2026年1月17日、AYANEOから2万円台のAndroid携帯ゲーム機「AYANEO Pocket Air Mini」が発売されました。この価格帯のゲーム機は長らくANBERNICがほぼ市場を独占していた領域です。ハイエンド機で知られるAYANEOがついにANBERNICの牙城を崩しにかかった形です。
今回のレビューでは、そんな「AYANEO Pocket Air Mini」がどれほどの実力を持っているのか、ライバル機「ANBERNIC RG476H」と比較しながら、その真価を徹底的に検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
AYANEO Pocket Air Mini の長所(Pros):
- 重量わずか269gの超軽量ボディと高級感あるビルドクオリティ
- 4.2インチ 4:3 高精細ディスプレイによる美しいレトロゲーム表示
- MediaTek Helio G90Tを搭載し、価格以上のエミュレーション性能を実現
- マスターコントローラー機能による高精度な操作性とカスタマイズ性
- 独自UI「AYAHome」と管理ソフト「AYASpace」による洗練されたシステム環境
AYANEO Pocket Air Mini の短所(Cons):
- メモリ3GBのためマルチタスク性能が低く、重い作業は苦手
- 内部ストレージが64GBのみで、microSDカードの運用が必須
- USB Type-Cポートからの映像出力には非対応
- 搭載OSがAndroid 11と古く、将来性にやや不安がある
- 画面サイズが小さく、クラウドゲームの文字などが見にくい
総合評価:
AYANEO Pocket Air Miniは、最新の重量級ゲームを遊ぶハイエンド機ではありませんが、「気軽に外に持ち出せる軽快さ」と「最高レベルの操作性」を兼ね備えた完成度の高い携帯ゲーム機です。メモリやストレージ容量が少なめである点や、OSがAndroid 11と少し古いなどデメリットがありますが、スペックよりも「手に馴染む質感」や「ゲームにのめり込める感覚」を大切にしたいと考えるユーザーには最高の相棒となるでしょう。
<この記事でわかること>
- デザイン: 重量269g、ABS樹脂素材、グリップ形状、レトロホワイト、携帯性、サイズ比較、付属品
- ディスプレイ: 4.2インチ、4:3アスペクト比、1280×960、380PPI、CRTフィルター、IPS相当、視認性、引き伸ばしや歪みを排除
- 操作性: ホールセンサー、マスターコントローラー、キーマッピング、RGBライト、振動機能、AYASpace、AYANEOボタン
- パフォーマンス: MediaTek Helio G90T、CPU、Mali-G76 MC4
- ベンチマーク: Antutu スコア、CPU性能比較(ランキング)、GPU性能
- 冷却性能: アクティブ冷却ファン、静音性、排熱構造、ファン制御
- アプリの動作感: メモリ、マルチタスク、仮想メモリ、ストレージ容量、microSDカード、YouTube再生、動画視聴
- ゲーム性能: 原神、マインクラフト、PS2、PSP、セガサターン、NDS/3DS、フレームレート計測(fps)
- バッテリー: 4500mAh、駆動時間、PD 18W急速充電、待機電力、モード切替
- オーディオ: デュアルスピーカー、音質、3.5mmイヤホンジャック、Bluetooth 5.0
- 通信性能: Wi-Fi 5、Bluetooth、ストリーミング、Steam Link、遅延
- ソフトウェアと設定: Android 11、AYAHome、AYASpace、Google Playストア、エミュレーター導入、OTAアップデート
- 比較:ANBERNIC RG476H、AYANEO POCKET MICRO、AYANEO Pocket ACE、ANBERNIC RG557
- スペック:仕様詳細
- 評価:5段階評価、総評、最適なユーザー、メリット・デメリット
- 価格:購入先、ハイビーム公式、Amazon、AliExpress
この記事を最後まで読むことで、「AYANEO Pocket Air Mini」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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AYANEO Pocket AIR Mini | AYANEO 日本公式サイト
デザイン:AYANEO Pocket Air Miniのレトロな美学と実用的な携帯性
AYANEO Pocket Air Miniは、かつてのフラッグシップ機のDNAを受け継ぎつつ、手のひらサイズに凝縮されたデザインが魅力です。ここではその外観や質感、携帯性について詳しく見ていきます。
驚きの軽さと、手に馴染むノスタルジックな質感
箱から取り出した瞬間、まず驚いたのはその「軽さ」と「コンパクトさ」です。重量は約269gと非常に軽量で、手に取った瞬間にふわっとした軽やかさを感じました。素材にはABS樹脂素材(プラスチック)が採用されていますが、決して安っぽいおもちゃのような印象は受けません。表面にはマットなコーティングが施されており、さらさらとした手触りが非常に心地よく、指紋も目立ちにくいのが嬉しいポイントです。
私が手にした「レトロホワイト」カラーは、清潔感のある白を基調としたデザインで、シンプルながらもどこか懐かしい雰囲気を漂わせており、所有欲を静かに満たしてくれます。背面には人間工学に基づいた緩やかなグリップの膨らみがあり、このコンパクトな筐体でも手に持ったときに自然と指がフィットします。長時間プレイしても疲れにくい設計になっており、その軽快な見た目とは裏腹に、本格的なゲーミングギアとしての風格を感じました。
競合機「ANBERNIC RG476H」とのサイズ・重量比較
ライバル機である「ANBERNIC RG 476H」と比較すると、デザインの方向性と携帯性に明確な違いが見えてきます。RG476Hは前面がフルガラス張りでモダンかつ高級感がある一方、少し重さを感じることがあります。対して、AYANEO Pocket Air Miniは重量が約269gと、RG476H(約290g〜301g)に比べて20g〜30gほど軽量です。
実際に両者を持ち比べてみると、この数値以上の差を体感しました。AYANEO Pocket Air Miniの本体サイズは約165.9 × 82.5 × 18.7mm(最薄部)と非常にコンパクトで、大型のスマートフォンと変わらない横幅に収まっています。対するRG476Hはこれよりも一回り全体が大きく、特にかさばりを感じやすいサイズ感です。
そのため、AYANEOはジャケットのポケットにも無理なく収まり、「これならどこへでも連れ出せる」という軽快さがあります。RG476Hが4.7インチディスプレイを採用して本体サイズが大きくなっているのに対し、AYANEOは4.2インチに抑えられているため、手の小さい私でも片手でホールドしやすく、取り回しの良さではAYANEOに軍配が上がると感じました。
接続ポートの配置と映像出力の制限
インターフェース類は主に本体下部に集約されており、使い勝手は良好です。中央にUSB Type-Cポート、その左右にmicroSDカードスロットと3.5mmヘッドフォンジャックが配置されています。個人的に嬉しかったのは、有線イヤホンが使える点で、音ズレが許されないリズムゲームをプレイする際に重宝しました。
ただし、注目すべき違いとして、RG476HがUSB Type-C経由での1080p映像出力(DisplayPort出力)に対応しているのに対し、AYANEO Pocket Air MiniのUSBポートはUSB 2.0仕様であり、基本的に映像出力には対応していない点が挙げられます。大画面テレビに出力して遊びたいと考えている方は、この仕様差に注意が必要です。AYANEOはあくまで「手の中で完結する最高の体験」を追求しているといえるでしょう。
充実した付属品とパッケージ
パッケージ内容も非常に丁寧です。本体以外にUSB Type-Cケーブル、マニュアルカードに加え、交換用のジョイスティックヘッド(スペアパーツ)が同梱されています。スティックの感触を好みに合わせて調整できる配慮は、ゲーマー心をくすぐる素晴らしい点です。専用ケースは標準では付属していませんが、箱自体の作りがしっかりしており、開封時のワクワク感を高めてくれました。
まとめ:デザイン
- 質感:マットなコーティングが施されたABS樹脂素材で、指紋が付きにくく手触りが良い。
- カラー:レトロホワイトは清潔感のある白を基調としており、懐かしさと洗練された美しさを両立している。
- 人間工学:背面のグリップ形状が手にフィットし、長時間のプレイでも疲れにくい。
- 重量比較:約269gと軽量で、競合のANBERNIC RG476H(約290g〜301g)よりも軽く携帯性に優れる。
- サイズ感:4.2インチ画面に抑えられたコンパクトな筐体は、ポケットへの収まりが良い。
- ポート配置:下部にイヤホンジャックや充電ポートが集約され、使い勝手が良い。
- 映像出力:RG476Hと異なり、基本的に外部映像出力には対応していない(USB 2.0仕様)。
- 付属品:交換用ジョイスティックヘッドが同梱されており、カスタマイズ性への配慮がある。
ディスプレイ:AYANEO Pocket Air Miniの4:3画面と鮮烈な映像美
AYANEO Pocket Air Miniのディスプレイは、レトロゲームへの没入感を高めるために計算し尽くされた設計が魅力です。ここでは、その画質やアスペクト比、競合機種との違いについて詳しくレビューしていきます。
鮮やかで高精細な4.2インチLCDパネル
