圧倒的に高いAI処理能力をもつ「Beelink SER9」。早くも「このミニPCがあればAIを使って何でもできそう」と評判です。
しかし、その一方で、「他のAI対応のミニPCの方がいいのでは?」という意見もあり、購入を迷っている人も多くいるようです。
そこで今回はその違いがよく分かるように、以下の5点を重点的に解説します。
- 驚異的なAI性能とその具体的な活用例
- デザイン(接続ポート・電源アダプター、サイズ・重量)
- スピーカー・マイク
- Ryzen AI 9 HX 370の性能・グラフィック性能・ゲーム性能
- メモリ・ストレージ・通信性能
また、「Mac mini M4」や「Minisforum AI370」との違いも紹介!ベンチマークやゲーム性能、スペック、
購入する前に知っておきたいデメリットや評価、おすすめの類似製品もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
価格はセールで14万円台!10万円前後のAIミニPCよりもお買い得なのか?
「Beelink SER9」(ビーリンク サー9)は2024年10月に中国 Beelinkから発売されたWindows ミニPCです。
AI処理に特化したNPUを備えたAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサを搭載し、
最大50TOPSの驚異的なAI処理能力を発揮します。
価格はAmazonで142,400円(税込・セール価格)です。現在、Beelink公式サイト上でブラックフライデーセールが実施されており、その影響で通常価格(192,803円)から大幅に値下げされて販売されています。
前モデルは2023年5月に発売された「Beelink SER8」です。
このミニPCはパワフルなRyzen 7 8845HSプロセッサと高いグラフィック性能で人気がありました。
現在でもAmazonで発売されており、価格は89,800円(税込・セール価格)です。
一方、他メーカーではBeelink SER9と同じRyzen AI 9 HX 370 プロセッサ搭載の「Minisforum AI370」がMINISFORUM公式サイトで159,980円(※セール価格) で発売中です。
こちらも現在セール中で、通常価格(224,980円)から大幅に安くなって販売されています。
また、GEEKOMから発売された「GEEKOM GT1 Mega」がAmazonで109,900円(Core U7-155Hモデル)で発売中です。
こちらもAIに強い性能を持っており、より性能が高いCore U9-185Hモデルも139,900円で発売中です。
そのほか、GMKtec から発売されたAMD Ryzen 7 8845HS プロセッサ搭載のミニPC「GMKtec NucBox K8 Plus」がAmazonで79,999円(税込・セール価格)で発売中。
Appleから発売されたM4チップ搭載の「Mac mini M4」はAmazonで90,970円(税込)で発売中です。
(まとめ)
「Beelink SER9」と同じプロセッサを搭載したミニPCは現在、セールで約15万円で発売されています。通常価格は約20万台なので、約5万円ほど安くなっているようです。
一方、AIに対応したミニPCは約10万円前後から購入でき、最安では約8万円ほどで購入できるようです。
「Beelink SER9」は非常にAI処理能力に優れていますが、より安いAI対応のミニPCを購入するという選択肢もあります。
果たして「Beelink SER9」は他のミニPCよりもお買い得なのでしょうか?
くわしい特徴(メリット)を見ていきましょう。
公式ページ:Beelink SER9
驚異的なAI処理能力・最大50TOPをフル活用して差をつける
新モデル「Beelink SER9」は、AMD Ryzen AI 9 HX370プロセッサを搭載しているため、
最大50TOPのAI処理能力をフル活用することができます。
50TOPとは1秒間に 50兆回の演算 を実行できることを意味し、
例えば、画像生成AI Stable Diffusion Web UIを使えば、わずか5.9秒で高品質な画像を生成できます。
この驚異的なAI処理能力を使えば、画像生成AIだけでなく、動画生成AI、音楽生成AIなどを使い、高品質なコンテンツを短時間で制作できます。
例えば、最大50TOPのPCで、動画生成AIを使うと、従来のPCでは数時間、数日かかっていた動画生成が、わずか数分から数十分で完了できてしまいます。
また、より高度なAIモデルが扱えるようになるため、よりリアルで自然な動画、高精細な映像表現が可能になります。
あるいは、最大50TOPのPCで、音楽生成AIを使うと、より高速に、より多くのバリエーションをもつ楽曲が短時間で生成できます。
もちろん、より高度なAIモデルを活用することで、より自然で、人間らしい感情表現を持つ音楽を生成できるので、音楽のクオリティもどんどん高くなります。
AIを組み合わせたらどうなるか?
