2025年4月中旬に発売された「MINISFORUM AI X1 Pro」は、最新のAMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサを搭載し、世界初のCopilot+ PC認定ミニPCとして大きな注目を集めています。
このレビューでは、AI X1 Proが日々の作業からプロフェッショナルなクリエイティブワークまで、どれほど快適にするのか、そして兄弟機にあたる「MINISFORUM AI X1」と比べてどこが優れているのか、その圧倒的なパフォーマンスと拡張性を徹底的に検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
MINISFORUM AI X1 Pro の長所(Pros):
- Copilot+ PC認定を受けた、50 TOPSの圧倒的なAI性能
- プロユースに応えるデュアル2.5Gbps有線LANポート搭載
- 3基のM.2スロットと最大128GBメモリに対応するクラス最高峰の内部拡張性
- ACアダプター不要の電源ユニット内蔵による、スマートな設置性
- クリエイターに嬉しいSDカードスロットを標準装備
MINISFORUM AI X1 Pro の短所(Cons):
- 一部の競合モデルが搭載する最上位GPUには一歩及ばないグラフィックス性能
- 電源内蔵と引き換えの、ミニPCとしては大型の筐体
- 他のハイエンドモデルと比較して、USB-Aポートの数がやや少ない
- メモリ増設の柔軟性と、最高速メモリ搭載機に対する性能面のトレードオフ
総合評価:
MINISFORUM AI X1 Proは、省スペース性は保ちつつも、性能、拡張性、将来性において一切の妥協をしたくないパワーユーザー向けの「次世代コンパクトデスクトップ」です。最先端のAI機能とプロ仕様の拡張性を求めるクリエイターや開発者にとって、これ以上ない選択肢となります。
<この記事で分かること>
- 高級感のある金属製ボディと、電源内蔵デザインの詳細なレビュー
- 兄弟機「MINISFORUM AI X1」とのあらゆる違いを徹底比較
- デュアルLANや独立OCuLinkポートなど、プロ仕様の接続性
- 最新CPU「Ryzen AI 9 HX 370」のベンチマークスコアと性能解説
- Copilot+ PCとしてのAI機能の実際の使用感と将来性
- 『モンスターハンターワイルズ』など、人気ゲームのフレームレートと快適性
- 高負荷時の冷却性能と、驚くほど静かな動作音
- メリット・デメリット、5段階評価、そしてどんな人におすすめか
- 最新の価格と購入先のまとめ
この記事を最後まで読むことで、「MINISFORUM AI X1 Pro」が本当に最適な一台なのか、購入するべきかどうかが、はっきりと分かるはずです。購入を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:Minisforum AI X1 PRO
デザイン:MINISFORUM AI X1 Pro ~ 大きさと引き換えに手にした、上質な一体感と拡張性
ここでは、MINISFORUM AI X1 Proのデザインについて、その質感、サイズ感、そして比較対象である「MINISFORUM AI X1」との決定的な違いに焦点を当てて書いていきます。実際にデスクに置いてみて感じた、日々の使い勝手に直結するポイントを詳しくレビューします。
第一印象:ずっしりとした高級感と、想定以上の存在感
箱から取り出して最初に感じたのは、ひんやりとした金属の感触と、その重みでした。本体のほとんどが金属で作られており、表面にはサンドブラスト加工のようなサラサラとした塗装が施されているため、非常に高い質感を感じます。安価なミニPCにありがちなプラスチックの質感とは一線を画す、所有する喜びを満たしてくれる仕上がりです。底面は電波の透過性を考慮してプラスチック製ですが、こちらもマットな質感で統一感を損なっていません。
しかし、そのサイズには正直驚かされました。私がこれまで触れてきたミニPCのイメージを覆す大きさで、実測で約1.4kgという重量はずっしりと手に伝わります。兄弟機の「MINISFORUM AI X1」がMac Miniとほぼ同等のコンパクトさだったのと比べると、「大人と子供」と表現されるほどのサイズ差があります。デスクに設置すると、ミニPCというよりはコンパクトなデスクトップPCといった方がしっくりくるほどの存在感がありました。
<サイズ・重量の違い>
- MINISFORUM AI X1 Pro:(サイズ)195(幅)×42.5(高さ)×195(奥行)mm、(重量)約1.5kg
- MINISFORUM AI X1:(サイズ)126(幅)×52(高さ)×128(奥行)mm、(重量)約600g
最大の特徴:デスクを解放する「電源ユニット内蔵」という選択
この大きな筐体デザインがもたらす最大のメリットは、電源ユニットが本体に内蔵されていることです。セットアップの際、ACアダプターを探して戸惑ったのですが、それもそのはず、本機はメガネタイプの電源ケーブル1本を接続するだけで済みます 。一般的なミニPCでは必須の、大きくて邪魔になりがちなACアダプターの「レンガ」が不要なため、デスク周りの配線が驚くほどスッキリしました。
兄弟機のAI X1ではコンパクトなACアダプターが付属していましたが、それでもデスク下のスペースを占有します。AI X1 Proは、本体サイズと引き換えに、デスク周りの美観と取り回しの良さという、日々の快適さに直結する価値を提供してくれました。外出先に持ち出す際も、PC本体と電源ケーブルだけで完結するのは、想像以上にスマートで快適です。
設置の自由度と、使い勝手のトレードオフ
付属品のスタンドを使えば、本体を縦置きにすることも可能です。これにより、デスク上の占有スペースをさらに減らすことができます。しかし、実際に縦置きで使ってみると一つ問題点がありました。天板に配置されている指紋認証センサーに指が届きにくくなってしまうのです。この指紋センサーはWindows Helloに対応しており、ログイン時の認証速度は1秒未満と非常に高速で便利なだけに、少し残念なポイントでした。
また、VESAマウント用の金具も付属しており、モニターの裏に設置することも理論上は可能です。ただ、1.4kg近い重量を考えると、モニターアームやスタンドの耐荷重は事前にしっかり確認する必要があるでしょう。個人的には、この高級感のあるデザインを隠してしまうのは少しもったいないと感じ、デスクの上に堂々と設置して使っています。
内部へのアクセスと拡張性:中上級者向けの構造
内部の拡張性が高いのも、この大きな筐体ならではの魅力です。M.2 SSDスロットが合計3つも用意されており、最大で12TBもの超高速ストレージ環境を構築できます。しかし、その内部にアクセスするまでが少し大変でした。底面のパネルはツメで固く固定されており、「壊れるのでは?」と思うくらいの力で慎重に開ける必要がありました。内部にはケーブル類も接続されているため、PCの分解に慣れていない方は注意が必要です。
兄弟機のAI X1も内部アクセスには慎重さが必要でしたが、AI X1 Proはより堅牢に作られている印象です。簡単に開けられない点はデメリットとも言えますが、一度大容量SSDを増設してしまえば、頻繁に開ける必要はないでしょう。ストレージ容量を重視するクリエイターやゲーマーにとっては、この拡張性は大きなメリットになります。
ボタン配置と指紋認証:便利な機能と今後の期待
本体の前面には電源ボタンとCopilotボタンが、天板には指紋認証センサーが配置されています。指紋認証によるログインは非常にスムーズで、パスワード入力の手間から解放される快適さは一度体験すると手放せません。ただ、欲を言えば、ノートPCのように電源ボタンと指紋認証センサーが一体化していると、電源投入からログインまでがワンアクションで済み、さらにスマートになると感じました。
Copilotボタンについては、正直なところ私はあまり使用する機会がありませんでした。むしろ、このボタンが電源ボタンの位置にあれば、縦置きした際にも操作しやすいと感じました。これらのボタン類は兄弟機のAI X1には搭載されていない機能であり 、AIアシスタント機能の活用やセキュリティ向上といった、本機の「Pro」たる所以を示している部分でもあります。
<MINISFORUM AI X1 Proの付属品>
- 簡単な説明書
- HDMIケーブル
- VESAマウント(モニター裏面設置用)
- 縦置き用のスタンド
- 電源ケーブル
まとめ:デザイン
- 素材と質感:サンドブラスト加工が施された金属製の筐体は、非常に高級感があり所有欲を満たす
- サイズと重量:ミニPCとしては大型で約1.4kgと重いが、その分安定感と存在感がある
- 最大の特徴:電源ユニットを内蔵しているためACアダプターが不要で、デスク周りが非常にスッキリする
- 設置方法:縦置きスタンドが付属し省スペース化に貢献するが、天板の指紋センサーが使いにくくなるトレードオフがある
- 内部アクセス:SSDを3基搭載できる高い拡張性を持つが、ケースの分解はやや難易度が高い
- 兄弟機との比較:ACアダプターが必須でコンパクトなAI X1に対し、AI X1 Proは大型化と引き換えに電源内蔵と指紋認証などの付加価値を手に入れている
接続ポートと映像出力:MINISFORUM AI X1 Pro ~ プロの名に恥じない圧倒的な拡張性
ここでは、MINISFORUM AI X1 Proが備える豊富な接続ポートと、クリエイティブワークからゲーミングまでをカバーする強力な映像出力性能について書いていきます。実際に様々な周辺機器を接続して感じた利便性や、コンパクトモデルの「MINISFORUM AI X1」との比較を通じて、その魅力に迫ります。
あらゆる用途に応える、充実のポート配置