電源を入れて画面が点灯した瞬間、その発色の良さに目を奪われました。搭載されている4.2インチのLCDディスプレイは、sRGB色域カバー率が123%にも達しており、色彩が非常に豊かで鮮やかです。IPS相当の視野角を持ち、斜めから覗き込んでも色が反転したり薄くなったりすることはありませんでした。画素密度は380PPIと非常に高く、ドット感を感じさせない緻密な描写が可能です。文字の輪郭もくっきりとしており、小さなテキストでも読みやすいと感じました。有機ELパネルではありませんが、それに迫るようなコントラストと色の深みがあり、ゲームの世界観を美しく再現してくれます。
究極の「4:3」アスペクト比とライバル機との違い
このデバイスの最大の特徴は、レトロゲームに最適な「4:3」のアスペクト比を採用している点です。スーパーファミコンやプレイステーション、セガサターンといった往年の名作を起動すると、画面いっぱいに映像が表示され、黒帯(レターボックス)による引き伸ばしや歪みが一切ないピクセルパーフェクトな状態で楽しむことができます。
ここで比較対象となる「ANBERNIC RG476H」との違いに触れておきます。RG476Hも同様に「4:3」のアスペクト比と「1280×960」の解像度を採用していますが、画面サイズは4.7インチとAYANEOよりも一回り大きいです。
つまり、両者は全く同じ解像度でありながら画面サイズだけが異なります。RG476Hは画面が大きいぶん迫力がありますが、AYANEO Pocket Air Miniは4.2インチに凝縮されているため、画素密度(PPI)が約380PPIと非常に高く(RG476Hは約340PPI)、よりドット感が目立たない、シャープで緻密な映像体験が得られるのがメリットです。一方で、PSPのような16:9のワイド画面を表示する場合、どちらも上下に黒帯ができますが、画面サイズの小さいAYANEOの方が表示領域がより狭くなってしまう点は、携帯性とのトレードオフと言えるでしょう。
屋外でも見やすい高輝度「500nit」
明るさに関しては、最大輝度が500nit(実測では600nit近く出る場面も)確保されており、日中の屋外でも十分な視認性を保っています。実際に公園のベンチでプレイしてみましたが、直射日光下でも画面が白飛びして見えなくなることはなく、快適にゲームを続けることができました。この明るさは、鮮やかな発色と相まって、レトロゲームのドット絵をより魅力的に見せてくれます。
高性能な「CRTフィルター」との相性
1280×960という高解像度は、レトロゲームの整数倍スケーリングに非常に有利です。特に感動したのは「CRTフィルター」を適用した時の表現力です。RetroArchなどで走査線(Scanline)のエフェクトをかけると、高精細な画面のおかげで非常に細かく自然なラインが描画され、まるで当時のブラウン管テレビで遊んでいるかのようなノスタルジックな雰囲気が完璧に再現されました。解像度が低いデバイスでは潰れてしまいがちなフィルターのディテールも、このディスプレイなら美しく表現できます。
リフレッシュレートとタッチ感度
リフレッシュレートについては、AYANEO Pocket Air Miniが一般的な60Hzであるのに対し、競合のANBERNIC RG 476Hは最大120Hzに対応しています。レトロゲームを中心にするなら60Hzで十分ですが、AndroidのシステムUIのスクロールや、対応する最新ゲームの滑らかさという点では、RG 476Hに分があると感じました。タッチ操作に関しては、タッチサンプリングレートが平均120Hz程度確保されており、DSのエミュレーターなどでタッチペン操作を行う際も、目立った遅延やズレを感じることなくスムーズに入力できました。
まとめ:ディスプレイ
- パネル種類:4.2インチ LCDディスプレイ(IPS相当の視野角)
- 解像度:1280×960(380PPIの高精細)
- アスペクト比:4:3を採用し、PS1やSFCなどのレトロゲームを黒帯なしで表示可能
- 色再現性:sRGB 123%の色域カバー率で、非常に鮮やか
- 輝度:最大500nit以上の明るさがあり、屋外での視認性も良好
- フィルター適性:高解像度によりCRTフィルターやスキャンラインが美しく適用できる
- 競合比較(サイズ):RG 476H(4.7インチ)より小さいが、その分画素密度が高くシャープ
- 競合比較(滑らかさ):RG 476Hが120Hz対応なのに対し、本機は60Hz止まりである
- タッチ感度:違和感のない反応速度で、エミュレーターの操作も快適
操作性:AYANEO Pocket Air Miniの極小ボディに詰まった「マスターコントローラー」の実力
AYANEO Pocket Air Miniの操作性は、単なる「小さなゲーム機」の枠を超え、PCゲーミングハンドヘルドで培ったノウハウが凝縮されています。独自の管理システム「マスターコントローラー」による高精細な設定と、物理ボタンの配置が生み出す独特のプレイフィールについてレビューします。
ホールセンサーの滑らかさとRGBの彩り
操作の要となるジョイスティックとトリガーには、磁気検知式の「ホールセンサー」が採用されています。実際に『スーパーマリオ64』のような3Dアクションゲームをプレイしてみると、スティックを僅かに倒した時の「歩き出し」の反応が非常に滑らかで、物理的な接触がないためドリフト現象(勝手に入力される不具合)への不安も軽減されています。スティックの周囲にはRGBライティングが施されており、自分の好みの色や光り方に設定できるため、小さいながらもゲーミングデバイスらしい所有欲を満たしてくれました。
比較対象の「ANBERNIC RG 476H」もホールセンサーとRGBライトを搭載していますが、決定的な違いはそのサイズ感です。RG 476Hが大角度のジョイスティックを採用し、家庭用コントローラーに近いストロークを持つのに対し、AYANEOのスティックは筐体サイズに合わせてかなり小ぶりに設計されています。繊細なエイム操作には慣れが必要ですが、後述するソフトウェア側での感度調整が優秀なため、ハードウェアの小ささをソフトウェアで補っている印象を受けました。
しっとりとしたボタンと独特なショルダートリガー
ABXYボタンや十字キーは導電性ラバー(メンブレン)方式を採用しており、カチカチという硬質な音ではなく、しっとりとした押し心地です。レトロゲームを長時間遊んでも指が疲れにくく、個人的にはファミコンやスーパーファミコン世代のゲームとの相性が抜群だと感じました。
ここで注目すべきは、本体上部のショルダーボタンの配置です。AYANEO Pocket Air Miniは、L1/L2(LB/LT)の隣に、カスタマイズ可能な「LC/RCボタン」という独自のボタンを追加しています。これにより、スクリーンショットや特定のキー入力を指先一つで呼び出せる利便性があります。しかし、この多機能さを追求した結果、ボタンが密集しており、慣れないうちは押し間違えることがありました。
対照的に、RG 476HはL1/L2ボタンを「縦並び(スタック)」に配置しており、Switch Liteのような直感的な押し分けが可能です。操作のシンプルさと誤爆の少なさではRG 476Hに分がありますが、ボタン数の多さとカスタマイズ性ではAYANEOが勝っています。
AYANEOボタンとAYASpace
AYANEOの真骨頂は、専用管理ソフトウェア「AYASpace」と連携した「マスターコントローラー」機能にあります。本体右下の「AYANEOボタン」を短押しするとクイックツールが起動し、ゲーム中に画面を隠すことなく輝度やファン設定、パフォーマンスモードを瞬時に切り替えられます。
そして、このボタンを長押しすることで、管理アプリ「AYASpace」のメイン画面(ゲームライブラリ)がスムーズに起動します。これにより、ゲームの起動から設定変更、そして別のゲームへの切り替えまでを、物理ボタン一つでシームレスに行き来できる体験は非常に快適でした。
キーマッピングと感度調整
特に感動したのは、コントローラー非対応のAndroidゲーム(例えば『原神』など)を遊ぶ際のキーマッピング機能です。画面上のタップ位置を物理ボタンに割り当てる設定が非常に直感的で、遅延もほとんど感じませんでした。また、スティックのデッドゾーン(遊び)や感度、トリガーの反応範囲を細かくグラフで調整できるため、自分の手癖に合わせた「最強の設定」を追い込む楽しさがあります。このソフトウェアの完成度の高さは、ハードウェア主体のANBERNIC製品に対する大きなアドバンテージです。
没入感を高める振動機能とジャイロ操作
振動機能については、X軸リニアモーター搭載の上位機種とは異なり、ローターモーターが採用されていますが、振動の強弱を調整できるため、不快な揺れを抑えてゲームプレイにメリハリをつけることができました。また、6軸ジャイロセンサーも搭載されており、3DSのエミュレーターやレースゲームでの直感的な操作も問題なく行えます。
まとめ:操作性
- スティック:ホールセンサー搭載でドリフトしにくく滑らかだが、RG 476Hに比べてサイズが小さく慣れが必要。
- トリガー:ストロークの長いホールトリガーを採用し、レースゲームなどでの微調整が効く。
- ボタン配置:ABXYはしっとりしたメンブレン式。RG 476Hの縦並びショルダーに対し、AYANEOはLC/RCボタン追加による多機能さを重視。
- AYASpace:AYANEOボタン一つで設定画面にアクセスでき、システム管理が快適。
- キーマッピング:『原神』などのタッチ操作ゲームも物理ボタンで快適に遊べる。
- カスタマイズ性:マスターコントローラー機能により、スティック感度やデッドゾーン、振動の強さを細かく調整可能。
- RGBライティング:スティック周囲のライティングはカスタマイズ可能で、視覚的な満足度が高い。