想像してみましょう。もしもこれらの画像生成AI、動画生成AI、音楽生成AIを組み褪せて、動画コンテンツを作っている人がいたとしたら、どうなるでしょうか?
従来の方法で動画コンテンツを作っている人に比べて、量も多く、質も高くなり、どんどん差がついていくはずです。
そうです。AIをうまく使っている人は作業効率がどんどん速くなり、作品のクオリティもどんどん高くなっていくのです。
これはクリエイティブな作業なだけでなく、ビジネスの文書作成やプレゼン、データ分析、チーム内でのやり取りであっても同じことです。
何もしなければどんどん遅れをとることになり、AIをうまく使う人と大きな差が生まれてしまいます。
AI時代に乗り遅れないためには?
逆にいえば、AIを使えば、それを使わない人に大きな差をつけられるということでもあります。
しかもそれは非常に簡単なことで、複雑な知識は必要ありません。
AIはだれでも簡単に使えて、無駄な労力を省いて生産性を上げてくれる魔法のツールです。
それを使わない手はもうどこにもありません。新しいAIミニPCを手に入れて、クリエイティブに進化していきましょう。
デザインをチェック!まるでMac miniのような外観で、ポートも豊富?
新モデル「Beelink SER9」はAppleのMac miniを彷彿とさせるシンプルで洗練された、スタイリッシュなデザインを採用しています。
筐体はアルミニウム合金製のユニボディで、高い耐久性も兼ね備えています。
また、側面は通気孔がないシンプルなデザインを採用。
底面には無数の通気孔を設け、エアフローを最適化し、高い冷却性能を発揮できるようになっています。
カラーはスペースグレーで、落ち着いた雰囲気です。
<サイズ・重量を比較>
- 1.「Beelink SER9」・・・135 x 135 x 44.7 mm / 重量は非公開
- 2.「Beelink SER8」・・・126 x 113 x 40 mm / 約 500g
- 3.「Beelink GTi14」・・・168 x 120 x 39 mm/ 約 767g
- 4.「Minisforum AI370」・・・128 x 128 x 48 mm / 約 580g
- 5.「Mac mini M4」・・・127 x 127 x 50 mm / 670g
前面インターフェース
前面は頻繁に使うポートやボタンを配置した、必要最小限のものが並んでいます。
具体的には、Type-C (10Gbps/Data) x1、USB 3.2 (10Gbps) x1、3.5mm オーディオジャック x1、CLR CMOS、電源ボタンがあります。
背面インターフェース
背面には映像出力用の端子や有線LAN端子、USBポートなどが配置されています。
具体的にはUSB4 (40Gbps/PD3.0/DP1.4) x1、HDMI 2.1 (4K 120Hz)x1、3.5mm オーディオジャック x1、
USB 2.0 (480Mbps) x2、DP 1.4 (144Hz) x1、LAN 2.5G x1、USB 3.2 (10Gbps) x1、DCポート x1が配置されています。
映像出力にはUSB4、HDMI 2.1、DP 1.4を使用し、4K 3画面出力も利用できます。
電源アダプター
電源ユニットは内蔵せず、付属の電源アダプターを使用します。
一般的なコンセントに接続するタイプのアダプターですが、小型で携帯しやすいデザインです。
ACアダプターの仕様は以下の通りです。
- 入力: 100-240V 50/60Hz
- 出力: DC 19V 6.32A
Beelink SER9の動作に必要な電力(消費電力が最大120W)を供給する重要な役割を担っています。
スピーカーとマイクを確認・AIと音声でやり取りできるか?
