ANBERNIC RG Slide徹底レビュー!PSP Goより優秀な性能?

ANBERNIC RG Slide 本体ブラック 斜め
2025年6月20日、ANBERNICから待望の新作「ANBERNIC RG Slide」が発売されます。往年の名機であるPSP Goを彷彿とさせる、ユニークなスライド式デザインを採用したことで、発表直後から多くのガジェット好きやゲームファンの間で早くも大きな注目を集めています。

ANBERNIC RG Slideの魅力

「ANBERNIC RG Slide」の最大の魅力は、他に類を見ないユニークなハードウェアと、ゲーム体験を革新するインテリジェントなソフトウェアの融合にあります。スライド式のボディには、4.7インチのLTPS In-Cellディスプレイを搭載。1280×960というレトロゲームに最適な解像度でありながら、最大120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、驚くほど滑らかな操作感を実現しています。

また、Unisoc T820プロセッサー、8GBのLPDDR4X RAM128GBのUFS2.2ストレージを搭載。『原神』や『Call of Duty Mobile』といった人気Androidゲームはもちろん、一部のNintendo Wiiタイトルまでエミュレートできるほどの十分な性能を備えています。

さらに、本機を唯一無二の存在にしているのが、自社開発のAIアシスタント機能です。ゲームの攻略法を教えてくれるアシスタント機能や、海外のゲームの壁を取り払うリアルタイム翻訳機能など、これまでの携帯ゲーム機の常識を覆す便利な機能を利用できます。

そのほかにも、映像出力に対応したUSB Type-Cポート、デュアルジョイスティックによる優れた操作性、PCゲームも楽しめるストリーミングプレイ、ゲームのサウンドを盛り上げる高品質ステレオスピーカーなど、魅力が満載です!

この記事で「ANBERNIC RG Slide」を徹底解剖!

この記事では、発表されたばかりの最新鋭機「ANBERNIC RG Slide」が秘める性能や独自機能、そして実際の使い勝手について、徹底的に深掘りしていきます。

特に、強力なライバル機である「Retroid Pocket Flip 2」との比較に焦点を当て、スペックや価格、操作性や独自機能など、あらゆる角度からその違いを明らかにしていきます。それぞれのデバイスがどのようなユーザーに最適なのか、その答えが見つかるはずです。

この記事で分かること

  1. ANBERNIC RG Slideの最新の発売日と価格・購入先
  2. Unisoc T820の実力を含む、詳細なスペックとパフォーマンス
  3. Antutuベンチマークスコアと他の人気携帯ゲーム機との性能比較
  4. 120Hzディスプレイの実際の見え方と有機ELとの違い
  5. 革新的なAI機能(リアルタイム翻訳・ゲーム戦略アシスタント)の詳しい使い方と実用性
  6. 十字キーやジョイスティックの操作性レビュー
  7. バッテリーの持続時間と、静かで強力な冷却性能
  8. 主要なライバル機「Retroid Pocket Flip 2」との徹底比較
  9. メリット・デメリットと、どんな人におすすめか
  10. 項目別の5段階評価と総合的なレビュー

この記事を最後まで読むことで、「ANBERNIC RG Slide」が本当に必要なのか、「買い」のデバイスなのか、その答えがはっきりと分かるはずです。購入を迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この製品の購入はこちら→ Amazon リンクAliExpress リンク

公式ページ:ANBERNIC RG Slide

価格をチェック!ANBERNIC RG Slideは他の携帯ゲーム機よりも安い?

ANBERNIC RG SlideでAndroidゲームをプレイする様子

ANBERNIC RG SlideはANBERNIC公式サイトで$179.99 USD (日本円で約 26126円)で販売されます。

ECサイトのAmazonAliExpressでもまもなく販売が開始される予定です。

ANBERNIC RG557

2025年4月26日に発売された「ANBERNIC RG557」はAmazonで41,999円で販売中です。こちらは、MediaTek Dimensity 8300プロセッサーと12GBの大容量LPDDR5X RAMを搭載し、Android 14で動作する高性能な携帯ゲーム機です。5.48インチのAMOLEDディスプレイは1920×1080の高解像度で、鮮明な映像を楽しめます。高解像度静電容量式ジョイスティックやホールトリガー、アクティブ冷却システムを備え、快適な操作性と安定したパフォーマンスを提供。DisplayPort映像出力やWi-Fi 6Eにも対応し、多彩なプレイスタイルを実現します。

ANBERNIC RG406H

2024年11月19日に発売された「ANBERNIC RG406H」はAmazonで28,999円で販売中です。こちらは、Unisoc T820プロセッサーと8GB LPDDR4X RAMを搭載し、Android 13で動作する4インチ横型携帯ゲーム機です。4:3比率のIPS液晶はレトロゲームとの相性が抜群。ホールジョイスティック、ホールトリガー、RGBライト、そして冷却システムを搭載し、快適なプレイ環境を提供します。Google Playストアにも対応し、多くのエミュレーターやアプリを利用可能。コンパクトながらも充実した機能で、幅広いゲームを楽しめる一台です。

Retroid Pocket Flip 2

2025年4月に発売された「Retroid Pocket Flip 2」はAliExpressで35,393円で販売中です。こちらは、ゲームボーイアドバンスSP風のフリップデザインが魅力的な携帯ゲーム機です。プロセッサーはQualcomm Snapdragon 865またはMediaTek Dimensity D1100を選択可能で、Android 13で動作。5.5インチのAMOLEDディスプレイは1920×1080の高解像度で、鮮やかな色彩表現が特徴です。3Dホールスティック、アナログL2/R2トリガー、アクティブ冷却システムを搭載し、快適な操作性を追求。DisplayPort出力やWi-Fi 6にも対応しています。

Odin2 Mini

2024年5月に発売された「Odin2 Mini」はAliExpressで57,533円で販売中です。こちらは、Qualcomm Snapdragon 8 Gen2という強力なプロセッサーを搭載した、Android 13で動作する5インチ携帯ゲーム機です(PSP風デザインを採用)。注目すべきは最大輝度1100nitを誇るMini LEDディスプレイで、圧倒的な映像美を実現します。ホール効果採用のアナログジョイスティックとトリガーボタン、Wi-Fi 7、65W急速充電といった最先端技術も満載。コンパクトなボディに最高クラスの性能を凝縮し、妥協のないゲーミング体験を提供します。

まとめ:価格の比較

ANBERNIC RG Slide」の価格は約26,126円とされており、今回比較対象として挙げられている他の携帯ゲーム機(ANBERNIC RG557:41,999円、ANBERNIC RG406H:28,999円、Retroid Pocket Flip 2:35,393円、Odin2 Mini:57,533円)の価格帯と比較すると、最も安価です。したがって、「ANBERNIC RG Slide」はずばり「安い」と言えるでしょう。

最も安くお買い得なモデルとしては、この「ANBERNIC RG Slide」が挙げられます。他の機種はそれぞれ高性能なCPUや大画面ディスプレイ、特殊な機能などを備えていますが、純粋な初期投資額を抑えたいユーザーにとっては、この価格は大きな魅力です。もちろん、最終的な「お買い得感」はスペックや実際の使用感とのバランスによって左右されますが、提示された価格情報に基づけば、ANBERNIC RG Slideが最も手頃な選択肢であり、コストパフォーマンスに優れた一台となる可能性を秘めています。

デザイン:ANBERNIC RG Slide、懐かしさと堅牢性を両立したスライドボディ

ANBERNIC RG Slideの側面

ここでは、ANBERNIC RG Slideの最も特徴的な部分であるデザイン、携帯性、そして拡張性について、実際に手に取って感じた感動をお伝えします。スライド機構という懐かしいギミックが現代の技術でどう昇華されたのか。そして、比較対象としてクラムシェル型の「Retroid Pocket Flip 2」を隣に置くことで、それぞれの設計思想の違いを明らかにしていきます。

所有欲を満たす金属ボディと心地よいスライド機構

ANBERNIC RG Slideを初めて手にしたとき、そのずっしりとした重みと金属製のひんやりとした質感が、安価な携帯ゲーム機とは一線を画す高級感を伝えてきました。かつての名機、PSP Goを彷彿とさせるデザインですが、四隅が角ばっていたPSP Goに対し、本機は全体的に丸みを帯びた形状で、閉じた状態でのホールド感は非常に良好です。カラーバリエーションはシックなブラックホワイトの2色展開で 、ミニマルで洗練された印象を受けます。

