Lenovo Yoga Tab徹底レビュー!実はPlus版より優秀?欠点もあり

Lenovo Yoga Tab 前面と背面の外観
2025年9月に発売された「Lenovo Yoga Tab」(シーシェル)は、ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載しながら、驚異的な軽さとコストパフォーマンスを実現した注目のAndroidタブレットです。

この記事では上位モデル「Lenovo Yoga Tab Plus」(12.7)との違いを明確にしつつ、圧倒的な性能と携帯性を併せ持つこのモデルの実力を徹底的に比較・検証しました。

  • 第一部:上位モデルとの違い【デザイン、ディスプレイ、メモリ、オーディオ、バッテリー、OS】
  • 第二部:上位モデルとの共通点【プロセッサ、AI機能、カメラ、通信、アクセサリー(ペン、キーボード、ケース)】
  • 第三部:ベンチマークとゲーム性能

先に結論からお伝えしましょう

Lenovo Yoga Tab の長所(Pros):

  • 重量約458g、厚さ6.2mmの圧倒的な軽さと携帯性
  • Snapdragon 8 Gen 3搭載による最高峰の処理性能
  • 3.2K (3200×2000) の高精細PureSight Proディスプレイ
  • 高性能スタイラスペン「Lenovo Tab Pen Pro」が標準付属
  • 上位モデル「Plus」より約2.6万円安い圧倒的なコストパフォーマンス

Lenovo Yoga Tab の短所(Cons):

  • 指紋認証センサーが非搭載(顔認証のみ)
  • microSDカードスロットがなく容量拡張ができない
  • GPS非搭載のためナビ用途には不向き

総合評価:

Lenovo Yoga Tabは、単なる廉価版ではなく、Plus版にはないメリットも備えています。11.1インチで重さ約 458gの優れた携帯性、3.2Kの高解像度と800nitの輝度を備えたディスプレイはその主な長所です。また、それらに加え、Snapdragon 8 Gen 3の圧倒的な性能と、AI機能、付属ペンによる手書き機能があり、まさにクリエイティブに創造するのにふさわしいタブレットです。手軽に持ち運んでクリエイティブな作業を行いたいユーザーに最適です。

この記事で分かること

  1. デザイン・携帯性: サイズ、重量、シーシェルカラー、メタルユニボディ、質感、持ち運びやすさ、付属品
  2. ディスプレイ: 11.1インチ、3.2K解像度、144Hzリフレッシュレート、Dolby Vision、屋外視認性、Lenovo AI SuperRes
  3. スペック: Snapdragon 8 Gen 3、Officeの動作、LPDDR5Xメモリ、UFS 4.0ストレージ、読み書き速度
  4. ベンチマーク: Antutu、Geekbench、3DMark、CPU・GPUスコア、Snapdragon 8 Gen 3性能比較
  5. ゲーム性能: 『原神』、『フォートナイト』、『学園アイドルマスター』、実測フレームレート (FPS)、発熱、冷却性能
  6. オーディオ: クアッドスピーカー、Dolby Atmos、音質、Bluetooth接続
  7. AI機能: Lenovo AI Now、AI字幕、Lenovo Note(要約・補正)、オンデバイスAI
  8. OS・機能: Android 15、PCモード、マルチタスク、Smart Connect、OSアップデート保証、サポート期間
  9. アクセサリー: Lenovo Tab Pen Pro、書き心地、クリスタ、イラスト、純正キーボード、ケース
  10. 通信・カメラ: Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、Web会議、書類スキャン
  11. 比較検証: 上位モデル「Yoga Tab Plus」との違い、メモリ容量の差、メリット・デメリット
  12. 総評: 総合評価、コストパフォーマンス、推奨ユーザー
  13. スペック: 全仕様詳細
  14. 価格・購入先: Amazon、公式サイト、中古、ライバル機種との価格比較

この記事を最後まで読むことで、「Lenovo Yoga Tab」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

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公式ページ:Lenovo Yoga Tab | クリエイター向け11.1型AI強化タブレット | ZAG60177JP | レノボ・ ジャパン

このページ内の目次

デザインと携帯性:Lenovo Yoga Tabの高級感あふれるメタルボディと持ち運びやすさ

Lenovo Yoga Tabの背面 外観

ここでは、Lenovo Yoga Tabの外観デザイン、サイズ感、そしてインターフェースの配置について書いていきます。

形状と質感の第一印象

箱から取り出して手に取った瞬間、ひんやりとしたメタルの感触と、継ぎ目のないユニボディ構造の剛性感に驚かされました。カラーは「シーシェル」という独自の名称で、貝殻を思わせる上品な色合いです。表面はマットなつや消し仕上げが施されており、サラサラとした滑らかな触り心地で、指紋がほとんど目立たないのが実用的だと感じました。背面にはカメラユニットのわずかな出っ張りがありますが、全体的にフラットで洗練された印象です。

Plus版とのサイズ・重量比較

上位モデルである「Lenovo Yoga Tab Plus」と比較すると、その携帯性の違いは歴然です。Plus版は12.7インチの大画面で迫力がある一方、重量は約640gと重く、カラーも「タイダルティール」という濃いブルー系でした。対して、この標準モデル「Yoga Tab」は11.1インチで、重量は約458gしかありません。

Lenovo Yoga Tabの側面。

実際に持ち比べてみると、この約182gの差は数値以上に大きく感じます。Plus版は片手で長時間保持するのが困難でしたが、本機なら電車内での読書や、ソファで寝転がりながらのWebブラウジングも片手で楽にこなせました。厚さもPlus版の6.7mmに対し、本機は6.2mmとさらにスリム化されており、カバンの隙間にスッと滑り込ませられる携帯性の良さは、毎日持ち歩くデバイスとして非常に大きなメリットです。

日常を守る耐久性とGorilla Glass 7i

持ち運びを重視する上で重要な「耐久性」もしっかり考慮されています。ディスプレイには強化ガラスの「Corning Gorilla Glass 7i」が採用されており、傷に強く、カバンの中にラフに入れても画面の美しさを損なう心配が少ないのは大きなメリットです。毎日のように使っても、購入時の洗練されたデザインを長く保てるという安心感があります。さらに、IP53の防塵防滴性能を備えているため、キッチンでレシピを見たり、小雨の降る屋外で操作したりといったシーンでも気兼ねなく使えるタフさも魅力です。

接続ポートとボタン配置

Lenovo Yoga Tabの接続ポート

ボタンやポートの配置は、横持ち(ランドスケープ)での使用も考慮されていますが、基本的には縦持ちを基準とした配置のようです。本体の右側面にはボリュームボタンマイクがあり、ここにペンを充電するエリアも設けられています。左側面にはキーボード接続用のスマートコネクタがあります。電源ボタンは本体上部に配置されており、指紋認証センサーは搭載されていません(Plus版には搭載)。

充電などに使うUSB Type-Cポートは本体下部に配置されており、DP-Out(映像出力)にも対応しているため、外部モニターへの接続もスムーズです。スピーカーは上部と下部にそれぞれ2基ずつ、合計4基が配置されており、横持ちで動画を見る際も音が遮られにくい工夫がされています。非常に残念な点は、microSDカードスロットが非搭載であることです。データの保存は内蔵ストレージ(256GB)かクラウドに頼ることになるため、大量の映画データをカードで持ち歩きたいと考えている方は注意が必要です。

Lenovo Yoga Tabの映像出力。接続ポート。

付属品:Lenovo Tab Pen Pro

付属品:Lenovo Tab Pen Pro 注目すべきは、高機能なスタイラスペン「Lenovo Tab Pen Pro」が標準で同梱されていることです。Apple製品などでは別売になることが多いペンが最初から付属しているのは、コストパフォーマンスの面で非常に大きなメリットです。このペンは本体の側面にマグネットで吸着させるだけでペアリングと充電が完了するため、管理がとても楽でした。実際にイラスト作成アプリ「CLIP STUDIO PAINT」で使ってみましたが、4096段階の筆圧感知に対応しており、紙に描くような繊細な操作が可能でした。

まとめ:デザイン

  • 第一印象:メタルユニボディとシーシェルカラーによる高級感があり、マット仕上げで指紋が目立たない。
  • サイズと重量:11.1インチ、約458gの軽量設計で、Plus版(約640g)より圧倒的に持ち運びやすい。
  • 厚さ:6.2mmと非常にスリムで、カバンへの収まりが良い。
  • 耐久性:Gorilla Glass 7iによる画面保護と、IP53の防塵防滴性能を備える。
  • ボタン配置:電源ボタンは上部、音量ボタンは右側面にあり、指紋認証センサーはない。
  • ポート配置:USB Type-Cポート(映像出力対応)は下部に配置されている。
  • 拡張性:microSDカードスロットは非搭載である。
  • 付属品:高性能な「Lenovo Tab Pen Pro」が同梱されており、側面に吸着して充電できる。