新モデル「Beelink SER9」はAIでやり取りするためにスピーカーとマイクを搭載しています。
スピーカーは2つ搭載されていますが、特別に音質がいいものではなく、
主に音声がクリアに伝わる程度のものです。
本格的で高音質なサウンド再生はできないので、別途外部のスピーカーを利用した方がいいかもしれません。
マイクは本体の前面(前面パネルの上部、電源ボタンの横に小さな穴がいくつか並んでいる部分)に配置されています。
AI音声インタラクションに対応し、周囲の音声を360度全方向から拾うことができます。
ただし、ノイズリダクションなどには対応していないので、よりクリアに音声を拾うには別途外部のマイクが必要になります。
「Beelink SER9」のスピーカー、マイクは本格的なものではありませんが、
AIとのやり取りを気軽に音声でやり取りできるのは便利です。前モデル「Beelink SER8」にはなかった新しい要素で、
AI時代に対応した新しい仕様であるともいえます。
なお、Microsoft Copilot は、最近リリースされたバージョンで音声モードを搭載しています。OpenAIのChatGPT Advanced Voiceと同様に、AIとまるで人間のように会話することができます。しかも、ChatGPT Advanced Voiceとは異なり、月額20ドルのサブスクリプションは必要ありません。
また、ChatGPT Advanced Voice は、OpenAIの最新のLLMであるGPT-4oを活用し、より自然な会話のやり取りを可能にします。ブレインストーミングや複雑なトピックの議論など、リアルタイムでのインタラクションが必要なタスクに最適です。
Ryzen AI 9 HX 370の性能とベンチマーク
新モデル「Beelink SER9」はAMD Ryzen AI 9 HX370プロセッサを搭載した、驚異的な処理能力を持つミニPCです。
最新のZen 5アーキテクチャを採用したこのCPUは、12個のコアと24個のスレッドを備え、従来のミニPCをはるかに凌駕するパフォーマンスを発揮します。
Cinebench R23のマルチコアスコアは、なんと22,630を記録。これは、前世代のCPUと比較して約20%の性能向上です。
4K動画編集、3Dレンダリング、最新ゲームなどの負荷の高いタスクも軽々とこなせます。
<CPUのベンチマーク結果 一覧>
- PassmarkのCPUベンチマークで「35425」
- Geekbench 6のシングルコア「2972」、マルチコア「12756」
- Cinebench R23 シングルコア「16230」、マルチコア「22630」
- Cinebench 2024 シングルコア「110」、マルチコア「940」
発熱量は?冷却は大丈夫か?
Beelink SER9は、高性能なCPUとGPUを搭載しているため、発熱量はそれなりに大きくなります。
<発熱量>
- CPU: Ryzen AI 9 HX370 (TDP 54W)
- GPU: Radeon 890M (TDP 最大120W)
CPUとGPUのTDPを合計すると最大174Wとなり、かなりの発熱量であることが分かります。
また、負荷の高い作業を行う場合、CPU温度は 70℃~80℃ 程度になります。
ただし、Beelink SER9は発熱をおさえるための冷却システムを備えています。
<Beelink SER9の冷却システムの特徴>
- 大型吸気ファン・・・底面に大型の吸気ファンを搭載し、筐体内部に効率的に冷気を送り込みます。
- ヒートパイプ・・・CPUとGPUの熱をヒートシンクに効率的に伝達するヒートパイプを備えています。
- 大型ヒートシンク・・・ヒートパイプから伝達された熱を放熱する、大型のヒートシンクを搭載しています。
- エアフロー・・・筐体内部のエアフローを最適化することで、効率的な冷却を実現しています。
これらの冷却システムにより、Beelink SER9は、高負荷時でも安定して動作することができます。
グラフィック性能
Beelink SER9に搭載されたRadeon 890Mは、ミニPCのグラフィック性能を新たな次元へと引き上げます。
最新のゲームをフルHD高画質でプレイできるのはもちろん、動画編集や3Dグラフィックスなど、クリエイティブな作業も快適に行えます。
もちろん、3Dグラフィックスのレンダリング性能にも優れているため、Blenderなどのソフトで、複雑なモデルもスムーズに作成できます。
GPUのベンチマーク
3DMarkのFire Strikeによるグラフィックスコアは「7700」を記録し、約 8千前後のスコアになります。
