2024年12月20日に発売された「GMKtec EVO-X1」は、AMDの最新プロセッサー「Ryzen AI 9 HX 370」を搭載し、そのコンパクトな筐体に秘められた圧倒的なパフォーマンスで注目を集めるミニPCです。
本記事では、このEVO-X1が日々の作業から本格的なゲーミングまで、どれだけ快適な体験を提供してくれるのか、そして最大のライバルである「MINISFORUM AI X1 Pro」と比較してどのような長所と短所を持つのかを、徹底的にレビューします。
【先に結論からお伝えしましょう】
GMKtec EVO-X1 の長所 (Pros):
- 最新のRyzen AI 9 HX 370と超高速LPDDR5X-7500MHzメモリによる圧倒的なパフォーマンス
- クラス最小レベルのコンパクトさと、高級感のある金属製デザイン
- eGPU接続に便利なOCuLinkポートをアクセスしやすい前面に搭載
- 工具なしで内部にアクセスでき、SSDの増設が非常に簡単
- 不要なソフトが一切ないクリーンなWindows 11 Proをプリインストール
GMKtec EVO-X1 の短所 (Cons):
- 高負荷時のファン騒音が大きく、静音性に課題
- メモリがオンボードのため、購入後の増設・換装が不可能
- SDカードスロットがなく、最新のWi-Fi 7規格に非対応
- 性能モードの切り替えにBIOSの再起動が必要で手間がかかる
総合評価:
GMKtec EVO-X1は、設置スペースを最小限に抑えつつ、性能には一切妥協したくないパワーユーザーやクリエイターにとって、最高の選択肢の一つとなるミニPCです。その圧倒的な処理能力はあらゆる作業を快適にしますが、高負荷時のファン騒音という明確なトレードオフも存在します。
<この記事で分かること>
- GMKtec EVO-X1の実際のサイズ感とデザインの質感
- ライバル機種 MINISFORUM AI X1 Proとの徹底比較
- OCuLinkやUSB4など搭載ポートの種類と便利な配置
- 8K対応3画面出力のセットアップと実用性
- CPU「Ryzen AI 9 HX 370」の詳しいスペックと性能
- CinebenchやPassmarkでのベンチマークスコアと他CPUとの比較
- 『モンスターハンターワイルズ』などの人気ゲームは快適にプレイできるか?(実測fps付き)
- 高負荷時のCPU温度とファン騒音の実態
- BIOSで設定できる3つのパフォーマンスモードの使い方
- 他の最新ミニPCと比較した際の明確なメリットとデメリット
- 専門家による項目別の5段階評価と、詳細な総評
- 最新の価格とお得な購入先
この記事を最後まで読むことで、「GMKtec EVO-X1」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:AMD Ryzen™ Al 9 HX 370 –EVO-X1 AI ミニ PC
デザイン:GMKtec EVO-X1 ~コンパクトな筐体に秘められた高級感と拡張性~
ここでは、GMKtec EVO-X1のデザイン、外観、そして付属品について、実際に手に取ったからこそ分かる質感や使い勝手を詳しく見ていきます。比較対象としてMINISFORUM AI X1 Proを取り上げることで、それぞれの設計思想の違いも浮き彫りにしていきます。
手のひらに収まる、驚きのコンパクトさと金属の質感
箱から取り出して最初に感じたのは、「写真で見るよりずっと小さい!」という驚きでした。サイズは110.5 x 107 x 68 mm、重さはわずか590gと、片手で軽々と持ち上げられます。これなら、書斎のデスクからリビングのテレビ横へ気軽に移動させたり、時にはカバンに入れて外出先で使ったりすることも十分に考えられるでしょう。比較対象のMINISFORUM AI X1 Proが、旧Mac miniとほぼ同じサイズ感で約1.4kgあることを考えると、この小型軽量ボディはEVO-X1の大きな魅力です。
<サイズ・重量の違い>
- GMKtec EVO-X1:(サイズ)110.5 x 107 x 63~68 mm、(重量)約590gから595g(AC別)
- MINISFORUM AI X1 Pro:(サイズ)195 × 195 × 42.5~47.5 mm、(重量)約1.4kgから1.5kg(AC内蔵)
シャープな箱型の筐体は、そのほとんどが金属で作られており、ひんやりとした手触りが所有欲を満たしてくれます。サンドブラスト加工のような仕上げは高級感があり、安っぽさは微塵も感じません。天板には控えめにGMKtecのロゴが配置され、プロフェッショナルな印象を与えます。まるで小さな工房で作られた精密機械のような雰囲気をまとっており、デスクに置くだけで知的な空間を演出してくれます。
見た目にも影響する冷却設計と好みが分かれるスタンド
EVO-X1は、本体の左右と底面に通気口を備えたデュアルファン構造を採用しています。特に注目すべきは、天板の隙間から見えるRGBライト付きのファンです。七色に光る様子は美しいものの、ケースを装着するとほとんど見えなくなってしまうのは少し残念に感じました。また、このRGBライトはBIOSなどでオン・オフを切り替えることができず、PCの電源をオフにしても点灯し続けるため、寝室などに設置する際は少し気になるかもしれません。
付属品の縦置きスタンドを使えば、さらに省スペースでの設置が可能です。しかし、このスタンドも本体も金属製のため、設置する際に「キィ…」という金属同士が擦れる独特の感触があり、本体に傷がつかないか少し心配になりました。頻繁に着脱するなら、接点に薄い保護シートを挟むなどの工夫をすると良いかもしれません。一方で、AI X1 Proもスタンドが付属しますが、縦置きにすると天板にある便利な指紋認証センサーが使いにくくなるという別の課題を抱えており、どちらも一長一短と言えそうです。
メンテナンス性の高さと設計思想の違い
EVO-X1の設計で特に感心したのは、メンテナンス性の高さです。本体裏面のゴム足がそのまま手で回せるネジになっており、工具を使わずに外側のカバーを簡単に取り外せます 。内部のパネルもネジ4本で固定されているだけで、すぐにM.2 SSDスロットにアクセスできるため、ストレージの増設は非常に手軽です。
この点は、分解に手間がかかり「積極的にバラしたくない」と評されるAI X1 Proとは対照的です。ただし、EVO-X1のメモリはマザーボードにはんだ付けされたオンボードタイプのため、購入後の増設や交換はできないという点は覚えておく必要があります。
また、EVO-X1はACアダプターを外部に置くことで小型化を実現していますが、このACアダプターが本体の割に大きく、少し重く感じられました。対してAI X1 Proは、本体サイズが大きい代わりに電源を内蔵しており、コンセントに繋ぐケーブル1本で済むため、デスク周りの配線をすっきりさせたい場合はAI X1 Proに軍配が上がります。この違いは、携帯性とメンテナンス性を重視したEVO-X1と、据え置きでのパワフルな運用と拡張性を重視したAI X1 Proの、明確な設計思想の違いを示していると言えるでしょう。
<GMKtec EVO-X1の付属品一覧>
- 電源アダプター
- HDMIケーブル
- ユーザーマニュアル(取扱説明書)
- 縦置きスタンド
まとめ:デザイン
- 第一印象:写真で見るよりずっとコンパクトで、金属の質感が所有欲を満たす
- 筐体サイズと電源:ACアダプターは大きいが、本体は非常に小型軽量で持ち運びも視野に入る
- 拡張性とメンテナンス性:メモリ増設は不可だが、SSDの増設は驚くほど簡単で手軽に行える
- スタンドの使い勝手:省スペース化に貢献するが、金属の擦れる感触は好みが分かれる可能性がある
- 比較して分かること:電源内蔵で大型のAI X1 Proとは対照的に、小型化とメンテナンス性を重視した設計思想が光る一台
接続ポートと映像出力:GMKtec EVO-X1 ~コンパクトボディに凝縮されたプロ仕様の拡張性~
ここでは、GMKtec EVO-X1が備える豊富な接続ポートと、マルチディスプレイ環境を構築できる映像出力性能について、実際の使用感を交えながら詳しく解説していきます。MINISFORUM AI X1 Proと比較することで、その利便性と特徴をより深く掘り下げていきましょう。
利便性を追求したポート配置:前面と背面のインターフェース
EVO-X1を使い始めてすぐに感じたのは、ポート配置の絶妙さです。特に本体前面には、高速なデータ転送が可能なUSB4 Type-Cポートに加え、USB 3.2 Gen2 Type-Aポートが2つ、そして本機の目玉とも言えるOCuLinkポートが配置されています 。外付けSSDからのデータコピーや、USBメモリの抜き差しが頻繁な私にとって、本体の裏に手を伸ばす必要がないこの配置は非常に快適でした。
