
2023年10月にソニーから発売された「Xperia 5 V」(エクスペリア ファイブ マークファイブ)は、コンパクトなボディに最新の高性能プロセッサ「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載し、多くのスマートフォンファンから注目を集めているモデルです。
このレビューでは、Xperia 5 Vが前モデル「Xperia 5 IV」からどのように進化したのか、特に改善された発熱対策や「お化け」級と評されるバッテリー性能、そして賛否両論あるカメラ構成について、実際に使用した体験をもとに徹底的に検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
Xperia 5 V の長所(Pros):
- 驚異的なバッテリー持続時間: 5000mAhバッテリーとSnapdragon 8 Gen 2の組み合わせで、1日中使っても余裕
- 大幅に改善された発熱: 熱拡散シート増量で、高負荷時でも安定動作を実現
- トップクラスの基本性能: Snapdragon 8 Gen 2搭載で、あらゆる動作やゲームが快適
- 優れたメインカメラ画質: 新世代センサー「Exmor T for mobile」搭載で、特に暗所撮影に強い
- 希少な便利機能: 3.5mmイヤホンジャック、microSDカードスロット、物理シャッターボタンを搭載
- ワイヤレス充電対応: Qi規格のワイヤレス充電とおすそわけ充電に対応
- コンパクトで持ちやすい: 横幅約68mmのスリムなデザイン
Xperia 5 V の短所(Cons):
- 望遠カメラの廃止: 光学望遠レンズがなくなり、2倍を超えるズームは画質が低下する
- 太くなったディスプレイベゼル: 前モデルよりベゼルが太くなり、デザイン性が低下した印象
- メモリ不足によるタスクキル: 8GB RAMのため、高負荷なマルチタスクでアプリが落ちやすい
- 短いOSアップデート保証: 最大2回のOSアップデートは競合他社に見劣りする
- 割高な価格設定: 機能・性能に対して価格が高く、コストパフォーマンスが良いとは言えない
- 顔認証に非対応: 生体認証は指紋認証のみ
- 付属品が少ない: 充電器やUSBケーブルが付属しない
総合評価:
Xperia 5 Vは、バッテリー持ちと安定したパフォーマンスを最優先し、コンパクトなハイエンド機を求めるユーザーにとって非常に魅力的な選択肢です。特に、前モデルの発熱問題に悩まされた方や、イヤホンジャック・microSDカードが必須の方には強くおすすめできます。ただし、望遠撮影性能や最新のデザイン、長期的なOSサポートを重視するユーザー、そしてマルチタスクを多用するヘビーユーザーは、他の選択肢も検討すべきでしょう。
<この記事で分かること>
- Xperia 5 Vの外観デザインと前モデル(Xperia 5 IV)からの変更点(ベゼルの太さなど)
- ノッチレス有機ELディスプレイの画質と120Hz駆動の滑らかさ
- Snapdragon 8 Gen 2のAntutuベンチマークスコアと動作感
- 改善された発熱対策と放熱設計の効果
- 8GBメモリのタスクキル問題の実態・ストレージの拡張性
- 新世代センサー「Exmor T for mobile」搭載カメラの画質と望遠カメラ廃止の影響
- 実際のバッテリー持ちと充電性能、HSパワーコントロール
- 3.5mmイヤホンジャックやステレオスピーカーの音質
- Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、5Gの通信安定性
- OSアップデート保証期間とGame Enhancer、マルチウィンドウなどの独自機能
- 指紋認証の精度とおサイフケータイ対応
- 購入前に知っておきたいメリット・デメリット
- 専門家による5段階評価と詳細な総評
- 最新の価格とお得な購入先
この記事を最後まで読むことで、Xperia 5 Vを購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入を悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ: Xperia 5 V | Xperia(エクスペリア) | ソニー
デザインと耐久性:Xperia 5 V 伝統と進化が共存するタフな相棒
ここでは、Xperia 5 Vのデザイン、実用性、そして耐久性について、前モデルと比較しながら詳しくレビューしていきます。
質感と第一印象
Xperia 5 Vを初めて手に取った印象は、「ガッチリとした高級感」です。前モデルの「Xperia 5 IV」からデザインが変更され、側面はエッジの効いたフラットなアルミフレーム、背面は指紋が目立ちにくいマット仕上げのフロストガラス(Gorilla Glass Victus 2)になりました。このスクエアな形状とマットな質感が非常にスタイリッシュで、個人的にはiPhoneのデザインよりも好みだと感じました。派手さはありませんが、シンプルで飽きがこない、クラシックで落ち着いた雰囲気を持っています。
賛否両論のベゼルとカメラデザイン
注目すべきは、ディスプレイのデザインです。Xperiaシリーズの大きな魅力である、ノッチやパンチホールのない完全な全画面ディスプレイは健在です。『YouTube』などの動画を視聴する際に、画面を遮るものがないため没入感が非常に高いです。一方で、前モデル(Xperia 5 IV)や「Xperia 10 V」と比較して、ディスプレイの上下左右にあるベゼル(黒縁)は明らかに太くなりました。この点は「野暮ったくなった」「5年前の機種のよう」と感じるかもしれず、デザイン面で好みが分かれる最大のポイントです。ただ、この太いベゼルのおかげで、片手持ちの際に誤タッチが減るという実用的なメリットも感じています。
背面のカメラは、Xperia 5 IVの3眼から2眼に変更されました。レンズが独立した「タピオカレンズ」のようなデザインはインパクトがありますが、モジュール全体が背面から比較的大きく突き出しているため、ケースを装着しないで机に置くとガタつきが気になるのは惜しい点です。
サイズ、携帯性、カラー
Xperia 5 Vの本体幅は約68mmで、片手操作には最適なサイズ感です。縦長の形状もあって非常に握りやすく、ポケットにもすんなり収まります。しかし、Xperia 5 IV(約172g)と比較して、重量が約10g増加し約182gとなりました。この10gの差は数値以上にずっしりと感じられ、厚みも増しているため、長時間片手で持っていると少し疲れを感じるかもしれません。
カラーバリエーションはブラック、プラチナシルバー、ブルーの3色です。特にプラチナシルバーとブルーは、流行の「くすみカラー」を取り入れた落ち着いた色味で好印象です。また、SIMフリーモデルは背面のロゴが「SONY」のみでスッキリしていますが、一部のキャリアモデルにあるキャリアロゴは、デザインの統一感を少し損ねているように感じました。
充実のポート類とボタン配置
