
2025年12月12日に日本で発売された「Lenovo Legion Go S」は、8インチの大型ディスプレイを搭載し、10万円以下という価格で登場した注目のポータブルゲーミングPCです。
このレビューでは、Legion Go Sがコストを抑えつつどこまで実用的なゲーミング性能を発揮できるのか、その実力や使い勝手を前モデル「Legion Go」やライバル機「ROG XBOX ALLY」と徹底比較・検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
Lenovo Legion Go S の長所(Pros):
- 8インチ大画面とVRR対応:7インチ機を凌駕する没入感と、可変リフレッシュレートによる滑らかな映像体験。
- トラックパッド搭載:Windowsの操作性を劇的に向上させる、ライバル機にはない強み。
- USB4ポートを2基搭載:eGPU(外付けGPU)接続や充電しながらの映像出力など、高い拡張性。
- 10万円以下の価格:Windows搭載機としては手頃で、コストパフォーマンスが高い。
Lenovo Legion Go S の短所(Cons):
- ファンの騒音:冷却のためにシングルファンが高回転し、静かな環境では音が気になる。
- 重量級ゲームには設定が必要:最新AAAタイトルを遊ぶには解像度や画質設定の妥協が必須。
- ケースが別売り:前モデルには付属していたキャリングケースが同梱されていない。
総合評価:
Lenovo Legion Go Sは、10万円以下という価格設定ながらも、8インチの大画面とVRRによる滑らかな映像や、トラックパッドによるPCとしての操作性を兼ね備えた、コスパの高いポータブルゲーミングPCです。ファンの騒音や重量級ゲームでの性能限界はあるものの、カジュアルなゲームやクラウドゲームを中心に楽しむユーザーにとっては、ROG XBOX ALLY以上に魅力的な選択肢になり得ます。
<この記事で分かること>
- デザイン:ユニボディ、グレイシャーホワイト、人間工学、グリップ感、質感、サイズ比較、重量(約740g)、付属品、接続ポート
- 操作性:コントローラー、トラックパッド、トリガー調整、ホール効果スティック、Dパッド、ボタン配置
- ディスプレイ:8インチ WUXGA (1920×1200)、リフレッシュレート 120Hz、VRR (可変リフレッシュレート)、IPS液晶、輝度 500nit
- パフォーマンス:AMD Ryzen Z2 Go、Zen 3+ アーキテクチャ、処理速度、動作感、メモリ、増設、ストレージ、SSD 交換、SDカード、発熱、冷却
- ベンチマーク:Passmark、Cinebench R23、Geekbench 6、PCMark 10、3DMark (Fire Strike, Time Spy、Night Raid、Wild Life)
- ゲーム性能:『モンハン ワイルズ』、『原神』、『鳴潮』、『サイバーパンク2077』、『Forza Horizon 5』、フレームレート (FPS)、FSR設定
- バッテリー:容量 55.5Wh、駆動時間(ゲーム/動画再生)、充電速度 (Super Rapid Charge)、65W PD充電
- オーディオ:前面スピーカー、音質、音量、スマートAMP、ファンノイズの影響、マイク品質
- 通信:Wi-Fi 6E (6GHz帯)、クラウドゲーミング、ストリーミング、Bluetooth 5.3、遅延
- ソフトウェアと機能:Windows 11 Home、できること、Legion Space、モニター出力、eGPU (外部GPU)、SteamOS、ドライバー
- 比較:Lenovo Legion Go (初代/8.8型)、ROG XBOX ALLY、違い
- スペック:詳細仕様
- 評価:5段階評価、総評、おすすめユーザー、メリット、デメリット
- 価格:購入先 (Amazon, 楽天)、レノボ公式、中古、ライバル機種との価格比較
この記事を最後まで読むことで、「Lenovo Legion Go S」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:Lenovo Legion Go S Gen 1(8.0型) | AMD Ryzen™搭載のハンドヘルドパワー | レノボ・ ジャパン
デザインと操作性
ここではLenovo Legion Go Sのデザインと操作性について、外観、コントローラーの操作性、接続ポートの3つのセクションに分けて紹介します。
外観:Lenovo Legion Go Sの洗練されたユニボディと進化した携帯性
ここではLenovo Legion Go Sの外観について、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
質感と操作性:一体型デザインが生む剛性とフィット感
箱を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは「グレイシャーホワイト」の清潔感あふれるボディでした。これまでのゲーミングPCにありがちな無骨な黒とは一線を画す、リビングにも自然に馴染む洗練されたデザインです。実際に手に取ってみると、プラスチック素材でありながら表面に施された防滑テクスチャ加工により、しっかりとした作りを感じます。前モデル「Lenovo Legion Go」の特徴だった着脱式コントローラーを廃止し、一体型の「ユニボディ」デザインを採用したことで、接合部のわずかなガタつきが完全に解消され、高い剛性を手に入れました。人間工学に基づいたグリップは手に自然とフィットし、長時間のプレイでも疲れにくい形状です。
前モデルとの比較:サイズ、重量、カラーの進化
前モデルである「Lenovo Legion Go(8.8型)」と比較すると、携帯性は確実に向上しています。最も大きな違いは重量で、前モデルの約854gから今回のLegion Go Sは約740gへと、約114gもの軽量化を果たしました。実際に持ち比べてみると、重心バランスの良さも相まって、長時間のプレイでも手首にかかる負担が軽減されているのがはっきりと分かります。
サイズに関しては、横幅は約298mmとほぼ同等ですが、縦幅(高さ)が約131mmから約127.6mmへとわずかにコンパクトになりました。着脱ギミックのないユニボディとなったことで、数値以上に手への収まりが良く、凝縮感のあるボディだと感じます。また、本体カラーは重厚な「シャドーブラック」から、清潔感のある「グレイシャーホワイト」へと一新されました。黒い塊のような圧迫感が消え、リビングに置いても違和感のない、軽快でモダンな印象に変わった点も大きな魅力です。
ライバルとの比較:ROG XBOX ALLYとのサイズ・重量・カラーの違い
競合機である「ROG XBOX ALLY」と比較すると、サイズと重量には明確な差があります。ROG XBOX ALLYは約670gと非常に軽量ですが、Legion Go Sは約740gあり、その差は約70gです。実際に持ち比べてみると、ROG Allyの方が凝縮された軽さを感じますが、Legion Go Sも8.0インチという一回り大きなディスプレイを搭載している割には健闘していると言えます。
本体サイズに関しては、ROG XBOX ALLYが幅約290mmに対し、Legion Go Sは約298.5mmと、横幅で約8.5mmほど大きくなっています。高さもROG Allyの約121mmに対し、Legion Go Sは約127.55mmと全体的に大柄です。これは携帯性という点ではROG Allyに分がありますが、その分、迫力のある画面サイズを手に入れた結果と言えるでしょう。カラーリングに関しては、両機種ともに清潔感のあるホワイト系を採用しており、黒が主流だったゲーミングPC市場において、どちらもインテリアに馴染むモダンな印象を与えます。
付属品:シンプルだが、ケースの不在は痛手
パッケージ内容は非常にシンプルで、実質的に本体と65WのACアダプター、そしてスタートガイドなどの書類のみでした。ここで前モデル「Lenovo Legion Go」ユーザーとして少し寂しく感じたのが、専用キャリングケースが付属していない点です。
前作やSteam Deckにはしっかりとしたハードケースが標準で同梱されていましたが、今回のLegion Go Sではコストカットの影響か、省かれています。裸のままカバンに入れるのは、大きな8インチ液晶を傷つけるリスクが高いため、精神衛生的にも良くありません。携帯ゲーム機として持ち運ぶことが前提のデバイスなので、本体購入と同時にサードパーティ製のケースや液晶保護フィルムを用意することを強くおすすめします。
一方で、嬉しい特典として「Xbox Game Pass Ultimate(3ヶ月利用権)」が付属しています。これにより、ソフトを別途購入しなくても、セットアップ直後から「Call of Duty」などの人気タイトルを含む数百のゲームをすぐに楽しむことができました。これはPCゲーム初心者にとって、非常に強力なスターターキットになると感じました。
まとめ:外観
- 第一印象:グレイシャーホワイトの清潔感とリビングに馴染む洗練されたデザイン
- 質感と剛性:防滑テクスチャによるしっかりした作りと、ユニボディ化によるガタつきのない高い剛性
- 人間工学:手に自然とフィットするグリップ形状で、長時間のプレイでも疲れにくい
- 前モデル比較(重量):約854gから約740gへ軽量化され、手首への負担が軽減
- 前モデル比較(サイズ・カラー):高さがコンパクトになり、黒から白への変更で圧迫感が減少
- ライバル比較(重量):ROG Ally(約670g)より約70g重いが、8インチ画面搭載機としては健闘
- ライバル比較(サイズ):ROG Allyより全体的に大柄で携帯性は劣るが、迫力ある画面サイズを確保
- 付属品:ACアダプターと書類のみで、専用ケースが付属しないため別途購入が必要
- 特典:Xbox Game Pass Ultimate(3ヶ月利用権)が付属し、すぐにゲームを楽しめる
コントローラーの操作性
ここではLenovo Legion Go Sのコントローラーの操作性について、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
基本レイアウトとボタン配置:標準的なXbox配列への回帰
コントローラーのレイアウトは、Xboxコントローラーに準拠した馴染み深い配置が採用されています。前面には左右非対称(アシンメトリー)に配置されたジョイスティック、ABXYボタン、そして左下にはDパッド(十字キー)が配置されています。
