
2023年7月にソニーから発売されたXperia 10 V(エクスペリア テン マークファイブ)は、5000mAhの大容量バッテリーを搭載しながら世界最軽量クラスの軽さを実現し、多くの注目を集めているミドルレンジスマートフォンです。
このレビューでは、前モデル「Xperia 10 IV」から何が進化し、何が変わらなかったのか、そして多くのレビューで指摘される動作の快適性は実際どうなのか、デザインからカメラ、バッテリー性能に至るまで、あらゆる側面から徹底的に使い込み、その実力を検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
Xperia 10 V の長所(Pros):
- 2日間は余裕で持つ、圧倒的なバッテリー持続力
- 5000mAh級で世界最軽量クラスの、驚異的な軽さとスリムなデザイン
- 動画や音楽の臨場感を高める待望のフロントステレオスピーカー
- 屋外でも見やすい、輝度が1.5倍向上した鮮やかな有機ELディスプレイ
- ミドルレンジでは珍しい、クリアに撮れる望遠カメラを搭載
- 暗所性能が向上した、センサー刷新の広角カメラ
- イヤホンジャック、microSD、おサイフケータイ、防水など全部入りの安心感
Xperia 10 V の短所(Cons):
- CPUが前モデル据え置きで、アプリ起動や切り替え時にもたつきを感じる
- 滑らかさに欠ける60Hzリフレッシュレートのディスプレイ
- CPUの制約による4K動画撮影非対応
- パフォーマンスを考えると割高に感じられる価格設定
- 便利な通知LEDランプの廃止
総合評価:
Xperia 10 Vは、パフォーマンスよりも「バッテリー持ち」と「軽さ」を絶対的に優先するユーザーにとって、最高の選択肢となり得るスマートフォンです。しかし、ゲームやマルチタスクでの快適な動作を求めるユーザーには、明確な力不足を感じさせるでしょう。
<この記事で分かること>
- 前モデルXperia 10 IVからの進化点と据え置き点
- 世界最軽量クラスのデザインと、実際の持ちやすさ
- 輝度が向上したディスプレイの屋外での見やすさ
- Snapdragon 695 5Gのリアルな動作感(レスポンスは遅い?もたつきの実態)
- 『原神』や『PUBG MOBILE』など人気ゲームの動作は快適か?
- センサーが刷新されたカメラの画質(夜景やズーム性能)
- 2日は余裕で持つ驚異的なバッテリー持ちと、実際の充電速度
- シリーズ初のフロントステレオスピーカーの音質
- おサイフケータイや防水、アップデート保証など、長く使える安心機能
- 購入前に知っておきたいメリット・デメリット
- 専門家による5段階評価と詳細な総評
- 最新の価格とお得な購入先・他機種との価格比較
この記事を最後まで読むことで、「Xperia 10 V」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ: Xperia 10 V | Xperia公式サイト
デザインと耐久性:Xperia 10 V ~手にした瞬間に感じる進化と、変わらない安心感~
ここでは、Xperia 10 Vのデザインと耐久性について、前モデルXperia 10 IVと比較しながら、実際に使って感じた魅力や注意点を詳しくレビューしていきます。
手に馴染む質感と洗練されたフォルム
Xperia 10 Vを初めて手に取ったときの印象は、「驚くほど軽い」そして「質感が良い」というものでした。背面はサラサラとしたマット仕上げで、指紋や皮脂が付きにくいのが嬉しいポイントです。前モデルのXperia 10 IVも同様にマットな質感でしたが、Xperia 10 Vでは側面がよりフラットなデザインに変更されています。
この変更により、見た目がシャープで洗練された印象になりました。個人的には、前モデルの丸みを帯びた側面の方が手にフィットすると感じましたが、フラットになったことで机などに置いたときの安定感は増したように思います。素材はプラスチックが主体ですが、安っぽさはなく、むしろ軽量化に大きく貢献していることが実感できます。
世界最軽量の軽さと絶妙なサイズバランス
スペックを見ると、Xperia 10 Vのサイズは約155mm × 68mm × 8.3mm、重量は約159gです。一方、Xperia 10 IVは約153mm × 67mm × 8.3mm、重量約161gでした。つまり、Xperia 10 Vは前モデルより高さが2mm、幅が1mm大きくなったにもかかわらず、約2gも軽くなっているのです。このわずかな差が、実際に持ってみると大きな違いとして感じられます。5000mAhの大容量バッテリーを搭載しながらこの軽さを実現したのは見事で、「世界最軽量」という謳い文句にも納得です。
カラーはラベンダー、セージグリーン、ホワイト、ブラックの4色展開で、特にパステル調のカラーは所有する喜びを感じさせてくれます。
考え抜かれたポート配置とスピーカー
接続ポートの配置は、ユーザーの使いやすさがよく考えられています。上部には最近では珍しくなった3.5mmオーディオジャックが搭載されており、有線イヤホン派の私にとっては非常にありがたい仕様です。下部には充電やデータ転送に使うUSB Type-Cポートが配置されています。
そして注目すべきは、Xperia 10シリーズとして初めてフロントステレオスピーカーが搭載された点です。ディスプレイの上下にスピーカーが配置されており、モノラルスピーカーが下部のみに搭載されていたXperia 10 IVから大きく変更されました。一方で、Xperia 10 IVに搭載されていた通知LEDは廃止されており、LINEの通知などに気づきにくくなったのは少し残念な点です。
日常のあらゆるシーンに対応する堅牢な作り
毎日使うスマートフォンだからこそ、耐久性は重要な選択基準です。その点、Xperia 10 Vは高い安心感を提供してくれます。ディスプレイには、傷や落下に強い高耐久ガラス「Corning® Gorilla® Glass Victus®」が採用されています。これは前モデルのXperia 10 IVから引き継がれた強みです。
さらに、IPX5/IPX8の防水性能とIP6Xの防塵性能にも対応しているため 、キッチンでレシピを確認したり、急な雨の中で地図アプリを使ったりする場面でも、神経質にならずに済みます。
<Xperia 10 Vの付属品>
- 本体
- 取扱説明書などの印刷物
- ※充電器やUSBケーブルは付属していません。
まとめ:デザインと耐久性
- 第一印象:指紋が付きにくいマットな質感と、よりシャープになったフラットデザイン
- 軽量化とサイズ感:前モデルよりわずかに大型化しつつ2g軽量化し、5000mAh級で世界最軽量の軽やかさを実現
- 持ちやすさ:横幅約68mmのスリムな形状で持ちやすいが、フラットになった側面は好みが分かれる可能性
- 耐久性:高耐久ガラスGorilla Glass Victusと、IPX5/IPX8、IP6Xの防水防塵性能で、日常使いでの安心感は高い
- 進化した点:シリーズ初のフロントステレオスピーカーをディスプレイ上下に搭載
- 残念な点:通知LEDが廃止されたため、画面を点灯させないと通知の有無が確認できず不便に感じることも
ディスプレイ:Xperia 10 V ~屋外での視認性が劇的進化、映像美に浸る体験を~
ここでは、Xperia 10 Vのディスプレイについて、前モデルXperia 10 IVと比較しながら、その表示品質や進化したポイントを、実際に使ってみて感じた感動とともに詳しくレビューしていきます。
息をのむほどの映像美、日常を彩る有機ELディスプレイ
Xperia 10 Vの電源を初めて入れたとき、まず目に飛び込んできたのは、その有機ELディスプレイの鮮やかさでした。約6.1インチの画面は、黒が引き締まり、色彩が豊かに表現されるため、普段見ているYouTubeの動画や、Netflixで楽しむ映画が、まるで別物のように感じられました。特に、夜景のシーンでは、建物の灯り一つひとつのきらめきが際立ち、深い闇とのコントラストに思わず引き込まれます。Xperia 10 IVも同じ有機ELでしたが、Xperia 10 Vは発色がさらに自然になり、よりリアリティのある映像を楽しめるようになったと感じます。
没入感を高める大画面と、ソニーならではのこだわり