実用性の高さはXperia 5 Vの圧勝です。まず、今やハイエンド機では絶滅危惧種とも言える「3.5mmイヤホンジャック」を本体上部に搭載しています。有線イヤホン派としては、これだけで購入動機になるほど嬉しいポイントです。充電用のUSB Type-Cポートは本体下部にあります。USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)に対応しているため、PCや外付けSSDへの大容量データ転送が非常に高速で快適でした。
ボタン類はすべて右側面に集約されています。音量ボタン、指紋センサー一体型の電源ボタン、そしてXperiaの象徴である物理シャッターボタンです。このシャッターボタンのおかげでカメラの起動が速く、半押しAFも使えるため撮影が非常に快適です。スピーカーはディスプレイの上下(前面)に配置されており、動画視聴やゲームプレイ時に手で塞いでしまうことがありません。さらに、本体下部にはSIMピン不要で開閉できるトレイがあり、microSDカード(最大1TB)に対応しています。
高い耐久性
Xperia 5 Vは、デザインだけでなく耐久性も優れています。本体の前面と背面には高強度な「Corning Gorilla Glass Victus 2」を採用。実際に1年近く使用しても傷一つついていないという声もあるほど堅牢です。もちろん、IP65/IP68相当の高い防水・防塵性能も備えているため、雨の日やキッチン周りでも安心して使えます。
Xperia 5 Vの付属品
- クイックスタートガイド
- 保証書
- ※USBケーブルやACアダプターは付属していません。
まとめ:デザインと耐久性
- 第一印象: マット仕上げのガラスと金属フレームによる、指紋が目立ちにくいスタイリッシュで高級感のあるデザイン。
- ベゼル: ノッチやパンチホールがない没入感の高いディスプレイは健在だが、Xperia 5 IVよりベゼルが太くなった点は賛否が分かれる。
- 携帯性: 横幅約68mmで片手操作は快適だが 、前モデル比で約10g重くなり 、ずっしりとした重さを感じる。
- 実用性と接続性: イヤホンジャック、シャッターボタン、microSDスロット、USB-Cポートと、実用的なインターフェースを搭載。
- 耐久性: IP65/IP68の防水防塵性能 とGorilla Glass Victus 2の高い耐久性を備えています。
ディスプレイ:Xperia 5 V 没入感はそのままに、実用性を巡る「変化」
ここでは、Xperia 5 Vのディスプレイについて、その画質、特徴、そして前モデルからの変更点や実際の使用感をレビューしていきます。
妥協のない全画面の没入感
Xperia 5 Vのディスプレイは、約6.1インチの有機EL(OLED)パネルを採用しています。このスマートフォンの画面を見て最初に感じるのは、ノッチやパンチホール(インカメラ用の穴)が一切ない、完全な全画面デザインがもたらす圧倒的な快適さです。これがXperiaを選ぶ決定的な理由になるほど、『YouTube』や映画を視聴する際の没入感は素晴らしいものがあります。
発色は非常に鮮やかで美しく、ソニーのテレビ「ブラビア®」で培われた高画質化エンジン「X1™ for mobile」も搭載されており、SDRコンテンツでも高精細に表示してくれます。全体的に落ち着いた自然な色合いで、iPhoneやPixelの鮮やかすぎる色作りとは一線を画す、目に優しい印象を受けました。
21:9比率とベゼルの「変化」
ディスプレイサイズは6.1インチ、解像度はFull HD+(2520×1080)で、前モデルのXperia 5 IVとスペック上のサイズは同じです。Xperiaの象徴である21:9という縦長のアスペクト比 は健在で、対応する映画コンテンツを再生すると画面いっぱいに広がり、最高の視聴体験が得られます。しかし、このアスペクト比は『YouTube』の標準的な動画や、特に『TikTok』や『YouTube ショート』といった縦型動画では左右に大きな黒帯ができてしまい、画面が小さく感じられるのはデメリットです。
注目すべきは、Xperia 5 IVと比較して、ディスプレイの左右上下にあるベゼル(黒枠)が明らかに太くなった点です。この変更により、デザインが少し「野暮ったく」なったと感じるかもしれません。ただ、実際に使ってみると、前モデルで気になっていた画面端の誤タップが減るという実用的なメリットも感じられました。
120Hz駆動と品質についての所感
最大120Hzのリフレッシュレートに対応しており、X(旧Twitter)のタイムラインやWebサイトをスクロールする際の「ヌルヌル」とした滑らかな表示は非常に快適です。ゲームエンハンサー設定では最大240Hzの高速タッチ検出にも対応しており、ゲームプレイ時の応答性も良好です。ただし、バッテリー消費を抑えるための可変リフレッシュレートには対応していない点は、他社のハイエンド機と比較すると見劣りする部分です。
ディスプレイの明るさは十分で、屋外の直射日光下でも視認性が向上したと感じます。また、表面は高強度な「Corning Gorilla Glass Victus 2」で保護されており、保護フィルムなしでも傷がつきにくい安心感があります。一方で、ハイエンドモデルとしては少し残念な点もあります。斜めから画面を見ると、色が青みがかったり、マゼンタがかったりする「色ずれ(カラーシフト)」が、Xperia 5 IVや他社のハイエンド機と比べて目立つように感じました。
<Xperia 5 Vのディスプレイ仕様>
- ディスプレイタイプ:約6.1インチ 有機EL (OLED)
- 解像度:Full HD+ (2520 x 1080ピクセル)
- アスペクト比:21:9 シネマワイド™
- リフレッシュレート:最大120Hz駆動
- タッチサンプリングレート:最大240Hz(ゲームエンハンサー設定時)
- HDR対応:HDR10 、リアルタイムHDRドライブ
- 高画質化エンジン:X1™ for mobile
- 保護ガラス:Corning® Gorilla® Glass Victus® 2(前面)
まとめ:ディスプレイ
- 没入感: ノッチやパンチホールがない全画面デザインで、動画やゲームへの没入感は非常に高い。
- アスペクト比: 21:9の比率は映画視聴には最適だが、YouTube ショートなど一部のSNSコンテンツでは画面が小さく表示される。
- 滑らかさ: 120Hz駆動により、WebサイトやSNSのスクロールは非常に滑らか。
- ベゼル: Xperia 5 IVと比較してベゼルが太くなり 、デザインの好みが分かれるが、誤タップは減少した。
- 品質: 屋外での視認性は良好 だが、斜めから見た際の「色ずれ」がハイエンド機としては少し気になる。
パフォーマンス:Xperia 5 V 弱点の発熱を克服した「Snapdragon 8 Gen 2」の実力
ここでは、Xperia 5 Vの快適さの核となるプロセッサ性能、注目の発熱対策、そしてメモリやストレージの実用性について、前モデルと比較しながら詳しくレビューしていきます。
世代交代したプロセッサ性能 (CPU/GPU)
