2024年2月27日に発売された「Xiaomi Watch S3」は、「ベゼルで遊ぶ、ファッションスマートウォッチ」というコンセプトを掲げ、その高いデザイン性と機能性で注目を集めています。
このレビューでは、Xiaomi Watch S3が日々の生活をどれだけ豊かにしてくれるのか、前モデル「Xiaomi Watch S2」からどのように進化したのか、その魅力と実力を徹底的に検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
Xiaomi Watch S3 の長所(Pros):
- ベゼル交換による、他に類を見ない高いファッション性とカスタマイズ性
- 2万円以下とは思えない、高級感のあるデザインと質感
- 標準使用で最大15日間という安心のバッテリー持ちと、驚異的な急速充電
- 新OS「HyperOS」と60Hzリフレッシュレートによる滑らかな操作感
- 高精度なL1+L5デュアルバンドGPSを搭載
Xiaomi Watch S3 の短所(Cons):
- 通知のバイブレーションが弱く、メッセージへの返信機能がない
- ワイヤレス充電に非対応
- 前モデルにあった体組成測定・皮膚温測定機能が削除されている
- 転倒検知や音楽保存など一部の機能がAndroid限定
総合評価:
Xiaomi Watch S3は、腕時計としてのファッション性を最優先しつつ、日々の健康管理とバッテリーの心配から解放されたいユーザーにとって、最高のコストパフォーマンスを誇る理想的な一台です。特に、その日の気分や服装に合わせて時計のデザインを変えたい方には、強くおすすめできます。
<この記事で分かること>
- Xiaomi Watch S3最大の魅力である「交換可能なベゼル」の詳細なレビュー
- 1.43インチ有機ELディスプレイの見やすさと60Hzの滑らかな操作感
- 新OS「Xiaomi HyperOS」の使い勝手とウィジェットのカスタマイズ性
- 進化したスポーツ機能(高精度GPS、プロ仕様スキーモード、10種のランニングコース)
- アップグレードされた12チャネル心拍数センサーによる健康管理機能の精度
- 実際の使用環境に基づいたリアルなバッテリー持続時間と急速充電の性能
- Bluetooth通話や通知機能など、スマート機能の利便性と弱点
- 前モデル「Xiaomi Watch S2」とのスペック・機能の徹底比較
- 購入する前に知っておきたいメリット・デメリット比較
- 専門家による5段階評価と詳細な総評
- 最新の価格とお得な購入先・他機種との価格比較
この記事を最後まで読むことで、「Xiaomi Watch S3」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ: Xiaomi Watch S3 – Xiaomi Japan
デザインと耐久性:Xiaomi Watch S3 ~カスタマイズで化ける、価格以上の高級感~
ここでは、Xiaomi Watch S3を実際に手にしてみて感じたデザインの魅力と、日々の使用で試された耐久性についてレビューしていきます。特に、このスマートウォッチ最大の特長である「ベゼル交換」という心躍る体験を中心に、その実力を詳しくお伝えします。
アナログ腕時計のような質感と高級感
箱から取り出した瞬間、これが2万円以下のスマートウォッチだとは信じがたいほどの高級感に驚きました。アルミ合金製のフレームと、鈍い光を放つステンレススチール製のベゼルが織りなす質感は、まるで金属の塊から削り出された精密なアナログ腕時計のようです。前モデルのXiaomi Watch S2は、全体がステンレススチール素材で高級路線でしたが、S3は素材構成を見直しながらも、巧みなデザインで全く見劣りしない上質な雰囲気を実現しています。クラシックな円形デザインはスーツスタイルにも自然に溶け込み、Apple Watchなどの角形ディスプレイとは一線を画す落ち着いた印象を与えてくれます。
絶妙なサイズ感とストレスフリーな装着感
本体サイズは47mmと数字だけ見ると少し大きく感じますが、実際に私の腕に着けてみると不思議なほどフィットし、その大きさが気になることはありませんでした。特に感心したのは、一般的な腕時計にあるリューズ(竜頭)がない点です。これにより、デスクワークでキーボードをタイピングする際に、手の甲にリューズが当たって気になるという、あの小さなストレスから解放されました。
重量もストラップなしで44gと軽量で、一日中着けていても負担にならず、睡眠計測のために夜間に装着していても全く気になりませんでした。前モデルのS2が2サイズ展開だったのに対し、S3はこの47mmサイズに一本化されていますが、多くの男性の腕に馴染む絶妙な設計だと感じます。
日常からアクティビティまで、安心の耐久性
このスマートウォッチのタフさは、日々の生活の中で実感できました。5ATMの防水性能を備えているため、突然の雨の中でのランニングや、汗をかくジムでのトレーニング、さらにはシャワーを浴びる際も外す必要がありません。実際にプールで泳いでみても全く問題なく、アクティブな趣味を持つ人にとっては心強いパートナーになるでしょう。また、ディスプレイはCorning社のガラスで保護されており、日常生活でつい何かにぶつけてしまうような場面でも、今のところ傷一つついていません。この価格でこれだけの耐久性を備えているのは、大きな安心材料です。
遊び心あふれるベゼル交換という体験
Xiaomi Watch S3の最大の魅力は、何と言っても交換可能なベゼルです。標準のブラックベゼルを反時計回りにひねって外し、別売りの「レインボー」ベゼルを装着した時の体験は、まさに感動的でした。カチッとはまった瞬間、サウンドと共に専用のウォッチフェイスへ自動的に切り替わるのです。このガジェットとしての遊び心は、単なる時計以上の所有する喜びを与えてくれます。一部ではベゼルが外れやすいとの声もあるようですが、私の個体ではそのような問題は起きていません。前モデルにはなかったこの「遊べる」要素が、S3を唯一無二の存在にしています。
シーンに合わせて交換できるストラップ
標準で付属するフッ素ゴム製のストラップは、スポーティーで実用的ですが、少しチープに感じるかもしれません。しかし、別売りのストラップ&ベゼルセットに交換することで、その印象は一変します。用意されているのは、それぞれ異なる魅力を持つレザーストラップです。
