AI処理に特化したエンジンを搭載した「Minisforum AI370」。早くも「信じられないほどのパワーでAI処理にも強い」と評判です。しかし、その一方で「他のミニPCでも十分なのでは?」という意見もあり、購入を迷っている人も多くいるようです。
そこで、今回はその性能の違いをよく知ってもらうために、次の10点を重点的に解説します。
- プロセッサ(Ryzen AI 9 HX 370の性能)
- AIの性能
- グラフィック性能
- ゲーム性能
- デザイン(サイズ・重量)
- 接続ポート
- 映像出力
- メモリ
- ストレージ
- 冷却性能
また、前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」、「MINISFORUM UH125 Pro」との違いも紹介!ベンチマークやスペック、
購入する前に知っておきたいデメリット、評価、詳細な価格情報もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
「Minisforum AI370」とは?
「Minisforum AI370」(ミニスフォーラム エー370)は2024年11月に中国 Minisforumから発売されたミニPCです(発表は10月)。
AMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサとWindows 11を搭載しています。
前モデルには2024年6月に発売されたRyzen 9 8945HS プロセッサ搭載の「MINISFORUM UM890 Pro」があります。
このミニPCは「人気のPCゲームもサクサク遊べる」、「USB4ポートやOCuLinkポートが使えるのが便利」と評判でした。
Minisforumからはこの他にもIntel Core Ultra 5 125H プロセッサを搭載した「MINISFORUM UH125 Pro」も発売し、
好評を得ています。
新モデルはAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサ搭載で、高いAI性能を発揮できることで話題になっています。
もちろん、AIアシスタントの「Microsoft Copilot」(マイクロソフト コパイロット)も快適に使えますよ。
それでは早速どんなミニPCなのか、その価格や特徴(メリット)を詳しく見ていきましょう。
この製品の購入はこちら→ Amazon リンク
公式ページ:Minisforum EliteMini AI370ミニPC|AMD Ryzen™ AI 9 HX 370
価格は約16万円・10万円前後の高性能なミニPCよりもお買い得なのか?
新モデル「Minisforum AI370」のくわしい特徴(メリット)を見ていく前に、関連した製品の価格を全体的に抑えておきましょう。
まず、新モデル「Minisforum AI370」はMINISFORUM公式サイトで179,980円で販売されています。公式サイトでは7,500円クーポンコード(AI370)があり、それを決済前に入力することで、割引されます。
また、10月29-11月19日の期間限定のプレゼントがあり、15000円ギフト カード+収納ポーチがもらえるようになっています。これらの割引を含めると、結局 157480円 で購入できるようです。
一方、AMD Ryzen 9 8945HS搭載の前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」はAmazonで127,963円(税込・セール価格)、
Intel Core Ultra 5 125H搭載の「MINISFORUM UH125 Pro」はAmazon クーポン適用で108,374円(税込)で販売されていました。
他メーカーではRyzen 7 8845HS搭載の「GMKtec NucBox K8 Plus」がAmazonクーポン適用で96000円で販売中。
M4チップを搭載したApple「Mac mini M4」は楽天市場で96,100円(税込)、
Ryzen 9 8945HS搭載の「GEEKOM A8」は134,000円、
Ryzen 7 8845HS搭載の「Beelink SER8」はAmazonクーポン適用で98,800円(税込)で販売されていました。
AIに強いミニPCは12万前後になることが多く、安いものでも10万円前後になるようです。その場合、新モデルとの価格差は約 6万円になります。
果たして新モデル「Minisforum AI370」はこれらのミニPCよりもお買い得なのでしょうか?
