、Steam Deckを起動させたら必ずプレイしていたが、なんと、それが動なくなっているではないか?
しばらくあきらめて、他のゲームをプレイしていたが、どうしてもあきらめきれず、設定をいじっていたら、起動できた。どうやら「Proton」のバージョンが合わなかったようで、「Proton 8.0」や「Proton 7.0」などの古いバージョンを試したら起動できた。
2025年にようやく気付いたSteam Deckの本当の使い方
そんなわけでめでたくR-Typeをプレイできるようになったのだが、そこで私は「ハッ!」と気がついた。もしかしたら、これが本当に正しいSteam Deckの使い方なのではないかと思ったのだ。
2022から2024までの使い方を振り返ってみると、大容量のゲームだったり、やたらROMファイルを保存したりといった、「無理」がある使い方が多かった。それゆえストレージ不足がストレスになり、あまりSteam Deckを使わなくなってしまったのだった。
しかし、よく考えてみると、最新の大容量ゲームのほとんどは、馴染みにくく、操作が難しく、はっきり言って、自分には「ついていけない」ゲームばかりだ。自分に必要なゲームは、『R-Type Dimensions EX』のようなシンプルで分かりやすい、レトロ風なゲームなのだ。
そして、それならストレージ不足に悩まされることがなく、素直に楽しめる。無理して、最新の、人気のあるゲームに手を出す必要はないのだ。
そう考えて、大容量ゲームをすべて削除し、2Dゲームを中心にプレイしだしたら、とたんにSteam Deckが楽しくなりだした。今では「買ってよかったな」としみじみと思う。
Steam Deck (LCDモデル) おすすめゲーム
そんなわけで、今はまっている、おすすめのゲームを紹介する。いずれもSteam Deck (LCDモデル)で快適にプレイできるので、ぜひ楽しんでみてほしい。
『Dead Cells』(デッドセルズ)
メトロイドみたいな横アクションゲーム。とにかく、探索して未知の場所を見つけるのが楽しい。アイテムを見つけて強くなったり、忍者みたいにスピーディに動くところも面白い。昔、メトロイドにはまった人におすすめ。
『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』
Steamで2024年7月21日に配信が開始された、SNKとカプコンのキャラクターが一堂に会した対戦格闘ゲーム。2003年にアーケードで稼働したオリジナルの『SVC CHAOS』をベースに、快適なオンライン対戦機能などを加えて復活したそう。もうストリートファイター系はやらないようにしていたが、このゲームに登場する、「藤堂香澄(とうどう かすみ)」(KOFにも出てくる)というキャラが非常に好きで、いつも投げ技ばかり繰り出して戦っている。
『サムライスピリッツ ネオジオコレクション』
NEOGEOで発売された『サムライスピリッツ』シリーズの集大成となるコレクションタイトル。発売された当初は興味がなかったが、最近、セールで安く販売されることがあることを知り、購入した。実際にプレイしてみると、意外と勝つことができ、いつもはたどりつけないような敵と会うことができている。「自分、うまくなったかも」と錯覚できるところがいい。
『DIRT 5』
かなり昔に買って放置していたゲーム。3Dだが、それほど容量もなく、気軽に遊べるレースゲームだと思う。アーケードモードがあり、そこでレース場を選んだり、天候を変更したりしてレースを楽しめる。いろいろな車種があるらしいが、自分は最初の車のまま、勝負に挑み、惨敗する。しかし、負けても不思議とまたやりたくなる。レース中に自分の順位がリアルタイムで分かるところがスリリングでいい。
Steam Deck (LCDモデル)で今後チャレンジしたいゲーム
最近、面白そうだな、と感じているゲームを紹介する。まだ手に入れていないが、これからプレイする予定。
『PEAK』(ピーク)
