真四角なゲーム機「Powkiddy RGB30」をレビュー。使い方やゲームプレイの様子、画面の見え方、初心者でも使いやすかを検証していきます。
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購入の理由
中華ゲーム機において真四角の画面を持つ携帯ゲーム機が注目され始めており、その性能を調査するためです。
ANBERNICからも真四角な画面を持つ「RG Cube」が発売されるようで、それ以前に発売された「Powkiddy RGB30」の詳細な性能を知る必要が出てきました。
また、2021年に「RGB10 MAX」を購入して以降、長らくPowkiddyの携帯ゲーム機を使ってこなかったこともあり、
「OS」や「ユーザーインターフェース」の使い勝手が分からなくなってしまったこともあります。
最近購入した超小型サイズの「ANBERNIC RG28XX」との違いも気になり、購入するに至りました。
購入したショップ
今回はAliExpressのPowkiddy 公式ストアで購入しました。価格は合計で12,527円です。注文から商品が届くまでに8日かかりました。ファミリーマートを利用したコンビニ決済です。
日本のAmazonで購入した方が圧倒的に早く安全ですが、発売からかなり時間が経っているにもかかわらず価格が14,999円と割高でした。
AliExpressの方が「2472円」も安く購入でき、取り立てて急ぎの注文ではなかったので、海外での購入に踏み切りました。
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説
「Powkiddy RGB30」とは?
アスペクト比1:1の真四角な画面を搭載した4インチのエミュレーター ゲーム機です。
OSはLinuxでRockchip RK3566 プロセッサと1GBメモリ、4100mAhバッテリを搭載しています。
また、ダブルTFスロット、HDMI映像出力、Wi-Fiを利用したストリーミングプレイなど今流行の機能がしっかりと搭載されています。
さらに詳しいスペック情報はこちらの記事にまとめてあるので、気になる方は参考にしてみてください。
「Powkiddy RGB30」画面が斬新? 最新のレトロ携帯ゲーム機と徹底 比較!
開封と付属品
届いた箱がRGB10 MAXよりも小さくて驚きました。製品の写真で見ると、画面が真四角なせいか大きく見えますが、実際は非常にコンパクトなサイズです。
箱には本体の他に、簡易な説明書とUSBケーブルが入っていました。充電器は入っていません。
説明書は小さな紙一枚の簡易なもので、しかも中国語で書かれています。
内容は製品のボタンやポート類の説明、ショートカット、ボタン類の説明、TFカードに入っているOSの説明、充電の説明です。
この中で最も重要なのは最後の「充電の説明」です。
製品は起動できる程度に充電されて発送されますが、最初に少なくても30分ほどに充電する必要があります。
充電中は赤色のライトが付き、充電が完了すると緑色のライトに変わります。
これを知らないと、「製品が起動しない!」と勘違いしてしまいそうです。実際、自分は充電が足りないことに気づかずパニックになりそうでした。
電源ボタンを押しても起動しないのです。しかし、しっかり充電すると、何事もなく起動しました。
※こちらのYouTube動画で開封の様子、本体の外観、OSの起動の様子、メニュー画面をチェックできます。
OSの起動
本体を起動させると、「JELOS」と表示されました。これは「Just Enough Linux」の略でハンドヘルド ゲーム デバイス用のLinux ディストリビューションのことです。
「Powkiddy RGB10 MAX」には搭載されていなかったOSだったので、一瞬「え?!!!」と驚きました。従来のPowkiddy製品(RGB10 MAX)とは全く違う感じです。
ちなみに、「JELOS」の開発プロジェクトはすでに終了されており、Githubの公式ページには代替のOS(RockNix、Batocera、ArkOS、AmberELEC、Lakka)が紹介されていました。
「JELOS」でも十分に遊べるので今のところ不要ですが、慣れてきたらOSを入れ替えて遊ぶのもいいかもしれません。
起動から画面が表示されるには、けっこう時間がかかります。説明書では10秒と書いていましたが、実際にゲームの画面が表示されるまでに30秒かかります。
音量をOFFにする方法
起動時に音量が100%に設定されているらしく、いきなり大音量で音楽が鳴りだしました。
