2024年4月に発売された「GMKtec NucBox G5」は、多くの低価格ミニPCが採用するIntel N100ではなく、より高性能なIntel N97プロセッサを搭載し、その実力で注目を集める超小型ミニPCです 。
このレビューでは、なぜNucBox G5がN100搭載機より優れているのか、その性能差をベンチマークで徹底比較し、実際の使い勝手やゲーム性能まで詳しく検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
GMKtec NucBox G5 の長所(Pros):
- Intel N97搭載で、一般的なN100ミニPCを上回るCPU・グラフィックス性能
- 72mm四方という、手のひらに収まる圧倒的なコンパクトさと軽さ
- 3万円を切るモデルもあり、優れたコストパフォーマンスを誇る
- 静音ファンを搭載し、日常的な作業では動作音が非常に静か
- 4K画質での2画面出力に対応し、作業効率が高い
GMKtec NucBox G5 の短所(Cons):
- メモリが増設・交換不可能なオンボード仕様
- Wi-Fi 5とBluetooth 4.2であり、無線通信の規格が最新ではない
- USB Type-Cポートが電源供給専用で、データ転送や映像出力には使えない
- 高負荷時にはCPU温度が上昇し、性能が低下する場合がある
総合評価:
GMKtec NucBox G5は、N100搭載機を超える性能を持ちながら、驚異的なサイズと価格を実現した、非常に尖ったミニPCです 。Web閲覧や動画視聴、軽いオフィス作業といった用途で、設置スペースと価格を何よりも重視するユーザーにとって、これ以上ない選択肢となるでしょう 。
<この記事で分かること>
- Intel N97とN100の性能差(Passmark、Geekbench、Cinebenchベンチマーク比較)
- 内蔵GPU(Intel UHD Graphics)のグラフィックス性能(Fire Strike、Time Spyベンチマーク)
- 人気ゲーム(原神、フォートナイト、VALORANT等)がどの程度動くかのFPS実測結果
- メモリ(LPDDR5)とストレージ(M.2 SATA)の仕様と増設・換装の可否
- 搭載ポート(USB3.2、HDMI 2.0等)や無線・有線LANの詳細な仕様
- 実際の利用者からの口コミ・評判のまとめ
- ライバル機種との価格・性能比較
この記事を最後まで読むことで、「GMKtec NucBox G5」が本当にあなたのためのPCなのか、N100搭載機と比べて買う価値があるのかが、はっきりと分かるはずです。購入で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ: インテル Alder Lake N97 ミニ PC–NucBox G5
パワフルな第12世代 インテル N97 採用
プロセッサ (CPU)の性能が高いほど作業が高速になります。「NucBox G5」は第12世代 のインテル N97 をプロセッサを搭載しています。インテル N100と比較すると、最大周波数が3.4GHzから3.6GHzになり、よりパワフルに動作するようになっています。
- N97・・・10nm/4コア/4スレッド/最大3.6GHz/TDP 12W
- N100・・・10nm/4コア/4スレッド/最大3.4GHz/TDP 6W
また、内蔵GPUは第12世代のインテル UHD グラフィックス 1.20 GHzで、N100と同じですが、マルチメディアコンテンツ向けのAPI「DirectX 12.1」に対応しています。
これに対応していると、ゲームや音楽、映像ソフトがより高速に快適に使用できるようになります。
具体的にはPS2のエミュレーター「PCSX2」などのグラフィック設定で「DirectX」を選択できるようになり、それまでOpenGLでうまく動かなかったゲームもスムーズにプレイできるようになります。
Intel UHD Graphics・・・DirectX 対応 12.1 / OpenGL 対応 4.6 / OpenCL サポート 3.0
Intel N97の性能:ベンチマーク結果はN100より高い
PassmarkのCPUベンチマーク、Geekbench 6を使いベンチマークを計測すると、N97はN100以上に高いスコアを出すことが分ります。
- N97・・・Passmark:5877 / Geekbench 6 シングルコア「1237」、マルチコアで「3051」
- N100・・・Passmark:5553 / Geekbench 6 シングルコア「1153」、マルチコアで「2965」
CPUの性能に劇的に大きな違いがあるわけではありませんが、どちらを選ぶべきかは一目瞭然です。N97を選ばない理由は今のところありません。
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「5877」
- Geekbench 6のシングルコア「1237」、マルチコア「3051」
- Cinebench 2023 シングルコア「781」、マルチコア「2,069」
- PCMark 10 スコア「3,057」(よく利用されるアプリの使用感を計測)
<ベンチマーク結果から分かること>
- Passmark: 総合的なCPU性能を評価するベンチマークです。5877というスコアは、エントリーレベルのCPUとしては比較的高く、一般的な用途で十分な性能を持っていることを示しています。
- Geekbench 6: CPUのシングルコア性能とマルチコア性能を測定するベンチマークです。シングルコア「1237」、マルチコア「3051」というスコアは、Webブラウジング、オフィスソフトの使用、動画視聴など、一般的なタスクを快適にこなせる性能を示しています。
- Cinebench 2023: CPUのレンダリング性能を測定するベンチマークです。シングルコア「781」、マルチコア「2,069」というスコアは、画像編集や動画編集などの軽いクリエイティブ作業にも対応できる性能を示しています。ただし、本格的なクリエイティブ作業には、より高性能なCPUが推奨されます。
- PCMark 10: よく利用されるアプリケーションの使用感を計測するベンチマークです。3,057というスコアは、Webブラウジング、ビデオ会議、オフィスソフトの使用など、一般的なタスクを快適にこなせる性能を示しています。
Intel N97性能を比較