注目すべきは、メニューボタン(スタート/セレクト相当)の位置です。画面の左右上部に「メニューボタン」と「表示ボタン」が配置されており、親指を自然に伸ばすだけで届く位置にあります。また、Lenovo独自の「Legion L/R」ボタンも画面上部の左右に配置されており、ここからクイック設定やランチャーを即座に呼び出すことが可能です。
本体上部にはLB/RBバンパーとLT/RTトリガーが配置され、背面にはプログラム可能な「Y1」「Y2」ボタンと、トリガーの深さを調整するスライドスイッチが搭載されています。全体として、奇をてらわない実用的なレイアウトにまとまっており、手に取ってすぐに違和感なく操作できる設計です。
精密なホール効果スティックと格闘ゲームに最適なDパッド
操作の要となるDパッド(十字キー)とジョイスティックの品質も非常に高い水準にあります。ジョイスティックには磁気センサーを用いた「ホール効果」タイプが採用されており、長期間使用してもドリフト(勝手に入力される現象)が起きにくいという安心感があります。各スティックの根元にはRGB照明が搭載されており、ゲーミングデバイスらしい演出も楽しめます。
注目したいのは「大型ピボットDパッド」の操作感です。しっかりとしたクリック感がありながらも滑らかに動くため、格闘ゲームで複雑なコマンドを入力しても誤入力が起きにくく、ROG XBOX ALLYのDパッドよりも確実な入力ができると感じました。
物理的に切り替え可能なトリガーと実用的な背面パドル
Lenovo Legion Go Sで最もユニークな機能が、LT/RTトリガーのストローク調整機能です。背面のレバーをスライドさせるだけで、トリガーの押し込み深さを物理的に2段階で切り替えられます。実際にレースゲームを遊ぶ際は「長押し(フルストローク)」でアクセル開度を微調整し、FPSを遊ぶ際は「短押し(ショートストローク)」に切り替えることで、瞬時の射撃が可能になりました。
前モデル「Lenovo Legion Go」にあったFPSモード(マウス化変形)は廃止されましたが、このトリガー調整の方が実戦的で利用頻度は高いと感じます。
また、背面パドル(Y1/Y2)は適度なクリック感と抵抗があり、グリップを強く握っても意図せず押してしまう「誤爆」が起きにくい設計になっています。
ROG Allyにはない「トラックパッド」の決定的な恩恵
最後に、Windows搭載機としての使い勝手を決定づけているのが「トラックパッド」の存在です。Legion Go Sは、右グリップ下部に小型化されたトラックパッドを搭載しています。前モデルの大型パッドに比べると操作エリアは狭くなりましたが、それでも親指だけでマウスカーソルを操作できる恩恵は絶大です。
競合のROG XBOX ALLYにはトラックパッドがなく、Windowsの操作やマウス必須のゲームではタッチパネルに頼るしかありません。ROG XBOX ALLYが専用UIでWindowsを隠蔽するアプローチをとっているのに対し、Legion Go Sはトラックパッドを残すことで、PCとしての汎用性と操作性を確保している点に、明確なコンセプトの違いを感じました。
まとめ:コントローラーの操作性
- ジョイスティック:ホール効果採用で耐久性が高く、RGB照明の演出も美しい。
- Dパッド:大型でクリック感が心地よく、格闘ゲームのコマンド入力も正確に行える。
- トリガー機能:背面のレバーでストロークを2段階に物理調整でき、ジャンルに応じた最適な操作が可能。
- ROG XBOX ALLYとの比較:トラックパッドの有無が決定的な違いであり、Windows操作の快適さはLegion Go Sが勝る。
- Lenovo Legion Goとの比較:着脱機能やFPSモードは廃止されたが、一体型による剛性向上と実用的なトリガー調整が追加された。
- 背面パドル:クリック感が強く、誤操作しにくい設計で実用的。
- 人間工学:防滑テクスチャと優れた重量バランスにより、約740gの重さを感じさせない快適なグリップ感を実現。
接続ポート:Lenovo Legion Go SのデュアルUSB4搭載と配置の変更点
ここではLenovo Legion Go Sの接続ポートについて、「Lenovo Legion Go」、「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
USB4デュアル搭載の拡張性と上部集中配置
まず、インターフェースを見て驚かされるのは、普及モデルでありながら妥協のない「USB4」ポートを2基搭載している点です。本体上部に配置された2つのUSB Type-Cポートは、どちらも最大40Gbpsの高速ファイル転送に対応し、Power Delivery(PD)による充電とDisplayPort出力機能を備えています。
実際に自宅のデスクで試してみましたが、一方のポートで充電しながら、もう一方のポートから外部モニターへ映像出力を行う際、ケーブルが両方とも本体上部から伸びるため、コントローラーを握る手や膝上にケーブルが干渉せず、非常に快適にプレイできました。
また、このUSB4ポートは「eGPU(外部GPU)」もサポートしています。外出先では手軽な携帯ゲーム機として使い、帰宅後は強力なグラフィックボードを接続してデスクトップPC級のゲームパフォーマンスを引き出すといった運用が可能です。本体下部にはmicroSDメディアカードリーダーがあり、最大2TBまでのストレージ拡張に対応しています。
底面にあるためカードの出し入れはしやすく、ゲームのインストール先として手軽に利用できました。もちろん、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャックも搭載されており、有線イヤホン派の私としては遅延のないサウンドを楽しめる点も安心材料です。
初代Legion Goとの比較:上下分散から上部集中へ
前モデル「Lenovo Legion Go(初代)」との最大の違いは、ポートの配置です。初代モデルはUSBポートが本体の上部と底面に1つずつ分散して配置されており、キックスタンド使用時や充電時の取り回しに柔軟性がありました。対して今回のLegion Go Sは、2つのポートが上部に集約されています。
個人的には、底面にポートがないことで、ベッドで寝転がりながらお腹の上に本体を置いたり、膝に乗せてプレイしたりする際に、ケーブルが体に刺さる不快感がなくなったことをメリットに感じました。ただし、ドッキングステーションのような底面接続タイプのアクセサリーを使っていたユーザーにとっては、配線の見直しが必要になる変更点と言えます。
ROG Xbox Allyとの比較:規格の違いがもたらす将来性
競合機「ROG XBOX ALLY」と比較すると、ポートの「規格」に決定的な差があります。ROG Xbox Ally(標準モデル)も2つのUSB Type-Cポートを備えていますが、規格はUSB 3.2 Gen 2(最大10Gbps)にとどまります。一方、Legion Go Sは2ポートともUSB4(最大40Gbps)です。
この帯域幅の差は、将来的な拡張性に直結します。ROG Xbox Ally(標準モデル)では汎用的なUSB接続のeGPUを利用できませんが、Legion Go Sなら可能です。また、大容量のゲームデータを外付けSSDから転送する際も、USB4の速度は圧倒的でした。長く使うことを考えると、この規格の差はLegion Go Sを選ぶ大きな理由になると感じました。
まとめ:接続ポート
- USB Type-Cポート:最大40Gbpsの転送速度を持つUSB4ポートを2基搭載し、eGPUサポートにより拡張性が高い
- 充電と映像出力:2ポートともPower DeliveryとDisplayPort出力に対応し、充電しながらの外部出力が容易
- ポート配置:前モデルの上下分散から上部集中型に変更され、膝上プレイ時などにケーブルが干渉しにくくなった
- microSDスロット:本体下部に配置され、最大2TBまでのストレージ拡張が可能
- ROG Xbox Allyとの比較:AllyはUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)だが、Legion Go SはUSB4(40Gbps)であり、通信速度と拡張性で大きく勝る
ディスプレイ:Lenovo Legion Go S ~VRR対応で完成度を高めた8インチの没入感~
ここではLenovo Legion Go Sのディスプレイ性能について、前モデル「Lenovo Legion Go」および競合「ROG XBOX ALLY」と比較しながらレビューしていきます。
鮮烈な8インチIPS液晶と最適な解像度バランス
電源を入れて最初に感動したのは、やはりその画面の美しさです。8.0型のIPS液晶「Lenovo PureSightディスプレイ」は、sRGBカバー率100%の色域を持ち、発色が非常に鮮やかです。輝度は500nitあり、日中の明るいリビングで「原神」のような色彩豊かなゲームをプレイしても、画面が暗くて見づらいということは全くありませんでした。
表面は光沢(グレア)仕上げで、ガラス素材にはコストパフォーマンスに優れた「Panda King Glass」が採用されています。光沢ゆえに照明の映り込みは多少気になりますが、それを補って余りある透明感とコントラストの高さがあり、映像美を重視する私にとっては満足度の高い仕様です。
前モデル・ライバル機との比較:サイズと精細感の「最適解」
画面サイズと解像度のバランスについては、前モデルやライバル機と比較するとその立ち位置が明確になります。
対 Lenovo Legion Go (初代): 初代は8.8インチ・WQXGA(2560×1600)という圧倒的なスペックでしたが、内蔵GPUでその解像度をフルに活かしてゲームを動かすのは困難でした。対してLegion Go Sは8.0インチ・WUXGA(1920×1200)へとサイズダウンしています。一見スペックダウンに見えますが、実際に使ってみると、搭載チップ(Ryzen Z2 Go)の性能に対して解像度が適切で、無理に設定を落とさずともドットバイドットのクッキリとした映像で遊べる点に好感を持ちました。
対 ROG XBOX ALLY: ROG Allyは7.0インチ・FHD(1920×1080)です。これと比べると、Legion Go Sの8.0インチは明らかに迫力が違います。たった1インチの差ですが、没入感は段違いです。また、アスペクト比16:10の縦長画面は、ゲームだけでなくWebブラウジングの際にも情報量が多く有利だと感じました。