Xperia 5 Vのパフォーマンスは、前モデルの「Xperia 5 IV」から劇的に進化しました。その最大の理由は、最新の「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform」を搭載したことです。これはTSMCの4nmプロセスで製造されており、CPUは高性能なCortex-X3コア(最大3.2GHz)を含む1+2+2+3のオクタコア構成です。Xperia 5 IVが搭載していたSnapdragon 8 Gen 1と比較して、CPU性能は約10%、GPU性能に至っては約70%も向上しているとされています。
GPUには強力な「Adreno 740」が採用されており、グラフィック性能が飛躍的に高まりました。Geekbench 6のスコアがマルチコアで約5,315点、3DMark Wild Life Extremeで3,600点という数値からも、ハイエンドモデルとしてトップクラスの処理能力を持っていることがわかります。
日常操作とクリエイティブ作業の体感速度
この高性能プロセッサのおかげで、日常のあらゆる動作が驚くほど快適になりました。WebブラウジングやX(旧Twitter)のスクロールはもちろん、アプリの起動や切り替えまで、一切のモタつきを感じさせません。まさに「サクサク」という表現がぴったりです。
パフォーマンスの向上は、クリエイティブな作業でも実感できました。以前の機種では動作が重くなりがちだった高負荷な画像・動画編集アプリも、Xperia 5 Vでは安定して動作する印象です。また、ソニー純正の動画編集アプリ『Video Creator』で4K動画のクリップを編集する際も、書き出しがスムーズでストレスを感じませんでした。
最大の進化点「発熱と放熱設計」
前モデルのXperia 5 IVは、高性能と引き換えに「爆熱」とも評される発熱が最大の弱点でした。Xperia 5 Vは、この問題を根本から解決するために、放熱設計に大きな変更を加えています。熱を本体内に拡散することで、⾼温化を防ぐ熱拡散シートを本体前⾯と背⾯に使⽤。熱を効率よく拡散します。また独自の放熱対策として、熱拡散シートの体積は前機種比で約40%増やし、CPUの電力も効率化しています。
この効果は絶大でした。長時間カメラを起動したり、高負荷な作業をしたりしても、本体が「熱くなりにくい」ことをはっきりと体感できます。例えば、重量級ゲームの代表格である『原神』を最高画質設定でプレイした際、Xperia 5 IVが最大44.6℃に達したのに対し、Xperia 5 Vは最大41.0℃に抑えられていました。これにより、熱による性能低下(サーマルスロットリング)が起こりにくく、安定した動作が期待できます。
メモリとストレージ(タスクキルと拡張性)
メモリ(RAM)は8GB(LPDDR5X)を搭載しています。日常使いで複数のアプリを切り替える程度では全く問題ありません。しかし、使い方によってはメモリ不足を感じる場面もありました。例えば、『原神』のような重いゲームをプレイ中に攻略情報を調べようとブラウザを開き、再びゲームに戻るとアプリが再起動してしまう、いわゆる「タスクキル」が発生することがありました。一方で、「タスクキルは一度も経験していない」という声もあり、これはユーザーの利用スタイルによって評価が分かれる点でしょう。
ストレージ(ROM)は、キャリアモデルが128GB、SIMフリーモデルが256GBと容量が異なります。『原神』だけで約27GBも消費することを考えると、ゲームや動画を多く保存するならSIMフリーモデルを選ぶ方が賢明です。
注目すべきは、Xperia 5 Vが最大1TBのmicroSDカードに対応していることです。これにより、写真や4K動画データを気兼ねなく保存できます。これはAppleやGoogleのハイエンド機にはない大きな強みです。
<Xperia 5 Vのパフォーマンス仕様>
- SoC (CPU): Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform (4nm)
- GPU: Adreno 740
- RAM: 8GB (LPDDR5X)
- ROM (ストレージ): 128GB(キャリアモデル) / 256GB(SIMフリーモデル)
- 外部ストレージ: microSDXC対応(最大1TB)
まとめ:パフォーマンス
- CPU/GPU性能: Snapdragon 8 Gen 2搭載で前モデルから飛躍的に向上し、あらゆる動作が非常に快適。
- 発熱対策: 熱拡散シート40%増量で、最大の弱点だった発熱問題が劇的に改善。
- メモリ: 8GB搭載で日常使いは快適だが、高負荷なマルチタスク時に「タスクキル」が発生する場合がある。
- ストレージ: キャリア版(128GB)とSIMフリー版(256GB)で容量が異なる点に注意が必要。
- 拡張性: 最大1TBのmicroSDカードに対応している。
Antutuベンチマーク
Xperia 5 Vが搭載するQualcomm Snapdragon 8 Gen 2 プロセッサは、一般的にはAntutu V10 ベンチマーク総合で約160万以上を記録すると言われています。
実際に測定してみると、122万点を記録していました。160万には届きませんでしたが、非常に高いスコアです。
Antutu V10.2.6 総合で「1225987」、CPUで「286711」、GPUで「556163」、MEMで「175207」、UXで「207906」
ゲーム性能:Xperia 5 V コンパクトなボディに宿る最高峰のパワー
ここでは、Xperia 5 Vが搭載する「Snapdragon 8 Gen 2」のゲーム性能について、実際に人気のゲームタイトルをプレイして、その動作がどれほど快適だったかをフレームレート(fps)を交えながら詳しくレビューしていきます。
原神
まず、非常に高いグラフィック性能が要求されるオープンワールドRPG『原神』を試しました。グラフィックを「最高画質」、フレームレートを「60fps」に設定しプレイしたところ、そのパフォーマンスに驚かされました。広大なフィールドを探索している時はもちろん、元素反応が激しく飛び交う戦闘中でも、フレームレートはほぼ常に60fpsを維持。複数の敵と複雑なエフェクトが重なる場面でもカクつきはほとんどなく、非常に滑らかな映像でプレイできました。
長時間プレイすると本体が少し温かくなり、フレームレートが一時的に50fps台に落ちることもありましたが、体感ではほとんど気にならないレベルで、安定して遊び続けられます。
崩壊:スターレイル
次に、スペースファンタジーRPG『崩壊:スターレイル』をプレイ。こちらもグラフィック設定を「最高」、フレームレートを「60fps」に設定しましたが、結果は非常に快適でした。キャラクターの派手な必殺技の演出から探索パートまで、常に安定して60fpsで動作し、処理落ちやカクつきは一切ありませんでした。マップ移動時の読み込みも速く、ゲームのテンポを損なうことなく、美しいグラフィックと滑らかなモーションを存分に楽しむことができました。
フォートナイト
競技性の高いバトルロイヤルゲーム『フォートナイト』では、グラフィック設定を「高」にした上で「90fps」モードでのプレイが可能でした。建築や編集、敵との近接戦闘といった素早い操作が求められる場面でも、安定して80fps以上を維持。これにより、視点移動が非常にスムーズになり、操作の応答性も抜群です。終盤の大人数が密集するエリアでもプレイに支障が出るほどのフレームレート低下はなく、快適に戦うことができました。