画面サイズは、前モデルXperia 10 IVの6.0インチから6.1インチへとわずかに大型化しました。この0.1インチの差は、数字以上に大きく感じられ、映画やゲームへの没入感を一層高めてくれます。解像度は2520×1080のFHD+で、アスペクト比はXperiaシリーズの特長である21:9を継承。この縦長の画面は、Twitterやニュースサイトの閲覧時に一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が減って快適です。また、画面上部にノッチやパンチホールがないため、映像コンテンツを全画面で楽しむ際に視界を遮るものがなく、すっきりしている点も高く評価できます。
屋外でも鮮明に、輝度1.5倍の進化を体感
Xperia 10 Vのディスプレイにおける最大の進化点は、その明るさです。前モデルXperia 10 IVと比較して輝度が約1.5倍向上したという公式発表の通り、その差は歴然でした。天気の良い日に公園のベンチでLINEの返信をしたり、Googleマップで目的地を確認したりする際、Xperia 10 IVでは画面が見えにくく、手で覆うようにして操作することがありましたが、Xperia 10 Vでは直射日光下でも驚くほど画面がクリアに見えます。この視認性の向上は、屋外でスマートフォンを使う機会が多い私にとって、何より嬉しい進化でした。
なめらかさは据え置き、価格とのバランスを考慮
一方で、リフレッシュレートは前モデルと同じ60Hzに据え置かれています。最近のミドルレンジスマートフォンでは90Hzや120Hz対応の機種が増えているため、SNSのフィードを素早くスクロールする際などに、残像感が気になる場面もありました。特に、120Hz対応のハイエンドモデルから乗り換えると、その差を顕著に感じるかもしれません。しかし、一般的な動画視聴やウェブブラウジングでは、60Hzでも大きな不満を感じることはありませんでした。おそらく、バッテリー持ちとのバランスを考慮した上での判断なのでしょう。価格を考えれば、これは納得のいく仕様だと感じます。
<Xperia 10 Vのディスプレイ仕様>
- 種類:有機EL(OLED)
- サイズ:約6.1インチ
- 解像度:FHD+(2520 x 1080)
- アスペクト比:21:9
- リフレッシュレート:60Hz
- 保護ガラス:Corning® Gorilla® Glass Victus®
まとめ:ディスプレイ
- 第一印象:黒が際立つ有機ELならではの鮮やかで美しい表示
- 画面サイズ:前モデルから0.1インチ大型化し、コンテンツへの没入感が向上
- 輝度の進化:屋外での視認性が劇的に改善され、直射日光下でもストレスなく操作可能
- デザイン:ノッチやパンチホールがなく、映像コンテンツをフルスクリーンで楽しめる
- リフレッシュレート:60Hz据え置きで、なめらかな操作感を重視するユーザーには物足りない可能性も
- 縦長画面の利便性:ウェブブラウジングや2画面表示のマルチウィンドウ機能で真価を発揮
パフォーマンス:Xperia 10 V ~日常使いの快適性と、見逃せない注意点~
ここでは、スマートフォンの快適さを左右するパフォーマンスについて、Xperia 10 Vがどのような実力を持っているのかを詳しくレビューします。CPUやメモリの性能から、実際の使用感、そして発熱まで、前モデルXperia 10 IVと比較しながら徹底的に掘り下げていきます。
基本性能の核となるCPUとGPU:前モデルから据え置きの実力
Xperia 10 Vの性能を語る上で、まず触れなければならないのは、搭載されているSoC(System on a Chip)が前モデルのXperia 10 IVと同じ「Snapdragon 695 5G」であるという点です。正直なところ、この情報を知った時、パフォーマンスの劇的な向上は期待できないだろうと感じました。このチップは6nmプロセスで製造され、CPUは高性能なKryo 660 Goldコア(2.2GHz)を2つと、電力効率に優れたKryo 660 Silverコア(1.7GHz)を6つ搭載した8コア構成です。日常的なタスクをこなすには十分な性能ですが、2年連続で同じチップを採用したことには、少し物足りなさを感じずにはいられません。
グラフィックス性能を担うGPUも、CPUに統合された「Adreno 619」が引き続き採用されています。このGPUは、前世代のSnapdragon 690と比較して最大30%の性能向上が図られており、軽めの3Dゲームなどにも対応できる力を持っています。実際にベンチマークアプリ「Geekbench 6」で計測したスコアは、シングルコアが894、マルチコアが2044と、Xperia 10 IVとほぼ同等の結果でした。この数値は、ミドルレンジスマートフォンとしては平均的なレベルであり、Webサイトの閲覧や動画視聴といった普段使いで困ることはない性能を示しています。
実際の動作感:日常利用は快適、クリエイティブな作業には忍耐も
では、実際の使用感はどうでしょうか。ChromeでのブラウジングやTwitterの閲覧といった日常的な操作では、概ねスムーズに動作します。しかし、複数のアプリを切り替える際には、時折もたつきを感じることがありました。特に気になったのは、少し負荷のかかるクリエイティブな作業です。
例えば、旅行先で撮影した写真を「Adobe Lightroom」でRAW現像しようとすると、写真の読み込みやパラメータの調整時に一瞬待たされる感覚がありました。簡単な色調補正なら問題ありませんが、複雑な編集には向いていないと感じます。また、動画編集アプリ「CapCut」で短い動画のカット編集を試した際も、プレビューがカクつくことがあり、快適な作業とは言えませんでした。
発熱と冷却性能:通常利用では冷静、高負荷時には情熱的に
スマートフォンのパフォーマンスを維持する上で、発熱管理は非常に重要です。Xperia 10 Vは、普段のブラウジングや動画視聴といった使い方では、本体が熱くなることはほとんどありませんでした。しかし、充電しながらの使用や、夏場の屋外でカメラを長時間使うといった特定の状況では、本体がかなり熱を帯びることがありました。高負荷な3Dゲームを30分ほどプレイした際には、本体温度が約40.8度まで上昇し、パフォーマンスの低下を感じることも 。長時間の負荷がかかる場面では、熱による性能低下は避けられないようです。
メモリとストレージ:マルチタスクの壁と、それを補う大容量の拡張性
Xperia 10 Vは、6GBのRAM(メモリ)と128GBのROM(ストレージ)を搭載しています。RAMが6GBという仕様は、現代のスマートフォンとしては少し心許なく、実際に複数のアプリを同時に開いて作業すると、バックグラウンドのアプリが終了してしまう「タスクキル」が頻繁に発生しました。例えば、ブラウザで調べ物をしながらLINEでメッセージをやり取りしていると、ブラウザに戻った際にページが再読み込みされてしまい、少しストレスを感じる場面がありました。
一方、ストレージに関しては大きな強みがあります。内蔵ストレージは128GBと標準的ですが、最大1TBのmicroSDXCカードに対応しているのです 。これにより、高画質な写真や動画をたくさん撮影しても、容量を気にすることなく本体に保存し続けることができます。アプリの起動やファイルの読み書き速度は、最新のハイエンドモデルには及びませんが、microSDカードによる拡張性の高さは、このスマートフォンの大きな魅力と言えるでしょう。
<Xperia 10 Vのパフォーマンス仕様>
- CPU (SoC): Snapdragon® 695 5G Mobile Platform
- GPU: Adreno 619
- RAM(メモリ): 6GB
- ROM(内蔵ストレージ): 128GB
- 外部ストレージ: microSDXC(最大1TB)対応
まとめ:パフォーマンス
- CPU性能:前モデルXperia 10 IVから据え置きのSnapdragon 695 5Gで、処理性能の向上は見られない
- 実際の動作感:Web閲覧やSNSなど日常利用では問題ないが、画像・動画編集などの重い作業ではもたつきを感じる
- 発熱:通常利用では問題ないレベルだが、高負荷な作業や充電中の発熱には注意が必要
- メモリ:RAM 6GBはマルチタスクにはやや力不足で、アプリの再起動が頻繁に発生することがある
- ストレージ:最大1TBのmicroSDカードに対応しており、容量不足の心配が少ない点は大きなメリット
Antutuベンチマーク
Xperia 10 Vが搭載するQualcomm Snapdragon 695 5G プロセッサは、Antutu V10 ベンチマーク総合で約40万 前後 を記録すると言われています。
実際に測定してみると、約44万点を記録していました。
例1: Antutu V10.2.6 総合で「440016」、CPUで「152877」、GPUで「84334」、MEMで「94863」、UXで「107942」
