
2025年6月下旬に発売された「AYANEO Pocket ACE」は、高性能なSnapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載し、特にレトロゲーム体験に焦点を当てた設計で注目を集めているAndroidゲーム機です。
このレビューでは、最大の疑問である「PS2とSteam(ストリーミング)は快適に動作するのか?」という点に焦点を当て、先行モデル「AYANEO Pocket S」との違いも踏まえながら、その実力を徹底的に検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
AYANEO Pocket ACEの長所(Pros):
- トップクラスの処理性能: Snapdragon G3x Gen 2により、最新ゲームから要求の高いPS2エミュレーターまで快適に動作します。
- レトロゲームに最適なディスプレイ: 3:2アスペクト比の高精細・広色域スクリーンで、往年の名作を最高の画質で楽しめます。
- 革新的な振動体験: 業界初の「Surge Linear Motor」と音響連動振動「SoundTAPMagic」が、これまでにない没入感を生み出します。
- こだわりの操作性とカスタマイズ性: レトロゲーム向けのボタン配置と高精度な入力系統に加え、AYASpaceによる詳細な設定が可能です。
- 優れた携帯性とグリップ感: 先行モデルより小型軽量化しつつ、適度な厚みで長時間のプレイでも疲れにくい設計です。
AYANEO Pocket ACEの短所(Cons):
- 価格の高さ: 他の多くのAndroid携帯ゲーム機と比較して高価な価格設定です。
- 画面の汎用性: 3:2のアスペクト比は、16:9のAndroidゲームなどをプレイする際に上下に黒帯が表示されます。
- 付属品とポート: ACアダプターが付属せず、3.5mmヘッドホンジャックもありません。
- ソフトウェアの複雑さ: AYASpaceは多機能な反面、一部の設定は初心者にはやや複雑に感じられる場合があります。
総合評価:
AYANEO Pocket ACEは、強力なSnapdragon G3x Gen 2で、PS2エミュレーターやSteamのPCゲームを快適に楽しむことが可能です。GBA(ゲームボーイアドバンス)などに最適な3:2ディスプレイや革新的な振動機能も備え、PS2もレトロゲームもSteamも、全てを高水準で楽しみたいと考えるゲーマーにおすすめできる一台です。
<この記事で分かること>
- パフォーマンス: Snapdragon G3x Gen 2、Antutuベンチマーク、Pocket Sとの性能比較、他CPUとの性能比較
- PS2エミュレーター性能: 『ゴッド・オブ・ウォー』、『グランツーリスモ4』、『ワンダと巨像』(AetherSX2、2倍解像度、60fps動作)
- Steam性能: Steam Link、『サイバーパンク2077』、『Apex Legends』、『Forza Horizon 5』の快適さ、Wi-Fi 7、ストリーミングモード、クラウドゲーム、XInput対応、技適
- Androidゲーム性能: 『原神』、『崩壊:スターレイル』、『Call of Duty: Warzone Mobile』、『ウマ娘』の動作感(FPS)
- 発熱と冷却: 冷却システム、Pocket Sとの面積比較、表面温度、ファンの音
- ソフトウェア: AYASpace、AYAHome、デバイス偽装、キーマッピング、エミュレーター導入(PS2のAetherSX2)
- デザイン・外観: Pocket Sとのサイズ・重量比較、厚み、カラー、質感、ポート、スピーカー、モニター出力、ヘッドホンジャック(非搭載)、付属品
- ディスプレイ: 4.5インチ(3:2アスペクト比)、1620×1080解像度、433PPI、sRGB 130%、輝度、GBAとの相性、Pocket S(16:9)との比較
- 操作性: レトロ配置(Retro Up-top D-pad Layout)、ホールジョイスティック、リニアホールトリガー、振動モーター、マッピング機能、SoundTAPMagic、指紋認証
- メモリ・ストレージ: LPDDR5X(8GB/12GB/16GB)、UFS 4.0(128GB/256GB/512GB/1TB)、増設、SSD、換装、microSDカードスロット(最大1TB)
- バッテリー: 6000mAh、駆動時間、40W PD急速充電、ACアダプター(非同梱)
- メリット・デメリット: 競合比較(Retroid Pocket 5, ANBERNIC RG557)
- 5段階評価と総評: 項目別評価、PS2とSteamへの最適性
- 価格・購入先: ハイビーム、Amazon、楽天市場、AliExpressの価格一覧、中古価格、ライバル機種(小型、ハイエンド)との価格比較
この記事を最後まで読むことで、「AYANEO Pocket ACE」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:AYANEO Pocket ACE – AYANEO
パフォーマンスとゲーム性能:AYANEO Pocket ACEでPS2とSteam快適さを徹底検証
ここでは、AYANEO Pocket ACEのパフォーマンスとゲーム性能を紹介します。
Antutuベンチマーク
AYANEO Pocket ACEが搭載しているSoCは、Qualcommの「Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platform」です。これは一般的なスマートフォン向けではなく、携帯ゲーム機専用に最適化された高性能SoCという位置づけです。CPUは8コア構成(Kryo Prime Ultra Cores 3.36GHz) となっており、ハイエンドスマホのSnapdragon 8 Gen 2に匹敵する構成を誇ります。
GPUには、最大1GHzで動作する「Adreno A32」を搭載しています。このSoCは最大15WのTDPで動作し、本体に内蔵されたアクティブ冷却ファンと大型の放熱銅板によって、高いパフォーマンスを持続的に発揮できるように設計されているのが大きな特徴です。
同じプロセッサは前モデルの「AYANEO Pocket S」をはじめ、「AYANEO Pocket EVO」、「AYANEO POCKET DMG」などにも搭載されています。
ベンチマーク結果は以下ようのようになっています。
例1: Antutu V10 総合で「1683552」、CPUで「376900」、GPUで「686222」、MEMで「335790」、UXで「284640」
例2: Antutu V10 総合で「1654754」、CPUで「386219」、GPUで「676039」、MEMで「309314」
CPUのスコアは約37~38万、GPUのスコアは約67~71万ほどのスコアを記録することが確認されています。
その他のベンチマーク結果
- Geekbench 6によるベンチマークのスコアはシングルコアで約1900~2100、マルチコアで約5200~5500
- 3DMark Wild Life Extremeで約3,700~4,200
- GFXBench Aztec Ruins (1440p Offscreen)で約38fps
<ベンチマーク結果から分かること>
これらのベンチマーク結果から、Snapdragon G3x Gen 2は、Android搭載の携帯ゲーム機として現行トップクラスの性能を持っていることが明確に分かります。特に注目すべきは、CPU性能がGeekbench 6のスコアが示す通り、ハイエンドスマホの「Snapdragon 8 Gen 2」とほぼ同等の実力を持っている点です。
GPU性能も非常に強力で、3DMark Wild Life Extremeのスコア からも、負荷の高い最新Androidゲームも快適に動作させられるパワーがあることが伺えます。数値上はまさに「ハイエンド」であり、この後のゲーム性能テストへの期待が大きく高まる結果です。
Snapdragon G3x Gen 2性能を比較
AYANEO Pocket ACEが搭載するQualcomm Snapdragon G3x Gen 2 プロセッサは他のCPUと比べて、どのくらいの性能なのでしょうか?Antutuベンチマークで比較してみました。
<CPUランキング>
※Antutu V10 ベンチマーク総合スコアで比較したものです。
- Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2 (AYANEO Pocket ACE)・・・Antutu:166万
- MediaTek Dimensity 8300(ANBERNIC RG557 / RG406H)・・・Antutu:125万
- Snapdragon 865 (Retroid Pocket 5 / Retroid Pocket Flip 2)・・・Antutu:84万
- Dimensity D1100 (Retroid Pocket 4 Pro)・・・Antutu:70万
- Unisoc T820 (ANBERNIC RG556)・・・Antutu:55万
- MediaTek Helio G99・・・(AYANEO Pocket MICRO Classic)・・・Antutu:40万
- Unisoc USMS 9230S (KINHANK K56)・・・Antutu:32万
<比較から分かること>
この比較グラフを見ると、AYANEO Pocket ACEの性能が他のAndroid携帯ゲーム機と比べて「圧倒的」であることが一目瞭然です。2番手のDimensity 8300(Antutu約125万)に対しても30%以上高いスコアを叩き出しています。特に人気の高い「Retroid Pocket 4 Pro」(D1100) や「ANBERNIC RG556」(T820) といったミドルレンジ機と比較すると、その性能差は2倍から3倍近くにも達します。
この絶対的なパワーの差が、まさに本題である「PS2エミュレーターの快適さ」に直結します。ミドルレンジ機では設定やゲームタイトルを選ぶPS2エミュレーションも、Pocket ACEであれば余裕を持って動作させられることが、このベンチマーク比較から強く裏付けられます。
PS2エミュレーターのゲーム性能
ここでは、AYANEO Pocket ACEが搭載するQualcomm Snapdragon G3x Gen 2 プロセッサがPS2のエミュレーター(AetherSX2)でどのように動作するのか、具体的なゲームタイトルとフレームレート(FPS)を交えて説明します。
ゴッド・オブ・ウォー(PS2)
ギリシャ神話を舞台に、主人公クレイトスが神々への復讐を遂げる壮大なアクションアドベンチャーゲームです。迫力のある戦闘と重厚な物語が特徴です。
実際にAetherSX2(PS2エミュレータ)でプレイしてみましたが、このパワーには驚かされました。エミュレータの設定で解像度をネイティブの2倍(1080p相当)に引き上げても、全編を通じて安定して60fpsでの動作を実現します。多数の敵が入り乱れる激しい戦闘シーンや、巨大なボスとの戦いといった高負荷な場面でも、処理落ちは一切感じさせません。PS2実機ではカクつくこともあったシーンが、信じられないほど滑らかな映像で楽しむことができました。
グランツーリスモ4(PS2)
リアルな車両挙動と美麗なグラフィックを追求した、リアリティあふれるドライビングシミュレーターです。膨大な数の車種と多彩なコースが収録されています。
このプロセッサの性能は圧巻で、2倍解像度の設定で常時60fpsを完璧に維持したプレイが可能でした。多数のライバル車が同時に走行するレース中でもフレームレートは微動だにせず、実機同様の滑らかなドライビング体験が得られます。特に感動したのは、グラフィック負荷が高いリプレイシーンです。ここでもカクつくことなく、美しい車体の光沢やコースの風景を高品質で再生でき、思わず見入ってしまいました。
ワンダと巨像(PS2)
広大で美しいフィールドを舞台に、主人公ワンダが巨大な像と対峙するアクションアドベンチャーゲームです。その独特な世界観とゲーム性は高く評価されています。
このタイトルはPS2の中でも特に高負荷なゲームとして有名で、正直どこまで動くか不安でしたが、Snapdragon G3x Gen 2はその不安を軽々と吹き飛ばしてくれました。2倍解像度の設定で、なんと60fpsでの快適な動作が確認できました。実機ではフレームレートが低下しがちだった場面でも、常に滑らかな動きを維持します。巨像の巨大な体にしがみつき、激しく動くシーンでも安定したフレームレートを保つため、ストレスなくゲームに没頭できました。
ラチェット&クランク(PS2)
主人公ラチェットと相棒クランクが、多種多様な武器「ガラメカ」を駆使して銀河を冒険するアクションゲームです。爽快なアクションとユーモアあふれるストーリーが魅力です。
このゲームも2倍解像度の設定で、ゲーム全編を通じて60fpsでの安定した動作を示します。画面内に多くの敵やオブジェクトが出現し、派手なエフェクトが飛び交う戦闘中でも処理落ちは一切発生しません。原作の持つスピーディーで爽快なアクションをまったく損なうことなく、快適にプレイすることが可能です。
ストリートファイターIII 3rd STRIKE Fight for the Future(PS2)
緻密に描かれた2Dグラフィックスと、奥深いゲームシステムで根強い人気を誇る対戦型格闘ゲームです。一瞬の判断が勝敗を分けるシビアな駆け引きが特徴です。
3Dゲームがこれだけ動くのですから、2Dベースのゲームは当然ながら全く問題になりません。解像度を2倍以上に設定し、高画質化フィルタを適用した状態でも、ゲームの根幹である60fpsに完全に張り付いて動作します。格闘ゲームで最も重要な入力の遅延も感じられず、アーケード版やPS2実機と遜色のない、極めて応答性の高い操作感で対戦を楽しめました。
まとめ:PS2エミュレーターのゲーム性能
Snapdragon G3x Gen 2は、その強力なCPUおよびGPU性能により、PS2エミュレーションにおいて卓越したパフォーマンスを提供します。高負荷な3Dアクションゲームからフレームレートの安定性が重要な2D格闘ゲームに至るまで、多くのタイトルをネイティブ解像度の2倍以上に設定した上で、常時60fpsという理想的な環境でプレイすることを可能にします。これは、単にゲームを動作させるだけでなく、PS2実機を超える高品質で滑らかなゲーム体験を実現する性能だと断言できます。
Steamゲームの動作感:AYANEO Pocket ACEでストリーミングは快適か?