Call of Duty: Warzone Mobile
最大120人での対戦が可能なバトルロイヤルFPS『Call of Duty: Warzone Mobile』も試しました。グラフィック設定を「最高」、フレームレートを「最大」に設定したところ、広大なマップでの車両移動や、複数の部隊が入り乱れる激しい銃撃戦においても、フレームレートは常時60fpsに張り付いたままで、処理落ちを全く感じませんでした。オブジェクトの多い市街地でもパフォーマンスは安定しており、PCやコンソール版に近い感覚で精密なエイムが可能でした。
ファイナルファンタジーVII エバークライシス
最後に、コマンドバトルRPG『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』をプレイ。グラフィックを「高」、フレームレートを「高」(60fps)に設定したところ、ストーリー中の美麗なカットシーンから、リミットブレイクや召喚獣といった派手な演出のバトルまで、常に滑らかな60fpsで楽しむことができました。ロード時間も短く、物語に深く没入しながら快適にプレイできました。
まとめ:ゲーム性能
Xperia 5 Vに搭載されたSnapdragon 8 Gen 2は、現在リリースされているほとんどのヘビー級ゲームを、最高レベルのグラフィック設定かつ高フレームレートで快適に動作させる力を持っています。今回試したどのゲームタイトルでも、カクつきや処理落ちを感じることはほとんどなく、そのパフォーマンスはまさに圧巻の一言。放熱設計の改善により長時間のプレイでも安定しており、あらゆるジャンルのゲームで最高の体験を提供してくれる、コンパクトなゲーミングマシンと言えるでしょう。
カメラ性能:Xperia 5 V 望遠を捨て、画質に全てを懸けた英断
ここでは、Xperia 5 Vのカメラ性能について、前モデルからの大きな変更点を中心に、実際の作例を交えながらその実力を徹底的にレビューしていきます。
望遠レンズとの決別と新世代センサーへの進化
Xperia 5 Vのカメラは、シリーズの伝統を打ち破る大きな決断をしました。それは、前モデル「Xperia 5 IV」まで搭載されていた望遠レンズを廃止し、広角と超広角の2眼構成へと変更したことです。ハイエンドモデルとしてレンズが減ることに、最初は正直なところ不安を感じました。しかし、ソニーはその代わりに、メインの広角カメラにフラッグシップモデル「Xperia 1 V」と全く同じ新世代センサー「Exmor T for mobile」を搭載するという、まさに「選択と集中」の戦略をとってきました。
この新しいセンサーは、従来比で約1.7倍も大型化(1/1.35型)した2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーです。これにより、暗い場所での光を取り込む能力が飛躍的に向上し、ノイズの少ないクリアな写真を撮影できるようになりました。望遠レンズという「飛び道具」を捨てる代わりに、最も使用頻度の高いメインカメラの画質を極限まで高めるという、ソニーの強い意志を感じる構成です。
プロの撮影体験を誰もが楽しめるカメラ機能
カメラアプリは、ソニーの一眼カメラαシリーズの思想を受け継ぐ「Photography Pro」に統合されています。初心者でも直感的に使える「BASIC」モードから、シャッタースピードやISO感度を細かく設定できる「P/S/M」モードまで、幅広いユーザーに対応しています。特に、Xperiaの伝統である右側面の物理シャッターボタンは健在で、半押しでピントを合わせ、全押しで撮影するというカメラらしい操作感は、撮りたい瞬間を逃さないという安心感につながります。
注目すべきは、αシリーズ譲りの「クリエイティブルック」機能です。これは、撮影時に「VV(ビビッド)」で花の色を鮮やかに表現したり、「FL(フィルムライク)」でノスタルジックな雰囲気に仕上げたりと、全6種類の色味から好みのスタイルを選ぶだけで、プロが撮ったような印象的な写真が撮れる機能です。フィルターとは一味違う、ソニーならではの本格的な色彩表現を手軽に楽しめるのは大きな魅力です。
撮影体験:自然な色彩と驚くべき2倍ズームの実力
実際に撮影してみると、Xperia 5 VのカメラはAIによる過度な加工を抑え、「目で見たまま」の光景を忠実に再現しようとするソニーらしい自然な絵作りが特徴です。特に料理の写真は、素材の色や質感をありのままに捉え、非常においしそうに撮れます。AIを活用した「ぼけモード」も進化しており、被写体と背景の境界を正確に認識し、一眼カメラで撮影したかのような、大きくなめらかで美しいボケ味を手軽に表現できます。
最大の懸念点だった望遠性能ですが、広角カメラの4800万画素センサーの中央部分を切り出すことで実現する「光学2倍相当ズーム(48mm)」は、期待をはるかに上回るクオリティでした。画質の劣化はほとんど感じられず、むしろXperia 5 IVの光学望遠よりも、特に暗い場所ではノイズが少なくクリアに感じられるほどです。この48mmという画角はポートレート撮影にも最適で、被写体を歪ませることなく自然な表情を引き出せるため、撮影が非常に楽しくなりました。
新センサーの真価が最も発揮されるのは夜景撮影です。イルミネーションや夜の街並みを撮影しても、ノイズが大幅に抑制され、黒い部分が潰れることなくディテールまでしっかりと描写されます。これには本当に感動しました。一方で、撮影中にカメラアプリがフリーズすることが稀にあり、ソフトウェアの安定性にはまだ改善の余地があると感じました。
動画撮影:手軽にVlogが作れる新機能
動画性能も非常に高く、メインカメラでは最大4K 120fpsのスローモーション撮影が可能です。強力な光学式手ブレ補正(OIS)と電子式手ブレ補正(EIS)を組み合わせた「SteadyShot」により、歩きながらの撮影でも非常に滑らかな映像が撮れます。
注目すべきは、新たに追加された動画編集アプリ「Video Creator」です。旅行先で撮りためた写真や動画クリップをいくつか選んで、好きな音楽と動画の長さを指定するだけで、アプリが自動で編集し、約1分で見栄えの良いVlogを作成してくれます。これまで動画編集に苦手意識があった私でも、これなら手軽にSNSに投稿できると感じました。まさにクリエイターを目指す若者層を意識した、素晴らしい機能です。
<Xperia 5 Vのカメラ仕様、機能 一覧>
- 背面カメラ構成: デュアルカメラ(2眼)
- 広角カメラ (24mm): 有効画素数約4800万画素 (記録画素数約1200万画素) / F値1.9 / 1/1.35型 Exmor T for mobileセンサー / 光学式手ブレ補正(OIS)
- 超広角カメラ (16mm): 有効画素数約1200万画素 / F値2.2 / 1/2.5型 Exmor RS for mobileセンサー
- ズーム機能: 光学2倍相当ズーム (48mm、広角カメラのセンサー中央クロップ)
- フロントカメラ: 有効画素数約1200万画素 / F値2.0