くわしい特徴(メリット)を見てみましょう。
違い1:Ryzen AI 9 HX 370の性能とベンチマーク
「Minisforum AI370」はAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサを搭載しています。
このプロセッサはAMDが2024年に発表した、Zen 5 アーキテクチャ採用のモバイル向けのプロセッサで、
高性能と省電力を両立させつつ、AI処理ユニット「XDNA 2」を搭載しています。
具体的には、4nmプロセスで製造された12コア、24スレッド、最大5.1GHzのCPUを搭載し、TDP28Wで動作。
画像認識、自然言語処理、音声認識など、様々なAI処理も高速に実行できます。
CPUのベンチマーク
PassmarkのCPUベンチマークは約 3万5千を記録しています。
インテルのCore i7-13700H(Passmark:27156)よりも約8千高いスコアで、
Ryzen 7 8700G(Passmark:31723)やRyzen 9 8945HS(Passmark:29246)よりも性能が高くなります。
性能的には現時点で最高のパフォーマンスを発揮できるプロセッサであるといえます。
<CPUのベンチマーク結果 一覧>
- PassmarkのCPUベンチマークで「35427」
- Geekbench 6のシングルコア「2973」、マルチコア「12758」
- Cinebench R23 シングルコア「16230」、マルチコア「23780」
- Cinebench 2024 シングルコア「110」、マルチコア「940」
<CPUランキング>
※PassmarkのCPUベンチマーク(マルチ)のスコアで比較したものです。
- 1.★ Ryzen AI 9 HX 370 (Minisforum AI370)・・・Passmark:35427
- 2.AMD Ryzen 7 8700G (Minisforum MS-A1)・・・Passmark:31723
- 3.Ryzen 9 7940HS (GEEKOM A7 / MINISFORUM UM790 Pro)・・・Passmark:30504
- 4.AMD Ryzen 9 8845HS (GEEKOM A8)・・・Passmark:29381
- 5.AMD Ryzen 9 8945HS (MINISFORUM UM890 Pro)・・・Passmark:29246
- 6.Ryzen 7 7840HS (Beelink SER7/MINISFORUM UM780 XTX)・・・Passmark:29937
- 7.Core i9-13900H (Minisforum MS-01)・・・Passmark:29694
- 8.Ryzen 7 8845HS (Retro Mini PC AM02 / GEEKOM A8/Beelink SER8/GMKtec NucBox K8)・・・Passmark:28708
- 9.Core Ultra 9 185H (Minisforum AtomMan X7 Ti)・・・Pssmark:28465
- 10.Core i9-12900H (GEEKOM XT12 Pro)・・・Passmark:28206
- 11.Ryzen 7 7735HS (GMKtec NucBox K5)・・・Passmark:24225
- 12.Core Ultra 5 125H (MINISFORUM UH125 Pro/GMKtec NucBox K9)・・・Pssmark:22418
- 13.Ryzen 7 5800H (Beelink SER5 MAX)・・・Passmark:21080
- 14.Core i9-11900H (GMKtec M4)・・・Passmark:20647
- 15.Core Ultra 7 155U (GMKtec NucBox K9)・・・Pssmark:16069
違い2:XDNA 2 AIエンジンで1秒間に50兆回のAI演算を実行できる
「Minisforum AI370」はAMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサのXDNA 2 AIエンジンにより、高いAI性能を発揮できます。
具体的には、50 AI TOPS の処理能力を備え、1秒間に50兆回のAI演算を実行できます。
この処理能力を利用することで、画像認識、自然言語処理、音声認識などを高速に処理し、
AIを活用した処理も高速に行えるようになっています。
例えば、
- 画像の自動編集
- 動画の自動生成
- 音楽の自動作曲
などのクリエイティブな作業や、
- 顧客対応の自動化
- データ分析
- 不正検知
などビジネス分野での効率化にも役立てることができます。
なお、Ryzen AI 9 HX 370プロセッサはAI処理を低消費電力で行えるようになっています。
そのため、本体を高熱化させることなく、AI処理をさまざまなアプリやサービスで利用できます。
<AI性能を比較比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・50 AI TOPS
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・16 AI TOPS
- 3.「Mac mini M4」・・・11TOPS
違い3:グラフィック性能
AMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサに内蔵されているGPUはRadeon 890M グラフィックスで、
ゲームや写真編集、動画編集、音楽制作などのクリエイティブな作業で快適に動作します。
GPUのベンチマーク
3DMarkのFire Strikeによるグラフィックスコアは「7700」を記録し、約 8千前後のスコアになります。