日々の作業でPCに求めるのは、ストレスのない接続性です。その点で、AI X1 Proはまさにプロフェッショナルな要求に応える設計だと感じました。本体前面には、USB3.2 Gen2 Type-Aポートが2つと、最大40Gbpsのデータ転送を誇るUSB4ポートが1つ配置されています。私が普段使っている外付けSSDからの大容量データ転送や、スマートフォンの急速充電も、わざわざ本体の裏側に手を伸ばすことなく、素早く行えるこの配置は非常に合理的です。
一方で、背面に目を移すと、その本気度がさらに伝わってきます。映像出力用のHDMI 2.1とDisplayPort 2.0、もう一つのUSB4ポートに加え、特筆すべきは2つの2.5Gbps対応有線LANポートと、外付けGPU接続を可能にするOCuLinkポートの存在です。これだけのポートがこのサイズに凝縮されているのは圧巻の一言です。
「Pro」を決定づける、OCuLinkとデュアルLANの優位性
AI X1 Proを単なる高性能ミニPC以上の存在に引き上げているのが、OCuLinkポートです。OCuLinkを使えば、外付けGPUボックスを接続して、デスクトップPCに匹敵するほどのゲーミング性能やAI処理能力を引き出すことが可能です。コンパクトなMINISFORUM AI X1でもOCuLinkは利用できますが、内部のM.2スロットを一つ消費する排他仕様でした。対してAI X1 ProはOCuLinkが独立した専用ポートとして搭載されており、内蔵SSDの拡張性を一切犠牲にしない点が大きなアドバンテージです。
クリエイターを刺激する、最大4画面の4K/8K出力
映像出力能力も、このPCのハイライトの一つです。HDMI、DisplayPort、そして2つのUSB4ポートを組み合わせることで、最大で4画面の4K同時出力に対応しています。私の作業環境では、メインの4Kモニターで動画編集ソフトの『DaVinci Resolve』を開き、2台目のモニターで資料を表示、3台目でコミュニケーションツールを確認するという使い方をしていますが、全く遅延なく快適そのものでした。
さらに、HDMI 2.1 FRLとDisplayPort 2.0ポートは、最大で8K@60Hzという未来を見据えたスペックに対応しています。今はまだオーバースペックに感じるかもしれませんが、数年後も第一線で使い続けられる安心感を与えてくれます。高解像度で色彩豊かな映像は、まさに没入感のある視聴体験をもたらしてくれました。
日常の使い勝手を高めるSDカードスロットと、唯一の要望
写真や動画を扱う私にとって、本体側面にSDカードスロットが標準で搭載されている点は、地味ながら非常に嬉しいポイントでした。比較対象のAI X1にはこのスロットがないため、別途カードリーダーを用意する必要がありましたが、AI X1 Proなら撮影後すぐにデータを取り込めます。
ただ一つだけ要望を挙げるとすれば、背面のUSB Type-Aポートの数です。現在、背面にはUSB 2.0が1つしかありません。私のキーボードとマウスはそれぞれ2.4GHzの無線ドングルを使用するため、このポートはすぐに埋まってしまいます。もう一つ、できれば高速なUSB3.2ポートが背面にあれば、ケーブルマネジメントの観点からも完璧だったと感じました。
<MINISFORUM AI X1 Proの接続ポート>
- 前面:
- 電源スイッチ ×1
- USB3.2 Gen2 Type-Aポート ×2
- USB4ポート ×1 (Alt PD out 15W)
- 3.5 mmコンボジャック ×1
- Copilot ボタン ×1
- DMIC ×2
- 背面:
- CLR CMOS ×1
- Kensington Lock ×1
- USB2.0 Type-A ポート ×1
- OCuLink ×1 (PCIe 4.0×4)
- USB4ポート ×1 (Alt PD)
- DP2.0 ×1
- HDMI 2.1 FRL ×1
- RJ45 2.5G ネットポート ×2
- 電源接続端子 ×1
- 上側:
- 指紋認証ボタン
- 側面:
- SDカード・スロット
まとめ:接続ポートと映像出力
- ポートの豊富さ:USB4を2基、OCuLink、デュアル2.5G LANなど、あらゆるニーズに対応するプロ仕様の構成
- 映像出力能力:最大4画面の4K同時出力と8K@60Hzに対応し、クリエイティブ作業に絶大なパワーを発揮
- 利便性:前面の高速USBポートと側面のSDカードスロットが、日々のデータ転送を快適にする
- 拡張性:独立したOCuLinkポートにより、ストレージを犠牲にすることなく外付けGPUで性能を飛躍的に向上可能
- AI X1との比較:デュアルLAN、SDカードスロット、独立OCuLinkポートの搭載が、AI X1に対する明確な優位点
- 唯一の要望:背面のUSB Type-Aポートがもう1つあれば、周辺機器の常時接続がよりスマートになった
パフォーマンス:MINISFORUM AI X1 Pro ~ 次世代を見据えた圧倒的な処理能力
ここでは、MINISFORUM AI X1 Proの性能の核となる部分に深く切り込んでいきます。最新鋭のCPUがもたらす基本性能、Copilot+ PC認定の源泉であるAI処理能力、そしてクリエイティブな作業を支えるメモリとストレージのポテンシャルについて、私が実際に体験して感じたことを中心に解説します。
パワーの源泉:最新アーキテクチャ「Zen 5」CPUの実力
このPCを起動してまず感じたのは、あらゆる操作に対する圧倒的な応答性の高さでした。その力の源泉は、搭載されているAMD Ryzen™ AI 9 HX 370プロセッサです 。これは執筆時点での最新アーキテクチャ「Zen 5」を採用しており 、製造プロセスは微細なTSMC 4nmです。コンパクトモデルのMINISFORUM AI X1が採用する「Zen 4」アーキテクチャから世代が一つ進んだことで、パフォーマンスは飛躍的に向上しています。
AI X1 ProのCPUは、4つの高性能「Zen 5」コアと8つの高効率「Zen 5c」コアで構成される、合計12コア/24スレッドのハイブリッド構成です 。最大ブーストクロックは5.1GHzに達し 、負荷の高い作業でも余裕を持って処理します。注目すべきは、一部のハイブリッドCPUとは異なり、Zen 5とZen 5cの両方のコアがAVX-512のような高度な命令セットに対応していることです。これにより、AI開発や科学技術計算といった複雑な演算処理で、すべてのコアをフルに活用できるのが大きな強みです。
統合グラフィックスの常識を超える「Radeon 890M」
CPUに統合されたグラフィックス性能も驚くべきレベルにあります。搭載されているAMD Radeon™ 890Mは、最新の「RDNA 3.5」アーキテクチャを採用したGPUです 。グラフィックス周波数は最大2900MHz 、GPUコア数は16基を誇り、CPU全体で合計24MBのL3キャッシュを備えています。これにより、単なるデスクトップ画面の描画にとどまらず、本格的な動画編集や3Dレンダリングといったクリエイティブな作業も、外付けGPUなしで快適にこなせるほどのパワーを秘めています。
AI時代の到来を告げる、本物の「Copilot+ PC」性能
MINISFORUM AI X1 Proが他のミニPCと一線を画す最大の理由は、そのAI性能にあります。内蔵されたNPU(Neural Processing Unit)は、最大50 TOPS(1秒間に50兆回の演算性能)という驚異的な処理能力を誇ります。これはMicrosoftが定める「Copilot+ PC」の要件(40 TOPS以上)を余裕でクリアする数値であり 、Windows 11の高度なAI支援機能をローカル環境で、クラウドを介さず高速に実行できることを意味します。
試しに、AMDの「GAIA」というツールを使ったローカル環境で言語モデル「Llama-2 7B Chat」を動作させ、複雑な問いかけ(プロンプトA)をすると、毎秒14.1トークン、別のプロンプトBでは毎秒15.5トークンという高速な出力が確認できます。この数値は、NPUを持たない私のメインPCが出力したトークン数を遥かに上回るものであり、NPUによる推論処理がいかに効率的であるかを物語っています。
なお、比較対象のMINISFORUM AI X1(Ryzen 7 260搭載モデル)が内蔵するNPUは最大16 TOPSであり、Copilot+ PCの要件を満たしていません。このNPU性能の差が、両者の間にある決定的な違いと言えるでしょう。
AI性能を実体験:ローカル環境で動かす大規模言語モデル
このAI性能を実際に試すため、私はいくつかの生成AIモデルをローカル環境で動かしてみました。まず、AMDが提供する「AMUSE」というフレームワーク上で画像生成AI「StableDiffusion 3.5 Turbo」を動かしてみると、非常にスムーズに動作しました。しかし、真に驚かされたのは、より大規模な言語モデル「Qwen3 32B」を動かせたことです。これは通常、高性能なデスクトップPCでも動作が困難なモデルであり、この小さな筐体で実現できたことに感動を覚えました。
さらに「AMD GAIA」というツールを使って対話型AIを試したところ、その応答生成速度は、私が普段使っているデスクトップPCを明らかに上回っていました。思考を妨げない速さで次々とテキストが生成される様子は、まさに未来のPCの姿を垣間見るような体験でした。
余裕を生むメモリと、妥協なきストレージ拡張性
私が試用したモデルは64GBのDDR5メモリを搭載していましたが、AI X1 Proはユーザー自身で最大128GBまで増設可能なDDR5 SODIMMスロットを2つ備えています。複数の高負荷アプリケーションを同時に立ち上げても、動作が重くなる気配は一切なく、まさに無限の作業スペースを手に入れた感覚でした。