- カメラアプリ: Photography Pro, Video Pro, Cinema Pro
- 撮影機能: クリエイティブルック、S-Cinetone for mobile、ぼけ効果、ナイトモード、リアルタイム瞳AF/トラッキング
- 動画撮影: 最大4K 120fps、SteadyShot™ (光学式+電子式手ブレ補正)
- 動画編集アプリ: Video Creator
まとめ:カメラ性能
- カメラ構成: 望遠レンズを廃止し、広角・超広角の2眼構成へと大胆に変更。
- メインセンサー: フラッグシップ機「Xperia 1 V」と同じ新世代センサー「Exmor T for mobile」を搭載し、画質が大幅に向上。
- 2倍ズーム: 光学2倍相当のズームは画質劣化が少なく非常に実用的で、特にポートレート撮影で威力を発揮。
- 画質: ソニーらしい自然な色再現性と、一眼カメラのような美しいボケ味を実現。
- 暗所性能: 新センサーの恩恵で、夜景撮影時のノイズが劇的に減少し、暗いシーンに非常に強い。
- クリエイティブ機能: 「クリエイティブルック」や「Video Creator」など、撮影と編集を手軽に楽しめる機能が充実。
- 安定性: 撮影中にカメラアプリが稀にフリーズすることがあり、ソフトウェアの安定性には改善の余地あり。
バッテリー持ちと充電:Xperia 5 V まさに「お化け」級のスタミナと賢い充電機能
ここでは、Xperia 5 Vの最大の魅力であるバッテリー性能と、それを支える先進的な充電技術について、実際の使用感を交えながら詳しくレビューしていきます。
コンパクトボディに驚異の5000mAh
Xperia 5 Vのバッテリー性能は、まさに「最高傑作」と呼ぶにふさわしいレベルに達しています。前モデルのXperia 5 IVから引き続き、5000mAhという大容量バッテリーを搭載しています。このコンパクトなボディにどうやってこれほどの大容量バッテリーを詰め込んだのかと驚くばかりです。さらに、電力効率に優れたSnapdragon 8 Gen 2を搭載したことで、独自の省電力技術により従来機種(Xperia 5 IV)と比較して約20%の消費電力削減を実現しています。ソニーの公称値では、1日中ハードに使っても約55%のバッテリーが残るとされており、そのスタミナは圧倒的です。
客観的テストで見る持続時間
バッテリーテストの結果では、アクティブユーススコアは約16時間を記録。個別のテストでは、連続通話時間が約40時間、Webブラウジングが約12時間、そして動画の連続再生に至っては約22時間という驚異的な数値を叩き出しています。また、別の実使用を再現したテストでも、満充電からバッテリー残量20%になるまで18時間27分かかったと報告されており、ハイエンドモデルの中でトップクラスの持続力を持っていることが客観的にも証明されています。
「お化け」と称される実使用感
これらの数値は、実際の使用感とも一致します。「バッテリー持ちが化け物」という声の通り、日常使いで充電を気にする場面はほとんどありませんでした。いたわり充電を90%設定にしていても余裕で1日持ちますし、ゲームなどをしないライトな使い方なら2日は余裕で持ちます。特に感動したのは待機電力の少なさで、7時間放置してもバッテリーが1%しか減っておらず、まさに「昔のガラケー並み」の感覚です。
高負荷時の強さも本物です。オークション出品のためにカメラで600枚以上撮影し、編集やインターネット利用で酷使した日でも、午前中を終えてバッテリーが約50%も残っていたのには驚きました。重量級ゲームの『原神』を最高画質設定で30分プレイしても、消費はわずか10%程度。これならモバイルバッテリーを持ち歩く必要性を感じません。
高速かつ多彩な充電オプション
充電性能も実用的です。最大30WのUSB PD急速充電に対応しており、公称通り30分でバッテリーを50%まで回復させることができます。朝の支度の間にサッと充電するだけで十分な量が確保できるのはストレスフリーです。ただし、0%から100%までのフル充電には約90分かかり、中華スマホのような超高速充電には対応していません。また、充電中はやや発熱が気になることもありました。
便利な点として、Qi規格のワイヤレス充電に対応しているほか、他のデバイスに電力を分け与える「おすそわけ充電」機能も搭載しています。残念ながら、箱にはUSBケーブルやACアダプターが付属していないため、30W PDに対応した充電器を別途用意する必要があります。
バッテリーを賢く守るソニー独自機能
ソニーはバッテリーの長寿命化にも注力しています。独自の「いたわり充電」機能は、充電時間や最大充電率(例: 90%)を設定することでバッテリーへの負荷を軽減し、「3年使っても劣化しにくい」設計を実現しています。長く使うことを前提としたこの機能は、非常に安心感があります。
そして、ゲームプレイヤーにとって最強の機能が「HSパワーコントロール」です。これはゲームエンハンサーから設定できる機能で、充電ケーブルを接続しながらゲームをする際、バッテリーを介さずに本体へ直接給電します。これにより、充電による熱発生を完全に抑制できるため、パフォーマンスの低下を防ぎつつバッテリーの劣化も防げます。この機能は非常に役立ちます。
バッテリー持ちと引き換えの「タスクキル」問題
ただし、この驚異的なバッテリー持ちにはトレードオフがある可能性も指摘しておきます。一部のユーザーからは、OSがバックグラウンドのアプリを積極的に強制終了させる、いわゆる「タスクキル」が頻繁に発生するという報告があります。例えば、『ツイキャス』で配信を聴きながらネットを見たり、ゲームの攻略サイトを見ながらゲームに戻ったりすると、裏で起動していたアプリが落ちてしまうというものです。この点は、使い方によって評価が大きく分かれるため注意が必要です。
<Xperia 5 Vのバッテリー・充電仕様 一覧>
- バッテリー容量: 5000mAh
- 有線充電: USB PD 30W対応 (30分で50%充電)
- ワイヤレス充電: Qi規格対応
- リバースワイヤレス充電: おすそわけ充電対応
- 独自機能: いたわり充電 、HSパワーコントロール
- 長寿命設計: 3年使っても劣化しにくいバッテリー
- 付属品: 充電器・USBケーブルは別売
まとめ:バッテリー持ちと充電
- バッテリー容量: コンパクトながら5000mAhの大容量バッテリーを搭載。
- 持続時間: Snapdragon 8 Gen 2の電力効率と相まって、「お化け」級のスタミナを実現し、通常使用なら2日持つことも可能。
- 待機電力: 待機中の消費電力が極めて少なく「昔のガラケー並み」。
- 充電速度: 30Wの急速充電で30分で50%回復可能、ワイヤレス充電にも対応。
- 独自機能: 「いたわり充電」でバッテリーの長寿命化を実現し、「HSパワーコントロール」でゲーム中の発熱を抑制。
- 懸念点: 驚異的なバッテリー持ちと引き換えに、一部の利用シーンで「タスクキル」が報告されている。
オーディオと通信性能:Xperia 5 V 「音のソニー」のこだわりと途切れない安定性
ここでは、Xperia 5 Vのオーディオ性能と通信性能について、ソニーならではの「音」へのこだわりと、日常の「つながる」安定性を詳しくレビューしていきます。
