先日、レトロゲーム愛好家の間で大きな注目を集めている携帯ゲーム機、「ANBERNIC RG35XXSP」をAmazonで購入しました 。以前からその評判は耳にしており、特にゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせるクラムシェルデザインには強い関心を寄せていました。
実機ANBERNIC RG35XXSPを手にして感じたこと
実際に手元に届き、じっくりと様々なゲームをプレイし、各機能を試してみることで、ANBERNIC RG35XXSPが単なるノスタルジーを刺激するだけの製品ではなく、現代の技術で丁寧に作り込まれた、非常に完成度の高い携帯ゲーム機であることを改めて実感しました。細部にまでこだわりが感じられ、予想を上回る快適な使用感に、正直なところ驚かされています。
この記事でANBERNIC RG35XXSPを徹底レビュー!
この記事では、そんなANBERNIC RG35XXSPを私が実際に多角的に使用してみて心から「良い!」と感じた魅力、細かな部分で「なるほど」と気が付いた点、そして時には「ここは少し注意が必要かも?」と思ったことまで、デザインの美しさ、手に馴染む操作性、気になるパフォーマンス、バッテリーの持続力、さらにはゲーム以外の多彩な機能に至るまで、あらゆる面から徹底的にレビューし、その実力を明らかにしていきます。
【この記事で分かること】
- ANBERNIC RG35XXSPのパッケージ内容と、開封時の第一印象
- ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせる外観デザインと、その質感、携帯性
- 3.5インチIPSディスプレイの表示品質、視野角、レトロゲームとの相性
- 十字キーや各ボタンの操作感、格闘ゲームなどでの入力精度
- Allwinner H700 SoCのCPU・GPU性能、搭載メモリと全体的な処理能力の目安
- PSPやドリームキャストといった、比較的処理負荷の高いゲームが実際にどの程度動作するのかの検証結果
- 搭載されているエミュレーターの種類と、初期収録ゲームに関する情報(およびその取り扱いに関する重要な注意点)
- 3300mAhバッテリーの実際の持続時間、充電に関する仕様、省電力機能について
- 音楽・動画再生といったマルチメディア機能、HDMIによる外部映像出力、コントローラー接続、Wi-FiやMoonlightストリーミングといった拡張機能
- 製品の詳細なスペック一覧
- 日本国内外での販売価格と主な購入先の情報
- 筆者が実際に使って感じた総合的な評価と、購入を検討する上でのメリット・デメリット
この記事を最後まで読むことで、ANBERNIC RG35XXSPが本当に「買い」の一台なのかどうか、その判断に必要な具体的な情報や、購入の後押しとなるようなポイントがきっと見つかるはずです。
購入を迷われている方はもちろん、既に本機に強い興味をお持ちの方も、ぜひ本レビュー記事を参考にしていただければ幸いです。
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開封の儀と心に響くデザイン:ANBERNIC RG35XXSPとの初対面
ここでは、ANBERNIC RG35XXSPが手元に届いた瞬間の感動から、その魅力的な外観とデザインの細部に至るまでを、実際に触れた感想を交えながら詳しくレビューしていきます。レトロゲームファンならずとも、この小さな宝石箱のような一台にきっと心を奪われるはずです。
ドキドキの開封体験:付属品と第一印象
注文してから心待ちにしていたANBERNIC RG35XXSPがついに我が家へ到着しました。SNSなどでは「梱包がやや簡素だった」という声も見受けられましたが 、私の手元に届いたものは、製品イラストが銀色に縁取られたしっかりとした化粧箱で、開ける前から期待感を高めてくれるものでした 。この第一印象は、製品へのこだわりを感じさせ、幸先の良いスタートと言えるでしょう。
箱を開けると、RG35XXSP本体、充電用のUSB Type-Cケーブル、そして嬉しいことにスクリーンプロテクターと液晶クリーナー、ユーザーマニュアル(英語・中国語表記)が丁寧に収められていました 。特にスクリーンプロテクターが最初から付属しているのは、画面を大切にしたいユーザーにとっては非常にありがたい配慮です 。ただし、ACアダプター自体は同梱されていないため、手持ちのUSB充電器を使用するか、別途用意する必要があります。ケーブルがType-Cなのは現代的で良いですね。
ユーザーマニュアル(説明書)は英語と中国語で記載されており、メインインターフェイスの操作、各ボタンやポートの役割、ゲームの追加方法、一般設定やゲーム設定、さらにはエミュレーター使用時の便利なショートカットキー(例:メニュー+R2で早送り、メニュー+L1で状態ロードなど)に至るまで、説明されています。特に「オンラインプレイ」に関する項目は、私が以前使用感を確かめたWi-Fi非対応のANBERNIC RG28XXのマニュアルには見られなかった点で、本機のネットワーク機能への期待が膨らみます。
手に馴染む、懐かしくも新しいフォルム
本体を手に取ると、まずそのゲームボーイアドバンスSP(GBA SP)を彷彿とさせる折りたたみデザインに、思わず笑みがこぼれます 。あの頃、夢中になって遊んだ記憶が鮮やかに蘇るようです。大きさは幅89mm×奥行85mm×高さ27mm、重さは実測で約196gと、オリジナルのGBA SP(幅84.6mm×奥行82mm×高さ24.3mm、重さ143g)と比較すると一回り大きいのですが 、このサイズ感が現代のホールド感としてはむしろ絶妙で、しっかりと手に馴染む印象を受けました。プラスチック筐体ではありますが、安っぽさはなく、きしみや歪みも感じられないしっかりとした剛性感があります 。
私が選んだのは、ANBERNIC製品としてRG35XXSPで初登場となったシルバーモデルです 。このシルバーは、かつてのゲームボーイアドバンスSPのオリジナルカラーを彷彿とさせ、個人的に非常に気に入っています 。発売当初のカラーラインナップはシルバーやグレーなどが中心でしたが 、
その後クリアブラック、クリアブルー 、さらにはクリアホワイト、クリアレッド、クリアグリーンといった、中の基板がうっすらと透けて見える魅力的なクリアカラーのバリエーションも順次追加で登場し、選択の幅が広がりました 。これらのクリアモデルはガジェット好きの心をくすぐるデザインと言えるでしょう。本体表面はサラサラとしたシボ加工が施されており、長時間プレイしても指紋が付きにくいのは嬉しいポイントです 。
細部へのこだわりと洗練されたインターフェース
このRG35XXSPで特に感心したのは、ヒンジの作り込みです。ヌルっとした感触でスムーズに開閉でき、パタッと閉まるその感触は、まさにGBA SPのそれと瓜二つです 。メーカーによれば、GBA SP実機の構造を参考にして設計されたとのことで、単なる模倣ではないリスペクトが感じられます。
開閉時には内蔵されたマグネットとホールスイッチによって、スリープ状態と復帰が自動で行われるため、遊びたい時にサッと取り出してすぐにゲームを再開できるのは非常にスマートです 。画面を開いた際の角度も、GBA SPに近い自然な位置で固定されますが、レビューによっては最大開度に若干の個体差がある可能性も示唆されていました 。
本体上部には、充電及びOTG(On-The-Go)機能に対応したUSB Type-Cポートと、外部ディスプレイへ出力するためのminiHDMIポート、そしてL1/L2/R1/R2のショルダーボタンが整然と配置されています 。L2/R2ボタンはL1/R1ボタンよりも少し高さが変えられており、指先での識別がしやすく、押し間違いを防ぐための細やかな配慮が嬉しいです 。
本体下部には、最近では珍しくなった3.5mmイヤホンジャックと、システム用(TF1)とゲームデータ保存用(TF2)として活用できる2つのmicroSDカードスロットが備わっています 。これにより、システムとゲームデータを分けて管理できるため、非常に柔軟な使い方が可能です。
本体右側面には電源ボタンとリセットボタンが、左側面には音量調整ボタンが、それぞれ本体と一体化するようにフラットに配置されており、カバンの中で誤って押してしまうような心配も少なそうです 。そして、デバイスの顔とも言える正面には、操作性の良い十字キー、ABXYボタン、スタート・セレクトボタンに加え、中央上部にはメニューボタンとモノラルスピーカーがレイアウトされています 。
このスピーカーの位置もまた、GBA SPを強く意識したものであり、開発者のこだわりを感じさせますね 。
まとめ:開封、デザインと外観
- パッケージ: 所有欲を満たすしっかりとした作りで、開封前から期待が高まる 。
- 付属品: 本体、USB Type-Cケーブル、説明書、画面保護フィルムとクリーナーが同梱され 、すぐに使い始められる配慮が嬉しいものの、充電器は別途必要。
- 説明書: Wi-Fi非対応のANBERNIC RG28XXにはなかったオンラインプレイの項目が追加されており、機能進化が伺える。