背面には、常時接続しておくケーブル類がすっきりとまとめられるように配置されています。こちらには高速なUSB 3.2 Gen 2ポートがさらに2つ、映像出力用のHDMI 2.1とDisplayPort 2.1、そして2つの2.5ギガビットLANポートが並びます。その他、電源アダプターを接続するDC入力端子と、盗難防止用のケンジントンロックも備わっています 。ディスプレイや有線LANなど、一度接続したらあまり抜き差ししないポートが背面に集約されているため、デスク周りのケーブルマネジメントがしやすいと感じました。
OCuLinkポートが拓く、無限のグラフィックス性能
EVO-X1の最大のセールスポイントは、前面に搭載されたOCuLinkポートでしょう。最大64Gbpsという超高速なデータ転送速度を誇り、外付けGPU(eGPU)の性能を最大限に引き出すことができます。手持ちのeGPUボックスを接続し、『サイバーパンク2077』や『モンスターハンターワイルズ』といったグラフィック負荷の高いゲームを試したところ、内蔵GPUとは比較にならないほど滑らかな映像でプレイでき、まさにデスクトップPCに匹敵するゲーミング体験に胸が躍りました。
比較対象のAI X1 ProもOCuLinkポートを搭載していますが、そちらは背面に配置されています。頻繁にeGPUを着脱する使い方を想定するなら、アクセスしやすい前面にポートがあるEVO-X1の方が、使い勝手は一枚上手だと感じました。
8K対応のトリプルディスプレイ出力
映像出力に関しても、EVO-X1は非常に強力です。HDMI 2.1、DisplayPort 2.1、そしてUSB4ポートの3系統を活用し、最大で3画面の同時出力に対応しています。それぞれのポートが8K@60Hzという高解像度をサポートしているため、DaVinci Resolveでの動画編集時に、プレビュー画面、タイムライン、素材管理ウィンドウをそれぞれ別の4Kモニターに表示させるという贅沢な作業環境も構築できました。広大なデスクトップ領域は、マルチタスクの効率を劇的に向上させてくれます。
一方で、MINISFORUM AI X1 ProはUSB4ポートを2基搭載しているため、最大4画面の同時出力が可能です。株取引のトレーディングルームのように、可能な限り多くの情報を一度に表示させたいユーザーにとっては、AI X1 Proの方がより魅力的に映るでしょう。
比較して見えた、いくつかの注意点
これだけ豊富なポートを備えるEVO-X1ですが、比較するといくつか物足りない点も見えてきます。例えば、MINISFORUM AI X1 Proに搭載されているSDカードスロットや、Web会議に便利な内蔵スピーカー・マイクは備わっていません。一眼レフで撮影した写真データを頻繁に取り込む私としては、SDカードスロットがないのは少し不便に感じました。これらの機能を手軽に使いたい場合は、AI X1 Proを検討するか、別途USBハブやカードリーダーを用意する必要があります。
<GMKtec EVO-X1の接続ポート一覧>
- 前面ポート
- USB4 Type-C (PD/DP/DATA対応) ×1
- OCuLink (PCIe 4.0 x4) ×1
- USB 3.2 Gen2 Type-A (10Gbps) ×2
- 3.5mm オーディオジャック ×1
- 電源ボタン
- 背面ポート
- USB 3.2 Gen2 Type-A (10Gbps) ×2
- HDMI 2.1 (8K@60Hz) ×1
- DisplayPort 2.1 (8K@60Hz) ×1
- 2.5Gbps LAN (RJ45) ×2
- Kensington Lock
- DC電源入力
まとめ:接続ポートと映像出力
- ポート配置:使用頻度の高いUSBやOCuLinkがアクセスしやすい前面にあり、周辺機器の着脱が非常にスムーズ
- ポート構成:デュアル2.5GbE LANポートや合計4つの高速USB 3.2 Gen2ポートを備え、多様な接続に対応
- 映像出力:HDMI 2.1、DisplayPort 2.1、USB4の3系統により、8K対応の強力な3画面同時出力が可能
- 拡張性:最大の魅力である前面OCuLinkポートで、eGPUによるグラフィックス性能の強化が手軽に行える
- 比較して分かること:MINISFORUM AI X1 Proは4画面出力やSDカードスロット搭載で多機能性に優れるが、EVO-X1はアクセスしやすい前面ポートの利便性で差別化されている
パフォーマンス:GMKtec EVO-X1 ~最新CPUと超高速メモリが織りなす快適体験~
ここでは、GMKtec EVO-X1の性能の要となるCPU、AI、メモリ、ストレージについて、その詳細なスペックと実際の使用感を交えながら深掘りしていきます。同じプロセッサはMINISFORUM AI X1 Proにも搭載されています。
パフォーマンスの要となる最新プロセッサー「Ryzen AI 9 HX 370」
EVO-X1の圧倒的なパフォーマンスの源泉は、AMDの最新モバイル向けプロセッサー「Ryzen AI 9 HX 370」です。このCPUは、最先端のTSMC 4nmプロセスで製造され、高性能な「Zen 5」コアを4つと、高効率な「Zen 5c」コアを8つ組み合わせた、合計12コア24スレッドのハイブリッド構成を採用しています。ベースクロックは2.0GHzですが、負荷時には最大5.1GHzという驚異的な速度で動作し、あらゆる処理を高速にこなします。
グラフィックス機能は、CPUに統合された「AMD Radeon 890M」が担います。RDNA 3.5世代のアーキテクチャをベースにした16個のGPUコアを搭載し、動画編集や画像加工といったクリエイティブな作業も快適にサポートします。さらに、注目すべきは最大50TOPSの処理能力を持つAI専用ユニット(NPU)を内蔵している点です。これにより、将来的に登場するであろう高度なAIアプリケーションもローカル環境でスムーズに動作させることが期待できます。
AI処理を高速化する専用ユニット「NPU」
Ryzen AI 9 HX 370が注目される大きな理由の一つが、最大50TOPSの処理能力を持つAI専用ユニット(NPU)を内蔵している点です。これは、画像認識やAIによるアシスタント機能など、今後ますます増加するであろうAI関連のタスクを、クラウドサーバーに頼ることなくPC単体で高速に処理するためのものです。このNPUのおかげで、EVO-X1はMicrosoftが提唱する「Copilot+ PC」の要件を満たしており、Windowsの最新AI機能をフル活用できるポテンシャルを秘めています。将来的には、より高度なAIアシスタントやリアルタイム翻訳、画像生成といった機能を快適に利用できることが期待されます。
あらゆる作業を過去にする、圧倒的な実使用感
これら強力なハードウェアがもたらす体験は、AIを使った創造的な作業でもフル活用できます。例えば、これまでクラウドサービスに頼るのが常識だった画像生成AI「Stable Diffusion」では、「桜並木の下に立つ、侍の甲冑を着た猫」という少し複雑なプロンプトでもわずか十数秒で驚くほど高精細な画像が4枚生成されました。
また、大規模言語モデル(LLM)では、専門的な内容に関する長文の要約や、複雑なプログラミングのコード生成を依頼しても、まるでリアルタイムで対話しているかのように、1秒間に14トークンを超える速度で回答が生成されたのです。この作業を通して、もはや「待つ」という行為は過去のものとなり、AIを思考の外部拡張として、よりシームレスに使いこなせるようになったことを改めて実感しました。
パフォーマンスを最大化する超高速メモリと十分なストレージ
EVO-X1の性能を語る上で欠かせないのが、オンボード(交換不可)で搭載されたLPDDR5X-7500MHzという規格の超高速メモリです。これは一般的なミニPCで採用されることの多いDDR5 SODIMMメモリよりもアクセス速度が格段に速く、特にCPUとメモリを共有する統合グラフィックス「Radeon 890M」の性能を最大限に引き出す上で絶大な効果を発揮します。実際に、Adobe Photoshopで高解像度のRAW画像を何枚も開いて編集する際も、遅延を一切感じさせないレスポンスの良さは感動的でした。
このメモリ設計は、比較対象であるMINISFORUM AI X1 Proとの大きな違いです。AI X1 Proはユーザー自身でメモリを最大128GBまで増設・換装できるDDR5-5600MHzのSODIMMスロットを採用しています。将来的な拡張性ではAI X1 Proに軍配が上がりますが、EVO-X1は拡張性を潔く切り捨てることで、メモリの絶対的な速度を追求した設計思想と言えるでしょう。
