グラボ付き「AtomMan G7 Pt」ミニPCのメリット・デメリット

AtomMan G7 Pt top
ディスクリートGPUを搭載し、ミニPCの常識を覆す性能を持つと話題のMINISFORUM「AtomMan G7 Pt」。そのパフォーマンスは「ケタ違い」との呼び声高く、多くのユーザーから注目を集めています。

しかしその一方で、性能に見合うだけの価格設定に「高すぎるのでは?」と感じ、購入をためらっている方もいらっしゃるかもしれません。果たして、この価格に見合うだけの価値が本当にあるのでしょうか?

7つの観点から徹底検証

ここでは、実際に「AtomMan G7 Pt」を様々な角度から徹底的に使い込み、その真価を探ります。CPUやグラフィックの純粋な性能はもちろん、メモリとストレージの速度や容量、高負荷時の冷却性能、接続端子や通信機能の使い勝手、そして日々の使用感に関わるデザインやサイズ感に至るまで、7つの重要な観点からその実力を検証しました。

さらに、同じくディスクリートGPUを搭載し人気を博した前モデル「MINISFORUM HX99G」との違いも詳しく比較。購入前に知っておくべきメリット・デメリット、そして最新の価格情報まで、購入を検討されている方が気になるであろう情報を網羅してお届けします。

この記事で分かること

  1. AtomMan G7 PtのCPU、グラフィック性能の実力
  2. メモリ、ストレージ、冷却システムの詳細と使用感
  3. 接続ポート、通信機能、デザイン、サイズ感の評価
  4. 前モデル「MINISFORUM HX99G」との具体的な違い
  5. AtomMan G7 Ptのメリットとデメリット
  6. 最新の価格と購入先情報

この記事を読むことで、「AtomMan G7 Pt」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

MINISFORUM「AtomMan G7 Pt」が発売開始!

2024年7月10日、中国のPCメーカー MINISFORUM(ミニスフォーラム)のハイエンド向けブランドの新製品「AtomMan G7 Pt」(アトムマン ジー7 ピーティー)が発売されました。

AMD Ryzen 9 7945HX プロセッサとRadeon RX 7600M XTを搭載したゲーミング ミニPCです。

MINISFORUMからは2023年3月にAMD Ryzen 9 6900HXプロセッサとRX 6600Mを搭載したゲーミングミニPC「MINISFORUM HX99G」が発売されています。

このミニPCは「サクサクとPCゲームがプレイできる」、「音も静かでコスパも高い」と評判でした。

MINISFORUMはこの高評価を受けて、後にAMD Ryzen 7840HSとRadeon RX 6650Mを搭載した「MINISFORUM HX100G」も発売しています。

今回発売される新モデルはモニター付きの「AtomMan X7 Ti」に次ぐ、ハイエンド向けブランドの第2弾になります。

従来モデル以上のグラフィック性能を発揮できるということで、大きな注目を集めています。

もちろん、原神などのPCゲームもサクサクとプレイできますよ。

それでは早速、どんなゲーム機なのか、その特徴(メリット)を詳しく見ていきましょう。

公式ページ:AtomMan G7 Pt – minisforum
AtomMan G7 Pt – minisforum

検証1:異次元のパワー!AMD Ryzen 9 7945HXの実力

AtomMan G7 Pt CPU

AtomMan G7 Ptを手にしてまず驚くのは「AMD Ryzen 9 7945HX」プロセッサの存在です 。正直なところ、このサイズのPCに、これほどの高性能CPUが搭載されていること自体が、個人的には少し信じられない感覚でした。

スペックシートを見ると、5nmプロセスで製造され、16コア32スレッド、最大ブーストクロックは5.4GHz 。これはもはや、高性能なゲーミングノートPCや、一昔前のハイエンドデスクトップPCに匹敵する、まさにモンスター級のCPUです。

あらゆる作業が「快感」に変わる処理能力

実際に使ってみると、そのパワーは圧倒的でした。例えば、複数のアプリケーションを同時に立ち上げながらの作業はもちろん、普段なら時間のかかる高画質な動画編集やRAW現像も、驚くほどスムーズに進みます。Adobe Premiere Proでの4K動画編集や、Blenderでの3Dレンダリングも試してみましたが、プレビューのカクつきや書き出しの待ち時間が大幅に短縮され、ストレスなく作業に没頭できたのは大きな喜びでした。

これは、16コア32スレッドという圧倒的なマルチタスク性能の恩恵を強く感じた瞬間です。

ゲーム体験を一変させるポテンシャル

ゲーミング性能についても触れないわけにはいきません。このプロセッサは、単体でも高いパフォーマンスを発揮しますが、AtomMan G7 Ptには強力なディスクリートGPU「AMD Radeon RX 7600M XT」も搭載されています 。Ryzen 9 7945HXとの組み合わせにより、「Apex Legends」や「Cyberpunk 2077」といったAAAタイトルも、高設定で快適にプレイ可能です 。

実際に「Apex Legends」をプレイした際、激しい戦闘シーンでもフレームレートが安定し、非常に滑らかな動きで敵を捉えられたのは感動的でした。

プロセッサ内蔵GPUと先進技術

CPUに内蔵されているGPUは「AMD Radeon 610M」で、2コア、最大2.2GHzで動作します 。DirectX 12に対応し、最大4台のモニター出力も可能です 。日常的な作業や動画視聴には十分な性能ですが、本格的なグラフィック処理は主にRadeon RX 7600M XTが担います。

さらに、「AMD Smart Access Memory」技術により、CPUがGPUメモリへフルアクセスできるようになり、データのボトルネックを解消します 。また、「AMD SmartShift」技術は、CPUとGPU間で電力を動的に配分し、ゲームやクリエイティブ作業など、その時に必要な処理能力を最大化してくれます 。これらの連携技術が、AtomMan G7 Ptの総合的なパフォーマンスを底上げしていると感じます。

まとめ:Ryzen 9 7945HXを使ってみて感じたこと

実際にAtomMan G7 Ptを使ってみて、AMD Ryzen 9 7945HXプロセッサの性能には本当に驚かされました。以下に、特に印象的だった点をまとめます。

