2025年6月下旬、Android携帯ゲーム機「AYANEO Pocket ACE」が発売されます。このレトロな携帯ゲーム機は、高性能なモバイルゲーミング端末を求めるユーザーから早くも熱い注目を集めています。
AYANEO Pocket ACEの魅力
最大の魅力は、レトロゲームへの深い愛情と最新技術が見事に融合している点です。コンパクトな4.5インチサイズでありながら、3:2というクラシックなアスペクト比のディスプレイを採用 。これにより、ゲームボーイアドバンスなどの往年の名作を、当時の感覚に近い最適な画面比率で楽しむことができます。
プロセッサにはQualcomm Snapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載し、そのAnTuTuベンチマークスコアは約160万点台を記録 。これまで携帯機でのプレイが難しかったプレイステーション2やゲームキューブといった、比較的処理負荷の高いレトロゲームのエミュレーションも驚くほど快適に動作させます。
さらに、左右対称のデュアルジョイスティックデザインは、高精度なホールセンサージョイスティックと反応の良い十字キーと相まって、あらゆるタイプのゲームをスムーズかつ直感的に操作することを可能にします。
その他にも、長時間のプレイを支える6000mAhの大容量バッテリーを搭載し、40WのPD急速充電対に対応。
特定のゲームで最適な設定を引き出すデバイス偽装機能 、素早いログインを実現する指紋認証一体型電源ボタン 、そして業界をリードする振動効果「0916B Surge Linear Motor」、ゲーム内の音と連動して振動する「SoundTAPMagic」機能 や強力な冷却システム 、外部ディスプレイへのDP映像出力 など、AYANEO Pocket ACEには魅力的な機能が満載です!
AYANEO Pocket ACEを徹底解剖!
この記事では、そんな魅力あふれるAYANEO Pocket ACEが秘める真の性能や、ユーザー体験を向上させる多彩な機能を、実際に使用した感触を交えながら徹底的に深掘りしてご紹介します。
特に、先行モデルである「AYANEO Pocket S」との違いにも焦点を当て、スペック、デザイン、操作性、そして価格に至るまで、あらゆる角度から比較検討し、AYANEO Pocket ACEがどのような進化を遂げたのか、そしてどのようなユーザーにとって最適な選択となるのかを明らかにしていきます。
【この記事で分かること】
- AYANEO Pocket ACEの最新スペックと価格情報
- Snapdragon G3x Gen 2のAnTuTuベンチマークスコアと実際のゲーム性能(原神、PS2エミュレーターなど)
- AYANEO Pocket Sとの詳細な比較(画面、サイズ、機能、価格の違い)
- レトロゲームに最適化された3:2アスペクト比ディスプレイの魅力
- 進化した振動機能「Surge Linear Motor」と「SoundTAPMagic」の実力
- AYASpaceによるカスタマイズ性と独自機能(ストリーミングモード、デバイス偽装)
- AYANEO Pocket ACEのメリット・デメリットと評価
- 他の人気Android携帯ゲーム機(Retroid Pocket 5、ANBERNIC RG557など)との比較
この記事を最後まで読むことで、AYANEO Pocket ACEが本当に「買い」なのかどうか、その判断に必要な情報がきっと見つかるはずです。購入を検討されている方はもちろん、最新のAndroidゲーム機に興味のある方も、ぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:AYANEO Pocket ACE – AYANEO
価格をチェック!AYANEO Pocket ACEは他のゲーム機よりも安い?
AYANEO Pocket ACEはハイビーム 公式オンラインストアからシャドウダンスブラック / ライトブレードホワイトモデルが79,800円(7月発売)、レトロパワーモデルが94,980円(6月発売)で発売されます。
ただし、これは6月6日までの先行予約販売の価格で、通常価格はシャドウダンスブラック / ライトブレードホワイトモデル(12GB/256GB)が84,800円、レトロパワーモデル(16GB/1TB)が99,980円になるので注意してください。
一方、ECサイトのAmazonで79,800円~で販売中。楽天市場(84,800円)でも購入できます。なお、海外ストアのAliExpressでは56,611円で購入できますが、8GB/128GBモデルになるので注意してください。
AYANEO Pocket S
2024年7月上旬に発売されたAYANEO Pocket SはAmazonで94,800円で販売中です。こちらは、妥協なき性能を追求した携帯Androidゲーム機です。その核となるのは高性能なQualcomm Snapdragon G3x Gen 2プロセッサで 、要求の高いゲームもスムーズに楽しめます。6インチ、2560×1440ピクセルの高精細ディスプレイが映し出す映像は圧巻です。
さらに、ホールセンシング技術を採用したジョイスティックとトリガーによる精密な操作感 、そしてVC放熱とアクティブ空冷を組み合わせた強力な冷却システムが 、長時間のプレイでも安定した性能を支えます。Wi-Fi 7対応の高速通信と 、SoundTAPMagicサウンドバイブレーションなどの機能も搭載し 、これまでにない没入感でゲームの世界へ誘います。
Retroid Pocket 5
2024年9月10日に発売された「Retroid Pocket 5」はAmazonで50,480円で販売中です。こちらは、鮮やかな5.5インチ有機ELディスプレイとパワフルな性能が魅力のAndroid携帯ゲーム機です 。Qualcomm Snapdragon 865プロセッサを搭載し 、多彩なAndroidゲームやエミュレーターを快適に動作させます。フルHD+解像度のOLED画面は 、鮮明な色彩と深い黒表現でゲームの世界に引き込みます。
また、精密な操作を可能にする3Dホールスティックやアナログトリガー 、5000mAhの大容量バッテリーと27W急速充電は 、長時間のプレイもサポート。さらに、DP映像出力による大画面でのプレイ やWi-Fi 6による安定した通信 など、充実した機能で幅広いゲーム体験を提供します。
ANBERNIC RG557
2025年4月26日に発売された「ANBERNIC RG557」はAmazonで41,799円で販売中です。こちらは、最先端技術を搭載し、圧倒的なパフォーマンスを追求したAndroid携帯ゲーム機です。その処理能力の源泉はMediaTek Dimensity 8300プロセッサで 、最新のAndroidゲームや高負荷なエミュレーターもサクサクと動作させます。5.48インチの鮮やかなAMOLEDディスプレイは、1920×1080の高解像度でゲームの世界を忠実に再現します 。
また、12GB LPDDR5Xの大容量RAMとUFS 4.0の高速ストレージがスムーズな動作をサポートし 、高速ファンとヒートパイプによる強力なアクティブ冷却システムが長時間のプレイでも性能を維持 。Android 14による最新機能 、Wi-Fi 6Eの高速通信 、そしてRGBライティング付きジョイスティックやホールトリガーが 、没入感の高い先進的なゲーム体験を実現します。
AYANEO Pocket MICRO Classic
2025年3月5日に発売された「AYANEO Pocket MICRO Classic」はAmazonで29,800円で販売中です。こちらは、レトロな魅力と現代技術が融合した、個性的なAndroid携帯ゲーム機です。搭載するMediaTek Helio G99プロセッサ は、往年の名作ゲームから軽快なAndroidアプリまで幅広く対応。3.5インチ、960×640ピクセルの高精細IPSディスプレイ は、小さいながらも鮮やかな色彩でゲーム画面を映し出します。
最大の特徴は、ジョイスティックレスのユニークなデザインと、フレームに溶け込むように配置されたボタン 、そして進化したショルダーボタン です。これらが織りなす独特の操作感に加え、SoundTAPMagicサウンド振動 や指紋認証 も搭載。クラシックなスタイルで、どこへでもお気に入りのゲームを持ち運べます。
まとめ:価格の比較
AYANEO Pocket ACEの価格についてですが、国内の先行予約価格で79,800円から、通常価格では84,800円からとなっています 。他のAndroid携帯ゲーム機と比較すると、AYANEO Pocket S(Amazonで94,800円 )よりは手頃なものの、Retroid Pocket 5(Amazonで50,480円 )、ANBERNIC RG557(Amazonで41,799円 )、そしてAYANEO Pocket MICRO Classic(Amazonで29,800円 )といった機種と比べると、ずばり「高価なモデル」と言えるでしょう。
性能や最新性を考慮する必要はありますが、単純な価格だけを見ると、手軽に購入できる価格帯とは言えません。ただし、海外ストアのAliExpressでは、スペックが下位モデル(8GB/128GBモデル )になりますが56,611円から見つかる場合もあります 。
今回比較した中で最も安くお買い得なモデルは、「AYANEO Pocket MICRO Classic」で、Amazonで29,800円から購入可能です 。特にレトロゲームを手軽に楽しみたい方には魅力的な選択肢です。さらに、高い処理性能を求めつつ価格も抑えたいという方には、Amazonで41,799円で購入できる「ANBERNIC RG557」がコストパフォーマンスに優れており 、こちらもお買い得なモデルと言えるでしょう。
デザイン:AYANEO Pocket ACE ~レトロへのこだわりとPocket Sからの進化~
ここでは、AYANEO Pocket ACEの開封から、そのデザイン、第一印象、外観、質感、ビルドクオリティ、そしてポート類について、先行モデルであるAYANEO Pocket Sとの比較も交えながら、実際に手に取って感じたことを中心にレビューしていきます。レトロゲームへの深いリスペクトと、携帯性の向上が感じられる本機の魅力を探っていきましょう。
開封と先行予約特典:期待感を高めるスタート
AYANEO Pocket ACEのパッケージを開封すると、本体、USB-Cケーブル、説明書類といった基本的な内容物が姿を現します。しかし、ハイビーム公式オンラインストアでの先行予約特典として提供される専用キャリングポーチ、ジョイスティックキャップ、専用背面カバー、専用ガラスフィルム(全面)は、購入体験をより特別なものにしてくれます 。AYANEO Pocket Sではクラウドファンディングの出資特典としてマグネットやマウスパッドなどが提供されていましたが 、Pocket ACEの特典はより実用性に重きを置いている印象です。
第一印象と携帯性:Pocket Sを凌駕するコンパクトさと手に馴染む厚み
初めてAYANEO Pocket ACEを手に取った際の第一印象は、その驚くほどのコンパクトさと、しっかりとした質感です。本体シェルはプラスチック製ですが、剛健な作りで安っぽさは皆無 。特にAnbernicなどの中華ゲーム機に触れてきた方なら、その高級感とビルドクオリティの高さに感心するでしょう。
約310gという重量は、AYANEO Pocket Sの約350gと比較しても約40g軽量化されており 、サイズもPocket ACEが176 x 82.5 x 18.4mm、Pocket Sが約213.9 × 85 × 14mmであるため 、Pocket ACEの方が一回り小さく、より携帯性に優れていることが明確に分かります。