ディスプレイ:Lenovo Yoga Tabの高精細な3.2K液晶と没入感

Lenovo Yoga Tabの画面。

ここでは、Lenovo Yoga Tabに搭載されたディスプレイの視覚体験について、実際に映像コンテンツを視聴した感想やスペックの詳細を、上位モデルとの比較を交えながら書いていきます。

第一印象とディスプレイタイプ

電源を入れて画面を点灯させた瞬間、その色の鮮やかさと緻密さに驚かされました。本機が採用しているディスプレイの種類は、有機ELではなく11.1インチのLTPS液晶パネルですが、実際に映画『トップガン マーヴェリック』を再生してみると、液晶とは思えないほど黒色が引き締まって見えます。

これはコントラスト比が1400:1と高く、さらにDolby Visionに対応している恩恵でしょう。色域はDCI-P3を98%カバーしており、プロフェッショナルなクリエイター用途にも耐えうる色精度(ΔE<1)を実現しているため、写真の色味も非常に自然でリアルに感じられました。Lenovo独自のPureSight Proテクノロジーにより、あらゆる映像がクリアで忠実に再現される点に感動すら覚えます。

サイズと解像度の比較

Lenovo Yoga Tabのディスプレイ。画面にゲーム。

画面サイズに関しては、上位モデルの「Lenovo Yoga Tab Plus」が12.7インチの大画面であるのに対し、本機は一回り小さい11.1インチです。しかし、注目すべきは解像度の違いです。Plus版が2944×1840ドット(3K)である一方、画面の小さいYoga Tabの方が3200×2000ドット(3.2K)と、より高解像度なパネルを搭載しています。

つまり、画素密度(PPI)においては本機が圧倒的に勝っており、電子書籍で細かい文字を読んだり、高解像度の写真を拡大して確認したりする際の精細感は、本機の方が一枚上手だと感じました。大画面の迫力を取るならPlus版ですが、凝縮された緻密な美しさを求めるなら、この11.1インチモデルの方が満足度は高いかもしれません。

輝度とリフレッシュレートの比較

Lenovo Yoga Tabのディスプレイ。屋外の直射日光下。

輝度については、本機が最大800nitであるのに対し、Plus版はピーク輝度900nitと、スペック上はPlus版がやや有利です。とはいえ、実際に天気の良い昼下がりに屋外のカフェで使用してみましたが、800nitあれば直射日光下でも画面の内容は十分に視認できました。

リフレッシュレートは両モデルともに最大144Hzに対応しており、Webブラウジング時のスクロールや、アクションゲーム『原神』のプレイ中も映像が非常に滑らかに動きます。タッチ応答性もLTPSパネル特有の高速スイッチングにより良好で、付属のペンを使用した際も遅延を感じることなく追従してくれました。

AIによる画質向上:Lenovo AI SuperRes (AISR)

Lenovo Yoga Tabのディスプレイ。画面に自然の風景。

注目すべき機能として「Lenovo AI SuperRes (AISR)」があります。これは内蔵AIを活用し、低解像度の画像や写真をリアルタイムで最大4K解像度までアップスケーリングする技術です。粗い画像もディテールが補完され、滑らかで鮮明な高解像度品質に変換されます。オフラインの写真編集や資料確認において強力な武器となりますが、本機能は今後のアップデート配信により追加される予定です。

プロレベルの色再現:PureSight Pro

PureSight Pro」アルゴリズムは、正確なスペクトル較正と色調整を行うことで、クリエイターが求める忠実な色再現を実現します。単に綺麗というだけでなく、すべてのスケッチの線や写真のテクスチャが際立ち、編集フレームの細部まで視認性が高まります。色に敏感な調整作業を行うプロフェッショナルにとって、この信頼性の高い表示性能は作業効率に直結する重要な要素です。

Lenovo Yoga Tab ディスプレイ仕様

  • サイズ:11.1インチ
  • 解像度:3200 x 2000 (3.2K)
  • パネル種類:LTPS液晶
  • リフレッシュレート:最大144Hz
  • 輝度:800 nit
  • 色域:DCI-P3 98%
  • コントラスト比:1400:1
  • HDR:Dolby Vision対応

まとめ:ディスプレイ

  • 第一印象:有機ELに迫る鮮やかな発色と、引き締まった黒表現による没入感がある。
  • 種類:11.1インチのLTPS液晶パネルを採用しており、応答速度も速い。
  • 特性:PureSight Pro技術とDolby Vision対応により、映像コンテンツが美しく表示される。
  • 解像度:3200×2000ドット(3.2K)の高解像度で、Plus版(3K)よりも精細感が高い。
  • サイズ:11.1インチで、12.7インチのPlus版よりコンパクトだが画素密度で勝る。
  • リフレッシュレート:最大144Hzに対応しており、ゲームやスクロールが非常に滑らか。
  • AI画質向上:Lenovo AI SuperResにより、画像を最大4Kまでアップスケーリング可能(アップデート予定)。
  • 輝度:800nitの高輝度で、屋外での視認性も十分に確保されている。
  • 色再現性:PureSight Proによるスペクトル較正とDCI-P3 98%カバーで、プロ用途にも対応する。
  • コントラスト比:1400:1で、メリハリのある映像を楽しめる。
  • タッチ応答性:高速スイッチングによりペン入力やタッチ操作の遅延を感じにくい。
  • 表面処理:光沢(グレア)仕上げだが、輝度が高いため反射は見やすいレベルに抑えられる。
  • HDR対応:Dolby Visionに対応しており、対応コンテンツのダイナミックレンジが広い。

メモリとストレージ:Lenovo Yoga Tabの高速規格と拡張性の有無

Lenovo Yoga Tabの画面。

ここでは、Lenovo Yoga Tabのメモリとストレージ性能について、規格上のスペックだけでなく、実際のアプリ動作やデータの読み書き速度、そして拡張性について書いていきます。

高速なLPDDR5Xメモリと実用的な容量

本機には、最新規格であるLPDDR5Xメモリが12GB搭載されています。上位モデルの「Lenovo Yoga Tab Plus」が16GBを搭載しているため、数値上では4GBのスペックダウンとなりますが、実際に使ってみてその差を感じる場面はほとんどありませんでした。

LPDDR5X最大8.5Gbpsという圧倒的な転送速度を誇り、従来のLPDDR5と比較しても約33%高速化されています。複数のアプリを同時に立ち上げるマルチタスク作業や、ブラウザでタブを大量に開いた状態でも、動作が重くなることはなく非常に軽快です。

また、設定の「一般設定」から「RAM拡張」(仮想メモリ)機能を利用することで、ストレージ領域の一部を仮想メモリとして割り当てることも可能です。これにより、重量級のゲームやAI処理を行う際でもメモリ不足によるアプリ落ちを防ぎ、安定した動作を維持できるのは頼もしい点だと感じました。

爆速のUFS 4.0ストレージとその恩恵

Lenovo Yoga Tabでレースゲームをプレイ。

内蔵ストレージには、高速なUFS 4.0規格の256GBが採用されています。これは「Yoga Tab Plus」と同じ容量・規格であり、UFS 3.1と比較してシーケンシャルリード(読み込み)で最大2倍、書き込みで約2倍以上の速度向上を実現しています。

実際にベンチマークソフトで計測してみると、読み込み速度は約2.02GB/秒、書き込み速度は約0.99GB/秒という驚異的な数値を記録しました。この恩恵は日常のあらゆる場面で感じられます。例えば、『原神』のような大容量ゲームのロード時間は体感できるほど短く、アプリのインストールやアップデートも一瞬で終わります。また、UFS 4.0の電力効率の良さはバッテリー持ちにも貢献しており、高性能と省電力を両立している点に感動しました。

拡張性に関する唯一の欠点

非常に高性能なメモリとストレージを搭載している一方で、残念な点が一つあります。それは、microSDカードスロットが非搭載であることです。256GBという容量は決して少なくはありませんが、高画質の映画データを大量に保存したり、RAW形式の写真データをストックしたりするには心許ない場合があります。

Yoga Tab Plus」も同様に拡張性に制限がある場合がありますが、特に本機はクリエイター向けやエンタメ用途を謳っているだけに、物理的な容量拡張ができない点は明確なデメリットと言わざるを得ません。購入を検討する際は、256GBで足りるか、あるいはクラウドストレージを併用する運用が可能かを事前にシミュレーションすることをおすすめします。

まとめ:メモリとストレージ

  • RAM容量:12GBを搭載しており、Plus版(16GB)より少ないが必要十分な容量である。
  • RAM種類:高速なLPDDR5X(オンボード)を採用し、最大8.5Gbpsの転送速度を実現している。
  • 仮想メモリ:設定から「RAM拡張」機能を利用することで、タスクの安定性を向上できる。
  • ストレージ容量:256GBの内蔵ストレージを搭載している。
  • ストレージ種類:最新のUFS 4.0規格を採用し、アプリ起動やロード時間が非常に高速である。
  • 読み書き速度:実測で読み込み約2.02GB/秒、書き込み約0.99GB/秒を記録した。
  • 拡張性:microSDカードスロットは非搭載であり、物理的な容量増設はできない。