ちょうどグラフィックボードのNVIDIA GTX 1050 と同じくらいの性能で、
比較的軽めのPCゲームや高画質なファイルを扱う動画編集、4Kなど重い画像ファイルを扱う写真編集などでも快適に動作します。
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7700」(DirectX 11)
- Time Spy グラフィックスコアで「4084」(DirectX 12)
- 3DMark Wild Life「20,500」
- 3DMark Wild Life Extreme 「6400」
<グラフィック性能を比較>
※3DMark Fire Strikeのグラフィックスコアで比較したものです。
- 1.GTX 1650 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:9000
- 2.Radeon 890M・・・3DMark Fire Strike:8000 前後
- 3.Radeon 780M・・・3DMark Fire Strike:8000 前後
- 4.Radeon 760M・・・3DMark Fire Strike:7800 前後
- 5.GTX 1050 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:7300
- 6.Radeon 680M・・・3DMark Fire Strike:6000 前後
- 7.GTX 950 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:6000
ゲーム性能
Radeon 890Mは、前世代の内蔵GPUと比べて最大2倍の性能向上を実現しています。
そのため、最新のAAAタイトルも、設定次第で快適にプレイできます。
例えば、「フォートナイト」や「エーペックスレジェンズ」も画質を低く抑えることで、快適にプレイできます。
フォートナイト
- 1080p 解像度、低設定:平均 60 FPS 前後
- 720p 解像度、低設定:平均 70-80 FPS 前後
エーペックスレジェンズ
- 1080p 解像度、低設定:平均 50-60 FPS 前後
- 720p 解像度、低設定:平均 60-70 FPS 前後
また、「VALORANT」や「League of Legends」、「オーバーウォッチ2」といったeスポーツタイトルもご覧の通り、画質をおさえると、快適に動作します。
VALORANT
- 1080p 解像度、低設定: 100 FPS 以上
- 1080p 解像度、中設定: 60 FPS 以上
League of Legends
1080p 解像度、最高設定: 144 FPS 以上
オーバーウォッチ2
- 1080p 解像度、低設定:平均 60-70 FPS 前後
- 1080p 解像度、中設定:平均 40-50 FPS 前後
もちろん、原神やエルデンリングなどのRPGゲームもプレイ可能です。
原神
- 720p 解像度、低設定:平均 40-50 FPS 前後
- 720p 解像度、最低設定:平均 50-60 FPS 前後
エルデンリング
- 720p 解像度、低設定: 平均 30-40 FPS 前後
- 720p 解像度、最低設定: 平均 40-50 FPS 前後
ただし、アーマードコアVI は、残念ながら Radeon 890M では快適にプレイするのは難しいです。グラフィック性能が足りないです。
メモリ、ストレージ、通信性能の詳細スペックを確認
AI性能をフルに引き出すためにはメモリやストレージの性能も重要になります。
また、オンラインで使用するAIサービスを活用する場合は通信性能も重要です。
新モデル「Beelink SER9」はメモリ、ストレージ、通信性能の詳細スペックを確認してみましょう。
メモリ
32GBのLPDDR5X-7500メモリ (8GB x2)を搭載しています。
LPDDR5Xは、従来のLPDDR5よりも高速な 最大8.5 Gbps のデータ転送速度と低消費電力を実現したメモリです。
メモリスロットはこの他に2つあり、合計で最大64GBまで拡張することができます。
<メモリを比較>
- 1.「Beelink SER9」・・・32GB LPDDR5X-7500(最大64GB)
- 2.「Beelink SER8」・・・32GB DDR5-5600(最大64GB)
- 3.「Beelink GTi14」・・・16GB DDR4-3200(最大64GB)
- 4.「Minisforum AI370」・・・32GB/64GB DDR5-4800
