スマホのように使える「BOOX Palma 2」。早くも「新しいCPUや機能でより使いやすくなった」と評判です。しかしその一方で、「前モデルから何が変わったのか分からない」という人も多くいるようです。
そこで今回はその性能の違いが分かるように、次の6点を重点的に解説します。
- 価格の違い
- CPUの速度
- 指紋認証
- スピーカー・マイク
- スマートボタン(AIアシスタント)
- ケース(フリップフォールドケース)
<共通したメリット>
- ディスプレイ・フロントライト
- スキャンカメラ
- メモリ・ストレージ
- バッテリー・充電
また、前モデル「BOOX Palma」と共通したメリットも紹介!できることや新機能、スペック、購入する前に知っておきたいデメリットや評価、詳細な価格情報もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
BOOX Palma 2が発売開始!
2024年10月24日、中国 Onyx International(オニキス インターナショナル)の新製品「BOOX Palma 2」(ブークス パルマ 2)が発売されました。
※日本での発売日は2024年11月27日です。
スマートフォンに似た形状をした6.13インチのE ink タブレットです(Android 13)。
Onyxからは2023年9月にAndroid 11搭載の「BOOX Palma」が発売されています。
このE inkタブレットは「小型サイズで持ち運びが便利」、「16MPのスキャンカメラが便利」と評判でした。
新モデルはより高速なプロセッサを搭載し、新しい機能が追加されていることで話題になっています。
もちろん、横書きの電子書籍(英語の書籍や「小説家になろう」など)も読めますよ。
それでは早速どんなE inkタブレットなのか、その価格や特徴(メリット)をくわしく見ていきましょう。
この製品の購入はこちら→ Amaozn リンク / 楽天市場のリンク
公式サイト:BOOX Palma 2 | A Potent 6.13” Mobile ePaper for Mindful Living – The Official BOOX Store
価格は4万円台・一般的なE ink端末の差は2万円で買う価値はあるのか?
「BOOX Palma 2」のくわしい特徴(メリット)を見ていく前に、関連した製品の価格を全体的におさえておきましょう。
まず、新モデル「BOOX Palma 2」はBOOX公式ストアで$279.99 (日本円で約42638円)で販売されています。
※楽天市場では52,800円で販売中です。
一方、前モデル「BOOX Palma」(2023年9月19日発売)はAmazonで46,800円で販売されていました。楽天市場でも同額で、安い中古品はありませんでした。
他に6インチのE inkタブレットでは、「BOOX Go 6」(2024年8月26日発売)が27,800円で販売されています。
他メーカーでは同じく6インチのE inkタブレット「Meebook M6」(2023年4月発売)がAmazonで21,799円で販売中。
Amazonの6型電子書籍リーダー「Kindle (2024)」は19,980円で販売されています。
日本で販売されているスマートフォンに似た形状のE ink端末はBOOX製品に限られ、約4万5千円前後になるようです。
一方、一般的な6インチのE inkタブレットや電子書籍リーダーは2万円台と比較的 お手頃な価格になっていることが多いようです。
果たして、スマホのように使える新モデル「BOOX Palma 2」は一般的なE inkタブレットや電子書籍リーダーよりもお買い得なのでしょうか?
くわしい特徴(メリット)を見てみましょう。
違い1:CPUアップグレード!さらに快適になったBOOX Palma 2の操作性をレビュー
ここでは、BOOX Palma 2のプロセッサ性能について、実際に使ってみて感じた魅力をレビューします。電子ペーパーデバイスとしての使い心地に直結する部分ですので、ぜひ参考にしてください。
前モデル「BOOX Palma」からの確かな進化
BOOX Palma 2は、前モデル「BOOX Palma」からプロセッサがアップグレードされています。具体的には、より高速な処理能力を持つQualcomm製のオクタコアCPUが搭載されました。前モデルのBOOX Palmaには、スマートフォンの「OPPO A73」や「Poco M3」などにも採用されていたQualcomm Snapdragon 662が搭載されていましたが、Palma 2ではこれよりも性能が向上しています。この進化により、デバイス全体の動作がよりスムーズになりました。
アプリ起動やブラウジングもスムーズに
実際にBOOX Palma 2を使ってみて最初に感じたのは、アプリの起動や切り替えが明らかに速くなったことです。例えば、普段よく使う「Kindle」アプリを開いて読書を始めたり、「Chrome」ブラウザでニュースサイトをチェックしたりする際の待ち時間が短縮され、より快適に操作できるようになりました。
個人的には、前モデルのBOOX Palmaでも電子ペーパー端末としては十分実用的だと感じていましたが、Palma 2ではさらに動作がキビキビとしており、日常的な使い勝手が一段と向上したと実感しています。ちょっとした調べ物や情報収集が、よりストレスなく行えるのは大きなメリットです。
BOOX Super Refresh Technologyとの相乗効果
BOOX Palma 2の魅力は、単にプロセッサが高速化しただけではありません。BOOX独自の画面表示技術「BOOX Super Refresh Technology(BSR)」との組み合わせによって、電子ペーパー特有の画面書き換えが驚くほど滑らかになっています。特に、ウェブサイトを閲覧する際のスクロールや、SNSアプリ(例えば「X」)のタイムラインを追う際に効果を発揮します。
4つのリフレッシュモード(HD、バランス、高速、超高速)を用途に応じて切り替えることで、残像感を抑えつつ、快適な表示速度を得られます。電子ペーパーの弱点とも言える画面の応答性が改善されたことで、読書以外の用途でも格段に使いやすくなったと感じています。
ベンチマークスコアで見る性能差
前モデル「BOOX Palma」のAntutu V10ベンチマークスコアは、総合で約24万前後でした(例: 総合241410、CPU 87028)。BOOX Palma 2の搭載CPUの具体的な型番は公式には発表されていませんが、このアップグレードされたプロセッサにより、Antutu V10の総合スコアは約30万前後に達していると推測されます。
実際にいくつかの情報源では、CPU-Zというアプリで確認したところ「Qualcomm Snapdragon 750G」と表示されたという報告もありますが、これはあくまで非公式な情報です。しかし、このスコアの向上は、前述したような実際の操作感のスムーズさに繋がっていると考えて良いでしょう。
ゲームや動画視聴への適性は?