オーディオ性能:Lenovo Yoga TabのクアッドスピーカーとDolby Atmosの没入感

Lenovo Yoga Tabで音楽を再生している

ここでは、Lenovo Yoga Tabのスピーカー構成と音質、そして外部出力の使い勝手について、上位モデルとの違いを交えながら書いていきます。

4スピーカー構成と上位モデルとの違い

Lenovo Yoga Tabは、本体の左右(横持ち時)にそれぞれ2基ずつ、合計4基のスピーカーを搭載しています。内訳は高音域を担当するツイーターが2基、低音域を担当するウーファーが2基という構成で、独自の「Lenovo Premiumオーディオシステム」を採用しています。

ここで比較対象となるのが上位モデルの「Lenovo Yoga Tab Plus」です。Plus版は「Harman Kardon」監修のスピーカーを搭載し、まるでサウンドバーのような強力なオーディオ性能を売りにしていました。対して本機は、ブランド名こそ冠していませんが、Dolby Atmosに対応しており、わずか6.2mmの薄型ボディからは想像できないほどの音圧を確保しています。

映画と音楽で体感する音質

実際にNetflixでアクション映画を視聴し、Spotifyで女性ボーカルのポップスを再生して音質を確認しました。まず感じたのは、Dolby Atmosによる空間表現の巧みさです。映画の爆発シーンや雨の音などが、タブレットの画面よりも広く展開し、自分を包み込むような感覚を覚えました。ツイーターが独立しているおかげで、セリフ高音の効果音は非常にクリアで、音がこもるような感覚は一切ありません。

Lenovo Yoga Tabで動画を視聴している

中音域については、ボーカルの声が楽器の音に埋もれることなく、しっかりと前面に出てくる印象です。特にYouTubeの解説動画など、人の声を聞くコンテンツでは非常に聞き取りやすく感じました。一方で、低音に関しては物理的なサイズの限界を感じる場面もありました。Plus版は筐体の一部を膨らませてスピーカーボックスの容量を確保していましたが、本機はフラットな薄型設計です。

そのため、地響きのような重低音の迫力という点ではPlus版に譲りますが、それでも机の上に置いた際に振動が伝わる程度の低音は出ており、一般的なタブレットの中では間違いなく上位クラスの音質です。最大音量にしても音が割れることはなく、6畳程度の部屋であれば外部スピーカーなしでも十分にBGMを流せるパワーがありました。

外部出力とワイヤレス接続

Lenovo Yoga Tabのスピーカー。

外部出力に関しては、残念ながら3.5mmイヤホンジャックは搭載されていません。有線イヤホンを使いたい場合は、USB Type-Cポートからの変換アダプタが必要です。しかし、Bluetoothのバージョンは最新の5.4に対応しています。実際にワイヤレスイヤホンを接続してリズムゲームをプレイしてみましたが、接続は非常に安定しており、気になるほどの遅延は感じませんでした。

また、高音質コーデックに対応したイヤホンを使えば、スピーカー以上に繊細な音を楽しむことができます。自宅では内蔵のクアッドスピーカーで映画を楽しみ、外出先では安定したBluetooth接続で音楽を聴くという使い分けが、このタブレットの正解だと感じました。

まとめ:オーディオ

  • スピーカー構成:ツイーター2基とウーファー2基の合計4スピーカーを搭載している。
  • 音響技術:Dolby Atmosに対応しており、立体感のあるサラウンド体験が可能である。
  • Plus版との比較:Harman Kardon搭載のPlus版ほどの重低音はないが、薄型ボディとしては驚異的な音質である。
  • 高音・中音域:独立したツイーターにより、セリフやボーカルがクリアで聞き取りやすい。
  • 低音域:薄型設計のため重低音の迫力は控えめだが、音割れせずタイトな低音が鳴る。
  • 最大音量:音が歪むことなく、部屋全体に響く十分な音量を確保している。
  • イヤホンジャック:3.5mmジャックは非搭載であり、有線接続には変換が必要である。
  • Bluetooth:バージョン5.4に対応し、ワイヤレス接続の安定性と低遅延を実現している。

バッテリー持ちと充電:Lenovo Yoga Tabのスタミナと急速充電の実力

Lenovo Yoga Tabの背面。

ここでは、Lenovo Yoga Tabのバッテリー性能と充電速度について、上位モデルとの比較や実際のテスト結果を交えて書いていきます。

容量ダウンを感じさせないスタミナ性能

上位モデルの「Lenovo Yoga Tab Plus」が10,200mAhの大容量バッテリーを搭載していたのに対し、本機は8,860mAhとなっています。数値だけ見ると容量は減少していますが、これは本体の軽量化と薄型化(6.2mm)を実現するために、エネルギー密度の高いシリコンカーボンバッテリー技術を採用した結果です。容量は減りましたが、画面サイズが12.7インチから11.1インチへと小型化したことで消費電力も抑えられており、公称の動画再生時間はPlus版と同じ最大12時間を維持しています。

バッテリーテストの結果

注目すべきは、Webブラウジングにおけるバッテリーテストの結果です。ある検証データによれば、Wi-Fi接続下でのWeb閲覧において「17時間42分」という驚異的な駆動時間を記録しました。これは競合するタブレットと比較しても非常に優れた数値であり、Snapdragon 8 Gen 3プロセッサーの電力効率の良さと、ディスプレイの省電力性能がうまく噛み合っている証拠と言えるでしょう。

一日中使える安心の実体験

Lenovo Yoga Tabでゲームをプレイしている

実際に私が一日持ち出して使ってみた感覚としても、バッテリー持ちは非常に優秀だと感じました。朝からカフェでWi-Fiに接続し、ブラウザで情報を集めたり、ドキュメント作成を行ったり、息抜きにYouTubeで高画質動画を視聴するといった一般的な使い方を続けましたが、夕方になってもバッテリー残量を気にすることはありませんでした。

特に、Webブラウジングやテキスト作業中心の用途であれば、充電器を持ち歩く必要性を全く感じません。スタンバイ時のバッテリー消費も抑えられています。ただし、リフレッシュレートを144Hzに固定して高負荷な3Dゲーム『原神』などを長時間プレイした場合は、さすがにバッテリーの減りは速くなりますが、これだけの薄型軽量ボディで一日中アクティブに使えるスタミナを備えている点は、モバイル端末として非常に大きなメリットです。

急速充電とポート仕様

充電に関しては、急速充電に対応しており、スピーディーな電力回復が可能です。バッテリー残量がゼロの状態から満充電までにかかる時間約1.1時間と非常に高速で、Plus版の充電時間が約1.5時間であったことと比較しても、待ち時間は短縮されています。忙しい朝の準備時間やちょっとした隙間時間にサッと充電できるのは大きな魅力です。

充電ポートは本体下部(横持ち時右側)に配置されたUSB Type-Cポートを使用します。このポートはUSB 3.2 Gen 2規格に対応しており、充電だけでなく高速なデータ転送やDisplayPort出力(DP-Out)も可能です。残念ながらワイヤレス充電には対応していませんが、この高速な有線充電があれば不便を感じることは少ないでしょう。

まとめ:バッテリーと充電

  • バッテリー容量:8,860mAhで、Plus版(10,200mAh)より少ないがシリコンカーボン技術を採用している。
  • 公称駆動時間:動画再生で最大12時間と、Plus版と同等のスタミナを維持している。
  • ベンチマーク結果:Webブラウジングテストで17時間42分を記録するなど、実用上の持ちは非常に良い。
  • 充電速度:急速充電に対応し、約1.1時間で満充電が可能である。
  • 充電ポート:USB 3.2 Gen 2 Type-Cを採用し、高速データ転送と映像出力に対応している。
  • ワイヤレス充電:非対応である。

OSと機能:Lenovo Yoga Tabの最新OSと連携機能の魅力

Lenovo Yoga TabのUI画面。アプリ一覧

ここでは、Lenovo Yoga Tabに搭載されているOSや独自の機能について、上位モデル「Lenovo Yoga Tab Plus」との比較を交えながら、そのメリットとデメリットを書いていきます。

初期搭載OSとアップデート保証の逆転現象

本機「Lenovo Yoga Tab」は、2025年9月発売ということもあり、初期搭載OSは最新のAndroid 15を採用しています。一方で、同年1月に発売された上位モデル「Lenovo Yoga Tab Plus」はAndroid 14搭載でした。