パフォーマンス
ここでは、AYANEO Pocket AIR Miniのパフォーマンスについて、Antutuベンチマーク、冷却性能、アプリの動作感にわけて詳細に紹介します。
本機には、SoCとして「MediaTek Helio G90T」が搭載されています。これは、2つの高性能コア(Cortex-A76)と6つの高効率コア(Cortex-A55)を組み合わせたオクタコアプロセッサで、GPUには「Mali-G76 MC4」を採用しています。数年前のミドルハイ向けチップですが、この価格帯のハンドヘルド機としては堅実な構成です。
[Antutu V11バージョン]
例: Antutu V11.0.3 総合で「459694」、CPUで「198415」、GPUで「53095」、MEMで「76858」
総合スコアは約46万点、CPU性能は19万8千点、GPU性能は約5万3千点になります。
Antutu V10 換算で総合スコアが約34万~36万5千点になります。
CPU性能を比較
AYANEO Pocket AIR Miniが搭載するMediaTek Helio G90T プロセッサと、他のCPUの性能を比較してみました。
<CPU ランキング>
※Antutu V10 ベンチマーク総合スコアで比較したものです。
- Snapdragon G3x Gen3(AYANEO Poket FIT)・・・Antutu:200万
- Snapdragon G3x Gen 2 (AYANEO Pocket ACE)・・・Antutu:166万
- MediaTek Dimensity 8300(ANBERNIC RG557 / RG406H)・・・Antutu:125万
- Snapdragon 865 (Retroid Pocket 5 / Retroid Pocket Flip 2)・・・Antutu:84万
- Dimensity D1100 (Retroid Pocket 4 Pro)・・・Antutu:70万
- Unisoc T820 (ANBERNIC RG 476H)・・・Antutu:53万
- MediaTek Helio G99・・・(AYANEO Pocket MICRO Classic)・・・Antutu:40万
- MediaTek Helio G90T(AYANEO Pocket AIR Mini)・・・Antutu:36万
- Unisoc USMS 9230S (KINHANK K56)・・・Antutu:32万
<ANBERNIC RG 476Hとの比較でわかること>
ライバル機である「ANBERNIC RG 476H」が搭載するUnisoc T820(約53万点)と比較すると、スコアには明確な開きがあります。数値上、RG 476Hの方が約1.5倍近く高いパフォーマンスを持っており、特に3D処理能力に関わるGPU性能や、チップの製造プロセス(T820は6nm、G90Tは12nm)において世代差が出ています。スペック重視で選ぶ場合、この数値差は無視できないポイントとなります。
<他のCPUとの違いでわかること>
全体の中で見ると、Helio G90Tは、近年の低価格中華ゲーム機で標準的になりつつある「Helio G99(約40万点)」の少し下に位置しています。Snapdragon 865以上を搭載するミドル〜ハイエンド機とは性能差が大きく、同じ土俵で語るモデルではありません。一方で、KINHANK K56のような超低価格帯のチップよりは上位にあり、エントリークラスの中では比較的上位に食い込む立ち位置と言えます。
冷却性能:AYANEO Pocket Air Miniの静音性と強力な排熱システム
手のひらにすっぽりと収まる極小ボディながら、AYANEO Pocket Air Miniは本格的なアクティブ冷却ファンを内蔵しています。ここでは、実際に使用して感じたファンの静音性や、長時間のゲームプレイにおける発熱の抑え込み具合について詳しく見ていきます。
驚くべき静音性を誇るアクティブ冷却ファン
まず驚かされたのは、搭載されている「超薄型・高速ファン」の静音性の高さです。電源を入れてメニュー画面を操作している間や、スーパーファミコン程度の軽いゲームを遊んでいる時は、ファンが回っているのか分からないほど静かです。実際に深夜の静まり返った自室でプレイしていても、ファンの回転音はほとんど聞こえず、家族を起こしてしまう心配もありませんでした。騒音計が反応しないレベル(約33dB)というスペック上の数値は伊達ではありません。
競合となる「ANBERNIC RG 476H」もアクティブ冷却ファンを搭載しており静音性は高いですが、AYANEO Pocket Air Miniはさらにコンパクトな筐体でありながら、耳障りな高周波ノイズを徹底的に抑え込んでいる印象を受けました。ファンの存在を忘れてゲームの世界に没頭できるのは、AYANEOらしいプレミアムな設計思想の表れだと感じます。
長時間の高負荷プレイでも「熱」を感じさせない設計
高負荷なエミュレーターを動かした際の安定性も抜群です。背面の中央に設けられた吸気口から空気を取り込み、本体上部の排気口から熱を逃がすエアフロー設計が効率的に機能しています。試しに『ファイナルファンタジーX』のようなPS2タイトルや、処理の重い3Dアクションゲームを1時間ほど連続でプレイしてみましたが、本体背面がほんのりと温かくなる程度で、グリップを握る手に不快な熱が伝わってくることはありませんでした。
RG 476Hも同様の背面吸気・上部排気の構造を持っていますが、AYANEO Pocket Air Miniはこの極小サイズで熱をコントロールしている点に驚きがあります。筐体が小さいと熱がこもりやすくなるのが一般的ですが、最適化された熱設計により、サーマルスロットリング(熱による性能低下)を起こすことなく安定したフレームレートを維持できていました。
AYAボタンで即座にアクセスできるファン制御
ファンの動作モードは、独自の管理アプリ「AYASpace」を通じて直感的にコントロールできます。ゲームプレイ中に本体右下の「AYANEOボタン(AYAキー)」を短押しするとクイックツールが表示され、そこから「静音」「バランス」「MAX(最大)」などのプリセットを瞬時に切り替えることが可能です。
例えば、電車の中では「静音」に設定して周りに配慮し、自宅で重いゲームをする時は「MAX」にして冷却を優先するといった使い分けがスムーズに行えます。「MAX」にするとさすがに風切り音は大きくなりますが、それでも不快なノイズというよりは、しっかりと冷やしている頼もしい音に聞こえました。RG 476Hもファン設定は可能ですが、物理ボタン一つでオーバーレイメニューを呼び出し、ゲーム画面を見ながら手軽に調整できるAYASpaceのUI体験は、AYANEOの方に一日の長があると感じました。
まとめ:冷却性能
- 静音性:通常使用時は騒音計が反応しないほど静かで、深夜のプレイでも音が気にならない。
- エアフロー:背面吸気・上部排気の効率的な設計により、手に熱風が当たらず快適に操作できる。
- 発熱対策:長時間の高負荷プレイでもグリップ部分が熱くならず、安定した動作を維持できる。
- 競合比較:RG 476Hも冷却性能は高いが、AYANEOはこのコンパクトさで熱を感じさせない設計が秀逸である。
- ファン制御:AYANEOボタンから瞬時にファンモードを切り替えられ、シーンに合わせた調整が容易である。
- 高負荷時:MAXモードにすると風切り音は大きくなるが、冷却能力は確実に向上する。
アプリの動作感:AYANEO Pocket Air Miniの「3GBメモリ」をどう使いこなすか
AYANEO Pocket Air Miniは、限られたスペックの中で「ゲーム専用機」としての最適解を探るデバイスです。ここではメモリ管理やストレージの運用、メディア再生の実力について、ライバル機と比較しながらレビューします。
3GBメモリの限界と「仮想メモリ」の恩恵
まず直面するのがメモリ(RAM)容量の壁です。競合する「ANBERNIC RG 476H」が8GBの大容量メモリを搭載しているのに対し、AYANEO Pocket Air Mini(国内正規版)は3GBのみという仕様です。Android 11を動かすには最小限の容量で、実際にChromeで攻略サイトを複数タブ開きながら、裏でSNSアプリをチェックしようとすると、動作にもっさり感が出たり、バックグラウンドのアプリが強制終了(タスクキル)したりすることがありました。RG 476Hのようにスマホ感覚でマルチタスクをこなすのは厳しいというのが正直な感想です。
しかし、ここで救世主となるのが専用アプリ「AYASetting」による仮想メモリ機能です。設定からストレージ領域を仮想メモリとして割り当てることで、物理3GB+仮想6GBの「合計最大9GB」まで拡張できます。実際に仮想メモリを最大に設定してみると、アプリの切り替えが少し粘り強くなり、エミュレーターの動作も安定しました。物理メモリ8GBのRG 476Hほどの余裕はありませんが、「ゲーム中は他のアプリを閉じる」という割り切りさえあれば、ゲーム機としての動作に支障はありません。
64GBストレージとmicroSDカードの活用術
内蔵ストレージは64GB(eMMC/UFS)ですが、システム領域を除くと自由に使える空き容量はさらに少なくなります。例えば『原神』や『鳴潮』のような10GBを超える超大容量ゲームをインストールすると、それだけでストレージの大部分を占有してしまい、システム全体の挙動が重くなる懸念がありました。RG 476Hが標準で128GBを搭載している点と比較すると、アプリをたくさん入れたいユーザーには心許ない容量です。
