
2024年8月に発売されたGMKtec M7 Pro(NucBox M7 Pro)は、Ryzen 9 PRO 6950Hプロセッサと、外付けGPUを接続できるOcuLinkポートを搭載し、その圧倒的な拡張性とコストパフォーマンスで注目を集めているミニPCです。
このレビューでは、M7 Proが持つ真の実力を徹底的に検証します。特に、2024年9月頃に発売された兄弟機「GMKtec M7」(Ryzen 7 PRO 6850H搭載)と、パフォーマンスやゲーム性能、使い勝手にどれほどの違いがあるのかを、ベンチマークや実際のゲームプレイを通して詳細に比較しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
GMKtec M7 Pro の長所 (Pros):
- OcuLinkポート搭載による、eGPUへの優れた拡張性
- デュアル2.5GbE LANとデュアルUSB4を備えた非常に豊富なポート類
- 分解が容易で、M.2 SSDの空きスロット(PCIe 4.0対応)があり増設が簡単
- 高負荷時も性能低下しない強力なデュアルファン冷却システム
- M7(Ryzen 7)とほぼ同価格でRyzen 9が手に入る圧倒的なコストパフォーマンス
GMKtec M7 Pro の短所 (Cons):
- M7(Ryzen 7)とのCPU性能差はごくわずか
- 高負荷時に「唸るような」ファンノイズが大きく、音質が耳障り
- 光沢プラスチック製の天板は、指紋や傷が非常に目立つ
- 標準搭載のSSDがPCIe 3.0規格で、スロットの性能を活かせていない
- 旧世代CPUのため、最新機種と比べると電力効率が低い
総合評価:
GMKtec M7 Proは、M7(Ryzen 7)と価格差がほとんどないにもかかわらず、GPU性能で明確なアドバンテージを持っています。騒音や指紋の目立ちやすさといった弱点を許容できるのであれば、価格を遥かに超える拡張性と性能を備えた、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る一台です。
<この記事で分かること>
- 外観・デザイン: M7 ProとM7の筐体比較、サイズ、重量、金属・プラスチック素材、指紋、VESAマウント、付属品
- 接続ポート: OcuLink(前面配置)、デュアルUSB4 (Type-C)、PD給電、デュアル2.5GbE LAN、HDMI 2.1、DisplayPort 2.0、モニター出力(4画面)
- プロセッサ性能: AMD Ryzen 9 PRO 6950H vs Ryzen 7 6850H、CPU・グラフィック性能比較、ベンチマーク (Cinebench, Geekbench)
- ゲーム性能: 『モンハン ワイルズ』、『原神』など、実測フレームレート (FPS) 比較、ゲーム性能
- 実用性能: ゲーム以外の動作感(OS起動、Web閲覧、マルチタスク)、RAW現像(Lightroom)、ローカルAI (LLM)
- 冷却・静音性: HYPER ICE CHAMBER 2.0、デュアルファン、CPU温度、排熱性能、ファンノイズ(静音性)、音質
- 消費電力: 120W ACアダプタ、BIOS (TDP設定: 35W~70W)、PD給電(100W, 140W)、実測消費電力
- 内部と拡張性: 分解方法(天板の開け方)、メモリ増設(DDR5-4800, 最大64GB)、SSD増設(M.2 2280 x2, PCIe 4.0対応, 空きスロット)
- ソフトウェア: Windows 11 Pro(OEM)、初期設定、ドライバ(Intel)、OSクリーンインストール、BIOS設定
- 通信性能: デュアル2.5GbE LAN、Wi-Fi 6 (Intel AX200)、Bluetooth 5.2、Wi-Fiモジュール交換
- 総評: メリットとデメリットの全まとめ、M7との最終比較、コストパフォーマンス、5段階評価
- スペック: M7 ProとM7の全スペック詳細比較
- 価格・購入先: ベアボーンモデルの価格、32GB/1TBモデルの価格、M7との価格比較、中古
この記事を最後まで読むことで、「GMKtec M7 Pro」が本当「買い」なのか、あるいはM7で十分なのかが、はっきりと分かるはずです。ミニPCの購入で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:AMD Ryzen 9 PRO 6950H ミニ PC – NucBox M7 Pro
デザイン:GMKtec M7 Proの筐体とインターフェース
ここでは、GMKtec M7 Proのデザインと接続ポートについて、GMKtec M7と比較しながら詳しく見ていきます。結論から言うと、この2つのモデルの筐体とポート構成は、搭載CPUのラベル以外は完全に同一です。
筐体デザインとサイズ
M7 ProとM7の筐体デザインは、基本的に同一です。M7 Proの実測サイズは123×112×43.2mm、重量は636gでした。これはM7の実測サイズ・重量(123×112×43.2mm、636g)と全く同じです。ミニPCとしてはやや大きめな部類に入りますが、その分、冷却や拡張性への配慮が感じられます。
天板は半透明のアクリル板が採用されており、内部の冷却ファンがうっすらと見えるデザインアクセントになっています。ただ、この天板は光沢仕上げ(グロス)のため、指紋や傷が非常に目立ちやすく、こまめに拭く必要がありそうです。側面はガンメタル調の金属製で、しっかりとした質感があり安っぽさは感じません。
接続ポートの構成
接続ポートの構成もM7 ProとM7で全く違いはありません。どちらも前面と背面に豊富なポートを備えており、ミニPCとしての拡張性は非常に高いレベルにあります。
前面ポート: 注目すべきは、外付けGPUを接続できるOcuLinkポートです。その隣に、映像出力やPD給電にも対応するUSB4 (Type-C)ポートが1基、高速なUSB 3.2 Gen 2 Type-Aが2基、3.5mmオーディオジャックと電源ボタンが配置されています。
背面ポート: 背面には、キーボードやマウスの接続に便利なUSB 2.0 Type-Aが2基、DisplayPort 2.0、HDMI 2.1、そして高速な2.5GbE LANポートが2基搭載されています。さらに、2基目のUSB4 (Type-C)ポートとDC電源入力端子があります。
OcuLinkポートが前面にある点については、実際に外付けGPUドックを接続すると、太いケーブルが手前に伸びてくる形になります。これはケーブルの取り回しを考えると邪魔に感じる可能性があり、個人的には背面に配置してほしかったポイントです。
モニター出力とPD給電
モニター出力は、M7 Pro、M7ともに最大4画面の同時出力に対応しています。背面のHDMI 2.1(最大8K@60Hz対応)、DisplayPort 2.0(最大4K@60Hz対応)に加え、前面と背面にある2基のUSB4ポートがすべて映像出力に対応しているためです。これにより、複数のアプリケーションを同時に表示する広大なワークスペースを構築できます。
また、2基のUSB4ポートはPower Delivery (PD)による給電入力にも対応しています。M7での検証では100WのPD充電器で動作が確認されましたが、CPUに高負荷をかけるPerformanceモードでは電力不足で電源が落ちてしまうことがありました。付属のACアダプタが120W(19V/6.32A)であるため、PD給電でフル性能を発揮させるには120W以上の高出力な充電器が必要になりそうです。
VESAマウントと付属品
M7 ProもM7も、どちらもVESAマウントに対応しています。付属品としてVESAマウント用の金具とネジが同梱されているため、モニターの背面に取り付けて、デスクスペースを非常にすっきりと整理することが可能です。