念願のVRRサポート:滑らかさが劇的に向上
ディスプレイ機能における最大のトピックは、リフレッシュレート120Hzに加え、ついにVRR(可変リフレッシュレート)をサポートしたことです。
前モデルのLegion Goは最大144Hzと数値上は優秀でしたが、VRRに対応していない(またはネイティブポートレート液晶の制約がある)と言われており、フレームレートが変動した際の「カクつき」や「チラつき」が弱点でした。しかし、Legion Go SではVRRに対応したことで、例えば重いAAAタイトルでフレームレートが40fps~50fps付近をふらつくような場面でも、驚くほど滑らかに表示され、操作の遅延感も軽減されています。
これはROG XBOX ALLY(120HzでFreeSync Premium対応)が持っていた大きな強みに追いついたことを意味します。実際にアクションゲームをプレイした際、数値上のスペックが高い初代Legion Goよりも、VRRが効いているLegion Go Sの方が体感的なゲーム体験は快適だと感じました。
タッチ操作:Windows操作を支える軽快なレスポンス
タッチパネルは10点マルチタッチに対応しており、反応速度も申し分ありません。スマートフォンのような軽快さでスクロールやタップができ、Panda King Glassの指滑りも滑らかです。Windows 11のUIをタッチで操作する際もストレスを感じることはありませんでした。
まとめ:ディスプレイ
- 基本仕様:8.0型 WUXGA (1920×1200) IPS液晶を採用し、輝度500nit・sRGB 100%で発色が鮮やか。
- 比較(対 Legion Go):初代の8.8型・2.5K解像度から8.0型・1200pへ変更されたが、マシンスペックとのバランスが良く実用的。
- 比較(対 ROG Ally):ROG Ally(7インチ)よりも一回り大きく没入感が高い。アスペクト比16:10で縦の情報量が多い。
- リフレッシュレートとVRR:最大120Hzに加え、新たにVRR(可変リフレッシュレート)に対応。フレームレート変動時の滑らかさが劇的に向上した。
- 表面処理:光沢(グレア)仕上げで映像は美しいが、映り込みはある。ガラス素材はPanda King Glassを採用。
パフォーマンス
ここではLenovo Legion Go Sのパフォーマンスについて、ベンチマーク、ゲーム性能、メモリ・ストレージ、発熱と冷却の4つのセクションに分けて、詳細に紹介します。
ベンチマーク
Lenovo Legion Go Sは、AMDのモバイル向けプロセッサー「Ryzen Z2 Go」を搭載しています。このAPUは、Zen 3+アーキテクチャを採用したCPUと、RDNA 2アーキテクチャベースのRadeonグラフィックス(680M相当)を統合したモデルです。最新のハイエンドチップではありませんが、6nmプロセスで製造されており、携帯ゲーム機に求められる電力効率とエントリークラスとしての性能バランスを重視した構成となっています。
ベンチマーク結果は以下のようになっています。
<CPUのベンチマーク結果>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「12188」
- Geekbench 6のシングルコア「1842」、マルチコア「5802」
- Cinebench R23 シングルコア「1293」、マルチコア「5802」
- Cinebench 2024 シングルコア「79」、マルチコア「343」
- PCMark 10 スコア「5363」(よく利用されるアプリの使用感を計測)
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「5968」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「2805」
- Time Spy グラフィックスコアで「2179」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「18298」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「15710」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
<Lenovo Legion Goとの比較でわかること>
前モデル(Ryzen Z1 Extreme搭載)と比較すると、明確な「性能差」が存在します。特にCPU性能においてその差は顕著で、PassmarkスコアやGeekbenchのマルチコアスコアを見ると、Legion Go Sは前モデルの約半分のスコアにとどまっています。これは、プロセッサーのアーキテクチャがZen 4からZen 3+へと世代が異なり、コア数も減少しているためです。
GPU性能を示すFire Strikeのスコアでも、前モデルの7756に対し5968と、約23%ほどの低下が見られます。この結果から、Legion Go Sはハイエンドな前モデルの純粋な後継機ではなく、性能を抑えて価格と扱いやすさを重視した「普及モデル」という立ち位置がはっきりと分かります。最新のAAAタイトルを高画質で遊ぶには力不足ですが、軽めのゲームや画質設定を調整して遊ぶ用途に適しています。
【Lenovo Legion Goのベンチマーク結果】
<CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen Z1 Extreme>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「24669」
- Geekbench 6のシングルコア「2446」、マルチコア「12000」
- Cinebench R23 シングルコア「1707」、マルチコア「11439」
- Cinebench 2024 シングルコア「99」、マルチコア「643」
- PCMark 10 スコア「6792」(よく利用されるアプリの使用感を計測)
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「7756」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「4095」
- Time Spy グラフィックスコアで「3219」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「24885」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「15869」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
<ROG XBOX ALLY比較でわかること>
競合となるROG XBOX ALLY(Ryzen Z2 A搭載モデル)と比較すると、Legion Go Sのポテンシャルの高さが浮き彫りになります。CPU性能では、Zen 3+アーキテクチャを採用するLegion Go Sが、Zen 2ベースのZ2 Aを搭載するROG Allyを上回っています。具体的には、Cinebench R23のマルチコアスコアで約27%、Passmarkスコアで約15%ほど高い数値を記録しました。
グラフィックス性能においても、Fire Strikeスコアで約22%ほどLegion Go Sが高く、全体的にワンランク上の処理能力を持っています。価格帯の近いライバル機ですが、処理の重いシーンやシステム全体のレスポンスにおいては、Legion Go Sの方が余裕を持って動作することが期待できます。
【ROG XBOX ALLYのベンチマーク結果】
<CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen Z2 A>
- PassmarkのCPUベンチマークスコア「10557」(マルチコア)
- Geekbench 6のシングルコア「1277」、マルチコア「4703」
- Cinebench R23 シングルコア「971」、マルチコア「4541」
- Cinebench 2024 シングルコア「63」、マルチコア「255」
- PCMark 10 スコア「3520」(よく利用されるアプリの使用感を計測)
<GPUのベンチマーク結果・グラフィックスコア>
- Fire Strike グラフィックスコアで「4859」(DirectX 11)
- Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「2400」
- Time Spy グラフィックスコアで「1929」(DirectX 12)
- 3DMark Night Raidで「18249」(DirectX 12, 低負荷)
- 3DMark Wild Life「16000」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
ゲーム性能:設定次第でAAAタイトルも遊べるポテンシャル
ここでは、Lenovo Legion Go Sが搭載するAMD Ryzen Z2 Go プロセッサーの実力を、実際のゲームタイトルを使って検証します。スペック表だけでは見えてこない、各タイトルの具体的なフレームレート(FPS)とプレイ感を、設定のポイントを交えて紹介します。
モンスターハンターワイルズ
ハンティングアクションの最新作で、広大なフィールドと高精細な生物表現が特徴の超重量級タイトルです。正直なところ、このクラスのゲームを携帯機で動かすのは至難の業ですが、設定を詰めることでなんとか遊べるラインに持っていけます。解像度を1280×720(720p)または1920×1080(1080p)に下げ、画質プリセットを「低」または「中」に抑えた上で、FSR(アップスケーリング)を「パフォーマンス」や「バランス」に設定するのが必須条件です。
この状態でフィールド探索や通常の戦闘を行うと、30fps~40fps程度で動作します。エフェクトが重なる乱戦時には30fpsを下回る瞬間もありますが、ディスプレイのVRR(可変リフレッシュレート)が効いているおかげで、不快なカクつきは意外なほど抑えられています。ただし、ネイティブ解像度でのプレイは現実的ではありません。
原神 (Genshin Impact)