- オーシャンブルー:落ち着いたクロムブルーの台座に合わせた、穏やかでエレガントなレザーストラップです。
- デュアルトーンセラミック:ブラックとグリーンのコントラストが目を引く、ビジネスシーンにも映えるレザーストラップです。
- クロムイエロー:鮮やかなイエローがファッションのアクセントになる、遊び心のあるレザーストラップです。
- レインボー:フォージドカーボンと虹色のインデックスに合わせた、夢のような美しさを醸し出す個性的なレザーストラップです。
このように、ストラップを付け替えるだけで、フォーマルな場からカジュアルな休日まで、あらゆるシーンに対応できるファッションアイテムへと変貌します。
<Xiaomi Watch S3の付属品>
- ウォッチ(ベゼル&ストラップ付き) x1
- 充電スタンド x1
- 取扱説明書 x1
まとめ:デザインと耐久性
- 第一印象:2万円以下とは思えない金属の質感と、アナログ腕時計のような高級感
- 装着感:47mmと大柄ながら軽量で、リューズがなく長時間の使用でも快適
- カスタマイズ性:ベゼル交換で見た目とウォッチフェイスが連動するギミックが所有欲を満たす
- 耐久性:5ATM防水で水泳にも対応でき、日常からアクティブなシーンまで安心して使える
- ストラップ:標準バンドは実用的だが、シーンに合わせて交換することでファッションの幅が広がる
ディスプレイと操作性:Xiaomi Watch S3 ~鮮やかで見やすい画面と、滑らかな操作感~
ここでは、Xiaomi Watch S3の顔とも言えるディスプレイの美しさと、新しいXiaomi HyperOSがもたらす快適な操作性について、実際に毎日使って感じた点を詳しくレビューしていきます。時計としての基本性能がいかに優れているか、その実力に迫ります。
有機ELが描き出す、息をのむほど鮮やかな世界
Xiaomi Watch S3の電源を初めて入れた瞬間、1.43インチの有機EL(AMOLED)ディスプレイが描き出す、その鮮やかさに思わず声が漏れました。黒はどこまでも深く、カラフルなアプリアイコンやウォッチフェイスの色彩がくっきりと浮かび上がります。このコントラストの高さは有機ELならではの魅力で、写真を表示させてもその美しさは際立ちます。
視野角も非常に広く、デスクの少し離れた場所に置いていても、斜めから覗き込むだけで時刻をはっきりと確認できました。前モデルのXiaomi Watch S2も有機ELディスプレイを搭載していましたが、S3の発色はさらに洗練され、色の表現力が一段と豊かになった印象です。
屋外でも頼りになる、考え抜かれた視認性
ディスプレイの美しさは、室内だけに留まりません。解像度466×466、326PPIというスペックは伊達ではなく、LINEやGmailの通知で送られてくる長文のメッセージも、文字が潰れることなく鮮明に表示してくれます。ピーク輝度は600nitで、自動明るさ調整機能も搭載されているため、日中の公園を散歩している時でも画面ははっきりと見えました。
ただ正直に言うと、雲一つない晴天の下では「もう一段階明るさが欲しいな」と感じる瞬間もありました。特に常時表示(AOD)状態だと、直射日光下では少し見えにくいことがあります。それでも、前モデルS2(46mmモデル)と同じ1.43インチの画面サイズを維持しつつ、日常使いで困ることはほぼない高い視認性を確保している点は見事です。
60Hz駆動がもたらす「ヌルヌル」の操作体験
このスマートウォッチを触っていて最も感動したのは、その驚くほど滑らかな操作感です。新しいXiaomi HyperOSと60Hzのリフレッシュレートの組み合わせにより、画面をスワイプすると、まるで指に吸い付くかのように「ヌルヌル」と追従します。アプリ一覧のスクロールやウィジェットの切り替えで、もたつきやカクつきを感じることは一切ありません。
この快適さは、一度体験すると他のスマートウォッチに戻れなくなるほどです。タッチ感度も良好で、右側に配置された2つの物理ボタンと組み合わせることで、ほとんどの操作を直感的に行えました。ただ一つ残念なのは、通知に対して定型文での返信すらできない点です。今後のアップデートに期待したいところです。
その日の気分で選べる、無限のウォッチフェイス(文字盤)
Xiaomi Watch S3は、ウォッチフェイス(文字盤)の宝庫です。公式アプリ「Mi Fitness」には数百種類以上ものデザインが用意されており、その日の服装や気分に合わせて選ぶだけで、毎日新しい時計を使っているような新鮮な気持ちになれます。注目すべきは、そのほとんどが高品質でありながら、すべて無料で利用できる点です。特に私が気に入っているのは、常時表示(AOD)のデザイン性の高さと、一部のアナログ文字盤で見られる、本物の腕時計のように滑らかに動く秒針です。
さらに、Xiaomi HyperOSを搭載したスマートフォンと連携すれば「ポートレートウォッチフェイス」機能が使えます。これは、自分の好きな写真を文字盤に設定できるだけでなく、写真の人物などを自動で認識し、時刻や情報を埋め込むことで、ディスプレイに深みと命を吹き込んでくれる楽しい機能です。
<Xiaomi Watch S3のディスプレイ仕様>
- ディスプレイサイズ:1.43インチ有機ELディスプレイ
- ディスプレイ解像度:466 x 466、326PPI
- リフレッシュレート:60Hz
- ピーク輝度:600nit
- その他:自動明るさ調整、常時画面表示(AOD)対応
まとめ:ディスプレイと操作性
- ディスプレイ品質:有機ELならではの鮮やかな発色と、高い解像度で文字も画像もくっきり表示
- 操作性:60HzリフレッシュレートとHyperOSにより、ストレスのない滑らかな「ヌルヌル」操作を実現
- 視認性:日中の屋外でも十分な明るさを確保するが、真夏の直射日光下では物足りなさを感じる場面も
- ウォッチフェイス:数百種類以上の高品質なデザインが無料で利用でき、ポートレート機能で自分だけの文字盤も作れる
- AOD:常時表示のデザインも秀逸で、アナログ時計のような滑らかな秒針の動きも楽しめる
スポーツ機能:Xiaomi Watch S3 ~日常の運動から本格スキーまで、高精度GPSでサポート~
ここでは、Xiaomi Watch S3が日々の健康管理から本格的なスポーツまで、あらゆるアクティビティをどのようにサポートしてくれるのか、その進化したスポーツ機能について、実際の使用感を交えてレビューしていきます。