UIに関してはLenovo独自のもので、非常に洗練されており、普段は一般的なAndroidタブレットとして直感的に操作できますが、キーボードやマウスを接続すると「PCモード」への切り替えを提案してくれます。このPCモードでは、アプリがウィンドウ表示になり、サイズ変更や並べ替えが自由自在に行えるため、まるでノートPCを使っているかのような感覚でマルチタスクをこなせました。

例えば、ブラウザで情報を検索しながら、Googleドキュメントで原稿を作成するといった作業も、画面分割(スプリットスクリーン)やフローティングウィンドウを駆使して快適に行えます。余計なプリインストールアプリ(ブロートウェア)もいくつか見受けられましたが、アンインストール可能なので大きなストレスにはなりませんでした。

アップデート保証とサポート期間

さらに驚くべき違いは、OSのアップデート保証期間です。上位モデルのPlus版が「2回のOSアップグレード(Android 16まで)」とされているのに対し、本機はなんと「3回のOSアップグレード(Android 18まで)」が保証されています。セキュリティアップデート期間は共に4年間ですが、より長く最新のAndroid機能を使えるのは、意外にも下位モデルである本機の方です。これは発売時期の違いによるものですが、長く愛用したいユーザーにとっては、Plus版よりも本機を選ぶ大きな理由になり得ます。

Smart Connectによるシームレスな連携

Lenovo Yoga Tabの「Smart Connect」機能

本機の大きな魅力の一つが「Smart Connect」による他デバイスとの連携機能です。実際にWindows PCと連携させてみましたが、タブレットの画面をPCのセカンドディスプレイとして拡張したり、ミラーリングしたりする機能は遅延も少なく実用的でした。また、タブレット内のAndroidアプリをPC上でストリーミング操作できるため、スマホやタブレット専用のアプリをPCの大画面とキーボードで操作できるのは新鮮な体験でした。

さらに、ファイル共有やクリップボードの共有もシームレスに行えます。「クロスデバイス操作(Cross Control)」機能を使えば、PCのマウスとキーボードだけでタブレットも操作でき、PCからタブレットへファイルをドラッグ&ドロップで転送するといったことが可能です。外出先でタブレットを使って撮影した写真を、帰宅後にPCへ即座に転送して編集するといったワークフローが非常にスムーズになりました。また、タブレットの高画質なカメラをPCのWebカメラとして利用する機能も、オンライン会議の画質向上に役立ちます。

Lenovo Yoga Tabのミラーリング機能。

生体認証の使い勝手とPlus版との違い

セキュリティ機能に関しては、注意が必要です。上位モデルの「Lenovo Yoga Tab Plus」には指紋認証センサーが搭載されていますが、本機「Lenovo Yoga Tab」には指紋センサーがありません。生体認証はフロントカメラによる顔認証のみとなります。明るい場所での認証速度は高速で、画面を持ち上げるだけでロックが解除されるなど利便性は高いですが、部屋を暗くして映画を見ようとした際や、マスク着用時には認識されないことがあり、PINコード入力が必要になる場面がありました。毎日何度も行うロック解除だけに、指紋認証の欠如はPlus版と比較して明確なデメリットだと感じました。

まとめ:OSと機能

  • 初期OS:最新のAndroid 15を搭載しており、Plus版(Android 14)より新しい。
  • OSアップデート:3回のアップグレードが保証されており、Plus版(2回)よりも長く最新OSを利用できる。
  • セキュリティ更新:4年間のセキュリティパッチ提供が保証されている(Plus版と同等)。
  • UI/UX:PCモードや分割画面など、マルチタスクに適したUIを備えている。
  • 連携機能:Smart Connectにより、PCやスマホとのデータ共有や操作連携がスムーズに行える。
  • 生体認証:顔認証のみの対応で、Plus版にある指紋認証センサーは非搭載である。

Yoga Tab Plusと共通した性能

上位モデル「Lenovo Yoga Tab Plus」とはサイズや重量が大きく異なりますが、処理能力や機能面では多くの共通点を持っています。ここでは、プロセッサによる快適な動作感や、作業効率を高めるAI機能、そしてクリエイティブ作業に欠かせないペンやキーボードといった、両モデルで共通して体験できる「ハイエンドタブレットとしての実力」について解説していきます。

プロセッサの動作感:Lenovo Yoga Tabのストレスフリーな操作性と安定性

Lenovo Yoga TabでFPSゲームをプレイしている

ここでは、ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載した本機の実力について、ゲーム以外の日常的な動作感やビジネス用途での使い勝手、そして気になる発熱について書いていきます。

ストレスフリーな日常動作

本機は、上位モデル「Lenovo Yoga Tab Plus」と同じ「Snapdragon 8 Gen 3」プロセッサを搭載しています。メモリは12GBとPlus版(16GB)より少ないですが、WebブラウジングやSNSのチェック、動画視聴といった日常的な操作において、その差を感じることは全くありませんでした。アプリの起動は一瞬で、複数のアプリを行き来しても再読み込みが発生することは稀です。

特に、Chromeで多数のタブを開いた状態でYouTubeをフローティング再生させても、カクつきとは無縁の「ヌルサク」な操作感が続きます。この圧倒的なレスポンスの良さは、ハイエンド機ならではの特権と言えるでしょう。

PCモードでのOffice作業と生産性

キーボードやマウスを接続すると、自動的に提案される「PCモード」での作業も非常に快適です。このモードでは、Windowsのようにアプリをウィンドウ表示し、自由にサイズ変更や配置が可能になります。実際に「Microsoft 365(Office)」アプリでWordの文書作成とExcelの表計算を同時に行ってみましたが、処理落ちすることなくスムーズに入力できました。

Googleドキュメントやスプレッドシートでの編集作業も同様に快適です。画面サイズが11.1インチとPlus版より小さいため、最初は狭さを心配していましたが、解像度が高いため表示領域は十分に広く、外出先でのレポート作成やメール返信といったビジネスワークもストレスなくこなせました。

クリエイティブ作業:画像・動画編集の実力

Snapdragon 8 Gen 3のパワーは、クリエイティブな作業でも遺憾なく発揮されます。プリインストールされている「Adobe Lightroom」を使って高画素な写真のRAW現像を行ってみましたが、スライダー操作に対するプレビューの反映がほぼリアルタイムで、非常にスムーズに編集できました。

また、AIを活用した「Lenovo AI SuperRes」により、解像度の低い画像を鮮明化する処理も高速です。動画編集に関しても、4K動画のカット編集やテロップ入れといった作業をサクサクこなせます。エンコード(書き出し)速度も非常に高速で、ショート動画程度の長さであれば待ち時間はわずかです。メモリが12GBでも、複雑なレイヤー処理を多用しなければ、外出先での編集スタジオとして十分に機能する実力を持っています。

気になる発熱と安定性

高性能なプロセッサを薄型ボディに搭載しているため発熱が懸念されましたが、日常使いにおいては驚くほどクールです。長時間の動画視聴やブラウジング、文書作成を行っても、背面がほんのりと温かくなる程度で、不快な熱さを感じることはありませんでした。これはSnapdragon 8 Gen 3の高い電力効率に加え、効果的な放熱設計が機能している証拠でしょう。ゲームのような高負荷をかけない限り、熱によるパフォーマンス低下(サーマルスロットリング)を気にする必要はなく、常に安定した性能を発揮してくれます。

まとめ:プロセッサ

  • 動作感:Snapdragon 8 Gen 3搭載により、ブラウジングやアプリ切り替えは非常に高速で、Plus版と遜色ない快適さである。
  • Office作業:Microsoft 365やGoogle Workspaceなどのビジネスアプリも軽快に動作し、PCモードでのマルチウィンドウ作業も実用的である。
  • 画像編集:Adobe LightroomなどでのRAW現像やAI補正もリアルタイムで反映され、スムーズに作業できる。
  • 動画編集:4K動画の編集や書き出しも高速で、モバイル環境でのクリエイティブワークを強力にサポートする。
  • 発熱:日常的な使用範囲では発熱はほとんど気にならず、薄型ボディながら熱制御は優秀である。

AI機能:Lenovo Yoga Tabの作業効率を加速するオンデバイスAI

Lenovo Yoga TabのAI機能で画像を生成している。

ここでは、Snapdragon 8 Gen 3の強力なNPUを活かした、クラウドに依存せず端末内で完結する「オンデバイスAI」機能について、ビジネスや学習での具体的な活用シーンを交えて書いていきます。

情報を瞬時に整理する「Lenovo AI Now」

本機には、独自のAIアシスタント「Lenovo AI Now」が搭載されています。これは、タブレット内に保存されたPDFやWordなどのドキュメントファイルを読み込ませることで、その内容に基づいた検索や要約、質問への回答を行ってくれる機能です。実際に大量の資料を保存して試してみましたが、必要な情報を探し出す手間が大幅に省け、まるで専属の秘書がいるような感覚を覚えました。

