AIに強いNPUを搭載した「GEEKOM GT1 Mega」。早くも「4画面でAIの作業もサクサクとこなせそう」と評判です。しかし、その一方で「複数のモデルがあり、どれを買っていいのか分からない」という人も多くいるようです。
そこで今回はCore Ultra 9 185H搭載モデルとCore Ultra 7 155H搭載モデルの違いが分かるように
- プロセッサ性能
- グラフィック性能
- AI性能
を詳細に解説します。
また、前モデルの「GEEKOM NUC GT13 PRO」や「GEEKOM NUC GT12 PRO」との違いがよく分かるように、
- メモリ
- ストレージ
- 映像出力
- 通信性能(Wi-Fi 7)
についても紹介します。そのほか、ベンチマークやゲーム性能、スペック、
購入する前に知っておきたいデメリットや評価、詳細な価格情報もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
「GEEKOM GT1 Mega」とは?
「GEEKOM GT1 Mega」(ギコム ジーティー1 メガ)は、2024年10月に台湾のPCメーカー GEEKOMから発売されたWindows 11 Pro搭載のミニPCです。
第14世代のIntel Core Ultra 9 185H / Intel Core Ultra 7 155H / Intel Core Ultra 5 125H プロセッサを搭載した3つのモデルを用意しています。
前モデルには第13世代の インテル CORE I9-13900H搭載の「GEEKOM NUC GT13 PRO」(2024年6月に発売)、
インテル Core i9/i7/i5搭載の「GEEKOM NUC MINI IT13」(2024年1月に発売)があります。
このミニPCは「コンパクトサイズでも超高速に動作する」、「豊富なインターフェースがあって使いやすい」と評判でした。
GEEKOMからはこの他にも第12世代 インテル Core i9-12900H 搭載の「GEEKOM XT12 Pro」(2024年4月に発売)、
インテル N100 搭載の「GEEKOM NUC Mini Air 12」(2024年3月に発売)が発売され、
いずれも高評価を得ています。
新モデルはAI処理能力に優れたNPUを搭載し、4画面出力に対応していることで話題になっています。
もちろん、原神などのPCゲームもサクサクとプレイできますよ。
それでは早速、どんなミニPCなのか、その価格や特徴(メリット)をくわしく見ていきましょう。
この製品の購入はこちら→ Amazon リンク
公式サイト: GEEKOM AI PC NUC GT1 Mega 第14世代 インテル® CORE™ Ultra7-155H/ Ultra9-185H
価格は約11~14万前後・約18万の超高性能モデルより安いが本当にお買い得か?
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」のくわしい特徴(メリット)を見ていく前に、関連した製品の価格を全体的に抑えておきましょう。
まず、新モデル「GEEKOM GT1 Mega」はCore U9-185Hモデルで139,900円、Core U7-155Hモデルで109,900円で販売されています(※AmazonとGEEKOM公式サイトの価格は同じです)。
一方、前モデルで第13世代 i7-13620H/ i9-13900H搭載の「GEEKOM NUC GT13 PRO」はAmazonで132,000円(税込・i9-13900H)、
第12世代 i7-12650H、i9-12900H搭載の「GEEKOM NUC GT12 PRO」が95,900円(税込・i9-12900H)で販売されていました。
新モデルとの価格差はあまりなく、同じくらいの価格帯です。
他メーカーでは、Ryzen AI 9 HX 370搭載の「Minisforum AI370」は通常価格で179,980円(割引で157480円で購入可能)で予約受付中。
Intel Core Ultra 5 125H搭載の「MINISFORUM UH125 Pro」はAmazon クーポン適用で97,374円(税込)で販売中です。
また、Apple M4チップ搭載の「Mac mini M4」は楽天市場で96,100円で発売中。
Intel Core Ultra 5 125H プロセッサ 搭載の「GMKtec NucBox K9」はAmazonクーポン適用で90,800円で販売中です。
AI性能の高いミニPCはやはり10万円以上になることが多いです。最安でも9万円で新モデルとの価格差は1万円程度です。
ただし、Ryzen AI 9 HX 370搭載の「Minisforum AI370」と比べると、新モデルの最上位モデルを選んでも約4万円も安くなります。
果たして新モデル「GEEKOM GT1 Mega」はこれらのミニPCよりもお買い得なのでしょうか?