あらゆる運動をカバーする150種類以上のモード
まず驚かされるのが、150種類以上というスポーツモードの豊富さです。ウォーキングやランニングといった基本的なものはもちろん、サイクリング、筋力トレーニング、さらには前モデルのXiaomi Watch S2から新たに追加された「スキー」や「スノーボード」といったウィンタースポーツまで、考えられるほぼ全てのアクティビティを網羅しています。
これだけあれば、これから新しいスポーツを始めても、ウォッチが対応していないという心配はまずないでしょう。先日、特に意識せずに近所を散歩していたところ、ウォッチが自動でウォーキングを検知し、「ワークアウトを開始しますか?」と通知してくれました。この自動認識機能は、ランニング、ウォーキング、サイクリング、ローイングマシン、エリプティカルマシン、縄跳びの6種類の運動に対応しており、記録のし忘れがなくなり、日々の運動を気軽にもれなく記録できるようになったのは嬉しい発見でした。
新搭載「プロ仕様スキーモード」でゲレンデを遊びつくす
Xiaomi Watch S3で特に注目したいのが、新たに追加された「プロ仕様スキーモード」です。これは前モデルS2にはなかった大きな進化点で、ウィンタースポーツ好きにはたまらない機能です。実際にスキー場で試してみると、滑走ごとの時間、距離、平均速度といったデータが詳細に記録されることに感動しました。リフトに乗っている時間は自動で除外され、純粋な滑走データだけが残るため、自分のパフォーマンスを正確に把握できます。
さらに、滑走後には専用アプリ「Mi Fitness」で「スキートラックマップ」として自分の滑った軌跡を地図上で確認でき、友人たちとその日のルートを見せ合いながら話に花が咲きました。
マンネリ打破!目標に導く10種類のランニングコース
一人でランニングをしていると、どうしてもコースやペースが単調になりがちですが、Xiaomi Watch S3にはその悩みを解決してくれる「10種類の内蔵ランニングコース」が用意されています。これは、単に時間を計るだけでなく、脂肪燃焼や持久力向上といった目的に合わせた強度の異なるプログラムがプリセットされている機能です。
実際に「初級インターバル走」コースを試してみたところ、ウォッチの画面に「ウォームアップ」「高強度」「休憩」といった指示がリアルタイムで表示され、それに従って走るだけで、普段より効率的なトレーニングができました。初心者からステップアップしたい中級者まで、ゲーム感覚で楽しく目標達成を目指せる、非常に優れた機能だと感じました。
高速・高精度GPSでランニングがもっと楽しくなる
日常的にランニングをする私にとって、最も重要なGPS性能がXiaomi Watch S3では劇的に進化していると感じました。L1+L5デュアルバンドGNSSに対応したおかげで、家の前でランニングを開始すると、本当に数秒で衛星を捕捉してくれます。このスピード感は、3万円以上する他社の高価なランニングウォッチに匹敵するレベルです。
実際に近所の公園を走ってみましたが、記録されたルートはほぼ正確で、ペースや距離も信頼できるものでした。トレーニング後は、データを「Mi Fitness」アプリ経由でStravaに連携できるため、過去の記録管理も非常にスムーズです。ただ、ごく稀にワークアウトが意図せず一時停止することがあったので、この点は今後のソフトウェアアップデートでの改善に期待したいです。
<Xiaomi Watch S3のスポーツ機能 一覧>
- スポーツモード:150種類以上に対応(ランニング、サイクリング、スキー、水泳など)
- GPS:L1+L5デュアルバンドGNSS(5つの衛星測位システムに対応)
- 自動認識機能:6種類のワークアウト(ランニング、ウォーキング、ローイングマシン、エリプティカルマシン、サイクリング、縄跳び)を自動で検出・記録
- 特別モード:プロ仕様スキーモード、10種類の内蔵ランニングコース
- データ連携:Mi Fitnessアプリを介してStravaやSuuntoなどと連携可能
まとめ:スポーツ機能
- 対応種目:150種類以上のスポーツモードで、ライトな運動からウィンタースポーツまで幅広く対応
- GPS性能:L1+L5デュアルバンド対応で、捕捉速度と精度が前モデルから大幅に向上
- 新機能:スキーヤーに嬉しい「プロ仕様スキーモード」を新たに搭載
- 自動認識:ウォーキングなどを自動で検知してくれるため、記録のし忘れがない
- データ管理:Stravaなど外部アプリとの連携で、トレーニングデータの管理がしやすい
ヘルスケア機能:Xiaomi Watch S3 ~進化したセンサーで、日々の健康をより深く見つめる~
ここでは、Xiaomi Watch S3が私たちの健康をどのように見守り、日々のコンディション管理をサポートしてくれるのか、その性能の要ともいえるヘルスケア機能について、実際の使用感を交えながら詳しくレビューしていきます。
進化した心拍数センサーと新指標「バイタリティスコア」
Xiaomi Watch S3のヘルスケア機能で注目すべきは、アップグレードされた「12チャネル心拍数モニタリングモジュール」です。これにより、心拍数測定の精度が飛躍的に向上し、公式には平均97.95%という非常に高い精度が謳われています。実際に、ランニング中の心拍数を他のデバイスと比較してみましたが、ほぼ同等の数値をリアルタイムで示しており、その信頼性の高さを実感できました。
さらに、S3から新たに導入された「バイタリティスコア」は、過去7日間の運動データや健康状態を総合的に評価し、現在のコンディションを100点満点で示してくれるユニークな機能。点数が低い日は無理をしない、高い日は少し負荷を上げたトレーニングに挑戦するなど、日々の活動の指標として非常に役立ちました。
日常を支える基本的なヘルスケア機能
もちろん、24時間体制の心拍数モニタリングや血中酸素レベル(SpO2)、ストレスレベルの測定といった基本的な機能もしっかりと搭載されています。特に血中酸素レベルは、専用のパルスオキシメーターと比較しても遜色ない値を示し、日々の体調変化を客観的に把握する上で安心感がありました。
ただし、前モデルのXiaomi Watch S2に搭載されていた体組成測定や皮膚温測定といった機能は、S3では非搭載となっています。これは少し残念な点ですが、S3は機能数を絞る代わりに、心拍数という最も基本的な測定項目の精度を徹底的に高める方向に進化した、と捉えるのが良いでしょう。