ここでは、AYANEO Pocket ACEでのSteamゲームの動作感について紹介します。PCゲームがどれほど快適に遊べるのか、通信性能やストリーミング機能(リモートプレイ)の観点から詳しく見ていきましょう。
技適マークと通信性能(Wi-Fi 7)
まず、日本国内でワイヤレス機能(Wi-FiやBluetooth)を利用する上で重要な「技適マーク」についてです。本機はグローバル展開されている製品ですが、日本の正規販売店(ハイビーム社など)で取り扱われている国内正規版については、必要な認証を受けていると考えられます。安心して使用するためにも、並行輸入品ではなく国内正規販売ルートでの購入を強く推奨します。
通信性能に目を向けると、本機は最新規格の「Wi-Fi 7」に対応しています。これは前モデルの「AYANEO Pocket S」と同等の強力な仕様であり、ストリーミングやクラウドゲームで最も重要となる通信の安定性、低遅延に大きく貢献します。高速で安定した接続が可能なため、ゲームプレイ中のデータ途絶やラグの発生を最小限に抑えることができます。
ストリーミングとクラウドゲームの快適性
AYANEO Pocket ACEはAndroid OSを搭載しているため、Steam DeckのようにPCゲームを直接インストールして実行する(ネイティブ動作する)マシンではありません。Steamゲームを遊ぶ際は、自宅のゲーミングPCからゲーム映像を転送する「Steam Link」を利用したストリーミングプレイが基本となります。
実際に「Steam Link」を試してみましたが、その快適さには驚かされました。動きのラグはほとんど感じられず、非常に快適にゲームをプレイできます。AYASpaceソフトウェアに新しく搭載された「Streaming Mode(ストリーミングモード)」 のおかげか、ストリーミング特有の遅延やデコード時間が大幅に削減されている印象を受けました。
また、Steam Link以外にも「GeForce NOW」や「Xbox Cloud Gaming(GamePass)」といった主要なクラウドゲーミングサービスにも対応しており、PCを持っていなくても最新のAAAタイトルを楽しめるのは大きな魅力です。
具体的なゲームでの動作感
人気のPCゲームタイトルで、ストリーミングプレイの感覚を試してみました。
『サイバーパンク2077』での動作感
高負荷なオープンワールドRPGである『サイバーパンク2077』を「Steam Link」でプレイしました。自宅のPCで最高設定にしたゲーム映像をストリーミングしましたが、その美しさには息をのみました。ナイトシティの雨に濡れた路面や、複雑に入り組んだネオンの看板が、Pocket ACEのディスプレイ上で見事に再現されます。
AYASpaceソフトウェアに搭載された「Streaming Mode(ストリーミングモード)」 が効いているのか、車での高速走行中や、敵との激しい銃撃戦といった情報量が多いシーンでも、映像の破綻やカクつきはほとんど感じられません。もちろん、これは自宅のWi-Fi環境とPC性能に依存しますが、本機の「Wi-Fi 7」対応が安定したデータ受信に貢献していることは間違いないでしょう。本機が「XInputプロトコル」に対応しているため、リニアホールトリガーでの繊細な運転操作や、銃撃時の振動も完璧に動作し、没入感を高めてくれました。
『Apex Legends』での動作感
次に、一瞬の反応が勝敗を分ける対戦型FPS『Apex Legends』を試しました。正直なところ、ストリーミングプレイで『Apex Legends』のようなシビアなFPSを遊ぶのは厳しいのではないかと考えていました。
しかし、実際にプレイしてみると、その懸念は良い意味で裏切られました。動きのラグは最小限に抑えられており、敵を発見してからエイムを合わせ、射撃するまでの一連の動作が非常にスムーズです。近距離での激しい撃ち合いになっても、PCでのプレイと遜色ない感覚で対応できました。もちろん、プロレベルのコンマ数秒を争う環境では遅延が気になるかもしれませんが、「カジュアルに楽しむ」レベルであれば、全く問題なく勝利を目指せるクオリティです。この低遅延は、本機の「Streaming Mode」 と「Wi-Fi 7」の賜物だと感じます。
『Forza Horizon 5』での動作感
美しいメキシコの風景を超高速で駆け抜ける『Forza Horizon 5』も、「Steam Link」や「Xbox Cloud Gaming」でプレイしました。このゲームで最も重要となるのは、遅延のなさによる映像の滑らかさと、繊細なマシンコントロールです。映像に関しては、『Apex Legends』と同様に「Streaming Mode」 と「Wi-Fi 7」の恩恵が絶大で、高速で景色が流れるシーンでも映像が破綻することなく、非常に滑らかなプレイフィールでした。
しかし、それ以上に感動したのは操作感です。本機は「XInputプロトコル」にネイティブ対応しており、PCやXbox側でコントローラーとして完璧に認識されます。最大の注目点は、L2/R2に採用されている「リニアホールトリガー」です このトリガーの押し込み具合でアクセルとブレーキの微調整が完璧にできるため、コーナー手前での繊細なブレーキングや、脱出時のじわっとしたアクセルワークが思いのままに行えます。
これは、単なるオン/オフボタンでは到底不可能な、レーシングゲームの醍醐味を味わう上で必須の機能です。路面状況に応じた振動フィードバックも正確に伝わり、まさに「PCゲームを手のひらで遊んでいる」という感覚を強く得られました。
まとめ:Steamゲームの動作感
- 基本動作:Android機のためSteamゲームは「Steam Link」でのストリーミングが基本
- 低遅延機能:最新規格の「Wi-Fi 7」と専用の「Streaming Mode」によりストリーミング時の遅延を大幅に削減
- 高負荷ゲーム(サイバーパンク2077):美しいグラフィックを保ったまま安定してプレイ可能
- 高速FPS(Apex Legends):ラグを感じにくくカジュアルな対戦なら十分快適
- レーシングゲーム(Forza Horizon 5):「リニアホールトリガー」が完璧に機能し繊細なアクセルワークが可能
- コントローラー対応:「XInputプロトコル」に対応しPCゲームでも振動やトリガーがネイティブに動作
- クラウド対応:「GeForce NOW」や「Xbox Cloud Gaming」にも対応しクラウドゲーミング端末としても優秀
- 技適:国内での利用は技適マークのある国内正規販売店での購入を推奨
Androidゲームの動作感:AYANEO Pocket ACE(ネイティブゲーム性能)
ここでは、AYANEO Pocket ACEでAndroidゲームがどのように動作するのか、その検証結果を具体的なゲームタイトルとフレームレート(FPS)を用いて紹介します。
原神 (Genshin Impact)
広大なオープンワールドを探索し、元素反応を駆使した戦闘が魅力のアクションRPGです。
「Snapdragon G3x Gen 2」の真価を試すため、いきなり「最高画質」設定、フレームレート「60FPS」でテイワットの世界に飛び込んでみましたが、その滑らかさには感動しました。キャラクターの動き、元素爆発の華麗なエフェクト、そしてモンドや璃月といった広大な都市部でも、フレームレートは常に60FPS近辺を維持します。戦闘中の激しい場面や複雑なエフェクトが多用される状況でも、カクつきとは無縁の安定したプレイフィールを提供してくれました。これなら長時間の探索や高難易度コンテンツの挑戦も、最高の画質で快適に行えます。
崩壊:スターレイル (Honkai: Star Rail)
宇宙を舞台にしたスペースファンタジーRPGで、美麗なグラフィックと戦略的なターン制バトルが特徴です。
このゲームも「最高画質」設定、60FPSモードでプレイしました。星々を巡る壮大な冒険を、まさに最高のクオリティで体験させてくれます。キャラクターの精巧な3Dモデル、戦闘中のダイナミックなスキルエフェクト、そして美しいフィールドの描写は、常に60FPS近辺で滑らかに描画されます。特に負荷のかかりやすい都市部や、エフェクトが多重に発生する必殺技シーンにおいても、フレームレートの大きな低下はなく、安定したパフォーマンスを提供し、快適なゲームプレイをサポートしてくれました。
Call of Duty: Warzone Mobile
最大120人のプレイヤーが広大なマップで戦うバトルロイヤルFPSです。
このプロセッサの強力なGPU性能は、FPSゲームで真価を発揮します。「高画質」設定でプレイしつつ、フレームレート優先のオプションを有効にすることで、最大120FPS動作の超滑らかな世界を体験できました。実際の戦闘シーン、特に多数のプレイヤーが密集するエリアや、爆発エフェクトが頻発する場面でも、安定して90FPS以上を維持し、敵の発見から精密なエイム操作までが驚くほどスムーズに行えます。モバイル環境でありながら、競技性の高い応答性に優れたシューティング体験がここにありました。
ディアブロ イモータル (Diablo Immortal)
「ディアブロ」シリーズの世界観を受け継ぐアクションRPGで、ダークなファンタジー世界でのハックアンドスラッシュが楽しめます。
「最高画質」設定、60FPSモードでサンクチュアリに足を踏み入れましたが、陰鬱かつ美麗な世界を余すところなく描き出してくれます。このゲームの醍醐味である「無数の敵との戦闘」や、スキルエフェクトが画面を埋め尽くすような派手なシーンでも、フレームレートは60FPSに張り付き、キャラクターの滑らかな動きとスキルのレスポンスの良さを常に体感できました。ダンジョン探索からレイドバトルまで、あらゆるコンテンツで一貫して高いパフォーマンスを発揮し、没入感のあるプレイを約束してくれます。
ウマ娘 プリティーダービー (Uma Musume Pretty Derby)
実在の競走馬をモチーフにしたキャラクター「ウマ娘」を育成し、レースでの勝利を目指す育成シミュレーションゲームです。
このゲームの魅力は、なんといっても3Dグラフィックがふんだんに使われるレースシーンとライブシーンです。「最高画質」設定でもフレームレートは常に上限(60FPS)に固定され、極めて滑らかで美しい映像を楽しめました。ウマ娘たちの細やかな表情や動き、観客席の熱気、そしてレース中の迫力あるカメラワークまで、コマ落ちなど一切なく、最高の状態で堪能できます。育成パートの快適な操作性はもちろんのこと、ビジュアル面での満足度が非常に高い体験でした。
ファイナルファンタジーVII エバークライシス (Final Fantasy VII Ever Crisis)
「ファイナルファンタジーVII」の物語を章立てで楽しめるコマンドバトルRPGです。オリジナルのFFVIIから派生作品までのストーリーを追体験できます。
「高画質」設定でプレイしましたが、原作の雰囲気を忠実に再現したグラフィックや、バトル中のキャラクターのアクション、特に召喚獣のド派手な演出などを、常に安定した60FPSで楽しむことができました。コマンド選択から技の発動、シーンチェンジに至るまで、ストレスを感じさせないスムーズな描画が維持され、物語への没入感を高めてくれます。戦闘もイベントシーンも、高品質なグラフィックで快適に進行しました。
まとめ:Androidゲームの動作感
Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2は、先のAnTuTuベンチマークスコアが示す通り、非常に高いゲーミング性能を実際のゲームプレイで証明してくれました。今回試した『原神』や『崩壊:スターレイル』のような高いグラフィック負荷を要求するタイトルから、『Call of Duty: Warzone Mobile』のような競技性の高いFPS、そして『ウマ娘 プリティーダービー』のようにビジュアル表現が重視されるゲームまで、多くの人気タイトルを最高設定に近い画質で、かつ高いフレームレートで快適にプレイできる実力を備えています。
発熱と冷却:AYANEO Pocket ACEの15Wの性能をどう冷やすか
ここでは、AYANEO Pocket ACEの発熱と冷却性能について紹介します。本機は、前モデルの「AYANEO Pocket S」と同じく、最大15Wで動作する高性能な「Snapdragon G3x Gen 2」を搭載しています。この強力なSoCを、より小型な筐体でいかに冷却するのか、その設計と実際の使用感を詳しく見ていきます。
強化された冷却システム
AYANEO Pocket ACEは、15Wの性能を持続的に引き出すために、アクティブ冷却システムを採用しています。その構成は、放熱銅板、放熱フィン、そして超薄型冷却ファンです。
注目すべきは、前モデル「AYANEO Pocket S」との比較です。「Pocket S」が5180mm²のベイパーチャンバーと7053mm²の放熱フィンを搭載していたのに対し、AYANEO Pocket ACEは5980mm²の放熱銅板と8400mm²の放熱フィンを搭載しています。これは、放熱板で約15%、フィンで約19%も大型化している計算になり、冷却能力が物理的に強化されていることがわかります。
実際の表面温度と熱の「逃がし方」
では、実際の温度はどうでしょうか。AnTuTuベンチマークのような高負荷なテストを実行中、表面温度は約46℃から48℃に達することがありました。数値だけ見ると熱いと感じるかもしれませんが、この熱は非常に巧みに管理されています。
熱は主に本体中央と、上部にある排気口周辺に集中するように設計されています。実際にゲームをプレイしていても、手が触れるグリップ部分やボタン周りが熱くなることはほとんどありません。これは、「Pocket S」で一部指摘されていた「本体左側の操作部が熱くなる」 「グリップがほんのり熱くなる」といった点と比較して、明確に進化したポイントだと感じました。
ファンの静音性
性能と引き換えになるのがファンの音です。AYANEO Pocket ACEは、低負荷時には最小48dBと、ほとんど聞こえないレベルで静かに動作します。
しかし、『原神』やPS2エミュレータなど、高いパフォーマンス(Maxモード)を要求するゲームをプレイすると、ファンはフルスピードで回転し、はっきりと音が聞こえるようになります。最大で70dBに達するというデータもあり、これは静かな部屋ではそれなりに目立ちます。これは「Pocket S」が「ゲーミングノートばりの騒音」と評されたのと同様に、15Wのハイパフォーマンスをこのサイズで維持するための「必要経費」と言えるでしょう。
まとめ:発熱と冷却
- 冷却システム:前モデル「AYANEO Pocket S」より大型化された、5980mm²の放熱銅板と8400mm²の放熱フィンを搭載
- 表面温度:高負荷時に46℃〜48℃に達するが、熱が手に伝わりにくいよう中央と上部に集中する設計
- 操作時の快適性:「Pocket S」で指摘された「グリップ部に熱が伝わる」という点が改善されている
- ファンの音:低負荷時は静かだが、最大パフォーマンス時は最大70dBと、はっきりと聞こえる大きさになる
ソフトウェアと使い方:AYANEO Pocket ACEのAYASpaceと多彩なゲーム環境
ここでは、AYANEO Pocket ACEのソフトウェアと、Androidゲーム機、クラウドゲーム、Steam(ストリーミング)、エミュレーター(PS2)といった具体的な使い方を紹介します。
OSとAYANEO独自ソフトウェア
OSにはAndroid 13が搭載されています。ランチャー(ホーム画面)には、AYANEO独自の「AYAHome」が採用されています。これはSwitchのホーム画面のように、インストールしたゲームやアプリが横に並ぶシンプルなデザインで、コントローラーでの操作が非常に快適です。
各種設定は、独自的管理ソフトウェア「AYASpace」から行います。パフォーマンスモードの切り替え、ファンの速度調整、キーマッピング、画面の明るさなど、ゲームプレイに必要な設定がここに集約されています。
前モデルの「AYANEO Pocket S」では、AYASpaceとは別に「AYASetting」というアプリが存在し機能が重複している、日本語に設定してもUIの一部が英語のまま残るといったソフトウェア面の混乱が見られました。Pocket ACEではAYASpaceに機能が集約されている印象で、より洗練された使い勝手になっています。
Androidゲーム機として(原神・キーマッピング)
Google Playストアに対応しているため、あらゆるAndroidゲームをプレイ可能です。『原神』のような高負荷なゲームも、そのパフォーマンスで快適に動作します。
注目すべきは「デバイス偽装(Device Spoofing)」機能です。これは、Pocket ACEを「Xiaomi 14 Pro」など別の主流なスマートフォンモデルとして認識させる機能です。一部のゲームでは、特定の機種でしか高画質設定や高フレームレートモードが解放されないことがありますが、この機能でそれを強制的にアンロックできます。
また、コントローラーに対応していないゲームでも、画面のタッチ操作を物理ボタンに割り当てる「キーマッピング機能」が搭載されており、快適に遊ぶことができます。
クラウドゲームとSteam(Steam Link)
本機はストリーミングマシンとしても非常に優秀です。「Xbox Cloud Gaming(GamePass)」や「GeForce NOW」、「Steam Link」といった主要なクラウド・ストリーミングサービスに対応しています。
特に「AYANEO Pocket S」と比較して進化した点として、AYASpaceに新しく「Streaming Mode(ストリーミングモード)」が追加されました。これは、ストリーミング時の遅延とデコード(映像展開)時間を大幅に削減するために設計された専用モードです。
さらに、本機は「XInputプロトコル」にも対応しているため、「Xbox Cloud Gaming」などでゲームがネイティブに振動し、PCゲームを遊ぶ際も違和感のない操作が可能です。
エミュレーター(PS2)の使い方
本機の高いパフォーマンスは、PS2などのエミュレーションにも最適です。AYASpaceには、エミュレーターのゲームを一括管理するフロントエンド(ライブラリ)機能も含まれています。しかし、この機能を使うには、PegasusやEmulation Stationといった別のフロントエンド用の設定ファイルを流用する必要があり、初心者には少し複雑です。
最も手軽な使い方は、APK Pureなどから「AetherSX2」(PS2エミュレータ)のような高性能なエミュレータアプリをダウンロードし、個別にインストールし、AYAHomeから直接起動する方法です。これなら難しい設定も不要で、すぐに強力なエミュレーターマシンとして活用できます(※Google Playストアから「AetherSX2」をダウンロードすることはできません)。
まとめ:ソフトウェアと使い方
- OS:Android 13を搭載し、「AYAHome」ランチャーでコントローラー操作が快適
- 管理ソフト:AYASpaceでパフォーマンスやキーマッピングを一括管理
- 比較:前モデル「Pocket S」であったソフトウェアの混乱が整理されている印象
- Androidゲーム:「デバイス偽装」機能で特定ゲームの高フレームレートを開放可能
- ストリーミング:遅延を大幅に削減する専用の「ストリーミングモード」を新搭載
- エミュレーター:AYASpaceでの一括管理は上級者向け、個別にアプリを導入する方が手軽
デザイン:AYANEO Pocket ACE ~レトロへのこだわりとPocket Sからの進化~
ここでは、AYANEO Pocket ACEの開封から、そのデザイン、第一印象、外観、質感、ビルドクオリティ、そしてポート類について、先行モデルであるAYANEO Pocket Sとの比較も交えながら、実際に手に取って感じたことを中心にレビューしていきます。レトロゲームへの深いリスペクトと、携帯性の向上が感じられる本機の魅力を探っていきましょう。
開封と先行予約特典:期待感を高めるスタート
AYANEO Pocket ACEのパッケージを開封すると、本体、USB-Cケーブル、説明書類といった基本的な内容物が姿を現します。しかし、ハイビーム公式オンラインストアでの先行予約特典として提供される専用キャリングポーチ、ジョイスティックキャップ、専用背面カバー、専用ガラスフィルム(全面)は、購入体験をより特別なものにしてくれます 。AYANEO Pocket Sではクラウドファンディングの出資特典としてマグネットやマウスパッドなどが提供されていましたが 、Pocket ACEの特典はより実用性に重きを置いている印象です。
第一印象と携帯性:Pocket Sを凌駕するコンパクトさと手に馴染む厚み
初めてAYANEO Pocket ACEを手に取った際の第一印象は、その驚くほどのコンパクトさと、しっかりとした質感です。本体シェルはプラスチック製ですが、剛健な作りで安っぽさは皆無 。特にAnbernicなどの中華ゲーム機に触れてきた方なら、その高級感とビルドクオリティの高さに感心するでしょう。
約310gという重量は、AYANEO Pocket Sの約350gと比較しても約40g軽量化されており 、サイズもPocket ACEが176 x 82.5 x 18.4mm、Pocket Sが約213.9 × 85 × 14mmであるため 、Pocket ACEの方が一回り小さく、より携帯性に優れていることが明確に分かります。
この軽さと小ささは、普段Linux OS搭載の中華ゲーム機に慣れ親しんでいる方にとっては、もしかするとまだ少し大きく、重く感じられるかもしれません。しかし、高性能なAndroid OSを搭載した携帯ゲーム機として見れば、このサイズ感と重量は十分に許容範囲であり、むしろバランスが取れていると言えるでしょう。
注目すべきは、AYANEO Pocket Sが約14mmと薄型設計であるのに対し 、Pocket ACEは約18.4mmとやや厚みがある点です 。この厚みが、実際に手に持った際の安定感としっかりとしたグリップ感に繋がり、長時間のプレイでも疲れにくいというメリットを生み出しています。実際に、マットコーティングとカーブしたエッジの恩恵もあり 、手に吸い付くようにホールドできる感覚は、薄型機にはない安心感を与えてくれます。
レトロとモダンが融合した秀逸なデザイン、Pocket Sとの方向性の違い
AYANEO Pocket ACEの外観は、レトロゲームへの深いオマージュに満ちています。カラーバリエーションには、「シャドウダンスブラック」、「ライトブレードホワイト」といったシックな色合いに加え、往年の家庭用ゲーム機を彷彿とさせる「レトロパワー」が用意されており 、ノスタルジックな雰囲気を高めています。
