GMKtec EVO-X2徹底レビュー!EVO-X1比較と性能・価格を評価

GMKtec EVO-X2 本体 背景が黒で赤く光る
ミニPCに新たなフラッグシップモデル「GMKtec EVO-X2」が登場しました。これまでの常識を覆すほどの圧倒的なパフォーマンスと最先端技術をそのコンパクトな筐体に凝縮し、ミニPCの可能性を大きく広げる一台として、早くも大きな注目を集めています。EVO-X2はすでに予約販売が開始されており、製品の出荷は5月27日を予定しています。

次世代性能がもたらす圧倒的体験

GMKtec EVO-X2の最大の魅力は、新たに搭載された最新鋭のAMD Ryzen AI Max+ 395プロセッサです。16コア32スレッドという強力なCPUに加え、統合型とは思えないほどの高性能を誇るRadeon 8060Sグラフィックス、そして業界最高クラスの速度を持つLPDDR5X 8000MHzメモリ が組み合わさり、要求の厳しいゲームやプロフェッショナルなクリエイティブワーク、さらには高度なAIタスクまで、あらゆる場面で驚異的な処理能力を発揮します。

ローカルAIと静音性の両立

さらに、最大126 TOPSという革新的なAI処理能力により、クラウドに頼らないローカルでのAI活用も現実のものとしています。これだけの高性能を発揮しながらも、進化した冷却システム「Max3.0 Airflow System」によって、高負荷時でも驚くほどの静音性を実現している点も見逃せません。性能と快適性を見事に両立させているのです。

その他にも魅力が満載

その他にも、高速データ転送や8K映像出力も可能なデュアルUSB4ポートやより低遅延・高安定な通信を実現する最新のWi-Fi 7、カスタマイズ可能なRGBライティングに対応するなど、魅力が満載です!

この記事で徹底解剖

この記事では、そんな大注目のミニPC「GMKtec EVO-X2」について、その性能や機能を徹底的に深掘りし、実際のベンチマーク結果や使い勝手、デザインに至るまで詳細にレビューします。

特に、多くのユーザーが気になるであろう前モデル「GMKtec EVO-X1」との違いに焦点を当て、スペック、サイズ、接続性、そして価格など、あらゆる観点から比較しその進化と違いを明らかにしていきます。果たしてEVO-X2は、EVO-X1からどれほどの進化を遂げたのか、その実力に迫ります。

この記事で分かること

  1. GMKtec EVO-X2の詳細なスペックと特徴
  2. 実際の性能を示すベンチマーク結果(CPU/GPU/ゲーム)
  3. 前モデルGMKtec EVO-X1との徹底比較
  4. 他の競合ミニPC(MINISFORUM AI X1 Pro, Beelink GTi14など)との比較(メリット・デメリット)
  5. どのようなユーザーにおすすめか、最終的な評価
  6. 価格と購入方法

この記事を読むことで、「GMKtec EVO-X2」があなたにとって本当に必要な一台なのか、購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。高性能ミニPCの購入を検討している方、特にEVO-X2に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この製品の購入はこちら→ Amazon リンク

公式ページ:EVO-X2 AMD Ryzen™ Al Max+ 395 ミニPC

価格をチェック!GMKtec EVO-X2は他のミニPCより安い?

GMKtec EVO-X2 本体 上部

GMKtec EVO-X2は、GMKtec公式サイト64GB RAM + 1TB SSDモデルが1,499ドル(約217965円)、128GB RAM + 2TB SSDモデルが1,999ドル(約290668円)で販売されています。いずれも先行販売価格になります。

一方、ECサイトのAmazonではクーポン適用で実質224,990円(64GBメモリ+1TB)で発売中!楽天市場(319,990円・送料無料)でも購入できます。

GMKtec EVO-X1

2024年12月20日に発売された「GMKtec EVO-X1」はAmazonでクーポン適用で実質131,000円で販売中です。こちらは、AMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサ を搭載し、AI処理能力を備えた高性能ミニPCです。高速なLPDDR5X 7500MHzメモリ とPCIe 4.0 SSD を組み合わせ、快適な動作を実現します。

8K解像度での3画面同時出力 に対応し、Oculinkポート による外部GPU接続も可能です。最大8TBまでのストレージ拡張性 や、デュアル2.5G LAN 、WiFi 6 など、豊富な接続性も魅力。コンパクトながらパワフルな性能と拡張性を求めるユーザーに最適です。

MINISFORUM AI X1 Pro

2025年4月に発売された「MINISFORUM AI X1 Pro」はAmazonでクーポン適用で実質149,584円で販売中です。こちらは、最新のAMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサ を搭載し、高度なAI処理を実現するミニPCです。最大96GBのDDR5メモリと合計12TBものPCIe 4.0 SSD を搭載可能で、驚異的な拡張性を誇ります。

OCuLink による外部GPU接続や、8K含む4画面出力 に対応。Wi-Fi 7 やデュアル2.5G LAN 、Copilotボタン 、指紋認証 など、最先端の機能を満載し、プロフェッショナルな要求に応えます。

Beelink GTi14

2025年2月に発売された「Beelink GTi14」はAmazonで155,999円で販売中です。こちらは、Intel Core Ultra 9 185Hプロセッサ を搭載し、強力な処理性能とAI機能 を両立したミニPCです。内蔵のIntel Arcグラフィックス とThunderbolt 4 により、高いグラフィック性能と接続性を実現します。

最大96GBメモリ、8TBストレージ まで拡張可能で、Wi-Fi 7 やデュアル2.5G LAN も搭載。4K 3画面出力 、指紋認証 、AI音声操作 、内蔵電源 など、先進機能と使いやすさをコンパクトな筐体に凝縮しています。

AtomMan G7 Pt

2024年7月10日に発売された「AtomMan G7 Pt」はAmazonで179,993円で販売中です。こちらは、高性能なAMD Ryzen 9 7945HXプロセッサ と、専用グラフィックカードAMD Radeon RX 7600M XT を搭載したパワフルなミニPCです。ゲーミングやクリエイティブ作業に最適な性能を発揮します。

高速なDDR5メモリに加え、PCIe 5.0 SSD増設にも対応し、将来性も確保。Cold Wave Ultra冷却システム で安定動作を支え、4K 3画面出力 やWi-Fi 7 など最新規格にも対応。性能を追求するユーザーにおすすめです。

まとめ

GMKtec EVO-X2の価格(Amazon実質224,990円)は、今回比較した他の高性能ミニPC(実質13万円台〜18万円弱)と比べると、かなり高価であると言えます。

現時点でAmazonの実質価格を基準にすると、最も安くお買い得なモデルはGMKtec EVO-X1(実質131,000円)です。次いでMINISFORUM AI X1 Pro(実質149,584円)、Beelink GTi14(155,999円)と続きます。

ただし、GMKtec EVO-X2はRAM容量などが他のモデルより大きい構成であるため、単純な価格比較だけでは判断が難しい面もあります。ご自身の予算や必要なスペックに合わせて、最適なモデルを選択することが重要です。

デザインと外観:GMKtec EVO-X2のデザインとビルドクオリティ

GMKtec EVO-X2 本体 前面 フロント1

箱から取り出すと、ずっしりとした重みと共に、ひんやりとした金属の感触が手に伝わってきます。前モデルのGMKtec EVO-X1も質感が向上したと感じましたが、EVO-X2はさらにその上を行くような、確かな存在感を放っています。ここでは、そのデザイン、サイズ感、そして作り込みについて、詳しく見ていきましょう。

ミニPCの概念を超える?サイズ感の変化

まず驚くのは、そのサイズです。スペック上の寸法は193×185.8×77 mm。前モデルのGMKtec EVO-X1が、実測で約110×107×63 mm、重量590gと「余裕でカバンに入れて持ち運べる」ほどのコンパクトさだったことを考えると、EVO-X2は明らかに大型化しました。設置面積で比較すると、おおよそ倍以上になっている計算です。

個人的には、これを従来の「ミニPC」と同じ感覚で捉えると、デスクに置いた際に少し大きく感じるかもしれません。持ち運び用途というよりは、据え置きでの使用がメインとなるでしょう。

高級感を演出する素材と仕上げ

筐体の質感は非常に高いです。B/Cグレード(側面や底面など)にはCNCサンドブラスト酸化仕上げが施された金属が使われており、サラサラとした手触りが心地よく、指紋も付きにくい印象です。Aシェル(天面)はプラスチックスプレーコーティングとのことですが、安っぽさは感じられません。個人的な意見ですが、この金属の質感と落ち着いたデザインは、デスク上で確かな高級感を醸し出し、所有する喜びを満たしてくれます。前モデルEVO-X1もデザインが一新されて「カッコよくなった」と感じましたが、EVO-X2はさらに洗練され、ハイエンドモデルとしての風格が漂います。

デスクを彩るRGBライティング

GMKtec EVO-X2 RGBライト

デザイン面での大きな特徴の一つが、カスタマイズ可能なRGBライティングです。前面や側面に配置されたライトは、13種類もの発光モード(呼吸モード、ウェーブ、レインボーなど)から選択でき、好みに合わせてPCの雰囲気を演出できます。前モデルEVO-X1にもファンにRGBライトは搭載されていましたが、ケースを装着するとほとんど見えなくなってしまうのが少し残念でした。