眠りの質を動物で診断?ユニークな睡眠モニタリング
私がXiaomi Watch S3を使っていて最も面白いと感じたのが、新しい睡眠アルゴリズムによる睡眠モニタリングです。毎朝「Mi Fitness」アプリを開くと、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠といった睡眠段階が詳細なグラフで表示され、自分の眠りの質を客観的に振り返ることができます。そして、7日間連続でデータを記録すると、睡眠パターンに基づいた「睡眠動物」が割り当てられます。
私の場合は、健康的で規則正しい睡眠が取れている「ヒグマ」と診断され、思わず嬉しくなりました。このように、データを楽しくフィードバックしてくれる工夫は、健康管理を続けるモチベーションに繋がります。ただ、一度も起きなかったはずなのに、夜中に起きたと記録されることが稀にあったため、この点は今後の改善に期待したいところです。
<Xiaomi Watch S3のヘルスケア機能 一覧>
- 心拍数モニタリング:アップグレードされた12チャネルセンサーによる24時間測定、高/低心拍数アラート
- 血中酸素レベル測定:24時間モニタリング、低酸素レベルでの振動アラート
- 睡眠モニタリング:新しい睡眠アルゴリズムによる睡眠段階の分析、睡眠動物診断
- ストレスモニタリング:24時間モニタリング、呼吸エクササイズ機能
- バイタリティスコア:過去7日間の活動に基づき身体的健康状態をスコア化
- その他:女性の健康管理(月経周期トラッキング)、転倒検知・緊急SOS機能
まとめ:ヘルスケア機能
- 心拍数精度:12チャネルセンサーへの進化により、非常に信頼性の高い心拍数モニタリングを実現
- 新指標:日々のコンディションを数値化する「バイタリティスコア」が活動の目安として便利
- 睡眠分析:「睡眠動物」で自分のタイプが分かるなど、楽しく続けられる工夫が凝らされている
- 機能の絞り込み:前モデルにあった体組成・皮膚温測定は非搭載となり、基本機能の精度向上に注力
- データ管理:「Mi Fitness」アプリで日々の健康データを分かりやすく可視化・管理できる
バッテリー持ちと充電:Xiaomi Watch S3 ~急速充電が叶える、充電ストレスからの解放~
ここでは、スマートウォッチを選ぶ上で誰もが気にするバッテリーの持続時間と充電性能について、Xiaomi Watch S3を実際に使ってみてどうだったのか、その実力を詳しくレビューしていきます。
公称15日間、安心の大容量バッテリー
Xiaomi Watch S3は486mAhのバッテリーを搭載し、メーカー公称値では標準的な使い方で最大15日間、時計の常時表示(AOD)をオンにしても最大5日間という長いバッテリーライフを謳っています。これは、前モデルXiaomi Watch S2(46mmモデル)が500mAhのバッテリーで標準使用12日間だったことと比較すると、より少ない容量でより長く使えるよう、電力効率が向上していることが伺えます。頻繁な充電はスマートウォッチの大きなストレスの一つですが、このスペックなら安心して毎日を過ごせそうです。
使い方で変わる、実際のバッテリー持続時間
公称値はあくまで理想的な条件ですが、実際の使用感はどうでしょうか。まず、常時表示(AOD)をオンにし、心拍数や血中酸素レベルなどのヘルスケア機能を24時間フル稼働させ、さらに毎日1時間半ほどのGPSを使ったワークアウトを行うという、かなりハードな使い方を試してみました。その結果、バッテリーは約4.5日間持続しました。これは公称値の5日間に非常に近い、驚くべき結果です。
次に、AODはオフにしつつ、毎日約1時間のGPSランニングを行う使い方では、約7日間で充電が必要になりました。これは公称値の半分ほどですが、GPSがバッテリーを大きく消費することを考えれば十分納得できる結果です。逆に、GPSを使う頻度が少ない週は、8日間使ってもバッテリーが40%も残っており、使い方次第では公称値に近い2週間の連続使用も夢ではないと感じました。
5分の充電で2日使える、驚異の急速充電
Xiaomi Watch S3を使っていて最も感動したのが、その充電の速さです。ある朝、寝る前に充電し忘れたことに気づき焦りましたが、「5分間の充電で最大2日間使える」という急速充電機能を思い出し、身支度をする間に充電してみました。たったそれだけの時間で、その日一日を乗り切るどころか、翌日まで安心して使えるほどのバッテリーが回復し、まさに救世主だと感じました。実際にバッテリー残量20%の状態から満充電までにかかる時間も約40分と非常に短いです。
一方で、充電端子は専用のマグネット式で、ワイヤレス充電に対応していないのは大きな欠点です。また、充電器の磁力が少し弱く、たまにズレていないか確認が必要な点は少し気になりました。
<Xiaomi Watch S3のバッテリー・充電 仕様>
- バッテリー容量:486mAh
- 公称駆動時間:標準使用モードで最大15日間、AOD使用モードで最大5日間
- 充電方式:2ピン磁気充電スタンド
- 急速充電:5分間の充電で最大2日間の使用が可能
まとめ:バッテリー持ちと充電
- バッテリー持続時間:GPSを多用しなければ1週間以上、使い方次第では公称値の15日間に迫る性能
- 急速充電:朝の僅かな時間で2日間使えるほど充電が速く、充電忘れの不安を解消してくれる
- AOD使用時:常時表示でも約5日間持続し、実用性が非常に高い
- 充電の利便性:ワイヤレス充電に非対応な点は大きなマイナスポイント
- 充電器:磁力がやや弱く、設置時に確実な接続を確認する必要がある
スマート機能:Xiaomi Watch S3 ~日常を便利にする、賢い相棒としての実力~
ここでは、Xiaomi Watch S3が単なるフィットネストラッカーに留まらない、日々の生活をよりスマートで便利にする「賢い相棒」として、どのような機能を持っているのかを、実際の使用感を交えながら詳しくレビューしていきます。
未来感が楽しい、新搭載のクイックジェスチャー
前モデルのXiaomi Watch S2にはなかった新機能として、特に面白いと感じたのが「クイックジェスチャー」です。これは、手首をひねったりフリックしたりするだけで、あらかじめ設定した機能を呼び出せるというもの。実際に、かかってきた電話にすぐ出られない場面で、手首をクイッとひねるだけで着信を拒否できた時は、少し未来的な体験に心が躍りました。