ちょうどグラフィックボードのNVIDIA GTX 1050 と同じくらいの性能で、
比較的軽めのPCゲームや高画質なファイルを扱う動画編集、4Kなど重い画像ファイルを扱う写真編集などでも快適に動作します。
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7700」(DirectX 11)
- Time Spy グラフィックスコアで「4084」(DirectX 12)
- 3DMark Wild Life「20,500」
- 3DMark Wild Life Extreme 「6400」
<グラフィック性能を比較>
※3DMark Fire Strikeのグラフィックスコアで比較したものです。
- 1.GTX 1650 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:9000
- 2.Radeon 890M・・・3DMark Fire Strike:8000 前後
- 3.Radeon 780M・・・3DMark Fire Strike:8000 前後
- 4.Radeon 760M・・・3DMark Fire Strike:7800 前後
- 5.GTX 1050 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:7300
- 6.Radeon 680M・・・3DMark Fire Strike:6000 前後
- 7.GTX 950 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:6000
違い4:ゲーム性能
AMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサはAMD RDNA3.5アーキテクチャを採用したグラフィックスで、
様々なAAAゲームが60FPS以上で快適にプレイできます。
また、従来のグラフィックスと比較して、パフォーマンスが30%以上向上し、より快適にゲームをプレイできるようになっています。
公式サイトでは、人気ゲームの
- Baldur’s GatがFPS: 87
- SHADOW OF THE TOMB RAIDERがFPS: 77
- FARCRYがFPS: 63
- F1 22がFPS: 113
で動作することが報告されています。
ゲームのベンチマーク
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシーのベンチマークでは、
- FHD解像度で最高品質(デスクトップPC)設定で「4400」(普通)
- FHD解像度で標準品質(デスクトップPC)設定で「7000」(やや快適)
を記録しています。
このスコアはやはり、負荷の高いPCゲームでは良いパフォーマンスを発揮できず、
比較的軽いゲームで快適に動作できることを示しています。
負荷の高い代表的なPCゲームは「エルデンリング」です。
AMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサでは画質を低に設定しても約 40 fpsしかでません(※プレイは可能です)。
ただし、負荷の高いゲームでも画質を下げることに快適に動作するものもあります。
その代表的な例は「Apex Legends」や「オーバーウォッチ2」、「フォートナイト」などです。
これらのゲームは画質を低に設定することで、90 fps以上で動作します。
やや粗めの画質になりますが、問題なくプレイできるので、やはりゲーム用のPCとしても十分に利用できるといえます。
<各ゲームタイトルのフレームレート(FPS) 一覧>
- 1.「エルデンリング」FHD解像度で「低」で40.1fps、「中」で35.7fps、「高」で32.3fps、「最高」で28.9fps
- 2.「Apex Legends」FHD解像度で低画質(デスクトップPC)設定で平均「120」FPS
- 3.「オーバーウォッチ2」FHD解像度で低画質(デスクトップPC)設定で平均「95」FPS
- 4.「モンスターハンターライズ : サンブレイク」FHD解像度で描画設定「低」で197.6fps、「中」で114.8fps、「高」で45.6fps
- 5.「フォートナイト」FHD解像度で描画設定「低」で97.8fps、「中」で74.7fps、「高」で49.1fps、「最高」で33.6fps
- 6.「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」FHD解像度で「LOWEST」で59.90 fps、「LOW」で59.95 fps、「NOMAL」で51.49 fps
違い5:5インチ四方のコンパクトでスタイリッシュなデザイン
新モデル「Minisforum AI370」は5インチ四方のコンパクトで、スタイリッシュな外観になっています。
サイズは127 x 130 x 46.9 mmで、CDケースより少し大きく、一般的な文庫本より小さくなります。
素材には高品質で耐久性のあるプラスチック素材を採用し、
カラーはフロストシルバーのみを用意しています。
金属製ではありませんが、頑丈で軽く、耐久性にも優れているので安心です。
前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」と比べると、ほぼ同じ大きさですが、
厚さは新モデル「Minisforum AI370」の方が約2cmほど薄くなります。
また、「MINISFORUM UH125 Pro」と比較すると、新モデルの方が一回りサイズが小さくなり、
重さも 333gほど軽くなっています。
<サイズ・重量を比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・ 127 x 130 x 46.9 mm / 470g