ストレージには、高速なPCIe 4.0対応のM.2 SSDが標準で1TBまたは2TB搭載されています 。私が試用した1TBモデルには、Crucial製のPCIe 4.0対応SSD「P3 Plus」が搭載されており、CrystalDiskMarkでの実測値はシーケンシャルリード(読み込み)で約5194MB/s、ライト(書き込み)で約4752MB/sと非常に高速でした。この速度は、OSやアプリの起動が瞬時に感じるだけでなく、ゲームのロードや動画編集といった重い作業も快適にします。さらに、内部にはM.2スロットがもう1つ空いており、将来的にストレージ容量が不足しても、最大4TBのSSDを増設して合計8TBまで拡張できる柔軟性も備えています。
<GMKtec EVO-X1のパフォーマンス仕様>
- CPU: AMD Ryzen™ AI 9 HX 370 (12コア/24スレッド、最大5.1GHz)
- GPU: AMD Radeon™ 890M (16コア、2900MHz、RDNA 3.5)
- メモリ: 32GBまたは64GB LPDDR5X 7500MHz (オンボード、増設不可)
- ストレージ: 1TBまたは2TB PCIe 4.0 M.2 2280 SSD (空きスロット×1、合計最大8TB)
まとめ:パフォーマンス
- CPU性能:最新のZen 5アーキテクチャ採用で、あらゆる作業を高速に処理する圧倒的なパワーを持つ
- メモリ:超高速なLPDDR5X-7500MHzを搭載し、特に統合グラフィックスの性能向上に大きく貢献
- ストレージ:高速なPCIe 4.0 SSDを標準搭載し、さらに1スロット増設可能で拡張性も確保されている
- 使用感:オフィス作業からプロの動画編集まで、あらゆる場面で従来のPCを凌駕する快適さを実感できる
- 比較して分かること:メモリ増設可能なAI X1 Proに対し、EVO-X1は拡張性を犠牲にしてでもメモリ速度を優先した設計思想
ベンチマーク
GMKtec EVO-X1が搭載するAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサは、どのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。
<CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen AI 9 HX 370>
- PassmarkのCPUベンチマークで「35096」
- Geekbench 6のシングルコア「2960」、マルチコア「12800」
- Cinebench R23 シングルコア「2018」、マルチコア「23437」
- Cinebench 2024 シングルコア「108」、マルチコア「938」
<ベンチマーク結果から分かること>
このプロセッサーが持つ強力なマルチコア性能は、動画編集、3Dレンダリング、写真のRAW現像といった、膨大な計算量を必要とするクリエイティブな作業に最適です。また、動画編集、3Dレンダリング、写真のRAW現像といった、膨大な計算量を必要とするクリエイティブな作業にも最適です。
さらに多くのゲームが要求する高速なCPU処理能力を満たし、安定したフレームレートでのプレイを可能にします。もちろん、ウェブブラウジング、オフィスソフトの利用、オンライン会議といった日常的な用途においても、その性能は余裕をもたらします。
Ryzen AI 9 HX 370性能を比較
GMKtec EVO-X1が搭載するAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサは、他のCPUと比べてどのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。
<CPUランキング>
※PassmarkのCPUランキングで比較したものです。
- Ryzen AI Max+ 395 (GMKtec EVO-X2)・・・Passmark:50369
- Ryzen AI 9 HX 370(GMKtec EVO-X1/Beelink SER9/Minisforum AI370)・・・Passmark:35096
- Core Ultra 9 285H (GMKtec EVO-T1)・・・Passmark:33731
- AMD Ryzen 9 7940HS (GEEKOM A7 / MINISFORUM UM790 Pro)・・・Passmark:30504
- AMD Ryzen 9 8945HS (GMKtec K11/MINISFORUM UM890 Pro/GEEKOM A8)・・・Passmark:30325
- Ryzen 7 7840HS (Beelink SER7/MINISFORUM UM780 XTX)・・・Passmark:29937
- Core i9-13900H (Minisforum MS-01)・・・Passmark:29694
- Ryzen 7 8845HS (GMKtec NucBox K8/Beelink SER8)・・・Passmark:28708
- Core Ultra 9 185H (Minisforum AtomMan X7 Ti)・・・Passmark:28465
- Core i9-12900H (GEEKOM XT12 Pro)・・・Passmark:28206
<比較から分かること>
AMD Ryzen AI 9 HX 370は現行のモバイル向けCPU市場においてトップクラスの性能を誇る、極めて競争力の高い製品であることを明確に物語っています。直接のライバルであるIntelの最新プロセッサを上回り、自社の前世代モデルから大幅な性能向上を達成したそのスコアは、このプロセッサが持つポテンシャルの高さを証明しています。
グラフィック性能
AMD Ryzen AI 9 HX 370が内蔵するAMD Radeon 890M GPUのグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。
<GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 890Mのグラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「8900」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「4360」
- Time Spy グラフィックスコアで「4084」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「36000」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「20500」
<ベンチマーク結果から分かること>
AMD Radeon 890Mのベンチマーク結果は、このGPUが単なる「内蔵グラフィックス」というカテゴリに収まらない、極めて高いパフォーマンスを持っていることを明確に示しています。Fire StrikeやTime Spyといった高負荷なベンチマークで高いスコアを記録していることから、これまで薄型ノートPCでは難しいとされてきた、本格的なフルHDゲーミングを現実的なものにします。
ゲーム性能:GMKtec EVO-X1 ~内蔵GPUの常識を覆す驚きの実力~
ここでは、GMKtec EVO-X1が秘めるゲーミング性能について、実際に様々なタイトルをプレイした体験を基に詳しくレビューしていきます。「ミニPCの内蔵グラフィックスでは本格的なゲームは難しい」という常識が、この一台で覆されるかもしれません。
モンスターハンターワイルズ
2025年のシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』でEVO-X1がどの程度対応できるのかを試してみました。このAAAタイトルは非常に高いマシンパワーを要求することが予想されていましたが、結論からいうと設定次第で十分に狩猟生活を楽しめることが分かりました。
フルHD解像度でグラフィック設定を「低」から「中」に調整し、さらにAMDのアップスケーリング技術「FSR」を併用したところ、ベンチマークは30fpsから40fps前後で動作しました。一瞬の判断が重要になる狩猟において、常に60fpsを維持するのは難しいかもしれませんが、設定を工夫することで十分に「プレイ可能」な体験が得られるという手応えを感じました。内蔵GPUでこれからの大作を視野に入れられるというだけでも、このPCのポテンシャルの高さが伺えます。
原神
次に、その美しいアニメ調のグラフィックで人気のオープンワールドRPG『原神』をプレイし、この豊かな世界をEVO-X1がどこまで表現できるか試してみました。結論から言うと、そのパフォーマンスは期待を遥かに上回るものでした。解像度をフルHD(1920×1080)に、そしてグラフィック設定を一切妥協せず「高」に設定しても、フレームレートは安定して60fpsに張り付き、一度も下回ることはありませんでした。モンドの草原を駆け抜ける際の草の揺れや、璃月の絶景を高い場所から滑空して見下ろした時の描写は息を呑むほど美しく、読み込みによるカクつきも皆無です。
