
2025年3月に発売された「GPD WIN Mini 2025」は、最新のAMD Ryzen™ AI 9 HX 370プロセッサーを搭載し、前モデル「GPD WIN Mini 2024」から劇的な進化を遂げたことで注目を集めているクラムシェル型ポータブルゲーミングPCです。
このレビューでは、GPD WIN Mini 2025(HX 370モデル)が2024年モデル(8840Uモデル)と比べてどれほどの「性能差」があるのか、その実力を徹底的に比較・検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
GPD WIN Mini 2025 の長所(Pros):
- Ryzen AI 9 HX 370による圧倒的なパフォーマンス
- 2024年モデルを凌駕するRadeon 890Mのグラフィック性能
- 革命的な進化を遂げたSSDの拡張性(M.2 2280規格に対応)
- AVX-512対応による最強のエミュレーター性能(PS3、Switchなど)
- TDP 35Wに対応した強力な冷却性能
- 2024年モデルの弱点を克服した、劇的に改善されたスピーカー音質
- ネジ不要になった「脱着式グリップ」の採用
- 120Hz VRR対応の高品質ディスプレイ
- バッテリー寿命を延ばす「いたわり充電」機能の追加
GPD WIN Mini 2025 の短所(Cons):
- 2024年モデルから大幅な価格上昇(23万円超え)
- 2024年モデルにあった「バイパス充電(パススルー充電)」が非対応になった
- 冷却強化と引き換えに、わずかに大型化・重量増(約35g増)した
- 高TDP設定時の本体発熱は健在
- 指紋認証センサーが引き続き非搭載
- ドライバー入手の「GPDあるある」(Googleドライブのダウンロード制限)が残っている
総合評価:
GPD WIN Mini 2025は、価格高騰とバイパス充電の廃止という大きなトレードオフと引き換えに、それを補って余りある「圧倒的な性能」と「革命的な拡張性(M.2 2280)」を手に入れた正統進化のフラッグシップ機です。
2024年モデルの弱点(スピーカー音質、SSD規格、ネジ式グリップ)を的確に改善しており、UMPCに妥協のない性能を求めるヘビーユーザーや、最強のエミュレーターマシンを求める人にとっては、間違いなく”買い”の決定版デバイスと言えます。
<この記事で分かること>
- GPD WIN Mini 2025と2024モデルの明確な性能差(ベンチマーク比較)
- Ryzen AI 9 HX 370が『モンスターハンターワイルズ』や『原神』でどれくらいのフレームレート(FPS)を出せるか
- 最大の進化点である「M.2 2280 SSD」対応がどれほど重要か
- AVX-512命令セットがエミュレーター性能(PS3、Switch)に与える影響
- TDP 35Wに対応した冷却性能と、実際の本体温度
- バッテリー性能と「いたわり充電」・「バイパス充電(パススルー充電)」の違い
- Windows 11で遊べるゲームの範囲(Steam、Xbox Game Passなど)
- 2024モデルから劇的に改善されたスピーカー音質
- 新色ホワイトを含むデザインと重量の変更点
- 操作性(キーボード、コントローラー、切替スイッチの位置変更)
- ケース、脱着式グリップなど専用アクセサリーの詳細
- 専門家による5段階評価と詳細な総評
- 最新の価格(新品・中古)とお得な購入先・ライバル機種との価格比較
この記事を最後まで読むことで、「GPD WIN Mini 2025」が2024年モデルから買い替える価値があるのか、買うべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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パフォーマンスとゲーム性能
ここでは、GPD WIN Mini 2025のパフォーマンスとゲーム性能について紹介します。
プロセッサーとGPU
GPD WIN Mini 2025には、性能が大きく異なる2つのモデルが用意されています。ハイエンドモデルは、最新のZen 5アーキテクチャを採用した「AMD Ryzen™ AI 9 HX 370」を搭載しています。これは12コア24スレッドで動作し、内蔵GPUはRDNA 3.5世代の「AMD Radeon™ 890M」(16 CU)です。NPU性能50 TOPS、総合で80 TOPSという強力なAI処理能力も特徴です。
標準モデルは、GPD WIN Mini 2024 にも採用されていた「AMD Ryzen™ 7 8840U」を搭載しています。こちらはZen 4アーキテクチャの8コア16スレッドで、内蔵GPUは実績のある「AMD Radeon™ 780M」(12 CU)です。AI性能は総合38 TOPSです。
ハイエンドモデルのRadeon 890Mは、標準モデルのRadeon 780Mと比較して、3DMark Time Spyスコアで約51%高い性能向上が報告されています。
ベンチマーク
GPD WIN Mini 2025が搭載するAMD Ryzen AI 9 HX 370とRyzen 7 8840U(※GPD WIN Mini 2024の上位モデルと同じ)のベンチマーク結果を紹介します。
AMD Ryzen AI 9 HX 370
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークで「35166」
- Geekbench 6のシングルコア「2965」、マルチコア「12753」
- Cinebench R23 シングルコア「16240」、マルチコア「22630」
- Cinebench 2024 シングルコア「110」、マルチコア「946」
<GPUのベンチマーク結果>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7800」(DirectX 11)
- Time Spy グラフィックスコアで「3820」(DirectX 12)
- 3DMark Wild Life「20,500」
- 3DMark Wild Life Extreme 「6400」
- Steel Nomad Light 「3252」
Ryzen 7 8840U
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「23383」
- Geekbench 6のシングルコア「2446」、マルチコア「12000」
- Cinebench R23 シングルコア「1807」、マルチコア「13450」
- Cinebench 2024 シングルコア「102」、マルチコア「760」
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「5532」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「3811」
- Time Spy グラフィックスコアで「2791」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「35000」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「15400」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
グラフィック性能を比較
GPD WIN Mini 2025が搭載するAMD Ryzen AI 9 HX 370、Ryzen 7 8840Uのグラフィック性能は、他のポータブルゲーミングPCと比べて、どのくらいなのでしょうか?Fire StrikeとTime Spyで比較してみました。
Fire Strikeのスコアで比較
- 9147:Ryzen AI Z2 Extreme(ROG XBOX ALLY X)
- 8042:Ryzen Z1 Extreme(ROG Ally X)
- 7800:Ryzen AI 9 HX 370(GPD WIN Mini 2025)
- 5532:Ryzen 7 8840U(GPD WIN Mini 2025)
- 5015:Ryzen 5 8640U(GPD WIN Mini 2024)
- 4859:Ryzen Z2 A(ROG Xbox Ally)
- 4313:AMDカスタムAPU(Steam Deck OLED)
Time Spyのスコアで比較
- 4009:Ryzen AI Z2 Extreme(ROG XBOX ALLY X)
- 3820:Ryzen AI 9 HX 370(GPD WIN Mini 2025)
- 3435:Ryzen Z1 Extreme(ROG Ally X)
- 2791:Ryzen 7 8840U(GPD WIN Mini 2025)
- 2312:Ryzen 5 8640U(GPD WIN Mini 2024)
- 1929:Ryzen Z2 A(ROG Xbox Ally)
- 1700:AMDカスタムAPU(Steam Deck OLED)
<比較から分かること>
ここから分かることは、まずGPD WIN Mini 2025の2モデル間で、グラフィック性能に大きな差がある点です。ハイエンドのRyzen AI 9 HX 370(Fire Strike: 7800 / Time Spy: 3820)は、標準モデルのRyzen 7 8840U(Fire Strike: 5532 / Time Spy: 2791)に対し、両ベンチマークで37%〜41%程度も高いスコアを記録しています。
競合機種と比較すると、GPD WIN Mini 2025(HX 370)のグラフィック性能は、ROG Ally Xに搭載されているRyzen Z1 Extreme(Time Spy: 3435)を上回っています。一方で、最上位モデルであるROG XBOX ALLY XのRyzen AI Z2 Extreme(Fire Strike: 9147 / Time Spy: 4009)には、あと一歩及ばない結果となっています。
GPD WIN Mini 2025のハイエンドモデルは、Steam Deck OLEDや旧モデルのGPD WIN Mini 2024(8640U)を圧倒し、現行の主要なポータブルゲーミングPCの中でもトップクラスのグラフィック性能を持っていることが明確に分かります。
ゲーム性能をレビュー:GPD WIN Mini 2025でモンハン、原神はどう動く?