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・127 x 130 x 66.6 mm / 約695.5g
- 3.「MINISFORUM UH125 Pro」・・・145 x 145 x 54 mm / 803g
違い6:USB4ポートを搭載・合計で5つのUSBポートを利用できる
新モデル「Minisforum AI370」は小型ながらも様々なインターフェースを搭載し、様々な周辺機器と接続できるようになっています。
前面インターフェース
本体の前面にUSB4ポートと2つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポート、3.5 mmコンボジャックを搭載しています。
USB4ポートは最大40Gbps(ギガビット毎秒)のデータ転送速度、最大100Wの電力を供給できる USB Power Delivery(USB-PD)規格、
DisplayPort 2.0の映像出力(8K)に対応しています。
また、USB3.2 Gen2 Type-A ポートは最大10Gbpsの転送が可能です。
背面インターフェース
背面には2つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポート、HDMI 2.1ポート、DP2.0 ポート(ディスプレイポート) x1、2つの有線LAN端子(RJ45 2.5G イーサネットポート)を搭載しています。
HDMI 2.1ポートは最大8K@60Hzおよび4K@120Hzの解像度とリフレッシュレートをサポートします。
DP2.0 ポートは最大80Gbpsのデータ転送速度をサポートし、最大16K@60Hz、8K@120Hz、4K@240Hzで映像出力できます。
USB端子の数
USB端子は前面にあるUSB4ポートと2つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポート、背面にある2つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポートを合わせて、
合計で5つのUSBポートを利用できるようになっています。
USBポートの数が多いため、別途USBハブなどを用意する必要はありません。
<USBポートを比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・USB4と4つのUSB3.2 Gen2 Type-A (合計5つ)
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・2つのUSB 4.0、4つのUSB3.2 Gen2(合計6つ)
- 3.「MINISFORUM UH125 Pro」・・・2つのUSB4、2つのUSB3.2 Gen2、USB3.2 Gen1、USB2.0(合計6つ)
違い7:3画面出力に対応・DP2.0ポート搭載で最大16Kの映像出力も利用できる
新モデル「Minisforum AI370」はUSB4ポート、HDMI2.1、DP2.0を利用し、3つのモニターに同時に映像出力できるようになっています。
- USB4ポート・・・DisplayPort 2.0の映像出力(8K)に対応
- HDMI2.1・・・最大8K@60Hzおよび4K@120Hzの解像度とリフレッシュレートをサポート
- DP2.0・・・最大80Gbpsのデータ転送速度をサポートし、最大16K@60Hz、8K@120Hz、4K@240Hzをサポート
前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」は2つのUSB4、HDMI 2.1、DP1.4ポートを利用して4画面 出力が可能でした。
「MINISFORUM UH125 Pro」も4画面出力(USB4 x2、HDMI 2.0、DP1.4)に対応しています。
新モデルは出力できるモニターの数が1つ少ないですが、
DP2.0に対応し、最大16K@60Hzや8K@120Hzの映像出力も利用できるようになっています。
<映像出力を比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・3画面出力(USB4、HDMI2.1、DP2.0)
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・4画面 出力(USB4 x2、HDMI 2.1、DP1.4)
- 3.「MINISFORUM UH125 Pro」・・・4画面出力(USB4 x2、HDMI 2.0、DP1.4)
違い8:32GB LPDDR5X メモリで高速に転送できる
新モデル「Minisforum AI370」は32GB LPDDR5X-7500MHz メモリを搭載しています。
このメモリは7500 MT/sの高速転送に対応しています。
そのため、複数のアプリケーションを同時に起動したり、重い処理を行う場合でも、快適に動作します。
なお、オンボード仕様のため、メモリを増設することはできません。
前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」は32GB / 64GB DDR5-5600MHz メモリを搭載し、最大64GBまで増設できました。
「MINISFORUM UH125 Pro」は32GB DDR5-5600MHz メモリを搭載し、最大96GBまで増設できるようになっています。
<メモリ仕様を比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・32GB LPDDR5X-7500MHz(増設不可)