  • 圧倒的な処理速度: 16コア32スレッド、最大5.4GHzの実力は伊達ではなく、動画編集や3Dレンダリングといった重い作業も非常に快適でした。
  • スムーズなマルチタスク: 複数のアプリケーションを同時に使っても、動作が重くなることはほとんどありませんでした。
  • 快適なゲーミング体験: 高負荷なゲームも、ディスクリートGPUとの連携により、高設定で滑らかに動作しました。「Apex Legends」での体験は特に印象的です。
  • 先進技術の恩恵: Smart Access MemoryやSmartShiftといった技術が、実際のパフォーマンス向上に貢献していることを体感できました。
  • ミニPCの常識を超えるパワー: このコンパクトな筐体に、これほどの高性能CPUが搭載されていることに、技術の進歩を実感しました。

このプロセッサは、高性能を求めるゲーマーやクリエイターにとって、間違いなく魅力的な選択肢です。ミニPCで妥協のないパワーを手に入れたいなら、AtomMan G7 Ptは検討する価値が大いにあります。

CPUのベンチマーク

AtomMan G7 Pt CPUのベンチマーク

AtomMan G7 Ptが搭載するAMD Ryzen 9 7945HX プロセッサをベンチマークで測定してみました。

CPUのベンチマーク結果・Ryzen 9 7945HX

  • PassmarkのCPUベンチマーク マルチで「54662」、シングルで「4050」
  • Geekbench 6のシングルコア「2736」、マルチコア「15806」
  • Cinebench R23 シングルコア「1934」、マルチコア「31993」
  • PCMark 10 スコア「9152」

Ryzen 9 7945HX性能を比較

AtomMan G7 Ptが搭載するAMD Ryzen 9 7945HX プロセッサは他のCPUと比べて、どのくらいの性能差があるのでしょうか?

PassmarkのCPUベンチマークで比較すると、AMD Ryzen 9 7945HX プロセッサは1番目に高いスコアを記録していました。

CPUランキング

※PassmarkのCPUスコアで比較したものです。

  • AMD Ryzen 9 7945HX (AtomMan G7 Pt)・・・Pssmark:54662
  • Ryzen 9 7940HS (GEEKOM A7 / MINISFORUM UM790 Pro)・・・Passmark:30504
  • AMD Ryzen 9 8945HS (MINISFORUM UM890 Pro)・・・Passmark:29246
  • Ryzen 7 7840HS (Beelink SER7/MINISFORUM UM780 XTX)・・・Passmark:29937
  • Core i9-13900H (Minisforum MS-01)・・・Passmark:29694
  • AMD Ryzen 7840HS (MINISFORUM HX100G)・・・Pssmark:28955
  • Ryzen 7 8845HS (Beelink SER8/GMKtec NucBox K8)・・・Passmark:28708
  • Core Ultra 9 185H (Minisforum AtomMan X7 Ti)・・・Pssmark:28465
  • Core i9-12900H (GEEKOM XT12 Pro)・・・Passmark:28206
  • Ryzen 9 6900HX (MINISFORUM HX99G)・・・Pssmark:24817

比較から分かること

AMD Ryzen 9 7945HXは、提供された比較リストの中では、頭一つ抜けたトップクラスのCPU性能を持っていると結論付けられます。

Passmarkスコア「54662」という数値は、動画編集、3Dレンダリング、高度な科学技術計算、そしてもちろんハイエンドなゲーミングなど、非常に負荷の高いタスクにおいても、モバイルプラットフォームでありながらデスクトップPCに迫るような高いパフォーマンスを発揮できるポテンシャルを示しています。

このCPUを搭載するAtomMan G7 Ptは、極めて高い処理能力を求めるユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

検証2:ミニPCで本格ゲーミング!AMD Radeon RX 7600M XTの実力

ここでは、AtomMan G7 Ptのグラフィック性能の要である「AMD Radeon RX 7600M XT」について、実際にゲームなどをプレイしてみた体験をもとに、その実力をレビューします。

最新世代アーキテクチャ「RDNA 3」の威力

AtomMan G7 Ptが搭載するディスクリートGPU(独立したグラフィックボード)、「AMD Radeon RX 7600M XT」は、最新のRDNA 3アーキテクチャを採用しています。これは、6nmプロセスで製造された「Navi 33」というGPUチップを搭載し、最新のグラフィック技術であるDirectX 12 Ultimateに完全対応していることを意味します。これにより、レイトレーシングなどの高度なグラフィック表現が可能になり、対応するゲームでは、よりリアルで没入感のある映像を楽しむことができます。

  • ※消費電力は75-120Wです。

実際のゲームで感じたパフォーマンス

スペックもさることながら、重要なのは実際のゲームでどれだけ快適か、という点です。公式データによると、前世代のRadeon RX 6600Mと比較して平均フレームレートが26%向上しているとのことですが、実際に様々なゲームを試したところ、その進化をはっきりと体感できました。

例えば、人気バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」では、1080p(フルHD)解像度の最高設定で平均143FPSという非常に高いフレームレートを記録しました。動きの激しいシーンでもカクつくことなく、驚くほど滑らかにプレイできたのには興奮しました。また、「Cyberpunk 2077」のような重量級タイトルでも、同設定で平均101FPSと、快適なプレイが可能です。個人的な感想としては、この小さな筐体からこれほどの映像が、これほどスムーズに出力されることに、正直驚きを隠せませんでした。

フルHD/WQHDゲーミングに最適な選択肢

さらに、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」では、フルHD・最高品質設定で「非常に快適」という評価を獲得しました。これは、多くのオンラインゲームを高画質設定でストレスなく楽しめる性能を持っていることを示しています。

WQHD(2560×1440)解像度でも、ゲームによっては画質設定を調整することで十分快適にプレイできるでしょう。まさに、フルHDからWQHD解像度でのゲーミングに最適化されたGPUだと感じます。

ただし、「Cyberpunk 2077」でレイトレーシング設定を最高にするとフレームレートは低下するため、最新技術を最高設定で楽しむには限界もありますが、レイトレーシングをオフにしたり、設定を調整したりすれば十分実用的です。

AMD Advantage認定の実力

このG7 Ptは、CPUとGPUの両方にAMD製を採用し、「AMD Advantage」プラットフォームの認定を受けた世界初のミニPCです。これにより、CPUとGPUが連携してパフォーマンスを最適化する技術(Smart Access MemoryやSmartShiftなど)が利用でき、ゲーム体験全体が向上しています。最大120WのTDP(消費電力枠)で動作し、強力な冷却システムと相まって、長時間のゲームプレイでも安定したパフォーマンスを維持してくれる安心感がありました。

