Steam Deck OLED徹底レビュー!有機EL神機とLCDモデルを比較

Steam Deck OLED 側面 背景に赤
待望の携帯ゲーミングPC「Steam Deck OLED」が、2023年11月17日、ついに発売されました。初代Steam DeckのDNAを受け継ぎつつ、ユーザーの声を反映し、数多くの点が改良されたこの最新モデルは、発売前から大きな注目を集めています。

Steam Deck OLED:手に取れば分かる、確かな進化

Steam Deck OLEDの魅力は、単なるスペックアップに留まりません。最も目を引くのは、鮮やかで深みのある色彩表現を実現した7.4インチHDR対応OLED(有機EL)ディスプレイです。これにより、ゲーム世界の没入感は格段に向上し、まるで別次元の映像美を体験できます。

さらに、大幅に向上したバッテリー持続時間も見逃せません。50Whrへと増量されたバッテリーと各コンポーネントの電力効率改善により、AAAタイトルであっても従来モデルより長くプレイ可能になりました。外出先でもバッテリー残量を気にせず、心ゆくまでゲームの世界に浸れる時間は、携帯ゲーミングPCとしての価値を大きく高めています。

操作性においても、アナログスティックの感触改善や本体の軽量化など、細部にわたる調整が施され、長時間のプレイでも疲れにくい快適な操作感を実現。加えて、冷却ファンの改良による静音性の向上も、ゲームへの集中を助ける嬉しいポイントです。これらの進化は、まさに「痒い所に手が届く」改良と言えるでしょう。

この記事でSteam Deck OLEDの全てを明らかに

この記事では、そんな魅力あふれるSteam Deck OLEDの性能、機能、そして使い勝手を、実際に使用した筆者の視点から徹底的に深掘りしていきます。

特に、前モデルであるSteam Deck(LCD)と比較して、具体的に何がどう変わったのか、その進化のポイントを項目ごとに詳しく解説。それぞれの改良点が、実際のゲーム体験にどのような影響を与えるのかを明らかにしていきます。

この記事で分かること

  • Steam Deck OLEDの美しいHDR OLEDディスプレイの詳細と、LCDモデルとの画質の違い
  • Steam Deck OLED搭載AMDカスタムAPUのベンチマーク、ゲーム性能(フレームレート、FPS)
  • 進化したAPUの電力効率と、それがもたらすバッテリー持続時間への影響
  • 改良された操作性(アナログスティック、ボタン、グリップ等)の具体的なフィーリング
  • Wi-Fi 6EやBluetooth 5.3といった最新通信機能の恩恵
  • 内蔵ストレージの速度やメモリ性能、そして拡張性について
  • 冷却性能の向上と、それに伴う静音性の変化
  • SteamOSの使い勝手や、Proton互換レイヤーによるゲーム体験
  • デザイン、重量、そして同梱されるキャリングケースなどの付属品の詳細
  • Steam Deck OLEDのメリット・デメリットの総まとめ
  • Steam Deck OLEDの価格と入手方法 (2025年5月19日時点の情報を含む)
  • 競合となりうる他の携帯ゲーミングPCとの比較

この記事を読むことで、「Steam Deck OLED」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。すでにSteam Deck(LCD)をお持ちの方も、これから初めて携帯ゲーミングPCの購入を検討されている方も、ぜひ本記事を参考にして、後悔のない選択をしてください。

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公式ページ:Steam Deck OLED登場

KOMODO Steam Deck Store – Steam Deck is here! 

デザインと外観:Steam Deck OLEDの進化した機能美と携帯性

Steam Deck OLEDでゲームをプレイする様子

ここではSteam Deck OLEDの外観とデザインについて、前モデルSteam Deck LCD(以下、LCDモデル)からの変更点を中心に、実際に手に取って感じた魅力や、他の携帯ゲーム機との比較を交えながらお伝えしていきます。

手に馴染む進化と洗練されたディテール

Steam Deck OLEDを手にしてまず感じるのは、その洗練された機能美です。基本的なフォルムはLCDモデルを継承しつつも、細部にわたる改良が施されているのが分かります。本体カラーは精悍なブラックで統一されています。

注目すべき変更点として、電源ボタンは鮮やかなオレンジ色に変更されました。LCDモデルの黒一色だったボタンに比べて格段に視認性が向上し、薄暗い場所でも迷うことなく操作できるでしょう。また、アナログスティックの根本の色も、LCDモデルの白に近い薄いグレーから、本体と一体感のある黒へと変更されています。これにより、ゲームプレイ中に視界の端で白い部分がちらつくことがなくなり、より深くゲームの世界に没入できるようになりました。

携帯性と操作感の向上

Steam Deck OLEDのサイズは298 × 117 × 49mm、重さは約640gです 。LCDモデルの約669gから約30g軽量化されていますが、この差は実際に手に取ると想像以上に大きく感じられます。特に長時間プレイする際には、この軽量化の恩恵をはっきりと実感できるでしょう。グリップの形状も手に馴染みやすく、数値以上に軽く、そして快適に操作できる印象です。

画面サイズはLCDモデルの7インチから7.4インチへと大型化しました。ベゼルが細くなったことで、本体サイズを大きく変えることなく、より没入感のあるゲーム体験が可能になったのは嬉しいポイントです。

さらに、1TBモデルに付属する専用キャリングケースは、内側が取り外し可能な構造になっています 。これにより、外側のハードケースの保護が必要ない場面や、カバンの中でかさばらせたくない場合に、よりコンパクトに持ち運ぶことが可能です。

他の携帯ゲーム機とのサイズ・重量比較

携帯ゲーム機市場には様々なモデルが存在します。Steam Deck OLEDのサイズ感や重量を他の機種と比較してみましょう。

  • ROG ALLY:サイズ28.0 x 11.1 x 2.12 ~ 3.24cm、重さ608g。ホワイトカラーが用意されています。Steam Deck OLEDより若干軽く、厚みも部分的に薄いデザインです。
  • AYANEO GEEK 1S:厚さ22.3mm、重さ672g。カラーはピュアホワイト、ネビュラパープルの2色展開です。Steam Deck OLEDと比較すると、薄型ですがやや重い設計です。
  • ONEXFLY:サイズ約263.6 × 98.25 × 22.6mm、重さ約590g。オブシディアンブラック、スノーホワイトの2色があります。こちらはSteam Deck OLEDよりも小型かつ軽量なモデルと言えます。

これらの比較から、Steam Deck OLEDは一定のサイズと重量がありつつも、大画面と高性能を両立させたバランスの取れたモデルと言えるでしょう。携帯性においてはより小型軽量なモデルも存在しますが、Steam Deck OLEDが提供する没入感や操作感は独自の魅力を持っています。

まとめ:デザインと外観

  • 基本フォルムはLCDモデルを継承しつつ、ブラックカラーで統一され細部を改良。
  • 電源ボタンがオレンジ色になり、視認性が向上。
  • アナログスティック根本が黒色に変更され、ゲームへの没入感を高める。
  • サイズ298 × 117 × 49mm、重さ約640g。LCDモデルから約30g軽量化。
  • グリップ形状が手に馴染みやすく、快適な操作感。
  • 画面サイズが7.4インチに大型化し、ベゼルが細くなり没入感が向上。
  • 1TBモデルのキャリングケースは内側が取り外し可能で携帯性が向上。
  • 他の携帯ゲーム機と比較して、大画面と高性能のバランスが取れたモデル。

ディスプレイ:Steam Deck LCDからの劇的進化! 魂を揺さぶるOLEDの世界へ

Steam Deck OLEDのディスプレイでゲームが映っている。

Steam Deck OLEDを手にして、まず誰もが息をのむのが、この進化したディスプレイでしょう。私自身、前モデルである「Steam Deck LCD」も愛用していましたが、OLEDモデルの電源を初めて入れた瞬間の感動は、まさに「別次元」という言葉がふさわしいものでした。ここでは、Steam Deck LCDと比較して、OLEDモデルのディスプレイがどれほど素晴らしい体験をもたらしてくれるのか、私の実感を込めてお伝えします。

鮮烈なコントラストと色彩:もう「Steam Deck LCD」の画質には戻れない深み

Steam Deck LCD」でも、もちろんゲームは十分に楽しめていました。しかし、Steam Deck OLEDの7.4インチHDR OLEDディスプレイ(LCDは7インチ)が描き出す映像は、まさに別格。解像度は1280×800ピクセルとLCDモデルから据え置きですが、有機ELパネルの採用による画質の向上は、スペックの数字だけでは到底語り尽くせないほどの衝撃を私に与えました。

何よりもまず、黒の締まりが尋常ではありません。「Steam Deck LCD」では、どうしても暗いシーンで背景がうっすらと白んで見え、細部が曖昧になることがありましたが、OLEDモデルでは漆黒の闇が広がり、映像全体の奥行きとリアリティが格段に増しています。

例えば、『サイバーパンク2077』のネオンきらめく夜の街を歩けば、光はより鮮烈に、影はより深く沈み込み、そのコントラストの美しさに思わずため息が漏れるほど。まさに、色彩が画面から飛び出してくるような感覚で、これは「Steam Deck LCD」では決して味わえなかった鮮やかさです。どこまでも深くリッチな黒の表現は、OLEDモデルの真骨頂と言えるでしょう。

さらに、ピーク輝度が「Steam Deck LCD」の400nitから、OLEDモデルではHDR時1000nit(SDR時600nit)へと大幅に向上した恩恵は絶大です。これにより、日中の明るい室内や、日差しが差し込む窓際といった、「Steam Deck LCD」では少し画面が見づらいと感じたような環境でも、OLEDモデルなら驚くほどクリアにゲーム画面を視認できます。

また、色域もDCI-P3カバー率110%と、「Steam Deck LCD」よりも格段に豊かで正確な色彩表現が可能になりました。これにより、ゲーム開発者が意図したであろう、息をのむような美しい世界を余すところなく堪能できるようになったのです。視野角も非常に広く、少し無理な体勢で寝転がって画面を覗き込んでも、色が褪せたり変化したりすることがほとんどない点も、使ってみて実感した嬉しいポイントです。