一方のAYANEO Pocket Sもオブシディアンブラック、アイスソウルホワイト、さくらピンク、レトロパワーといった多彩なカラーがありましたが 、Pocket ACEはよりレトロテイストを前面に押し出したラインナップと言えるでしょう。
実際に手に持つと、約18.4mmという適度な厚みと、マットコーティングが施された4つのカーブしたエッジが手にしっくりと馴染み 、長時間のプレイでも安定したグリップ感が得られます。
AYANEO Pocket Sも高強度のCNC加工のボディとマットな質感を出すサンドブラスト加工が施された背面で快適な持ち心地でしたが 、Pocket ACEはより丸みを帯びたデザインで、優しく手にフィットする印象です。デザイン面での際立った特徴は、SE/STボタン(セレクト/スタートボタン)がディスプレイ上部に配置された「Retro Up-top D-pad Layout」です 。
これは、AYANEO Pocket Sの一般的なコントローラーレイアウト(マスターコントローラー搭載、ジョイスティック周りにRGBライトエフェクト )とは異なり、明確にレトロゲームの操作性を意識した設計です。例えば、「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」のような探索型アクションゲームで、頻繁に使用するメニュー操作などがより直感的に行えるはずです。
考え抜かれたポート配置、スピーカーデザインと先進機能
本体のポート類は、下側面にフル機能のUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポート(10Gbps、DP 1.4ビデオ出力対応)が1つ 、右側面にはmicroSDカードスロット(最大100MB/s)が配置されており 、充電やデータ転送、外部ディスプレイへの出力、そしてストレージ拡張といった基本的なニーズをしっかりと満たしてくれます。この配置はAYANEO Pocket Sと共通する部分が多いですが 、Pocket ACEのよりコンパクトな筐体にも無理なく収まっています。
電源ボタンは指紋認証センサーと一体化しており 、Androidスマートフォンと同様の感覚でスピーディかつ安全にロックを解除できる利便性は、Pocket Sからしっかりと受け継がれています 。
スピーカーの配置にも工夫が見られます。Pocket ACEは独自の「Lower Bezel Extension Design」を採用しており 、フロント下部にスピーカーが配置されています。
この設計により、ゲームプレイ中に手がスピーカーを覆ってしまうことを防ぎ、音が遮られることなくダイレクトに届くよう意図されています 。実際に音を聞いてみると、このフロント配置のおかげで音の没入感が高く、特に中音域がダイナミックに響くサウンドを楽しめました。
しかし、残念ながら3.5mmヘッドホンジャックはAYANEO Pocket S同様に搭載されていません。レトロ志向のデバイスだからこそ、有線イヤホンでの遅延のないオーディオ体験を期待していたユーザーにとっては、この点は少々残念に感じるかもしれません。有線イヤホンを使用したい場合は、USB-Cからの変換アダプタなどを別途用意する必要があります。
デザインと外観のまとめ:Pocket Sとの比較を添えて
- 開封時の特典:Pocket ACEは実用的な専用アクセサリー中心 、Pocket Sはクラウドファンディングでコレクターズアイテム的な特典も 。
- 第一印象と携帯性:Pocket Sよりも小型軽量化(ACE:約310g, S:約350g )を実現しつつ、高級感のあるしっかりとした質感。
- 厚みとグリップ感:ACEは約18.4mmとS(約14mm )より厚みがあるが、これが安定したグリップ感と長時間の持ちやすさに貢献 。
- ビルドクオリティ:ACEは高品質なプラスチックシェルとマットコーティング 、SはCNC加工ボディとサンドブラスト加工背面 。
- レトロデザイン:SE/STボタンが上部にある「Retro Up-top D-pad Layout」など、レトロゲームに最適化 。Sはより標準的なレイアウトでジョイスティックにRGBライト搭載 。
- カラーバリエーション:「シャドウダンスブラック」「ライトブレードホワイト」「レトロパワー」の3色展開で、よりレトロ感を強調 。Sも多彩なカラー展開あり 。
- ポート類:フル機能USB-CポートとmicroSDカードスロットを搭載 。配置はPocket Sと類似 。
- スピーカー配置:フロント下部に配置され、「Lower Bezel Extension Design」により音が遮られにくい設計 。
- 生体認証:電源ボタン一体型の指紋認証センサーによる快適なロック解除 。Pocket Sと共通 。
- ヘッドホンジャック:Pocket S同様に非搭載。
ディスプレイ:AYANEO Pocket ACE ~レトロゲームに最適化された4.5インチ鮮やかスクリーン~
ここでは、AYANEO Pocket ACEのディスプレイがいかにレトロゲームに適しているか、その画質の高さ、そして先行モデルであるAYANEO Pocket Sとの違いに焦点を当ててレビューしていきます。実際にゲームをプレイして感じた、このスクリーンの魅力を詳しくお伝えします。
基本スペックと息をのむ画質、Pocket Sとの比較
AYANEO Pocket ACEは、4.5インチのIPSオリジナルカラースクリーンを搭載し、解像度は1620×1080ピクセルです 。このサイズで433PPIという非常に高いピクセル密度を誇り、ドットを感じさせない精細な表示を実現しています 。さらに、sRGBカバー率130%という広色域により、色彩豊かなゲームの世界を忠実に再現してくれます 。輝度は400nitsで明るい環境下での視認性は確保されていると言えます。
一方、AYANEO Pocket Sは、より大きな6インチのディスプレイ(1080Pまたは1440Pの解像度オプション)を採用し、輝度は400nits、sRGB色域ボリュームは120%(カバー率は100%)です 。Pocket ACEは画面サイズこそ小さいものの、Pocket Sに匹敵する、あるいは部分的にはそれを上回る色再現性と、より高いピクセル密度によって、非常にシャープで鮮やかな映像体験を提供してくれます。
実際に「原神」のような色彩豊かなAndroidゲームの派手なアクションシーンをプレイしてみても、白飛びすることなく忠実な色が再現され、暗い洞窟を探検するような場面でも、キャラクターや背景がしっかりと視認でき、見づらさを感じることはありませんでした。有機ELディスプレイではありませんが、この60HzのIPSディスプレイで映し出される映像の美しさには、十分に満足できると感じました。
レトロゲームへの最適化:3:2アスペクト比という至高の選択
AYANEO Pocket ACEのディスプレイにおける最大の魅力は、何と言ってもレトロゲームに最適化された「クラシックな3:2アスペクト比」です 。これにより、例えばゲームボーイアドバンス(GBA)のタイトルをプレイする際に、画面をほぼピッタリと表示でき、当時の開発者が意図した通りの映像でゲームを楽しむことができます。AYANEO Pocket Sのディスプレイが一般的な16:9のアスペクト比であるのに対し 、Pocket ACEが明確にレトロゲーム体験を重視していることが、このアスペクト比の採用からも強くうかがえます。
もちろん、16:9のAndroidゲームや4:3のクラシックコンソールゲームをプレイすることも可能ですが、その場合は画面の上下または左右に黒い帯(レターボックス)が表示されることになります。この点は、画面全体を余すところなく使いたいというユーザーにとっては、少し好みが分かれるかもしれません。しかし、それを差し引いても、主要なターゲットであるレトロゲームとの相性の良さは抜群で、当時夢中になったゲームの世界に再び浸るには最高の環境と言えるでしょう。
没入感を高めるデザインと熟練のカラーチューニング
ディスプレイの画質だけでなく、そのデザインもゲームへの没入感を高める上で重要な役割を果たしています。AYANEO Pocket ACEは、同社のフラッグシップモデルにも採用されるボーダーレスフルスクリーンデザインを採用しており、非常に狭いベゼル幅によって、画面サイズ以上の迫力を感じさせてくれます 。実際に手に取ると、前面がフルガラスで覆われたデザインは高級感があり、マットなプラスチック製の本体とのコントラストも美しいです。
さらに、AYANEOが長年培ってきた熟練のカラーチューニング技術により、単にスペックが高いだけでなく、より鮮やかで明るく、繊細なグラフィック表現が実現されています 。これにより、ドット絵で描かれたレトロゲームの温かみのある色彩から、最新Androidゲームの鮮烈なエフェクトまで、あらゆるゲームを美しく描き出してくれます。
画面サイズに関する所感:万能ではないが魅力的な選択肢
4.5インチという画面サイズは、スマートフォンでプレイするようなAndroidゲームには十分な大きさだと感じました。しかし、壮大な世界観を持つRPG、例えば「崩壊:スターレイル」のようなゲームをプレイする際には、文字の細かさや情報量の多さから、もう少し大きな画面が欲しくなる場面もありました。このため、どのようなゲームをメインにプレイするかによって、この画面サイズに対する評価は変わってくるかもしれません。
個人的には、Pocket ACEの魅力を最大限に活かすには、やはり3:2アスペクト比と相性の良いレトロゲームや、比較的シンプルな操作性のAndroidゲームが中心になるのではないかと感じています。
ディスプレイのまとめ:レトロゲーム愛好家にとって最高の選択肢
- 基本スペック:4.5インチIPS、1620×1080解像度、433PPI、sRGBカバー率130%と高精細・広色域 。Pocket S(6インチ、1080P/1440P、400nits、sRGB120%ボリューム)と比較して小型ながらシャープで鮮やか 。
- 輝度:AYANEO公式400nits 、ハイビーム公式550nitsと情報に差異あり 。
- 画質:Androidゲームのアクションシーンでも白飛びなく忠実な色再現。暗所も見やすい。有機ELではないが満足のいくレベル。
- アスペクト比:レトロゲームに最適な3:2を採用 。Pocket Sの16:9とは明確な差別化。16:9や4:3ゲームでは帯表示あり。
- デザイン:ボーダーレスフルスクリーンと狭額縁で高い没入感 。前面フルガラスデザインも高級感を演出。
- カラーチューニング:AYANEO熟練の技術により鮮やかで繊細なグラフィックを実現 。
- 画面サイズ感:スマホゲームには十分だが、RPGなどでは小さく感じることも。プレイするゲームを選ぶ可能性あり。
操作性:AYANEO Pocket ACE ~レトロとモダンが融合した、指になじむコントロール系統~
ここでは、AYANEO Pocket ACEのコントローラー周りの特徴、特にレトロゲームへの最適化、各ボタンやジョイスティックの感触、豊富なカスタマイズ性、そして先行モデルであるAYANEO Pocket Sとの違いに焦点を当てて、実際に操作して感じたことを詳しくレビューしていきます。
レトロとモダンが融合したコントローラーレイアウト
