2024年7月31日に発売された「Galaxy Watch FE」は、サムスンのスマートウォッチ体験を、より身近なものにするために登場した注目のエントリーモデルです。
このレビューでは、Galaxy Watch FEが日常の健康管理やフィットネスをどれだけ豊かにしてくれるのか、そのデザイン、性能、機能を徹底的に検証。 さらに、上位モデルである「Galaxy Watch7」との違いを比較しながら、その真価に迫ります。
【先に結論からお伝えしましょう】
Galaxy Watch FE の長所(Pros):
- 3万円台から購入できる、非常に手頃な価格設定
- サファイアクリスタルガラス採用とMIL規格準拠の高い耐久性
- 睡眠コーチングや体組成測定など、充実した健康・スポーツ機能
- Wear OS搭載による、Googleマップなどアプリの優れた拡張性
- スマートフォンなしで使える、GPSと音楽再生機能
Galaxy Watch FE の短所(Cons):
- 旧世代プロセッサ搭載による、アプリ起動などの動作の遅さ
- 毎日の充電が推奨される、短いバッテリー駆動時間
- 決済機能(FeliCa)非対応で、Suicaなどが使えない
- Galaxy AI(エナジースコアなど)の最新機能が利用できない
- 画面のベゼルが太く、デザインに少し古さを感じる
総合評価
Galaxy Watch FEは、スマートウォッチの基本的な健康管理や通知機能を、高品質なデザインと共に手頃な価格で体験したい人に最適な一台です。 ただし、動作の快適さや決済機能を重視するユーザーは、明確な妥協点について理解した上での検討が必要です。
<この記事で分かること>
- クラシックなデザインと、価格以上の耐久性の詳細なレビュー
- ディスプレイの視認性や、旧世代プロセッサによる実際の操作感
- 100種類以上のスポーツ機能と、ユニークな睡眠コーチング機能の使い勝手
- 心拍数や体組成など、日々の健康管理に役立つヘルスケア機能
- 公称値と実測で比較するリアルなバッテリー持ちと充電速度
- Wear OS搭載によるアプリの拡張性や、便利なスマート機能
- 上位モデル「Galaxy Watch7」とのスペック・機能の徹底比較
- メリット・デメリットの総まとめと、5段階評価
- おサイフケータイ(FeliCa)が使えるかどうかの最終的な答え
- Galaxy Watch FEの完全なスペック一覧と最新の価格、お得な購入先情報
この記事を最後まで読むことで、「Galaxy Watch FE」が本当に最適なスマートウォッチなのか、購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:Samsung Galaxy Watch FE(ギャラクシーウォッチFE) シルバー | Samsung Japan 公式
デザインと耐久性:Galaxy Watch FE ~毎日つけたい、クラシックと先進性の融合~
ここでは、Galaxy Watch FEのデザインと耐久性について、実際に数週間使ってみて感じた魅力や、上位モデルであるGalaxy Watch7との違いをレビューしていきます。エントリーモデルでありながら、日常のあらゆるシーンに溶け込むデザインと、見た目以上のタフさに驚かされました。
時代を超えたクラシックデザイン
Galaxy Watch FEを手にして最初に感じたのは、その普遍的でクラシックなデザインの美しさです。サムスンのスマートウォッチが長年培ってきた円形のフェイスは、どんなファッションにも自然に溶け込み、悪目立ちすることがありません 。ビジネスシーンのジャケットスタイルから、休日のカジュアルなTシャツまで、服装を選ばずに使えるのは大きな魅力です。
上位モデルのGalaxy Watch7がより堅牢なアーマーアルミニウムを採用しているのに対し 、FEも同じくアルミニウムケースを使用しており 、エントリーモデル特有のチープさは感じさせません。むしろ、そのシンプルな佇まいは好感が持てます。私が試用したシルバーモデルは、ごてごてした装飾がなく、側面のボタンに加えられたワンポイントカラーが、さりげない遊び心を感じさせてくれました 。
<カラーの違い>
- Galaxy Watch FE:ブラック、ピンク ゴールド、シルバー
- Galaxy Watch7:グリーン、シルバー、クリーム
軽さと快適性、ただし装着感には個人差も
注目すべきは、その驚異的な軽さです。本体重量わずか26.6g という数値以上に、実際に装着してみるとその軽やかさに感動します。Spotifyで音楽を聴きながらの通勤はもちろん、着けていることを忘れてしまうほど快適で、睡眠の質を記録するために夜通し装着していても全く気になりませんでした 。柔らかなバンド素材も相まって、フィット感は非常に良好です。
ただし、Galaxy Watch FEが40mmのワンサイズ展開 である点は注意が必要です。手首が細めの私にはぴったりのサイズ感でしたが、大柄な方や大きな文字盤を好む方には、少し物足りなく感じるかもしれません。その点、40mmと44mmの2サイズから選べるGalaxy Watch7 の方が、より多くのユーザーにフィットする選択肢を提供していると言えるでしょう。長時間使用していると、人によってはケースのエッジが少しだけ手首に当たる感覚があるかもしれません 。
<サイズ・重量の違い>
- Galaxy Watch FE:40mmモデルのみ、サイズ39.3 x 40.4 x 9.8mm、重量26.6g
- Galaxy Watch7:40mmモデルはサイズが40.4 x 40.4 x 9.7mm、重量が28.8g、44mmモデルはサイズが44.4 x 44.4 x 9.7mm、重量が33.8g
気分で変える、遊び心あふれるバンド
デザイン面で特に心を掴まれたのが、新しいステッチバンドです 。私が使用したシルバーモデルにはスカイブルーのステッチが入ったバンドが付属しており、この小さなアクセントが時計全体の印象をぐっと引き立ててくれます。友人からも「そのバンド、可愛いね」と褒められたほどで、ファッションアイテムとしての完成度の高さを感じました 。
このバンドはワンタッチのリリースボタンで驚くほど簡単に交換できるため 、その日の気分や服装に合わせて気軽にスタイルチェンジが楽しめます。例えば、平日は別売りのレザーバンドでシックに、休日は付属のスポーツバンドでアクティブにと、使い分けるのも一興です。さらに、過去のモデルのバンドとも互換性があるため 、カスタマイズの幅は無限大に広がります。
見た目以上のタフネス、サファイアクリスタルガラスの安心感
Galaxy Watch FEはエントリーモデルという位置づけでありながら、その耐久性には一切の妥協がありません。ディスプレイには、高級腕時計にも使われるサファイアクリスタルガラスが採用されており 、傷に対する圧倒的な強さを誇ります。実際、デスクワーク中にうっかり机の角にぶつけてしまった際も、ヒヤリとしましたが確認すると全くの無傷で、その堅牢性に感心させられました。
さらに、5ATMとIP68の防水防塵性能 に加え、米国の調達基準であるMIL-STD-810Hにも準拠しており 、そのタフネスは折り紙付きです。ゲリラ豪雨の中でのランニングや、キャンプで泥がついた際に水で洗い流すといったアクティブな使い方でも、全く心配ありません。この価格帯でこれほどの耐久性を備えているのは驚きであり、同価格帯の競合製品に対する大きなアドバンテージだと感じました 。