くわしい特徴(メリット)を見ていきましょう。
CPU性能の違いを検証
Core Ultra 9 185H VS Core Ultra 7 155H
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」には第14世代の3つのプロセッサ(Intel Core Ultra 9 185H / Intel Core Ultra 7 155H / Intel Core Ultra 5 125H)が用意されています。
このうち、なるべく性能の高いものを選ぶとすると、
最上位のIntel Core Ultra 9 185H搭載モデルか、それとも上位のIntel Core Ultra 7 155H搭載モデルのどちらかの選択になります。
性能の差が非常に大きいのであれば、最上位のCore Ultra 9 185Hで決まりですが、
もし仮にそれほど大きな差はなく、価格が安くなるのであれば、Core Ultra 7 155Hの方がお得そうです。
どちらを選択するべきなのか、まずはこの2つのプロセッサの性能の違いを明らかにしてみましょう。
Core Ultra 9 185HのCPUベンチマーク
Core Ultra 9 185H プロセッサはPassmarkのCPUベンチマークで約2万9千を記録していました。
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークで「29353」
- Geekbench 6のシングルコア「2239」、マルチコア「11942」
- Cinebench R23 シングルコア「1850」、マルチコア「18550」
- Cinebench 2024 シングルコア「105」、マルチコア「1140」
Core Ultra 7 155Hのベンチマーク
一方、Core Ultra 7 155Hの方はPassmarkのCPUベンチマークで約2万5千を記録していました。
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークで「24967」
- Geekbench 6のシングルコア「2523」、マルチコア「11133」
- Cinebench R23 シングルコア「1790」、マルチコア「15530」
- Cinebench 2024 シングルコア「105」、マルチコア「840」
PassmarkのCPUベンチマークの結果は約4千の差で、それなりの差はありますが、非常に大きな差とまではいかず、許容範囲内であるといえます。
Geekbench 6やCinebench R23、Cinebench 2024でも明らかな差はありますが、やはり大きな差とまではいえません。
このぐらいの差であればCore Ultra 7 155Hでも良さそうです。
他のCPU性能と比較
他のCPUとも比べてみましょう。
Core Ultra 9 185Hは、Ryzen 9 8845HSやAMD Ryzen 9 8945HSと同じくらいのスコアです。
Intel Core Ultra 7 155HはRyzen 7 7735HSに近いスコアです。
Core Ultra 5 125Hとの差は約2千ほどで、それほど大きな差はありません。
<CPUランキング>
※PassmarkのCPUベンチマーク(マルチ)のスコアで比較したものです。
- 1.Ryzen AI 9 HX 370 (Minisforum AI370)・・・Passmark:35427
- 2.AMD Ryzen 7 8700G (Minisforum MS-A1)・・・Passmark:31723
- 3.Ryzen 9 7940HS (GEEKOM A7 / MINISFORUM UM790 Pro)・・・Passmark:30504
- 4.★ Core Ultra 9 185H (GEEKOM GT1 Mega)・・・Passmark:29353
- 5.AMD Ryzen 9 8845HS (GEEKOM A8)・・・Passmark:29381
- 6.AMD Ryzen 9 8945HS (MINISFORUM UM890 Pro)・・・Passmark:29246
- 7.Ryzen 7 7840HS (Beelink SER7/MINISFORUM UM780 XTX)・・・Passmark:29937
- 8.Core i9-13900H (Minisforum MS-01)・・・Passmark:29694
- 9.Ryzen 7 8845HS (Retro Mini PC AM02 / GEEKOM A8/Beelink SER8/GMKtec NucBox K8)・・・Passmark:28708
- 10.Core Ultra 9 185H (Minisforum AtomMan X7 Ti)・・・Pssmark:28465
- 11.Core i9-12900H (GEEKOM XT12 Pro)・・・Passmark:28206
- 12.★ Core Ultra 7 155H (GEEKOM GT1 Mega)・・・Passmark:24967
- 13.Ryzen 7 7735HS (GMKtec NucBox K5)・・・Passmark:24225
- 14.★ Core Ultra 5 125H (MINISFORUM UH125 Pro/GMKtec NucBox K9)・・・Pssmark:22418
- 15.Ryzen 7 5800H (Beelink SER5 MAX)・・・Passmark:21080
- 16.Core i9-11900H (GMKtec M4)・・・Passmark:20647
次にグラフィック性能をチェックしていきましょう。
グラフィック性能の違いを検証
Core Ultra 9 185H VS Core Ultra 7 155H
グラフィック性能において、Core Ultra 9 185H と Core Ultra 7 155Hで大きな違いはあるのでしょうか?