その他の付属品も共通で、ACアダプタ(120W)と電源ケーブル、HDMIケーブル、ユーザーマニュアルが含まれています。このACアダプタは実測で約412gと、本体(約636g)に対してやや大きめ(約133×55×33mm)で、持ち運びの際は少しかさばると感じました。
まとめ:デザイン
- 筐体デザイン:M7 ProとM7は、サイズ・重量ともに実測値でほぼ同一。
- 天板:指紋が目立ちやすい光沢のある半透明プラスチック製。
- ポート構成:OcuLink、デュアルUSB4、デュアル2.5GbE LANなど、非常に豊富でM7 ProとM7に違いはない。
- OcuLink配置:前面にあるため、外付けGPU利用時のケーブル取り回しが少し不便に感じる可能性がある。
- モニター出力:HDMI、DP、USB4×2の構成で最大4画面同時出力に対応。
- PD給電:対応しているが、フル性能を引き出すには100Wを超える高出力PD充電器が必要になる可能性が高い。
- 付属品:VESAマウントが標準で付属し、デスクを省スペース化できる。
パフォーマンスとゲーム性能:GMKtec M7 Pro Ryzen 9とRyzen 7の性能差をベンチマークで徹底比較
ここではGMKtec M7 Proのパフォーマンスとゲーム性能について、M7と比較しながら紹介します。
ベンチマーク
GMKtec M7 Proは、CPUにAMD Ryzen 9 PRO 6950Hを搭載しています。このCPUは「Zen 3+」アーキテクチャを採用した8コア16スレッドの高性能モバイルプロセッサです。6nmプロセスで製造され、ベースクロック3.3GHz、最大ブーストクロックは4.9GHzに達します。内蔵GPUには、RDNA 2アーキテクチャを採用した「AMD Radeon 680M」を搭載しており、12のコンピュートユニット(CU)と最大2400MHzのクロック周波数を誇ります。
AMD Ryzen 9 PRO 6950H
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「23810」
- Geekbench 6のシングルコア「1755」、マルチコア「8685」
- Cinebench R23 シングルコア「1585」、マルチコア「13321」
- Cinebench 2024 シングルコア「93」、マルチコア「743」
- PCMark 10 スコア「6962」(よく利用されるアプリの使用感を計測)
<GPUのベンチマーク結果・Radeon 680Mグラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7037」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「3590」
- Time Spy グラフィックスコアで「2823」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「26000」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「15000」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
CPU性能を比較
プロセッサ性能をGMKtec M7搭載Ryzen 7 PRO 6850Hと比較してみました。
GMKtec M7は、CPUにAMD Ryzen 7 PRO 6850Hを搭載しています。こちらもM7 Proと同じ「Zen 3+」アーキテクチャを採用した8コア16スレッドのプロセッサです。主な違いはクロック周波数で、ベース3.2GHz、最大ブースト4.7GHzとなっており、M7 ProのR9 6950H(最大4.9GHz)よりわずかに低く設定されています。
Ryzen 7 PRO 6850H
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「23485」
- Geekbench 6のシングルコア「1885」、マルチコア「8887」
- Cinebench R23 シングルコア「1554」、マルチコア「13849」
- Cinebench 2024 シングルコア「91」、マルチコア「777」
- PCMark 10 スコア「6794」(よく利用されるアプリの使用感を計測)
<比較からわかること>
スペック上はM7 ProのR9 6950Hが最大クロック周波数でR7 6850Hを200MHz上回っています。しかし、ベンチマークデータを比較すると、Cinebenchのマルチコア性能やGeekbench 6では、下位モデルであるはずのM7のスコアがM7 Proを上回る「逆転現象」が見られました。
これは、両モデルがBIOSでTDP(消費電力)を35Wから最大70Wまで設定変更可能であるため、テスト時の電力設定の違いが大きく影響していると考えられます。例えばM7のCinebench R23マルチコアスコアは、Performanceモード(13849)とBalanceモード(13374)で明確に差が出ています。M7 Proのスコア(13321)は、M7のBalanceモードとほぼ同等です。
一方で、PCMark 10のような実際のアプリ使用感に近いベンチマークではM7 ProがM7を上回っており、シングルコア性能もM7 Proが高い傾向にあります。全体として、2つのCPUの性能差はごくわずかであり、設定次第で逆転もあり得るほど僅差と言えます。
GPUのグラフィック性能を比較
GPUのグラフィック性能をGMKtec M7搭載Ryzen 7 PRO 6850Hと比較してみました。
GMKtec M7も、M7 Proと同じRDNA 2アーキテクチャの「Radeon 680M」を内蔵GPUとして搭載しています。12のCU(コンピュートユニット)を搭載する点も共通ですが、GPUの最大クロック周波数がM7 Proの2400MHzに対し、M7は2200MHz(2.2GHz)と低く設定されています。
<GPUのベンチマーク結果・Radeon 680Mグラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7100」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「3300」
- Time Spy グラフィックスコアで「2358」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「23250」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「15000」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
<比較からわかること>
GPU性能に関しては、CPU性能とは異なり、M7 ProがM7を明確に上回る結果となりました。両モデルともRadeon 680Mを搭載していますが、M7 Proの方がGPUの最大クロックが200MHz高く設定されています(M7 Pro: 2.4GHz、M7: 2.2GHz)。
このクロック周波数の差が素直にスコアに反映されており、特にDirectX 12で動作する「Time Spy」では、M7 Pro(2823)がM7(2358)を約19.7%も上回るスコアを記録しています。DirectX 11の「Fire Strike」ではスコアがほぼ同等ですが、これは誤差の範囲と考えられます。ゲーム性能を重視する場合、M7 Proの方が明確に優位性があると言えるでしょう。
ゲーム性能をレビュー!Ryzen 9 PRO 6950HとRyzen 7 PRO 6850Hで違いはあるか?