一般的な中華ゲーム機は起動時のメニュー画面で音楽が鳴らない仕様ですが、RGB30はデフォルトで音楽が鳴る仕様です。
しかも、音楽が鳴っている状態で放っておくと、バッテリーがどんどん減ってしまいます。
そこですぐに「スタートボタン」を押して「設定」画面に入り、「サウンド設定」で「システムボリューム」を十字キーで0%に設定しました。
これでメニュー画面で音が鳴らなくなり、バッテリーも減らなくなりました。
※バッテリーを節約したいときには電源ボタンを1回短く押して、画面をOFFにします。画面を再びONにするときにはもう一度電源ボタンを押します。
メニュー画面
起動時のメニュー画面では各エミュレーターと「音楽プレイヤー」、「ツール」、「お気に入り」が表示されます。
「ツール」はファイルマネージャー、バックアップ、および、PPSSPP、RetroArchなどエミュレーターの起動があります。
「お気に入り」は一度プレイしたゲームを登録してすばやくアクセスできるようにするためのものです。
デフォルトで表示されるエミュレーターは以下の41種類です。
- FAMILY COMPUTER
- Nintendo ENTERTAIMENT SYSTEM
- FAMILY COMPUTER DISK SYSTEM
- Game Boy
- SUPER FAMICOM
- SUPER NINTENDO
- VERTUAL BOY
- Nintendo 64
- Game Boy Color
- Game Boy Advance
- Nintendo DS
- 3DO
- SEGA Master System
- SEGA GENESIS
- GAME GEAR
- SEGA MEGA DRIVE
- SEGA 32X
- Dreamcast
- NAOMI
- NEOGEO / NEOGEO POKET / NEOGEO POKET COLOR
- PlayStation
- PSP
- Scumm VM
- easy RPG
- OpenBOR
- MAME
- ARCADE
- FINAL BURN NEO
- ATARI 2600
- Wonder Swan
- Wonder Swan Color
- CAPCOM SYSTEM Ⅰ / CAPCOM SYSTEM Ⅱ / CAPCOM SYSTEM Ⅲ
- PICO-B
- MSX
- PC Engin
- PC Engin CD・ROM
- GAME & WATCH
ゲームを起動
各エミュレーターを選択することで、収録されているゲームにアクセスできます。Aボタンで「決定」、Bボタンで「戻る」です。
ゲームを選択すると、「スタート ニューゲーム」(新しくゲームを始める)、「スタート オートセーブ」(自動保存)の2つが表示され、どちからを選択するとゲームが始まります。
ゲームが始まるまでに多少時間がかかりますが、我慢できる程度です。
基本的には画面が表示された後、「スタートボタン」を押すとゲームが始まりますが、ゲームによっては「セレクトボタン」→「スタートボタン」を押さないとプレイできないものがあります。
ゲームを終了する
ゲームを終了したいときにはセレクトボタン→スタートボタンを2回 連続して押します。この操作方法は「Powkiddy RGB10 MAX」と全く同じです。
収録ゲームタイトルの紹介
最も気になる一部の収録ゲームタイトルを紹介します。TFカードに収録されているゲームは大量にあるので、ここではすべてを紹介できせんが、YouTube動画で順次 公開していく予定です。
PSPゲームの収録ゲーム
PlayStation Portable(プレイステーション・ポータブル)には以下の7つが表示されました。このうち、ゲームは3つ収録されているようです。
- Dissidia-Final Fantasy (US)
- dqls2020
- Dynasty Warriors-Strikeforece (USA)
- Naruto Shippuden-Ultimate Ninja Impact (Europe)
- Pys6CnRip
- SAKI Portable cn
- SSM5SP
ドリームキャストの収録ゲーム
ドリームキャストでは下の5つが表示されました。
- Jet Set Radio (Europe)
- Rez (Europe)
- Sonic Adventure 2 (Europe)
- Grandia 2
- Resident Evi [Vironica B]
- NAOMI
同じくドリームキャスト用のエミュレーターNAOMIは多数のゲームが収録されています。以下、その一部を紹介します。