注目すべきは、これらの処理がクラウドを介さずデバイス内部(ローカル)で行われるため、機密情報の漏洩リスクを気にせず使える安心感です。ただし、現時点では対応言語が英語のみとなっており、日本語のドキュメントは読み込めない点は注意が必要です。将来的なオンラインアップデートでの日本語対応が予定されているため、今後の進化に期待が高まります。

会議や動画で活躍する「AI字幕」

すぐに役立つ機能として感動したのが「AI字幕」です。これは、端末内で再生される動画の音声や、マイクから入力される音声をリアルタイムで字幕化してくれる機能です。1日あたりの使用時間に制限はあるものの、こちらは日本語にも対応しており、オンライン会議の内容を文字で確認したり、音を出せない環境で動画の内容を把握したりするのに非常に便利でした。認識精度も高く、滑舌の良い話し声であればかなり正確にテキスト化してくれます。

メモ作成を支援する「Lenovo Note」のAIツール

プリインストールされている「Lenovo Note」アプリにもAIが組み込まれています。手書きしたメモやテキストをAIが要約したり、文章を整えたりしてくれるため、走り書きしたアイデアを後から整理する際に重宝します。また、「AI手書き補正」機能により、私の乱雑な手書き文字も読みやすく整形してくれました。これらの機能は上位モデルのPlus版と共通しており、11.1インチのコンパクトな本機であれば、手帳感覚でこれらのAI機能をどこへでも持ち出せる点が大きなメリットだと感じました。

まとめ:AI機能

  • Lenovo AI Now:端末内のドキュメントを検索・要約するAIアシスタントだが、現時点では英語のみ対応である。
  • プライバシー:データ処理がデバイス内で完結するため、セキュリティ面で安心して利用できる。
  • AI字幕:システム音声やマイク入力をリアルタイムで字幕化でき、日本語にも対応している。
  • Lenovo Note:文章の要約や手書き文字の補正など、ノートアプリ内でAIによる制作支援が受けられる。
  • 将来性:日本語対応を含む機能強化がソフトウェアアップデートで予定されている。

カメラと通信性能:Lenovo Yoga Tabの実用的な画質とWi-Fi 7の高速通信

Lenovo Yoga Tabのカメラ

ここでは、ビデオ会議や資料スキャンに役立つカメラ性能と、最新の通信規格に対応した接続環境について、上位モデルとの共通点を中心に書いていきます。

実用重視のカメラ性能

カメラ構成は、背面に1300万画素のメインカメラと200万画素のマクロカメラ、前面に1300万画素のフロントカメラを搭載しています。これは上位モデルのPlus版とほぼ同等のスペックです。実際に書類をスキャンしてみましたが、細かい文字もしっかりと認識できる解像感があり、仕事での資料保存には十分役立ちます。

フロントカメラは横持ち時に中央に来るように配置されており、ZoomやTeamsでのビデオ会議でも自然な目線で会話ができました。スマホのハイエンド機のような「作品としての写真」を撮るには物足りませんが、メモ代わりの撮影やコミュニケーションツールとしては必要十分な性能を備えています。

Wi-Fi 7による次世代の通信体験

通信機能における最大のトピックは、最新規格「Wi-Fi 7」に対応していることです。対応ルーターと接続した際の通信速度は圧倒的で、大容量のゲームデータや高画質の映画コンテンツも一瞬でダウンロードが終わります。Plus版も高速でしたが、このコンパクトな筐体で同等の高速通信ができる点は、持ち運びの手軽さと相まって非常に便利です。Bluetoothもバージョン5.4に対応しており、ワイヤレスイヤホンの接続安定性も良好です。

注意すべき通信仕様

購入前に知っておくべき重要な点として、モバイル通信(LTE/5G)対応モデルが用意されていないこと、そしてGPSが非搭載であることが挙げられます。そのため、カーナビとして使ったり、Wi-Fiのない屋外単体で通信したりすることはできません。外出先でネットに繋ぐ際は、スマートフォンのテザリングやフリーWi-Fiを活用する必要がある点は、Plus版と同様に留意すべき仕様です。

まとめ:カメラと通信性能

  • リアカメラ:1300万画素+200万画素マクロの構成で、書類スキャンやメモ撮影に十分な画質である。
  • フロントカメラ:1300万画素で、ビデオ会議に適した配置と画質を備えている。
  • Wi-Fi:最新のWi-Fi 7に対応しており、ダウンロードやストリーミングが非常に高速である。
  • Bluetooth:バージョン5.4に対応し、周辺機器との接続が安定している。
  • GPS:非搭載のため、ナビゲーション用途には不向きである。
  • モバイル通信:SIMカードスロットはなく、Wi-Fiモデルのみの展開である。

アクセサリー:Lenovo Yoga Tabの創造性を広げるペンと純正キーボード、ケース

Lenovo Yoga Tabの「Lenovo Tab Pen Pro」

ここでは、タブレットの可能性を大きく広げるアクセサリーについて書いていきます。標準で付属する高品質なスタイラスペンと、生産性を高める別売りの純正キーボード、そして持ち運びに欠かせないケースについて、それぞれの魅力と価格を紹介します。これらはPlus版とはサイズが異なる専用品ですが、そこから得られる快適なユーザー体験は共通しています。

プロレベルの描画体験「Lenovo Tab Pen Pro」

Lenovo Yoga Tabには高機能な「Lenovo Tab Pen Pro」が標準で同梱されています。このペンは4096段階以上の筆圧検知と傾き検知に対応しており、低レイテンシで瞬時に反応するため、手の動きに合わせてスムーズにアイデアを書き留められます。

実際にイラスト制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」を使って絵を描いてみましたが、線の強弱が思い通りに反映され、遅延も感じさせない滑らかな描き心地でした。さらに、ダブルタップでツールを切り替えたり、フリックでコピーや貼り付けを行うことができる直感的な操作性も魅力です。

Lenovo Yoga Tabのペンで描いている

ユニークなのが「手書きフィードバック」機能で、触覚フィードバックと自然なペンの音により、リアルなペン入力を体感できます。ペン先が画面に触れると微細な振動が発生し、まるで紙に鉛筆を走らせているかのようなザラつき感を指先に伝えてくれるため、ツルツルしたガラス面でも違和感なく描画やメモ書きに没頭できました。本体側面にマグネットで吸着させるだけで充電とペアリングができる利便性も、Plus版譲りの快適さです。

生産性を最大化する「キーボードパック」

ビジネス用途やレポート作成で活用するなら、オプションの「Lenovo Yoga Tab Keyboard Pack」(税込12,980円)の導入をおすすめします。このキーボードパックを取り付けると、ノートパソコン並みのレイアウトでスムーズなタイピングが可能になるだけでなく、内蔵トラックパッドによる滑らかなジェスチャー操作も実現します。

Lenovo Yoga Tabのキーボード「Lenovo Yoga Tab Keyboard Pack」

キーピッチは18mm、キーストロークは1.3mm確保されており、コンパクトながらもしっかりとした打鍵感があり、長文入力も快適に行えました。「Smart Key」も搭載されており、これを使えばAIヘルプへ即時にアクセスできるため、作業中にAIアシスタントを呼び出してサポートを受けることが容易になります。

接続はポゴピン接続のため、Bluetoothのようなペアリングの手間や充電切れの心配がありません。移動中に思いついたアイデアを即座に形にすることができるので、非常に便利に使えています。

実用性と保護を両立する「純正ケース」

本体を保護し、動画視聴をより快適にするために欠かせないのがケースです。純正の「Lenovo Yoga Tab Folio Case」(税込4,950円)は、スタンド機能を備えたフォリオタイプのケースで、ディスプレイを保護しながら持ち運ぶことができます。ファブリック素材のような質感は手に馴染みやすく、シーシェルカラーの本体ともマッチします。

Lenovo Yoga Tabのケース「Lenovo Yoga Tab Folio Case」

サードパーティ製の中古ケースなどを探すのも一つの手ですが、フィット感やデザインの統一性を考えると、やはり純正ケースの満足度は高いと感じました。特に本機は458gと軽いため、ケースを装着しても負担にならず、どこへでも気軽に持ち出せるセットアップが完成します。

まとめ:アクセサリー

  • 付属ペン:「Lenovo Tab Pen Pro」が標準で同梱されており、追加費用なしでクリエイティブ作業を始められる。
  • 書き心地:筆圧・傾き検知に加え、紙のような感触を再現する「手書きフィードバック」機能がイラスト制作(クリスタ等)に最適である。
  • 充電方法:本体側面のマグネットエリアに吸着させるだけで、ペアリングと充電が完了する。
  • キーボード:「Lenovo Yoga Tab Keyboard Pack」(12,980円)はトラックパッド付きで、PCライクな操作感を提供する。
  • ケース:「Lenovo Yoga Tab Folio Case」(4,950円)はスタンド機能を備え、軽量な本体の保護と利便性を向上させる。