そのため、このデバイスの運用には最大1TBに対応したmicroSDカードが不可欠です。私は内蔵ストレージにはシステムアプリや軽量なAndroidゲームのみを入れ、レトロゲームのROMデータやISOファイルはすべて高速なmicroSDカードに保存するようにしました。カードからの読み込み速度は十分に速く、PS1やPSPのゲームでもロード時間の遅延を感じることなく快適にプレイできています。ストレージ容量を「棲み分け」させることが、このミニマムな端末を快適に使うコツだと感じました。
動画再生時のレスポンスとストリーミング性能
動画視聴における「動作感」を確認するため、YouTubeやTwitchなどのアプリを使用してみました。搭載されているHelio G90Tプロセッサは動画デコード性能が十分にあり、1080p/60fpsの高画質設定でもコマ落ちやカクつきを感じることなく、非常にスムーズに再生されました。シークバーを操作して再生位置を飛ばした際の読み込み(バッファリング)も高速で、Wi-Fi 5接続下でのストリーミング視聴において遅延によるストレスを感じることはありませんでした。
ただし、アプリ内のメニュー操作に関しては、競合機の「ANBERNIC RG 476H」と差を感じる場面があります。RG 476Hは120Hzの高リフレッシュレートに対応しているため、動画のサムネイル一覧を高速でスクロールした際の追従性やヌルヌル感はあちらが上です。とはいえ、動画そのものの視聴(最大60fps)においては、AYANEO Pocket Air Miniでも音ズレや遅延はなく、快適な視聴環境が整っていると評価できます。
まとめ:アプリの動作感
- メモリ比較:RG 476H(8GB)に対し、本機は3GBと少ないためマルチタスクは苦手。
- 仮想メモリ:AYASettingで最大6GBの仮想メモリを設定でき、動作の安定性を底上げできる。
- ストレージ比較:内蔵64GBはRG 476H(128GB)の半分であり、大容量アプリの共存は難しい。
- microSD運用:最大1TBのカードに対応し、ゲームデータは外部ストレージへの保存が必須級。
- 動画再生:1080p/60fpsの動画もカクつきなくスムーズに再生可能。
- 操作感比較:RG 476H(120Hz)の方がメニューのスクロールは滑らかだが、動画視聴時の遅延のなさは同等レベルである。
ゲーム性能:AYANEO Pocket Air Miniが搭載する「MediaTek Helio G90T」の実力を検証
ここでは、AYANEO Pocket Air Miniに搭載されているプロセッサ「MediaTek Helio G90T」の実際のゲームパフォーマンスについて、具体的なタイトルをプレイし、フレームレート(FPS)を計測した結果をレビューします。
Androidゲームの動作感
まずは重量級タイトルの代名詞『原神』から試してみました。画質設定を思い切って「最低」に落とし、フレームレート上限を60に設定してフィールドへ降り立ちます。探索時の移動程度なら30~40 FPS前後で動作しますが、元素爆発を連発する戦闘や、オブジェクトの多い都市部に入ると25 FPS付近までガクンと落ち込み、操作にカクつきを感じました。この端末で安定して冒険を楽しむなら、30 FPS固定設定にするのが現実的なラインです。
続いて『マインクラフト』をプレイ。描画距離を8~12チャンクの標準設定にすれば、50~60 FPSを維持して非常に滑らかに遊べます。ブロックを積み上げる作業は快適ですが、大量のTNTを一斉に爆発させたり、複雑なレッドストーン回路が密集した場所ではCPU処理が追いつかず、一時的に30 FPS以下まで低下する場面も見られました。
PS2ゲーム(エミュレータ使用)
次に、PS2タイトルの動作を確認します。『バーチャファイター4 エボリューション』では、解像度をネイティブ(1倍)に固定して対戦を行いました。多くのステージで50~60 FPSを維持し、滑らかな攻防を楽しめますが、水飛沫などのエフェクトが激しいステージでは処理落ちが発生し、40 FPS程度までスローダウンすることがありました。快適に遊ぶには設定の微調整が必要です。
さらに負荷の高い『ゴッド・オブ・ウォー II』にも挑戦しましたが、こちらはかなり厳しい結果となりました。1倍解像度かつEEオーバークロック設定を下げても、激しい戦闘シーンでは30~45 FPSを行ったり来たりします。フルスピードの60 FPSには届かず、全体的に動きが重く感じられるため、快適なプレイには忍耐が必要でした。
PSPゲーム(エミュレータ使用)
PS2では苦戦しましたが、PSPタイトルになると世界が変わります。『コリン・マクレー:ダート2』では、描画解像度を3倍まで上げてもほぼ全てのコースで60 FPSに張り付きます。泥や砂埃の表現も美しく、実機以上の高画質でストレスなくプレイ可能で、このプロセッサとの相性の良さを感じました。
『ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲』も試してみましたが、こちらは解像度2倍設定で概ね50~60 FPSで動作します。巨大なボス戦など負荷がかかる場面では45 FPS程度まで低下することもありますが、PSP実機のフレームレートを上回る水準であり、十分にプレイ可能です。
サターン SS ゲーム(エミュレータ使用)
セガサターンも非常に優秀です。『Sonic 3D Blast』はクォータービュー視点のアクションですが、エミュレーション負荷を感じさせず、常に60 FPSを維持。処理落ちや音声の途切れもなく、完璧に動作しました。
『セガラリー チャンピオンシップ』も同様に、最新のエミュレータを使用すれば常に60 FPSで安定します。背景の描画や車両の挙動もスムーズで、遅延を感じることなく当時のアーケードの興奮をそのまま楽しむことができました。
3DS, NDSゲーム(エミュレータ使用)
最後に任天堂携帯機をチェックします。『ニュー・スーパーマリオブラザーズ 2』(3DS)では、解像度を1倍から1.5倍にしてプレイしました。基本的には45~60 FPSで動作しますが、新しいシェーダーの読み込みが発生するシーンでは一瞬のカクつきが見られ、完全な滑らかさを維持するには僅かにパワー不足を感じる場面もありました。
一方、DSの『マリオカートDS』は全く問題ありません。負荷が非常に軽いため、内部解像度を高く設定しても常に60 FPSを維持します。2画面表示もスムーズで、一切の支障なく非常に快適にレースを楽しめました。
まとめ:ゲーム性能
Helio G90Tを搭載した本機のゲーム性能は、プレイするタイトルによって明確な得意・不得意があります。「マリオカートDS」や「セガラリー チャンピオンシップ」、「コリン・マクレー:ダート2」といったPSP・DS・サターン世代のタイトルに関しては、高解像度化しても60 FPSで安定し、非常に快適な体験が得られます。
一方で、「ゴッド・オブ・ウォー II」のようなPS2の重量級タイトルや、最新のAndroidゲーム「原神」では、30 FPS前後までの低下やカクつきが見られ、設定の大幅な妥協が必要です。レトロゲームを中心に楽しみつつ、軽い3Dゲームも嗜むという使い方が、この端末に最も適していると言えるでしょう。
バッテリー持ちと充電:AYANEO Pocket Air Miniの軽快なスタミナ運用
約269gという驚異的な軽さの中に、4500mAhという大容量バッテリーを詰め込んだ本機。そのスタミナは、この小さなボディからは想像できないほど頼もしいものでした。ここでは実際のプレイ時間や充電効率について、ライバル機との違いを交えてレビューします。
4500mAh vs 5000mAh:容量差を感じさせない実用的なスタミナ
バッテリー容量のスペックだけを見れば、ライバル機の「ANBERNIC RG 476H」が5000mAhを搭載しており、AYANEO Pocket Air Miniの4500mAhよりも数値上は優れています。しかし、実際の駆動時間を比較してみると、その差は数字ほど大きくないことに気づきます。
RG 476Hが最大8時間の連続プレイを謳っているのに対し、AYANEO Pocket Air Miniも負荷の低いレトロゲームであれば、公称値や実測で6〜8時間程度のプレイが可能です。わずか500mAhの容量差はありますが、効率的な電力管理によってスタミナ不足を感じることはありませんでした。また、スリープ時の待機電力も非常に優秀で、一晩放置しても1〜2%程度しか減っておらず、「遊びたい時にバッテリーが切れている」というストレスから解放されたのは大きなメリットです。
シーンに合わせて選べる4つのモードと実駆動時間
このデバイスのバッテリー管理は、独自の「AYAボタン」から呼び出せるクイックツールで、「セービング」「バランス」「ゲーム」「マックス(Max)」の4つのモードを瞬時に切り替えられる点が秀逸です。実際に通勤電車の中で「セービングモード」や「バランスモード」に設定し、スーパーファミコンやゲームボーイアドバンスなどのレトロゲームを遊んでみましたが、バッテリーの減りは驚くほど緩やかです。往復の移動で遊んでも余裕があり、体感的にも公称に近い6〜8時間の連続プレイが可能だと感じました。
一方で、PS2やゲームキューブなどの高負荷なタイトルを遊ぶ際は、パワーを解放する「ゲームモード」や「マックスモード」への切り替えが必須です。この状態ではファンも回転し、電力消費は激しくなりますが、それでも約4時間程度はプレイを継続できました。また、スリープ時の待機電力も非常に優秀で、一晩放置しても1〜2%程度しか減っておらず、「遊びたい時にバッテリー切れ」というストレスから解放されたのは大きなメリットです。
18W急速充電とライバル機「RG 476H」との充電速度差