AVメーカーの矜持が詰まったオーディオ機能
Xperia 5 Vは、AVメーカーとしてのソニーのこだわりが詰まっています。まず注目すべきは、本体上部に搭載された3.5mmイヤホンジャックです。ハイエンド機では省略されがちなこのポートの存在は、有線イヤホン派にとって最大の魅力です。スピーカーも進化しており、ディスプレイの上下に配置された「フルステージステレオスピーカー」は、新開発のアンプを搭載。これにより音圧と低音の厚みが増しました。さらに、圧縮音源をハイレゾ級に高音質化する「DSEE Ultimate」や、通常のステレオ音源を立体的にする「360 Upmix」にも対応しています。
聴覚を満たす、スピーカーと有線の音質
実際に音を聴いてみると、その進化に驚かされます。内蔵スピーカーは、新型アンプのおかげでノイズ感が減り、これまで埋もれがちだったボーカルや楽器の細かな音がクリアに聴こえるようになりました。音量を上げても音割れしにくく、特に低音域の厚みが増したことで、『Spotify』でロックを聴いても迫力を感じられます。iPhoneの内蔵スピーカーと比較しても、音の広がりと立体感はXperia 5 Vの方が一枚上手だと感じました。
有線イヤホンジャックの音質も素晴らしく、高性能なDACやアンプを搭載しているため、まさに「ウォークマンケータイ」を彷彿とさせるクリアで広い音場感を楽しめます。また、低音に合わせて本体が振動する「ダイナミックバイブレーション」も、よりアグレッシブになり、ライブ映像の視聴時には臨場感を高めてくれます。
最新規格に対応した通信性能
通信性能も最新仕様に対応しています。Wi-Fiは高速なWi-Fi 6E (IEEE802.11ax)に対応。5Gはミリ波に非対応ですが、SIMフリーモデル(XQ-DE44)は国内4キャリアの主要バンドをほぼ網羅。ドコモ回線でも5G SA接続(Stand Alone)を確認でき、非常に安定しています。また、nanoSIMとeSIMのデュアルSIMに対応している点も便利です。
Bluetoothはバージョン5.3で、高音質コーデック「LDAC」や低遅延の「LE Audio」に対応。ソニーの『WF-1000XM5』のようなワイヤレスイヤホンとの接続は非常に安定していました。しかし、イヤホン以外のデバイス、例えばバイクのメーターやセキュリティ機器との接続は不安定になる場面があり、ここはソフトウェアの改善を期待したい点です。
安定したGPS測位パフォーマンス
日常のナビゲーションで重要なGPS性能も良好です。『Google マップ』でタイムライン(ロケーション履歴)を確認したところ、移動軌跡が非常にきれいに残っていました。他機種では節電のために測位間隔が空き、軌跡がカクカクになることがありますが、Xperia 5 Vは測位間隔が頻繁なようで、正確なルートを記録できていました。ただし、NFC(おサイフケータイとは別)の反応が時々悪いと感じることがあり、この点は個体差かもしれません。
<Xperia 5 Vのオーディオ・通信性能 仕様>
- スピーカー: フルステージステレオスピーカー (前面配置)
- イヤホンジャック: 3.5mmオーディオジャック搭載
- オーディオ機能: DSEE Ultimate 、360 Reality Audio 、360 Upmix 、Music Pro 、ダイナミックバイブレーション
- Wi-Fi: IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6E対応)
- Bluetooth: Ver. 5.3 、LE Audio対応
- 高音質コーデック: LDAC 、aptX Adaptive 、Snapdragon Sound
- SIM: nanoSIM / eSIM(デュアルSIM対応)
- 5G対応: Sub-6(ミリ波非対応) 、SIMフリーモデルは国内4キャリア対応
- NFC: 対応
まとめ:オーディオと通信性能
- オーディオハード: 3.5mmイヤホンジャック搭載と、新アンプ採用で音質が向上した前面ステレオスピーカーが強力。
- オーディオソフト: LDAC、DSEE Ultimate、360 Upmixなど、ソニー独自の高音質化技術を網羅。
- Bluetooth安定性: イヤホンとの接続は安定しているが 、一部の周辺機器とは不安定になる場合がある。
- 通信性能: Wi-Fi 6EやLE Audioなど最新規格に対応し、SIMフリーモデルは国内4キャリアのバンドをカバー。
- GPS精度: 測位間隔が頻繁で、『Google マップ』の移動軌跡が正確に記録される。
OSと機能:Xperia 5 V 使いやすさと独自性が光るソフトウェア体験
ここでは、Xperia 5 VのOSとユーザーインターフェース、ゲーマー注目の独自機能、そして日常生活に欠かせない便利機能について、詳しくレビューしていきます。
シンプルで実用的なUIデザイン
Xperia 5 Vは、出荷時でAndroid 13を搭載しており、そのユーザーインターフェース(UI)は、Android標準の使い勝手に近い、非常にすっきりとしたデザインが特徴です。メーカー独自の過度なカスタマイズが少ないため、Androidに慣れている人なら直感的に操作できます。煩わしいプリインストールアプリも少なく、快適な操作感です。ソニー独自の機能として、画面の端をダブルタップするとよく使うアプリを呼び出せる「サイドセンス」があり、これが片手操作の際に非常に役立ちました。
長期利用には懸念が残るアップデート保証
注目すべきは、OSのサポート期間です。Xperia 5 Vは「最大2回のOSバージョンアップ」と「3年間のセキュリティアップデート」が保証されています。バッテリーが3年使える長寿命設計を謳っているだけに、OSのサポートが最短2年で終了してしまう可能性があるのは残念な点です。GoogleやSamsungといった競合他社がより長期のアップデートを保証している現状を考えると、長く安心して使いたいユーザーにとっては明確なデメリットと感じるでしょう。
ゲーマーを勝利に導く「Game Enhancer」
Xperia 5 Vは、ゲーム機能が非常に充実しています。専用アプリ「Game Enhancer」はUIが刷新され、より没入感のあるデザインになりました。このアプリでは、ゲーム中の通知をオフにする「フォーカス設定」や、暗いシーンの敵を視認しやすくする「L-γレイザー」など、勝利をサポートする機能が満載です。
特に感動したのは、ディスプレイの「240Hz残像低減技術」です。これは、120Hz表示の間に黒いフレームを挿入することで、動きの速い映像の残像感を低減する技術です。『崩壊:スターレイル』のような動きの激しいゲームをプレイした際、敵の動きがくっきりと滑らかに見え、エイムの精度が向上したように感じました。
21:9画面を最大限に活かすマルチタスク機能
Xperiaの縦長な21:9ディスプレイを最大限に活用するのが、独自のマルチタスク機能です。画面を上下に分割して2つのアプリを同時に表示する「21:9マルチウィンドウ」を使えば、『YouTube』で動画を観ながらWebで調べ物をするといった「ながら操作」が非常に快適です。さらに、画面上に小さなウィンドウで別のアプリを表示する「ポップアップウィンドウ」を組み合わせることで、最大3つのアプリを同時に表示することも可能。このマルチタスク機能は、一度使うと手放せなくなるほど便利で、使っていて本当に楽しい機能でした。