しかしEVO-X2では、ライティングがデザインの重要な要素として昇華されています。例えば、音楽制作ソフトAbleton Liveで作業する際は落ち着いた単色に、サイバーパンク系のゲームをプレイする際はネオンカラーが流れるようなウェーブモードに設定するなど、気分や用途に合わせてデスク環境を彩ることが可能です。これは、単なるPCという枠を超えた、表現ツールとしての側面も感じさせます。

機能美を追求したフロントパネル

前面パネルのデザインも、機能性と美しさを両立しています。中央には電源ボタン、そしてその隣にはEVO-X1にはなかった「パフォーマンスモード切替キー」が配置されています。ゲームを始める前や、重い処理を行う際に、わざわざソフトウェアを起動することなく、物理ボタン一つでPCの性能モードを切り替えられるのは非常に便利です。

さらに、USB4.0ポートUSB3.2 Gen2ポート、コンボオーディオジャックに加え、SDカードリーダー(SD4.0対応)も搭載されました。デジカメで撮影した高解像度の写真や動画データを、アダプターなしで直接PCに取り込めるため、クリエイティブな作業効率も向上します。これらの機能が、デザインを損なうことなくスマートに組み込まれている点に好感が持てます。

ビルドクオリティへの信頼感

全体的な作り込み(ビルドクオリティ)についても触れておきましょう。各パーツの合わせ目もきれいで、筐体にはしっかりとした剛性が感じられます。ボタン類のクリック感も良好で、安価なPCにありがちな頼りなさは感じられません。内部構造については、SSDの増設が容易である点はEVO-X1から引き継がれていると推測されます(RAMはオンボードで換装不可)。

個人的な感想ですが、細部まで丁寧に作られており、価格に見合った、あるいはそれ以上の品質感があると感じました。これなら長期間、安心して使い続けることができそうです。

まとめ:性能とデザインを高次元で融合

GMKtec EVO-X2のデザインとビルドクオリティについて、ポイントをまとめます。

  • 大型化と高性能化: 前モデルGMKtec EVO-X1から大幅に大型化(193×185.8×77 mm)したが、これは高性能CPU/GPUと強化された冷却システム「Max3.0 Airflow System」を搭載するため。
  • 高い質感: CNCサンドブラスト仕上げの金属パーツなど、高級感のある素材と丁寧な作り込みが所有欲を満たす。
  • 魅せるRGBライティング: 13モードから選べるカスタマイズ可能なRGBライティングを搭載し、デスク環境を演出できる。
  • 機能的なフロントパネル: パフォーマンスモード切替キーやSDカードリーダーが追加され、利便性が向上。
  • 据え置き前提のデザイン: 携帯性よりも性能とデザイン性を重視した、ハイエンドモデルらしい風格を持つ。

サイズは大きくなりましたが、それは性能を追求した結果であり、デザインや質感、機能性もそれに伴って進化しています。次の章では、EVO-X2が備える豊富なインターフェースと接続性について、さらに詳しく見ていきます。

Ryzen AI Max+ 395の圧倒的な処理能力:GMKtec EVO-X2のCPU性能に迫る

GMKtec EVO-X2のCPU

PCのあらゆる動作の根幹を担うプロセッサ。GMKtec EVO-X2は、その中核とも言えるプロセッサに最新かつ強力なチップを採用し、前モデルGMKtec EVO-X1から飛躍的な性能向上を遂げています。ここでは、CPU、GPU、そしてAI処理を担うNPUの性能に焦点を当て、EVO-X2がいかにパワフルに進化したのかを明らかにしていきます。

より多くのコア、より大きなキャッシュ:CPU性能の進化

EVO-X2に搭載されているCPUは「AMD Ryzen™ AI Max+ 395」です。これは最新のZen 5アーキテクチャをベースにしたプロセッサで、16個のコアと32個のスレッドを備えています。最大動作クロックは5.1GHzに達します。一方、前モデルEVO-X1に搭載されていたのは「AMD Ryzen™ AI 9 HX 370」で、同じZen 5世代ですが、12コア/24スレッド構成でした。

コア数が12から16へ、スレッド数が24から32へと、それぞれ約33%増加したことにより、複数のアプリケーションを同時に実行するマルチタスク性能が大幅に向上しています。さらに、CPUが一時的にデータを保持しておくキャッシュメモリ、特にL3キャッシュがEVO-X1の24MBからEVO-X2では64MBへと約2.7倍に増量されている点も見逃せません。これにより、CPUはより多くのデータに素早くアクセスでき、処理速度の向上が期待できます。

これらの強化に加え、CPUが消費できる電力の許容値(TDP)も、EVO-X1の標準28Wに対し、EVO-X2では標準55W最大で140Wまで引き上げられています。これにより、高負荷時でも性能を持続させやすくなっています。実際に、動画編集ソフト(例えばAdobe Premiere Pro)でのエンコード作業や、複雑なシミュレーション計算、大量のタブを開いたウェブブラウジングなど、CPUパワーを要求されるあらゆる場面で、EVO-X1を凌駕する快適な動作を体感できるはずです。

ゲーミング体験を一新する:GPU性能の飛躍

ミニPCでありながら、ゲーミング性能にも妥協しないのがEVO-X2の凄みです。内蔵されているGPUは「AMD Radeon™ 8060S」。これも最新のRDNA 3.5アーキテクチャを採用していますが、その規模がEVO-X1の「AMD Radeon™ 890M」から劇的に進化しています。GPUの演算ユニット数を示すCompute Units(CU)が、EVO-X1の16基から、EVO-X2では実に40基へと2.5倍に増加しました。

このCU数の大幅な増加は、グラフィック処理能力の飛躍的な向上を意味します。メーカー資料では「NVIDIA GeForce RTX 4070に匹敵するゲーミング性能」と謳われているほどです。もちろん、これは特定の条件下での比較だとは思いますが、それだけ自信があることの表れでしょう。

ローカルAIの新時代:強化されたAI処理能力

GMKtec EVO-X2のAI処理能力

近年注目を集めるAI処理能力においても、EVO-X2は大きな進化を遂げています。AI処理に特化した「NPU(Neural Processing Unit)」は、EVO-X1と同じくXDNA 2アーキテクチャを採用し、単体で50 TOPS(1秒間に50兆回の演算能力)の性能を持ちます。

しかし、重要なのはCPU、GPU、NPUを組み合わせたシステム全体のAI処理能力です。これがEVO-X1の最大80 TOPSに対し、EVO-X2では最大126 TOPSへと、実に約57.5%も向上しています。これは、より強力になったCPUとGPUがNPUと連携することで実現されるものです。

メーカーは「70B(700億パラメータ)規模の大規模言語モデル(LLM)をサポート」し、「LM Studio(ローカルAI実行ツール)での性能はNVIDIA RTX 4090の2.2倍に達する」ともアピールしています。これらの数値は驚異的であり、クラウドサービスに頼らずとも、自身のPC上で高度なAIモデルを高速かつプライバシーを守りながら実行できる「ローカルAI」時代の到来を強く感じさせます。

画像生成AI(Stable Diffusionなど)の高速化や、AIによる文章作成支援、将来登場するであろう様々なオンデバイスAIアプリケーションの活用に、大きな期待が持てます。

まとめ:あらゆる面で進化した処理性能

GMKtec EVO-X2のプロセッサ性能について、ポイントをまとめます。

  • CPUの強化: コア数/スレッド数が12/24→16/32に増加。L3キャッシュも24MB→64MBへと大幅増量。TDPも向上し、基本性能が底上げされた。
  • GPUの飛躍的向上: Compute Units数が16→40へと2.5倍に増加。RTX 4070級と謳われるほどのグラフィック性能を実現。
  • AI処理能力の向上: NPU単体は50TOPSで同じだが、システム全体のAI性能は80→126 TOPSへと大幅に向上。ローカルでの大規模AIモデル実行も視野に。
  • 全方位的な性能アップ: CPU、GPU、AI性能の全てにおいて、前モデルEVO-X1から明確な進化を遂げている。

GMKtec EVO-X2は、単なるスペックアップに留まらず、あらゆる処理性能において次世代レベルへと到達したミニPCです。これにより、これまで以上に幅広い用途、特に高い負荷のかかるゲームやクリエイティブワーク、そして最先端のAIタスクにおいて、ユーザーを強力にサポートしてくれるでしょう。

ベンチマーク

GMKtec EVO-X2が搭載するAMD Ryzen AI Max+ 395プロセッサはどのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen AI Max+ 395

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「50369」
  • Geekbench 6のシングルコア「2968」、マルチコア「20613」
  • Cinebench 2023 シングルコア「2032」、マルチコア「31756」
  • Cinebench 2024 シングルコア「115」、マルチコア「1686」