充電に関しては、最大18WのPD急速充電に対応しており、空の状態から約2時間強でフル充電が完了します。ゲームをプレイしながらの「ながら充電」でも、グリップ部分が不快なほど熱くなることはなく、快適に遊べました。
「ANBERNIC RG 476H」と比較すると、充電速度に明確な差が出ます。RG 476Hの充電スペックは5V/2A(10W相当)であり、フル充電までに約3時間かかるとされています。対してAYANEO Pocket Air Miniは、容量こそ500mAh少ないものの、18Wの急速充電により復帰が圧倒的に早いです。「一度の充電で粘る」RG 476Hに対し、「サッと充電してすぐ遊びたい」ニーズに応えるAYANEOという違いがあり、個人的には充電時間の短さがモバイル機としての使い勝手を高めていると感じました。
まとめ:バッテリー持ちと充電
- バッテリー容量:ANBERNIC RG 476H(5000mAh)より少ない4500mAhだが、実用上のスタミナに大きな差は感じられない。
- 待機電力:スリープ時のバッテリー消費は一晩で1〜2%程度と非常に優秀で、自然放電が少ない。
- 低負荷時の駆動時間:セービング/バランスモードでのレトロゲームプレイ時は、約6〜8時間持続する。
- 高負荷時の駆動時間:ゲーム/マックスモードでのPS2等プレイ時は、約4時間程度となる。
- 充電速度:PD 18W急速充電に対応し、満充電まで約2時間強で完了する。
- 競合比較(充電):RG 476H(10W充電・約3時間)に対し、本機は18W充電に対応しており、充電時間が短く復帰が早い。
オーディオ性能:AYANEO Pocket Air Miniのサウンド体験とこだわりの調整機能
ここでは、コンパクトなボディに搭載されたデュアルスピーカーの実力や、イヤホン接続時のノイズ、そしてソフトウェアによる音質調整機能について、競合機と比較しながらレビューしていきます。
没入感を高めるステレオスピーカーとその配置の課題
本体底面にはデュアルスピーカーが配置されており、この小さな筐体からは想像できないほどクリアなステレオサウンドを鳴らしてくれます。最大音量にしても音が割れることはなく、BGMのメロディラインや効果音が鮮明に聞こえるため、レトロゲームの懐かしいサウンドトラックを心地よく楽しむことができました。低音に関しては、さすがに迫力不足を感じる場面もありますが、全体的なバランスは良好で、安価な中華ゲーム機にありがちなチープな音質とは一線を画しています。
ただし、スピーカーの配置に関しては少し気を使う必要があります。ライバル機である「ANBERNIC RG 476H」も同様に底面スピーカーを採用していますが、AYANEO Pocket Air Miniは筐体がより小さくコンパクトであるため、深くグリップを握り込むと、小指や手のひらでスピーカー穴を塞いでしまいがちです。RG 476Hの方が本体サイズに余裕がある分、自然に握ってもスピーカーを避けやすいのに対し、本機では「音を遮らない持ち方」を意識するか、イヤホンを使用するのがベストだと感じました。
ホワイトノイズのないクリアな接続環境
有線接続派にとって嬉しいのが、3.5mmヘッドフォンジャックの品質の高さです。高感度なイヤホンを接続して無音状態や静かなシーンを確認してみましたが、「サー」という不快なホワイトノイズ(ヒスノイズ)は一切聞こえませんでした。安価な携帯ゲーム機ではここが妥協されがちですが、AYANEOの回路設計の確かさを実感できるポイントです。また、Bluetooth 5.0にも対応しているため、ワイヤレスイヤホンも手軽に接続できます。遅延にシビアな音ゲー以外であれば、ケーブルの煩わしさから解放されるワイヤレス環境も十分に実用的でした。
「AYASetting」で自分好みの音を作る
ハードウェアだけでなく、ソフトウェア面でのこだわりも見逃せません。専用アプリ「AYASetting」にはイコライザー機能が搭載されており、標準のAndroid設定よりも手軽に音質を調整できます。私はRPGを遊ぶ際に少し低音をブーストして臨場感を高めたり、レトロゲームでは高音を強調してチップチューンを際立たせたりと、タイトルに合わせてサウンドプロファイルを作成して楽しんでいます。自分好みの音響環境をソフトウェア側で追い込める点は、単なるエミュレーター機以上の満足感を与えてくれました。
まとめ:オーディオ性能
- スピーカー仕様:本体底面にデュアルスピーカーを搭載し、クリアなステレオサウンドを実現している。
- 音質傾向:最大音量でも音割れはなく聞きやすいが、低音の迫力はサイズなりである。
- 配置と操作性:RG 476Hと同様の底面配置だが、本機は小型なため手でスピーカーを塞ぎやすく、持ち方に工夫が必要である。
- ノイズ確認:3.5mmジャック使用時、不快なホワイトノイズは確認されず非常にクリアである。
- 無線接続:Bluetooth 5.0に対応しており、ワイヤレスイヤホンも安定して使用できる。
- 音質調整:専用アプリ「AYASetting」のイコライザー機能により、ゲームに合わせた音質のカスタマイズが可能である。
通信性能:AYANEO Pocket Air Miniのストリーミングとワイヤレス環境
AYANEO Pocket Air Miniは、単体での動作だけでなく、PCゲームのストリーミング機としても機能します。ここでは、Wi-Fi接続の安定性やクラウドゲーム時の視認性、Bluetooth機器の連携について、実際の体験をもとにレビューします。
Wi-Fi 5の安定性とAYASpaceによる管理
通信規格はWi-Fi 5 (802.11ac) に対応しています。最新のWi-Fi 6ではありませんが、5GHz帯に接続して自宅のルーター付近で使用する分には、通信速度は非常に安定していました。ゲーム中に「AYANEOボタン」からクイックツールを呼び出し、ネットワーク状況の確認やWi-Fiのオンオフを素早く切り替えられる点は、専用OSのような使い勝手の良さを感じます。
競合の「ANBERNIC RG 476H」も同様にWi-Fi 5環境がメインとなりますが、アンテナ感度に関しては、筐体がプラスチック製であるAYANEOの方が電波の掴みが良い印象を受けました。RG 476Hで時折感じた、部屋の隅に移動した際のパケットロスや瞬断が、本機ではほとんど発生せず、安定したリンクを維持できています。
画面サイズが壁となるストリーミング体験
実際に『Steam Link』や『Moonlight』を使用して、母艦となるPCからゲームをストリーミングしてみました。Helio G90Tの動画デコード性能は優秀で、入力遅延(レイテンシー)を感じることなくキャラクターを操作できます。しかし、ここで最大の壁となるのが「4.2インチの4:3画面」です。PCゲームの多くは16:9のアスペクト比で作られているため、この画面に表示すると上下に大きな黒帯が発生し、実質的な表示領域は3.5インチ程度になってしまいます。
この点は、4.7インチ画面を持つ「ANBERNIC RG 476H」と比較すると顕著な差となります。RG 476Hも同じ4:3比率ですが、画面サイズ自体が一回り大きいため、16:9の映像を表示した際の文字の潰れ具合が多少マシに感じられます。AYANEO Pocket Air Miniで『サイバーパンク2077』のようなUI情報の多いゲームを遊ぶと、テキストが豆粒のように小さくなり、判読が非常に困難でした。ストリーミング用途に限って言えば、少しでも画面の大きいRG 476Hに分があると言わざるを得ません。
Bluetooth 5.0と外部コントローラーの接続
Bluetooth 5.0による周辺機器の接続性は良好です。ワイヤレスイヤホンをペアリングしてリズムゲーム以外のジャンルを遊んでみましたが、音ズレは許容範囲内で、接続が途切れることもありませんでした。また、本体をテーブルに置いて外部のワイヤレスコントローラーを接続し、ミニコンソールのように使ってみましたが、入力遅延も気にならないレベルでした。テレビ出力機能がないため「据え置き機スタイル」での運用は限定的ですが、お気に入りのコントローラーで操作できる選択肢があるのは便利です。
まとめ:通信性能
- Wi-Fi規格:Wi-Fi 5 (802.11ac) に対応し、5GHz帯での接続は高速かつ安定している。
- 管理機能:AYASpaceのクイックツールからネットワーク設定へ即座にアクセスでき便利である。
- ストリーミング遅延:Helio G90Tのデコード能力により、操作遅延は体感できないレベルに抑えられている。
- 画面サイズの課題:4.2インチの4:3画面では、16:9のPCゲームを表示すると上下に黒帯が出て表示領域が極端に小さくなる。
- 競合比較(視認性):4.7インチのANBERNIC RG 476Hと比較すると、文字の読みやすさや没入感で劣る。
- Bluetooth接続:Bluetooth 5.0に対応し、ワイヤレスイヤホンやコントローラーを途切れず安定して使用できる。
ソフトウェアと設定:AYANEO Pocket Air Miniの独自UIとカスタマイズの自由度
AYANEO Pocket Air Miniは、Android端末でありながら、まるで専用ゲーム機のような使い心地を提供するソフトウェア設計が魅力です。ここではOSの使い勝手やエミュレーター環境の構築、そしてアップデート事情について、競合機との違いを交えてレビューしていきます。
OSと独自ランチャー「AYAHome」の使い勝手
本機のOSは「Android 11」をベースにしています。ここで競合の「ANBERNIC RG 476H」と比較すると、あちらはより新しい「Android 13」を搭載しているため、OSのバージョンに関してはAYANEOが世代遅れであることは否めません。しかし、AYANEOにはそれを補う強力な武器があります。それが独自ランチャー「AYAHome」です。