AYANEO Pocket ACEは、AYANEO独自の「Master Controller」(マスターコントローラー)思想に基づいて設計されており、その操作感は細部にまでこだわりが感じられます。最大のデザイン的特徴は、SE/STボタン(SELECT/STARTボタンに相当)がディスプレイのすぐ上部に配置された「Retro Up-top D-pad Layout」でしょう。
この配置は、AYANEO Pocket Sのより標準的なコントローラーレイアウトとは一線を画し、明確にレトロゲームのプレイフィールを重視しています。例えば、「スーパーマリオワールド」のようなクラシックなプラットフォーマーをプレイする際、スタートやセレクトボタンへのアクセスが非常にスムーズです。
十字キーはかなりフラットな形状で、指先で操作するとコツコツとした確かな感触があります。左右対称のシンメトリカルなジョイスティックレイアウトの中で、この十字キーが自然な位置にあるため、コマンド入力も快適に行えました。
指になじむボタンと高精度なアナログ入力
ABXYボタンは導電性ラバーを採用しており、サラッとした平たい形状です。ボタンの遊びは少なく、しっかりと押し込める確かな感触があります。頻繁なボタン入力が求められる「魂斗羅スピリッツ」のようなアクションシューティングでも、快適に連打できました。ただ、他のAYANEO製品と比較すると、押下時にややパチパチとした音が目立つかもしれません。
L1/R1ショルダーボタンはメンブレンスイッチで、軽いタッチでもしっかりと反応してくれるため、素早い入力が可能です。
L2/R2トリガーには、高精度なリニアホールトリガーが採用されています。これにより、レースゲームでの微妙なアクセルワークや、シューティングゲームでの繊細なトリガーコントロールなど、プレイヤーの意図を正確にゲームへ反映させることができます。ストロークは長めで、アナログ入力の幅広さを感じさせます。
スタート、セレクト、ホーム、バックといった各種システムボタンは、やや小さめのタクトスイッチですが、カチカチとした明確なクリック感があり、硬さもちょうど良く押しやすい印象です。特に、透明なプラスチック製のAYAボタンは、デザイン上の良いアクセントにもなっています。
ジョイスティックの感触と配置について
アナログスティックには、ドリフト現象が起きにくく、デッドゾーン(反応しない領域)がない中型のホールセンシングジョイスティックが採用されています。ジョイスティックのトップは中央がわずかに凹んだフラット寄りの形状で、一般的な家庭用ゲーム機のコントローラーやNintendo SwitchのJoy-Conとは少し異なる感触です。
倒し込める角度は比較的大きく感じられ、表面のラバー素材は指に吸い付くようにフィットし、滑りにくいのが特徴です。もし標準のトップがしっくりこない場合でも、換装用のスティックやジョイスティックキャップを使用することで、操作感の印象を大きく変えることができるでしょう。
配置に関しては、左アナログスティックが十字キーの下に位置しています。そのため、左スティックをメインに使用する現代的な3Dゲームをプレイする際や、特定の持ち方、操作のクセによっては、快適さが左右される可能性も考慮しておく必要があります。
没入感を深めるバイブレーションとジャイロ機能
AYANEO Pocket ACEの操作体験を格段に向上させているのが、業界をリードする0916Bサージリニアモーターの初搭載です。このモーターが生み出す超広帯域のハプティックフィードバックは、まさに特筆すべき点。ゲームがネイティブに振動をサポートしていれば、爆発の衝撃やキャラクターの動きといった多次元的で繊細な振動をダイレクトに感じることができます。
さらに、XInputプロトコルにも対応しているため、Xboxのクラウドゲーミングやストリーミングプレイでも、コントローラーネイティブの振動体験が可能です。
注目すべきは「SoundTAPMagic」機能で、これはゲーム内のサウンドエフェクトをリアルタイムで解析し、振動に変換してくれるというもの。これにより、元々振動機能を持たないレトロゲームでも、臨場感あふれるフィードバックと共に楽しむことができます。例えば、「ロックマン2」のボス撃破時の効果音に合わせてズシリとくる振動は、新鮮な驚きをもたらしてくれました。
もちろん、AYASpaceを通じてボタンごとの振動を設定したり、モーター全体の振動強度を調整したりすることも可能です。この大型リニアモーターは、レトロハンドヘルドに搭載されるものとしては最大級と言っても過言ではないでしょう。また、6軸ジャイロスコープも内蔵しており、「スプラトゥーン」のような対応ゲームでは、直感的なモーションエイムも楽しめます。
豊富なカスタマイズ性と便利な機能
操作の自由度を高めるカスタマイズ機能も充実しています。本体右下にはTurboキーが配置されており、これを押すだけで事前に設定したパフォーマンスモード(例:省電力モードから最大パフォーマンスモードへ)を素早く切り替えることができます。これにより、ゲームの状況に応じて最適な処理能力を瞬時に選択可能です。
AYASpaceソフトウェア内では、詳細なボタンマッピング(キー割り当て)機能が提供されており、タッチパネル操作しか受け付けないAndroidゲームでも、AYANEO Pocket ACEの物理コントローラーで快適にプレイできるようになります。実際に試してみると、この機能は非常に便利で、操作の割り当ても直感的に行えました。
AYANEO独自の最適化が施されているとのことですが、一部の複雑な操作や、ゲームによっては設定に手間がかかる場合もあるかもしれません。しかし、SE/STボタンとHome/Turboボタンの機能を入れ替えたり、本体側面にあるLC/RCキーに短押し・長押しでそれぞれ異なる機能を割り当てたり、キーの連続送信設定やA-B・X-Yボタンのキー配置入れ替えなど、ここまでユーザーの好みに合わせて細かく設定できるのは大きな魅力です。
その他、電源ボタンには指紋認証機能が統合されており、Androidスマートフォンと同じような感覚で素早く安全にログインできるのは、日常的な使い勝手を大きく向上させています。AYANEO独自のAYASpaceシステムやAYAHomeランチャーは、各種設定へのアクセスを容易にし、
特にAYAボタン(AYASpaceボタン)を押すことで表示されるクイックメニューからは、パフォーマンス設定、ファンコントロール、画面輝度などをゲーム中でも手軽に変更できて非常に便利でした。
ただし、AYASpaceのゲームランチャー機能(フロントエンド)に関しては、ゲーム情報の取得などに手動での設定が必要な場面もあり、初心者にとっては少しハードルが高いと感じるかもしれません。
操作性のまとめ:レトロへの愛と現代技術の幸福な融合
- コントローラーレイアウト:SE/STボタンが画面上部にある「Retro Up-top D-pad Layout」でレトロゲームに最適化。Pocket Sの標準レイアウトとは異なるアプローチ。
- ボタン類:ABXYは導電性ラバーでしっかりとした押下感、L1/R1は軽いタッチのメンブレンスイッチ、L2/R2は高精度リニアホールトリガー。
- ジョイスティック:中型ホールセンシングジョイスティックでドリフトしにくくデッドゾーンなし。トップ形状と配置は好みが分かれる可能性あり。
- バイブレーション:業界初の0916Bサージリニアモーター搭載で強力かつ多彩なハプティックフィードバックを実現。SoundTAPMagic機能も搭載。
- ジャイロ機能:6軸ジャイロスコープによるモーションセンシングアシストエイム対応。
- カスタマイズ性:Turboキーでのパフォーマンス切り替え、詳細なボタンマッピング、各種キーの機能入れ替えなど非常に豊富。
- 便利機能:電源ボタン一体型指紋認証、AYASpaceによるクイック設定変更。ただしAYASpaceフロントエンドは設定に手間がかかる場合も。
メモリ・ストレージ・拡張性:AYANEO Pocket ACE ~高速仕様と外部拡張への対応~
ここでは、AYANEO Pocket ACEのメモリ(RAM)とストレージ(ROM)の仕様、そしてそれぞれの拡張性(内部増設・外部スロット)について、前モデル「AYANEO Pocket S」と比較しつつ解説します。
メモリ (RAM):仕様と拡張性
AYANEO Pocket ACEは、メモリ(RAM)の容量オプションとして8GB、12GB、16GBのモデルがラインナップされています。
規格には、LPDDR5X 8533Mbpsという非常に高速なものを採用しています。これは、より大型の上位モデルであった「AYANEO Pocket S」に搭載されているものと全く同じ規格です。この高速なメモリのおかげで、ゲームの起動やシーンの切り替え、複数のアプリを切り替える際の動作が非常にスムーズで、ストレスを感じません。
拡張性に関して、本機が採用するLPDDR5X規格のメモリは、スマートフォンや小型携帯機で一般的なオンボード(基板に直接はんだ付け)の仕様です。そのため、PCのメモリスロットのように、購入後にユーザーが自分でメモリを追加(増設)することはできません。これは「AYANEO Pocket S」とも共通する仕様であり、購入時に必要なメモリ容量(8GB、12GB、または16GB)を決定する必要があります。
ストレージ (ROM):仕様と拡張性
AYANEO Pocket ACEの内部ストレージ(ROM)は、128GB、256GB、512GB、1TBといった、複数の容量オプションが用意されています。
規格には、最新の超高速規格である「UFS 4.0」が採用されています。これは「AYANEO Pocket S」と共通の高速仕様です。UFS 4.0は、ゲームのインストール時間や、『原神』のような広大なマップのロード時間を劇的に短縮してくれます。
ただし、注意点として、128GBモデルのみUFS 3.1規格となります。これも「AYANEO Pocket S」と全く同じ仕様であり、コストとパフォーマンスのバランスを取った結果でしょう。
内部ストレージの拡張性については、メモリと同様に「換装・増設は不可」となっています。本機はM.2 SSDではなく「UFS 4.0」という規格のフラッシュメモリチップを基板に直接実装しているため、ユーザーが後からSSDに換装したり、増設したりすることはできません。
microSDカードは利用可
内部の拡張性がない一方で、携帯ゲーム機として非常に重要な外部ストレージ拡張には、microSDカードスロット(microSD 3.0、最大100MB/s)を搭載しています。このスロットは最大1TBまでのmicroSDカードに対応しています。これは「AYANEO Pocket S」とも共通の仕様です。
本体ストレージが最大1TBのモデルもありますが、PS2やゲームキューブなどのエミュレーターで遊び始めると、ゲームイメージ(ROM)はあっという間に容量を圧迫します。そんな時、比較的手頃な価格のmicroSDカードで手軽に容量を拡張できるのは、本機にとって必須の強みと言えます。
まとめ:メモリ・ストレージ・拡張性
- メモリ仕様:LPDDR5X 8533Mbps、容量は8GB / 12GB / 16GBのモデルあり。購入後の増設は不可
- ストレージ仕様:UFS 4.0、容量は128GB / 256GB / 512GB / 1TBのモデルあり。128GBモデルのみ規格がUFS 3.1
