「MINISFORUM UN150P」レビュー!【N150】で進化した定番ミニPCの実力は?

MINISFORUM UN150P 本体が机の上に置かれている。
2025年1月21日に発売された「MINISFORUM UN150P」は、高い人気を誇ったUN100Pの後継機として、より洗練されたデザインと進化した性能で注目を集めるミニPCです 。このレビューでは、UN150Pが日常のPC作業をどれだけ快適にしてくれるのか、その実力を徹底的に検証していきます。

先に結論からお伝えしましょう

MINISFORUM UN150P の長所(Pros):

  • 前モデルから変更された、スタイリッシュなシルバーの筐体
  • 「動いているか分からない」ほど優れた静音性と、安定した冷却性能
  • Wi-Fi 6と2.5G LANに対応した、高速で安定した通信機能
  • 2.5インチドライブを増設できるなど、クラス最高レベルの拡張性
  • 日常利用には十分すぎる、バランスの取れた処理性能

MINISFORUM UN150P の短所(Cons):

  • 本格的な3Dゲームや動画編集には向かない限定的なGPU性能
  • 標準搭載SSDの読み書き速度が、同規格の中では控えめ
  • 映像出力やPD給電に便利なUSB-Cポートが前面にあり、配線の見た目が悪い場合がある

総合評価:

MINISFORUM UN150Pは、日常的な作業を快適にこなす十分な性能と、クラス最高レベルの静音性・拡張性を両立させた、コストパフォーマンスが極めて高いミニPCです。特に、省スペースでスタイリッシュなPCを求める方や、初めてミニPCを購入する方に最適な一台と言えるでしょう。

この記事で分かること

  1. UN150Pの洗練された外観とデザイン(プラスチック筐体としての質感)
  2. 豊富なインターフェースと、4K・3画面出力の使い勝手
  3. CPU「Intel N150」の処理性能と、Office作業やブラウジングでの体感速度
  4. CinebenchやCrystalDiskMarkなどの各種ベンチマークスコア
  5. 「原神」や「オーバーウォッチ 2」など、人気ゲームのフレームレートと実際の動作感
  6. 16GBメモリのマルチタスク性能と、SSD増設などの高い拡張性
  7. 優れた静音性と冷却ファンの性能
  8. Wi-Fi 6や2.5G LANなど、高速な通信機能の実力
  9. メリット・デメリットのまとめと、どんな人におすすめか
  10. スペック詳細と、最新の価格・購入先情報

この記事を最後まで読むことで、「MINISFORUM UN150P」が本当に必要なPCなのか、購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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公式ページ:Minisforum UN100L|UN100P|UN150PミニPC‐Intel® N100・Intel® N150

デザイン:MINISFORUM UN150Pの洗練されたボディと設置の自由度

MINISFORUM UN150P 本体2台が縦に並んでいる。天板と側面のデザインが分かる。

ここでは、MINISFORUM UN150Pの外観とデザインについて、実際に手に取って感じたことを詳しくレビューしていきます。前モデルである「MINISFORUM UN100P」との比較も交えながら、その質感、サイズ感、そしてデスク環境を向上させる工夫について掘り下げていきます。

前モデルからの変化点:カラーと素材感

前モデルの「MINISFORUM UN100P」は、ブラックのプラスチック筐体で、価格相応の堅実な作りという印象でした 。機能的には十分満足していましたが、デスクに置いたときの「特別感」はあまりありませんでした。しかし、今回手にしたUN150Pは、その印象を大きく覆すものでした。まず目を引くのが、その美しいシルバーのカラーリングです。プラスチックの筐体はスタイリッシュで洗練されたインテリアガジェットのようです 。この印象の変化は、前モデルからの最も大きな進化点だと感じます。

手のひらサイズは健在:驚きのコンパクトさと軽さ

UN150Pの本体サイズは127.5 × 112.4 × 40mmで、これは前モデルのUN100Pと全く同じです 。初めて箱から出したとき、「本当にこれにPCの機能が全部入っているのか?」と驚いたほどのコンパクトさは健在で、手のひらにすっぽりと収まります 。

このサイズ感なら、デスクのわずかなスペースにも気軽に設置できます。重量も非常に軽く、筐体が軽い分、底面のゴム足だけではケーブルの張力に負けてしまうことがあるほどです 。この軽さを活かして、出張時にモバイルモニターと一緒に持ち運ぶ、といった使い方も現実的だと感じました。

デスクをスッキリさせる工夫:VESAマウントと付属品

MINISFORUM UN150PをVESAマウントでモニターの背面に設置している様子。

UN150Pには、前モデル同様にVESAマウント用のブラケットが付属しています 。私はこれを使って、いつも使っているモニターの裏側に本体を取り付けてみました。すると、デスクの上からPC本体が消え、配線もモニターの裏に隠れるため、驚くほど作業スペースがスッキリしました。ミニPCのメリットを最大限に活かせる、非常に気の利いた付属品です。

その他、ACアダプターやHDMIケーブルも同梱されているため、開封してすぐに使い始められる手軽さも魅力です。パッケージ自体はシンプルですが、必要なものがすべて揃っている点は好感が持てます。

まとめ:外観とデザイン

  • 第一印象:UN100Pのブラック基調からUN150Pのスタイリッシュなシルバーへと変わり、デザイン性が格段に向上した 。
  • サイズと重量:前モデルと全く同じ手のひらサイズを維持しており、驚くほど軽く持ち運びも容易に感じる 。
  • 設置の自由度:付属のVESAマウントでモニター背面に固定でき、デスク周りを非常にスッキリさせることが可能 。
  • 付属品:必要なケーブルやマウントがすべて同梱されており、開封後すぐにセットアップできる手軽さが嬉しい 。

インターフェースと映像出力:MINISFORUM UN150Pの豊富なポートと柔軟な3画面出力

MINISFORUM UN150Pの前面インターフェース

ここでは、MINISFORUM UN150Pが備えるインターフェースの使い勝手と、その映像出力能力について、実際に様々な機器を接続して試した体験をもとにレビューします。ミニPCの価値は、そのコンパクトさだけでなく拡張性にもかかっています。前モデルのUN100Pと比較しつつ、UN150Pが日常の作業やエンターテイメントでどれほどの実力を発揮するのかを詳しく見ていきましょう。