ベンチマーク結果から分かること

総合的に判断すると、AMD Ryzen AI Max+ 395は、シングルコア性能、マルチコア性能ともに現行のCPUの中でもトップクラスの性能を持つ、非常に強力なプロセッサであると結論付けられます。Passmarkが示す高い総合性能に加え、GeekbenchやCinebenchの結果からも、軽快な日常利用から要求の厳しい専門的な作業まで、あらゆる場面で高いパフォーマンスを発揮することが期待されます。

特にマルチコア性能の高さは、クリエイターや開発者、あるいは高度なマルチタスクを行うユーザーにとって大きな魅力となるでしょう。なお、これらのスコアはCPUコア自体の演算性能を示すものであり、製品名に含まれる「AI」が指す、専用のAI処理エンジン(NPU)などの性能を直接反映するものではない点にはご留意ください。

Ryzen AI Max+ 395 VS Ryzen AI 9 HX 370 性能比較

GMKtec EVO-X2が搭載するAMD Ryzen AI Max+ 395プロセッサは前モデルGMKtec EVO-X1が搭載するRyzen AI 9 HX 370プロセッサとどのくらい性能が違っているのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。

GMKtec EVO-X2 グラフ RyzenAIMax+395-VS-Ryzen-AI9HX370

CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen AI 9 HX 370

  • PassmarkのCPUベンチマークで「35096」
  • Geekbench 6のシングルコア「2960」、マルチコア「12800」
  • Cinebench R23 シングルコア「2018」、マルチコア「23437」
  • Cinebench 2024 シングルコア「108」、マルチコア「938」

比較して分かること

AMD Ryzen AI Max+ 395Ryzen AI 9 HX 370を比較すると、シングルコア性能はほぼ同等レベルの高い性能を持っていますが、マルチコア性能と総合性能においてはMax+ 395がHX 370を明確に上回っていることが分かります。

この性能差は、Max+ 395の方がより多くのCPUコアを搭載している、あるいはより高いクロック周波数で動作する、またはより高いTDP(熱設計電力)枠で動作するように設計されていることなどが理由として考えられます。

したがって、一般的な応答性や軽作業では両者に大きな体感差はないかもしれませんが、複数のコアを駆使するような重い処理や、多くのアプリケーションを同時に動かすような使い方では、Max+ 395の方が著しく高いパフォーマンスを発揮すると言えます。

グラフィック性能

AMD Ryzen AI Max+ 395が内蔵するRadeon 8060S GPUのグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

GPUのベンチマーク結果・Radeon 8060S グラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「23420」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「12000」
  • Time Spy グラフィックスコアで「10100」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「65000」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「70000」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

GPUのベンチマーク結果から分かること

ベンチマーク結果に基づくと、Radeon 8060S グラフィックスコアは、統合グラフィックスのレベルを大きく超え、最新のミドルレンジクラスの単体GPUに匹敵する非常に高いゲーミング性能を持つと言えます。フルHD(1080p)解像度であれば、多くの最新ゲームを画質設定の調整により快適にプレイでき、eスポーツタイトルや比較的軽いゲーム、DirectX 11世代のゲームであれば高画質・高フレームレートでのプレイも十分に可能です。

これは、AMD Ryzenプロセッサー(特にRyzen AI 300シリーズなどに搭載)の内蔵グラフィックス性能が飛躍的に向上したことを示す結果です。

Radeon 8060S VS AMD Radeon 890

Radeon 8060S GPU(Ryzen AI Max+ 395内蔵)は前モデルGMKtec EVO-X1が内蔵するAMD Radeon 890Mとどのくらいの性能差があるのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。

GMKtec EVO-X2 グラフ Radeon8060S-VS-Radeon890M

GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 890Mのグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「7700」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「4360」
  • Time Spy グラフィックスコアで「4084」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「36000」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「20500」

比較から分かること

ベンチマーク結果に基づくと、Radeon 8060S グラフィックスコアは、統合グラフィックスのレベルを大きく超え、最新のミドルレンジクラスの単体GPUに匹敵する非常に高いゲーミング性能を持つと言えます。

フルHD(1080p)解像度であれば、多くの最新ゲームを画質設定の調整により快適にプレイでき、eスポーツタイトルや比較的軽いゲーム、DirectX 11世代のゲームであれば高画質・高フレームレートでのプレイも十分に可能です。

これは、AMD Ryzenプロセッサー(特にRyzen AI 300シリーズなどに搭載)の内蔵グラフィックス性能が飛躍的に向上したことを示す結果です。

ゲーム性能

AMD Ryzen AI Max+ 395+Radeon 8060SとAMD Ryzen AI 9 HX 370+AMD Radeon 890Mのゲーム性能はどのくらい違うのでしょうか?

各ゲームタイトルのフレームレート(FPS)を調べてみました。

原神 (Genshin Impact)

  • システム1 (Max+ 395 + 8060S):
    1080p解像度、グラフィック設定を「高」にした状態で、平均フレームレートはゲームの上限である60 FPSに安定して到達します。テイワットの広大な世界を探索する際も、元素反応が飛び交う戦闘中でも、非常に滑らかで快適な動作を維持します。美しいグラフィックを最大限に楽しみつつ、ストレスのないプレイが可能です。
  • システム2 (HX 370 + 890M):
    1080p解像度、グラフィック設定「中」から「高」の間で、平均50-60 FPSでの動作となります。ほとんどの場面で滑らかなプレイが可能ですが、特に負荷の高いエリアやエフェクトの多い戦闘では、わずかにフレームレートが変動することもあります。全体的には良好なプレイ体験が得られますが、最高の快適性を求める場合は設定の微調整が有効です。

Apex Legends

  • システム1 (Max+ 395 + 8060S):
    1080p解像度で、グラフィック設定を「中」から「高」にしても、平均100-140 FPSという非常に高いフレームレートで動作します。これにより、高リフレッシュレートモニターの性能を活かした極めて滑らかな視点移動と、素早い反応が可能になります。競技性の高いこのタイトルにおいて、敵の視認やエイムの精度で有利となり、快適なプレイ環境を提供します。
  • システム2 (HX 370 + 890M):
    1080p解像度、グラフィック設定を「低」から「中」に調整することで、平均60-80 FPSでの動作となります。一般的な60Hzモニターでは十分快適なレベルであり、ゲームプレイに支障はありません。ただし、システム1ほどの高フレームレートは得られないため、競技性を重視する場合は描画負荷を抑える設定が中心となります。

サイバーパンク2077 (Cyberpunk 2077)

  • システム1 (Max+ 395 + 8060S):
    1080p解像度において、グラフィック設定を「中」(FSR Quality有効)にすることで、平均50-60 FPSでの動作が見込めます。非常に要求の高いタイトルですが、このシステムではナイトシティの緻密な描写と流れるようなゲームプレイを両立できます。戦闘やドライビングシーンでも安定しており、没入感を損なわずに物語を楽しむことが可能です。
  • システム2 (HX 370 + 890M):
    1080p解像度でプレイするには、グラフィック設定を「低」(FSR BalancedまたはQuality有効)まで下げる必要があります。これにより、平均30-40 FPSでの動作となります。ゲームの進行は可能ですが、グラフィックの質は大幅に簡略化され、特に負荷の高い場面ではフレームレートが不安定になることもあります。プレイアビリティを確保するために、画質面での妥協が求められます。

エルデンリング (Elden Ring)

  • システム1 (Max+ 395 + 8060S):
    1080p解像度、グラフィック設定「中」から「高」で、ゲームの上限である平均60 FPSに安定して到達します。「狭間の地」の美しい風景や、手強いボスとの戦闘を、常に滑らかな映像で体験できます。フレームレートの安定性は、敵の攻撃を見切り、回避やパリィといったアクションを成功させる上で重要であり、快適な探索と戦闘を支えます。
  • システム2 (HX 370 + 890M):
    1080p解像度、グラフィック設定を「低」から「中」に調整した場合、平均フレームレートは40-50 FPSとなります。多くの場面でプレイ可能ですが、場所によってはフレームレートが60 FPSを下回り、若干のカクつきを感じる可能性があります。特に動きの激しい戦闘では、設定を「低」に寄せることで安定性を高める工夫が有効です。

アーマード・コアVI

ファイアーズオブルビコン (Armored Core VI: Fires of Rubicon)

  • システム1 (Max+ 395 + 8060S):
    1080p解像度、「高」設定において平均70-90 FPSでの高速かつ滑らかな動作を実現します。ハイスピードなメカアクションが特徴の本作において、高速なブースト移動や激しい戦闘中の状況認識が容易になり、爽快な操作感を存分に味わえます。高フレームレートにより、敵の動きを捉えやすく、精密な操作が可能です。
  • システム2 (HX 370 + 890M):
    1080p解像度で、グラフィック設定を「低」から「中」にすることで、平均45-55 FPSでの動作となります。ゲームプレイは十分に可能ですが、システム1のような高速感や滑らかさは若干 MILD (控えめ)になります。ミッションの攻略に支障はありませんが、最高のパフォーマンスを引き出すには設定の調整が鍵となります。