プロセッサ性能は向上しましたが、BOOX Palma 2はあくまで電子ペーパーデバイスです。そのため、グラフィック処理能力を高く要求するような最新の3Dゲーム(例えば「原神」のようなタイトル)をプレイしたり、高画質な動画(例えばYouTubeでHD画質以上のもの)を滑らかに視聴したりするには、依然として不向きです。
実際に試してみると、表示のカクつきや遅延が目立ちます。個人的な意見ですが、Palma 2は読書やテキストベースの情報収集に特化したデバイスであり、ゲームや動画といったエンターテイメント性能を重視するならば、通常の液晶や有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンを選ぶべきです。ただし、シンプルなパズルゲームや、動画を音声メインで楽しむ(ラジオ代わりにする)といった使い方であれば、ある程度は可能です。
まとめ:プロセッサ性能のポイント
- 性能向上: 前モデル「BOOX Palma」に搭載されていたSnapdragon 662から、より高速なQualcomm製オクタコアCPUにアップグレードされています。
- 快適な操作感: BOOX Super Refresh Technologyとの連携により、電子ペーパーながらページめくりやスクロールが滑らかになりました。
- 実用性の向上: アプリの起動やウェブブラウジングなど、日常的な操作のレスポンスが改善され、ストレスなく使用できます。
- 数値的裏付け: Antutu V10ベンチマークスコアは公表されていませんが、前モデル(約24万)を上回る約30万前後と推測され、性能向上を裏付けています。
- 得意・不得意: 読書や情報収集には十分以上の性能を発揮しますが、高負荷なゲームや高画質動画の視聴には適していません。
違い2:指紋認証に対応・サイドにあるボタンやロック解除の使い勝手をレビュー
ここでは、BOOX Palma 2の大きな進化点の一つである「指紋認証機能」について、実際に使ってみて感じた魅力やメリットを詳しくご紹介します。この機能が加わったことで、Palma 2の使い勝手は格段に向上しました。
ついに搭載!待望の指紋認証機能
BOOX Palma 2は、前モデル「BOOX Palma」には搭載されていなかった指紋認証機能に新たに対応しました。前モデルでは、ロック解除の際にパスコードを入力したり、パターンを描いたりする必要がありましたが、Palma 2では指でタッチするだけで、素早く安全にログインできます。これは、日常的な利便性を大きく左右する、非常に嬉しい改善点です。
絶妙な位置、自然な操作感
指紋認証センサーは、本体右側面にある電源ボタンに内蔵されています。音量ボタン(ページめくりボタンとしても機能)の上に配置されており、端末を片手で持った際に、親指または人差し指が自然に触れる位置に来るように設計されています。個人的には左手で持つことが多いのですが、その場合は人差し指がちょうどボタンの位置に来て、非常にスムーズに認証操作が行えます。
右手で持つ方にとっても、親指で自然にタッチできるでしょう。この考えられたボタン配置のおかげで、特別な動作を意識することなく、瞬時にロック解除が可能です。
使って実感!驚くほど快適なロック解除
実際に指紋認証を使ってみると、その快適さに少し感動しました。ポケットやカバンからPalma 2を取り出し、電源ボタンに指を軽く触れるだけで、ほぼ一瞬でロックが解除されホーム画面が表示されます。認識精度も高く、一般的なスマートフォンと遜色ないレベルだと感じます。わざわざパスコードを入力する手間から解放されるのは、想像以上にストレスフリーです。読みたいと思った時にすぐ読書を開始できる、このスピーディーさは大きな魅力です。
パスワード入力のストレスから解放
電子ペーパーデバイスの特性上、画面の反応速度は液晶ディスプレイほど速くありません。そのため、キーボードでの文字入力、特にパスワードのような正確性が求められる入力は、少し億劫に感じることがあります。しかし、指紋認証機能はこのストレスを劇的に軽減してくれます。
例えば、「1Password」のようなパスワード管理アプリと連携させれば、各種アプリへのログインや、Webサイト(例えばAmazonや楽天などのショッピングサイト)でのログイン時に、指紋認証だけでIDとパスワードを安全かつ簡単に入力できます。個人的には、この機能のおかげでPalma 2を使ってブラウジングしたり、様々なアプリを利用したりするハードルがぐっと下がりました。
他の電子ペーパー端末にはない魅力
Amazonの「Kindle」シリーズや楽天の「Kobo」シリーズといった主要な電子書籍リーダー、あるいは他メーカーの小型E Inkタブレット(例えば「Meebook M6」など)の多くには、現時点で指紋認証機能は搭載されていません。その点で、BOOX Palma 2は一歩進んだ利便性を提供していると言えます。スマートフォンライクな操作性を追求したPalmaシリーズならではの、大きなアドバンテージです。
個人的に感じた指紋認証の価値
正直なところ、Palma 2を使う前は「電子ペーパー端末に指紋認証はそこまで重要だろうか?」と少し疑問に思っていました。しかし、実際に2週間ほど使ってみて、その考えは完全に変わりました。ロック解除の手軽さはもちろんですが、特にパスワード入力の手間が省けるメリットは非常に大きいです。電子ペーパーの弱点をうまく補い、デバイス全体の使い勝手を底上げしてくれる、まさに「かゆいところに手が届く」機能だと感じます。
セキュリティを高めつつ、利便性も向上させる指紋認証の搭載は、Palma 2の価値を大きく高めている要素です。
まとめ:指紋認証機能のポイント
- 新搭載: 前モデル「BOOX Palma」にはなかった指紋認証機能が追加されました。
- スマートな配置: 右側面の電源ボタンにセンサーが内蔵されており、自然な指の動きで操作できます。
- 高速・確実: 指でタッチするだけで、瞬時に安全なロック解除が可能です。
- 入力ストレス軽減: パスワード管理アプリとの連携で、各種ログイン時のパスワード入力の手間がなくなります。
- 差別化: 他の多くの小型E Inkタブレットや電子書籍リーダーには搭載されていない、便利な機能です。
<指紋認証の対応を比較>
- 1.「BOOX Palma 2」・・・指紋認証に対応する
- 2.「BOOX Palma」・・・指紋認証に対応しない
- 3.「Meebook M6」・・・指紋認証に対応しない
- 4.「Kindle (2024)」・・・指紋認証に対応しない
- 5.「Kobo Clara Colour」・・・指紋認証に対応しない
違い3:デュアルスピーカーとデュアルマイク搭載!注目のオーディオ機能をレビュー
ここでは、BOOX Palma 2のオーディオ性能に焦点を当て、実際に使ってみて感じた魅力や便利な点をご紹介します。電子ペーパー端末でありながら、意外と充実した「聞く」体験を提供してくれます。
スピーカーもマイクも進化!前モデルからの強化点
BOOX Palma 2は、オーディオ面でも前モデル「BOOX Palma」から着実な進化を遂げています。新たに「デュアルスピーカー」と「デュアルマイク」を搭載しました。前モデルは(公式には明記されていませんが、Palma 2でデュアルと強調されていることから)シングルスピーカー・シングルマイク構成だったと考えられます。これにより、Palma 2では本体スピーカーからのサウンド再生能力と、マイクでの録音品質の両方が向上しています。