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・32GB / 64GB DDR5-5600MHz(最大64GBまで)
- 3.「MINISFORUM UH125 Pro」・・・32GB DDR5-5600MHz(最大96GBまで)
違い9:1TBのM.2 SSD ストレージを搭載・2スロット搭載で、最大4TBまで増設できる
新モデル「Minisforum AI370」は1TBのM.2 M.2 2280 PCIe4.0 SSD ストレージを搭載しています。
このストレージはNVMe規格で、従来のSATA SSDよりも高速なデータアクセス速度を実現し、OSやアプリケーションの起動、ファイルの読み書きなどを高速化します。
また、2つのM.2 2280 PCIe4.0 SSD スロットを搭載し、合計で最大4TBまで増設できます。
<ストレージを比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD(合計で4TB)
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・ 512GB/1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD x2(合計で4TB)
- 3.「MINISFORUM UH125 Pro」・・・1TB M.2 2280 PCIe 4.0 SSD(最大4TB)
違い10:3本の銅製ヒートパイプ、ヒートシンク、大型ファンで熱を効率よく排出できる
新モデル「Minisforum AI370」は AMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサを安定して動作させるため、強力な冷却システムを搭載しています。
具体的には、CPUの熱を効率的にヒートシンクに伝える、3本の銅製ヒートパイプを搭載。
表面積の広いヒートシンクで本体内の熱を循環させ、大型の静音ファンで熱を外部に排出します。
前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」はCold Wave 2.2と呼ばれる強力な冷却システムを搭載し、
液体金属グリス、8mm径ヒートパイプ、高密度ブレードファンで効率的に熱を排出していました。
「MINISFORUM UH125 Pro」も冷却システムを搭載し、銅製ヒートパイプ、最適化されたエアフロー、大型冷却ファンで熱を排出します。
<冷却システムを比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・3本の銅製ヒートパイプ、広い面積のヒートシンク、大型の静音ファン
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・Cold Wave 2.2、液体金属グリス、8mm径ヒートパイプ、高密度ブレードファン
- 3.「MINISFORUM UH125 Pro」・・・銅製ヒートパイプ、最適化されたエアフロー、大型冷却ファン
「Minisforum AI370」のデメリット
「Minisforum AI370」のデメリットを紹介します。
デメリット1:Oculinkポートがない
「Minisforum AI370」はOculinkポートを搭載していません。
そのため、最大63Gbpsの高速転送で、外付けのGPUボックス「GPD G1」と接続し、グラフィック性能を大幅に上げることができません。
一方、前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」と「MINISFORUM UH125 Pro」はOculinkポートを搭載しています。
デメリット2:4画面出力に対応していない
「Minisforum AI370」は4つのモニターに同時に映像出力することができません。
一方、前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」は4画面出力に対応しています。
デメリット3:メモリを増設できない
「Minisforum AI370」はオンボード仕様のため、メモリの容量を増設できません。
一方、前モデル「MINISFORUM UM890 Pro」は最大64GBまで、
「MINISFORUM UH125 Pro」は最大96GBまでメモリを増設できます。
「Minisforum AI370」のスペック
- プロセッサ AMD Ryzen AI 9 HX 370
※Zen 5(4nm)/12コア/24スレッド/最大5.1GHz/TDP28W - NPU XDNA 2 (NPU Performance:50TOPS、Total Processor Performance:最大 80 TOPS)
- GPU Radeon 890M(16CU)
- RAM(メモリ)32GB LPDDR5X-7500MHz ※オンボード
- ストレージ 1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD スロット x2
- 外部ストレージ 合計で最大4TBまで増設が可能
- 電源 DC 19V(電源アダプター含み)
- ワイヤレス通信 Wi-Fi6E、Bluetooth 5.3 (M.2 2230 WIFI サポート)
- 有線LAN 2500Mbps LAN x2
- 前面インターフェース USB4ポート x1、USB3.2 Gen2 Type-A ポート x2、3.5 mmコンボジャック x1
- 背面インターフェース USB3.2 Gen2 Type-A ポート x2、HDMI 2.1 x1、DP2.0 x1、RJ45 2.5G イーサネットポート x2
- 映像出力 8K・3画面出力(USB4ポート、HDMI2.1、DP2.0)