他にも、天気情報の表示やスマートフォンのカメラシャッター、Alexaの起動などを割り当てることができます。欲を言えば、タイマーやストップウォッチなど、もっと多くの機能を割り当てられるようになれば、さらに便利になるだろうと感じました。
クリアなBluetooth通話と、少し残念な通知機能
両手がふさがっている時に電話がかかってきても、スマートフォンをカバンから取り出す必要はありません。ウォッチの画面をタップするだけで通話を開始でき、マイクの音質も良好で、通話相手からは「声がクリアに聞こえる」と好評でした。ただし、駅のホームなど騒がしい場所では、ウォッチ本体のスピーカーから相手の声が少し聞き取りにくいこともありました。
通知機能については、LINEや各種アプリの通知は日本語で問題なく表示され、内容はしっかり確認できます。しかし、バイブレーションが非常に弱く、ポケットにスマートフォンを入れている時の振動に気づけないことが多々ありました。また、定型文での返信機能がなく、内容を確認して閉じることしかできない点も、もどかしく感じます。
音楽再生と待望の外部アプリ連携
通勤中に音楽を聴く際、ウォッチからスマートフォンの曲送りや音量調整ができるのは便利です。さらに、Androidスマートフォンユーザー限定ですが、ウォッチに音楽を保存して単体で再生する機能も利用できます。これは、スマートフォンを持たずにランニングへ行きたい時に重宝するでしょう。
そして、個人的に最も嬉しかったのが、StravaやSuuntoといった本格的なフィットネスアプリとのデータ連携です。頑張って走ったランニングの記録が、心拍数やペース、高度といった詳細なデータと共に、自動でStravaに同期された時のスムーズさには感動しました。待望だったGoogle Fit連携も実現し、健康管理のハブとして、その価値を大きく高めています。
いざという時のための、進化した安全機能
Xiaomi Watch S3は、万が一の事態に備える安全機能も進化しています。本体右下にあるボタンを3回連続で素早く押すと、事前に登録した緊急連絡先に発信するSOS機能が作動します。さらに、S3からは新たに「転倒検知機能」が搭載されました。これは、激しい転倒を検知すると自動で緊急連絡先に発信し、SMSを送信してくれる機能です。
前モデルS2にはなかったこの機能は、特に一人で登山やサイクリングを楽しむ際の大きな安心材料になります。ただし、これらのSMS送信機能や転倒検知機能はAndroidユーザー限定であり、利用には「Mi Fitness」アプリでの事前設定と、スマートフォンとのBluetooth接続が必須となる点には注意が必要です。
<Xiaomi Watch S3のスマート機能 一覧>
- クイックジェスチャー:手首の動きで通話拒否、天気表示、カメラ操作などが可能
- Bluetooth通話:ウォッチ本体での通話(応答/拒否)、クリアなマイク音質
- 音楽再生:スマートフォンの音楽コントロール、ウォッチ本体への音楽保存・再生(Androidのみ)
- 安全機能:緊急SOS発信、転倒検知と自動通報・SMS送信(Androidのみ)
- データ連携:Strava, Suunto, Google Fit, Apple Healthなどの外部アプリとデータ同期が可能
- 通知受信:各種アプリからの通知を日本語で表示(返信機能なし)
まとめ:スマート機能
- 新機能:手首の動きで操作できる「クイックジェスチャー」は未来的で楽しい
- 通話品質:マイク性能はクリアで実用的だが、騒がしい場所ではスピーカーが聞き取りにくい
- データ連携:StravaやGoogle Fitとのスムーズな連携は、アクティブなユーザーにとって最大の魅力
- 通知機能:バイブレーションが弱く、返信機能がないなど、改善の余地が大きい
- 安全機能:転倒検知機能が追加され安心感は増したが、一部機能がAndroid限定な点に注意
OSとアプリ:Xiaomi Watch S3 ~新OS「HyperOS」がもたらす、未体験の滑らかさ~
ここでは、Xiaomi Watch S3の快適な操作感の核となる新しいOSと、日々の使い勝手を左右するアプリやウィジェット機能について、実際の使用感を交えながら詳しくレビューしていきます。
新OS「Xiaomi HyperOS」がもたらす、洗練されたUIデザイン
Xiaomi Watch S3は、シャオミが開発した新しいOS「Xiaomi HyperOS」を搭載した初めてのスマートウォッチです。注目すべきはそのUIデザインで、シャオミの従来製品のスタイルを踏襲しつつ、より洗練された印象を受けます。アプリアイコンやメニューのレイアウトは全体的にシンプルで、情報が視覚的に整理されているため、初めて触る人でも直感的に理解しやすいでしょう。
ただし、日本語のメニュー説明が少し分かりにくい部分もありました。前モデルS2のOSが対応言語などで大きな制約を抱えていたことを考えると、誰にとっても使いやすいユニバーサルなデザインへと進化した点は大きな魅力です。
幅広いスマートフォンに対応、気になる将来性
このウォッチは、Android 8.0以降またはiOS 12.0以降と、非常に幅広いスマートフォンに対応しています。私はiPhoneとペアリングして使用しましたが、Appleのヘルスケアアプリとのデータ同期もスムーズで、Apple Watch以外の選択肢を探しているiPhoneユーザーにとっても、非常に魅力的な一台だと感じました。
ただし、ウォッチ本体への音楽保存や一部の安全機能がAndroid限定となるなど、iOSでは利用できない機能がある点は注意が必要です。OSの長期的なサポート期間について公式な発表はありませんが、発売後のアップデートで既に操作性が改善されており、今後の継続的なサポートにも期待が持てます。
シャオミエコシステムへの入り口
Xiaomi HyperOSは、単にウォッチを動かすだけでなく、スマートフォンや他のシャオミ製IoT機器とのシームレスな連携を目指す、壮大な構想の一部です。現時点ではその真価を完全には体験できませんでしたが、将来的に家中のシャオミ製品と連携するハブになる可能性を秘めています。このOSがシャオミ製品ユーザーにとっての付加価値となることは間違いないでしょう。
自分だけの情報盤を作る、便利なウィジェット機能