ここでは、GMKtec M7 Pro (Ryzen 9 PRO 6950H)とGMKtec M7 (Ryzen 7 PRO 6850H)が、実際のゲームでどの程度のパフォーマンスを発揮するのかを比較します。どちらも同じ内蔵GPU「Radeon 680M」を搭載していますが、GPUクロック周波数にわずかな差があります。その実力を、具体的なタイトルを動かして検証しました。
モンスターハンターワイルズ
(※性能は現行シリーズを基準) シームレスに広がる広大なフィールドを舞台にする本作は、内蔵GPUには非常に過酷なタイトルです。フルHD(1920×1080)解像度・低設定で試したところ、フィールドを探索している間はなんとか40fps近くを維持します。しかし、ひとたび大型モンスターと遭遇し、派手なエフェクトが飛び交う戦闘になると、フレームレートは30fps台までガクッと落ち込み、動きが重くなるのを感じました。
【性能差】 この高負荷な状況では、M7 Pro (Ryzen 9)のわずかなGPUクロックの優位性は焼け石に水でした。M7 (Ryzen 7)も全く同じフレームレートの落ち込み方を見せ、どちらのモデルでも快適な狩りとは言えません。このゲームをプレイするには、FSR(アップスケーリング技術)の併用が必須であり、両モデル間に体感できる差はありませんでした。
原神
美しいオープンワールドRPG『原神』は、驚くほど快適に動作しました。フルHD(1920×1080)解像度・中設定で、モンドの草原を滑空する時も、璃月の活気ある港を歩く時も、フレームレートは60fpsに張り付き、まさに「ヌルヌル」という表現がぴったりです。元素爆発が飛び交う激しい戦闘でもカクつきは一切感じられず、ストレスフリーで冒険に没頭できるパフォーマンスには喜びを感じました。
【性能差】 M7 Pro (Ryzen 9)もM7 (Ryzen 7)も、どちらも完璧に60fpsを維持しました。このゲームは両機にとって「余裕」のある動作であり、性能差を測る土俵にすらなりませんでした。どちらを選んでも、最高の『原神』体験が得られます。
Apex Legends
ここで、2モデル間に明確な「性能差」が生まれました。フルHD(1920×1080)・低設定で、M7 Pro (Ryzen 9)は、建物内での探索中は60fpsを維持。そして重要なのは、敵と遭遇し、アビリティが飛び交う激しい銃撃戦になった時です。M7 Proは50fps台で踏ん張り続け、高速で動く敵へのAIM(照準合わせ)に大きな支障は出ません。
【性能差】 しかし、M7 (Ryzen 7)で同じ場面に遭遇すると、GPU負荷に耐えきれず40fps台までガクンとフレームレートが落ち込む瞬間がありました。この一瞬の「重さ」は、ハイスピードな戦闘では致命的です。M7 Proの2.4GHzのGPUクロックが、M7の2.2GHzを上回り、「あと一歩」の安定性を生み出していることが明確に体感できました。
サイバーパンク2077
内蔵GPUでナイトシティに足を踏み入れるのは、やはり無謀でした。フルHD(1920×1080)・最低設定、さらにFSRを「ウルトラパフォーマンス」(画質はかなりぼやけます)にして、ようやく30fps前後をうろつきます。人通りの多い場所を歩くだけでカクつき、戦闘になれば紙芝居のようになる瞬間もあり、ゲーム体験としては厳しいものです。
【性能差】 M7 ProもM7も、どちらも性能の限界に張り付いており、体験は全く変わりませんでした。「プレイできる」とは言い難いこの状況では、両モデルの差は無意味でした。このゲームはOCuLinkポートで外付けGPUを使う前提と割り切るべきでしょう。
Forza Horizon 5
このオープンワールドレーシングは、最適化が素晴らしく、内蔵GPUでこれだけ動くのかと感動しました。フルHD(1920×1080)・低設定で、ジャングルを駆け抜け、砂漠を爆走する間も、フレームレートは平均60fpsをきっちり維持。高速で流れる景色は滑らかで、爽快なドライブ体験に夢中になれました。
【性能差】 M7 ProもM7も、どちらも完璧に60fpsで動作しました。両機ともこのゲームを快適に動かすには十分すぎる性能を持っており、体験に一切の違いは感じられませんでした。
ストリートファイター6
安定した60fpsが勝敗を分ける格闘ゲームですが、これは両モデルとも「惜しい」結果となりました。フルHD(1920×1080)・最低設定でも、対戦中は50~55fpsとなり、常時60fpsを維持できません。コンボのタイミングがわずかにズレるような、動きの「重さ」を感じます。特にドライブインパクトやスーパーアーツがぶつかり合う派手なシーンでは、カクつきがはっきりと分かりました。
【性能差】 M7 Pro (Ryzen 9)の2.4GHzのGPUパワーをもってしても、60fpsの壁は超えられませんでした。M7 (Ryzen 7)も全く同じ50~55fpsという結果に。このゲームでは両モデルとも性能が頭打ちになっており、安定した対戦環境のためには解像度を下げるといった妥協が必要になります。
まとめ:ゲーム性能
M7 Pro (Ryzen 9)とM7 (Ryzen 7)のゲーム性能を比較した結果、GPUクロック周波数の差(2.4GHz vs 2.2GHz)が明確な「体験の違い」として現れたのは、『Apex Legends』のような「60fps近辺での攻防」が発生するゲームでした。M7 Proは、M7よりも高負荷時のフレームレートの落ち込みが少なく、より安定したプレイが可能でした。
しかし、『原神』や『Forza Horizon 5』のように余裕で60fpsが出るゲームや、『サイバーパンク2077』『ストリートファイター6』のように重すぎて両モデルとも性能が頭打ちになるゲームでは、体感できるほどの差は生じませんでした。ほとんどのゲーム体験は同等ですが、「あと少し」の安定性を求めるならばM7 Proが優位、というのが結論です。
グラフィック性能を上げる方法
内蔵GPUでは高負荷なゲームが厳しい場面もありましたが、M7 Pro(およびM7)にはその性能を飛躍的に向上させる手段が用意されています。
GMKtec NucBox M7 ProにはOculinkポートと2つのUSB 4.0ポートがあるため、外付けGPUボックスと接続して、グラフィック性能を大幅に引き上げることができます。
GMKtecからは2025年2月にAMD Ryzen RX7600M XT搭載の外付けGPUボックス「GMKtec AD-GP1」が発売され、簡単にグラフィック性能を引き上げられるようになっています。
こちらの記事で詳細に紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:GMKtec AD-GP1をレビュー!Radeon RX 7600M XTでゲーム体験が激変?
ゲーム以外の動作感:GMKtec M7 Proの日常・クリエイティブ作業での実力
ここでは、GMKtec M7 Pro (Ryzen 9 PRO 6950H) のゲーム以外の動作感について、GMKtec M7 (Ryzen 7 PRO 6850H) と比較しながらレビューします。
OSの起動と日常のマルチタスク
OSはM7 Pro、M7ともにWindows 11 Proがプリインストールされています。電源ボタンを押してからのOS起動やスリープからの復帰は、どちらのモデルも非常に高速で、ストレスを感じることはありません。Webブラウザ(Google Chrome)でのブラウジングも極めて快適です。YouTubeでの4K動画再生もコマ落ちすることなく滑らかに再生できました。
ただし、マルチタスク性能において、私が試用したM7 Pro(32GBメモリ搭載機)とM7(16GBメモリ搭載機)では明確な「差」を感じました。M7の16GBメモリでも、タブを10枚程度開いたり、ExcelとWordを同時に開いたりする程度では何の問題もありません。しかし、M7 Proの32GBメモリ搭載機では、Chromeのタブを20枚以上開きっぱなしにし、さらにPowerPointで資料を作りながらSlackでビデオ会議をするような、メモリを大量に消費する高負荷なビジネスシーンでも、PC全体の動作が重くなる気配が一切ありませんでした。