- 冷却システム 大型ファン(CPU静音ファン、SSDスマートファン)、3つの銅製ヒートパイプ、効率的な放熱性能、静音
- OS Windows 11(※Copilot インストール済み)
- サイズ 127 x 130 x 46.9 mm
- 重量 470g
- カラー フロストシルバー
- 付属品 電源アダプター x1、電源ケーブル x1、HDMI ケーブル x1、取扱説明書(日本語対応) x1
「Minisforum AI370」の評価
7つの基準で「Minisforum AI370」を5段階で評価してみました。
- スペック:★★★★★
- デザイン:★★★★
- 通信:★★★★
- 機能(拡張性):★★★
- 冷却性能:★★★★
- 使いやすさ:★★★★★
- 価格:★★★
<総合評価>
Minisforumから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサを搭載したミニPCです。
パワフルな性能を発揮しつつ、AI処理に優れたXDNA 2 AIエンジンを備え、高いAI処理能力も備えています。
まず、いろいろと調べてみた結果気づいたのは、非常にCPUの性能が高く、かつAIの性能も高いということです。
従来のAMD Ryzen 9 8945HS プロセッサも非常に高いCPU性能を備えていましたが、
AIの処理能力は16 AI TOPS で、それほど高くはありませんでした。
一方、Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサはAI処理能力にも優れ、50 AI TOPSを実現しています。
つまり、Ryzen 9 8945HSよりも3倍以上高いAI処理能力を持っており、
非常に負荷のかかるAI処理でもスムーズに行えるという特徴があります。
具体的に想定される作業としては、高画質な動画の生成です。
画像を生成するくらいなら、それほど高い性能は不要ですが、
高画質な動画をAIで生成するとなると、かなりの負荷がかかり、
やや古めの中古パソコンごときでは全く使い物になりません。
しかし、「Minisforum AI370」ではそのような作業でも、CPUの超パワフルな性能と組み合わせて、
サクサク行えるのです。
さらにAIで動画を自動生成できるようになると、「テキストを書く」→「それに合わせた動画をAIで自動生成する」、
という流れで、YouTubeなどに投稿する動画を大量に作成することが可能になります。
もちろん、面白い動画コンテンツを作れば、それに見合った報酬を得ることも可能です。
これがいわゆるAI革命の一例です。
利用する人は利益が増え、利用しない人はどんどん利益が少なくなっていくという仕組みです。
何に利用するかは人によって違うと思いますが、
AIの性能が高いPCを使ってコンテンツを作成出来る方が優位であることは明らかです。
(まとめ)
新モデル「Minisforum AI370」は非常にパワフルなCPU性能と優れたAI処理能力を搭載し、
従来では難しかった負荷のかかる処理もスムーズに行えるようになっています。
うまく利用すれば、多くのコンテンツを作成し、それに見合った利益が得られるのが魅力です。
これからAIを使ってどんどんコンテンツを作っていきたいと考えている人におすすめです。
「Minisforum AI370」の価格・販売先
MINISFORUM公式サイト
179,980円、で販売されています。
※7,500円クーポンコード(AI370)をコピーしてチェックアウト時にご利用できます。※チェックアウトする前に製品をカートに追加してください。ギフトは自動的にカートに追加されます。
※プレゼントあり(10月29-11月19日の期間限定):15000円ギフト カード+収納ポーチ(灰色 / 280*210*90mm)
MINISFORUM公式サイトで「Minisforum AI370」をチェックする
※支払い方法はApple Pay、クレジットカード、PayPalです。
ECサイト
※販売予定です。まだ入荷していません。
Amazonで「Minisforum AI370」をチェックする
楽天市場で「Minisforum」をチェックする
ヤフーショッピングで「Minisforum」をチェックする
AliExpressで「Minisforum」をチェックする
米国 Amazon.comで「Minisforum AI370」をチェックする
おすすめの類似製品を紹介
「Minisforum AI370」に似た性能をもつミニPCも販売されています。
「GEEKOM GT1 Mega」
GEEKOMから発売されたIntel Core Ultra 9 185H / Core Ultra 7 155H / Core Ultra 5 125H 搭載のミニPCです(2024年10月発売)。
32GB DDR5 5600MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD、Windows 11 Proを搭載しています。
また、高度なAI処理、4画面出力、2つのUSB 4.0ポート、VESAマウント、 ケンジントンロック、冷却システム、USB3.2 Gen2 Type-A x5、USB 2.0 Type-A x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、デュアル 2.5G ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで109,900円(Core U7-155Hモデル・Core U9-185Hモデルは139,900円)、楽天市場で138,625円(送料無料・Core U7-155H)、米国 Amazon.comで$989.00 (ore Ultra U9-185H)、です。
関連記事:GEEKOM GT1 Megaレビュー!AI性能もゲームも本当にOK?