協力型クライミングアクションゲーム。山登りという、全くプレイしたことのないゲームだが、コミカルなキャラで、シンプルに楽しめそうである。山登りといっても、実にいろいろな場所があり、まるで冒険をしている感じ。未知なる世界を旅しているように感じるゲームである。
『Stardew Valley』(スターデューバレー)
2DのシミュレーションRPG。農業したり、探検したり、動物を飼育したりといろいろなことができるゲーム。パルワードと違い、全部2Dなので、まるでドラクエ初期のシリーズをプレイしているかのような感覚になりそうである。
『グラディウス オリジンコレクション』
2025年8月7日に発売された「グラディウス」シリーズのアーケード版を中心としたコレクションタイトル。6千円ほどするのでまだ買ってないが、初代グラディウスや沙羅曼蛇、グラディウスII、グラディウスIIIなどが高い移植度で収録されている。安くなったらぜひ購入したい。
Steam Deck (LCDモデル)とは
Steam Deck (LCDモデル)は、Valve Corporationが開発した携帯型ゲーミングPCです。日本では株式会社Komodoが正規販売代理店となり、2022年8月4日に予約受付が開始され、2022年12月17日に国内の初回出荷が開始されました。
AMDと共同開発したカスタムAPU(CPU:Zen 2、GPU:RDNA 2)を搭載し、PS4相当とも言われるGPU性能で、多くのAAAタイトルを低〜中設定で快適に動作させることが可能です。OSにはArch Linuxベースの「SteamOS 3.0」を採用しており、デスクトップモードとして「KDE Plasma」も利用できます。
「Steam Deck (LCDモデル)」のスペック
- ディスプレイ: 7インチ、解像度1280 x 800px (16:10) の光学結合IPS液晶 ※輝度400 nit (標準) 、タッチ対応 。512GBモデルはプレミアム防眩エッチングガラス搭載。
- リフレッシュレート: 60Hz
- プロセッサ (APU): AMD APU
- CPU: Zen 2 4c/8t、2.4~3.5GHz
- GPU: 8 RDNA 2 CU、1.0~1.6GHz
- APUパワー: 4~15ワット
- RAM(メモリ): 16 GB LPDDR5オンボードRAM (5500 MT/s)
- ストレージ: 64GB eMMC (PCIe Gen 2 x1)、256GB NVMe SSD (PCIe Gen 3 x4)、または 512GB 高速NVMe SSD (PCIe Gen 3 x4)
- 拡張スロット: 高速microSDカードスロット (UHS-I対応)
- バッテリー: 40Whr
- バッテリー駆動時間: 2~8時間のゲームプレイ
- 電源: 45W USB Type-C PD3.0電源
- 接続: Bluetooth 5.0、デュアルバンド無線Wi-Fi (2.4GHz/5GHz, IEEE 802.11a/b/g/n/ac)
- 外部接続 (USB-C): DisplayPort 1.4 (Altモード) 付きUSB-C、USB 3.2 Gen 2対応
- オーディオ: DSP内蔵ステレオスピーカー、デュアルアレイマイク、3.5mmステレオヘッドフォン/ヘッドセットジャック
- ゲームパッドコントロール: A B X Yボタン、十字キー、L&Rアナログトリガー、L&Rバンパー、表示&メニューボタン、割り当て可能な4個のグリップボタン
- サムスティック: 静電容量方式フルサイズアナログスティック(2本)
- トラックパッド: 32.5mm触覚フィードバック付き角型トラックパッド(2個)
- ハプティクス: HDハプティクス
- センサー: 6軸IMU (ジャイロ)、環境光センサー
- オペレーティングシステム: SteamOS 3.0 (Archベース)
- デスクトップモード: KDE Plasma
- サイズ: 298mm x 117mm x 49mm
- 重量: 約669グラム
- オプション: Steam Deck™ドッキングステーション (別売)
Steam Deck (LCDモデル)はどこで買えるの?