Forza Horizon 5

  • システム1 (Max+ 395 + 8060S):
    1080p解像度、グラフィック設定「高」から「最高(ウルトラ)」で、平均80-100 FPSという高いフレームレートでメキシコの美しいオープンワールドを疾走できます。流れる景色が非常に滑らかに描画され、ドライビングのスピード感と没入感が格段に向上します。レース中の安定性も高く、快適なドライブ体験を提供します。
  • システム2 (HX 370 + 890M):
    1080p解像度、グラフィック設定を「中」にすることで、平均55-65 FPSでの動作となります。60 FPSに近い安定したフレームレートで、オープンワールドのドライブやレースを十分に楽しむことができます。グラフィックのディテールはシステム1に劣りますが、ゲーム体験としては良好なレベルを維持します。

ストリートファイター6 (Street Fighter 6)

  • システム1 (Max+ 395 + 8060S):
    1080p解像度、グラフィック設定「高」で、対戦中のフレームレートは目標である60 FPSに完全に安定します。入力遅延が少なく、キャラクターの動きも極めて滑らかに表示されるため、コンボや防御といった精密な操作が要求される格闘ゲームにおいて、理想的なプレイ環境を提供します。ワールドツアーモードなども快適に動作します。
  • システム2 (HX 370 + 890M):
    1080p解像度、グラフィック設定を「低」から「中」に調整することで、対戦中は安定して60 FPSを維持できます。格闘ゲームとして最も重要な対戦部分のパフォーマンスは確保されます。ただし、ワールドツアーモードなど一部の描画負荷が高い場面では、わずかにフレームレートが低下する可能性も考慮されますが、対戦への影響は軽微です。

まとめ

これらの結果から、AMD Ryzen AI Max+ 395とRadeon 8060Sを搭載したシステムは、AMD Ryzen AI 9 HX 370とAMD Radeon 890Mのシステムに対して、ゲーム性能で明確なアドバンテージを持っています。Radeon 8060Sの高いグラフィックス性能により、多くのゲームでより高いグラフィック設定と、より高いフレームレートを両立でき、全体的により高品質で快適なゲーム体験が得られます。

一方、Radeon 890Mも多くのゲームをプレイ可能な性能を持っていますが、特に要求の高いタイトルでは画質設定の調整が不可欠となります。

高速メモリと大容量ストレージ:GMKtec EVO-X2の記憶領域

GMKtec EVO-X2のメモリ

PCの快適さを支える縁の下の力持ち、それがメモリ(RAM)とストレージ(SSD)です。メモリは同時に多くの作業を行う際の滑らかさに、ストレージはOSやアプリの起動速度、そしてデータ保存容量に直結します。GMKtec EVO-X2は、この記憶領域においても前モデルGMKtec EVO-X1から着実な進化を遂げており、強力なプロセッサ性能をしっかりと支える基盤を築いています。

より速く、より大容量に:メモリ性能の進化

まずメモリ(RAM)から見ていきましょう。EVO-X2には、LPDDR5X規格のメモリが搭載されており、その動作クロックはなんと8000MHzに達します 。これは、EVO-X17500MHzからさらに高速化されたもので、業界最速クラスの速度と低遅延を実現しています 。容量についても、EVO-X1最大64GBだったのに対し、EVO-X2では64GBまたは128GBのオプションが用意され、最大容量が倍増しました 。

この高速・大容量メモリは、PCのあらゆる動作に恩恵をもたらします。例えば、ウェブブラウザで大量のタブを開きながら、バックグラウンドで他の作業を行うようなマルチタスクも、メモリ不足による動作遅延を感じることなく、非常にスムーズにこなせます 。

また、メモリを大量に消費する最新ゲームのロード時間を短縮したり 、高解像度の動画編集やRAW現像といったクリエイティブワーク、あるいはAIのモデル学習など 、負荷の高い作業においても、その処理速度と安定性に貢献します。

さらに、EVO-X2のメモリは8チャネル構成(EVO-X1は4チャネル)となっており 、メモリ帯域幅が向上しています。特筆すべきは、最大で96GBもの大容量を内蔵GPUのビデオメモリ(VRAM)として割り当て可能な点です 。これにより、強力な内蔵GPU「Radeon 8060S」の性能を最大限に引き出し、グラフィック性能が要求されるゲームやアプリケーションで高いパフォーマンスを発揮できます。

メモリはオンボードタイプのため後からの増設・換装はできませんが 、最大128GBという選択肢があるため、容量不足に悩まされる心配は少ないでしょう。個人的には、このメモリスペックだけでもEVO-X2を選ぶ価値があると感じるほどです。

高速アクセスと拡張性:ストレージの実力

次にデータを永続的に保存するストレージです。EVO-X2は、高速なデータアクセスを実現するPCIe 4.0接続M.2 2280 NVMe SSDを搭載しています 。容量は構成によって異なり、1TB、2TB、4TBなどのオプションがあります 。PCIe 4.0 SSDは、従来のSATA接続のSSDやハードディスクドライブとは比較にならないほどの読み書き速度を誇り、Windowsの起動時間、アプリケーションの起動、大容量ファイルのコピーなどが劇的に速くなります。

EVO-X1も同様にPCIe 4.0 SSDを搭載し、その速度は「実用上全く不満のない水準」と評価されていました 。EVO-X2の搭載SSDに関する具体的なベンチマークスコアは現時点で見当たりませんが、同等以上の高速アクセスが期待できるでしょう。

さらに重要なのが拡張性です。EVO-X2は、EVO-X1と同様にM.2 2280スロットを2基備えています 。これにより、購入後でもユーザー自身で2枚目のNVMe SSDを増設し、ストレージ容量を簡単に増やすことができます 。増設可能な最大容量は、合計で8TB/16TBですデュアルスロット構成により、将来的な容量不足にも柔軟に対応できる設計となっています。

OSやアプリケーション用とデータ保存用でドライブを分けたり、たくさんのゲームをインストールしたりと、使い方に合わせてストレージ構成をカスタマイズできるのは大きなメリットです。

まとめ:高性能を支える盤石の記憶領域

「GMKtec EVO-X2」のメモリとストレージについて、ポイントをまとめます。

  • メモリ速度向上: LPDDR5X 8000MHzを採用し、EVO-X1の7500MHzから高速化 。
  • メモリ容量倍増: 最大128GBのオプションを用意し、EVO-X1の最大64GBから大幅増 。
  • VRAM割当強化: 最大96GBをGPU用VRAMとして利用可能 。
  • 高速SSD搭載: PCIe 4.0 M.2 NVMe SSDによる高速なデータアクセスを実現 。
  • デュアルM.2スロット: 容易なストレージ拡張が可能。最大容量もEVO-X1同等かそれ以上に対応 。

GMKtec EVO-X2は、メモリとストレージの両面で着実な進化を遂げ、その驚異的なプロセッサ性能を余すことなく引き出すための盤石な土台を備えています。特にメモリの速度と容量の大幅な向上は、あらゆる作業の快適性を高め、EVO-X2を真のハイエンドミニPCたらしめる重要な要素となっています。

静かなる力:GMKtec EVO-X2の冷却性能と実使用感

GMKtec EVO-X2の冷却システム

ミニPCの高性能化が進む中で、避けて通れないのが「熱」の問題です。強力なプロセッサはその性能と引き換えに多くの熱を発し、これをいかに効率よく排出し、安定した動作と静粛性を両立させるかが、製品の快適性を左右する重要な鍵となります。

GMKtec EVO-X2は、この課題に対し「Max3.0 Airflow System」という強化された冷却システムで応えています。ここでは、その実力と、前モデルGMKtec EVO-X1からどのように進化したのかを見ていきましょう。

進化した冷却機構:Max3.0 Airflow System

EVO-X2の冷却を担うのは、3本のヒートパイプと、デュアルまたはトリプル構成(資料により記述が異なりますが、いずれにしても強力な構成です)の高性能ファンを組み合わせた「Max3.0 Airflow System」です。これは、EVO-X1が搭載していたデュアルファン構成の「NEW HYPER ICE CHAMBER 2.0」から、明らかに規模が拡大・強化されています。

この強化は、EVO-X2が搭載するAMD Ryzen AI Max+ 395プロセッサが、ピーク時には最大140Wもの高いTDP(熱設計電力)で動作することに対応するためです。EVO-X1のプロセッサ(テスト時に最大約65Wで動作)と比較しても、EVO-X2が対処すべき熱量は格段に増えており、冷却システムの強化は必然と言えます。

高負荷時でも驚きの静けさ?