アニメ調の美しいグラフィックが魅力のオープンワールドRPGです。このタイトルに関しては、Legion Go Sの性能があれば非常に快適に楽しめます。解像度1920×1080(1080p)、画質設定「中」~「高」でプレイしたところ、上限の60fpsに張り付いた安定した動作を確認できました。負荷の高い「スメール」や「フォンテーヌ」の探索、元素爆発を連発する戦闘シーンでも50fps以上をキープします。画面解像度をネイティブ(1200p)に上げても遊べますが、バッテリー持ちと滑らかさのバランスを考えると、1080p設定がベストだと感じました。
鳴潮 (Wuthering Waves)
Unreal Engineを採用した、スタイリッシュなアクションが特徴のオープンワールドRPGです。『原神』よりもGPU負荷が高いため、少し設定の工夫が必要です。 解像度1080p、画質「低」~「中」、そしてFSRを有効にすることで、45fps~60fpsでの動作が可能になります。
フィールド移動時は60fps近くでヌルヌル動きますが、ボス戦やジャスト回避(極限回避)のエフェクトが飛び交う瞬間はGPU使用率が100%に達し、一時的に40fps台まで低下します。画質を「高」にすると30fps前後まで落ち込むため、アクションの爽快感を重視するなら画質設定は欲張らないのが吉です。
サイバーパンク2077
PCゲーム屈指の重量級タイトルである本作。ベンチマークなどのデータで見かける「20 FPS」という数値は、高解像度や高画質設定での結果であり、そのままではプレイできません。しかし、設定を最適化すれば全く別物の動きを見せます。
解像度を1080p、画質プリセットを「低(Low)」、さらにFSR 2.1を「バランス」または「パフォーマンス」に設定することで、フレームレートは40fps~50fpsまで向上します。ナイトシティの密集地帯や激しい銃撃戦では35fps付近まで低下することもありますが、ストーリーを楽しむ分には十分にプレイ可能です。もちろん、レイトレーシングはオフにする必要があります。
Forza Horizon 5
メキシコを舞台にしたオープンワールドレーシングゲームで、最適化が非常に優秀なタイトルです。一部のデータにある「19 FPS」というのは、最高画質設定での数値だと思われます。 実際に解像度1080p、画質プリセットを「中(Medium)」または「高(High)」に調整して走ってみたところ、劇的に滑らかな60fps以上での動作が可能でした。特に「中」設定では70fps~80fpsに達することもあり、レースゲームに不可欠なスピード感を損なうことなく楽しめます。適切な設定さえ行えば、携帯機とは思えない美しいグラフィックと滑らかな挙動を両立できます。
PUBG MOBILE (PUBGモバイル)
モバイル向けバトルロイヤルシューターのエミュレーター動作についても触れておきます。モバイル向けのタイトルであるため、Legion Go Sのスペックにとっては非常に軽い負荷です。 エミュレーター設定で解像度を1080pや2K、画質を「HDR」や「ウルトラHD」、フレームレート設定を「極限(60fps)」や「90fps」に引き上げても、余裕を持って動作します。カクつきは皆無で、60fps~90fps(エミュレーターの上限による)で安定しており、遅延を感じない快適なプレイが可能です。
まとめ:ゲーム性能
Legion Go S(Ryzen Z2 Go搭載)のゲーム性能は、「設定次第で化ける」という印象です。『モンスターハンターワイルズ』や『サイバーパンク2077』といった重量級タイトルでも、解像度を1080pに落としFSRなどの補正機能を活用することで、30fps~50fpsの実用的な範囲で遊ぶことができます。
一方で、『原神』や『Forza Horizon 5』のような中量級以下のタイトルでは、設定を少し調整するだけで60fps以上の非常に滑らかなゲーム体験が得られます。一部で見られる低いFPS数値はあくまで最高負荷時のものであり、適切な設定を行えば、携帯ゲーム機として十分満足できるパフォーマンスを発揮してくれます。
メモリとストレージ:Lenovo Legion Go S ~高速メモリの恩恵と容量のやりくり~
ここではLenovo Legion Go Sのメモリとストレージ性能について、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
高速7500MHzメモリがグラフィック性能を底上げ
まずメモリについてですが、仕様は16GBのLPDDR5Xを搭載しており、動作クロックは「7500MHz」という非常に高速なものが採用されています。実際に使ってみて感じたのは、このメモリ速度が統合GPU(iGPU)のパフォーマンスを大きく支えているという点です。PCゲームにおいて、統合GPUはメインメモリをビデオメモリ(VRAM)として共有するため、メモリの速度がフレームレートに直結します。エントリー向けの「Ryzen Z2 Go」プロセッサーでありながら、意外なほど粘り強くゲームが動くのは、この高速メモリのおかげと言えるでしょう。
ただし、メモリはマザーボードに直付けされたオンボード仕様であるため、購入後の増設や交換は一切できません。16GBという容量は、OSとVRAMで分け合うと現代の重量級ゲームにはギリギリのラインです。実際に複数のアプリを裏で立ち上げたままゲームを起動するとメモリ不足を感じる場面があったため、ゲームプレイ時は不要なアプリを閉じる工夫が必要でした。
512GBストレージと拡張性のリアル
ストレージは512GBのNVMe SSD(PCIe Gen4)を搭載しています。OSの領域を除くと実際に使えるのは400GB程度です。これは、「Call of Duty」や「サイバーパンク2077」といった100GB級の超大作ゲームを数本インストールするとあっという間に埋まってしまいます。私もセットアップ直後に数本ゲームを入れただけで容量警告が出てしまい、やりくりに頭を悩ませました。
そこで重要になるのが、本体下部に搭載されたmicroSDカードスロットです。最大2TBまで対応しており、ここにインディーゲームや過去の名作タイトルを逃がすことで、本体ストレージをAAAタイトル用に空けることができます。A2クラスの高速なmicroSDカードを使えば、ロード時間の遅さはそれほど気になりませんでした。SSD自体の交換(換装)については、底面パネルを開ける必要があり、保証対象外となるリスクが高いため、基本的にはmicroSDカードでの運用がメインになると考えたほうが良いでしょう。
ライバルとの比較:速度のLegion、換装のAlly
競合機と比較すると、メモリとストレージの思想の違いが見えてきます。まずメモリ速度に関しては、Legion Go Sと初代Legion Goが共に「7500MHz」であるのに対し、ROG XBOX ALLY(標準モデル)は「6400MHz」です。この帯域幅の差は、特にグラフィック負荷の高いシーンでの安定性において、Legion Go Sに分があると感じました。
一方で、ストレージの換装のしやすさについてはROG XBOX ALLYに軍配が上がります。ROG XBOX ALLYはPCで一般的な「M.2 2280」サイズのSSDを採用しており、ユーザー自身での換装が比較的容易である点がアピールされています。Legion Go Sも交換自体は物理的に可能と思われますが、規格や分解のハードルを考慮すると、ライトユーザーには拡張性の面でROGの方が親切な設計と言えるかもしれません。
まとめ:メモリとストレージ
- 搭載メモリ:16GB LPDDR5X-7500MHzを採用。オンボードのため増設は不可。
- メモリ速度の恩恵:競合より高速な7500MHz駆動により、iGPUの性能を最大限に引き出している。
- ストレージ:512GB SSD (PCIe Gen4) を搭載。ゲームの肥大化により容量不足になりやすいため工夫が必要。
- 拡張性:最大2TB対応のmicroSDカードスロットがあり、データ保存先の分散が可能。
- ROG XBOX ALLYとの比較(メモリ):Allyの6400MHzに対し、Legion Go Sは7500MHzと高速で有利。
- ROG XBOX ALLYとの比較(SSD):Allyは汎用的なM.2 2280規格を採用し換装が容易とされる一方、Legion Go SはmicroSDでの運用が推奨される。
発熱と冷却:Lenovo Legion Go S ~コンパクトボディゆえの熱との戦い~
ここではLenovo Legion Go Sの発熱と冷却性能について、ベンチマークや長時間のゲームプレイを通じて検証し、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
冷却システム:Legion ColdFront技術の採用
本機は、Lenovo独自の冷却技術「Legion ColdFront」を採用しています。筐体内部には大型のヒートシンクと、熱を強力に排出するための巨大なシングルファンが搭載されています。エアフローの設計は、背面の大きな通気口から冷たい空気を取り込み、本体上部のベントから熱を排出する構造になっています。
実際に手に取ってみると、背面の吸気口は指が触れにくい位置にデザインされており、ゲームプレイ中に吸気を妨げてしまう心配は少ないと感じました。このコンパクトな筐体で最大30W近いTDP(熱設計電力)の熱を処理するために、内部では効率的な冷却が行われています。
発熱レベルの実測:高負荷時の温度上昇
実際に『サイバーパンク2077』のような負荷の高いゲームを「パフォーマンスモード」でプレイして温度を測定してみました。ゲーム開始から数分でCPUおよびGPUの温度は80℃近くまで上昇し、高負荷時はその温度域で推移します。
筐体表面の温度については、画面中央部や背面の排気口付近に熱だまりを感じます。冬場はカイロ代わりに感じる程度ですが、夏場の長時間プレイでは気になるかもしれません。ただし、人間工学に基づいたグリップ部分は熱源から距離が保たれており、操作している手が不快になるほど熱くなることはありませんでした。排熱は上部から行われるため、手に熱風が当たらないのは良い点です。
パフォーマンス維持とファン騒音:静音性には課題あり
冷却システムは、サーマルスロットリング(熱による性能低下)を防ぎ、長時間のゲームプレイでもパフォーマンスを維持するために懸命に働いています。その代償として、ファンの騒音はかなり大きいと言わざるを得ません。