- amsptk
- andynmt
- bdrdown
- scplike
- cvs2mf
- cvsgd
- demoflist
- doa2m
- fotns
- ggxx / ggxxac / ggxxrL:Reload / ggxxsla:Slash
- ikaruga
- など
※この続きはYouTubeの「Burari Akiba」(秋葉原ぶらりのサブチャンネル)で公開していきます。上のゲーム以外のプレイ動画を観たい人はぜひチェックしてみてください。
ゲームの動作検証
いくつかのゲームをプレイしてきちんと動作するか検証してみました。収録されているゲームの中で最も負荷が高いと思われるのがドリームキャストのゲームです。その他は比較的軽いゲームが収録されています。
ドリームキャスト「サムライスピリッツ」(Naomi)
Naomiエミュレーターの最初に入っていたゲームです。一応起動できるものの、画面に縦じまが入り、遅延が生じます。快適にプレイできるレベルではありませんでした。
ドリームキャスト「ZeroGu2」
Naomiエミュレーターの最後に入っている縦向きのシューティングゲームです。動作は非常に快適でした。ドリームキャストのゲームはそのゲームの負荷によって動作状況が異なるようです。
CAPCOM SYSTEM Ⅱ「ヴァンパイア ハンター」
カプコンの格闘ゲームです。動作は非常に快適でした。スペックが低いと動作が遅くなるゲームですが、全く速度が落ちず、スリル感たっぷりの格闘が楽しめます。
PCエンジン「沙羅曼蛇」
コナミの横向きシューティングゲームです。遅延なく快適にプレイできます。グラフィックもきれいでした。
ゲームボーイアドバンス「メタルスラッグ アドバンス」
SNKの横向きアクションゲームです。非常に快適です。爆発シーンでも遅延が生じませんでした。ゲームボーイアドバンスは他にメトロイド シリーズ、F-ZEROシリーズもプレイしましたが、特に遅延はなく快適でした。
ゲームボーイカラー「R Type DX」
横向きのシューティングゲームです。快適にプレイできましたが、後から動画を見たら動きが少しゆっくりなような気がします。遅延かもしれません。初心者にはプレイしやすいです。
ゲームボーイカラーはナムコのパックマンもプレイしました。非常に快適でこれまでプレイした中で最高に面白かったです。
※ゲームプレイの様子はYouTubeの「Burari Akiba」(秋葉原ぶらりのサブチャンネル)で順次 公開していきます。上のゲーム以外のプレイ動画を観たい人はぜひチェックしてみてください。
Burari Akiba – YouTube
画面の見え方
ディスプレイは4.0インチ(解像度720 x 720 p)xのLCD IPS スクリーンでした。
アスペクト比1:1の真四角な画面と通常の横長の画面の違いが気になっていましたが、実際にプレイしてみると、非常に見やすく感じました。
通常の中華ゲーム機は横長なので、上下の部分が見落とすことがありますが、アスペクト比1:1の真四角な画面なら、その部分もよく見えます。
最初は縦のシューティングゲームで見やすいのかなと思っていましたが、沙羅曼蛇やR-Type-などの横向きのシューティングゲームでも見やすく感じます。
また、同じ4インチでも、SNKのメタルスラッグやニンテンドーのメトロイド シリーズはRGB30の方が断然見やすく感じます。
感覚的にいうと、画面いっぱいに広がるように拡大されたような感じでとても新鮮です。
特に今まであまり楽しいとは思えなかった「ゲームボーイ カラー」のゲームは非常に楽しくなりました。
画面が良く見えるようになったことで、まるで違ったゲームのように感じます。
一方でゲームボーイアドバンスの一部のゲームは画面いっぱいに広がらず、上下に空白ができてしまいます。設定などで変更できるかもしれませんが、デフォルト状態ではあまり楽しさを感じませんでした。
操作性
本体には正面下の両側にジョイスティックレバーが2つ、その上部 両サイドに十字キー、ABXYボタンが配置されています。
また、本体の上部にR1 R2 L1 L2ボタンが配置されています。
気になっていた十字キーの操作性はかなり良かったです。
以前使用していた「Powkiddy RGB10 MAX」よりも深く押せるようになっていて、ストリートファイターなどの波動、昇竜コマンドもスムーズに出せました。
カプコンのヴァンパイア ハンター もプレイしてみましたが、やはり快適で、非常に楽しいです。
動作に遅延などもなく、格闘ゲームはかなり楽しめるのではないかと思います。
バッテリーは長持ちするか?