このデバイスの真骨頂は、やはりスライド機構にあります。親指でスクリーンを押し上げると、カシャリと小気味良い感触と共に操作部が現れる体験は、ガジェット好きの心をくすぐります。スプリング式レールのおかげで動きは驚くほどスムーズで、遊びやがたつきは一切感じられません。ただ、スライド後の操作部はややコンパクトな印象で、手の大きい私には少し窮屈に感じられることもありました。

サイズ・重量・カラーで見る携帯性と個性

携帯性を数値で比較してみましょう。ANBERNIC RG Slide長さ15.4cm x 幅9cm x 厚さ2.6cm 、重量約379gです 。対するRetroid Pocket Flip 2は、長さ約14.1cm x 幅9cm x 厚さ2.4cm 、重量306g 。実際に両方を手に取ると、この約70gの差は明らかで、RG Slideのほうがより重厚感があります。この重さが高級感に繋がっている一方、一日中バッグに入れて持ち運ぶなら、少しでも軽いFlip 2に魅力を感じます。

デザインの方向性も対照的です。RG Slideのモダンな2色に対し、Flip 2は「Ice Blue」や「16 Bit US」、そして私が特に気に入っている「GC(ゲームキューブ)」といった、レトロゲーム機を彷彿とさせる多彩なカラーを展開しています 。この遊び心あふれるカラー選びは、Flip 2の大きな魅力の一つです。

拡張性を高める実用的なポート類

ANBERNIC RG Slideの底面ポート

インターフェースの配置は非常に実用的です。本体下部に3.5mmイヤホンジャックと充電用のUSB Type-Cポートが、右側面に電源ボタンと音量ボタン、そして左側面には最大2TBまで対応するTFカードスロットが配置されています 。特に感動したのは、USB Type-Cポートが1080pのDisplay Port出力に対応している点です 。例えば、外出先で『原神』をプレイし、家に帰ってからはUSB-Cケーブル一本でテレビに接続。コントローラーをBluetoothで繋げば、すぐに大画面で冒険の続きを楽しめるのです。

このシームレスな移行体験は、本機が単なる携帯機ではなく、家庭用ゲーム機としても機能することを示しています。Retroid Pocket Flip 2も同様にUSB-Cからの映像出力に対応していますが 、一部のレビューで指摘されているように、TFカードスロットが非常に扱いにくいのが難点でした。その点、RG Slideはストレスなくカードの交換ができ、細かな使い勝手への配慮が感じられます。

ANBERNIC RG Slideの接続ポート 一覧

  • 側面・・・・右側面に電源ボタンと音量ボタン。左側面にマイクロSDカードスロット。
  • 下部(底面)・・・・3.5mmイヤホンジャック、LEDインジケーター、USB Type-C。

まとめ:デザイン(携帯性、接続ポート)

  • デザインと質感:PSP Goを彷彿とさせつつ、より丸みを帯びた金属製のボディは高級感があり、所有欲を満たしてくれる。
  • スライド機構:スプリングアシストによるスムーズな開閉は、触っているだけで楽しいギミック。
  • サイズと重量の比較:約379g、長さ15.4cmと 、Retroid Pocket Flip 2(306g、約14.1cm) よりも重く長い。この重厚感が高級感に繋がる一方、携帯性ではFlip 2がやや有利。
  • カラーバリエーション:モダンでシックなブラック、ホワイトの2色展開 。対照的にFlip 2はレトロテーマの多彩なカラーが魅力 。
  • 拡張性:USB Type-C経由での1080p映像出力に対応し 、携帯機と据え置き機の2-in-1として活用できる。TFカードスロットのアクセス性も良好。

ディスプレイ:ANBERNIC RG Slide、120Hzが切り開く滑らかなゲーム世界

ANBERNIC RG SlideでDC版クレイジータクシーをプレイする様子。

ここでは、ゲーム体験の中核とも言えるディスプレイの品質に焦点を当てます。ANBERNIC RG Slideが誇る最大120Hzの高リフレッシュレート液晶は、ゲームの視覚体験をどう変えるのか。その対極として、より大きく、鮮やかな有機EL(AMOLED)を搭載した「Retroid Pocket Flip 2」が存在します。滑らかさを取るか、色彩と画面サイズを優先するか、実際に様々なゲームをプレイして感じた違いを詳しく解説していきます。

120Hzがもたらす、未体験の滑らかさ

ANBERNIC RG Slideの電源を入れ、メニュー画面をスワイプした瞬間に、その真価の一端に触れることができました。120Hz駆動のディスプレイがもたらす圧倒的な滑らかさは、一般的な60Hzの画面とは別次元の体験です。特に、セガの名作『ソニックアドベンチャー』のようなハイスピードなアクションゲームでは、キャラクターの動きや背景のスクロールが驚くほどクリアに見え、操作との一体感が格段に向上しました。

4.7インチという画面サイズは、手に持った際にちょうど良い大きさだと感じます 。解像度は1280×960と十分高く、アスペクト比が4:3で、PSPやドリームキャストといった少し前の世代のゲームも、画面いっぱいに美しいグラフィックで楽しめました 。

※PSP(16:9)は一部のゲームで画面の下に黒帯が生じました。

また、タッチスクリーンにも対応しており、スライドを閉じた状態では、Androidのゲームを遊んだり、ブラウジングをしたりと、まるで小型のタブレットのように直感的に使える点も便利です 。

色彩と没入感で魅せるRetroid Pocket Flip 2

一方、Retroid Pocket Flip 2のディスプレイは、また違った方向性で私を感動させてくれました。こちらは5.5インチの有機EL(AMOLED)スクリーンを搭載しており、電源を入れた瞬間にその差は歴然です 。黒が本当に沈み込むように深く、色彩は息をのむほど鮮やか。レトロゲームですら、まるで最新のリマスター版をプレイしているかのような感動がありました 。

画面サイズが大きく、ベゼルも狭いため、ゲームへの没入感はFlip 2のほうが一枚上手だと感じます 。クラムシェル型なので顔と画面の距離が近くなることも、その感覚を強めているのでしょう 。また、蓋を閉じるだけで傷や指紋から画面を保護できるという物理的な安心感は、クラムシェルデザインならではの大きなメリットです 。

「滑らかさ」か、「美しさ」か

この二つのデバイスの選択は、まさに「体験の質」をどこに求めるかという問いに他なりません。ANBERNIC RG Slideの120Hzディスプレイは、アクションゲームやシューティングゲームにおいて、間違いなくプレイヤーにアドバンテージを与えてくれます。しかし、液晶(LTPS)であるため、色の表現や黒の締まりでは、どうしてもFlip 2の有機ELに一歩譲ります。特に暗いシーンが多いホラーゲームや、屋外でのプレイでは、Flip 2のほうが見やすいと感じる場面がありました。

結論として、もし競技性の高いゲームで最高のパフォーマンスを求めるなら、RG Slideの滑らかさは唯一無二の武器になります。一方で、あらゆるジャンルのゲームを最高の色彩表現と没入感でじっくりと味わいたいのであれば、Retroid Pocket Flip 2の美しく大きな有機ELスクリーンが、より豊かな時間を提供してくれるでしょう。

まとめ:ディスプレイ

  • ANBERNIC RG Slideの魅力:最大120Hzの高リフレッシュレートがもたらす圧倒的な滑らかさが特徴 。アクションゲームでの視認性が格段に向上する。4.7インチの画面は4:3に近いアスペクト比でレトロゲームとの相性も良い 。
  • Retroid Pocket Flip 2の魅力:5.5インチの大型有機EL(AMOLED)ディスプレイによる、鮮やかな発色と深い黒の表現が圧巻 。クラムシェル型のため画面が保護され、没入感も高い 。
  • 性能のトレードオフ:RG Slideは滑らかな動きに特化しているが、液晶のため発色やコントラストでは有機ELに劣る。Flip 2は色彩表現に優れるが、リフレッシュレートは60Hz 。
  • 選択の基準:ゲームにおける応答性や動きの滑らかさを最優先するならRG Slide、色彩の美しさや映像への没入感を重視するならFlip 2が最適な選択となる。