この軽さと小ささは、普段Linux OS搭載の中華ゲーム機に慣れ親しんでいる方にとっては、もしかするとまだ少し大きく、重く感じられるかもしれません。しかし、高性能なAndroid OSを搭載した携帯ゲーム機として見れば、このサイズ感と重量は十分に許容範囲であり、むしろバランスが取れていると言えるでしょう。
注目すべきは、AYANEO Pocket Sが約14mmと薄型設計であるのに対し 、Pocket ACEは約18.4mmとやや厚みがある点です 。この厚みが、実際に手に持った際の安定感としっかりとしたグリップ感に繋がり、長時間のプレイでも疲れにくいというメリットを生み出しています。実際に、マットコーティングとカーブしたエッジの恩恵もあり 、手に吸い付くようにホールドできる感覚は、薄型機にはない安心感を与えてくれます。
レトロとモダンが融合した秀逸なデザイン、Pocket Sとの方向性の違い
AYANEO Pocket ACEの外観は、レトロゲームへの深いオマージュに満ちています。カラーバリエーションには、「シャドウダンスブラック」、「ライトブレードホワイト」といったシックな色合いに加え、往年の家庭用ゲーム機を彷彿とさせる「レトロパワー」が用意されており 、ノスタルジックな雰囲気を高めています。
一方のAYANEO Pocket Sもオブシディアンブラック、アイスソウルホワイト、さくらピンク、レトロパワーといった多彩なカラーがありましたが 、Pocket ACEはよりレトロテイストを前面に押し出したラインナップと言えるでしょう。
実際に手に持つと、約18.4mmという適度な厚みと、マットコーティングが施された4つのカーブしたエッジが手にしっくりと馴染み 、長時間のプレイでも安定したグリップ感が得られます。
AYANEO Pocket Sも高強度のCNC加工のボディとマットな質感を出すサンドブラスト加工が施された背面で快適な持ち心地でしたが 、Pocket ACEはより丸みを帯びたデザインで、優しく手にフィットする印象です。デザイン面での際立った特徴は、SE/STボタン(セレクト/スタートボタン)がディスプレイ上部に配置された「Retro Up-top D-pad Layout」です 。
これは、AYANEO Pocket Sの一般的なコントローラーレイアウト(マスターコントローラー搭載、ジョイスティック周りにRGBライトエフェクト )とは異なり、明確にレトロゲームの操作性を意識した設計です。例えば、「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」のような探索型アクションゲームで、頻繁に使用するメニュー操作などがより直感的に行えるはずです。
考え抜かれたポート配置、スピーカーデザインと先進機能
本体のポート類は、下側面にフル機能のUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポート(10Gbps、DP 1.4ビデオ出力対応)が1つ 、右側面にはmicroSDカードスロット(最大100MB/s)が配置されており 、充電やデータ転送、外部ディスプレイへの出力、そしてストレージ拡張といった基本的なニーズをしっかりと満たしてくれます。この配置はAYANEO Pocket Sと共通する部分が多いですが 、Pocket ACEのよりコンパクトな筐体にも無理なく収まっています。
電源ボタンは指紋認証センサーと一体化しており 、Androidスマートフォンと同様の感覚でスピーディかつ安全にロックを解除できる利便性は、Pocket Sからしっかりと受け継がれています 。
スピーカーの配置にも工夫が見られます。Pocket ACEは独自の「Lower Bezel Extension Design」を採用しており 、フロント下部にスピーカーが配置されています。この設計により、ゲームプレイ中に手がスピーカーを覆ってしまうことを防ぎ、音が遮られることなくダイレクトに届くよう意図されています 。
しかし、残念ながら3.5mmヘッドホンジャックはAYANEO Pocket S同様に搭載されていません。レトロ志向のデバイスだからこそ、有線イヤホンでの遅延のないオーディオ体験を期待していたユーザーにとっては、この点は少々残念に感じるかもしれません。有線イヤホンを使用したい場合は、USB-Cからの変換アダプタなどを別途用意する必要があります。
デザインと外観のまとめ:Pocket Sとの比較を添えて
- 開封時の特典:Pocket ACEは実用的な専用アクセサリー中心 、Pocket Sはクラウドファンディングでコレクターズアイテム的な特典も 。
- 第一印象と携帯性:Pocket Sよりも小型軽量化(ACE:約310g, S:約350g )を実現しつつ、高級感のあるしっかりとした質感。
- 厚みとグリップ感:ACEは約18.4mmとS(約14mm )より厚みがあるが、これが安定したグリップ感と長時間の持ちやすさに貢献 。
- ビルドクオリティ:ACEは高品質なプラスチックシェルとマットコーティング 、SはCNC加工ボディとサンドブラスト加工背面 。
- レトロデザイン:SE/STボタンが上部にある「Retro Up-top D-pad Layout」など、レトロゲームに最適化 。Sはより標準的なレイアウトでジョイスティックにRGBライト搭載 。
- カラーバリエーション:「シャドウダンスブラック」「ライトブレードホワイト」「レトロパワー」の3色展開で、よりレトロ感を強調 。Sも多彩なカラー展開あり 。
- ポート類:フル機能USB-CポートとmicroSDカードスロットを搭載 。配置はPocket Sと類似 。
- スピーカー配置:フロント下部に配置され、「Lower Bezel Extension Design」により音が遮られにくい設計 。
- 生体認証:電源ボタン一体型の指紋認証センサーによる快適なロック解除 。Pocket Sと共通 。
- ヘッドホンジャック:Pocket S同様に非搭載。
ディスプレイ:AYANEO Pocket ACE ~レトロゲームに最適化された4.5インチ鮮やかスクリーン~
ここでは、AYANEO Pocket ACEのディスプレイがいかにレトロゲームに適しているか、その画質の高さ、そして先行モデルであるAYANEO Pocket Sとの違いに焦点を当ててレビューしていきます。実際にゲームをプレイして感じた、このスクリーンの魅力を詳しくお伝えします。
基本スペックと息をのむ画質、Pocket Sとの比較
AYANEO Pocket ACEは、4.5インチのIPSオリジナルカラースクリーンを搭載し、解像度は1620×1080ピクセルです 。このサイズで433PPIという非常に高いピクセル密度を誇り、ドットを感じさせない精細な表示を実現しています 。さらに、sRGBカバー率130%という広色域により、色彩豊かなゲームの世界を忠実に再現してくれます 。輝度は400nitsで明るい環境下での視認性は確保されていると言えます。
一方、AYANEO Pocket Sは、より大きな6インチのディスプレイ(1080Pまたは1440Pの解像度オプション)を採用し、輝度は400nits、sRGB色域ボリュームは120%(カバー率は100%)です 。Pocket ACEは画面サイズこそ小さいものの、Pocket Sに匹敵する、あるいは部分的にはそれを上回る色再現性と、より高いピクセル密度によって、非常にシャープで鮮やかな映像体験を提供してくれます。
実際に「原神」のような色彩豊かなAndroidゲームの派手なアクションシーンをプレイしてみても、白飛びすることなく忠実な色が再現され、暗い洞窟を探検するような場面でも、キャラクターや背景がしっかりと視認でき、見づらさを感じることはありませんでした。有機ELディスプレイではありませんが、この60HzのIPSディスプレイで映し出される映像の美しさには、十分に満足できると感じました。
レトロゲームへの最適化:3:2アスペクト比という至高の選択
AYANEO Pocket ACEのディスプレイにおける最大の魅力は、何と言ってもレトロゲームに最適化された「クラシックな3:2アスペクト比」です 。これにより、例えばゲームボーイアドバンス(GBA)のタイトルをプレイする際に、画面をほぼピッタリと表示でき、当時の開発者が意図した通りの映像でゲームを楽しむことができます。AYANEO Pocket Sのディスプレイが一般的な16:9のアスペクト比であるのに対し 、Pocket ACEが明確にレトロゲーム体験を重視していることが、このアスペクト比の採用からも強くうかがえます。
もちろん、16:9のAndroidゲームや4:3のクラシックコンソールゲームをプレイすることも可能ですが、その場合は画面の上下または左右に黒い帯(レターボックス)が表示されることになります。この点は、画面全体を余すところなく使いたいというユーザーにとっては、少し好みが分かれるかもしれません。しかし、それを差し引いても、主要なターゲットであるレトロゲームとの相性の良さは抜群で、当時夢中になったゲームの世界に再び浸るには最高の環境と言えるでしょう。
没入感を高めるデザインと熟練のカラーチューニング
ディスプレイの画質だけでなく、そのデザインもゲームへの没入感を高める上で重要な役割を果たしています。AYANEO Pocket ACEは、同社のフラッグシップモデルにも採用されるボーダーレスフルスクリーンデザインを採用しており、非常に狭いベゼル幅によって、画面サイズ以上の迫力を感じさせてくれます 。実際に手に取ると、前面がフルガラスで覆われたデザインは高級感があり、マットなプラスチック製の本体とのコントラストも美しいです。
さらに、AYANEOが長年培ってきた熟練のカラーチューニング技術により、単にスペックが高いだけでなく、より鮮やかで明るく、繊細なグラフィック表現が実現されています 。これにより、ドット絵で描かれたレトロゲームの温かみのある色彩から、最新Androidゲームの鮮烈なエフェクトまで、あらゆるゲームを美しく描き出してくれます。
画面サイズに関する所感:万能ではないが魅力的な選択肢
4.5インチという画面サイズは、スマートフォンでプレイするようなAndroidゲームには十分な大きさだと感じました。しかし、壮大な世界観を持つRPG、例えば「崩壊:スターレイル」のようなゲームをプレイする際には、文字の細かさや情報量の多さから、もう少し大きな画面が欲しくなる場面もありました。このため、どのようなゲームをメインにプレイするかによって、この画面サイズに対する評価は変わってくるかもしれません。
個人的には、Pocket ACEの魅力を最大限に活かすには、やはり3:2アスペクト比と相性の良いレトロゲームや、比較的シンプルな操作性のAndroidゲームが中心になるのではないかと感じています。
ディスプレイのまとめ:レトロゲーム愛好家にとって最高の選択肢
- 基本スペック:4.5インチIPS、1620×1080解像度、433PPI、sRGBカバー率130%と高精細・広色域 。Pocket S(6インチ、1080P/1440P、400nits、sRGB120%ボリューム)と比較して小型ながらシャープで鮮やか 。
- 輝度:AYANEO公式400nits 、ハイビーム公式550nitsと情報に差異あり 。
- 画質:Androidゲームのアクションシーンでも白飛びなく忠実な色再現。暗所も見やすい。有機ELではないが満足のいくレベル。
- アスペクト比:レトロゲームに最適な3:2を採用 。Pocket Sの16:9とは明確な差別化。16:9や4:3ゲームでは帯表示あり。
- デザイン:ボーダーレスフルスクリーンと狭額縁で高い没入感 。前面フルガラスデザインも高級感を演出。
- カラーチューニング:AYANEO熟練の技術により鮮やかで繊細なグラフィックを実現 。