ベンチマークの数値がどれほど良くても、実際にゲームが快適に動かなければ意味がありません。ここでは、GPD WIN Mini 2025の2つのモデル、ハイエンドの「Ryzen AI 9 HX 370」と標準の「Ryzen 7 8840U」で、実際のゲーム体験がどれほど違うのかを具体的にレビューしていきます。
原神
美しいアニメ調のグラフィックが特徴的な『原神』は、ポータブル機で快適に遊びたいタイトルの筆頭です。
標準モデル(8840U)でも、1080p(1920×1080)解像度・中設定で平均50~60fpsを維持し、フィールド探索は非常に滑らかです。ただし、敵やエフェクトが入り乱れる激しい戦闘シーンでは、40fps台に落ち込む場面もありました。安定した60fps張り付きを目指すなら、グラフィックオプションを一部「低」にする調整が必要でしょう。
一方、ハイエンドモデル(HX 370)のパワーは圧巻です。1080p解像度・高設定でも平均60fps以上を軽々と維持します。描画負荷が高い都市部(璃月港など)を歩き回っても、激しい螺旋戦闘でもフレームレートが安定しており、8840Uモデルでは妥協が必要だった高品質なビジュアルのまま、テイワットの世界に没入できる喜びを感じました。
モンスターハンターワイルズ
次に、PCゲーマーにとって最大の関心事である「モンスターハンターワイルズ」のベンチマークです。この超重量級タイトルが、この小さな筐体でどこまで動くのでしょうか。
標準モデル(8840U)では、このクラスのゲームを動かすのは正直厳しいと言わざるを得ません。設定を最低まで落としても、安定したプレイは難しいでしょう。
しかし、ハイエンドモデル(HX 370)は驚くべき結果を出しました。1080p解像度・グラフィックプリセット「中」設定で、平均フレームレート51.43fpsを記録。さらに画質を「最低」設定(FHD)にしたベンチマークでは、スコア「12118」(問題なくプレイ出来る判定)を叩き出し、平均35fpsで動作しました。もちろん、集落などオブジェクトが多い場所では15fps程度まで落ち込むこともあり、真剣なプレイには向きませんが、「最新のAAAタイトルが設定次第で動くだけでなく、プレイ可能圏内にある」という事実に、内蔵GPUの凄まじい進化を感じずにはいられません。
Apex Legends
スピーディーな展開が魅力の『Apex Legends』では、フレームレートの高さが勝敗に直結します。標準モデル(8840U)でも、1080p解像度・低設定(いわゆる競技設定)で、平均90~110fpsという高いフレームレートを確保できます。激しい銃撃戦の最中でも60fpsを大きく下回ることはなく、ストレスのない快適なプレイが可能です。
ハイエンドモデル(HX 370)は、その上を行きます。同じ1080p・低設定で、平均120~144fpsという領域に達しました。これはGPD WIN Mini 2025が持つ120Hzの高リフレッシュレートディスプレイを完全に活かしきる数値です。視点移動の滑らかさ、エイムの吸い付き方が別次元で、対戦を有利に進めたいゲーマーにとって決定的な差となります。
サイバーパンク2077
内蔵GPUにとって最も過酷な試練の一つが『サイバーパンク2077』です。
標準モデル(8840U)では、1080p解像度・低設定、さらにFSR(アップスケーリング技術)を「ウルトラパフォーマンス」に設定して、ようやく平均30~40fpsを維持するのがやっとです。場面によっては30fpsを割り込み、紙芝居のようになることもあり、「なんとかストーリーを進められる」というのが正直なところです。
ハイエンドモデル(HX 370)は、この常識を覆しました。1080p解像度・低設定で、FSRを「クオリティ」や「バランス」といった画質優先の設定にしても、平均50~60fpsでの動作が視野に入ります。8840Uモデルとは比較にならないほど美しいグラフィック設定で、かつ安定したフレームレートでナイトシティを探索できます。この重量級タイトルを「快適に遊べる」レベルに引き上げたパワーは驚異的です。
Forza Horizon 5
最適化が進んでいるレースゲーム『Forza Horizon 5』では、両モデルとも素晴らしい結果を出しました。
標準モデル(8840U)ですら、1080p解像度・中設定で安定して60fps以上を維持します。美しいメキシコの景色を楽しみながら、快適なドライブが可能です。
ハイエンドモデル(HX 370)は、もはやオーバースペックとも言える領域です。1080p解像度・高設定で、平均80fpsを超えるパフォーマンスを発揮しました。資料の「個人的な意見」にあった通り、「非常に滑らかに動かせてレースこなせるレベルに超快適」という表現がぴったりで、流れる景色を滑らかに描き出し、レースゲームで最も重要なスピード感を一切損なうことがありません。
まとめ:ゲーム性能
ベンチマークスコアが示した通り、Ryzen AI 9 HX 370(ハイエンドモデル)は、Ryzen 7 8840U(標準モデル)をグラフィック性能で約40%も上回っており、その差は実際のゲーム体験に決定的な違いを生み出していました。標準の8840Uモデルも、多くのゲームを1080p・設定調整で快適に遊べる高いポテンシャルを持っています。
しかし、HX 370モデルは、これまでポータブル機では不可能と思われていた「サイバーパンク2077」や「モンスターハンターワイルズ」といった最新の重量級タイトルを「遊べる」領域に引き上げました。どのようなゲーム体験を求めるかで、選ぶべきモデルは明確に分かれるでしょう。
メモリ・ストレージと拡張性:GPD WIN Mini 2025 (HX 370) 最大の進化はSSDにあり
ここでは、GPD WIN Mini 2025のメモリとストレージ、特に将来的な拡張性についてレビューしていきます。パフォーマンスの影に隠れがちですが、GPD WIN Mini 2024モデルと比較して、実はこの部分にこそ最大の進化が隠されていました。
高速化されたメモリ
GPD WIN Mini 2025は、32GBの大容量メモリを搭載しており、その規格はLPDDR5x 7500MT/sへとアップグレードされました。GPD WIN Mini 2024が搭載していたLPDDR5 6400 MT/sと比較しても、大幅に高速化されています。この高速なメモリは、Radeon 890Mグラフィックスの性能を最大限に引き出すだけでなく、AIアプリケーションの実行においても重要な役割を果たします。
待望の「M.2 2280 SSD」対応という革命
GPD WIN Mini 2025における最大の変更点、それは内蔵SSDの規格です。GPD WIN Mini 2024モデルは、M.2 2230という非常に小型な規格のSSDを採用していました。この2230規格は、換装しようにも選択肢が少なく、価格も高価になりがちで、ストレージの増設をためらう大きな要因でした。
しかし、GPD WIN Mini 2025では、筐体の再設計によってついにM.2 2280規格のSSDに対応しました。これは革命的とも言える変更です。M.2 2280はPC市場で最も普及している規格であり、高性能なSSDが安価かつ豊富に販売されています。将来的に「モンスターハンターワイルズ」のような大容量ゲームを次々とインストールしたくなっても、自分で簡単に大容量SSDに換装できるという安心感は、2024年モデルにはない絶大なメリットです。
分解・換装時の注意点
GPD WIN Mini 2025のSSD換装は容易になりましたが、一点だけ注意が必要です。仕様には「M.2 NVMe 2280 SSD(片側コンポーネントレイアウトのみサポート)」と明記されています。これは、SSDの基板の片面にのみチップが実装されている薄型のタイプを選ぶ必要があるという意味です。両面にチップが実装されているSSDは、物理的に干渉して搭載できない可能性があるため、換装用のSSDを選ぶ際は必ずこの点を確認してください。
引き続き便利なmicroSDカードスロット