- デザイン: ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせる懐かしい折りたたみデザインと 、オリジナルのGBA SPより一回り大きく現代的な持ちやすさを両立した絶妙なサイズ感 。
- 本体カラー: RG35XXSPで初登場したシルバーや 、後に追加されたクリアカラーなど 、個性を表現できる魅力的なバリエーション。指紋が付きにくい実用的なサラサラとした表面加工も魅力 。
- ヒンジ機構: GBA SPに近いスムーズな開閉感触と 、便利な画面開閉による自動スリープ・復帰機能 。
- インターフェース: USB Type-C、miniHDMI出力、デュアルmicroSDカードスロット、3.5mmイヤホンジャックといった、必要十分かつ豊富な端子類を搭載 。
- 細部設計: ボタンやスピーカーの配置に至るまで 、GBA SPへのリスペクトが感じられる細やかなデザイン。
ディスプレイ:RG35XXSPの3.5インチIPS液晶が生む鮮やかさと見やすさ
ここでは、ANBERNIC RG35XXSPの顔とも言える3.5インチIPSディスプレイに焦点を当て、その表示品質やレトロゲームとの相性、そして私が実際にゲームをプレイして感じた感動をお伝えします。このディスプレイは、ただゲームを映し出すだけでなく、かつての思い出をより鮮やかに、そして新たな発見と共に再体験させてくれる素晴らしい窓となるでしょう。
基本スペックと第一印象:クリアな映像世界への入り口
RG35XXSPのディスプレイは、3.5インチのIPS液晶で、解像度は640×480ピクセルです 。このスペックは、特にレトロゲームを美しく表示する上で非常にバランスが取れていると感じます。画面のアスペクト比は4:3ですが 、GBA SPを彷彿とさせる本体デザインと相まって、手に持つと心地よい正方形に近い印象を受けます。IPSパネルのおかげで視野角も非常に広く、少し斜めから覗き込んでも色味の変化が少なく、快適なプレイが可能です 。
注目すべきは、フルラミネーション加工(OCA全密着)が施されている点です 。これにより、画面のカバーガラスと液晶パネル間の空気層がなくなり、外光の反射が効果的に抑えられ、黒がより深く引き締まって見えます。結果として、非常にクリアでコントラストの高い映像を楽しめます。
私が以前使用したANBERNIC RG28XXのディスプレイも発色の良さに驚かされましたが、本機RG35XXSPも同様に、あるいはそれ以上に鮮やかな色彩表現力を持っており、長年親しんだゲームボーイのドット絵や、プレイステーション初期のポリゴンキャラクターたちが、まるで初めて出会ったかのような新鮮さで目に飛び込んできます。
明るさに関しては、あるレビューでは実測で最大248nitという数値が報告されており 、これは室内でプレイするには十分なレベルです。ANBERNICの他モデルと比較すると、RG35XX( 2024)よりは少し控えめであるものの、RG28XXよりは明るいという評価もあります 。
正直なところ、一部のレビューでは、画面と本体シェル(筐体)の間にわずかな隙間が見受けられるなど、組み立て精度について少し気になる点が指摘されていました 。また、構造上、付属の保護フィルムがやや貼りにくいと感じる可能性も示唆されていましたが 、私の個体では特に大きな問題はなく、それを補って余りある表示品質に満足しています。
レトロゲームとの相性:蘇る感動と新たな発見
このRG35XXSPのディスプレイで実際に様々なレトロゲームを起動してみると、その恩恵をはっきりと感じ取ることができます。640×480という解像度は、3.5インチの画面サイズにおいては非常に高精細(あるレビューによれば229PPI )で、ドットの一つ一つが潰れることなくシャープに表示されます。これにより、ブラウン管テレビや当時の携帯ゲーム機の液晶では曖昧だったキャラクターの細かな表情や、背景の作り込みまでくっきりと視認でき、開発者の意図した映像表現をより深く味わうことができます。
特にゲームボーイ、ネオジオポケット、ゲームギア、ワンダースワンといった往年の携帯ゲーム機との相性は抜群だと感じました。これらのゲームは、オリジナルの画面比率で表示してもRG35XXSPの3.5インチ画面を有効に活用でき、かつての小さな液晶や横長の画面でプレイするよりも格段に見やすくなります。
以前、別の機種であるPowkiddy RGB30の正方形に近い画面で感じたように、ゲーム画面の上下がしっかりと表示されることで、今まで意識していなかったスコア表示やUIの配置、さらにはゲーム内の背景情報に気づかされることがあり、まるで全く新しいゲームを遊んでいるかのような新鮮な驚きがありました。
正直、「こんなにもゲーム体験が変わるものなのか!」と、RG35XXSPのディスプレイ性能には良い意味で裏切られました。これまで、ゲームボーイやネオジオポケットなどのモノクロや低解像度のゲームは、コレクションとして所有していても積極的にプレイする機会は少なかったのですが、この見やすいディスプレイで触れてみて、その面白さ、奥深さを再発見しました。
例えば、プレイステーションの『俺の屍を越えてゆけ』のような文字情報が多いRPGや、『デュープリズム』のようなアクションRPGも、くっきりとした文字と鮮やかなグラフィックのおかげで、物語にも戦闘にもより一層没入できています 。このディスプレイのおかげで、長年積んでいたレトロゲームたちを改めて遊び尽くしたいという、強い意欲が湧き上がってきました。
まとめ:ディスプレイ
- 画面スペック: 3.5インチ、640×480ピクセルのIPS液晶を搭載し 、レトロゲームに最適化された鮮明な表示を実現。
- 表示品質: フルラミネーション(OCA)加工によりクリアな映像を提供し 、広視野角と豊かな発色で、慣れ親しんだゲームも新鮮な感動と共に楽しめる。
- 明るさ・比較: 屋内でのプレイには十分な輝度(あるレビューでは実測最大248nit )を持ち、ANBERNIC RG35XX 2024よりやや劣るものの、RG28XXよりは明るいとの評価もある 。
- レトロゲームとの相性: 4:3のアスペクト比は多くのレトロゲームに最適で、特にゲームボーイ、ネオジオポケット、ゲームギア、ワンダースワンといった携帯機のタイトルが、オリジナル実機よりも格段に見やすくなる。
- 新たなゲーム体験: Powkiddy RGB30で感じられたように、画面の上下部分がしっかりと見えることで、これまで気づかなかったゲーム内の情報に触れることができ、プレイ意欲を大いに刺激する。
- 気になる点: 一部のレビューでは、画面と本体シェルの間にわずかな隙間が見られるなど、組み立て精度に改善の余地を感じる場合があるとの指摘や 、構造的に保護フィルムが貼りにくいと感じる可能性も示唆されている 。
操作性レビュー:RG35XXSPの指先に伝わる確かな感触
ここでは、ANBERNIC RG35XXSPを実際に手に取り、様々なゲームをプレイして感じた操作性について、詳しく掘り下げていきます。特に十字キーや各ボタンの感触、そしてそれがどのようにゲーム体験を高めてくれるのか、私の率直な感想をお届けします。この一台は、ただ懐かしいだけでなく、現代の技術で磨き上げられた快適な操作感で、私たちを再びあの頃の興奮へと誘ってくれます。
基本レイアウトとボタンの質感:レトロゲームへの最適解
RG35XXSPの操作は、ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせるお馴染みの十字キーとABXYボタン、そして上部に配置されたL1/L2、R1/R2ショルダーボタンで行います 。アナログスティックは搭載されていませんが 、これは主に2Dグラフィックが中心だった時代のレトロゲームをメインターゲットに据えている本機の設計思想の表れでしょう。
そのため、3Dのレースゲームなど、アナログスティックによる繊細な操作が求められるタイトルでは少々不便を感じる場面もありましたが、多くのクラシックゲームにおいては、この潔いボタン構成が逆に操作への集中力を高めてくれます。
ABXYボタンは直径7.6mm、ストローク(押し込みの深さ)1mmと、ANBERNIC製品の標準的な仕様に近いしっかりとした感触です 。ボタンの側面が使用中に摩耗したり、押す角度によって引っかかるような安っぽさもありません 。ただし、ボタンを押した際の「カチカチ」という操作音は、特にABXYボタンや、一部レビューによればスタート、セレクト、メニューボタンでやや大きめに感じられるかもしれません 。静かな場所でのプレイを重視する方は、この点を少し意識しておくと良いでしょう。
十字キーの精度:格闘ゲームも思いのままに
RG35XXSPの操作性で特に声を大にしてお伝えしたいのが、十字キーの卓越したパフォーマンスです。これがもう、驚くほど指に馴染み、非常に正確な入力が可能です。試しにカプコンのアーケードゲームが動作するエミュレーターで、往年の名作対戦格闘ゲーム『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』をプレイしてみたのですが、波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚といったコマンド技が、面白いようにビシバシと決まりました。特に斜め方向の入力もスムーズで、キャラクターが意のままに動く感覚は、格闘ゲームを心ゆくまで楽しむ上でこの上ない喜びです。