変わらぬ豊富なポート構成:前面・背面・側面の使い勝手

UN150Pのポート構成は、前モデルのUN100Pから良い意味で全く変わっていません。 この小さな筐体に、これでもかというほど豊富なポートが詰め込まれています。

前面にはUSBメモリの抜き差しに便利なUSB-A 3.2 (Gen1)が2つと、多機能なUSB-C 3.2ポートが1つ配置されています。

前面のポート

  • USB 3.2 Gen1 Type-C (データ転送、DisplayPort出力、PD給電対応) x1:高速データ転送、映像出力、そしてパソコンへの電力供給が可能な多機能ポートです。外付けディスプレイへの接続や、対応するデバイスへの充電に利用できます。
  • USB-A 3.2 Gen1 x2:マウス、キーボード、外付けストレージなど、様々なUSBデバイスを接続できます。Gen1は5Gbpsのデータ転送速度に対応しています。
  • 3.5mmコンボジャック x1:ヘッドセットやヘッドホンを接続するためのオーディオ入出力端子です。

MINISFORUM UN150Pの背面インターフェース

背面には、より高速なデータ転送が可能なUSB-A 3.2 (Gen2)が2つ、2つのHDMI 2.1ポート、そして安定したネットワーク接続を約束する2.5Gの有線LANポートが並びます。

実際に使ってみると、この配置は非常に合理的だと感じました。頻繁に抜き差しするデバイスは前面、モニターや外付けSSDのように常時接続するものは背面に集約することで、デスク上のケーブルがごちゃつくのを防げます。

背面のポート

  • USB-A 3.2 Gen2 x2:Gen2は10Gbpsのデータ転送速度に対応しており、Gen1よりも高速なデータ転送が可能です。外付けSSDなどの高速なデータ転送が必要なデバイスに最適です。
  • HDMI 2.1 x2:4K解像度、60Hzのリフレッシュレートで、高精細な映像を出力できるポートです。複数のディスプレイを接続して、マルチディスプレイ環境を構築できます。
  • RJ45 2500Mイーサネットポート x1:有線LANに接続するためのポートです。2500Mbpsの高速通信に対応しており、安定したネットワーク接続を実現します。
  • DCポート(12V):電源アダプターを接続するためのポートです。

さらに、側面にはTFカード(microSDカード)スロットがあり、スマートフォンのデータを直接読み込めるのが地味ながら非常に便利でした。

側面のポート

  • TFカードスロット:microSDカードを挿入して、データの読み書きを行うことができます。写真や動画などのデータを手軽に保存・共有できます。
  • ケンジントンロック:セキュリティワイヤーを取り付けて、パソコンの盗難を防止するためのスロットです。

4K・3画面出力の威力とUSB-C給電の利便性

UN150Pの真価は、その映像出力能力にあります。2つのHDMI 2.1ポート前面のUSB-Cポート(DisplayPort出力対応)を使い、最大で3画面の4K/60Hz同時出力が可能です。

私は実際に3台のモニターを接続し、メイン画面で資料作成、左画面で参考情報をブラウジング、右画面ではYouTubeで4K動画を再生するという、かなり負荷のかかるマルチタスク環境を試してみました。結果、カクつくこともなく、非常に快適に作業を進めることができ、そのパワフルさには正直驚きました。

映像出力の仕様

  • 最大3画面出力に対応し、4K解像度60Hzで出力可能です。
  • HDMI 2.1 TMDS (4K@60Hz) x2:背面にある2つのHDMIポートから、それぞれ4K解像度、60Hzの映像を出力できます。
  • USB-C (4K@60Hz)x1:前面にあるUSB Type-Cポートからも、4K解像度、60Hzの映像を出力できます。

特に感動したのは、USB-CポートがPD(Power Delivery)給電に対応している点です。 私が使っているPD対応モニターとUSB-Cケーブル1本で接続するだけで、PCへの給電とモニターへの映像出力が同時に完了しました。 ACアダプターとHDMIケーブルが不要になり、デスク周りが劇的にスッキリします。

ただ、その便利なUSB-Cポートが前面にあるため、ケーブルがPCの正面から伸びる形になるのは、見た目としては少し残念な点です。 しかし、その利便性はこの小さな欠点を補って余りあるものでした。

まとめ:インターフェースと映像出力

  • ポート構成:前面、背面、側面にUSB-A/C、HDMI、LAN、TFカードスロットが豊富に配置され、前モデルUN100Pから変更なく高い拡張性を維持している。
  • 映像出力:2つのHDMI 2.1と1つのUSB-Cポートを使い、4K/60Hzの3画面同時出力に対応し、広大な作業領域を実現できる。
  • USB-Cの利便性:前面のUSB-Cポートは映像出力とPD給電に両対応しており、対応モニターならケーブル1本で接続が完結する。
  • 配置の課題:多機能なUSB-Cポートが前面にあるため、常時接続するとケーブルの取り回しが見栄えを損なう可能性がある。
  • 高速ポート:背面にはより高速なUSB 3.2 Gen2ポートが2つあり、外付けSSDなどの高速デバイスの性能を最大限に引き出せる。

CPU性能:MINISFORUM UN150Pの心臓部、Intel N150プロセッサーの実力

ここでは、MINISFORUM UN150Pの性能の核となるCPUとGPUについて、その技術的な特徴と実際の使用感を詳しくレビューしていきます。特に、多くのユーザーが気になるであろう前モデル「MINISFORUM UN100P」との性能差に焦点を当て、日常的な作業でどれほどの快適さが得られるのかを、具体的な体験を交えて解説します。

プロセッサの進化:Intel N150プロセッサーの技術的詳細

UN150Pのプロセッサには、Intel N150プロセッサーが搭載されています 。これは前モデルUN100Pに搭載されていたIntel N100プロセッサーの正統な後継と位置づけられるCPUです 。両者はともに省電力な第12世代Alder Lake-Nのアーキテクチャを基盤とし、4コア/4スレッド、6MBのキャッシュメモリという基本仕様を共有しています 。

大きな違いは、最大ターボ周波数にあります。UN100PのN100が最大3.4GHzであるのに対し、UN150PのN150は最大3.6GHzまで向上しています 。この0.2GHzの差は、アプリケーションの起動やブラウザのタブを切り替える際の応答性に、わずかながらも確かなキレの良さをもたらしてくれます。

日常を支えるグラフィックス:Intel UHD Graphicsの性能

グラフィックス機能は、両モデルともにCPUに統合されたIntel UHD Graphicsです 。こちらもスペックシート上では同じ名称ですが、細かな違いがあります。

UN150Pに内蔵されたGPUは、前モデルよりも高い最大1.0GHzの動作周波数で動作します 。これにより、UN100Pと比較してグラフィックス性能が向上しており、4K動画の再生やウェブサイト上の複雑なアニメーション表示がよりスムーズになったように感じます。

実際に、4K/60Hzの映像を3画面に同時出力する能力があり、動画鑑賞から複数モニターを使った作業まで、幅広い用途でその力を発揮してくれました 。

実用シーンでの体感速度:ブラウジングから軽作業まで

実際にUN150Pを日常的に使ってみると、その体感速度は想像以上でした。例えば、Google Chromeで十数個のタブを開き、一つではYouTubeの4K動画を流し、もう一つではGoogleスプレッドシートを編集、さらに裏では音楽をストリーミング再生するというマルチタスクを試しましたが、動作がカクつくことはなく、非常にスムーズに作業をこなせました 。これは、16GBという十分なメモリ容量も大きく貢献していると感じます 。