- 5.「Mac mini M4」・・・8GB ユニファイドメモリ(最大24GB)
ストレージ
1TBのPCI Express 4.0 SSD (Crucial製) を搭載しています (最大4TB)。
PCIe 4.0は、PCIe 3.0の2倍のデータ転送速度(最大転送速度: 16 GT/s )を持つ規格です。
高速なSSDにより、OSの起動、アプリケーションの読み込み、データのアクセスなどが高速に行えます。
ストレージのスロットはもう一つあり、合計で最大8TBまで拡張できます。
<ストレージを比較>
- 1.「Beelink SER9」・・・1TB M.2 2280 PCle4.0 x4(合計で最大8TBまで)
- 2.「Beelink SER8」・・・1TB M.2 2280 PCle4.0 x4(合計で最大8TBまで)
- 3.「Beelink GTi14」・・・1TB M.2 2280 PCle4.0 x4(合計で最大8TBまで)
- 4.「Minisforum AI370」・・・500GB、1TB、2TB PCIe 4.0 NVMe SSD(M.2、2.5HDDで拡張可能)
- 5.「Mac mini M4」・・・512GB、1TB、2TB、4TB、8TB SSD(拡張不可)
Wi-Fi
Wi-Fi 6 (802.11a/b/g/n/ax)に対応し、高速な無線ネットワーク接続が可能です。
Bluetooth
Bluetooth 5.2に対応し、ワイヤレスマウス、キーボード、ヘッドセットなどの周辺機器を接続できます。
有線LAN
2.5ギガビットイーサネットに対応しています。高速な有線ネットワーク接続が可能です。
<通信性能を比較>
- 1.「Beelink SER9」・・・Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5G 有線LAN
- 2.「Beelink SER8」・・・Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5G 有線LAN
- 3.「Beelink GTi14」・・・Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5G 有線LAN
- 4.「Minisforum AI370」・・・Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、2.5G 有線LAN(2ポート)
- 5.「Mac mini M4」・・・Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、1G 有線LAN
「Beelink SER9」のデメリット
Beelink SER9は非常に優れた性能をもつミニPCですが、いくつかデメリットがあります。
購入前に確認しておきましょう。
デメリット1:OSがボリュームライセンス
「Beelink SER9」にプリインストールされているWindows 11 Proは、ボリュームライセンス版です。
これは、企業向けのライセンスであり、一般ユーザー向けのライセンスではありません。
<ボリュームライセンスの特徴>
- ライセンスの譲渡・・・ボリュームライセンスは、原則としてライセンスの譲渡ができません。つまり、Beelink SER9を中古で売却する場合、OSのライセンスは引き継がれません。
- サポート・・・ ボリュームライセンスのサポートは、Beelinkではなく、Microsoftから提供されます。ただし、サポートを受けるには、別途契約が必要になる場合があります。
- 機能制限・・・ボリュームライセンス版では、一部の機能が制限されている場合があります。
そのため、新規にWindows OSをインストールし直す、あるいは、もともと使っていたストレージと交換する、といった対策が必要になります。
デメリット2:Oculinkポートがない
「Beelink SER9」はOculinkポートがありません。そのため、外部GPUボックスと接続して、グラフィック性能を向上させることができません。
デメリット3:電源ユニットを内蔵していない
「Beelink SER9」は電源ユニットを内蔵していません。そのため、外出先に持ちだす際に必ず、ACアダプターもいっしょに持ち運ぶ必要があります。
「Beelink SER9」のスペック
- プロセッサ AMD Ryzen AI 9 HX 370
※Zen 5(4nm)/12コア/24スレッド/最大5.1GHz/TDP28W - NPU XDNA 2 (NPU Performance:50TOPS、Total Processor Performance:最大 80 TOPS)