ストレージに関しても、その拡張性は圧巻です。M.2 2280 PCIe4.0 SSDスロットが3つも用意されており、理論上は最大12TBもの広大なストレージ環境を構築できます。標準搭載されているKingston製の1TB SSDは、CrystalDiskMarkで読み取り4800 MB/s、書き込み3900 MB/sという、公称値を上回る非常に高速な実測値を記録しました。この速度のおかげで、OSの起動はもちろん、動画編集ソフト『DaVinci Resolve』のような重量級アプリケーションの立ち上げも一瞬で完了します。
ただし、3つあるM.2スロットはすべてが同じ速度ではありません。SSDスロット0番と1番がPCIe 4.0 x4接続でこの高速性能をフルに発揮する一方、SSDスロット2番はPCIe 4.0 x1接続のため、実測での速度が1500~1900MB/s程度に留まります。そのため、OSや主要なアプリケーションは最速のスロット0番・1番にインストールし、ゲームライブラリや動画素材の保管庫としてスロット2番を活用するなど、用途に応じて使い分けるのが賢明な選択と言えるでしょう。
<MINISFORUM AI X1 Proのパフォーマンス仕様>
- CPU: AMD Ryzen™ AI 9 HX 370 (Zen 5 + Zen 5c アーキテクチャ, 12コア/24スレッド, 最大5.1GHz)
- グラフィックス: AMD Radeon™ 890M (RDNA 3.5 アーキテクチャ, 16 GPUコア, 最大2900MHz)
- NPU: 最大50 TOPS
- メモリ: DDR5 SODIMM ×2スロット (最大128GBまで増設可能)
- ストレージ: M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSD スロット ×3 (各スロット4TB, 合計最大12TBまで増設可能)
まとめ:パフォーマンス
- CPU性能:最新のZen 5アーキテクチャ採用の12コアCPUで、あらゆる高負荷作業を快適にこなす圧倒的な処理能力を誇る
- AI処理能力:50 TOPSの強力なNPUを搭載し、ローカル環境で高度なAI機能を実行できる真のCopilot+ PCである
- グラフィックス:RDNA 3.5世代のRadeon 890Mにより、統合グラフィックスとは思えないほどの描画性能を発揮する
- メモリ:ユーザー自身で最大128GBまで拡張可能なDDR5メモリに対応し、プロのマルチタスク環境にも応える
- ストレージ:3基のM.2スロットにより最大12TBの超高速ストレージを構築可能で、拡張性に死角がない
- AI X1との比較:CPUアーキテクチャの世代が新しく、Copilot+ PCの基準を満たすNPUを搭載している点が最大の優位点
ベンチマーク
MINISFORUM AI X1 Proが搭載するAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサは、どのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。
<CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen AI 9 HX 370>
- PassmarkのCPUベンチマークで「35096」
- Geekbench 6のシングルコア「2960」、マルチコア「12800」
- Cinebench R23 シングルコア「2020」、マルチコア「22670」
- Cinebench 2024 シングルコア「108」、マルチコア「938」
<CPUのベンチマーク結果から分かること>
AMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサはシングルコア性能とマルチコア性能の両方で優れたスコアを記録していることから、このCPUは非常にバランスの取れた高性能プロセッサであると評価できます。日常的な軽作業から専門的な高負荷作業まで、あらゆる用途でユーザーに満足のいくパフォーマンスを提供できるポテンシャルを秘めています。
例えば、普段は快適なウェブブラウジングやオフィスソフトを利用しつつ、時には高画質な動画編集や最新のPCゲームを楽しむといった、幅広いニーズに応えることが可能です。
Ryzen AI 9 HX 370 VS Ryzen™ 7 255
MINISFORUM AI X1 Proが搭載するAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサと、MINISFORUM AI X1が搭載するAMD Ryzen™ 7 255 プロセッサはどのくらいの性能差があるのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。
<CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen™ 7 255>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「30559」
- Geekbench 6のシングルコア「2532」、マルチコア「12899」
- Cinebench R23 シングルコア「1723」、マルチコア「16337」
- Cinebench 2024 シングルコア「102」、マルチコア「945」
<比較から分かること>
AMD Ryzen AI 9 HX 370は、AMD Ryzen™ 7 255に対して、ほとんどの領域で優位に立つ、より高性能な次世代プロセッサであると結論付けられます。特に、体感速度に直結するシングルコア性能においては圧倒的な差があり、日常的な使用感の向上に大きく貢献します。また、Passmark、Geekbench 6、Cinebench R23で示されたマルチコア性能の差は、高負荷な作業を頻繁に行うユーザーにとって、作業効率の観点から非常に大きなメリットとなります。
Cinebench 2024のマルチコアスコアでほぼ互角という結果はありましたが、これはあくまで特定の条件下での性能の一側面であり、全体的なパフォーマンス評価を覆すものではありません。したがって、これらのデータから分かることは、AMD Ryzen AI 9 HX 370が、より新しいテクノロジーを基盤とし、幅広いアプリケーションにおいて一貫して高いパフォーマンスを提供することで、ユーザーに対してより高速で快適なコンピューティング環境を約束する、明らかに上位のプロセッサであるという事実です。
Ryzen AI 9 HX 370性能を比較
MINISFORUM AI X1 Proが搭載するAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサは、他のCPUと比べてどのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。
<CPUランキング>
※PassmarkのCPUランキングで比較したものです。
- Ryzen AI Max+ 395 (GMKtec EVO-X2)・・・Passmark:50369
- Ryzen AI 9 HX 370(MINISFORUM AI X1 Pro)・・・Passmark:35096
- Core Ultra 9 285H (GMKtec EVO-T1)・・・Passmark:33731
- AMD Ryzen 9 7940HS (GEEKOM A7 / MINISFORUM UM790 Pro)・・・Passmark:30504
- AMD Ryzen 9 8945HS (GMKtec K11/MINISFORUM UM890 Pro/GEEKOM A8)・・・Passmark:30325
- Ryzen 7 7840HS (Beelink SER7/MINISFORUM UM780 XTX)・・・Passmark:29937
- Core i9-13900H (Minisforum MS-01)・・・Passmark:29694
- Ryzen 7 8845HS (GMKtec NucBox K8/Beelink SER8)・・・Passmark:28708
- Core Ultra 9 185H (Minisforum AtomMan X7 Ti)・・・Passmark:28465
- Core i9-12900H (GEEKOM XT12 Pro)・・・Passmark:28206
<比較から分かること>
AMD Ryzen AI 9 HX 370が極めて高い処理能力を持つCPUであることを客観的に示しています。このCPUは、競合するIntelの最新世代CPUや、自社の前世代ハイエンドCPUを上回るスコアを記録しており、ノートPCや小型PC向けのプロセッサとして最高レベルのパフォーマンスを提供します。リスト上で2番目に高いスコアであるという事実は、このCPUが動画編集、3Dレンダリング、高度な計算、そしてもちろん快適なゲーミングといった、あらゆる高負荷なタスクをスムーズに処理できる能力を有していることを強く裏付けています。
グラフィック性能
AMD Ryzen AI 9 HX 370が内蔵するAMD Radeon 890M GPUのグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。
<GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 890Mのグラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「8100」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「4360」
- Time Spy グラフィックスコアで「3630」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「36000」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「20,500」