パフォーマンス:ANBERNIC RG Slide、心臓部で知るその実力と限界

ANBERNIC RG Slideで原神をプレイしている様子

ここでは、ANBERNIC RG Slideのパフォーマンス、つまり「どれだけ快適にゲームを遊べるのか」という核心に迫ります。まず、本機の頭脳であるCPUの性能を、上位クラスのCPUを搭載する「Retroid Pocket Flip 2」と比較することで客観的な立ち位置を明確にします。その上で、ANBERNIC RG Slideが実際のゲームプレイでどのような体験をもたらすのか、そしてそれを支えるメモリやストレージの性能について、詳しく解説していきます。

CPU性能直接対決:Unisoc T820 vs. Snapdragon 865

ANBERNIC RG Slideには、8コアの「Unisoc T820」(Cortex-A76コア)が搭載されています。一方、価格帯が上のRetroid Pocket Flip 2は、より高性能な「Snapdragon 865」(Cortex-A77コア)を採用しています。この二つのCPUの最大の違いは、パフォーマンスを担うコアの世代です。RG Slideが採用する「Cortex-A76」に対し、Flip 2の「Cortex-A77」はより新しく、処理能力で勝ります。

加えて、グラフィック性能を左右するGPUも、RG Slideの「Mali-G57」に対してFlip 2は「Adreno 650」を搭載。これらを総合すると、Flip 2がより高負荷な処理に強い、明確な上位モデルであることがわかります。

RG Slideの実力:エミュレーション性能を徹底検証

このハードウェア性能を念頭に、RG Slideを実際に試しました。まずPlayStation 1では、名作『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を高解像度化しても、全くカクつくことなく滑らかに動作。ドリームキャストの『クレイジータクシー』も、あの爽快なドライブを完璧に楽しめました。

次に、より高い性能を要求されるゲームキューブに挑戦。『ゼルダの伝説 風のタクト』を2倍解像度でプレイしたところ、グラフィック設定を「Vulkan」にすることで、広大な海の冒険をスムーズに体験できました。PSPの『ゴッド・オブ・ウォー:オリンポスの鎖』も快適そのものです。

しかし、このデバイスの限界も見えました。特に処理が重いことで知られるPS2版の『ゴッド・オブ・ウォーII』では、フレームレートが安定せず、快適なプレイは困難でした。この結果から、RG SlideはゲームキューブやPSPあたりまでを非常に得意とし、PS2はタイトルを選ぶ、という性能特性が明らかになりました。

RG SlideのAndroidゲーム性能

エミュレーターだけでなく、ANBERNIC RG SlideはAndroidゲーム機としても非常に有能です。人気のオープンワールドゲーム『原神』は、グラフィック設定を「低」にすることで快適に動作。長時間のプレイでは本体背面のファンがしっかりと熱を排出し、パフォーマンスの低下を防いでくれました。『マインクラフト』や『Call of Duty Mobile』のような人気タイトルも問題なく楽しめ、Google Playストアの豊富なゲーム資産を活かせる一台です。

快適性を支えるメモリとストレージの速度

パフォーマンスを語る上で、メモリとストレージの役割は欠かせません。メモリは、両機ともに8GBのLPDDR4Xを搭載。最大4266Mbpsという高速なデータ転送により、ゲーム中のデータ読み込みやアプリの切り替えがスムーズに行われます。

しかし、ストレージの速度では明確な差があります。RG SlideUFS 2.2は最大転送速度が約6Gbpsであるのに対し、Flip 2が採用するUFS 3.1は、その倍以上の速度を誇ります。この差は、大容量ゲームのインストールや、マップ移動が多いゲームのロード時間で顕著に現れ、Flip 2のほうがよりキビキビと動作する感覚がありました。

まとめ:パフォーマンス

  • CPUの性能比較:RG SlideのUnisoc T820(Cortex-A76コア)に対し、Retroid Pocket Flip 2のSnapdragon 865(Cortex-A77コア)は、コアアーキテクチャとGPU性能で明確に上位。これにより、高負荷な処理能力に差が生まれる。
  • ANBERNIC RG Slideのエミュレーション能力:PS1の『悪魔城ドラキュラX』やDCの『クレイジータクシー』は高設定でも極めて快適。GCの『ゼルダの伝説』なども設定次第でスムーズに動作するが、PS2の『ゴッド・オブ・ウォーII』など、特に重いタイトルは不得意。
  • ANBERNIC RG SlideのAndroidゲーム性能:『原神』はグラフィック低設定で快適にプレイ可能。アクティブ冷却ファンが安定したパフォーマンスを支える。
  • メモリとストレージ:両機とも最大4266Mbpsの高速な8GB RAMを搭載し、安定したマルチタスクが可能。ストレージはFlip 2が倍以上の転送速度を持つUFS 3.1を搭載し、ロード時間で有利。
  • 総合評価:コストパフォーマンスに優れた実用的な性能。最新・最高の3Dゲームを高設定でプレイするには力不足な場面もあるが、ゲームキューブやPSP世代までのゲームを遊びつくしたいユーザーにとっては、非常に満足度の高いパフォーマンスを提供する。

Antutuベンチマーク

ANBERNIC RG SlideはUnisoc T820 プロセッサを搭載し、Antutu V10 ベンチマーク総合で約55万点を記録しています。

例:Antutu V10 総合で「549158」、CPUで「186396」、GPUで「114378」、MEMで「129835」、UXで「118549」

一方、「Retroid Pocket Flip 2」はQualcomm Snapdragon 865、またはMediaTek Dimensity D1100プロセッサを搭載し、Antutu V10 ベンチマーク総合で約84万点(Snapdragon 865)、69万点(Dimensity D1100)を記録していました。

Antutuベンチマークの結果

  • Qualcomm Snapdragon 865:Antutu V10 総合で「844458」、CPUで「239486」、GPUで「261822」、MEMで「157149」、UXで「186001」
  • MediaTek Dimensity D1100:Antutu V10 総合で「699574」、CPUで「205426」、GPUで「223758」、MEMで「118914」、UXで「151476」

ANBERNIC RG Slideは「Retroid Pocket Flip 2」よりもスコアが約14~29万点 低くなります。

Unisoc T820 性能を比較

ANBERNIC RG Slideが搭載するUnisoc T820 プロセッサは他の携帯ゲーム機と比べて、どのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。

ANBERNIC RG Slide グラフ Antutu-Unisoc-T820

CPUランキング

※Antutu V10 ベンチマーク総合スコアで比較したものです。

  1. MediaTek Dimensity 8300 (ANBERNIC RG557)・・・Antutu:125万点
  2. Qualcomm Snapdragon 865 (Retroid Pocket Flip 2)・・・Antutu:84万点
  3. MediaTek Dimensity D1100 (Retroid Pocket Flip 2)・・・Antutu:69万点
  4. Unisoc T820 (ANBERNIC RG Slide)・・・Antutu:55万点
  5. MediaTek Helio G99・・・(AYANEO Pocket MICRO Classic)・・・Antutu:40万
  6. Unisoc USMS 9230S (KINHANK K56)・・・Antutu:33万点
  7. UNISOC T618 (ANBERNIC RG405M)・・・Antutu:30万点

比較から分かること

Unisoc T820は55万点というスコアにより、現在のモバイル向けチップセット市場において、ミドルレンジセグメントの中で上位に位置づけられる性能を有していると評価できます。

最先端のハイエンドチップであるMediaTek Dimensity 8300(125万点)や、依然として高い処理能力を誇るQualcomm Snapdragon 865(84万点)といったチップセットには及ばないものの、これらは非常に高性能な処理を要求する最新の3Dゲームや高度な動画編集といったタスクを最高レベルでこなすためのものであり、Unisoc T820がターゲットとする領域とは異なると考えられます。

Unisoc T820の性能は、日常的なスマートフォンの利用、例えばウェブブラウジング、SNSの利用、動画ストリーミング再生、そして多くの一般的なアプリケーションの実行においては、十分すぎるほどの快適さを提供するでしょう。

ゲーム性能

ANBERNIC RG Slideが搭載するUnisoc T820ゲーム性能について、具体的なゲームタイトルとフレームレート(FPS)を交えて説明します。

原神 (Genshin Impact)