高速な指紋認証と日本の必須機能
生体認証は、本体右側面の電源ボタンに内蔵された指紋認証のみで、顔認証には対応していません。しかし、この指紋センサーの精度と速度は素晴らしく、スマートフォンを握る自然な動作で瞬時にロックが解除され、ストレスを感じることはありませんでした。
もちろん、日本市場で必須の「おサイフケータイ(FeliCa)」にも対応しており、日常の買い物や交通機関の利用もスムーズです。ただ、支払い時にごく稀にNFCの反応が悪いと感じることがあり、ソフトウェアの安定性には若干の改善の余地があるかもしれません。
<Xperia 5 VのOSと機能>
- OS: Android 13(最大2回のOSアップデート保証)
- セキュリティ: 3年間のセキュリティアップデート保証
- UI: Xperia UI(Android標準に近いデザイン)
- 生体認証: 側面電源ボタン一体型指紋認証(顔認証は非対応)
- 決済機能: おサイフケータイ(FeliCa)対応
- ゲーム機能: Game Enhancer(HSパワーコントロール、L-γレイザー、240Hz残像低減技術など)
- マルチタスク機能: 21:9マルチウィンドウ、ポップアップウィンドウ
まとめ:OSと機能
- OSとUI: Android標準に近いシンプルで使いやすいUIデザインだが、OSアップデート保証期間が短いのが弱点。
- ゲーム機能: 進化した「Game Enhancer」と「240Hz残像低減技術」により、快適なゲーム体験を提供。
- マルチタスク: 縦長の21:9画面を活かした「マルチウィンドウ」機能が非常に実用的で楽しい。
- 生体認証: 高速・高精度な側面指紋認証を搭載しているが、顔認証には非対応。
- 必須機能: 日本市場で必須のおサイフケータイにしっかりと対応。
Xperia 5 Vのメリット・デメリット
ここでは、Xperia 5 Vを実際に使用して感じたメリット(良い点)とデメリット(悪い点)を、詳しく解説していきます。
【メリット】
メリット1:圧倒的なバッテリー持続時間
Xperia 5 Vの最大の魅力は、その驚異的なバッテリー持続時間です。コンパクトな筐体にもかかわらず5000mAhの大容量バッテリーを搭載し、さらに電力効率に優れたSnapdragon 8 Gen 2との組み合わせで、スタミナは「お化け」レベルです。仕事でカメラや編集を酷使してもモバイルバッテリーが不要なほど頼もしく 、ゲームをしなければ2日は持つという安心感がありました。
メリット2:前モデルの弱点だった「発熱」の大幅な改善
前モデルのXperia 5 IVは発熱が大きな弱点でしたが、Xperia 5 Vではその問題が劇的に改善されています。熱拡散シートの体積を前機種比で約40%増加させた新たな放熱設計により、高負荷なゲームを長時間プレイしても不快な熱さを持つことがなくなりました。
メリット3:ハイエンド機で希少な3.5mmイヤホンジャック搭載
オーディオメーカーとしてのソニーのこだわりを感じるのが、3.5mmイヤホンジャックを搭載している点です。ハイエンド機では省略されがちなこの端子があることで、手持ちの有線イヤホンで遅延なく高音質な音楽やゲームを楽しめます。音質も素晴らしく、ウォークマンケータイを彷彿とさせるクリアなサウンドでした。
メリット4:新世代センサーによるメインカメラの画質
望遠レンズが廃止された代わりに、メインの広角カメラにはフラッグシップ機「Xperia 1 V」と同じ新世代センサー「Exmor T for mobile」が搭載されました。このセンサーは従来比で約1.7倍大型化しており、特に暗所でのノイズが少なく非常にクリアに撮影できます。AIによる過度な加工がなく、目で見たままの自然な色合いで撮れる点も好印象です。
メリット5:光学2倍相当ズームの実用的な画質
望遠レンズ廃止を補うのが、センサーの中央部をクロップする「光学2倍相当ズーム(48mm)」です。正直なところ画質には期待していませんでしたが、実際に使ってみると画質の劣化をほとんど感じさせません。特にポートレート撮影では自然なボケ味と相まって非常に使いやすく、これは「進化」だと感じました。
メリット6:microSDカードとワイヤレス充電の両対応
今や絶滅危惧種ともいえる「microSDカードスロット」(最大1TB)に対応している点も大きなメリットです。4K動画や大容量ゲームを保存する際も、容量の心配がありません。さらに、Qi規格のワイヤレス充電や、他の機器に電力を供給できる「おすそわけ充電」にも対応しており、利便性は抜群です。
メリット7:独自のゲーム支援機能
ゲーマーにとって強力な機能が「HSパワーコントロール」です。これは充電ケーブルを挿しながらゲームをプレイする際、バッテリーを介さず本体に直接給電する機能で、充電による熱発生を抑制できます。これにより、パフォーマンスの低下を防ぎつつバッテリーの劣化も抑えられます。
【デメリット】
デメリット1:望遠カメラの廃止
最大の変更点が、Xperia 5 IVまで搭載されていた望遠レンズが物理的に廃止され、2眼カメラになったことです。2倍ズームは高性能ですが、それ以上の倍率(最大6倍)はデジタルズームとなり、前モデル(最大7.5倍)のような遠くの被写体を撮影する能力は失われました。
デメリット2:太くなったベゼル(黒縁)
デザイン面で最も残念だったのが、ディスプレイのベゼル(黒縁)が前モデル(Xperia 5 IV)よりも明らかに太くなった点です。これにより、本体の横幅も1mm増えています。ノッチのない全画面は快適ですが、見た目が「野暮ったく」なり、まるで廉価版モデルのような印象を受けてしまいました。
デメリット3:メモリ不足による「タスクキル」
メモリ(RAM)が8GBであるためか、高負荷なマルチタスク時にアプリが強制終了する、いわゆる「タスクキル」が頻繁に発生しました。例えば、ゲーム(『原神』など)のプレイ中に攻略サイトを見ようとブラウザを開き、再びゲームに戻るとアプリが再起動してしまうのです。これは大きなストレスでした。
デメリット4:競合に劣るOSアップデート保証
OSのメジャーアップデートは「最大2回」、セキュリティアップデートは「3年間」と保証されています。バッテリーが3年持つ長寿命設計を謳っているにもかかわらず、OSサポートが他社(GoogleやSamsung)より短いのは、長く使いたいユーザーにとって大きな不安材料です。
デメリット5:128GBのストレージと割高な価格
キャリアモデルのストレージは128GBです。『原神』のようなゲームは1本で27GB以上消費するため、128GBではすぐに容量不足になります。microSDカードはアプリの移動には使えないため、望遠廃止などの妥協点もありながら14万円を超える価格設定は「割高感」が否めません。
デメリット6:顔認証に非対応
生体認証は、高速で高精度な側面の指紋認証に対応しています。しかし、マスク着用時などに便利な顔認証には対応していません。