- ストレージ拡張性:内部ストレージの増設は不可。外部のmicroSDカードスロット(最大1TB、100MB/s)は利用可
- 総評:「Pocket S」と共通のオンボード仕様で内部拡張は不可だが、microSDによる外部拡張に対応
- 購入時の注意:内部アップグレードはできないため、購入時に必要なメモリとストレージ容量を決定する必要がある
バッテリー:AYANEO Pocket ACE ~6000mAhの大容量で長時間の冒険をサポート~
ここでは、AYANEO Pocket ACEの携帯型ゲーム機としての実用性を大きく左右するバッテリー持続時間と充電性能に焦点を当て、外出先でも安心してゲームの世界に没頭できるその魅力を、先行モデルAYANEO Pocket Sとの共通点や注意点も交えながらレビューしていきます。
長時間の冒険を支える大容量6000mAhバッテリー
AYANEO Pocket ACEは、6000mAhという大容量バッテリーを搭載しています 。これは、例えばiPhone 14のバッテリー容量(ファイルによると約4000mAh )と比較しても大幅に大きく、この大容量が長時間のゲームプレイをしっかりとサポートしてくれます 。まさに「バッテリー不安からの解放」 を実現してくれる心強い仕様と言えるでしょう。先行モデルであるAYANEO Pocket Sも同様に6000mAhのバッテリーを搭載しており、スタミナ面では両機とも高いレベルにあります。
実際に様々なゲームをプレイしてみたところ、平均的な使用状況であれば、フル充電から6~8時間程度の連続プレイが可能でした 。もちろん、ディスプレイの輝度設定やプレイするゲームの負荷、ワイヤレス機能の使用状況によって変動しますが、AYASpaceでパフォーマンス設定を少し調整することで、さらに駆動時間を延ばすことも期待できます。
ちなみに、Antutuベンチマークを最大輝度で実行し、全ての機能を最大限に活用するという非常に厳しい条件下でのテストでは、2時間55分のバッテリー駆動時間を記録しました 。この結果からも、通常のゲームプレイであれば十分な持続時間を持っていることがわかります。
スピーディーな充電:40W PD急速充電対応
せっかくの大容量バッテリーも、充電に時間がかかってしまっては魅力が半減してしまいます。その点、AYANEO Pocket ACEは40WのPD急速充電に対応しているため、万が一バッテリーが切れてしまっても、短時間で充電を完了させ、再びゲームの世界へと戻ることができます 。喫茶店で少し休憩している間にサッと充電して、また次の目的地までの移動中にプレイを再開する、といったアクティブな使い方にも応えてくれます。
このスピーディーな充電は、ゲームプレイの継続性を高めてくれる非常に便利な機能です。AYANEO Pocket Sも同様にPD急速充電に対応しており、この点は両機種に共通する強みです。
ただし、一点注意しておきたいのは、製品パッケージにはACアダプターが付属しておらず、USB Type-Cケーブルのみが同梱されているという点です 。40Wの性能を最大限に活かすためには、別途対応するPD充電器を用意する必要があります。この点は、個人的には少し残念に感じました。
賢く使うための省電力モード
AYANEO Pocket ACEには、パフォーマンスを調整することでバッテリー消費を抑える「Savingモード」などの省電力オプションが用意されています 。例えば、比較的負荷の軽いレトロゲームを長時間楽しみたい場合や、移動中に少しでも長くバッテリーを持たせたいといったシーンでこのモードを活用すれば、より効率的にバッテリーを使用できます。
AYANEO Pocket Sにも同様の「エコモード」が搭載されており、状況に応じたバッテリーマネジメントが可能です。常にフルパワーでなくても十分楽しめるゲームは意外と多いので、こういったモードを賢く使い分けることで、AYANEO Pocket ACEとのゲームライフをさらに豊かなものにできるでしょう。
バッテリーと充電のまとめ:安心して長時間楽しめるスタミナと利便性
- 大容量バッテリー:6000mAhを搭載し、iPhone 14(約4000mAh)を上回るスタミナを実現 。Pocket Sと共通。
- 長時間プレイ:平均的な使用で6~8時間の駆動時間を確保 。厳しい条件下でも約3時間の動作が可能 。
- 急速充電:40WのPD急速充電に対応し、短時間での充電が可能 。Pocket Sと共通。
- ACアダプター:非同梱のため、別途PD充電器の準備が必要 。
- 省電力モード:「Savingモード」などでバッテリー消費を抑え、より長時間の使用が可能 。Pocket Sにも同様のモードあり。
AYANEO Pocket ACEのメリット・デメリット ~他機種との比較で見る長所と弱点~
AYANEO Pocket ACEは、高性能なSnapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載し、特にレトロゲーム体験に焦点を当てた魅力的なAndroid携帯ゲーム機です。
しかし、市場には様々な特徴を持つ競合機種も存在します。ここでは、AYANEO Pocket ACEの長所と短所を、AYANEO Pocket S、Retroid Pocket 5、ANBERNIC RG557、AYANEO Pocket MICRO Classicといった他のAndroid携帯ゲーム機と比較しながら具体的に解説していきます。
AYANEO Pocket ACEのメリット
メリット1:トップクラスの処理性能
AYANEO Pocket ACEは、Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載しており、非常に高い処理性能を誇ります 。Antutuベンチマーク(V10)では約166万点というスコアを記録し 、これはMediaTek Dimensity 8300を搭載するANBERNIC RG557(約125万点)や、Snapdragon 865を搭載するRetroid Pocket 5(約84万点)を大きく上回ります 。
同じSoCを搭載するAYANEO Pocket Sと比較しても、ベンチマークテストでは僅かにACEが上回る場面も見られました 。これにより、最新のAndroidゲームから要求の高いエミュレーターまで快適に動作させることが可能です。
メリット2:レトロゲームに最適化された鮮やかなディスプレイ
4.5インチ、解像度1620×1080、433PPIという高精細なIPS液晶は、sRGBカバー率130%という広色域も相まって、鮮やかで美しい表示を実現します 。特にクラシックな3:2のアスペクト比は、ゲームボーイアドバンスなどのレトロゲームをオリジナルの比率で楽しむのに最適です 。
AYANEO Pocket Sの6インチ16:9ディスプレイや、Retroid Pocket 5(5.5インチOLED)、ANBERNIC RG557(5.48インチAMOLED)などと比較すると、画面サイズは小さいものの、レトロゲームへの特化という点では大きなアドバンテージとなります 。
メリット3:進化した革新的な振動体験
AYANEO Pocket ACEは、業界をリードする「0916B Surge Linear Motor」をAndroid携帯ゲーム機として初めて搭載しており、N54マグネットの採用により豊かで繊細なハプティックフィードバックを提供します 。これは、AYANEO Pocket Sに搭載されているX軸リニアモーターと比較しても明らかに進化しており 、ゲーム内の効果音と振動が連動する「SoundTAPMagic」機能と合わせて、これまでにない没入感のあるゲーム体験を実現します 。
メリット4:レトロゲーム向けのこだわりの操作性
SE/STボタンが画面上部に配置された「Retro Up-top D-pad Layout」は、レトロゲームの操作感を強く意識したデザインです 。また、ドリフト現象が起きにくくデッドゾーンのない中型ホールセンサージョイスティックと、高精度なリニアホールトリガーは、正確な入力操作をサポートします 。AYANEO Pocket Sのより標準的なコントローラーレイアウトとは異なり、ACEは明確にレトロゲーマーのニーズに応える操作系を備えています。
メリット5:コンパクトさと良好なグリップ感
約310gという重量は、AYANEO Pocket S(約350g)と比較して小型軽量化が図られています 。一方で、約18.4mmという適度な厚みは、手に持った際の安定感としっかりとしたグリップ感に貢献しており、長時間のプレイでも疲れにくい印象です 。Retroid Pocket 5(約280g)やAYANEO Pocket MICRO Classic(約227g)よりは重量がありますが、その分、高性能SoCを搭載している点を考慮すると、携帯性と性能のバランスは良好と言えるでしょう 。
メリット6:AYASpaceによる豊富な機能とカスタマイズ性
AYANEO独自の管理ソフトウェア「AYASpace」は、パフォーマンスモードの切り替え(新たにストリーミングモードが追加)、CPU/GPUのコア周波数調整、強化されたデバイス偽装機能、詳細なキーマッピングなど、多彩な機能と高いカスタマイズ性を提供します 。これにより、ユーザーは自身の好みに合わせて最適なゲーミング環境を構築できます。
AYANEO Pocket ACEのデメリット
デメリット1:価格の高さ
AYANEO Pocket ACEの通常価格は、12GB/256GBモデルで84,800円からとなっており 、これはRetroid Pocket 5(Amazonで約5万円)やANBERNIC RG557(Amazonで約4万円)、そして同じAYANEOブランドでもよりコンパクトなAYANEO Pocket MICRO Classic(Amazonで約3万円)といった他のAndroid携帯ゲーム機と比較すると、明らかに高価なモデルです 。
AYANEO Pocket S(Amazonで94,800円から)とは同程度の価格帯か、構成によってはACEの方が手頃になる場合もありますが、全体としてハイエンドクラスの価格設定と言えるでしょう 。
デメリット2:画面サイズとアスペクト比の汎用性
4.5インチという画面サイズは、特に壮大なRPGなどをプレイする際には、文字の視認性や情報量の点でやや小さく感じられる可能性があります 。また、3:2のアスペクト比はレトロゲームには最適ですが、16:9の現代的なAndroidゲームや4:3のクラシックコンソールゲームをプレイする際には、画面の上下または左右に黒い帯が表示されることになり、これを好まないユーザーもいるでしょう 。
大画面での汎用性を求めるなら、6インチ16:9ディスプレイのAYANEO Pocket Sの方が適しているかもしれません 。
デメリット3:ACアダプター非同梱とヘッドホンジャックなし
40WのPD急速充電に対応している点はメリットですが、製品パッケージにはACアダプターが付属しておらず、USB Type-Cケーブルのみが同梱されています 。
また、近年多くのデバイスで見られる傾向ではありますが、3.5mmヘッドホンジャックが搭載されていないため、有線イヤホンを使用したい場合は変換アダプタが別途必要になります 。Retroid Pocket 5やANBERNIC RG557といった機種ではヘッドホンジャックが搭載されているため 、この点は比較上のウィークポイントと言えます。