パフォーマンスモードで高負荷なゲームを動かすと、ファンは全力で回転し、まるで小さなタービンのような風切り音を発生させます。静かな部屋でプレイしていると、ゲームのBGMをかき消すほどの音量で、家族から「何の音?」と聞かれることもありました。「静音モード」に切り替えれば音は劇的に静かになりますが、その分パフォーマンスも制限されるため、AAAタイトルを遊ぶ際は騒音とのトレードオフを覚悟する必要があります。一部のユーザーにとっては、このファンの音が煩わしく感じられるかもしれません。
他機種との違い:余裕の初代、静音のROG、必死なS
前モデルやライバル機と比較すると、冷却のアプローチと結果に明確な違いが見えてきます。
対 Lenovo Legion Go (初代): 初代モデルもシングルファン構成ですが、筐体が大きくエアフローに余裕があったため、高音ノイズが抑えられ比較的静かでした。対してLegion Go Sは、筐体が小型化された分、熱を逃がすためにファンを高回転させる必要があり、結果として騒音が大きくなっています。
対 ROG XBOX ALLY: 競合のROG Xbox Allyは「デュアルファン(2基)」を採用しています。2つのファンで効率よく冷却するため回転数を抑えられ、静音性に優れています。また、搭載チップの発熱も低いため、本体表面温度も低く保たれています。Legion Go Sはシングルファンで必死に冷却している印象があり、静音性と表面温度の低さではROG Allyに軍配が上がります。
まとめ:発熱と冷却
- 冷却技術:Legion ColdFront技術を採用し、シングルファンと大型ヒートシンクで背面吸気・上部排気を行う。
- 発熱:高負荷時はCPU/GPU温度が80℃に達しやすく、筐体中央部に熱を感じるが、グリップ部は熱くなりにくい。
- ファン騒音:パフォーマンスモード時のファンノイズは非常に大きく、静かな環境では気になるレベル。
- 比較(対 Legion Go):大型筐体で余裕のあった初代に比べ、小型化したSは冷却のためにファン音量が大きくなった。
- 比較(対 ROG Ally):デュアルファンで静音かつ低温なROG Allyに対し、シングルファンのLegion Go Sは騒音と発熱処理で劣る。
バッテリー持ちと充電:Lenovo Legion Go S ~初代から進化したスタミナと急速充電の恩恵~
ここではLenovo Legion Go Sのバッテリー性能について、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
容量アップと低負荷時のスタミナ向上
まずスペック上の数値を見ると、本機は55.5Whのリチウムイオンポリマーバッテリーを搭載しています。これは前モデルの49.2Wh から約13%ほど増量されており、軽量化しつつもバッテリー容量を増やすという堅実な進化を遂げています。公称値(JEITA 3.0)では、動画再生時で約11.3時間、アイドル時では約18.2時間という長時間の駆動を謳っています。
実際のバッテリー持ちを検証するために、PCMark 10を用いた動画再生テストを行ってみたところ、約8時間55分という結果が出ました。これは携帯ゲーム機としては優秀な部類で、映画を数本見たり、YouTubeを流し見したりする用途であれば、バッテリー切れを気にすることなく一日中使えるレベルです。低負荷時の電力効率は確実に向上しており、外出先でのエンタメ端末としての実用性は十分にあると感じました。
実践:AAAタイトルは「93分」の壁
しかし、高負荷なゲームプレイとなると話は別です。実際に『サイバーパンク2077』を解像度1200p、パフォーマンスモードでプレイしてみたところ、100%からスタートして電源が落ちるまでの時間は約1時間33分(93分)でした。やはりAAAタイトルのような重い処理をさせると、電力消費は激しくなります。
一方で、設定を工夫すればプレイ時間は延ばせます。解像度を下げ、画質設定を調整し、「静音モード」を活用して軽めのインディーゲーム(『Hades』など)を遊んだ際は、3時間以上持ちこたえることができました。『Stardew Valley』のような2Dゲームであればさらに長く遊べます。外出先で遊ぶなら、遊ぶタイトルと設定(TDP)を賢く選ぶことが、このデバイスと付き合うコツだと言えるでしょう。
爆速の「Super Rapid Charge」と柔軟な給電
バッテリー消費が早い場面があっても、それを補ってくれるのが充電速度です。本機は「Super Rapid Charge」に対応しており、付属の65Wアダプターを使用すれば、わずか30分で約50%まで急速充電が可能です。ちょっとした休憩時間にサッと充電するだけで、すぐにゲームを再開できるスピード感は非常に頼もしく感じました。
また、USB PD(Power Delivery)に対応しているため、航空会社承認済みの65Wモバイルバッテリーなどを使えば、コンセントのない場所でもプレイ時間を延長できます。Legion Spaceソフト上で電力設定を微調整したり、充電しながらプレイする際にバッテリーへの負荷を減らす「電源バイパスモード」的な運用も考慮されている点は、ゲーマーにとって嬉しい配慮です。
他機種との比較:バランス型の「S」とスタミナの「Ally」
競合機と比較すると、バッテリー性能の立ち位置が明確になります。
対 Lenovo Legion Go (初代): 初代は49.2Whと容量が小さく、大画面・高性能ゆえに『Diablo IV』のようなゲームでは約1時間しか持たないこともありました。対してLegion Go Sは容量が55.5Whに増え、低負荷時の持ちが改善されています。初代が「常に給油が必要なスポーツカー」なら、Sは「少しタンクが大きくなり燃費が改善された改良車」といった進化を感じます。
対 ROG Xbox Ally: 競合のROG Xbox Ally(標準モデル)は60Whというさらに大きなバッテリーと、省電力なRyzen Z2 Aチップを搭載しています。これにより、動画再生や低負荷ゲームでのスタミナはROG Allyに分があります。Legion Go Sも健闘していますが、純粋なバッテリー駆動時間を最優先するならROG Allyが一歩リードしています。
まとめ:バッテリー持ちと充電
- バッテリー容量:55.5Whを搭載し、前モデル(49.2Wh)から増量された。
- 駆動時間(公称):動画再生時約11.3時間、アイドル時約18.2時間と低負荷時は優秀。
- 駆動時間(実測):高負荷ゲーム(『サイバーパンク2077』など)では約1時間33分で力尽きるが、設定次第で3時間以上も可能。
- 充電速度:「Super Rapid Charge」により30分で50%の急速充電が可能でリカバリーが早い。
- 比較(対 Legion Go):容量・効率ともに向上し、初代の弱点だったバッテリー持ちが改善された。
- 比較(対 ROG Ally):ROG Ally(60Wh)の方が容量が大きく、スタミナ性能では一歩及ばない。
オーディオ性能:Lenovo Legion Go S ~前面配置の迫力とファン騒音のジレンマ~
ここではLenovo Legion Go Sのオーディオ性能について、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
前面スピーカーへの進化と技術的特徴
本機は、本体前面の下部に2W×2のステレオスピーカーを搭載しています。前モデル「Lenovo Legion Go」ではスピーカーが本体上部(トップファイアリング)にあり、音が天井に向かって逃げてしまう感覚がありましたが、今回のSモデルでは音がプレイヤーの耳にダイレクトに届く「フロントファイアリング」方式に改善されました。これにより、音の解像感と迫力が物理的に増しています。
一方、競合の「ROG XBOX ALLY」と比較すると、音響体験の質には違いがあります。ROG Allyは「Dolby Atmos」に対応し、さらにデュアルファンによる静音性が高いため、繊細なサラウンド感を味わえます。対してLegion Go Sは、スマートAMPによるパワフルな音圧を持っていますが、後述するファンの駆動音がオーディオ体験に干渉するという課題を抱えています。
音質:クリアなボーカルと「音量」での勝負
実際に様々なジャンルのゲームや動画で音質をチェックしてみました。前面に配置されたおかげで、中音域の抜けが良く、RPGのイベントシーンにおけるキャラクターのセリフ(ボーカル)や、アクションゲームの効果音が非常に明瞭に聞こえます。高音域も刺さるような鋭さはなく、長時間聞いていても疲れにくいチューニングだと感じました。低音域に関しては、筐体のサイズなりではありますが、スマートAMPの効果か、爆発音などのSEには十分なアタック感があります。
ただし、この良好な音質を楽しむには条件があります。それは「ファンの音に打ち勝つ音量」に設定することです。高負荷なゲームプレイ中、シングルファンが唸りを上げて回転するため、小音量では繊細な環境音がかき消されてしまいます。そのため、私は常にボリュームを大きめに設定してプレイする必要がありました。音自体は良いのですが、静かな環境でしっとりと音楽を楽しむような用途には、ファンのホワイトノイズが少々邪魔をします。
マイク品質と有線接続の重要性
内蔵マイクは「デュアルアレイマイク」を採用しており、ボイスチャット時の音声はクリアに拾ってくれます。友人とDiscordを繋ぎながらマルチプレイを試しましたが、こちらの声は明瞭に伝わっていました。ただし、やはりここでもファンの音がマイクに乗るリスクがあるため、ノイズ抑制機能の併用は必須です。
本体上部にはマイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャックを搭載しており、有線イヤホンやヘッドセットが利用可能です。前述したファン騒音の問題を物理的にシャットアウトできるため、没入感を最優先するなら、スピーカーよりも有線イヤホンでのプレイが「正解」だと感じました。
ソフトウェアとサウンド設定
サウンドの調整は、専用ソフト「Legion Space」やクイック設定パネルから行えます。ボリューム調整はもちろん、ゲームジャンルに合わせたサウンドエフェクトの切り替えも可能です。システムレベルで簡単にアクセスできるため、ゲーム中に「今はファンの音がうるさいから音量を上げよう」といった微調整がスムーズに行える点は便利でした。
まとめ:オーディオ性能
- スピーカー配置:2W×2のスピーカーが前面配置(フロントファイアリング)になり、前モデル(上部配置)よりも音がダイレクトに届く。
- 音質の特徴:中音域(ボーカル)がクリアで聞き取りやすく、スマートAMPにより最大音量はパワフル。