- Wild Life Extreme 「6400」
<ベンチマーク結果から分かること>
AMD Radeon 890Mのベンチマーク結果から分かることは、このGPUが単なるCPUの付属品としての内蔵グラフィックスではなく、単体GPUに迫るほどの強力なゲーミング性能とクリエイティブ性能を持った、革新的な統合グラフィックスソリューションであるということです。
DirectX 11とDirectX 12の両方で高いスコアを示していることから、幅広い年代のPCゲームに対応できる柔軟性を持ち合わせています。Fire Strikeの高いスコアは、多くの既存ゲームをフルHDで快適に楽しめることを保証し、Time Spyのスコアは、これから登場する新しいゲームへの対応力も備えていることを示しています。
Radeon 890M VS Radeon 780M
AMD Ryzen AI 9 HX 370が内蔵するRadeon 890M GPUと、AMD Ryzen™ 7 255 プロセッサが内蔵するRadeon 780M GPUはどのくらいの性能差があるのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。
<GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 780Mグラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7954」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「4242」
- Time Spy グラフィックスコアで「3223」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「35994」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「20377」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
<比較から分かること>
データから、Radeon 890Mが、すでに高い評価を得ていたRadeon 780Mをベースに、特に将来を見据えた性能強化を果たした、優れた後継GPUであるということが分かります。すべての項目でスコアが向上していますが、その進化の度合いは一様ではありません。DirectX 11環境では堅実な性能向上に留まる一方で、DirectX 12環境、特に高負荷なTime Spyにおいて顕著なパフォーマンス向上を遂げている点が最大の特徴です。これは、単なるクロック周波数の向上といった単純な強化ではなく、アーキテクチャレベルでの改良やドライバの最適化が進んだ結果と考えられます。
ゲーム性能:MINISFORUM AI X1 Pro ~ 内蔵GPUの常識を覆す、本格ゲーミング体験
MINISFORUM AI X1 Proが搭載するAMD Radeon 890Mグラフィックスは、果たしてどこまでPCゲームを楽しめるのでしょうか。ここでは、人気のeスポーツタイトルからグラフィック負荷の高い大作まで、様々なゲームを実際にプレイし、そのパフォーマンスをフレームレートの数値と共に具体的にレビューします。
モンスターハンターワイルズ
広大な世界でシームレスな狩りが楽しめる超大作、『モンスターハンターワイルズ』に挑戦しました。グラフィックへの要求が高い本作ですが、1080p解像度、グラフィック設定を「低」にすることで、平均30〜40 FPSでのプレイが可能でした。FSRのようなアップスケーリング技術を併用することで、フレームレートはさらに安定し、快適なプレイフィールが得られます。シームレスに広がるフィールドを駆け巡っても読み込みで待たされることはなく、モンスターの複雑な動きにもスムーズに追従できました。これにより、没入感の高い次世代の狩猟体験を存分に味わうことができました。
原神
次に、美しいアニメ調のグラフィックが魅力のオープンワールドRPG『原神』をプレイしました。1080p解像度、グラフィック設定を「高」にしても、フレームレートは常に60 FPSを維持し、広大なテイワットの世界をストレスなく冒険できました。特に感動したのは、元素爆発の華やかなエフェクトが画面を埋め尽くすような激しい戦闘シーンでも、パフォーマンスが一切落ちなかったことです。キャラクターの動きは常に滑らかで、美しい景色を楽しみながら没入感の高いプレイを堪能できました。
Apex Legends
一瞬の判断が勝敗を分けるバトルロイヤルシューター『Apex Legends』です。eスポーツタイトルとして高いフレームレートが求められるこのゲームで、AI X1 Proは期待を遥かに超える性能を見せてくれました。1080p解像度、描画負荷を抑えた競技設定で訓練所を走り回ってみると、フレームレートは平均して100 FPS以上を維持。敵を追いかける激しい視点移動や、複数部隊が入り乱れる銃撃戦でも、画面は非常になめらかで、敵の動きを正確に捉えることができました。少しグラフィック設定を上げても常時60 FPSに張り付いて安定しており、カクつきとは無縁の快適なプレイフィールは、まさに衝撃的でした。
サイバーパンク2077
非常に高いグラフィック負荷で知られる『サイバーパンク2077』は、このPCにとって大きな挑戦です。1080p解像度、グラフィック設定を「低」にすることで、ネオンきらめくナイトシティを平均30 FPS前後で探索することができました。さらに、アップスケーリング技術であるFSRを「パフォーマンス」モードに設定すると、フレームレートは45〜60 FPSまで向上し、プレイフィールは劇的に改善。大勢の人が行き交う市場でもパフォーマンスが安定していたのは、強力なCPU性能の恩恵でしょう。
エルデンリング
世界中で大ヒットした高難易度アクションRPG『エルデンリング』では、その広大な世界と手強いボスとの戦いを体験しました。このゲームはフレームレートの上限が60 FPSに設定されていますが、AI X1 Proは1080p解像度、グラフィック設定「中」で、ほとんどの場面で安定して60 FPSに近い数値を維持しました。入り組んだストームヴィル城の探索から、巨大なツリーガードとの死闘まで、処理落ちによるストレスを感じることはなく、シビアなタイミングが要求される回避や攻撃に集中することができました。
Forza Horizon 5
美しいメキシコを舞台にしたオープンワールド・レーシング『Forza Horizon 5』では、内蔵GPUとは思えない快適なドライブを体験できました。1080p解像度、グラフィックプリセットを「高」に設定しても、フレームレートは平均60 FPSを大きく上回り、ゲーム内のベンチマークテストでは70 FPSを超えるスコアを記録しました。高速で流れる風景も美しく描画され、マシンの性能を気にすることなく、純粋にレースの爽快感に浸ることができました。
まとめ:ゲーム性能
MINISFORUM AI X1 Proが搭載するRadeon 890Mは、「内蔵グラフィックスではゲームはそこそこにしか動かない」というこれまでの常識を完全に覆します。eスポーツタイトルでは競技レベルの高いフレームレートを叩き出し、人気のオープンワールドRPGでは美しい世界を滑らかに描き出します 。さらに、『サイバーパンク2077』のような重量級タイトルでさえ、設定次第で十分に楽しめるレベルに引き上げてしまうその性能は、まさに圧巻の一言です。この一台があれば、専用のゲーミングPCを用意せずとも、ほとんどのPCゲームを1080p解像度で快適に楽しめるでしょう。
冷却性能:MINISFORUM AI X1 Pro ~ 静寂の中に秘められた、揺るぎない安定性
ここでは、MINISFORUM AI X1 Proの冷却性能と静音性について、私が実際に使用して感じたことを詳しく書いていきます。高性能なCPUを安定して動作させるための冷却システムの秘密と、日常的な作業から高負荷なタスクまで、どれほど静かにこなせるのか、その実力に迫ります。
日常を邪魔しない、卓越した静音性
PCをデスクに設置して電源を入れたとき、私が最初に驚いたのはその静けさでした。WebブラウジングやYouTubeでの動画鑑賞、書類作成といった日常的な作業中、本体に耳を近づけなければ動作していることがわからないほど、ファンは静寂を保っています 。この静音性は、非常にコンパクトながら同じく静かだと感じたMINISFORUM AI X1にも通じる、このメーカーの強みかもしれません。
もちろん、動画の書き出しやAIの処理といった高負荷な作業を始めると、ファンが回転を始め、冷却していることが音でわかります。しかし、その音は甲高いノイズではなく、不快感のない「サー」という低い風切り音で、公式の発表通り45dB未満という静粛性は十分に保たれていると感じました。集中力を削がれることなく、静かな環境で作業を続けたい私にとって、これは非常に大きなメリットでした。
高度な冷却システムと、高負荷時の温度挙動
この静音性と冷却性能を両立させているのが、内部に搭載された高度な冷却システムです。2つの静音冷却ファンに加え、CPUの熱を効率的に奪う相変化冷却材、そしてその熱を素早くヒートシンクへ運ぶ純銅製のデュアルヒートパイプが採用されています。この設計が、パワフルなRyzen AI 9 HX 370 CPUを安定して動作させる秘訣です。
その実力を試すため、私は人気ゲームの『Apex Legends』を1時間ほどプレイしてみました。驚いたことに、ゲーム中のCPU温度は60度前後で非常に安定しており、パフォーマンスが低下する気配は一切ありませんでした。さらに、CPUに極限の負荷をかけ続けるCinebench R23の10分間連続テストを実行したところ、温度は一時的に上昇したものの、最終的には75℃前後で安定し、それ以上上がることはありませんでした。