デメリット4:一部ソフトウェアの使い勝手と最適化
AYASpaceのフロントエンド機能(ゲームライブラリなど)は、一部手動での設定が必要な場合があり、初心者にとっては少しハードルが高いと感じられるかもしれません 。また、非常に高いパフォーマンスを持つ一方で、「Call of Duty: Warzone Mobile」のように一部のゲームでは起動しないという報告もあり、これは最適化の問題である可能性が示唆されています 。特定のゲームを目当てに購入する場合は、事前の動作確認情報などをチェックすることが推奨されます。
まとめ:AYANEO Pocket ACEのメリット・デメリット
AYANEO Pocket ACEは、トップクラスの処理性能、レトロゲームに最適化された美しいディスプレイとこだわりの操作性、そして革新的な振動体験といった多くのメリットを持つ一方で、価格の高さや画面の汎用性、一部の付属品の省略といったデメリットも存在します。
特にレトロゲームを最高の環境で楽しみたい、かつ携帯性と高性能を両立させたいと考えるユーザーにとっては、AYANEO Pocket ACEは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、より大きな画面で様々なコンテンツを楽しみたい、あるいはコストパフォーマンスを重視したいという場合には、AYANEO Pocket SやRetroid Pocket 5、ANBERNIC RG557といった他の機種も比較検討する価値があります。あなたのゲームスタイルや予算、重視するポイントを総合的に考慮して、最適な一台を見つけてください。
AYANEO Pocket ACEのスペック(仕様)
- ディスプレイ: 4.5インチ IPS液晶、解像度1620×1080、433PPI、sRGBカバー率130%、輝度400nits (ハイビーム公式オンラインストアでは輝度550nitsとの記載もあり )、ボーダーレスフルスクリーン
- CPU: Qualcomm Snapdragon® G3x Gen 2 Gaming Platform 、Kryo Prime Ultra Cores 最大3.36GHz (1+4+3 Octa-Core Architecture)
- GPU: Adreno™ A32 @1GHz
- RAM: LPDDR5X 8533Mbps、容量は8GB/12GB/16GBのオプションあり
- ROM: UFS 4.0 (128GB版のみUFS 3.1 )、容量は128GB/256GB/512GB/1TBのオプションあり
- 外部ストレージ: microSDカードスロット (最大100MB/s)
- バッテリー: 6000mAh
- 充電: 40W PD急速充電対応
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3
- ストリーミング: Xboxクラウドゲーミング、Steam Link、GeForce NOWなどに対応 。Xboxストリーミング時のメニュー呼び出しボタン搭載 。「ストリーミングモード」搭載で低遅延化 。
- インターフェース: フル機能 USB 3.2 Gen 2 Type-C (10Gbps) x1 、microSDカードスロット x1
- 映像出力: DP 1.4 (Type-Cポート経由)
- スピーカー: 本体下部からダイレクトに出力される構造
- 操作:コントローラー: マスターコントローラー 、ジョイスティック: 中型ホールセンサージョイスティック (ドリフトなし、デッドゾーンなし) 、トリガー: リニアホールトリガー
- 振動モーター: Surge Linear Motor (CSA 0916B) 、SoundTAPMagicサウンドバイブレーション機能 、XInputバイブレーション対応 、ボタンバイブレーション
- ジャイロスコープ: 6軸ジャイロスコープ
- その他ボタン: ホームボタン (エミュレータショートカット機能、Xboxストリーミングメニュー呼び出し) 、Turboキー (パフォーマンスモード切替) 、カスタマイズ可能なボタン (SE/ST、Home/Turbo、LC/RCキー)
- ソフトウェア: AYASpaceシステム、AYAHomeランチャー 、キーマッピング機能 、カスタムパフォーマンスモード 、デバイス偽装機能
- 冷却: 放熱銅板 5980mm²、放熱フィン 8400mm²、超薄型冷却ファン、アクティブエアアウトレット
- 筐体: 高度なUVコーティング処理
- OS: Android 13
- サイズ: 約176 x 82.5 x 18.4mm
- 重量: 約310g
- カラー: ShadowDance Black、Lightblade White、Retro Power
- 付属品: Type-Cケーブル (ACアダプターは付属していません) 。先行予約特典:専用キャリングポーチ、ジョイスティックキャップ、専用背面カバー、専用ガラスフィルム(全面)
AYANEO Pocket ACEの評価
7つの基準で「AYANEO Pocket ACE」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★☆ 4.5インチ3:2画面はレトロゲームに最適で高精細・広色域。ただRPG等では小さく感じ、16:9/4:3ゲームで帯表示が出る点は好みが分かれる。
パフォーマンス:★★★★★ Snapdragon G3x Gen 2搭載で最新Androidゲームもエミュレーターも非常に快適。冷却も強化され、Pocket Sをも凌駕する場面がある。
操作性: ★★★★☆ レトロ特化レイアウトと高精度な入力、革新的な振動は素晴らしい。ただ左スティック下配置とABXYボタンの音は好みが分かれる。
機能性:★★★★☆ AYASpaceによる多彩な設定、ストリーミングモードや進化した振動は魅力。ただACアダプター非同梱やヘッドホンジャック無しは惜しい。
デザイン:★★★★☆ 小型軽量で高品質なレトロデザインは所有欲を満たす。ただ他の中華ゲーム機に慣れていると大きく感じることも。
使いやすさ:★★★★☆ Androidベースで直感的だが、AYASpaceの一部設定はやや煩雑。指紋認証やクイックメニューは便利。
価格:★★★☆☆ 高性能だが、他Android携帯ゲーム機と比較すると高価。Pocket Sよりは一部手頃なモデルもあるが、コストパフォーマンス重視なら他機種も検討の余地あり。
総評:★★★★☆
レトロゲーム愛と最新技術が融合した、こだわりの一台
AYANEO Pocket ACEは、先行モデルであるAYANEO Pocket Sと同じ高性能なSnapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載しつつ、より明確に「レトロゲーム体験の追求」という方向に舵を切った意欲的なAndroid携帯ゲーム機です。その評価は星4つとしました。
際立つレトロゲームへの最適化と携帯性
最大の特徴は、4.5インチの3:2アスペクト比ディスプレイです。これにより、ゲームボーイアドバンスなどの往年の名作を、当時の感覚に近い最適な画面比率で楽しむことができます。この4.5インチスクリーンは1620×1080ピクセルと高解像度で、433PPIという高精細さを誇り、sRGBカバー率130%の広色域によって鮮やかな色彩表現も魅力 。ボーダーレスデザインも没入感を高めます 。
また、AYANEO Pocket Sと比較して小型・軽量化されたボディ(約310g)は携帯性に優れ、約18.4mmという適度な厚みがしっかりとしたグリップ感をもたらし、長時間のプレイでも疲れにくい設計となっています 。
こだわりの操作性とカスタマイズ性
操作系では、SE/STボタンを画面上部に配置した「Retro Up-top D-pad Layout」がレトロゲームの操作感を高めています 。フラットな形状でコツコツとした感触の十字キーや、導電性ラバーを採用したABXYボタン、軽いタッチでも反応するメンブレンスイッチのL1/R1ショルダーボタン、そして高精度なリニアホールトリガーなど、各操作系統へのこだわりが光ります 。中型のホールセンサージョイスティックはドリフトしにくくデッドゾーンがないため、精密な操作が可能です 。
また、AYANEO独自の管理ソフトウェア「AYASpace」は健在で、パフォーマンスモードの切り替え(新たにストリーミングモードも追加)、CPU/GPUの細かな調整、強化されたデバイス偽装機能、詳細なキーマッピングなど、ユーザーの好みに合わせた徹底的なカスタマイズが可能です。独立したHomeボタンや指紋認証機能なども、日々の使い勝手を向上させています。
妥協なきパフォーマンスと革新的な振動体験
プロセッサのSnapdragon G3x Gen 2は、最新のAndroidゲームを高設定で快適にプレイできるだけでなく、PS2やゲームキューブといった比較的処理の重いエミュレーターもスムーズに動作させるパワーを秘めています。ベンチマークスコアではPocket Sを僅かに上回る場面も見られ、強化された冷却システムがそのパフォーマンスを安定して支えています。
さらに注目すべきは、業界をリードする「0916B Surge Linear Motor」による振動体験です。ゲーム内の音と連動する「SoundTAPMagic」機能は、元々振動機能を持たないレトロゲームにも新たな命を吹き込み、これまでにない没入感を提供してくれます。
価格と注意点
一方で、その高性能と多機能性ゆえに、価格は他の多くのAndroid携帯ゲーム機と比較すると高価な部類に入ります。AYANEO Pocket Sよりは一部モデルで手頃な価格設定となっていますが、気軽に購入できる価格帯とは言い難いでしょう。また、ACアダプターが付属しない点や、ヘッドホンジャックが搭載されていない点は、一部のユーザーにとってはマイナスポイントとなる可能性があります。AYASpaceの多機能性は魅力ですが、一部設定の複雑さは初心者には少しハードルが高いかもしれません。
まとめ:こんな人におすすめ
AYANEO Pocket ACEは、PS2とSteamゲームをプレイするのに最適な一台です。
妥協のないSnapdragon G3x Gen 2のパフォーマンスにより、PS2のゲームを「2倍解像度・60fps」という実機を超える理想的な環境で快適に動作させることができます。
また、SteamのPCゲームについても、Wi-Fi 7と専用の「ストリーミングモード」を活用することで、遅延の少ない快適なストリーミングプレイ(Steam Link)が可能です。
もちろん、3:2のアスペクト比ディスプレイ、レトロ特化のボタンレイアウト、そして革新的な「SoundTAPMagic」振動機能は、GBA(ゲームボーイアドバンス)をはじめとするレトロゲームを最高の環境で楽しみたいと考える情熱的なゲーマーにとって、他のデバイスでは得難い満足感を与えてくれるはずです。
AYANEO Pocket Sが「6インチの大画面と汎用性」を求めるユーザー向けであるのに対し、Pocket ACEは「携帯性」と「PS2を含むレトロゲームへの特化」という明確な個性で勝負する一台です。価格に見合うだけの価値を見出せるならば、十分に購入する価値はあるといえます。
AYANEO Pocket ACEの価格・購入先
※価格は2025年11月16日に調査したものです。価格は変動します。
ハイビーム 公式オンラインストア