他のユーザーレビューの中には、十字キーの感触について「メンブレン方式で、他のANBERNIC製品に比べて少しグニャっとした押し心地だが硬め」といった評価や 、「昇龍拳のような複雑なコマンドが入りにくい」といった声も散見されましたが 、幸い私の手元にある個体ではそのような問題は感じられず、むしろその入力精度の高さに感心しきりでした。
SNKの看板タイトルである『THE KING OF FIGHTERS ’98』でも、コンボや超必殺技のコマンドが気持ちよく繋がり、これまでに私が触れてきた多くの中華ゲーム機の中でも、間違いなくトップクラスの操作性を実現していると断言できます。
ショルダーボタンと全体のホールド感:安定したプレイを支える設計
本体上部に配置されたL1/R1、そしてL2/R2のショルダーボタンも、しっかりとした確かな押し心地で、安っぽさを微塵も感じさせません。特にL2/R2ボタンは、L1/R1ボタンよりも少しだけ高く設計されており、指先での識別がしやすく、押し間違いを防ぐための細やかな配慮が見て取れます 。
私が以前使用したことのあるANBERNIC RG28XXやPowkiddy RGB30のショルダーボタンは、どこか頼りない感触が否めなかったのですが、RG35XXSPのものは剛性感があり、アクションゲームなどで力を込めて操作する際にも安心して使用できます。
RG35XXSPは、オリジナルのゲームボーイアドバンスSPと比較して一回り大きく、また厚みも増しています 。このサイズ感が、意外にも安定したホールド感に繋がり、長時間のプレイでも疲れにくいという印象を受けました 。特に手が大きめの方にとっては、窮屈さを感じることなく自然な体勢で操作に集中できるでしょう 。
アナログスティックは非搭載ですが、システム側で十字キーを左アナログスティックとして認識させる疑似アナログ操作機能も用意されているため 、一部のゲームでは活用できるかもしれません。しかし、やはり本機の真価は、十字キーとボタン操作が主体のレトロゲームでこそ、最大限に発揮されると言えるでしょう。
まとめ:操作性
- 基本操作系: 十字キー、ABXYボタン、L1/L2/R1/R2ショルダーボタンで主に操作し、アナログスティックは非搭載 。
- 十字キー: 個人的な体験として非常に押しやすく、格闘ゲームのコマンド入力も高精度に決まる。ただし、他のレビューでは感触について異なる意見(硬め、特定のコマンドが入りにくいなど)も見られる 。
- ABXYボタン: サイズ7.6mm、ストローク1mmでANBERNICの標準に近いしっかりとした感触を持つ 。一方で、操作音はやや大きめであるとの指摘も複数のレビューで見られる 。
- ショルダーボタン: L1/L2/R1/R2は確かな押し心地で、L2/R2ボタンはL1/R1より少し高く設計され押し分けやすい 。過去に使用したRG28XXやPowkiddy RGB30のボタンと比較してチープさを感じない。
- 快適性・ホールド感: オリジナルのGBA SPより厚みと大きさがあるものの、これが結果的に安定したホールド感に寄与し、長時間のプレイでも疲れにくい印象 。
- アナログ操作への対応: アナログスティックは搭載していないが、一部のシステムでは十字キーによる疑似アナログ操作に対応している 。
パフォーマンス解剖 (CPU・GPU・RAM):RG35XXSPに宿る確かな力
ここでは、ANBERNIC RG35XXSPの滑らかな動作を支える心臓部、Allwinner H700 SoCのCPU性能、GPU性能、そして搭載メモリ(RAM)について詳しく見ていきます。このセクションでは、具体的なゲームの動作検証やエミュレーターの詳細には触れず、純粋にハードウェアが持つ基本的なポテンシャルと、それがどのようなレトロゲーム体験に繋がるのかを考察します。
SoCとCPU:レトロ体験を支える頭脳
ANBERNIC RG35XXSPの頭脳として搭載されているのは、エントリークラスの携帯ゲーム機で採用実績のあるAllwinner H700というSoC(System on a Chip)です。このH700は、1.5GHzで動作するクアッドコアのARM Cortex-A53 CPUを内蔵しています 。この構成は、特に消費電力と処理性能のバランスに優れており、バッテリー持ちも重視される携帯型レトロゲーム機には、まさにうってつけの選択と言えるでしょう。
実際に、ANBERNICのRG35XX PlusやRG35XX Hといった兄弟機にも採用されており 、これらのモデルが登場する以前の、例えばオリジナルのRG35XXが搭載していたSoCと比較して、より幅広いゲームへの対応が期待できる着実な進化を遂げています。
このARM Cortex-A53というCPUは、非常に効率的な処理能力で知られており、RG35XXSP上で動作するLinuxベースの独自OSや、様々なゲーム機を再現するエミュレーターを軽快に動かすための基礎体力を提供してくれます 。複雑な処理を瞬時に行うというよりは、安定してレトロゲームの世界に没入させてくれる、縁の下の力持ちのような存在です。
GPUとRAM:映像と快適さを司る力
グラフィック処理を担当するのは、デュアルコアのMali-G31 MP2 GPUです 。このGPUの能力は、私たちが愛したドット絵の2Dグラフィックを鮮やかに再現するのはもちろんのこと、プレイステーション1世代くらいまでの初期の3Dグラフィック描画にも対応しています 。
これにより、カクカクとしたポリゴンキャラクターが織りなす懐かしのゲームシーンも、当時の雰囲気を損なうことなく、しかしよりクリアな画面で楽しむためのグラフィック処理が期待できるのです。
そして、これらの処理を支えるメモリ(RAM)は、LPDDR4規格のものが1GB搭載されています 。最近の高性能スマートフォンなどと比較すると控えめな容量に思えるかもしれませんが、RG35XXSPが動作させる軽量なLinuxベースのシステムや、特定のゲーム機の動作に最適化されたエミュレーターにとっては十分な量と言えます。
多くのアプリケーションを同時に立ち上げてマルチタスクを行うというよりは、一つのゲーム、一つのエミュレーターを安定して、そして快適に動作させることに特化した、割り切りの良い構成です。
パフォーマンスの目安:期待できる範囲と限界
このAllwinner H700プロセッサの総合的な性能を測る指標として、提供された資料によれば、Antutuベンチマーク(V10換算)で約12万点前後、旧バージョンでは約7万点というスコアが示されています。この数値は、例えばより高性能なスマートフォンに搭載されるUnisoc T820(Antutu V10で約45万点)などと比較すると、確かに大きな差があります。
このことからも、RG35XXSPが最新のグラフィックを駆使した3Dゲームを快適にプレイするためのパワーは持ち合わせていないことは明らかです。しかし、それは本機の設計思想やターゲットユーザーとは異なる領域の話と言えるでしょう。
RG35XXSPのこのパフォーマンスは、私たちが青春時代に時間を忘れて夢中になった、例えばプレイステーション1やネオジオ、PCエンジンといったゲームたちを快適に楽しむためには十分以上のものです。これらのゲームを美しいディスプレイで、サクサクと遊べるというだけでも、このデバイスの価値は計り知れません。
一方で、ニンテンドー64やドリームキャスト、PSPといった、よりマシンパワーを要求する比較的新しい世代のシステムに関しては、タイトルによっては動作のもたつきやフレームレートの低下、音声の遅延などが発生する可能性も示唆されています。この「得意なこと」と「少し苦手なこと」を理解しておくことが、RG35XXSPという魅力的な一台を最大限に楽しむための鍵となるでしょう。
まとめ:パフォーマンス
- SoC: エントリークラスの携帯ゲーム機向けに設計されたAllwinner H700を搭載しています。これは、オリジナルのRG35XXが搭載していたSoCから着実に進化したもので、ANBERNICのRG35XX PlusやRG35XX Hといったモデルにも採用されています 。
- CPU: 1.5GHzで動作するクアッドコア ARM Cortex-A53を搭載しており 、効率的な処理能力でOSやエミュレーターの軽快な動作を支えます。
- GPU: デュアルコア Mali-G31 MP2を搭載し 、ターゲットとするレトロゲームの2Dグラフィックはもちろん、プレイステーション1世代の3Dグラフィック描画までをサポートします 。
- RAM: LPDDR4規格のメモリを1GB搭載しています 。RG35XXSPの軽量なOSと各エミュレーターを安定して動作させるには十分な容量です。
- 性能指標: AntutuベンチマークのスコアはV10換算で約12万点前後、旧バージョンで約7万点とされており、これによりプレイステーション1やそれ以前の世代のゲームについては快適なパフォーマンスが期待できます。
- 性能の限界点: ニンテンドー64、ドリームキャスト、PSPといった、より高い処理能力を要求するシステムのゲームでは、タイトルによって動作遅延の可能性が指摘されています。より高性能なUnisoc T820などのSoCと比較すると、処理能力には大きな差があります。