例2:Antutu V10 総合で「465601」、CPUで「153906」、GPUで「103430」、MEMで「102444」、UXで「105821」
一方、前モデルの「Xperia 10 IV」は同じQualcomm Snapdragon 695 5G プロセッサを搭載し、Antutu V9 総合で約39万点を記録していました。
例: Antutu V9.4.2 総合で「395307」、CPUで「122810」、GPUで「102043」、MEMで「65409」、UXで「105045」
Snapdragon 695 5G 性能を比較
Xperia 10 Vが搭載するQualcomm Snapdragon 695 5G プロセッサは、他のCPUと比べてどのくらいの性能なのでしょうか?Antutuベンチマークで比較してみました。
<CPUランキング>
※Antutuベンチマーク総合スコアで比較したものです。
- Snapdragon 6 Gen 1 (Xperia 10 VI)・・・Antutu:54万
- Dimensity 7030 (motorola edge 40 neo)・・・Antutu:52万
- MediaTek Dimensity 7025 (moto g64 5G)・・・Antutu:50万
- Dimensity 6100+ (UMIDIGI G6 5G)・・・Antutu:44万
- Snapdragon 695 5G (Xperia 10 V)・・・Antutu:44万
- MediaTek Helio G99 (Blackview SHARK 8)・・・Antutu:40万
- Dimensity 6020 (OPPO A79 5G)・・・Antutu:40万
- Dimensity 700 5G (AQUOS wish3)・・・Antutu:35万
- UNISOC T616 (OUKITEL C35)・・・Antutu:30万
- Unisoc T606 (UMIDIGI G5)・・・Antutu:25万
<比較から分かること>
Qualcomm Snapdragon 695 5Gは、ミドルレンジのスマートフォンに搭載されるCPUとして、非常にバランスの取れた性能を持つことがデータからわかります。AnTuTuスコア44万点という数値は、日常的なあらゆる操作を快適にこなし、カジュアルなゲームも楽しむことができる実力を持っていることを示しています。特に、ウェブ閲覧や動画視聴といった一般的な用途においては、多くのユーザーが満足できるレベルのパフォーマンスを提供してくれるでしょう。
ゲーム性能:Xperia 10 V ~人気タイトルはどこまで快適に遊べるか?~
Xperia 10 Vは日常使いには快適ですが、果たしてゲームはどの程度楽しめるのでしょうか?多くのユーザーが気になるであろうゲーム性能について、前モデルXperia 10 IVと同じCPU「Snapdragon 695 5G」でどこまで戦えるのか、人気のゲームタイトルを実際にプレイし、その実力を徹底的に試してみました。
原神 (Genshin Impact)
美しいオープンワールドが魅力の『原神』ですが、やはりXperia 10 Vには荷が重いようです。画質設定を「低」まで落として、ようやく平均30FPS前後でのプレイが可能になりました。広大なフィールドを探索している間は比較的安定していますが、複数の敵と元素爆発が飛び交う激しい戦闘シーンになると、フレームレートは20FPS台まで落ち込み、画面がカクついて操作が追いつかなくなる場面も。物語を進めることはできますが、『原神』の世界を心から楽しむには、より高いスペックが求められるというのが正直な感想です。
崩壊:スターレイル (Honkai: Star Rail)
『原神』と同じ開発元による『崩壊:スターレイル』も試してみました。こちらもグラフィック負荷は高めですが、画質設定を「低」にすることで、30FPSから40FPS程度でのプレイが可能です。ターン制バトルなので、戦闘中にカクつきが勝敗を直接左右することはありません。しかし、キャラクターの派手な必殺技の演出や、美しいマップを移動する際には、処理が重くなり動きが鈍くなる瞬間があり、没入感が少し削がれてしまいました。
フォートナイト (Fortnite)
世界的な人気を誇る『フォートナイト』ではどうでしょうか。グラフィック設定を「低」にすることで、なんとか30FPSでの動作を維持できました。ゲーム序盤、周囲に敵がいない状況では比較的スムーズに動きます。しかし、終盤に複数のプレイヤーが密集して建築バトルを始めると、フレームレートは不安定になり、画面の遅延が顕著に。敵の動きに対応するのが難しく、勝利を目指すには厳しい戦いを強いられました。
PUBG MOBILE (PUBGモバイル)
一方、リアルな戦場が舞台の『PUBG MOBILE』では、驚くほど快適にプレイできました。グラフィック設定を「スムーズ」、フレームレート設定を「ウルトラ」にすると、安定して40FPSを維持してくれます。敵との激しい銃撃戦の真っ只中でも、フレームレートが大きく落ち込むことはほとんどなく、滑らかな操作でエイムを合わせることができました。ミドルレンジのスマートフォンとしては、十分すぎるほど満足のいくプレイ体験です。
ウマ娘 プリティーダービー (Uma Musume Pretty Derby)
育成シミュレーションゲームの『ウマ娘 プリティーダービー』は、Xperia 10 Vとの相性が抜群でした。高品質な3Dで描かれるレースシーンやウイニングライブも、ほぼ常時60FPSに近いフレームレートでぬるぬる動きます。カクつきは一切感じられず、担当ウマ娘の一生懸命な走りをストレスなく応援できました。ライブシーンの美しいグラフィックも存分に楽しむことができ、ファンなら大満足間違いなしです。
まとめ:ゲーム性能
Xperia 10 Vのゲーム性能を総括すると、「遊ぶゲームを選ぶが、ツボにはまれば十分楽しめる」という印象です。『PUBG MOBILE』や『ウマ娘 プリティーダービー』のように、最適化が進んでいる、あるいは比較的負荷の軽いタイトルであれば、高いフレームレートで非常に快適にプレイすることが可能です。
一方で、『原神』のような極めて高いグラフィック性能を要求するゲームでは、画質を大幅に下げるという妥協が必要になります。常に最高画質・最高フレームレートでプレイしたいヘビーゲーマーには明らかにおすすめできません。しかし、「普段はSNSや動画がメインで、たまに息抜きでゲームを遊ぶ」といったライトな使い方であれば、多くの人気タイトルを十分に楽しむことができるでしょう。自身のプレイスタイルと相談して、このスマートフォンを選ぶか判断するのが賢明です。
カメラ性能:Xperia 10 V ~センサー刷新で暗所性能は向上、しかし弱点も~
ここでは、Xperia 10 Vのカメラ性能について、特に大きな進化を遂げた広角カメラを中心に、前モデルXperia 10 IVと比較しながら、実際に撮影して感じた実力と注意点をレビューしていきます。
3つのレンズ構成と、進化した広角カメラ
Xperia 10 Vは、前モデルのXperia 10 IVと同じく、超広角(16mm)、広角(26mm)、望遠(54mm)の3つのレンズを搭載したトリプルカメラ構成です。超広角と望遠の有効画素数が約800万画素である点も変わりありません。しかし、注目すべきは最も使用頻度の高い広角カメラです。
イメージセンサーがXperia 10 IVの1/2.8インチから約1.6倍大きい1/2.0インチへと大型化され、有効画素数も1200万画素から4800万画素(記録画素数は1200万画素)へと大幅にスペックアップしました。センサーが大きくなったことで、より多くの光を取り込めるようになり、特に暗い場所での画質向上が期待できます。
カメラ任せで簡単キレイ、便利な機能も搭載
カメラアプリの操作はシンプルで直感的です。「プレミアムおかせオート」機能を使えば、カメラが被写体やシーンを自動で判断し、最適な設定で撮影してくれます。実際に、「風景」や「ペット」などに向けてシャッターを切るだけで、SNS映えするような鮮やかな写真を簡単に撮ることができました。
また、自撮りに便利な「ハンドシャッター」機能も搭載されています。カフェで友人と自撮りをする際に試してみたのですが、手のひらをカメラに向けるだけで自動でシャッターが切れるので、不自然なタイミングで画面をタップする必要がなく、自然な表情の写真を撮れて感動しました。ただし、Xperiaの上位モデルに搭載されている「Photo Pro」のような、マニュアル設定を細かく調整できる機能は搭載されていません。
撮影体験:光と影を捉える、進化した描写力