バッテリー容量は4100mA で約8時間の駆動が可能ということでした。
実際に試してみると、バッテリーの減りが速いです。メニュー画面で音楽が鳴ったり、グラフィカルなユーザーインターフェースを使用しているせいかと思いますが、ちょっと放っておくだけで、みるみるとバッテリーが減っていきます。
何もゲームをプレイしなければ8時間ぐらいもつかもしれませんが、ゲームを連続するのであれば8時間は持たない感じがします。頻繁に充電する手間はかかると思います。
充電について
充電は付属のType-C (5V-2A)ケーブルを利用して行います。利用するポートは本体の下にある「USB」です。OTGと書かれたポートでは充電できないので注意してください。充電時間はたしかに2時間ぐらいかかります。
なお、充電するときには電源を完全にOFFの状態にする必要があります。スタンバイの状態で試してみたところ、全く充電がされていませんでした。電源を一度切ってから再び充電すると、今度はきちんと充電されました。
スピーカーの音質
スピーカーは本体の正面 下の左右に2つ配置されています。音質はかなりいいように思います。
音量も十分な感じで、ごくふつうの10インチのタブレットよりも音が大きい感じがします。音が割れることもないので、今のところ満足しています。
なお、本体の下 中央に3.5mmイヤホンジャックがあります。メニュー画面で音が鳴るなど、少々困ることがあるので、外出先ではイヤホンが必須になると思われます。
実機を使って分かったこと
「Powkiddy RGB30」を使って試したかったことは2つあります。
一つ目は「画面の見やすさ」です。アスペクト比1:1の画面は本当に見やすいといえるのか、気になっていました。
もう一つは「使いやすさ」です。ゲーム機としてシンプルで、初心者にも勧められるものなのかどうかを知りたいと思っていました。
一つ目の画面の見やすさは想像以上の完成度で驚きました。
画面サイズは以前使っていた「Powkiddy RGB10 MAX」と同じくらいのはずでしたが、実際に使うと画面がずっと大きく感じます。
そのせいか、ゲームボーイ カラーのゲームは段違いに面白く感じました。大げさかもしれませんが、約5倍 面白くなって「またプレイしたい!」と思うほどです。
はっきりいってこれまでの中華ゲーム機でゲームボーイ系のゲームはプレイする気にもなりませんでしたが、RGB30を使って初めてその「楽しさ」を知りました。
二つ目の「使いやすさ」に関しては大きな疑問を感じました。
搭載されているOS「JELOS」はたしかに使いやすい面もありますが、どちらかというと玄人向けで、初めて中華ゲーム機を使うという人には難しすぎます。
2.8型「ANBERNIC RG28XX」は本体の上にメニューボタンがあって、困ったらそれを押してホーム画面に戻ってこられましたが、RGB30の場合はそうはいきません。
ゲームを途中でやめたいときもセレクトボタン+スタートボタンを同時に2回押さなければならず、それがけっこう面倒です。
メニュー画面で音楽が鳴り、それを設定からいちいちOFFにする必要もあり、UIの操作性に疑問を感じざるを得ない点が多々あります。
もちろん、すでに中華ゲーム機を複数持っていて、操作に慣れている人は別です。そういう人ならOSを入れ替えたり、ストリーミングプレイをしたりと高度な遊び方も簡単にできるはずです。
問題は初心者で、このゲーム機の問題点を知らずに購入すると、痛い目に合うのではないかと思います。
特にYoutube動画で「面白いやつ!」、「虜になる!」などと誇張された宣伝を鵜呑みにした人は、中華ゲーム機 独特の使い勝手に大きな戸惑いを感じることでしょう。
しかしながら、それを差し引いてもRGB30が非常に優れた携帯ゲーム機であることに変わりはありません。
従来の横長であることが当たり前だった中華ゲーム機において、「真四角」という斬新な画面が持つ魅力を十分に伝えたのはRGB30が初めてだったのではないでしょうか?
そしてその勢いは単一のゲーム機にとどまらず、今 新しい流行を作り出しつつあります。
これから「ANBERNIC RG Cube」など真四角な画面を持つ携帯ゲーム機が発売されていきますが、RGB30はそのライバル機としてこれからも多くの人に愛用され続けていくと思います。
価格・販売先
Amazonで14,999円 (税込・16GB+64GB)、
ヤフーショッピングで14,478円(送料無料)、
AliExpressで$77.21 (日本円で約11818円)、
Powkiddy公式ストアで11,704円(送料無料)、
米国 Amazon.comで$99.99、
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