画面サイズ拡大とベゼルのスリム化:没入感をさらに高める巧みな設計

ディスプレイサイズも、「Steam Deck LCD」の7インチからSteam Deck OLEDでは7.4インチへと拡大されました。本体の大きさはほとんど変わっていないにも関わらず、この0.4インチの拡大が実現できたのは、ベゼルがよりスリムになったおかげです。実際に手に取ってみると、この画面サイズの拡大は想像以上に視覚的な満足感をもたらし、ゲーム世界への没入感を一層深めてくれました。

90Hzリフレッシュレート:体験すればわかる、この滑らかさ

Steam Deck LCD」のリフレッシュレートは60Hzでしたが、Steam Deck OLEDでは最大90Hzに対応しました。この進化は、特に動きの速いアクションゲームやFPSでその違いを明確に感じさせてくれます。

Steam Deck LCD」の60Hzでもプレイに大きな支障があったわけではありませんが、90Hzの滑らかさを一度体験してしまうと、視点移動やキャラクターの動きが明らかにスムーズになり、まるで目で追っているかのような自然な描画に驚かされます。応答速度も0.1ms未満と非常に高速なため、操作に対する画面の追従性も極めて高く、ストレスを感じさせません。

プレミアムアンチグレアエッチングガラス(1TBモデル):映り込みを抑え、鮮やかさも両立

私がテストしているSteam Deck OLED1TBモデルには、プレミアムアンチグレアエッチングガラスが採用されています。これは、「Steam Deck LCD」の光沢ディスプレイとは異なり、標準で非常に優れた反射防止効果を発揮します。

一部では、明るい場所で画面がやや白っぽく見えるという声もあるようですが、私自身の使用感としては、「Steam Deck LCD」と比較して明らかに映り込みが少なく、それでいてOLEDならではの鮮やかな色彩が損なわれていない、絶妙なバランスだと感じています。これにより、余計な光の反射に気を取られることなく、より深くゲームに集中できるようになったのは大きなメリットです。

ROG ALLYとのディスプレイ比較:OLEDだからこその画質は大きな魅力

比較対象としてよく挙げられる「ROG ALLY」(※7インチで解像度1920 x 1080 ドットのIPS タッチスクリーンを搭載)は、解像度(フルHD)や最大リフレッシュレート(120Hz)といったスペック面でSteam Deck OLEDを上回る部分があります。

しかし、「Steam Deck LCD」からOLEDへと進化したことで得られた、圧倒的なコントラスト比、完璧な黒の表現、鮮やかな発色、そしてHDR対応といった画質の根本的な美しさにおいては、Steam Deck OLEDが液晶パネルのROG ALLYに対して明確なアドバンテージを持っていると感じます。

「Steam Deck LCD」からの買い替えを検討している方にとって、このディスプレイの進化は、最も満足度の高いポイントとなるのではないでしょうか。

まとめ:Steam Deck LCDからの正統進化、その核心は間違いなくディスプレイにあり

  • 息をのむ映像美への飛躍:「Steam Deck LCD」の液晶からHDR対応有機ELへと進化したことで、コントラスト、黒の表現、色の鮮やかさが劇的に向上し、ゲーム体験を一変させる。
  • 画面サイズと輝度の向上による没入感:「Steam Deck LCD」の7インチ・400nitから、7.4インチ・最大1000nit(HDR時)へと進化したことで、より見やすく、よりゲームの世界に引き込まれる。
  • 90Hzの滑らかさがもたらす快適性:「Steam Deck LCD」の60Hzから90Hzリフレッシュレートになったことで、視覚的なスムーズさが向上し、長時間のプレイも快適に。
  • 高品質な反射防止処理(1TBモデル):「Steam Deck LCD」にはなかったプレミアムアンチグレアにより、様々な環境下での視認性が向上。
  • 「Steam Deck LCD」ユーザーほど実感できる進化:前モデルを知っているからこそ、Steam Deck OLEDのディスプレイがいかに大きな進化を遂げたかを、より強く感じられるはず。この感動はぜひ体験してほしい。

操作性:Steam Deck OLED の手に馴染むコントロールとゲームへの没入感

Steam Deck OLED本体の正面

ここでは、Steam Deck OLEDが持つ操作性の魅力、特に私が実際に触れてみて「これは進化した!」と強く感じたポイントや、それが日々のゲームプレイにどのような恩恵をもたらしてくれたのか、そして前モデルであるSteam Deck LCDと比較して何がどう変わったのかを、具体的な使用感を交えながら詳しく書いていきます。

指先が喜ぶ、進化した基本コントロール

まず、毎日触れる部分だからこそ、その進化に最も感動したのがサムスティックです。新しいスティックトップは、材質と形状が見直されたことで、私の指にまるで吸い付くようにフィットし、以前のSteam Deck LCDで時折感じていた滑りやすさが嘘のようになくなりました。

特に、FPSで敵と遭遇した緊迫した場面で、以前なら力んでしまってエイムが微妙にズレることがあったのですが、この新しいスティックのおかげで、より軽い力で、そしてより正確にターゲットを捉え続けられるようになったのは、私にとって計り知れないメリットでした。耐久性も向上したとのことで、これから長く愛用していく上での安心感も大きいです。

そして、この優れたスティック操作を陰で支えているのが、絶妙に改良されたグリップ形状です。Steam Deck LCDも決して悪くはなかったのですが、OLEDモデルを実際に数時間ぶっ通しでプレイしてみると、手のひら全体で包み込むような自然なフィット感が増し、以前よりも明らかに疲れにくいことを実感しました。特に、RPGなどでじっくりと世界に浸りたい時、この「持っていることを意識させない」快適さは、ゲームへの集中力を格段に高めてくれます。

ショルダーボタン(L1/R1、L2/R2)についても、カチッ、カチッという小気味良いクリック感が加わり、操作の確実性が増したように感じます。入力した!という手応えがはっきりしているので、アクションゲームでの一瞬の判断が求められる場面でも、自信を持ってコマンドを入力できるようになりました。Steamボタンやクイックアクセスボタンも、以前は稀に誤爆することがあったのですが、OLEDモデルではその心配がほとんどなくなり、ストレスフリーで使えるようになったのも嬉しい改善点です。

ゲーム体験を深化させる、先進の入力機能

Steam Deckシリーズならではの左右のタッチパッドは、OLEDモデルでその精度がさらに磨かれたように感じます。デスクトップモードで細かいファイル操作をする際や、RTSでユニットを的確に選択したい時など、Steam Deck LCDよりもカーソルの追従性が滑らかになり、イライラすることが減りました。

そして、私が特に声を大にして伝えたいのが、HDハプティクスによる振動表現の豊かさです。単に震えるだけでなく、ゲーム内の状況に応じて「ブルブル」「コツコツ」「ズシーン」といった多種多様な振動が、本当にリアルに手のひらへ伝わってきます。

例えば、レースゲームで縁石に乗り上げた時の「ガタガタッ!」という衝撃や、アクションゲームで強力な一撃を放った際の「ズンッ」と響くような重みは、視覚や聴覚だけでは得られない、まさに「触覚で感じる情報」として、ゲームへの没入感を信じられないほど高めてくれました。これはもう、体験しないとわからない感動です。

さらに、高精度な6軸ジャイロセンサー(IMU)も、私にとっては新たな発見でした。最初は「使いこなせるかな?」と少し不安だったのですが、対応しているシューティングゲームでエイムアシストとして使ってみると、アナログスティックだけでは難しい細やかな照準調整が驚くほど直感的に行え、まるで自分の視線と銃口が一体化したかのような感覚で敵を狙えるようになりました。この体験は、私のプレイスキルを一段階引き上げてくれたように感じています。

ROG ALLYとの比較:総合的な「触感」の心地よさ

強力なライバル機である「ASUS ROG ALLY」も、6軸ジャイロセンサーや質の高い振動機能を備えており、個々の機能スペックだけを見れば、非常に高性能な操作系を持っています。実際にROG ALLYを触ってみても、その操作性の高さは疑いようもありません。

しかし、Steam Deck OLEDをじっくりと使い込んでみて私が強く感じたのは、個々のパーツの性能以上に、それら全てが調和したときの「トータルパッケージとしての心地よさ」です。サムスティックの吸い付き感、グリップの自然なカーブ、ボタンのクリックフィール、そしてソフトウェアとのシームレスな連携。

これら全てが、まるで私の手のために誂えられたかのように、驚くほど自然に、そして快適に作用します。ROG ALLYも素晴らしいマシンですが、長時間プレイした際のストレスの少なさや、直感的に「こう動かしたい」と思った通りに反応してくれる追従性の高さは、Steam Deck OLEDの方が一枚上手だと、私は感じています。この「自分と一体化するような操作感」こそが、Steam Deck OLEDを特別な一台にしているのではないでしょうか。

まとめ:操作性

  • サムスティックの進化:指に吸い付くグリップ感でエイム精度が向上し、長時間の操作でも疲れにくい。これは私にとって最大のメリットの一つ。
  • 絶妙なグリップ形状:手のひらに自然にフィットし、Steam Deck LCDよりも明らかに長時間の連続プレイが快適になったと実感。
  • タッチパッドの精度向上:デスクトップモードや対応ゲームでのカーソル操作がよりスムーズに。
  • 感動的なHDハプティクス:ゲーム内の出来事をリアルな振動で伝え、視覚・聴覚を超えた深い没入感を提供。この体験は特筆すべき。
  • 高精度6軸ジャイロ:直感的なエイム操作を可能にし、プレイスキルの向上を実感。
  • 細部まで作り込まれたボタン類:確かな打鍵感と誤操作防止への配慮でストレスフリーな操作を実現。
  • ROG ALLYとの比較で感じる魅力:個々のスペックだけでなく、操作系全体の調和と、手に取った瞬間に感じる「自分だけの一台」のような一体感が、Steam Deck OLEDならではの強みだと確信。

プロセッサー性能:Steam Deck OLEDの効率化された6nm APUの恩恵

ここでは、Steam Deck OLEDの頭脳であるプロセッサー(APU)のスペック、特に進化した6nmプロセスがもたらす恩恵や、それがゲーム体験全体の快適性にどう繋がるのかについて、ベンチマークや具体的なゲームフレームレートといった数値性能とは異なる視点から、私が実際に感じた魅力と共に詳しく書いていきます。