どちらもIntel Arc グラフィックスを採用している点は同じです。
ベンチマークで違いがあるのかを確かめてみましょう。
Core Ultra 9 185H プロセッサは3DMark Fire Strikeのグラフィックスコアで「7160」を記録しています。
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7160」(DirectX 11)
- Time Spy グラフィックスコアで「3550」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「28250」
一方、Core Ultra 7 155HはFire Strikeのグラフィックスコアで「6870」を記録していました。
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「6870」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「1370」
- Time Spy グラフィックスコアで「2780」(DirectX 12)
Fire Strikeのグラフィックスコアのスコア差は約290となり、それほど大きな差はありません。
しかし、Time Spy のグラフィックスコアではCore Ultra 9 185Hが「3550」、
Core Ultra 7 155Hが「2780」と770の差が出ています。
大きさ差があるとまではいきませんが、やはりグラフィック性能はCore Ultra 9 185H プロセッサの方が高いようです。
ゲームや3Dモデリング・アニメーション、動画編集、CAD、重いファイルを扱う画像編集、機械学習などを頻繁に扱う人は、
少々無理をしてもCore Ultra 9 185H プロセッサの方を選んだ方がいいでしょう。
逆に上記の用途であまり使用しなければ、Core Ultra 7 155Hでも十分であるといえます。
他のGPUと比較
他のGPUやグラフィックボードとも比較してみましょう。
インテル Arc グラフィックスはグラフィックボードのNVIDIA GTX 1050 と同じくらいの性能です。
最新のRadeon 890Mと比べると、スコアが約1000 低くなります。
<グラフィック性能を比較>
※3DMark Fire Strikeのグラフィックスコアで比較したものです。
- 1.GTX 1650 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:9000
- 2.Radeon 890M・・・3DMark Fire Strike:8000 前後
- 3.Radeon 780M・・・3DMark Fire Strike:8000 前後
- 4.Radeon 760M・・・3DMark Fire Strike:7800 前後
- 4.GTX 1050 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:7300
- 5.★インテル Arc グラフィックス・・・3DMark Fire Strike:7000
- 6.Radeon 680M・・・3DMark Fire Strike:6000 前後
- 7.GTX 950 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:6000
AI性能の違いを検証
Core Ultra 9 185H VS Core Ultra 7 155H
AI性能において、Core Ultra 9 185H と Core Ultra 7 155Hは違いがあるのでしょうか?