日々の使い勝手を大きく向上させているのが、カスタマイズ性の高いウィジェット機能です。画面を左右にスワイプすると、天気、心拍数、音楽コントロール、活動量計といったカードが表示され、必要な情報に素早くアクセスできます。このウィジェットカードは、ウォッチ本体や「Mi Fitness」アプリから自由に追加・削除・並び替えが可能で、1枚のカードに最大4つのアプリショートカットを配置することもできます。
私はよく使うタイマーや天気、心拍数を1ページにまとめ、自分だけの情報盤として活用していました。さらに、本体右下にある物理ボタンにも好きなアプリを割り当てることができ、操作の自由度は非常に高いと感じました。
<Xiaomi Watch S3のOSとアプリ 仕様>
- OS:Xiaomi HyperOS
- 対応OS:Android 8.0またはiOS 12.0以降
- コンパニオンアプリ:Mi Fitness
- ウィジェット:左右スワイプで表示、カードごとに最大4つのアプリを設定可能
- ボタンのカスタマイズ:下ボタンによく使う機能を割り当て可能
まとめ:OSとアプリ
- OSパフォーマンス:新OS「HyperOS」と60Hzディスプレイの組み合わせで、非常に滑らかで快適な操作感を実現
- UIデザイン:直感的で分かりやすいが、一部の日本語説明には改善の余地あり
- 対応OS:Android、iOS問わず幅広く対応するが、一部機能はAndroid限定
- ウィジェット:カスタマイズ性が高く、自分好みの情報へ素早くアクセスできるので便利
- 将来性:シャオミ製品との連携強化が期待されるが、現時点ではサードパーティ製アプリの追加は不可
Xiaomi Watch S3 と Xiaomi Watch S2の違い
「Xiaomi Watch S3」は、前モデルのS2から単に進化しただけでなく、製品のコンセプトを一部変更し、異なる強みを持ったスマートウォッチとして登場しました。ここでは、両モデルの主な違いをスペックと機能の観点から比較し、どのような点が変更されたのかを詳しく解説します。
OS(オペレーティングシステム)
- Xiaomi Watch S3: 新しい「Xiaomi HyperOS」を搭載しています。これにより、UIデザインが刷新され、よりスムーズな操作感と、将来的なシャオミ製品との連携強化が期待されます。
- Xiaomi Watch S2: 具体的なOS名はなく、システム言語も限定的でした。
- 違い:S3はOSが根本的に刷新され、よりモダンでグローバルなユーザー体験を提供します。これはソフトウェア面での最大の進化点です。
サイズ、重量、カラー
- Xiaomi Watch S3: 47mmの1サイズ展開で、重量は44g(ストラップ除く)、基本カラーはシルバーとブラックです。
- Xiaomi Watch S2: 46mmと42mmの2サイズ展開で、より小さな手首にも対応できる選択肢がありました。
- 違い:S3はラインナップをシンプルにした一方、S2はユーザーが自身の腕のサイズに合わせて選べるという利点がありました。
耐久性(筐体素材)
- Xiaomi Watch S3: アルミ合金製フレームとステンレススチール製ベゼルを組み合わせています。
- Xiaomi Watch S2: 本体はステンレススチール製でした。
- 違い:素材構成が異なります。S3は軽量なアルミ合金をフレームに採用し、ベゼルで高級感を出すハイブリッド構造です。
ヘルスケア機能
- Xiaomi Watch S3: 体組成測定と皮膚温測定には対応していませんが、より高精度な12チャネル心拍数モニタリングモジュールを搭載しています。
- Xiaomi Watch S2: 体組成測定(体脂肪率など)と皮膚温測定に対応していました。
- 違い:S3はS2にあった特徴的なセンサーを削る代わりに、心拍数という最も基本的な測定機能の精度向上に注力しています。これは明確な方向性の違いと言えます。
スポーツと安全機能
- Xiaomi Watch S3: 新たに転倒検知機能、プロ仕様のスキースポーツモード、そしてウォッチ単体での音楽再生に対応しました。
- Xiaomi Watch S2: 上記の機能には対応していませんでした。
- 違い:S3は、特に安全機能や特定のアクティビティに特化した機能を追加し、より多機能になっています。
バッテリーと充電
- Xiaomi Watch S3: 標準使用で最大15日間とバッテリー持続時間が向上し、5分間の充電で最大2日間使用できる急速充電に新たに対応しました。
- Xiaomi Watch S2: 46mmモデルで標準使用最大12日間で、急速充電には対応していませんでした。
- 違い:バッテリーの持続時間と充電速度の両方でS3が明確に優れており、利便性が大きく向上しています。
サポート期間(アップデート)保証
違い:提供された資料には、両モデルの具体的なOSアップデートのサポート期間や保証に関する記載がないため、この点について直接的な比較はできません。
まとめ
「Xiaomi Watch S3」は、S2からの単なる後継機ではなく、製品としての焦点を再定義したモデルです。S2が持っていた体組成や皮膚温といったユニークな健康センサーを省く代わりに、S3は交換可能なベゼルによる圧倒的なカスタマイズ性、より洗練されスムーズに動作する新OS「HyperOS」、そして持続時間と充電速度が向上したバッテリーという、日常的な使い勝手と所有する満足感を高める方向に大きく舵を切りました。どちらが優れているかというよりも、ユーザーが何を重視するかによって選択肢が変わる、それぞれ異なる魅力を持った製品と言えるでしょう。
Xiaomi Watch S3のメリット・デメリット
「Xiaomi Watch S3」は、多くの魅力といくつかの弱点を併せ持つスマートウォッチです。ここでは、前モデルのXiaomi Watch S2や他のスマートウォッチと比較しながら、その長所と短所を詳しく解説していきます。
【メリット】
メリット1:唯一無二のファッション性とカスタマイズ性
Xiaomi Watch S3最大の魅力は、交換可能なベゼルによる高いファッション性です。ベゼルを付け替えると、サウンドと共に専用のウォッチフェイスへ自動で切り替わるギミックは、Apple WatchやGarminといったストラップ交換が主体の他社製品にはない、所有する喜びを満たしてくれるユニークな機能です。
メリット2:驚異的なコストパフォーマンス