<Galaxy Watch FEの付属品>
- Galaxy Watch FE 本体
- スポーツバンド
- ワイヤレス充電ドック
- クイックスタートガイド
まとめ:デザインと耐久性
- 第一印象:どんな服装にも自然に馴染む、洗練されたクラシックな円形デザイン
- 装着感:約26.6gと非常に軽量で、長時間の着用や睡眠時でも全く気にならない快適さ
- バンド:ワンポイントのステッチが個性的で可愛らしく、ワンタッチで簡単に交換できる高いファッション性
- カスタマイズ性:過去モデルのバンドとも互換性があり、自分だけのスタイルを追求できる
- 耐久性:サファイアクリスタルガラスとMIL規格準拠により、日常から過酷な環境まで安心して使えるタフネス
- 注意点:サイズが40mmのワンサイズのみなので、大きなフェイスを好む人には小さく感じる可能性がある
- Galaxy Watch7との比較:サイズ展開は少ないものの、サファイアクリスタルガラスの採用など、価格以上の堅牢な作り込みが魅力
ディスプレイと操作性:Galaxy Watch FE ~日常使いのリアルと、割り切りが生む価値~
ここでは、Galaxy Watch FEのディスプレイと操作性について、深く掘り下げていきます。実際に腕にはめて日常生活を送る中で見えてきた、その鮮やかな表示性能と、時折顔を出す性能の限界。そして、上位モデルのGalaxy Watch7と比較して何が違い、どこに価値を見出すべきか、私の体験を交えながらレビューします。
明るく鮮やかなディスプレイ、しかしベゼルとの対話は必須
Galaxy Watch FEの電源を最初に入れたとき、1.2インチのSuper AMOLEDディスプレイの鮮やかさには素直に感心しました。天気の良い日に屋外で通知を確認する場面でも、太陽光に負けることなく文字やアイコンがはっきりと見え、視認性は非常に高いです。これはエントリーモデルとして大きな強みでしょう。
<ディスプレイサイズの違い>
- Galaxy Watch FE:1.2インチ (30.4mm)
- Galaxy Watch7:40mmモデルが1.31インチ (33.3mm)、44mmモデルが1.5インチ (37.3mm)
しかし、その一方で存在感を放つのが、画面を取り囲む太いベゼルです。上位モデルのGalaxy Watch7がより大きな1.5インチディスプレイを搭載しているのと比べると、FEの画面占有率は低く、デザイン的に少し古さを感じてしまうのは否めません 。特に情報量の多い画面を表示させると、その小ささが気になる瞬間がありました。
このベゼルと上手く付き合うコツは、文字盤の背景を黒に設定することです。有機ELの深い黒がベゼルと一体化し、画面の境界線が曖昧になることで、思った以上に気にならなくなります 。また、この価格帯のモデルでありながら、時刻や通知を常に表示できる「常時表示ディスプレイ」に対応している点は、Apple Watch SEなどに対する明確な優位点であり、日常の利便性を大きく高めてくれました 。
操作性については、光と影の両面が見えました。スワイプ操作で通知やタイル(ウィジェット)を切り替える基本操作は非常に直感的で、応答性も良好です。特に、画面の縁をなぞってスクロールする「タッチベゼル」は、設定画面などの長いリストを素早く確認したい時に重宝しました。
しかし、アプリの起動や複数のデータを処理する場面では、動作の「鈍さ」がはっきりと感じられました 。例えば、急いでルートを確認しようとGoogleマップを起動した時、一呼吸待たされるような感覚があります。これは、本機に搭載されているプロセッサが、3年前のGalaxy Watch 4と同じ「Exynos W920」であることに起因するのでしょう 。最新の3nmプロセッサを搭載し、「ヌルサク」とも評されるGalaxy Watch7の快適な操作感を知っていると、その性能差は歴然です 。メモリは1.5GBで、時折、ボタンを一度押しただけでは反応しないことがあるなど 、性能の限界を感じる場面が何度かありました。
ウォッチフェイスで個性を、自分だけの文字盤作り
操作性の面で少し辛口な評価をしましたが、ウォッチフェイス(文字盤)のカスタマイズ性は、この時計の楽しさを大きく広げてくれます。プリインストールされているデザインに加え、Google Playストアから新しいウォッチフェイスをダウンロードすることで、その日の気分や服装に合わせたデザインに変更できます。
アナログ時計風のクラシックなデザインから、活動量や心拍数などの情報を機能的に配置したモダンなデザインまで選択肢は豊富です。色の変更はもちろん、表示する情報(コンプリケーション)も自由に選べるため、自分だけのオリジナルな文字盤を作り上げる過程は、ガジェット好きにはたまらない時間でした。Galaxy Watch7ほど標準のデザインは多くないかもしれませんが 、カスタマイズによってその差は十分に埋められると感じました。
なお、Galaxy Watch FEのストレージ容量は16GBで、ダウンロードした様々なウォッチフェイス(文字盤のデザイン)も余裕で保存できるようになっています。音楽ファイルの保存やフィットネスデータの保存にも十分な容量です。
<ディスプレイ仕様>
- 種類: Super AMOLED (有機EL)
- 形状: 円形
- サイズ: 1.2インチ (30.4mm)
- 解像度: 396 x 396ピクセル
- その他: サファイアクリスタルガラス採用、常時表示ディスプレイ対応
まとめ:ディスプレイと操作性
- 視認性:Super AMOLEDは非常に鮮やかで、直射日光下の屋外でも表示がはっきりと見える
- ベゼル:画面サイズに対してベゼルが太く、デザインの古さを感じるが、黒背景の文字盤で目立ちにくくすることは可能
- 基本操作:スワイプやタッチベゼルによる直感的な操作は快適で、日常使いに問題はない
- 処理性能:旧世代のプロセッサを搭載しており、アプリの起動や複雑な操作では明らかな遅延やもたつきを感じる
- Watch7との比較:ディスプレイの表示品質は高いものの、画面サイズと処理性能においては上位モデルとの間に大きな壁がある
- カスタマイズ性:ウォッチフェイスの種類やカスタマイズの自由度は高く、自分好みのデザインを追求できる
スポーツ機能:Galaxy Watch FE ~日常を冒険に変える、頼れる相棒~
ここでは、Galaxy Watch FEが日々の運動をどれだけ豊かにしてくれるのか、そのスポーツ機能に焦点を当ててレビューします。エントリーモデルでありながら、驚くほど多機能で、日常のちょっとしたウォーキングから本格的なランニングまで、あらゆるアクティビティの頼れるパートナーとなり得るのか。上位モデルのGalaxy Watch7との違いにも触れながら、実際に使って感じた魅力と実力を探っていきます。
100種類以上のワークアウトで、あらゆる動きを記録
Galaxy Watch FEが対応するワークアウトは100種類以上と、その豊富さにまず驚かされます 。定番のランニングやサイクリングはもちろん、ジムでのウェイトトレーニングやヨガ、ピラティスまで、私のあらゆる運動習慣をカバーしてくれました 。
特に感動したのは、非常に賢い「自動ワークアウト検出」機能です 。例えば、通勤時に一駅手前で電車を降りて歩き始めた際、私は何も操作していないのに、手首のウォッチがブルっと震え「ウォーキングを記録しています」と通知してくれました。これなら記録し忘れる心配がなく、日々の小さな運動も着実にログとして残せるため、モチベーションの維持に繋がりました。