どちらもIntelのMeteor Lake世代のCPUで、AI処理に特化したIntel AI Boost (NPU)を搭載している点は同じです。
インテルから具体的なTOPSの数値は発表されていないため、違いがあるのかどうかが不明です。
※Core Ultraシリーズは大雑把に「11TOPSと同性能」であることだけ公開されています。
しかし、Core Ultra 9 185H のGeekbench 5 MLのベンチマークは約28000点であることが判明しており、
非常に高いAI処理能力を持っていることがうかがえます。
ただし、Core Ultra 7 155HのGeekbench 5 ML ベンチマーク結果は不明で、今のところ両プロセッサのAI性能を比較することはできません。
Core Ultra 7 155HのAI性能は、他のベンチマークでならある程度判明しています。
UL Procyon AI Image Generation Benchmark (Stable Diffusion1.5FP16 / OpenVINO)
※AI画像生成のパフォーマンスをチェックするツール
画像1枚あたりの生成速度 78.569s
UL ProcyonのAI Computer Vision Benchmark
※NPUの存在がAI処理にどれだけ貢献するのかをチェックするツール
CPUで79、NPUで269
ある程度高いAI性能であることが分かりますが、今度は逆にCore Ultra 9 185H プロセッサの方のベンチマーク結果がわかりません。
結局、今のところ、CPUの性能からAI性能の違いを推測することしかできないようです。
試しに、3DMark CPU Profileで調べてみると、両CPUのAI性能が明らかになります。
<Core Ultra 9 185Hの3DMark CPU Profile ベンチマーク結果>
最大スレッド: 1481
16スレッド: 1292
8スレッド: 794
4スレッド: 427
2スレッド: 228
1スレッド: 122
<Core Ultra 7 155Hの3DMark CPU Profile ベンチマーク結果>
最大スレッド: 1177
16スレッド: 1019
8スレッド: 625
4スレッド: 338
2スレッド: 181
1スレッド: 97
このデータをみると、やはりCore Ultra 9 185H の方が Core Ultra 7 155H よりも高いCPU性能をもち、どうやらAI処理性能も高いことがうかがえます。
動画の生成、高画質な画像の生成など、大量データの分析などでAIを使った作業を頻繁にする人は、
なるべくCore Ultra 9 185H プロセッサを搭載したモデルを選んだ方がいいでしょう。
あまり負荷のかからない一般的なAI機能を利用するのであれば、Core Ultra 7 155H でも十分です。
参考までにTOPS(1秒間に11兆回のAI演算)の違いも示しておきます。Core Ultra 9 185H、Core Ultra 7 155Hは分かり次第追記します。
<AI性能を比較比較>
- 1.「Minisforum AI370」・・・50 AI TOPS
- 2.「MINISFORUM UM890 Pro」・・・16 AI TOPS
- 3.「Mac mini M4」・・・11TOPS
ゲーム性能の違いを検証
Core Ultra 9 185H VS Core Ultra 7 155H
ゲーム性能において、Core Ultra 9 185H と Core Ultra 7 155Hはどのくらいの違いがあるのでしょうか?
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシーのベンチマークを使って調べてみました。
<Core Ultra 9 185Hの場合>
- FHD解像度で最高品質(デスクトップPC)設定で「5670」
- FHD解像度で標準品質(デスクトップPC)設定で「8880」
<Core Ultra 7 155Hの場合>
- FHD解像度で最高品質(デスクトップPC)設定で「4200」
- FHD解像度で標準品質(デスクトップPC)設定で「7900」
ゲームの性能においてはやはりCore Ultra 9 185Hの方が性能が高いといえます。
ゲームを頻繁にプレイする人はなるべく、Core Ultra 9 185Hの方を選んだ方がいいでしょう。
しかし、どちらも負荷が非常に高いゲームには不向きで、比較的軽いPCゲームで快適に動作する点は同じです。
負荷の高いPCゲームはいずれも画質を下げてプレイすることになるため、大きな違いはないといえます。
Core Ultra 9 185H、Core Ultra 7 155Hを使用した場合の各ゲームタイトルのフレームレートはまだ詳細が判明していませんが、
Core Ultra 5 125H プロセッサのものなら判明しています。参考までに示しておきます。※画質は基本的に「低」設定です。
<各ゲームタイトルのFPS・Core Ultra 5 125H>
- 原神・・・50-60 FPS
- Fortnite Battle Royale・・・FPS:78