内蔵SSDの拡張性が劇的に向上しましたが、手軽なストレージ増設手段であるmicroSDカードスロットも引き続き搭載されています。UHS-IおよびビデオスピードクラスV30に対応しており、読み出し160MB/s、書き込み120MB/sの速度に対応します。これはGPD WIN Mini 2024の仕様と同等であり、エミュレーターのROMイメージや、ロード時間がそれほどシビアではないゲームのインストール先として、これまで通り活躍してくれます。
まとめ:メモリ・ストレージと拡張性
- メモリの高速化: メモリがGPD WIN Mini 2024の6400 MT/s から、LPDDR5x 7500MT/sへと高速化された。
- 最大の進化(SSD): 最大のメリットとして、SSDが2024年モデルのM.2 2230規格 から、最も普及しているM.2 2280規格に対応した。
- 高い拡張性: これにより、SSD換装の選択肢が爆発的に増え、コストパフォーマンスが劇的に改善した。
- 換装時の注意: SSD換装時は「片側コンポーネントレイアウト」のモデルを選ぶ必要がある。
- microSDスロット: 手軽なストレージ拡張手段であるmicroSDカードスロットも引き続き搭載している。
バッテリーと冷却:GPD WIN Mini 2025 (HX 370)はTDP 35Wの熱を制御できるか?
ここでは、GPD WIN Mini 2025のバッテリー持続時間、新しく対応した「いたわり充電」、そして前モデルGPD WIN Mini 2024から最も進化した点の一つである冷却性能についてレビューしていきます。TDP(消費電力)の上限が引き上げられたことで、パフォーマンスだけでなく発熱とファンノイズがどう変化したのかを詳しく見ていきます。
冷却構造の刷新とTDP 35Wへの対応
GPD WIN Mini 2025は、GPD WIN Mini 2024から筐体(シャーシ)をゼロから再設計し、冷却モジュールとファンを一新しています。ヒートシンクが拡大され、冷却性能が向上した結果、2024年モデルでは最大20Wに制限されていたTDPが、ついに最大35Wまで設定可能になりました。
このTDP上限の解放は、パフォーマンス向上に直結する非常に大きな進化です。また、新型ファンの搭載により、高負荷時でも「動作音が静かになった」と公式で謳われており、2024年モデルで指摘されていたアイドル時でも甲高いファンノイズが気になるという点が改善されています。
実際の本体温度と熱問題
冷却性能が向上したとはいえ、このコンパクトな筐体でTDP 35Wの熱を完全に抑え込むのは困難です。実際に「Monster Hunter Wilds」や「Rise of the Ronin」といった高負荷なゲームをTDP 20W以上で動作させると、やはり本体は熱くなります。
GPD WIN Mini 2024ではコントローラー部分の熱さが指摘されていましたが、2025年モデルでは特にタッチパッド周辺が熱くなる傾向があります。高TDPで長時間ゲームをプレイする際は、別売りの専用グリップを装着するか、熱対策を意識した方がよいでしょう。とはいえ、2024年モデルよりも高いTDPで安定して動作させられるようになったこと自体が、大きな進歩です。
バッテリー駆動時間の実態
バッテリー容量は44.24Whで、GPD WIN Mini 2024 と同じです。しかし、プロセッサーの効率が上がったためか、公式の駆動時間目安は「処理の重いゲーム」で2024モデルの約2時間から、2025モデルでは約3時間へと延びています。
ただし、これはあくまで目安です。実際に「モンスターハンターワイルズ」をTDP 23W設定でプレイした場合、約1時間でバッテリーが20%まで減る可能性がレビューで示されています。最新のAAAタイトルを外出先でプレイする際は、モバイルバッテリーが必須と考えたほうが賢明です。
いたわり充電(対応) vs パススルー充電(非対応)
GPD WIN Mini 2025は、バッテリーの寿命を延ばすための「いたわり充電」に新たに対応しました。これは、充電量を最大100%にせず、例えば80%などで意図的に停止させることで、バッテリーの過充電を防ぎ劣化を抑える機能です。ACアダプタに繋いだままプレイすることが多いゲーミングPCにとって、バッテリーの消耗を気にせず使える待望の機能と言えます。ただし、この設定はBIOSから行う必要があります。
一方で、GPD WIN Mini 2024は、BIOSに「BYPASS CHARGE」(パススルー充電)の項目がありました。これはバッテリーを介さず直接本体に電力を供給する機能で、バッテリーの劣化を最小限に抑えられます。しかし、GPD WIN Mini 2025は、このバイパス充電には非対応です。いたわり充電が追加されたのは大きなメリットですが、パススルー充電が非対応になった点は惜しいポイントです。
まとめ:バッテリーと冷却
- 冷却性能の向上: 筐体の再設計と新型ファンの搭載により、TDPが2024モデルの20W上限から最大35Wまで引き上げられた。
- 静音性の改善: 2024年モデル と比較して、ファンの動作音が静かになった。
- 発熱は健在: TDP 20Wを超える高負荷時には、2024年モデル同様に本体が熱くなる(特にタッチパッド付近)。
- バッテリー容量: 44.24Whで2024年モデルと共通だが、重いゲームでの公式駆動時間は約2時間から約3時間に延びている。
- いたわり充電に対応: バッテリーの長寿命化に貢献する「いたわり充電」機能が追加された(BIOS設定)。
- パススルー充電は非対応: 2024年モデルにあったバイパス充電(パススルー充電)機能は、2025モデルでは非対応となった。
ソフトウェアとドライバー:GPD WIN Mini 2025 (HX 370)の「万能性」と「玄人向け」な側面
GPD WIN Mini 2025(HX 370)は、OSに「Windows 11 Home」を搭載しています。これは前モデルのGPD WIN Mini 2024とも共通の仕様です。この選択が、本機に「あらゆるゲームが動く無限の可能性」という最大のメリットと、同時に「PCならではの知識と設定を要求される」という注意点の両方をもたらしています。ここでは、本機で何ができるのか、そして何を乗り越える必要があるのかを詳しく見ていきます。
プラットフォームの圧倒的自由度(Windows 11)
最大の強みは、Steam Deckのような専用OS機と異なり、OSが汎用的なWindows 11であることです。これにより、特定のゲームストアに縛られることは一切ありません。
もちろん「Steam」は完璧に動作し、Steam Deckではアンチチート(不正対策ソフト)などの問題で動作しないPCゲームも、Windows機である本機ならプレイ可能です。「Epic Games Store」や「GOG」、「Xbox Game Pass (PC)」といった、あらゆるPCゲームプラットフォームからゲームをインストールして遊ぶことができます。
また、インターネット環境さえあれば、本体の性能やバッテリーを気にせずAAAタイトルを楽しめる「Xbox Cloud Gaming (xCloud)」や「GeForce NOW」といったクラウドゲームサービスも、ブラウザや専用アプリを通じて快適に利用できます。
2025モデルが持つ最強の「エミュレーター性能」
GPD WIN Mini 2025がGPD WIN Mini 2024や他の競合機と一線を画すのが、エミュレーターの動作性能です。2025年モデルの最上位機が搭載するRyzen AI 9 HX 370は、「AVX-512命令セット」に対応しています。
これは専門用語ですが、特定の処理を劇的に高速化する機能です。この恩恵を最も受けるのがエミュレーターであり、特にRPCS3(PlayStation 3)やYuzu(Nintendo Switch)、Citra(ニンテンドー3DS)といったソフトの動作が、前モデルと比較して最大50%も向上すると謳われています。GPD WIN Mini 2024でもエミュレーターは動作しましたが、より負荷の高いPS3などのタイトルを「フルスピードでスムーズに遊べる」レベルに引き上げたのは、2025年モデルの明確な進化点です。
専用ユーティリティ:「WinControls」とTDP設定