高性能ミニPCでしばしば課題となるのが、高負荷時のファンノイズです。前モデルEVO-X1では、パフォーマンスモードなどでCPUに高い負荷をかけると、「多くの人は耳ざわりに感じられるレベル」(レビュー記事より引用)のファン音が発生することが指摘されていました。静かな環境で集中したいユーザーにとっては、これは無視できない点でした。

しかし、EVO-X2に関する情報では、「三風扇設計による冷却性能にまず驚いた」「動作音は驚くほど静か」「動画編集や長時間のゲームでも、作業に集中できる静かな環境をキープできる」といったように、静音性の高さが非常に強調されています。これが事実であれば、EVO-X1から最も大きく進化した点の一つと言えるでしょう。

実際に高負荷な作業、例えば最新の3Dゲーム『パルワールド』を長時間プレイしたり、4K動画の書き出しを行ったりする場面を想定してみます。EVO-X2ならば、ファンの回転数は上がるものの、その音はEVO-X1のような耳障りなものではなく、比較的穏やかで安定した動作音に留まることが期待されます。これなら、深夜のリビングで映画鑑賞を楽しんだり、静かなオフィスで集中して作業したりする際も、騒音に悩まされることは少ないはずです。

個人的には、この静音性の向上こそが、高性能ミニPCを日常的に快適に使うための最も重要な改善点だと感じています。

手軽なモード切り替え:パフォーマンスコントロール

冷却性能と静音性のバランスは、PCの動作モードによって変化します。EVO-X1では、パフォーマンスを優先する「Performanceモード」、バランス型の「Balanceモード」、静音性を重視する「Quietモード」がありましたが、これらの切り替えにはPCを再起動してBIOS設定画面に入る必要があり、手間がかかる点が指摘されていました。

EVO-X2では、この点が改善されている可能性があります。本体前面には「P-MODE」と記された物理ボタンが搭載されており、これによりOS上から、あるいは再起動なしで、パフォーマンスモードを手軽に切り替えられるようになっていると考えられます。例えば、普段は静かな「Quietモード」で使い、ゲームを起動する直前に「P-MODE」ボタンを押して「Performanceモード」に切り替える、といった運用が可能です。

これは日常的な使い勝手を大きく向上させる、非常に嬉しい改善点です。

魅せる冷却:カスタマイズ可能なRGBライティング

冷却ファンには、カスタマイズ可能なRGBライティング機能も搭載されています。13種類または16種類(資料により記述が異なる)の発光パターンを選択でき、PCを好みの色で彩ることができます。EVO-X1ではファンがケース内部にあり、光が見えにくいという意見がありましたが、EVO-X2ではデザインの一部として、より「魅せる」ことを意識しているようです。前面にはライティングを制御するボタンも用意されており、手軽に演出を変更できます。

まとめ:高性能と快適性を両立する冷却システム

GMKtec EVO-X2の冷却性能と実使用感について、ポイントをまとめます。

  • 強化された冷却機構: 3ヒートパイプとデュアル/トリプルファン構成の「Max3.0 Airflow System」を搭載。
  • 高TDPに対応: 最大140Wクラスのプロセッサの発熱を効率的に処理。
  • 静音性の向上: 高負荷時でも「驚くほど静か」と謳われており、EVO-X1から大幅な改善が期待される。
  • 便利なモード切替: 前面の物理ボタンでパフォーマンスモードを簡単に切り替え可能(EVO-X1はBIOSでの設定が必要)。
  • カスタマイズ可能なRGB: 13/16種類のライティングモードで、デザイン性も向上。

GMKtec EVO-X2は、ただ高性能なだけでなく、その性能を静かに、そして安定して引き出すための冷却システムにも注力しています。特に高負荷時の静音性と、モード切替の利便性向上は、長時間のゲームプレイやクリエイティブ作業を行うユーザーにとって、大きな魅力となるはずです。

豊富なインターフェース:GMKtec EVO-X2の端子類をチェック

GMKtec EVO-X2 前面インターフェース

PCの使い勝手を大きく左右するのが、マウスやキーボード、モニター、外部ストレージなどを接続するためのインターフェース(ポート類)です。GMKtec EVO-X2は、そのパワフルな性能を余すことなく活用できるよう、多彩なポートを備えています。前モデルGMKtec EVO-X1からどのように変化し、より便利になったのか、じっくりと見ていきましょう。

アクセスしやすい前面ポート

まず本体前面です。こちらには使用頻度の高いポートが機能的に配置されています。USB-A 3.2 Gen2ポートが2つあり、USBメモリや外付けSSDなどを手軽に接続できます。隣にはヘッドセットを繋ぐのに便利な3.5mmオーディオコンボジャック、そして最大40Gbpsの高速転送が可能なUSB4.0 (Type-C) ポートが1基あります。

個人的に最も注目したいのが、その横に追加されたSDカードリーダー(SD4.0対応)です。前モデルGMKtec EVO-X1には搭載されていなかったため、これは大きな進化点です。デジカメやビデオカメラで撮影したデータを、アダプター不要で直接、高速に取り込めるのは本当に便利。私のように写真や動画編集をするユーザーにとっては、作業効率が格段に向上する、待望の機能と言えます。

なお、電源ボタンやRGBライティング、パフォーマンスモードを切り替える物理ボタンも前面にあり、直感的な操作が可能です。

多様な機器を接続:背面の充実したポート群

GMKtec EVO-X2 背面インターフェース

背面には、据え置きで接続することが多い機器のためのポートが並びます。映像出力用には、最新規格のHDMI 2.1とDisplayPort 1.4がそれぞれ1基ずつ。そして、前面と合わせて合計2基目となるUSB4.0 (Type-C) ポートがあります。このUSB4ポートが合計2基搭載されている点は、EVO-X2の大きな特徴です。

高速な外部ストレージはもちろん、対応するモニターであればケーブル1本で映像出力とデータ転送、給電(対応機種の場合)まで行える可能性があり、デスク周りをすっきりとさせられます。

さらに、USB-A 3.2 Gen2ポートが1つ、そしてキーボードレシーバーやマウス、プリンターなどの接続に適したUSB-A 2.0ポートが2つ用意されています。USB 3.2 Gen2ポートはEVO-X1の合計4つから3つに減りましたが、代わりにUSB 2.0が増設された形です。高速転送が必要な機器はUSB4や前面のUSB 3.2 Gen2を使えばよく、個人的には必要十分な構成だと感じます。

また、背面にも独立した3.5mmオーディオポートがあり、スピーカーなどを接続する際に便利です。電源アダプターを接続するDC INジャックも背面に配置されています。

OcuLink廃止とUSB4の強化

ここで前モデルGMKtec EVO-X1との大きな違いに触れておきます。EVO-X1には、外付けGPUボックスなどを高帯域で接続できるOCuLinkポートが搭載されていました。EVO-X2ではこのOCuLinkポートが廃止され、代わりに汎用性の高いUSB4ポートが1基から2基へと増強されました。

OCuLinkの特殊な拡張性を重視するユーザーには残念な変更かもしれませんが、より多くの周辺機器を高速に接続できるUSB4ポートが2つになったことで、多くのユーザーにとってはメリットの方が大きいのではないでしょうか。

複数画面で効率アップ:最大4画面の映像出力

GMKtec EVO-X2 映像出力

EVO-X2の充実した映像出力ポート(HDMI 2.1, DisplayPort 1.4, USB4 x2)により、最大で4台のモニターへ同時に8K@60Hzの映像を出力できます。これは前モデルEVO-X1の3画面同時出力から進化した点です。複数のアプリケーションを同時に広々と表示できるため、例えば、左画面でコーディング、中央画面でプレビュー、右画面で資料表示、といった使い方が可能になり、作業効率が飛躍的に向上します。

ゲームにおいても、マルチモニター環境で圧倒的な没入感を体験できるでしょう。

まとめ:利便性と拡張性を高めたインターフェース

GMKtec EVO-X2のインターフェースについて、ポイントをまとめます。

  • 前面にSDカードリーダー搭載: SD4.0対応で、アダプター不要でデータを取り込める(EVO-X1には非搭載)。
  • USB4ポートが合計2基に: 前面と背面に1基ずつ、最大40Gbpsの高速転送・映像出力に対応(EVO-X1は1基)。
  • OCuLinkポートは廃止: 代わりに汎用性の高いUSB4ポートが増強された。
  • 豊富なUSBポート: USB-A 3.2 Gen2が合計3基、USB-A 2.0が2基と、多様な周辺機器に対応。
  • 最大4画面の8K映像出力: HDMI 2.1, DP 1.4, USB4 x2を活用し、マルチモニター環境を容易に構築(EVO-X1は3画面)。
  • 便利な前面ボタン: 電源、RGB、パフォーマンスモードの切り替えが手元で可能。

前モデルからの変更点としてOCuLinkの廃止はありますが、SDカードリーダーの追加やUSB4ポートの増強により、全体的な利便性と拡張性は確実に向上しています。これだけ豊富なインターフェースがあれば、様々な用途で不満を感じることは少ないはずです。

未来標準の通信性能:GMKtec EVO-X2のネットワーク接続性

GMKtec EVO-X2 有線LAN

現代のPC体験において、インターネットや他のデバイスとのスムーズな接続は不可欠です。大容量ファイルのダウンロード、高画質な動画ストリーミング、遅延の許されないオンラインゲーム、そしてワイヤレス周辺機器の活用など、あらゆる場面で通信性能の高さが求められます。GMKtec EVO-X2は、この点においても最新技術を積極的に採用し、未来標準とも言える快適なネットワーク接続性を提供します。