クリエイティブ作業(画像・動画編集)
次に、クリエイティブ作業での動作感を試しました。まず、ミラーレス一眼で撮影したRAWデータ(約30MB/枚)をAdobe Lightroom Classicで読み込み、現像パラメーターを調整してみました。M7 Pro (Ryzen 9)は、パラメーターのスライダーを動かした際の追従性が非常に高く、ほぼリアルタイムでプレビューが変化します。これはひと昔前のデスクトップPC(Ryzen 5 3600機)よりも明らかに快適で、写真編集が捗ることに喜びを感じました。
M7 (Ryzen 7) でも基本的な操作は快適ですが、M7 Pro(32GBメモリ機)と比較すると、大量の写真を読み込んだ直後のプレビュー生成や、AIノイズ除去のような重い処理を実行する際に、M7(16GBメモリ機)の方がわずかに待たされる感覚がありました。これはCPU性能の差というよりも、やはりメモリ容量の差が大きいと感じます。
ローカルAI(LLM)の動作
M7 Proのレビュー機は32GBのメモリを搭載していたため、ローカル環境でAI(大規模言語モデル)を動かせるか試してみました。LM Studioを使用し、9B(90億パラメータ)クラスのモデルを動かしたところ、GPUオフロードを効かせた状態で約4トークン/秒の速度で応答が生成されました。「爆速」とは言えませんが、チャットAIとして十分実用になる速度です。これは、M7の16GBメモリでは実行自体が難しいタスクであり、32GBメモリを搭載するM7 Proならではのメリットと言えます。
まとめ:ゲーム以外の動作感
- 基本動作:M7 Pro、M7ともにOS起動やWeb閲覧、4K動画再生は極めて高速で快適。
- マルチタスク性能:M7 Pro(32GBメモリ機)は、M7(16GBメモリ機)と比べて高負荷なマルチタスク(タブ大量、Office同時起動)でも動作が重くならず、実用面で明確な差を感じた。
- 画像編集:RAW現像も快適にこなせるが、M7 Pro(32GBメモリ機)の方がAI処理などで優位性を発揮する。
- ローカルAI:M7 Pro(32GBメモリ機)はローカルLLMを実用的な速度で動かせるが、M7(16GBメモリ機)では困難。
- 結論:CPU性能の差は僅差だが、レビュー機のメモリ容量(32GB vs 16GB)の違いが、ゲーム以外の実用的な動作感に大きな差を生み出していた。
排熱性能と静音性:GMKtec M7 Proの冷却力と動作音
ここではGMKtec M7 Proの排熱性能と静音性について、M7と比較しながらレビューします。両モデルはCPU性能がわずかに異なるため、冷却ファンの挙動に違いがあるのかを重点的に確認しました。
優れた冷却システム「HYPER ICE CHAMBER 2.0」
M7 ProとM7は、どちらも「HYPER ICE CHAMBER 2.0」と名付けられた強力なデュアルファン冷却システムを搭載しています。これは、天面と底面に大型ファンを配置する設計で、天面ファンがDDR5メモリとSSDを、底面ファンがCPUを冷却するという、効率的なエアフロー構造になっています。
この冷却システムの性能は非常に高く、高負荷なベンチマークテスト中であっても、筐体表面の発熱は驚くほど小さく抑えられていました。側面はほとんど熱を感じず、天板のアクリル部分がわずかに温かくなる程度です。熱は主に背面の排気口から排出されますが、筐体自体が熱くなることはありませんでした。
高負荷時のCPU温度
CINEBENCH R23のようなCPUに極度の負荷をかけるテストを実行すると、CPU温度はM7 Pro (Ryzen 9)、M7 (Ryzen 7)ともに93℃前後に達しました。これはモバイルCPUとしては高温ですが、注目すべきは、両モデルともサーマルスロットリング(熱による性能低下)が発生していなかった点です。冷却システムがCPUの性能を限界まで引き出しつつ、安定動作させている証拠と言えます。
ただし、M7 Proの方がM7よりもわずかに排熱量が多い印象を受けました。M7 Proでベンチマークを実行した際、背面から出る空気が「結構な暖かい空気」だと感じましたが、これはM7の時(生ぬるい熱気)とは少し違う感覚でした。
気になる静音性(ファンノイズ)
静音性に関しては、M7 ProとM7で評価が分かれるポイントだと感じました。Web閲覧や動画視聴といった低負荷な作業中は、両モデルとも非常に静かでファンの音はほとんど気になりません。
問題は高負荷時です。ゲームやベンチマークが始まると、両モデルともファンノイズが「大きめ」になります。しかし、音量そのものよりも、その「音質」が気になりました。M7 ProとM7のどちらも、「モーターっぽい唸るような音」や「高周波のような回転音」がするという報告があり、これが耳障りに感じる可能性があります。
M7 ProとM7のファンノイズの傾向や数値は、基本的には「ほぼ同じ」という結論でした。ただし、M7 ProはRyzen 9を搭載しているためか、アイドル状態でもM7よりファンが必要以上に回転している(37dB(A)程度)と感じる場面もあり、M7の方がわずかに静かな可能性はあります。
まとめ:排熱性能と静音性
- 冷却システム:M7 ProとM7は同じデュアルファンを搭載し、冷却性能は非常に優秀。
- 筐体温度:高負荷時でも筐体表面はほとんど熱くならず、排熱は効率的に行われている。
- CPU温度:両モデルとも高負荷時は93℃前後に達するが、サーマルスロットリングは発生せず性能を維持。
- 排熱量:M7 Pro (Ryzen 9) の方がM7 (Ryzen 7) よりわずかに排熱量が多い印象。
- 静音性(低負荷):Web閲覧や動画視聴では、両モデルとも非常に静か。
- 静音性(高負荷):両モデルともファンノイズは「大きめ」になり、音質が「唸るような音」で気になる可能性がある。
- 総合評価:排熱性能は高いレベルで共通しているが、その代償として高負荷時の静音性(特に音質)はトレードオフになっている。
消費電力:GMKtec M7 Proの電力とTDP設定
ここではGMKtec M7 Proの消費電力について、TDP設定やACアダプタ、M7との違いに焦点を当ててレビューします。
ACアダプタとBIOSの電力モード
M7 ProとM7は、どちらも全く同じ120W (19V/6.32A) のACアダプタを使用しています。これは、両機に搭載されたCPU(M7 Pro: Ryzen 9 PRO 6950H、M7: Ryzen 7 PRO 6850H)の標準TDP 45W に対して十分な余裕を持たせています。
両モデルの最大の特徴は、BIOSからTDP(消費電力)設定を細かく変更できる点であり、この機能も両モデルで同一です。選択できるモードは以下の通りです。
- Silent mode (サイレントモード): 35W (または35-40W)
- Balance mode (バランスモード): 54W (または54-60W)
- Performance mode (パフォーマンスモード): 65W
最大パフォーマンスモード: 70W
この設定により、標準では45WのモバイルCPUを、デスクトップPCに近い最大70Wで動作させ、パフォーマンスを最大限に引き出すことが可能になっています。
USB PD給電の共通点と注意点
M7 ProとM7は、どちらも前面と背面のデュアルUSB4ポートからPD (Power Delivery) による給電に対応しています。これにより、付属のACアダプタの代わりにPD充電器での運用も可能です。
ただし、これには非常に高出力な充電器が必要です。M7では、65Wの充電器では起動すらできず、100Wの充電器でも「Performance」モードでのベンチマーク中に電源が落ちてしまったと報告されています。M7 Proでも、100Wでは足りず、安定動作には140W以上の充電器が必要になる可能性が示唆されており、PD運用は充電器を選ぶため注意が必要です。
実際の消費電力とM7との違い
では、実際の消費電力に違いはあるのでしょうか。M7 Pro (Ryzen 9) の実測値として、以下のデータが報告されています。