Nシリーズの中では上位: N100やN95といった他のNシリーズCPUと比べて、Passmarkスコアは高くなっています。特にN95と比較すると、約10%の性能向上と言えるでしょう。
CeleronやPentiumより高性能: Celeron J4125やN5105といった、より低価格帯のCPUと比較すると、N97は大幅に性能が高いです。
Core i3シリーズには及ばない: Core i3-1215UやCore i3-N305といったCore i3シリーズのCPUと比べると、性能は大きく劣ります。
Core i7-11390Hには大きく劣る: ハイエンドモバイル向けCPUであるCore i7-11390Hとの比較では、その差は歴然です。
<CPUランキング>
※PassmarkのCPUベンチマークの結果で比較したものです。
- 1.Intel Core i3-1215U・・・Passmark:11374
- 2.Intel Core i7-11390H・・・Pasmmark:10500
- 3.Intel Core i3-N305・・・Passmark:10448
- 4.Intel N150・・・Passmark:6000
- 5.Intel N97・・・Passmark:5877
- 6.Intel N200・・・Passmark:5600 前後
- 7.Intel N100・・・Passmark:5600 前後
- 8.Intel N95・・・Passmark:5400
- 9.Intel N5105・・・Passmark:4000
- 10.Intel Celeron J4125・・・Passmark:3000
<比較から分かること>
これらのことから、N97は以下のような用途に適していると考えられます。
- ネットサーフィンや動画視聴: 日常的なウェブブラウジングや動画視聴であれば、快適に動作することが期待できます。
- オフィスソフトを使った作業: WordやExcelなどのオフィスソフトを使った作業も、問題なくこなせるでしょう。
- 軽い画像編集: 簡単な画像編集であれば、対応可能です。
- プログラミング学習: 入門レベルのプログラミング学習であれば、十分な性能です。
ただし、以下のような用途には不向きです。
- 高負荷なゲーム: 最新の3Dゲームや、処理の重いゲームをプレイするには、性能が不足しています。
- 動画編集: 本格的な動画編集作業には、より高性能なCPUが必要となります。
- 高度な画像編集や3Dグラフィックス: 専門的な画像編集や3Dグラフィックス制作には、力不足です。
グラフィック性能
内蔵のGPUは第12世代のIntel UHD Graphics 1.20 GHzです。
ベンチマーク結果から以下のことが分かります。
Fire Strike: DirectX 11ベースのゲームの性能を測定するベンチマークです。グラフィックスコア「1500」は、軽い3Dゲームや、設定を下げた中程度のゲームであればプレイできる性能を示しています。
Fire Strike Extreme: Fire Strikeよりも負荷の高いベンチマークです。グラフィックスコア「720」は、Fire Strikeよりも重いゲームをプレイする際には、設定を significantly 下げる必要があることを示しています。
Time Spy: DirectX 12ベースのゲームの性能を測定するベンチマークです。グラフィックスコア「490」は、DirectX 12のゲームタイトルでは、Fire Strikeよりもパフォーマンスが低下することを示しています。
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「1500」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「720」
- Time Spy グラフィックスコアで「490」(DirectX 12)
<ベンチマーク結果から分かること>
Fire Strike、Time Spyいずれのベンチマーク結果も、エントリーレベルのGPUとしては標準的な数値を示しています。また、DirectX 11よりもDirectX 12のスコアが低いことから、DirectX 12のゲームタイトルではパフォーマンスが低下する可能性があります。
なお、最新のAAAタイトルを高い設定でプレイするのは難しいですが、軽い3Dゲームや古いゲームであれば、ある程度プレイできる性能を持っています。
また、スコアは低いですが、Adobeのイラストレーターやフォトショップ、動画編集ソフト、その他の画像を扱うアプリも利用できます。
ただし、動画のエンコード、CGレンダリングなどの負荷の高い作業では時間がかかり、快適に利用できません。動画視聴や音楽再生はもちろん快適に動作します。
ゲーム性能がN100よりも高い
Intel N97と第12世代 Intel UHD Graphics 1.20 GHzの組み合わせで、 人気のあるゲームタイトルがどの程度動作するか、FPSを交えて解説します。
<軽いゲームタイトルのFPS>
- 原神 (Genshin Impact): 720p、最低設定で30FPS程度。オープンワールドゲームですが、設定を落とせばプレイ可能です。ただし、激しい戦闘シーンではカクつく可能性があります。
- 鳴潮 (Wuthering Waves): 720p、最低設定でも快適なプレイは難しい可能性があります。アクション性の高いゲームで、画質を落としてもスムーズにプレイするのは難しいと思われます。
- タワーオブファンタジー (Tower of Fantasy): 720p、最低設定で25-30FPS。原神と同様にオープンワールドで、画質を落とせばプレイ可能です。
- 崩壊:スターレイル (Honkai: Star Rail): 720p、最低設定で30-40FPS。ターン制RPGなので、比較的安定して動作すると思われます。
- 荒野行動 (Knives Out): 720p、最低設定で30FPS程度。バトルロイヤルゲームですが、設定を落とせばプレイ可能です。ただし、遠距離の敵や多数のプレイヤーが密集する場面ではカクつく可能性があります。
- リーグ・オブ・レジェンド (League of Legends): 1080p、中設定で60FPS以上。比較的軽いゲームなので、快適にプレイできます。
- マインクラフト (Minecraft): 1080p、中設定で60FPS以上。軽量なゲームなので、問題なくプレイできます。