広大なオープンワールドを探索し、美しいグラフィックの中でアクション性の高い戦闘を繰り広げるRPG、「原神」。

Unisoc T820を搭載したデバイスでは、グラフィック設定を「低」に調整することで、平均して30FPSから40FPSの範囲でゲームを進行できます。フィールドの探索や比較的負荷の低い戦闘シーンでは40FPSに近い数値で動作することもありますが、複数の敵キャラクターが登場し、派手な元素爆発が飛び交うような場面では、フレームレートが30FPSを下回り、一時的にもたつきを感じることがあるでしょう。

グラフィックの品質を「最低」に設定し、モーションブラーといった視覚効果をオフにすることで、フレームレートの安定性はいくらか向上し、30FPS以上を維持しやすくなります。これにより、ストーリーを進めたり、日課のコンテンツをこなしたりする上では、概ね許容できるプレイフィールとなります。

Call of Duty: Warzone Mobile

最大120人のプレイヤーが広大なマップで生き残りをかけて戦う、要求スペックの高いバトルロイヤルFPS、「Call of Duty: Warzone Mobile」。

Unisoc T820のGPU性能では、このゲームを快適にプレイするには力不足を感じる場面が多くなります。グラフィック設定を「最低」に設定したとしても、平均的なフレームレートは25FPSから35FPS程度にとどまります。

特に、降下直後の混戦時や、多数のプレイヤーが交戦するエリア、建物が密集した市街地などでは、フレームレートが20FPS台前半まで大きく低下し、画面のカクつきや入力遅延が顕著になることがあります。競技性の高いFPSタイトルであることを考慮すると、快適なエイムや素早い状況判断が求められる状況において、このフレームレートでは厳しい戦いを強いられるでしょう。

レイド: Shadow Legends (Raid: Shadow Legends)

多種多様なチャンピオンを収集・育成し、ターン制バトルで戦略を競うダークファンタジーRPG、「レイド: Shadow Legends」。

このタイトルは、比較的リッチなキャラクターモデルやスキルエフェクトを持ちながらも、最適化がなされている部分があります。Unisoc T820では、グラフィック設定を「中」程度にすることで、平均して45FPSから60FPSという良好なフレームレートでプレイすることが可能です。

ホーム画面やチャンピオンの管理画面などではほぼ常に60FPSで滑らかに動作し、戦闘中のスキル演出においても、フレームレートが大きく落ち込むことは少なく、テンポの良いバトルを楽しめます。最高設定にすると、一部の重いエフェクトが重なる場面でわずかにフレームレートが揺らぐかもしれませんが、「中」設定であれば、見た目の美しさと動作の軽快さのバランスが取れたプレイが実現します。

MORTAL KOMBAT

緻密なグラフィックと、シリーズ特有の激しいフィニッシュムーブが特徴の対戦格闘ゲーム、「MORTAL KOMBAT」。格闘ゲームにおいては、安定したフレームレートと入力への応答性が極めて重要です。

Unisoc T820では、グラフィック設定を「中」にすることで、おおむね50FPSから60FPSの範囲で動作します。キャラクターの細かな動きやコンボの繋がりは比較的滑らかに表示され、致命的な遅延を感じることなく技を繰り出すことができます。

ただし、ステージの背景が複雑であったり、特定のキャラクターの派手な必殺技が発動したりする際には、瞬間的にフレームレートが50FPSを下回ることも考えられます。それでも、カジュアルに楽しむ分には、十分なプレイ体験が得られるでしょう。

ロマンシング サガ リ・ユニバース (Romancing SaGa Re;univerSe)

ドット絵と高解像度イラストが融合した独特のビジュアルを持つ、コマンドバトルRPG、「ロマンシング サガ リ・ユニバース」。このゲームは2Dグラフィックが主体であり、3Dを多用するゲームと比較してプロセッサへの負荷は格段に軽いです。

そのため、Unisoc T820の性能をもってすれば、グラフィック設定を「高」あるいは「最高」に設定しても、常に安定して60FPSでの動作を維持します。戦闘中のアニメーション、技のエフェクト、メニュー操作に至るまで、一切のカクつきを感じることなく、極めてスムーズで快適なプレイが可能です。ロード時間も短く、ストレスフリーで物語に没頭できるでしょう。

マリオカート ツアー (Mario Kart Tour)

任天堂の人気キャラクターたちがカートで競い合う、スマートフォン向けのレースゲーム、「マリオカート ツアー」。このタイトルは幅広いスペックのデバイスで楽しめるように最適化が進んでいます。Unisoc T820を搭載したデバイスでは、グラフィック設定を「標準」あるいは「高画質」に設定した状態でも、レース中は安定して60FPSを維持します。

多数のカートが入り乱れる場面や、アイテムが飛び交う派手なエフェクトが発生する状況でも、フレームレートが大きく低下することはほとんどなく、滑らかな画面でレース展開に集中できます。操作性も良好で、快適なドリフトやアイテム使用が可能です。

まとめ:ゲーム性能

Unisoc T820のゲーム性能はミドルレンジのチップセットとして妥当なレベルにあり、プレイするゲームのジャンルやグラフィック負荷によって評価が分かれます。

「ロマンシング サガ リ・ユニバース」や「マリオカート ツアー」のような2Dグラフィック主体のゲームや、比較的軽量な3Dゲーム、あるいは最適化の進んだタイトルであれば、高設定でも60FPSに近い快適な動作が期待できます。これらのゲームでは、Unisoc T820の性能を十分に活かし、ストレスなく楽しむことができるでしょう。

一方で、「原神」のようなグラフィック負荷の高いオープンワールドゲームや、「Call of Duty: Warzone Mobile」のような最新のAAA級モバイルFPSタイトルを最高設定で快適にプレイするには、Unisoc T820のGPU性能では力不足です。これらのヘビーなタイトルでは、グラフィック設定を大幅に下げるか、ある程度のフレームレートの低下を許容する必要があります。特に競技性の高いFPSなどでは、フレームレートの不安定さがプレイ体験に直接影響するため、より高性能なチップセットが望ましくなります。

「レイド: Shadow Legends」や「MORTAL KOMBAT」のような、中程度のグラフィック負荷を持つ3Dゲームにおいては、設定を「中」程度に調整することで、見た目の品質と動作の滑らかさのバランスを取りながら、十分に楽しめるパフォーマンスを発揮します。

操作性:ANBERNIC RG Slide、伝統と革新が共存するコントロール

ANBERNIC RG Slideの操作部を拡大。

どんなに性能が高く、デザインが優れていても、ゲーム機としての体験は最終的に「操作性」に集約されます。ここでは、ANBERNIC RG Slideの十字キー、ボタン、そして特徴的な静電容量式ジョイスティックの使い心地を、実際にゲームをプレイして感じたままにレビューします。さらに、ホール効果ジョイスティックやアナログトリガーといった異なる機構を持つRetroid Pocket Flip 2と比較し、ゲームジャンルによってどちらが有利になるのかを明らかにしていきます。

十字キーとABXYボタン:格闘ゲームもこなす信頼性

ANBERNIC RG Slideの十字キーは、触れてすぐにその精度の高さがわかる、素晴らしい出来栄えでした。指に吸い付くような感触で、特に2Dアクションや格闘ゲームでその真価を発揮します。試しにクラシックな格闘ゲームをプレイしたところ、「波動拳」や「昇竜拳」といったコマンドが面白いようにスムーズに入力でき、これなら本格的な対戦も楽しめると感じました。ABXYボタンも、しっかりと押し込めるストロークがあり、連打しても安定感があります。

一方、Retroid Pocket Flip 2の十字キーやボタンも感触は良好ですが、RG Slideに比べてやや小ぶりで、クリック感の強い「パチパチ」とした押し心地です。どちらも高品質ですが、個人的にはRG Slideの、どっしりとした伝統的な操作感のほうに好感を持ちました。

ジョイスティックとトリガー:ジャンルで変わる評価

本機のジョイスティックは、タッチパネルのように指の静電気を検知して動作する「静電容量式」です。ほとんどのRPGやアクションゲームでは、特に不満を感じることなく快適にプレイできました。しかし、Retroid Pocket Flip 2が採用する「ホール効果ジョイスティック」と比較すると、その差は明確になります。ホール効果式は磁力で位置を検知するため、物理的な摩耗がなく、ドリフト現象(触れていないのにスティックが入力される現象)が起きにくいのが特徴です。