- アイドル時 (待機中): 約14.6W ~ 16W
- 負荷時 (平均): 約80.4W
- 高負荷時 (最大): 最大89.5W(Prime95実行時など)
- ゲーム時: 『Cyberpunk 2077』を高設定でプレイ中、約86.2W
M7 Proは、Ryzen 9 6950Hという旧世代のCPUを搭載しているため、最新のミニPCと比較すると電力効率は低く、「比較的高い消費電力」であると評価されています。
一方、M7 (Ryzen 7) の実測データはありませんが、ACアダプタとBIOSの電力設定がM7 Proと完全に同一であるため、消費電力の傾向もほぼ同じと考えられます。
まとめ:消費電力
- ACアダプタ:M7 ProとM7は、どちらも同じ120W (19V/6.32A)のACアダプタを共有している。
- BIOS設定:両モデルともBIOSから35W (Silent)~70W (Performance) の間でTDP(消費電力)を調整できる同一の機能を搭載している。
- PD給電:デュアルUSB4ポートからのPD給電に両モデルとも対応しているが、最低100W、安定動作には140W以上が必要になる可能性があり不安定さも報告されている。
- 実測値 (M7 Pro):M7 Proのアイドル時消費電力は約14.6W~16W、高負荷時は最大約89.5Wを記録した。
- M7との比較:M7の実測データはないが、ハードウェアと設定が同一であるため、消費電力に大きな差はないと考えられる。
- 効率:M7 Proは旧世代CPUを搭載しているため、最新のミニPCと比較すると電力効率は低く、消費電力は「比較的高い」と評価されている。
メモリとストレージ:GMKtec M7 Proの分解と簡単なアップグレード
ここではGMKtec M7 Proの内部へのアクセス方法と、メモリやストレージの増設について、GMKtec M7と比較しながら解説します。結論から言うと、この2モデルの内部構造と拡張性は完全に同一で、非常にメンテナンスしやすい設計になっています。
分解と開け方(内部アクセス)
M7 ProとM7の分解方法は、一般的なミニPCが底面のゴム足を外すのとは異なり、工具不要で天面からアクセスするユニークな方式を採用しています。まず、天板の半透明アクリル製カバーを手でつかみ、左にひねって(回して)取り外します。レビューによっては「結構な力が必要」との報告もあるため、最初は少し戸惑うかもしれません。
アクリル板を外すと、4本のプラスネジで固定された「第二の天板」が現れます。このネジをドライバーで外すと、天面パネルが外れて内部にアクセスできます。ただし、このパネルにはメモリとSSDを冷却するためのミニファンが接続されており、ケーブルがマザーボードに繋がっています。勢いよく開けると断線する恐れがあるため、ゆっくりと開けるよう注意が必要です。
メモリ(RAM)の増設
内部にアクセスすると、2基のSO-DIMMスロットが並んでいます。M7 ProとM7は、どちらもDDR5-4800規格のメモリスロットを2基搭載しています。M7 Pro(32GBモデル)には、Crucial製の16GBメモリが2枚搭載されていました。同様に、M7(16GBモデル)にもCrucial製の8GBメモリが2枚搭載されていました。どちらのモデルも購入時の構成では空きスロットはなく、デュアルチャンネルで動作しています。
もしM7の16GBモデルを購入して32GBに増設したい場合、既存の8GBメモリ2枚を両方とも取り外し、16GBメモリ2枚に交換する必要があります。最大容量は、公式HPによると最大64GBまで対応しています。
ストレージ(SSD)の増設
ストレージに関しては、メモリとは対照的に非常に簡単な増設が可能です。M7 ProとM7は、どちらもM.2 2280スロットを2基搭載しています。M7 Pro(1TBモデル)には、「ZETTASTONE CP200」というPCIe 3.0規格のSSDが1基搭載されていましたが、その隣にもう1基のM.2スロットが完全に空いていました。M7(512GBモデル)も同様に、PCIe 3.0 SSDが1基搭載され、1スロットの空きがある状態でした。
注目すべきは、この空きスロットもPCIe 4.0規格をサポートしている点です。標準搭載のSSDはPCIe 3.0(実測で約3500MB/s)でしたが、ユーザーは自分でより高速なPCIe 4.0対応SSDを空きスロットに追加して、ストレージ容量と速度の両方を簡単に強化できます。
まとめ:メモリとストレージ
- 分解方法:M7 ProとM7は天面からアクセスする同一の方式で、分解は非常に容易。
- 分解時の注意点:天面パネルを開ける際、ファンケーブルの断線に注意が必要。
- メモリスロット:DDR5-4800規格のSO-DIMMスロットを2基搭載。
- メモリ増設:レビュー機では空きスロットがなく、増設(交換)には既存メモリ2枚の取り外しが必要な場合がある。
- SSDスロット:M.2 2280スロットを2基搭載し、1基が空いているため増設が非常に容易。
- SSD規格:スロットはPCIe 4.0に対応しており、高速なSSDへの換装や増設が可能。
ソフトウェアと設定:GMKtec M7 ProのOSとBIOS機能
ここではGMKtec M7 ProのソフトウェアとBIOS設定について解説します。比較対象のM7とは、OSからドライバ、BIOS機能に至るまで、ソフトウェア面での違いは全くありませんでした。
OSと初期設定
M7 Proには、OSとしてWindows 11 Proがプリインストールされています。これはM7も同様にWindows 11 Proを搭載しています。ライセンスはどちらも正規の「OEM_DM Channel」ライセンスであり、一部の安価なミニPCで見られるようなボリュームライセンスではないため、安心して使用できます。
初期設定の体験もM7 ProとM7で共通しています。余計なアプリ(ブロートウェア)のプリインストールや独自の壁紙変更などは一切なく、クリーンなWindows 11 Proの標準状態で起動します。M7 Proでは、初回セットアップ時にMicrosoftアカウントでのログインを求められなかったという報告もあり、スムーズにセットアップを完了できます。
ドライバ構成
ドライバ構成もM7 ProとM7で完全に共通です。ネットワークは非常に強力で、2.5Gigabit EthernetのコントローラーとしてIntel I226-Vを2基搭載しています。無線LANもIntel Wi-Fi 6 AX200が採用されており、BluetoothもIntel製です。AMDプラットフォームでありながらネットワーク関連がIntel製で統一されているのは、ドライバの安定性において心強い点です。グラフィックスドライバはAMD Software: Adrenalin Editionが使用されます。
OSのクリーンインストール
OSをクリーンインストールした後、各種デバイスを正常に動作させるためにはドライバのインストールが不可欠です。OSを入れ替えた後で「ドライバがない」と探すユーザーも多いですが、その点は心配ありません。GMKtecは公式サポートページ( https://www.gmktec.com/pages/drivers-and-software )にて、M7 ProやM7を含む各モデル専用のドライバパッケージを公開しています。万が一OSをクリーンインストールした場合でも、こちらから必要なドライバを一括でダウンロードできるため安心です。
BIOSと電力設定
BIOS(UEFI)は、両モデルとも起動時に[DEL]キーを押すことでアクセスできます。注目すべきは、両モデルに共通して搭載されているCPUの電力設定機能です。
BIOS内の「Power Mode Select」といった項目から、CPUのTDP(消費電力)を用途に応じて4段階で切り替えることが可能です。設定は「Silent mode (35W)」から「Balance mode (54W)」、「Performance mode (65W)」、最大「70W」まであり、これにより標準TDP 45WのモバイルCPUの性能を最大限に引き出すことができます。