日中の明るい場所では、非常にクリアで自然な色合いの写真を撮影できます。特に公園で咲いていた花の写真を撮った際は、花びら一枚一枚の質感や、葉脈のディテールまでもしっかりと描写され、生命感あふれる一枚になりました。望遠カメラは光学2倍ズームに対応しており、少し離れた場所に咲いている花も、画質の劣化を抑えて引き寄せることができます。実際にズームで撮影してみましたが、花びらの輪郭がくっきりとしていて、ズームで撮ったとは思えないほどの解像感でした。
そして、最も進化を感じたのが夜景撮影です。広角カメラのセンサー大型化と光学式手ブレ補正(OIS)のおかげで、Xperia 10 IVと比較して暗所でのノイズが大幅に低減されています。イルミネーションを撮影した際も、光が滲むことなく、一つひとつの電球の輝きをクリアに捉えることができました。ただ、光量が極端に少ない場所ではオートフォーカスが少し迷うことがあり、ピントが合うまでに数回シャッターを切る場面もありました。また、稀に撮影したはずの写真が保存されていないという現象も経験し、信頼性の面で少し不安が残りました。
動画撮影:手ブレ補正は優秀、しかし解像度に課題
動画撮影性能については、正直なところ一長一短という印象です。光学式と電子式を組み合わせたハイブリッド手ブレ補正は非常に優秀で、歩きながら撮影しても滑らかな映像を記録できます。しかし、Xperia 10 Vが搭載するCPU「Snapdragon 695 5G」の制約により、4K動画の撮影には対応しておらず、最大でも1080p/60fpsでの撮影となります。
これは前モデルのXperia 10 IVから変わらない弱点です。実際に撮影した動画をPCの大きな画面で見ると、写真に比べて全体的に解像感が低く、「粗さ」が気になりました。特に夜景の動画では、街灯などの強い光が白飛びしやすく、光がぼやけて見えるのが残念でした。
<Xperia 10 Vのカメラ仕様・機能 一覧>
- リアカメラ
- 16mm(超広角): 有効画素数約800万画素 / F値2.2
- 26mm(広角): 有効画素数約4800万画素(記録画素数約1200万画素) / F値1.8 / 光学式手ブレ補正(OIS)
- 54mm(望遠): 有効画素数約800万画素 / F値2.2
- フロントカメラ
- 有効画素数約800万画素 / F値2.0
- 主な機能
- プレミアムおまかせオート
- オートHDR
- ナイト撮影
- ハンドシャッター
- ハイブリッド手ブレ補正(動画)
- 動画撮影
- 最大1080p / 60fps(4K撮影は非対応)
まとめ:カメラ性能
- 広角カメラの進化:イメージセンサーの大型化と4800万画素化により、特に暗所でのノイズが少なくクリアな写真撮影が可能になった
- 手ブレ補正:広角カメラの光学式手ブレ補正(OIS)は、夜景や薄暗い室内での撮影で効果を発揮
- 3眼構成の楽しさ:超広角、広角、望遠の3つのレンズを切り替えることで、様々な画角の写真を手軽に楽しめる
- 日中画質:明るい場所では自然な色合いと高い解像感の写真を撮影可能
- 動画性能の限界:CPUの制約により4K動画撮影には非対応で、動画の画質は全体的に粗さが目立つ
- 信頼性への懸念:稀に撮影した写真が保存されないことがあり、ソフトウェアの安定性に課題が残る可能性がある
バッテリー持ちと充電:Xperia 10 V ~さらに進化した圧倒的なスタミナ~
ここでは、Xperia 10 Vの最大の魅力であるバッテリー性能に焦点を当て、その驚異的なスタミナと充電性能について、前モデルXperia 10 IVとの比較を交えながら、実際の使用感をもとに詳しくレビューしていきます。
変わらぬ大容量、されど進化した持続力
Xperia 10 Vは、前モデルのXperia 10 IVと同じ5000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。容量は同じでありながら、公称の連続動画再生時間はXperia 10 IVの約20時間から約34時間へと大幅に向上しており、内部の省電力性能が大きく改善されたことが伺えます。実際にバッテリーの持ちは「圧倒的」の一言で、この安心感こそがXperia 10 Vを選ぶ最大の理由になると感じました。ソニー独自の「いたわり充電」機能も健在で、バッテリーの劣化を抑えながら3年間安心して使えると謳われているのも、長く愛用したいユーザーにとっては嬉しいポイントです。
日常を忘れさせるほどの、驚異的なバッテリー体験
様々なバッテリーテストの結果を見ても、その実力は明らかです。Webサイトの閲覧で14時間31分、動画再生では19時間6分というスコアは、他のスマートフォンと比較しても非常に優秀です。私の使い方では、朝100%の状態で家を出て、通勤中に動画を見たり、日中はSNSや調べ物をしたりと、かなりヘビーに使っても、夜帰宅した時点でバッテリー残量が60%以上残っている日もありました。
軽い使い方なら2日間は充電を忘れてしまうほどで、Xperia 10 IVも優れたバッテリー持ちでしたが、Xperia 10 Vはそれをさらに上回る安心感があります。旅行先で地図アプリを使いながら写真を撮り歩いても、バッテリー残量を気にするストレスから解放されたのは、まさに感動的な体験でした。
充電速度は改善されたものの、もう一歩の進化に期待
驚異的なバッテリー持ちの一方で、充電速度はXperia 10 Vの数少ないウィークポイントかもしれません。前モデルのXperia 10 IVと比較すると充電速度は向上しており、30分の充電で約37%まで回復し、フル充電までは2時間を切る速さでした。これは、フル充電に2時間半以上かかっていたXperia 10 IVから着実な進化です。しかし、最近の急速充電に対応した他社モデルと比べると、見劣りするのは事実です。
また、Xperia 10 IVと同様にワイヤレス充電には対応していません。さらに、使用する充電器やケーブルによっては充電がうまく進まないことがあり、就寝前に充電を開始したつもりが、朝起きるとほとんど充電されていなかったという経験も。充電中はランプなどで確認する習慣をつける必要がありそうです。
<Xperia 10 Vのバッテリー・充電 仕様>
- バッテリー容量: 5000mAh
- 充電: USB Power Delivery (USB PD) 対応
- 長寿命化技術: いたわり充電、Xperia独自の充電最適化技術
- ワイヤレス充電: 非対応
まとめ:バッテリー持ちと充電
- バッテリー容量:前モデルと同じ5000mAhの大容量を、より軽量なボディに搭載
- 持続時間:省電力性能の向上により、動画連続再生時間が約34時間へと大幅に進化し、実使用でも2日以上持つ圧倒的なスタミナを実感
- 充電速度:前モデルよりは高速化されたものの、依然として競合他社と比較すると物足りなさが残る
- 長寿命設計:「いたわり充電」機能により、3年間使っても劣化しにくいバッテリーを実現
- 注意点:ワイヤレス充電には非対応で、一部の充電器やケーブルとの相性問題も報告されている
オーディオと通信性能:Xperia 10 V ~待望のステレオスピーカーと安定した接続性~
ここでは、Xperia 10 Vのエンタメ体験を格段に向上させるオーディオ性能と、スマートフォンの基本となる通信性能について、前モデルXperia 10 IVと比較しながら、その実力を詳しくレビューしていきます。
待望のステレオスピーカーとソニーならではの高音質技術
Xperia 10 Vにおけるオーディオ面の最大の進化は、なんといってもXperia 10シリーズとして初めてフロントステレオスピーカーを搭載したことです。前モデルのXperia 10 IVは本体下部のモノラルスピーカーだったため、動画視聴時には少し物足りなさを感じていました。しかし、Xperia 10 Vではディスプレイの上下にスピーカーが配置され、映像と音が一体となった臨場感あふれる体験が可能になりました。
さらに、ソニー独自のAI技術「DSEE Ultimate」によって、Spotifyなどのストリーミング音源もハイレゾ相当の高音質にアップスケーリングしてくれます。もちろん、有線イヤホン派には嬉しい3.5mmオーディオジャックも引き続き搭載されており、音へのこだわりが随所に感じられます。
映像に没入できる、臨場感あふれるサウンド体験
実際にスピーカーの音質を試してみると、その進化に驚かされました。Netflixでアクション映画を観た際、効果音が左右からしっかりと広がり、モノラルスピーカーだったXperia 10 IVでは得られなかった没入感を味わえました。ボーカルやセリフといった中音域は非常にクリアで聴き取りやすく、最大音量にしても音が割れるようなことはありませんでした。