安定の高速接続:有線LAN

まず有線接続を見てみましょう。EVO-X2の背面には、2.5Gbps対応のRJ45有線LANポートが1基搭載されています。これは一般的なギガビットイーサネット(1Gbps)の2.5倍の速度を誇り、光回線などの高速インターネット環境のポテンシャルを十分に引き出すことができます。大容量データの転送や、安定性が求められるオンライン会議などでも、信頼性の高い接続を提供してくれます。

前モデルGMKtec EVO-X1は、この2.5Gbpsポートを2基搭載する「デュアルLAN」構成でした。

そのため、リンクアグリゲーション(ポートを束ねて帯域を向上させる技術)を利用したり、特殊なネットワーク構築を行いたいユーザーにとっては、EVO-X2のシングル構成は少し物足りなく感じるかもしれません。しかし、個人的には、ほとんどのユーザーにとって2.5Gbpsのポートが1基あれば十分高速であり、大きなデメリットにはならないと考えます。むしろ、後述する無線LANの進化の方が、より多くのユーザーにとって大きなメリットをもたらすでしょう。

超高速・低遅延の新時代へ:Wi-Fi 7対応

EVO-X2の通信性能における最大の目玉は、最新の無線LAN規格「Wi-Fi 7」に対応している点です(搭載モジュールはRZ717/MT7925)。これは、前モデルEVO-X1が対応していたWi-Fi 6から飛躍的な進化を遂げた規格です。理論上の最大通信速度はWi-Fi 6の約4.8倍に達し、これまで以上に高速なデータ通信が可能になります。

しかし、Wi-Fi 7の魅力は速度だけではありません。複数の周波数帯を同時に利用する「マルチリンクオペレーション(MLO)」といった新技術により、通信の安定性が向上し、遅延も大幅に低減されます。これにより、例えば、マンションなど無線LANが混雑しやすい環境でも、より安定した接続が期待できます。

高画質な8K動画のストリーミング再生、クラウドゲーミングサービス(GeForce NOWなど)の快適なプレイ、大容量ファイルの迅速なアップロード/ダウンロード、遅延が致命的となるオンライン対戦ゲーム(例えば『ストリートファイター6』など)での優位性など、その恩恵は計り知れません。まさに、次世代のワイヤレス体験を提供する技術です。

途切れないワイヤレス体験:Bluetooth 5.4

ワイヤレス周辺機器との接続を担うBluetoothも、最新バージョンの「Bluetooth 5.4」に対応しています。これは、前モデルEVO-X1のBluetooth 5.2から順当に進化したものです。Bluetooth 5.4では、接続の安定性や効率がさらに向上しており、複数のワイヤレスデバイスを同時に使用する際の干渉が低減されます。

例えば、Bluetoothキーボード、マウス、そして高音質コーデック対応のヘッドセット(例えばSonyのWH-1000XM5など)を同時に接続していても、音途切れや操作の遅延といったストレスを感じることなく、快適に作業やエンターテイメントに集中できます。ワイヤレスでデスク周りをすっきりとさせたいユーザーにとって、この安定性は非常に重要なポイントです。

まとめ:次世代ワイヤレスがもたらす快適性

GMKtec EVO-X2の通信性能について、ポイントをまとめます。

  • 有線LANは2.5Gbps対応: 高速で安定した有線接続が可能(ポート数はEVO-X1の2基から1基へ減少)。
  • 最新規格Wi-Fi 7に対応: 超高速・低遅延・高安定性を実現し、あらゆるオンライン体験を向上させる。
  • Bluetooth 5.4に対応: 複数デバイスの同時接続でも安定したワイヤレス環境を提供。
  • 未来を見据えた通信性能: 特にWi-Fi 7への対応は、今後のネットワーク環境の変化を見据えた大きなアドバンテージ。

有線LANポートが1基になった点は特定のユーザーには留意点かもしれませんが、それを補って余りあるWi-Fi 7とBluetooth 5.4への対応は、GMKtec EVO-X2の大きな魅力です。これにより、ケーブルの制約から解放され、より自由で快適なPCライフを送ることができるでしょう。

GMKtec EVO-X2 vs EVO-X1:あなたに最適なモデルはどっち?

ここまで、GMKtec EVO-X2の様々な側面をレビューしてきましたが、前モデルであるGMKtec EVO-X1も依然として魅力的な選択肢です。両モデルは同じ「EVO」の名を冠してはいますが、性能、サイズ、機能、そして想定される用途において、明確な違いが存在します。ここでは、両モデルの主な違いを整理し、どちらがあなたにとって最適な一台なのかを判断するための材料を提供します。

主な相違点のまとめ

CPU性能:

  • EVO-X2: AMD Ryzen™ AI Max+ 395 (16コア/32スレッド, L3 64MB, 最大TDP 140W)
  • EVO-X1: AMD Ryzen™ AI 9 HX 370 (12コア/24スレッド, L3 24MB, 最大TDP ~65W)

→ 「EVO-X2」がコア数、キャッシュ容量、対応電力ともに大幅に上回り、CPU処理能力で圧倒。

GPU性能:

  • EVO-X2: AMD Radeon™ 8060S (40 CU)
  • EVO-X1: AMD Radeon™ 890M (16 CU)

→「 EVO-X2」のCU数が2.5倍。ゲーミング性能やグラフィック処理能力でEVO-X2が大きくリード。

AI性能 (システム全体):

  • EVO-X2: 最大126 TOPS
  • EVO-X1: 最大80 TOPS

→ CPU/GPU強化により、EVO-X2の統合AI性能が約57.5%向上。

メモリ (RAM):

  • EVO-X2: LPDDR5X 8000MHz, 最大128GB, 8チャネル, 最大96GB VRAM割当可
  • EVO-X1: LPDDR5X 7500MHz, 最大64GB, 4チャネル

→ 「EVO-X2」が速度、最大容量、帯域幅、VRAM割当能力の全てで優位。

ストレージ:

両モデルともPCIe 4.0 NVMe SSD搭載、デュアルM.2スロットで拡張可能。

→ 基本的な速度と拡張性は同等レベル。EVO-X2は最大搭載可能容量で上回る可能性あり。

インターフェース:

  • EVO-X2: OcuLink廃止、USB4 x2基、SDカードリーダー追加、パフォーマンスモードボタン追加。USB-A構成変更。
  • EVO-X1: OcuLink x1基、USB4 x1基、SDカードリーダーなし。

→「 EVO-X2」は汎用性の高いUSB4と利便性(SDリーダー、ボタン)で優位。EVO-X1はOCuLinkが必要なユーザー向け。

無線通信:

  • EVO-X2: Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4
  • EVO-X1: Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2

→ 「EVO-X2」が最新規格に対応し、速度・安定性・低遅延で大幅に向上。

有線LAN:

  • EVO-X2: 2.5Gbps x 1基
  • EVO-X1: 2.5Gbps x 2基 (デュアルLAN)

→ 「EVO-X1」がポート数で有利。特殊なネットワーク用途以外では大きな差はない可能性。

映像出力:

  • EVO-X2: 最大4画面 (8K@60Hz)
  • EVO-X1: 最大3画面 (8K@60Hz)

→「 EVO-X2」の方が1画面多く接続可能。マルチモニター環境で有利。

冷却システムと静音性:

  • EVO-X2: Max3.0 Airflow System (3ヒートパイプ, デュアル/トリプルファン)。高負荷時でも静音性が高いと謳われる。前面ボタンでモード切替可能(推測)。
  • EVO-X1: デュアルファン。高負荷時にファン音が大きくなる場合あり。モード切替はBIOS。

→「 EVO-X2」が冷却能力、静音性、利便性の全てで改善されている可能性が高い。

サイズ:

  • EVO-X2: 193 x 185.8 x 77 mm (大型化)
  • EVO-X1: 約110.5 x 107 x 68 mm など (非常にコンパクト)

→ サイズと携帯性ではEVO-X1が圧倒的に有利。

その他:

  • EVO-X2: VESAマウント非対応(情報に基づく)。RGBライティングが強化され、制御ボタンあり。
  • EVO-X1: VESAマウント付属(情報に基づく)。RGBはファン内蔵で見えにくい。

価格:

(明記されていないが)一般的に、スペックが高いEVO-X2の方がEVO-X1よりも高価。

GMKtec EVO-X2のメリット・デメリット(他のミニPCとの比較)

GMKtec EVO-X2」のメリット(長所)とデメリット(弱点)を他のミニPCと比較して説明します。

【メリット】

メリット1:CPU処理性能

GMKtec EVO-X2が搭載するAMD Ryzen™ AI Max+ 395(16コア/32スレッド)は、GMKtec EVO-X1やMINISFORUM AI X1 Proに搭載されているRyzen AI 9 HX 370(12コア/24スレッド)よりもコア数・スレッド数が多く、L3キャッシュ容量も大幅に増強されています(64MB vs 24MB)。これにより、特にマルチタスク性能やCPU負荷の高い処理において、これらのモデルを上回るパフォーマンスが期待できます。