戦闘においてもその恩恵は絶大で、多数の敵を相手に元素爆発が飛び交う派手な戦闘シーンでも、フレームレートは微動だにしませんでした。キャラクターの切り替えからスキルの発動までが非常にスムーズで、ストレスなく華麗なコンボを決めることができ、このゲームの持つアクション性を存分に楽しむことができました。フィールド探索から高難易度のボス戦まで、常に最高の体験が約束される一台です。
Apex Legends
eスポーツの定番タイトル『Apex Legends』では、このPCの真価が問われます。一瞬の判断が勝敗を分けるこのゲームでは、何よりも高いフレームレートが重要です。フルHD(1920×1080)解像度で、多くのプレイヤーが選択するグラフィック設定「低」にしたところ、フレームレートは平均して100fpsを軽々と超え、非常に滑らかな映像でプレイできました。特に、敵と味方が入り乱れる激しい銃撃戦の最中でもフレームレートは安定しており、敵の細かな動きを正確に捉え、スムーズにエイムを合わせることができました。この応答性の高さは、競技シーンで戦う上で大きなアドバンテージになると確信しました。
サイバーパンク2077
PCゲームの中でも特に負荷が高いことで知られる『サイバーパンク2077』。正直、この小さな筐体で快適にプレイするのは難しいだろうと半信半疑でしたが、良い意味で期待を裏切られました。AMDの最新ドライバーを導入し、フルHD解像度でアップスケーリング技術「FSR 3」を有効にしつつグラフィック設定を調整したところ、なんと平均で58fpsから62fpsという驚くほど快適なフレームレートで動作したのです。雨に濡れたナイトシティの路面に反射するネオンの光や、雑踏のリアルな描写を、一切のカクつきなく楽しめた体験は、まさに感動的でした。
エルデンリング
高難易度アクションRPGとして名高い『エルデンリング』では、フレームレートの安定が攻略の鍵を握ります。フルHD解像度でグラフィック設定を「中」から「低」に調整したところ、広大なフィールドの探索から手強いボスとの戦闘まで、平均して40fpsから60fpsでの安定した動作を確認できました。特に、敵の強力な一撃をミリ秒単位で見切って回避するシビアな操作も、フレームレートが安定しているおかげで違和感なく行え、褪せ人としての過酷な旅路に没頭することができました。
Forza Horizon 5
美しいメキシコの風景を駆け抜ける『Forza Horizon 5』では、内蔵GPUとは思えない素晴らしい体験が待っていました。このゲームは最適化が進んでいることもあり、フルHD解像度、グラフィック設定「中」から「高」でも安定して60fps以上を維持。高速でジャングルを駆け抜け、水しぶきを上げながら川を渡るといったシーンでも描画が乱れることはなく、流れる景色の美しさとスピード感を存分に満喫できました。
まとめ:ゲーム性能
GMKtec EVO-X1に搭載されたRadeon 890Mは、ミニPCのゲーミング性能を新たな次元へと引き上げました。『Apex Legends』のようなeスポーツタイトルでは高フレームレートを維持し、『原神』や『Forza Horizon 5』では美しいグラフィックを滑らかに描き出します。そして何より驚くべきは、『サイバーパンク2077』のような超重量級タイトルでさえ、設定を工夫すれば快適にプレイできてしまう点です。この一台があれば、場所を選ばずに本格的なPCゲームの世界へ飛び込める、まさにゲーマーの夢を叶えるミニPCと言えるでしょう。
冷却性能:GMKtec EVO-X1 ~コンパクトさと静音性のトレードオフ~
ここでは、GMKtec EVO-X1の冷却性能と、それに伴う静音性について、実際の使用感を基に詳しくレビューしていきます。最新の高性能CPUを搭載したこのコンパクトな筐体が、いかにして熱を制し、どのような動作音を発するのか。MINISFORUM AI X1 Proと比較しながら、その実力に迫ります。
考え抜かれたデュアルファン冷却システム
EVO-X1の冷却の要は、本体の上下に配置されたデュアルファンと、VC銅製のプレミアム冷却ベースです。この設計は、天板のスリットから新鮮な空気を取り込み、本体の両側面から排熱するという効率的なエアフローを生み出します。そのため、付属の縦置きスタンドを使用することで、吸排気口を塞がずに最大の冷却効果を発揮できるよう考えられています。
実際に高負荷な作業をしてみると、この冷却システムの優秀さを実感できます。Cinebench R23を連続で実行しても、CPU温度は70℃未満で安定しており、サーマルスロットリングによる大幅な性能低下は見られませんでした。長時間の動画エンコード作業中でも、筐体はほんのり温かくなる程度で、不安を感じることはありません。この点は、同じCPUを搭載しながらも平均温度が80℃近くまで上昇することがあるMINISFORUM AI X1 Proと比較して、EVO-X1の冷却設計が非常に効果的であることの証明と言えるでしょう。
パフォーマンスと引き換えになるファンの動作音
しかし、この優れた冷却性能には代償が伴います。それは、高負荷時のファンの動作音です。ウェブブラウジングやOfficeソフトでの作業といった日常的な使い方では、ファンはほとんど回転せず、30cmも離れればその存在に気づかないほど静かです。まさに無音と言ってもいいでしょう。
ところが、ひとたびDaVinci Resolveでの動画レンダリングや、プログラミングのコンパイルといった重い処理を開始すると、状況は一変します。デュアルファンは即座に回転数を上げ、静かだった部屋に「フォォォ…」という風切り音が響き渡ります。特にBIOSで「Performance」モードに設定した場合の騒音はかなり大きく、多くのレビューで「耳障り」と評されているのも頷けます。静かな環境で集中して作業したい私にとって、この点はEVO-X1の最大のウィークポイントだと感じました。
幸いにも、BIOSには「Balance」や「Quiet」といった動作モードが用意されています。「Quiet」モードに設定すれば、高負荷時のファン音は劇的に抑えられ、非常に快適になります。もちろん、その分パフォーマンスは若干低下しますが、それでも十分な処理能力を維持してくれるため、多くの場面で最適な選択肢となるでしょう。この点は、筐体が大きく冷却に余裕があるためか、高負荷時でも比較的静かな動作を維持するMINISFORUM AI X1 Proとの明確な違いであり、購入を検討する上で重要な判断材料になります。
まとめ:冷却性能
- 冷却システム:上下のデュアルファンとVC銅製ベースにより、コンパクトながら非常に効率的な冷却を実現
- 温度管理:高負荷が長時間続いてもCPU温度を70℃未満に保ち、性能の安定性は非常に高い
- 静音性:アイドル時は無音に近いが、高負荷時のファン音は大きく、静粛性を求めるなら「Quiet」モードの活用が必須
- 筐体温度:長時間の使用でも本体表面はほんのり温かくなる程度で、熱に関する不安はない
- 比較して分かること:MINISFORUM AI X1 ProよりもCPU温度を低く保てる一方、その代償として高負荷時のファン騒音が大きくなるという明確なトレードオフが存在する
通信性能:GMKtec EVO-X1 ~プロ仕様の有線LANと安定したワイヤレス環境~
ここでは、GMKtec EVO-X1の有線・無線の通信性能、特にWi-FiとBluetoothの使い勝手について、実際の体験をもとに解説します。日々の利用における快適性や、比較対象であるMINISFORUM AI X1 Proとの違いに焦点を当てて見ていきましょう。
プロ仕様のデュアル2.5GbE LANポート
EVO-X1の大きな魅力の一つが、信頼性の高いIntel I226-Vチップセットを採用した2.5ギガビット対応の有線LANポートを2基も搭載している点です。これにより、1つをインターネット接続に、もう1つをNAS(ネットワーク接続ストレージ)専用にするなど、高度で安定したネットワーク環境を構築できます。
実際に大容量の動画ファイルをNASへ転送した際も、速度が落ちることなくスムーズに完了し、その恩恵を強く感じました。この強力な有線LAN構成は、比較対象であるMINISFOR-UM AI X1 Proも同様に搭載しており、両モデルともにネットワーク性能に妥協がないことが伺えます。
日常使いで不満のない、安定したWi-Fi 6接続
EVO-X1は、信頼性の高いIntel製の「Wi-Fi 6 AX200」モジュールを搭載しており、安定したワイヤレス通信が可能です。実際に自宅のWi-Fi 6対応ルーターに接続し、Netflixで4K映画をストリーミング再生したり、大容量のファイルをダウンロードしたりしましたが、通信が途切れることなく快適でした。iperf3というツールで計測した際も、受信速度は平均1057 MBit/sを記録しており、有線LAN接続と遜色ない速度が出ています。