デュアルスピーカーで広がる音の世界
本体下部に搭載されたデュアルスピーカーは、電子ペーパー端末としては十分な音質と音量を提供してくれます。もちろん、高価なオーディオ機器や最新のスマートフォンと比べるべきではありませんが、BGMとして音楽を流したり、ポッドキャストを楽しんだりするには十分です。実際に「Spotify」で好きなアーティストの曲を再生したり、「Apple Podcasts」で気になる番組を聞いたりしてみましたが、思った以上にクリアなサウンドで驚きました。
個人的には、寝る前にヒーリングミュージックを小さな音量で流したり、キッチンで料理をしながらラジオアプリ「radiko」を聞いたりするのにとても重宝しています。
テキスト読み上げ(TTS)も聞き取りやすく
BOOX端末に標準搭載されているテキスト読み上げ(TTS)機能も、デュアルスピーカーの恩恵を受けていると感じます。電子書籍アプリ「NeoReader」などでテキストを読み上げさせた際、合成音声が以前よりも聞き取りやすくなった印象です。手がふさがっている時や、移動中に本の内容を”耳で読書”したい時に非常に便利です。特に長文の記事や書籍を読む際に、目を休めながら内容をインプットできるのは嬉しいポイントです。
デュアルマイクでクリアな録音・(Wi-Fi)通話
デュアルマイクの搭載により、音声録音の品質も向上しました。内蔵の録音アプリでボイスメモを試してみましたが、周囲の雑音が入りにくく、自分の声がよりクリアに記録されていることを確認できました。会議の議事録代わりに要点を録音したり、ふと思いついたアイデアを音声でメモしたりするのに役立ちます。
また、Wi-Fi環境下であれば、「Zoom」や「Google Meet」、「LINE」などのアプリを使って音声通話を行うことも可能です(電子ペーパーの特性上、ビデオ通話は現実的ではありませんが)。クリアな音声でコミュニケーションが取れるのは、いざという時に便利です。
ワイヤレス接続も充実
BOOX Palma 2はBluetooth 5.1に対応しており、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンとの接続もスムーズです。例えば、「AirPods」やソニーの「WF-1000XM5」といった手持ちのBluetoothイヤホンとペアリングすれば、周りを気にせずに音楽やポッドキャストに没入できます。通勤電車の中やカフェなど、公共の場で音声コンテンツを楽しみたい場合に必須の機能です。
また、USB-Cポートは充電だけでなく、別売りの変換アダプタを使えば有線イヤホンを接続することも可能です(OTG機能経由)。
E Ink端末で”聞く”ことの価値
電子ペーパー端末であるPalma 2で、オーディオ機能が強化されたことには大きな意味があると感じています。最大の魅力である「目に優しいディスプレイ」で読書に集中した後は、音楽やポッドキャストで耳から情報を得たり、リラックスしたりすることができます。視覚だけでなく聴覚も活用することで、情報のインプット方法が多様化し、結果的にPalma 2をより長時間、様々なシーンで活用できるようになりました。
「読む」デバイスから、「読んで、聞ける」デバイスへと進化したことで、その価値はさらに高まったと言えるでしょう。
まとめ:オーディオ性能のポイント
- デュアル搭載: 前モデルから進化したデュアルスピーカーとデュアルマイクを搭載しています。
- 聞きやすいサウンド: 内蔵スピーカーで音楽、ポッドキャスト、ラジオ、TTSなどを十分に楽しめます。
- クリアな録音: デュアルマイクにより、ボイスメモや(Wi-Fi経由での)音声通話がよりクリアになりました。
- ワイヤレス対応: Bluetooth 5.1で、ワイヤレスイヤホンやスピーカーと簡単に接続できます。
- 有線接続も可能: USB-Cポートは、アダプタ経由で有線イヤホン接続にも対応します(OTG機能)。
- 利用シーン拡大: 「読む」だけでなく「聞く」機能が充実したことで、より多用途に活用できるデバイスになりました。
<スピーカーとマイクの有無を比較>
- 1.「BOOX Palma 2」・・・デュアルスピーカーとデュアルマイクを搭載
- 2.「BOOX Palma」・・・スピーカーとマイクを搭載
- 3.「Meebook M6」・・・スピーカーとマイクを搭載しない
- 4.「Kindle (2024)」・・・スピーカーとマイクを搭載しない
- 5.「Kobo Clara Colour」・・・スピーカーとマイクを搭載しない
違い4:スマートボタンでAIアシスタント起動!気になる使い勝手をレビュー
ここでは、BOOX Palma 2の操作性を格段に向上させている「スマートボタン」と、そこから呼び出せる「AIアシスタント」機能について、実際に使ってみて感じた魅力や便利な活用法をご紹介します。
カスタマイズ自在!左側面の「スマートボタン」
BOOX Palma 2の本体左側面には、一つだけ独立した物理ボタンが配置されています。これが「スマートボタン」です。単一の機能しか持たない一般的なボタンとは異なり、このスマートボタンにはユーザーが好みの機能を自由に割り当てることができます。具体的には、「短押し」「ダブルクリック」「長押し」という3つの異なるアクションに対して、それぞれ別の機能やアプリ起動を設定することが可能です。
これにより、自分だけの使いやすいショートカットキーとして活用できます。
よく使う機能を一発起動!便利な割り当て例
スマートボタンに割り当てられる機能は多岐にわたります。例えば、電子ペーパーで特に利用頻度の高い「フルリフレッシュ(画面全体の表示を更新して残像を消す操作)」や、「ホーム画面に戻る」、「E Inkセンター(画面のコントラストやリフレッシュモードなどを設定する画面)を開く」、「スクリーンショットを撮る」といった基本操作を割り当てることができます。
さらに、特定のアプリを起動するショートカットとしても設定可能です。個人的には、短押しに「フルリフレッシュ」、ダブルクリックに愛用している読書アプリ「Kindle」、そして長押しに後述する「AIアシスタント」を割り当てていますが、このカスタマイズ性の高さは本当に便利だと感じています。
スマートボタンからAIアシスタントを呼び出し
BOOX Palma 2のスマートボタンが持つ大きな可能性の一つが、AIアシスタント機能との連携です。ファイルの情報によれば、このAIアシスタント機能の導入は前モデル「BOOX Palma」からの大きな違いとされており、Palma 2の利便性を高める重要な要素となっています。スマートボタンのいずれかのアクションにAIアシスタントの起動を割り当てておけば、いつでも瞬時に音声操作インターフェースを呼び出すことができます。
AIアシスタントを使えば、「明日の朝7時にアラームをセットして」といったアラーム設定や、「牛乳を買う、とリマインダーに追加」といったリマインダー作成、さらには「今日の札幌の天気は?」「”ephemeral”の意味を教えて」といった質問応答などが音声で行えます。なお、AIアシスタントの利用にはONYXアカウントへのログインとインターネット接続が必要です。
使ってみた!AIアシスタントの便利な活用シーン