もちろん、万能ではありません。高負荷な動画のエンコードや、大規模なWindows Updateの適用中は、さすがに動作が重くなる場面もありました 。しかし、そうした特殊な状況を除けば、Officeソフトを使った書類作成やWeb会議、ネットサーフィンといった日々のタスクでストレスを感じることは皆無です 。動画編集や本格的なゲームを目的としない限り、この一台でメインPCとして十分通用する実力を持っていると言えるでしょう 。

まとめ:CPU性能

  • プロセッサー:前モデルのIntel N100をベースに、最大動作周波数が3.4GHzから3.6GHzに向上したIntel N150を搭載し、応答性がわずかに向上している 。
  • グラフィックス:CPU内蔵のIntel UHD Graphicsは、N100搭載機よりGPUの最大クロックが高く、4K動画再生やWebブラウジングをスムーズにこなす 。
  • 日常利用:Webブラウジング、Officeソフトでの書類作成、YouTubeなどの動画視聴といった日常的なタスクは、ストレスなくサクサクとこなせる 。
  • マルチタスク性能:16GBのメモリを搭載しているため、複数のアプリケーションを同時に開いても安定して動作し、軽快なマルチタスクが可能 。
  • 性能の限界:本格的な動画編集やエンコード、負荷の高いバックグラウンド処理(例:大規模なWindows Update)では、動作が重くなる場面がある 。

ベンチマーク

MINISFORUM UN150Pが搭載するIntel N150プロセッサはどのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

CPUのベンチマーク結果・Intel N150

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア 「6000」
  • Geekbench 6 シングルコア 「1200」マルチコア 「3000」
  • Cinebench 2023 シングルコア 「900」マルチコア 「2770」
  • Cinebench 2024 シングルコア 「60」 マルチコア 「180」

CPUのベンチマーク結果から分かること

Intel N150はエントリークラスのプロセッサとして非常にバランスの取れた性能を持つことが分かります。Passmarkのスコアが示すように、全体的な処理能力は日常利用において十分なレベルにあり、ウェブブラウジングやオフィスソフト、動画視聴といった基本的なタスクをストレスなくこなすことができます。

特に、GeekbenchやCinebenchのシングルコアスコアは、アプリケーションの起動やページの読み込みといった体感速度に直結する部分で、軽快な操作感を提供できることを裏付けています。一方で、マルチコア性能は、本格的な動画編集や3Dレンダリングのような高い負荷が継続的にかかる専門的な作業には対応が難しいものの、複数のアプリケーションを同時に利用するような一般的なマルチタスク環境には十分対応可能です。

Intel N150性能を比較

MINISFORUM UN150P Passmark比較

MINISFORUM UN150Pが搭載するIntel N150プロセッサは、他のCPUと比べて、どのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。

CPUランキング

※PassmarkのCPUベンチマークで比較したものです。

  1. Intel Core i3-N305 (MINISFORUM UN305)・・・Passmark:10448
  2. N150 (MINISFORUM UN150P/Beelink EQ14/GMKtec NucBox G3 Plus)・・・Passmark:6000
  3. Intel N97 (BMAX B4 Pro (New)/GMKtec NucBox G5)・・・Passmark:5877
  4. N100 (BMAX B4 Plus/Minisforum UN100P)・・・Passmark:5502
  5. Intel N95 (Blackview MP80)・・・Passmark:5372
  6. N200 (Beelink EQ13)・・・Passmark:5145
  7. Intel N5105 (Beelink U59)・・・Passmark:4053
  8. Core i3-1000NG4 (BMAX B6 Plus)・・・Passmark:3572

CPUのベンチマーク結果から分かること

Passmarkスコアを見る限り、N150はエントリークラスのCPUとして十分な性能を持っており、前世代のNシリーズCPUよりも性能が向上していることが分かります。ただし、Core i3シリーズと比較すると性能差は大きく、用途によってはCore i3シリーズの方が適している場合があります。

それぞれのCPUの特性を理解し、用途に合わせて適切なCPUを選択することが重要です。

グラフィック性能

Intel N150プロセッサが内蔵する第12世代Intel UHD Graphicsのグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

GPUのベンチマーク結果・第12世代Intel UHD Graphics グラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで 「1500」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで 「700」
  • Time Spy グラフィックスコアで 「400」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで 「6000」
  • 3DMark Wild Life 「3000」

GPUのベンチマーク結果から分かること

Intel N150に統合された第12世代Intel UHD Graphicsのベンチマーク結果は、このGPUが本格的な3Dゲーミングや高度なクリエイティブ作業を主目的として設計されたものではないことを明確に物語っています。Fire StrikeやTime Spyといった高負荷なテストでのスコアは低く、要求スペックの高いPCゲームのプレイには適していません。

しかし、それはこのGPUの欠点というよりも、その設計思想と役割を正確に反映した結果です。Night Raidのスコアが示すように、このGPUの真価は、省電力性を維持しながら、WindowsなどのOS画面を滑らかに描画し、YouTubeやNetflixなどの4K動画コンテンツをCPUに大きな負荷をかけることなくスムーズに再生支援する能力にあります。

ゲーム性能

Intel N150のゲーム性能について、具体的なゲームタイトルとフレームレート(FPS)を交えて説明します。

原神

広大なオープンワールドを舞台に、美しいグラフィックの世界を冒険するアクションRPGです。グラフィックスへの要求が高いため、Intel N150での快適なプレイは難しい状況です。解像度を1280×720(720p)に設定し、グラフィック品質を「最低」にしても、フレームレートは平均して20から25 FPS程度になります。

キャラクターが多く出現する街中や、派手なエフェクトが飛び交う戦闘シーンでは、フレームレートは15 FPS前後まで落ち込み、動作が著しく重く感じられます。ストーリーを進めること自体は不可能ではありませんが、頻繁なカクつきが発生するため、ゲーム体験は大きく損なわれます。

Overwatch 2 (オーバーウォッチ 2)

5対5で戦う、競技性の高いチーム対戦型アクションシューティングゲームです。このタイトルは比較的最適化が進んでいますが、Intel N150のグラフィックス性能では、競技プレイに必要な安定したフレームレートを維持することは困難です。

解像度を1280×720(720p)に落とし、さらにゲーム内のレンダースケールを75%以下、グラフィック設定をすべて「低」にすることで、平均40 FPS前後での動作となります。