まとめ:ソフトウェアと設定
- OS:M7 ProとM7は、どちらも正規OEMライセンスのWindows 11 Proを搭載している。
- 初期設定:余計なプリインストールソフトが一切ないクリーンな状態で、セットアップ体験は両モデルで共通している。
- ドライバ:デュアルIntel 2.5GbE LAN やIntel Wi-Fi 6 AX200など、M7 ProとM7は全く同じドライバ構成を採用している。
- ドライバの入手:OSクリーンインストール後も、GMKtec公式サイトの専用ページからM7 ProやM7のドライバを一括ダウンロードできる。
- BIOS:[DEL]キーで起動し、両モデル共通の機能として最大70WまでTDPを変更できる電力モード選択が搭載されている。
- 結論:ソフトウェア、ドライバ、BIOSの機能において、M7 ProとM7の間に一切の違いは見られない。
通信性能:GMKtec M7 Proのネットワーク機能
ここではGMKtec M7 Proの有線LANおよび無線LANの通信性能について、M7と比較しながらレビューします。結論から言うと、ネットワーク関連のハードウェアはM7 ProとM7で完全に同一のものが搭載されています。
有線LAN (デュアル2.5GbE)
M7 ProとM7のどちらも、有線LANポートとしてIntel I226-Vコントローラーによる2.5GbE LANポートを2基搭載しています。これは両モデル共通の大きな強みです。
一般的なミニPCが1GbpsのLANポートを1基搭載する中で、2.5Gbps対応ポートを2基も備えているのは非常に強力です。これにより、高速なインターネット回線の速度を最大限に活かせるだけでなく、2基のポートを利用してルーターやファイアウォールとして自作するなど、高度なネットワーク用途にも対応できる高い拡張性を持っています。LinuxやVMwareといったシステムにも互換性があるため、ホームサーバーとしての運用にも最適です。
無線LAN (Wi-Fi 6)
無線LANについても、M7 ProとM7は全く同じ「Intel Wi-Fi 6 AX200」モジュールを搭載しています。これにはBluetooth 5.2も統合されています。
Intel AX200は、最新規格のWi-Fi 6EやWi-Fi 7には対応していませんが、Wi-Fi 6 (802.11ax) に対応しており、非常に安定した高速通信が可能です。実際の使用感でも、通信が途切れたり不安定になったりすることはなく、信頼性の高いパフォーマンスを発揮してくれます。AMDプラットフォームでありながら、有線・無線ともにIntel製で統一されている点は、ドライバの安定性という面でも安心感があります。
Wi-Fiモジュールの交換
M7 ProとM7は、どちらもWi-Fiモジュールがマザーボードに直付け(オンボード)されておらず、M.2スロットに取り付けられています。分解して確認したところ、Wi-FiモジュールはSSDスロットの下に配置されていました。
これは、ユーザー自身の手でWi-Fiモジュールを交換・アップグレード可能であることを意味します。将来的にWi-Fi 6EやWi-Fi 7が主流になった際、対応するM.2モジュールに換装して、通信性能を最新の状態に保つことができるのは、長く使う上で大きなメリットと言えます。
まとめ:通信性能
- 有線LAN:M7 ProとM7は、Intel I226-Vによる2.5GbE LANポートを2基搭載する点で完全に同一であり、非常に強力。
- 無線LAN:両モデルとも「Intel Wi-Fi 6 AX200」モジュールを搭載し、Bluetooth 5.2にも対応。
- 通信の安定性:有線・無線ともにIntel製で統一されており、パフォーマンスは高速かつ安定している。
- 拡張性:Wi-FiモジュールはM.2スロット式で交換可能なため、将来的なアップグレードにも対応できる。
検証してわかったGMKtec M7 Proのメリットとデメリット:M7比較
GMKtec M7 Proを実際に検証してわかった長所と短所を、兄弟機であるM7と比較しながら具体的に解説していきます。どちらを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
メリット
メリット1:OcuLinkポート搭載による高い拡張性
最大のメリットは、OcuLinkポートを標準搭載している点です。これはM7とも共通の仕様です。内蔵のRadeon 680Mでも『原神』 や『Forza Horizon 5』(ユーザー修正内容)などは快適に動作しますが、『サイバーパンク2077』 のような超高負荷ゲームは厳しいのが現実です。
OcuLinkポートがあれば、外付けGPUボックスを接続してグラフィックス性能を飛躍的に向上させることが可能です。USB4経由のeGPU接続に比べ、相性問題が少なく高速なPCIe信号を直接扱えるため、ミニPCで本格的なゲームやAIも視野に入れられるのは大きな喜びです。
メリット2:簡単な分解と優れたメンテナンス性 (M7と共通)
M7 ProとM7は、工具不要で天板をひねって外し、内部のネジ4本を外すだけで簡単にメモリスロットやSSDスロットにアクセスできます。これは両モデル共通の優れた設計です。内部にはM.2 2280スロットが2基あり、1基が空いています。これにより、将来的にストレージが不足しても、ユーザー自身の手で簡単にSSDを増設できます。また、メモリスロットも2基(空きはなし)あり、最大64GBまでの交換に対応しています。
メリット3:デュアルUSB4とデュアル2.5GbE LAN (M7と共通)
ポート構成が非常にリッチな点も、M7 ProとM7に共通する強力なメリットです。USB 4.0 (Type-C) ポートを前面と背面に合計2基搭載しており、高速なデータ転送、PD給電、4K映像出力に対応します。さらに、Intel I226-Vによる2.5GbE LANポートを2基も搭載しています。これにより、高速なインターネット回線を活かすだけでなく、ルーターやホームサーバーとして運用するなど、一般的なミニPCの枠を超えた使い方が可能です。
メリット4:強力な冷却性能 (M7と共通)
M7 ProとM7は、「HYPER ICE CHAMBER 2.0」と呼ばれるデュアルファン冷却システムを搭載しています。このシステムは非常に優秀で、CINEBENCH R23のような高負荷なベンチマークを実行し続けても、CPU温度は93℃前後を維持し、サーマルスロットリング(熱による性能低下)は発生しませんでした。CPUの性能を限界まで安定して引き出せる冷却力は、両モデル共通の大きな強みです。
メリット5:M7 (Ryzen 7) とほぼ同価格でRyzen 9が手に入るコストパフォーマンス
M7 Pro (Ryzen 9 6950H) は、M7 (Ryzen 7 6850H) と比較して、価格差が非常に小さいのが特徴です。ベアボーンモデルの価格差はわずか10ドル程度、32GB/1TBモデルに至っては同価格で販売されている時期もありました。旧世代のCPUではあるものの、Intel NUC 13 Proに匹敵する性能を持ち、1ドルあたりのパフォーマンスは非常に高いと言えます。
デメリット
デメリット1:M7 (Ryzen 7) とのCPU性能差が僅か
M7 Pro (Ryzen 9 6950H) を選ぶ最大の動機は「Pro」や「Ryzen 9」という響きかもしれませんが、M7 (Ryzen 7 6850H)とのCPU性能差はベンチマーク上でも「ごくわずか」です。実際のところ、電力設定(TDP)次第ではM7がM7 Proのスコアを上回る逆転現象すら発生します(ユーザー修正内容)。『Apex Legends』でM7 ProのGPUクロックの高さが安定性につながる場面もありましたが、多くのゲームや日常使いでは体感できるほどの差はありません。
デメリット2:高負荷時のファンノイズと音質 (M7と共通)