この差が顕著に現れたのが、精密な操作が求められるゲームです。『Call of Duty: Mobile』でのエイム操作や、『グランツーリスモ』での繊細なステアリング、『原神』での視点移動などでは、わずかな入力にも正確に反応してくれるFlip 2のホール効果スティックに軍配が上がりました。

また、RG Slideのショルダーボタンはデジタル式でカチッとした入力ですが、Flip 2アナログトリガーを搭載しています。これにより、レースゲームでアクセルを微調整するといった、入力の深さをコントロールする操作が可能になり、没入感が大きく向上します。

ソフトウェアによる高いカスタマイズ性

RG Slideのために付け加えると、ソフトウェアによるカスタマイズ機能は非常に優秀です。内蔵のゲームパッドテスターを使えば、ジョイスティックのデッドゾーン(反応しない範囲)などを細かく調整できます。これにより、静電容量式スティックのクセをある程度は緩和し、自分のプレイスタイルに近づけることができました。

まとめ:操作性

  • 十字キーとABXYボタン:RG Slideの十字キーは格闘ゲームのコマンドも正確に入力できるほど高精度。ボタンもしっかりとした押し心地で、全体的に信頼性が高い。
  • ジョイスティック:RG Slideの静電容量式ジョイスティックは多くのゲームで快適に動作する。しかし、シューターやレースゲームなど、より高い精度が求められる場面では、ドリフトに強いRetroid Pocket Flip 2のホール効果スティックが有利。
  • トリガー:RG Slideのトリガーはデジタル式で、素早い入力に向いている。一方、Flip 2のアナログトリガーは、レースゲームなどでアクセルワークを細かく調整でき、表現力で勝る。
  • 選択のポイント:2DゲームやRPG、一般的なアクションゲームを中心に遊ぶなら、RG Slideの操作性は非常に満足度が高い。FPSやレースゲームを本格的に楽しみたいなら、Flip 2の特殊なスティックとトリガーが大きなアドバンテージとなる。

AI機能:ANBERNIC RG Slide、ゲーム体験を革新する賢い相棒

ANBERNIC RG Slideでドラゴンボールをプレイする様子。

これまで携帯ゲーム機は、性能やデザイン、操作性で評価されてきました。しかし、ANBERNIC RG Slideは、それに加えて「AI」という全く新しい評価軸を提示してきました 。ここでは、本機最大の武器であるAI機能、特に「リアルタイム翻訳」や「ゲーム戦略アシスタント」が、実際のゲームプレイをどれほど豊かにしてくれるのか、その実用性を徹底的に検証します。これは、Retroid Pocket Flip 2をはじめとする他の競合機にはない、唯一無二の機能です。

言語の壁を破壊する「リアルタイム翻訳」

私がこのAI機能で最も感動し、実用的だと感じたのが「リアルタイム翻訳」です 。これまで、興味はあっても言語の壁でプレイを諦めていたゲーム(日本版ではなく、海外版のゲームタイトル)が数多くありました。しかし、このRG Slideでは、その悩みが過去のものになります。

例えば、中国語でしか表示できなかった『ドラゴンクエスト』シリーズや、テキスト量が多いシミュレーションゲーム『三國志』(中国語)をプレイ中に、画面の横からスワイプしてAIメニューを呼び出すだけ。

画面上のテキストが瞬時に翻訳され、ストーリーやコマンドを理解しながらゲームを進めることができました。この機能のおかげで、私のゲームライブラリは、これまで手の届かなかった無数の海外タイトルにまで広がったのです。

※リアルタイム翻訳は、レトロゲームにも適用できるので、非常に便利です。

もう攻略サイトは不要?「ゲーム戦略アシスタント」

次に重宝したのが「ゲーム戦略アシスタント」です 。昔のゲームを久しぶりにプレイすると、「この必殺技のコマンド、どうだったかな?」と操作方法を忘れてしまうことがよくあります。GBAの『Dragon Ball Z: Super Butouden 2』をプレイ中にまさにその状況に陥ったのですが、ゲームを中断してスマートフォンで調べる必要はありませんでした。

しかし、「ゲーム戦略アシスタント」機能があれば、なんとアシスタントに尋ねるだけで、すぐに詳細な操作ガイドを提示してくれるのです !

また、最新のゲームで行き詰まった時にも、この機能は役立ちます。『原神』で難しい謎解きに遭遇した際、アシスタントにヒントを求めると、ネタバレにならない絶妙なアドバイスをくれました。まるで、ゲームに詳しい友人が隣に座ってくれているかのような安心感。この手軽さと便利さは、一度体験すると手放せなくなります。

ゲームに寄り添うインテリジェントな対話機能

これらの機能は、ゲームプレイ中にいつでもサイドバーから簡単にアクセスできる「チャットボット」形式で提供されます 。ゲームに関する質問に答えてくれるだけでなく、時には雑談相手にもなってくれる「インテリジェントな対話」機能は、一人でゲームに没頭している時の良き相棒です 。もちろん、Retroid Pocket Flip 2のような、よりパワフルなデバイスで高設定のゲームを遊ぶ魅力も大きいでしょう。

しかし、RG Slideが提供する「ゲームプレイに寄り添う賢いサポート」という体験は、純粋な性能とは異なる、新しい付加価値を創出していると断言できます。

ANBERNIC RG Slideで利用できるAI機能 一覧

ゲーム戦略アシスタント、リアルタイム翻訳、インテリジェントな対話、テキストから画像生成、画像処理、学習と教育(数式などの複雑な問題解決)など

まとめ:AI機能

  • リアルタイム翻訳:画面上のテキストを直接翻訳する画期的な機能 。これまで言語の壁で遊べなかった『ドラゴンクエスト』のようなRPGや海外のゲームがプレイ可能になり、ゲームの選択肢が劇的に広がる。
  • ゲーム戦略アシスタント:忘れてしまった操作方法の確認や、謎解きのヒントをゲーム内で直接得られる 。攻略サイトを開く手間を省き、ゲームへの没入感を維持してくれる。
  • 統合された利便性:これらのAI機能は、ゲームセッション中にサイドバーから簡単に呼び出せるチャットボットとして提供され、非常に手軽で実用的 。
  • 最大の差別化要因:これらのAI機能は、Retroid Pocket Flip 2など他の競合製品にはない、ANBERNIC RG Slideだけの強力なセールスポイントであり、購入の決め手となりうる革新的な価値を持つ。

ソフトウェアとUI:ANBERNIC RG Slide、すぐに遊べる手軽さと奥深いカスタマイズ性

ANBERNIC RG Slideのエミュレーター選択画面。UI画面。ゲームランチャー。

どんなに優れたハードウェアも、それを活かすソフトウェアがなければ宝の持ち腐れです。ここでは、ANBERNIC RG Slideの使い勝手を左右するOS、ユーザーインターフェース(UI)、そしてレトロゲームの要であるエミュレーター環境について、その魅力を深掘りします。箱から出してすぐにゲームを始められる手軽さと、自分好みに染め上げていく楽しさ。そのバランスを、Retroid Pocket Flip 2のソフトウェア思想と比較しながら評価していきます。

Android 13と二つの顔を持つUI

本機のOSは、最新のAndroid 13です。Google Playストアに完全対応しているため、ゲームだけでなく、動画視聴アプリやSNSなど、普段スマートフォンで使っているアプリをそのまま利用できる高い汎用性を持っています。そして、本機の大きな特徴は、この標準的なAndroidの顔(Quickstep)とは別に、ゲームに特化した「ゲームモード(RG Launcher)」というもう一つの顔を持っていることです。

このRG Launcherが非常に優秀で、microSDカードに入れたゲームを自動でスキャンし、機種ごとに美しく整理されたライブラリを作成してくれます。まるで家庭用ゲーム機のような感覚で、十字キーとボタンだけで遊びたいゲームを選んで起動できるのです。この「スマホとしての利便性」と「ゲーム機としての没入感」を両立している点は、RG Slideの大きな強みだと感じました。

初心者に優しいエミュレーター環境

ANBERNIC製品の伝統とも言えるのが、この「初心者への優しさ」です。RG Slideには、PlayStationやセガサターンなど30種類以上のゲーム機に対応するエミュレーターが、あらかじめインストールされています。特に、多機能な統合エミュレーターである「RetroArch」が初期導入されているのは嬉しいポイントです。