ゲーム動作検証レポート (PSP & Dreamcast編):RG35XXSP 実機プレイで探る実力
ここでは、ANBERNIC RG35XXSPが備えるAllwinner H700プロセッサの真価を探るべく、特に処理負荷が高いとされるPSPとドリームキャスト(Naomi基板含む)のゲームタイトルを実際にプレイし、その動作状況を検証してみました。エミュレーターの細かな設定には深入りせず、あくまで「素の状態でどこまで遊べるのか」という視点からの率直な感想をお届けします。この小さなボディで、どこまであの頃のゲーム体験に迫れるのでしょうか。
PSPタイトルの挑戦:限界と可能性
まずは、携帯ゲーム機でありながら比較的グラフィックがリッチなゲームが多く、中華ゲーム機にとっては一つのハードルとなることが多いPSPのタイトルから検証を始めました。RG35XXSPでどこまで快適に、そして楽しく遊べるのか、期待と少しの不安を胸にいくつかの代表的なソフトを試してみました。
鉄拳6
例えば、バンダイナムコエンターテインメントの看板3D格闘ゲームの一つである『鉄拳6』ですが、こちらはRG35XXSPにとってはかなり厳しい戦いとなりました 。ゲーム自体は起動し、キャラクターも表示されるものの、動作が全体的にスローモーで、本来の目まぐるしい攻防のスピード感からは程遠い印象です 。設定を詰めることで多少は改善する余地があるのかもしれませんが、快適な対戦を楽しむのは難しいと感じました 。やはり3D格闘ゲームの中でも特に処理負荷が高い部類に入るこのタイトルは、RG35XXSPの性能では少々荷が重かったようです 。
リッジレーサーズ
次に、同じくナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)の爽快なレースゲーム『リッジレーサーズ』を試してみました。こちらもプレイステーションポータブルの美麗なグラフィックは綺麗に表示され、ゲームを遊ぶこと自体は可能でした 。しかし、レースの途中で時折カクつきや動作の遅延が見受けられ、常にスムーズなドライブとはいきませんでした 。また、RG35XXSPにはアナログスティックが搭載されていないため、繊細なステアリング操作が求められるこのゲームでは、十字キーだけでは少々操作の難しさを感じたのも事実です 。
メタルスラッグXX
一方で、SNKの傑作2Dアクションシューティング『メタルスラッグXX』は、RG35XXSPで非常に快適に楽しむことができました 。このゲームは比較的処理が軽いこともあり、プレイ中に遅延を感じることは一切なく、終始スムーズなアクションを堪能できました 。緻密に描き込まれたドット絵のグラフィックも忠実に再現されており、爆発のエフェクトやキャラクターのコミカルな動きなど、ゲームの面白さを存分に味わうことができました 。やはり、こうした2Dベースのタイトルとの相性は抜群のようです 。
ドリームキャスト/Naomiタイトルの実力:意外な快適さ
続いて、セガのドリームキャスト及び互換アーケード基板Naomiでリリースされたタイトルに挑戦です。これらのプラットフォームも、PSP同様にそれなりのマシンパワーがなければ快適な動作が難しいとされています。
マーヴル VS. カプコン 2 ニューエイジ オブ ヒーローズ
まずは、カプコン開発の派手な空中戦が魅力の対戦格闘ゲーム『マーヴル VS. カプコン 2 ニューエイジ オブ ヒーローズ』です。こちらは驚くほどスムーズに動作し、私が普段慣れ親しんでいるストリートファイターシリーズのようなコマンド入力も全く問題なく行え、波動拳や昇竜拳といった必殺技も思い通りに繰り出すことができました 。キャラクターが入り乱れる派手な演出の中でもグラフィックの乱れはほとんどなく、遅延も感じられなかったため、非常に快適なプレイフィールでした 。
ギガウィング2
同じくNaomi基板から、タクミコーポレーション開発の弾幕系縦スクロールシューティングの傑作『ギガウィング2』もプレイしてみました。画面を埋め尽くすほどの敵弾や、ド派手な爆発エフェクトが特徴的なゲームですが、意外にも処理落ちすることなくスムーズに動作しました 。初めて本格的にプレイするタイトルでしたが、その圧倒的な迫力とRG35XXSPの快適な動作に引き込まれ、ついつい時間を忘れて熱中してしまいました 。これは嬉しい誤算であり、シューティングゲームファンには朗報と言えるでしょう。
MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B2
さらに、TYPE-MOON原作、エコールソフトウェア開発のNaomiの2D対戦格闘ゲーム『MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B2』(オリジナルはPC)も試しましたが、こちらもキャラクターの滑らかな動きや華麗なエフェクトが忠実に再生され、グラフィックの乱れもなく非常に綺麗でした 。入力に対する反応も良く、遅延も感じられなかったため、快適な対戦が楽しめました 。ドリームキャストやNaomiの2D系タイトルに関しては、RG35XXSPはかなりの実力と適性を持っていると言えそうです。
その他のゲーム検証はYouTube動画で!
これら以外にも多数のゲームタイトルを検証しましたが、その詳細な動作状況については、YouTubeの「Burari Akiba」(秋葉原ぶらりのサブチャンネル)で公開していきます。上のゲーム以外のプレイ動画を見たい人はぜひチェックしてみてください。
ここでは代表的なタイトルの動作状況を通して、RG35XXSPのポテンシャルの一端をお伝えしました。
まとめ:ゲーム動作の検証
検証プラットフォーム: 特に処理負荷が高いとされるPSPおよびドリームキャスト(Naomi基板含む)の特定タイトルで動作検証を実施しました 。
- PSP『鉄拳6』: 3D格闘ゲームの中でも負荷が高いタイトルで、RG35XXSPではプレイ可能であるものの動作が遅く、本来のスピード感は得られませんでした 。快適なプレイは難しいという印象です 。
- PSP『リッジレーサーズ』: グラフィックは綺麗に表示されるものの、レース中に遅延が生じることがありました 。また、アナログスティック非搭載のため、十字キーでの操作には慣れが必要でした 。
- PSP『メタルスラッグXX』: 2Dアクションシューティングで、比較的処理が軽いため遅延なくスムーズに動作し、グラフィックも問題なく楽しめました 。
- DC/Naomi『マーヴル VS. カプコン 2』: 2D対戦格闘ゲームで、驚くほどスムーズに動作し、コマンド入力も快適でした 。遅延やグラフィックの乱れも感じられませんでした 。
- DC/Naomi『ギガウィング2』: 弾幕系縦スクロールシューティングで、派手なエフェクトが多いにも関わらず処理落ちなくスムーズに動作しました 。
- DC/Naomi『MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B2』: 2D対戦格闘ゲームで、キャラクターの動きやエフェクトが滑らかに再生され、グラフィックの乱れもなく快適なプレイが可能でした
エミュレーターと収録ゲーム:RG35XXSPの時を超える遊びの宝庫
ANBERNIC RG35XXSPの大きな魅力の一つは、多彩なレトロゲームを一台で楽しめるエミュレーション機能です。ここでは、どのようなゲーム機のエミュレーターが搭載されているのか、そして私が手にした個体には初期状態でどのようなゲームタイトルに触れることができたのかを、詳しくご紹介します。
ただし、ゲームROMの取り扱いについては、法的な側面や倫理的な観点を十分に理解した上で、ユーザー自身が適切に対応することが何よりも重要である点を、まず強調させていただきます。
選べるアクセス方法:ゲームルームとRAゲーム
RG35XXSPでは、主に二つの異なるインターフェースを通じて、搭載されている多数のエミュレーターにアクセスすることができます。一つは、初心者にも分かりやすくシンプルな「ゲームルーム」というランチャーです 。そしてもう一つが、より多機能でカスタマイズ性に優れた「RAゲーム」(RetroArchをベースにしたもの)です 。
どちらを選ぶかによって、利用できるエミュレーターの種類や設定の自由度が異なり、一部エミュレーターの動作や対応状況にも違いが見られることがあります 。私自身は、より多くのシステムに対応し、細かい調整も可能な「RAゲーム」のインターフェースを主に活用しています 。
ゲームルーム
「ゲームルーム」からアクセスできるエミュレーターは、主要なレトロゲーム機が網羅されており、手軽に往年の名作を遊びたい場合に非常に便利です。具体的には、プレイステーション1(PS1)、アーケード(Vertical Arcade, CPS1, CPS2, CPS3, NEOGEO, FBneo, MAME)、ゲームボーイアドバンス(GBA)、
ファミリーコンピュータ(NES)、スーパーファミコン(SENES)、セガ・マスターシステム(SMS)、メガドライブ(MD)、スーパー32X(SEGA32X)、ゲームボーイカラー(GBC)、ゲームボーイ(GB)、PCエンジン(PCE)、ネオジオポケットカラー(NGPC)、ゲームギア(GG)、ワンダースワンカラー(WSC)など、合計20種類が用意されていました。
