海外でひっそりと発売されたMagicX「XU Mini M」。「ANBERNIC RG28XXよりもいいかも」と評判です。
しかし、全く聞いたこともないようなメーカーで、購入するのを不安に感じている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回はその性能をよく知ってもらうため、7つの観点で解説します。
- エミュレーター・収録ゲーム
- プロセッサ(CPU)とメモリ
- 操作性(ジョイスティック・ボタン)
- ディスプレイ
- バッテリー・充電
- 通信
- サイズ・重量・カラー
また、同じ2.8インチの「ANBERNIC RG28XX」との違いも紹介!
エミュレーターや収録ゲーム、購入する前に知っておきたいメリットやデメリット、評価、詳細な価格情報も掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
MagicX「XU Mini M」が発売開始!
2024年7月、中国のゲーム機メーカー MagicX(マジックエックス)の新製品「XU Mini M」(エックスユー ミニ エム)が発売されました。
Linux OSを搭載した2.8インチの携帯ゲーム機です。
超小型サイズの携帯ゲーム機は、2024年4月に2.83インチでAllwinner H700搭載の「ANBERNIC RG28XX」が発売されています。
この携帯ゲーム機は「PSPゲームもプレイできる」、「小さくても性能が高い」と評判でした。
新モデルは新たにRockchip RK3562 プロセッサやホール効果ジョイスティックを搭載していることで話題になっています。
もちろん、PSPやドリームキャスト、ニンテンドー64ゲームもプレイできますよ。
それでは早速、どんなゲーム機なのか、その特徴(メリット)を詳しく見ていきましょう。
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メリット1:34種類のエミュレーターに対応
新モデル MagicX「XU Mini M」は34種類のエミュレーターに対応しています。
製品紹介ページで確認すると、PSPやPS1、ニンテンドー64、ドリームキャストにはたしかに対応していますね。
また、セガサターンやPCエンジン、ネオジオ、ゲームボーイ(カラー)、アタリ7800、ファミコン、メガドライブ、ワンダースワンカラー、ゲームギアなどにも対応しています。
あと、msx2に対応していますね。ANBERNICやPowkiddyのゲーム機も対応していましたが、ゲームのROMは入っていませんでした(※初代 MSXゲームは入っています。)。MagicX「XU Mini M」にはもしかしたら入っているのかもしれませんね。
<対応エミュレーター 一覧>
psp, psx, nds, n64, gba, snes, nes, port, openbor, dreamcast, naomi, saturn, megadrive, mame, capcom, cps1, cps2, cps3, neogeo, arcade,amstradcpc, atari7800, atarilynx, famicom, fds, gameandwatch, gamegear, gb, gbc, intellivision, mastersystem, msx2, ngp, ngpc, pcengine, sega32x, sg-1000, wonderswancolor
収録ゲームタイトル
MagicX「XU Mini M」は64GBと128GBの2種類が用意され、豊富なゲームが収録されています。
内蔵されているゲームはYouTube動画で確認できます。「MagicX XU Mini M game list」で検索してみてください。
ここでは大きな声でいれませんが禁断のアレも入っています。
メリット2:Rockchip RK3562と1GB LPDDR4 メモリで軽快に動作する
新モデル MagicX「XU Mini M」はRockchip RK3562 プロセッサと1GB LPDDR4 メモリを搭載しています。
Rockchip RK3562 プロセッサは22nmプロセスで製造された4コア、4スレッド、最大2.0GHz駆動のCPUで、
よく低価格なAndroid タブレット(「UMIDIGI G1 Tab Mini」など)に搭載されています。
Antutu V10 ベンチマーク総合を調べてみると、なんと約 13万 でした。
このスコアは「ANBERNIC RG28XX」が搭載するAllwinner H700 と同じくらいのスコアです。
PSPゲームやドリームキャストのゲームはほとんど快適に動作する性能を持っています(※一部遅延が生じます)。
自分で試した限りではPowkiddyのゲームで採用されることが多い Rockchip RK3326 よりも性能が高いといえます。
また、メモリの量も1GB LPDDR4で、「ANBERNIC RG28XX」と同じです。
Linux を搭載した中華ゲーム機の中では比較的 多い容量で、動作スピードはかなり良いと予想できます。