GPD WIN Mini 2025は、本体コントローラーのC面にプログラム可能なマクロキー「L4」と「R4」を搭載しています。これはGPD WIN Mini 2024にも搭載されていた便利なカスタムキーです。これらのキー設定には、専用ツール「WinControls」を使用します。このツールを使えば、複数のキー操作を一つのボタンに割り当てるマクロ設定が簡単にでき、PCオンラインゲームなどで複雑な操作をワンボタンで発動できるようになります。
また、TDP(消費電力)やファン速度を調整するための専用アプリ(MotionAssistantなど)も用意されています。ただし、これらのユーティリティは便利な反面、機能が分散している側面もあります。
自由度の代償(ドライバーとファームウェアの課題)
この「何でもできる自由度」を安定して使いこなすには、PCならではの知識と「GPD製品特有のクセ」への対応が必要になります。
Windows PCである以上、ドライバーの管理は必須です。しかし、AMDが提供する最新のグラフィックスドライバーが常に最適とは限りません。実際に、GPD G1のような外付けGPUドックを接続した際に、特定の最新ドライバー(25.3.1)では本体の内蔵ディスプレイが使用できなくなるという問題が報告されていました。
GPDは、こうした問題の修正を含む最新ファームウェアやドライバーを専用ページ(https://www.gpd.hk/gpdwinmini2025firmwaredriver)で公開しており、SSD換装時のOS再インストール方法(動画ガイド付き)などもまとめられています。
しかし、GPD WIN Mini 2024の時から変わらず、これらのファイルの実際のダウンロードリンク先はGoogleドライブ経由であることが多いです。そのため、いざ最新のファームウェアに入れ替えようとしても、日ごとのダウンロード上限に達してしまい、すぐに作業に取り掛かれないというストレスを抱えることがあります。
まとめ:ソフトウェアとドライバー
- OSはWindows 11 Home: Steam Deckとは異なり、一般的なノートPCと同じOSを搭載。
- 無限のゲーム対応: Steam、Xbox Game Pass、クラウドゲーム、PC版『原神』など、あらゆるPCゲームが動作する。
- 最強のエミュレーター性能: 2025年モデル(HX 370)はAVX-512に対応し、PS3やSwitchなどのエミュレーター性能が2024年モデルより劇的に向上した。
- 専用ツール「WinControls」: L4/R4キーにマクロを設定できる専用ツール「WinControls」が用意されている。
- ドライバーの課題: 最新のAMD公式ドライバーが最適とは限らず、eGPU使用時に問題が出ることがある。
- ファームウェア入手の壁: BIOSなどの更新ファイルがGoogleドライブで提供され、ダウンロード上限に引っかかる問題が2024年モデルから継続している。
デザインと外観:GPD WIN Mini 2025 (HX 370)の携帯性と2024モデルとの違い
ここでは、GPD WIN Mini 2025のデザイン、特にサイズや重量、接続ポートについて、GPD WIN Mini 2024モデルと比較しながらレビューしていきます。2025モデルは冷却機構の刷新に伴い、筐体が再設計されており、携帯性に関わる細かな点で違いが見られます。
サイズと重量の比較
GPD WIN Mini 2025は、TDP 35Wに対応した新しい冷却モジュールを搭載するために、筐体がGPD WIN Mini 2024からわずかに大型化しています。2024年モデルが約168×109×26mmだったのに対し、2025年モデルは約172×109×27mmと、幅が4mm、厚さが1mm増しました。
重量も同様に増加しています。2024年モデルの約520gに対し、2025年モデルは約555gと、公式スペックで35g重くなっています。実際に手に持つと、このわずかなサイズと重量の増加は感じ取れますが、それでも7インチのクラムシェル型UMPCとしては最軽量クラスであることに変わりはありません。ポケットに入れるのは厳しいですが、小さなバッグにも余裕で収まる優れた携帯性を維持しています。
カラーと細部の変更点
デザイン面での大きな変更点として、GPD WIN Mini 2025では待望の「ホワイト」モデルが追加されました。GPD WIN Mini 2024は「ラスティブラック」1色のみだったので、これは嬉しい選択肢の増加です。
また、2025年モデルでは本体下部の両端にストラップホールが新たに追加されました。2024年モデルにはなかった機能であり、持ち運びや手持ちプレイ時の落下リスクを抑えられる、地味ながらも実用的な改善点です。一方で、2024年モデルの本体側面にあった滑り止めのシボ加工が、2025年モデルでは見当たらなくなっているなど、細かな仕様変更もあります。
接続ポートとモニター出力
接続ポートの構成は、GPD WIN Mini 2024の優れたレイアウトをそのまま継承しています。2024年モデルは、その前の2023年モデルが搭載していたニッチなOCuLinkポートを廃止し、非常に汎用性の高いUSB-A(10Gbps)ポートを搭載したことが高く評価されていました。
GPD WIN Mini 2025もこの構成を踏襲しており、eGPU接続にも対応するUSB4(40Gbps)ポート、充電やデータ転送に便利なUSB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)ポート、そしてUSBメモリやマウスドングルを直接挿せるUSB-A(10Gbps)ポートを備えています。これらに加え、microSDカードスロット と3.5mmヘッドフォンジャックも搭載しており、ハブなしでも十分な拡張性を持っています。
モニター出力も強力で、USB4ポートとフル機能のType-Cポートの両方が、外部8K@60Hzディスプレイへの出力に対応しています。もちろん、GPD G1などのeGPU(外付けグラフィックス)をUSB4ポートに接続すれば、本体をデスクトップPCのように使うことも可能です。
まとめ:デザインと外観
- 大型化と重量増: 冷却機構の刷新に伴い、GPD WIN Mini 2024 と比べて幅が4mm、厚さが1mm、重量が約35g増加した。
- 新色「ホワイト」の追加: 2024年モデルはブラックのみだったが、2025年モデルではホワイトが選択可能になった。
- ストラップホールの追加: 2024年モデルにはなかったストラップホールが新たに追加され、携帯時の安全性が向上した。
- ポート構成は継承: GPD WIN Mini 2024で好評だったUSB-Aポート搭載の構成 をそのまま継承し、高い拡張性を維持している。
- 強力なモニター出力: USB4とType-Cの両方で8K@60Hz出力に対応し、eGPUの接続もサポートしている。
操作性:GPD WIN Mini 2025 (HX 370) のコントローラーとキーボード
ここでは、GPD WIN Mini 2025の操作性について、コントローラー、キーボード、そしてGPD WIN Mini 2024モデルから変更された「ゲームパッド/マウスモード切替スイッチ」の位置に焦点を当ててレビューしていきます。
独自の操作部レイアウト
GPD WIN Mini 2025は、GPD WIN Mini 2024から引き続き、非常にユニークな操作部レイアウトを採用しています。クラムシェル型(折りたたみ式)の下半分のスペースに、QWERTY物理キーボード、ゲームコントローラー、タッチパッドの3つすべてを搭載しています。
具体的には、手前にバックライト付きのキーボードが配置され、その奥(ディスプレイ側)に左右のジョイスティックやABXYボタンなどのゲームコントローラーが配置されています。そして、コントローラーの中央部分に高精度のタッチパッドが鎮座するという、他に類を見ない高密度なデザインです。このレイアウトは慣れが必要ですが、ゲームもタイピングも1台でこなしたいというニーズに応えるためのものです。
コントローラー(ジョイスティックとトリガー)