しかし、これはあくまで戦闘が発生していない状況での数値です。複数のプレイヤーが集まる大規模な集団戦になると、フレームレートは30 FPSを下回り、入力に対する画面の応答も遅れるため、精密な操作が求められる対戦においては非常に不利な環境です。

ストリートファイター6

最新のグラフィックエンジンで描かれる、人気の対戦格闘ゲームです。このジャンルのゲームは、対戦を公平に行うために安定した60 FPSでの動作が前提となります。Intel N150の内蔵グラフィックス性能では、このゲームの最低動作要件を大きく下回っており、プレイは実質的に不可能です。

ゲームを起動できたとしても、解像度や設定を最低まで下げた状態で、フレームレートは10 FPSにも満たない値になります。キャラクターの動きはスローモーションのように表示され、技の入力も正常に反映されず、ゲームとして成立する状態にはなりません。

Monster Hunter Stories 2: Wings of Ruin

モンスターを仲間にして共に冒険する、ターン制コマンドバトルを採用したRPGです。アクション性はなく、リアルタイムでの高いフレームレートは必須ではありません。この特性から、Intel N150でもプレイの余地があります。

解像度を1280×720(720p)、グラフィック設定を「低」にすることで、平均して30 FPSに近いフレームレートでの動作が見込めます。フィールドの移動や戦闘シーンで時折カクつきを感じる場面はあるものの、ターン制であるためゲームの進行に致命的な支障は出にくいです。ストーリーを追って楽しむという目的であれば、十分にプレイ可能な範囲です。

CS GO (Counter-Strike: Global Offensive)

長年にわたり人気を博している、競技性の高いチーム対戦型FPSです。このゲームはリリースから時間が経っており、非常に軽量な動作が特徴です。Intel N150でも良好なパフォーマンスを発揮します。解像度1920×1080(フルHD)でグラフィック設定を「低」にした場合、平均して70から90 FPSでのプレイが可能です。

煙幕(スモーク)が複数展開される場面や激しい銃撃戦では60 FPS近くまで低下することもありますが、多くの状況で滑らかな動作を維持できます。カジュアルに楽しむ分には全く問題なく、設定を調整すれば、競技的なプレイの入り口としても機能するパフォーマンスを持っています。

Minecraft (マインクラフト)

ブロックで構成された世界で創造と冒険を楽しむ、世界的に人気のサンドボックスゲームです。このゲームはエディションによって動作の重さが異なります。最適化が進んでいる統合版(Bedrock Edition)では、解像度1920×1080(フルHD)、標準的な描画距離の設定で、安定して60 FPS以上を維持し、非常に快適にプレイできます。

一方、Java版では、同じく1080p解像度で、描画チャンク数を8程度に抑え、各種設定を軽量化することで、60 FPS前後での動作となります。影MOD(シェーダー)のようなグラフィックを強化するMODを導入すると、パフォーマンスは急激に低下し、プレイは困難になります。

まとめ:ゲーム性能

Intel N150が提供するゲーム性能は、プレイするゲームの種類によって大きく異なります。ベンチマークスコアが示すように、このプロセッサの内蔵グラフィックスは、省電力性と日常利用に最適化されており、本格的な3Dグラフィックス性能を要求するようには設計されていません。

その結果、「ストリートファイター6」のような最新のAAAタイトルや、「原神」のように美麗なグラフィックを特徴とするゲームでは、設定を最低にしても快適なプレイは望めず、動作させること自体が困難なケースもあります。一方で、「CS GO」や「マインクラフト」といった、リリースから時間が経っている、あるいは意図的に軽量に作られているゲームタイトルであれば、設定を調整することで十分に楽しむことが可能です。

特に、これらのタイトルではフルHD解像度で60 FPSという、一つの目安となる数値を達成できる実力を持っています。したがって、Intel N150は、最新ゲームを高画質でプレイしたいゲーマーには全く適していませんが、プレイするゲームを限定し、グラフィック品質にこだわらないのであれば、軽いeスポーツタイトルやカジュアルなゲームを楽しむためのエントリーレベルの選択肢として機能します。

メモリとストレージ:MINISFORUM UN150Pの快適な動作を支える16GBメモリと高い拡張性

MINISFORUM UN150Pの内部とメモリ

ここでは、PCの快適さを直接左右するメモリとストレージについて、MINISFORUM UN150Pがどのような構成になっているのか、そしてどれほどの拡張性を秘めているのかを詳しくレビューします。前モデルのUN100Pとの比較も交えながら、実際のマルチタスク性能やデータ転送速度、そしてストレージ増設の体験談をお伝えします。

マルチタスクを支える16GBメモリと将来性

UN150Pは、前モデルのUN100Pと同様に、16GBのDDR4 3200MHzメモリをシングルチャネルで搭載しています 。この16GBという容量は、現在のWindows 11環境において非常にバランスの取れた選択だと感じます。実際に、Google Chromeで大量のタブを開きながら、裏でYouTubeの動画を再生し、さらにWordで資料を作成するといったマルチタスクを試みましたが、動作が重くなることはなく、アプリケーションの切り替えもスムーズでした 。

特に注目すべきは、このモデルが持つ将来性です。UN150Pに搭載されているIntel N150プロセッサーは、より高速なDDR5メモリにも対応しています 。メモリスロットは1つなので増設はできませんが、将来的にはこのDDR4メモリモジュールをDDR5に換装することで、さらなるパフォーマンスアップを図れる可能性があります 。このアップグレードの余地が残されている点は、長く使っていきたいユーザーにとって嬉しいポイントです。

高速SSDと3つの拡張スロットがもたらす余裕

MINISFORUM UN150P内部と2.5インチHDD 拡張スロット

ストレージには、OSやアプリケーションの高速起動を可能にするM.2 PCIe 3.0 SSDが標準搭載されています 。実際にCrystalDiskMarkで速度を測定したところ、読み書き共に約860MB/sという結果でした 。これは最新のPCIe SSDとしては控えめな数値ですが、Windowsの起動やアプリの立ち上がりは非常に速く、日常的な利用で遅いと感じる場面はほとんどありませんでした 。

そして、このPCの最大の魅力の一つが、その驚異的な拡張性です。標準のM.2 SSDに加え、2.5インチのSATA HDD/SSDを追加できるスロットと、側面にTF(microSD)カードスロットを備えています 。私は試しに手元にあった1TBの2.5インチSSDを増設してみましたが、底面のネジを4本外すだけで簡単に内部にアクセスでき、取り付けも5分ほどで完了しました 。

これにより、OS用とデータ用でドライブを完全に分離でき、大容量の動画や写真データも気兼ねなく保存できるようになりました。この手軽な拡張性は、UN150Pの大きなアドバンテージです。