ただし、テスト環境や内容によっては、CPUの平均温度が80.5℃に達することもあるようです。私が試した限りでは性能低下は見られませんでしたが、最高のパフォーマンスを維持するためには、本体周りの風通しを良くしておくのが賢明でしょう。
触れても安心の筐体温度
高性能なPCは本体が熱くなりがちですが、AI X1 Proはその点も優秀でした。ベンチマークテストを立て続けに実行した後、おそるおそる金属製の天板に触れてみましたが、「ちょっとだけほろ温い感じ」がする程度で、その温度は34度ほどでした 。不快な熱さは全くなく、内部の熱が効率的に筐体全体へ分散・放熱されていることがよくわかります。これなら、うっかり本体に触れてしまっても安心です。
<MINISFORUM AI X1 Proの冷却性能 仕様>
- 冷却ファン: 静音冷却ファン ×2
- ヒートパイプ: 純銅製デュアルヒートパイプ
- サーマルインターフェイス: 相変化冷却材
- 公称騒音レベル: 45dB未満(パフォーマンスモード時)
- 公称温度: 待機時37℃、フルロード時80℃未満(室温23℃環境)
まとめ:冷却性能
- 静音性:日常的な作業では無音に近く、高負荷時も不快感のない低いファンノイズで非常に静か
- 冷却能力:ゲームプレイや長時間の高負荷テストでもCPU温度を安定させ、パフォーマンスを維持する確かな冷却力を持つ
- ピーク時温度:非常に重い処理が続くとCPU温度は高くなる傾向もあるため、設置場所の通気性確保が推奨される
- 筐体温度:高負荷が続いた後でも本体天板はわずかに温かくなる程度で、安全かつ効率的に放熱されている
- AI X1との比較:どちらのモデルも非常に静かだが、AI X1 Proの冷却システムは、より発熱量の多いハイエンドCPUを安定して冷却できるよう設計されている
通信性能:MINISFORUM AI X1 Pro ~ 途切れない接続が創造性を加速させる
ここでは、MINISFORUM AI X1 Proの通信性能に焦点を当ててレビューします。最新のワイヤレス規格への対応はもちろん、このモデルの真価を示すユニークな有線LAN構成まで、私が実際に体験して感じた安定性と速度、そしてそれが日々の作業にもたらすメリットを具体的に解説します。
未来標準のワイヤレス接続
デスク周りのケーブルを極力減らしたい私にとって、ワイヤレス性能の安定性はPC選びの重要な要素です。AI X1 Proは、最新規格であるWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応しており、その接続性は期待以上でした 。私の作業環境では、Bluetoothキーボード、マウス、そして遅延が許されない音楽制作用のヘッドホンを同時に接続しましたが、接続が途切れたり、音が途切れたりすることは一度もありませんでした。
同時に、Wi-Fi 7対応ルーター経由で数10GBにもなる大容量の動画素材をダウンロードしましたが、まるで有線接続しているかのような速度と安定性を維持し続けてくれました 。バッファリングを待つストレスから解放され、思考を中断されることなく作業に集中できる環境は、まさに未来標準の快適さでした。
最大のアドバンテージ:デュアル2.5GbE LANポート
AI X1 Proの通信性能における最大の特徴は、なんといっても2つの2.5Gbps対応有線LANポートを搭載していることです。コンパクトモデルのMINISFORUM AI X1が1ポートであるのに対し、このデュアルLAN構成は「Pro」モデルならではの明確なアドバンテージと言えるでしょう。
この機能は、私のワークフローを劇的に改善してくれました。私は1つのポートをインターネット接続用のメイン回線に、もう1つをNAS(ネットワーク対応ストレージ)への直接接続用として設定しました。これにより、クラウドとの同期やオンライン会議を安定して行いながら、同時にNASに保存された4K動画素材を遅延なく直接編集するという、これまででは考えられなかった芸当が可能になったのです。インテリジェントな負荷分散により、ネットワークが常に安定した状態を維持してくれるという公式の説明は、まさにその通りでした 。
安定性を支える設計思想
MINISFORUMは、ただ最新の規格を搭載するだけでなく、その安定性にも配慮していると感じます。例えば、兄弟機にあたるAI X1では、AMDプラットフォームとの互換性を考慮して、あえて安定性の高いMediaTek製のWi-Fiカードが採用されていました。AI X1 Proも同様に、長時間の使用でも接続が途切れることのない、揺るぎない安定感を提供してくれます。これは、クリエイティブな作業からオンラインゲームまで、あらゆるシーンで信頼できるパートナーとなりうる証です。
<MINISFORUM AI X1 Proの通信性能 仕様>
- ワイヤレス接続: Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4 サポート
- 有線LAN: 2500Mbps LAN ポート ×2
まとめ:通信性能
- ワイヤレス性能:最新規格のWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応し、高速かつ安定した無線環境を実現
- 有線LANの優位性:2つの2.5Gbps LANポートが最大の特徴で、プロフェッショナルなネットワーク構築を可能にする
- 柔軟な活用法:インターネットとローカルネットワーク(NASなど)への同時接続により、作業効率を飛躍的に向上させる
- 接続の安定性:長時間の使用でも途切れることのない、信頼性の高い通信を維持する設計思想
- AI X1との比較:デュアルLANポートの有無が決定的な違いであり、より高度なネットワーク活用を目指すならAI X1 Proが最適
ソフトウェアとOS:MINISFORUM AI X1 Pro ~ 未来への準備は万端か?AI機能の現在地
ここでは、MINISFORUM AI X1 Proのソフトウェア面に焦点を当て、プリインストールされているOSの信頼性から、最大のセールスポイントである「Copilot+ PC」としての実力、そして開発者にとっての可能性まで、私が実際に使用して感じたことを深く掘り下げていきます。
安心して使える、クリーンなOS環境
PCの快適さは、OSの安定性と信頼性から始まります。その点において、AI X1 Proは非常に好印象でした。プリインストールされているのはWindows 11 Proで、箱から出してすぐに最新のOS環境を利用できます。私が特に評価したいのは、余計なプリインストールソフト(ブロートウェア)が一切見当たらない、クリーンな状態であることです。これにより、システムの軽快さが保たれ、自分で必要なアプリケーションだけをインストールして、快適な作業環境をすぐに構築できました。
また、安価なミニPCで時折見られるライセンスの問題についても、AI X1 Proは安心です。コマンドプロンプトで確認したところ、ライセンスは正規のOEMライセンスでした。これは、PCメーカーが出荷する製品に適用される正当なライセンスであり、将来にわたって安心してWindows Updateを受けられることを意味します。この基本的な信頼性の高さが、プロフェッショナルな用途にも耐えうる基盤となっています。
「Copilot+ PC」の現在地と未来への期待
本機は「世界初のCopilot+ PC認定を受けたミニPC」というキャッチコピーを掲げており、その象徴として本体前面には専用のCopilotボタンが配置されています。これを押すと即座にAIアシスタントが起動するのは便利ですが、現時点ではその真価を完全に体験するには至っていない、というのが正直な感想です。
例えば、AIによる画像生成機能「Image creator」をペイントソフトで使おうとしたところ、Microsoftアカウントでのログインに加え、サブスクリプションで得られるAIクレジットが必要でした。また、リアルタイム翻訳やカメラのスタジオエフェクトといった機能は確かに便利ですが、まだ対応するアプリケーションが限られています。これはハードウェアの欠点ではなく、Microsoftのソフトウェアエコシステムがまだ発展途上であるためです。AI X1 Proは、未来のAI機能が本格的に実装されたときに、その性能を100%引き出せる準備が整ったマシンと言えるでしょう。
比較対象のMINISFORUM AI X1もNPUを搭載していますが、その性能は最大16 TOPSであり、Copilot+ PCの基準(40 TOPS以上)には達していません。AI X1 Proが搭載する50 TOPSのNPUこそが、これからのWindows AI時代を本格的に体験するためのパスポートなのです。
開発者にとってのコンパクトなAI開発環境
一般ユーザー向けのAIアプリケーションがまだ少ない一方で、AI X1 ProはAI開発者や新しい技術をいち早く試したいエンスージアストにとって、非常に魅力的なツールです。AMDが提供する開発者向け統合環境「Ryzen AI Software」を利用すれば、このPCの強力なNPUをフル活用したAI推論アプリケーションを自分で開発することが可能です。
私も実際にこの環境を使い、ローカルで大規模言語モデルを動作させてみましたが、その処理速度には目を見張るものがありました。これまで高性能なデスクトップPCでしか扱えなかったようなAIモデルが、このコンパクトな筐体で快適に動作するのです。これは、AI X1 Proが単なる高性能ミニPCではなく、ポータブルなAI開発ステーションとしての可能性を秘めていることを示しています。
BIOSの安定性と今後のアップデートへの期待
ソフトウェアの基盤となるBIOSについては、ほとんどのユーザーが意識することなく安定して使用できるでしょう。ただし、一部のユーザーからは、特定のBIOSバージョン(1.0.4)でSSDを換装した後にスリープモードから復帰できなくなるという問題が報告されています。これは、自らパーツ交換を行うような上級者にとっては注意すべき点かもしれません。MINISFORUMは定期的にBIOSアップデートを提供しているため、今後の改善に期待したいところです。