ランニングを科学する、詳細なデータ分析
週末のランニングでは、Galaxy Watch FEの真価をさらに感じることができました。単に距離や時間を計測するだけでなく、リアルタイムで心拍ゾーンを表示してくれるため、自分のペースがオーバーワークになっていないかを手元で常に確認できます 。目標のゾーンから外れると振動で知らせてくれるので、ペース配分を意識した質の高いトレーニングが可能になりました。
そして、走り終えた後にスマートフォンの「Samsung Health」アプリでデータを確認した時の興奮は忘れられません。そこには、左右の足の接地時間のバランスや、ランニング中の上下動といった、これまで専門的な機器でしか測れないと思っていたようなランニングフォームに関する詳細な指標がずらりと並んでいたのです 。自分の走りの癖を客観的な数値で把握でき、「次はもう少し左右のバランスを意識してみよう」と、次回のランニングへの具体的な目標ができました。
GPS精度は上々、ただし都会のランナーは注意点も
スマートフォンを持たずに走り出せる解放感は、GPS内蔵スマートウォッチならではの醍醐味です。Galaxy Watch FEを装着して近所の川沿いを走ってみましたが、そのGPS精度は期待以上でした。後からアプリでルートを確認すると、曲がり角や橋を渡った軌跡まで、ほぼ正確に記録されており、満足のいく結果でした 。
ここで上位モデルとの明確な違いが、GPSの仕様です。Galaxy Watch FEのGPSは日常的なランニングやサイクリングでは十分な精度を発揮しますが、高層ビルが乱立するような電波が不安定になりがちな都市部では、測位に若干の乱れが生じる可能性も考えられます。
対してGalaxy Watch7は、2つの周波数帯(L1+L5)で測位を行う「デュアルバ-ンドGPS」を搭載しており、こうした厳しい環境でもより安定した高精度なトラッキングを実現します 。都心部をメインのランニングコースにしている方や、コンマ1秒を争うような使い方を求めるのであれば、Watch7の優位性は大きいと言えるでしょう。
<主なスポーツ機能>
- 対応ワークアウト:100種類以上(ウォーキング、ランニング、サイクリング、水泳、ピラティスなど)
- 自動ワークアウト検出:ウォーキング、ランニングなど一部のエクササイズに対応
- GPS:搭載(GPS, Glonass, Beidou, Galileo)
- 心拍数モニタリング:運動中の心拍ゾーン表示に対応
- ランニングフォーム分析:接地時間、滞空時間、非対称性などの詳細指標
- ランニングコーチ:10段階の難易度設定でペースをガイド
まとめ:スポーツ機能
- 対応種目:100種類以上と非常に豊富で、日常の軽い運動から専門的なトレーニングまで幅広く対応
- 自動検出:ウォーキングなどを自動で正確に認識・記録する機能が秀逸で、記録忘れの心配がない
- データ分析:ランニングフォームの詳細な指標まで記録でき、自身のパフォーマンス向上に具体的に役立つ
- GPS精度:日常的な利用環境では十分正確なルートを記録できるが、デュアルバンドGPSは非搭載
- Watch7との比較:ビル街など電波環境の厳しい場所でのGPS精度を最優先するなら、デュアルバンド対応のWatch7に軍配が上がる
- 総評:価格を考慮すれば、驚くほど高度な分析機能を備えた、コストパフォーマンスに非常に優れたスポーツパートナー
ヘルスケア機能:Galaxy Watch FE ~日々の健康を見つめ直す、身近なアドバイザー~
ここでは、Galaxy Watch FEが私たちの健康とどう向き合ってくれるのか、そのヘルスケア機能に焦点を当ててレビューします。この価格帯でどれだけ深く、そして正確に日々の健康を管理できるのか。特に感動的だった睡眠トラッキングの体験や、上位モデルのGalaxy Watch7との機能差にも触れながら、その実力を明らかにしていきます。
手首で完結する、包括的な健康チェック
Galaxy Watch FEを使い始めてまず感じたのは、日々の健康状態を手軽に可視化できる安心感です。心拍数や血中酸素濃度、そして歩数といった基本的な健康指標を常にモニタリングし、ユーザーの健康を見守ってくれます。
特に、私がこのウォッチの価値を強く感じたのが「体組成測定」機能です。これまでジムの専門的な機器でしか測れなかった体脂肪率や筋肉量を、自宅で、しかも手首のウォッチだけで手軽にチェックできるのです。毎朝の測定を習慣にしたところ、体重計の数字だけでは分からなかった体の内側の変化に気づくことができ、トレーニングへの意識が大きく変わりました。測定時にはスマートフォンのアプリで体重を手入力する必要がありますが、それを差し引いても非常に便利な機能だと感じました。
毎晩の眠りをスコア化、睡眠コーチング体験
このウォッチを使って最も生活が豊かになったと感じるのが、睡眠モニタリング機能です。ただ漫然と寝ていた時間が、ウォッチを装着することで「質の高い休息」へと意識が変わりました。毎朝「Samsung Health」アプリを開き、その日の睡眠スコアをチェックするのが一つの楽しみになりました。レム睡眠や深い睡眠の時間、さらには睡眠中の血中酸素濃度までグラフで詳細に表示されるため、「昨夜は少し寝苦しかったからスコアが低いな」といった具体的な振り返りができます。
特にユニークで継続のモチベーションになったのが「睡眠コーチング」機能です。数日間の睡眠データを基に、私の睡眠タイプを「ライオン」や「ペンギン」といった動物に例えて診断してくれるのです。「あなたは『ペンギン』タイプなので、就寝前のスマートフォンの使用を控えてみては?」といったパーソナルなアドバイスは、まるでゲーム感覚。楽しみながら自然と生活習慣の改善に取り組むことができました。
Watch7との比較:先進機能の有無と「これで十分」という価値
ここで上位モデルのGalaxy Watch7と比較すると、FEの立ち位置がより明確になります。Watch7には、Galaxy AIを活用してその日のコンディションを点数化する「エナジースコア」や、体内の老化物質を測定する「AGEs指数」といった、未来を感じさせる先進的な機能が搭載されています。これらはGalaxy Watch FEにはありません。
しかし、健康管理の根幹をなす心拍数、血中酸素濃度、睡眠、そして体組成といった主要な機能は、FEにもしっかりと搭載されています。最先端の機能を常に追い求めるのでなければ、FEが提供してくれる機能だけで十分に日々の健康管理は可能であり、むしろそのシンプルさが心地よく感じられるほどです。心電図(ECG)機能もFEに搭載されていますが、利用にはSamsung製スマートフォンが別途必要になる点は、Watch7と共通の注意点です。
<主なヘルスケア機能>
- 睡眠モニタリング:睡眠スコア、睡眠段階、いびき検知、睡眠コーチング
- 心拍数測定:常時測定、高・低心拍数アラート
- 血中酸素濃度測定:睡眠時およびオンデマンド測定
- 体組成測定:体脂肪率、骨格筋量、体内水分量など
- 心電図(ECG)測定:Samsung Health Monitorアプリ経由(Samsung製スマホが必要)
- ストレス測定:自動および手動測定
- 転倒検知機能:強い衝撃を検知し、SOSを発信
まとめ:ヘルスケア機能
- 基本機能:心拍数や血中酸素濃度など、健康管理の土台となる機能は十分に搭載されている