- GPU Radeon 890M(16CU)
- RAM(メモリ)32GB DDR5 7500 MHz (8GB x4)
- 拡張メモリ 最大64GBまで(SO-DIMM DDR5 5600MHz スロット x2)
- ストレージ 1TB M.2 2280 PCle4.0 x4 (最大4TB) ※システム用
- 拡張ストレージ +4TBで合計 最大8TB (M.2 2280 PCle4.0 x4)
- 電源 ACアダプター(入力:100-240V、AC 50/60Hz、19V/5.26A)
- ワイヤレス通信 Wi-Fi 6 Intel AX200 (802.11a/b/g/n/ax)、Bluetooth 5.2
- 有線LAN 2.5Gギガビット有線LAN
- 前面インターフェース Type-C (10Gbps/Data) x1、USB 3.2 (10Gbps) x1、3.5mm オーディオジャック x1、CLR CMOS、Power Button
- 背面インターフェース USB4 (40Gbps/PD3.0/DP1.4) x1、HDMI 2.1 (4K 120Hz)x1、3.5mm オーディオジャック x1、USB 2.0 (480Mbps) x2、DP 1.4 (144Hz) x1、LAN 2.5G x1、USB 3.2 (10Gbps) x1、DCポート x1
- 映像出力 4K 3画面出力 (USB4、Displayport 1.4、HDMI 2.0)
- スピーカー デュアルスピーカー
- マイク 内蔵
- 冷却システム MSC 2.0 テクノロジー、ベイパーチャンバー、SSD ヒートシンク、サイレントファン、底面からの空気取り入れ口、SSD 表面温度 51度、DDR 表面温度 53度
- 静音動作 32dB
- モード バランスモード (54W)、パフォーマンスモード(65W)
- VESAマウント 非対応
- 自動電源ON 対応
- 動作環境 -10度~45度
- 筐体 メタル(金属)
- OS Windows 11 Pro
- サイズ 135 x 135 x 44.7 mm
- 重量 不明
- カラー フロストシルバー、スペースグレー
- 付属品 ユーザーマニュアル、HDMIケーブル 100cm、ACアダプター 19V/5.26A
「Beelink SER9」の評価
7つの基準で「Beelink SER9」を5段階で評価してみました。
- スペック:★★★★★
- デザイン:★★★★
- 通信:★★★★
- 機能(拡張性):★★★★
- 冷却性能:★★★★
- 使いやすさ:★★★★★
- 価格:★★★
<総合評価>
2023年5月に発売された「Beelink SER8」の後継モデルになります。
AMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサを搭載したことで、飛躍的にAI性能が向上しています。
また、高いグラフィック性能や拡張性、通信性能なども兼ね備えています。
「Minisforum AI370」よりもお買い得か?
同じプロセッサを搭載したミニPCには「Minisforum AI370」もあり、
どちらにするべきか迷う人もいるかもしれません。
「Minisforum AI370」の場合はUSBポートの数が1つ多く、
M.2 SSDの他に2.5インチHDD/SSDなどでも拡張できるなど、
拡張性が非常に優れている点が特徴的です。
一方、「Beelink SER9」も高い拡張性を備えていますが、
スピーカーやマイクなども内蔵し、優れたデザインである点が特徴的です。
電源は内蔵していませんが、ACアダプターも小さく、使いやすそうです。
どちらの機種も非常にパワフルで発熱量が高くなるというデメリットがあるので、
その点は大きな違いはありません。
あとは購入のタイミングによって価格が違うので、価格の安さも考慮して選んだ方がいいでしょう。
「Mac mini M4」の方がいいのか?
「Mac mini M4」も非常に優れたAI性能をもつミニPCです。
まだ、正式に日本語に対応していないものの、Apple Intelligenceが無料で使える点を考えると、
コスパは計り知れないほど高いといえます。
ただし、メモリやストレージなどを自分で増設できないなど、拡張性にやや難があります。
また、AI処理の性能においては「Beelink SER9」の方が圧倒的に有利です。
Windows OSの方が使えるAIも多いなどのメリットもあるので、
AI性能を重視するなら、「Beelink SER9」がおすすめです。
Beelink SER9はどんな人に最適か?