ただ、重低音の迫力という点では、ハイエンドモデルには一歩及ばない印象です。また、音量を上げても、ややこもりがちに聞こえることや、全体的な音量が少し小さいと感じる場面もありました。とはいえ、動画や音楽を本体スピーカーで気軽に楽しむという点では、前モデルから比較にならないほど快適になったことは間違いありません。
日常を支える安定した通信性能
通信性能に関しては、現代の利用シーンにおいて十分なスペックを備えています。Wi-FiはWi-Fi 5(IEEE802.11a/b/g/n/ac)に対応しており、自宅の光回線環境でYouTubeの動画を快適に視聴できました。ただし、最新規格のWi-Fi 6には非対応で、一部のテストではXperia 10 IVよりも通信速度が遅いという結果も報告されています。
Bluetoothはバージョン5.1に対応し、ソニー製のワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」とLDACで接続してみましたが、音飛びもなく、ハイレゾ音源の繊細な音まで安定して楽しむことができました。5G通信はSub-6に対応しており 、都市部ではダウンロードもスムーズです。通常の音声通話はクリアで問題ありませんでしたが、LINEでの通話時に相手の声が1〜2秒遅れて聞こえることがあり、レスポンスの面で少し気になりました。
正確で高速なGPS性能
ナビゲーションの要となるGPS性能は、非常に優秀だと感じました。Googleマップを使って車で初めて行く場所へ向かった際、測位が非常に速く、高層ビルが立ち並ぶ市街地でも正確に自車位置を示し続けてくれました。これなら、慣れない土地での旅行や、Uber Eatsの配達のような仕事で使う場合でも、安心してナビゲーションを任せることができます。
<Xperia 10 Vのオーディオ・通信性能 仕様>
- スピーカー: フロントステレオスピーカー
- オーディオジャック: 3.5mmオーディオジャック搭載
- 高音質技術: DSEE Ultimate, 360 Reality Audio, 360 Upmix
- Wi-Fi: IEEE802.11a/b/g/n/ac (Wi-Fi 5)
- Bluetooth: ver.5.1(LDAC, aptX HD, aptX Adaptive対応)
- 5G通信: Sub-6対応
- SIM: nanoSIM / eSIM(デュアルSIM対応)
- GPS: GPS, GLONASS, Galileo, BDS, QZSS サポート
まとめ:オーディオと通信性能
- スピーカーの進化:シリーズ初のフロントステレオスピーカー搭載で、動画視聴時の臨場感が劇的に向上
- 高音質へのこだわり:有線でも無線でも高音質を楽しめる3.5mmオーディオジャックと多彩な独自技術を搭載
- スピーカー音質:中高音はクリアだが、音量がやや小さく、こもりがちに感じることも
- Wi-Fi性能:Wi-Fi 5対応で日常利用に問題はないが、最新規格には非対応
- Bluetooth接続:LDACなどの高音質コーデックに対応し、ワイヤレスでも安定した音楽体験が可能
- GPS精度:高速かつ正確な測位性能で、ナビゲーション利用時も安心
OSと機能:Xperia 10 V ~洗練された使いやすさと、日本仕様への完全対応~
ここでは、Xperia 10 Vのソフトウェアと日常の利便性を高める機能に焦点を当てます。素に近いAndroidの快適な操作性から、日本のライフスタイルに欠かせない機能まで、前モデルXperia 10 IVとの違いも踏まえながら、実際に使って感じた魅力を詳しくレビューしていきます。
シンプルを極めたUIと、縦長画面を活かす独自機能
Xperia 10 Vには、最新のAndroid 13が初期搭載されています。ソニーのUI(ユーザーインターフェース)は、素のAndroidに近いシンプルなデザインが特長で、余計なアプリがほとんどプリインストールされていないため、非常にクリーンな印象です。前モデルのXperia 10 IVも同様のコンセプトでしたが、Xperia 10 Vもその思想をしっかりと受け継いでいます。
特に気に入っているのが、21:9の縦長ディスプレイを最大限に活用できる「21:9マルチウィンドウスイッチ」機能です。YouTubeでライブ配信を見ながら、画面下半分でTwitterのタイムラインを追うといった「ながら操作」が非常に快適で、一度この便利さを体験すると手放せなくなります。
長く安心して使える、OS・セキュリティアップデート保証
スマートフォンを長く使う上で気になるのが、OSやセキュリティのアップデートサポートです。Xperia 10 Vは、最大2回のOSバージョンアップと、3年間のセキュリティアップデートが保証されています。これにより、最新の機能を利用できるだけでなく、セキュリティ面でも安心して長期間使い続けることが可能です。
実際に前モデルのXperia 10 IVも、Android 12から14まで2回のメジャーアップデートが提供された実績があり、Xperia 10 Vも同様のサポートが期待できます。競合製品の中にはより長期間のサポートを謳うモデルもありますが、ミドルレンジスマートフォンとしては十分なサポート期間だと感じます。
毎日の生活に欠かせない機能と、一長一短の生体認証
日本でスマートフォンを使う上で必須とも言える「おサイフケータイ(FeliCa)」に、Xperia 10 Vはもちろん対応しています。コンビニでの支払いや電車の改札も、かざすだけでスピーディーに完了します。
生体認証は、本体側面の電源ボタンに統合された指紋認証センサーを採用しています。認証精度は高く、乾燥した指でもスムーズにロック解除できましたが、認証スピード自体はハイエンドモデルと比較すると、ほんの少し間があるように感じました。また、Xperia 10 IVに搭載されていた通知用のLEDランプが廃止されたのは残念な変更点です。ポケットやカバンから取り出さなくても通知の有無がわかったので、この点は不便に感じました。
<Xperia 10 VのOSと機能 仕様>
- プリインストールOS: Android 13
- アップデート保証: 最大2回のOSバージョンアップ、3年間のセキュリティアップデート
- UI(ユーザーインターフェース): サイドセンス、21:9マルチウィンドウスイッチ
- おサイフケータイ(FeliCa): 対応
- 生体認証: 側面指紋認証
- SIM仕様: nanoSIM / eSIM(デュアルSIM対応)
まとめ:OSと機能
- OSとUI:素のAndroidに近いシンプルでクリーンな操作性と、縦長画面を活かす便利な独自機能を両立
- アップデート:最大2回のOSアップデートと3年間のセキュリティアップデート保証で、長く安心して利用可能
- おサイフケータイ:日本のキャッシュレス社会に必須のFeliCaに完全対応
- 生体認証:側面の電源ボタン一体型指紋認証を搭載し、スムーズなロック解除が可能
- SIMの柔軟性:nanoSIMとeSIMのデュアルSIMに対応し、仕事とプライベートの使い分けにも便利
- 変更点:前モデルにあった通知LEDランプが廃止され、通知の視認性がやや低下
Xperia 10 VとXperia 10 IVの違い
「Xperia 10 V」は、前モデルであるXperia 10 IVの「軽量かつ大容量バッテリー」というコンセプトを継承しつつ、ユーザーの体感品質を向上させるための堅実なアップデートが施されています。ここでは、両モデルのスペックを項目別に比較し、その違いを詳しく見ていきましょう。
OSとサポート期間
- Xperia 10 IV: Android 12 (初期搭載)
- Xperia 10 V: Android 13 (初期搭載)
- 違い:Xperia 10 Vはより新しいOSでスタートします。また、Xperia 10 Vは「最大2回のOSバージョンアップと3年間のセキュリティアップデート」が公式に示されており、Xperia 10 IV(実績として2回のOSアップデート)よりもサポート期間が明確で、より長く安心して利用できます。
サイズと重量
- Xperia 10 IV: 約153 × 67 × 8.3 mm / 約161g
- Xperia 10 V: 約155 × 68 × 8.3 mm / 約159g
- 違い:Xperia 10 Vは高さと幅がわずかに増しましたが、重量は2g軽くなっています。大画面化と軽量化を両立しており、5000mAh以上のバッテリーを搭載する5Gスマホとしては世界最軽量(発売時点)を実現しています。
カラーバリエーション
- Xperia 10 IV: ブラック、ホワイト、ミント、ラベンダー