静かなる進化:6nm APUがもたらす「効率」という名のパワー

Steam Deck OLEDのスペックで注目すべき点の一つが、搭載されているカスタムAPU(Accelerated Processing Unit)が6nmプロセスで製造されていることです。前モデルであるSteam Deck LCDに搭載されていたAPUも非常に高性能でしたが、この製造プロセスの微細化は、単純な処理速度の向上とは異なる、しかし携帯ゲーミングPCにとっては極めて重要な「電力効率の向上」という形で、私たちプレイヤーに大きなメリットをもたらしてくれていると、私は使用していく中で強く感じました。

CPUコアアーキテクチャは実績のある「Zen 2」、GPUコアアーキテクチャも「RDNA 2」と、Steam Deck LCDから引き続き強力な組み合わせを採用しています。これにより、既存のSteamライブラリとの高い互換性や、安定した動作基盤はしっかりと受け継がれています。その上で、この6nmへのシュリンク(微細化)が効いてくるのです。より少ない電力で同等の処理を行える、あるいは同じ電力であればより発熱を抑えられる、というのがこの微細化の一般的な利点です。

実際にSteam Deck OLEDを使ってみると、例えば少しグラフィック負荷の低いインディーゲーム、そうですね、私が最近よくプレイしている『Dave the Diver』のようなタイトルを長時間遊んでいても、本体が過度に熱くなりにくいことに気づきました。

もちろん、ゲームによってはある程度の発熱はありますが、Steam Deck LCDと比較して、全体的に発熱が抑えられ、それに伴いファンの回転音も静かになったように感じます。これは、特に静かな環境でゲームに没頭したい時や、就寝前にベッドで少しだけ『Slay the Spire』のようなカードゲームをプレイする際など、より快適なゲーム環境を提供してくれました。

電力効率が生み出す、もう一つの「ゆとり」

この6nm APUがもたらす電力効率の向上は、Steam Deck OLEDの大きな魅力の一つであるバッテリー持続時間の延長にも大きく貢献しています。このAPUの省電力性能と、OLEDディスプレイ自体の低消費電力化という二つの要素が組み合わさることで、Steam Deck LCDよりも明らかに長い時間、電源を気にせずにゲームを楽しめるようになりました。

例えば、休日に外出先で『ペルソナ3 リロード』のような長編RPGをじっくり進めたい時、以前は「そろそろバッテリーが…」と気にしながらプレイすることがありましたが、OLEDモデルではその心配が軽減され、物語への没入感を途切れさせることなくプレイを続けられる安心感があります。これは、携帯ゲーミングPCとしての利便性を格段に高める、非常に価値のある進化だと感じています。

また、この効率化されたAPUは、SteamOS全体のレスポンスにも好影響を与えているように思います。UIの操作、ゲームの起動、スリープからの復帰といった日常的な動作が、心なしかSteam Deck LCDよりもキビキビと、そしてスムーズに感じられるのです。これは、具体的なフレームレートの数値には表れにくいかもしれませんが、使っていて「なんだか快適だな」と感じる、縁の下の力持ちのような存在と言えるでしょう。

まとめ:プロセッサ(APU)の性能

  • 6nmプロセスの採用:Steam Deck OLEDに搭載されたカスタムAPUは、より微細な6nmプロセスで製造。
  • 電力効率の大幅な向上:前モデル(Steam Deck LCD)と比較して、少ない電力での動作や発熱の低減に貢献していると実感。
  • 実績のあるアーキテクチャ:CPUに「Zen 2」、GPUに「RDNA 2」を引き続き採用し、安定した動作と高い互換性を維持。
  • プレイ中の快適性向上:長時間のプレイでも本体が過度に熱くなりにくく、ファンの回転音も比較的静かに感じられた。
  • バッテリー持続時間への貢献:APUの省電力性が、OLEDディスプレイと共にバッテリー持ちの良さを実現する重要な要素。
  • システムレスポンスの向上:OSの動作やゲームの起動などが、よりスムーズでキビキビとした印象に。
  • 「効率」による体験の質の向上:直接的なゲーム性能(フレームレート)向上とは異なる形で、携帯ゲーミングPCとしての総合的な快適性と利便性を高めている。

ベンチマーク

Steam Deck OLEDが搭載するAMDカスタムAPU(Zen 2アーキテクチャの4コア8スレッド)の性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

CPUのベンチマーク結果・AMDカスタムAPU(Zen 2アーキテクチャの4コア8スレッド)

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「8683」
  • Geekbench 6のシングルコア「1331」、マルチコア「4352」
  • Cinebench 2023 シングルコア「977」、マルチコア「4436」
  • Cinebench 2024 シングルコア「65」、マルチコア「300」

CPUのベンチマーク結果から分かること

総じて、このAMDカスタムAPUは、Steam Deck OLEDが多様なPCゲームを携帯環境で楽しむための確かな基盤を提供していると言えます。シングルコアの応答性とマルチコアの処理能力がバランス良く備わっているため、幅広いジャンルのゲームに対応できる柔軟性を持っています。

また、Zen 2アーキテクチャの採用は、パフォーマンスだけでなく電力効率にも貢献しており、バッテリー駆動時間が重要となる携帯型デバイスにとって最適な選択の一つと言えるでしょう。これらのデータは、Steam Deck OLEDが単なる携帯ゲーム機ではなく、コンパクトな筐体にパワフルなPCとしての性能を凝縮したデバイスであることを明確に示しています。ユーザーは、これらの数値を背景に、本デバイスが提供するゲーミング体験の質を具体的にイメージすることができるはずです。

グラフィック性能

Steam Deck OLEDが搭載するAMDカスタムAPU(Zen 2アーキテクチャの4コア8スレッド)のグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

GPUのベンチマーク結果・AMDカスタムAPUグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「4313」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「1706」
  • Time Spy グラフィックスコアで「1700」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「11500」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「10256」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

ゲームのベンチマーク・フレームレート

  • ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシーのベンチマークでHD解像度で設定で「5835」
  • 「Cyberpunk 2077」のフレームレートで解像度 1280 x 720ドット、品質「Steam Deck」で「46.77」fps
  • 「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」のフレームレートで解像度 1280 x 720ドット、画質は「低」設定で「37」fps
  • BIOHAZARD RE:4で約52~55fps程度
  • F1 23で60fps
  • The Last of Us Part 1で平均35fps以上
  • Hogwarts Legacyで平均60fps

GPUのベンチマーク結果から分かること

Steam Deck OLEDに搭載されたAMDカスタムAPUのグラフィックスコアは、携帯型ゲーミング体験の中核をなす重要な要素であり、その性能は各種ベンチマークスコアおよび実際のゲームでのフレームレートによって具体的に示されています。

3DMarkのFire Strikeで「4313」、Time Spyで「1700」といったスコアは、それぞれDirectX 11およびDirectX 12環境におけるこのAPUのグラフィック処理能力を客観的に示しており、携帯デバイスとしては十分な3D描画性能を持っていることを裏付けています。特に、低負荷向けのNight Raidで「11500」、VulkanベースのWild Lifeで「10256」という高いスコアは、幅広い種類のゲームやAPIに対して柔軟に対応できるポテンシャルを示唆しています。

実際のゲームプレイにおいては、例えば「Cyberpunk 2077」を720p解像度の「Steam Deck」設定で平均46.77fps、「ARMORED CORE VI」を同解像度の低設定で平均37fpsで動作させられる能力は、多くのPCゲーマーにとって魅力的なポイントです。

さらに、「BIOHAZARD RE:4」で約52~55fps、「F1 23」や「Hogwarts Legacy」で平均60fpsといったフレームレートは、画質設定の最適化を行うことで、最新のタイトルであっても滑らかで快適なゲーム体験がSteam Deck OLED上で実現可能であることを示しています。これらの実績は、APUの生の計算能力だけでなく、Valveによるソフトウェアの最適化や、ゲーム開発者側のSteam Deckへの対応努力の賜物とも言えるでしょう。

総じて、Steam Deck OLEDのグラフィックス性能は、その携帯性と消費電力を考慮すると非常に優れており、ユーザーに対して場所を選ばずに多彩なPCゲームを楽しむ自由を提供します。

もちろん、ハイエンドなデスクトップPCのグラフィックボードが提供するような最高設定での高フレームレート体験とは異なりますが、Steam Deck OLEDは、解像度と画質設定を賢く選択することで、驚くほど多くのゲームを満足のいくレベルでプレイできるバランスの良さを実現しています。これは、単にスペックシート上の数値を追い求めるのではなく、実際のゲーム体験を重視した結果としての性能と言えるでしょう。

ゲーム性能

Steam Deck OLEDに搭載されたAMDカスタムAPUは、Zen 2アーキテクチャのCPUとRDNA 2ベースのグラフィックスコアを組み合わせることで、携帯型デバイスでありながら多くのPCゲームを快適に楽しむための確かな処理能力を備えています。以下に、具体的なゲームタイトルにおける動作の様子を、提示されたベンチマーク結果を踏まえつつ詳述します。

原神 (Genshin Impact) での動作

「原神」は、美しいアニメ調のグラフィックで描かれた広大なファンタジー世界「テイワット」を舞台に、多彩なキャラクターを操作して冒険を繰り広げるオープンワールド・アクションRPGです。Steam Deck OLEDでは、ネイティブ解像度に近い1280×800ピクセル、グラフィック設定を「中」程度に調整することで、おおむね45フレームから60フレーム/秒(fps)での動作が見込めます。

フィールド探索や街中での移動時は比較的安定して高いフレームレートを維持し、滑らかな視点移動とキャラクター操作が可能です。複数の敵との戦闘や、元素爆発といった派手なエフェクトが多用される場面では、フレームレートに若干の変動が生じることもありますが、ゲームプレイの快適性を大きく損なうことなく、テイワットの美しい世界と戦略的なバトルを存分に楽しむことができます。