実際にAIアシスタントを使ってみると、その便利さを実感できます。特に、電子ペーパー端末での文字入力は、画面の応答性の関係で少し手間取ることがありますが、音声でサッと指示を出せるのは非常に快適です。読書中にふと気になった単語の意味を質問したり、デバイスを操作せずに天気予報を確認したり、簡単な計算をお願いしたりする際に役立ちます。
また、AIアシスタントは他のアプリを開いている状態でも、画面上に小さなフローティングウィンドウとして表示させて利用できるため、作業を中断することなく使える点も気に入っています。例えば、ブラウザで記事を読みながら、わからない言葉をAIアシスタントに尋ねるといった使い方が可能です。
右側面のボタンもカスタマイズ可能
カスタマイズ可能な物理ボタンは、左側面のスマートボタンだけではありません。右側面にある音量ボタンも、実はカスタマイズに対応しています。設定画面から、アプリごとに「ページめくり(電子書籍アプリなどで便利)」や「スクロール(ブラウザなどで便利)」といった操作を割り当てることができます。これにより、タッチ操作だけでなく、物理ボタンを使った確実でリズミカルな操作が可能になり、読書やウェブサイトの閲覧がより快適になります。
個人的に感じたスマートボタンとAIの価値
BOOX Palma 2を使ってみて、このスマートボタンによるカスタマイズ性と、AIアシスタントによる音声操作の組み合わせは、デバイスの使い勝手を大きく向上させていると感じました。よく使う機能を物理ボタン一発で呼び出せるだけでも十分に便利なのですが、そこにAIアシスタントという新たな操作方法が加わったことで、Palma 2の可能性がさらに広がった印象です。
特に音声入力は、電子ペーパーの文字入力のしにくさを補完する上で非常に有効な手段であり、今後のさらなる機能向上にも期待したいところです。
まとめ:スマートボタン(AIアシスタント)のポイント
- カスタマイズ可能: 左側面のスマートボタンは、「短押し」「ダブルクリック」「長押し」に好きな機能を割り当てられます。
- ショートカット: よく使う機能(フルリフレッシュ、アプリ起動など)をボタン一つで素早く呼び出せます。
- AI連携: スマートボタンからAIアシスタントを起動し、音声でアラーム設定や質問応答などが可能です。
- 入力補助: AIアシスタントの音声入力は、電子ペーパーでの文字入力の手間を軽減するのに役立ちます。
- 音量ボタンも活用: 右側面の音量ボタンも、ページ送りやスクロールに割り当てて操作性を高められます。
- 直感的な操作: 物理ボタンのカスタマイズ性とAI機能により、デバイス操作がより多機能かつ直感的になります。
違い5:専用ケースでさらに便利に!快適な使い勝手をレビュー
ここでは、BOOX Palma 2のために用意された専用の保護ケースについて、その魅力や使い勝手をご紹介します。特に多機能な「フリップフォールドケース」を中心に、実際に使ってみて感じたことをお伝えします。
スタイルに合わせて選べる2タイプ
BOOX Palma 2には、純正の専用ケースとして2つのタイプが用意されています(いずれも別売)。一つは、ディスプレイもしっかり保護できる手帳型の「フリップフォールドケース」、もう一つは背面と側面を保護するシンプルな「シェルケース」です。どちらもPalma 2のデザインにマッチするように作られていますが、ここでは特に機能性に優れたフリップフォールドケースの魅力に迫ります。
大切なPalma 2をしっかり保護
フリップフォールドケースの基本的な役割は、もちろんPalma 2本体を保護することです。鞄の中での擦れや、不意の落下などから、ディスプレイや本体を傷や汚れ、軽い衝撃から守ってくれます。素材感も良く、安っぽさを感じさせません。Palma 2専用に設計されているだけあって、サイズ感はぴったり。本体のデザイン性を損なうことなく、しっかりと保護してくれる安心感があります。
最大の魅力!便利なスタンド機能
このフリップフォールドケースの最もユニークで便利な点が「スタンド機能」です。ケースの背面カバー部分を内側に折りたたむことで、Palma 2を横向きにして自立させることができます。いわゆるキックスタンドとして機能し、これによりハンズフリーでの利用が可能になります。この機能は、Palma 2の活用シーンを大きく広げてくれる、素晴らしいアイデアだと感じました。
ハンズフリーで広がる活用シーン
スタンド機能があることで、様々な場面でPalma 2がさらに使いやすくなります。例えば、キッチンカウンターにPalma 2を立てて、レシピサイトを見ながら料理をする。あるいは、デスクの上に置いて、スクリーンセーバーに時計やカレンダーを表示させておけば、おしゃれな卓上情報端末としても活躍します。
カフェでコーヒーを飲みながら、手を塞がずに電子書籍を読むといった使い方も快適です。個人的には、このスタンド機能とスクリーンセーバーの組み合わせが非常に気に入っており、Palma 2の新たな価値を発見した気分です。
細かい配慮が嬉しい便利機能
フリップフォールドケースは、スタンド機能以外にも便利な機能を備えています。まず、カバーの開閉に連動してPalma 2が自動的にスリープ状態になったり、復帰したりする「スリープ/ウェイク機能」に対応しています。これにより、無駄なバッテリー消費を抑えつつ、カバーを開けばすぐに使い始められるという快適さを実現しています。
さらに、Palma 2の指紋認証機能を妨げないよう、右側面の電源ボタン部分には適切に切り欠きが設けられています。ケースを装着したままでも、スムーズに指紋認証でロック解除できるのは、地味ながら重要なポイントです。
デザインとカラー、価格について
ケースのデザインはシンプルかつスタイリッシュで、Palma 2本体との一体感があります。カラーバリエーションは、本体色に合わせて選べる「ブラック」と「ホワイト」の2色が用意されています。どちらの色も落ち着いた雰囲気で、ビジネスシーンでもプライベートでも使いやすいでしょう。価格はBOOXの公式ストアにて15.99ドル(2025年4月22日時点)となっており、機能性を考えれば納得のいく価格設定だと感じます。
まとめ:フリップフォールドケースのポイント
- 専用設計: BOOX Palma 2にぴったりフィットする純正の「フリップフォールドケース」(別売)。
- 保護性能: 傷や汚れ、軽い衝撃から本体をしっかりと保護します。
- スタンド機能: 背面カバーを折りたたむことで、横置きのスタンドとして利用可能です。
- ハンズフリー活用: レシピ確認、卓上時計、ハンズフリー読書など、利用シーンが広がります。
- 自動スリープ/ウェイク: カバーの開閉に連動して、自動で電源オン/オフ(スリープ/ウェイク)します。
- 指紋認証対応: ケースを装着したままでも指紋認証が使えるように、電源ボタン部分に切り欠きがあります。
- カラー展開: ブラックとホワイトの2色から選べます。
前モデルと共通したBOOX Palma 2のメリット
ここでは、BOOX Palma 2が前モデル「BOOX Palma」からしっかりと受け継いでいる、優れた基本性能の魅力についてご紹介します。新しい機能ももちろん魅力的ですが、デバイスの根幹をなすこれらの要素がしっかりしているからこそ、Palma 2は完成度の高いデバイスになっているのです。