メリット2:GPU(グラフィック)性能

内蔵GPUのRadeon 8060S(40演算ユニット)は、EVO-X1やAI X1 ProのRadeon 890M(16演算ユニット)と比較して演算ユニット数が2.5倍に増加しており、グラフィック性能が飛躍的に向上しています。これにより、より多くのゲームを高画質設定で快適にプレイできる可能性があり、Beelink GTi14のIntel Arc Graphicsよりも強力であると推測されます。

メリット3:メモリ速度と最大容量

EVO-X2は業界最速クラスのLPDDR5X 8000MHzメモリを採用し、最大128GBの構成が可能です。これはEVO-X1(7500MHz、最大64GB)より高速・大容量です。また、AI X1 ProやBeelink GTi14(最大96GB DDR5 5600MHz SODIMM)、AtomMan G7 Pt(最大96GB DDR5-5200MHz SODIMM)と比較しても、メモリ速度とオンボードでの最大搭載容量で優位性があります。

メリット4:AI処理能力

EVO-X2はCPU、GPU、NPUを統合したシステム全体で最大126 TOPSのAI処理性能を持ちます。これはRyzen AI 9 HX 370を搭載するEVO-X1やAI X1 Pro(最大80 TOPS)、Intel Core Ultra 9 185Hを搭載するBeelink GTi14(最大34.5 TOPS)と比較して大幅に高く、ローカル環境での高度なAIタスク実行能力に優れています。

メリット5:最新の無線通信規格

EVO-X2は最新のWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応しています。MINISFORUM AI X1 Pro、Beelink GTi14、AtomMan G7 Ptも同様にWi-Fi 7に対応していますが、GMKtec EVO-X1はWi-Fi 6とBluetooth 5.2であるため、EVO-X2はより高速で安定した、低遅延のワイヤレス接続性を提供します。

【デメリット】

デメリット1:価格

GMKtec EVO-X2の価格(Amazon実質約22.5万円)は、比較対象として挙げられているGMKtec EVO-X1(実質約13.1万円)、MINISFORUM AI X1 Pro(実質約15万円)、Beelink GTi14(約15.6万円)、AtomMan G7 Pt(約18万円)のいずれよりも「かなり高価」です。最高クラスの性能を持つ一方で、コストパフォーマンスの点では劣ります。

デメリット2:本体サイズと設置性

EVO-X2(193×185.8×77 mm)は、特にGMKtec EVO-X1(128x127x48 mm)やBeelink GTi14(158x158x55.8 mm)と比較して大幅に大型化しています。これにより、従来のミニPCのような省スペース性や携帯性は低下しています。また、EVO-X1、AI X1 Pro、GTi14が対応しているVESAマウントに非対応な点も設置の自由度を制限します。

デメリット3:特定の接続ポートの欠如

EVO-X2は、GMKtec EVO-X1やMINISFORUM AI X1 Proに搭載されているOCuLinkポートを備えていません。これにより、OCuLink経由での外部GPU接続オプションが利用できません。また、有線LANポートが1基のみであり、デュアルLANポートを持つEVO-X1、AI X1 Pro、Beelink GTi14と比較して、リンクアグリゲーションなどのネットワーク構成の柔軟性で劣ります。

デメリット4:メモリの拡張性

EVO-X2のメモリはオンボード(LPDDR5X)であり、購入後にユーザー自身で増設や換装を行うことができません。これに対し、MINISFORUM AI X1 Pro、Beelink GTi14、AtomMan G7 PtはSODIMMスロットを採用しており、後からメモリ容量を増やすことが可能です。初期構成で大容量を選べますが、将来的なアップグレードはできません。

GMKtec EVO-X2のスペック(仕様)

  • プロセッサ: AMD Ryzen™ AI Max+ 395 (16コア/32スレッド, 最大5.1GHz, NPU 50 TOPS, プロセッサ全体最大126 TOPS)
  • GPU: Radeon 8060S グラフィックス (40コア RDNA 3.5アーキテクチャ)
  • RAM: オンボード LPDDR5X 8000MHz (64GB または 128GB オプション)
  • ストレージ: PCIe 4.0 M.2 2280 SSD (1TB または 2TB、または 2TB または 4TB オプション)
  • 拡張ストレージ: デュアル M.2 2280 スロット (各スロット最大8TBまたは4TB、合計最大16TBまたは8TB)
  • 電源: ACアダプター DC 19.5V, 11.8A (約230.1W)
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4 有線LAN: 1 x 2.5Gbps RJ45
  • 前面インターフェース: USB-A 3.2 Gen2 x2, USB Type-C (USB4.0) x1, SDカードリーダー, オーディオコンボ, ボタン類
  • 背面インターフェース: DisplayPort 1.4 x1, HDMI 2.1 x1, USB Type-C (USB4.0) x1, USB-A 3.2 Gen2 x1, USB-A 2.0 x2, オーディオ, DC IN, 2.5Gbps LAN x1
  • 映像出力: 最大8K 60Hz (HDMI 2.1, DP 1.4, USB4経由), 4画面同時出力対応
  • 冷却システム: Max3.0 Airflow System (3ヒートパイプ, デュアル/トリプルファン構造)
  • 消費電力: TDP 45~140W (定常120W, ピーク時最大140W)
  • VESAマウント: 非対応
  • OS: Windows 11 Pro (Linux, Ubuntu対応)
  • サイズ: 193 mm x 185.8 mm x 77 mm
  • 重量: 非公開
  • カラー: シルバー
  • 付属品: 電源アダプター,HDMIケーブル,縦置きスタンド,ユーザーマニュアル(取扱説明書)

GMKtec EVO-X2の評価

GMKtec EVO-X2 本体 前面 フロント2

7つの基準で「GMKtec EVO-X2」を5段階で評価してみました。

スペック:★★★★★
最新のAMD Ryzen™ AI Max+ 395プロセッサとRadeon 8060S GPUを搭載し、メモリも高速なLPDDR5X 8000MHzを採用。ベンチマークスコアやゲーム性能比較からも、前モデルや競合と比べてもトップクラスの性能を持つことが示されています 。

デザイン:★★★★☆
CNCサンドブラスト仕上げの金属筐体は高級感があり、RGBライティングも搭載。ただし、前モデルより大幅に大型化し(193×185.8×77 mm)、VESAマウントに非対応な点は設置の自由度をやや下げています 。

通信:★★★★☆
最新規格のWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応し、高速かつ安定した無線通信が可能です。一方で有線LANポートは前モデルの2基から1基(2.5Gbps)に減っています 。

機能(拡張性):★★★★☆
USB4ポートが2基に増え、SDカードリーダーも追加されました。M.2スロットも2基ありストレージ拡張性は高いですが、メモリはオンボードで増設不可、OCuLinkポートが廃止された点は用途によってはマイナスです 。

冷却性能: ★★★★★
強化された「Max3.0 Airflow System」を搭載し、最大140Wの高TDPに対応。レビュー情報によれば、高負荷時でも前モデルより大幅に静音性が向上していると期待されます 。

使いやすさ:★★★★☆
前面にパフォーマンスモード切替ボタンやSDカードリーダーが配置され利便性が向上しました。最大4画面出力も可能です。しかし、本体が大型化したこととVESA非対応は設置場所を選びます 。

価格:★★☆☆☆
Amazonでの実質価格(64GB/1TBモデルで約22.5万円)は、前モデル(約13.1万円)や他の高性能ミニPC(約15万~18万円)と比較して「かなり高価」と評価されています。スペックは高いですが、価格面でのハードルは高いです 。

総評:★★★★☆

圧倒的な性能と最新技術の導入

GMKtec EVO-X2は、ミニPCの概念を覆すほどの圧倒的な処理性能を誇ります。最新のAMD Ryzen™ AI Max+ 395プロセッサと強力なRadeon 8060Sグラフィックス、そして最大128GBの超高速LPDDR5X 8000MHzメモリの組み合わせは、AAA級ゲームの高画質プレイから、要求の厳しい動画編集、AI開発まで、あらゆる高負荷タスクを快適にこなすポテンシャルを秘めています 。Wi-Fi 7やBluetooth 5.4といった最新通信規格への対応も、将来性を見据えた大きなアドバンテージです 。

静音性と使い勝手の向上

前モデルEVO-X1で指摘されていた高負荷時のファンノイズに対し、EVO-X2は強化された冷却システム「Max3.0 Airflow System」によって大幅な静音性向上が期待されます 。前面に配置されたパフォーマンスモード切替ボタンやSDカードリーダーは、日常的な使い勝手を確実に向上させています 。最大4画面の8K出力に対応するなど、機能面でも妥協はありません 。

サイズ・価格・一部機能のトレードオフ

ただし、これらの進化にはトレードオフも伴います。本体サイズは前モデルから大幅に大型化し、ミニPCとしてのコンパクトさは失われました 。また、価格も競合製品と比較してかなり高価な設定です 。OCuLinkポートや2つ目の有線LANポートの廃止、VESAマウント非対応といった点は、特定のユーザーにとってはデメリットとなる可能性があります 。