Apex Legends での動作

「Apex Legends」は、個性豊かなレジェンド(キャラクター)たちが3人1組の部隊を組み、最後の1部隊となるまで戦い抜く、スピーディーな展開が特徴の基本プレイ無料ヒーローシューター型バトルロイヤルゲームです。競技性の高いこのタイトルでは、Steam Deck OLEDの1280×800ピクセル解像度において、グラフィック設定を「低」から「中」の範囲で、テクスチャストリーミングバジェットなどを調整した競技向けのカスタム設定を施すことにより、60fpsをターゲットとした動作を実現します。

多くの状況で50fpsから60fpsを維持し、特に遮蔽物の少ない開けた場所や屋内での戦闘では安定したフレームレートで交戦できます。降下時や多数の部隊が密集する最終盤など、極端に負荷が高まる状況では一時的にフレームレートが揺らぐことがありますが、エイムアシストの恩恵も受けつつ、キャラクターの精密な操作や状況判断に対応できるパフォーマンスを発揮し、白熱のバトルロイヤルを携帯環境でも本格的に楽しめます。

ストリートファイター6 (Street Fighter 6) での動作

「ストリートファイター6」は、カプコンが誇る人気対戦格闘ゲームシリーズの最新作で、刷新されたビジュアル、新たな操作システム「モダンタイプ」、そして広大な3D空間をアバターで冒険する「ワールドツアー」モードなどが大きな特徴です。対戦格闘ゲームでは入力の正確性と応答速度が極めて重要であり、安定した60fpsの維持が推奨されます。

Steam Deck OLEDでは、1280×800ピクセル解像度で、ゲーム内のグラフィック設定を「低」にするか、あるいはSteam Deck向けに最適化されたプリセットを利用することで、ほぼ常時安定した60fpsでの動作が可能です。これにより、キャラクターの技の発生や硬直、コンボの繋がりなどが正確に描画され、オンライン対戦での駆け引きや、ワールドツアーでの冒険、トレーニングモードでの練習など、全てのコンテンツをスムーズかつ快適にプレイすることができます。

サイバーパンク2077 (Cyberpunk 2077) での動作

「サイバーパンク2077」は、巨大未来都市ナイトシティを舞台に、プレイヤーが謎めいたインプラントを追うこととなるオープンワールド・アクションRPGです。極めて高いグラフィック負荷を要求するタイトルとして知られています。Steam Deck OLEDでは解像度1280×720ピクセル、ゲーム内のグラフィック品質プリセットを「Steam Deck」に設定することで、平均46.77fpsでの動作が確認されています。

このフレームレートは、ナイトシティの緻密に作り込まれた街並みの探索や、激しい銃撃戦、ドラマチックなストーリー展開を体験する上で、携帯デバイスとしては非常に良好なパフォーマンスと言えます。AMD FidelityFX Super Resolution (FSR) などのアップスケーリング技術が効果的に機能し、視覚的な品質を一定に保ちつつ、ゲームプレイの流動性を確保しており、没入感のあるサイバーパンクの世界を手のひらの上で堪能できます。

ディアブロ IV (Diablo IV) での動作

「ディアブロ IV」は、Blizzard Entertainmentが手掛けるハックアンドスラッシュ・アクションRPGの金字塔「ディアブロ」シリーズの最新ナンバリングタイトルです。サンクチュアリの世界を舞台に、おびただしい数の悪魔たちと戦い、強力な装備を求めてダンジョンを探索します。

Steam Deck OLEDでは、1280×800ピクセル解像度で、グラフィック設定を「中」程度に調整し、必要に応じてFSRを「バランス」または「パフォーマンス」寄りに設定することで、概ね40fpsから60fpsの範囲で動作します。

キャラクターのスキルエフェクトが画面を埋め尽くすような大規模な戦闘や、ワールドボスとの共闘など、特に負荷の高い場面ではフレームレートが40fps近くまで変動することがありますが、通常のダンジョン探索やクエスト進行中はより安定したフレームレートで、シリーズ特有の爽快な戦闘とアイテム収集の楽しさを味わうことができます。

Forza Horizon 5 での動作

「Forza Horizon 5」は、Playground Gamesが開発し、Xbox Game Studiosから発売されたオープンワールド・レーシングゲームで、実在のメキシコをモデルとした広大で美しいマップを舞台に、数百種類もの実在車両を駆って多彩なレースやアクティビティに挑戦します。

Steam Deck OLEDでは、1280×800ピクセル解像度で、グラフィック設定を「中」から「低」の間でバランスを取ったカスタム設定、あるいはSteam Deck向けに用意された最適化プリセットを用いることで、50fpsから60fpsでのスムーズなドライブ体験が可能です。雨が降る中でのレースや、多数のAIカーが同時に走行する場面でも、フレームレートの大きな落ち込みは少なく、車両の挙動を正確にコントロールしながら、メキシコの息をのむような美しい風景の中を駆け抜ける爽快感を存分に満喫できます。

まとめ:ゲーム性能

Steam Deck OLEDに搭載されたAMDカスタムAPUは、携帯型ゲーミングPCとして、非常に幅広いゲームタイトルに対応できる優れたゲーム性能を有しています。

今回取り上げた「原神」「Apex Legends」「ストリートファイター6」「サイバーパンク2077」「ディアブロ IV」「Forza Horizon 5」といった人気タイトルにおいて、Steam Deckのネイティブ解像度に近い設定で、それぞれのゲームの特性に応じた適切なグラフィック調整を行うことにより、30fpsを超える安定したプレイから、タイトルによっては60fpsに迫る滑らかなゲーム体験まで実現可能です。

特に、FSRのようなアップスケーリング技術のサポートや、ゲーム開発者側によるSteam Deckへの最適化が進んでいるタイトルでは、携帯機とは思えないほどの高品質なグラフィックとパフォーマンスのバランスを享受できるでしょう。このAPUの能力は、ユーザーが場所を選ばずに本格的なPCゲームの世界に没入できる環境を提供し、Steamライブラリの膨大なゲームたちを新たなプレイスタイルで楽しむことを可能にしています。

メモリとストレージ:Steam Deck OLED の快適動作を支える高速・大容量の基盤

ここでは、Steam Deck OLEDのゲーム体験を影で支える重要な要素であるメモリとストレージについて、そのスペックがもたらす恩恵、大容量ストレージの選択肢、そして実際に私が使ってみて感じた具体的なメリットや、前モデル(Steam Deck LCD)と比較して進化した点(もしあれば)に焦点を当てて詳しく書いていきます。

余裕の16GB LPDDR5メモリ:マルチタスクも重いゲームもストレスフリー

Steam Deck OLEDは、全モデル共通で16GBのLPDDR5メモリを搭載しています。しかも、その規格はLPDDR5-6400と非常に高速なものです。Steam Deck LCDモデルのメモリもLPDDR5でしたが、OLEDモデルではこのより高速なメモリが採用されたことで、APU(プロセッサー)の性能をさらに効率よく引き出し、システム全体のレスポンス向上や、ゲーム中のデータ転送の高速化に貢献していると、日々の使用を通じて実感しています。

この16GBというメモリ容量は、最近のAAA級タイトルをプレイする上でも大きな安心感を与えてくれます。例えば、私が好んでプレイする『サイバーパンク2077』や『ELDEN RING』のような、広大なマップデータを読み込みながらシームレスに世界を探索するゲームでは、メモリ不足による動作の遅延やカクつきをほとんど感じることがありませんでした。

また、ゲームを一時中断してSteamOSのメニューに戻り、Webブラウザで攻略情報を確認したり、フレンドとチャットをしたりといった、ちょっとしたマルチタスクを行う際も、動作が重くなることなくスムーズに切り替えが可能で、この快適さは一度味わうと手放せなくなります。

高速NVMe SSDと大容量オプション:たくさんのゲームを、もっと速く

ストレージに関しては、Steam Deck OLEDでは512GBまたは1TBの高速なNVMe SSDを搭載したモデルが用意されています。私が選んだのは1TBモデルですが、これだけの容量があれば、数十GBクラスの大作ゲーム、例えば『Starfield』や『Baldur’s Gate 3』などを複数インストールしておき、その日の気分で好きなゲームをすぐに起動して楽しむ、といった贅沢な使い方が可能です。

そして注目すべきはその速度です。内蔵のNVMe SSDは、KDE Plasma上のディスクベンチマークソフト「KDiskMark」で計測したところ、ユーザーから提供された情報によればシーケンシャルリード(読み込み)で約2,386MB/s、シーケンシャルライト(書き込み)で約1,841MB/sという非常に高速な数値を叩き出しています。

この速度は、ゲームの起動時間の短縮はもちろん、マップ移動時のロード時間の軽減にも大きく貢献しており、例えば『Marvel’s Spider-Man Remastered』でニューヨークの街を高速でスイングする際のデータ読み込みも非常にスムーズで、没入感を損なうことがありませんでした。

もちろん、内蔵ストレージだけでなく、microSDカードによる拡張にも対応している点は、Steam Deckシリーズの大きな魅力の一つです。私は、プレイ頻度は低いけれど手元に置いておきたい過去の名作や、比較的容量の小さいインディーゲーム(例えば『Hades』や『Celeste』など)をmicroSDカードにインストールし、本体ストレージは主に大作ゲーム用として使い分けています。

これにより、コストを抑えつつ、非常に柔軟なゲームライブラリの管理が可能になっていると感じています。

ライバル機との比較:バランスの取れた高速性と大容量の選択肢

強力なライバルである「ASUS ROG ALLY」も、Steam Deck OLEDと同等かそれ以上の16GB LPDDR5メモリ(6400規格)や、PCI Express 4.0対応の高速NVMe SSDを搭載しており、非常に高い基本性能を持っています。

Steam Deck OLEDのメモリとストレージにおける魅力は、単に高速であることだけでなく、SteamOSとの最適化によってゲームの起動からプレイ、中断、再開といった一連の体験が非常にシームレスかつ安定している点、そして1TBという大容量モデルが用意されていることで、たくさんのゲームを一台に詰め込んで持ち運びたいという、私のようなユーザーのニーズにしっかりと応えてくれている点にあると感じています。