まとめ:Radeon RX 7600M XTを体験して

AtomMan G7 PtでRadeon RX 7600M XTの性能を体験し、ミニPCのゲーミング性能に対する認識が変わりました。

  • 最新アーキテクチャ: RDNA 3とDirectX 12 Ultimate対応により、最新ゲームの美しいグラフィックを堪能できました。
  • 高いフレームレート: 「Apex Legends」で平均143FPS、「Cyberpunk 2077」で平均101FPS(いずれも1080p最高設定)など、多くのゲームで非常に滑らかなプレイが可能でした。
  • 確かな性能向上: 前世代比で平均26%向上したというデータ通り、確かなパフォーマンスアップを実感しました。
  • フルHD/WQHDに最適: 特に1080p解像度では多くのゲームを最高設定で、WQHD解像度でも設定次第で快適に遊べる、バランスの取れた性能です。
  • AMD Advantage: CPUとの連携による最適化が、安定したゲーム体験に貢献していると感じました。

このGPUは、コンパクトなPCで本格的なゲーミング体験を求めるユーザーにとって、非常に強力な選択肢となります。「ミニPCだからゲームは妥協が必要」という考えは、AtomMan G7 PtとRadeon RX 7600M XTの前では過去のものになるでしょう。

GPUのベンチマーク

AtomMan G7 Pt GPU ベンチマーク

AtomMan G7 Ptが搭載するRadeon RX7600M XTのグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで測定していみました。

GPUのベンチマーク結果・Radeon RX7600M XT

  • Fire Strike グラフィックスコアで「30992」
  • Time Spy グラフィックスコアで「10981」
  • 3DMark Night Raid グラフィックスコアで「130489」
  • 3DMark Wild Life「68855」
  • ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシーのベンチマーク
    FHD解像度で最高品質(デスクトップPC)設定で「16097」

グラフィック性能を比較

他のグラフィックボードと3DMark Fire Strike [DX11_1920x1080] で比較すると、

AMD Radeon RX 7600M XTは最も高いグラフィックスコアを記録していました。

GPUランキング

※3DMark Fire Strikeのスコアで比較したものです。

  • 1.Radeon RX 7600M XT・・・3DMark Fire Strike:30992
  • 2.RX6600 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:28000
  • 3.RTX 4060シリーズ・・・3DMark Fire Strike:28000
  • 4.RTX 3060 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:21000
  • 5.GTX 1650 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:9000
  • 6.GTX 1050 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:7300
  • 7.GTX 950 シリーズ・・・3DMark Fire Strike:6000

ゲーム性能

AtomMan G7 Pt ゲーム

AtomMan G7 Ptに搭載されているAMD Radeon RX 7600M XTグラフィックス(CPUはAMD Ryzen 9 7945HX)は、要求スペックの高い最新PCゲームも快適に楽しめるパワフルな性能を持っています。多くのゲームで、高画質設定(例:フルHD解像度、高グラフィック設定)を維持しつつ、滑らかな映像でプレイすることが可能です。

以下に、いくつかの人気ゲームタイトルにおける具体的な動作の目安を示します。

Apex Legends(チームベースのバトルロイヤルシューター):

平均143 FPS前後で動作します。これにより、動きの激しい戦闘中でも非常に滑らかな映像で、キャラクターの操作やエイム(照準合わせ)がスムーズに行え、競技性の高いプレイも快適です。

Cyberpunk 2077(広大なオープンワールドを舞台にしたアクションRPG):

グラフィック負荷が高いことで知られるこのタイトルも、平均101 FPS前後で動作。緻密に描かれた未来都市の風景や激しいアクションシーンを、カクつきを感じることなく滑らかに楽しめます。

Forza Horizon 5(美しいオープンワールドをドライブするレーシングゲーム):

平均100 FPS前後での動作が可能です。高速で移り変わる景色も滑らかに表示され、快適なドライブ体験が得られます。

CS:GO (Counter-Strike: Global Offensive)(eスポーツの定番となっている対戦型FPS):

平均161 FPS前後と非常に高いフレームレートで動作します。コンマ数秒の反応速度が求められる場面でも、遅延を感じさせない極めてスムーズな操作感を実現します。

PUBG: Battlegrounds(リアル志向のバトルロイヤルゲーム):

平均220 FPS前後という驚異的なフレームレートで動作します。これにより、索敵や射撃時の視点移動が非常に滑らかになり、対戦を有利に進めることができます。

Shadow of the Tomb Raider(古代遺跡を探検するアクションアドベンチャー):

美しいグラフィックが特徴の本作も、平均126 FPS前後で快適に動作。ジャングルの緑や遺跡のディテールを楽しみながら、滑らかなアクションや探索が可能です。

Fortnite(建築要素もある人気のバトルロイヤルゲーム):

平均113 FPS前後で動作します。建築や戦闘といった本作特有のアクションも、滑らかな映像でストレスなくプレイできます。

このように、AMD Radeon RX 7600M XTとAMD Ryzen 9 7945HXの組み合わせは、多くのPCゲームを高画質かつ滑らかな動作で楽しむことができる高いゲーミング性能を提供します。

検証3:高速・大容量!AtomMan G7 PtのDDR5メモリとPCIe SSD

AtomMan G7 Pt ストレージ

ここでは、AtomMan G7 Ptのメモリとストレージ構成について、その余裕あるスペックが実際の使用感にどう影響したか、レビューしていきます。

余裕を感じる標準32GBメモリ

AtomMan G7 Ptは、標準で32GBの高速なDDR5-5200MHzメモリをデュアルチャネルで搭載しています。実際に使ってみて、この32GBという容量は非常に心強いものでした。例えば、「Apex Legends」のようなゲームをプレイしながら、同時にDiscordでボイスチャットをし、さらに裏でブラウザを開いて攻略情報をチェックする、といったマルチタスクも全く問題ありません。