実際にゲームを始めるまでの手順は、驚くほど簡単でした。ゲームのROMファイルを入れたmicroSDカードを挿入し、RG Launcherを起動するだけ。あとは遊びたいゲームを選ぶだけで、すぐに『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』の世界に没入できました。エミュレーターごとの複雑な設定に頭を悩ませることなく、箱から出してすぐに楽しめるこの手軽さは、特にレトロゲーム初心者にとって、何よりの魅力となるでしょう。

Retroid Pocket Flip 2とのソフトウェア思想の違い

一方、Retroid Pocket Flip 2は、ユーザー自身によるカスタマイズの余地を多く残した、玄人好みのソフトウェア思想を持っています。もちろん、基本的な操作はAndroidスマホと変わらず簡単ですが、コミュニティではより高度なフロントエンドアプリの導入や、LinuxベースのカスタムOS「ROCKNIX」への換装など、ディープな楽しみ方が探求されています。

また、Flip 2にはハードウェアとソフトウェアが連携した、非常に便利な機能があります。それは、クラムシェルの蓋を閉じると瞬時にスリープに入り、開けば即座にゲームに復帰できる機能です。このシームレスな体験は、スライド機構のRG Slideでは味わえない、Flip 2ならではの快適さです。

まとめ:ソフトウェアとUI

  • OSとUI:RG SlideはGoogle Play対応のAndroid 13を搭載。標準のスマホ画面と、ゲームに特化した美麗な「RG Launcher」を使い分けられる。
  • エミュレーター環境:30種類以上のエミュレーターがプリインストールされており、特に「RetroArch」が初期導入済みのため、初心者でも購入後すぐにゲームを始められる手軽さが魅力。
  • Retroid Pocket Flip 2との比較:Flip 2は、より深いカスタマイズやLinuxベースのOS導入など、ユーザーが手を加える楽しみがある。また、蓋の開閉と連動したスリープ・復帰機能は非常に便利。
  • 選択のポイント:「購入してすぐに、簡単に遊びたい」という手軽さを重視するならRG Slide。「自分で環境を構築し、マシンを育てていく」という楽しみを求めるならFlip 2が魅力的な選択肢となる。

バッテリー・冷却・通信機能:ANBERNIC RG Slide、長時間のプレイを支える安定性

ANBERNIC RG Slideの背面。

携帯ゲーム機の真価は、外出先やリラックスタイムでの長時間のプレイでこそ問われます。ここでは、ANBERNIC RG Slideのスタミナ源であるバッテリー、性能を維持するための冷却機能、そして遊びの幅を広げる通信機能について、その実力を詳しく見ていきましょう。特に、高負荷なゲームを長時間プレイした際の安定性は、Retroid Pocket Flip 2との比較で大きな違いが見えてきました。

バッテリーと充電:一日遊べるスタミナ

ANBERNIC RG Slideは、5000mAhという大容量のバッテリーを搭載しています 。公式のスペックでは約6時間のバッテリーライフが謳われていますが 、実際に私が試したところ、負荷によって大きく変動しました。エミュレーターや比較的軽めのAndroidゲームでは3~4時間ほど、そして『原神』のような高負荷な3Dゲームでは、2~3時間程度の連続プレイが可能でした。これは、通勤時間や休憩中に集中して遊ぶには十分なスタミナと言えるでしょう。

充電は5V/2Aに対応しており、約3時間で満充電となります 。Retroid Pocket Flip 2も同じ5000mAhのバッテリーを搭載していますが 、より高速な急速充電に対応しているため 、充電の待ち時間という点ではFlip 2に軍配が上がります。

冷却性能:静音でパワフルなアクティブ冷却

本機をレビューする上で、私が最も感心したのが、この冷却性能です。RG Slideは、高速ファンとヒートパイプを組み合わせたアクティブ冷却システムを搭載しています 。その効果は絶大で、高負荷な『原神』を1時間以上プレイし続けても、本体が不快な熱を持つことはほとんどありませんでした。

さらに注目すべきは、その静音性です。ファンは本体背面の吸気口から空気を取り込み、上部の排気口へと効率的に熱を逃がす設計になっており、動作音は非常に静かです。ゲームの音を邪魔するような風切り音は全く気になりませんでした。これは、Retroid Pocket Flip 2との大きな差別化ポイントです。

Flip 2もアクティブ冷却機能を備えていますが、「Quiet」モードでもコイル鳴きのようなノイズが気になるという報告があり、静かな環境で集中してプレイしたい私にとっては、RG Slideの洗練された冷却システムが非常に魅力的に映りました。

通信機能:安定したワイヤレス接続

通信機能は、2.4/5GのWi-Fi(802.11ac)とBluetooth 5.0に対応しています 。自宅のWi-Fi環境で、PCゲームをストリーミングする「Steam Link」を試したところ、若干の遅延は感じられたものの、RPGなどのゲームでは問題なく快適にプレイできました。ただし、Retroid Pocket Flip 2はより新しい規格であるWi-Fi 6に対応しているため 、電波が混雑した環境での安定性や低遅延という点では、Flip 2のほうが有利になる可能性があります。

まとめ:バッテリー・冷却・通信機能

  • バッテリー:両機とも5000mAhの大容量バッテリーを搭載 。RG Slideは高負荷なゲームで2~3時間のプレイが可能。充電速度では急速充電対応のFlip 2が優位 。
  • 冷却機能:RG Slideの最大の強み。アクティブ冷却ファンは非常に効果的かつ静かで、長時間のプレイでも快適。Flip 2はファンノイズに関する懸念が報告されており、静音性ではRG Slideが勝る。
  • 通信機能:RG SlideはWi-Fi 5(802.11ac)に対応し、Steam Linkなどのストリーミングプレイも可能。Flip 2はより新しいWi-Fi 6に対応しており、将来的な優位性がある 。
  • 総合評価:バッテリー性能は同等ながら、充電速度ではFlip 2、冷却性能の快適さではRG Slideが優れている。特に静かで効果的な冷却は、RG Slideを選ぶ大きな理由の一つになる。

ANBERNIC RG Slide vs. Retroid Pocket Flip 2:スペック徹底比較

ANBERNIC RG SlideでPCゲームをストリーミングする様子。

ANBERNIC RG SlideとRetroid Pocket Flip 2は、どちらも高性能なAndroid搭載の携帯ゲーム機ですが、その設計思想や強みは大きく異なります。ここでは、両者のスペックを項目別に比較し、それぞれの特徴と違いを明らかにしていきます。

デザインとフォームファクター

  • ANBERNIC RG Slide
    特徴: PSP Goのようなスライド式デザイン 。
  • Retroid Pocket Flip 2
    特徴: ニンテンドーDSのようなクラムシェル(折りたたみ)式デザイン 。
  • 違い:本体の形状が根本的に異なり、RG Slideはスクリーンをスライドさせて操作部を出すのに対し、Flip 2は本体を開いて使用します 。

ディスプレイ

  • ANBERNIC RG Slide
    サイズ・種類: 4.7インチ LTPS液晶
    解像度・リフレッシュレート: 1280×960, 最大120Hz
  • Retroid Pocket Flip 2
    サイズ・種類: 5.5インチ AMOLED (有機EL)
    解像度・リフレッシュレート: 1920×1080 (1080p), 60Hz
  • 違い:Flip 2は画面が大きく、有機ELならではの鮮やかな発色と高コントラストが魅力です 。一方、RG Slideは画面の滑らかさ(120Hz)で勝ります 。

プロセッサー (CPU/GPU)

  • ANBERNIC RG Slide
    チップ: Unisoc T820
    AnTuTu v10スコア (参考): 約540,000点
  • Retroid Pocket Flip 2
    チップ: Snapdragon 865 または Dimensity 1100
    AnTuTu v10スコア (参考): 約750,000点
  • 違い:Retroid Pocket Flip 2に搭載されているプロセッサーは、ANBERNIC RG Slideのものより大幅に高性能で、特にグラフィック性能に大きな差があります 。