「GMKtec NucBox K8 Plus」
GMKtec から発売されたAMD Ryzen 7 8845HS プロセッサ搭載のミニPCです(2024年10月に発売)。
Windows 11 Pro、32GB DDR5-5600メモリ、1TB/2TB SSD M.2 (2280 PCle Gen 4.0) ストレージ、Oculink ポート、2つのLANポートを搭載しています。
また、3画面出力(USB4、HDMI 2.1、DP2.1)、最大8TBまでのストレージ拡張(M.2 2280)、最大96GBまでのメモリ拡張、冷却システム、VESAマウント、USB 4.0 Type-C (40Gbps/PD充電/DP1.4) x2、USB3.2 (Gen2/10Gbps) x2、USB 2.0 x1、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5Gbpsのデュアル ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで128,000円(税込・32000円OFFクーポン付き)、楽天市場で99,999円(送料無料)、AliExpressで56,927円(※ベアボーンモデル)、米国 Amazon.comで$749.99 ($200 OFFクーポン付き)、です。
関連記事:最速で最強「GMKtec NucBox K8」とハイエンド小型PCを比較
「Mac mini M4」
Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。
Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。
また、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで94,800円(税込)です。
関連記事:Apple AI対応「Mac mini M4」とM2、M1モデルを比較
「GEEKOM A8」
GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 9 8845HS プロセッサ 搭載のミニPCです。
AMD Radeon 780M グラフィックス、32GB DDR5-5600MHz メモリ、1TB/2TB SSD NVMe x4 Gen 4 ストレージを搭載しています。
また、4K 4画面 出力、冷却システム「IceBlast 1.5」、最大2TBまでのストレージ拡張、最大64GBまでのメモリ拡張、USB 4 Gen3 Type-C (40Gbps/PD/DP) x1、USB 3.2 Gen 2 Type-C x1、USB 3.2 Gen 2 Type-A x3、USB 2.0 Type-A x1、Wi-Fi 6E、BlueTooth 5.2、2.5G ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで134,000円(Ryzen 9 8945HS)、楽天市場で112,430円、米国 Amazon.comで$699.00(Ryzen 7 8845HS)です。
関連記事:AIで最強「GEEKOM A8」ミニPCのメリット・デメリットを解説
「Beelink SER8」
Beelinkから発売されたAMD Ryzen 7 8845HS 搭載のミニPCです。
32GB DDR5-5600 メモリを搭載。1TB M.2 2280 PCle4.0 x4 ストレージを搭載しています。
また、4K 3画面出力(USB4、DP、HDMI)、最大4TBまでのストレージ拡張、冷却システム「MSC 2.0」、静音ファン、自動電源ON、USB4 (40Gbps/PD3.0/DP1.4) x1、Type-C (10Gbps/Data) x1、USB 3.2 (10Gbps) x1、USB 2.0 (480Mbps) x2、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット 有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで123,800円 (税込・25000円OFFクーポン付き)、楽天市場で156,000円、ヤフーショッピングで178,400円、AliExpressで93,648円、米国 Amazon.comで$749.00 です。
関連記事:AIに強い「Beelink SER8」ミニPCとSER7との違いを解説
他のMINISFORUM ミニPCと比較
他にもMINISFORUMのミニPCが販売されています。2024モデルもあるのでぜひ比較してみてください。
MINISFORUMのハイスペックな小型PC ラインナップ まとめ
その他のおすすめ小型PCは?
その他のおすすめ小型PCは以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。
海外製の小型PCをまとめて紹介しています。
ミニPCはインテル N100 搭載モデルを選べ! 2024 最新機種と選び方
国内で販売されたリビング用の小型PCをまとめて紹介しています。