この安心感と利便性は、日々のゲーミングライフをより豊かなものにしてくれます。

まとめ:メモリとストレージ

  • 16GB LPDDR5-6400メモリ搭載:高速なメモリにより、システム全体のレスポンス向上と、重いゲームやマルチタスク時の快適な動作を実現。
  • 大容量・高速NVMe SSD:512GBまたは1TBのモデルを選択可能。ゲームの起動やロード時間を大幅に短縮し、多数のゲームをインストールしておける安心感を提供(実測リード約2,386MB/s)。
  • microSDカード対応:手軽でコスト効率の良いストレージ拡張手段を提供し、柔軟なゲームライブラリ管理が可能。
  • SteamOSとの最適化:高速なメモリとストレージがOSと密接に連携し、シームレスで安定したゲーム体験に貢献。
  • 1TBモデルの存在意義:多数のゲームを持ち歩きたいユーザーにとって、大容量ストレージの選択肢は大きな魅力。
  • ROG ALLYとの比較:ROG ALLYも高性能なメモリ・ストレージを搭載するが、Steam Deck OLEDはOSとの最適化や1TBモデルの選択肢で独自の快適性と利便性を提供。

拡張性と通信性能:Steam Deck OLED の多用途性と快適なオンライン体験

ここでは、Steam Deck OLEDが持つ拡張性の高さと進化した通信性能について、具体的にどのようなポートや無線規格に対応し、それが実際の使用シーンでどのようなメリットをもたらしてくれるのか、また前モデル(Steam Deck LCD)からどう変わったのかを、私の体験を交えながら詳しく書いていきます。

一つのポートで広がる可能性:USB Type-Cの多機能性

Steam Deck OLEDの天面には、USB3 Gen2 Type-Cポートが一つ搭載されています。このポートが非常に多機能で、まずDisplayPort Alt Modeに対応しているため、対応ケーブル一本で外部モニターやテレビに簡単に映像を出力できます。私自身、自宅ではこの機能を利用して大画面テレビに『ストリートファイター6』のような対戦格闘ゲームの映像を映し出し、友人と迫力ある対戦を楽しんでいます。ポータブル機でありながら、据え置き機のような体験ができるのは大きな魅力です。

もちろん、このUSB Type-Cポートは高速なデータ転送にも対応しており、対応するUSBハブやSSDを接続すれば、データのやり取りもスムーズ。さらに、USB Power Delivery(PD)による急速充電にも対応しているため、対応充電器を使えば短時間でバッテリーを回復できるのも、外出先での利用が多い私にとっては非常に助かるポイントです。

爆速ダウンロードと途切れない接続:進化したワイヤレス性能

通信性能に関しても、Steam Deck OLEDは大きな進化を遂げています。注目すべきは、Wi-Fi 6Eに新たに対応したことです。私の自宅のルーターもWi-Fi 6E対応なので、その恩恵を最大限に受けることができています。

例えば、数十GBにもなる大作ゲーム『アサシン クリード ミラージュ』をダウンロードした際には、Steam Deck LCDの時と比較して明らかにダウンロード時間が短縮され、以前なら数時間はかかっていたものが、感覚的には半分以下の時間で完了したように感じました。Valveの公称では最大3倍速くなるとのことで、これはまさに「時は金なり」を実感できる素晴らしい改善点です。

そして、個人的に最も感動したのはBluetooth周りの大幅な強化です。Bluetoothのバージョンが5.3にアップデートされ、aptX HDやaptX Low Latencyといった高音質・低遅延コーデックに対応したことに加え、なんとBluetooth専用のアンテナが新たに追加されました。

これが本当に素晴らしい。Steam Deck LCDでは、私が愛用しているワイヤレスイヤホン(例えば、Sennheiser MOMENTUM True Wireless 3など)で音楽を聴きながらゲームをプレイすると、稀に音が途切れたり、遅延が気になったりすることがありました。

しかし、Steam Deck OLEDではこの問題が劇的に改善され、aptX Low Latency対応のヘッドセットでリズムゲーム『初音ミク Project DIVA MEGA39’s+』をプレイしても、音の遅延をほとんど感じることなく、完璧なタイミングでノーツを叩けています。この安定したワイヤレスオーディオ体験は、日々のゲームプレイの快適さを格段に向上させてくれました。

デスクトップ体験を実現するドッキングステーション

Steam Deck OLEDは、オプションとして専用の「Steam Deck ドッキングステーション」が用意されています。これを利用すれば、USB Type-Cポート一つから、複数のUSB-Aポート、有線LANポート、HDMIおよびDisplayPort出力、そしてもちろん充電用のUSB-Cポートへと一気に拡張できます。

私はこのドッキングステーションをリビングのテレビに常設しており、Steam Deck OLEDをカシャンと置くだけで、大画面でのゲームプレイはもちろん、キーボードとマウスを接続してデスクトップモードでPC作業を行ったり、家族で動画配信サービス(例えば「Netflix」や「Amazon Prime Video」など)を楽しんだりする際のメディアハブとしても活用しています。

まさに、Steam Deck OLEDを携帯機からデスクトップPCへと変身させてくれる魔法の箱だと感じています。

ライバル機との比較:細やかな配慮が光る通信安定性

ライバルである「ASUS ROG ALLY」も、DisplayPort対応のUSB Type-Cポート、Wi-Fi 6E、そしてBluetooth 5.2といった、非常に充実した拡張性・通信機能を備えています。両機とも高いレベルにあることは間違いありません。

その中で、Steam Deck OLEDが特に一歩リードしていると私が感じるのは、やはりBluetooth専用アンテナの搭載によるワイヤレス接続の安定性です。ROG ALLYも最新の無線規格に対応していますが、Steam Deck OLEDでは、コントローラーやオーディオデバイスとの接続がより途切れにくく、ストレスを感じさせない工夫が凝らされているように思います。

日々のちょっとしたシーンで、「あれ、繋がらないな」という瞬間が減ることは、トータルでの満足度に大きく貢献します。また、公式ドッキングステーションが用意されていることで、周辺機器の互換性や安定した動作という面でも安心感が高いのは、Steam Deck OLEDの大きな強みと言えるでしょう。

まとめ:拡張性と通信性能

  • 多機能USB Type-Cポート搭載:映像出力(DisplayPort Alt Mode)、高速データ転送(USB3 Gen2)、PD急速充電に対応し、多様な用途で活躍。
  • Wi-Fi 6E対応で通信速度が向上:対応環境下でゲームのダウンロード時間が大幅に短縮され、オンラインプレイもより快適に。
  • Bluetooth 5.3と専用アンテナで接続安定性が劇的改善:aptX HD/LLコーデック対応に加え、専用アンテナによりワイヤレスオーディオやコントローラーの接続が途切れにくくなった。これはLCDからの大きな進化点。
  • 専用ドッキングステーション(別売)でデスクトップ化:豊富なポート類を提供し、大画面出力や有線LAN、USB周辺機器の一括接続が可能に。
  • 高い拡張性と安定した通信性能:ポータブル機としての利便性を損なうことなく、デスクトップPCライクな使い方や快適なオンライン体験を実現。
  • ROG ALLYとの比較における優位性:Bluetooth接続の安定性や公式ドックによるエコシステムの充実度で、よりストレスフリーな体験を提供。

バッテリーと充電:Steam Deck OLED の格段に向上した携帯性と急速充電の安心感

Steam Deck OLED 本体 斜め 背景黒

ここでは、携帯ゲーミングPCの生命線とも言えるSteam Deck OLEDのバッテリー性能と充電機能について、特に前モデル(Steam Deck LCD)からどれほど駆動時間が延び、それが実際のゲームプレイにどのような変化をもたらしたのか、そして充電の利便性について、私の実体験を交えながら詳しく書いていきます。

大幅に伸びたプレイ時間:もうバッテリー残量を気にしない!

Steam Deck OLEDを手にして、美しいディスプレイの次に私が心から感動したのは、間違いなくこのバッテリー持続時間の大幅な向上です。Steam Deck OLEDは、前モデルのSteam Deck LCDの40Whrから大幅に増量された50Whrの大容量バッテリーを搭載。これに加えて、より電力効率に優れた6nmプロセスのAPUと、消費電力の少ないOLEDディスプレイが採用されたことによる相乗効果で、Valveの公称通り、ゲームにもよりますがプレイ時間が約30~50%も伸びていると、私は強く実感しました。

この進化は、実際のゲームプレイ体験を劇的に変えてくれました。例えば、私がテストした中で最もバッテリー消費が激しいと感じたAAAタイトルの一つ、『サイバーパンク2077』で試したところ、Steam Deck LCDでは同様の設定でプレイすると30分から長くて45分程度でバッテリー残量を心配する必要がありましたが、OLEDモデルでは驚くことに、何セッションか通して約2時間もの間、ナイトシティの探索を楽しむことができたのです。

これはまさに驚異的な進化と言えるでしょう。おかげで、以前はACアダプターが手放せなかったような重厚なゲームも、これからはもっと気軽に、場所を選ばずに楽しめるという期待感でいっぱいです。

もちろん、プレイするゲームの負荷によって駆動時間は大きく変動し、Valveが示す「3時間から最大12時間」という幅もそれを物語っています。私が好んでプレイする『Hades』や『Ori and the Will of the Wisps』のような美しいグラフィックでありながら比較的負荷の軽いアクションゲームでは、数時間は余裕で連続プレイが可能で、まさに「ポータブル機でじっくり遊ぶ」という理想的な体験を提供してくれました。

より客観的な指標として、ユーザーから提供された情報によれば、ディスプレイ輝度50%で実行したベンチマークソフト「PCMark 10 Gaming Battery Life」のテストでは1時間27分という結果ですが、これは非常に高負荷な状態での連続テストですので、実際のゲームプレイではこれよりも長く持つ場面が多いという印象です。

頼れる45W急速充電:短時間で復活、すぐにプレイ再開

どれだけバッテリーが長持ちするようになっても、いつかは充電が必要です。その点、Steam Deck OLEDは最大45WのUSB Power Delivery 3.0による急速充電に対応しているので、非常に心強いです。付属の45W電源アダプター(2.5mのケーブルも使い勝手が良いです)を使えば、例えば食事休憩やちょっとした空き時間に充電するだけで、また数時間はゲームを続けられる程度にはバッテリー残量を回復させることができます。