- ロケットリーグ (Rocket League): 720p、低設定で60FPS程度。比較的軽いゲームなので、設定を調整すればプレイできます。
- GRID: Autosport (60FPS): 比較的軽いレースゲームなので、720p、中設定で60FPS程度が期待できます。レースゲームでは、滑らかな描画が重要になります。60FPSであれば、快適にプレイできるでしょう。
<中程度の負荷のゲームタイトルのFPS>
- フォートナイト (Fortnite): 720p、低設定で30-40FPS。バトルロイヤルゲームですが、設定を調整すればプレイ可能です。ただし、建築要素など負荷の高い場面ではカクつく可能性があります。
- Apex Legends: 720p、最低設定で30FPS程度。バトルロイヤルゲームで、キャラクターの移動や戦闘が激しいので、快適にプレイするのは難しいかもしれません。
- VALORANT: 720p、低設定で60FPS程度。FPSゲームですが、設定を調整すればプレイ可能です。ただし、エフェクトが多い場面ではカクつく可能性があります。
- DOTA 2 (40FPS): 720p、低設定で40FPS程度が期待できます。チーム戦を行うMOBAで、状況把握が重要になります。40FPSであればプレイできますが、より滑らかな描画を求める場合は、設定をさらに下げるか、解像度を落とす必要があるかもしれません。
- GTA V (50FPS):オープンワールドのアクションゲームで、720p、低設定で50FPS程度が期待できます。広大なマップを自由に移動できるゲームですが、画質を落とすことで、ある程度のフレームレートを確保できます。ただし、街中など負荷の高い場所では、フレームレートが低下する可能性があります。
- CS:GO (60FPS): 720p、低設定で60FPS程度が期待できます。FPSゲームでは、高いフレームレートと低い入力遅延が重要になります。60FPSであれば、快適にプレイできるでしょう。ただし、対戦競技としてプレイする場合は、さらに高いフレームレートを目指したいところです。
- Forza Horizon 4 (30FPS): オープンワールドのレースゲームで、720p、最低設定で30FPS程度が期待できます。美しいグラフィックが特徴のゲームですが、Intel N97の内蔵GPUでは、画質をかなり落とす必要があります。30FPSであればプレイできますが、より快適にプレイしたい場合は、より高性能なグラフィックカードを搭載したPCが推奨されます。
<高負荷なゲームタイトルのFPS>※動作しない可能性が大きいもの
- サイバーパンク2077 (Cyberpunk 2077): 720p、最低設定で20-30FPS。重いゲームですが、設定を極限まで落とせばプレイ可能です。ただし、都市部など負荷の高いエリアではカクつく可能性があります。
- エルデンリング (ELDEN RING): 720p、最低設定で25-30FPS。オープンワールドで、敵との戦闘も多いので、設定を落としてもスムーズにプレイするのは難しいかもしれません。
- アーマード・コアVI (ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON): 720p、最低設定で20-30FPS。メカアクションゲームで、激しい戦闘シーンでは負荷が高くなるため、設定を落としてもカクつく可能性があります。
- パルワールド (Palworld): 720p、最低設定で25-30FPS。オープンワールドで多くのオブジェクトが存在するため、画質を落とす必要があります。
12GB LPDDR5 メモリ搭載で高速に転送
メモリの性能もパソコンの動作に大きく影響を与えます。「NucBox G5」は 最新のLPDDR5-4800規格の メモリを 12GB 搭載しています。
LPDDR5規格は最大6.4Gbpsの転送が可能とされており、LPDDR4規格と比べて2倍、LPDDR4Xと比べて1.5倍の速度を出すことができます。
<規格別のメモリ転送速度の違い>
- 1.LPDDR4・・・最大3.2Gbps、
- 2.LPDDR4X・・・最大4.266Gps
- 3.LPDDR5・・・最大6.4Gbps
同じメモリは「GMKtec NucBox G2」(N100)にも搭載されています。また、「LarkBox X 2023」も12GB LPDDR5を搭載しています。
「GMKtec NucBox G1」(N95)と「MeLe Overclock4C」(N95)はDDR4-3200規格のメモリ搭載で、転送速度が「NucBox G5」より遅くなります。
メモリ増設はできる?
なお、「NucBox G5」や「NucBox G2」はオンボード仕様のため、メモリの増設はできません。その他の「LarkBox X 2023」や「MeLe Overclock4C」もメモリ増設には対応していません。
最大512GB M.2 で最大2TBまで増設できる
ストレージ容量が多いほど大量のデータを保存できます。「NucBox G5」は購入時に256GB / 512GB の2種類から選択できるようになっています。規格はM.2 2242 SATA です。
SATAはNVMe規格よりも転送速度が遅くなりますが、2.5インチのSSDと同じくらいの速度で不便を感じることはありません。
他のミニPCと比較してみると、ほとんどがSATA規格のストレージを採用していることが分かります。
- 1.「GMKtec NucBox G1」(N95)・・・256GB/512GB M.2 2280 NVMe (PCIe 3.0)
- 2.「GMKtec NucBox G2」(N100)・・・512GB/1TB M.2 2242 SATA
- 3.「LarkBox X 2023」(N100)・・・512GB PCIe M.2 2280 SSD SATA
- 4.「MeLe Overclock4C」(N95)・・・128GB/256GB/512GB eMMC
NVMeを使用しているのは「GMKtec NucBox G1」(N95)のみです。「MeLe Overclock4C」(N95)はストレージ拡張でM.2 2280 NVMe SSDに対応しています。
なお、「NucBox G5」はM.2 2242 SATAで最大2TBまで拡張できます。2.5インチのHDD / SSDで増設できないので注意してください。
Wi-Fi 5・Bluetooth 4.2に対応