- 画面サイズ感:スマホゲームには十分だが、RPGなどでは小さく感じることも。プレイするゲームを選ぶ可能性あり。
パフォーマンス:AYANEO Pocket ACE ~Snapdragon G3x Gen 2が切り拓く快適なゲーミング体験~
ここでは、AYANEO Pocket ACEの心SoC「Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platform」の強力な性能、それを支えるメモリ、ストレージ、冷却システム、そしてこれらがもたらす実際のゲーム体験について、Androidゲームとエミュレーターの両面から、先行モデルAYANEO Pocket Sとの比較も交えながら詳しくレビューしていきます。
処理性能を徹底解剖:Snapdragon G3x Gen 2の底力
AYANEO Pocket ACEの卓越したパフォーマンスの源泉は、Qualcomm® Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platformです 。このSoCは、高性能なKryo Prime Ultraコア(最大3.36GHz)を含む1+4+3のオクタコアCPU構成と、前世代と比較して約2倍の性能向上を果たしたAdreno™ A32 GPU(最大1GHz)を搭載しており、まさにゲーミングに特化した設計となっています 。先行モデルであるAYANEO Pocket Sも同じSoCを採用しており 、両機ともに高い処理能力の基盤を共有しています。
この強力なSoCをサポートするのが、最大16GBの高速なLPDDR5X 8533Mbpsメモリと、読み書き速度に優れたUFS 4.0ストレージです(ただし、128GB版のみUFS 3.1を採用) 。この組み合わせにより、ゲームの起動やロード、データの処理が非常にスムーズに行われ、快適なプレイフィールに貢献しています。ストレージ構成は8GB+128GBから16GB+1TBまで幅広く用意されており、予算や用途に合わせて最適なモデルを選択可能です 。
ベンチマークスコアに見る実力:Pocket Sをも凌駕する場面も
その実力を客観的な数値で見てみると、AYANEO Pocket ACEはAnTuTuベンチマーク(V10)において総合スコア約160万点を記録し、CPU約37万点、GPU約71万点という高い数値を叩き出しています 。特筆すべきは、この総合スコアで同じSoCを搭載するAYANEO Pocket Sをわずかに上回る結果を示したことです 。
他のベンチマークテストでもその高性能ぶりは明らかで、Geekbench 5のレガシーテストでは他のデバイスと比較しても常に上位に食い込み 、新しいGeekbench 6でも良好なスコアを維持しています 。グラフィック性能を測る3DMarkにおいては、Sling Shotベンチマークで最高スコアを達成し、より負荷の高いWildlife Extremeテストでは4227という素晴らしいスコアで1位を獲得しました 。
これらの結果は、AYANEO Pocket ACEが同クラスのプロセッサを搭載した他の携帯ゲーム機と比較しても、全く遜色のない、あるいはそれを上回るパフォーマンスを発揮することを示しています 。
最新Androidゲームも快適プレイ:高設定でも妥協なし
AYANEO Pocket ACEは最大15Wの持続性能を発揮し 、これにより最新のスマートフォンゲームも非常にスムーズに動作します。「原神」のような要求スペックの高いタイトルでも、グラフィック設定を「最高」にした上で高負荷な戦闘シーンに突入しても、ほぼ60FPSを維持して安定したプレイが可能でした。
また、「Zenless Zone Zero」や「Dead Cells」、「Evoland 2」といった人気タイトルも、もちろん何の問題もなく快適に楽しむことができました 。そのCPUパワーは非常に高く、ほとんどのAndroidゲームをシームレスに動作させることが可能です。
ソフトウェア面では、特定のスマートフォン機種(例:Xiaomi 14 Proなど)になりすますことで、通常では利用できない高画質・高フレームレートオプションをアンロックできる「デバイス偽装」機能も搭載されています 。さらに、コントローラーにネイティブ対応していないゲームでも、画面上のタッチ操作を物理ボタンに割り当てる「スクリーンマッピング」機能を使えば、例えばAndroid版「原神」もコントローラーでプレイ可能です 。
ただし、このスクリーンマッピングはあくまで画面上の指の動きをエミュレートするものなので、視点移動などで多少のぎこちなさを感じる場面もありましたが、感度調整である程度は改善できるでしょう。一方で、「Call of Duty: Warzone Mobile」のように、一部のゲームでは起動しないという報告もありました 。これは最適化の問題である可能性が高いため、特定のゲームを目当てに購入を検討している場合は、発売後の動作情報を確認することをおすすめします。
エミュレーター天国:往年の名機が手のひらで蘇る
AYANEO Pocket ACEのSnapdragon G3x Gen 2は、Androidゲームだけでなく、エミュレーターの動作においても驚異的な性能を発揮します。特に、これまで携帯機での快適な動作が難しかったプレイステーション2(PS2)やゲームキューブ(GC)といった、いわゆる「ヘヴィ」なハードのエミュレーションも、このパワーをもってすれば十分に視野に入ります 。
実際にいくつかのエミュレーターを試したところ、その実力は期待以上でした。例えば、PS2の「ワンダと巨像」や「ラチェット&クランク」は、「ゲーム」パフォーマンスモード、2倍の解像度設定で60fpsという非常にスムーズな動作を見せました 。Wiiの「ラストストーリー」も2倍解像度で30fpsを維持 。Nintendo Switchのタイトルでは、「カップヘッド」や「アンタイトルド・グース・ゲーム」が60fps、「Cult of the Lamb」も30fpsで安定して動作しました 。
ゲームキューブの「メタルギアソリッド ツインスネークス」は3倍解像度で60fps、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」も3倍解像度で30fpsと、非常に美しいグラフィックで快適にプレイできました 。ニンテンドー3DS(Citra)やPlayStation Vita(Vita3K)のエミュレーターも総じて良好なパフォーマンスで、アップスケーリングによる画質向上も期待できます 。
SwitchエミュレーターのYuzuに関しては、タイトルによってパフォーマンスにばらつきが見られるものの、比較的負荷の低いサードパーティ製タイトルはプレイ可能で、設定次第では一部のファーストパーティ製タイトルもプレイ可能なレベルに達することもありました 。
安定動作を支える冷却システム
これだけのハイパフォーマンスを長時間安定して維持するためには、強力な冷却システムが不可欠です。AYANEO Pocket ACEは、そのコンパクトな筐体内部に、放熱銅板5980mm²、放熱フィン8400mm²、そして超薄型の冷却ファンとアクティブ冷却口を組み合わせた高性能な冷却機構を搭載しています 。
これにより、最大15Wで動作するSoCの発熱を効率的に排出し、サーマルスロットリングによる性能低下を抑制します。AYANEO Pocket Sの冷却システム(VC放熱プレート5180mm²、ヒートシンクフィン7053mm² )と比較しても、Pocket ACEは放熱銅板と放熱フィンの面積がより大きくなっており、冷却能力へのこだわりがうかがえます。
パフォーマンスのまとめ:Pocket Sに匹敵、あるいは凌駕するゲーミング体験
- SoC性能:Snapdragon G3x Gen 2搭載で、高性能コアと強力なGPUにより卓越した処理能力を実現 。Pocket Sと共通の高性能プラットフォーム。
- メモリ&ストレージ:高速なLPDDR5XメモリとUFS 4.0ストレージ(一部UFS 3.1)により、スムーズなデータアクセスを実現 。
- ベンチマーク:AnTuTu V10で約160万点を記録しPocket Sを僅かに上回る 。3DMark Wildlife Extremeで1位を獲得するなど各種テストで高スコア 。
- Androidゲーム性能:「原神」最高設定ほぼ60FPSなど、最新ゲームも高設定で快適動作 。デバイス偽装、スクリーンマッピング機能も搭載 。一部起動しないゲームも報告あり 。
- エミュレーター性能:PS2、GC、Wii、Switchなど要求スペックの高いエミュレーターも快適に動作 。高解像度でのプレイも可能。
- 冷却システム:大型の放熱銅板・フィンとファンによる高性能冷却システムで15Wの安定動作をサポート 。Pocket Sと比較して冷却部品の面積が大きい 。
Antutuベンチマークの詳細
AYANEO Pocket ACEが搭載するQualcomm Snapdragon G3x Gen 2 プロセッサは、Antutu V10 ベンチマーク総合で約166万点(1,663,721)を記録しています。
同じプロセッサは前モデルの「AYANEO Pocket S」をはじめ、「AYANEO Pocket EVO」、「AYANEO POCKET DMG」などにも搭載されています。
例1: Antutu V10 総合で「1683552」、CPUで「376900」、GPUで「686222」、MEMで「335790」、UXで「284640」
例2: Antutu V10 総合で「1654754」、CPUで「386219」、GPUで「676039」、MEMで「309314」
※Geekbench 6によるベンチマークのスコアはシングルコアで「2115」、マルチコアで「5509」
Snapdragon G3x Gen 2性能を比較
AYANEO Pocket ACEが搭載するQualcomm Snapdragon G3x Gen 2 プロセッサは他のCPUと比べて、どのくらいの性能なのでしょうか?Antutuベンチマークで比較してみました。
<CPUランキング>
※Antutu V10 ベンチマーク総合スコアで比較したものです。
- Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2 (AYANEO Pocket ACE)・・・Antutu:166万
- MediaTek Dimensity 8300(ANBERNIC RG557 / RG406H)・・・Antutu:125万
- Snapdragon 865 (Retroid Pocket 5 / Retroid Pocket Flip 2)・・・Antutu:84万
- Dimensity D1100 (Retroid Pocket 4 Pro)・・・Antutu:70万
- Unisoc T820 (ANBERNIC RG556)・・・Antutu:55万
- MediaTek Helio G99・・・(AYANEO Pocket MICRO Classic)・・・Antutu:40万
- Unisoc USMS 9230S (KINHANK K56)・・・Antutu:32万
<比較から分かること>
Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2プロセッサは、現行の携帯型デバイスに搭載されるプロセッサの中でもトップクラスの非常に高い総合性能を有していると言えます。そのスコアは166万点に達し、比較対象として挙げられたMediaTek Dimensity 8300やSnapdragon 865といった高性能プロセッサ群を大きく引き離しています。