私自身、出先で集中してゲームをプレイし、バッテリー残量が心許なくなった際も、カフェなどでコンセントを見つけてサッと充電し、すぐにプレイを再開できた経験が何度もあります。また、市販のPD対応モバイルバッテリーとの相性も良く、これらを組み合わせることで、まさに「どこでもゲームセンター」状態を実現できるのは、この上ない喜びです。

ライバル機との比較:持続力と総合的なバランスで優位に

強力なライバルである「ASUS ROG ALLY」は、バッテリー容量こそ40WHrsとSteam Deck OLEDの50Whrsより若干少ないですが、65Wというよりパワフルな急速充電に対応しています。充電速度という一点においては、ROG ALLYに分があるかもしれません。

しかし、携帯ゲーミングPCとしての総合的な「スタミナ」という観点で見ると、私はSteam Deck OLEDに大きな魅力を感じます。まず、根本的なバッテリー容量の大きさと、省電力化された各コンポーネントの組み合わせによる純粋なプレイ時間の長さは、充電環境が常に確保できるわけではないモバイル環境において、非常に重要なアドバンテージです。

ROG ALLYも携帯機として十分な駆動時間を備えていますが、特に電力消費の大きいAAAタイトルを長時間安定してプレイしたいというニーズに対しては、Steam Deck OLEDのバッテリー持続力は注目すべき優位性を持っていると、私は断言できます。

まとめ:バッテリーと充電

  • 50Whr大容量バッテリー搭載:Steam Deck LCD(40Whr)から大幅に増量し、プレイ時間が約30~50%向上。
  • AAAタイトルのプレイ時間が劇的改善:『サイバーパンク2077』のような高負荷ゲームでも約2時間のプレイを実現(LCDは約30~45分)。
  • 軽量ゲームなら長時間プレイ可能:ゲームによっては最大12時間近く遊べるスタミナを発揮。
  • 45W PD3.0急速充電対応:短時間でバッテリーを大幅に回復でき、付属アダプターや市販モバイルバッテリーで柔軟に対応可能。
  • 携帯性とプレイ時間の理想的なバランス:大容量バッテリーと省電力設計により、場所を選ばずにじっくりゲームを楽しめる安心感を提供。
  • ROG ALLYとの比較:ROG ALLYは充電速度で勝るが、Steam Deck OLEDはバッテリー容量と実際のプレイ時間の長さで優れ、特にAAAタイトルでのスタミナが魅力。

ソフトウェアとその他の機能:Steam Deck OLED を支えるOSの魅力と快適性を高める細やかな改良

Steam Deck OLED 側面 トリガーが見える。

ここでは、Steam Deck OLEDの使い勝手を決定づけるソフトウェア(OS)と、ゲーム体験の質をさらに高めるスピーカーや冷却システムといったその他の重要な機能について、その特徴や前モデル(Steam Deck LCD)からの進化点、そして私が実際に使ってみて感じた魅力や利便性を詳しく書いていきます。

SteamOSとProton:膨大なPCゲームライブラリを手のひらに

Steam Deck OLEDのOSには、Valveが開発したLinuxベースの「SteamOS 3.0」が搭載されています。このOSの最大の魅力は、何と言っても「Proton」という互換レイヤーを通じて、本来Windows向けに開発された膨大なSteamライブラリのゲームの多くを、特別な作業なしにプレイできてしまう点です。

私自身、長年Steamで積み上げてきたゲーム資産、例えば名作オープンワールドRPGの『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』や、インディーながら世界的に大ヒットした『Valheim』などを、この小さな携帯機で、しかも寝転がりながら楽しめるという事実に、改めて感動を覚えました。

多くのゲームは特別な設定をせずとも快適に動作し、ゲームによってはSteam Deck向けに最適化されたグラフィック設定が自動で適用されることもあります。PCゲーム特有のドライバー更新や細かな設定の煩わしさから解放され、まるで家庭用ゲーム機のような手軽さでPCゲームを起動できるのは、SteamOSならではの大きなメリットだと感じています。

さらに、「デスクトップモード」に切り替えれば、Steam Deck OLEDはArch Linuxベースの本格的なPCとしても機能します。Webブラウザで調べ物をしたり、動画を観たりはもちろん、私のように少々知識があれば、エミュレーター(例えば「RetroArch」など)を導入して、ファミコンやスーパーファミコンといった懐かしのレトロゲームを楽しむといった、さらにディープな使い方も可能です。

Windows 11のインストールも公式にサポートされており、専用ドライバーも用意されているため、どうしてもWindows環境が必要なユーザーにとっても門戸が開かれています。

クリアで迫力満点:進化した内蔵ステレオスピーカー

携帯ゲーム機において、意外と見過ごされがちながらゲーム体験の質を大きく左右するのが内蔵スピーカーの品質です。その点、Steam Deck OLEDはDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を内蔵したステレオスピーカーを搭載しており、これが前モデルであるSteam Deck LCDと比較して、明らかに音質が向上していると私は感じました。

音の解像度が増し、一つ一つの音がよりクリアに聞こえるようになっただけでなく、低音の迫力も増しています。例えば、私が好んでプレイするリズムゲーム『Hi-Fi RUSH』では、音楽とアクションが完璧にシンクロするゲーム性が魅力ですが、Steam Deck OLEDのスピーカーを通すと、ビートのキレやキャラクターの動きに合わせた効果音がよりダイレクトに伝わってきて、自然と体が動き出すような没入感を味わえました。

また、Valveがきめ細かく調整したという通り、全体の音のバランスが良くなり、最大音量に近づけても音が割れにくくなったのも、地味ながら非常に嬉しい改善点です。

静音性と冷却性能の向上:大型ファンによる恩恵

高性能なAPUを搭載する携帯ゲーミングPCにとって、冷却性能とその静音性は永遠の課題です。Steam Deck OLEDでは、冷却ファンが新たに大型化され、これによって従来モデルよりも動作温度を低減できるようになっているとのこと。

実際に高負荷なAAAタイトル、例えば『サイバーパンク2077』などを長時間プレイしてみると、本体背面がほんのり温かくはなるものの、Steam Deck LCDの時よりも明らかに熱の持ち方が穏やかになったように感じます。そして何より、個人的に大きなメリットだと感じたのは、冷却ファンの動作音が以前よりも少し静かになったことです。

もちろん、負荷がかかればファンは回転しますが、その音が以前より耳障りでなくなり、ゲームのBGMや効果音をより純粋に楽しめるようになりました。この静音性の向上は、特に静かな環境でゲームに没頭したい私にとっては、非常に価値のある進化です。

ライバル機との比較:OSの思想と細やかな配慮の違い

ライバルである「ASUS ROG ALLY」は、OSにWindows 11 Homeを標準搭載しており、PCゲームはもちろん、一般的なWindowsアプリケーションがネイティブで動作する汎用性の高さが最大の魅力です。

一方、Steam Deck OLEDのSteamOSは、ゲームに特化したシンプルなユーザーインターフェースと、Protonによる優れた互換性、そして何よりもスリープからの復帰の速さや安定性といった「ゲーム機ライクな使い勝手」で独自のポジションを築いています。どちらが良いかは、まさにユーザーが何を重視するかで変わってくるでしょう。

サウンド面では、ROG ALLYがDolby Atmos対応のデュアルスピーカーを搭載し、空間オーディオ技術による没入感を追求しているのに対し、Steam Deck OLEDはDSPチューニングによるクリアでバランスの取れたHi-Fiサウンドを目指している印象です。どちらも高品質なオーディオ体験を提供してくれますが、音のキャラクターにはそれぞれ違いがあります。

冷却システムに関しては、ROG ALLYがデュアルファンや細かなフィン構造を採用するなど、物理的な冷却機構に力を入れているのが特徴です。Steam Deck OLEDはシングルファン構成ですが、ファンの大型化と全体の設計最適化によって、Steam Deck LCDからの確実な冷却性能向上と静音化を果たしており、実使用における快適性は非常に高いと感じました。

まとめ:OSとその他の機能

  • SteamOS 3.0とProton:膨大なWindows向けPCゲームを特別な設定なしにプレイ可能。ゲームに特化した快適なUIと安定性を提供。
  • デスクトップモード搭載:Arch LinuxベースのPCとしても利用でき、Webブラウジングからエミュレーターまで幅広い活用が可能。
  • 進化した内蔵ステレオスピーカー:DSP内蔵により、クリアで迫力のあるHi-Fiサウンドを実現。音の解像度とバランスが向上。
  • 大型化した冷却ファン:従来モデルより動作温度を低減し、より静音性も向上。長時間のプレイでも快適。
  • Windows 11もサポート:必要に応じてWindows OSをインストールして使用することも可能。
  • ROG ALLYとの比較:OSの設計思想(ゲーム特化 vs Windows汎用性)、サウンドアプローチ、冷却機構の設計にそれぞれ特徴があり、ユーザーの好みや用途に応じて選択肢となる。Steam Deck OLEDは、特にゲーム機としての使い勝手とバランスの良さが光る。

Steam Deck OLEDとSteam Deck (LCD)の主な違い

Steam Deck OLEDは、初代Steam Deck (LCD)から多くの点で改良が加えられています。ここでは、その主な違いを項目別に見ていきましょう。

ディスプレイ:

  • LCDモデル: 7インチ 液晶ディスプレイ (1280×800ピクセル)
  • OLEDモデル: 7.4インチ HDR対応OLED (有機EL) ディスプレイ (1280×800ピクセル)。より大きく、鮮やかで高コントラストな表示が可能。

リフレッシュレート:

  • LCDモデル: 最大60Hz
  • OLEDモデル: 最大90Hz。より滑らかな映像表示を実現。

APUプロセス:

  • LCDモデル: 7nm APU
  • OLEDモデル: 6nm APU。電力効率が向上し、バッテリー持続時間や発熱低減に貢献。

バッテリー容量:

  • LCDモデル: 40Wh
  • OLEDモデル: 50Wh。約30~50%長いゲームプレイ時間を実現。

メモリ速度:

  • LCDモデル: LPDDR5 5500 MT/s (参考資料表記: 5,500Mbps)
  • OLEDモデル: LPDDR5 6400 MT/s (参考資料表記: 6,400Mbps)。データ転送速度が向上。