通信速度が速いと調べものもサクサクとこなせます。「NucBox G5」はWi-Fi 5規格のac デュアルバンドに対応し、2.4GHz帯と5GHz帯を使った高速で途切れにくい通信を利用できます。
一方、「NucBox G1」(N95)と「NucBox G2」(N100)はWi-Fi 6に対応し、Wi-Fi 5よりも高速な通信が利用できました。
「NucBox G5」は前モデルよりも通信速度が遅くなっているといえます。
また、Bluetoothの規格は4.2で、Bluetooth 5.2に対応していた「NucBox G1」(N95)と「NucBox G2」(N100)よりも性能が低くなっています。
Bleutooth 4.2でもワイヤレス機器とスムーズに接続できますが、バージョン5.0の方がより長い距離で高速な通信が利用できるため便利です。
なお、「LarkBox X 2023」(N100)と「MeLe Overclock4C」(N95)はともにWi-Fi 6、Bluetooth 5.2に対応していました。
やはり「NucBox G5」の通信性能はそれほど高くないといえます。
ただし、「NucBox G5」のWi-Fiモジュールを交換することは比較的 簡単にできます。本体の上部の天板を開け、ストレージの横に配置されているメモリのような形状のWi-Fiモジュールを交換するだけです。Wi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応したWi-Fiモジュールは2千~3千円ほどで購入可能です。
1Gbpsのギガビット有線LANに対応
無線通信が不安定になったとき、より安定した通信が可能な有線LANが使えると便利です。「NucBox G5」は1Gbpsのギガビット有線LANに対応し、安定した高速な通信を利用できます。
同じ超小型サイズの「GMKtec NucBox G2」(N100)と「MeLe Overclock4C」(N95)も1Gbpsのギガビット有線LANに対応していました。
「GMKtec NucBox G1」(N95)はさらに高速な2.5Gbpsのギガビット有線LAN通信に対応しています。
「LarkBox X 2023」(N100)は2つのLANポートを搭載し、1Gbps、2.5Gbpsの両方を利用できるようになっています。
Type-Cと3つのUSB3.2 (5Gbps) ポートが使える
ポートが多いと様々な周辺機器と接続できるので便利です。「NucBox G5」はType-C (12V/3A・電源用のみ) の他に、5Gbpsの転送に対応した3つのUSB3.2 ポートを搭載しています。このポートは背面に一つ、前面に二つ配置されています。
他のミニPCと比較してみると、「NucBox G2」(N100)と同じポートを搭載していることが分かります。
- 1.「NucBox G1」(N95)・・・USB-A 3.2 x4 (Gen1,5Gbps)
- 2.「NucBox G2」(N100)・・・Type-C (12V/3A・電源用のみ) x1、USB3.2 (Gen1*1 5Gbps/S) x3
- 3.「LarkBox X 2023」(N100)・・・USB Type-C (PD給電/DP1.4映像出力) ×1、USB-A 3.1 ×4
- 4.「MeLe Overclock4C」(N95)・・・USB-C 3.2 Gen 2 (フル機能/DP1.4/PD3.0) ×1、USB-C (電源用/PD3.0) ×1、USB3.2 Gen 2 (10Gbps) ×2、USB 2.0 (480Mbps) ×1
「LarkBox X 2023」(N100)と「MeLe Overclock4C」(N95)はフル機能のUSB Type-Cポートが搭載されています。「NucBox G5」は同じType-C でも電源用のみなので少々不便です。
4K 2画面出力に対応
複数のモニターに同時に出力できると、作業が2倍はかどります。「NucBox G5」は2つのHDMI 2.0 ポートを搭載し、4K画質で2つのモニターに同時出力できます。
他のミニPCと比べてみると、「NucBox G1」(N95)と同じ映像出力に対応していることが分かります。
- 1.「NucBox G1」(N95)・・・4K 2画面出力、HDMI ( 4K@60Hz ) x2
- 2.「NucBox G2」(N100)・・・4K 3画面出力、DP 1.4 (4K@60Hz) x1、HDMI 2.0 (4K@60Hz) x2
- 3.「LarkBox X 2023」(N100)・・・4K 3画面出力、Type-C ×1、Displayport(4K@60Hz)×1、HDMI(4K@60Hz)×1
- 4.「MeLe Overclock4C」(N95)・・・3画面出力 (USB-C、HDMI)、4K UHD(4096 x 2160 @60Hz)
「NucBox G2」(N100)、「LarkBox X 2023」(N100)、「MeLe Overclock4C」(N95)は3つのモニターに同時に出力できるようになっています。2つで十分なケースがほとんどですが、3つ使えた方がその分 作業がはかどります。
冷却ファンで熱を効率よく排出できる
ミニPCは通常のデスクトップPCよりも小型なため、熱がこもりやすくなります。「NucBox G5」は冷却ファンを搭載することで熱をその弱点を克服し、熱を効率よく排出できるようになっています。
冷却ファンはCPUのちょうど真上に配置されています。その一つ下の層にはストレージやWi-Fi モジュールが配置されており、ファンの空気が内部を循環できるようになっています。
ファンはもちろん、静音で動作するので、作業の邪魔にはなりません。
同じ超小型の「NucBox G2」(N100)にも同様のファンが搭載されています。「NucBox G1」(N95)と「LarkBox X 2023」(N100)、「MeLe Overclock4C」(N95)はファンだけでなく、ヒートパイプを含めた冷却システムを搭載し、本体をより強力に冷却できるようになっています。
超小型サイズでVESAマウントに対応
超小型パソコンはバックにもラクラクと入るサイズで持ち運びも簡単です。「NucBox G5」はサイズ 71.8 x 71.8 x 44.4 mm、重量 206gの小型軽量デザインを採用しています。
他のミニPCと比べると、同じ超小型「NucBox G2」(N100)よりも小さく、最も小さいサイズであることが分かります。