メリット3:高精度なホール効果ジョイスティックを搭載・ショルダーボタンもあり
新モデル MagicX「XU Mini M」は2つのホール効果ジョイスティック(RGBライト付き)を搭載しています。
同じジョイスティックは「ANBERNIC RG556」にも搭載されています。
実機で試してみると、かなり精度が高く、いわゆる波動コマンドや昇竜コマンドが一発で出せました。
今までレビューした中華ゲーム機の中で、最も操作性が良いと感じたのを覚えています。
新モデルはそれとホール効果ジョイスティックを搭載しているため、操作性はかなり良さそうです。
ただし、ジョイスティックがどちらも本体の下にあるため、少々操作しにくいかもしれません。
特に左側のジョイスティックは上にあった方が操作しやすく感じます。
そのほか、新モデル MagicX「XU Mini M」は本体の上部にR1/R2、L1/L2のショルダーボタンも搭載しています。
小さいボディなのでやや押しにくくなりますが、ゲームによってはかなり活用できると思います。
メリット4:2.8インチのディスプレイは意外と見やすくプレイしやすい
新モデル MagicX「XU Mini M」は 2.8インチで解像度 640 x 480 pxのIPS ディスプレイを搭載しています。
大きさと解像度は「ANBERNIC RG28XX」や「Miyoo Mini A30」と全く同じです。
アスペクト比は4:3でレトロゲームに最適な画面サイズです。
また、本体のパネルとの間に段差のないOCA フルフィット採用で、見やすそうなディスプレイです。
なお、画面サイズは2.8インチと一般的な中華ゲームと比べて小さくなりますが、
見にくくはありません。むしろ、画面全体がよく見渡せるようになり、ゲームは意外なほどプレイしやすいです。
また、画面が小さいとゲームも違った印象になり、ミニサイズならではの面白さがあります。
小さいながらもちゃんと動いているところがコミカルで新鮮です。
メリット5:2600 mAhバッテリーで6時間使える・充電は専用のUSB-Cポートを利用
新モデル MagicX「XU Mini M」は2600 mAhのリチウムバッテリーを搭載しています。
駆動時間は約 6時間です。
「ANBERNIC RG28XX」は3100mAhバッテリーで約 8時間の駆動なので、新モデルの方が駆動時間が短くなります。
ただし、新モデル MagicX「XU Mini M」はLinuxを独自にカスタマイズしたOSを採用しているため、
省電力性が意外と高いかもしれません。少なくても、Android OSを搭載したゲーム機よりはバッテリー持ちが良さそうです。
充電はUSB-Cポートを利用して行います。OTG用のType-Cが別にあるので、充電専用のType-Cポートになります。
メリット6:Wi-FiとBluetoothに対応
新モデル MagicX「XU Mini M」はWi-Fi (2.4GHz)とBluetooth 4.2の両方に対応しています。
Wi-Fi通信はMoonlightアプリを利用したネットワーク対戦プレイを利用できます。
また、Bluetooth 4.2ではワイヤレスのゲームパッド(※有線接続も可能)やイヤホン、ヘッドホンなどと接続できるようになっています。
「ANBERNIC RG28XX」はWi-Fi、Bluetoothともに対応していなかったので、この点はMagicX「XU Mini M」が圧倒的に有利です。
また、「Miyoo Mini A30」はWi-Fi対応ですが、Bluetoothには対応していませんでした。
ワイヤレスゲームパッドを使いたい人は新モデル MagicX「XU Mini M」の方がおすすめです。
メリット7:重さ186gの小型デザイン・キャリーケースも付属
新モデル MagicX「XU Mini M」はサイズ 12.9 x 6.4 x 2.9 cmで、重さ 186gになっています。
また、カラーはオレンジ、ブラック(透明色)、グレー(白いに近い)の3色を用意しています。
一方、「ANBERNIC RG28XX」はサイズ 12.5 x 5.65 x 1.65 cmで、重量は186gでした。
新モデルは「ANBERNIC RG28XX」よりも少し大きく、ジョイスティックがある分、厚くなっています。
なお、MagicX「XU Mini M」は専用のキャリーケースが付属します。
この小型のケースに入れて快適に持ち運びできるようになっています。
MagicX「XU Mini M」のデメリット
MagicX「XU Mini M」のデメリットを紹介します。
デメリット1:HDMI映像出力に対応していない
MagicX「XU Mini M」はHDMI用のポートがないため、外部のモニターに映像を出力することができません。
一方、「ANBERNIC RG28XX」はminiHDMIポートを搭載し、画面を外部のモニターに出力することができます。
デメリット2:システム言語が日本語に対応していない
MagicX「XU Mini M」のシステム言語(メニュー画面など)は日本語に対応していません。