電源を入れると、一般的なAndroidのホーム画面ではなく、Nintendo Switchのようにゲームアイコンが横一列に並ぶシンプルで美しいインターフェースが立ち上がります。これにより、Android特有の「スマホ感」が払拭され、純粋なゲーム機として没入できました。また、Google Playストアが標準搭載されているため、「原神」などのアプリ導入やエミュレーターの更新もスマホと同じ感覚でスムーズに行えます。一部の中華ゲーム機ではPlayストアの導入に手間取ることもありますが、本機はその心配がなく、箱出しですぐに環境を整えられる点が非常に快適でした。
ゲームの遊び方:ES-DEと各エミュレーターの導入
標準の環境も悪くありませんが、私はより本格的なレトロゲーム体験を求めて、外部フロントエンド「ES-DE (EmulationStation)」を導入してみました。これを設定すると、機種ごとに整理された美しいメニュー画面からゲームを選べるようになり、4.2インチの4:3画面と相まって、往年の携帯ゲーム機が現代に蘇ったような感覚を味わえます。ただし、別途各エミュレーターをインストールする必要があります。
エミュレーターに関しては、RetroArchだけでなく、PPSSPP(PSP用)やDuckStation(PS1用)といった「スタンドアロン(単体)アプリ」を導入することを強くお勧めします。具体的には、PS1(DuckStation)、N64(M64Plus FZ)、PSP(PPSSPP)、セガサターン(Yaba Sanshiro 2)、ドリームキャスト(Redream)、ニンテンドーDS(Drastic)などが挙げられます。これらのアプリを組み合わせることで、8ビット時代のレトロゲームから、3Dグラフィックスが本格化した2000年代初頭のゲームまで、幅広い世代のライブラリをこの一台に集約することが可能です。
<本機で動作する代表的なAndroidエミュレーター>
RetroArch(FC / SFC / GB / GBA / MD / SMS / PCE / NEOGEO / MAME)、DuckStation(PS1)、PPSSPP(PSP)、M64Plus FZ(N64)、Yaba Sanshiro 2(SS)、Redream(DC)、Drastic(DS)、AetherSX2 / NetherSX2(PS2)、Dolphin(GC / Wii)
なお、AYANEO Pocket Air Miniにはゲームが収録されていません。ゲームを追加するためには、パソコンと接続し、自分で吸い出したゲームのROMを追加する必要があります。ゲームの吸出しには、吸い出し機(ダンパー)が必要です。
「AYASpace」のライブラリ管理機能
外部アプリを入れずとも、標準搭載の管理ソフト「AYASpace」が優秀なフロントエンドとして機能します。端末内のROMフォルダを指定するだけでゲームを自動スキャンし、クラウドから自動でカバーアート(表紙画像)やゲーム情報を取得してライブラリ化してくれます。
実際に使ってみると、メタデータの取得精度も高く、手動で画像を設定する手間が省けて非常に便利でした。さらに、AYASpaceは単なるランチャーではなく、ここからTDP(消費電力)設定やファンコントロールにも直接アクセスできるのが強みです。ゲームごとに「このタイトルは高パフォーマンスモード」「これは省電力モード」といったプロファイルを紐づけられるため、ハードウェア制御とライブラリ管理が一体化している点は、RG 476Hの標準ランチャーにはない洗練されたポイントだと感じました。
アップデートとカスタムファームウェア(CFW)
システムアップデートについては、OTA(無線)による配信に対応しており、Wi-Fiに繋ぐだけで簡単に最新の状態に更新できます。発売後すぐにバグ修正のパッチが降ってきた際には、メーカーのサポート体制への安心感を感じました。
また、このチップセット(Helio G90T)はコミュニティによる開発が活発で、有志によるカスタムファームウェア(CFW)の「GammaOS」などが将来的に対応する可能性があります。もし対応すれば、Android特有の処理による遅延の軽減や、さらなるバッテリー寿命の向上が期待できます。現時点でも十分に完成度は高いですが、将来的により自分好みに「改造」できる余地が残されている点は、ガジェット好きとしてワクワクする要素の一つです。
まとめ:ソフトウェアと設定
- OSバージョン:Android 11を採用。RG 476H(Android 13)と比較すると古いが、動作は安定している。
- 独自ランチャー:AYAHomeにより、スマホ感のないゲーム機ライクなUIで操作できる。
- Google Playストア:標準搭載されており、アプリの追加や更新が非常にスムーズである。
- 画面表示:スタンドアロンエミュレーターでのピクセルパーフェクト設定により、4:3画面でドット絵が美しく映える。
- ライブラリ管理:AYASpaceが自動でゲームをスキャン・画像取得し、ハードウェア設定とも連携していて便利である。
- 外部フロントエンド:ES-DEなどを導入することで、さらにリッチなレトロゲーム環境を構築できる。
- アップデート:OTAによる手軽な更新に対応しており、将来的なCFW(GammaOS等)への対応も期待材料である。
検証してわかったAYANEO Pocket Air Miniのメリット・デメリット
AYANEO Pocket Air Miniを実際に使い込み、ライバル機である「ANBERNIC RG476H」と比較検証を行う中で、カタログスペックだけでは見えてこない「明確な個性」と「割り切り」が浮き彫りになりました。ここでは、実際に所有して感じた良かった点と、購入前に知っておくべき注意点を、比較対象との違いを交えて具体的に解説します。
メリット(長所、利点)
メリット1:重量わずか269gの圧倒的な携帯性(RG476Hは約301g)
AYANEO Pocket Air Miniの最大のメリットは、何と言ってもその軽さです。実測で約269gという重量は、スマホにコントローラーを付けた状態よりも軽く感じられ、仰向けで寝転がりながらプレイしても腕が疲れません。
対するRG476Hは約300gあり、手に持った瞬間に「ずっしり」とした密度を感じます。わずか30g程度の差に思えるかもしれませんが、長時間のプレイやポケットに入れて持ち運ぶ際のストレスフリーな感覚は、AYANEO Pocket Air Miniの方が圧倒的に上でした。毎日気軽に持ち出せる相棒としては、この軽さが最強の武器になります。
メリット2:洗練された独自UI「AYAHome」と管理ソフト(RG476Hは標準的なAndroid UI)
ソフトウェアの完成度に関しては、AYANEOに一日の長があります。電源を入れてすぐに立ち上がる独自ランチャー「AYAHome」は、ゲーム機として最適化されたデザインで、Android特有の複雑さを感じさせません。
また、管理ソフト「AYASpace」を使えば、ゲームごとのTDP設定やファン制御がシームレスに行えます。RG476Hにもランチャーは搭載されていますが、基本的には素のAndroidに近い操作感が残っており、設定の細やかさや「ゲーム機としての没入感」ではAYANEOの方が一枚上手だと感じました。
メリット3:マスターコントローラーによる高精度な操作性(RG476Hは標準的な設定機能)
操作面においても、AYANEO独自の「マスターコントローラー」機能が光ります。ホールセンサー搭載のスティックやトリガーの感度、デッドゾーン(遊び)の範囲を、専用ソフト上でグラフを見ながら直感的に微調整できる点は、PCゲーミング機を手掛ける同社ならではの強みです。
RG476Hもホールセンサーを搭載していますが、ここまで統合された詳細な設定機能は備えていません。「原神」のようなタッチ操作専用ゲームでも、AYANEOなら物理コントローラーへのキーマッピングが非常にスムーズで遅延も少なく、自分好みの操作感を徹底的に追い込める点が大きなメリットです。
メリット4:4.2インチの高画素密度による凝縮感(RG476Hは4.7インチで画素密度が低い)
AYANEO Pocket Air Miniの画面サイズは4.2インチと小さめですが、解像度はRG476Hと同じ960pを採用しているため、画素密度(PPI)はこちらの方が高くなります。
その恩恵として、ドット絵の輪郭が非常にシャープで、映像がギュッと凝縮されたような緻密な美しさを味わえます。特にゲームボーイアドバンスやスーパーファミコンの映像を表示した際、RG476Hでは少し引き伸ばされたように感じる場面でも、本機ではクッキリとした鮮烈な映像体験が得られました。
メリット5:価格以上のエミュレーション性能(RG476Hはさらに高性能だが高価)
MediaTek Helio G90Tを搭載した本機は、2万円台前半という価格ながら驚くべきパフォーマンスを発揮します。PS1、N64、ドリームキャスト、セガサターンといった主要なレトロハードはほぼフルスピードで動作し、PSPに至っては実機の2〜3倍の解像度でも快適に遊べました。
RG476HのUnisoc T820はさらに高性能でPS2も視野に入りますが、価格差を考慮すれば、AYANEO Pocket Air Miniのコストパフォーマンスの高さは圧倒的です。「そこそこ動けばいい」ではなく「レトロゲームを美しく快適に動かす」点において、価格以上の価値を提供してくれます。
メリット6:小型筐体にアクティブ冷却ファンを内蔵(RG476Hも搭載だが筐体が大きい)
AYANEO Pocket Air Miniは手のひらサイズでありながら、本格的なアクティブ冷却ファンを内蔵している点も大きなメリットです。高負荷なエミュレーターを長時間動かしても、熱による性能低下(サーマルスロットリング)を抑え、安定したフレームレートを維持できます。