- 1.「NucBox G1」(N95)・・・サイズ 114×106×42mm、重量 360g
- 2.「NucBox G2」(N100)・・・サイズ 87 × 87 × 39.4mm、重量 216g
- 3.「LarkBox X 2023」(N100)・・・サイズ 127×127×49(H)mm、重量 400g
- 4.「MeLe Overclock4C」(N95)・・・サイズ 178 mm x 93.5 mm x 21 mm、重量 不明(200-300g程度)
小さいだけでなく、モニターの背面に設置できるVESAマウントに対応しています。ブラケットも付属します。
なお、カラーはブラック/グレーの1種類のみ用意しています。
高品質で安全・分解も簡単にできる
GMKtecのミニPCは厳しい品質テストを課しているため、バックドアなどの心配は不要です。また、天板をツールレスで取り外して分解も可能で、BIOSの設定もF7を押し続けるだけで簡単です。1年間のメーカー保証やトラブル時の製品交換もあるので安心して使用できます。
GMKtec NucBox G5のメモリ・ストレージの増設
GMKtec NucBox G5は、メモリの増設には対応していませんが、ストレージは本体を分解して交換・増設が可能です。
メモリの増設について
NucBox G5に搭載されているメモリは、マザーボードに直接取り付けられているオンボードタイプのため、購入後に増設や交換を行うことはできません 。製品には12GBのLPDDR5メモリが標準で搭載されており、この構成から変更することはできません 。そのため、メモリ容量は購入時のスペックのまま使用することになります。
ストレージの増設について
一方、ストレージは交換による増設に対応しています 。本体にはM.2 2242規格のSSDスロットが1つあり、標準搭載のSSDからより大容量のものに換装できます 。製品情報によれば、最大2TBまでのSSD増設に対応しているとされています 。
ストレージを交換するには、まず本体底面にあるゴム足部分のネジを4本外してカバーを開けます 。カバーが硬くて外しにくい場合は、隙間から慎重にこじ開けるか、取り外したネジをマウンタ用のネジ穴に軽くねじ込み、それを取っ手代わりにして引っ張るとスムーズに外すことができます 。カバーを外すと中央にM.2 SSDスロットが見え、ここでストレージの交換が可能です 。
搭載されているSSDの接続規格はSATAですが、基板上には「PCIE」との表記も見られるため、より高速なNVMe規格のSSDを使用できる可能性も示唆されていますが、動作は未確認です 。
GMKtec NucBox G5のUSBポートとVESAマウント
ここでは、GMKtec NucBox G5のUSBポートとVESAマウントについて詳細に解説します。
USBポート
NucBox G5には、データの送受信用として合計3つのUSB Type-Aポートが備わっています 。その内訳は、本体の前面に2つ、背面に1つです 。これらのポートの規格はUSB 3.2 (Gen1)またはUSB 3.1と記載されており、高速なデータ転送が可能です 。
また、背面にはUSB Type-Cポートが1つありますが、これは12V/3Aの電源供給専用となっており、データ転送や映像出力には対応していません 。
なお、このポートの電源供給については、情報源によって見解が分かれています。付属の専用アダプタ(12V/3A)の使用が基本ですが、USB PD充電器の利用に関しては注意が必要です 。あるレビューでは、安全上の理由から市販のUSB PD充電器を使用しないよう明確に注意喚起しています 。
一方で、PC専門誌のレビューや実際の使用者からは、45Wクラスの市販のUSB PD充電器で問題なく動作したとの報告も複数上がっています 。
このため、公式には専用アダプタの使用が推奨されますが、非公式ながら特定のUSB PD充電器でも動作する可能性がある、というのが現状です。なお、このUSB Type-Cポートがデータ転送や映像出力に非対応である点は、すべての情報源で共通しています 。
VESAマウント
NucBox G5の本体底面には、モニターの背面などに取り付けるためのマウント用のネジ穴が用意されています 。これにより、VESAマウントなどを利用してPC本体をモニターの裏に固定し、デスク周りのスペースを有効活用することが可能です 。
ただし、付属品の一覧にはVESAマウント用のブラケットは含まれておらず、別途用意する必要があると考えられます 。
GMKtec NucBox G5のライセンスとクリーンインストール
GMKtec NucBox G5には正規のWindows 11 Proライセンスが付属しており、ユーザーによるOSのクリーンインストールも可能です。
搭載されているOSライセンス
NucBox G5には、Windows 11 Proがプリインストールされています 。このライセンスは、個人利用が許可されている通常のOEMライセンスです。一部のミニPCで見られるような、個人利用が想定されていないボリュームライセンス(VL)ではないため、安心して使用できます。
また、本体底面には無線通信に必要な技適マークが、付属の電源アダプターには「電気用品安全法」の基準を満たすPSEマークがそれぞれ記載されています。
OSのクリーンインストール手順
セキュリティ等の理由からOSをクリーンインストールする場合、いくつかの準備を行うことでスムーズに作業を進められます。
1. インストール前に行う準備
まず、Windowsのプロダクトキーと既存のドライバをバックアップします。プロダクトキーは、Windowsに標準搭載されているPowerShellを起動し、特定のコマンド (Get-WmiObject -query ‘select * from SoftwareLicensingService’).OA3xOriginalProductKey を実行することで確認・保存できます。
次に、現在インストールされている全ドライバをバックアップします。これもPowerShellからDISMというツールを使い、dism /online /export-driver /destination:”バックアップ先フォルダパス” というコマンドで任意の場所に書き出せます。
最後に、マイクロソフトの公式サイトからメディア作成ツールをダウンロードし、USBメモリを使ってWindows 11のインストールメディアを作成します。作成したUSBメモリに、先ほどバックアップしたプロダクトキーとドライバ群をコピーしておくと後の作業が円滑になります。