RAゲーム(レトロアーチ)
一方、「RAゲーム」を選択すると、対応するエミュレーターの数はさらに増え、私の環境では全部で37種類にも及びました。先の「ゲームルーム」で利用可能なラインナップに加え、PSP、ドリームキャスト(DC)、プレイステーション(PS表記)、各種アーケード(CPS1, CPS2, CPS3, NEOGEO, FBneo, H.Brew, MAME, VARCADE)、PICO-8(PICO)、ポケモンミニ(POKE)、
Atari2600、バーチャルボーイ(VB)、ゲーム&ウオッチ(GW)、ファミリーコンピュータ(FC表記)、スーパーファミコン(SFC表記)、メガドライブCD(MD-cd)、PCエンジンCD-ROM²(PCE-cd)、MSX、そしてニンテンドーDS(NDS)、NINTENDO64(N64)、ATOMISWAVE、NAOMIといった、
よりマニアックなシステムや比較的新しい世代のゲーム機もカバーされていました。特に、NDSとN64のエミュレーターが「RAゲーム」側にしっかりと追加されている点は、私が以前レビューしたANBERNIC RG28XXと比較した際の明確な変更点・強化点の一つです。
収録ゲームについて:喜びと大きな注意点
さて、多くの方が気になるであろう、本体に最初から収録されているゲームについて触れたいと思います。私が試用した個体のmicroSDカードには、PSP、ドリームキャスト、ニンテンドーDSをはじめとして、上記で挙げた多数のプラットフォームのゲームが驚くほど大量に収録されていました。これだけ多くのゲームにすぐに触れられるのは、一見すると非常に魅力的かもしれません。
しかし、ここで非常に重要な注意喚起をしなければなりません。これらプリインストールされているゲームROMの多くは、残念ながら著作権者の許諾を得ていない、いわゆる「グレー」または「アウトなデータ」である可能性が極めて高いです 。ゲームソフトは著作物であり、その複製や配布には権利者の許諾が必要です。
実際に私自身も、いくつかのゲームの動作確認を行った後、これらのデータはすべて削除し、自身が正規に所有しているゲームカセットやディスクから法律で認められた範囲で作成したバックアップROMに入れ替えて使用しています 。レトロゲームを心から愛し、楽しむためには、クリエイターや権利者への敬意を忘れず、著作権を遵守し、法的に問題のない方法でゲームROMを入手・使用することが絶対的な前提となります。
一部の情報では、正規代理店や公式サイト経由でRG35XXSPを購入した場合、このようなグレーなデータが含まれていないクリーンなmicroSDカードが付属することもあるようですが 、どのような入手経路であれ、最終的な責任はユーザー自身にあることをご理解ください。
収録タイトル例(PSP・ドリームキャスト・NDS)
上記注意点を踏まえた上で、参考情報として、私の個体に初期収録されていたゲームの中から、PSP、ドリームキャスト、NDSのタイトル例をいくつかご紹介します。
PSPの収録ゲーム
PSPの収録ゲームは、ANBERNIC RG28XXに付属していたものとは少しラインナップが異なっているようでした。例えば、『Bloons TD』、『Bomberman』、『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル (Castlevania: The Dracula X Chronicles)』、『God of War: Chains of Olympus』(US版)、『Grand Theft Auto: Vice City Stories』(US版)、
『ロックマンイレギュラーハンターX (Mega Man – Maverick Hunter X)』、『メタルスラッグXX』、『パックマン チャンピオンシップ エディション (Pac-Man Championship Edition)』、『リッジレーサーズ (Ridge Racer)』、『鉄拳6』、『鉄拳5 ダーク・リザレクション』といったタイトルが含まれていました。
ドリームキャスト
ドリームキャストのゲームタイトルは、RG28XXの時とほぼ同じ内容だったようです。『コズミックスマッシュ (Cosmic Smash)』、『クレイジータクシー (Crazy Taxi)』、『クレイジータクシー2 (Crazy Taxi 2)』、『ガントレットレジェンド (Gauntlet Legends)』、『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド2 (The House of the Dead 2)』、『斑鳩 Ikaruga』、
『マーヴル VS. カプコン 2 ニューエイジ オブ ヒーローズ (Marvel vs. Capcom 2)』、『パワーストーン (Power Stone)』、『パワーストーン2 (Power Stone 2)』、『サイレントスコープ (Silent Scope)』、『ソウルキャリバー (SoulCalibur)』、『パワースマッシュ (Virtua Tennis)』などが代表的なものでした。これらに加え、Naomiエミュレーターの方には、『エイリアンフロント (Alien Front Online)』 (Rev T)、『ギルティギア X (Guilty Gear X)』、『ギガウィング 2 (Giga Wing 2)』など、さらに多くのアーケードタイトルが収録されていました。
ニンテンドーDS
ニンテンドーDSのタイトルとしては、『おいでよ どうぶつの森 (Animal Crossing: Wild World)』、日本語版の『バイオハザード Deadly Silence』や『ファイナルファンタジーIII』のほか、『LEGO Star Wars II: The Original Trilogy』、『メタルスラッグ7 (Metal Slug 7)』、『リッジレーサーDS (Ridge Racer DS)』、
『ニンテンドッグス ダックス&フレンズ (Nintendogs – Dachshund & Friends)』など、こちらも多彩なジャンルのゲームが含まれていました。
GBA、GBC、GBの収録ゲームタイトル
ゲームボーイアドバンスやゲームボーイカラー、ゲームボーイの収録タイトルについては、数が非常に膨大であるため、ここでは割愛させていただきますが、まさに圧巻のライブラリとなっていました 。
ここで紹介するにはあまりにも長いのでYouTubeで公開しています。
その他の収録ゲーム タイトルはYouTubeの「Burari Akiba」(秋葉原ぶらりのサブチャンネル)で公開していきます。上のエミュレーター以外のゲームを知りたい人はぜひチェックしてみてください。
まとめ:エミュレーターと収録ゲーム
- アクセス方法: エミュレーターへのアクセスは、シンプルな「ゲームルーム」と、より高機能な「RAゲーム」(RetroArchベース)の2つのランチャーから選択可能です 。
- ゲームルーム対応機種: PS1、各種アーケード(CPS1, CPS2, CPS3, NEOGEOなど)、GBA、ファミコン(NES)、メガドライブ(MD)、ゲームボーイ(GB, GBC)、PCエンジン(PCE)など、主要なレトロゲーム機20種類を搭載しています。
- RAゲーム対応機種: 上記に加え、PSP、ドリームキャスト(DC)、ニンテンドーDS(NDS)、NINTENDO64(N64)(これらはRG28XXからは追加された要素です)、ATOMISWAVE、NAOMIなど、合計37種類と大幅に増加し、より幅広いゲームが楽しめます。
- 収録ゲームに関する重要注意点: 本体に多数のゲームがプリインストールされている場合がありますが、これらは著作権上問題のある「アウトなデータ」である可能性が高いです 。ユーザーは自身が正規に所有しているゲームのバックアップROMを使用することを強く推奨します。
- PSP収録タイトル例: 『God of War: Chains of Olympus』(US版)、『Grand Theft Auto: Vice City Stories』(US版)、『メタルスラッグXX』、『鉄拳6』などが含まれていました。ANBERNIC RG28XXの収録内容とは一部ラインナップが異なっていました。
- ドリームキャスト/Naomi収録タイトル例: ドリームキャスト用としては『クレイジータクシー2』、『斑鳩 Ikaruga』、『マーヴル VS. カプコン 2』などが収録(これはRG28XXと同じ内容でした)。Naomi用としては『ギルティギア X』、『ギガウィング 2』など多数のアーケードタイトルも含まれていました。
- ニンテンドーDS収録タイトル例: 『おいでよ どうぶつの森』、日本語版の『バイオハザード Deadly Silence』や『ファイナルファンタジーIII』、『ニンテンドッグス』などが含まれていました。
- その他の収録状況: ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイカラー、ゲームボーイなどのプラットフォームについても、膨大な数のタイトルが収録されている場合がありました 。
バッテリー性能と充電仕様:RG35XXSPは長時間プレイも安心!