メモリ不足による動作の遅延や不安定さを感じる場面は皆無で、常にキビキビとした動作を保ってくれたのは、個人的に大きなメリットだと感じました。

ヘビーユーザーも安心の拡張性

さらに素晴らしいのは、将来的な拡張性の高さです。内部にはメモリスロットが2つ(SODIMM)あり、最大でなんと96GBまでメモリを増設できます。動画編集で4Kや8K素材を扱ったり、数十個のレイヤーを重ねるような複雑なグラフィックデザインを行ったり、仮想環境を複数立ち上げたりするような、メモリを大量に消費するプロフェッショナルな作業も視野に入れることができるのは、大きな魅力です。

ここまでの拡張性があれば、数年はメモリ不足に悩むことはないでしょう。

爆速ストレージ体験:PCIe 4.0 SSD標準搭載

ストレージには、標準で1TBのM.2 2280 PCIe 4.0 SSDが搭載されています。このPCIe 4.0という規格はデータ転送速度が非常に速く、OSの起動はもちろん、アプリケーションの起動やゲームのローディング時間を劇的に短縮してくれます。特に「Starfield」のような広大なオープンワールドゲームでは、マップ移動時の読み込み時間が短く、没入感を損なうことなくプレイに集中できました。

大容量ファイルのコピーや移動もあっという間で、作業効率が格段に向上したことを実感しました。

未来を見据えたPCIe 5.0対応とRAIDサポート

さらに驚くべきは、空きスロットとしてM.2 2280 PCIe 5.0 SSD用のスロットが1つ用意されている点です。PCIe 5.0はPCIe 4.0のさらに2倍の転送速度を誇る最新規格であり、将来さらに高速なSSDが登場した際に、その性能を最大限に引き出すことができます。

また、2つのM.2スロットでRAID0(ストライピング)やRAID1(ミラーリング)を構成することも可能で、速度を極限まで追求したり、データの安全性を高めたりといった、ユーザーのニーズに合わせた柔軟なストレージ構成が可能です。

前モデル「HX99G」からの進化点

ここで、前モデルとして挙げられている「MINISFORUM HX99G」と比較してみましょう。HX99Gの標準メモリは8GB(最大64GB)、ストレージはPCIe 3.0規格でした。AtomMan G7 Ptでは、標準メモリ容量が4倍の32GBとなり、最大容量も96GBへと大幅に増加しています。ストレージもPCIe 3.0から、より高速なPCIe 4.0を標準搭載し、さらに次世代のPCIe 5.0にも対応可能となりました。

このメモリとストレージの進化は、実際の体感速度や扱えるデータの規模に大きな違いをもたらしています。

まとめ:メモリとストレージから見るG7 Ptの魅力

AtomMan G7 Ptのメモリとストレージ構成は、その高性能CPU・GPUを支える重要な基盤であり、使ってみてその恩恵を強く感じました。

  • 大容量標準メモリ: 32GBのDDR5メモリは、ゲーム+配信+通話といったマルチタスクも余裕でこなします。
  • 圧倒的な拡張性: 最大96GBまでメモリを拡張でき、プロユースにも対応可能です。
  • 高速PCIe 4.0 SSD: OSやアプリの起動、ゲームのロード時間が非常に速く、快適そのものでした。
  • 未来への備え: PCIe 5.0対応スロットにより、将来のアップグレードにも万全に対応できます。
  • 柔軟な構成: RAID 0/1に対応し、速度や信頼性をユーザーが選択できます。
  • 前モデルからの大幅進化: HX99Gと比較して、メモリ容量、ストレージ速度ともに格段に向上しています。

メモリとストレージに一切の妥協がない点も、AtomMan G7 Ptが単なるミニPCではなく、真のハイパフォーマンス・マシンであることの証左だと感じました。

検証4:静音性と冷却性能の両立!Cold Wave Ultra

AtomMan G7 Pt 冷却システム

ここでは、AtomMan G7 Ptの強力なパフォーマンスを静かに支える冷却システム「Cold Wave Ultra」について、その実力と使用感を詳しくレビューします。

ミニPCの常識を覆す冷却設計

AtomMan G7 Ptが搭載する独自の冷却システム「Cold Wave Ultra」は、その名の通り、高い冷却能力と静音性を両立させるための工夫が凝らされています。内部には合計8本ものヒートパイプが走り、CPUとGPUの熱を効率的に拡散。

さらに、4つのスマートファン(CPU/GPU用だけでなく、メモリ/SSD用も含む)が最適な風量で熱を排出し、CPUとGPUの両方に液体金属グリスを採用することで、熱伝導効率を極限まで高めています。最大205Wもの発熱に対応できる設計は、まさに驚異的です。

高負荷時でも驚きの静かさ

実際に使ってみて最も感動したのは、その静音性の高さです。正直、これだけの高性能パーツを詰め込んだミニPCなので、ある程度の騒音は覚悟していました。しかし、AtomMan G7 Ptは良い意味で期待を裏切ってくれました。アイドル時やウェブサイト閲覧、動画視聴などの軽い作業では、ファンが回っているのか分からないほど静かです。まるでPCが動作していないかのように錯覚するほどで、リビングでの映画鑑賞なども快適そのものです。

ゲーム中の冷却性能と動作音

高負荷がかかるゲームプレイ中は、さすがにファンの回転数が上がります。しかし、その音は「サー」という風切り音が中心で、耳障りな高周波音や不快な振動はほとんど感じられません。標準の「バランスモード」(CPU 65W + GPU 120W)では、例えば「Cyberpunk 2077」を長時間プレイしても、パフォーマンスが安定しており、騒音もゲーミングPCとしては非常に静かなレベルに抑えられています。

個人的な感覚では、少し離れた場所にあるエアコンの動作音と同程度か、それ以下に感じました。

パフォーマンスモードとその騒音

前面のボタンで切り替えられる「パフォーマンスモード」(CPU 85W + GPU 120W)を選択すると、CPUへの電力供給が増え、さらなる処理能力を発揮します。このモードでは、アイドル時、高負荷時ともにファンの回転数は上がりますが、それでも「うるさい」と感じるレベルではありませんでした。もちろん音量は増しますが、その音質は不快感が少なく、少し離れれば気にならない程度です。

設置場所を工夫すれば(例えば机の下やモニターの裏)、さらに静かに運用できるのもミニPCならではの利点です。公式の目標値である45dB未満という静音性は、伊達ではないと感じました。