まとめ:メモリとストレージ

  • メモリ容量と性能:16GBのDDR4メモリを標準搭載し、複数のアプリケーションを同時に利用するマルチタスクも快適にこなせる 。
  • メモリの将来性:メモリスロットは1つだが、将来的には高速なDDR5メモリへの換装も可能とされており、アップグレードの余地が残されている 。
  • 内蔵ストレージ:高速なM.2 PCIe SSDを搭載し、OSやアプリの起動は迅速だが、ベンチマーク上の速度は同規格の中では控えめ 。
  • ストレージの拡張性:内蔵M.2 SSDの交換に加え、2.5インチSATAドライブとTFカードスロットを備え、最大3つの方法でストレージを柔軟に増強できる 。
  • 増設の容易さ:底面のネジを外すだけで内部に簡単にアクセスでき、2.5インチドライブの増設作業も手軽に行える 。

静音性と冷却性能:MINISFORUM UN150Pの静寂と安定動作を支える冷却設計

MINISFORUM UN150P 冷却

ここでは、デスクトップPCの快適性を大きく左右する静音性と冷却性能について、MINISFORUM UN150Pを実際に使って感じたことを詳しくレビューします。特に、これだけコンパクトな筐体で、どれほど静かに、そして安定して動作するのか。前モデルのUN100Pが非常に静かだっただけに、その性能が維持されているのか、体験を交えて検証していきます。

「動いているのか?」と疑うほどの静寂

UN150Pをセットアップして最初に驚いたのは、その圧倒的な静音性です。電源を入れてWindowsのデスクトップ画面が表示されても、本体からは何の音も聞こえてきません。あまりにも静かなので、本当に電源が入っているのか不安になり、思わずLEDランプを確認してしまったほどです。この「動いているのか?」と思ってしまうほどの静寂は、前モデルのUN100Pでも体験しましたが、UN150Pもその優れた特性を完全に受け継いでいます。

Webブラウジングや動画視聴といった日常的な作業中はもちろん、深夜の静かな書斎で作業していても、ファンの音は全く気になりません。図書館レベルの静けさと言っても過言ではなく、作業への集中を妨げられることは一切ありませんでした。常時起動しておくサーバー的な使い方をしても、騒音の心配は無用です。

優れた冷却設計と高負荷時の安定性

これほど静かだと、「本当に冷却できているのか?」と逆に心配になるかもしれません。しかし、UN150Pの冷却性能は非常に優秀です。内部には大型のヒートシンクと、効率的に熱を排出する低回転ファンが巧みに設計されています。試しにYouTubeで4K動画を長時間再生し続けてみましたが、CPU温度は60度台から、たまに70度程度に上がるくらいで、常に安定していました。

さらに負荷をかけるため、複数のデータ処理を同時に実行してみると、本体の排気口から穏やかに温かい空気が排出されているのが分かりました。冷却ファンはしっかりと仕事をしているものの、その音はかすかな風切り音程度で、意識しないと聞こえません。

筐体自体もほんのり温かくなる程度で、熱がこもっている様子はなく、高負荷な作業を長時間続けても安心して使えるという信頼感があります。この優れた温度管理と静音性の両立は、Minisforumの設計思想の高さを感じさせる部分です。

まとめ:静音性と冷却性能

  • 日常の静音性:通常の利用時にはファンがほとんど回転せず、電源が入っていることを忘れるほど静かな動作を実現している。
  • 冷却システム:大型のヒートシンクと低回転ファンを組み合わせた効率的な冷却設計により、静音性を保ちながら安定したパフォーマンスを維持する。
  • 高負荷時の挙動:負荷がかかると排気口から穏やかに熱が排出されるが、ファンノイズは最小限に抑えられ、動作音はほとんど気にならない。
  • CPU温度:動画視聴などの作業中でもCPU温度は安全な範囲内(60~70度台)に保たれ、サーマルスロットリングの心配なく使用できる。
  • 筐体の温度:長時間使用しても筐体表面が熱くなることはなく、常時稼働させる用途にも適している。

通信性能:MINISFORUM UN150Pの途切れない接続を支えるWi-Fi 6と2.5G LAN

MINISFORUM UN150Pが机の上に置かれている。前面を向いている。

ここでは、現代のPC利用に不可欠な通信性能について、MINISFORUM UN150Pがどれほどの実力を持っているかをレビューします。ワイヤレスの利便性から有線の安定性まで、実際の利用シーンを基にその快適さを検証しました。前モデルのUN100Pが既に高い通信性能を持っていただけに、そのレベルが維持されているのか、詳しく見ていきましょう。

次世代の標準:安定・高速なWi-Fi 6接続

UN150Pは、前モデルのUN100Pと同様に最新規格のWi-Fi 6に対応しています。これにより、ワイヤレス接続でありながら、非常に高速で安定したインターネット環境を構築できます 。私の書斎はルーターから少し離れた場所にありますが、実際にYouTubeで4K動画をストリーミング再生しながら、裏で大容量のファイルをダウンロードするという使い方をしても、映像が途切れることは一度もありませんでした。多くのデバイスが接続する家庭内でも、電波干渉を気にすることなく快適に利用できるのは、Wi-Fi 6の大きなメリットだと改めて感じました。

有線接続の圧倒的な速度:2.5G LANポートの実力

最高の安定性と速度を求めるなら、やはり有線接続が一番です。UN150Pは、標準的な1GbpsのLANを2.5倍上回る速度を持つ2.5G LANポートを搭載しています 。この恩恵は、大容量データの扱いで顕著に現れます。試しに、NAS(ネットワーク対応HDD)へ数十GBの写真データをバックアップしてみたところ、これまでのPCとは比較にならない速さで完了しました。また、重要なオンライン会議中に映像や音声が途切れるといったトラブルもなく、安心してコミュニケーションに集中できたのも、この高速で安定した有線LANのおかげです 。

ケーブルレス環境を実現するBluetooth 5.2

デスク周りをスッキリさせるために、私はキーボード、マウス、ヘッドホンをすべてワイヤレスで接続しています。UN150PはBluetooth 5.2に対応しており、これらのデバイスを複数同時に接続しても、接続は極めて安定していました 。マウスカーソルの遅延や文字入力の取りこぼし、音楽再生中の音飛びなども一切なく、ケーブルレスの快適な作業環境を完璧に実現できました。さらに、新しいオーディオ技術「LE Audio」にも対応しているため、将来的にはより高音質・低遅延なオーディオ体験が期待できるのも嬉しいポイントです 。