携帯ゲーム機にとって、バッテリーの持続時間はプレイ体験を左右する非常に重要な要素です。どれだけ素晴らしいゲームラインナップや操作性を備えていても、すぐにバッテリー切れになってしまっては元も子もありません。
ここでは、ANBERNIC RG35XXSPが搭載する3300mAhバッテリーの実際のスタミナ、賢い省電力機能、そして充電に関する仕様やバッテリー交換の可能性について、私の実体験を交えながら詳しくご紹介します。
公称値を裏付ける?驚きのバッテリー持続力
ANBERNIC RG35XXSPは、3300mAhという、このサイズの携帯ゲーム機としては十分な容量のリチウムバッテリーを搭載しています 。メーカーの公式な発表では、約8時間の連続稼働が可能とされています 。この数値だけでも、一日の外出や移動中の良きお供となってくれそうな期待が持てますが、実際に私が様々なゲームを試してみた際の体感は、それをさらに上回るものでした。
具体的には、いくつかの異なるプラットフォームのエミュレーターを起動し、合計で10タイトルほどのゲームをそれぞれ少しずつ連続してプレイしてみる、という使い方をしましたが、驚いたことにバッテリーインジケーターはほとんど減りを見せませんでした。もちろん、プレイするゲームの処理負荷や画面の明るさ設定、音量などによって実際の駆動時間は大きく変動しますが、このスタミナは特筆すべき点だと感じています。
これならば、長時間の移動中や、ちょっとした空き時間に「さあ、これから楽しむぞ!」という場面でも、バッテリー残量を過度に気にすることなく心ゆくまでゲームの世界に没入できそうです。
賢い省電力機能とスリープモードの進化
この優れたバッテリー持続時間には、RG35XXSPに搭載された賢い省電力機能も大きく貢献しているようです。デフォルトの設定では、一定時間操作が行われないと自動で画面がオフになり、無駄な電力消費を効果的に抑えてくれる仕組みになっています。
さらに、ゲームボーイアドバンスSPのような折りたたみ式筐体の大きな利点を活かし、画面を閉じるとホール磁気スイッチが作動して本体がスリープ状態に移行し、再び画面を開けるだけで瞬時にゲームに復帰できるという、非常にスマートで便利な機能も備わっています 。
特に、いくつかのレビューによれば、ファームウェアのバージョン1.0.6以降で利用可能になった「スーパースタンバイ」というスリープモードは、消費電力を大幅に抑えてくれるとのことで、これによりスリープ状態での待機時間が格段に向上したという報告があります 。
あるユーザーは、ノーマルスタンバイモードと比較してバッテリーの持ちが非常に良くなり、スーパースタンバイ状態で2~3日放置しても十分にバッテリーが残っていたと述べています 。この点は、私が以前使用していたPowkiddy RGB30が、スリープ状態でも比較的早くバッテリーが消耗していく印象だったのとは対照的で、RG35XXSPの電力管理の優秀さを実感しました。
充電仕様とバッテリー交換の可能性
充電に関しては、RG35XXSPは5V/1.5Aの入力に対応しており、USB Type-C to Type-C(C2C)ケーブルでの充電もサポートされているのは、現代のデバイスとして嬉しいポイントです 。ただし、一部のユーザーからは「急速充電器を使用すると本体やバッテリーに良くないかもしれない」という声も聞かれるため、私は念のため、本体に付属していたUSBケーブルを使用するか、5V/1.5Aの仕様に合った充電器を選ぶように心がけています 。
そして、長期間にわたって愛用する上で気になるのがバッテリーの交換可能性です。RG35XXSPの本体背面にあるバッテリーが収められている部分はネジ止めされており、精密ドライバーを使えばユーザー自身で開けることができそうな構造になっています 。
実際に交換用バッテリーがサードパーティから容易に入手できるかは現時点では不明ですが、少なくともユーザー自身でバッテリー交換にアクセスできる可能性があるという点は、デバイスを長く大切に使いたいと考えるユーザーにとっては一つの安心材料と言えるでしょう。
まとめ:バッテリーと充電
- バッテリー容量と公称時間: 3300mAhのリチウムバッテリーを搭載しており 、メーカーの公式発表では約8時間の連続稼働が可能です 。
- 実使用感: 複数の異なるゲームタイトルを連続してプレイしてもバッテリーの減りが少なく感じられ、非常に持ちが良いという印象を受けました。
- 省電力機能: 一定時間無操作状態が続くと画面が自動でオフになる機能や、画面の開閉に連動したホール磁気スイッチによるスリープおよび復帰機能を搭載しています 。
- スリープモードの改善: ファームウェア1.0.6以降で導入された「スーパースタンバイ」モードにより 、スリープ時のバッテリー消費が大幅に改善されたとの報告があります 。以前使用したPowkiddy RGB30と比較して、RG35XXSPの電力管理は優秀だと感じました。
- 充電仕様: 5V/1.5Aの充電に対応しており 、USB Type-C to Type-C(C2C)ケーブルでの充電もサポートされています 。ただし、急速充電器の使用については慎重な意見も見られます 。
- バッテリー交換の可能性: 本体背面のバッテリー格納部はネジ止めされており、ユーザーによるバッテリー交換が可能な構造になっていると見受けられます 。
機能 (マルチメディア・外部出力・ストリーミング):RG35XXSPのゲームだけじゃない多才な一面
ANBERNIC RG35XXSPは、そのコンパクトな筐体にレトロゲーム体験を満喫するための工夫が凝縮された一台ですが、その実力はゲームだけに留まりません。
ここでは、音楽や動画再生といったマルチメディア機能から、リビングの大画面で楽しむための映像出力、さらにはPCゲームのストリーミングプレイまで、RG35XXSPが秘める多才な機能について、実際に触れて感じたことを中心にご紹介します。
クリアな音質で没入感を高めるオーディオ機能
まずはサウンド面についてです。RG35XXSPのスピーカーは、本体下部、ちょうどセレクトボタンとスタートボタンのすぐ上に配置されています。実際に音楽やゲームの効果音を聞いてみると、その音質の良さに驚かされました。
メーカーのスペック表には「高音質スピーカー」と記載されていますが 、これは決して誇張ではなく、モノラルスピーカーでありながら音にしっかりとした厚みとクリアさがあり、スカスカした安っぽい感じがありません。まるでステレオサウンドであるかのような豊かな広がりを感じさせてくれ、特にレトロゲームのチップチューンサウンドや効果音を再生した際の没入感を一層高めてくれます。
この予想以上に良好なスピーカー音質のおかげで、RG35XXSPに内蔵されている音楽プレイヤーアプリも十分に実用的だと感じました。対応している音楽フォーマットもflac、mp3、wav、ape、ogg、wma、aacなど非常に多岐にわたっており 、単なるおまけ機能以上の活躍を期待できます。
もちろん、よりパーソナルなサウンド体験を求める方のために、本体下部には3.5mmイヤホンジャックも標準で搭載されています 。お気に入りのイヤホンやヘッドホンを有線で接続して、周りを気にせずじっくりとゲームの音響世界に浸ることが可能です。
マルチメディアハブとしての可能性と留意点
RG35XXSPは、ゲーム以外のエンターテイメント機能として、ビデオプレイヤー機能も備えており、公式スペックによればwmv、avi、rmvb、flv、mp4、mkvなど、非常に多くのビデオファイル形式に対応しているとされています 。音楽だけでなく、動画コンテンツもこの小さな画面で楽しめるのは嬉しいポイントです。
さらに、ファイルマネージャー機能や、txt形式に対応した電子ブックリーダーも搭載されており 、まさに手のひらサイズのマルチメディアハブとしての幅広い活用が期待できるポテンシャルを感じさせます。
しかし、ビデオ再生機能については、少し注意が必要かもしれません。私があるユーザーレビューで目にしたところによると、フルHD(1920×1080ピクセル)のMP4形式の動画データを再生しようとした際、残念ながらカクカクとしたコマ送り状態になってしまい、まともに視聴できなかったとのことです 。
そのレビュアーは、おそらくRG35XXSPの画面解像度である640×480ピクセル程度のVGA解像度に事前にエンコードし直さないと、快適な再生は難しいのではないかと推測していました 。この点は、動画再生機能を重視する方は事前に留意しておくべきでしょう。あくまでもおまけ程度の機能として考えておくのが賢明かもしれません 。
大画面での楽しみと快適な操作環境の拡張
RG35XXSPの魅力は、そのコンパクトな本体だけで完結するものではありません。本体上部にはminiHDMIポートが搭載されており 、市販のminiHDMI-HDMI変換ケーブルを使用することで、家庭のテレビや外部モニターにゲーム画面を簡単に出力できます 。
これにより、リビングの大画面で家族や友人と一緒に懐かしのレトロゲームで盛り上がったり、一人でじっくりとより迫力のある映像でゲームの世界に没入したりといった、新たなプレイスタイルが広がります。
コントローラーの接続オプションも豊富に用意されているのがRG35XXSPの強みです。標準装備されている本体のボタンや十字キーの操作性に加えて、2.4Ghz帯を使用する無線コントローラーや、USB接続の有線コントローラーにも対応しています 。さらに、Bluetooth 4.2機能も内蔵しており、対応するBluetoothゲームパッドを接続して、より自由なプレイスタイルで快適に操作することも可能です 。