しかし、注目すべきは最新規格への対応です。EVO-X1が対応するWi-Fi 6は、2025年現在、多くの家庭で普及している高速な規格ですが、最新の「Wi-Fi 7」には対応していません。比較対象のMINISFORUM AI X1 Proが標準でWi-Fi 7に対応していることを考えると、この点は少し残念に感じます。価格帯を考えれば、将来的な高速通信環境を見据えて最新規格に対応していてほしかった、というのが正直なところです。
ワイヤレス機器との快適なBluetooth連携
Bluetoothはバージョン5.2に対応しており、複数のワイヤレス機器をスムーズに接続できます。私は普段、Sonyのワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」で音楽を聴きながら、Logicoolのワイヤレスマウスで作業をすることが多いのですが、EVO-X1では音飛びやマウスカーソルの遅延といった問題は一切発生しませんでした。ヘッドホンを装着したまま隣の部屋へ移動しても接続が安定していたのは、地味ながら嬉しいポイントです。
こちらもMINISFORUM AI X1 Proは、より新しいBluetooth 5.4に対応しています。Bluetooth 5.4は、接続範囲の拡大やセキュリティの向上が特徴ですが、現状の一般的な使い方であれば、バージョン5.2との間に体感できるほどの大きな差はないでしょう。とはいえ、ここでもAI X1 Proの方がスペックシート上では一歩リードしている形となります。
将来性への懸念:アップグレードの難しさ
EVO-X1の通信性能で最も気になったのは、将来的なアップグレードの難しさです。あるユーザーがWi-Fi 7カードへの換装を試みたところ、PCが起動しなくなったという報告がありました。このことから、単純なパーツ交換によるアップグレードは想定されていない可能性が考えられます。安定した現行規格で満足できるユーザーには問題ありませんが、常に最新の通信環境を追い求めたいユーザーにとっては、AI X1 Proのような拡張性の高いモデルの方が魅力的に映るかもしれません。
<GMKtec EVO-X1の通信性能 仕様>
- 有線LAN: Intel I226-V 2.5Gbps LAN x2
- Wi-Fi: Wi-Fi 6 (Intel AX200)
- Bluetooth: Bluetooth 5.2
まとめ:通信性能
- 有線LAN: プロ仕様のデュアル2.5GbE LANポートを搭載し、非常に高速で安定したネットワーク環境を構築可能。
- Wi-Fi性能:Wi-Fi 6に対応し、実測でも有線LANに迫る速度を記録。日常的なストリーミングやダウンロードでは全く不満のない安定性
- Bluetooth性能:バージョン5.2に対応。複数のワイヤレス機器を同時に接続しても、途切れや遅延なく快適に使用可能
- 最新規格への対応:Wi-Fi 7やBluetooth 5.4といった最新規格には非対応で、将来性という点では物足りなさを感じる
- 拡張性:ユーザーによるWi-Fiカードの換装は困難な場合があり、購入後のアップグレードは期待しにくい
- 比較して分かること:MINISFORUM AI X1 ProがWi-Fi 7に標準対応しているのに対し、EVO-X1は現行で十分な安定性を確保しつつも、将来性では一歩譲る
ソフトウェアとOS:GMKtec EVO-X1 ~クリーンな環境とカスタマイズの可能性~
ここでは、GMKtec EVO-X1にプリインストールされているOSやドライバー、そしてBIOS設定について、実際の使用感を交えながら解説します。PCの快適さを左右するソフトウェア環境はどのようなものか、MINISFORUM AI X1 Proとの比較も行いながら見ていきましょう。
快適さの第一歩は、クリーンなWindows 11 Pro
EVO-X1を起動して最初に感心したのは、余計なプリインストールソフト(ブロートウェア)が一切ない、クリーンなWindows 11 Pro環境だったことです。以前、大手メーカー製のPCで不要なアプリの削除に手間取った経験がある私にとって、これは非常に好印象でした。初期設定後すぐに自分好みの環境構築を始められるため、ストレスなくPCを使い始めることができます。
また、OSのライセンスはもちろん正規のもので、安心して利用できます。注目すべきは、デフォルトでBitLocker(ドライブの暗号化機能)が有効になっていない点です。これは、OCuLinkポート経由でeGPUを接続した際に、回復キーの入力を求められる手間を省けるという思わぬメリットがありました。シンプルでユーザーフレンドリーな姿勢が感じられます。
BIOSから直接制御するパフォーマンスモード
EVO-X1は、BIOS設定からPCの動作モードを直接変更できる機能を備えています。PCの起動時に「Del」キーを押してBIOS画面に入ると、「PowerLimit Setting」という項目があり、そこから「Performance」「Balance」「Quiet」の3つのモードを選択できます。
実際に試してみると、この機能は非常に強力でした。「Performance」モードではCPUの性能を最大限に引き出し、動画のレンダリング時間を短縮できましたが、その分ファンの音は大きくなります。「Quiet」モードはその逆で、パフォーマンスを少し抑える代わりに、図書館のような静かな環境でも気にならないほどの静音性を実現します。このように利用シーンに合わせてPCの性格を根本から変えられるのは大きな魅力です。
ただし、この設定変更のために毎回再起動してBIOSを立ち上げる必要があるのは、少々手間だと感じました。MINISFORUM AI X1 Proも同様に専用ユーティリティを持っていませんが、将来的にWindows上で手軽にモードを切り替えられる専用アプリが提供されれば、さらに使い勝手が向上するでしょう。
安定したドライバーとAI機能へのスタンス
EVO-X1に搭載されているWi-Fiや有線LANといった主要なコンポーネントは、すべて実績のあるIntel製で統一されています。これにより、ドライバーの安定性が高く、Linuxなど他のOSをインストールする際も互換性の心配が少ないというメリットがあります。ただし、内蔵グラフィックスの性能を最大限に引き出すAMDの公式ソフトウェアは別途自分でインストールする必要があったため、こういった重要なツールは最初から導入されていると、より親切だと感じました。
比較対象のMINISFORUM AI X1 Proは、世界初の「Copilot+ PC」認定ミニPCとして、専用のCopilotボタンやAI支援機能「スタジオエフェクト」などを積極的にアピールしています。一方、EVO-X1はCopilot+ PCとは謳われておらず、AI機能へのアプローチは控えめです。その分、OSはシンプルで安定しており、AI X1 Proで報告されているようなスリープからの復帰不良といった問題も見られませんでした。最新のAI機能を積極的に試したいならAI X1 Pro、シンプルさと安定性を重視するならEVO-X1、という明確な選択肢が見えてきます。
まとめ:ソフトウェアとOS
- OS環境:不要なアプリが一切ないクリーンなWindows 11 Proがプリインストールされており、非常に快適
- パフォーマンス設定:BIOSから直接「Performance」「Balance」「Quiet」の3つの動作モードを選択でき、ユーザーが性能と静音性のバランスを自由に調整可能
- ユーティリティ:Windows上で動作モードを変更する専用アプリはなく、設定変更には再起動が必要な点がやや不便
- ドライバー:主要コンポーネントがIntel製で統一されており、安定性と互換性が高い
- 比較して分かること:AI X1 Proが最新のCopilot+ PC機能を搭載する一方、EVO-X1はよりシンプルで安定志向のソフトウェア環境を提供している
GMKtec EVO-X1とMINISFORUM AI X1 Proの主な違い
GMKtec EVO-X1とMINISFORUM AI X1 Proは、どちらも同じ高性能CPU「AMD Ryzen™ AI 9 HX 370」を搭載しながら、その設計思想は大きく異なります。ここでは、両者のスペックを比較し、それぞれの特徴と違いを詳しく見ていきます。
メモリ (RAM)
- GMKtec EVO-X1: LPDDR5X 7500MHz (オンボード、増設・換装不可)
- MINISFORUM AI X1 Pro: DDR5-5600MHz SO-DIMM (最大128GBまで増設・換装可能)
- 違い:(※EVO-X1はメモリの絶対的な速度を優先し、特に内蔵GPUの性能向上に貢献します。一方、AI X1 Proは将来的な増設が可能な拡張性を重視しています。)