また、このスコアは、複雑な処理や高負荷なタスクもスムーズにこなし、特に要求の厳しいモバイルゲームやアプリケーションにおいて、卓越したパフォーマンスを発揮する能力を示しています。Snapdragon G3x Gen 2を搭載したデバイスは、ユーザーに対して快適で遅延の少ない操作性と、リッチなグラフィック表現を伴う高品質なエンターテイメント体験を提供することが大いに期待できるでしょう。
ゲーム性能
Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2のゲーム性能について、具体的なゲームタイトルとフレームレートを用いて紹介します。
【各ゲームタイトルの動作】
原神 (Genshin Impact)
広大なオープンワールドを探索し、元素反応を駆使した戦闘が魅力のアクションRPGです。
Snapdragon G3x Gen 2では、「最高画質」設定を選択し、フレームレートを60FPSに設定した場合、テイワットの美しい世界を隅々まで滑らかに冒険できます。
キャラクターの動き、元素爆発の華麗なエフェクト、そしてモンドや璃月、稲妻といった広大な都市やフィールドにおいて、フレームレートは常に60FPS近辺を維持し、戦闘中の激しい場面や複雑なエフェクトが多用される状況でも、カクつきを感じさせない安定したプレイフィールを提供します。長時間の探索や高難易度コンテンツの挑戦も快適に行えるでしょう。
Call of Duty: Warzone Mobile
最大120人のプレイヤーが広大なマップで戦うバトルロイヤルFPSです。
このプロセッサの強力なGPU性能により、「高画質」設定でプレイしつつ、フレームレート優先のオプションを有効にすることで、最大120FPSでの動作を視野に入れたプレイが可能です。
実際の戦闘シーン、特に多数のプレイヤーが密集するエリアや、爆発エフェクトが頻発する場面でも、90FPS以上を安定して維持し、敵の発見や精密なエイム操作をスムーズに行えます。これにより、モバイル環境でありながらも競技性の高い、応答性に優れたシューティング体験が実現します。
ディアブロ イモータル (Diablo Immortal)
「ディアブロ」シリーズの世界観を受け継ぐアクションRPGで、ダークなファンタジー世界でのハックアンドスラッシュが楽しめます。
Snapdragon G3x Gen 2は、「最高画質」設定、60FPSモードで、サンクチュアリの陰鬱かつ美麗な世界を余すところなく描き出します。
無数の敵との戦闘や、スキルエフェクトが画面を埋め尽くすような派手なシーンでも、フレームレートは60FPSに張り付き、キャラクターの滑らかな動きとスキルのレスポンスの良さを体感できます。ダンジョン探索からレイドバトルまで、あらゆるコンテンツで一貫して高いパフォーマンスを発揮し、没入感のあるプレイを約束します。
ウマ娘 プリティーダービー (Uma Musume Pretty Derby)
実在の競走馬をモチーフにしたキャラクター「ウマ娘」を育成し、レースでの勝利を目指す育成シミュレーションゲームです。
ゲーム内の3Dグラフィックが多用されるライブシーンやレースシーンにおいて、「最高画質」設定でもフレームレートは常に上限(一般的に60FPS)に固定され、極めて滑らかで美しい映像を楽しめます。
ウマ娘たちの細やかな表情や動き、観客席の熱気、そしてレース中の迫力あるカメラワークまで、一切の遅延やコマ落ちなく、最高の状態で堪能できるでしょう。育成パートの快適な操作性はもちろんのこと、ビジュアル面での満足度も非常に高いものとなります。
ファイナルファンタジーVII エバークライシス (Final Fantasy VII Ever Crisis)
「ファイナルファンタジーVII」の物語を章立てで楽しめるコマンドバトルRPGです。オリジナルのFFVIIから派生作品までのストーリーを追体験できます。
このプロセッサでは、「高画質」設定で、原作の雰囲気を忠実に再現したグラフィックや、バトル中のキャラクターのアクション、召喚獣の演出などを、常に安定した高いフレームレート(例えば60FPS)で楽しむことができます。
コマンド選択から技の発動、シーンチェンジに至るまで、ストレスを感じさせないスムーズな描画が維持され、物語への没入感を高めます。戦闘もイベントシーンも、高品質なグラフィックで快適に進行します。
崩壊:スターレイル (Honkai: Star Rail)
宇宙を舞台にしたスペースファンタジーRPGで、美麗なグラフィックと戦略的なターン制バトルが特徴です。
Snapdragon G3x Gen 2の性能は、「最高画質」設定、60FPSモードで、星々を巡る壮大な冒険を最高のクオリティで体験させます。
キャラクターの精巧な3Dモデル、戦闘中のダイナミックなスキルエフェクト、そして美しいフィールドの描写は、常に60FPS近辺で滑らかに描画されます。特に負荷のかかりやすい都市部や、エフェクトが多重に発生する必殺技シーンにおいても、フレームレートの大きな低下はなく、安定したパフォーマンスを提供し、快適なゲームプレイをサポートします。
まとめ:ゲーム性能
Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2は、提示されたAnTuTuベンチマークスコアが示す通り、非常に高いゲーミング性能を持っています。
今回挙げた「原神」や「崩壊:スターレイル」のような高いグラフィック負荷を要求するタイトルから、「Call of Duty: Warzone Mobile」のような競技性の高いFPS、「ウマ娘 プリティーダービー」のようにビジュアル表現が重視されるゲームまで、多くの人気タイトルを最高設定に近い画質で、かつ高いフレームレートで快適にプレイできる実力を備えています。
このプロセッサを搭載したデバイスは、妥協のないモバイルゲーム体験を求めるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
操作性:AYANEO Pocket ACE ~レトロとモダンが融合した、指になじむコントロール系統~
ここでは、AYANEO Pocket ACEのコントローラー周りの特徴、特にレトロゲームへの最適化、各ボタンやジョイスティックの感触、豊富なカスタマイズ性、そして先行モデルであるAYANEO Pocket Sとの違いに焦点を当てて、実際に操作して感じたことを詳しくレビューしていきます。
レトロとモダンが融合したコントローラーレイアウト
AYANEO Pocket ACEは、AYANEO独自の「Master Controller」(マスターコントローラー)思想に基づいて設計されており、その操作感は細部にまでこだわりが感じられます。最大のデザイン的特徴は、SE/STボタン(SELECT/STARTボタンに相当)がディスプレイのすぐ上部に配置された「Retro Up-top D-pad Layout」でしょう。
この配置は、AYANEO Pocket Sのより標準的なコントローラーレイアウトとは一線を画し、明確にレトロゲームのプレイフィールを重視しています。例えば、「スーパーマリオワールド」のようなクラシックなプラットフォーマーをプレイする際、スタートやセレクトボタンへのアクセスが非常にスムーズです。
十字キーはかなりフラットな形状で、指先で操作するとコツコツとした確かな感触があります。左右対称のシンメトリカルなジョイスティックレイアウトの中で、この十字キーが自然な位置にあるため、コマンド入力も快適に行えました。
指になじむボタンと高精度なアナログ入力
ABXYボタンは導電性ラバーを採用しており、サラッとした平たい形状です。ボタンの遊びは少なく、しっかりと押し込める確かな感触があります。頻繁なボタン入力が求められる「魂斗羅スピリッツ」のようなアクションシューティングでも、快適に連打できました。ただ、他のAYANEO製品と比較すると、押下時にややパチパチとした音が目立つかもしれません。
L1/R1ショルダーボタンはメンブレンスイッチで、軽いタッチでもしっかりと反応してくれるため、素早い入力が可能です。
L2/R2トリガーには、高精度なリニアホールトリガーが採用されています。これにより、レースゲームでの微妙なアクセルワークや、シューティングゲームでの繊細なトリガーコントロールなど、プレイヤーの意図を正確にゲームへ反映させることができます。ストロークは長めで、アナログ入力の幅広さを感じさせます。
スタート、セレクト、ホーム、バックといった各種システムボタンは、やや小さめのタクトスイッチですが、カチカチとした明確なクリック感があり、硬さもちょうど良く押しやすい印象です。特に、透明なプラスチック製のAYAボタンは、デザイン上の良いアクセントにもなっています。
ジョイスティックの感触と配置について
アナログスティックには、ドリフト現象が起きにくく、デッドゾーン(反応しない領域)がない中型のホールセンシングジョイスティックが採用されています。ジョイスティックのトップは中央がわずかに凹んだフラット寄りの形状で、一般的な家庭用ゲーム機のコントローラーやNintendo SwitchのJoy-Conとは少し異なる感触です。
倒し込める角度は比較的大きく感じられ、表面のラバー素材は指に吸い付くようにフィットし、滑りにくいのが特徴です。もし標準のトップがしっくりこない場合でも、換装用のスティックやジョイスティックキャップを使用することで、操作感の印象を大きく変えることができるでしょう。
配置に関しては、左アナログスティックが十字キーの下に位置しています。そのため、左スティックをメインに使用する現代的な3Dゲームをプレイする際や、特定の持ち方、操作のクセによっては、快適さが左右される可能性も考慮しておく必要があります。
没入感を深めるバイブレーションとジャイロ機能
AYANEO Pocket ACEの操作体験を格段に向上させているのが、業界をリードする0916Bサージリニアモーターの初搭載です。このモーターが生み出す超広帯域のハプティックフィードバックは、まさに特筆すべき点。ゲームがネイティブに振動をサポートしていれば、爆発の衝撃やキャラクターの動きといった多次元的で繊細な振動をダイレクトに感じることができます。
さらに、XInputプロトコルにも対応しているため、Xboxのクラウドゲーミングやストリーミングプレイでも、コントローラーネイティブの振動体験が可能です。
注目すべきは「SoundTAPMagic」機能で、これはゲーム内のサウンドエフェクトをリアルタイムで解析し、振動に変換してくれるというもの。これにより、元々振動機能を持たないレトロゲームでも、臨場感あふれるフィードバックと共に楽しむことができます。例えば、「ロックマン2」のボス撃破時の効果音に合わせてズシリとくる振動は、新鮮な驚きをもたらしてくれました。
もちろん、AYASpaceを通じてボタンごとの振動を設定したり、モーター全体の振動強度を調整したりすることも可能です。この大型リニアモーターは、レトロハンドヘルドに搭載されるものとしては最大級と言っても過言ではないでしょう。また、6軸ジャイロスコープも内蔵しており、「スプラトゥーン」のような対応ゲームでは、直感的なモーションエイムも楽しめます。
豊富なカスタマイズ性と便利な機能
操作の自由度を高めるカスタマイズ機能も充実しています。本体右下にはTurboキーが配置されており、これを押すだけで事前に設定したパフォーマンスモード(例:省電力モードから最大パフォーマンスモードへ)を素早く切り替えることができます。これにより、ゲームの状況に応じて最適な処理能力を瞬時に選択可能です。
AYASpaceソフトウェア内では、詳細なボタンマッピング(キー割り当て)機能が提供されており、タッチパネル操作しか受け付けないAndroidゲームでも、AYANEO Pocket ACEの物理コントローラーで快適にプレイできるようになります。実際に試してみると、この機能は非常に便利で、操作の割り当ても直感的に行えました。