コントローラーの基本的な感触は、GPD WIN Mini 2024から引き続き良好です。ジョイスティックは、センターポイントでのデッドゾーン(遊び)発生を排除するホール効果(ホールエフェクト)ミニジョイスティックを採用しています。
スティックはディスプレイに干渉しないよう沈み込んだデザインになっていますが、操作時に指が当たる部分の凹みが大きめに確保されているため、違和感なく操作できました。L2/R2トリガーはリニアアナログトリガーボタンを採用しており、レースゲームのアクセルワークなど、微妙な入力加減も正確に反映してくれます。また、PCオンラインゲームで便利なプログラム可能なマクロキー(L4/R4)も引き続き搭載されています。
キーボードとタッチパッド
GPD WIN Mini 2025のQWERTYキーボードは、GPD WIN Mini 2024と同様にバックライトを搭載したシザースイッチキーを採用しています。このサイズのため、両手の指を使ったタッチタイピングは困難です。
しかし、このキーボードは両手で本体を握ったまま「親指入力」でタイピングすることに特化しています。キーピッチ(キーの間隔)も確保されており、クリック感も良好です。ゲーム中のチャットや、パスワード入力、SNSへの短い投稿ぐらいであれば、意外なほどの速度で快適に文字入力が可能です。中央のタッチパッドも高精度で、最大4本指のジェスチャーに対応しています。
ゲームパッド/マウスモード切替スイッチの「位置」が変更に
GPD WIN Mini 2025には、GPD WIN Mini 2024と同様に、コントローラーの入力を切り替える物理スイッチが搭載されています。これは、Steam DeckやNintendo Switchのような専用OSを搭載したゲーム機にはない、Windows機ならではの重要な機能です。
このスイッチは、コントローラーを「ゲームパッド」として認識させるモードと、「マウス操作」用として認識させるモードを瞬時に切り替えるために使います。「マウス」モードにすると、左のジョイスティックでマウスカーソルを操作し、ショルダーボタンなどでクリックができるようになります。Windows OS上では、ゲーム起動前のランチャー操作やデスクトップ作業でマウス操作が必須になる場面が多々ありますが、このスイッチがあるおかげで、タッチパッドやタッチスクリーンに頼らずとも快適にPC操作が可能になります。
操作性においてGPD WIN Mini 2024から大きく変更されたのが、このスイッチの位置です。GPD WIN Mini 2024では、スイッチは本体の背面(インターフェースが並ぶ面)に配置されており、操作のたびに持ち替える必要があり、少々面倒でした。GPD WIN Mini 2025では、このスイッチが本体の「左側面」に移動しています。これにより、本体を持ったまま、より直感的にモードを切り替えられるようになりました。
まとめ:操作性
- 独自レイアウト: キーボードの手前に、奥にコントローラー、中央にタッチパッドという高密度なレイアウトをGPD WIN Mini 2024から継承している。
- コントローラー: GPD WIN Mini 2024から引き続き、ドリフトのないホール効果ジョイスティックと、精密な入力が可能なアナログトリガーを搭載し、操作感は良好。
- キーボード: タッチタイピングには向かないが、「親指入力」に最適化されており、チャットや短い文章入力は快適。
- 切替スイッチ: Windows操作(マウスモード)とゲーム(ゲームパッドモード)を切り替える物理スイッチを搭載。これは専用OSのゲーム機にはない特徴。
- スイッチの位置変更: GPD WIN Mini 2024では本体背面にありましたが、GPD WIN Mini 2025では本体の左側面に移動しました。
ディスプレイとオーディオ性能:GPD WIN Mini 2025 (HX 370)の進化した視聴体験
ここでは、GPD WIN Mini 2025のディスプレイとオーディオ性能について、GPD WIN Mini 2024モデルと比較しながらレビューしていきます。ディスプレイは2024年モデルの高品質を継承しつつ、オーディオ性能が劇的な進化を遂げています。
120Hz対応 ネイティブランドスケープディスプレイ
GPD WIN Mini 2025は、7インチ、解像度1920×1080、120Hzの高リフレッシュレートに対応したLTPSディスプレイを搭載しています。これは、GPD WIN Mini 2024で採用され好評だった、「ROG Ally」と同等とされる高品質なネイティブランドスケープ(横長)液晶を継承したものです。
GPD WIN Miniの初代機(2023)では、縦長の液晶をソフトウェアで回転させていたため、一部の古いゲームで互換性の問題がありましたが、2024/2025モデルではその心配がありません。また、VRR(可変リフレッシュレート)とAMD FreeSync Premiumにも対応しており、『Hades II』のような高速で動くゲームでも、画面のティアリング(ズレ)がなく非常に滑らかな映像を楽しめます。
表面は第6世代Corning Gorilla Glass(2024モデルは第5世代)で保護され、AF+ARコーティングにより、指紋の付着や光の反射が効果的に抑えられています。輝度は500nitと明るく、屋外での視認性も良好です。ただ、2025モデルは冷却機構のために本体サイズがわずかに大きくなった影響で、2024モデルと比べるとディスプレイのベゼル(縁)が少し太く見えるようになりました。
劇的に進化した内蔵スピーカー
GPD WIN Mini 2024のスピーカーもDTS:X Ultraに対応していましたが、その音質は「低音や重低音までは鳴らず、戦闘シーンではBGMが効果音に負けがち」といったレベルでした。
GPD WIN Mini 2025では、このオーディオ性能が劇的に改善されました。Windowsの起動音を聞いた瞬間に違いが分かるほどの進化で、ドイツブランドAAC製の高性能ステレオスピーカーを搭載し、独立したアンプが追加されたのか、明らかに低音が出るようになり、サラウンド感も強化されています。
もちろん、ハイエンドなタブレットや他社の音質にこだわったUMPCに匹敵するとまでは言えないかもしれませんが、少なくともGPD WIN Mini 2024の時のような「音質を理由に購入をためらう」ことはなくなりました。ゲームや動画鑑賞時の没入感が格段に向上したのは、2025年モデルの大きなメリットです。
まとめ:ディスプレイとオーディオ
- ディスプレイ: GPD WIN Mini 2024で好評だった7インチ120Hzのネイティブランドスケープ液晶(VRR, FreeSync対応)を継承。
- 画面保護: ガラスが第5世代から第6世代Corning Gorilla Glassにアップグレードされた。
- 外観: 本体の大型化に伴い、2024年モデルよりベゼルが少し太く見えるようになった。
- オーディオ: スピーカー性能がGPD WIN Mini 2024から劇的に改善され、低音とサラウンド感が大幅に強化された。
- 音質: Windowsの起動音で違いが分かるレベルで、ゲームや動画の没入感が向上した。
検証して分かったGPD WIN Mini 2025のメリット・デメリット
ここでは、GPD WIN Mini 2025 (HX 370)を実際にGPD WIN Mini 2024モデルと比較しながら検証して分かった、「明確なメリット(買う理由)」と「注意すべきデメリット(気になる点)」を、項目ごとに整理していきます。
GPD WIN Mini 2025のメリット
メリット1:圧倒的なパフォーマンスの向上
GPD WIN Mini 2025(HX 370)の最大のメリットは、GPD WIN Mini 2024(8840U)を圧倒するパフォーマンスです。ベンチマークスコアでは、GPU性能(Radeon 890M)が30%〜50%向上しており、CPU性能(Zen 5)も大きく進化しています。これにより、2024年モデルでは厳しかったゲームも、設定次第で快適に遊べるようになりました。
メリット2:革命的なSSD換装の容易さ(M.2 2280対応)