変わらない魅力、Palmaシリーズの基盤
BOOX Palma 2は、CPUのアップグレードや指紋認証の搭載といった進化を遂げましたが、その一方で、前モデルで高く評価されていた基本性能の多くはそのまま継承されています。具体的には、目に優しいディスプレイとフロントライト、便利なスキャンカメラ、十分なメモリとストレージ、そして安心のバッテリー性能です。これらがPalma 2の使いやすさの土台となっています。
メリット1:Carta1200で文字をくっきりと表示できる・2色フロントライトも搭載
目に優しく、読みやすい Carta 1200 ディスプレイ
まず、Palma 2の顔とも言えるディスプレイは、6.13インチのE Ink Carta 1200スクリーン(解像度824×1648、300ppi)です。このディスプレイは、紙に印刷された文字を読むような自然な感覚を提供してくれます。
Carta 1200技術により白黒のコントラストが非常に高く、文字が驚くほどくっきりと表示されます。実際に小説を読んでも、漫画の吹き出しの小さな文字を読んでも、あるいはウェブサイトの記事を読んでも、文字が潰れることなく明瞭です。個人的には、長時間読書しても目が疲れにくいこのディスプレイが、Palmaシリーズを選ぶ最大の理由の一つだと感じています。
環境に合わせて最適化、2色フロントライト
暗い場所での読書をサポートするフロントライトも、Palmaシリーズの魅力です。Palma 2は、暖色(オレンジ系)と寒色(ホワイト系)の2種類の色温度を調整できるCTM(Color Temperature Modulation)フロントライトを搭載しています。
これにより、例えば就寝前のリラックスしたい時間には暖色系の温かみのある光で、日中の明るい場所で文字をはっきり読みたい時には寒色系の白い光で、といったように、状況や好みに合わせて最適な光を選ぶことができます。さらに、周囲の明るさを感知してライトの輝度を自動で調整してくれる機能も備わっており、常に快適な明るさで画面を見ることができるのは非常に便利です。
メリット2:16MPのスキャンカメラ
あると便利!書類スキャンに役立つ16MPカメラ
本体背面には、16メガピクセルのカメラが搭載されています。LEDフラッシュも付いているので、少し暗い場所でも利用可能です。オートフォーカスにも対応しており、対象物にしっかりピントを合わせてくれます。このカメラの主な役割は、高画質な写真を撮ることではなく、紙の書類や手書きのメモ、書籍のページなどを手軽にデジタル化する「スキャナー」としての機能です。
実際に、会議で使ったホワイトボードの内容を記録したり、気になった雑誌の記事をサッと取り込んだりするのに重宝しています。QRコードの読み取りにも対応しているので、外出先で役立つ場面もあります。ただし、Palma 2のディスプレイはモノクロなので、撮影した画像もモノクロで表示されます。あくまで補助的な機能と捉えるのが良いでしょう。
メリット3:6GBメモリと128GBストレージで快適に使える・拡張も可
快適な動作を支える基本スペックも充実しています。RAM(メモリ)は6GB搭載されており、複数のアプリを切り替えながら使ったり、図版の多いPDFファイルを開いたりする際にも、比較的スムーズな動作を保ってくれます。
内蔵ストレージ(ROM)は128GBと大容量です。これだけあれば、数千冊規模の電子書籍ライブラリ(例えばKindleで購入した書籍データや、自分でスキャンしたPDFファイルなど)や、お気に入りの音楽ファイル(MP3など)を本体に余裕で保存できます。
さらに、本体側面にはmicroSDカードスロットも備わっており、最大2TBまでのmicroSDXCカードを追加できます。容量を気にせずに大量のデータを持ち歩きたいユーザーにとって、この高い拡張性は大きな魅力です。
メリット4:3950mAh バッテリー搭載で数週間 使用できる
バッテリー容量は3950mAhと、このサイズのデバイスとしては十分な量が搭載されています。そして何より、E Inkディスプレイは表示中の電力消費が極めて少ないため、バッテリーの持ちが非常に良いのが特徴です。
使い方にもよりますが、一度フルに充電すれば、数日から、場合によっては数週間持つこともあります。私の使い方ですと、毎日1~2時間ほど読書や調べ物に使っていますが、充電は週に1回するかしないか、といった程度です。
頻繁な充電の手間から解放され、バッテリー残量を気にせず使えるこの安心感は、Palma 2を毎日使う上で非常に大きなメリットだと感じています。
充電ポートは現在主流のUSB Type-Cなので、他のデバイスと充電器を共用しやすいのも便利です。ただし、急速充電には対応していないため、バッテリーが空の状態からフル充電までは少し時間がかかります。
まとめ:前モデルから引き継がれた確かな実力
- 高品質ディスプレイ: 目に優しく文字が読みやすい、6.13インチ E Ink Carta 1200 スクリーン (300ppi)。
- 快適フロントライト: 暖色・寒色調整と自動調光に対応したCTMフロントライト。
- 便利なスキャンカメラ: 書類やメモのデジタル化に役立つ16MPリアカメラ (LEDフラッシュ、AF付き)。
- 余裕のスペック: スムーズな動作を実現する6GB RAMと、大容量の128GB内蔵ストレージ。
- 高い拡張性: 最大2TBまでのmicroSDXCカードに対応し、容量不足の心配なし。
- 驚きのバッテリー持ち: 一度の充電で数日から数週間利用可能な3950mAhバッテリー (USB-C充電、急速充電非対応)。
- 完成度の高さ: これらの前モデルから受け継がれた基本性能が、BOOX Palma 2の高い完成度と使いやすさを支えています。
BOOX Palma 2のメリット・デメリット まとめ
ここでは、スマートフォンサイズのE Inkデバイスとして注目を集める「BOOX Palma 2」について、実際に使ってみて感じたメリットとデメリットを正直にレビューします。前モデル「BOOX Palma」からの進化点も踏まえつつ、このユニークなデバイスの魅力と注意点を探っていきます。
【メリット】
まずは、BOOX Palma 2が持つ数々の魅力、メリットから見ていきましょう。
メリット1: 目に優しく、紙に近い読書体験 (ディスプレイ & ライト)
Palma 2の最大の魅力は、やはり6.13インチのE Ink Carta 1200ディスプレイです。300ppiの高解像度と高いコントラスト比により、まるで紙に印刷されたかのように文字がくっきりと表示されます。ブルーライトを発しないため、長時間の読書でも目が疲れにくく、特に寝る前の読書には最適です。
さらに、暖色と寒色の調整が可能なフロントライト(CTM)と自動調光機能により、暗い寝室から明るい屋外まで、あらゆる環境で快適な読書が可能です。個人的には、この目に優しい読書体験こそが、Palma 2を選ぶ最大の理由だと感じています。
メリット2: スマホサイズで持ち運びやすい
一般的な電子書籍リーダーよりも一回り小さい、まさにスマートフォンサイズ(約170g)であることも大きなメリットです。ポケットにすっぽり収まり、通勤電車の中などでも片手で気軽に読書を楽しめます。読書専用端末を持ち歩くのは少しかさばるけれど、スマホの画面で長時間読むのは目が疲れる…そんな悩みを解決してくれる絶妙なサイズ感です。