ストレージ
- GMKtec EVO-X1: M.2スロット x2 (合計最大8TB)
- MINISFORUM AI X1 Pro: M.2スロット x3 (合計最大12TB)、SDカードスロット x1
- 違い:(※AI X1 Proの方が搭載できるSSDの数が1つ多く、最大容量も大きいです。また、カメラなどからデータを直接取り込めるSDカードスロットの有無は、使い方によって大きな差となります。)
サイズと重量
- GMKtec EVO-X1: 110.5 x 107 x 68 mm、約590g
- MINISFORUM AI X1 Pro: 195 x 195 x 42.5 mm、約1.5kg
- 違い:(※EVO-X1は圧倒的に小型・軽量で、設置場所の自由度や持ち運びの点ではるかに優れています。AI X1 Proは据え置きでの利用が前提のサイズ感です。)
電源
- GMKtec EVO-X1: 外部ACアダプター
- MINISFORUM AI X1 Pro: 電源アダプター内蔵
- 違い:(※AI X1 Proは電源を内蔵しているため、コンセントに繋ぐケーブル1本で済み、デスク周りがすっきりします。EVO-X1は本体の小型化を優先した設計です。)
独自機能
- GMKtec EVO-X1: BIOSによる電力設定モード (Performance, Balance, Quiet)
- MINISFORUM AI X1 Pro: Copilot+ PC認定、専用Copilotボタン、指紋認証センサー、内蔵スピーカー/マイク
- 違い:(※EVO-X1はハードウェアレベルでの性能調整に重点を置いています。対照的に、AI X1 Proは指紋認証や内蔵スピーカーなど、利便性を高めるオールインワン機能が豊富です。)
カラー
- GMKtec EVO-X1: グレー
- MINISFORUM AI X1 Pro: メタリックな筐体(具体的なカラー名は資料に記載なし)
- 違い:(※両モデルともに高級感のある金属製ですが、具体的な色味や仕上げは異なります。EVO-X1はコンパクトで精悍な印象、AI X1 Proは存在感のあるデザインです。)
OS
- GMKtec EVO-X1: Windows 11 Pro
- MINISFORUM AI X1 Pro: Windows 11 Pro
- 違い:(※OSは両モデル共通で、購入後すぐに同じ環境で利用を開始できます。)
まとめ
GMKtec EVO-X1とMINISFORUM AI X1 Proは、同じ頭脳を持ちながら、全く異なる個性を持つミニPCです。GMKtec EVO-X1は、メモリ増設の柔軟性を犠牲にしてでも、クラス最速のメモリ速度と圧倒的なコンパクトさを追求したモデルです。省スペース性を最優先し、パフォーマンスに妥協したくないユーザーにとって最高の選択肢となります。
一方、MINISFORUM AI X1 Proは、メモリやストレージの拡張性、内蔵電源や指紋認証といった豊富な付加機能、そして最新のWi-Fi 7への対応など、将来性と利便性を重視したオールラウンダーです。どちらを選ぶかは、ユーザーが「コンパクトさ」と「拡張性・多機能性」のどちらをより重視するかによって決まるでしょう。
GMKtec EVO-X1のメリット・デメリット
GMKtec EVO-X1は、コンパクトな筐体にハイパフォーマンスを凝縮した魅力的なミニPCです。しかし、その設計思想は個性的であり、他のモデルと比較することで長所と短所が明確になります。ここでは、競合製品との比較を通じて、EVO-X1が持つメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
【メリット】
メリット1:クラス最高峰のメモリ速度による優れたパフォーマンス
EVO-X1最大の武器は、オンボードで搭載されたLPDDR5X-7500MHzという超高速メモリです。これは、ユーザーによる増設が可能なMINISFORUM AI X1 ProやBeelink GTi14が採用するDDR5-5600MHzメモリよりも格段に高速で、特にCPU統合グラフィックスの性能を最大限に引き出す上で絶大な効果を発揮します。
メリット2:圧倒的なコンパクトさと高級感のあるデザイン
本体サイズが約11cm四方、重さ約590gという小型軽量設計は、EVO-X1の大きな魅力です。電源を内蔵するために一回り大きいMINISFORUM AI X1 ProやBeelink GTi14と比較して、デスク上での省スペース性や、時には持ち運ぶことも視野に入る携帯性で明確に優位に立っています。金属製の筐体も高級感を演出します。
メリット3:BIOSによる詳細なパフォーマンス制御
EVO-X1は、BIOS設定からPCの動作モードを「Performance」「Balance」「Quiet」の3段階で直接変更できます。これにより、ユーザーは性能と静音性のバランスを、利用シーンに応じて細かく調整することが可能です。Windows上で手軽に変更できるわけではありませんが、ハードウェアレベルで制御できる点は大きなメリットです。
メリット4:アクセスしやすいOCuLinkポート
外付けGPUを接続するためのOCuLinkポートが、本体のアクセスしやすい前面に配置されています。これは、同じポートを背面に配置しているMINISFORUM AI X1 Proと比較して、周辺機器の着脱を頻繁に行うユーザーにとっては非常に便利な設計です。
【デメリット】
デメリット1:メモリの増設が不可能なオンボード設計
超高速メモリの代償として、EVO-X1のメモリはマザーボードにはんだ付けされており、購入後にユーザーが交換・増設することは一切できません。MINISFORUM AI X1 ProやBeelink GTi14、GMKtec EVO-T1などが大容量メモリへの換装に対応していることを考えると、これは将来性における明確な弱点です。
デメリット2:SDカードスロットの不在
クリエイターや写真が趣味のユーザーにとって、SDカードスロットの有無は重要です。MINISFORUM AI X1 ProやBeelink GTi14、さらには後継機のGMKtec EVO-X2には搭載されていますが、EVO-X1にはありません。写真や動画の取り込みには、別途カードリーダーが必要になります。
デメリット3:最新規格に一歩及ばない通信機能
EVO-X1が搭載するWi-Fiの規格はWi-Fi 6です。日常的な利用では十分高速で安定していますが、MINISFORUM AI X1 ProやBeelink GTi14、GMKtec EVO-X2などは、すでにより新しいWi-Fi 7に対応しています。長期的な利用を考えた場合、将来性で見劣りする可能性があります。
デメリット4:高負荷時の大きなファン騒音
EVO-X1は、高い冷却性能と引き換えに、高負荷時のファン騒音が大きいという弱点を抱えています。特にパフォーマンスを最大化するモードでは、その動作音はかなり目立ちます。静かな環境での作業を最優先するユーザーにとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
デメリット5:進化の速い市場での相対的な陳腐化
ミニPC市場の技術進化は非常に速く、すでにより強力なCPUを搭載したGMKtec EVO-X2や、Intel最新CPUを搭載したGMKtec EVO-T1、Beelink GTi14などが登場しています。発売から時間が経つにつれて、EVO-X1のスペックが相対的に見劣りしていくことは避けられません。
GMKtec EVO-X1のスペック(仕様)一覧
- プロセッサ: AMD Ryzen AI 9 HX 370 ※Zen 5(4nm)/12コア/24スレッド/最大5.1GHz/TDP28W
- NPU: XDNA 2アーキテクチャ (NPU性能: 50TOPS)
- GPU: AMD Radeon 890M 16 Cores 2900MHz
- RAM(メモリ): 32GB or 64GB LPDDR5X 7500MHz クアッド Channel (8GBx4) オンボード
- ストレージ: 1TB or 2TB PCIe 4.0 M.2 2280 SSD NVMe
- 拡張ストレージ: Dual M.2 SSD 2280 PCle 4.0×4 スロットで最大8TB
- ワイヤレス通信: WiFi 6 (2.4GHz/5.0GHz)、 Bluetooth 5.2
- 有線LAN: Intel I226V デュアル LAN 2500Mbpsx2 RJ45
- インターフェース: 1x DC Jack Port; 1 Oculink Port; 1 USB 4.0 (PD/DP/DATA) Port; 1x HDMI 2.1 Port; 1x DP2.1 Port; 4x USB 3.2 Gen2 (10Gbps) Port; 2x RJ45 (2500Mbps LAN) Port; 1x 3.5mm Audio Jack (HP&MIC) Port