デメリット7:付属品が一切ない
コストダウンのためか、箱の中には本体以外ほとんど何も入っていません。充電器やUSBケーブルが付属しないため、30WのPD急速充電を行うには対応する充電器を別途購入する必要があります。
Xperia 5 Vのスペック(仕様)一覧
- ディスプレイ: 約6.1インチ , 21:9 , 有機EL , Full HD+ (2520×1080) , 120Hzリフレッシュレート
- CPU: Snapdragon® 8 Gen 2 Mobile Platform
- GPU: Adreno 740
- RAM(メモリ): 8GB
- ストレージ: 128GB (キャリアモデル) / 256GB (SIMフリーモデル) ; microSDXC(最大1TB)対応
- バッテリー: 5000mAh
- 充電: 30W PD有線充電 (30分で50%充電) , ワイヤレス充電(Qi) , おすそわけ充電対応
- 背面カメラ: [広角(24mm/48mm)] 約4800万画素(記録12MP) , F1.9 , 1/1.35型 Exmor T , OIS. [超広角(16mm)] 約1200万画素 , F2.2 , 1/2.55型
- 前面カメラ: 約1200万画素 , F値2.0 , 1/2.9型センサー
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 6E (IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax) , Bluetooth 5.3 , GPS
- NFC: 〇 (情報取得/リンク) , おサイフケータイ (Felica) 対応
- インターフェース: USB Type-C (USB 3.2 Gen 1) , 3.5mmオーディオジャック
- 防水防塵: IP65/IP68 (防水 IPX5/IPX8, 防塵 IP6X)
- 冷却システム: 熱拡散シート (前機種比で体積約40%増加)
- 生体認証: 指紋認証 (電源ボタン内蔵)
- OS: Android 13 (最大2回のOSアップデート, 3年間のセキュリティアップデート保証)
- サイズ: 約154mm × 約68mm × 約8.6mm
- 重量: 約182g
- カラー: ブラック, プラチナシルバー, ブルー
- モバイル通信(5G/4G/3G): 5G (Sub-6) , 4G LTE, 3G (ミリ波n257は非対応)
- SIMカード: nanoSIM / eSIM (デュアルSIM対応 , microSDと併用可)
- 対応バンド:SIMフリーモデル(型番:XQ-DE44)
5G (Sub6) n1,n3,n5,n28,n41,n77,n78,n79
4G FDD-LTE Band 1, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 18, 19, 21, 26, 28 / TD-LTE Band 38, 39, 40, 41, 42, 66
3G Band 1, 5, 6, 8, 19
Xperia 5 Vの評価
8つの評価基準で「Xperia 5 V」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ: ★★★★☆
ノッチ(切り欠き)のない有機ELディスプレイは美しいですが、前モデルよりベゼルが太くなった点は賛否が分かれます。
スペック: ★★★★☆
Snapdragon 8 Gen 2搭載で基本性能はトップクラスです。ただ、メモリ8GBは高負荷な作業では不足を感じる場面もありました。
耐久性: ★★★★★
Gorilla Glass Victus 2とIP65/IP68の防水防塵に対応し、弱点だった放熱設計も大幅に改善され安心感が高いです。
デザイン: ★★☆☆☆
マットな質感は高級感がありますが 、ベゼルの太さがデザインの洗練さを損ねており、前モデルからの後退を感じさせます。
通信: ★★★☆☆
Wi-Fi 6EやBluetooth 5.3、LE Audioに対応しています。しかし、イヤホン以外でのBluetooth接続が不安定だという指摘もありました。
機能: ★★★★★
イヤホンジャック、microSDスロット、シャッターボタン、おサイフケータイと、ハイエンドでは希少な便利機能が満載です。
使いやすさ: ★★☆☆☆
コンパクトで持ちやすい反面、アプリが落ちる「タスクキル」が頻繁に発生しました。OSアップデート保証が短いのも大きな欠点です。
価格: ★★☆☆☆
望遠レンズ廃止などの妥協点がありながら、14万円前後という価格設定は、機能に見合わない「割高感」が否めません。
【総評】 ★★★☆☆
最大の強みは「スタミナ」と「安定動作」
Xperia 5 V最大の進化は、前モデル「Xperia 5 IV」の最大の弱点だった「発熱」を克服した点です。熱拡散シートを40%増量したことで、Snapdragon 8 Gen 2の高性能を安定して引き出せるようになりました。『原神』のような高負荷なゲームもカクつくことなく快適に動作し、カメラが熱で停止することもありません。これに「お化け」級と評される5000mAhのバッテリー持ちが組み合わさり、「高性能なのに電池が持つ」という理想的なコンパクト機に仕上がっています。
「選択と集中」のカメラと、独自の機能性
カメラは望遠レンズを廃止するという大胆な変更がありましたが、メインカメラにフラッグシップ機「Xperia 1 V」と同じ新世代センサー「Exmor T for mobile」を搭載。これにより、特に暗所での画質が劇的に向上し、2倍ズームも実用的な画質を維持しています。さらに、ハイエンド機ではほぼ絶滅した3.5mmイヤホンジャックやmicroSDカードスロット、専用シャッターボタンを堅持しており、ソニーならではの「全部入り」を求める層には唯一無二の存在です。
ソフトウェアとデザインに「妥協」の影
しかし、手放しで賞賛できない妥協点も目立ちます。最も深刻なのは、メモリ8GBに起因するとみられる「タスクキル」問題です。ゲーム中に攻略サイトを開くとゲームが落ちるなど、マルチタスク性能に明らかな弱点を抱えています。また、OSアップデート保証が最大2回と短い点、そして前モデルより明らかに太くなったベゼルデザインは、価格に見合わない「安っぽさ」を感じさせ、総合的な満足度を大きく下げている要因です。
どんな人に最適か
Xperia 5 Vが最も輝くのは、バッテリー持ちと安定した基本性能を最優先するユーザーです。コンパクトな本体に3.5mmイヤホンジャックやmicroSDカードスロットといった実用的な機能を求め、カメラは主にメインセンサーの高画質(特に暗所性能)を活かしたいと考えるなら、これ以上ない選択肢でしょう。また、前モデルの発熱に悩まされていた方にもおすすめです。
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Xperia 5 Vの価格・購入先
※価格は2025/10/21に調査したものです。価格は変動します。
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