- GRID Legends・・・FPS:41
- Forza Horizon 5・・・FPS:76
- Fallout 4・・・FPS:60
- Rise of the Tomb Raider・・・FPS:37
- The Witcher 3 Wild Hunt・・・FPS:49
- Cyberpunk 2077・・・FPS:34
- GTA V・・・FPS:70
- Monster Hunter World・・・FPS:58
- DOTA 2・・・FPS:80
- Counter Strike 2・・・FPS:39
- Overwatch 2・・・FPS:88
- The King of Fighters XV・・・FPS:60
- Street Fighter 6・・・FPS:61
- Tekken 8・・・FPS:57
0.5リットルのコンパクトサイズ・アルミボディで耐久性もあり
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」はわずか0.5リットルのコンパクトさで、スタイリッシュなデザインになっています。
筐体の素材はアルミ製で、光沢があり、耐久性も優れています。
また、VESAマウントに対応し、モニター背面に設置してスペースを有効活用できます。
マウントに必要なキットやネジも付属します。
<サイズ・重量を比較>
- 1.「GEEKOM GT1 Mega」・・・135 x 132 x 46.9 mm / 約 575 g
- 2.「GEEKOM NUC GT13 PRO」・・・117 x 112 x 49.2 mm / 約 652 g
- 3.「GEEKOM NUC GT12 PRO」・・・117 × 112 × 49.2 mm / 約 652g
違い:2つのUSB4ポートを搭載・合計で8つのUSBポートを利用できる
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」はコンパクトなサイズながらも豊富なインターフェースを備えています。
前面インターフェース
前面には、USB3.2 Gen2 Type-A x4、3.5mm ステレオヘッドセットジャック x1、電源ボタン x1があります。
USB3.2 Gen2 Type-Aは最大転送速度10Gbpsの転送が可能です。
背面インターフェース
背面にはUSB 4.0 x2、USB3.2 Gen2 Type-A x1、USB 2.0 Type-A x1、HDMI 2.0 x2に加えて、
RJ45(2.5 Gbps) x2、SD カード 4.0 x1、DCイン x1、ケンジントンロック x1があります。
USB 4.0はUSB4ポートは最大40Gbps(ギガビット毎秒)のデータ転送速度、最大100Wの電力を供給できる USB Power Delivery(USB-PD)規格に対応しています。
HDMI 2.0は最大18.0 Gbpsのデータ転送速度、4K(3840×2160ピクセル)@60Hzの映像出力、4Kで最大60Hzのリフレッシュレート、10ビットカラーや12ビットカラー、HDRに対応しています。
USBポートの数は前面だけで4つ、背面で4つとなり、合計で8つのUSBポートを利用できます。
一方、前モデル「GEEKOM NUC GT13 PRO」と「GEEKOM NUC GT12 PRO」は合計で6つのUSBポートを搭載していました。
新モデルの方が前モデルよりもUSBポートの数が2つ多くなっています。
<USBポートの数を比較>
- 1.「GEEKOM GT1 Mega」・・・合計で8つ
- 2.「GEEKOM NUC GT13 PRO」・・・合計で6つ
- 3.「GEEKOM NUC GT12 PRO」・・・合計で6つ
32GB DDR5メモリを搭載・最大64GBまで増設できる
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」は32GB DDR5 5600MHz デュアルチャンネルメモリを搭載しています。
DDR5 5600MHzの転送速度は、44.8GB/s です。
また、2つのスロットを搭載し、合計で最大64GBまで増設できます。
一方、前モデル「GEEKOM NUC GT13 PRO」と「GEEKOM NUC GT12 PRO」は32GB DDR4 3200MHz (転送速度 25.6GB/s)のメモリを搭載していました。
新モデルは前モデルよりもより高速に転送できるメモリを搭載しています。
<メモリの仕様を比較>
- 1.「GEEKOM GT1 Mega」・・・32GB DDR5 5600MHz(最大64GB)
- 2.「GEEKOM NUC GT13 PRO」・・・32GB DDR4 260PIN 3200MHz(最大64GB)
- 3.「GEEKOM NUC GT12 PRO」・・・32GB DDR4 260PIN 3200MHz(最大64GB)
1TB M.2ストレージを搭載・2スロットがどちらもGen4x 4対応で高速
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」は1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD ストレージを搭載しています。