2025年11月現在、Steam Deck (LCDモデル)はAmazonや楽天市場、ヤフーショッピングなどのECサイトで購入できます。KOMODO公式サイトは売り切れで購入できません。
※価格は変動します。
ECサイト
- Amazonで79,800円(税込・256GB・整備済み品)、
- 楽天市場で65,219円(送料無料)、
- ヤフーショッピングで48,980円(中古)、
で販売されています。
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おすすめのライバル機種と価格を比較
「Steam Deck (LCDモデル)」と似た性能をもつポータブルゲーム機も販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
Steam Deck OLED
米国 Valve から発売された7.4インチのポータブルゲーミングPCです(2023年11月17日に発売)。
Steam OS 3.0、Zen2ベースのAMD APUと16 GB LPDDR5 メモリ、HD画質のHDR OLED(有機EL)タッチスクリーン、512GB/1TB NVMe SSD、50 Whバッテリー、トラックパッドを搭載しています。
また、リフレッシュレート 90 Hz、HDハプティクス、大型の冷却ファン、DSP内蔵ステレオスピーカー、デュアルアレイマイク、microSDカードでのストレージ拡張、45W急速充電、6軸ジャイロセンサー、Steam Deck ドッキングステーション(別売)、USB3 Gen2 Type-C (DP映像出力/PD充電/データ転送)x1、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで155,231円、楽天市場で93,680円、ヤフーショッピングで94,700円、です。
関連記事:Steam Deck OLEDとROG Ally Xを比較!ゲーム性能レビュー
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ROG XBOX ALLY / Ally X
ASUS (ROG) から発売された7.0インチのポータブルゲーミングPCです(2025年10月16日に発売・型番:RC73YA-Z2A16G512/RC73XA-Z2E24G1T)。
7.0型ワイドTFTカラー液晶 (1,920×1,080, 120Hz, FreeSync Premium対応)、AMD Ryzen™ Z2 A (Ally) / AMD Ryzen™ AI Z2 Extreme (Ally X)、LPDDR5X 16GB (Ally) / 24GB (Ally X) メモリ、SSD 512GB (Ally) / 1TB (Ally X) (PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2 2280)、60Wh (Ally) / 80Wh (Ally X) バッテリー、Windows 11 Home 64ビットを搭載しています。
また、Xboxアプリ、UI「Xboxフルスクリーンエクスペリエンス」、Xboxボタン(Game Bar)、「Xbox Play Anywhere」、ASUSの管理コンソール「Armoury Crate Special Edition (ACSE)」、AMD Ryzen™ AI (NPU※Ally Xのみ)、モニター出力、内蔵SSDの交換(換装)に対応。
ステレオスピーカー (Dolby Atmos / Hi-Res Audio対応)、アレイマイク、HD振動機能 (Ally Xはインパルストリガー対応)、ROGインテリジェントクーリング (デュアルファン)、ジョイスティック×2(RGBライティング)、マクロボタン×2、バンパー/トリガー、指紋認証センサ (電源ボタン一体型)、USB Type-Cポート (Ally XはUSB4対応)、microSDカードスロット、Wi-Fi 6E、Bluetooth® 5.4にも対応しています。
価格は、Amazonで89,800円(ROG XBOX ALLY / Ally Xは139,800円)、楽天市場で93,980円(中古品・送料無料)、ヤフーショッピングで97,939円、米国 Amazon.comで$599.00、です。
関連記事:ROG XBOX ALLY/Ally X評価レビュー!期待以上の性能・機能か?
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ROG Ally X
ASUSから発売された7インチのポータブルゲーミングPCです(2024年7月 発売)。
AMD Ryzen Z1 Extreme、24GB LPDDR5-7500、フルHDののIPS タッチスクリーン、1TB PCIe 4.0 NVMe M.2 SSD (2280)、80WHrsバッテリー、6軸ジャイロセンサー、Windows 11 Homeを搭載しています。
また、デュアル ステレオスピーカー、Dolby Atmos、アレイマイク、AIノイズキャンセリング、HDハプティクス、Microsoft Pluton セキュリティ、指紋認証、AURA SYNC、Gorilla Glass DXC、USB4 Gen2 Type-C x1、USB 3.2 Gen2 Type-C x1、Wi-Fi 6e、Bluetooth 5.2に対応しています。
価格は、楽天市場で127,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで127,800円、です。
関連記事:ROG Ally Xは買うべきか?できるゲームとグラフィック性能をレビュー
Amazonで「ROG Ally X」をチェックする
ROG Ally (RC71L-Z1E512)・2023モデル
ASUSから発売された7インチのポータブルゲーミングPCです(2023年6月14日に発売・上位モデル)。
AMD Ryzen Z1 Extremeプロセッサ、16GB LPDDR5メモリ、フルHDのIPS タッチスクリーン、512GB PCIe 4.0 NVMe M.2 SSD (2230)ストレージ、40WHrsバッテリー、Windows 11 Homeを搭載しています。
また、外付けGPU「ROG XG Mobile」(別売)、リフレッシュレート 120Hz、マクロキー、6軸ジャイロ、HDハプティクス、冷却システム、「Armoury Crate SE」、デュアル ステレオスピーカー、Dolby Atmosサウンド、アレイマイク、UHS-II microSD カードリーダー、指紋認証、USB Type-C (USB 3.2 Gen2)、Wi-Fi 6e (802.11ax) 、Bluetooth 5.2に対応しています。
価格は、Amazonで81,878円、楽天市場で79,786円(送料無料)、ヤフーショッピングで77,800円、です。
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