2万円を切る価格で、高級感のあるアルミ合金フレームとステンレススチール製ベゼル、鮮やかな有機ELディスプレイ、そして60Hzの滑らかな操作性を実現している点は驚異的です。Garmin 955のような高価なモデルと比較しても、日常使いや基本的なスポーツ機能においては遜色ない体験を提供しており、コストパフォーマンスは最高レベルと言えます。
メリット3:安心のバッテリー持ちと超高速充電
標準使用で最大15日間というバッテリー持続時間は、毎日充電が必要なApple Watchなどと比較して大きなアドバンテージです。さらに、「5分間の充電で最大2日間」利用可能になる急速充電技術は、充電を忘れがちなユーザーにとって非常に心強い味方となります。
メリット4:大幅に進化した高精度GPS
L1+L5デュアルバンドGNSSに対応したことで、GPSの捕捉速度と精度が前モデルのS2から大幅に向上しました。屋外でワークアウトを開始すると数秒で衛星を捕捉するそのスピードは、Huawei GT4やAmazfit GTR 4といった競合製品にも匹敵するレベルです。
メリット5:充実したデータ連携
計測した健康・アクティビティデータは、Mi Fitnessアプリを介してStrava、Suunto、Apple Health、Google Fitといった主要な外部プラットフォームとスムーズに連携できます。これにより、本格的にトレーニング記録を管理したいアスリートにとっても、非常に使い勝手の良いデバイスとなっています。
【デメリット】
デメリット1:物足りない通知機能
通知機能はS3の明確な弱点です。バイブレーションが弱く設定変更もできないため、通知に気づかないことが多々ありました。また、LINEなどのメッセージに定型文でさえ返信する機能がなく、内容を確認するだけにとどまります 。
デメリット2:ワイヤレス充電に非対応
Galaxy Watch6 Classicなど多くの競合製品が対応しているワイヤレス充電が使えず、専用の磁気充電スタンドが必須である点は大きな欠点です。旅行先などで専用ケーブルを忘れると充電できない不便さがあります。
デメリット3:一部機能の削除とAndroid限定機能
前モデルのXiaomi Watch S2に搭載されていた体組成測定と皮膚温測定の機能が、S3では削除されています。また、転倒検知やウォッチ本体に音楽を保存して再生する機能はAndroidスマートフォン限定であり、iPhoneユーザーは全ての機能を利用することができません。
デメリット4:サードパーティアプリの追加が不可
Apple WatchやWear OSを搭載したスマートウォッチとは異なり、Xiaomi HyperOSはサードパーティ製のアプリを追加して機能を拡張することができません。これにより、ウォッチの用途はシャオミが提供する標準機能の範囲内に限られます。
Xiaomi Watch S3のスペック(仕様)一覧
- ディスプレイ: 1.43インチ、解像度466 x 466 pxの有機EL ※326ppi/最大輝度600nit/1670万色/自動明るさ調整 256段階
- ベゼル: 交換可能
- リフレッシュレート: 60Hz
- バッテリー: 486mAh リチウムイオンポリマー電池
- 駆動時間: Androidシステムでの標準使用モード:15日間、iOSシステムでの標準使用モード:14.5日間、AOD(常時画面表示)使用時:5日間
- 充電: 急速充電(5分で2日間使用)、磁気充電(2ピン磁気充電スタンド)
- ワイヤレス通信: Bluetooth 5.2
- 衛星測位: L1+L5 デュアルバンド GNSS 内蔵、BeiDou、GPS、GLONASS、Galileo、QZSS
- インターフェース: 充電端子、ボタン
- センサー: 心拍センサー(血中酸素センサー付属・12チャネル心拍数モニタリング対応)、加速度計、ジャイロスコープ、電子コンパス、気圧計センサー、環境光センサー、磁気センサー
- スピーカー: あり
- マイク: あり
- 防水: 5ATM (5気圧防水)、水泳に対応
- ストラップ: 素材:フッ素ゴム、調整可能な長さ:140~210mm
- 筐体: アルミ合金製フレーム、ステンレススチール製ベゼル、コーニングガラス
- 対応OS: Android 8.0またはiOS 12.0以降
- OS: Xiaomi HyperOS
- サイズ: 47mm x 47mm x 12mm
- 重量: 44g(ストラップを含まず)
- カラー: シルバー、ブラック
- 付属品: ウォッチ(ベゼル&ストラップ付き) x1、充電スタンド x1、取扱説明書 x1
Xiaomi Watch S3の評価
8つの評価基準で「Xiaomi Watch S3」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★☆
1.43インチの有機ELディスプレイは非常に鮮明で発色も良く、屋外での視認性も良好です。ただ、真夏の直射日光下では、もう少し輝度が高いとさらに見やすいと感じる場面もありました。
健康管理・スポーツ:★★★★☆
150種類以上のスポーツモードと高精度なデュアルバンドGPSは非常に優秀です。特に心拍数センサーの精度向上は素晴らしく、日々の健康管理やトレーニングの質を高めてくれます。
機能性:★★★☆☆
Bluetooth通話や新しいクイックジェスチャーは便利ですが、通知のバイブレーションが弱く、返信機能がない点が大きなマイナスです。ワイヤレス充電に非対応な点も利便性を損ねています。
バッテリーの持ち:★★★★★
GPSを多用しなければ1週間以上、使い方次第では公称値の15日間に迫る持続力を誇ります。「5分で2日間使える」急速充電は、充電を忘れがちな人にとってまさに救世主と言える機能です。
耐久性:★★★★☆
アルミ合金フレームとステンレスベゼルを採用し、5ATMの防水性能も備えているため、日常使いから水泳のようなアクティビティまで安心して使用できます。
ファッション性:★★★★★
本製品最大の魅力です。アナログ腕時計のような高級感のあるデザインに加え、ベゼルを交換するだけで全く違う表情を見せてくれるカスタマイズ性は、他の製品にはない楽しさを提供してくれます。
価格:★★★★★
2万円以下という価格で、これだけのデザイン、性能、バッテリー持ちを実現している点は驚異的です。他社の3万円以上のモデルと比較しても遜色ない機能を備え、コストパフォーマンスは最高レベルです。
使いやすさ:★★★★☆