ベンチマークとゲーム性能:Lenovo Yoga Tabの220万点超えスコアとハイエンドの実力

Lenovo Yoga TabのGeekbenchベンチマーク結果

ここではLenovo Yoga Tabのベンチマークとゲーム性能について紹介します。

Antutuベンチマーク

本機は、ハイエンドタブレットの代名詞とも言える「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3」プロセッサを搭載しています。これは、ゲーミングタブレットとして名高い「nubia Pad Pro」と同じチップセットであり、処理能力は現行のAndroidタブレットの中でトップクラスです。GPUには「Adreno 750」を採用しており、前世代と比較して描画性能が大幅に向上しています。

Antutuベンチマーク結果は以下のようになっています。

【Antutuバージョン11】

Lenovo Yoga TabのAntutuベンチマーク結果

Antutu V11 総合で「2246928」、CPUで「654954」、GPUで「658264」、MEMで「351237」、UXで「582473」

他のベンチマーク結果

Geekbench 6

  • シングルコア 「2241」
  • マルチコア 「5845」
  • GPU OpenCL「14,009」
  • GPU Vulkan「16,023」

3DMark

  • Steel Nomad Light 「1,688」
  • Solar Bay Extreme 「849」
  • Solar Bay 「8,594」
  • Wild Life Extreme 「4,982」

Geekbench AI 1.5.0

  • Single Precision 「441」
  • Half Precision 「442」
  • Quantized Score 「978」

ベンチマーク結果からわかること

総合スコアが約224万点という結果は、驚異的と言って差し支えありません。特にGPUスコアが高く、3Dグラフィックスの処理能力が非常に優れていることが分かります。これだけのスコアがあれば、日常のブラウジングや動画視聴でストレスを感じることは皆無ですし、現在配信されているほぼ全ての重量級3Dゲームを最高画質設定で快適に動かせる水準です。

CPU性能を比較

ここではLenovo Yoga Tabが搭載するQualcomm Snapdragon 8 Gen 3 プロセッサと、他のCPUを比較・検証した結果を紹介します。

Lenovo Yoga Tab Plusと比較

上位モデルである「Lenovo Yoga Tab Plus」も、本機と同じ「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3」プロセッサを搭載しています。GPUも共通の「Adreno 750」を採用しており、基本となる処理性能のプラットフォームは両モデルで共通しています。つまり、基本性能においては、下位モデルだからといって劣っているわけではありません。

Antutuベンチマーク結果は以下のようになっています。

【Antutuバージョン10】

Lenovo Yoga Tab PlusのAntutuベンチマーク結果

Antutu V10 総合で「2015127」、CPUで「444148」、GPUで「811530」、MEMで「407108」、UXで「352341」

比較からわかること

興味深いことに、ベンチマークスコアでは標準モデルである本機の方が高い数値を記録しました。これは計測したAntutuのバージョンの違い(V11とV10)も影響していますが、それを差し引いても本機が「Plus」に全く引けを取らない、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮していることが分かります。画面サイズが小さく軽量な本機の方が、ゲームなどの高負荷な用途において、より軽快に動作する可能性があります。

Snapdragon 8 Gen 3性能を比較

Lenovo Yoga Tabが搭載するQualcomm Snapdragon 8 Gen 3 プロセッサは、Antutu V10 ベンチマーク総合で約200万点ほどになります。

これをもとに他のCPUと比較してみましょう。

CPUランキング

Lenovo Yoga Tabのグラフ。Antutu 比較 Snapdragon 8 Gen 3

※Antutu V10 ベンチマーク総合スコアで比較したものです。

  1. Snapdragon 8 Elite (REDMAGIC Astra/Lenovo Legion Y700 Gen 4)・・・Antutu:248万
  2. Snapdragon 8 Gen3 (Lenovo Yoga Tab /Plus)・・・Antutu:200万
  3. MediaTek Dimensity 8350 (OPPO Pad 3)・・・Antutu:153万
  4. Snapdragon 8s Gen 3 (Xiaomi Pad 7 Pro)・・・Antutu:150万
  5. Snapdragon 7+ Gen 3 (Xiaomi Pad 7)・・・Antutu:134万
  6. MediaTek Dimensity 8300 (Lenovo Idea Tab Pro)・・・Antutu:117万
  7. Exynos 1580 (Galaxy Tab S10 FE シリーズ)・・・Antutu:93万
  8. Snapdragon 870 5G (Xiaomi Pad 6)・・・Antutu:70万
  9. Snapdragon 7s Gen 2 (Redmi Pad Pro/POCO Pad)・・・Antutu:62万
  10. Exynos 1380 (Galaxy Tab S10 Lite)・・・Antutu:58万

比較から分かること

ランキングを見ると、本機は「Snapdragon 8 Elite」搭載の最新ゲーミング機に次ぐ、第2位のグループに位置しています。一般的なミドルレンジタブレットに搭載される「Snapdragon 7s Gen 2」と比較すると、3倍以上のスコア差があります。この圧倒的な性能差は、アプリの起動速度やゲームの読み込み時間、複雑な処理のレスポンスに直結しており、ハイエンド機としての格の違いを明確に示しています。

ゲーム性能を検証:Lenovo Yoga Tabで原神など人気ゲームの動作はどうなる?

Lenovo Yoga Tabで原神をプレイしている

Lenovo Yoga Tabが搭載するハイエンドSoC「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3」の実力を測るため、負荷の高い人気ゲームタイトル5本を実際にプレイし、その挙動とフレームレート(FPS)を徹底的に検証しました。Adreno 750 GPUと最大144Hzのリフレッシュレートを持つディスプレイが、どこまでの体験を提供してくれるのか詳しく見ていきます。

原神 (Genshin Impact)

まずは、モバイルゲームのベンチマークとして定番の「原神」です。美麗なグラフィックで描かれる広大なオープンワールドは負荷が非常に高いことで知られていますが、グラフィック設定を「最高」、フレームレートを60FPSに設定してスメールの砂漠地域やフォンテーヌの水中を探索してみました。結果は驚くべきもので、ほとんどのシーンで安定して60FPSに張り付いた状態を維持します。

元素爆発を連発する激しい戦闘シーンや、複雑なエフェクトが重なる場面でも、フレームレートの下限は59FPS程度にとどまり、カクつきを感じることはほぼありませんでした。この安定感により、没入感を削がれることなくテイワットの冒険に集中できます。

鳴潮 (Wuthering Waves)

次に、スタイリッシュでスピーディーな戦闘アクションが特徴のオープンワールドRPG「鳴潮」を検証しました。このタイトルも高いグラフィック処理能力を要求されますが、Snapdragon 8 Gen 3のパワーはいかんなく発揮されます。最高画質設定かつ60FPSモードを選択しても、動作は極めて快適です。ジャスト回避やパリィといった瞬時の判断が求められる高速戦闘においても、フレームレートはほぼ60FPSをキープし続けました。広大なフィールドを駆け回る探索から、高難易度ボスとの緊迫したバトルまで、キャラクターの滑らかなモーションと美しいエフェクトを余すことなく堪能できます。

崩壊:スターレイル (Honkai: Star Rail)

宇宙を舞台にしたスペースファンタジーRPG「崩壊:スターレイル」でも検証を行いました。ターン制コマンドバトルとはいえ、必殺技の豪華な3D演出は負荷がかかります。しかし、グラフィック設定を「最高」、フレームレートを60FPSに設定しても、Lenovo Yoga Tabは余裕の表情を見せました。戦闘中の派手なエフェクト演出時や、羅浮のような描画オブジェクトの多いマップ探索時でも、フレームレートはほぼ常に60FPSに張り付いたままです。マップ切り替え時のロード時間も短縮されており、テンポの良い快適なゲーム体験が得られました。

フォートナイト (Fortnite)

高いフレームレートが勝敗に直結するバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」では、本機の実力が遺憾なく発揮されました。グラフィック設定を「エピック」(最高画質)、3D解像度を100%に設定した状態でも、驚くべきことにほぼ安定した120FPSでのプレイが可能でした。一般的な端末では90FPSを出すのも一苦労ですが、Lenovo Yoga TabではPCや家庭用ゲーム機に匹敵するヌルヌルの映像でプレイできます。建築バトルでの視点移動や遠距離の敵を狙う精密なエイムも非常にスムーズで、ハードウェア性能が明確なアドバンテージになることを実感しました。

Call of Duty: Warzone Mobile

最後に、最大120人が参加する超大規模バトルロイヤル「Call of Duty: Warzone Mobile」です。モバイルFPSの中でも屈指の処理性能を求められるタイトルですが、グラフィック設定を「最高」にしても、60FPSでの安定動作を実現しました。建物が密集するエリアでの激しい銃撃戦や、多数のプレイヤーが入り乱れる最終局面でもフレームレートの低下は見られず、非常に滑らかな描画を維持します。11.1インチの画面サイズは視認性が良く、かつ手持ちで操作しても指が届きやすいため、FPSプレイヤーにとっても快適な環境です。