- シャドウダンスブラック 12GB/256GB:84,800円(税込)、
- ライトブレードホワイト 12GB/256GB:84,800円(税込)、
- シャドウダンスブラック 16GB/512GB:94,800円(税込)、
- ライトブレードホワイト 16GB/512GB:94,800円(税込)、
- レトロパワー 16GB/1TB:99,980円(税込)、
で販売されています。
ハイビーム 公式オンラインストアで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
ECサイト
- Amazonで84,800円(Snapdragon G3X Gen2 12GB/256GB・※16GB/1TB レトロパワーモデルは99,800円)、
- 楽天市場で84,800円(税込・送料無料)、
- ヤフーショッピングで84,800円、
- AliExpressで80,265円、
- 米国 Amazon.comで$549.99、
で販売されています。
Amazonで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
楽天市場で「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
ヤフーショッピングで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
AliExpressで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
米国 Amazon.comで「AYANEO Pocket ACE」をチェックする
※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説
おすすめのライバル機種と価格を比較
AYANEO Pocket ACEに似た性能をもつ携帯ゲーム機も販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
ANBERNIC RG 476H
ANBERNICから発売された4.7インチのAndroid 13携帯ゲーム機です(2025年9月 発売)。
Android 13、Unisoc T820 (6nm オクタコア)、8GB LPDDR4X メモリ、128GB UFS2.2 ストレージ、解像度 1280×960のLTPS インセルディスプレイ(4:3)、5000mAh ポリマーリチウムバッテリー、micro SDカードスロットを搭載しています。
また、デュアルスクリーン(2画面)表示(NDS・3DS対応)、USB Type-Cによる1080p DisplayPort出力、30種類以上のエミュレーター(Androidゲーム対応)、リフレッシュレート最大120Hz、AI機能「Anbernic AI」(リアルタイム翻訳、ゲーム攻略アシスタント、画像生成など)、大角度3Dホールジョイスティック、ホールトリガー、キーマッピング機能を搭載。
ストリーミング、ワイヤレス画面投影、オンラインマルチプレイヤー、六軸ジャイロセンサー、高音質ステレオスピーカー、振動モーター、高速ファン+ヒートパイプによるアクティブ冷却、USB Type-Cポート、3.5mmステレオイヤホンジャック、2.4/5G WIFI、Bluetooth 5.0にも対応しています。
価格は、Amazonで26,888円(税込)、AliExpressで25,586円、米国 Amazon.comで$189.99、ANBERNIC日本公式サイトで24,022円、です。
関連記事:ANBERNIC RG 476Hレビュー!フルスクリーンでDSも快適になる
Amazonで「ANBERNIC RG 476H」をチェックする
ANBERNIC RG 477M
ANBERNICから発売された4.7インチのAndroid携帯ゲーム機です(2025年8月 発売)。Android 14、Dimensity 8300、12GB LPDDR5、解像度1280×960 pxのLTPSインセルディスプレイ、5300mAhバッテリーを搭載しています。
また、AI機能(リアルタイム翻訳、ワンクリックゲームガイドなど)、30種類以上のエミュレーター、Androidゲーム、2つの3Dホールジョイスティック、高忠実度デュアルスピーカー、1080pのディスプレイポート映像出力、RGBライト、キーマッピング機能「Keymapp」、アクティブ冷却システム、27W急速充電に対応。
最大2TBまでのTFカード拡張、RGBライト、ゲームの追加、セーブ機能、Type-Cポート、振動モーター、ストリーミングプレイ、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3にも対応しています。
価格は、Amazonで44,888円(税込・12GB+256GB)、AliExpressで39,828円(ROMなし)、米国 Amazon.comで$299.99、です。
関連記事:ANBERNIC RG 477M 徹底レビュー!PS2も余裕で動く性能を評価
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AYANEO Pocket S
AYANEOから発売された6インチの携帯ゲーム機です(2024年7月上旬に発売開始)。
Android 13、Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2、12GB / 16GB LPDDR5X メモリ、解像度 2560 x 1440 pxの液晶、128GB UFS 3.1 / 512GB UFS 4.0 ストレージ、6000 mAhバッテリー搭載で、
マスターコントローラー、指紋認証(電源ボタンにセンサー)、冷却システム、PD急速充電、SoundTAPMagic サウンドバイブレーション、Xインプット振動、X軸リニアモーター、ホールセンシング・ジョイスティック、リニアホール・トリガー、USB 3.2 Gen2 Type-C (data/PD/DP) x1、microSDカードスロット x1、ボタン(ターボボタン、ホームボタン)、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで104,800円(税込)、楽天市場で54,980円(中古)、ヤフーショッピングで54,980円(中古)、です。
関連記事:「AYANEO Pocket S」のCPU性能、原神のFPS、できること
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Retroid Pocket 5
Retroid Pocketから発売された5.5インチの携帯ゲーム機です(2024年9月10日 発売)。
Android 13、Qualcomm Snapdragon 865、8GB LPDDR4x メモリ、フルHDのOLED(有機EL)液晶、128GB UFS 3.1ストレージ、5000 mAhバッテリー、TFカードスロット、3.5mmイヤホンジャックを搭載しています。
また、27W急速充電、DP映像出力、3Dホールスティック、アナログジョイスティックR2/L2、ストレージの拡張、USB Type-C (OTG)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1に対応しています。
価格は、Amazonで71,920円(税込)、AliExpressで28,479円、米国 Amazon.comで$258.00、です。
関連記事:「Retroid Pocket 5」とPocket 4 /4Proの違いを解説
Amazonで「Retroid Pocket 5」をチェックする
ANBERNIC RG557
ANBERNICから発売された5.48インチのAndroid携帯ゲーム機です(2025年4月26日 発売)。
Android 14、MediaTek Dimensity 8300プロセッサー、12GB LPDDR5X RAM、解像度1920*1080のAMOLED液晶、5500mAhバッテリー、TFカードスロット(最大2TB)を搭載しています。
また、DisplayPort映像出力、高解像度静電容量式ジョイスティック(RGBライティング付)、27W急速充電、アクティブ冷却(高速ファン+ヒートパイプ採用)、ホールトリガー、6軸ジャイロ、振動モーター、
ストリーミング(Moonlightなど)、ワイヤレス画面投影、デュアルスピーカー、USB Type-C (OTG)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで40,999円(税込)、AliExpressで36,751円(ROMなし)、米国 Amazon.comで$289.99、です。
関連記事:ANBERNIC RG557徹底レビュー!PS2/GCエミュ性能とRG556比較
Amazonで「ANBERNIC RG557」をチェックする
AYANEO Pocket MICRO Classic
AYANEOから発売された3.5インチのAndroid携帯ゲーム機です(2025年3月5日 発売)。
Android 13、MediaTek Helio G99、Arm Mali-G57 MC2 GPU、6GB/8GB LPDDR4X 4266Mbps、128GB/256GB UFS 2.2ストレージ、960 x 640 pxのボーダレスIPSディスプレイ、2600 mAhバッテリーを搭載しています。
また、ジョイスティックレスデザイン、フレームに溶け込むボタン、進化したショルダーボタン、6軸ジャイロスコープ、マスターコントローラー(L1 L2/R1 R2)、薄膜マイクロアクションボタン、ホームボタン、エミュレータショートカット/ストリーミングコールアウトメニュー、SoundTAPMagicサウンド振動、
Xinput振動、Xboxクラウドゲーム、マルチシーンパフォーマンスモード、キーマッピング、AYASpace、Google Playストア、指紋認証、Micro SDカードスロット(SD 3.0)、USB Type-C、USB 2.0(OTG)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2に対応しています。
価格は、Amazonで36,800円(税込)、楽天市場で31,980円(中古品・送料無料)、AliExpressで45,682円、です。
関連記事:AYANEO Pocket MICRO Classic レビュー!変更点とできること
Amazonで「AYANEO Pocket MICRO Classic」をチェックする
他のAYANEO ポータブルゲーミングPCと比較
他にもAYANEO のポータブルゲーミングPCが販売されています。2024モデルや2画面のものなどもあるのでぜひ比較してみてください。
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その他のおすすめ携帯ゲーム機は?
その他のおすすめ携帯ゲーム機は以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。
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