- 映像出力: 8K 3画面出力、HDMI 2.1 (8K@60Hz)、DP2.1 (8K@60Hz)、 USB4 (40GB/S)x1
- 冷却システム: VC銅製プレミアム冷却ベースとデュアル冷却ファン
- 電源: 120W 電源アダプター (DC 19V/6.32A)
- OS: Windows 11 Pro (インストール済み)
- サイズ: 110.5 x 107 x 68 mm
- 重量: 590g
- カラー: グレー
- 付属品: 1 x 電源アダプター、1 x HDMI ケーブル、1 x ユーザーマニュアル(取扱説明書)、1 x 縦置きスタンド
GMKtec EVO-X1の評価
8つの基準で「GMKtec EVO-X1」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
パフォーマンス:★★★★★
最新のRyzen AI 9 HX 370 CPUと超高速なLPDDR5X-7500MHzメモリの組み合わせは圧巻の一言。オフィス作業からプロの動画編集まで、あらゆる場面でデスクトップPCに匹敵する快適な動作を体験できました。
冷却性能と静音性:★★★☆☆
コンパクトな筐体にもかかわらず、高負荷時でもCPU温度を70℃未満に抑える冷却性能は見事です。しかし、その代償としてファンの騒音は大きく、特に性能を最大化するモードでは静かな環境だとかなり気になります。
デザイン:★★★★☆
金属製の筐体は高級感があり、所有欲を満たしてくれます。非常にコンパクトで、デスクのどこにでも置ける洗練されたデザインですが、ACアダプターが本体に比べて大きい点が少しだけ残念です。
通信:★★★★☆
プロ仕様のデュアル2.5GbE LANポートを搭載している点は高く評価できます。一方でWi-Fiは最新のWi-Fi 7に非対応であり、将来性という点では一歩譲ります。
拡張性:★★★★☆
メモリは増設できませんが、内部にM.2 SSDスロットが1つ空いており、ストレージの増設は非常に簡単です。最大の魅力はOCuLinkポートで、外付けGPUによるグラフィックス性能の大幅な向上が可能です。
機能:★★★★☆
BIOSからPCの動作モードを3段階で設定できるなど、ユーザーが性能を調整できる点は便利です。しかし、比較対象のPCが持つSDカードスロットやCopilot+専用ボタンといった付加機能はありません。
使いやすさ:★★★☆☆
余計なソフトが一切ないクリーンなOSは非常に快適です。しかし、高負荷時のファン騒音と、性能モードの切り替えにBIOSの再起動が必要な点は、日常的な使い勝手においてマイナスポイントです。
コストパフォーマンス:★★★★☆
価格はミニPCとして高価な部類に入りますが、その価格を十分に納得させられるだけの圧倒的なパフォーマンスを備えています。特に性能を重視するユーザーにとっては、非常に価値の高い一台と言えるでしょう。
【総評】 ★★★★☆
妥協なきパフォーマンスと設計思想
GMKtec EVO-X1は、「コンパクトな筐体で最高のパフォーマンスを追求する」という明確な哲学に基づいて設計されたミニPCです。その性能は本物で、最新のAMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサーと、超高速なLPDDR5X-7500MHzメモリを搭載しています。これは、ユーザー自身でメモリを交換できる拡張性を持つMINISFORUM AI X1 Proが採用するDDR5-5600MHzメモリよりも高速で、特に内蔵GPUの性能を最大限に引き出す上で大きなアドバンテージとなります。この組み合わせにより、あらゆる作業で驚くほどスムーズな体験が可能です。
加えて、高級感のある金属製のデザインや、将来的にグラフィックス性能を飛躍的に向上させられるOCuLinkポートの搭載も魅力です。そのコンパクトさは、電源を内蔵するために一回り大きな筐体を持つAI X1 Proと比較して際立っており、デスクの省スペース性や持ち運びやすさで明確に優位に立っています。また、OCuLinkポートをアクセスしやすい前面に配置している点や、比較的簡単に内部へアクセスできるメンテナンス性の高さも、AI X1 Proにはない魅力です。余計なソフトウェアが一切入っていないクリーンなOSも、PC本来の性能をすぐに引き出せるという点で高く評価できます。
静音性とのトレードオフ
ただし、このPCには明確なトレードオフが存在します。それは、圧倒的なパフォーマンスと引き換えに犠牲にされた「静音性」です。これほど高性能なCPUを小さな筐体で効率的に冷却するため、高負荷時にはファンが全力で回転し、その動作音は決して静かとは言えません。静かな書斎で集中して作業したい場面では、この騒音が気になるユーザーも多いでしょう。幸い、BIOS設定で「Quiet」モードを選べば動作音は劇的に改善されますが、それは同時に本来の性能を少し抑えることを意味します。
どのようなユーザーにおすすめか
結論として、GMKtec EVO-X1は「設置スペースは限られているが、性能には一切妥協したくない」というパワーユーザーにとって、最高の選択肢の一つです。プログラマー、クリエイター、あるいは最新技術を追い求めるガジェット好きなら、その圧倒的な処理能力に心から満足できるでしょう。一方で、作業環境の静粛性を何よりも重視するユーザーや、PCの内部パーツを細かくアップグレードしていきたいと考えるユーザーは、購入前によく検討する必要があります。このPCが持つ長所と短所を理解した上で選ぶならば、これほど頼りになる相棒はいないでしょう。
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GMKtec EVO-X1の価格・購入先
GMKtec EVO-X1はGMKtec公式サイトや、AmazonなどのECサイトで購入できます。
※価格は2025/08/18に調査したものです。価格は変動します。
GMKtec公式サイト
- 32GB RAM + 1TB SSD モデルで$889.99、
- 32GB RAM + 2TB SSD モデルで$909.99、
- 64GB RAM + 1TB SSD モデルで$1,029.99、
で販売されています。
GMKtec公式サイトで「GMKtec EVO-X1」をチェックする
ECサイト
- Amazonで168,900円(税込・32GB+1TBモデル)、
- 楽天市場で162,875〜184,136円(送料無料)、
- 米国 Amazon.comで$854.99、
で販売されています。
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楽天市場で「GMKtec EVO-X1」をチェックする
ヤフーショッピングで「GMKtec」をチェックする
AliExpressで「GMKtec EVO-X1」をチェックする
米国 Amazon.comで「GMKtec EVO-X1」をチェックする
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説

おすすめのライバル機種と価格を比較
「GMKtec EVO-X1」に似た性能をもつミニPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
GMKtec EVO-T1
GMKtecから発売されたIntel Core Ultra 9 285H 搭載のミニPCです(2025年7月18日 発売)。
64GB DDR5 5600 MT/sメモリ、1TB または 2TB M.2 SSDストレージを搭載しています。
また、Oculinkポート、4画面同時出力(HDMI 2.1, DP 1.4, USB4, Type-C)、VC放熱とインテリジェントファンコントロールを備えたデュアル冷却システム、VESAマウント、メモリ拡張(最大128GBまで・2スロット)、ストレージ拡張(合計で最大12TB・3つのM.2スロット)、USB3.2-C (PD/DP/データ)、USB3.2-A x3、USB2.0-A x2、Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2、2つの2.5G LANポートにも対応しています。
価格は、Amazonで189,999円(税込・64GB DDR5 1TB)、楽天市場で213,999円(送料無料・96GB DDR5 2TB SSD)、AliExpressで153,218円(DDR5X 64GB 1TB SSD)、米国 Amazon.comで$1,369.99 ($230 OFFクーポン付き・64GB DDR5/2TB)、です。