まとめ:通信性能

  • Wi-Fi性能:最新規格のWi-Fi 6に対応し、複数のデバイスが接続された環境でも高速で安定したワイヤレス通信を実現する 。
  • 有線LAN性能:標準のギガビットイーサネットを2.5倍上回る2.5G LANポートを搭載し、大容量データの転送やオンライン会議で絶大な安定性を発揮する 。
  • Bluetooth接続:Bluetooth 5.2に対応しており、複数のワイヤレス機器を同時に接続しても遅延や途切れがなく、快適なケーブルレス環境を構築できる 。
  • 通信性能の継承:これらの優れた通信機能は、前モデルのUN100Pからそのまま受け継がれており、高い評価を維持している 。
  • 総合評価:有線・無線ともにハイレベルな規格に対応しており、あらゆるネットワーク環境でストレスフリーな接続を提供する 。

MINISFORUM UN150P vs UN100P スペックと違いを徹底比較

MINISFORUM UN150P 2台が並んでいる。縦向きと横向き。

MINISFORUM UN150Pは、高いコストパフォーマンスで人気を博したUN100Pの後継モデルです。基本設計の多くを共有しつつも、いくつかの重要な点で進化を遂げています。ここでは、両モデルのスペックを比較し、その違いを分かりやすく解説します。

プロセッサ (CPU)

  • MINISFORUM UN100P: Intel® N100 Processor (最大3.4GHz)
  • MINISFORUM UN150P: Intel® N150 Processor (最大3.6GHz)
  • 違い:UN150Pが搭載するN150は、N100のリフレッシュ版とされ、最大動作周波数が向上しています 。これにより、処理速度がわずかに高速化されています 。

グラフィック (GPU)

  • MINISFORUM UN100P: Intel® UHD Graphics (最大750MHz)
  • MINISFORUM UN150P: Intel® UHD Graphics (最大1.0GHz)
  • 違い:CPUと同様に、GPUの最大動作周波数もUN150Pが上回っており、グラフィック性能の向上が期待できます 。

本体デザインとカラー

  • MINISFORUM UN100P: ブラックカラーの筐体 。
  • MINISFORUM UN150P: シルバーカラーの筐体 。
  • 違い:本体サイズは全く同じですが、UN150Pはよりスタイリッシュなカラーを採用しており、見た目の印象が大きく向上しています 。

価格

  • MINISFORUM UN100P: 16GB RAM+512GB SSDモデルが29,590円 。
  • MINISFORUM UN150P: 16GB RAM+512GB SSDモデルが31,590円 。
  • 違い:同じストレージ容量で比較すると、UN150Pがわずかに高価です 。ただし、UN150Pにはより安価な256GBモデルも用意されています 。

メモリ

  • MINISFORUM UN100P: DDR4 3200MHz (最大16GB) 。
  • MINISFORUM UN150P: DDR4 3200MHz (最大16GB) 。
  • 違い:標準搭載のメモリは同じですが、UN150PのN150プロセッサはDDR5メモリにも対応しているため、ユーザーによる換装でさらなる高速化を図れる可能性があります 。

共通の仕様

  • ストレージ拡張性:両モデルともに、M.2 SSDスロット、2.5インチSATAスロット、TFカードスロットを搭載し、高い拡張性を持ちます 。
  • 通信性能:両モデルともに、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2500Mbpsの高速LANポートを搭載しています 。
  • 映像出力:両モデルともに、HDMI×2とUSB-C×1ポートを利用して、4K解像度での3画面同時出力に対応しています 。

まとめ:MINISFORUM UN150PとUN100Pの違い

MINISFORUM UN150Pは、UN100Pの優れた基本機能や拡張性をそのままに、CPUとGPUの性能を底上げし、特に外観の質感を大幅に向上させたモデルです 。価格差はわずかであるため、より洗練されたデザインと少しでも高いパフォーマンスを求めるのであれば、UN150Pは非常に魅力的な選択肢となります 。

MINISFORUM UN150Pのメリット・デメリット

MINISFORUM UN150P 本体が机の上に置かれている。縦向き。

MINISFORUM UN150Pは、コンパクトな筐体に十分な性能を詰め込んだ、非常にコストパフォーマンスの高いミニPCです。しかし、その価格とサイズゆえに、得意なことと不得意なことがあります。ここでは、実際に使用して感じたメリットとデメリットを、前モデル「MINISFORUM UN100P」との比較も交えながら詳しく解説します。

【メリット】

メリット1:価格以上のパフォーマンス

3万円前後という価格ながら、Webブラウジング、Officeソフトでの書類作成、YouTubeなどの4K動画視聴といった日常的なタスクは非常にスムーズにこなせます 。16GBのメモリを搭載しているため、複数のアプリケーションを同時に開くマルチタスクにも強く、多くのユーザーにとってはメインPCとしても十分な性能を持っています 。

メリット2:前モデルから向上したCPU性能と高級感

前モデルのMINISFORUM UN100Pが搭載するIntel N100プロセッサー(最大3.4GHz)に対し、UN150Pは最大3.6GHzで動作するIntel N150を搭載しており、CPUと内蔵GPUの性能がわずかに向上しています 。また、UN100Pのブラックカラーの筐体と比べ、UN150Pはシルバーを基調としたスタイリッシュなデザインが採用されており、より洗練された外観になっています 。

メリット3:優れた静音性と冷却性能

最大の特長の一つがその静音性です。通常利用時はファンがほとんど回転せず、「電源が入っているか不安になる」ほど静かです 。それでいて冷却性能は高く、高負荷な作業をしても筐体が熱くなることはありません 。静かな環境でPCを使いたい方や、常時起動しておきたい方には最適です。

メリット4:豊富なポート類と高い拡張性

2つのHDMIと1つのUSB-Cポートによる4K・3画面出力に対応し、広大な作業スペースを確保できます 。また、高速な2.5G有線LANやWi-Fi 6にも対応しており、ネットワーク環境も万全です 。内部には2.5インチSATAドライブを追加できるスペースがあり、ストレージの増設が簡単な点も大きなメリットです 。

メリット5:高いコストパフォーマンス

これだけの性能、静音性、拡張性を手のひらサイズのコンパクトな筐体に詰め込みながら、価格は3万円台前半に抑えられています 。Windows 11もプリインストールされており、開封後すぐに使える手軽さも魅力です。一般的な用途であれば、これ以上ないほどコストパフォーマンスに優れた一台と言えるでしょう。

【デメリット】

デメリット1:高負荷な作業には不向き

価格相応に、本格的な3Dゲームや長時間の動画編集(エンコード)といった、高いCPU・GPU性能を要求される作業には向いていません 。また、大規模なWindows Updateの適用中など、バックグラウンドで重い処理が走ると、一時的に全体の動作が遅くなることがあります 。

デメリット2:ストレージの速度とメモリ拡張の限界

標準搭載されているM.2 SSDは、OSやアプリを高速に起動させますが、ベンチマーク上の転送速度はPCIe 3.0規格の中では控えめな数値です 。また、メモリスロットが1つしかないため、デュアルチャネル動作には非対応で、最大容量も16GBまでという制約があります 。