パフォーマンスと並ぶほどの大きなメリットが、SSDの拡張性です。GPD WIN Mini 2024はM.2 2230という小型で高価な規格でしたが、2025モデルは筐体再設計により、最も普及しているM.2 2280規格に対応しました。これにより、安価で高性能な大容量SSDを自由に選べるようになり、将来的なストレージ不足の心配が実質ゼロになりました。
メリット3:最強のエミュレーター性能(AVX-512対応)
GPD WIN Mini 2025(HX 370)は、GPD WIN Mini 2024のプロセッサーにはなかった「AVX-512命令セット」に対応しました。これは、RPCS3(PS3)やYuzu(Switch)といったエミュレーターの動作を劇的に高速化します。2024年モデルでも動作はしましたが、「フルスピードでスムーズに遊ぶ」という体験は、2025年モデルならではの特権です。
メリット4:TDP 35Wに対応した冷却性能
GPD WIN Mini 2024がTDP 20Wに制限されていたのに対し、2025モデルは冷却機構の刷新により最大TDP 35Wでの動作に対応しました。これにより、高いパフォーマンスをより長時間維持できるようになりました。高負荷時のファンノイズも、2024年モデルより静かになったと感じられます。
メリット5:劇的に改善されたスピーカー音質
GPD WIN Mini 2024はスピーカーの音質が弱点とされていましたが、2025モデルでは劇的に改善されました。Windowsの起動音を聞いた瞬間に違いが分かるほどで、低音とサラウンド感が明らかに強化されています。ゲームや動画鑑賞時の没入感が格段に向上しており、2024年モデルからの乗り換えで最も感動するポイントの一つです。
メリット6:「いたわり充電」への対応
ACアダプタに接続したままプレイすることが多いUMPCにとって、バッテリーの劣化は悩みの種です。GPD WIN Mini 2025は、充電上限を設定できる「いたわり充電」機能(BIOS設定)に新たに対応しました。これにより、バッテリーの寿命を延ばすことが期待できます。
メリット7:細かなデザイン・機能の改善
GPD WIN Mini 2024にはなかった新色「ホワイト」の追加や、携帯時の落下を防ぐ「ストラップホール」の追加、GPD WIN Mini 2024では背面にあり不便だった「ゲームパッド/マウス切替スイッチ」が左側面に移動するなど、細かな使い勝手が着実に向上しています。
GPD WIN Mini 2025のデメリット
デメリット1:「バイパス充電(パススルー充電)」の非対応
GPD WIN Mini 2024のBIOSには搭載されていたとされる「バイパス充電(パススルー充電)」機能が、GPD WIN Mini 2025では非対応となりました。「いたわり充電」は追加されましたが、バッテリーを介さず直接電力を供給できるバイパス充電は、バッテリー劣化防止の観点で最強の機能であったため、これが失われたのは非常に惜しいデメリットです。
デメリット2:大幅な価格上昇
GPD WIN Mini 2025(HX 370)の価格は232,000円です。GPD WIN Mini 2024(8840U)の発売時価格(166,000円)と比較すると、6万円以上も高騰しています。もちろん、パフォーマンスやSSDの拡張性は劇的に向上していますが、この価格差は購入を決断する上で最大の障壁となります。
デメリット3:携帯性のわずかな低下(大型化・重量増)
冷却性能の向上のため、GPD WIN Mini 2025はGPD WIN Mini 2024(約520g)よりも約35g重く(約555g)、幅も4mm、厚さも1mm増加しています。手に持った時に明らかな差を感じるほどではありませんが、2024年モデルの「520g」という軽さとコンパクトさを評価していたユーザーにとっては、マイナスポイントとなります。
デメリット4:高負荷時の発熱は健在
TDP 35Wに対応しましたが、その熱を完全に処理できるわけではありません。TDP 20Wを超える高負荷でゲームをプレイすると、GPD WIN Mini 2024と同様に本体は熱くなります。特にタッチパッド周辺が熱を持ちやすく、熱問題が根本的に解決したわけではない点には注意が必要です。
デメリット5:指紋認証センサーの非搭載
GPD WIN Mini 2024から引き続き、GPD WIN Mini 2025にも指紋認証センサーは搭載されていません。Windows Helloによる顔認証にも非対応です。20万円を超える最新のプレミアムデバイスとしては、スリープ解除のたびにPIN入力を求められるのは不便に感じます。
デメリット6:ドライバー入手の「GPDあるある」
GPD WIN Mini 2025ではドライバー専用ページが用意されるなど、サポート体制の改善は見られます。しかし、実際のダウンロードリンク先はGoogleドライブであることが多く、GPD WIN Mini 2024の時と同様にダウンロード上限に達してしまい、すぐに入手できないという「GPDあるある」は健在です。
アクセサリー:GPD WIN Mini 2025 (HX 370)の体験を拡張する周辺機器
ここでは、GPD WIN Mini 2025 (HX 370)のゲーム体験をさらに向上させるための主要なアクセサリー(周辺機器)について、GPD WIN Mini 2024モデルとの違いにも触れながらレビューしていきます。
1. 専用キャリングケースと脱着式エルゴノミックグリップ
GPD WIN Mini 2025には、専用のケース(価格4,450円)と、専用のゲーミンググリップハンドル(価格4,650円)が用意されています。GPD WIN Mini 2024の時もグリップは存在しましたが、本体にネジで固定する仕様だったため、一度装着すると取り外しが非常に面倒でした。
GPD WIN Mini 2025のグリップにおける最大の改善点は、この固定方法が「ネジなし」の簡単な脱着式に進化したことです。これにより、家でじっくり遊ぶ時はグリップを装着して持ちやすさを向上させ、外出時はすぐに取り外して携帯性を優先する、という状況に応じた使い分けが非常に簡単になりました。ただし、グリップを装着した状態では専用ケースに収まらないため、その都度着脱する必要はあります。
2. GPD G1 eGPU Docking Station
GPD G1は、GPDが提供するポータブルeGPU(外付けグラフィックス)ドッキングステーションです。GPD WIN Mini 2025のUSB4ポート(40Gbps)にGPD G1を接続することで、内蔵GPU(Radeon 890M)の性能をはるかに超える、デスクトップクラスの3Dグラフィックス性能を発揮させることが可能になります。
これにより、GPD WIN Mini 2025単体では設定を妥協する必要があった最新のAAAタイトルも、高設定で快適にプレイできるようになります。実際に『サイバーパンク』のベンチマークで、eGPU接続時には90フレーム/秒を大幅に超える結果も報告されています。これはGPD WIN Mini 2024でも同様にサポートされており、外出先ではポータブル機、家では高性能な据え置き機として使い分けるための必須アクセサリーです。
3. 同梱品(ACアダプター/充電ケーブル)と内蔵バッテリーのサポート
GPD WIN Mini 2025には、GPD WIN Mini 2024と同様に、電源アダプターとUSB Type-C充電ケーブルが「同梱」されています。これらは追加購入するアクセサリーではありませんが、紛失したり破損したりした場合が心配になるかもしれません。
また、ポータブル機である以上、内蔵バッテリー(44.24Wh)の劣化は避けられません。GPD WIN Mini 2025を国内正規版で購入する大きなメリットとして、GPD WIN Mini 2024の時と同様の、手厚い国内サポートが挙げられます。
国内正規代理店は1年間の保証を提供し、保証期間が過ぎた後でも、バッテリーの交換、ACアダプターやケーブルの再入手(紛失・破損時)といった相談に「個別見積もり」で対応しています。修理パーツを取り揃えているため、安心して長期間使い続けることができます。
まとめ:アクセサリー
- 専用グリップ: GPD WIN Mini 2025のグリップは、2024年モデルのネジ固定式 から、ネジなしの簡単な脱着式へと劇的に改善された。