関連記事:GMKtec EVO-T1 徹底レビュー!EVO-X2との性能差、欠点を評価
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GMKtec EVO-X2
GMKtecから発売されるAMD Ryzen AI Max+ 395 (最大126 TOPS) 搭載のミニPCです(2025年4月15日予約開始・5月27日出荷)。
64GB/128GBLPDDR5X 8000MHzメモリ (オンボード)、PCIe 4.0 M.2 2280 SSDストレージを搭載しています。
また、最大8K 4画面出力(DP 1.4 x1, HDMI 2.1 x1, USB4.0 x2)、冷却システム「Max3.0 Airflow System」、デュアルM.2 2280 拡張スロット、SDカードリーダー、USB-A 3.2 Gen2 x3、USB-A 2.0 x2、2.5Gbps 有線LAN、Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4に対応しています。
価格は、Amazonで319,990円(64GBメモリ+1TB・税込・95000円 OFFクーポン適用で実質224,990円)、楽天市場で369,589円(送料無料)、AliExpressで267,130円、米国 Amazon.comで$1,499.99、です。
関連記事:GMKtec EVO-X2徹底レビュー!EVO-X1比較と性能・価格を評価
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MINISFORUM AI X1 Pro
MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 搭載のミニPCです(2025年4月 発売)。
DDR5 5600MHzメモリ(最大96GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSD (最大12TB、最大読み書き速度7000MB/s)、Copilotボタン、スピーカー、デュアルマイクアレイ、指紋認証ボタン (Windows Hello対応)、Windows 11 Proを搭載しています。
また、OCuLink (PCIe 4.0×4)による外部GPU接続、最大96GBまでのメモリ拡張、合計で最大12TBまでのストレージ拡張、最大4画面同時出力、冷却システム、VESAマウント、SDカードスロット、
USB4ポート (Alt PD in 100W & PD out 15W)、HDMI 2.1 FRL (4K@120Hz | 8K@60Hz)、DP 2.0 (4K@1260Hz | 8K@60Hz)、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート (10Gbps) x2、USB2.0 Type-A ポート x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、2.5G デュアル有線LAN、に対応しています。
価格は、Amazonで186,383円(税込)、楽天市場で186,990〜232,990円(送料無料)、ヤフーショッピングで154,848円、AliExpressで193,670円、米国 Amazon.comで$1,119.99、です。
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Beelink SER9
Beelinkから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370搭載のミニPCです(2024年10月 発売)。
32GB DDR5 7500 MHzメモリ、1TB M.2 2280 PCle4.0 x4 ストレージ、デュアルスピーカー、マイクを搭載しています。
また、50TOPSのAI処理能力、4K 3画面出力 (USB4、Displayport 1.4、HDMI 2.0)、冷却システム、最大64GBまでのメモリ拡張、 最大8TB (M.2 2280 PCle4.0 x4)のストレージ拡張、
USB4 (40Gbps/PD3.0/DP1.4) x1、Type-C (10Gbps/Data) x1、USB 3.2 (10Gbps) x2、USB 2.0 (480Mbps) x2、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5Gギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで128,000円(税込)、楽天市場で161,250円(送料無料)、AliExpressで136,127円(Pro版)、米国 Amazon.comで$919.00、です。
関連記事:AIで爆速! Beelink SER9をレビュー!Mac miniより魅力的?
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Minisforum AI370
Minisforumから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサ搭載のミニPCです(2024年11月 発売)。
XDNA 2 AIエンジン、Radeon 890M、32GB LPDDR5X-7500MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD ストレージ、Windows 11を搭載しています。
また、最大50TOPS(1秒間に50兆回のAI演算)、3画面出力、8K映像出力、冷却システム、最大4TBまでのストレージ拡張、USB4ポート、4つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポート、Wi-Fi6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、楽天市場で186,990円(送料無料)、AliExpressで313,179円、です。
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GEEKOM GT1 Mega
GEEKOMから発売されたIntel Core Ultra 9 185H / Core Ultra 7 155H / Core Ultra 5 125H 搭載のミニPCです(2024年10月発売)。
32GB DDR5 5600MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD、Windows 11 Proを搭載しています。
また、高度なAI処理、4画面出力、2つのUSB 4.0ポート、VESAマウント、 ケンジントンロック、冷却システム、USB3.2 Gen2 Type-A x5、USB 2.0 Type-A x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、デュアル 2.5G ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで119,900円(Core U9-185Hモデル)、楽天市場で118,133円(送料無料・CoreU5-125H)、米国 Amazon.comで$989.00 (ore Ultra U9-185H)、です。
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Mac mini M4
Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。
Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。
また、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで90,970円(税込)、楽天市場で91,450円(送料無料)、ヤフーショッピングで90,760円、です。
関連記事:Apple AI対応「Mac mini M4」とM2、M1モデルを比較
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他のGMKtec ミニPCと比較
他にもGMKtecのミニPCが販売されています。2025、2024モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。
GMKtec NucBox ミニPCのコスパがヤバすぎた! 最新 機種を比較
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