ただし、このBluetooth機能は主にコントローラー接続用とされており、オーディオ出力など他の用途には対応していない点に注意が必要です 。
ネットワーク接続で広がる新たな遊びの地平
RG35XXSPは、2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンドWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠)に対応しており 、これによりオンラインを通じた新たなエンターテイメントの可能性も提供されています。特筆すべきは、Wi-Fi経由でのオンラインマルチプレイヤー対戦に対応している点です 。
対応しているゲームやエミュレーターは限られるかもしれませんが、遠く離れた友人と同じゲームで一緒に遊んだり、対戦したりできるのは、レトロゲームの楽しみ方を一層広げてくれる大きな魅力と言えるでしょう。
さらに、PCゲームユーザーにはお馴染みのMoonlightストリーミング機能にも対応しているため、自宅の高性能なゲーミングPCで動作しているゲームタイトルを、RG35XXSPの画面にワイヤレスで映し出し、手元で操作して遊ぶことが可能です 。
これにより、本来RG35XXSP単体では動作スペックが到底及ばないような最新のPCゲームも、安定した宅内ネットワーク環境さえ整っていれば、このコンパクトな携帯ゲーム機で寝転がりながら楽しむという、まるで夢のような体験が現実のものとなります。まさに、RG35XXSPが単なるレトロゲーム機という枠を超えた、多機能エンターテイメントデバイスとしての可能性を秘めていることを示しています。
まとめ:機能
- スピーカー品質: 本体中央下部に配置され、メーカーが「高音質スピーカー」と謳う通り 、モノラルながら厚みのあるクリアなサウンドを提供し、ゲームへの没入感を高めます。
- イヤホンジャック搭載: 本体下部に3.5mmイヤホンジャックを装備しており 、有線イヤホン・ヘッドホンでのパーソナルオーディオに対応しています。
- 音楽再生機能: flac、mp3、wav、ape、ogg、wma、aacなど多彩な音楽ファイル形式に対応した音楽プレイヤー機能を搭載しています 。
- 動画再生機能: wmv、avi、mp4、mkvなど多くのビデオファイル形式に対応するビデオプレイヤー機能を持ちますが 、高解像度の動画ファイルについてはスムーズな再生が難しい場合があるとのユーザー報告もあります 。
- その他のメディア機能: ファイルマネージャー機能や、txt形式のテキストファイルに対応した電子ブックリーダー機能も搭載しています 。
- 映像外部出力: 本体上部にminiHDMIポートを装備しており 、テレビや外部モニターへのHD画質での映像出力が可能です 。
- 多様なコントローラー対応: 2.4Ghz無線コントローラー、USB有線コントローラーに加え、Bluetooth 4.2経由でのゲームパッド接続にも対応しています 。
- Wi-Fi機能とオンラインプレイ: 2.4GHzおよび5GHzのWi-Fiに対応し 、Wi-Fi経由でのオンラインマルチプレイヤー対戦が可能です 。
- PCゲームストリーミング: Moonlightストリーミング機能に対応しており 、自宅のPCで動作しているゲームを本機でリモートプレイすることが可能です 。
ANBERNIC RG35XXSPのスペック(仕様)
- ディスプレイ: 3.5インチ、解像度640 x 480 pxのIPS (4:3/OCAフルラミネーション/広視野角)
- プロセッサ: Allwinner H700 クアッドコア ARM Cortex-A53, 1.5GHz
- GPU: デュアルコア G31 MP2
- RAM(メモリ): 1GB LPDDR4
- ストレージ: システム用:64GB TF/MicroSD、ゲーム用:64GB/128GB SD カード
- 外部ストレージ: microSDカードで最大512GBまで拡張可能
- バッテリー: 3300 mAh、駆動時間:約 8時間、充電:5V/1.5A、C2C充電器をサポート
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 5 (802.11a/b/g/n/ac, 2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 4.2
- インターフェース: Type-C x2 (OTG/電源用)、microSDカードスロット x2、miniHDMI、3.5mmイヤホンジャック
- 映像出力: HDMI出力(miniHDMI)
- ストリーミング: 対応 (Moolight アプリ 対応)
- ゲームパッド: 2.4GHzワイヤレスゲームパッド、有線ゲームパッドをサポート
- スピーカー: 高音質スピーカー
- 振動モーター: サポート
- 機能:マルチメディア機能(動画、音楽、電子書籍)、ファイルマネージャー機能、映像出力(HDMI)、外部コントローラー接続、オンラインマルチプレイヤー対戦、Moonlightストリーミング機能
- ホール磁気スイッチ: 上蓋と下蓋に強力なマグネットを内蔵し、磁気閉鎖機能;ホールスイッチチップを内蔵しており、開蓋起動と閉蓋スリープ機能
- ゲームの追加: 対応
- システム言語: 中国語、英語、日本語、韓国語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語
- OS: Linux
- サイズ: 8.9 x 8.5 x 2.7 cm
- 重量: 192 g
- カラー: シルバー、グレー、クリアブラック、クリアブルー、クリアホワイト、クリアレッド、クリアグリーン
- 付属品: USB充電ケーブル、ボックス、説明書、スクリーン プロテクター
まとめ:ANBERNIC RG35XXSPはレトロゲーム体験を新たな高みへ導く一台か?
これまでANBERNIC RG35XXSPの開封から始まり、そのデザイン、ディスプレイの品質、操作感覚、内部パフォーマンス、エミュレーターの豊富さ、バッテリーの持続力、そして多岐にわたる機能面まで、詳細にレビューを行ってきました。
この最終セクションでは、私が実際に本機を徹底的に使い込んでみて、特に心に響いた重要なポイントや、総合的に見てRG35XXSPがどのようなゲーム機であると感じたのか、その結論をお伝えしたいと思います。
折りたたみデザインが生み出す、予想以上の快適体験と利便性
私がANBERNIC RG35XXSPを手にして、まず確かめたかったのは、この特徴的な「二つ折り」という形状がもたらす使い勝手の良さでした。これまで一般的なストレート形状の携帯ゲーム機に慣れ親しんできたため、折りたたみ式が日々の使用においてどのように異なる体験を提供してくれるのか、非常に興味津々だったのです。実際にゲームをプレイしてみると、画面が自然とプレイヤーの視線に対して見やすい角度に傾斜することにすぐに気づきました。
この絶妙な画面の傾斜のおかげで、スペック上の3.5インチという画面サイズ以上にディスプレイが大きく、そして見やすく感じられ、結果としてプレイの快適性向上にも繋がっていると実感しました 。さらに、画面部分と操作ボタン部分が物理的に完全に分離しているため、白熱したプレイ中に指が意図せず画面に触れてしまうといった誤操作の心配もありません。
純粋にゲームの世界に集中できるこの構造は、平坦な一枚板のデバイスでももちろんゲームは楽しめますが、この折りたたみ式デザインは、ゲーム体験そのものをより一層豊かで快適なものにしてくれる確かな魅力があるように思います。
加えて、折りたたむことで非常にコンパクトになり、持ち運びや日々の収納が格段に楽になる点も、実際に使ってみて感じた大きなメリットの一つです。一般的な携帯ゲーム機では、デリケートな液晶画面を傷や衝撃から守るために専用のケースが必須となることが多いですが、RG35XXSPの場合はパタンと閉じてしまえば液晶画面が内側に格納され安全に保護されるため、
気軽にカバンに放り込んだり、ポケットに入れたりすることが可能です。使用しない時も場所を取らず、本棚の隅やデスクの引き出しなど、好きなところにサッと置いておけるこの手軽さは、日常生活の中で非常に重宝すると感じました。
ゲーム機としての「核」となる部分の揺るぎない完成度の高さ
もう一つ、私がRG35XXSPを入手するにあたって確かめたかったのは、様々な付加機能が存在する以前に、純粋な「ゲーム機」としてどれほどの完成度を持っているのか、という最も基本的な点でした。RG35XXSPは、画面を90度に開いて動画を観たり、音楽プレイヤーとして活用したりといったマルチメディア機能も搭載されていますが 、その本質はやはり、我々が愛するゲームを楽しむための専用デバイスです。
この「ゲームを遊ぶ」という基本的な部分がお粗末であれば、他の機能がいくら充実していても、心からおすすめすることはできません。
しかし、実際にRG35XXSPを数日間使い込んでみると、そのような心配は全くの杞憂であったことを確信しました。非常にシンプルに、そして明確に、ゲーム機としての基本的な作り込みが驚くほど高いレベルでまとまっているのです。まず、先のセクションでも詳述した通り、ディスプレイの視認性が素晴らしく、レトロゲーム特有のドット絵も色鮮やかに、そして鮮明に映し出してくれます 。
そして何よりも注目すべきは、その操作性の秀逸さです。特に十字キーの入力精度と指馴染みの良さは特筆すべきものであり、R1/R2、L1/L2のショルダーボタンも含め、全体的にしっかりとした、そして安っぽさを感じさせない操作感で、一切のストレスなくゲームの世界に没頭することができました 。