M.2 2280 PCIE Gen4x 4は。最大で、シーケンシャルリード7,000MB/s、シーケンシャルライト6,000MB/s ほどの速度に達するといわれています。
ストレージ用の拡張スロットも搭載し、M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSDで最大 2TBまで増設できます。
一方、前モデル「GEEKOM NUC GT13 PRO」と「GEEKOM NUC GT12 PRO」も同じ規格、容量のストレージを搭載していますが、
M.2スロットの対応規格が、1つはPCIe 4.0 x4、もう1つはSATA 3.0に対応しています。
新モデルはM.2スロットの対応規格がどちらもPCIe 4.0 x4となり、より高速に転送できるようになっています。
<ストレージの仕様を比較>
- 1.「GEEKOM GT1 Mega」・・・1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD(最大1TB)
- 2.「GEEKOM NUC GT13 PRO」・・・1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD(最大1TB)
- 3.「GEEKOM NUC GT12 PRO」・・・1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD(最大1TB)
4画面出力に対応・4つのモニターで作業できる
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」は4画面出力に対応し、4つのモニターに同時に出力できます。
使用するポートは2つのUSB4ポート、2つのHDMI 2.0ポートになります。
- USB4ポート・・・DisplayPort 2.0の映像出力(8K)に対応
- HDMI 2.0ポート・・・4K(3840×2160ピクセル)@60Hzの映像出力、4Kで最大60Hzのリフレッシュレート
一方、前モデル「GEEKOM NUC GT13 PRO」と「GEEKOM NUC GT12 PRO」も4画面出力に対応していました。
映像出力については新モデルと前モデルは同じ性能になっており、違いはありません。
<映像出力を比較>
- 1.「GEEKOM GT1 Mega」・・・最大4画面(2つのUSB4、2つのHDMI 2.0)
- 2.「GEEKOM NUC GT13 PRO」・・・最大4画面(2つのUSB4、2つのHDMI 2.0)
- 3.「GEEKOM NUC GT12 PRO」・・・最大4画面(2つのUSB4、2つのHDMI 2.0)
Wi-Fi 7の超高速通信を利用できる・Bluetooth 5.4、2.5G有線LAN通信にも対応
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4、2.5Gのギガビット有線LAN通信に対応しています。
- Wi-Fi 7・・・Wi-Fi 6Eと比較して最大4.8倍の速度を実現し、遅延も大幅に削減されています。
- Bluetooth 5.4・・・Bluetooth 5.4に対応し、ワイヤレスイヤホンやキーボードなどの周辺機器をスムーズに接続できます。
- 2.5Gのギガビット有線LAN・・・2.5ギガビットイーサネットに対応し、高速で安定したネットワーク接続を提供します。
一方、前モデル「GEEKOM NUC GT13 PRO」と「GEEKOM NUC GT12 PRO」はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、2.5Gのギガビット有線LAN通信に対応していました。
新モデルはWi-Fi 7に対応したことで、前モデルよりも高速なワイヤレス通信が利用できるようになっています。
また、Bluetoothのバージョンも新モデルの方が前モデルよりも新しい規格になり、高速で安定した通信が利用できるようになっています。
<通信性能を比較>
- 1.「GEEKOM GT1 Mega」・・・Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、2.5Gのギガビット有線LAN通信
- 2.「GEEKOM NUC GT13 PRO」・・・Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、2.5Gのギガビット有線LAN通信
- 3.「GEEKOM NUC GT12 PRO」・・・Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、2.5Gのギガビット有線LAN通信
「GEEKOM GT1 Mega」のデメリット
「GEEKOM GT1 Mega」のデメリットを紹介します。
Oculinkポートなしで外付けGPUと高速に接続できない
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」はOculinkポートを搭載していません。