- 睡眠トラッキング:睡眠スコアや動物に例えるコーチング機能がユニークで、楽しみながら睡眠の質を改善できる
- 体組成測定:手首で体脂肪率や筋肉量を手軽に測定でき、日々の身体の変化を把握するのに役立つ
- Watch7との比較:AIを活用した「エナジースコア」などの先進機能はないものの、健康管理に必須の機能は網羅されている
- バッテリー:多機能な分、睡眠計測まで行うと毎日の充電が推奨される
- 総評:最先端は不要でも、しっかりと健康管理を始めたい人にとって、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢
OSと機能:Galaxy Watch FE ~スマートな日常を加速させる多彩な機能~
ここでは、Galaxy Watch FEの頭脳であるOSと、日々の生活を豊かにする多彩な機能についてレビューします。スマートフォンとの連携、便利な通知機能、そして万が一の時に役立つ安心機能まで、実際に使って感じた利便性や感動、そして上位モデルGalaxy Watch7との違いを詳しく解説していきます。
Wear OSがもたらす無限の可能性
Galaxy Watch FEが多くの安価なスマートウォッチと一線を画す最大の理由は、Googleの「Wear OS」を搭載している点にあります。これにより、単なる活動量計ではなく、手首の上で機能する小さなスマートフォンのような体験が可能になります。Samsung独自の「One UI」が組み合わされており、アプリがタイル状に分かりやすく整理されているため、初めてスマートウォッチを使う人でも直感的に操作できるでしょう。 左右にスワイプすればアクティビティやカレンダーなどのタイルに、上下にスワイプすれば設定やアプリ一覧に素早くアクセスできます。
実際に、通勤中にGoogleマップで乗り換え案内を確認したり、ランニング中にSpotifyでお気に入りのプレイリストを再生したりと、スマートフォンを取り出す手間が省けるシーンが格段に増えました。 Google PlayストアからWhatsAppやStravaなど、普段使っているアプリを追加して自分好みにカスタマイズできるのも、Wear OSならではの大きな魅力です。
スマートフォン連携:通知も通話も、もっとスマートに
スマートフォンとの連携は非常にスムーズで、特にGalaxyのスマートフォンを使っている私にとっては、設定でつまずくことはほとんどありませんでした。LINEやメールの通知は手首の振動で瞬時に知ることができ、簡単な内容ならウォッチの画面で確認して、定型文ですぐに返信できます。会議中にスマートフォンをマナーモードにしていても、重要な連絡を見逃すことがなくなり、非常に助かりました。
ただし、上位モデルのGalaxy Watch7に搭載されている、AIが文脈を読んで返信候補を提案してくれる「スマートリプライ」機能は、残念ながらFEにはありません。また、一部のSamsung製以外のAndroidスマートフォンでは、初期設定でアクセス許可を何度も求められるなど、連携に少し手間取る場合があるようです。とはいえ、一度設定してしまえば、その利便性は揺るぎません。
スマホいらずの音楽体験
Galaxy Watch FEの特に気に入った機能の一つが、スマートフォンなしで音楽を楽しめる点です。16GBの内蔵ストレージに、Spotifyからお気に入りのランニング用プレイリストをいくつかダウンロード。 これだけで、重たいスマートフォンを家に置いたまま、ウォッチとBluetoothイヤホンだけで身軽に走り出すことができます。 曲の再生やスキップもウォッチから直接操作できるため、ランニングのリズムを崩すことなく、音楽に没頭できました。この解放感は一度味わうと手放せなくなるほどの体験です。
いざという時の安心感と、ちょっとした遊び心
Galaxy Watch FEは、日々の生活を便利にするだけでなく、「もしも」の時のための安心機能も充実しています。特に「転倒検知機能」は、離れて暮らす両親へのプレゼントとしても最適だと感じました。万が一、転倒を検知すると自動で登録した連絡先にSOSを発信してくれるため、見守る側としても大きな安心感が得られます。
また、友人との集合写真で活躍したのが「カメラコントロール」機能です。スマートフォンを少し離れた場所に設置し、手元のウォッチで構図を確認しながらシャッターを切る。この機能のおかげで、全員が揃った完璧な一枚を撮ることができました。こうした遊び心のある機能が、日常の何気ない瞬間をより楽しいものに変えてくれます。
主な便利機能
- OS & UI: Wear OSを搭載し、タイル形式の直感的なユーザーインターフェースを採用
- アプリストア: Google Playストアからアプリの追加が可能
- 音楽再生: ウォッチ単体での音楽再生に対応し、内蔵ストレージに楽曲を保存できる
- 通知機能: LINE、メールなどの通知受信と簡易返信に対応
- スマートフォン連携: Bluetooth通話、音楽コントロール、カレンダー同期
- 転倒検知機能: 強い衝撃を検知し、自動でSOSを発信
- カメラコントロール: スマートフォンのカメラを遠隔操作
- その他: Samsung Wallet、SmartThingsなどSamsung製アプリとの連携
まとめ:OSと機能
- OSの強み:Wear OS搭載により、GoogleマップやSpotifyなど主要なアプリが利用でき、拡張性が高い
- UIの分かりやすさ:タイル状のアプリ配置とスワイプ操作で、誰でも直感的に使いこなせる
- 音楽再生機能:スマートフォンを家に置いたままでも、ウォッチ単体での音楽再生が可能で、ランニングなどのアクティビティがより快適になる
- スマートフォン連携:通知や通話、音楽再生など、スマートフォンとの連携で日常がよりスマートで便利になる
- 安心機能:転倒検知やSOS機能は、自分自身だけでなく大切な家族を見守るための心強い味方となる
- Watch7との比較:Galaxy AIによる返信アシストや、より高度なジェスチャー操作(ダブルピンチ)は非搭載
- 注意点:Samsung製以外のスマートフォンとの連携では、初期設定に若干の手間がかかる場合がある
- 総評:エントリーモデルでありながら、日々の利便性と安心感を大きく向上させる、必要十分なスマート機能を搭載している
バッテリーと充電:Galaxy Watch FE ~毎日の充電は必須か?その実力に迫る~
ここでは、スマートウォッチを選ぶ上で最も重要な要素の一つである、Galaxy Watch FEのバッテリー性能と充電についてレビューします。公称値だけでは分からない、実際の生活の中でのバッテリーの持ちや充電の使い勝手はどうなのか。私の体験を基に、上位モデルのGalaxy Watch7との比較も交えながら、その実力に迫ります。
公称値と現実のギャップ、毎日の充電という付き合い方
Galaxy Watch FEのバッテリー駆動時間は、メーカー公称値で最大40時間(常時表示オフ時)とされています。しかし、これはあくまで理想的な条件下での数値。私が実際に使ってみると、スマートウォッチとしての機能をフルに活用した場合、この数値を大きく下回ることが分かりました。