ファンレスの安価な中華ゲーム機とは一線を画す設計であり、RG476Hと同様の冷却機構を、この269gのボディに詰め込んだ技術力は流石です。ファンの音も制御可能で、静音性と冷却性能のバランスが絶妙に調整されています。
デメリット(短所、欠点)
デメリット1:物理メモリは3GB止まり。仮想メモリを使ってもRG476H(物理8GB)の快適さには及ばない
最も痛感したデメリットは物理メモリ(RAM)が3GBしかない点です。設定で仮想メモリを足して「合計最大9GB」にすることは可能ですが、仮想メモリは低速なストレージ領域を使用するため、物理メモリそのものを8GB積んでいるRG476Hと比較すると、アプリの切り替え時に一瞬のラグ(遅延)が発生します。
仮想メモリのおかげでアプリが落ちることは減りますが、ブラウザとゲームを行き来するようなマルチタスク時の「サクサク感」は明らかに劣ります。「数値上の9GB」はあくまで補助的なものであり、基本的には「ゲーム単体での起動」に専念する運用が求められます。
デメリット2:Helio G90Tの性能限界(RG476HはUnisoc T820搭載)
AYANEO Pocket Air Miniの性能の要となるSoCの性能差も無視できません。Helio G90TはAntutuスコア約46万点(V11)で、PS2のエミュレーションは「動くタイトルもある」程度のレベルです。
一方、RG476Hが搭載するUnisoc T820はAntutu 70万点クラス(V11換算推定)の実力があり、PS2やゲームキューブの動作安定性はあちらの方が数段上です。「PS2を快適に遊びたい」という明確な目的がある場合、本機のパワーでは力不足を感じる場面が多いでしょう。
デメリット3:内部ストレージ64GB(RG476Hは128GB)
AYANEO Pocket Air Miniの内部ストレージが64GBしかない点も、最近の大容量ゲームを遊ぶ上ではネックになります。システム領域を除くと自由に使えるのは50GB程度で、『原神』などの大型タイトルを数本入れるだけで満杯になってしまいます。
RG476Hは標準で128GBを搭載しているため、ある程度の余裕があります。本機を運用する際は、microSDカードへのデータ退避が前提となり、内蔵ストレージだけでやり繰りするのは困難でした。
デメリット4:映像出力機能は非対応(RG476HはDisplayPort出力対応)
AYANEO Pocket Air MiniのUSB Type-CポートはUSB 2.0仕様であり、外部モニターへの映像出力には対応していません。そのため、自宅でテレビの大画面に映して遊ぶといったSwitchのような使い方はできません。
RG476HはDisplayPort Alt Modeに対応しており、ケーブル一本でモニター出力が可能です。携帯モード専用と割り切れるなら問題ありませんが、拡張性という面ではライバルに劣ります。
デメリット5:OSがAndroid 11と古い(RG476HはAndroid 13)
AYANEO Pocket Air Miniの搭載OSがAndroid 11である点も、将来性を考えると懸念材料です。現時点では多くのアプリが動作しますが、数年後には最新アプリのサポート対象外になるリスクがあります。
RG476Hは比較的新しいAndroid 13を搭載しており、OS標準の機能やセキュリティ面でも有利です。AYANEOの独自UIが優秀なので普段使いで古さを感じることは少ないものの、システム根幹の古さは否めません。
デメリット6:画面が小さくクラウドゲームの文字が読みにくい(RG476Hは4.7インチで見やすい)
AYANEO Pocket Air Miniの4.2インチ画面は携帯性には貢献していますが、PCゲームのストリーミングやクラウドゲームを遊ぶ際には「小さすぎる」と感じることがありました。
特に16:9のゲームを表示すると上下に黒帯が入り、字幕やUIの文字が豆粒のようになってしまいます。RG476Hの4.7インチ画面であれば、わずか0.5インチの差ですが視認性は大きく向上します。最新ゲームのストリーミング機としての適性は、画面サイズの大きいライバル機に分があります。
まとめ:検証結果
AYANEO Pocket Air Miniは、「軽さ」と「質感」、そして「レトロゲームへの没入感」に特化した、非常に潔いデバイスです。RG476Hと比較すると、スペック(CPU、メモリ、ストレージ)や拡張性では明確に劣りますが、それを補って余りある携帯性の良さと、所有欲を満たすビルドクオリティがあります。
「PS2や最新Androidゲームをガッツリ遊びたい、大画面に出力したい」という性能重視の方にはRG476Hが適しています。しかし、「ファミコンからPSPまでのレトロゲームを、どこにでも持ち運んで快適に遊びたい」「所有する喜びを感じられる、安っぽくないサブ機が欲しい」という方にとっては、AYANEO Pocket Air Miniこそが最良の選択肢になると確信しました。スペック競争から降り、体験の質を重視した一台です。
AYANEO Pocket Air Miniのスペック(仕様)
- ディスプレイ: 4.2インチ LCD / 解像度 1280×960 / 4:3 / 380PPI
- CPU: MediaTek Helio G90T (2× Cortex-A76, 6× Cortex-A55)
- GPU: Mali-G76 MC4
- RAM: 3GB LPDDR4X
- ROM: 64GB UFS 2.1
- 外部ストレージ: microSDカードスロット (最大1TB対応)
- バッテリー: 4500mAh
- 充電: PD 18W 急速充電
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 5 / Bluetooth 5.0
- ストリーミング: Steam Link, Moonlight, Xbox Cloud Gaming 等対応
- インターフェース: 1× USB Type-C (USB 2.0), 1× 3.5mmイヤホンジャック
- センサー: 6軸ジャイロセンサー, 指紋認証センサー
- 映像出力: 非対応 (USB 2.0のため)
- スピーカー: デュアルステレオスピーカー
- 操作: ホールセンサースティック, ホールトリガー, マスターコントローラー
- 振動効果: X軸リニアモーター (SoundTAPMagic対応)
- 機能: AYAHomeランチャー, AYASpace管理ソフト, SoundTAPMagic
- エミュレーター(シュミレーター): FC, SFC, GB, GBA, MD, PS1, N64, PSP, DC, SS, DS, MAME, NEOGEO 等
- 冷却: アクティブ冷却ファン (静音・高回転対応)
- 筐体: ABS樹脂素材 (UVコーティング)
- OS: Android 11 (AYAHome搭載)
- サイズ: 約165.9 × 82.5 × 18.7-27.6mm
- 重量: 約269g
- カラー: レトロパワー (Retro Power), レトロホワイト (Retro White)
- 付属品: USB Type-Cケーブル, マニュアル, 交換用ジョイスティックキャップ
AYANEO Pocket Air Miniの評価
8つの評価基準で「AYANEO Pocket Air Mini」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★☆ 4.2インチと小型ながら画素密度が高く、レトロゲームのドット絵が非常に鮮明で美しく表示されます。
パフォーマンス:★★★☆☆ PSPやドリームキャストまでは非常に快適ですが、PS2や最新の重量級Androidゲームにはスペック不足を感じます。
操作性:★★★★★ ホールセンサー搭載のスティックとトリガーは精度が高く、専用ソフトでの微調整も可能で操作感は抜群です。
機能性・システム:★★★☆☆ 独自UI「AYAHome」は使いやすいですが、メモリ3GBによるマルチタスクの弱さと映像出力非対応が惜しい点です。
デザインと携帯性:★★★★★ 実測269gという圧倒的な軽さと、AYANEOらしい高級感のあるビルドクオリティは、携帯機として理想的です。
バッテリーと充電:★★★★☆ 待機電力の消費が非常に少なく、18W急速充電により短時間で復帰できるため、運用ストレスがありません。
冷却・静音性:★★★★☆ 小型筐体ながらアクティブ冷却ファンを搭載しており、負荷がかかる場面でも熱による性能低下を抑えられます。
コストパフォーマンス:★★★★☆ 2万円台前半という価格で、この操作性と質感を持つ端末が手に入る点は非常に満足度が高いです。
総評:★★★★☆
圧倒的な携帯性と所有欲を満たす質感
AYANEO Pocket Air Miniの最大の魅力は、何と言っても269gという羽のような軽さと、手のひらに収まるコンパクトなサイズ感です。寝転がりながら長時間プレイしても腕への負担が少なく、どこへでも連れ出したくなる気軽さがあります。
また、4.2インチの高精細ディスプレイは画素密度が高く、古いゲームのグラフィックを鮮やかに蘇らせてくれます。操作面でも、ホールセンサーを採用したコントローラーの感触が良く、安価な中華ゲーム機とは一線を画すプレミアムな操作体験を提供してくれます。
管理ソフトの恩恵とエミュレーション性能
性能面ではMediaTek Helio G90Tを採用しており、ファミコンからPSP、ドリームキャストといった主要なレトロゲームを快適に動作させることができます。