そのため、最大63Gbpsの高速転送で、外付けのGPUボックスと接続し、グラフィック性能を大幅に上げることができません。
電源ユニットを内蔵していない
新モデル「GEEKOM GT1 Mega」は電源ユニットを内蔵していません。
そのため、外出先に持ち出す際に、必ずACアダプターを持ち歩く必要があります。
「GEEKOM GT1 Mega」のスペック
- プロセッサ Intel Core Ultra 9 -185H / Intel Core Ultra 7-155H / Intel Core Ultra 5-125H
- GPU Intel Arc graphics(U9) / Intel Arc i-GPU(U5,U7)
- RAM(メモリ)32GB DDR5 5600MHz デュアルchannel
- 拡張メモリ 最大 64GBまで (2つのスロット)
- ストレージ 1TB M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD
- 拡張ストレージ 最大 2TBまで(M.2 2280 PCIE Gen4x 4 SSD)
- 電源 ACアダプター 120W-19V/6.32A
- ワイヤレス通信 Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4 (インテル Wi-Fi モジュール内蔵)
- 有線LAN 2 x 100/1000/2500Mbps (2.5G RJ45 LAN)
- 前面インターフェース USB3.2 Gen2 Type-A x4、3.5mm ステレオヘッドセットジャック x1、電源ボタン x1
- 背面インターフェース USB 4.0 x2、USB3.2 Gen2 Type-A x1、USB 2.0 Type-A x1、HDMI 2.0 x2、RJ45(2.5 Gbps) x2、SD カード 4.0 x1、DCイン x1、ケンジントンロック x1
- 映像出力 4画面出力
- VESAマウント 対応
- セキュリティ ケンジントンロック
- 筐体 アルミニウム
- OS Windows 11 Pro (プリインストール済み)
- サイズ 135 x 132 x 46.9 mm
- 重量 約 575 g
- カラー グレー
「GEEKOM GT1 Mega」の評価
7つの基準で「GEEKOM GT1 Mega」を5段階で評価してみました。
- スペック:★★★★
- デザイン:★★★★
- 通信:★★★★
- 機能(拡張性):★★★★
- 冷却性能:★★★★
- 使いやすさ:★★★★★
- 価格:★★★
<総合評価>
台湾のPCメーカー GEEKOMから発売されたミニPCです。
第14世代のIntel Core Ultra 9 185H / Intel Core Ultra 7 155H / Intel Core Ultra 5 125H の3つのプロセッサを用意し、
高いAI性能やグラフィック性能も備えています。
最上位のCore Ultra 9 185H、上位のCore Ultra 7 155H搭載モデルにおいては、
CPUの性能が非常に高く、価格も10万~13万であることから、コスパは高いといえます。
しかし、AIに関する性能は未知数でまだよく分からない部分も多いことは確かです。
特に比較の対象として使用しやすい具体的な「TOPS」の数値が公開されていないなど、致命的なほど情報不足になってます。
Intel Core Ultra 5 125H に関しては34~40TOPSであると言われている(※まだ詳細は不明)ので、
最上位のCore Ultra 9 185H、上位のCore Ultra 7 155Hはそれ以上であると期待したいのですが、
はっきりとした情報がない以上、なんともいえません。
今のところ、AIの性能を目当てに購入するのなら、
50 TOPS の処理能力を備える「Minisforum AI370」(AMD Ryzen AI 9 HX 370)の方が無難です。
ただし、グラフィック性能は十分に判明しており、
動画編集やアニメ制作、音楽制作、PCゲーム用として使うのはアリだと思います。
特に4画面出力に対応している点は非常に便利で、
4つのモニターを同時に使用しながら動画編集をするといった使い方が最適です。
USBポートも合計8つと非常に多いので、多くの周辺機器と接続して使いたいというユーザーにも最適です。
メモリやストレージを増設できる点も拡張性において高く評価できます。
第14世代のIntel Core Ultra プロセッサを搭載した高性能なミニPCを探している人におすすめします。
「GEEKOM GT1 Mega」の価格・販売先
GEEKOM公式サイト
Intel Core Ultra 9 -185Hモデルで139,900円、
Intel Core Ultra 7-155Hモデルで109,900、
で販売されています。
※支払い方法はクレジットカード、PayPal、Apple Pay、American Express、銀行振込、 shoppayです。
ECサイト
Amazonで109,900円(Core U7-155Hモデル・Core U9-185Hモデルは139,900円)、