アナログスティックが搭載されていない点は、一部の3Dゲームなどをプレイする際には確かに不便さを感じるかもしれませんが、それを補って余りあるほど、主要なボタンの品質、配置、そしてレスポンスには感心させられました。「開発者はレトロゲームプレイヤーのツボをよく理解しているな」と、思わず唸らされる部分です。
また、個人的に非常に気に入ったのが、バッテリーの持ちの良さです。一度フル充電してしまえば、かなりの時間連続して遊べるため、頻繁に充電ケーブルに繋ぐ手間から解放されます。この頼もしいスタミナは、以前私が試用した際にバッテリー消費の速さが気になった「Powkiddy RGB30」とは全く異なる、RG35XXSPの大きなアドバンテージだと感じています。
さらに、内蔵スピーカーの音質の良さも、RG35XXSPの総合的な満足度を大きく高めている理由の一つです。ゲームの効果音やBGMを、こもることなくクリアに、そして迫力満点に再生してくれるだけでなく、単体の音楽プレイヤーとしても十分に通用するほどのクオリティを持っていると感じました 。これまで私が触れてきたいくつかの中華ゲーム機では、音質面で何らかの妥協を感じることが少なくなかっただけに、このRG35XXSPのクリアで厚みのあるサウンドには正直、非常に驚かされました。
最終評価:レトロゲーム愛好家ならずとも一度は試す価値のある、魅力的な一台
もちろん、実際にRG35XXSPで様々なレトロゲームをプレイした体験そのものが、筆舌に尽くしがたいほど楽しい時間であったことは言うまでもありません。結局のところ、我々がゲーム機に求めるのは「楽しいゲーム体験」であり、その根幹を支える要素がRG35XXSPには高いレベルで備わっているのです。同じゲームを遊ぶのでも、画面が見やすく、操作性が優れ、サウンドも良好であれば、その快適さ、そしてゲームへの没入感は格段に向上します。
確かに、例えば「Powkiddy RGB30」が持つ正方形に近い大画面がもたらしたような、ある種の「視覚的なインパクト」や「画面の迫力」といった点では方向性が異なります。
しかし、RG35XXSPは、携帯ゲーム機としてのトータルバランス、操作性、ビルドクオリティ、そして何よりも「ゲームを遊ぶことの楽しさ」を追求した結果として、かつての任天堂やソニーといった大手メーカーの携帯ゲーム機が私たちに与えてくれたような、高いレベルの満足感と信頼性に、ぐっと近づいたのではないかと感じさせるほどのポテンシャルを秘めている一台です。
もしANBERNIC RG35XXSPの購入を検討されているのであれば、特にゲームボーイアドバンスSPのあの特徴的な形状に愛着がある方や、手軽に、しかし質の高いレトロゲーム体験を求めている方には、ぜひ一度手に取って試していただきたいと強く思います。
その快適な操作感と、ノスタルジーを現代に蘇らせる洗練されたデザイン、そして想像を上回る基本性能の高さは、一度使うと手放せなくなる「病みつき」になるほどの魅力に満ち溢れていると、私は今回のレビューを通じて確信しました。
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ANBERNIC RG35XXSPの価格・購入先
製品の購入体験
今回はAmazonで「ANBERNIC RG35XXSP」を購入しました。価格は12,157円で、注文から製品の到着まで約11日かかりました。
最初は前回の反省を活かしAliExpressで注文しようかと思いましたが、ANBERNIC公式ストアでは送料が2千円ほどかかり、かえって割高になることから、Amazonで購入することにしました。
製品の到着まで時間がかかりましたが、特にトラブルもなく、製品も無事に起動したので良かったです。
価格・購入先:ANBERNIC RG35XXSP
ANBERNIC 日本公式サイト
6,551円(セール価格)で販売されています。
ANBERNIC 日本公式サイトで「ANBERNIC RG35XXSP」をチェックする
ECサイト
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AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説

おすすめの類似製品を紹介
「ANBERNIC RG35XXSP」に似た性能をもつ携帯ゲーム機も販売されています。
ANBERNIC RG34XXSP
ANBERNICから発売された3.4インチの折りたたみ式Linux携帯ゲーム機です(2025年5月 発売)。
Linux 64-bit OS、Allwinner H700 クアッドコア ARM Cortex-A53、2GB LPDDR4、解像度720 x 480 pxのIPS液晶、3300 mAhバッテリーを搭載しています。
また、サンクンデュアルジョイスティック(沈み込み式デュアルジョイスティック)、「日本製メタルドーム」採用ボタン、WiliWiliオンライン再生機能、Hall磁気スイッチ(マグネットクロージャー、蓋閉じスリープ)、角度調整 Alloy Axle(90/135/180°)、30種類以上のエミュレーター、HD(miniHDMI)映像出力、振動モーター、最大512GBまでのTFカードによる拡張、HiFiスピーカーに対応。
ゲームの追加(インポートされたゲーム)、セーブ機能(Linux標準機能として想定)、に対応しています。MoonlightによるAAAゲームのストリーミング、WiFi経由オンラインマルチプレイヤー、2.4G無線/有線/Bluetoothコントローラー接続、、RixelHK(ゲームダウンローダー)、Type-Cポート(OTG対応)、Wi-Fi 5、Bluetooth 4.2にも対応しています。
価格は、Amazonで12,999円、AliExpressで11,612円(64GBモデル/64+128GBモデルは13,817円、64+256GBモデルは16,022円)、米国 Amazon.comで$99.99、です。
関連記事:ANBERNIC RG34XXSPレビュー!GBA最適化&RAM倍増の実力は?
Miyoo Flip
Miyooから発売されたフリップ式の携帯ゲーム機です(2025年1月5日 発売)。
Rockchip RK3566、1GBメモリ、3.5 インチのIPS液晶、64GB 2つのTF/MicroSDスロット、3000 mAバッテリー、Linux (Retro Arch対応・Onion OSサポート) を搭載しています。
また、振動モーター、Hi-Fi スピーカー、HDMI、外部ゲームパッド接続、デュアルジョイスティック、セーブ機能、ゲームの検索機能、お気に入り登録、対戦プレイ、ビデオプレーヤー、音楽プレーヤー、E-bookプレイヤー(電子書籍リーダー)、Miyoo UI、ES emulationstation、Wi-Fi通信、USB Type-C (OTG) に対応しています。
価格は、Amazonで12,999円、楽天市場で11,250円(送料無料)、AliExpressで8,972円、米国 Amazon.comで$72.99、です。
関連記事:レトロでフリップ式!「Miyoo Flip」レビュー!ANBERNICを超えた?
Retroid Pocket Flip 2
Retroid Pocketから発売された5.5インチのフリップ型携帯ゲーム機です(2025年4月 発売)。
Android 13、Qualcomm Snapdragon 865 / MediaTek Dimensity D1100、8GB LPDDR4x RAM、128GB UFS 3.1 ROM、、AMOLEDディスプレイ(1920×1080、輝度500 Nits)、5000mAhバッテリーを搭載しています。
また、3Dホールスティック、アナログL2/R2トリガー、アクティブ冷却システム、強化されたヒンジデザイン (178°可動域, 150°クリックストップ)、DisplayPort映像出力(1080p)、交換可能なボタンレイアウト、ランヤードループに対応しています。
さらに、27W急速充電、ストレージ拡張(TFカードスロット搭載)、Google Playストア、ストリーミングプレイ、USB-C(OTG)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 (SD865モデル) / 5.2 (D1100モデル)にも対応しています。
価格は、AliExpressで37,140円、Retroid Pocket公式サイトで$229.00、です。
関連記事:Retroid Pocket Flip 2徹底レビュー!Pocket 5と比較
Powkiddy V90 (2022)
Powkiddyから発売された折り畳み式のミニ ゲーム機です(2022年9月発売)。
3.0インチのIPS液晶(320×240)、16GBストレージ、1020mAhバッテリー(4時間駆動)、ARM9 プロセッサ、Linux OSを搭載しています。
また、13種類のエミュレーター、デュアル ステレオスピーカー、3.5mmイヤホンジャック、ショルダーボタン(R1/R2、L1/2)、USB Type-C(充電用)に対応しています。
価格は、Amazonで6,999円 (税込)、AliExpressで3,931円、米国Amazon.comで$48.99、です。
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