<MINISFORUM AI X1 ProのソフトウェアとOS 仕様>
- プリインストールOS: Windows 11 Pro
- OSライセンス: OEMライセンス
- AI機能: Copilot+ PC 認定 (NPU: 最大50 TOPS)
- 独自ユーティリティ: Ryzen AI Software (開発者向け)
まとめ:ソフトウェアとOS
- OSの信頼性:余計なソフトが入っていないクリーンなWindows 11 Proと正規のOEMライセンスで安心して使用できる
- AI機能の将来性:ハードウェアはCopilot+ PCの要件を完全に満たしており、未来のAIアップデートに完全対応している
- 現状のAI体験:Copilot+の全機能を体験するにはMicrosoft側のソフトウェアエコシステムの成熟が必要
- 開発者向けツール:Ryzen AI Softwareにより、強力なNPUを活用した独自のAIアプリケーション開発が可能
- 安定性:基本的には安定しているが、パーツ換装などを行う際はBIOSのバージョンに注意が必要な場合がある
- AI X1との比較:Copilot+ PC認定の有無が最大のソフトウェア的な違いであり、最新AI機能への対応力で明確に差別化されている
MINISFORUM AI X1 Pro と MINISFORUM AI X1 の主な違い
MINISFORUM AI X1 ProとAI X1は、製品名こそ似ていますが、コンセプトやターゲットユーザーが異なる全く別のモデルです。ここでは、両者の主な違いを項目別に詳しく比較し、それぞれの特徴を明らかにします。
CPU (プロセッサ) & AI性能
- AI X1 Pro: AMD Ryzen™ AI 9 HX 370 (12コア/24スレッド, Zen 5アーキテクチャ)を搭載。NPU性能は最大50 TOPSです。
- AI X1: Ryzen™ 7 255/260 (8コア/16スレッド, Zen 4アーキテクチャ)などの選択肢があります。Ryzen 7 260のNPU性能は最大16 TOPSです。
- 違い: AI X1 ProはCPUの世代が新しく、コア数も多いため、基本的な処理性能で上回ります 。特にNPU性能の差は決定的で、AI X1 Proは最新のAI機能をローカルで快適に実行できる「Copilot+ PC」の基準を満たしています。
グラフィック (GPU)
- AI X1 Pro: AMD Radeon™ 890M (RDNA 3.5世代, 16 GPUコア)を搭載しています。
- AI X1: AMD Radeon™ 780M (RDNA 3世代, 12実行ユニット)を搭載しています。
- 違い: AI X1 Proが搭載するRadeon 890Mは、世代が新しくGPUコア数も多いため、AI X1のRadeon 780Mよりも高いグラフィック性能を発揮します。
電源
- AI X1 Pro: 電源ユニットが本体に内蔵されています。
- AI X1: 外部ACアダプターが付属します。
- 違い: AI X1 ProはACアダプターが不要なため、デスク周りの配線が非常にすっきりします。一方、AI X1はACアダプターが必要ですが、本体はよりコンパクトです。
ストレージ拡張性
- AI X1 Pro: M.2 SSDスロットを3基、SDカードスロットを1基搭載しています。
- AI X1: M.2 SSDスロットを2基搭載していますが、1基はOCuLinkポートと排他利用です。SDカードスロットはありません。
- 違い: 内蔵ストレージの最大数でAI X1 Proが優れており、特にOCuLinkを使用しながらでもSSDを2基搭載できる点が大きなアドバンテージです。また、クリエイターにとってSDカードスロットの有無は重要な差となります。
有線LAN (イーサネット)
- AI X1 Pro: 2500Mbps LANポートを2基搭載しています。
- AI X1: 2500Mbps LANポートを1基搭載しています。
- 違い: AI X1 Proは2つの高速な有線ネットワークを同時に利用できるため、より高度で安定したネットワーク環境を構築可能です。
OSとAI機能
- AI X1 Pro: Copilot+ PC認定を受けており、専用のCopilotボタンも搭載しています。
- AI X1: 標準モデルはCopilot+ PCの要件を満たしておらず、Copilotボタンもありません。
- 違い: どちらもWindows 11 Proを搭載していますが、OSに統合されたAI機能を最大限に活用できるのはAI X1 Proです。
サイズと重量
- AI X1 Pro: 約195 x 195 x 42.5 mmで、重量は約1.5kgです。
- AI X1: 約128 x 128 x 52 mmで、重量は約0.6kgです。
- 違い: サイズと重量は全く異なり、AI X1 Proが据え置きのメインマシンを想定しているのに対し、AI X1は設置の自由度や省スペース性に非常に優れています。
その他の機能
- AI X1 Pro: 天板にWindows Hello対応の指紋認証センサーを搭載しています。
- AI X1: 指紋認証センサーは搭載されていません。
- 違い: AI X1 Proは、指紋認証による素早く安全なログインが可能です。
まとめ
MINISFORUM AI X1 ProとAI X1は、用途に応じて明確に作り分けられています。AI X1 Proは、より大型で高価ですが、電源内蔵の利便性、Copilot+ PC認定の最先端AI性能、デュアルLANや3基のSSDスロットといったプロ仕様の拡張性を備えた、「妥協のないパフォーマンスを省スペースで実現するメインマシン」です。一方、AI X1は、非常にコンパクトで手頃な価格ながら、日常使いや軽いクリエイティブ作業には十分な性能を持つ、「設置の自由度とコストパフォーマンスに優れたバランスの良いモデル」と言えるでしょう。
MINISFORUM AI X1 Proのメリット・デメリット
MINISFORUM AI X1 Proは、次世代のAI性能とプロフェッショナルな拡張性をコンパクトな筐体に凝縮した、非常に魅力的なミニPCです。しかし、そのユニークな設計思想ゆえに、他の高性能ミニPCと比較した際には明確な長所と、いくつかの弱点が存在します。ここでは、MINISFORUM AI X1や他の競合モデルと比較しながら、そのメリットとデメリットを詳しく解説します。
【メリット】
メリット1:Copilot+ PCとしての優れたAI性能
AI X1 Proが搭載する50 TOPSのNPUは、Microsoftが定める「Copilot+ PC」の基準をクリアしており、ローカル環境で高度なAI機能を快適に実行できます 。これは、基準に満たないMINISFORUM AI X1(最大16 TOPS)や、Beelink GTi14(最大34.5 TOPS)、Mac mini M4(11 TOPS)に対して明確なアドバンテージです 。将来のWindows AIアップデートを最大限に活用できる、将来性を見据えた性能と言えるでしょう。
メリット2:プロユースに応えるデュアル2.5G有線LAN
AI X1 Proは、2つの2.5Gbps対応有線LANポートを搭載しています。これにより、インターネット接続とNASなどのローカルネットワークを物理的に分離し、高速かつ安定した通信環境を構築できます。これは、LANポートが1つしかないGMKtec EVO-X2やMINISFORUM AI X1、Mac mini M4にはない大きな利点であり、GMKtec EVO-T1やBeelink GTi14といった他のハイエンドモデルに匹敵するプロ仕様の機能です。
メリット3:クラス最高峰の内部拡張性
ユーザー自身の手でメモリを最大128GBまで増設でき、M.2 SSDスロットを3基も備えている点は、本機の大きな魅力です。メモリがオンボードで増設不可のGMKtec EVO-X2や、そもそも内部拡張が不可能なMac mini M4と比較して、その柔軟性は際立っています。将来的なアップグレードを見据えて長期間使用したいユーザーにとって、この拡張性は非常に価値が高いです。
メリット4:電源内蔵によるスマートな設置性
AI X1 Proは、ACアダプターを本体に内蔵しているため、電源ケーブル1本でデスク周りをすっきりと見せることができます。230.1Wもの巨大なACアダプターを必要とするGMKtec EVO-X2や、同様に外部電源が必要なGMKtec EVO-T1と比べ、設置の快適性は本機が優れています。Beelink GTi14やMac mini M4も電源を内蔵しており、ハイエンドモデルとしての利便性を確保しています。
メリット5:便利なSDカードスロット搭載
本体にSDカードスロットが標準で搭載されているため、カメラで撮影した写真や動画をカードリーダーなしで直接取り込めます 。これは、クリエイティブな作業を行うユーザーにとって非常に便利な機能です。GMKtec EVO-X2やBeelink GTi14も同様のスロットを備えていますが、MINISFORUM AI X1やGMKtec EVO-T1、Mac mini M4には搭載されておらず、本機の明確な長所の一つとなっています。
【デメリット】
デメリット1:統合グラフィックス性能の限界
AI X1 Proが内蔵するRadeon 890Mは、統合グラフィックスとして非常に高性能ですが、一部の競合には及びません。特に、40コアものRDNA 3.5 GPUを搭載するGMKtec EVO-X2の「Radeon 8060S」と比較すると、グラフィック性能には大きな差があります。より高いレベルのゲーミング性能やグラフィック処理能力を求める場合、この点は弱点となり得ます。
デメリット2:ミニPCとしては大型の筐体