楽天市場で138,625円(送料無料・Core U7-155H)、
米国 Amazon.comで$989.00 (ore Ultra U9-185H)、
で販売されています。
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おすすめの類似製品を紹介
「GEEKOM GT1 Mega」に似た性能をもつミニPCも販売されています。
「Minisforum AI370」
Minisforumから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 プロセッサ搭載のミニPCです(2024年11月 発売)。
XDNA 2 AIエンジン、Radeon 890M、32GB LPDDR5X-7500MHz メモリ、1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD ストレージ、Windows 11を搭載しています。
また、最大50TOPS(1秒間に50兆回のAI演算)、3画面出力、8K映像出力、冷却システム、最大4TBまでのストレージ拡張、USB4ポート、4つのUSB3.2 Gen2 Type-A ポート、Wi-Fi6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、MINISFORUM公式サイトで179,980円 です。
関連記事:驚異のAI性能!Minisforum AI370の実力を徹底レビュー
「MINISFORUM UH125 Pro」
MINISFORUMから発売されたIntel Core Ultra 5 125H プロセッサ 搭載のミニPCです(2024年7月4日 発売)。
AI処理に特化した VPU、32GB DDR5 メモリ、1TB M.2 2280 PCIe 4.0 SSD ストレージを搭載しています。
また、最大40TOPS(1秒間に40兆回のAI演算)、Copilot ボタン、OCulink ポート、4K 4画面出力(DP 2.0、HDMI2.1、USB4)、最大96GBまでのメモリ拡張、最大6TBまでのM.2 ストレージ拡張、2.5G デュアルギガビット有線LAN、Wi-Fi6E、BlueTooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで119,980円(22606円 OFFクーポン付き・税込・32GB+1TB)、楽天市場で134,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで134,980円(送料無料)、AliExpressで85,317円(ベアボーン)、米国 Amazon.comで$779.99($156 OFFクーポン付き)です。
関連記事:「MINISFORUM UH125 Pro」がRyzenよりお得な理由を解説
「Mac mini M4」
Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。
Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。
また、11TOPS(1秒間に11兆回のAI演算)、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、価格は、楽天市場で96,100円(送料無料)、ヤフーショッピングで96,100円です。
関連記事:Apple AI対応「Mac mini M4」とM2、M1モデルを比較
「GMKtec NucBox K9」
GMKtecから発売されたIntel Core Ultra 5 125H プロセッサ 搭載のミニPCです(2024年4月 発売)。
NPUのMovidius VPU、インテル AI Boost、32GB DDR5-5600 メモリ、1TB / 2TB M.2 SSD ストレージ、Window 11 Proを搭載しています。
また、最大34TOPS(1秒間に34兆回の演算処理)、4K 3画面出力(HDMI 2.0、Type-C、DP 1.4)、最大96GBまでのメモリ拡張、冷却システム、VESAマウント、USB 4 Type-C (Thunderbolt 4互換/最大40Gbps/PD充電/DP1.4) x1、USB3.2 Gen2 (10Gbps) x4、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5Gのデュアル ギガビット有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで135,800円(税込・45000円 OFFクーポン付き)、楽天市場で141,506円(送料無料)、AliExpressで66,046円(ベアボーンモデル)、米国 Amazon.comで$759.98、です。
関連記事:AIミニPC「GMKtec NucBox K9」に高評価が多い理由を解説
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