まとめ:ゲーム性能

Lenovo Yoga Tabのゲーム性能 FPS まとめのグラフ

検証の結果、Snapdragon 8 Gen 3Adreno 750 GPUを搭載したLenovo Yoga Tabは、現行のあらゆる重量級ゲームを最高設定で快適にプレイできる、真のフラッグシップ性能を持っていることが証明されました。特にフォートナイトでの120FPS動作や原神での安定性は圧巻で、長時間のプレイでもパフォーマンスが落ちない安定性は、ゲーマーにとって最高の選択肢の一つと言えるでしょう。

検証してわかったLenovo Yoga Tabのメリット・デメリット

Lenovo Yoga Tabにキーボードを装着している。

ここでは、実際に「Lenovo Yoga Tab」を使い込んでみて感じた、スペック表の数値だけでは分からないリアルな良かった点と悪かった点を解説します。特に、上位モデルである「Lenovo Yoga Tab Plus」と比較して、どこが優れていて、どこが妥協点なのかを明確にしていきます。

メリット(長所)

メリット1:驚異的な軽さと取り回しの良さ

最大のメリットは、何と言ってもその軽さです。重量は約458gと、Plus版(約640g)と比較して約180gも軽量化されています。数値上の差以上に、手に持った時の負担の違いは歴然でした。

Plus版は片手で持ち続けるのが困難で、基本的にはデスクやスタンドに置いて使うスタイルになりがちでしたが、本機ならソファで寝転がってWebブラウジングをしたり、電車の中で電子書籍を読んだりといった「手持ちスタイル」が快適に行えます。6.2mmという薄さも相まって、タブレットを気軽に持ち出そうという気にさせてくれる携帯性の高さは、日常使いにおいて最強の武器だと感じました。

メリット2:上位モデル譲りの最高峰パフォーマンス

「下位モデル」という位置付けながら、処理性能に関しては一切の妥協がありません。Plus版と同じハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載しており、その動作は極めて高速です。メモリは12GBとPlus版(16GB)より少ないものの、ブラウザのタブを大量に開いたり、Officeアプリで作業したりしても動作が重くなることはありませんでした。『原神』のような重量級ゲームも最高画質でヌルヌル動き、発熱も気にならないレベルに抑えられています。約2万6千円も安い価格で、上位モデルと同等のサクサク感を味わえるのは大きなメリットです。

メリット3:緻密で美しい3.2Kディスプレイ

ディスプレイの品質も期待以上でした。画面サイズは11.1インチとPlus版(12.7インチ)より小さいですが、解像度は3200×2000ドット(3.2K)と本機の方が高く、画素密度においては勝っています。文字の輪郭や写真のディテールが非常にシャープで、電子書籍や高解像度画像を見る際の満足度は非常に高いです。最大144HzのリフレッシュレートとDolby Vision対応により、スクロールの滑らかさや映像の美しさも一級品です。有機ELではありませんが、黒の締まりも良く、没入感のある映像体験が可能です。

メリット4:ペン付属で実現する高コスパ

高性能なスタイラスペン「Lenovo Tab Pen Pro」が標準で付属している点も、コストパフォーマンスを大きく高めています。競合製品では別売りになることが多いペンが最初から手に入るため、購入してすぐにクリエイティブな作業を始められます。書き心地も滑らかで、独自の「手書きフィードバック」機能により紙のような感覚で書けるのも魅力です。約6万円台という価格で、ハイエンド性能とペン入力環境が揃うパッケージは非常に魅力的です。

デメリット(短所、欠点)

デメリット1:指紋認証の欠如が生むストレス

毎日使う上で最も気になったデメリットは、指紋認証センサーが搭載されていないことです。Plus版には電源ボタン一体型の指紋センサーがありましたが、本機は顔認証のみとなります。顔認証自体は高速ですが、マスクを着用している時や、寝室などの暗い場所では認識されず、毎回PINコードを入力する必要がありました。セキュリティと利便性のバランスを考えると、ここはコストカットしてほしくなかったポイントです。

デメリット2:拡張性の低さ(SDカード非対応)

データの保存に関して、microSDカードスロットが非搭載である点は痛手です。内蔵ストレージは256GBありますが、大量の映画データやゲーム、高画質の写真などを保存していくと、容量不足になる可能性があります。Plus版もモデルによっては非対応の場合がありますが、エンタメ消費デバイスとして活用したいユーザーにとっては、物理的な容量拡張ができないことは購入の妨げになるかもしれません。クラウドストレージの活用が必須となります。

デメリット3:GPS非搭載による用途の制限

本機にはGPSモジュールが搭載されていません。そのため、大画面を活かしてカーナビ代わりに使ったり、位置情報ゲーム(ポケモンGOなど)をプレイしたりすることはできません。Wi-Fiモデルのみの展開であり、屋外で通信するにはテザリングやポケットWi-Fiが必要になる点も含め、外での使用には一定の制約があることを理解しておく必要があります。

まとめ:メリットとデメリット

Lenovo Yoga Tabは、Plus版の「重さ」と「価格」というハードルを見事に取り除いた、非常にバランスの良いハイエンドタブレットです。指紋認証やSDカードスロットがないという欠点はありますが、Snapdragon 8 Gen 3の圧倒的な性能と、どこへでも持ち出せる軽快さ、そして美しいディスプレイと付属ペンの価値はそれらを補って余りあります。特に、ゲームや読書を手持ちで楽しみたいユーザーや、高性能なタブレットをなるべく安く手に入れたいユーザーにとって、本機はPlus版以上に魅力的な選択肢となるでしょう。

Lenovo Yoga Tabのスペック(仕様)

  • ディスプレイ: 11.1型 3.2K (3200 x 2000) LTPS液晶, 800 nit, Dolby Vision
  • リフレッシュレート: 最大144Hz
  • プロセッサ: Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 (8コア 最大3.4GHz)
  • GPU: Adreno 750
  • RAM(メモリ): 12GB LPDDR5X (オンボード)
  • ストレージ: 256GB UFS 4.0 (microSD非対応)
  • バッテリー: 8860mAh (シリコンカーボンバッテリー)
  • 駆動時間: 動画再生 最大約12時間
  • 充電: 45Wアダプター付属 / 最大68W急速充電対応
  • 背面カメラ: 1300万画素(AF) + 200万画素(マクロ)
  • 前面カメラ: 1300万画素(FF)
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 7 (802.11be), Bluetooth 5.4
  • NFC: 情報なし
  • インターフェース: USB 3.2 Gen 2 Type-C (DP-Out対応), スマートコネクタ
  • センサー: 加速度センサー, RGBセンサー, ジャイロセンサー
  • 映像出力: 対応 (DisplayPort出力)
  • スピーカー: 4スピーカー (2ツイーター + 2ウーファー)
  • オーディオ: Dolby Atmos対応, Lenovo Premium オーディオシステム
  • マイク: 2マイク
  • 防水防塵: IP53
  • 耐久性: Corning Gorilla Glass 7i (ディスプレイ), メタルユニボディ
  • スタイラスペン: Lenovo Tab Pen Pro (同梱/4096段階筆圧検知)
  • キーボード: 別売 (Lenovo Yoga Tab Keyboard Pack)
  • 機能: Lenovo AI Now, Smart Connect, 手書きフィードバック
  • 生体認証: 顔認証 (指紋認証非搭載)
  • 筐体: フルメタルユニボディ
  • OS: Android 15 (OSアップグレード3回/セキュリティ4年予定)
  • サイズ: 約 255.5 x 165.8 x 6.2 mm (カメラ部除く)
  • 重量: 約 458g
  • カラー: シーシェル
  • 付属品: Lenovo Tab Pen Pro, 45W ACアダプター, USBケーブル

Lenovo Yoga Tabの評価

Lenovo Yoga Tabの背面

8つの評価基準で「Lenovo Yoga Tab」を5段階で評価してみました。

項目別評価

画面の見やすさ:★★★★★

11.1インチながら上位モデルを超える3.2K(3200×2000)の高解像度を実現しており、画素密度が非常に高いです。800nitの輝度とDolby Vision対応により、屋外でも鮮明で美しい映像体験が可能です。

スペック:★★★★★

ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載し、Antutuスコア約217万点を記録する圧倒的な処理性能を誇ります。メモリは12GBですが、最新のLPDDR5X規格により動作は極めて快適です。

デザイン:★★★★★

約458gという驚異的な軽さと6.2mmの薄さを実現したメタルユニボディは、高級感と実用性を兼ね備えています。指紋が目立ちにくいマット仕上げのシーシェルカラーも上品です。