新OS「HyperOS」の動作は非常に滑らかで快適です。ウィジェットやボタンのカスタマイズ性も高く、自分好みに設定できますが、一部の日本語表示に分かりにくさを感じる部分もありました。
総評:★★★★☆
デザインと価格が魅力の、バランスに優れたスマートウォッチ
Xiaomi Watch S3は、「ファッション性」と「コストパフォーマンス」という2つの大きな柱に支えられた、非常に魅力的なスマートウォッチです。2万円を切る価格でありながら、その質感は高級腕時計にも見劣りしません。最大の特長であるベゼル交換機能は、単なる着せ替えに留まらず、ウォッチフェイスも連動して変化するギミックが所有する喜びを増幅させます。
実用十分な基本性能と、驚異的なバッテリー
健康管理やスポーツ機能も抜かりなく、特に進化した心拍数センサーと高速・高精度なGPSは、日々の活動記録を正確にトラッキングしてくれます。そして、スマートウォッチの永遠の課題であるバッテリー問題に対して、「使い方次第で2週間持つ持続力」と「いざという時の急速充電」という強力な回答を用意しており、充電のストレスから解放してくれます。
通知機能など「スマート」な部分に課題も
一方で、完璧な製品ではありません。通知のバイブレーションが弱く、メッセージに返信できないなど、スマートフォンとの連携を密に行う「スマート」な機能には物足りなさが残ります。ワイヤレス充電の非対応も、現代のデバイスとしては惜しいポイントです。これらの点は、今後のアップデートや次世代機での改善を期待したいところです。
どんな人に最適か
このスマートウォッチは、通知への返信といった高度な連携機能よりも、腕時計としてのデザイン性やファッション性を重視する方に最適です。また、日々の健康管理や基本的なスポーツ記録を正確に行い、なおかつ頻繁な充電の手間から解放されたいと考えるユーザーにとって、価格以上の価値を提供してくれる、非常にバランスの取れた一台と言えるでしょう。
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Xiaomi Watch S3の価格・購入先
※価格は2025/10/09に調査したものです。価格は変動します。
Xiaomi公式サイト(mi.com)
16,980円(税込)で販売されています。
Xiaomi公式サイト(mi.com)で「Xiaomi Watch S3」をチェックする
ECサイト
- Amazonで14,280円(税込・中古品)、
- 楽天市場で16,980円(送料無料)、
- ヤフーショッピングで16,150円、
- 米国 Amazon.comで$209.98、
で販売されています。
で販売されています。
Amazonで「Xiaomi Watch S3」をチェックする
楽天市場で「Xiaomi Watch S3」をチェックする
ヤフーショッピングで「Xiaomi Watch S3」をチェックする
AliExpressで「Xiaomi Watch S3」をチェックする
米国 Amazon.comで「Xiaomi Watch S3」をチェックする
おすすめのライバル機種と価格を比較
「Xiaomi Watch S3」に似た性能をもつスマートウォッチも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
Xiaomi Watch S4 41mm
シャオミから発売されたXiaomi HyperOS 3搭載のスマートウォッチです(2025年9月26日に発売)。
1.32インチのAMOLED タッチスクリーン、通常使用で最大8日間駆動できる320mAhバッテリー、回転式リューズを搭載しています。
また、皮膚温度測定、ワンタップヘルス情報(Checkup機能)、スキーモードと転倒検知機能、Bluetooth心拍データ送信、スポーツVlog機能(スマートフォン連携)、安全機能(緊急SOS機能、緊急サイレン機能)、フィットネスのデータ連携(Suuntoアプリ)、デバイス連携(「Xiaomi Smart Hub」)に対応。
150種類以上のスポーツモード、睡眠・血中酸素・心拍・ストレスのモニタリング、音楽保存、Bluetooth通話、マルチGNSS(GPSセンサー内蔵)、200種類以上のウォッチフェイス(文字盤)、リニアモーター、通知の受信、5気圧防水、Mi Fitnessアプリにも対応しています。
関連記事:Xiaomi Watch S4 41mmを徹底レビュー!47mm比較と評価
Amazonで「Xiaomi Watch S4 41mm」をチェックする
Xiaomi Watch S4 47mm
Xiaomiから発売されたHyperOS搭載のスマートウォッチです(2025年3月13日に発売)。
1.43インチのAMOLED タッチスクリーン、約15日間駆動できるバッテリー、Xiaomi HyperOS 2を搭載しています。
また、回転式クラウン、ベゼルの交換、進化したヘルスモニタリング機能(心拍数・血中酸素・睡眠モニタリング)、「健康診断」機能、150種類以上のスポーツモード、スキーモード(転倒検知機能を含む)、ランニングフォームの分析機能、200種類以上のウォッチフェイス、ベゼルの緩み検知機能、
ストラップの交換(レザー、シリコン、メタルなど)、水滴誤操作防止機能、Xiaomi Smart Hubとの連携機能、Bluetooth通話(2マイク)、クイックジェスチャーコントロール(カスタマイズ可能)、マルチGNSS(5つの衛星測位システム)、急速充電、、懐中電灯(記述なし)、天気予報(記述なし)、1500nitsの高輝度モード、5気圧防水、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで17,539円(税込)、楽天市場で19,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで19,980円、AliExpressで21,237円、米国 Amazon.comで$209.90、です。
関連記事:Xiaomi Watch S4レビュー!S3との違い、デザイン、価格、評価
Amazonで「Xiaomi Watch S4 47mm」をチェックする
他のシャオミ スマートウォッチと比較
他にもシャオミのスマートウォッチが販売されています。2025、2024モデルもあるのでぜひ比較してみてください。
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