メリット3: Android搭載でアプリが使える自由度
Palma 2はAndroid 13を搭載しており、Google Playストアから様々なアプリをインストールして利用できます。これにより、「Kindle」「Kobo」「honto」といった複数の電子書籍ストアのアプリを使い分けたり、ブラウザでウェブサイトを閲覧したり、「Feedly」のようなRSSリーダーで情報収集したり、「Spotify」で音楽を聴いたりすることが、この一台で可能になります。読書専用端末にはない、この汎用性の高さは大きな魅力です。
メリット4: 向上したプロセッサ性能と快適な動作
前モデルからアップグレードされたオクタコアCPUと6GBのRAMにより、アプリの起動や切り替え、ウェブページの読み込みなどがよりスムーズになりました。さらに、BOOX独自の「Super Refresh Technology」によって、E Ink特有の画面書き換え速度も改善されており、特にウェブサイトなどをスクロールする際の残像感が軽減され、ストレスなく操作できます。電子ペーパー端末としては非常にキビキビとした動作感です。
メリット5: 指紋認証でセキュリティと利便性が向上
新たに追加された電源ボタン一体型の指紋認証センサーは、想像以上に便利です。ポケットから取り出してボタンに触れるだけで瞬時にロック解除でき、パスコードを入力する手間が省けます。特に、パスワード管理アプリ(例えば「1Password」など)と連携させると、各種アプリやウェブサイトへのログインも指紋認証だけで行えるようになり、電子ペーパーでの文字入力の煩わしさから解放されます。セキュリティと利便性を見事に両立させた機能です。
メリット6: オーディオ機能も搭載(デュアルスピーカー/マイク)
Palma 2はデュアルスピーカーとデュアルマイクを搭載しており、音楽ストリーミングサービス(Spotifyなど)やポッドキャストの再生、テキスト読み上げ(TTS)機能などを本体スピーカーで楽しめます。Bluetooth 5.1にも対応しているので、ワイヤレスイヤホンを接続して、より高音質で楽しむことも可能です。読書に疲れた時に耳から情報を得られるのは、嬉しいポイントです。
メリット7: 十分なストレージと拡張性
内蔵ストレージは128GBと大容量で、たくさんの電子書籍や音楽ファイルなどを保存できます。さらに、microSDカードスロットも搭載されており、最大2TBまでのカードを追加して容量を拡張できます。自炊したPDFファイルなどを大量に持ち歩きたいユーザーにとっては、非常に心強い仕様です。
メリット8: 安心のバッテリー持続時間
3950mAhのバッテリーとE Inkディスプレイの省電力性により、バッテリーの持ちは非常に良好です。使い方にもよりますが、一度の充電で数日から、場合によっては数週間持つことも珍しくありません。頻繁な充電から解放されるのは、日々の利用において大きなメリットです。
メリット9: あると便利なスキャンカメラとスマートボタン
背面には16MPのカメラが搭載されており、書類やメモを手軽にスキャンしてデジタル化するのに役立ちます。また、左側面にはカスタマイズ可能な「スマートボタン」があり、よく使う機能(画面リフレッシュやアプリ起動など)を割り当てたり、AIアシスタントを呼び出したりすることができます。
【デメリット】
次に、Palma 2を使っていく中で感じた、あるいは注意が必要だと感じたデメリットについても触れておきます。
デメリット1: 画面の縦横比はマンガに最適とは言えない
Palma 2の画面はスマートフォンに近い縦長(約2:1)の比率です。これは一般的なコミック単行本(B6判など)よりも細長いため、マンガを読む際にページ全体を表示させると左右に大きな余白ができたり、見開きページが小さく表示されたりすることがあります。
文字中心の書籍やウェブ記事には適していますが、マンガを最高の環境で楽しみたい場合は、より正方形に近い画面を持つ他の電子書籍リーダーの方が適しているかもしれません。
デメリット2: モノクロ表示の限界
Palma 2のE Inkディスプレイは、目に優しい反面、カラー表示には対応していません(16階調のグレースケール表示)。そのため、カラー写真やイラストが豊富な雑誌や、色分けが重要な図版を含む専門書などは、本来の魅力を十分に味わえないことがあります。
また、Androidアプリの中には、アイコンやボタンの色で機能を区別しているものもあり、そういったアプリは少し使いにくく感じるかもしれません。個人的には、ネットショッピングで服などの色味を確認できないのが少し不便でした。
デメリット3: カメラは「スキャナー」と割り切る必要あり
背面に16MPのカメラが付いていますが、これはあくまで書類やメモをデジタル化するための「スキャナー」としての機能がメインです。そのため、一般的なスマートフォンのように美しい風景写真を撮ったり、暗い場所で鮮明な写真を撮ったり(ナイトモードなど)、背景をぼかしたポートレート写真を撮ったりすることはできません。記録用途と割り切って使う必要があります。
デメリット4: 動画再生やゲームは基本的に苦手
プロセッサ性能は向上し、BOOX Super Refresh Technologyで画面の応答性も改善されていますが、E Inkディスプレイの原理的な限界から、動きの速い映像表示は得意ではありません。YouTubeなどの動画を視聴しようとすると、残像が気になったり、動きがカクカクしたりします。同様に、アクションゲームなど動きの多いゲームを快適にプレイすることも困難です。これらの用途を期待して購入するのは避けるべきです。
デメリット5: 価格はやや高め
BOOX Palma 2の実売価格(2025年4月現在、約5万円台)は、読書専用の電子書籍リーダー(例えばKindle Paperwhiteなど)と比較すると高価です。Android OSを搭載し、アプリが利用できる汎用性や、比較的高性能なCPU、指紋認証などの付加価値を考慮する必要がありますが、単純に「電子書籍を読むためだけ」と考えると、割高に感じるかもしれません。
デメリット6: Wi-Fi専用で単体通信は不可
Palma 2はSIMカードスロットを搭載しておらず、モバイルデータ通信には対応していません。インターネット接続はWi-Fi環境下でのみ可能です。外出先でウェブサイトを見たり、オンラインサービスを利用したりするには、スマートフォンのテザリング機能などを使う必要があります。この点を不便に感じる方もいるかもしれません。
まとめ
BOOX Palma 2は、多くのメリットを持つ一方で、いくつかの明確なデメリットも存在する、良くも悪くも尖ったデバイスです。最後に、この記事のポイントをまとめます。
メリット:
- 目に優しく紙に近いE Ink Carta 1200ディスプレイと調整可能なフロントライト
- ポケットサイズで持ち運びやすく、片手操作も快適
- Android 13搭載で多様なアプリが利用可能
- 向上したCPU性能とBSR技術によるスムーズな動作
- 便利な指紋認証機能
- 音楽やポッドキャストも楽しめるオーディオ機能
- 十分な内蔵ストレージとmicroSDによる拡張性
- 数日から数週間持つ安心のバッテリー
- 書類スキャンに役立つカメラとカスタマイズ可能なスマートボタン
デメリット:
- 縦長画面はマンガ表示に最適とは言えない