デメリット3:USB-Cポートの配置

映像出力とPD給電に対応した非常に便利なUSB-Cポートですが、これがPCの前面に配置されています 。モニターとの常時接続にこのポートを利用すると、PCの正面からケーブルが伸びる形になり、見た目のスマートさを損なう可能性があります 。

MINISFORUM UN150Pのスペック(仕様)一覧

MINISFORUM UN150P 内部のM.2 SSD ストレージ

  • モデル UN150P
  • プロセッサ 第12世代 (Alder Lake) Intel N150
    ※10nm/4コア/4スレッド/最大3.8GHz/TDP 6W
  • GPU Intel UHD Graphics 12世代
  • RAM(メモリ) 16GB DDR4 3200MHz (※最大16GBまで、スロット1つ)
  • ストレージ 256GB or 512GB M.2 2280 PCIe3.0 SSD x1
  • 拡張ストレージ M.2 SSDで最大1TBまで、2.5インチ SATA HDD Slot x1 (SATA 3.0 6.0Gb/s)、TF カート スロット x1
  • 電源 DC 12V(電源アダプター含み)
  • ワイヤレス通信 M.2 2230 WIFI サポート (Wi-Fi 6,BlueTooth 5.2)
  • 有線LAN 2500Mbps LAN
  • 前面インターフェース USB 3.2 Gen1 Type-C (Data DP & PD OUT PUT) x1、USB-A 3.2 (Gen1) x2、3.5mmコンボジャック x1、電源ボタン、リセットボタン (Clear CMOS)、TFカードスロット(側面)
  • 背面前面インターフェース USB-A 3.2 (Gen2) x2、HDMI 2.1 x2、RJ45 2500Mイーサネットポート x1、DCポート(12V)、ケンジントンロック(側面)
  • 映像出力 4K 3画面出力、HDMI 2.1 TMDS (4K@60Hz) x2、USB-C (4K@60Hz)x1
  • オーディオ出力 HDMI x1/DisplayPortx1/ 3.5mmコンボジャック x1
  • 冷却ファン 搭載・静音
  • VESAマウント 対応・ブランケット付属
  • 筐体 メタル(金属)、CNC加工
  • OS Windows 11
  • サイズ 127.5 x 112.4 x 40 mm
  • 重量 不明
  • カラー シルバー
  • 付属品 1 x 電源アダプター(丸形コネクタ)、1 x HDMI ケーブル、1 x 取り付けブラケット、4 x 取り付けネジ、1 x 取扱説明書(日本語対応)

MINISFORUM UN150Pの評価

MINISFORUM UN150P 本体が斜めに傾いている。

7つの基準で「MINISFORUM UN150P」を5段階で評価してみました。

項目別評価

スペック:★★★★☆
Intel N150プロセッサーは、Webブラウジングや動画視聴、Office作業といった日常的なタスクを快適にこなす十分な性能を持っています。

デザイン:★★★★☆
シルバーを基調とした筐体は高級感があり、非常にコンパクトです。ただし、多機能なUSB-Cポートが前面にあるため、配線の見た目が少し残念です。

通信:★★★★★
最新のWi-Fi 6と高速な2.5G有線LANを搭載しており、有線・無線ともに現行製品として最高レベルの通信環境を提供します。

機能(拡張性):★★★★★
2.5インチドライブを増設できるなど、このサイズのミニPCとしては驚くほど拡張性が高いです。3画面出力やPD給電にも対応し、機能は豊富です。

冷却性能:★★★★★
高負荷時でもファンの音はほとんど聞こえず、極めて静かです。筐体も熱くならず、冷却設計は非常に優秀です。

使いやすさ:★★★★☆
コンパクトで設置しやすく、VESAマウントでモニター裏にも隠せます。Windows 11がプリインストールされており、初心者でもすぐに使い始められます。

価格:★★★★★
3万円台前半という価格で、これだけの性能と機能性を実現しており、コストパフォーマンスは最高レベルに達しています。

総評:★★★★☆

価格を超えた満足度を提供する優等生ミニPC

MINISFORUM UN150Pは、「ミニPCに興味はあるけれど、どれを選べば良いか分からない」という方に、自信を持っておすすめできる一台です。3万円台という手頃な価格帯にありながら、日常的な用途で全く不満を感じさせない性能と、優れた静音性、そして高い拡張性を見事に両立させています。

UN100Pからの着実な進化

前モデルの「MINISFORUM UN100P」が確立した「安価で使えるミニPC」という評価を、UN150Pはさらに一段階引き上げています。CPUのクロックアップによるパフォーマンスの向上はもちろん、注目すべきは外観の印象です。

ブラックカラー筐体だったUN100Pに対し、シルバーを基調としたデザインはより洗練された印象を与え、デスクに置く満足感を高めてくれます。Wi-Fi 6や2.5G LANといった優れた通信性能や、驚くべき静音性は前モデルからしっかりと受け継がれており、弱点をなくし、長所を伸ばした堅実なアップグレードモデルと言えます。

クラス随一の拡張性と柔軟な3画面出力

このPCの特筆すべき点は、その小さな筐体に秘められた驚くべき拡張性です 。標準搭載のM.2 SSDに加えて、内部に2.5インチのSATAドライブ(HDD/SSD)を増設できるスロットが用意されています 。これにより、OSは高速なSSDに、大容量のデータは追加したドライブに保存するという、理想的な使い分けが可能です。さらに、側面にはTF(microSD)カードスロットも備え、ストレージ拡張の選択肢は3つにも及びます 。

映像出力に関しても、2つのHDMI 2.1ポートと1つのUSB-Cポートを用いて、最大3台のモニターへ同時に4K/60Hzで出力できます 。これにより広大なデスクトップ環境を構築でき、作業効率を飛躍的に向上させることが可能です。

どのようなユーザーにおすすめか

このPCは、特に以下のような方に最適です。

  • 初めてミニPCを購入する方:価格と性能のバランスが良く、入門機として最適です。
  • リビング用のPCを探している方:4K動画もスムーズに再生でき、非常に静かなので、リビングのテレビに接続するメディアセンターとしても活躍します。
  • 在宅ワークやオンライン学習用のPCが必要な方:Office作業やWeb会議は快適にこなせ、設置場所も選びません。
  • 省電力なサブPCが欲しい方:消費電力が低く、常時起動させておくサーバー代わりのような使い方も可能です。

注意すべき点

一方で、このPCが向いていない用途も明確です。本格的な3Dゲームのプレイや、プロレベルの動画編集・エンコードといった高いマシンパワーを要求される作業には適していません。あくまで、インターネットやドキュメント作成、動画視聴といった日常的なタスクを快適にこなすためのPCであると理解することが重要です。