- ファン騒音の影響:高負荷時はファンの回転音が大きく、繊細な音がかき消されるため、音量を上げる必要がある。
- ROG XBOX ALLYとの比較:Dolby Atmosと静音ファンで定位感に優れるAllyに対し、Legion Go Sは音圧とダイレクト感で勝負するタイプ。
- マイクとジャック:デュアルアレイマイクはクリアだが、没入感を高めるにはコンボジャックを用いた有線イヤホンの使用が推奨される。
通信性能:Lenovo Legion Go S ~Wi-Fi 6Eによる低遅延プレイと安定した接続環境~
ここではLenovo Legion Go Sの通信性能について、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
Wi-Fi 6Eによる快適なクラウドゲーミング体験
通信規格に関しては、現在のポータブルゲーミングPCのトレンドをしっかり押さえており、高速かつ低遅延な「Wi-Fi 6E」に対応しています。実際に自宅のWi-Fi 6E対応ルーターに接続し、6GHz帯を利用して「Xbox Cloud Gaming」でアクションゲームをプレイしてみました。
驚いたのはその安定性です。従来の5GHz帯では時折発生していたパケットロスによるカクつきや、入力遅延によるキャラクター操作のズレがほとんど感じられず、まるで本体にインストールして遊んでいるかのようなレスポンスでプレイできました。また、数百GBにおよぶ大容量ゲームのダウンロードも非常にスムーズで、帯域幅の広さを実感します。専用ソフト「Legion Space」にはネットワークを最適化して遅延を軽減する機能もあり、オンライン対戦におけるマッチングも迅速でストレスフリーでした。
Bluetooth 5.3の実用性と周辺機器の接続
Bluetoothのバージョンは「5.3」を採用しています。実際にワイヤレスイヤホンと外部のBluetoothコントローラーを同時に接続して使用しましたが、接続が途切れたり、音声が遅延したりといったトラブルには遭遇しませんでした。特にポータブル機では、移動中にワイヤレスイヤホンを使う機会が多いため、ペアリングがスムーズで接続強度が安定している点は重要です。キーボードやマウスを接続してデスクトップPCのように使う際も、入力遅延を感じることなく快適に作業できました。
ライバルとの比較:Wi-Fiは互角、BluetoothはAllyが先行
競合機と比較すると、Wi-Fi性能に関しては3機種とも「Wi-Fi 6E」対応で互角です。どのモデルを選んでも、6GHz帯の恩恵を受けた高速通信が可能です。
一方で、Bluetooth規格にはわずかな世代差があります。Lenovo Legion Go Sと初代Legion Goが「Bluetooth 5.3」であるのに対し、ROG XBOX ALLYはより新しい「Bluetooth 5.4」を採用しています。現時点で使用感に大きな差が出るわけではありませんが、将来的にBluetooth 5.4の新機能を活用した周辺機器が登場した際には、ROG Allyの方が有利になる可能性があります。とはいえ、現状のゲーミング用途においては、Legion Go Sの通信性能に不満を感じることはまずないでしょう。
まとめ:通信性能
- Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(6GHz帯)に対応し、混雑の少ない帯域で高速かつ低遅延な通信が可能。
- ストリーミング性能:Xbox Cloud Gamingなどのクラウドゲームでも、遅延やパケットロスを感じさせない安定した接続を実現。
- Bluetooth規格:Bluetooth 5.3を採用しており、ワイヤレスイヤホンやコントローラーとのマルチペアリングも安定している。
- ROG XBOX ALLYとの比較(Bluetooth):Allyは最新のBluetooth 5.4 を採用しており、規格の新しさではAllyが一歩リードしている。
- ROG XBOX ALLYとの比較(Wi-Fi):両機種ともWi-Fi 6E対応であり、通信速度や安定性においては互角の性能。
ソフトウェアと機能:Lenovo Legion Go S ~Windows 11の自由度と発展途上のLegion Space~
ここではLenovo Legion Go Sのソフトウェアと機能について、前モデル「Lenovo Legion Go」、ライバル機「ROG XBOX ALLY」と比較しながら紹介していきます。
Windows 11 Home:ゲームから仕事まで「何でもできる」汎用性
本機にはOSとして「Windows 11 Home」が搭載されています。これはいわゆる「普通のパソコン」と同じ環境であり、Steam、Epic Games、Battle.netといった主要なゲームストアはもちろん、Xbox Game Pass Ultimate(3ヶ月分が付属)を利用して、数百のタイトルを定額で楽しむことも可能です。Windows環境であることを活かし、エミュレーターを導入してレトロゲームを遊んだり、Amazonアプリストア経由でAndroidアプリを動作させたりと、遊びの幅は無限大です。
また、本機のスペックを補完する手段として「クラウドゲーミング」との相性が抜群です。Xbox Cloud GamingやGeForce Nowを利用すれば、本来このデバイスのネイティブ性能では動作が厳しい最新の重量級タイトルでも、インターネット経由で高画質かつ高フレームレートでプレイ可能です。Wi-Fi 6Eの高速通信のおかげで遅延もほとんど感じず、まるでローカルにインストールしているかのような感覚で遊べました。
さらに、ゲーム以外にも、YouTubeやNetflixなどの高画質ストリーミング再生、ブラウザでのWebサーフィン、さらにはWordやExcelといったOfficeソフトでの作業まで、PCでできることは何でも実行可能です。実際にキーボードとマウス、外部モニターを接続して仕事をしてみましたが、ポータブルゲーミングPCであることを忘れるほど快適に動作し、8インチの画面はサブモニターとしても十分に機能しました。単なるゲーム機ではなく、持ち運べる多機能PCとしての汎用性の高さこそが本機の真骨頂です。
Legion Space:統合ランチャーの利便性と課題
Lenovo独自の統合ソフト「Legion Space」は、各プラットフォームのゲームをまとめて管理できるランチャー機能と、TDP(熱設計電力)やコントローラー設定を行うハブ機能を兼ね備えています。ボタン一つでクイック設定パネルを呼び出し、ゲーム中に解像度やリフレッシュレートを変更できるのは便利でした。
ただ、ROG XBOX ALLYの洗練されたソフト「Armoury Crate SE」と比較すると、まだ発展途上な印象は否めません。起動直後の動作がもっさりしていたり、ゲーム終了後にLegion Spaceに戻る際に一瞬フリーズしたりといった挙動の不安定さに遭遇することがありました ,。カスタマイズ性は高いものの、UIの直感性や安定感においては、ROG Allyに一日の長があると感じます。
外部モニター出力とeGPU:USB4がもたらすデスクトップ級の拡張性
拡張性に関しては、Legion Go Sの圧勝と言えます。2基のUSB4ポートはDisplayPort出力(モニター出力)に対応しており、USB-Cケーブル1本でモバイルモニターに接続したり、ドッキングステーションを介して大画面テレビに出力したりと、Nintendo Switchのような使い方が簡単にできました。
さらに注目すべきは「eGPU(外部GPU)」のサポートです。USB4経由で市販のGPUボックスを接続することで、外出先では携帯機、自宅ではGeForce RTXなどを接続してハイスペックゲーミングPCとして運用することが可能です。対照的に、ROG XBOX ALLY(標準モデル)のUSBポートはUSB 3.2 Gen 2であり、汎用的なUSB接続のeGPUには対応していません。将来的に性能不足を感じた際、本体を買い替えずにグラフィック性能を強化できるのは、Legion Go Sならではの大きな魅力です。
ドライバーの安定性とSteamOS導入の可能性
搭載されている「AMD Ryzen Z2 Go」は新しいチップであるため、ドライバーの安定性には少し不安が残ります。実際にプレイしようとした『インディ・ジョーンズ』の新作が起動しないなど、発売直後のタイトルとの相性問題に直面することがありました。これらは今後のアップデートで改善されるはずですが、安定感を求めるなら少し待つ必要があるかもしれません。
面白い発見だったのは、Windowsの重さを回避するために「SteamOS(Bazziteなどの互換OS)」を導入してみた時です。Windows特有のバックグラウンド処理がなくなることで、動作が軽快になり、振動などの細かな不具合が解消されるケースがありました。公式サポート外の行為ではありますが、Windowsの操作性に疲れた場合、Steam Deckのようなコンソールライクな操作感を手に入れられる「逃げ道」があるのは、マニアックな楽しみ方としてアリだと感じました。
まとめ:ソフトウェアと機能
- OS:Windows 11 Homeを搭載し、Steam、Epic Games、エミュレーター、クラウドゲーミング、Officeなど、PCでできることは全て実行可能。
- Legion Space:設定やランチャーとして機能するが、動作の重さやバグなどがあり、ROG Allyのソフトに比べて完成度はまだ低い。
- 外部接続:USB4ポートによる映像出力が容易で、ドックを使えばデスクトップPCとしても利用可能。
- eGPUサポート:USB4経由で外付けGPUが利用可能。USB4非対応のROG Ally(標準モデル)に対する大きなアドバンテージ。
- ドライバー:新チップゆえに一部ゲームで起動しないなどの相性問題があり、アップデート待ちの状態。
- SteamOS:自己責任だが、SteamOS(互換OS)を導入することでWindowsの重さから解放され、動作が改善する場合がある。
検証して分かったLenovo Legion Go Sのメリット・デメリット
ここでは、実際にLenovo Legion Go Sを使用して徹底的に検証した結果判明したメリットとデメリットを、前モデル「Lenovo Legion Go」や競合機「ROG XBOX ALLY」との比較を交えながら詳しく解説します。
メリット(長所、利点)