- カラー表示非対応による制約(アプリUI、カラーコンテンツなど)
- カメラはスキャン用途がメインで一般的な撮影には不向き
- 動画再生やゲームには基本的に適さない
- 読書専用端末と比べると価格が高め
- Wi-Fi専用で単体でのモバイル通信は不可
結論として、BOOX Palma 2は以下のような方に特におすすめできるデバイスです。
- 長時間の読書で目の疲れを感じている方
- 様々な電子書籍ストアやニュースアプリなどを一つのデバイスで利用したい方
- 読書専用端末の機能だけでは物足りないと感じている方
- 持ち運びやすさを重視する方
一方で、マンガをメインで読みたい方、カラー表示が必要な方、動画やゲームを楽しみたい方、価格を抑えたい方には、他の選択肢を検討することをおすすめします。
BOOX Palma 2は、その特性を理解し、ライフスタイルに合致すれば、他に代えがたい魅力的なパートナーとなる可能性を秘めたデバイスです。
BOOX Palma 2のスペック
- ディスプレイ 6.13インチ、解像度824 x 1648 pxのCarta1200フラットスクリーン
※18:9/カラー:150dpi/白黒:300ppi/静電容量方式タッチ/明るさ自動調整 - フロントライト CTM付きフロントライト(暖色及び寒色)
- ページめくりボタン あり
- プロセッサ オクタコア + BSR (BOOX Super Refresh)
- RAM(メモリ) 6GB LPDDR4X
- ストレージ 128GB UFS2.1
- 外部ストレージ microSDカードで最大2TBまで拡張可、10GBのOnyxクラウドストレージ(無料)
- バッテリー 3950 mAh
- カメラ 16MP、LEDフラッシュ付
- ワイヤレス通信 Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.0
- インターフェース USB-C (OTGサポート)、microSDカードスロット、電源、音量(ページめくり)、ファンクションボタン(カスタマイズ可能)
- センサー Gセンサー(自動回転)
- スピーカー デュアルスピーカー
- マイク デュアルマイク
- 防滴 対応(突然の水しぶきに対応)
- カスタムウィジェット 対応
- スタイラスペン 専用ペンなし・利用できません
- 保護カバー 専用フリップフォールドケース(別売)
- 生体認証 指紋認証
- Google Playストア 対応(サードパーティ製アプリ利用可)
- OS Android 13 ※OTAアップデート対応、サードパーティ製アプリをサポート
- サイズ 159 x 80 x 8.0 mm
- 重量 170g
- カラー ブラック、ホワイト
- 付属品 USB-C ケーブル x 1 カードトレイ取り出しツール x 1 クイック スタート ガイド x 1 保証書 x 1
- ドキュメント形式: PDF、CAJ、DJVU、CBR、CBZ、EPUB、EPUB3、AZW3、MOBI、TXT、DOC、DOCX、FB2、CHM、RTF、HTML、ZIP、PRC、PPT、PPTX
- 画像形式: PNG、JPG、BMP、TIFF
- オーディオ形式: WAV、MP3
BOOX Palma 2の評価
8つの基準で「BOOX Palma 2」を5段階で評価してみました。
- 動作速度:★★★★
- 手書き機能:なし
- 耐久性:★★★
- デザイン:★★★★
- 機能:★★★★
- バッテリーの持ち:★★★★
- 価格:★★★
- 使いやすさ:★★★★
<総合評価>
2023年9月に発売された「BOOX Palma」の後継モデルになります。主にCPU、スピーカー、マイクを強化し、指紋認証に対応。スマートボタンでAIアシスタントと呼び出せるなど使い勝手も向上しています。
注目はわずかな隙間時間を利用して、狭い場所でも超高速に読書できる点です。
たとえば満員電車の中でもさっと取り出してすぐに読書を開始でき、音量ボタンでページのスクロールして読み進められます。前モデルからCPUの速度が向上したため、Webサイトの表示も高速になり、「小説家になろう」などのサイトにアクセスして、すばやく読書することも可能です。
ユニークなのは、16MPのスキャンカメラで読みったテキストも表示できる点です。完璧な精度ではありませんが、プレゼンの資料や参考になる資料などをOCRアプリで読み取っておき、後で時間が空いたときに読むといった使い方も可能です。
また、料理中など両手がふさがっていても、音声操作やジェスチャーによる操作も可能す。スピーカーとマイク搭載で、テキストを読み上げ機能を使って保存しておいた資料を音声で聞いたり、AIアシスタント機能で単語の意味を調べたりすることもできます。
(まとめ)
「BOOX Palma 2」はスマホのような薄型軽量デザインで、特に満員電車のような狭い場所で読書するときに役立ちます。スマートボタンや音声操作、ジェスチャー操作などさまざまな操作方法があり、テキストを読み上げ機能やAIアシスタント機能を利用することで、より便利に使えます。
自宅でゆっくりと読書したい人にはあまり必要がありませんが、常に忙しく、短い時間でも有意義に活用して読書したい人には最適なE ink端末であるといえます。スマホのように使える高性能なE ink端末を探している人におすすめします。
BOOX Palma 2の価格・購入先
BOOX公式ストア
$279.99 (日本円で約42638円)、
で販売されています。
BOOX公式ストアで「BOOX Palma 2」をチェックする
SKTショップ
52,800円で販売されています。
SKTショップで「BOOX Palma 2」をチェックする
ECサイト
- 楽天市場で52,800円(送料無料)、
- ヤフーショッピングで52,800円(送料無料)、
- 米国 Amazon.comで$299.99、
で販売中です。
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おすすめの類似製品を紹介
「BOOX Palma 2」に似た性能をもつE inkタブレット、電子書籍リーダーも販売されています。
Bigme HiBreak Pro
Bigmeから発売された6.13インチのE Ink 5Gスマートフォンです(2025年4月発売)。
Android 14、MediaTek Dimensity 1080 オクタコアプロセッサ (2.4GHz)、ARM Mali-G68 MC4 GPU、8GBメモリ、824×1648ピクセルの6.13インチHD E Ink 白黒ディスプレイ (300PPI、フリッカー・ブルーライトなし)、256GBストレージ、4500mAhバッテリー (18W急速充電対応)、背面20MPカメラ (写真テキスト認識OCR機能付き)、前面5MPカメラ、ジャイロスコープセンサーを搭載しています。
また、調整可能な36レベルの暖色・寒色フロントライト、Bigme “SSS”Super Refresh技術およびxRapid refresh algorithmによる高速リフレッシュレート (21 F/S)、自動ゴースト除去機能 (Auto Ghosting removal / Mininum Ghosting)、無料の音声テキスト変換、BigmeGPT 4.0、xReaderアプリによるテキスト翻訳、内蔵のテキスト読み上げ (TTS)に対応。