メモリ (RAM) とストレージ

  • ANBERNIC RG Slide
    RAM: 8GB LPDDR4X
    ストレージ: 128G UFS 2.2
  • Retroid Pocket Flip 2
    RAM: 8GB LPDDR4x
    ストレージ: 128GB UFS 3.1
  • 違い:RAM容量は同じですが、Flip 2はより高速なUFS 3.1ストレージを採用しており、ゲームのロード時間などで有利です 。

バッテリーと充電

  • ANBERNIC RG Slide
    容量・充電: 5000mAh , 5V/2A 標準充電 (約3時間)
  • Retroid Pocket Flip 2
    容量・充電: 5000mAh , 27ワット急速充電
  • 違い:バッテリー容量は同じですが、Retroid Pocket Flip 2の方が充電速度で圧倒的に優れています 。

その他の機能

  • ANBERNIC RG Slide
    独自機能: AI機能(リアルタイム翻訳など)
    操作系: 静電容量式ジョイスティック
  • Retroid Pocket Flip 2
    独自機能: 交換可能なボタンレイアウト(DIY)
    操作系: ホール効果ジョイスティック、アナログトリガー
  • 違い:RG Slideはソフトウェア(AI機能)で、Flip 2はハードウェア(操作系の質とカスタマイズ性)で、それぞれ独自性を打ち出しています 。

サイズと重量

  • ANBERNIC RG Slide
    サイズ: 15.4cm x 9cm x 2.6cm
    重量: 379g
  • Retroid Pocket Flip 2
    サイズ: 14.05cm x 8.95cm x 2.44cm
    重量: 306g
  • 違い:Retroid Pocket Flip 2の方がコンパクトかつ、約70g軽量です 。

発売日と価格

  • ANBERNIC RG Slide
    発売日: 2025年6月20日
    価格: $179.99 USD (発売記念価格)
  • Retroid Pocket Flip 2
    発売日: 2025年4月
    価格: $229.00 USD
  • 違い:Retroid Pocket Flip 2の方が先に発売されており、価格も高く設定されています 。

まとめ:ANBERNIC RG SlideとRetroid Pocket Flip 2の違い

ANBERNIC RG SlideとRetroid Pocket Flip 2は、同じAndroidベースの携帯ゲーム機でありながら、その目指す方向性がはっきりと異なっています。

Retroid Pocket Flip 2は、より高い価格設定に見合う、パワフルなプロセッサー、美麗な有機ELディスプレイ、高速な充電、そして高品質な操作系を備えた「純粋なゲーム性能」を追求したモデルです。

一方、ANBERNIC RG Slideは、性能では一歩譲るものの、リアルタイム翻訳などの革新的な「AI機能」と、120Hzの滑らかなディスプレイによる「新しい体験価値」を、より安価な価格で提供することに重点を置いています。どちらを選ぶかは、ユーザーが「絶対的なパワー」を求めるか、「ユニークな機能と体験」を求めるかによって決まると言えるでしょう。

ANBERNIC RG Slideのメリット・デメリット

ANBERNIC RG SlideのAndroid OS起動後の画面

ANBERNIC RG Slideは、革新的なAI機能や120Hzディスプレイといった独自の魅力を備えた、非常に意欲的な携帯ゲーム機です。しかし、あらゆる製品と同様に、得意なこともあれば不得意なこともあります。ここでは、本機の長所と弱点を、主要な競合機である「Retroid Pocket Flip 2」や「Odin2 Mini」などとの比較を交えながら、分かりやすく解説していきます。

【メリット】

メリット1:他にない革新的なAI機能

最大の長所は、リアルタイム翻訳やゲーム戦略アシスタントといったAI機能を搭載している点です。これはRetroid Pocket Flip 2や、より高性能なANBERNIC RG557、Odin2 Miniにもない本機だけのユニークな機能であり、言語の壁を越えて海外のゲームをプレイ可能にするなど、新しい体験価値を提供します。

メリット2:滑らかな120Hz高リフレッシュレートディスプレイ

最大120Hzで駆動するディスプレイは、Retroid Pocket Flip 2やOdin2 Miniが採用する一般的な60Hzの画面に比べて圧倒的に滑らかな映像を描写します 。特に動きの速いアクションゲームやシューティングゲームにおいて、クリアで快適な視覚体験は大きなアドバンテージとなります。

メリット3:コストパフォーマンスに優れた価格設定

発売記念価格が$179.99 USDと、より高性能なRetroid Pocket Flip 2($229.00)や、ハイエンド機のANBERNIC RG557($339.99)、Odin2 Mini(約$380)に比べて非常に安価に設定されています 。独自のAI機能などを持ちながら、手に取りやすい価格である点は大きな魅力です。

メリット4:ユニークで所有欲を満たすスライドデザイン

PSP Goを彷彿とさせるスライド式のデザインは、一般的な横長のANBERNIC RG557やクラムシェル型のRetroid Pocket Flip 2とは一線を画す独自性を持っています 。ガジェットとしての楽しさや、ギミックを操作する喜びは、他のデバイスでは味わえません。

【デメリット】

デメリット1:見劣りするCPU/GPU性能

搭載されているUnisoc T820プロセッサーは、ANBERNIC RG406Hと同じものですが 、Retroid Pocket Flip 2のSnapdragon 865や、ANBERNIC RG557のDimensity 8300、そしてOdin2 MiniのSnapdragon 8 Gen 2といった上位機種に比べると、総合的な性能で劣ります 。特に負荷の高いPS2やWiiのエミュレーションでは性能差が出やすくなります。

デメリット2:控えめなディスプレイの表現力

4.7インチの液晶ディスプレイは、Retroid Pocket Flip 2(5.5インチ有機EL)やANBERNIC RG557(5.48インチ有機EL)、Odin2 Mini(5インチMini LED)といった競合機に比べると、画面サイズ、色の鮮やかさ、コントラスト比の点で劣ります 。

デメリット3:一世代前のストレージと通信規格

ストレージ規格がUFS 2.2、Wi-Fi規格がWi-Fi 5であり、ANBERNIC RG557(UFS 4.0 / Wi-Fi 6E)やOdin2 Mini(UFS 4.0 / Wi-Fi 7)といったハイエンド機が採用する最新規格と比べると見劣りします 。これにより、大容量ゲームのロード時間や通信速度で差が出ることがあります。

デメリット4:物足りない充電速度

5V/2Aの標準的な充電にしか対応しておらず、Retroid Pocket Flip 2(27W)やOdin2 Mini(65W)などが対応する急速充電に比べると、満充電までにかかる時間が長くなります 。

デメリット5:操作系の専門性

ジョイスティックが静電容量式、トリガーがデジタル式であるため、レースゲームやFPSなど、より精密な操作が求められるゲームでは、ホール効果スティックやアナログトリガーを搭載するRetroid Pocket Flip 2やANBERNIC RG406Hの方が有利です 。

ANBERNIC RG Slideのスペック(仕様)一覧

  • ディスプレイ: 4.7インチ LTPS液晶 (1280×960)、リフレッシュレート120Hz、マルチタッチ対応
  • CPU: Unisoc T820 (1xA76@2.7GHz + 3xA76@2.3GHz + 4xA55@2.1GHz)
  • GPU: Quad-core Mali-G57 (850MHz)
  • RAM: 8GB LPDDR4X
  • ROM: 128GB UFS2.2
  • 外部ストレージ: TFカード(最大2TBまで対応)
  • バッテリー: 5000mAh、約6時間駆動
  • 充電: 5V/2A対応、フル充電まで約3時間
  • ワイヤレス通信: 2.4/5G Wi-Fi (802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 5.0
  • ストリーミング: ゲームストリーミング、ワイヤレススクリーンプロジェクション対応
  • インターフェース: USB Type-C、3.5mmイヤホンジャック、TFカードスロット
  • 映像出力: DisplayPort出力 (USB Type-C経由、1080p)
  • スピーカー: 高品質ステレオスピーカー
  • 操作: 静電容量式ジョイスティック、6軸ジャイロセンサー、振動モーター
  • 冷却: 高速ファンとヒートパイプによるアクティブ冷却
  • 筐体: スプリングスライド式
  • OS: Android 13
  • サイズ: 15.4cm x 9cm x 2.6cm
  • 重量: 0.379kg
  • カラー: ブラック、ホワイト
  • 付属品: Type-C充電ケーブル、スクリーンプロテクター、ユーザーマニュアル、ジョイスティックキャップ