例えば、ある日の私の使い方です。朝9時に100%の状態で家を出て、通勤中にSpotifyで音楽を聴き、日中はLINEやメールの通知を常に受け、夕方に1時間ほどGPSをオンにしてウォーキング。そして夜は睡眠の質を記録するために装着したまま就寝しました。すると、翌朝7時の時点でバッテリー残量は15%まで低下していました。実質的な駆動時間は約22時間といったところです。この結果から、睡眠トラッキングまでしっかり活用したいのであれば、毎日の充電は必須の習慣になると言えるでしょう。
これは、より大きなバッテリー(44mmモデルで425mAh)を搭載するGalaxy Watch7でも、ヘビーな使い方をすれば同様に毎日の充電が推奨される点と似ています。しかし、Watch7の方がバッテリー容量に余裕がある分、ライトな使い方であれば2日近く持つ可能性があり、この差は無視できません。
充電の利便性とスピード
充電は、付属のマグネット式ワイヤレス充電ドックで行います。ウォッチの背面にカチッと磁石でくっつくタイプなので、向きを気にせず手軽に充電できるのは非常に便利でした。
充電スピードについては、正直なところ「速い」とは言えません。0%の状態から100%のフル充電までには、約1時間50分かかりました。これは、急速充電に対応し約90分でフル充電が完了するGalaxy Watch7と比べると、明確に時間がかかります。
ただ、実際の生活では、この充電時間が大きなストレスになることはありませんでした。例えば、夜お風呂に入っている間の30分ほどの充電でバッテリーは約40%まで回復します。これだけあれば、その夜の睡眠トラッキングを行うには十分な容量です。寝る前に少し充電し、朝の支度の間にまた少し充電する、といった「こまめな充電」を習慣にすることで、バッテリー切れの不安なく一日を過ごすことができました。
<バッテリー仕様>
- バッテリー容量: 247mAh
- 公称駆動時間: 最大40時間(常時表示オフ時)
- 充電方式: WPCベースのワイヤレス充電
まとめ:バッテリーと充電
- 公称駆動時間: メーカー公称値は最大40時間だが、多機能を使うと大幅に短くなる
- 実用駆動時間: 睡眠計測まで含めると約22時間程度となり、毎日の充電が基本となる
- 充電速度: フル充電に約2時間弱かかり、上位モデルと比べると遅い
- 利便性: ワイヤレス充電は手軽だが、充電習慣の確立が必須
- Watch7との比較: Watch7も毎日の充電が推奨される点は似ているが、バッテリー容量と充電速度では明確に優位性がある
- 総評: 価格を考慮すれば妥当だが、スマートウォッチのバッテリー性能を重視するユーザーには物足りない可能性がある
Q&A:Galaxy Watch FEの疑問に答える
ここでは、Galaxy Watch FEに関するよくあるご質問にお答えします。
Galaxy Watch FEでおサイフケータイや電子マネーは使える?
結論から申し上げますと、残念ながらGalaxy Watch FEは日本国内でのおサイフケータイ(FeliCa)に対応していません。そのため、手首をかざして電車の改札を通過したり、コンビニエンスストアなどで支払いをしたりする際に広く利用されているSuica、iD、QUICPayといった主要な電子マネーは、Galaxy Watch FE単体では使用することができません。
Galaxy Watchシリーズでおサイフケータイ機能を利用できるのは、Galaxy Watch6シリーズや最新のGalaxy Watch7シリーズなど、FeliCaチップを搭載した日本国内モデルに限られます。Galaxy Watch FEは、一部の機能を絞り込むことで手頃な価格を実現したエントリーモデルという位置づけのため、FeliCa機能は搭載が見送られました。
日々の通勤や買い物などで、スマートフォンを取り出さずにスマートウォッチでタッチ決済を完結させたいと考えている場合は、この点が重要な判断材料となります。もしタッチ決済機能が必須であれば、FeliCaに対応している上位モデルの購入を検討することをおすすめします。
Galaxy Watch FEとGalaxy Watch7の主な違い
Galaxy Watch FEとGalaxy Watch7は、どちらもサムスン製のスマートウォッチですが、ターゲットとするユーザー層や機能、価格に明確な違いがあります。 ここでは、両モデルの主な違いをスペックの比較を通じて詳しく解説します。
デザインとサイズ
- Galaxy Watch FE: 40mmモデルのみ。 クラシックな円形デザインで、ディスプレイのベゼルは比較的厚めです。
- Galaxy Watch7: 40mmと44mmの2サイズ展開。 よりモダンなフローティングデザインを採用しています。
- 違い:Galaxy Watch7はサイズやカラーの選択肢が豊富で、より洗練された外観を持っています。
ディスプレイ
- Galaxy Watch FE: 1.2インチ Super AMOLED (396 x 396)
- Galaxy Watch7: 44mmモデルは1.5インチ (480 x 480)、40mmモデルは1.31インチ (432 x 432)のSuper AMOLED。
- 違い:Galaxy Watch7の方が画面が大きく高解像度であり、ピーク輝度も高いため、屋外での視認性に優れています。
プロセッサと性能
- Galaxy Watch FE: Exynos W920 (デュアルコア)、RAM 1.5GB、ストレージ 16GB。
- Galaxy Watch7: Exynos W1000 (5コア)、RAM 2GB、ストレージ 32GB。
- 違い:性能差は歴然です。Watch7は最新の強力なプロセッサを搭載し、アプリの起動や操作全般が非常にスムーズです。
ヘルスケア機能
- Galaxy Watch FE: 体組成測定や睡眠コーチングなど、基本的な健康管理機能を網羅しています。
- Galaxy Watch7: 上記に加え、Galaxy AIを活用した「エナジースコア」や「AGEs指数」の測定、皮膚温度センサーなど、より高度で専門的な機能を搭載しています。
- 違い:より先進的でパーソナライズされた健康アドバイスを求めるなら、Galaxy Watch7が優位です。
GPS機能
- Galaxy Watch FE: 標準的なGPSを搭載しています。
- Galaxy Watch7: デュアルバンドGPS(L1+L5)に対応しています。
- 違い:Galaxy Watch7は、特にビル街などの電波が不安定な場所で、より高精度な位置情報を取得できます。
決済機能 (FeliCa)
- Galaxy Watch FE: FeliCaには非対応です。
- Galaxy Watch7: FeliCaに対応しており、SuicaやiD、QUICPayが利用可能です。
- 違い:日本国内でタッチ決済を利用したいユーザーにとって、これは最も重要な違いの一つです。
スマート機能
- Galaxy Watch FE: カメラコントロールなどの基本的なスマート機能を搭載しています。
- Galaxy Watch7: Galaxy AIによるメッセージ返信の提案や、「ダブルピンチ」ジェスチャーによる操作など、より高度な機能を備えています。
- 違い:Galaxy Watch7は、AIと新しいジェスチャーによって、より直感的で便利な操作体験を提供します。
価格と発売日
- Galaxy Watch FE: 34,760円(税込) ※発売時
- Galaxy Watch7: 62,700円(税込)から ※発売時