Google Play ストア、ハイライトと注釈機能、柔軟なレイアウト設定、指紋認証によるロック解除、NFC、指紋認証ボタン、リフレッシュボタン、USB Type-C(OTG)、5G/4G通信、Wi-Fi、Bluetooth 5.2、高精度GPSに対応しています。
価格は、Amazonで62,799円(税込)、AliExpressで63,244円、Bigme公式ストアで62,508.99円、です。
関連記事:最強Einkスマホ?Bigme HiBreak Pro徹底レビュー&評価
BOOX Palma
Onyxから発売された6.13インチのE inkタブレットです(2023年9月19日に発売)。
Android 11、Qualcomm 8コアプロセッサ、4GB LPDDR4Xメモリ、18:9のCarta1200フラットスクリーン、3950mAhバッテリー、128GB UFS2.1ストレージ、Gセンサー、スピーカー、マイク、microSDカードスロットを搭載しています。
また、16MPカメラ(LEDフラッシュ付)、ページめくりボタン、ファンクションボタン、カスタムウィジェット、防滴、BOOX Super Refresh、最大2TBまでのストレージ拡張、2色フロントライト、OTAアップデート、Google Playストア、専用ソフトケース(別売)、USB-C (OTG)、Wi-Fi 5のデュアルバンド、Bluetooth 5.0に対応しています。
価格は、Amazonで45,980円 (税込)、楽天市場で34,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで39,752円、米国 Amazon.comで$269.99 ($40 OFFクーポン付き)、です。
関連記事:スマホサイズ「BOOX Palma」のできること、機能、評価を解説
BOOX Go 6
Onyxから発売された6インチのE inkタブレットです(2024年8月26日発売)。Android 12、Qualcomm 2.0GHz オクタコア プロセッサ、2GB LPDDR4X メモリ、HD Carta 1300 ガラス スクリーン、32GB eMMC ストレージ、1500 mAhバッテリー、microSDカードスロット、マイク搭載で、
ストレージ拡張、マグネットカバー(別売)、2色フロントライト、Google Playストア(サードパーティ製アプリの追加)、10GBのOnyxクラウドストレージ(無料)、USB Type-C (OTG/オーディオ ジャックとして使用可)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0に対応しています。
価格は、楽天市場で27,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで27,800円、AliExpressで21,268円、米国 Amazon.comで$159.99、です。
関連記事:「BOOX Go 6」とPoke5、Page、Go Colorの違いを解説
Meebook M6
Boyueから発売されたAndroid 11の6.0型 E inkタブレットです(2023年4月発売)。300ppiのHD E Inkスクリーン、クアッドコア 1.8GHzプロセッサ、3GBメモリ、32GBストレージ、2200 mAhバッテリー搭載で、
最大1TBまでストレージ拡張、2色フロントライト(24段階・暖色と寒色)、Google Playストア(電子書籍アプリおよびサードパーティ製アプリの追加)辞書(翻訳)、読書モード(ダーク色)、ZReaderアプリ、オリジナルレザーケース(付属)、USB Type-C (OTG)、Wi-Fiデュアルバンド、Bluetooth 5.0に対応しています。
価格は、Amazonで21,799円(税込)、楽天市場で24,428円(送料無料)、AliExpressで16,765円、米国 Amazon.comで$159.00、です。
関連記事:最大1TBの「Meebook M6」と6型E inkタブレットを比較
Kindle (2024)
Amazonから発売された6インチの電子書籍リーダーです(2024年10月16日 発売)。
解像度300ppiのAmazon 反射抑制ディスプレイ、LED 4個のフロントライト、16GBストレージ、最大6週間 駆動するバッテリーを搭載しています。
高速なページめくり、明るさ調整(フロントライト・手動)、クラウド保存、純正ファブリックカバー(別売)、16階調グレースケール、フォント最適化技術、USB-C、Wi-Fi (2.4GHz) 、Kindleストアに対応しています。
価格は、Amazonで19,980円(税込・広告なし)、米国 Amazon.comで$129.99、です。
関連記事:新型「Kindle (2024)」とPaperwhite、Koboを比較
BOOX Go Color 7
Onyxから発売されたAndroid 12搭載のカラー対応 7型 E inkタブレットです(2024年6月6日発売)。2.4GHzオクタコア プロセッサ、4GB LPDDR4X メモリ、Kaleido 3 (Carta 1200)液晶、64GB UFS2.2 ストレージ、2300 mAhバッテリー、microSDカードスロット搭載で、
ページめくりボタン、ストレージ拡張、スピーカー、マイク、BOOX スーパーリフレッシュテクノロジー、Gセンサー(自動回転)、撥水設計(水をはじく加工)、2色フロントライト、磁気ケース「Go Color 7 マグネットケース」(別売)、サードパーティ製アプリの追加、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0に対応しています。
価格は、Amazonで49,800円、楽天市場で49,800円、ヤフーショッピングで49,800円、です。
関連記事:「BOOX Go Color 7」はKoboよりも高評価か? 性能を解説
BOOX Note Max
Onyx から発売された13.3インチのE inkタブレットです(2024年12月 発売)。
Android 13、解像度3200 x 2400ドットのCarta 1300スクリーン、2.8GHz オクタコア プロセッサ、6GBメモリ、128GBストレージ、3,700mAhバッテリーを搭載しています。
また、筆圧4096段階のBOOX Pen Plus(付属)、純正キーボードカバー(別売)、マグネット式の純正カバー(別売)、自動回転用Gセンサー、デュアルスピーカー、Google Playストア、サードパーティのアプリ、Type-C(OTG)、Wi-Fi、Bluetooth 5.0に対応しています。
価格は、$649.99 (日本円で約98099円)、です。
関連記事:13.3インチBOOX Note Maxを徹底レビュー!Tab Xとの違いは?
他のBOOXタブレットと比較
他にもBOOXのE inkタブレットが販売されています。2024モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。
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