まとめ:性能特化型のフラッグシップ機

GMKtec EVO-X2」は、サイズと価格を度外視してでもミニPCで最高の性能と最新技術を求めるユーザー向けの、まさにフラッグシップモデルと言えます。静音性や使い勝手も改善されており、総合的な完成度は非常に高いです。しかし、その価格とサイズから、万人におすすめできるモデルではなく、明確な目的を持つパワーユーザー向けの製品と言えるでしょう。

GMKtec EVO-X2はこんな人におすすめ:最終評価と推奨ユーザー像

「GMKtec EVO-X2」は、その卓越した性能と最新技術への対応力から、特定のニーズを持つユーザー層にとって非常に魅力的な選択肢となります。しかし、その高価格と大型化した筐体、いくつかの接続性のトレードオフを考慮すると、全ての人におすすめできるモデルではありません。

パフォーマンス最優先のユーザーに最適

GMKtec EVO-X2が最適なユーザーは、まず性能を最優先するパワーユーザーです。最新のAMD Ryzen™ AI Max+ 395プロセッサとRadeon 8060Sグラフィックスがもたらす処理能力は、比較対象となったGMKtec EVO-X1やMINISFORUM AI X1 Pro、Beelink GTi14などを凌駕します。

要求の厳しい最新AAA級ゲームを高画質・高フレームレートでプレイしたい高性能ゲーマーや、4K/8K動画編集、3Dレンダリングといった重負荷な作業を行うプロクリエイターにとって、そのパワーは大きな武器となるでしょう。

AI開発者や最新技術を求める層にも

また、最大126 TOPSという高いAI処理能力は、クラウドに頼らずローカル環境で大規模言語モデルなどを扱いたいAI開発者や研究者にとって価値があります。さらに、Wi-Fi 7やLPDDR5X 8000MHzメモリといった最先端技術をいち早く取り入れたいテクノロジー愛好家にも響くはずです。改善された冷却システムによる静音性の向上も、長時間の作業や没入感を重視するユーザーにはメリットとなります。

価格と性能のバランス、他の選択肢

一方で、この性能には相応の対価が必要です。EVO-X2は、GMKtec EVO-X1を含む他の高性能ミニPCと比較して明らかに高価です。したがって、予算に十分な余裕があり、かつその最高性能を必要とするユーザーでなければ、価格に見合う価値を見出すのは難しいかもしれません。コストパフォーマンスを重視する場合、GMKtec EVO-X1やMINISFORUM AI X1 Proなども依然として有力な選択肢となります。

EVO-X1からの買い替えは慎重に

GMKtec EVO-X1からの買い替えについては、慎重な判断が求められます。EVO-X2のCPU/GPU/AI性能の向上やWi-Fi 7対応は魅力的ですが、そのためには大幅な価格上昇、本体の大型化、OCuLinkポートやデュアルLAN、VESAマウント対応といったEVO-X1が持っていた利便性の一部を失うことを受け入れる必要があります。EVO-X1の性能で満足しており、そのコンパクトさや特定の接続性を重視するユーザーであれば、無理に買い替える必要はないでしょう。

結論:特定の要求を持つユーザー向けのフラッグシップ機

結論として、GMKtec EVO-X2は、ミニPCというフォームファクタの中で妥協なく最高のパフォーマンスを追求し、その対価を支払うことを厭わない、特定の要求を持つヘビーユーザーやプロフェッショナル、最先端技術を求める層に向けたフラッグシップモデルと言えます。自身のニーズ、予算、設置環境を十分に考慮した上で選択することが重要です。

GMKtec EVO-X2の価格・購入先

GMKtec EVO-X2 本体 2台 縦と横

GMKtec公式サイト

  • 64GB RAM + 1TB SSDモデルが1,499ドル(先行販売価格)、
  • 128GB RAM + 2TB SSDモデルが1,999ドル(先行販売価格)、

で販売されています。

GMKtec公式サイトで「GMKtec EVO-X2」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで319,990円(64GBメモリ+1TB・税込・95000円 OFFクーポン適用で実質224,990円)、
  • 楽天市場で319,990円(送料無料)、

で販売されています。

Amazonで「GMKtec EVO-X2」をチェックする

楽天市場で「GMKtec EVO-X2」をチェックする

ヤフーショッピングで「GMKtec EVO-X2」をチェックする

AliExpressで「GMKtec EVO-X2」をチェックする

米国 Amazon.comで「GMKtec EVO-X2」をチェックする

おすすめの類似製品を紹介

GMKtec EVO-X2」に似た性能をもつミニPCも販売されています。

GMKtec EVO-X1

GMKtecから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 搭載のミニPCです(2024年12月20日 発売)。

32GB or 64GB LPDDR5X 7500MHzメモリ、1TB or 2TB PCIe 4.0 M.2 2280 SSD NVMeストレージ、Windows 11 Proを搭載しています。

また、8K 3画面出力(USB4,DP2.1,HDMI 2.1)、Oculinkポート、冷却システム、最大8TBまでのストレージ拡張(M.2 2280 PCIe 4.0)、

縦置きスタンド、USB 4.0 (PD/DP/DATA) x1、USB 3.2 Gen2 (10Gbps) x4、USB 2.0 x2、WiFi 6 (2.4GHz/5.0GHz)、 Bluetooth 5.2、2.5Gデュアル 有線LANに対応しています。

価格は、Amazonで168,900円(税込・37900円 OFFクーポン付きで実質131,000円・32GB+1TBモデル)、楽天市場で167,080円(送料無料)、AliExpressで126,973円、です。

関連記事:GMKtec EVO-X1レビュー!8K対応Oculink付きAIミニPCの実力

MINISFORUM AI X1 Pro

MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 搭載のミニPCです(2025年4月 発売)。

DDR5 5600MHzメモリ(最大96GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSD (最大12TB、最大読み書き速度7000MB/s)、Copilotボタン、スピーカー、デュアルマイクアレイ、指紋認証ボタン (Windows Hello対応)、Windows 11 Proを搭載しています。

また、OCuLink (PCIe 4.0×4)による外部GPU接続、最大96GBまでのメモリ拡張、合計で最大12TBまでのストレージ拡張、最大4画面同時出力、冷却システム、VESAマウント、SDカードスロット、

USB4ポート (Alt PD in 100W & PD out 15W)、HDMI 2.1 FRL (4K@120Hz | 8K@60Hz)、DP 2.0 (4K@1260Hz | 8K@60Hz)、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート (10Gbps) x2、USB2.0 Type-A ポート x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、2.5G デュアル有線LAN、に対応しています。

価格は、Amazonで186,980円(税込・37396円 OFFクーポン付きで実質149,584円)、楽天市場で186,990円(送料無料)、ヤフーショッピングで188,705円、です。

関連記事:MINISFORUM AI X1 Proレビュー!AI性能と拡張性で進化したミニPC

Beelink GTi14

Beelinkから発売されたIntel Core Ultra 9 185H 搭載のミニPCです(2025年2月 発売)。

32GB/64GB/96GB DDR5 5600MHz Dual SO-DIMMメモリ、1TB/2TB (Dual M.2 2280 PCle4.0 X4)ストレージ、145W電源ユニット(内蔵)、SDカードスロットを搭載しています。

また、最大34.5 TOPS、AI音声インタラクションと360°全方向ピックアップ、Thunderbolt 4 (40Gbps/PD/DP)、4K 3画面出力(Thunderbolt 4/DP1.4a/HDMI)、MSC 2.0 冷却システム、拡張メモリ最大96GB、拡張ストレージ最大 8TB (Dual M.2 2280 PCle4.0 X4)、VESAマウント、自動電源ON、指紋認証(電源ボタンに指紋センサー内蔵)、Wi-Fi 7 (Intel BE200)、Bluetooth 5.4、2.5G デュアル ギガビット有線LANにも対応しています。

価格は、Amazonで155,999円(税込)、楽天市場で129,880円(送料無料)、ヤフーショッピングで283,900円、AliExpressで129,849円、米国 Amazon.comで$869.00、です。

関連記事:Beelink GTi14 レビュー!Core Ultra 9搭載の高速AIミニPC

AtomMan G7 Pt

MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen 9 7945HX プロセッサ搭載のミニPCです(2024年7月10日 発売)。

AMD Radeon RX 7600M XT (GDDR6 8G) グラフィックカード、32GB DDR5-5200MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD、拡張スロット、Windows 11を搭載しています。

また、4K 3画面出力、Cold Wave Ultra 冷却システム、デュアル RGB バックライトシート、USB 3.2 Gen2 Type-C ポート x1 (Alt データおよび DP)、USB 3.2 Gen2 Type-A ポート x4、USB 3.2 Gen2 Type-C ポート x1(データ専用)、Wi-Fi 7、BlueTooth 5.4、2.5G ギガビット有線LAN通信に対応しています。

価格は、Amazonで179,993円(税込・32GB+1TB)、楽天市場で185,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで179,000円(送料別)、AliExpressで170,190円、です。

関連記事:グラボ付き「AtomMan G7 Pt」ミニPCのメリット・デメリット

他のGMKtec ミニPCと比較

他にもGMKtecのミニPCが販売されています。2025、2024モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。

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