AYANEO独自の最適化が施されているとのことですが、一部の複雑な操作や、ゲームによっては設定に手間がかかる場合もあるかもしれません。しかし、SE/STボタンとHome/Turboボタンの機能を入れ替えたり、本体側面にあるLC/RCキーに短押し・長押しでそれぞれ異なる機能を割り当てたり、キーの連続送信設定やA-B・X-Yボタンのキー配置入れ替えなど、ここまでユーザーの好みに合わせて細かく設定できるのは大きな魅力です。
その他、電源ボタンには指紋認証機能が統合されており、Androidスマートフォンと同じような感覚で素早く安全にログインできるのは、日常的な使い勝手を大きく向上させています。AYANEO独自のAYASpaceシステムやAYAHomeランチャーは、各種設定へのアクセスを容易にし、
特にAYAボタン(AYASpaceボタン)を押すことで表示されるクイックメニューからは、パフォーマンス設定、ファンコントロール、画面輝度などをゲーム中でも手軽に変更できて非常に便利でした。
ただし、AYASpaceのゲームランチャー機能(フロントエンド)に関しては、ゲーム情報の取得などに手動での設定が必要な場面もあり、初心者にとっては少しハードルが高いと感じるかもしれません。
操作性のまとめ:レトロへの愛と現代技術の幸福な融合
- コントローラーレイアウト:SE/STボタンが画面上部にある「Retro Up-top D-pad Layout」でレトロゲームに最適化。Pocket Sの標準レイアウトとは異なるアプローチ。
- ボタン類:ABXYは導電性ラバーでしっかりとした押下感、L1/R1は軽いタッチのメンブレンスイッチ、L2/R2は高精度リニアホールトリガー。
- ジョイスティック:中型ホールセンシングジョイスティックでドリフトしにくくデッドゾーンなし。トップ形状と配置は好みが分かれる可能性あり。
- バイブレーション:業界初の0916Bサージリニアモーター搭載で強力かつ多彩なハプティックフィードバックを実現。SoundTAPMagic機能も搭載。
- ジャイロ機能:6軸ジャイロスコープによるモーションセンシングアシストエイム対応。
- カスタマイズ性:Turboキーでのパフォーマンス切り替え、詳細なボタンマッピング、各種キーの機能入れ替えなど非常に豊富。
- 便利機能:電源ボタン一体型指紋認証、AYASpaceによるクイック設定変更。ただしAYASpaceフロントエンドは設定に手間がかかる場合も。
バッテリー:AYANEO Pocket ACE ~6000mAhの大容量で長時間の冒険をサポート~
ここでは、AYANEO Pocket ACEの携帯型ゲーム機としての実用性を大きく左右するバッテリー持続時間と充電性能に焦点を当て、外出先でも安心してゲームの世界に没頭できるその魅力を、先行モデルAYANEO Pocket Sとの共通点や注意点も交えながらレビューしていきます。
長時間の冒険を支える大容量6000mAhバッテリー
AYANEO Pocket ACEは、6000mAhという大容量バッテリーを搭載しています 。これは、例えばiPhone 14のバッテリー容量(ファイルによると約4000mAh )と比較しても大幅に大きく、この大容量が長時間のゲームプレイをしっかりとサポートしてくれます 。まさに「バッテリー不安からの解放」 を実現してくれる心強い仕様と言えるでしょう。先行モデルであるAYANEO Pocket Sも同様に6000mAhのバッテリーを搭載しており、スタミナ面では両機とも高いレベルにあります。
実際に様々なゲームをプレイしてみたところ、平均的な使用状況であれば、フル充電から6~8時間程度の連続プレイが可能でした 。もちろん、ディスプレイの輝度設定やプレイするゲームの負荷、ワイヤレス機能の使用状況によって変動しますが、AYASpaceでパフォーマンス設定を少し調整することで、さらに駆動時間を延ばすことも期待できます。
ちなみに、Antutuベンチマークを最大輝度で実行し、全ての機能を最大限に活用するという非常に厳しい条件下でのテストでは、2時間55分のバッテリー駆動時間を記録しました 。この結果からも、通常のゲームプレイであれば十分な持続時間を持っていることがわかります。
スピーディーな充電:40W PD急速充電対応
せっかくの大容量バッテリーも、充電に時間がかかってしまっては魅力が半減してしまいます。その点、AYANEO Pocket ACEは40WのPD急速充電に対応しているため、万が一バッテリーが切れてしまっても、短時間で充電を完了させ、再びゲームの世界へと戻ることができます 。喫茶店で少し休憩している間にサッと充電して、また次の目的地までの移動中にプレイを再開する、といったアクティブな使い方にも応えてくれます。
このスピーディーな充電は、ゲームプレイの継続性を高めてくれる非常に便利な機能です。AYANEO Pocket Sも同様にPD急速充電に対応しており、この点は両機種に共通する強みです。
ただし、一点注意しておきたいのは、製品パッケージにはACアダプターが付属しておらず、USB Type-Cケーブルのみが同梱されているという点です 。40Wの性能を最大限に活かすためには、別途対応するPD充電器を用意する必要があります。この点は、個人的には少し残念に感じました。
賢く使うための省電力モード
AYANEO Pocket ACEには、パフォーマンスを調整することでバッテリー消費を抑える「Savingモード」などの省電力オプションが用意されています 。例えば、比較的負荷の軽いレトロゲームを長時間楽しみたい場合や、移動中に少しでも長くバッテリーを持たせたいといったシーンでこのモードを活用すれば、より効率的にバッテリーを使用できます。
AYANEO Pocket Sにも同様の「エコモード」が搭載されており、状況に応じたバッテリーマネジメントが可能です。常にフルパワーでなくても十分楽しめるゲームは意外と多いので、こういったモードを賢く使い分けることで、AYANEO Pocket ACEとのゲームライフをさらに豊かなものにできるでしょう。
バッテリーと充電のまとめ:安心して長時間楽しめるスタミナと利便性
- 大容量バッテリー:6000mAhを搭載し、iPhone 14(約4000mAh)を上回るスタミナを実現 。Pocket Sと共通。
- 長時間プレイ:平均的な使用で6~8時間の駆動時間を確保 。厳しい条件下でも約3時間の動作が可能 。
- 急速充電:40WのPD急速充電に対応し、短時間での充電が可能 。Pocket Sと共通。
- ACアダプター:非同梱のため、別途PD充電器の準備が必要 。
- 省電力モード:「Savingモード」などでバッテリー消費を抑え、より長時間の使用が可能 。Pocket Sにも同様のモードあり。
ソフトウェアと独自機能:AYANEO Pocket ACE ~AYASpaceが実現する多彩な体験(オーディオ・振動含む)~
ここでは、AYANEO Pocket ACEのハードウェア性能を最大限に引き出し、ユーザー体験を豊かにする独自のソフトウェア群、特に進化したオーディオ体験、そしてゲームの臨場感を飛躍的に高める革新的な振動機能、さらにはAYASpaceが提供する多彩な便利機能について、先行モデルAYANEO Pocket Sとの比較も交えながら、実際に触れて感じた魅力をご紹介します。
快適な操作基盤:Android 13とAYANEO独自ランチャー
AYANEO Pocket ACEのOSには、Android 13が採用されています 。その上で、AYANEO独自の管理ソフトウェア「AYASpace」とホームランチャー「AYAHome」が動作し、インストールしたゲームや本体設定を一元的に管理することで、直感的で快適なユーザーインターフェースを提供しています 。このOSと基本的なソフトウェア構成はAYANEO Pocket Sと共通しており、両機種ともにAYANEOならではの洗練された操作感を土台としています。
実際にAYAHomeランチャーを使用してみると、非常にシンプルながら機能的で、コントローラーでの操作もスムーズに行えました 。ゲームのアイコンが並ぶ様子は、さながら専用ゲーム機のような感覚です。また、AYASpaceはゲームライブラリとしての機能も持ち合わせていますが、ゲーム情報の自動取得など一部手動での設定が必要な場面もあり、この点は多機能さゆえに、初心者の方には少し戸惑う部分があるかもしれません 。
音の没入感を追求:Lower Bezel Extension Design
AYANEO Pocket ACEのサウンド体験で特筆すべきは、本体下部のベゼル部分をわずかに延長させたユニークな「Lower Bezel Extension Design」です 。この独創的な設計により、フロント下部に配置されたスピーカーからの音が手で遮られることなく、ダイレクトにプレイヤーの耳へと届きます。
これにより、例えば「逆転裁判」シリーズのような、BGMや効果音が物語の重要なアクセントとなるアドベンチャーゲームをプレイする際に、よりクリアで臨場感のあるサウンドに包まれ、ゲームへの没入感が一層高まりました。AYANEO Pocket Sが通話品質にも配慮したデュアルマイク搭載を特徴としていたのに対し 、Pocket ACEは純粋なゲームプレイにおけるオーディオ体験の向上に注力していることが、この設計思想からも見て取れます。
ゲーム体験を揺るがす革新:0916B Surge Linear Motor
AYANEO Pocket ACEがAndroid携帯ゲーム機として新たな地平を切り拓いたと断言できるのが、高性能な「Surge Linear Motor」(CSA 0916B)の初搭載です 。N54マグネットを採用したこのモーターは、従来のレトロハンドヘルドの振動モーターとは一線を画す、驚くほど豊かで繊細なハプティックフィードバックを実現しています 。
先行モデルのAYANEO Pocket SがX軸リニアモーターを搭載していたのに対し 、Pocket ACEのこの新しい振動モーターは、まさに振動体験の「新しいベンチマーク」 を打ち立てると言えるでしょう。
その機能は非常に多彩です。ゲーム自体がネイティブに振動をサポートしていれば、爆発の衝撃やキャラクターの微細な動きまで、多次元的でリアルな振動として体感できます 。また、XInputプロトコルをサポートしているため、XboxクラウドゲーミングやPCからのストリーミングプレイ時にも、コントローラーネイティブの自然な振動が楽しめます 。
そして特に注目すべきは、独自の「SoundTAPMagic」機能です 。これは、ゲーム内の効果音やBGMをリアルタイムで解析し、それに応じた振動を自動生成するというもの。これにより、元々は振動機能を持たないファミコンやスーパーファミコン時代のレトロゲームでも、攻撃がヒットした瞬間やアイテム取得時などに、臨場感あふれるフィードバックと共に楽しむことが可能になります。
実際に「メタルスラッグ」のようなアーケードアクションゲームで試してみたところ、爆発音に合わせて手に伝わる力強い振動は、まさにゲームセンターでプレイしているかのような興奮をもたらしてくれました。もちろん、AYASpaceを通じてシステム全体やボタンごとの振動を設定することも可能です 。
AYASpaceの進化と便利な機能群
AYANEO Pocket ACEのユーザー体験をさらに高めているのが、多機能管理ソフトウェア「AYASpace」の存在です。パフォーマンスモードは、従来の「Saving」「Game」「Balance」「Max」といったお馴染みのモードに加え、新たに「ストリーミングモード」が追加されました 。