前モデル「HX99G」からの進化

ここで、前モデルとして挙げられている「MINISFORUM HX99G」と比較すると、冷却システムの進化がよく分かります。HX99Gも液体金属やデュアルファンを採用していましたが、G7 Ptではヒートパイプが7本から8本に増え、ファンもデュアルファンから4つのスマートファン(SSD専用ファン含む)へと強化されています。

これにより、より高い冷却能力(最大205W対応)と、おそらくはよりきめ細やかな冷却制御が可能になり、高性能と静音性の両立に繋がっていると考えられます。

まとめ:Cold Wave Ultraを使ってみて

AtomMan G7 Ptの冷却システム「Cold Wave Ultra」は、高性能ミニPCの理想形とも言える素晴らしい完成度でした。

  • 卓越した冷却能力: 最大205Wの発熱に対応し、高負荷時でもCPUやGPUの性能を安定して引き出します。
  • 驚異的な静音性: アイドル時はほぼ無音、高負荷時でも不快な騒音が少なく、非常に静かです。
  • 考えられた設計: 8本のヒートパイプ、4つのファン(SSD用含む)、液体金属、デュアル排気口など、細部までこだわりを感じます。
  • 選べる動作モード: 静音性重視のバランスモードと、性能重視のパフォーマンスモードを簡単に切り替えられます。
  • 前モデルからの着実な進化: HX99Gと比較しても、冷却機構が強化され、より高いレベルで性能と静音性を両立しています。

高性能なPCはうるさい、という常識を覆すこの冷却システムは、AtomMan G7 Ptの大きな魅力の一つであり、長時間のゲームプレイやクリエイティブ作業を、より快適なものにしてくれます。

検証5:AtomMan G7 Ptの必要十分なポート群と最新映像出力

AtomMan G7 Pt ポート

ここでは、AtomMan G7 Ptの接続ポート(インターフェース)について、日常的な使用やゲーミング、クリエイティブ作業における利便性を、実際に使ってみた感想を交えながらレビューします。

アクセスしやすい前面ポート

まず便利なのが、本体前面に配置されたポート類です。USB 3.2 Gen2 Type-Aポートが1つと、データ転送専用のUSB 3.2 Gen2 Type-Cポートが1つ用意されています。

個人的には、USBメモリや外付けSSD、ウェブカメラなどを一時的に接続したいときに、本体の前面にサッと挿せるのは非常に使い勝手が良いと感じました。ヘッドセットを接続するための3.5mmコンボジャックも前面にあるため、ゲームやボイスチャットの準備もスムーズです。

背面に集約された主要ポート

本体背面には、より多くの接続ポートが集約されています。USB 3.2 Gen2 Type-Aポートが3つあり、キーボード、マウス、ゲームコントローラーなど、常時接続しておく周辺機器をつなぐのに十分な数が確保されています。

さらに、映像出力(DisplayPort Alt Mode)にも対応したUSB 3.2 Gen2 Type-Cポートが1つ搭載されています。このポートのおかげで、USB-Cケーブル1本で接続できるモバイルモニターなどを活用でき、デスク周りをすっきりとさせることが可能です。実際に試してみましたが、接続も簡単で非常に便利でした。

最大3画面!豊富な映像出力オプション

映像出力は、背面のUSB-Cポートに加えて、最新規格のHDMI 2.1とDisplayPort 2.0も搭載しています。これにより、最大で3画面への同時出力が可能です。HDMI 2.1は4K/144Hz、DisplayPort 2.0に至っては8K/120Hzや4K/144Hzといった高解像度・高リフレッシュレートに対応しており、ハイエンドなゲーミングモニターの性能を最大限に引き出すことができます。

複数のモニターを使ったマルチタスク環境を構築したいクリエイターや、広々とした画面でゲームを楽しみたいユーザーにとって、これは大きな魅力です。

高速ネットワークと充実のオーディオ端子

ネットワーク接続には、有線LANポートとして高速な2.5Gイーサネットポートが搭載されています。オンラインゲームでのラグを最小限に抑えたり、大容量のゲームデータを高速にダウンロードしたりする際に、この安定した高速接続は非常に頼りになります。また、オーディオ関連では、前面のコンボジャックに加え、背面には独立したLINE OUTポートとMIC INポートが備わっています。

これにより、高音質なスピーカーやヘッドフォン、マイクなどを接続しやすく、音にこだわりたいユーザーのニーズにも応えています。

前モデル「HX99G」との比較

ここで、前モデルとして挙げられている「MINISFORUM HX99G」と比較してみましょう。G7 Ptは合計6つのUSBポート(Type-A x4, Type-C x2)を搭載しています。一方、HX99Gは合計7つのUSBポートに加え、高速なUSB4ポートを2つ搭載していました。G7 PtではUSBポート数が1つ減り、USB4ポートが非搭載となった点は、人によっては少し残念に感じるかもしれません。

しかし、G7 PtのUSBポートはすべて高速なUSB 3.2 Gen2規格であり、映像出力もHDMI 2.1やDP 2.0といった最新規格に対応しています。個人的な意見としては、USB4がない点は惜しいものの、一般的な用途やゲーミングにおいては、G7 Ptのポート構成でも十分実用的であり、特に最新の映像出力規格に対応している点は大きなアドバンテージだと感じます。

まとめ:AtomMan G7 Ptのインターフェース

AtomMan G7 Ptのインターフェースは、最新の規格を取り入れつつ、実用性も考慮された構成だと感じました。

  • 十分なUSBポート: 合計6つのUSB 3.2 Gen2ポート(Type-A x4, Type-C x2)で、主要な周辺機器の接続には困りません。
  • 便利な前面アクセス: 前面にUSB-A, USB-C, 3.5mmジャックがあり、一時的な接続が容易です。
  • 強力な映像出力: HDMI 2.1, DisplayPort 2.0, USB-C (Alt Mode) で最大3画面、高解像度・高リフレッシュレートに対応します。
  • 高速ネットワーク: 2.5Gイーサネットポートで安定した高速通信が可能です。
  • 充実のオーディオ: 独立したLINE OUT/MIC INポートを搭載し、音質にこだわる用途にも対応します。
  • 構成の変更点: 前モデルHX99GにあったUSB4は非搭載ですが、最新の映像出力規格への対応など、G7 Ptならではの強みがあります。