- 違い:Galaxy Watch FEは、Watch7の約半額という非常に手頃な価格設定が最大の特徴です。
まとめ:Galaxy Watch FEとGalaxy Watch7の違い
Galaxy Watch FEは、スマートウォッチの基本的な健康・運動トラッキングや通知機能を、非常に手頃な価格で体験したいユーザーにとって最適なエントリーモデルです。 しかし、その価格を実現するために、プロセッサの性能やバッテリー、そして日本市場で重要なFeliCa機能などが割り切られています。
一方、Galaxy Watch7は、最新の高性能プロセッサによる快適な操作性、デュアルバンドGPS、そしてGalaxy AIを活用した「エナジースコア」などの先進的な健康分析機能を求めるユーザー向けのハイエンドモデルです。 Suicaなどが使えるFeliCa対応も、日々の利便性を重視するユーザーにとっては大きなメリットとなります。 どちらのモデルを選ぶかは、予算と、スマートウォッチにどこまでの性能と機能を求めるかによって決まります。
Galaxy Watch FEのメリット・デメリット
Galaxy Watch FEは、サムスンのスマートウォッチ体験をより多くの人に届けるためのエントリーモデルです。ここでは、その魅力的な点(メリット)と、購入前に知っておくべき注意点(デメリット)を、上位モデルであるGalaxy Watch7との比較を交えながら解説します。
【メリット】
メリット1:手頃な価格でも高品質なデザインと耐久性
最大のメリットは、3万円台という手頃な価格です 。この価格でありながら、外観の品質は非常に高いです。ディスプレイには、通常は高価格帯モデルに採用される傷に強いサファイアクリスタルガラスを使用 。さらに、IP68の防水防塵性能やMIL-STD-810Hという米軍調達基準の耐久性も備えており、日常使いからアクティブなシーンまで安心して使えます 。
メリット2:充実したスポーツ機能とフィットネス管理機能
価格を抑えつつも、健康管理機能は非常に充実しています 。100種類以上のワークアウト追跡 、睡眠段階を詳細に分析して動物に例えてくれるユニークな睡眠コーチング 、そして手首で体脂肪率や筋肉量を測定できる体組成測定機能まで搭載しています 。健康的な生活を始めるための基本的な機能は、ほぼすべて網羅されていると言えるでしょう 。
メリット3:Wear OS搭載によるアプリの拡張性
Wear OSを搭載しているため、Google Playストアから豊富なアプリを追加して、自分好みに機能を拡張できます。例えば、Googleマップでナビゲーションを使ったり、WhatsAppでメッセージを返信したりと、スマートフォンのように機能をカスタマイズできるのが大きな魅力です。
メリット4:スマートフォンなしで使える音楽再生とGPS機能
ウォッチの内蔵ストレージにSpotifyなどから音楽をダウンロードしておけば、スマートフォンを自宅に置いたままでも、ランニング中に音楽を楽しめます。内蔵GPSが移動ルートを正確に記録してくれるため、ウォッチとBluetoothイヤホンだけで身軽にアクティビティに集中できるのは、大きなメリットです。
【デメリット】
デメリット1:旧世代プロセッサによる動作の遅さ
Galaxy Watch FEの最も大きな弱点は、そのパフォーマンスにあります。搭載されているプロセッサは、3年前のモデルであるGalaxy Watch 4と同じ「Exynos W920」です 。そのため、アプリの起動や画面の切り替え時に、一瞬の「間」やもたつきを感じることがあります 。最新の3nmプロセッサを搭載し、非常にスムーズな操作感を実現しているGalaxy Watch7と比較すると、この動作速度の違いは明確です 。
デメリット2:短いバッテリー駆動時間と分厚いベゼル
バッテリーの持続時間は、公称値で最大40時間とされていますが 、実際の使用環境、特に睡眠中も装着してデータを計測すると、毎日の充電が必要になる場合が多いです 。また、ディスプレイは明るく鮮やかですが、画面サイズが1.2インチと小さく、その周りを囲むベゼルが比較的太いため、大画面で没入感のあるGalaxy Watch7と比べると、デザインに少し古さを感じるかもしれません 。
デメリット3:決済機能(FeliCa)の非搭載
日本市場において特に重要な「おサイフケータイ(FeliCa)」に非対応である点は、大きなデメリットです。これにより、Suicaでの交通機関の利用や、iD、QUICPayといった電子マネーでのタッチ決済ができません。日々の支払いをスマートウォッチで完結させたいと考えているユーザーにとって、これは購入を見送る大きな理由になり得ます。なお、Galaxy Watch7ではFeliCaが利用可能です。
デメリット4:Galaxy AIなど最新機能の非搭載
エントリーモデルであるため、Galaxy Watch7に搭載されている最新のソフトウェア機能は利用できません。その代表が、AIがその日のコンディションを評価してくれる「エナジースコア」です。日々の活動量や睡眠の質から体の準備状態をスコアで示してくれるこの便利な機能がない点は、Watch7との明確な差と言えます。その他、老化に関する指標を測定する「AGEs指数」なども搭載されていません。
Galaxy Watch FE スペック(仕様)一覧
- ディスプレイ: 1.2インチ Super AMOLED (396 x 396)、サファイアクリスタルガラス採用
- クラウン: なし (タッチベゼルで操作)
- プロセッサ: Exynos W920 デュアルコア 1.18GHz (5nm)
- RAM(メモリ): 1.5GB
- ストレージ: 16GB (使用可能領域 7.6GB)
- バッテリー: 247mAh
- 駆動時間: 最大40時間(常時表示オフ時)
- 充電方式: WPCベースのワイヤレス充電
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 802.11 a/b/g/n (2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.3
- 衛星測位: GPS、Glonass、Beidou、Galileo
- NFC/FeliCa: NFC 対応 / FeliCa 非対応
- インターフェース: ワイヤレス充電、物理ボタン
- センサー: 加速度、気圧、生体電気インピーダンス解析、電気心拍、ジャイロ、地磁気、照度、光学式心拍
- 防水防塵: 5ATM + IP68
- 耐久性: MIL-STD-810H準拠
- スピーカー/マイク: 搭載
- バンド (ストラップ): クイックリリース対応 (幅20mm)
- 対応OS: Android 11 以降(RAM 1.5GB以上)
- OS: Wear OS Powered by Samsung (Wear OS 4)
- UI: One UI 5 Watch
- サイズ: 39.3 x 40.4 x 9.8 mm (ヘルスセンサー除く)
- 重量: 26.6 g (バンド除く)
- カラー: ブラック、ピンク ゴールド、シルバー
- 4G LTE通信: 一部モデルのみ対応(米国で販売)
Galaxy Watch FEの評価
8つの評価基準で「Galaxy Watch FE」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★☆