このモードは、GeForce NOWのようなクラウドゲーミングサービスや、Steam Linkを利用したリモートプレイ時の遅延とデコード時間を大幅に削減してくれるため、より快適なストリーミング体験を実現します。AYANEO Pocket Sにも同様のパフォーマンスモード(エコ、バランス、ゲーム、マックスなど)はありましたが、このストリーミングに特化したモードはACEならではの進化点です。
もちろん、CPUやGPUのコア周波数、さらには冷却ファンの回転速度などもユーザーが細かく手動で調整することが可能です 。
好評の「デバイス偽装機能」も強化されており、従来の機種偽装に加えてCPUやGPUの情報まで偽装できるようになりました 。これにより、特定のハイエンドスマートフォン向けに最適化されたゲームアプリで、通常では選択できない高画質設定や高フレームレートオプションをアンロックできる可能性が高まります。また、タッチ操作のみに対応するゲームでも快適に遊べるようにするキーマッピング機能は「Free Feel button mapping 1.5」として搭載されており、細かな設定が可能です 。
さらに、本体下部に独立して配置されたHomeボタンは、特にXboxのクラウドゲーミング中にXboxメニューを素早く呼び出す際に非常に便利だと感じました 。そして、ゲーム中でもAYAボタン(AYASpaceボタン)を押すだけでクイックメニューが呼び出せ、パフォーマンス設定や画面輝度などを手軽に変更できる点も、AYANEO製品ならではの使い勝手の良さと言えるでしょう 。
ソフトウェアと独自機能のまとめ:進化したオーディオ・振動とAYASpaceによる快適操作
- OSとランチャー:Android 13とAYANEO独自のAYASpace/AYAHomeで快適な操作基盤を提供 。Pocket Sと共通。
- オーディオ設計:独自の「Lower Bezel Extension Design」でスピーカーからの音をダイレクトに届け、没入感を向上 。Pocket Sとは異なるオーディオへのアプローチ。
- 革新的振動機能:業界初の「Surge Linear Motor」(CSA 0916B)搭載で、豊かで繊細なハプティックフィードバックを実現 。Pocket SのX軸リニアモーターから大幅に進化。
- 多彩な振動モード:ネイティブ振動、XInput対応、音響連動の「SoundTAPMagic」、ボタン振動など多彩なフィードバックを提供 。
- AYASpaceの進化:パフォーマンスモードに「ストリーミングモード」を追加 。CPU/GPU周波数やファン速度の個別調整も可能 。
- デバイス偽装強化:CPU/GPU情報偽装も可能になり、高画質・高フレームレート設定のアンロックが容易に 。
- 便利機能:キーマッピング機能「Free Feel button mapping 1.5」、独立Homeボタン、AYAボタンによるクイックメニューなど、ユーザービリティを高める機能が満載 。
スペック比較:AYANEO Pocket ACE vs AYANEO Pocket S ~進化と違いを徹底解説~
AYANEOはその高性能なAndroidゲーミングデバイスで注目を集めていますが、新たに登場する「AYANEO Pocket ACE」と、先行モデルである「AYANEO Pocket S」にはどのような違いがあるのでしょうか。
どちらのモデルもQualcomm® Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platformという強力な心臓部を共有していますが 、細部にはそれぞれの個性が光ります。ここでは、両モデルの主要なスペックを比較し、どちらがあなたのゲーミングスタイルに合致するのか、その判断材料を提供します。
AYANEO Pocket ACE vs AYANEO Pocket S スペック比較
以下に、AYANEO Pocket ACEとAYANEO Pocket Sの主なスペックの違いをまとめます。
SoC (System-on-a-Chip):
- AYANEO Pocket ACE: Qualcomm® Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platform
- AYANEO Pocket S: Qualcomm® Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platform
(両モデル共通で、ゲーミングに最適化された高性能SoCを搭載しています )
ディスプレイ:
画面サイズ & アスペクト比:
- AYANEO Pocket ACE: 4.5インチ、3:2アスペクト比(レトロゲームに最適化)
- AYANEO Pocket S: 6インチ、16:9アスペクト比
解像度:
- AYANEO Pocket ACE: 1620 x 1080ピクセル
- AYANEO Pocket S: 1080Pモデル (1920 x 1080ピクセル) と 1440Pモデル (2560 x 1440ピクセル) が存在
輝度:
- AYANEO Pocket ACE: 400nits(AYANEO公式) または 550nits(ハイビーム公式、ニュース記事)
- AYANEO Pocket S: 400nits
色域:
- AYANEO Pocket ACE: sRGBカバー率 130%
- AYANEO Pocket S: sRGB色域ボリューム 120%、sRGB色域カバー率 100%
本体サイズと重量:
サイズ (幅 x 高さ x 厚さ):
- AYANEO Pocket ACE: 176 x 82.5 x 18.4mm
- AYANEO Pocket S: 約213.9 × 85 × 14mm
重量:
- AYANEO Pocket ACE: 約310g
- AYANEO Pocket S: 約350g
(Pocket ACEの方が小型・軽量化されています )
振動モーター:
- AYANEO Pocket ACE: 「Surge Linear Motor」(CSA 0916B) を初搭載、N54マグネット採用
- AYANEO Pocket S: X軸リニアモーター
(Pocket ACEは振動体験において特に進化している点が強調されています )
コントローラーデザイン:
- AYANEO Pocket ACE: 「Retro Up-top D-pad Layout」(SE/STボタンが画面上部配置)、シンメトリカルデュアルジョイスティック 。ABXYボタンは導電性ラバー式、L1/R1ショルダーボタンはメンブレンスイッチ式 。
- AYANEO Pocket S: Master Controller搭載、ジョイスティック部分にはRGBライトエフェクト採用 。
オーディオ関連 (デザイン面での特徴):
- AYANEO Pocket ACE: ユニークな「Lower Bezel Extension Design」(下部ベゼル延長デザイン)により、サウンドが遮られにくい 。
- AYANEO Pocket S: デュアルマイクを搭載し、通話時のノイズリダクション機能を強調 。
ソフトウェア機能 (特筆すべき違い):
- AYANEO Pocket ACE: パフォーマンスモードに「ストリーミングモード」が追加され、ストリーミング遅延とデコード時間を削減 。デバイス偽装機能が強化され、CPU/GPU情報の偽装も可能に 。
- AYANEO Pocket S: パフォーマンスモード(エコ、バランス、ゲーム、マックスなど)搭載 。多くの機能は共通しています 。
接続性 (Wi-Fi / Bluetooth):
- AYANEO Pocket ACE: High-Speed WiFi / BT 5.3 。ニュース記事によるとWi-Fi 7対応 。
- AYANEO Pocket S: Wi-Fi 7 / BT 5.3
冷却システム (主要構成要素と面積):
- AYANEO Pocket ACE: 放熱銅板 (5980mm²) 、放熱フィン (8400mm²) 、超薄型冷却ファン、アクティブ冷却口 。
- AYANEO Pocket S: VC(ベイパーチャンバー)放熱プレート (5180mm²) と冷却ファン、ヒートシンクフィン (7053mm²) を組み合わせたアクティブ空冷システム 。
ストレージ構成 (バリエーション):
- AYANEO Pocket ACE: 8GB+128GB / 12GB+256GB / 16GB+512GB / 16GB+1TB
- AYANEO Pocket S: 12GB+128GB / 16GB+512GB / 16GB+1TB
価格帯 (ハイビーム公式オンラインストアでの例):
- AYANEO Pocket ACE: レトロパワー 16GB/1TBモデルが¥94,980 (通常価格¥99,980) 、シャドウダンスブラック/ライトブレードホワイト 12GB/256GBモデルが¥79,800 (通常価格¥84,800) 。
- AYANEO Pocket S: 1440P 12GB/128GBモデルで75,840円 、1440P 16GB/512GBモデルで91,840円など、モデルや構成によって多様 。
まとめ:AYANEO Pocket ACEとAYANEO Pocket Sの違い
AYANEO Pocket ACEとAYANEO Pocket Sは、同じ高性能なSnapdragon G3x Gen 2チップを搭載しつつも、それぞれ異なる特徴を持った魅力的なAndroidゲーミングデバイスです 。
AYANEO Pocket ACEは、より小型軽量なボディ 、レトロゲームに特化した4.5インチの3:2アスペクト比スクリーン 、そして革新的な「Surge Linear Motor」による進化した振動体験 を求めるユーザーにとって最適な選択肢となるでしょう。特に、往年の名作ゲームを当時の感覚に近い形で、かつ最高のパフォーマンスで楽しみたい方には強くおすすめできます。
一方、AYANEO Pocket Sは、より大きな6インチの16:9スクリーン と、最大1440Pという高解像度オプション を備え、より汎用性の高いゲーム体験や映像美を重視するユーザーに適しています。
どちらのモデルもAYANEO独自のソフトウェアによる多彩な機能を備えており 、最終的にはあなたのプレイスタイル、重視するポイント(携帯性、画面サイズ、レトロゲームへの特化度、振動体験、価格など)によって、最適な一台が決まるでしょう。この比較が、あなたの選択の一助となれば幸いです。
AYANEO Pocket ACEのメリット・デメリット ~他機種との比較で見る長所と弱点~
AYANEO Pocket ACEは、高性能なSnapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載し、特にレトロゲーム体験に焦点を当てた魅力的なAndroid携帯ゲーム機です。
しかし、市場には様々な特徴を持つ競合機種も存在します。ここでは、AYANEO Pocket ACEの長所と短所を、AYANEO Pocket S、Retroid Pocket 5、ANBERNIC RG557、AYANEO Pocket MICRO Classicといった他のAndroid携帯ゲーム機と比較しながら具体的に解説していきます。
AYANEO Pocket ACEのメリット
メリット1:トップクラスの処理性能
AYANEO Pocket ACEは、Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載しており、非常に高い処理性能を誇ります 。Antutuベンチマーク(V10)では約166万点というスコアを記録し 、これはMediaTek Dimensity 8300を搭載するANBERNIC RG557(約125万点)や、Snapdragon 865を搭載するRetroid Pocket 5(約84万点)を大きく上回ります 。