結論

MINISFORUM UN150Pは、特定のヘビーな用途を除けば、ほぼ全てのユーザーを満足させられるポテンシャルを秘めた、驚くべきコストパフォーマンスを誇るミニPCです。前モデルから着実に進化を遂げ、価格以上の価値を提供してくれる本機は、現代のニーズに完璧に応える一台と言えるでしょう。この機会にぜひ購入を検討してみてください。

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MINISFORUM UN150Pの価格・購入先

MINISFORUM UN150P 本体 正面の外観

※価格は2025/6/30に調査したものです。

MINISFORUM JPストア

  • 16GB RAM+256GB SSDモデルが28,980円、
  • 16GB RAM+512GB SSDモデルが31,590円、

で販売されています。

MINISFORUM JPストアで「MINISFORUM UN150P」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで35,980円(税込・6836円 OFFクーポン付きで実質29,144円・16GB+256GBモデル)、
  • 楽天市場で35,980円(送料無料)、
  • 米国 Amazon.comで$175.99、

で販売されています。

Amazonで「MINISFORUM UN150P」をチェックする

楽天市場で「MINISFORUM UN150P」をチェックする

ヤフーショッピングで「MINISFORUM UN」をチェックする

AliExpressで「MINISFORUM UN150P」をチェックする

米国 Amazon.comで「MINISFORUM UN150P」をチェックする

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GMKtec NucBox G10

GMKtecから発売されたAMD Ryzen 5 3500U 搭載のミニPCです(2025年6月22日 発売)。

16GB DDR4-2400メモリ、512GBまたは1TB M.2 SSDストレージ、ストレージ用の拡張スロット(M.2 2280スロットx2)を搭載しています。

また、最大16TBまでのストレージ拡張、最大32GBまでのメモリ拡張、3画面出力(HDMI, DisplayPort, Type-C)、フル機能Type-Cポート(DP映像出力/PD充電/DATA)x1、Type-C (PDのみ)x1、静音冷却ファン、VESAマウント、USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB2.0 x1、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0、2.5Gギガビット有線LANにも対応しています。

価格は、Amazonで35,999円(税込・8GB+256GB)、AliExpressで24,573円(8GB+256GB)、です。

関連記事:GMKtec G10徹底レビュー!Ryzen 5 3500UミニPCは買いか?

Beelink ME mini

Beelinkから発売されたIntel Twin Lake N150 搭載のミニPC兼NASサーバーです(2025年6月 発売)。

12GB LPDDR5 (4800MHz)メモリ、64GB eMMCストレージ(+2TB SSD)、45W電源ユニットを搭載しています。

また、99mmのキューブ型デザイン、6基のM.2 SSD スロットによるストレージ拡張(合計最大24TBまで)、HDMI(最大4K 60Hz)映像出力、静音ファンと垂直エアフロー冷却設計、WindowsやLinuxなど多様なOS(NAS用のTrueNASやUnraid、仮想OS用のProxmoxやESXiなど)、USB Type-C (10Gbps)ポート、WiFi 6、Bluetooth 5.2、デュアル2.5GbE有線LANに対応しています。

価格は、Amazonで63,900円(税込・15000円 OFFクーポン付きで実質48,900円)、AliExpressで56,964円、米国 Amazon.comで$409.00($80 OFFクーポン付き)、です。

関連記事:Beelink ME mini徹底レビュー!最大24TBのNASホームサーバー

Beelink EQ14

Beelinkから発売されたインテルN150搭載のミニPCです(2024年12月発売)。

16GB DDR4 3200 メモリ、500GB M.2 2280 PCIe 3.0 x 4 ストレージを搭載しています。

また、電源ユニット(内蔵)、 4K 3画面出力、冷却システム MSC2.0、最大4TBまでのストレージ拡張、VESAマウント、Type-C (10Gbps,DP Alt 4K 60Hz) x1、USB 3.2 (10Gbps) x 3、USB 2.0 (480Mbps) x1、Wi-Fi 6 、Bluetooth 5.2、デュアル有線LAN通信に対応しています。

価格は、Amazonで32,800円(税込)、楽天市場で38,698円(送料無料)、ヤフーショッピングで50,630円、AliExpressで26,471円、米国 Amazon.comで$189.00、です。

関連記事:Beelink EQ14レビュー!電源内蔵でN150搭載ミニPCは買いなのか?

GMKtec NucBox G3 Plus

GMKtecから発売されたインテル N150搭載のミニPCです(2024年12月 発売)。

8GB/16GB DDR4 3200 メモリ、256GB/512GB/1TB M.2 2280 NVMeストレージを搭載しています。

また、4K 2画面出力(HDMI x2)、最大32GBまでのメモリ拡張、M.2 2242 PCle SATAで最大2TBまでのストレージ拡張、冷却システム、VESAマウント、USB-A 3.2 Gen2 x4、HDMI (4K@60Hz) x2、有線LAN端子(RJ45,2.5G) x1、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2にも対応しています。

価格は、mazonで24,363円(5624円 OFFクーポン適用で実質18,739円・8GB+256GB・税込)、楽天市場で22,050円(送料無料)、ヤフーショッピングで26,400円、AliExpressで20,536円、米国 Amazon.comで$138.99、です。

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Beelink EQ13

Beelinkから発売されたIntel N200 プロセッサ搭載のミニPCです。16GB DDR4 3200MHz メモリ、500GB M.2 2280 SATA SSD PCle 3.0 ストレージ、2つのHDMI ポート搭載で、

4K 3画面出力、冷却システム MSC2.0、埃の侵入を防ぐフィルター(底面)、最大4TBまでのストレージ拡張、Type-C (10Gbps,DP Alt 4K 60Hz) x1、USB 3.2 (10Gbps) x3、デュアル有線LAN、Wi-Fi 6 (intel AX101)、Bluetooth 5.2に対応しています。

価格は、Amazonで32,800円(税込・16GB+500GB)、楽天市場で34,070円、ヤフーショッピングで38,444円、AliExpressで29,447円 (16GB+500GB)です。

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BMAX B4 Pro (New)

BMAXから発売された第12世代 Intel N97 プロセッサ搭載のミニPCです。

Windows 11、16GB DDR4 メモリ、512GB SSD ストレージ、M.2拡張スロットを搭載しています。

また、4K 2画面出力(HDMI 2.0 x2)、ストレージ拡張(M.2 SATA 2280 x1)、Linux Ubuntuとのデュアルブート、VESAマウント、ファンレス設計、USB 3.2 x2、USB 2.0 x2、1Gbpsのギガビット有線LAN、Wi-Fi 5、Bluetooth 4.2に対応しています。

価格は、Amazonで29,999円(税込・6100 OFFクーポン付きで実質23,899円)、楽天市場で35,870円(送料無料)、米国 Amazon.comで$199.99、です。

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