負荷の高いAI処理を頻繁にする人におすすめです。
特に画像生成AI、動画生成AI、音楽生成AIなど、処理に時間がかかる作業を短時間で済ませたい人に最適です。
AI性能が極めて高いミニPCを探している人におすすめです。
「Beelink SER9」の価格・購入先
「Beelink SER9」はBeelink公式サイトやAmazonなどのECサイトで購入できます。
Beelink公式サイト
146,493円(セール価格・通常価格は192,803円)で販売されています。
Beelink公式サイトで「Beelink SER9」をチェックする
※支払い方法はクレジットカード、PayPalです。
ECサイト
Amazonで142,400円(税込)、
楽天市場で167,546円(送料無料)、
ヤフーショッピングで301,780円、
AliExpressで155,275円、
米国 Amazon.comで$1,249.00、
で販売されています。
Amazonで「Beelink SER9」をチェックする
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※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説
おすすめの類似製品を紹介
「Beelink SER9」に似た性能をもつミニPCも販売されています。
「Minisforum AI370」
Minisforumから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサ搭載のミニPCです(2024年11月 発売)。
XDNA 2 AIエンジン、Radeon 890M、32GB LPDDR5X-7500MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD ストレージ、Windows 11を搭載しています。
また、最大50TOPS(1秒間に50兆回のAI演算)、3画面出力、8K映像出力、冷却システム、最大4TBまでのストレージ拡張、USB4ポート、4つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポート、Wi-Fi6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、MINISFORUM公式サイトで159,980円 です。
関連記事:驚異のAI性能!Minisforum AI370の実力を徹底レビュー
「GEEKOM GT1 Mega」
GEEKOMから発売されたIntel Core Ultra 9 185H / Core Ultra 7 155H / Core Ultra 5 125H 搭載のミニPCです(2024年10月発売)。
32GB DDR5 5600MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD、Windows 11 Proを搭載しています。
また、高度なAI処理、4画面出力、2つのUSB 4.0ポート、VESAマウント、 ケンジントンロック、冷却システム、USB3.2 Gen2 Type-A x5、USB 2.0 Type-A x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、デュアル 2.5G ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで109,900円(Core U7-155Hモデル・Core U9-185Hモデルは139,900円)、楽天市場で138,625円(送料無料・Core U7-155H)、米国 Amazon.comで$989.00 (ore Ultra U9-185H)、です。
関連記事:GEEKOM GT1 Megaレビュー!AI性能もゲームも本当にOK?
「GMKtec NucBox K8 Plus」
GMKtec から発売されたAMD Ryzen 7 8845HS プロセッサ搭載のミニPCです(2024年10月に発売)。
Windows 11 Pro、32GB DDR5-5600メモリ、1TB/2TB SSD M.2 (2280 PCle Gen 4.0) ストレージ、Oculink ポート、2つのLANポートを搭載しています。
また、3画面出力(USB4、HDMI 2.1、DP2.1)、最大8TBまでのストレージ拡張(M.2 2280)、最大96GBまでのメモリ拡張、冷却システム、VESAマウント、USB 4.0 Type-C (40Gbps/PD充電/DP1.4) x2、USB3.2 (Gen2/10Gbps) x2、USB 2.0 x1、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5Gbpsのデュアル ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで79,999円(税込・セール価格)、楽天市場で99,999円(送料無料)、AliExpressで56,927円(※ベアボーンモデル)、米国 Amazon.comで$749.99 ($200 OFFクーポン付き)、です。
関連記事:最速で最強「GMKtec NucBox K8」とハイエンド小型PCを比較
「Mac mini M4」
Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。
Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。
また、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで90,970円(税込)、楽天市場で95,020円(送料無料)、ヤフーショッピングで94,280円、です。
関連記事:Apple AI対応「Mac mini M4」とM2、M1モデルを比較
他のBeelink ミニPCと比較
他にもBeelinkのミニPCが販売されています。Ryzen搭載モデルだけでなく、インテル搭載モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。
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