個人的にはいつも英語で操作しているため特に苦にはなりませんが、日本語でないと困るという人がいるかもしれませんね。
なお、収録されているゲームは英語か中国語が圧倒的に多いです。日本語のゲームは少ないので期待しない方がいいでしょう。
デメリット3:PS2ゲームをプレイできない
MagicX「XU Mini M」はPS2やWii、ニンテンドーSwitch、Xboxなどのゲームには対応していません。
PS2に関しては負荷が高すぎて動きません。どうしてもプレイしてしたい人は「ANBERNIC RG556」などPS2対応のゲーム機を選びましょう。
MagicX「XU Mini M」のスペック
- ディスプレイ 2.8インチ、解像度 640 x 480 px、IPS
※フルビュー/OCA フルフィット - プロセッサ Rockchip RK3562
※22nm/4コア/4スレッド/最大2.0GHz - CPU 4x ARM Cortex-A53 @ 2,0 GHz
- GPU ARM Mali-G52 2EE
- RAM(メモリ)1GB LPDDR4
- ストレージ システム:8GB eMMC、ゲーム:64GB、128GB(TF/MicroSD)
- 拡張ストレージ 最大 512 GBまでのTF カード拡張に対応
- バッテリー 2600 mAh、リチウムバッテリー
- 駆動時間 約 6時間
- 充電 5V/1.5A、C2C充電器に対応
- ワイヤレス通信 Wi-Fi (2.4GHz)、Bluetooth 4.2
- インターフェース USB Type-C (OTG) x1、Type-C (充電用) x1、TFカードスロット x2、3.5mmイヤホンジャック x1
- スピーカー ステレオスピーカー x2
- 操作 デュアルホール効果ジョイスティック(RGBライト付き)
- アプリ Moonlight、Multimedia Player、USB card reader&writer
- ネットワーク対戦 対応
- 振動モーター 対応
- システム言語 11言語 (英語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、インド語、ドイツ語、フランス語、オランダ語、イタリア語、ベトナム語)
- 筐体 ABS樹脂
- OS Linux
- サイズ 12.9 x 6.4 x 2.9 cm
- 重量 0.186 kg
- カラー オレンジ、ブラック、グレー
- 付属品 USB充電ケーブル、説明書、キャリーバック
MagicX「XU Mini M」の評価
5つの基準でMagicX「XU Mini M」を5段階で評価すると以下のようになります。
スペック:★★★★
エミュレーター:★★★★
通信:★★★★
デザイン:★★★
価格:★★★★
<総合評価>
MagicXから発売された2.8インチの携帯ゲーム機です。
結論からいうと、超小型のLinux携帯ゲーム機の中でもっともおすすめできるモデルです。
新モデル MagicX「XU Mini M」が「ANBERNIC RG28XX」よりも優れている点は3つあります。
一つ目は操作性です。
「ANBERNIC RG28XX」はジョイスティックがなく、しかも超小型サイズのため、イマイチ操作性が良くないです。
しかし、MagicX「XU Mini M」は2つの高精度なホール効果ジョイスティックを搭載しています。
また、十字キーは押しやすいように中央がへこんでいるタイプで、ABXYボタンも押しやすそうです。
2つ目は通信性能です。
「ANBERNIC RG28XX」はWi-FiとBluetoothに対応していないというデメリットがありました。
しかし、MagicX「XU Mini M」はそのどちらにも対応し、しかもネットワーク対戦プレイも可能です。
ワイヤレスゲームパッドとの接続も可能で、「ANBERNIC RG28XX」の通信性能に不満を感じていたユーザーも納得できる作りです。
3つ目は収録ゲームです。
「ANBERNIC RG28XX」はスーパーマリオが入っていませんでしたが、
なんとMagicX「XU Mini M」には「スーパーマリオ コレクション」や「マリオカード」などが入ってます。
内蔵ゲームに関しては、ANBERNICよりも面白そうなタイトルが豊富に入っている感じがしますね。
そのほか、MagicX「XU Mini M」には高音質なステレオスピーカーや振動効果、
システムとゲームROMを別々に扱えるダブルTFカードスロットなどに対応しており、
お買い得な点が多々あります。
プロセッサ性能は「ANBERNIC RG28XX」とそれほど変わりませんが、
価格が同じくらいならMagicX「XU Mini M」の方がおすすめです。
MagicX「XU Mini M」の発売時の価格は、8,039円(ゲームなしモデル/64GBモデルで8,541円、128GBモデルで9,071円)。
コスパのいい2.8インチの超小型 携帯ゲーム機を探している人におすすめです。
MagicX「XU Mini M」の価格・販売先
ECサイト
AliExpressで7,428円(64GBモデル、128GBモデルで8,308円)、
で販売されています。