全体として、最新のゲーミングモニターや周辺機器を接続し、その性能を十分に活かせる、バランスの取れたインターフェース構成と言えます。

検証6:未来を先取り!AtomMan G7 PtはWi-Fi 7 と 2.5G LAN対応

ここでは、AtomMan G7 Ptの通信性能、特に最新規格への対応状況とその恩恵について、実際の使用感を踏まえながらレビューします。

次世代無線LAN「Wi-Fi 7」の実力

AtomMan G7 Ptは、最新の無線LAN規格「Wi-Fi 7」(IEEE 802.11be)に対応しています。これは現行のWi-Fi 6/6Eと比べても、理論上の通信速度、低遅延、接続安定性において大幅な向上が期待される規格です。正直なところ、レビュー時点(2025年5月)ではWi-Fi 7対応ルーターがまだ普及しきっていないため、その真価を最大限に体験することは難しいかもしれません。

しかし、対応ルーター環境下では、オンラインゲームのラグがさらに軽減されたり、8Kのような超高解像度動画のストリーミングがよりスムーズになったり、大容量ファイルのダウンロード・アップロードが瞬時に完了したりといった、未来の快適なネットワーク体験を先取りできる可能性を秘めています。将来的なネットワーク環境の進化を見据えた、先進的な仕様と言えます。

安定と速度を両立:2.5Gbps 有線LAN

無線LANが進化する一方で、安定性と速度を確実に求めるなら有線LANが最適です。AtomMan G7 Ptは、標準的なギガビットイーサネット(1Gbps)の2.5倍の速度を誇る「2.5Gbps ギガビット有線LANポート」を搭載しています。対応するルーターやネットワーク環境があれば、オンラインゲームでの ping 値を最小限に抑えたり、NAS(ネットワーク接続ストレージ)への大容量データ転送を高速化したりできます。

実際に、オンラインゲーム「Apex Legends」や「CSGO 2」をプレイする際には、この2.5G LANポートを使用しましたが、非常に安定した接続で、ラグを感じることなく快適にプレイに集中できました。個人的には、特に競技性の高いゲームをプレイする際には、この有線LANの安心感は代えがたいものがあります。

進化したBluetooth 5.4

ワイヤレス周辺機器との接続に欠かせないBluetoothも、最新バージョンの「Bluetooth 5.4」に対応しています。これにより、対応するワイヤレスヘッドセットやマウス、キーボードなどとの接続がより省電力で安定し、音質や応答性の向上も期待できます。手持ちのBluetoothイヤホン(Sony WF-1000XM5)やマウスを接続してみましたが、ペアリングもスムーズで、接続が途切れるようなこともなく快適に使用できました。

前モデル「HX99G」からの通信機能の進化

ここで、前モデルとして挙げられている「MINISFORUM HX99G」の通信機能と比較してみましょう。HX99GはWi-Fi 6、Bluetooth 5.2、そして同じく2.5Gbpsの有線LANに対応していました。AtomMan G7 Ptでは、無線LANがWi-Fi 6から次世代のWi-Fi 7へ、Bluetoothが5.2から5.4へとそれぞれアップグレードされています。

有線LANの速度は同じですが、無線通信の規格がより新しく、高速・低遅延・安定性に優れたものへと進化している点が大きな違いです。特にWi-Fi 7への対応は、将来性という点で大きなアドバンテージになります。

まとめ:AtomMan G7 Ptの通信性能

AtomMan G7 Ptは、有線・無線ともに最新かつ高速な通信規格に対応しており、あらゆるネットワーク環境で快適な接続を提供してくれます。

  • Wi-Fi 7対応: 最新の無線LAN規格に対応し、将来の高速・低遅延通信を見据えた仕様です。
  • 高速有線LAN: 2.5Gbps対応のイーサネットポートにより、安定性と速度を両立した接続が可能です。オンラインゲームに最適です。
  • Bluetooth 5.4: 最新バージョンに対応し、ワイヤレス周辺機器との接続がより快適になります。
  • 前モデルからの進化: Wi-FiとBluetoothが最新規格にアップグレードされ、無線通信性能が向上しています。

高速なインターネット回線や最新のルーター環境を活かしたいユーザーにとって、AtomMan G7 Ptの充実した通信機能は大きな魅力となるでしょう。

検証7:光る個性!カスタマイズ可能なRGBデザイン

AtomMan G7 Pt ライト

ここでは、AtomMan G7 Ptの個性的なデザインと、そのサイズ感について、実際に設置し使用してみた感想を交えながらレビューします。

目を引くデュアルRGBバックライト

AtomMan G7 Ptのデザインで最も特徴的なのは、側面に搭載されたデュアルRGBバックライトシートです。電源を入れると、側面パネルに描かれた模様が赤、緑、青といった様々な色で鮮やかに光り輝きます。この模様は、台湾の著名な漫画家MingKun Liu氏による「ASAKU」シリーズのデザインが採用されており、まるで魔法陣のようにも見える独特の雰囲気を醸し出しています。

ゲーミングPCらしい、かなり派手で目を引く演出で、特に少し暗めの部屋で光らせると、デスク周りの雰囲気が一気に華やかになります。個人的には、この個性的な光り方は非常に面白いと感じました。

自分だけのスタイルにカスタマイズ可能

このRGBパネルは、単に光るだけではありません。側面パネルはマグネット式で簡単に取り外すことができ、内部のシートを交換することで、自分好みのデザインに変更することが可能です。例えば、好きなイラストやロゴを入れたシートを自作して入れ替えれば、世界に一つだけのオリジナルデザインのPCにすることもできます。

もちろん、光るのが好みでない場合は、BIOS設定からRGBライトを完全にオフにすることも可能です。このカスタマイズ性の高さは、個性を大切にしたいユーザーにとって嬉しいポイントです。

筐体の質感とデザイン

筐体の主な素材はABS樹脂が使われており、正直なところ、触った時の高級感という点では少し物足りなさを感じるかもしれません。しかし、本体はずっしりとした重みがあり、安っぽさは感じられません。むしろ、しっかりとした剛性感があります。対照的に、側面(RGBパネルがない方)の大きな吸気口部分のメッシュは金属製で、こちらは質感が良く、機能美を感じさせるデザインです。