2. インストールとドライバの適用
準備が完了したら、作成したUSBメモリからPCを起動し、Windowsのインストールを開始します。インストールの途中でプロダクトコードの入力を求められた際は、「プロダクトコードがありません」を選択して進めることができます。
インストール完了後、ほとんどのドライバはWindows Updateを通じて自動的に適用されます。しかし、一部のドライバは手動で適用する必要があります。その際は、デバイスマネージャーを開き、ドライバが当たっていない不明なデバイス(「?」マークが表示されている項目)に対して、バックアップしておいたドライバフォルダを指定して更新作業を行います。
NucBox G5の場合、「PCIデバイス」や「不明なデバイス」として表示されるIntelのチップセット関連のドライバが手動適用の対象となることがあります。
GMKtec NucBox G5のメリット・デメリット
GMKtec NucBox G5は、その驚異的なコンパクトさと価格で注目を集める一方、いくつかのトレードオフも存在します。ここでは、旧モデル「NucBox5」や他の競合製品との比較も交えながら、その長所と短所を詳しく解説します。
【メリット】
メリット1:圧倒的なコンパクトさと軽さ
NucBox G5の最大の特長は、72mm四方、高さ約45mmという非常に小さなサイズです 。実測重量もわずか206gと軽量で、デスクのスペースをほとんど取らないだけでなく、ポケットに入れて持ち運ぶことさえ可能です 。このサイズは「CHUWI LarkBox Pro」(61×61×43mm)にはわずかに及びませんが、非常に高い携帯性を実現しています。
メリット2:N100を上回るグラフィックス性能
CPUにはIntel N97プロセッサを搭載しています 。これは多くのミニPCで採用されるN100と比較して、特にグラフィックス性能で優位性があります 。GPUの実行ユニット数や動作クロックが高いため、ベンチマークテストではN100搭載機を大幅に上回るスコアを記録しており、より快適な操作感が期待できます 。旧モデルのNucBox5が搭載していたIntel Celeron N5105と比較しても、性能は大きく向上しています 。
メリット3:優れたコストパフォーマンスとWindows 11 Pro搭載
12GBメモリと512GBのSSDを搭載したモデルが3万円を切る価格で提供されており、非常に高いコストパフォーマンスを誇ります 。OSにはWindows 11 Proがプリインストールされており 、ビジネス用途にも適しています。
メリット4:充実したUSBポートとデュアル4Kモニター対応
高速なUSB3.2(または3.1)ポートを合計3つ搭載しており 、これは「CHUWI LarkBox Pro」などの競合製品(USB 3.0×2)よりも多いです。また、コンパクトな筐体ながら4K@60Hz出力に対応したHDMIポートを2基搭載しており 、特別なアダプタなしで2画面の4Kモニター環境を構築できます。
メリット5:静音性の高さとカスタマイズ性
PCの動作音は非常に静かで、高負荷時でも耳を近づけてようやくファンの回転音が聞こえる程度です 。また、BIOS設定が高度にカスタマイズ可能で、電源投入時に自動で起動する機能なども搭載されており、特定の用途に合わせて柔軟な設定ができます。
【デメリット】
デメリット1:メモリの増設が不可能
搭載されている12GBのLPDDR5メモリは、マザーボードに直接はんだ付けされているオンボードタイプです 。そのため、購入後にメモリを増設したり交換したりすることは一切できません。これは、最大12GBまでメモリ拡張が可能だった旧モデルのNucBox5とは異なる点です 。
デメリット2:USB Type-Cポートの機能制限
背面に搭載されているUSB Type-Cポートは電源供給専用です 。データ転送や映像出力機能(DisplayPort Alt Mode)には対応していないため、USB-Cケーブル1本でモニターに接続するといった使い方はできません 。
デメリット3:旧世代の無線LAN規格
搭載されている無線LANはWi-Fi 5(802.11ac)、Bluetoothはバージョン4.2です 。最新のWi-Fi 6やBluetooth 5.x世代の規格には対応していません。この点は、Wi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応していた旧モデルのNucBox5からスペックダウンした部分となります 。
デメリット4:高負荷時の発熱とパフォーマンス
本体が非常に小さいため、高い負荷が続くとCPU温度が80度台後半から90度台に達し、性能を一時的に低下させるサーマルスロットリングが発生することがあります 。長時間の高負荷作業には、設置場所の通気性を確保するなどの工夫が推奨されます 。
デメリット5:映像出力ポートとWebカメラの不在
映像出力はHDMIのみで、DisplayPortは搭載されていません。また、他の多くのミニPCと同様に、Webカメラも内蔵されていないため、ビデオ会議などで使用する場合は別途購入する必要があります。
GMKtec NucBox G5の口コミ情報・評判
ここでは、GMKtec NucBox G5の口コミ情報・評判について紹介します。
高評価のポイント
パフォーマンス
- サイズからは想像できないほど高性能で、起動や動作が速い。
- 日常的な作業(オフィスソフト、ウェブ閲覧、動画視聴)は非常に快適。
- プログラミング(IntelliJ, Visual Studio Code)や軽い写真編集もこなせる。
- Intel N97 CPUは、旧モデルのN100より高速。
- ストレージをSATAからNVMe SSDに換装すると、さらに速度が向上する。
コンパクトさ・携帯性
- 手のひらに収まるほど非常に小型・軽量。
- デスクスペースをほとんど取らず、モニターの裏に設置することも可能。
- 複数のPCを持ち運ぶ必要がある業務などで重宝する。
静音性・省電力
- 動作音が非常に静かで、ファンの音はほとんど聞こえないという意見が多数。
- 消費電力が非常に少ない(25W以下)。
- モバイルバッテリーやカーチャージャーでも駆動可能。
機能性・拡張性
- USB-Cポートからの給電に対応している。
- ストレージ(SSD)やWi-Fiモジュールの換装・アップグレードが可能。
- デュアルモニター出力に対応し、2画面での作業も問題ない。