Super AMOLEDディスプレイは非常に明るく、屋外での視認性も良好です。ただし、画面サイズが小さくベゼルが太いため、星4つとしました。
健康管理・スポーツ:★★★★☆
100種類以上のワークアウト追跡や詳細な睡眠コーチングなど、価格以上の充実した機能を搭載しています。最新のAI機能がないため、満点には至りません。
機能性:★★★☆☆
Wear OS搭載でアプリを追加できる点は優秀ですが、日本市場で需要の高いおサイフケータイ(FeliCa)に非対応なのが大きなマイナスポイントです。
バッテリーの持ち:★★☆☆☆
公称値では最大40時間ですが、実際の使用では睡眠計測などを含めると毎日の充電が必要になる場合が多く、バッテリーの持ちは明確な弱点と言えます。
耐久性:★★★★★
サファイアクリスタルガラスとMIL規格準拠の堅牢性は、この価格帯では驚異的です。日常からアウトドアまで、安心して使える高い耐久性を備えています。
ファッション性:★★★★☆
クラシックでどんな服装にも合わせやすいデザインと、交換可能なバンドでカスタマイズ性が高いです。ワンサイズ展開と太いベゼルが少しだけマイナスです。
価格:★★★★☆
エントリーモデルとして非常に手頃な価格設定です。ただし、旧世代の上位モデルが同価格帯で販売されている場合もあり、絶対的なコストパフォーマンスとは言えないため星4つとしました。
使いやすさ:★★★☆☆
UIは直感的で分かりやすいですが、旧世代のプロセッサを搭載しているため、アプリの起動や操作の反応が遅く感じられる場面が多々あります。
総評:★★★☆☆
低価格で基本性能をしっかりとおさえたGalaxy Watch 入門機
Galaxy Watch FEは、優れたエントリーモデルとして、非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。低価格でありながら、スマートウォッチとしての基本的な性能をしっかりと押さえている点が最大の魅力です。ディスプレイには高価格帯モデルにも採用される傷に強いサファイアクリスタルガラスを使用し 、MIL-STD-810H準拠の耐久性も備えています 。これにより、日常のあらゆる場面で安心して使用できます。
加えて、Wear OSを搭載していることによる拡張性の高さも見逃せません。Google PlayストアからGoogleマップやSpotifyといった使い慣れたアプリを直接インストールでき 、ウォッチを自分だけの便利なツールへとカスタマイズすることが可能です。内蔵GPSと音楽保存機能を使えば、スマートフォンなしでランニングに出かけることもできます。
購入前の注意点
しかし、その魅力的な価格を実現するために、いくつかの明確な妥協点が存在します。最も顕著なのは、旧世代のプロセッサ(Exynos W920)に起因する動作の遅さです 。アプリの起動や画面の切り替えで、最新モデルに比べると明らかな「もたつき」を感じることがあります。また、短いバッテリー駆動時間 、そして日本市場で需要の高い決済機能「FeliCa」に非対応である点は、購入前に必ず理解しておくべきです。
どのような人におすすめか
このスマートウォッチは、「初めてスマートウォッチを使う人」や、「複雑な機能は不要で、主にデザインと基本的な健康・運動記録を重視する人」に最適な選択肢です。特に、すでにGalaxyのスマートフォンを利用しているユーザーであれば、設定の簡単さや連携のスムーズさから、その価値を最大限に引き出せるでしょう 。
一方で、「スマートウォッチで決済をしたい人」、「アプリを多用し、サクサクとした快適な操作性を求めるパワーユーザー」には、正直なところお勧めできません。そのようなユーザーは、価格が上がってもGalaxy Watch7などの上位モデルを検討する方が、長期的な満足度は高くなるはずです。
Galaxy Watch FEは、何ができて何ができないかが非常にはっきりした製品です。自身の使い方を明確にし、その「割り切り」を受け入れられるのであれば、価格をはるかに超える価値と満足感を得られる、優れた一台と言えます。
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Galaxy Watch FEの価格・購入先
※価格は2025/7/30に調査したものです。
ECサイト
- 楽天市場で34,760円(送料無料)、
- ヤフーショッピングで36,115円(送料無料)、
- 米国 Amazon.comで$220.02 (Bluetoothモデル)、
で販売されています。
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おすすめのライバル機種と価格を比較
「Galaxy Watch FE」に似た性能をもつスマートウォッチも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
Galaxy Watch8
Samsungから発売されたWear OS 6.0搭載のスマートウォッチです(2025年8月1日に発売)。
1.34/1.47インチのSuper AMOLED タッチスクリーン(40mm/44mmモデル・最大輝度3000nits)、最大40時間駆動できるバッテリー、Exynos W1000プロセッサ、2GB RAM、32GBストレージ、生体電気インピーダンス解析センサー・電気心拍センサー・光学式心拍センサー、GPSセンサーを搭載しています。
また、Gemini連携機能、One UI 8 Watc、AIコーチ、100種類以上のエクササイズ記録、エナジースコア、就寝時刻ガイダンス、血管負荷測定、抗酸化指数測定、体組成、睡眠トラッキング、ストレス測定、バンド交換システム「ダイナミックラグシステム」に対応。
音楽再生、Bluetooth通話、Google Gemini(音声アシスタント)、デュアルGPS、通知の受信、カメラのリモート操作、スマートフォンの検索、天気予報、5ATM + IP68防水、ワイヤレス充電、FeliCa、専用アプリ(Samsung Health、Galaxy Wearable)、Bluetooth 5.3、Wi-Fi4、デュアルGPS (L1+L5) にも対応しています。
価格は、Amazonで53,123円(40mmモデル/44mmモデルは58,119円・Classicモデルは76,896円・税込)、楽天市場で53,500~58,500円(Classicモデルは77,400円)、米国 Amazon.comで$349.99、です。
関連記事:Galaxy Watch8/Classicレビュー!Watch7との違いと評価
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HUAWEI WATCH FIT 4 Pro
HUAWEIから発売されたHarmonyOS搭載のスマートウォッチです(2025年6月3日に発売)。
約1.82インチのAMOLED タッチスクリーン (480 x 408ピクセル, 最大輝度3,000 nits) 、通常使用で約10日間駆動できるバッテリー、深度センサー、温度センサー、GPSセンサー、、回転クラウン付きホームボタン、スピーカー・マイクを搭載しています。
また、心電図(ECG)アプリ、ゴルフ機能、40mフリーダイビング、ボイスメモ機能、、ワイヤレス急速充電(約60分でフル充電完了)、NFC、・食事管理サポート(Stay Fitアプリ連携)、皮膚温度測定、情緒モニタリング、100種類以上のスポーツモード、ランニング機能(AIランニングフォーム分析など)、血中酸素レベル測定・心拍数モニタリング・睡眠モニタリング・ストレスモニタリングに対応。