ANBERNIC RG Slideの評価

ANBERNIC RG Slideの操作部を収納した状態

7つの基準で「ANBERNIC RG Slide」を5段階で評価してみました。

項目別評価

画面の見やすさ:★★★★☆
120Hzの高リフレッシュレートがもたらす映像の滑らかさは特筆もの。ただし、有機ELに比べると発色や黒の表現では一歩譲る。

パフォーマンス:★★★☆☆
PSPやゲームキューブ世代までなら快適。PS2など、より高い性能を要求される場面では、上位機種との性能差を感じる。

操作性: ★★★☆☆
十字キーの操作感は素晴らしいが、ジョイスティックやトリガーは、特定のゲームジャンルにおいては専門機に劣る。

機能性:★★★★★
本機の真骨頂。リアルタイム翻訳をはじめとするAI機能は、他の携帯ゲーム機にはない圧倒的な付加価値を生んでいる。

デザイン:★★★★★
金属製のボディと小気味良いスライド機構は、所有欲を満たすに十分な高級感と楽しさを提供してくれる。

使いやすさ:★★★★☆
ゲーム機ライクなランチャーが優秀で、初心者でも箱から出してすぐに遊べる手軽さが魅力。

価格:★★★★☆
独自のAI機能と120Hzディスプレイを搭載し、競合機より安価な価格設定は、コストパフォーマンスに優れる。

総評】 ★★★★☆

AI機能と120Hzが魅力!ANBERNIC RG Slideの革新的価値

ANBERNIC RG Slideは、単なる性能競争から一線を画し、「体験の質」で勝負を挑んできた意欲的な一台です。その核となるのは、競合機が持ち得ない「AI機能」と「120Hzディスプレイ」。これにより、これまでのレトロゲーム機とは全く異なる、新しい価値を提供してくれます。総合的に見て、いくつかのトレードオフは存在するものの、その革新性は高く評価でき、多くのユーザーにとって満足度の高いデバイスとなるでしょう。

最大の魅力:AI機能と120Hzディスプレイ

このデバイスを唯一無二の存在にしているのは、間違いなくAI機能です。特に、これまで言語の壁によってプレイを諦めていた海外のRPGやシミュレーションゲームを、リアルタイム翻訳によって楽しめるようになるという体験は、まさに革命的です。ゲーム中に行き詰まった際に、攻略サイトを開くことなくヒントを得られるアシスタント機能も、ゲームへの没入感を高めてくれます。

加えて、120Hzの滑らかなディスプレイは、スクロールやアクションゲームにおいて、明らかな視覚的アドバンテージをもたらします。これらの「AIによるサポート」と「視覚的な快適さ」の組み合わせが、RG Slideでしか味わえない、新しいゲーム体験の源泉となっているのです。

性能と操作性のトレードオフ

一方で、万能機ではありません。パフォーマンス面では、Unisoc T820は非常に優秀なチップですが、より高価なRetroid Pocket Flip 2が搭載するSnapdragon 865と比較すると、特に高負荷なPS2エミュレーションなどでは力不足を感じる場面があります。また、操作性に関しても、FPSやレースゲームで最高のパフォーマンスを求めるならば、ホール効果スティックやアナログトリガーを搭載したデバイスに軍配が上がります。

結論:どんな人におすすめか

ANBERNIC RG Slideは、「最高の性能」を求めるユーザーよりも、「新しいゲーム体験」を求めるユーザーにこそ強くおすすめしたい一台です。

  • 言語の壁を越えて、世界中のゲームを遊び尽くしたい人
  • 120Hzの滑らかな映像で、快適にゲームを楽しみたい人
  • 複雑な設定なしに、購入後すぐに遊び始めたい初心者
  • 他にはないユニークなガジェットに心惹かれる人

もしこれらのいずれかに当てはまるなら、ANBERNIC RG Slideは、これまでの携帯ゲーム機の常識を覆す、最高の相棒になってくれるはず。この機会にぜひ購入を検討してみてください。

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ANBERNIC RG Slideの価格・購入先

ANBERNIC RG Slide 本体ホワイトの正面。背景は黒。

ANBERNIC公式サイト

$179.99 USD (日本円で約 26126円)で販売されています。

※通常価格は$189.99 USD

ANBERNIC公式サイトで「ANBERNIC RG Slide」をチェックする

ECサイト

※販売予定です。

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※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説

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ANBERNIC RG557

ANBERNICから発売された5.48インチのAndroid携帯ゲーム機です(2025年4月26日 発売)。

Android 14、MediaTek Dimensity 8300プロセッサー、12GB LPDDR5X RAM、解像度1920*1080のAMOLED液晶、5500mAhバッテリー、TFカードスロット(最大2TB)を搭載しています。

また、DisplayPort映像出力、高解像度静電容量式ジョイスティック(RGBライティング付)、27W急速充電、アクティブ冷却(高速ファン+ヒートパイプ採用)、ホールトリガー、6軸ジャイロ、振動モーター、

ストリーミング(Moonlightなど)、ワイヤレス画面投影、デュアルスピーカー、USB Type-C (OTG)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。

価格は、Amazonで41,999円(税込)、AliExpressで33,830円(本体のみ)、米国 Amazon.comで$339.99、です。

関連記事:ANBERNIC RG557徹底レビュー!PS2/GCエミュ性能とRG556比較

ANBERNIC RG406H

ANBERNICから発売された4インチのヨコ型 携帯ゲーム機です(2024年11月19日に発売)。

Android 13、Unisoc T820、8GB LPDDR4X、IPS液晶(4:3)・128G UFS2.2 ストレージ、5000 mAh バッテリー、TFカードスロット、3.5mmイヤホンジャック、ファンクションキーを搭載しています。

また、RGBライト、ホールジョイスティック、ホールトリガー、エミュレーター(29種類以上)、Hi-Fi ステレオスピーカー、6軸ジャイロセンサー、

冷却システム、振動モーター、ストリーミング プレイ、最大2TBまでのストレージ拡張、Google Playストア、レトロアーチ(RetroArch)、USB Type-C (OTG)、Wi-Fi 5 、Bluetooth 5.0に対応しています。

価格は、Amazonでも28,999 円(税込)、AliExpressで20,674円、米国 Amazon.comで$198.99、です。

関連記事:ANBERNIC RG406Hレビュー!Retroid Pocket 5より魅力的?

Retroid Pocket Flip 2

Retroid Pocketから発売された5.5インチのフリップ型携帯ゲーム機です(2025年4月 発売)。

Android 13、Qualcomm Snapdragon 865 / MediaTek Dimensity D1100、8GB LPDDR4x RAM、128GB UFS 3.1 ROM、、AMOLEDディスプレイ(1920×1080、輝度500 Nits)、5000mAhバッテリーを搭載しています。

また、3Dホールスティック、アナログL2/R2トリガー、アクティブ冷却システム、強化されたヒンジデザイン (178°可動域, 150°クリックストップ)、DisplayPort映像出力(1080p)、交換可能なボタンレイアウト、ランヤードループに対応しています。

さらに、27W急速充電、ストレージ拡張(TFカードスロット搭載)、Google Playストア、ストリーミングプレイ、USB-C(OTG)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 (SD865モデル) / 5.2 (D1100モデル)にも対応しています。

価格は、AliExpressで35,393円、Retroid Pocket公式サイトで$229.00、です。

関連記事:Retroid Pocket Flip 2徹底レビュー!Pocket 5と比較

Odin2 Mini

AYNから発売された5インチの携帯ゲーム機です(2024年5月 発売・※AliExpressは10月)。

Android 13、Mini LED ディスプレイ、Qualcomm Snapdragon 8 Gen2、8GB / 12GB LPDDR5x メモリ、128GB / 256GB UFS4.0 ストレージ、5000 mAh バッテリーを搭載しています。

また、HDMI映像出力(microHDMI)、クリスタルボタン、ホール効果採用のアナログジョイスティックとトリガーボタン、冷却システム、最大輝度1100nit、65W 急速充電(Quick Charge 5.0)、ステレオスピーカー、振動効果、USB 3.1 Type-C、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3に対応しています。

価格は、AliExpressで57,533円、です。

関連記事:Odin2 Mini徹底レビュー!Retroid Pocket 5を超えた?

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