電源ユニットを内蔵していることと引き換えに、AI X1 Proの筐体サイズは他のミニPCより一回り大きくなっています。特に、CDケースよりわずかに大きい程度のMINISFORUM AI X1や、さらにコンパクトなMac mini M4と比較すると、その存在感は明らかです。限られたスペースに設置したいユーザーにとっては、このサイズがデメリットになる可能性があります。
デメリット3:限定的なUSB-Aポート数
AI X1 Proは合計で3つのUSB-Aポートを備えていますが、これは他のハイエンドモデルと比較して少ないです。例えば、GMKtec EVO-X2は合計5つ、GMKtec EVO-T1も5つのUSB-Aポートを搭載しており 、キーボードやマウス、USBメモリなど複数の有線デバイスを同時に接続したい場合に、ポート数が不足する可能性があります。
デメリット4:メモリ増設の柔軟性と速度のトレードオフ
本機のメモリがユーザー自身で交換・増設できるSODIMM形式であることは大きなメリットですが、一方で性能面のトレードオフも存在します。採用されているDDR5-5600メモリは、GMKtec EVO-X2に搭載されているオンボード(増設不可)のLPDDR5X 8000MHzメモリと比較すると、速度面で劣ります。このメモリ帯域幅の差は、特に内蔵GPUの性能に影響を与えるため、グラフィックス性能を最大限に引き出したい場合には弱点となり得ます。
MINISFORUM AI X1 Proのスペック(仕様)一覧
- プロセッサ: AMD Ryzen AI 9 HX 370 (12コア/24スレッド、L3キャッシュ合計24MB、最大ブースト・クロック5.1GHz)
- GPU: AMD Radeon 890Mグラフィックス (グラフィックス周波数2900MHz)
- RAM: DDR5 SODIMM x2スロット (装着済、合計最大128GBまで増設可能、5600MHz)
- ストレージ: M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSDスロット x3 (装着済/空/空、各スロット最大4TBまで、合計最大12TB)、最大読み書き速度7300MB/s
- 拡張ストレージ: SDカードスロットx1、OCuLinkx1 (PCIe 4.0×4)
- 電源: AC-IN 19V / 7.1A 134.9W (電源アダプター内蔵)
- ワイヤレス通信: M.2 2230 WIFI (Wi-Fi 7)、Bluetooth 5.4
- 有線LAN: 2500Mbps LAN (RJ45) x2
- 上側インターフェース: 指紋認証ボタンx1
- 前側インターフェース: 電源スイッチx1、USB3.2 Gen2 Type-Aポートx2、3.5 mmコンボジャックx1、USB4ポート (Alt PD out 15W) x1、Copilotボタンx1、DMICx2
- 背面インターフェース: 電源接続端子x1、RJ45 2.5Gネットポートx2、HDMI 2.1 FRLx1、DP 2.0×1 (4K@120Hz | 8K@60Hz)、USB4ポート (Alt PD) x1、OCuLinkx1 (PCIe 4.0×4)、USB2.0 Type-A ポートx1、Kensington Lockx1、CLR CMOSx1
- 映像出力: HDMI 2.1 FRLx1 (最大8K@60Hz)、USB4x2 (最大4K@60Hz)、DP 2.0×1 (最大8K@60Hz)、最大4画面同時出力に対応
- 冷却システム: 2つの静音冷却ファン、相変化冷却材、純銅製デュアルヒートパイプ
- OS: Windows 11 Pro
- サイズ: 195(幅) x 42.5(高さ) x 195(奥行) mm
- 重量: 約1.5kg
- 付属品: 本体、電源ケーブル、HDMIケーブル、マウント(VESA対応)、スタンド、取扱説明書
MINISFORUM AI X1 Proの評価
8つの基準で「MINISFORUM AI X1 Pro」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
パフォーマンス:★★★★★
最新のAMD Zen 5アーキテクチャCPUと50 TOPSのNPUを搭載し、あらゆる作業を快適にこなす圧倒的な処理能力は、ミニPCの常識を覆します。
冷却性能と静音性:★★★★☆
高負荷時もパフォーマンスを安定させる冷却能力と、日常作業では無音に近いほどの静音性を両立。ただし、極限の負荷ではCPU温度が高くなる場面もあるため満点には至りません。
デザイン:★★★★☆
高品質な金属製の筐体は所有欲を満たしますが、ミニPCとしては大型。しかし、そのサイズは電源ユニットを内蔵し、デスク周りをすっきりさせるという大きなメリットをもたらします。
通信:★★★★★
最新のWi-Fi 7とBluetooth 5.4に加え、プロユースにも応えるデュアル2.5Gbps有線LANポートを搭載しており、通信性能に一切の死角がありません。
拡張性:★★★★★
最大128GBのメモリ、3基のM.2 SSDスロット、そしてストレージを犠牲にしない独立したOCuLinkポートを備え、ミニPCとしては最高峰の拡張性を誇ります。
機能:★★★★☆
Copilot+ PC認定、高速な指紋認証、SDカードリーダーなど多機能ですが、Copilot+の体験がソフトウェア側の成熟待ちである点を考慮しました。
使いやすさ:★★★★☆
電源内蔵による配線のシンプルさやクリーンなOSは高評価。一方で、内部アクセスの難しさや、やや低速なSDカードリーダーは惜しい点です。
コストパフォーマンス:★★★★☆
価格はミニPCとして高価ですが、その価格に見合うだけの最先端の性能とプロ仕様の拡張性・接続性を備えており、非常に価値の高い一台です。
【総評】 ★★★★☆ (4.5)
MINISFORUM AI X1 Proは、単なる「ミニPC」というカテゴリーに収まらない、「次世代のコンパクトなメインデスクトップ」と呼ぶにふさわしい一台です。これまで高性能を求めると大きなタワー型PCを選ぶしかなかったユーザーに対し、省スペースと妥協のないパフォーマンスを両立するという、新たな選択肢を提示してくれます。
圧倒的なパフォーマンスと将来性
このPCの最大の魅力は、Zen 5アーキテクチャを採用したRyzen AI 9 HX 370プロセッサと、Microsoftの基準をクリアする50 TOPSのNPUがもたらす圧倒的な性能です。日常的な作業はもちろん、これまで専用のワークステーションが必要だった動画編集やAI開発といった高負荷なタスクも、このコンパクトな筐体で快適にこなすことができます。これは、今日の要求に応えるだけでなく、これから本格化するWindowsのAI時代にも完全に対応できる、未来への投資とも言える性能です。
プロユースに応える接続性と拡張性
デュアル2.5Gbps LANポート、3基のM.2 SSDスロット、独立したOCuLinkポートといった仕様は、明らかにプロフェッショナルなユーザーを意識したものです。例えば、インターネットと高速なローカルネットワークを両立させたり、最大12TBもの内蔵ストレージを構築したりと、一般的なミニPCでは不可能な柔軟なシステム構築を可能にします。これは、クリエイターや開発者にとって、創造性を最大限に引き出すための強力な基盤となるでしょう。
大きさと引き換えに得た、本質的な快適性
本機がミニPCとして大型であることは事実です。しかし、そのサイズは電源ユニットを内蔵するためという明確な理由があります。ACアダプターという「大きなレンガ」をデスク周りから追放できるメリットは、実際に体験すると想像以上に大きいものでした。すっきりとした配線は、日々の作業環境における快適さを本質的に向上させてくれます。これは、小型化のために利便性を犠牲にするのではなく、快適な使用体験を追求した結果のデザインと言えます。
購入前の注意点
完璧に見える本機にも、いくつかの注意点があります。まず、そのサイズは必ず確認すべきです。ミニPCの手軽さをイメージしていると、その存在感に驚くかもしれません。また、内部ストレージの増設は可能ですが、ケースの分解はやや難易度が高いため、初心者にはお勧めできません。さらに、Copilot+ PCとしての真価は、今後のMicrosoftのソフトウェアアップデートに依存する部分が大きいことも理解しておく必要があります。
どんな人に最適か
では、このPCはどのような人に最適なのでしょうか。それは、「省スペース性は欲しいが、性能、拡張性、将来性において一切の妥協をしたくない」と考えるパワーユーザーです。デスクトップPCからの置き換えを検討している動画クリエイター、ローカル環境でAI開発を行いたいエンジニア、そして最先端の技術をいち早く体験したいエンスージアストにとって、これ以上ない選択肢となります。最小や最安を求めるのではなく、コンパクトなフォームファクタで最高の体験を求める人にこそ、強く推薦したい一台です。
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MINISFORUM AI X1 Proの価格・購入先
「MINISFORUM AI X1 Pro」はMinisforumの公式サイトやECサイトのAmazon、楽天市場などで購入できます。
※価格は2025/08/19に調査したものです。価格は変動します。
Minisforumの公式サイト
- ベアボーンキット(OSライセンスなし)で119,190円、
- 32GB RAM + 1TB SSD|8月28日に出荷予定 で149,590円、
- 64GB RAM + 1TB SSD丨日本国内から出荷 で166,390円、
- 96GB RAM + 2TB SSD丨日本国内から出荷 で186,390円、
で販売されています。
Minisforumの公式ウェブサイトで「MINISFORUM AI X1 Pro」をチェックする
ECサイト
- Amazonで186,383円(税込)、
- 楽天市場で186,990〜232,990円(送料無料)、