- Xperia 10 V: ブラック、ホワイト、ラベンダー、セージグリーン
- 違い:「ミント」がなくなり、新たに「セージグリーン」が加わりました。
耐久性
- Xperia 10 IV: Corning® Gorilla® Glass Victus®, 防水(IPX5/IPX8), 防塵(IP6X)
- Xperia 10 V: Corning® Gorilla® Glass Victus®, 防水(IPX5/IPX8), 防塵(IP6X)
- 違い:ディスプレイの保護ガラスや防水・防塵性能は同等です。どちらのモデルもミドルレンジながら高い堅牢性を備えています。
ディスプレイ
- Xperia 10 IV: 約6.0インチ有機EL, リフレッシュレート60Hz
- Xperia 10 V: 約6.1インチ有機EL, リフレッシュレート60Hz
- 違い:Xperia 10 Vは画面サイズが0.1インチ大きくなっただけでなく、輝度がXperia 10 IV比で約1.5倍向上しました。これにより、屋外での視認性が大幅に改善されています。リフレッシュレートは両モデルとも60Hzで変更ありません。
オーディオ
- Xperia 10 IV: モノラルスピーカー
- Xperia 10 V: フロントステレオスピーカー
- 違い:Xperia 10 Vの最大の進化点の一つです。シリーズ初のフロントステレオスピーカー搭載により、動画や音楽視聴時の臨場感が格段に向上しました。3.5mmオーディオジャックは両モデルとも搭載しています。
カメラ(広角)
- Xperia 10 IV: 有効画素数約1200万画素, 1/2.8インチセンサー
- Xperia 10 V: 有効画素数約4800万画素(記録画素数約1200万画素), 1/2.0インチセンサー
- 違い:Xperia 10 Vは広角カメラのイメージセンサーが約1.6倍大型化しました。これにより、取り込める光の量が増え、特に夜景などの暗いシーンでのノイズが少ない、よりクリアな写真撮影が可能になっています。
パフォーマンス(CPU)
- Xperia 10 IV: Snapdragon® 695 5G
- Xperia 10 V: Snapdragon® 695 5G
- 違い:CPUは両モデルで同じものを採用しており、基本的な処理性能に大きな差はありません。
バッテリー
- Xperia 10 IV: 5000mAh, 連続動画再生 約20時間
- Xperia 10 V: 5000mAh, 連続動画再生 約34時間
- 違い:バッテリー容量は同じ5000mAhですが、省電力性能の向上により、Xperia 10 Vは連続動画再生時間が大幅に伸びています。充電速度もXperia 10 Vの方が向上しています。
その他機能
- Xperia 10 IV: 通知LEDランプ搭載
- Xperia 10 V: 通知LEDランプ非搭載
- 違い:Xperia 10 Vでは、画面を点灯させずに通知の有無を確認できた便利な通知LEDランプが廃止されました。
まとめ
Xperia 10 Vは、処理性能の核となるCPUをXperia 10 IVから据え置いた一方で、ユーザーが日常的に触れる部分の「体感品質」を大きく向上させたモデルです。特に、①ディスプレイの輝度向上による屋外での視認性改善、②待望のフロントステレオスピーカー搭載による音響体験の向上、③広角カメラのセンサー刷新による暗所撮影性能の強化、そして④省電力化による更なるバッテリー持ちの向上は、数字以上に日々の使い勝手を良くしてくれる重要な進化点と言えるでしょう。
パフォーマンスの劇的な向上を期待するユーザーには物足りないかもしれませんが、スマートフォンの基本性能である「見る・聴く・撮る」といった体験をより重視するユーザーにとって、Xperia 10 Vは着実に魅力を増した一台となっています。
Xperia 10 Vのメリット・デメリット
「Xperia 10 V」は、圧倒的なバッテリー性能と驚異的な軽さを実現した魅力的なスマートフォンです。しかし、前モデルであるXperia 10 IVからいくつかの課題も引き継いでいます。ここでは、実際にXperia 10 Vを使ってみて感じたメリットとデメリットを、Xperia 10 IVとの比較を交えながら詳しく解説していきます。
【メリット】
メリット1:圧倒的なバッテリー持ちと世界最軽量クラスの軽さ
Xperia 10 V最大の魅力は、その驚異的なバッテリー持続力です。5000mAhの大容量バッテリーを搭載し、公称の連続動画再生時間は約34時間と、Xperia 10 IVの約20時間から大幅に向上しました。実際に使ってみてもそのスタミナは本物で、通勤中に動画を見たり、日中SNSをチェックしたりといった使い方でも、1回の充電で2日間は余裕で持ちこたえました。
これだけのバッテリーを搭載しながら、本体重量は約159gと、Xperia 10 IVよりもさらに2g軽量化されています。5000mAh以上のバッテリーを搭載する5Gスマートフォンとしては世界最軽量(2023年5月11日時点)を謳っており、長時間持っていても手が疲れにくいのは大きな喜びです。
メリット2:屋外でも見やすくなった明るいディスプレイ
ディスプレイの明るさが、前モデルのXperia 10 IVと比較して約1.5倍向上した点も大きな進化です。これにより、日差しの強い屋外での視認性が劇的に改善されました。実際に晴れた日に公園で地図アプリを確認した際、Xperia 10 IVでは画面が見えにくく感じることがありましたが、Xperia 10 Vでは表示がくっきりと見え、ストレスなく操作できました。有機ELならではの鮮やかな発色と合わせて、あらゆる場所で快適にコンテンツを楽しめます。
メリット3:待望のフロントステレオスピーカー搭載
Xperia 10シリーズとして初めてフロントステレオスピーカーを搭載したことは、エンターテインメント体験を大きく向上させました。ディスプレイの上下にスピーカーが配置されたことで、Netflixで映画を観たり、音楽ライブ映像を観たりする際の臨場感が、本体下部にモノラルスピーカーのみを搭載していたXperia 10 IVとは比較になりません。音の広がりが生まれ、映像への没入感が格段に増しました。
メリット4:ミドルレンジでは貴重な望遠カメラ搭載
Xperia 10 Vは、Xperia 10 IVから引き続き、この価格帯のスマートフォンでは珍しくなった望遠カメラを搭載しています 。デジタルズームとは異なり、画質の劣化を抑えた光学2倍相当のズームが可能なため、少し離れた被写体もクリアに撮影できます。実際に公園で遠くに咲いている花を撮影した際も、花びらのディテールをしっかりと捉えた、解像感の高い写真を撮ることができました。
メリット5:暗所性能が向上した広角カメラ
最も使用頻度の高い広角カメラの性能が向上したのも見逃せません。イメージセンサーがXperia 10 IV比で約1.6倍大型化し、より多くの光を取り込めるようになったことで、特に暗い場所での撮影に強くなりました 。実際に夜景を撮影してみると、ノイズが少なくクリアな写真を撮ることができ、光学式手ブレ補正と相まって、薄暗い室内などでも手ブレを抑えたきれいな写真が残せます。
メリット6:長く使える安心感と便利な機能
Xperia 10 Vは、ユーザーが長く安心して使える工夫と、かゆいところに手が届く便利な機能を備えています。バッテリーの劣化を抑える「いたわり充電」機能により、3年使っても劣化しにくい長寿命バッテリーを実現しているのは嬉しいポイントです。また、最近では省略されがちな3.5mmオーディオジャックや、最大1TBまで対応するmicroSDカードスロットをしっかり搭載。もちろん、おサイフケータイやIP65/68の高い防水・防塵性能にも対応しており、日本のユーザーが必要とする機能が網羅されています。
【デメリット】
デメリット1:前モデルから据え置きの物足りないパフォーマンス
Xperia 10 Vの最大の弱点は、CPUが前モデルのXperia 10 IVと同じ「Snapdragon 695 5G」である点です。そのため、処理性能に劇的な向上は見られません。Webサイトの閲覧や動画視聴といった日常的な操作はこなせますが、アプリの起動、特にLINEなどを開く際にワンテンポ待たされる感覚がありました 。複数のアプリを切り替える際にも、もたつきを感じることが多く、快適な操作性を求めるユーザーには物足りないかもしれません。
デメリット2:滑らかさに欠ける60Hzディスプレイ
ディスプレイの明るさは向上しましたが、リフレッシュレートはXperia 10 IVと同じ60Hzのままです。最近の同価格帯のスマートフォンでは90Hzや120Hzが主流になっているため、Twitterのタイムラインなどを素早くスクロールした際の滑らかさには欠けます。高リフレッシュレートの機種に慣れていると、残像感が気になるかもしれません。