- 専用ケース: グリップと合わせて専用のキャリングケースも用意されているが、グリップを装着したまま収納することはできない。
- GPD G1 eGPU: USB4ポートにGPD G1を接続することで、AAAタイトルも快適に遊べるデスクトップクラスの性能を引き出せる。
- 同梱品と内蔵部品: ACアダプターとケーブルは本体に「同梱」されており、バッテリーは「内蔵」されている
- 長期サポート: バッテリー交換やACアダプターの破損・紛失時も、国内正規代理店による修理・パーツ交換サービス(有償)が受けられるため安心
GPD WIN Mini 2025 スペック(仕様)
- ディスプレイ: 7インチ、LTPS、1920×1080 (16:9)、120Hz/60Hz、第6世代Corning Gorilla Glass、AF+ARコーティング、10点タッチ
- CPU: AMD Ryzen™ AI 9 HX 370 / AMD Ryzen™ 7 8840U
- GPU: AMD Radeon™ 890M / AMD Radeon™ 780M
- RAM: 16GB / 32GB LPDDR5x (7500 MT/s)
- ストレージ: 1TB / 2TB M.2 NVMe 2280 SSD (PCIe 4.0、片側レイアウトのみサポート)
- 外部ストレージ: microSDカードスロット (最大読込160MB/s、最大書込120MB/s)
- バッテリー: 44.24Wh (最大14時間駆動、利用状況による)
- 充電: PD急速充電対応
- ワイヤレス: Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
- インターフェース: USB4 (40Gbps) x1、USB 3.2 Gen 2 Type-C (10Gbps) x1、USB Type-A (10Gbps) x1、microSDスロット x1、3.5mmジャック x1
- センサー: 6軸設計 (3軸加速度計 / 3軸ジャイロスコープ)
- スピーカー: デュアルスピーカー (2×内蔵ハイパーリニアスピーカー)
- マイク: 内蔵 (3.5mmジャックがマイクコンボジャック)
- オーディオ: DTS:X Ultra対応
- キーボード: QWERTY、バックライト付、シザースイッチ
- ジョイスティック: ホール効果
- カスタムキー: L4/R4
- マウス: タッチパッド (PTP)
- 冷却: アクティブ冷却 (新型冷却モジュール + 新型ファン)
- 振動: デュアルリニアモーター
- OS: Windows 11 Home (64bit)
- サイズ: 約172 x 109 x 27mm
- 重量: 約555g
- カラー: ブラック、ホワイト
GPD WIN Mini 2025の評価
7つの評価基準で「GPD WIN Mini 2025 (HX 370モデル)」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★★
7インチ120Hzの高リフレッシュレートに加え、反射防止(AR)コーティングで映り込みが少なく非常に見やすいです。
パフォーマンス:★★★★★
UMPCとして最高峰の性能です。Ryzen AI 9 HX 370とRadeon 890Mの搭載で、2024年モデルを圧倒し、重いゲームも設定次第で動作します。
操作性: ★★★★☆
ホール効果スティックやアナログトリガーの感触は良好です。親指入力キーボードも便利ですが、独特なレイアウトに慣れは必要です。
機能性:★★★★★
M.2 2280 SSDへの対応が革命的です。eGPU対応、AVX-512(エミュレーター性能向上)、いたわり充電など、機能性は抜群です。
デザイン:★★★★☆
新色「ホワイト」が追加されました。TDP 35W対応のため2024年モデルよりわずかに大型化・重量増しましたが、携帯性は高いレベルで維持しています。
使いやすさ:★★★★☆
2024年モデルのネジ式から改善された「脱着式グリップ」は素晴らしいです。ただ、Windows機特有のセットアップの難しさや、指紋認証非搭載は惜しい点です。
価格:★★★☆☆
性能は最高峰ですが、最上位モデルは23万円を超えます。2024年モデルから大幅に高騰しており、コストパフォーマンスの評価は分かれます。
【総評】 ★★★★☆
GPD WIN Mini 2025は、「最強のポケットWindows機」を目指し、GPD WIN Mini 2024モデルの弱点を的確に克服した正統進化モデルです。
圧倒的な性能と革命的な拡張性
最大の魅力は、Ryzen AI 9 HX 370(Zen 5)による圧倒的なパフォーマンスと、AVX-512命令セット対応によるエミュレーター性能の劇的な向上です。2024年モデルでは厳しかったAAAタイトルや、PS3エミュレーターなどがフルスピードで動作する実力は、まさに「別次元」と言えます。
さらに、性能向上と同じくらい重要なのが、内蔵SSDがM.2 2230規格(2024年モデル)から、最も普及しているM.2 2280規格に対応した点です。これにより、安価で高性能なSSDへの換装が容易になり、将来的な拡張性が革命的に向上しました。
弱点の克服と新たなトレードオフ
2024年モデルで指摘されていたスピーカーの音質も劇的に改善され、低音が響くようになり没入感が高まっています。また、不便だったネジ固定式グリップも、簡単な脱着式に変更され、使い勝手が大幅に向上しました。
しかし、これらの進化と引き換えに、2024年モデルから大幅に価格が高騰した点は最大のネックです。また、冷却強化のために本体がわずかに重く(約35g増)、厚くなった点や、2024年モデルにあったとされる「バイパス充電」が非対応になった点は、購入を検討する上での注意点となります。
結論
価格は高騰しましたが、それを補って余りあるパフォーマンスと機能性を手に入れています。「UMPCに妥協のない性能と拡張性を求めるヘビーユーザー」や「最強のエミュレーターマシンが欲しい人」にとって、GPD WIN Mini 2025は間違いなく”買い”の決定版デバイスです。
GPD WIN Mini 2025の価格・購入先
※価格は2025/11/08に調査したものです。価格は変動します。
「GPD WIN Mini 2025」はGPDダイレクト、ハイビーム AKIBA 公式オンラインストアで購入できます。
GPDダイレクト(ハイビーム AKIBA 公式オンラインストア)
- Ryzen AI 9 HX 370モデル:23万2000円
- Ryzen 7 8840Uモデル:14万6000円
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ECサイト
- Amazonで142,000円(税込)、
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- ヤフーショッピングで258,348円(新品・中古は169,000円)、
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おすすめのライバル機種と価格を比較
「GPD WIN Mini 2025」に似た性能をもつポータブルゲーミングPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
GPD WIN Mini 2024
GPDから発売された7インチのクラムシェル型ポータブルゲーミングPCです(2024年4月 発売)。
AMD Ryzen 7 8840U / Ryzen 5 8640Uプロセッサ、16GB/32GB LPDDR5-6400 メモリ、フルHDのLTPS液晶、512GB / 2TB M.2 NVMeストレージ、44.24Wh バッテリー、Windows 11 Homeを搭載しています。