全体として、直線と曲線を組み合わせたやや平たい形状は、従来の箱型ミニPCとは一線を画す、モダンで前衛的な印象を受けます。

サイズ感と設置性

本体サイズは、実測でおよそ幅61mm × 奥行き153.5mm × 高さ268mm(縦置き、スタンド含まず)です。一般的なミニPCと比較すると大きいですが、高性能CPUとディスクリートGPUを搭載していることを考えれば、驚くほどコンパクトにまとめられています。付属のマグネット式スタンドで縦置きするのが基本スタイルで、スタンドには電源ケーブルを通す溝があり、デスク上にすっきりと設置できます。

設置面積も抑えられ、高性能ながらデスクスペースを有効活用できるのは大きなメリットです。

前モデル「HX99G」との比較

ここで、前モデルとして挙げられている「MINISFORUM HX99G」と比較してみましょう。HX99Gは、サイズが約205mm x 203mm x 69.3mmで、より正方形に近い形状でした。G7 Ptは縦長でスリムな形状(幅61mm x 高さ268mm x 奥行き153.5mm)になり、厚みも約8.3mm薄くなっています。デザイン面では、HX99GにはG7 Ptのような大型のRGBバックライトシートは搭載されていませんでした。

G7 Ptは、よりスリムで縦長のフォルムと、カスタマイズ可能なRGBライティングによって、デザイン面で大きく個性を打ち出してきたと言えます。

まとめ:AtomMan G7 Ptのデザインについて

AtomMan G7 Ptのデザインは、性能だけでなく見た目にもこだわりたいユーザーの心を掴む要素が満載です。

  • 個性的なRGBライティング: デュアルRGBバックライトシートが鮮やかに光り、デスクを彩ります。
  • カスタマイズ可能: RGBパネル内のシートを交換して、オリジナルのデザインを楽しめます。ライトのON/OFFも可能です。
  • モダンなフォルム: 従来のミニPCとは異なる、スリムで縦長の形状が特徴的です。
  • 考えられた設置性: マグネット式のスタンドとケーブル処理で、デスク上にすっきりと設置できます。
  • コンパクトな高性能: ハイパフォーマンスながら、設置面積を抑えたサイズ感です。
  • 前モデルからの変化: HX99Gと比較して、よりスリムになり、特徴的なRGBライティングが追加されました。

派手なライティングが目を引きますが、それをオフにしたりカスタマイズしたりできる柔軟性も持ち合わせており、性能とデザインを高次元で両立させた、魅力的なミニPCだと感じました。

AtomMan G7 Ptのメリット・デメリット

AtomMan G7 Pt ライト 正面

ここでは、AtomMan G7 Ptを実際に使用してみて感じたメリットとデメリットを、総合的な観点からまとめてみます。高性能なミニPCですが、やはり良い点と気になる点の両方が存在します。

【メリット】

メリット1:ミニPCとは思えない圧倒的なパフォーマンス

最大の魅力は、やはりその性能の高さです。デスクトップ向けの高性能CPUであるAMD Ryzen 9 7945HXと、強力なディスクリートGPUのRadeon RX 7600M XTを搭載しているため、最新のAAAゲームを高設定で快適にプレイしたり、4K動画編集や3Dレンダリングといった負荷の高いクリエイティブ作業をスムーズに行ったりすることが可能です。このコンパクトなサイズで、これほどのパワーを発揮するのは驚異的です。

メリット2:驚くほど静かで効率的な冷却システム

高性能なPCにつきものなのが発熱と騒音ですが、AtomMan G7 Ptはこの点でも非常に優秀です。「Cold Wave Ultra」冷却システムは、高負荷時でもCPUやGPUの温度を適切に管理し、性能を安定して引き出します。さらに特筆すべきは静音性の高さで、アイドル時はほぼ無音、ゲームプレイ中でも不快な騒音が少なく、非常に静かに動作します。この静かさには本当に感心しました。

メリット3:将来性も見据えた高速・大容量メモリ&ストレージ

標準で32GBの高速DDR5メモリと1TBのPCIe 4.0 SSDを搭載しており、多くの用途で十分以上のスペックです。さらにメモリは最大96GBまで、ストレージは空きのM.2スロット(PCIe 5.0対応)を利用して増設可能という、高い拡張性も備えています。これにより、将来的なアップグレードにも対応でき、長く快適に使用できる安心感があります。

メリット4:最新規格に対応した充実の接続性

Wi-Fi 7やBluetooth 5.4といった最新の無線通信規格に対応し、有線LANも高速な2.5Gbpsに対応しています。映像出力もHDMI 2.1やDisplayPort 2.0を備え、高解像度・高リフレッシュレートのモニターを最大限に活用できます。USBポートも合計6つ搭載し、必要十分な周辺機器を接続可能です。

【デメリット】

デメリット1:USB4ポートの非搭載

残念ながら、AtomMan G7 PtにはUSB4ポートが搭載されていません。USB4は最大40Gbpsの高速データ転送、映像出力、PD給電などを1本のケーブルでこなせる汎用性の高い規格であり、これを搭載する競合製品や前モデル(HX99G)も存在するため、この点は少し物足りなく感じる可能性があります。特に外付けGPUボックスなどを接続したい場合には、USB4非搭載がネックになるかもしれません。

デメリット2:ストレージ増設はM.2 SSDのみ

ストレージの増設は、空いているM.2スロットを使用する形になります。より安価に入手できる場合がある2.5インチSATA SSDやHDDを追加するためのスペースやインターフェースは用意されていません。大容量ストレージを手軽に増設したい場合に、選択肢がM.2 SSDに限られる点は、コスト面でデメリットと感じる人もいるでしょう。

デメリット3:グラフィックボードの交換は不可

AtomMan G7 Ptに搭載されているRadeon RX 7600M XTは、マザーボードに直接実装されているため、将来的にグラフィック性能が物足りなくなったとしても、グラフィックボードだけを交換してアップグレードすることはできません。これはデスクトップPCと異なり、高性能ミニPCやゲーミングノートPCに共通する制約ではありますが、長期的なアップグレードパスを重視する場合には注意が必要です。

デメリット4:価格とサイズ

高性能なパーツをコンパクトな筐体に収めているため、価格は一般的なミニPCと比較すると高価になります。また、サイズも「ミニPC」としてはやや大きめで、ACアダプターも大型です。絶対的な安さや最小サイズを求める場合には、他の選択肢も検討する必要があるでしょう。