耐久性:★★★★☆

ディスプレイには傷に強い「Corning Gorilla Glass 7i」を採用し、IP53の防塵防滴性能も備えています。日常使用における安心感は高いですが、完全防水ではありません。

通信:★★★★☆

最新のWi-Fi 7に対応しており、対応ルーター環境下では超高速通信が可能です。ただし、GPSやモバイル通信(SIM)には非対応のため、屋外での単独通信はできません。

機能:★★★★☆

端末内で完結するAI機能「Lenovo AI Now」や、PCと連携する「Smart Connect」など独自機能が充実しています。一方で、上位モデルにある指紋認証が省略されている点は惜しまれます。

使いやすさ:★★★★☆

軽量なボディは手持ちでのゲームや読書に最適で、付属の「Lenovo Tab Pen Pro」による手書き入力も直感的です。顔認証のみのため、マスク着用時や暗所でのロック解除に手間取る場面があります。

価格:★★★★★

約63,800円という価格設定は、搭載チップや付属品を考えると市場破壊的な安さです。上位モデルより約2万6千円も安く、コストパフォーマンスは最高レベルです。

総評:★★★★★

単なる「下位モデル」ではない、凝縮された性能

Lenovo Yoga Tabは、製品名こそ「Plus」の付かない標準モデルですが、単なるスペックダウン版ではありません。むしろ、Plus版の最大の課題であった「重さ(約640g)」と「大きさ」を解消し、約458gという圧倒的な携帯性を手に入れた「実用性の最適解」と言えます。ディスプレイに関しても、画面サイズこそ小さいものの、解像度はPlus版(3K)を上回る3.2Kを採用しており、より緻密で繊細な描写が可能です。輝度は800nitでPlus版(900nit)にわずかに及びませんが、屋外でも十分に視認できる明るさを確保しています。

クリエイティブを加速するAIとペン

本機の真価は、ハイエンドチップ「Snapdragon 8 Gen 3」のパワフルな処理能力に、先進のAI機能と高品質な付属ペンを組み合わせた点にあります。AIによる画像アップスケーリングやドキュメント処理は作業効率を劇的に向上させ、付属の「Lenovo Tab Pen Pro」は紙のような書き心地で直感的な創作活動をサポートしてくれます。外出先でもストレスなく画像編集やイラスト制作に没頭できる環境が、この一台で完結します。

圧倒的なコストパフォーマンス

確かに、メモリ容量はPlus版の16GBに対して12GBとなり、スピーカー数も8基から4基へと減っています。しかし、それらの差を補って余りあるのが、約63,800円という価格設定です。Plus版よりも大幅に安く、それでいて性能の要となる処理性能は同等。指紋認証がない点さえ許容できれば、手軽に持ち運んでクリエイティブな作業を行いたいユーザーにとって、これ以上の選択肢はないでしょう。

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Lenovo Yoga Tabの価格・購入先

Lenovo Yoga Tabの前面 外観。ケース装着。

※価格は2025/11/20に調査したものです。価格は変動します。

レノボ公式サイト

63,800円(税込・送料無料)で販売されています。

レノボ公式サイトで「Lenovo Yoga Tab」をチェックする

ECサイト(Amazon、楽天、ヤフーなど)

  • Amazonで63,800円、
  • 楽天市場で66,980円(送料無料)、
  • ヤフーショッピングで66,980円、

で販売されています。

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ヤフーショッピングで「Lenovo Yoga Tab」をチェックする

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おすすめのライバル機種と価格を比較

Lenovo Yoga Tabに似た性能をもつタブレットも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。

Lenovo Yoga Tab Plus

Lenovoから発売された12.7インチのタブレットです(2025年1月 発売)。

Android 14(2回のメジャー OS アップグレード)、Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3、16GB LPDDR5X メモリ、3K液晶(2944 x 1840)、256 GB UFS 4.0ストレージ、10200 mAhバッテリー、背面13MP + 2MP の2眼カメラ、前面13MP フロントカメラを搭載しています。

また、Lenovo AI Now、共有機能(クロスコントロール、共有ハブ、デバイス連携)、Harman Kardonの6つのスピーカー、ドルビー・アトモス、デュアルマイク、DP映像出力、Miracast、144Hzのリフレッシュレート、45W急速充電、Lenovo Tab Pen Pro(付属)、専用のキーボードパック(別売)、USB 3.2 Type-C ポート、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4に対応しています。

価格は、Amazonで77,980円(税込)、楽天市場で85,920円(送料無料)、ヤフーショッピングで80,000円(ほぼ未使用品)、です。

関連記事:Lenovo Yoga Tab Plusレビュー!AI Now搭載タブレットの驚愕の性能とは?

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Lenovo Idea Tab Pro

Lenovoから発売された12.7インチのタブレットです(2025年1月 日本発売)。

Android 14(2回のOSメジャーアップグレード)、MediaTek Dimensity 8300、8GB LPDDR5X メモリ、2944 x 1840 ドットのディスプレイ、256 GB UFS 4.0ストレージ、10200 mAhバッテリー、microSDメディアカードリーダー、背面13MPのメインカメラ、前面8MPのフロントカメラを搭載しています。

また、DP映像出力、4つのJBLスピーカー、Dolby Atmos、Lenovo Tab Pen Plus(付属)、Google GeminiのAI機能(かこって検索、翻訳)、「Easy Jot」、読み上げモード、Lenovo TurboSystem、Lenovo Smart Connect、キーボードパック(別売)、フォリオケース(別売)、USB 3.2 Type-Cポート(DP映像出力に対応)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3に対応しています。

価格は、Amazonで46,000円(税込)、楽天市場で57,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで57,800円(送料無料)です。

関連記事:Lenovo Idea Tab Pro レビュー!AI機能付き12.7タブレット

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OPPO Pad 3 Matte Display Edition

OPPOから発売された約11.6インチのタブレットです(2025年6月26日 発売)。

MediaTek Dimensity 8350、8GB LPDDR5X メモリ、約11.6インチ LCD (LTPS)、256GB UFS 4.0 ストレージ、9520 mAhバッテリー、背面約800万画素カメラ、前面約800万画素カメラを搭載しています。

また、「AI機能 (ドキュメント要約・翻訳、写真編集など)」、O+ Connect、マルチウィンドウビュー、67W SUPERVOOC™フラッシュチャージ対応に対応。

映像出力、クアッドスピーカー、Holo Audio、OPPO Pencil 2 (別売り)、OPPO Pad 3 Smart Keyboard (別売り)、USB Type-C、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.4に対応しています。

価格は、Amazonで79,800円、楽天市場で76,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで64,980円(送料無料・中古)、です。

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nubia Pad Pro

nubiaから発売された10.9インチのタブレットです(2025年9月 発売)。

MyOS 15.0 (Android 15)、Qualcomm Snapdragon® 8 Gen 3、8GB/12GB/16GB LPDDR5X メモリ、10.9インチ TFT液晶 (2880×1800, 144Hz)、256GB/512GB UFS 4.0 ストレージ、10,100 mAhバッテリー、背面13MPカメラ、前面20MPカメラ、3マイクアレイ (AI音声最適化、ノイズ低減機能)を搭載しています。

また、DisplayPort映像出力、ゲーム機能(Nebulaパフォーマンス制御エンジン、フローティングウィンドウ、パフォーマンス設定、仮想ジョイスティック)、6層冷却システム、AI音声最適化、充電分離(バイパス充電)機能に対応。

66W高速充電、クアッドスピーカー、DTS:X® Ultra サウンド、無線映像出力「SmartCast」(Windows PCのみ対応)、指紋認証、顔認証、USB Type-C (USB 3.2、OTG)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.4にも対応しています。

価格は、Amazonで69,800円(税込)、楽天市場で69,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで69,800円、です。

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Galaxy Tab S10 Lite

Samsungから発売された10.9インチのタブレットです(2025年9月19日 発売)。

Android 15(One UI)、Exynos 1380、6GB メモリ、TFT液晶、128GBストレージ、8,000mAhバッテリー、背面8MPカメラ、前面5MPカメラ、microSDカードスロットを搭載しています。

また、Sペン対応(付属品)、AI機能(Galaxy AIキー、AI消しゴム、かこって検索、数式ソルバー、Bixby、Google Gemini)、最大2TBまでのストレージ拡張、25W 急速充電、デュアルスピーカー(Dolby Atmos対応)に対応。

キーボード(別売・Book Cover Keyboard、Book Cover Keyboard Slim)、リフレッシュレート 最大90Hz、「RAM Plus」機能、DeXモード、フルHDの動画撮影(1920 x 1080 px、@30fps)、USB Type-C (USB 2.0)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3、GPSにも対応しています。

価格は、Amazonで50,427円(税込)、楽天市場で56,430円(送料無料)、ヤフーショッピングで49,980円です。

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他のレノボ タブレットと比較

他にもレノボのタブレットが販売されています。2025、2024モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。

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