同じSoCを搭載するAYANEO Pocket Sと比較しても、ベンチマークテストでは僅かにACEが上回る場面も見られました 。これにより、最新のAndroidゲームから要求の高いエミュレーターまで快適に動作させることが可能です。
メリット2:レトロゲームに最適化された鮮やかなディスプレイ
4.5インチ、解像度1620×1080、433PPIという高精細なIPS液晶は、sRGBカバー率130%という広色域も相まって、鮮やかで美しい表示を実現します 。特にクラシックな3:2のアスペクト比は、ゲームボーイアドバンスなどのレトロゲームをオリジナルの比率で楽しむのに最適です 。
AYANEO Pocket Sの6インチ16:9ディスプレイや、Retroid Pocket 5(5.5インチOLED)、ANBERNIC RG557(5.48インチAMOLED)などと比較すると、画面サイズは小さいものの、レトロゲームへの特化という点では大きなアドバンテージとなります 。
メリット3:進化した革新的な振動体験
AYANEO Pocket ACEは、業界をリードする「0916B Surge Linear Motor」をAndroid携帯ゲーム機として初めて搭載しており、N54マグネットの採用により豊かで繊細なハプティックフィードバックを提供します 。これは、AYANEO Pocket Sに搭載されているX軸リニアモーターと比較しても明らかに進化しており 、ゲーム内の効果音と振動が連動する「SoundTAPMagic」機能と合わせて、これまでにない没入感のあるゲーム体験を実現します 。
メリット4:レトロゲーム向けのこだわりの操作性
SE/STボタンが画面上部に配置された「Retro Up-top D-pad Layout」は、レトロゲームの操作感を強く意識したデザインです 。また、ドリフト現象が起きにくくデッドゾーンのない中型ホールセンサージョイスティックと、高精度なリニアホールトリガーは、正確な入力操作をサポートします 。AYANEO Pocket Sのより標準的なコントローラーレイアウトとは異なり、ACEは明確にレトロゲーマーのニーズに応える操作系を備えています。
メリット5:コンパクトさと良好なグリップ感
約310gという重量は、AYANEO Pocket S(約350g)と比較して小型軽量化が図られています 。一方で、約18.4mmという適度な厚みは、手に持った際の安定感としっかりとしたグリップ感に貢献しており、長時間のプレイでも疲れにくい印象です 。Retroid Pocket 5(約280g)やAYANEO Pocket MICRO Classic(約227g)よりは重量がありますが、その分、高性能SoCを搭載している点を考慮すると、携帯性と性能のバランスは良好と言えるでしょう 。
メリット6:AYASpaceによる豊富な機能とカスタマイズ性
AYANEO独自の管理ソフトウェア「AYASpace」は、パフォーマンスモードの切り替え(新たにストリーミングモードが追加)、CPU/GPUのコア周波数調整、強化されたデバイス偽装機能、詳細なキーマッピングなど、多彩な機能と高いカスタマイズ性を提供します 。これにより、ユーザーは自身の好みに合わせて最適なゲーミング環境を構築できます。
AYANEO Pocket ACEのデメリット
デメリット1:価格の高さ
AYANEO Pocket ACEの通常価格は、12GB/256GBモデルで84,800円からとなっており 、これはRetroid Pocket 5(Amazonで約5万円)やANBERNIC RG557(Amazonで約4万円)、そして同じAYANEOブランドでもよりコンパクトなAYANEO Pocket MICRO Classic(Amazonで約3万円)といった他のAndroid携帯ゲーム機と比較すると、明らかに高価なモデルです 。
AYANEO Pocket S(Amazonで94,800円から)とは同程度の価格帯か、構成によってはACEの方が手頃になる場合もありますが、全体としてハイエンドクラスの価格設定と言えるでしょう 。
デメリット2:画面サイズとアスペクト比の汎用性
4.5インチという画面サイズは、特に壮大なRPGなどをプレイする際には、文字の視認性や情報量の点でやや小さく感じられる可能性があります 。また、3:2のアスペクト比はレトロゲームには最適ですが、16:9の現代的なAndroidゲームや4:3のクラシックコンソールゲームをプレイする際には、画面の上下または左右に黒い帯が表示されることになり、これを好まないユーザーもいるでしょう 。
大画面での汎用性を求めるなら、6インチ16:9ディスプレイのAYANEO Pocket Sの方が適しているかもしれません 。
デメリット3:ACアダプター非同梱とヘッドホンジャックなし
40WのPD急速充電に対応している点はメリットですが、製品パッケージにはACアダプターが付属しておらず、USB Type-Cケーブルのみが同梱されています 。
また、近年多くのデバイスで見られる傾向ではありますが、3.5mmヘッドホンジャックが搭載されていないため、有線イヤホンを使用したい場合は変換アダプタが別途必要になります 。Retroid Pocket 5やANBERNIC RG557といった機種ではヘッドホンジャックが搭載されているため 、この点は比較上のウィークポイントと言えます。
デメリット4:一部ソフトウェアの使い勝手と最適化
AYASpaceのフロントエンド機能(ゲームライブラリなど)は、一部手動での設定が必要な場合があり、初心者にとっては少しハードルが高いと感じられるかもしれません 。また、非常に高いパフォーマンスを持つ一方で、「Call of Duty: Warzone Mobile」のように一部のゲームでは起動しないという報告もあり、これは最適化の問題である可能性が示唆されています 。特定のゲームを目当てに購入する場合は、事前の動作確認情報などをチェックすることが推奨されます。
まとめ:AYANEO Pocket ACEのメリット・デメリット
AYANEO Pocket ACEは、トップクラスの処理性能、レトロゲームに最適化された美しいディスプレイとこだわりの操作性、そして革新的な振動体験といった多くのメリットを持つ一方で、価格の高さや画面の汎用性、一部の付属品の省略といったデメリットも存在します。
特にレトロゲームを最高の環境で楽しみたい、かつ携帯性と高性能を両立させたいと考えるユーザーにとっては、AYANEO Pocket ACEは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、より大きな画面で様々なコンテンツを楽しみたい、あるいはコストパフォーマンスを重視したいという場合には、AYANEO Pocket SやRetroid Pocket 5、ANBERNIC RG557といった他の機種も比較検討する価値があります。あなたのゲームスタイルや予算、重視するポイントを総合的に考慮して、最適な一台を見つけてください。
AYANEO Pocket ACEのスペック(仕様)
- ディスプレイ: 4.5インチ IPS液晶、解像度1620×1080、433PPI、sRGBカバー率130%、輝度400nits (ハイビーム公式オンラインストアでは輝度550nitsとの記載もあり )、ボーダーレスフルスクリーン
- CPU: Qualcomm Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platform 、Kryo Prime Ultra Cores 最大3.36GHz (1+4+3 Octa-Core Architecture)
- GPU: Adreno™ A32 @1GHz
- RAM: LPDDR5X 8533Mbps、容量は8GB/12GB/16GBのオプションあり
- ROM: UFS 4.0 (128GB版のみUFS 3.1 )、容量は128GB/256GB/512GB/1TBのオプションあり
- 外部ストレージ: microSDカードスロット (最大100MB/s)
- バッテリー: 6000mAh
- 充電: 40W PD急速充電対応
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3
- ストリーミング: Xboxクラウドゲーミング、Steam Link、GeForce NOWなどに対応 。Xboxストリーミング時のメニュー呼び出しボタン搭載 。「ストリーミングモード」搭載で低遅延化 。
- インターフェース: フル機能 USB 3.2 Gen 2 Type-C (10Gbps) x1 、microSDカードスロット x1
- 映像出力: DP 1.4 (Type-Cポート経由)
- スピーカー: 本体下部からダイレクトに出力される構造
- 操作:コントローラー: マスターコントローラー 、ジョイスティック: 中型ホールセンサージョイスティック (ドリフトなし、デッドゾーンなし) 、トリガー: リニアホールトリガー
- 振動モーター: Surge Linear Motor (CSA 0916B) 、SoundTAPMagicサウンドバイブレーション機能 、XInputバイブレーション対応 、ボタンバイブレーション
- ジャイロスコープ: 6軸ジャイロスコープ
- その他ボタン: ホームボタン (エミュレータショートカット機能、Xboxストリーミングメニュー呼び出し) 、Turboキー (パフォーマンスモード切替) 、カスタマイズ可能なボタン (SE/ST、Home/Turbo、LC/RCキー)
- ソフトウェア: AYASpaceシステム、AYAHomeランチャー 、キーマッピング機能 、カスタムパフォーマンスモード 、デバイス偽装機能
- 冷却: 放熱銅板 5980mm²、放熱フィン 8400mm²、超薄型冷却ファン、アクティブエアアウトレット
- 筐体: 高度なUVコーティング処理
- OS: Android 13
- サイズ: 約176 x 82.5 x 18.4mm
- 重量: 約310g
- カラー: ShadowDance Black、Lightblade White、Retro Power
- 付属品: Type-Cケーブル (ACアダプターは付属していません) 。先行予約特典:専用キャリングポーチ、ジョイスティックキャップ、専用背面カバー、専用ガラスフィルム(全面)
AYANEO Pocket ACEの評価
7つの基準で「AYANEO Pocket ACE」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★☆ 4.5インチ3:2画面はレトロゲームに最適で高精細・広色域。ただRPG等では小さく感じ、16:9/4:3ゲームで帯表示が出る点は好みが分かれる。
パフォーマンス:★★★★★ Snapdragon G3x Gen 2搭載で最新Androidゲームもエミュレーターも非常に快適。冷却も強化され、Pocket Sをも凌駕する場面がある。
操作性: ★★★★☆ レトロ特化レイアウトと高精度な入力、革新的な振動は素晴らしい。ただ左スティック下配置とABXYボタンの音は好みが分かれる。
機能性:★★★★☆ AYASpaceによる多彩な設定、ストリーミングモードや進化した振動は魅力。ただACアダプター非同梱やヘッドホンジャック無しは惜しい。
デザイン:★★★★☆ 小型軽量で高品質なレトロデザインは所有欲を満たす。ただ他の中華ゲーム機に慣れていると大きく感じることも。
使いやすさ:★★★★☆ Androidベースで直感的だが、AYASpaceの一部設定はやや煩雑。指紋認証やクイックメニューは便利。