デメリット3:4K非対応など物足りない動画性能
CPUの制約により、動画撮影は4Kに対応しておらず、最大1080p/30fpsに制限されます。これはXperia 10 IVから変わらない弱点です。手ブレ補正は優秀ですが、撮影した動画をPCなどの大画面で見ると、全体的に解像感が低く、画質の粗さが気になりました。思い出をより高画質で残したいと考えるユーザーには不向きでしょう。
デメリット4:通知LEDの廃止と付属しない充電器
細かい点ですが、Xperia 10 IVには搭載されていた通知LEDランプがXperia 10 Vでは廃止されました。画面を点灯させなくても通知の有無を確認できた便利な機能だっただけに、残念な変更点です。また、最近のトレンドではありますが、箱の中に充電器やUSBケーブルが同梱されていないため、別途購入する必要があります。
デメリット5:性能に見合わない価格設定
Xperia 10 Vの発売時の価格は約7万円前後と、ミドルレンジモデルとしてはやや高めの設定です。日常的な動作のもたつきなど、パフォーマンス面での課題を考慮すると、この価格は正直なところ割高に感じられます。「適正価格は3万円台では」という厳しい意見があるのも、実際に使ってみると頷ける部分がありました。ワイヤレス充電にも対応していません。
Xperia 10 Vのスペック(仕様)一覧
- ディスプレイ: 約6.1インチ、解像度1080 x 2520 pxのOLED ※有機EL/FHD+/21:9/449 ppi /トリルミナスディスプレイ for mobile /HDR /輝度 約1.5倍向上 /Corning Gorilla Glass Victus
- リフレッシュレート: 60Hz (タッチサンプリングレート60Hz)
- プロセッサ: Qualcomm Snapdragon 695 5G オクタコア ※6nm /64bit /8コア /最大2.2 GHz
- GPU: Adreno 619 RAM(メモリ) 6GB LPDDR4X
- ストレージ: 128GB
- 外部ストレージ: microSDXCカードで最大1TBまで
- バッテリー: 5000mAh 駆動時間 連続動画再生で約34時間
- 充電: いたわり充電(劣化しにくい・3年間使える)、急速充電(USB PD、Quick Charge対応)
- 背面カメラ: 超広角:有効画素数約800万画素 広角:有効画素数約4800万画素(記録画素数約1200万画素) 望遠:有効画素数約800万画素
- 前面カメラ: 8MP
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz) 、Bluetooth 5.1 、GPS
- NFC・おサイフケータイ: 対応
- インターフェース: USB Type-C (USB 2.0 , OTG対応 )、3.5mmイヤホンジャック
- センサー: 指紋認証 (サイドマウント) 、加速度センサー、ジャイロスコープ、近接センサー、光センサー、コンパス
- 防水防塵: 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)
- スピーカー: フロントステレオスピーカー
- オーディオ: DSEE Ultimate(AIで高音質に変換)、LDAC(ワイヤレスでもハイレゾの高音質)、ハイレゾ オーディオ、ハイレゾ オーディオ ワイヤレス、360 Reality Audio(立体音響技術)、360 Upmix(立体サウンドに変換)、Sony | Headphones Connect(ヘッドホン設定変更)
- 機能: アプリへのショートカットが簡単な「サイドセンス」、21:9で2画面同時表示できる「21:9マルチウィンドウスイッチ」
- アクセサリー: 開閉式スタンド付きの専用カバー「Style Cover with Stand for Xperia 10 V」(XQZ-CBDC)※4色
- 生体認証: サイド指紋認証 OS Android 13
- サイズ: 155 × 68 × 8.3 mm
- 重量: 約159g
- カラー: ラベンダー、ホワイト、ブラック、セージグリーン
- 5G通信: 対応 SIMカード nanoSIM / eSIM(デュアルSIM仕様)
対応バンド:Xperia 10 V
Xperia 10 Vは5G通信に対応しています。
基本的には本体にSIMカードを入れて、APN設定を済ませると、通信できます。
SIMはNanoSIMと物理的なカードを必要としないeSIMに対応しています。
SIMフリーモデルの対応バンドは以下の通りです。
- 5G(Sub6):n3, n28, n77, n78, n79
- 4G(LTE):B1, B3, B4, B5, B8, B12, B18, B19, B21, B38, B41, B42
対応バンドの詳細
ドコモ回線
- 5G: n78, n79
- 4G: B1, B3, B19, B21, B42
- プラチナバンド: B19 対応
- ドコモの5Gは、主要なn78と、ドコモ独自のn79の両方に対応しているため、広いエリアで5G通信が期待できます。4Gにおいても、主要なバンドであるB1、B3に加え、郊外や山間部、屋内での接続に重要なプラチナバンドのB19に対応しています。また、ドコモ独自のバンドであるB21にも対応しており、通信の安定性が高いと言えます。
au回線
- 5G: n3, n28, n77, n78
- 4G: B1, B3, B18, B41, B42
- プラチナバンド: B18 対応
- auの5Gは、主要なn77、n78に対応しています。4Gでは、主要バンドのB1、B3に加え、プラチナバンドのB18に対応しているため、建物内や地下などでも繋がりやすいです。
ソフトバンク回線
- 5G: n3, n28, n77
- 4G: B1, B3, B8, B41, B42
- プラチナバンド: B8 対応
- ソフトバンクの5Gは、主要なn77に対応しています。4Gでは、中心となるB1、B3に加え、プラチナバンドのB8にも対応しており、幅広いエリアでの安定した通信が見込めます。
楽天モバイル回線
- 5G: n77
- 4G: B3, B18
- プラチナバンド: B18 (パートナー回線)
- 楽天モバイルの5Gは、主要バンドであるn77に対応しています。4Gでは、自社回線の中心であるB3に加え、パートナー回線(au回線)のB18にも対応しているため、楽天モバイルの自社エリア外でもauのプラチナバンドを利用した通信が可能です。
結論
この端末(Xperia 10 V)は、バンド情報に基づくと、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの日本の4大キャリア全てにおいて、主要な4Gおよび5Gバンドに幅広く対応しています。特に、各キャリアが重視するプラチナバンドにも対応しているため、都市部から郊外、屋内まで、多くの場所で安定した通信が期待できます。
Xperia 10 Vの評価
8つの評価基準で「Xperia 10 V」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★☆
前モデルから輝度が約1.5倍向上し、直射日光下の屋外でも驚くほど見やすくなりました。有機ELならではの鮮やかな発色は映像コンテンツの魅力を引き立てます。ただ、リフレッシュレートが60Hz据え置きな点は惜しいポイントです。
スペック:★★☆☆☆
日常的なウェブ閲覧やSNS利用には十分ですが、CPUが前モデルと同じSnapdragon 695 5Gのため、動作の重さやアプリ起動の遅さが多くの場面で指摘されています。特にマルチタスク性能には力不足を感じます。
耐久性: ★★★★☆
ディスプレイには傷や落下に強いCorning® Gorilla® Glass Victus®を採用し、IPX5/IPX8・IP6Xの防水防塵性能も備えているため、日常の様々なシーンで安心して使えます。
デザイン:★★★★☆
5000mAhのバッテリーを搭載しながら約159gという「世界最軽量」クラスの軽さは最大の魅力です。指紋が付きにくいマットな質感と、片手でも持ちやすいスリムな形状が高く評価できます。
通信:★★★☆☆
5G通信やeSIMに対応し、GPSの測位も高速かつ正確で、通信の基本性能は安定しています。しかし、最新のWi-Fi 6に非対応であるなど、価格を考えると物足りなさを感じる部分もあります。
機能:★★★★☆