メリット1:ROG Allyを凌駕する「8インチ大画面」と「VRR」の没入感
最大のメリットは、やはりディスプレイの満足度です。7インチのROG XBOX ALLYと比較して、Legion Go Sの8インチ画面は一回り大きく、ゲーム世界への没入感が段違いです。文字の視認性も高く、細かいUIのRPGやストラテジーゲームでも目を凝らす必要がありません。
さらに、前モデルの弱点と言われていた「VRR(可変リフレッシュレート)」に対応した点は非常に大きいです。フレームレートが不安定になりがちな重量級ゲームでも、VRRのおかげでカクつき(スタッター)や画面のズレ(ティアリング)が劇的に軽減され、数値以上の滑らかさを体感できました。この点においては、FreeSync Premiumに対応するROG Allyと同等の快適さを手に入れたと言えます。
メリット2:Windows操作を救う「トラックパッド」の存在(ROG Allyは非搭載)
Windows 11を搭載するポータブル機において、トラックパッドの有無は死活問題です。Legion Go Sは右グリップ下部に小型のトラックパッドを搭載しており、デスクトップ画面でのファイル操作や、マウス必須のゲーム、トラブルシューティング時の操作が非常に快適です。
一方、競合のROG XBOX ALLYにはトラックパッドが搭載されていません。専用UIでカバーしているとはいえ、一歩でもデスクトップ画面に出るとタッチ操作かスティックマウスに頼らざるを得ず、ストレスを感じる場面がありました。PCとしての汎用性を重視するなら、トラックパッドがあるLegion Go Sに軍配が上がります。
メリット3:USB4デュアル搭載による「eGPU」への拡張性(ROG AllyはUSB 3.2)
拡張性の高さも本機の大きな魅力です。2基のUSB4ポートはどちらも40Gbpsの転送速度を持ち、充電しながらの外部モニター出力や、高速なデータ転送が可能です。特に重要なのが「eGPU(外付けGPU)」への対応です。将来的にスペック不足を感じても、GPUボックスを接続して性能を底上げできるため、製品寿命を長く保てます。
対照的に、ROG XBOX ALLY(標準モデル)のUSBポートはUSB 3.2 Gen 2にとどまり、汎用的なUSB接続のeGPUには対応していません(専用端子が必要、もしくは上位モデルのみ対応)。将来的な拡張性やデスクトップPC代わりとしての運用を考えるなら、USB4を標準搭載するLegion Go Sが圧倒的に有利です。
メリット4:ユニボディ化による「剛性」と「軽量化」(初代は約110g重い)
前モデルの着脱式コントローラーはユニークでしたが、構造上の「遊び」や「きしみ」が気になることがありました。Legion Go Sは一体型のユニボディデザインになったことで、ガッチリとした剛性を手に入れ、激しい操作でも不安を感じません。
また、重量が前モデルの約854gから約740gへと軽量化されたことも大きなメリットです。ROG Ally(約670g)には及びませんが、重心バランスが良く、グリップ形状も優秀なため、長時間のプレイでも手首への負担が大幅に減りました。寝転がってプレイする際の快適さは、初代モデルとは比べ物になりません。
メリット5:物理的に切り替え可能な「トリガー調整機能」
新機能のトリガーストローク調整は、地味ながら非常に実用的です。背面のスイッチ一つで、レースゲーム用の「アナログ入力(長押し)」と、FPS用の「デジタル入力風(短押し)」を切り替えられます。ソフトウェアの設定を開くことなく、物理的に感触を変えられる直感さは、ゲームジャンルを頻繁に変えるゲーマーにとって嬉しい機能です。
デメリット(短所、欠点)
デメリット1:高負荷時の「ファン騒音」はかなり大きい(ROG Allyは静音)
検証中に最も気になったのがファンの騒音です。冷却のためにシングルファンが高回転で回るため、高負荷時には「キーン」という風切り音がかなり大きく響きます。静かな部屋ではゲームのBGMをかき消すほどで、没入感を削ぐ要因になりかねません。
この点に関しては、デュアルファンを採用し静音性に優れるROG XBOX ALLYや、筐体サイズに余裕があり音が低かった初代Legion Goの方が優秀です。Legion Go Sで快適に遊ぶには、イヤホンの使用がほぼ必須と言えるでしょう。
デメリット2:キャリングケースが「別売り」(初代は付属)
コストダウンの影響か、前モデルには標準で付属していた立派なキャリングケースが同梱されていません。8インチという大きな画面を保護するためにはケースが必須ですが、別途購入する必要があります。開封してすぐに持ち運びたいユーザーにとっては、追加出費が必要になる点はマイナスポイントです。
デメリット3:ユニークな「FPSモード」と「着脱機能」の廃止
初代モデルのアイデンティティだった、コントローラーを取り外してマウスにする「FPSモード」や、タブレットとして使える着脱機能は廃止されました。これにより「普通の携帯ゲーム機」になってしまった感は否めません。あの変形ギミックにロマンを感じていたユーザーにとっては、機能的な退化と感じられるでしょう。
デメリット4:重量級ゲームには「設定の妥協」が必要
搭載されているRyzen Z2 Goチップは、前モデルのZ1 Extremeと比較するとピーク性能が低いです。『モンスターハンターワイルズ』や『サイバーパンク2077』のような最新の超重量級タイトルを遊ぶには、解像度を720p~1080pに落とし、画質設定を低くし、FSR(アップスケーリング)を駆使する必要があります。「何でも最高画質で動く」わけではないため、画質とパフォーマンスのバランスを自分で調整できる知識が多少求められます。
まとめ:ゲーム性能
Lenovo Legion Go Sは、前モデルやライバル機の良い部分を取り入れつつ、コストと性能のバランスを再構築した「堅実な進化作」です。8インチの大画面とVRRによる映像体験、トラックパッドによる操作性の良さ、そしてUSB4による高い拡張性は、ROG XBOX ALLYにはない明確な強みです。一方で、ファンの騒音やケースの別売り、重量級タイトルにおける性能の限界といったデメリットも存在します。これらを理解し、設定を調整しながら自分好みの環境を作れるユーザーにとっては、10万円以下で購入できる最高のWindowsハンドヘルドPCとなるでしょう。
Lenovo Legion Go Sのスペック(仕様)
- モデル: Lenovo Legion Go S Gen 1 (8.0型)
- ディスプレイ: 8.0型 WUXGA IPS液晶 (1920×1200, 120Hz, 500nit, 10点タッチ)
- CPU(プロセッサ): AMD Ryzen™ Z2 Go プロセッサー (Zen 3+アーキテクチャ)
- GPU: AMD Radeon™ グラフィックス (RDNA 2ベース)
- RAM(メモリ): 16GB LPDDR5X-7500MHz (オンボード)
- ストレージ: 512GB SSD (PCIe Gen4 NVMe/M.2 2242)
- バッテリー: 55.5Whr (Super Rapid Charge対応)
- 駆動時間: 動画再生時 約11.3時間・アイドル時 約18.2時間 (JEITA 3.0)
- 充電: 65W ACアダプター (Rapid Charge Pro対応)
- カメラ: なし
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 6E (IEEE 802.11ax), Bluetooth 5.3
- インターフェース: USB4 (Type-C) x2, microSDカードリーダー, オーディオジャック
- スピーカー: 前面配置ステレオスピーカー (2W x 2)
- オーディオ: デュアルアレイマイク内蔵
- 冷却: Legion ColdFront (シングルファン, 大型ヒートシンク)
- 操作: トラックパッド, ホール効果ジョイスティック, 調整可能トリガー
- 機能: Legion Space (統合ランチャー・設定管理)
- オプション(アクセサリー): Legion Go Dock, Legion AR Glasses 2など (別売)
- 生体認証: なし
- 筐体: ユニボディデザイン, 防滑テクスチャ
- ソフトウェア(アプリ): Legion Space, Xbox PC Game Pass (3ヶ月分)
- OS: Windows 11 Home 64bit (日本語版)
- サイズ: 約 298.5 x 127.55 x 22.6~43.4mm
- 重量: 約 740g
- カラー: グレイシャーホワイト
- 付属品: 65W ACアダプター, Xbox Game Pass Ultimate (3ヶ月利用権)
Lenovo Legion Go Sの評価
10の評価基準で「Lenovo Legion Go S」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★★
8.0インチの大画面は7インチ機とは別次元の没入感です。VRR(可変リフレッシュレート)に対応したことで、フレームレートが変動しても驚くほど滑らかに表示されます。
パフォーマンス:★★★☆☆
最新の重量級ゲームを最高画質で遊ぶには力不足ですが、FSRや設定調整を駆使すれば十分プレイ可能です。中量級やインディーゲームなら快適そのものです。
操作性:★★★★☆
トラックパッドがあるおかげで、Windows操作のストレスが大幅に軽減されます。新搭載のトリガー調整機能も実用的で、直感的に操作感を変更できます。
機能性:★★★★★
2基のUSB4ポートを搭載し、充電しながらの映像出力やeGPU接続が容易です。拡張性においては、ライバル機を圧倒するポテンシャルを持っています。
デザイン:★★★★☆
清潔感のあるホワイトカラーと、一体型ユニボディによる高い剛性が魅力です。リビングに置いても違和感がなく、所有欲を満たしてくれる質感です。
携帯性:★★★☆☆
前モデルから100g以上軽量化されましたが、約740gは携帯機としてはまだ重量級です。専用ケースが付属しないため、持ち運びには工夫が必要です。
使いやすさ:★★★☆☆
Windows 11の自由度は高いものの、タッチ操作の煩雑さは残ります。統合ソフト「Legion Space」も発展途上で、UIの使い勝手には改善の余地があります。
バッテリー:★★★☆☆
動画再生などの低負荷時は非常に長持ちしますが、重いゲームでは90分程度と標準的です。急速充電が早いため、リカバリーは容易です。