音楽再生(音楽保存)、Bluetooth通話、音声アシスタント(AI Voice)、文字盤デザインのカスタマイズ、高精度なマルチGNSS(L1/L5デュアルバンド対応)、バイブレーション機能、通知の受信、Bluetooth 5.2 (BR+BLE)、5気圧防水・IP6X防塵にも対応しています。
価格は、Amazonで37,638円(税込・3600円 OFFクーポン付きで実質34,038円)、楽天市場で33,800円(送料無料・グリーンモデルは35,800円)、ヤフーショッピングで39,380円、AliExpressで53,733円、米国 Amazon.comで$299.99、です。
関連記事:HUAWEI WATCH FIT 4 Pro徹底レビュー!心電図・ゴルフ・地図
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Xiaomi Watch S4
Xiaomiから発売されたHyperOS搭載のスマートウォッチです(2025年3月13日に発売)。
1.43インチのAMOLED タッチスクリーン、約15日間駆動できるバッテリー、Xiaomi HyperOS 2を搭載しています。
また、回転式クラウン、ベゼルの交換、進化したヘルスモニタリング機能(心拍数・血中酸素・睡眠モニタリング)、「健康診断」機能、150種類以上のスポーツモード、スキーモード(転倒検知機能を含む)、ランニングフォームの分析機能、200種類以上のウォッチフェイス、ベゼルの緩み検知機能、
ストラップの交換(レザー、シリコン、メタルなど)、水滴誤操作防止機能、Xiaomi Smart Hubとの連携機能、Bluetooth通話(2マイク)、クイックジェスチャーコントロール(カスタマイズ可能)、マルチGNSS(5つの衛星測位システム)、急速充電、、懐中電灯(記述なし)、天気予報(記述なし)、1500nitsの高輝度モード、5気圧防水、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで19,980円(税込)、楽天市場で19,980円(送料無料)、AliExpressで31,702円、です。
関連記事:Xiaomi Watch S4レビュー!S3との違い、デザイン、価格、評価
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Amazfit Active 2
Zepp Healthから発売されたZepp OS 4.5搭載のスマートウォッチです(2025年3月4日に発売)。
1.32インチ HD AMOLED タッチスクリーン(466×466, 353PPI、最大輝度2000nits)、サファイアガラス(※プレミアムバージョンのみ)、最大10日間駆動できるバッテリー(通常使用時)、2つの物理ボタンを搭載しています。
また、Zepp Flow (日本語対応)音声アシスタント、オフライン音声アシスタント (日本語非対応)、Zepp Coach (個人に最適化されたトレーニングプランを提供)、160種類以上のスポーツモード、ランニング機能、5衛星測位(GPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSS)、
オフラインマップ、ターンバイターン方式ナビゲーション機能、心拍数・血中酸素・睡眠モニタリング、ワンタップ測定機能、PAI健康評価、健康リマインダー機能(異常アラート)、音楽再生・保存(512MB)、400種類以上のウォッチフェイス、Bluetooth通話、5気圧防水、Bluetooth 5.2 BLEに対応しています。
価格は、Amazonで18,900円、楽天市場で18,900~21,890円(送料無料)、ヤフーショッピングで18,900円(送料無料)、米国 Amazon.comで$99.99、です。
関連記事:Amazfit Active 2徹底レビュー!AIで音声操作できるスマートウォッチ
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Redmi Watch 5
Xiaomiから発売されたHyperOS搭載のスマートウォッチです(2025年1月23日に発売)。
2.07インチのAMOLED タッチスクリーン、約24日間駆動できるバッテリーを搭載しています。
また、150種類以上のスポーツモード、ランニング機能、血中酸素・心拍数・睡眠モニタリング、音楽再生、Bluetooth通話、)、呼吸エクササイズ、バイタリティスコア、文字盤デザインのカスタマイズ(200種類)、クイックリリース、
オンリストランニングコース(10種類のランニングコース、マルチGNSS(GPSセンサー内蔵)、リニアモーター(20種類以上のバイブレーションパターン)、通知の受信(LINE)カメラのリモート操作、スマートフォンの検索、懐中電灯、天気予報、Bluetooth 5.3、5気圧防水に対応しています。
価格は、Amazonで14,980円(税込)、楽天市場で14,980円(税込・送料無料)ヤフーショッピングで16,797円(税込・送料無料)、AliExpressで15,682円、です。
関連記事:Redmi Watch 5レビュー!1万円台の2インチ画面スマートウォッチは買いか?
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HUAWEI WATCH GT 5
ファーウェイから発売されたAndroid 8.0以降、iOS 13.0以降に対応したスマートウォッチです(2024年10月9日発売)。
1.32/1.43インチのAMOLEDカラーディスプレイ、通常使用で約7日間 駆動するバッテリー、スピーカー、マイクを搭載しています。
また、TruSenseシステム、100種類以上のワークアウトモード、フルカラーマップ表示、ランニングフォーム分析、情緒の測定機能、キーボード入力機能、スクリーンショット機能、EasyFit 3.0ベルト、ワイヤレス充電、5気圧防水 + IP69K防水防塵、ヒマワリ型アンテナ、Bluetooth通話、音楽再生(単体)、通知の受信(LINE対応)、スマートフォン探索、GNSS、Bluetooth 5.2 (BR+BLE)に対応しています。
価格は、Amazonで32,800円(Pro版は63,780円)、楽天市場で30,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで30,800円、AliExpressで27,937円、米国 Amazon.comで$271.90、です。
関連記事:「HUAWEI WATCH GT 5」(Pro)とGT4、GT3を比較
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他のサムスン スマートウォッチと比較
他にもサムスンのスマートウォッチが販売されています。2025年、2024年モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。
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