- ヤフーショッピングで154,848円、
- AliExpressで193,670円、
- 米国 Amazon.comで$1,119.99、
で販売されています。
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おすすめのライバル機種と価格を比較
MINISFORUM AI X1 Proに似た性能をもつミニPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
GMKtec EVO-T1
GMKtecから発売されたIntel Core Ultra 9 285H 搭載のミニPCです(2025年7月18日 発売)。
64GB DDR5 5600 MT/sメモリ、1TB または 2TB M.2 SSDストレージを搭載しています。
また、Oculinkポート、4画面同時出力(HDMI 2.1, DP 1.4, USB4, Type-C)、VC放熱とインテリジェントファンコントロールを備えたデュアル冷却システム、VESAマウント、メモリ拡張(最大128GBまで・2スロット)、ストレージ拡張(合計で最大12TB・3つのM.2スロット)、USB3.2-C (PD/DP/データ)、USB3.2-A x3、USB2.0-A x2、Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2、2つの2.5G LANポートにも対応しています。
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関連記事:GMKtec EVO-T1 徹底レビュー!EVO-X2との性能差、欠点を評価
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GMKtec EVO-X2
GMKtecから発売されるAMD Ryzen AI Max+ 395 (最大126 TOPS) 搭載のミニPCです(2025年4月15日予約開始・5月27日出荷)。
64GB/128GBLPDDR5X 8000MHzメモリ (オンボード)、PCIe 4.0 M.2 2280 SSDストレージを搭載しています。
また、最大8K 4画面出力(DP 1.4 x1, HDMI 2.1 x1, USB4.0 x2)、冷却システム「Max3.0 Airflow System」、デュアルM.2 2280 拡張スロット、SDカードリーダー、USB-A 3.2 Gen2 x3、USB-A 2.0 x2、2.5Gbps 有線LAN、Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4に対応しています。
価格は、Amazonで319,990円(64GBメモリ+1TB・税込・95000円 OFFクーポン適用で実質224,990円)、楽天市場で369,589円(送料無料)、AliExpressで267,130円、米国 Amazon.comで$1,499.99、です。
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Minisforum AI370
Minisforumから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサ搭載のミニPCです(2024年11月 発売)。
XDNA 2 AIエンジン、Radeon 890M、32GB LPDDR5X-7500MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD ストレージ、Windows 11を搭載しています。
また、最大50TOPS(1秒間に50兆回のAI演算)、3画面出力、8K映像出力、冷却システム、最大4TBまでのストレージ拡張、USB4ポート、4つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポート、Wi-Fi6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、楽天市場で186,990円(送料無料)、AliExpressで313,179円、です。
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GMKtec EVO-X1
GMKtecから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 搭載のミニPCです(2024年12月20日 発売)。
32GB or 64GB LPDDR5X 7500MHzメモリ、1TB or 2TB PCIe 4.0 M.2 2280 SSD NVMeストレージ、Windows 11 Proを搭載しています。
また、8K 3画面出力(USB4,DP2.1,HDMI 2.1)、Oculinkポート、冷却システム、最大8TBまでのストレージ拡張(M.2 2280 PCIe 4.0)、
縦置きスタンド、USB 4.0 (PD/DP/DATA) x1、USB 3.2 Gen2 (10Gbps) x4、USB 2.0 x2、WiFi 6 (2.4GHz/5.0GHz)、 Bluetooth 5.2、2.5Gデュアル 有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで168,900円(税込・32GB+1TBモデル)、楽天市場で162,875〜184,136円(送料無料)、米国 Amazon.comで$854.99、です。
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Beelink SER9
Beelinkから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370搭載のミニPCです(2024年10月 発売)。
32GB DDR5 7500 MHzメモリ、1TB M.2 2280 PCle4.0 x4 ストレージ、デュアルスピーカー、マイクを搭載しています。
また、50TOPSのAI処理能力、4K 3画面出力 (USB4、Displayport 1.4、HDMI 2.0)、冷却システム、最大64GBまでのメモリ拡張、 最大8TB (M.2 2280 PCle4.0 x4)のストレージ拡張、
USB4 (40Gbps/PD3.0/DP1.4) x1、Type-C (10Gbps/Data) x1、USB 3.2 (10Gbps) x2、USB 2.0 (480Mbps) x2、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5Gギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで128,000円(税込)、楽天市場で161,250円(送料無料)、AliExpressで136,127円(Pro版)、米国 Amazon.comで$919.00、です。
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GEEKOM GT1 Mega
GEEKOMから発売されたIntel Core Ultra 9 185H / Core Ultra 7 155H / Core Ultra 5 125H 搭載のミニPCです(2024年10月発売)。
32GB DDR5 5600MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD、Windows 11 Proを搭載しています。
また、高度なAI処理、4画面出力、2つのUSB 4.0ポート、VESAマウント、 ケンジントンロック、冷却システム、USB3.2 Gen2 Type-A x5、USB 2.0 Type-A x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、デュアル 2.5G ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで119,900円(Core U9-185Hモデル)、楽天市場で118,133円(送料無料・CoreU5-125H)、米国 Amazon.comで$989.00 (ore Ultra U9-185H)、です。
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Beelink GTi14
Beelinkから発売されたIntel Core Ultra 9 185H 搭載のミニPCです(2025年2月 発売)。
32GB/64GB/96GB DDR5 5600MHz Dual SO-DIMMメモリ、1TB/2TB (Dual M.2 2280 PCle4.0 X4)ストレージ、145W電源ユニット(内蔵)、SDカードスロットを搭載しています。
また、最大34.5 TOPS、AI音声インタラクションと360°全方向ピックアップ、Thunderbolt 4 (40Gbps/PD/DP)、4K 3画面出力(Thunderbolt 4/DP1.4a/HDMI)、MSC 2.0 冷却システム、拡張メモリ最大96GB、拡張ストレージ最大 8TB (Dual M.2 2280 PCle4.0 X4)、VESAマウント、自動電源ON、指紋認証(電源ボタンに指紋センサー内蔵)、Wi-Fi 7 (Intel BE200)、Bluetooth 5.4、2.5G デュアル ギガビット有線LANにも対応しています。
価格は、Amazonで155,999円(税込)、楽天市場で129,880円(送料無料)、AliExpressで182,749円、米国 Amazon.comで$839.00、です。
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