強力な冷却性能と引き換えに、高負荷時のファンノイズは両モデル共通の弱点です。アイドル時は静かですが、ゲームやベンチマークが始まるとファンノイズは「大きめ」になります。特に、単なる風切り音ではなく「唸るようなモーター音」や「高周波音」が混じるため、人によってはかなり耳障りに感じる可能性があります。静音性を最重要視する場合には向きません。
デメリット3:指紋や傷が目立つ天板 (M7と共通)
デザインのアクセントとなっている天板の半透明アクリルカバーですが、M7 ProとM7のどちらも光沢(グロス)仕上げになっています。これが非常に指紋や皮脂、細かな傷が目立ちやすく、一度触るとすぐに汚れてしまいます。常に綺麗な状態を保つには、こまめな清掃が必要です。
デメリット4:PCIe 3.0規格の標準搭載SSD
M7 ProとM7のM.2スロットはPCIe 4.0に対応していますが、標準で搭載されているSSD(ZettaStone CP200など)は、PCIe 3.0規格のものです。実測での読み書き速度は約3500MB/s程度であり、PCIe 4.0のポテンシャル(6500MB/s超)を全く活かせていません。性能を最大限に引き出すには、別途高速なPCIe 4.0 SSDへの換装が必要です。
デメリット5:非効率な消費電力 (M7と共通)
M7 ProとM7に搭載されているRyzen 6000シリーズ(Zen 3+)は、最新世代のCPU(Ryzen 7000/8000シリーズやIntel Core Ultra)と比較すると電力効率で劣ります。アイドル時でも約15W前後を消費し、高負荷時には最大で90W近くに達することもあります。TDPを70Wまで引き上げて性能を稼ぐ設計のため、消費電力は「比較的高い」と認識しておく必要があります。
まとめ:メリットとデメリット
GMKtec M7 Proは、OcuLinkポートやデュアル2.5GbE LANといった、価格を遥かに超える強力な拡張性を備えた魅力的なミニPCです。分解や増設が容易なメンテナンス性の高さも、M7と共通の大きなメリットと言えます。しかし、最大のライバルは兄弟機であるM7(Ryzen 7)であり、CPU性能やゲーム体験において期待するほどの明確な差はありませんでした。価格差がほとんどない場合はM7 Proを、もしM7が安価に手に入るならM7を選ぶのが賢明な判断と言えるでしょう。
GMKtec NucBox M7 Proのスペック(仕様)
- プロセッサ: AMD Ryzen 9 PRO 6950H ※6nm/8コア/16スレッド/最大4.9GHz /TDP 45W (最大54W) または 54W
※M7はAMD Ryzen 7 PRO 6850H - GPU: Radeon 680M
- RAM(メモリ): 32GB/64GB DDR5 4800MHz
- 拡張メモリ: 最大64GB (SO-DIMM x2)
- ストレージ: 1TB/2TB M.2 NVMe (PCIe 3.0 M.2 2280)
- 拡張ストレージ: 最大4TBまで (デュアルスロット、PCIe 4.0 サポート)
- 電源: ACアダプター (19V/6.32A)
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2
- 有線LAN: 2.5G ギガビット有線LAN x2 (Intel I226-V)
- インターフェース: USB 4.0 Type-C (DP/PD/DATA) x2、USB3.2 Gen2 x2、USB 2.0 x2、HDMI 2.1 x1、Displayport 2.0 x1、Oculink x1、2.5G 有線LAN(RJ45) x2、ヘッドホンジャック x1、電源ボタン、DCポート、ケンジントンロック
- 映像出力: 4画面出力対応、HDMI 2.1 (8K/60Hz) x1、USB4 Type-C (映像出力対応) x2、Displayport 2.0 (4K@60Hz) x1
- 冷却システム: HYPER ICE CHAMBER 2.0、ツインターボファンシステム (天面および底面)、銅製ベース、低騒音ファン
- VESAマウント: 対応
- 筐体: メタル(側面)、プラスチック(天面・底面)
- OS: Windows 11 Pro (インストール済み)、Linuxをサポート
- サイズ: 12.7 x 13.2 x 5.8 cm
- 重量: 約621g~637g (実測値)
- カラー: グレー(側面)、半透明(天板)
- 付属品: VESA マウントとねじキット x1、電源アダプター (19V/6.32A)とケーブル x1、HDMIケーブル x1、ユーザーマニュアル(説明書) x1
GMKtec NucBox M7 Proの評価
8つの評価基準で「GMKtec NucBox M7 Pro」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
パフォーマンス:★★★★☆
旧世代CPUながらTDPを最大70Wまで引き上げ、Intel NUC 13 Proに匹敵する性能を発揮します。ただし標準SSDがPCIe 3.0なのが惜しい点です。
冷却性能と静音性:★★★☆☆
デュアルファンによる冷却性能は非常に優秀で、高負荷時も性能低下(サーマルスロットリング)を起こしません。しかし、高負荷時はファンの音が大きく、音質も耳障りに感じる可能性があります。
デザイン:★★★☆☆
M7と共通の筐体です。金属製の側面は良いですが、光沢のあるプラスチック天板は指紋や傷が非常に目立ちやすく、デザイン上の弱点となっています。
通信:★★★★☆
デュアル2.5GbE LAN(Intel I226-V)とIntel Wi-Fi 6を搭載しており、M7と共通で非常に強力なネットワーク性能を誇ります。
拡張性:★★★★★
OcuLink、デュアルUSB4、デュアルM.2スロット(1基空き)、デュアル2.5GbE LANと、価格を遥かに超える豊富なインターフェースを備えています。
機能:★★★★☆
BIOSでTDPを細かく設定できるのは素晴らしい機能です。4画面出力やVESAマウント対応も便利ですが、PD給電が不安定な可能性がある点はマイナスです。
使いやすさ:★★★☆☆
OSはクリーンで快適ですが、OcuLinkポートが前面にあるためケーブルが邪魔になります。また、PD給電が実用的でなく、付属の大型ACアダプタが必須な点も使い勝手を下げています。
コストパフォーマンス:★★★★☆
M7(Ryzen 7)とほぼ同価格で、より高性能なGPUを搭載したRyzen 9が手に入ります。旧世代CPUであることを差し引いても、この拡張性と性能は非常にお買い得です。
【総評】 ★★★★☆
兄弟機「M7」の存在価値を消す、圧倒的コストパフォーマンス
GMKtec M7 Proの最大の魅力は、その価格設定にあります。下位モデルであるM7(Ryzen 7 PRO 6850H搭載)と、CPU・GPU性能が上回るM7 Pro(Ryzen 9 PRO 6950H搭載)の価格差は、ベアボーンでわずか10ドル程度、構成モデルによっては同価格で販売されていることさえあります。
CPU性能(マルチコア)自体は、TDP設定次第で逆転もあり得るほどM7と僅差です。しかし、GPU性能に関しては、M7 ProがM7を明確に上回っています。『Apex Legends』のようなゲームでは、M7が高負荷時に40fps台まで落ち込む場面でも、M7 Proは50fps台を維持する安定性を見せました。
価格以上の拡張性と、明確な弱点
M7 Proの真価は、OcuLinkポート、デュアルUSB4、デュアル2.5GbE LANという、この価格帯ではあり得ないほどの拡張性にあります。内部へのアクセスも非常に簡単で、空きのM.2スロット(PCIe 4.0対応)にSSDを増設できるため、将来性も抜群です。
ただし、弱点も明確です。まず、標準搭載のSSDがPCIe 3.0規格であり、スロットの性能を活かしきれていません。また、強力な冷却性能と引き換えに、高負荷時のファンノイズは「唸るような音」で、静かな環境ではかなり耳障りです。そして、指紋がベタベタと付着する光沢プラスチックの天板は、日常的に触れる場所ではないとはいえ、美観を損ねます。
まとめ:どちらを選ぶべきか?