また、カスタムキー (L4 / R4)、デュアルリニアモーター、AAC スーパーリニア・デュアルスピーカー、DTS: X Ultra サウンド エフェクト、6軸設計のジャイロスコープ、リフレッシュレート 最大120GHz、PD高速充電、最大2TBまでのストレージ拡張(microSD)、冷却システム、バックライト付きのQWERTYキーボード、ホール効果ジョイスティック、エルゴノミクスデザイン、USB 4.0 (40Gbps/DP/PD) x1、USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps/PD)x1、USB Type-A(10Gbps) x1、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2にも対応しています。
価格は、Amazonで151,342円(税込・Ryzen 5 7640U、Radeon 760M、16GB RAM/512GB SSD)、です。
関連記事:「GPD WIN Mini 2024」の変更点とCPU性能を調査してみた
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OneXPlayer G1
OneXPlayer社から発売されるノートPC兼ポータブルゲーミングPCです(2025年5月発売予定)。
AMD Ryzen™ AI 9 HX 370/AMD Ryzen™ 7 8840Uプロセッサ、32GB/64GBのLPDDR5Xメモリ、8.8インチのLTPS液晶(2560×1600解像度)、1TB/2TB/4TBのPCIe 4.0×4 SSDストレージ、51.975Whバッテリー、2MPのWindows Hello対応カメラ、Windows 11 Homeを搭載しています。
また、脱着式でRGBバックライト付きの物理キーボード、ホール効果ジョイスティック&リニアトリガーを備えたゲームコントローラー部、144Hzリフレッシュレート、Harmanチューニングのデュアルスピーカー、Oculinkポートに対応。
65WのGaN急速充電(バイパス充電対応)や、電源ボタン一体型の指紋認証センサー、2つのUSB4 Type-Cポート、USB 3.2 Type-Aポート、microSDカードスロット 4.0、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2にも対応しています。
価格は、Amazonで163,000円(税込)、楽天市場で159,800円(税込・送料無料)、ヤフーショッピングで228,000円、です。
関連記事:ONEXPLAYER G1徹底解剖レビュー!X1 miniとの違いを比較検証
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ROG XBOX ALLY / Ally X
ASUS (ROG) から発売された7.0インチのポータブルゲーミングPCです(2025年10月16日に発売・型番:RC73YA-Z2A16G512/RC73XA-Z2E24G1T)。
7.0型ワイドTFTカラー液晶 (1,920×1,080, 120Hz, FreeSync Premium対応)、AMD Ryzen™ Z2 A (Ally) / AMD Ryzen™ AI Z2 Extreme (Ally X)、LPDDR5X 16GB (Ally) / 24GB (Ally X) メモリ、SSD 512GB (Ally) / 1TB (Ally X) (PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2 2280)、60Wh (Ally) / 80Wh (Ally X) バッテリー、Windows 11 Home 64ビットを搭載しています。
また、Xboxアプリ、UI「Xboxフルスクリーンエクスペリエンス」、Xboxボタン(Game Bar)、「Xbox Play Anywhere」、ASUSの管理コンソール「Armoury Crate Special Edition (ACSE)」、AMD Ryzen™ AI (NPU※Ally Xのみ)、モニター出力、内蔵SSDの交換(換装)に対応。
ステレオスピーカー (Dolby Atmos / Hi-Res Audio対応)、アレイマイク、HD振動機能 (Ally Xはインパルストリガー対応)、ROGインテリジェントクーリング (デュアルファン)、ジョイスティック×2(RGBライティング)、マクロボタン×2、バンパー/トリガー、指紋認証センサ (電源ボタン一体型)、USB Type-Cポート (Ally XはUSB4対応)、microSDカードスロット、Wi-Fi 6E、Bluetooth® 5.4にも対応しています。
価格は、Amazonで89,800円(ROG XBOX ALLY / Ally Xは139,800円)、楽天市場で93,980円(中古品・送料無料)、ヤフーショッピングで97,939円、米国 Amazon.comで$599.00、です。
関連記事:ROG XBOX ALLY/Ally X評価レビュー!期待以上の性能・機能か?
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ONEXPLAYER X1 mini
One-Netbookから発売された8.8インチの3in1 UMPCです(2024年6月27日 予約開始)。
AMD Ryzen 7 8840U、16GB/32GB/64GB LPDDR5X-7500 メモリ、解像度 2560 x 1600ドットのLPTS液晶、512GB/1TB/2TB (M.2 2230/2242 PCle 4.0×4)ストレージ、65.02 Wh (16890mAh)バッテリー、OCuLink ポート、Windows 11を搭載しています。
また、Harman AudioEFX、リフレッシュレート 144 Hz、100WのPD急速充電、6軸ジャイロセンサー、冷却システム、X1 コントローラー(別売)、X1 キーボード(別売)、X1 タッチペン(別売)、
指紋認証、顔認証、OneXConsole (管理用コンソール)、USB4 Type-C (フル機能) x2、USB 3.2 Type-A x1、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2に対応しています。
価格は、AliExpressで168,086円、です。
関連記事:8.8型「One-Netbook X1 Mini」のメリット・デメリット
Amazonで「ONEXPLAYER X1 mini」をチェックする
OneXFly F1 Pro
One-Netbook から発売された7インチのポータブルゲーミングPCです(2024年11月下旬に発売)。
AMD Ryzen AI 9 HX 370(Ryzen AI 9 HX 365 / Ryzen 7 8840U)、32GB/64GB LPDDR5Xメモリ、1TB/2TB/4TB M.2 2280 NVMe SSD (PCle 4.0)ストレージ、48.5Wh バッテリーを搭載しています。
また、HAMAN社認証 Indfx デュアル ステレオスピーカー、RGBライト、RGBホールジョイスティック、リニアトリガーボタン、カスタマイズキー、冷却システム、ゲーム一括管理コンソール「OneXconsole」、専用ゲームランチャー「GAME CENTER」、USB4 Type-C x2、USB 3.0 Type-A x1、Wi-Fi 6e、Bluetooth 5.2に対応しています。
価格は、Amazonで148,000円(税込)、楽天市場で139,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで139,800円(送料無料)、です。
関連記事:【OneXFly F1 Pro レビュー】最新AI搭載でROG Ally超え?
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その他のおすすめポータブルゲーミングPCは?
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GPDの超小型PC(UMPC)やタブレットをまとめています。

