- BIOS設定の自由度が高く、電源投入時の自動起動などが設定できる。
- マイクロSDカードスロットを搭載している。
コストパフォーマンス
- 低価格でありながら高い性能を持ち、コストパフォーマンスが非常に優れている。
- Windows 11 Proがプリインストールされており、セットアップが簡単。
注意点・課題
互換性の問題
一部のテレビ(例:LG OLED TV)に接続した際に、映像が正常に出力されないという報告がある。(設定変更で解決した事例もあり)
ハードウェア・機能の制約
- データ通信に対応したUSB-Cポートがないという指摘がある。
本格的な3Dゲームをプレイするには性能が不足しており、最低設定でようやく動作するレベル。
アップグレード時の課題 - SSDを大容量のものに換装する際、OSのクローンがうまくいかなかったり、OSのインストールメディアが提供されていなかったりするという報告がある。
電源
供給電力が不足すると、システムが突然シャットダウンすることがあるため、安定した電源(30W以上の出力が推奨)が必要。
主な用途例
- 日常的なPC利用(オフィスワーク、ウェブ閲覧、メール、動画視聴)
- メディアサーバー(Plexなど)
- Home Assistantなどの常時稼働サーバー
- プログラミングや開発環境
- 親や家族用のセカンドPC
- 持ち運び用のポータブルPC
GMKtec NucBox G5のスペック(仕様)一覧
- プロセッサ 第12世代 (Alder Lake) Intel N97
※10nm/4コア/4スレッド/最大3.6GHz/TDP 12W - GPU Intel UHD Graphics 12世代
- RAM(メモリ) 12GB LPDDR5 4800 MT/s ※オンボード
- ストレージ 256GB / 512GB M.2 2242 SATA
- 拡張ストレージ M.2 SSD (2242 PCle)で最大2TBまで
- 電源 ACアダプター
- カメラ なし
- ワイヤレス通信 Wi-Fi 5 (802.11ac/a/b/g/n/ ,2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 4.2
- 有線LAN 1000M
- インターフェース Type-C (12V/3A・電源用のみ) x1、USB3.2 (5Gbps) x3、HDMI 2.0 (4K@60Hz) x2、TF / microSDカードスロット x1、RJ45 x2、3.5mmオーディオジャック x1、ケンジントンロック x1、電源ボタン
- 映像出力 4K 2画面出力、HDMI 2.0 (4K@60Hz) x2
- 冷却ファン 内蔵
- VESAマウント 対応
- OS Windows 11 Pro ※インストール済み、Linux/Ubuntuサポート
- サイズ 71.8 x 71.8 x 44.4 mm
- 重量 206g
- カラー ブラック/グレー
GMKtec NucBox G5の評価
7つの基準で「GMKtec NucBox G5」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
スペック:★★★☆☆
CPUはN100を上回るN97を搭載しグラフィックス性能は高いですが、メモリが増設不可、ストレージがSATA規格である点が評価を分けます。
デザイン:★★★★★
72mm四方、実測169gという圧倒的なコンパクトさと軽さは最大の特徴であり、あらゆるミニPCの中でも群を抜いています。
通信:★★☆☆☆
有線LANポートは備えるものの、無線LANがWi-Fi 5、Bluetoothが4.2と一世代前の規格であり、最新の環境には見劣りします。
機能(拡張性):★★★☆☆
メモリ増設はできませんが、SSDの交換は可能で、デュアルHDMIや3つのUSB-Aポートなど、サイズに対してインターフェースは健闘しています。
冷却性能: ★★☆☆☆
平常時は非常に静かですが、高負荷時にはCPU温度が90度近くまで上昇し、性能低下(サーマルスロットリング)が見られる点が大きなマイナスです。
使いやすさ:★★★★☆
Windows 11 Proを搭載し、開封後すぐに使用できます。デュアルモニタ対応で一般的な作業の快適性は高く、携帯性にも優れています。
価格:★★★★★
3万円を切る価格でこの性能とコンパクトさを実現しており、コストパフォーマンスは他の追随を許さないレベルで非常に優れています。
総評:★★★☆☆
小ささはロマン、価格は正義
GMKtec NucBox G5は、「驚異的な小ささ」と「圧倒的な価格」という2つの明確な強みを持つ、非常に尖ったミニPCです。手のひらに収まるサイズ感は、設置場所を選ばず、デスク周りを極限までスッキリさせたいユーザーや、本体だけを持ち運びたいユーザーにとって、他に代えがたい魅力となるでしょう。N100を上回るN97プロセッサの性能も、この価格帯の製品としては十分以上のパフォーマンスを発揮します。
購入前に理解すべきトレードオフ
しかし、その魅力と引き換えに多くのトレードオフが存在します。最大の懸念点は冷却性能です。小さな筐体に性能を詰め込んだ結果、高負荷時のCPU温度はかなり高くなり、性能が完全に引き出せているとは言えません。また、メモリが増設不可能である点、無線LANの規格が古い点、USB Type-Cが給電専用である点など、拡張性や最新規格への対応という面では割り切りが必要です。
どんな人に最適か
このPCは、その特性を理解した上で特定の目的を持つユーザーに最適です。例えば、Web閲覧や動画視聴が中心のセカンドマシンを探している人、リビングのテレビに繋ぐための省スペースなメディアPCが欲しい人にはぴったりです。また、その低消費電力と静音性を活かし、PlexやHome Assistantなどを動かすための常時稼働サーバーとして活用するのも良い選択肢でしょう。
まとめ
結論として、NucBox G5は「万能機」ではありません。これは、明確なメリットとデメリットを理解した上で選ぶべき、特定のニーズに応えるための製品です。Webブラウジングや動画視聴、軽めのオフィス作業といった用途に限定し、何よりもサイズと価格を重視するユーザーにとっては、これ以上ない最高の選択肢となるでしょう。この機会にぜひ購入を検討してみてください。
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GMKtec NucBox G5の価格・購入先
GMKtec公式サイト