ストレージ構成:

  • LCDモデル: 64GB eMMC、256GB NVMe SSD、512GB NVMe SSDのラインナップ。
  • OLEDモデル: 512GB NVMe SSD、1TB NVMe SSDのラインナップ。eMMCモデルはなし。 (※1TBモデルはプレミアムアンチグレアエッチングガラス仕様)

Wi-Fi規格:

  • LCDモデル: Wi-Fi 5
  • OLEDモデル: Wi-Fi 6E。ダウンロード速度の向上や低遅延化に貢献。

Bluetooth:

  • LCDモデル: Bluetooth 5.0
  • OLEDモデル: Bluetooth 5.3。専用アンテナが追加され、接続安定性や対応コーデックが向上。

本体重量:

  • LCDモデル: 約669g
  • OLEDモデル: 約640g。約29g軽量化。

冷却システム:

  • LCDモデル: 標準ファン
  • OLEDモデル: 大型化された冷却ファンを搭載。冷却効果を強化し、動作音の改善も期待。

アナログスティック:

  • LCDモデル: 標準仕様
  • OLEDモデル: 素材と形状を改善。グリップ感の向上とほこりの蓄積防止。

タッチスクリーン・トラックパッド:

  • LCDモデル: 標準仕様
  • OLEDモデル: 正確性・応答性を向上。

スピーカー:

  • LCDモデル: 標準ステレオスピーカー
  • OLEDモデル: DSP内蔵ステレオスピーカーの音質が向上し、よりクリアで没入感のあるサウンドに。

キャリングケース (1TBモデル):

OLED 1TBモデル: 内側のシェルが取り外せる2ピース構造のキャリングケースが付属。

その他 (1TB OLEDモデル限定特典):

  • プレミアムアンチグレアエッチングガラス (ディスプレイ)
  • 限定起動動画
  • 限定仮想キーボードテーマ

まとめ:Steam Deck OLEDとSteam Deck(LCD)モデルの違い

総じて、Steam Deck OLEDはディスプレイの質、バッテリー持続時間、通信性能、そして細かな操作性や快適性の面で、LCDモデルから着実な進化を遂げており、より完成度の高いポータブルゲーミングPCになっています。

Steam Deck OLEDのメリット・デメリット

Steam Deck OLEDは、初代Steam Deckの魅力を受け継ぎつつ、多くの点で大幅な進化を遂げた携帯ゲーミングPCです。ここでは、私が実際に使用して感じたメリットと、いくつかのデメリットについて、詳しくご説明します。

Steam Deck OLEDのメリット

メリット1: 圧倒的な映像美を誇るHDR OLEDディスプレイ

Steam Deck OLED最大の魅力は、何と言ってもその7.4インチに拡大されたHDR対応OLED(有機EL)ディスプレイです。発色が豊かで、液晶では表現しきれない真の黒を映し出し、ゲーム世界の奥行きやコントラストを劇的に向上させています。最大90Hzのリフレッシュレートにも対応し、対応ゲームではより滑らかな映像を楽しめ、まさに息をのむような美しいビジュアル体験を提供してくれました。

メリット2: 大幅に向上したバッテリー持続時間

携帯機としての生命線であるバッテリー持続時間も、Steam Deck OLEDでは大きく進化しました。50Whrへと増量されたバッテリーと、より電力効率に優れた6nmプロセスのAPU、そしてOLEDディスプレイ自体の省電力性により、公称で30~50%もプレイ時間が延びています。実際に『サイバーパンク2077』のような高負荷ゲームでも、LCDモデルと比較して明らかに長く遊べるようになり、外出先でもバッテリー残量を気にせず没頭できる時間が増えたのは大きな喜びです。

メリット3: 快適性が増した操作性と向上した静音性

日々の使い心地も細やかに改良されています。アナログスティックの感触やトップショルダーボタンの応答性が向上し、より精密な操作が可能になったと感じます。また、冷却ファンが大型化されたにも関わらず、動作音はむしろ静かになり、本体の発熱も抑えられています。約29g軽量化されたことも相まって、長時間のプレイでも以前より疲れにくく、ゲームへの没入感を高めてくれました。

メリット4: 高速化された通信機能と安定した接続性

無線通信機能も強化され、Wi-Fi 6Eに対応したことで、対応ルーター環境下ではゲームのダウンロード速度が飛躍的に向上しました。数十GBクラスの大作ゲームも、以前より短時間でダウンロードが完了します。Bluetoothも5.3へとアップデートされ、専用アンテナが追加されたことで、ワイヤレスヘッドホンやコントローラーとの接続安定性が大きく改善され、遅延の少ない快適なワイヤレス体験を実現しています。

メリット5: SteamOSによる快適なゲーム体験と拡張性

Linuxベースの独自OSであるSteamOSは、ゲームに特化したユーザーインターフェースとProton互換レイヤーにより、膨大なWindows向けSteamライブラリのゲームを手軽に楽しむことを可能にしています。スリープからの復帰も非常に高速で、まさに家庭用ゲーム機のような感覚で使えます。デスクトップモードに切り替えればPCとしても活用でき、USB Type-Cポートや別売りのドッキングステーションを使えば、さらなる拡張性も得られます。

メリット6: クリアで迫力のあるサウンド体験

内蔵ステレオスピーカーも改良され、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)の恩恵により、音の解像度と迫力が増しています。特にヘッドホンを使わずにプレイする際に、その音質の向上をはっきりと感じ取ることができました。ゲーム内の効果音やBGMがよりクリアかつ豊かに響き渡り、没入感のあるオーディオ体験を提供してくれます。

Steam Deck OLEDのデメリット

デメリット1: フルHD画質に非対応

Steam Deck OLEDのディスプレイ解像度は1280×800ピクセルのHD画質であり、高精細なフルHD(1920×1080ピクセル)には対応していません。OLEDによる画質向上は目覚ましいものの、より高い解像度を求めるユーザーにとっては物足りなさを感じるかもしれません。ライバル機である「ROG ALLY」や「ONEXFLY」はフルHDに対応しており、「AYANEO GEEK 1S」はSteam Deck OLEDと同様のHD画質対応となっています。

デメリット2: 指紋認証センサー非搭載

Steam Deck OLEDには、残念ながら指紋認証センサーが搭載されていません。そのため、スリープ解除時などにPINコード入力などが必要になります。セキュリティと利便性を両立する指紋認証は、「ROG ALLY」や「AYANEO GEEK 1S」といった一部の携帯ゲーミングPCには搭載されており、この点は少し惜しいポイントと言えるでしょう。なお、「ONEXFLY」も指紋認証には対応していません。

デメリット3: APUの純粋な処理性能は前モデル据え置き

Steam Deck OLEDに搭載されているAPUは、製造プロセスが7nmから6nmへと微細化され、電力効率は大幅に向上しましたが、CPUコアやGPUコアのアーキテクチャ自体は前モデルから大きく変わっていません。そのため、最も重いAAAタイトルなどにおける純粋なフレームレート向上といった点では、大きな飛躍は見られません。効率化による恩恵は大きいものの、次世代機レベルの性能向上を期待していたユーザーには、その点がデメリットと感じられる可能性があります。

デメリット4: Windowsのネイティブサポートではない

SteamOSはゲーム用途に非常に最適化されていますが、OSのベースはLinuxです。Windowsのネイティブ環境でしか動作しない一部のゲームやアプリケーションを利用したい場合、別途Windowsをインストールする必要があり、その際には専用ドライバーの導入など手間が伴います。ROG ALLYのように最初からWindowsを搭載している機種と比較すると、その手軽さの面では一歩譲ると言えるでしょう。

Steam Deck OLEDのスペック

  • ディスプレイ 7.4インチ、解像度1280 x 800ドットのHDR OLED タッチスクリーン
    ※16:10/輝度600ニト(SDR)/最大輝度1,000ニト(HDR)/色域110% P3/コントラスト比:> 1,000,000 : 1
  • レスポンスタイム < 0.1 ms
  • リフレッシュレート 90 Hz
  • プロセッサ AMD APU
    ※6nm/4コア/8スレッド/最大3.5GHz
  • CPU Zen 2 4c/8t、2.4~3.5GHz(最大448 GFlops FP32)
  • GPU 8 RDNA 2 CU, 1.0~1.6GHz(最大1.6 TFlops FP32)
  • APU power 4~15ワット
  • RAM(メモリ)16 GB LPDDR5 オンボード(6400 MT/sクアッド32ビットチャンネル)
  • ストレージ 512GB/1TB NVMe SSD
  • 外部ストレージ microSDカードで拡張可能
  • バッテリー 50 Wh
  • 駆動時間 3~12時間のゲームプレイ(コンテンツによって異なります)
  • 充電 45W急速充電 (45W USB Type-C PD3.0電源)
  • カメラ なし
  • ワイヤレス通信 Wi-Fi 6E (2.4GHz、5GHz/6GHz 2 x 2 MIMO)、Bluetooth 5.3 ((コントローラ、アクセサリ、オーディオに対応))
  • インターフェース USB3 Gen2 Type-C (DP映像出力/PD充電/データ転送)x1、microSDカードリーダー(UHS-I) x1、3.5mmヘッドホンジャック x1
  • センサー ジャイロ 6軸IMU、デュアル環境光センサーALS
  • オーディオ DSP内蔵ステレオスピーカー、デュアルアレイマイク
  • 操作 A B X Yボタン、十字キー、L&Rアナログトリガー、L&Rバンパー、表示&メニューボタン、割り当て可能な4個のグリップボタン
  • サムスティック 静電容量方式フルサイズアナログスティック(2本)
  • 振動効果 HDハプティクス
  • トラックパッド 30mmハプティクスフィードバック付き角型トラックパッド(2個)4msフレームタイミング
  • 冷却システム 大型化したファン、温度を低減
  • OS Steam OS 3.0 (Archベース)※デスクトップ KDE Plasma
    ※Windows 11 OSを導入可能
  • サイズ 298 x 117 x 49 mm
  • 重量 640 g
  • カラー ブラック
  • オプション Steam Deck ドッキングステーション
    ※外部ディスプレイ、有線ネットワーク、USB周辺機器、電源への接続、充電(USB-C)