待望のフロントステレオスピーカーに加え、3.5mmイヤホンジャックやmicroSDカードスロット、おサイフケータイといった「欲しい機能」が網羅されています。ワイヤレス充電に非対応な点は少し残念です。
使いやすさ:★★☆☆☆
本体は軽くて持ちやすいものの、スペック不足に起因する動作のもたつきやフリーズが快適な操作を妨げます。特にアプリの切り替えや文字入力時のレスポンスの悪さは、日常的なストレスに繋がりました。
価格:★★☆☆☆
優れたバッテリー性能や軽さは魅力的ですが、全体的なパフォーマンスを考慮すると、約7万円という価格は割高に感じられます。同価格帯の競合製品と比較して、コストパフォーマンスが良いとは言えません。
総評:★★★☆☆
Xperia 10 Vは、「圧倒的なバッテリー持ち」と「驚異的な軽さ」という、他のスマートフォンにはない明確な強みを持った一台です。しかし、その一方でパフォーマンスという根本的な部分に大きな課題を抱えており、まさに光と影がはっきりと分かれたスマートフォンと言えるでしょう。
この一台を選ぶ理由:バッテリーと軽さ、そして撮影の楽しさ
最大の魅力は、間違いなくそのスタミナです。5000mAhの大容量バッテリーは、私の使い方では2日間充電しなくても余裕で、旅行や長時間の外出時もモバイルバッテリーを意識することから解放されました。加えて、約159gという軽さは、手に持った瞬間に思わず声が出るほど。長時間の動画視聴やブラウジングでも、手が疲れることはありませんでした。
さらに、この価格帯のスマートフォンでは珍しくなった望遠カメラを搭載している点も見逃せません。画質の劣化を抑えて遠くの被写体をクリアに撮影できるため、撮影の楽しみ方が広がります。防水防塵、おサイフケータイ、イヤホンジャック、microSDカード対応といった、日本のユーザーが求める機能がしっかりと網羅されている点も、所有する満足感を高めてくれます。
見過ごせない弱点:日常に影を落とすパフォーマンス不足
しかし、このスマートフォンの評価を大きく下げているのが、前モデルから据え置きとなったCPU「Snapdragon 695 5G」に起因するパフォーマンス不足です。LINEやカメラアプリの起動に数秒待たされたり、複数のアプリを切り替えるともたつきが発生したりと、日常のふとした瞬間にストレスを感じることが少なくありませんでした。
特に、キャッシュレス決済の場面でアプリの起動が遅れると、非常に焦ります。この動作性能では、約7万円という価格に見合っているとは言い難く、「適正価格は3万円台では」という厳しい意見にも頷けてしまいます。
結論:万人向けではないが、特定の使い方では最高の相棒に
結論として、Xperia 10 Vはすべての人におすすめできるスマートフォンではありません。ゲームをしたり、多くのアプリをサクサク切り替えたりといった快適な動作を求めるユーザーには、明確に力不足です。
しかし、「スマートフォンの最も重要な性能はバッテリー持ちと軽さだ」と断言できるユーザーにとっては、これ以上ない最高の選択肢となり得ます。主に通話やメール、軽いウェブ閲覧、そして音楽プレーヤー(ウォークマン)やカメラとして割り切って使うのであれば、その驚異的なスタミナと携帯性は、日々の生活で大きな安心感と快適さをもたらしてくれるでしょう。
Xperia 10 Vの価格・購入先
※価格は2025/10/19に調査したものです。価格は変動します。
ECサイト
- Amazonで68,000円 (税込・国内版・XQ-DC44)、
- 楽天市場で36,080円(送料無料・中古Aランク品)、
- ヤフーショッピングで36,080円(中古品)、
で販売されています。
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おすすめのライバル機種と価格を比較
「Xperia 10 V」に似た性能をもつスマートフォンも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
Xperia 10 VII
Sonyから発売された約6.1インチの5Gスマートフォンです(2025年10月9日発売)。
Android 15、Snapdragon 6 Gen 3 プロセッサ、8GBメモリ、2340×1080 pxの有機ELディスプレイ(19.5:9)、128GBストレージ、約2日間持続する5000mAhバッテリー、背面約5000万画素+約1300万画素の2眼カメラ、前面約800万画素のフロントカメラを搭載しています。
また、AI機能(Google Gemini、かこって検索)、120Hzリフレッシュレート、「即撮りボタン」、1/1.56型センサー「Exmor RS™ for mobile」、「ルック」機能、フロントステレオスピーカー(フルエンクロージャー構造)、3.5mmオーディオジャック(高音質設計)、USB PD 急速充電(充電器・ケーブルは別売)に対応。
防水(IPX5/IPX8)・防塵(IP6X)、おサイフケータイ、最大2TBまでのストレージ拡張、いたわり充電、4年間使い続けても劣化しにくい長寿命設計、保護ガラス Corning Gorilla Glass Victus 2、指紋認証、eSIM、USB Type-C、5G通信、Wi-Fi 6 (IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.4、GPSにも対応しています。
価格は、Amazonで74,800円(税込・XQ-FE44)、楽天市場で78,208円(海外版・送料無料)、ヤフーショッピングで73,748円(海外版)、ソニーストアで74,800円(税込)、です。
関連記事:Xperia 10 VII 徹底レビュー!進化したカメラ・音楽性能と欠点を評価
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Xperia 10 VI
ソニーから発売された6.1インチの 5Gスマートフォンです(2024年7月 発売)。
Android 14、Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1 プロセッサと6GB メモリを搭載。フルHD+液晶、128GB UFS ストレージ、5000mAhバッテリー、背面48MP + 8MPの2眼カメラ、前面8MPのフロントカメラを搭載しています。
また、フロント ステレオスピーカー (ソニーのチューニング)、IP68防水防塵、いたわり充電(劣化しにくい・3年間使える)、おサイフケータイ、サイド指紋認証、開閉式スタンド付きの専用カバー「Style Cover with Stand for Xperia 10 VI」(別売)、USB Type-C 2.0 (OTG)、5G通信、Wi-Fi 5のデュアルバンド、Bluetooth 5.2、GPSに対応しています。
価格は、Amazonで53,900円(XQ-ES44・SIMフリー)、楽天市場で56,160円(送料無料・XQ-ES44)、ヤフーショッピングで66,700円(XQ-ES44)、です。
関連記事:ソニー「Xperia 10 VI」のメリット・デメリットを調べてみた
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Xperia 10 IV
ソニーから発売された約6.0インチの5Gスマートフォンです(2022年7月8日発売)。
Android 12(初期搭載)、Snapdragon® 695 5G Mobile Platform、6GBメモリ、FHD+の有機EL トリルミナス®ディスプレイ for mobile、128GBストレージ、通常使用で1日以上持つ5000mAhバッテリー、背面8MP+12MP+8MPの3眼カメラ、前面8MPのフロントカメラを搭載しています。
また、「マルチウィンドウ」、「サイドセンス」、「DSEE Ultimate」、「360 Reality Audio」、「いたわり充電」に対応。
IPX5/IPX8防水・IP6X防塵、おサイフケータイ® (Felica)、最大1TBまでのストレージ拡張、指紋認証、USB Type-C®、3.5mmオーディオジャック、5G通信、Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth® 5.1、GPSにも対応しています。
価格は、Amazonで53,900円(税込・SIMフリー・XQ-ES44)、楽天市場で54,800円(送料無料・XQ-ES44)、ヤフーショッピングで22,860円(中古・ドコモ)、です。
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