- 12GB RAM + 256GB SSDモデルで$129.99、
- 12GB RAM + 512GB SSDモデルで$159.99、
で販売されています。
GMKtec公式サイトで「GMKtec NucBox G5」をチェックする
ECサイト
- Amazonで19,221円(税込)、
- 楽天市場で26,985円(送料無料)、
- 米国 Amazon.comで$175.99、
で販売されています。
Amazonで「GMKtec NucBox G5」をチェックする
楽天市場で「GMKtec NucBox G5」をチェックする
ヤフーショッピングで「GMKtec NucBox G5」をチェックする
AliExpressで「GMKtec NucBox G5」をチェックする
米国 Amazon.comで「GMKtec NucBox G5」をチェックする
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説

おすすめのライバル機種と価格を比較
「GMKtec NucBox G5」と同じような超小型サイズのミニPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
GMKtec NucBox G10
GMKtecから発売されたAMD Ryzen 5 3500U 搭載のミニPCです(2025年6月22日 発売)。
16GB DDR4-2400メモリ、512GBまたは1TB M.2 SSDストレージ、ストレージ用の拡張スロット(M.2 2280スロットx2)を搭載しています。
また、最大16TBまでのストレージ拡張、最大32GBまでのメモリ拡張、3画面出力(HDMI, DisplayPort, Type-C)、フル機能Type-Cポート(DP映像出力/PD充電/DATA)x1、Type-C (PDのみ)x1、静音冷却ファン、VESAマウント、USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB2.0 x1、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0、2.5Gギガビット有線LANにも対応しています。
価格は、Amazonで35,999円(税込・8GB+256GB)、AliExpressで24,573円(8GB+256GB)、です。
関連記事:GMKtec G10徹底レビュー!Ryzen 5 3500UミニPCは買いか?
Beelink ME mini
Beelinkから発売されたIntel Twin Lake N150 搭載のミニPC兼NASサーバーです(2025年6月 発売)。
12GB LPDDR5 (4800MHz)メモリ、64GB eMMCストレージ(+2TB SSD)、45W電源ユニットを搭載しています。
また、99mmのキューブ型デザイン、6基のM.2 SSD スロットによるストレージ拡張(合計最大24TBまで)、HDMI(最大4K 60Hz)映像出力、静音ファンと垂直エアフロー冷却設計、WindowsやLinuxなど多様なOS(NAS用のTrueNASやUnraid、仮想OS用のProxmoxやESXiなど)、USB Type-C (10Gbps)ポート、WiFi 6、Bluetooth 5.2、デュアル2.5GbE有線LANに対応しています。
価格は、Amazonで63,900円(税込・15000円 OFFクーポン付きで実質48,900円)、AliExpressで56,964円、米国 Amazon.comで$409.00($80 OFFクーポン付き)、です。
関連記事:Beelink ME mini徹底レビュー!最大24TBのNASホームサーバー
LarkBox X 2023 (N100)
CHUWIから発売されたインテルN100搭載の小型PCです。SSD 512GB、4つのUSB3.1ポートを備えるほか、M.2拡張、4K 3画面出力、Wi-Fi 6、VESAマウントに対応しています。
価格は、Amazonで29,900円 (税込)、楽天市場で29,900円(送料無料)、ヤフーショッピングで30,900円(送料無料)、CHUWI JP公式ストアで税込29,900円、AliExpressで$120.40 (日本円で約18429円)、米国 Amazon.comで$189.00 (日本円で約28929円)です。
関連記事:「LarkBox X 2023」(N100)のベンチマーク、性能、評価を解説
MeLe Overclock4C
MeLeから発売されたインテル N95搭載の超小型PCです。フル機能USB-C、4K 3画面出力、Wi-Fi 6、冷却システムに対応しています。
価格はAmazonで34,999円(税込・6500円 OFFクーポン付き)、楽天市場で35,321円(送料無料)、AliExpressで$233.99 (日本円で約35815円)、米国 Amazon.comで$269.99 ($70 OFFクーポン付き) です。
関連記事:「MeLe Overclock4C」極小でも妥協なし? 話題の超小型PCと徹底 比較!
Minisforum EM780
超小型PC「MINISFORUM EM680」の上位モデルでAMD Ryzen 7 7840U プロセッサを搭載。8K 3画面出力、2つのUSB4 ポート、ドッキングステーション、PD給電、冷却システムに対応しています。
価格は、Amazonで93,133円(税込・タイムセール価格)、楽天市場で117,666円(送料無料)、ヤフーショッピングで122,000円(送料無料)、米国 Amazon.comで$739.99 です。
関連記事:「MINISFORUM EM680」最小で最強? パワフルな小型PCと徹底 比較!
他のGMKtec NucBox ミニPCと比較
他にもGMKtec NucBox ミニPCが販売されています。2025、2024年モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。
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その他のおすすめ小型PCは?
その他のおすすめ小型PCは以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。
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