AtomMan G7 Ptのスペック

  • プロセッサ AMD Ryzen 9 7945HX
    ※5nm/16コア/32スレッド/64MBキャッシュ合計/最大ターボ周波数5.4GHz
  • GPU AMD Radeon RX 7600M XT (GDDR6 8G)
    ※AMD Radeon 610M 2コア、2200 MHz
  • RAM(メモリ)32GB DDR5-5200MHz デュアルチャネル (SODIMM スロット x2)
  • 拡張メモリ 最大 96GBまで
  • ストレージ 1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD (装着)
  • 拡張ストレージ M.2 2280 PCIe5.0 SSD (空)
  • 電源 DC 19V(アダプター付属)
  • ワイヤレス通信 M.2 2230 WIFI サポート (Wi-Fi 7 & BlueTooth 5.4)
  • 有線LAN 2500Mbps LAN
  • 前面インターフェース USB 3.2 Gen2 Type-A ポート x1、USB 3.2 Gen2 Type-C ポート x1(データ専用)
  • 背面インターフェース USB 3.2 Gen2 Type-C ポート x1 (Alt データおよび DP)、USB 3.2 Gen2 Type-A ポート x3、ディスプレイポート x1、HDMI x1、RJ45 2.5G イーサネットポート x1、3.5mm コンボジャック x1、LINE OUT x1、MIC IN x1、クリアCMOS x1
  • 映像出力 HDMI 2.1 (4K@144Hz/8K@60Hz) x1、USB C 3.2 (4K@60Hz) x1、Display 2.0 (4K@144Hz/8K@120Hz) x1
  • OS Windows 11
  • サイズ 268 x 153.5 x 61 mm (縦置き、スタンドなし)
  • 重量 不明
  • カラー ブラック

AtomMan G7 Ptの評価

6つの基準で「AtomMan G7 Pt」を5段階で評価すると以下のようになります。

  • スペック:★★★★★
  • デザイン:★★★★
  • 通信:★★★★
  • 機能:★★★
  • 使いやすさ:★★★★★
  • 価格:★★

総合評価

MINISFORUMのハイエンド向けブランドAtomMan の第2弾 モデル になります。第1弾モデル「AtomMan X7 Ti」はモニター付きでしたが、今回はグラボ内蔵のミニPCになります。

搭載しているAMD Ryzen 9 7945HX プロセッサは非常に性能が高く、最近発売されたミニPCの中で最も性能が高いです。また、内蔵しているグラフィックカード AMD Radeon RX 7600M XT も性能が非常に高く、NVIDIAのGeForce RTX 4060 を上回る性能を発揮できます。

そのため、PCゲームにおいては負荷が非常に高いものを含めて快適に動作します。性能的にはほぼすべてのPCゲームが60FPS以上で快適に動作し、動かないゲームはないほどです。性能は40万円前後の大型ゲーミングPCと変わらないでしょう。

そう考えると、20万前後の価格というのはそれほど高額ではないのかもしれません。ただし、今から3年後にはさらにPCの性能が上がっており、「AtomMan G7 Pt」を超える性能のミニPCも登場しているはずです。

問題はそのとき、グラフィックカードを交換したり、外付けのGPUボックスと接続できないことです。この点が一般的なゲーミングデスクトップPCとは大きく異なっている点なので、購入前によく確認しておく必要があるでしょう。

まとめ

性能が異常なほど高く、20万円前後の価格はむしろ安いといえます。ただし、グラフィックカードを交換するなどの拡張性はないので注意が必要です。3年後を見据えてから購入するかどうかを決めましょう。

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AtomMan G7 Ptの価格・購入先

AtomMan G7 Pt 正面

MINISFORUM 公式ストア

ベアボーンモデルで172,780円、

32GB+1TB SSDモデルで207,180円

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  • AliExpressで170,190円、

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AtomMan G7 Pt」と似た性能を持つミニPCも販売されています。

GMKtec EVO-X2

GMKtecから発売されるAMD Ryzen AI Max+ 395 (最大126 TOPS) 搭載のミニPCです(2025年4月15日予約開始・5月27日出荷)。

64GB/128GBLPDDR5X 8000MHzメモリ (オンボード)、PCIe 4.0 M.2 2280 SSDストレージを搭載しています。

また、最大8K 4画面出力(DP 1.4 x1, HDMI 2.1 x1, USB4.0 x2)、冷却システム「Max3.0 Airflow System」、デュアルM.2 2280 拡張スロット、SDカードリーダー、USB-A 3.2 Gen2 x3、USB-A 2.0 x2、2.5Gbps 有線LAN、Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4に対応しています。

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関連記事:GMKtec EVO-X2徹底レビュー!EVO-X1比較と性能・価格を評価

Endeavor SG150

エプソンから発売された第13世代のインテル Core i 搭載のミニPCです。最大2TB NVMe ストレージ搭載で、グラフィックボードの追加、最大7画面出力、Thunderbolt 4、Wi-Fi 6Eに対応しています。

価格は、楽天市場で204,094円(送料無料)、ヤフーショッピングで188,220円(お取り寄せ品)、エプソンダイレクトショップで 130,900~円(税込)です。

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MINISFORUM HX99G

MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen 9 6900HX搭載のミニPCです。Radeon RX 6600M、最大1TBストレージ搭載で、8K 4画面出力、2つのUSB-C 4.0ポート、冷却システム、Wi-Fi 6に対応しています。

価格は、Amazonで127,153円 (税込・32GB+1TB)、楽天市場で132,717円(送料無料)、ヤフーショッピングで206,100円(税込・送料無料)、AliExpressで98,339円(ベアボーン)、米国 Amazon.comで$729.90、です。

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AtomMan X7 Ti

MINISFORUMから発売された第14世代のIntel Core Ultra 9 185H搭載のミニPCです。4インチのタッチスクリーン搭載で、1080P HD カメラ(プライバシー保護)、デュアルマイク、冷却システム 「コールドウェーブ」、Wi-Fi 7に対応しています。

価格は、Amazonで148,213円(税込・32GB+1TB)、楽天市場で182,980円(送料無料)、米国 Amazon.comで$1,059.99 ($210 OFFクーポン付き)です。

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