Amazonで「MagicX ハンドヘルドゲーム機」をチェックする
楽天市場で「MagicX game console」をチェックする
ヤフーショッピングで「MagicX ハンドヘルドゲーム機」をチェックする
AliExpressで「XU Mini M」をチェックする
米国 Amazon.comで「MagicX game console」をチェックする
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説
おすすめの類似製品を紹介
MagicX「XU Mini M」に似たゲーム機も販売されています。
「AYANEO POCKET MICRO」
AYANEOから発売された3.5インチの携帯ゲーム機です。Android 13、MediaTek Helio G99、6GB/8GB LPDDR4X メモリ、解像度 960 x 960 px のIPS液晶(3:2)、128GB/256GB ストレージ、2600 mAhバッテリー、microSD 3.0 カードスロット、6軸ジャイロセンサー搭載で、
マスターコントローラー、冷却システム、Google Playストア、アプリの追加、ストリーミングプレイ、ストレージの拡張、AYASpace(フロントエンド)、AYAHome(デスクトップランチャー)、USB 2.0 Type-C(OTG)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2 に対応しています。
価格は、Indiegogoで6GB+128GBモデルで27,822円~(※8GB+256GBモデルは32,227円~)、AliExpressで46,642円(6GB+128GBモデル・8GB+256GBモデルは52,881円)です。
関連記事:高級で超小型「AYANEO POCKET MICRO」とPocket Sの違い
「ANBERNIC RG28XX」
アンバーニックから発売された2.83インチの携帯ゲーム機です。Allwinner H700 プロセッサ、1GB LPDDR4 メモリ、IPS液晶、3100mAh バッテリー搭載で、HDMI映像出力、Hi-Fi スピーカー、振動モーター、Wi-Fi (2.4GHz)に対応しています。
価格は、Amazonで8,999円、ヤフーショッピングで13,014円、AliExpressで7,817円、米国 Amazon.comで$59.99です。
関連記事:超小型「ANBERNIC RG28XX」の使い方と他ゲーム機との比較
「Miyoo Mini A30」
Miyoo Miniから発売された2.8インチの携帯ゲーム機です。Linux (Retro Arch)、Allwinner A33、512 MBメモリ、IPS液晶、2600 mAバッテリー搭載で、26種類以上のエミュレーター、ジョイスティックレバー、振動モーター、Wi-Fi、対戦プレイ、Hi-Fi スピーカー、ファンクションボタンに対応しています。
価格は、Amazonで8,599円(税込)、AliExpressで6,449円(64GB)、米国 Amazon.comで$49.99です。
関連記事:2.8型「Miyoo Mini A30」とライバル ゲーム機を比較する
「TRIMUI SMART」
TRIMUIから発売された2.4インチの携帯 ゲーム機です。ARM 1.5GHz (Allwinner S3)、128MB LPDDR3メモリ、解像度240 x 320 pxのIPS LCD液晶、1200mAhバッテリー搭載で、4秒の高速起動、OTAアップグレード、セーブ機能(9つまで保存可)、スクリーンショット機能、Wi-Fi(2.4GHz)、Bluetoothに対応しています。
価格は、AliExpressで5,572円、米国 Amazon.comで$49.99です。
関連記事:「TRIMUI SMART」実は名機? ミニサイズの携帯ゲーム機と徹底 比較!
新版「ANBERNIC K101 Plus」
ANBERNICから発売されたGBAカートリッジに対応した互換機 兼 エミュレーターゲーム機です。デュアルCPU (AM9+AM7)、32MB SDRAM メモリ、3インチのLCD TFT液晶、TFカードスロット(最大256GB)、6時間駆動できる800 mAhバッテリー、AV出力端子、GBAリンクケーブル ポート、GBA カートリッジ スロット、前面フロントスピーカー搭載で、
GBAゲームROMと完全互換、3つのモード(4:3、3:2、240×160 ドット)、6種類のエミュレーター、対戦プレイ、映像出力、Kカード(TFカードアダプタ)、バックライト(8段階で調整可)に対応しています。
価格は、Amazonで12,999円(税込)、AliExpressで10,619円です。
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他にもANBERNIC のゲーム機が販売されています。2024モデルもあるのでぜひチェックしてみてください。
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