さらに、タイトルによっては軽めのPS2ゲームもプレイ可能で、遊べるタイトルの幅は広いです。これらを支えるのが独自ソフト「AYASpace」とランチャー「AYAHome」で、面倒な設定を意識することなく、まるで専用ゲーム機のような感覚でライブラリを管理・起動できる点は大きなメリットです。
購入前に知っておくべきハードウェアの制約
一方で、購入の障壁となるデメリットも明確です。メモリが3GBしかないため、複数のアプリを同時に開くマルチタスクは苦手であり、ストレージも64GBと少ないためmicroSDカードの運用が必須となります。
また、USB Type-Cポートからの映像出力に対応していないため、テレビに繋いで遊ぶことはできません。搭載OSがAndroid 11と少し古いため、将来的なアプリの互換性に不安が残る点も考慮する必要があります。
結論:レトロゲームを愛する旅人への最適解
AYANEO Pocket Air Miniは、最新の重いゲームを遊ぶためのハイエンド機ではありません。しかし、「気軽に外に持ち出せる軽快さ」を重視するユーザーや、「最高レベルの操作性でレトロゲームを楽しみたい」というユーザーにとっては、これ以上ない選択肢となります。
数字上のスペック以上に、手に馴染む質感やゲームにのめり込める感覚を大切にしたい。そんな方にこそ手に取ってほしい一台です。
AYANEO Pocket Air Miniの価格・購入先
※価格は2026/01/17に調査したものです。価格は変動します。
ハイビーム AKIBA オンラインストア
22,800円(税込)で販売されています。
ハイビームで「AYANEO Pocket Air Mini」をチェックする
ECサイト(Amazon、AliExpress)
- Amazonで22,800円、
- AliExpressで20,222円、
で販売されています。
Amazonで「AYANEO Pocket Air Mini」をチェックする
楽天市場で「AYANEO」をチェックする
ヤフーショッピングで「AYANEO」をチェックする
AliExpressで「AYANEO Pocket Air Mini」をチェックする
米国 Amazon.comで「AYANEO Pocket Air Mini」をチェックする
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説
おすすめのライバル機種と価格を比較
「AYANEO Pocket Air Mini」と似た性能のゲーム機も販売されています。価格の違いもわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
AYANEO POCKET MICRO
AYANEOから発売された3.5インチの携帯ゲーム機です(2024年9月以降に発売)。
Android 13、MediaTek Helio G99、6GB/8GB LPDDR4X メモリ、解像度 960 x 960 px のIPS液晶(3:2)、128GB/256GB ストレージ、2600 mAhバッテリー、microSD 3.0 カードスロット、6軸ジャイロセンサー搭載で、
マスターコントローラー、冷却システム、Google Playストア、アプリの追加、ストリーミングプレイ、ストレージの拡張、AYASpace(フロントエンド)、AYAHome(デスクトップランチャー)、USB 2.0 Type-C(OTG)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2 に対応しています。
✅価格は、Amazonで44,800円(税込)、楽天市場で35,980円(中古)、ヤフーショッピングで35,980円(中古)、です。
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AYANEO Pocket ACE
AYANEOから発売される4.5インチのポータブルゲーミングPCです(2025年6月下旬に発売)。
Android 13 OS、Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2 Gaming Platform、LPDDR5X 8533Mbpsメモリ(8GB/12GB/16GB)、4.5インチIPSディスプレイ(解像度1620×1080・3:2)、UFS 4.0ストレージ(128GB版のみUFS 3.1、128GB/256GB/512GB/1TB)、6000mAhバッテリー、microSDカードスロット(最大100MB/s)、スピーカー(本体下部からダイレクトに出力)、Surge Linear Motor(CSA 0916B)振動モーター、6軸ジャイロスコープ、ホームボタン(エミュレータショートカット機能、Xboxストリーミングメニュー呼び出し)、を搭載しています。
また、デバイス偽装機能、冷却システム、、キーマッピング機能、カスタムパフォーマンスモード、、中型ホールセンサージョイスティック(ドリフトなし、デッドゾーンなし)、リニアホールトリガー、SoundTAPMagicサウンドバイブレーション機能、ストリーミングモード(低遅延化・Xboxストリーミング時のメニュー呼び出しボタン搭載)、DP 1.4映像出力(Type-Cポート経由)、40W PD急速充電に対応。
マスターコントローラー、Turboキー(パフォーマンスモード切替)、カスタマイズ可能なボタン(SE/ST、Home/Turbo、LC/RCキー)、AYASpaceシステム、AYAHomeランチャー、フル機能 USB 3.2 Gen 2 Type-C (10Gbps) x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3にも対応しています。
✅価格は、Amazonで84,800円(税込)、楽天市場で99,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで77,980円、です。
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ANBERNIC RG 476H
ANBERNICから発売された4.7インチのAndroid 13携帯ゲーム機です(2025年9月 発売)。
Android 13、Unisoc T820 (6nm オクタコア)、8GB LPDDR4X メモリ、128GB UFS2.2 ストレージ、解像度 1280×960のLTPS インセルディスプレイ(4:3)、5000mAh ポリマーリチウムバッテリー、micro SDカードスロットを搭載しています。
また、デュアルスクリーン(2画面)表示(NDS・3DS対応)、USB Type-Cによる1080p DisplayPort出力、30種類以上のエミュレーター(Androidゲーム対応)、リフレッシュレート最大120Hz、AI機能「Anbernic AI」(リアルタイム翻訳、ゲーム攻略アシスタント、画像生成など)、大角度3Dホールジョイスティック、ホールトリガー、キーマッピング機能を搭載。
ストリーミング、ワイヤレス画面投影、オンラインマルチプレイヤー、六軸ジャイロセンサー、高音質ステレオスピーカー、振動モーター、高速ファン+ヒートパイプによるアクティブ冷却、USB Type-Cポート、3.5mmステレオイヤホンジャック、2.4/5G WIFI、Bluetooth 5.0にも対応しています。
✅価格は、Amazonで30,888円(税込)、AliExpressで26,781円、米国 Amazon.comで$189.99、です。
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ANBERNIC RG557
ANBERNICから発売された5.48インチのAndroid携帯ゲーム機です(2025年4月26日 発売)。
Android 14、MediaTek Dimensity 8300プロセッサー、12GB LPDDR5X RAM、解像度1920*1080のAMOLED液晶、5500mAhバッテリー、TFカードスロット(最大2TB)を搭載しています。
また、DisplayPort映像出力、高解像度静電容量式ジョイスティック(RGBライティング付)、27W急速充電、アクティブ冷却(高速ファン+ヒートパイプ採用)、ホールトリガー、6軸ジャイロ、振動モーター、
ストリーミング(Moonlightなど)、ワイヤレス画面投影、デュアルスピーカー、USB Type-C (OTG)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
✅価格は、Amazonで44,999円、AliExpressで42,231円(本体のみ)、米国 Amazon.comで$289.99です。
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この記事を書いた人:秋葉原ぶらり
ガジェットブロガー / 動画クリエイター。2014年からブログを開始。以来、Android端末やWindowsデバイス、ゲーム製品、Apple製品、PC周辺機器などのレビューを発信し続けている。目標は東京「秋葉原」をぶらぶらと探索する楽しさを、そのままネット上で体験できるようにすること。趣味は、写真、プログラミング、読書、小説やエッセイの文筆、デザイン制作など多岐にわたる。最新の更新情報はX:旧Twitter(URL:https://x.com/akiba_burari)やThread(URL:https://www.threads.com/@akibaburari)、でも発信中。
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