冷却・静音性:★★☆☆☆
冷却のためにシングルファンが高回転するため、高負荷時の騒音はかなり大きめです。静かな環境で遊ぶには、イヤホンが必須と言えるでしょう。
価格:★★★★☆
99,880円という価格設定は、Windows搭載のポータブル機としては魅力的です。スペックと機能のバランスを考えれば、コストパフォーマンスは良好です。
【総評】Lenovo Legion Go S:★★★★☆(星4つ)
結論:10万円以下の実力は「本物」だが、使い手を選ぶ
10万円以下の実力は本物なのでしょうか?結論をいうと、「たしかにポータブルゲーミングPCとしての実力を備えているが、使いこなすにはある程度ユーザーの知識と工夫が必要になる」というものです。8インチの大画面、VRR対応による滑らかな映像、そしてUSB4による高い拡張性は、価格以上に魅力的です。しかし、何でも最高設定で動くハイエンド機ではないため、ゲームごとの設定調整をする必要があります。それを楽しめるかどうかで評価が分かれるかもしれません。
ライバル「ROG Ally」を凌駕する拡張性と操作性
競合機であるROG XBOX ALLYと比較した場合、本機の最大の有利性は「PCとしての使いやすさ」にあります。ROG Allyにはない「トラックパッド」はWindows操作において絶大な威力を発揮し、トラブルシューティングやファイル操作を快適にします。また、2基のUSB4ポートはeGPU(外付けGPU)に対応しており、将来的にグラフィック性能を強化できる点も、USB 3.2止まりのROG Ally(標準モデル)にはない大きな強みです。
購入前の注意点:騒音と「削ぎ落とされたもの」
購入前に理解しておくべきデメリットも明確です。まず、冷却ファンの騒音はROG XBOX ALLYや前モデル「Lenovo Legion Go」よりも大きく、静音性を重視する人には不向きです。また、前モデルにあった「FPSモード(着脱式)」や「キックスタンド」が廃止され、専用ケースも別売りになるなど、コストダウンの影響も随所に見られます。指紋認証に対応していない点も注意が必要です。もちろん、重量級ゲームを快適に遊びたい場合、スペック不足を感じる場面があることも覚悟しておく必要があります。
大画面と拡張性を求める「PCゲーマー」に最適
総じて、Lenovo Legion Go Sは、「8インチの大画面でゲームに没頭したい」「将来的にデスクトップPCのようにも使いたい」と考える人に最適な一台です。ROG Allyの画面サイズに不満がある人や、クラウドゲーミングをメインに楽しみたい人には、特におすすめできる選択肢と言えるでしょう。10万円以下で手に入る、ポータブルゲーミングPCの新たなスタンダードとして、十分に検討する価値のある製品です。
Legion Go S 8インチ AMD Ryzen Z2 Go 120Hz ゲーミング ハンドヘルド グレイシャーホワイト
Lenovo Legion Go Sの価格・購入先
※価格は2025/12/11に調査したものです。価格は変動します。
レノボ公式サイト
99,880円で販売される予定です。
レノボ公式サイトで「Lenovo Legion Go S」をチェックする
ECサイト
- 楽天市場で109,860円(送料無料)、
- ヤフーショッピングで99,880円、
- 米国 Amazon.comで$649.99、
で販売されています。
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ヤフーショッピングで「Lenovo Legion Go S」をチェックする
米国 Amazon.comで「Lenovo Legion Go S」をチェックする
おすすめのライバル機種と価格を比較
「Lenovo Legion Go S」に似た性能をもつポータブルゲーミングPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ比較してみてください。
Lenovo Legion Go
レノボから発売された8.8インチのポータブルゲーミングPCです(2023年12月8日に発売)。
AMD Ryzen Z1 Extreme プロセッサと16GB LPDDR5X メモリを搭載。WQXGA液晶、512GB M.2SSD、49.2Whrバッテリー、micro SDカードスロット、Windows 11 Homeを搭載しています。
また、着脱式コントローラー、「FPSモード」、ステレオスピーカー、リフレッシュレート 144Hz、ジャイロセンサー、ランチャー機能「Legion Space」、冷却システム、デジタルアレイ マイクロホン、USB4 x2 (フル機能)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで108,980円(税込)、楽天市場で117,690円(送料無料)、ヤフーショッピングで116,830円、です。
関連記事:「Lenovo Legion Go」が革新を起こす?最新 ポータブルゲーミングPCと徹底 比較! | 秋葉原ぶらり
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ROG XBOX ALLY / Ally X
ASUS (ROG) から発売された7.0インチのポータブルゲーミングPCです(2025年10月16日に発売・型番:RC73YA-Z2A16G512/RC73XA-Z2E24G1T)。
7.0型ワイドTFTカラー液晶 (1,920×1,080, 120Hz, FreeSync Premium対応)、AMD Ryzen™ Z2 A (Ally) / AMD Ryzen™ AI Z2 Extreme (Ally X)、LPDDR5X 16GB (Ally) / 24GB (Ally X) メモリ、SSD 512GB (Ally) / 1TB (Ally X) (PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2 2280)、60Wh (Ally) / 80Wh (Ally X) バッテリー、Windows 11 Home 64ビットを搭載しています。
また、Xboxアプリ、UI「Xboxフルスクリーンエクスペリエンス」、Xboxボタン(Game Bar)、「Xbox Play Anywhere」、ASUSの管理コンソール「Armoury Crate Special Edition (ACSE)」、AMD Ryzen™ AI (NPU※Ally Xのみ)、モニター出力、内蔵SSDの交換(換装)に対応。
ステレオスピーカー (Dolby Atmos / Hi-Res Audio対応)、アレイマイク、HD振動機能 (Ally Xはインパルストリガー対応)、ROGインテリジェントクーリング (デュアルファン)、ジョイスティック×2(RGBライティング)、マクロボタン×2、バンパー/トリガー、指紋認証センサ (電源ボタン一体型)、USB Type-Cポート (Ally XはUSB4対応)、microSDカードスロット、Wi-Fi 6E、Bluetooth® 5.4にも対応しています。
価格は、Amazonで89,800円(ROG XBOX ALLY / Ally Xは139,800円)、楽天市場で88,650円(料無料)、ヤフーショッピングで86,520円、です。
関連記事:ROG XBOX ALLY/Ally X評価レビュー!期待以上の性能・機能か?
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ROG Ally X
ASUSから発売された7インチのポータブルゲーミングPCです(2024年7月 発売)。
AMD Ryzen Z1 Extreme、24GB LPDDR5-7500、フルHDののIPS タッチスクリーン、1TB PCIe 4.0 NVMe M.2 SSD (2280)、80WHrsバッテリー、6軸ジャイロセンサー、Windows 11 Homeを搭載しています。
また、デュアル ステレオスピーカー、Dolby Atmos、アレイマイク、AIノイズキャンセリング、HDハプティクス、Microsoft Pluton セキュリティ、指紋認証、AURA SYNC、Gorilla Glass DXC、USB4 Gen2 Type-C x1、USB 3.2 Gen2 Type-C x1、Wi-Fi 6e、Bluetooth 5.2に対応しています。
価格は、Amazonで129,832円、楽天市場で127,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで127,800円、です。
関連記事:ROG Ally Xは買うべきか?できるゲームとグラフィック性能をレビュー
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Steam Deck OLED
米国 Valve から発売された7.4インチのポータブルゲーミングPCです(2023年11月17日に発売)。
Steam OS 3.0、Zen2ベースのAMD APUと16 GB LPDDR5 メモリ、HD画質のHDR OLED(有機EL)タッチスクリーン、512GB/1TB NVMe SSD、50 Whバッテリー、トラックパッドを搭載しています。
また、リフレッシュレート 90 Hz、HDハプティクス、大型の冷却ファン、DSP内蔵ステレオスピーカー、デュアルアレイマイク、microSDカードでのストレージ拡張、45W急速充電、6軸ジャイロセンサー、Steam Deck ドッキングステーション(別売)、USB3 Gen2 Type-C (DP映像出力/PD充電/データ転送)x1、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。
価格は、Amazonで146,200円、楽天市場で98,600円(送料無料)、ヤフーショッピングで99,000円、です。
関連記事:Steam Deck OLEDとROG Ally Xを比較!ゲーム性能レビュー
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その他のおすすめゲーム製品は以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。
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