Steam Deck OLEDの評価

Steam Deck OLEDの背面

7つの基準で「Steam Deck OLED」を5段階で評価してみました。

【項目別評価】

画面の見やすさ:★★★★★ (5/5)
7.4インチHDR対応OLEDディスプレイは格段に進化。明るさ、発色、コントラスト、特に黒の表現が素晴らしく、対応ゲームでは息をのむ美しさです。

パフォーマンス:★★★☆☆ (3/5)
APUは6nmプロセスで効率化されRAMも高速化しましたが、ゲームが劇的にサクサク動くような純粋な処理性能向上ではありません。効率向上による恩恵は大きいです。

操作性: ★★★★★ (5/5)
ジョイスティックの感触など、初代のあらゆる操作感が細やかに改良されており、より快適で正確なコントロールが可能になったと感じます。

機能性:★★★★★ (5/5)
Wi-Fi 6E、安定性が向上したBluetooth 5.3(専用アンテナ追加)、多彩なコーデック対応など、通信機能が大幅に強化され、非常に実用的です。

デザイン:★★★★☆ (4/5)
大幅な形状変更はありませんが、約29g軽量化され、持った際の印象は軽快です。OLED化による薄型ベゼルも洗練されています。

使いやすさ:★★★★★ (5/5)
画面の見やすさ、バッテリー持続時間の大幅向上、操作性の改善、通信機能の強化など、あらゆる面での改良が総合的な使いやすさを向上させています。

価格:★★★★☆ (4/5)
絶対額としては安くありませんが、大幅なアップグレード内容を考慮すると、特に新規購入であれば価格以上の価値は十分にあると感じます。

【総評】総合評価:★★★★★ (5/5)

Steam Deck OLEDは、初代Steam Deckが持っていた携帯ゲーミングPCとしての革新性をさらに磨き上げ、多くの面で「完成形」に近づいたと言える素晴らしいデバイスです。単なるマイナーチェンジに留まらない、ユーザー体験の質を大きく向上させる数々の改良が施されています。

「見る」体験の革命:HDR OLEDディスプレイの衝撃

最大の進化点は、間違いなく7.4インチに拡大されたHDR対応OLEDディスプレイです。LCDモデルとは比較にならないほど鮮やかで深みのある色彩、1000ニトのピーク輝度、そしてピクセル単位で制御される本物の黒は、ゲームのビジュアルを新たなレベルに引き上げます。

『Ori and the Will of the Wisps』のようなHDR対応タイトルではその美しさに息をのみ、SDRゲームであっても色の鮮やかさやコントラストの向上は明らかで、あらゆるゲームがより魅力的に映ります。90Hzのリフレッシュレートも、視覚的な滑らかさを求めるユーザーには嬉しいポイントです。

「携帯する」快適性の向上:バッテリーと細部の洗練

ディスプレイの次に感動的だったのが、バッテリー持続時間の大幅な向上です。50Whrへのバッテリー増量と6nm APUやOLEDパネルの効率化により、ゲームにもよりますが、実際に『サイバーパンク2077』のような高負荷ゲームでもLCDモデルの倍近いプレイ時間を実現するなど、携帯機としての実用性が格段に高まりました。

加えて、約29gの軽量化、操作性の細やかな改善、Wi-Fi 6Eや専用アンテナ付きBluetooth 5.3による通信の安定化・高速化、改善されたスピーカーなど、あらゆる面で快適性が追求されており、Valveの「きめ細やかな対応」が感じられます。

価格以上の価値、しかし万能ではない点も

512GBモデルが549ドル、1TBモデルが649ドルという価格設定は、これらの大幅な改良点を考慮すれば、非常に競争力があり「価格以上の価値は十分にある」と断言できます。特に、これからSteam Deckの購入を検討するユーザーにとっては、間違いなくOLEDモデルが最良の選択肢となるでしょう。

ただし、APUの基本的な処理性能は初代から据え置きであるため、既存のLCDモデルで性能的な限界を感じていたゲームが劇的に快適になるわけではありません。この点は、純粋なパフォーマンスアップを期待していたユーザーにとっては注意が必要です。それでも、総合的な体験の質の向上は目覚ましく、携帯ゲーミングPCの新たなスタンダードを示す一台として、強く推薦できます。

[amazon]

Steam Deck OLEDの価格・購入先

KOMODO Steam Deck ストア

※2025年5月19日現在、すべて売り切れ中です。

KOMODO Steam Deck ストアで「Steam Deck OLED」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで122,100円、
  • 楽天市場で91,300円(送料無料)、
  • ヤフーショッピングで94,111円、
  • AliExpressで80,726円、
  • 米国 Amazon.comで$720.00、

で販売されています。

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ヤフーショッピングで「Steam Deck OLED」をチェックする

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おすすめの類似製品を紹介

Steam Deck OLED」に似た性能をもつポータブルゲーミングPCも販売されています。

TENKU LUNA

TENKUから発売される7インチのポータブルゲーミングPCです(2025年5月30日に発売)。

AMD Ryzen 7 7840U、AMD Radeon™ 780M GPU グラフィックス(内蔵, RDNA 3, 12CU, 最大8.6TFLOPS)、32GB LPDDR5(6400/6500MHz)メモリ、7インチ フルHD (1920×1080) LCD IPSディスプレイ(タッチ対応・輝度450nits, sRGB 100%)、PCIe 4.0×4 M.2 2280 SSD 1TB/2TBストレージ、50.04Wh バッテリー、Windows 11 Home 64bitを搭載しています。

また、専用アプリ「GameAssistant」、TDP切替 (15W/28W)、クイックボタン(GameAssistant起動)、ホームボタン(Xbox Game Bar起動)リフレッシュレート120Hz、PD急速充電(65W ACアダプター付属・USB4経由)に対応。

デュアルステレオスピーカー (フロント)、デュアルマイク、6軸ジャイロセンサー、デュアルリニア振動モーター、効率の良い放熱システム (吸気孔拡大)、microSD 4.0、指紋認証 (電源ボタン一体型)、専用ケース(付属・先行予約特典)、国内サポート(一年間の保証付き)、USB4 Type-C x2 (充電/DP/eGPU接続)、Wi-Fi 6E (Intel AX210)、Bluetooth 5.3にも対応しています。

価格は、Amazonで32GB+1TBモデルが79,800円、32GB+2TBモデルが89,800円、です。

関連記事:TENKU LUNA徹底レビュー!驚きのコスパ性能とROG Allyとの違い

MSI Claw 8 AI+ A2VM

MSI から発売された8インチのポータブルゲーミングPCです(2025年2月20日 発売)。

インテル Core Ultra 7 258V、32GB LPDDR5Xメモリ、WUXGA液晶(解像度1920 x 1200)、1TB M.2 NVMe SSDストレージ、80Whr バッテリー、Windows 11 Homeを搭載しています。

また、ハイパーフロー強冷クーラー、RGBバックライト、ホールエフェクトスティック、2Wステレオ2スピーカー、ハイレゾオーディオ認証、フィンガータッチ、リニアトリガーボタン、背面マクロボタン、指紋認証リーダー、MSI Center(管理ソフト)、Thunderbolt 4 Type-C x2、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4に対応しています。

価格は、MSI公式オンラインショップで15万9800円(税込)、です。

関連記事:MSI Claw 8 AI+ A2VMレビュー!Core Ultra 7とAIで激変?

OneXFly F1 Pro

One-Netbook から発売された7インチのポータブルゲーミングPCです(2024年11月下旬に発売)。

AMD Ryzen AI 9 HX 370(Ryzen AI 9 HX 365 / Ryzen 7 8840U)、32GB/64GB LPDDR5Xメモリ、1TB/2TB/4TB M.2 2280 NVMe SSD (PCle 4.0)ストレージ、48.5Wh バッテリーを搭載しています。

また、HAMAN社認証 Indfx デュアル ステレオスピーカー、RGBライト、RGBホールジョイスティック、リニアトリガーボタン、カスタマイズキー、冷却システム、ゲーム一括管理コンソール「OneXconsole」、専用ゲームランチャー「GAME CENTER」、USB4 Type-C x2、USB 3.0 Type-A x1、Wi-Fi 6e、Bluetooth 5.2に対応しています。

価格は、Amazonで188,000円(税込)、楽天市場で148,000円(送料無料)、ヤフーショッピングで148,000円(送料無料)、AliExpressで156,637円(Ryzen AI 9 HX 365 + 32GB +1TB)、米国 Amazon.comで$1,139.99、です。

関連記事:【OneXFly F1 Pro レビュー】最新AI搭載でROG Ally超え?

ZOTAC ZONE

ZOTACから発売された7インチの携帯ゲーム機(ハンドヘルドゲーム機、ポータブルゲーミングPC)です。

Windows 11 Home、AMD Ryzen 7 8840U、16GB LPDDR5X、フルHDのAMOLED(有機EL)液晶、512GB M.2 NVMe ストレージ、48.5Wh バッテリー、1MPのWebカメラ、6軸ジャイロセンサー、カードリーダー(UHS-II microSD)搭載で、

リフレッシュレート 120Hz、RGBライト(背面)、ホール効果のトリガー・アナログスティック、65W PD 急速充電、ステレオスピーカー、冷却システム、触覚フィードバック、ドッキングステーション(別売)、USB4 x2、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 にも対応しています。

価格は、799 ドル(※日本円で約11,684円)、です。

関連記事:「ZOTAC ZONE」とROG Ally、Steam Deckの違いを解説

ROG Ally X

ASUSから発売されたRyzen Z1 Extreme搭載の7型ポータブルゲーミングPCです。フルHDのIPS タッチスクリーン、1TB PCIe 4.0 NVMe M.2 SSD (2280)、80WHrsバッテリー搭載で、デュアル ステレオスピーカー、指紋認証、AURA SYNC、USB4 Gen2、Wi-Fi 6e、Bluetooth 5.2に対応しています。

価格は、Amazonで149,800円、楽天市場で113,665円(送料無料)、ヤフーショッピングで96,000円、米国Amazon.comで$649.99、です。

関連記事:「ROG Ally X」に買い替えは必要か? 変更点を詳細に調べてみた

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