価格:★★★☆☆ 高性能だが、他Android携帯ゲーム機と比較すると高価。Pocket Sよりは一部手頃なモデルもあるが、コストパフォーマンス重視なら他機種も検討の余地あり。
総評:★★★★☆
レトロゲーム愛と最新技術が融合した、こだわりの一台
AYANEO Pocket ACEは、先行モデルであるAYANEO Pocket Sと同じ高性能なSnapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載しつつ、より明確に「レトロゲーム体験の追求」という方向に舵を切った意欲的なAndroid携帯ゲーム機です。その評価は星4つとしました。
際立つレトロゲームへの最適化と携帯性
最大の特徴は、4.5インチの3:2アスペクト比ディスプレイです。これにより、ゲームボーイアドバンスなどの往年の名作を、当時の感覚に近い最適な画面比率で楽しむことができます。この4.5インチスクリーンは1620×1080ピクセルと高解像度で、433PPIという高精細さを誇り、sRGBカバー率130%の広色域によって鮮やかな色彩表現も魅力 。ボーダーレスデザインも没入感を高めます 。
また、AYANEO Pocket Sと比較して小型・軽量化されたボディ(約310g)は携帯性に優れ、約18.4mmという適度な厚みがしっかりとしたグリップ感をもたらし、長時間のプレイでも疲れにくい設計となっています 。
こだわりの操作性とカスタマイズ性
操作系では、SE/STボタンを画面上部に配置した「Retro Up-top D-pad Layout」がレトロゲームの操作感を高めています 。フラットな形状でコツコツとした感触の十字キーや、導電性ラバーを採用したABXYボタン、軽いタッチでも反応するメンブレンスイッチのL1/R1ショルダーボタン、そして高精度なリニアホールトリガーなど、各操作系統へのこだわりが光ります 。中型のホールセンサージョイスティックはドリフトしにくくデッドゾーンがないため、精密な操作が可能です 。
また、AYANEO独自の管理ソフトウェア「AYASpace」は健在で、パフォーマンスモードの切り替え(新たにストリーミングモードも追加)、CPU/GPUの細かな調整、強化されたデバイス偽装機能、詳細なキーマッピングなど、ユーザーの好みに合わせた徹底的なカスタマイズが可能です。独立したHomeボタンや指紋認証機能なども、日々の使い勝手を向上させています。
妥協なきパフォーマンスと革新的な振動体験
プロセッサのSnapdragon G3x Gen 2は、最新のAndroidゲームを高設定で快適にプレイできるだけでなく、PS2やゲームキューブといった比較的処理の重いエミュレーターもスムーズに動作させるパワーを秘めています。ベンチマークスコアではPocket Sを僅かに上回る場面も見られ、強化された冷却システムがそのパフォーマンスを安定して支えています。
さらに注目すべきは、業界をリードする「0916B Surge Linear Motor」による振動体験です。ゲーム内の音と連動する「SoundTAPMagic」機能は、元々振動機能を持たないレトロゲームにも新たな命を吹き込み、これまでにない没入感を提供してくれます。
価格と注意点
一方で、その高性能と多機能性ゆえに、価格は他の多くのAndroid携帯ゲーム機と比較すると高価な部類に入ります。AYANEO Pocket Sよりは一部モデルで手頃な価格設定となっていますが、気軽に購入できる価格帯とは言い難いでしょう。また、ACアダプターが付属しない点や、ヘッドホンジャックが搭載されていない点は、一部のユーザーにとってはマイナスポイントとなる可能性があります。AYASpaceの多機能性は魅力ですが、一部設定の複雑さは初心者には少しハードルが高いかもしれません。
まとめ:こんな人におすすめ
AYANEO Pocket ACEは、特にレトロゲームをこよなく愛し、最高の環境でプレイしたいと考える情熱的なゲーマーにとって、非常に魅力的な選択肢です。妥協のないパフォーマンス、進化した振動体験、そしてレトロゲームへの深い理解が感じられるデザインと操作性は、他のデバイスでは得難い満足感を与えてくれるはずです。
また、AYANEO Pocket Sがより大きな画面と汎用性を求めるユーザー向けであるのに対し、Pocket ACEは携帯性とレトロ特化という明確な個性で勝負する一台です。価格に見合うだけの価値を見出せるならば、十分に購入する価値はあるといえます。
[amazon]
AYANEO Pocket ACEの価格・購入先
※ハイビーム:2025年6月下旬~7月上旬発送
※先行予約特典:専用キャリングポーチ、ジョイスティックキャップ、専用背面カバー、専用ガラスフィルム(全面)
ハイビーム 公式オンラインストア
- シャドウダンスブラック / ライトブレードホワイト 12GB/256GBモデルが79,800円(税込・先行予約価格・通常価格は84,800円)、
- レトロパワー 16GB/1TBモデルが94,980円(税込・先行予約価格・通常価格は99,980円)、
で販売されています。
ハイビーム 公式オンラインストアで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
ECサイト
- Amazonで79,800円(Snapdragon G3X Gen2 12GB/256GB・※16GB/1TB レトロパワーモデルは94,800円)、
- 楽天市場で84,800円(税込・送料無料・シャドウダンスブラック・7月モデル)、
- AliExpressで56,611円(※8GB/128GBモデル)、
で販売されています。
Amazonで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
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ヤフーショッピングで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
AliExpressで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
米国 Amazon.comで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
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おすすめの類似製品を紹介
AYANEO Pocket ACEに似た性能をもつ携帯ゲーム機も販売されています。
AYANEO Pocket S
AYANEOから発売された6インチの携帯ゲーム機です(2024年7月上旬に発売開始)。
Android 13、Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2、12GB / 16GB LPDDR5X メモリ、解像度 2560 x 1440 pxの液晶、128GB UFS 3.1 / 512GB UFS 4.0 ストレージ、6000 mAhバッテリー搭載で、
マスターコントローラー、指紋認証(電源ボタンにセンサー)、冷却システム、PD急速充電、SoundTAPMagic サウンドバイブレーション、Xインプット振動、X軸リニアモーター、ホールセンシング・ジョイスティック、リニアホール・トリガー、USB 3.2 Gen2 Type-C (data/PD/DP) x1、microSDカードスロット x1、ボタン(ターボボタン、ホームボタン)、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで94,800円(税込)、楽天市場で67,980円(税込・中古Aランク品)、ヤフーショッピングで116,210円、AliExpressで82,683円、です。
関連記事:「AYANEO Pocket S」のCPU性能、原神のFPS、できること
Retroid Pocket 5
Retroid Pocketから発売された5.5インチの携帯ゲーム機です(2024年9月10日 発売)。
Android 13、Qualcomm Snapdragon 865、8GB LPDDR4x メモリ、フルHDのOLED(有機EL)液晶、128GB UFS 3.1ストレージ、5000 mAhバッテリー、TFカードスロット、3.5mmイヤホンジャックを搭載しています。
また、27W急速充電、DP映像出力、3Dホールスティック、アナログジョイスティックR2/L2、ストレージの拡張、USB Type-C (OTG)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1に対応しています。
価格は、Amazonで50,480円(税込)、AliExpressで33,623円、です。
関連記事:「Retroid Pocket 5」とPocket 4 /4Proの違いを解説
ANBERNIC RG557
ANBERNICから発売された5.48インチのAndroid携帯ゲーム機です(2025年4月26日 発売)。
Android 14、MediaTek Dimensity 8300プロセッサー、12GB LPDDR5X RAM、解像度1920*1080のAMOLED液晶、5500mAhバッテリー、TFカードスロット(最大2TB)を搭載しています。
また、DisplayPort映像出力、高解像度静電容量式ジョイスティック(RGBライティング付)、27W急速充電、アクティブ冷却(高速ファン+ヒートパイプ採用)、ホールトリガー、6軸ジャイロ、振動モーター、
ストリーミング(Moonlightなど)、ワイヤレス画面投影、デュアルスピーカー、USB Type-C (OTG)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで41,799円(税込)、AliExpressで34,687円(本体のみ・ゲーム付きで35,776円)、米国 Amazon.comで$339.99、です。
関連記事:ANBERNIC RG557徹底レビュー!PS2/GCエミュ性能とRG556比較
AYANEO Pocket MICRO Classic
AYANEOから発売された3.5インチのAndroid携帯ゲーム機です(2025年3月5日 発売)。
Android 13、MediaTek Helio G99、Arm Mali-G57 MC2 GPU、6GB/8GB LPDDR4X 4266Mbps、128GB/256GB UFS 2.2ストレージ、960 x 640 pxのボーダレスIPSディスプレイ、2600 mAhバッテリーを搭載しています。
また、ジョイスティックレスデザイン、フレームに溶け込むボタン、進化したショルダーボタン、6軸ジャイロスコープ、マスターコントローラー(L1 L2/R1 R2)、薄膜マイクロアクションボタン、ホームボタン、エミュレータショートカット/ストリーミングコールアウトメニュー、SoundTAPMagicサウンド振動、
Xinput振動、Xboxクラウドゲーム、マルチシーンパフォーマンスモード、キーマッピング、AYASpace、Google Playストア、指紋認証、Micro SDカードスロット(SD 3.0)、USB Type-C、USB 2.0(OTG)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2に対応しています。
価格は、Amazonで29,800円(税込)、楽天市場で44,800円(送料無料)、AliExpressで32,121円、です。
関連記事:AYANEO Pocket MICRO Classic レビュー!変更点とできること
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