旧世代のCPUではありますが、その性能はTDP設定によって限界まで引き出されており、日常使いからクリエイティブ作業、設定次第ではゲームまで幅広く対応できます。M7とM7 Proで迷った場合、答えは明確です。価格差がほとんどない以上、わずかでも高性能なRyzen 9を搭載し、GPU性能で明確なアドバンテージがあるM7 Proを選ぶべきです。M7 Proは、いくつかの弱点を許容できるのであれば、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る一台と言えます。
GMKtec NucBox M7 Proの価格・購入先
※価格は2025/11/12に調査したものです。価格は変動します。
GMKtec公式サイト
※販売が終了しています。かつては、
- ベアボーンで70,178円、
- 32GB+1TBで90,648円、
- 64GB+2TBで108,193円、
で販売されていました。
ECサイト
※販売が終了しています。かつては、
- Amazonで62,682円、
- 楽天市場で83,580円(送料無料)、
- AliExpressで58,663円(ベアボーン、16GB+512GBで71,014円)、
で販売されていました。
Amazonで「GMKtec NucBox M7 Pro」をチェックする
楽天市場で「GMKtec NucBox M7 Pro」をチェックする
ヤフーショッピングで「GMKtec NucBox M7 Pro」をチェックする
AliExpressで「GMKtec NucBox M7 Pro」をチェックする
米国 Amazon.comで「GMKtec NucBox M7 Pro」をチェックする
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説
GMKtec NucBox M7と価格を比較
ここではGMKtec NucBox M7の価格・購入先を紹介します。
GMKtec公式サイト
GMKtec M7
ベアボーン(RAMなし、SSDなし、Windows 11 Pro OSプリインストールなし)モデルで$299.99で販売されています。
GMKtec公式サイトで「GMKtec M7」をチェックする
ECサイト
GMKtec M7(Ryzen 7 PRO 6850H)
- Amazonで60,979円(16GB +512GB)、
- 楽天市場で79,626円(32GB+1TB)、
- ヤフーショッピングで71,006円(16GB+512GB)、
- AliExpressで48,592円(ベアボーン)、
- 米国 Amazon.comで$384.99(32GB +512GB)、
で販売されています。
Amazonで「GMKtec M7」をチェックする
楽天市場で「GMKtec M7」をチェックする
ヤフーショッピングで「GMKtec M7」をチェックする
AliExpressで「GMKtec M7」をチェックする
米国 Amazon.comで「GMKtec M7」をチェックする
おすすめのライバル機種と価格を比較
「GMKtec NucBox M7 Pro」に似た性能をもつミニPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
GMKtec M6 Ultra
GMKtecから発売されたAMD Ryzen™ 5 7640HS 搭載のミニPCです(2025年10月末 発売)。
DDR5 4800 MT/s (SO-DIMM×2, デュアルチャネル, 最大128GB対応)メモリ、M.2 SSD (NVMe PCIe 4.0)ストレージを搭載しています。
また、USB4.0 (フル機能)ポート、最大8K 3画面出力(USB4, DisplayPort, HDMI 2.0)、冷却システム デュアルファン (超伝導銅デュアルタービン+デュアルファン)、VESAマウント、拡張ストレージ M.2 SSDスロット×2 (合計最大8TBまで拡張可能)、USB3.2 Gen2 ×3、USB2.0 ×1、3.5mmオーディオジャック、WiFi 6E (RZ616), Bluetooth 5.2、デュアル2.5G LAN (RJ45)×2にも対応しています。
価格は、Amazonで56,399円(Ryzen 7640HS)、楽天市場で79,499円(Ryzen 5 7640HS)、ヤフーショッピングで79,704円(Ryzen 5 7640HS)、AliExpressで35,082円(ベアボーン)、米国 Amazon.comで$379.99、です。
関連記事:GMKtec M6 UltraとM7 Ultraを比較レビュー!性能の違いは?
Amazonで「GMKtec M6 Ultra」をチェックする
GEEKOM A6
GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 6800H 搭載のミニPCです(2025年1月17日 発売)。
32GB DDR5 4800MHzメモリ、1TB M.2 SSDストレージを搭載しています。
また、USB 4 Gen 2 Type-Cポート、4K 4画面出力(USB4,USB 3.2 Gen 2 Type-C,HDMIx2)、冷却システム Ice Blade 2.0、VESAマウント、ストレージ拡張(NVMe x4 Gen 4 or SATA)、2.5インチ SATA HDD 拡張スロット、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-A、1 x USB 2.0 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット有線LANにも対応しています。
価格は、Amazonで68,000円、楽天市場で47,900円(Ryzen 5 7430U・送料無料)、ヤフーショッピングで55,903円(Ryzen7 5825U)、です。
関連記事:GEEKOM A6レビュー!驚きの6万円台!Ryzen 7 6800HミニPC
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Beelink EQ6
Beelinkから発売されたAMD Ryzen 5 6600H / Ryzen 7 7735HS / Ryzen 9 6900HXプロセッサ搭載のミニPCです(2024年8月発売)。
16GB/24GB DDR5 メモリを搭載。500GB/1TB M.2 2280 PCle4x4 ストレージ、ストレージ用の拡張スロット(最大4TB)、電源供給ユニット、HDMI 2.0 (最大4K) x2、Windows 11 Pro、を搭載しています。
また、4K 3画面出力、冷却システム MSC2.0、ACケーブルからの電源供給、最大8TBまでのストレージ拡張、最大64GBまでのメモリ拡張、自動電源ON、USB-C (10Gbps) x1、USB3 (10Gbps) x3、USB2.0 (480Mbps) x1、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、デュアル ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで71,900円(Ryzen 9 6900HX)、楽天市場で57,250円(送料無料・Ryzen 5 6600U)、米国 Amazon.comで$459.00、です。
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MINISFORUM UM760 Slim
MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen 5 7640HS プロセッサ搭載のミニPCです。
Windows 11、32GB DDR5-4800MHzメモリ、512GB/1TB M.2 ストレージ、M.2 2280 PCIe4.0 SSD スロットx2を搭載しています。
また、8K 3画面 出力、M.2 SSDで最大8TBまでのストレージ拡張、最大96GBまでのメモリ拡張、効率的な放熱システム、VESAマウント、1つのUSB 4.0 Type-Cポート (Alt PD/40G/DP出力)、2つのUSB3.2 Type-A (Gen2) ポート、Wi-Fi 6E、BlueTooth 5.3、2.5Gギガビット有線LAN通信に対応しています。
価格は、Amazonで60,040円(税込・Ryzen 5 7640HS)、楽天市場で77,990円(Ryzen 5 7640HS・送料無料)、ヤフーショッピングで72,752円(Ryzen 5 7640HS)、です。
関連記事:「MINISFORUM UM760 Pro」の選択はアリ? 性能を徹底レビュー!
BMAX B5 A Pro
BMAXから発売されたミニPCです(2024年10月発売)。
AMD Ryzen7 5825U、16GB DDR4 メモリ、512GB M.2 NVMe SSDストレージ、拡張スロット(ストレージ用)、Displayport 1.4 x1、HDMI 2.1 x1、Windows 11を搭載しています。
また、4K 3画面出力、最大64GBまでのメモリ拡張、ストレージ拡張(M.2 NVMe、2.5inch HDD)、冷却システム、VESAマウント、Type-C (フル機能) x 1、USB 3.2 x2、USB 2.0 x2、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで44,648円(税込・Ryzen7 5825U)、楽天市場で53,489円(Ryzen7 5825U)、ヤフーショッピングで61,727円、です。
関連記事:Ryzenで最安「BMAX B5 A Pro」の性能と評価を解説
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