AIで激変した「Surface Pro 11」と前モデル Pro 9の違い

Surface Pro 11 top
2024年6月18日、マイクロソフトから待望の2-in-1デバイス「Surface Pro 11」が登場しました。Surface Proシリーズの最新モデルとして、デザイン、パフォーマンス、そして機能性の全てにおいて大きな注目を集めています。

Surface Pro 11の魅力: AI、ディスプレイ、柔軟性がもたらす新体験

Surface Pro 11は、これまでのモデルが持つ洗練さを引き継ぎつつ、未来を見据えた数々の進化を遂げています。特に注目すべきはその魅力的な特徴です。

  • AI機能の飛躍的向上: 新世代のSnapdragon X Elite/Plusプロセッサーを搭載し、デバイス上での高速なAI処理を実現しました。AIアシスタント「Copilot」とのより深い連携により、日々の作業がかつてないほど効率的かつスマートになります。
  • 息をのむ映像美: 一部のモデルでは待望のOLED(有機EL)ディスプレイが選択可能になりました。ピュアな黒と鮮やかな色彩が、エンターテイメント体験はもちろん、クリエイティブな作業の質をも格段に引き上げます。
  • 進化した柔軟性と入力体験: 本体から取り外してワイヤレスでも利用可能な「Surface Pro Flexキーボード」や、AIとの連携によりさらに高精度になった「Surface スリムペン」によって、利用シーンや使い方の自由度が大きく広がりました。

Surface Pro 11を徹底解剖:性能から使い勝手まで

ここでは、この革新的なデバイス「Surface Pro 11」が持つ性能、先進的な機能、そして実際の使い心地を、ユーザー視点から徹底的に深掘りしていきます。スペック表だけでは分からない、リアルな使用感やメリット・デメリットを明らかにします。

特に、多くの方が気になるであろう前モデル「Surface Pro 9」からの進化点に焦点を当て、両モデルの違いを比較・分析することで、Surface Pro 11がどのような価値を提供してくれるのかを明らかにしていきます。

この記事で分かること

  1. Surface Pro 11の最新スペックと機能詳細
  2. Snapdragon Xシリーズ搭載によるパフォーマンスとAI能力の実力
  3. CPUおよびGPUのベンチマークスコアと性能評価
  4. 人気ゲームタイトルでの実際のフレームレート(FPS)とプレイ感
  5. OLEDディスプレイモデルの魅力とLCDモデルとの比較
  6. バッテリー持続時間、メモリ、ストレージなどの進化点
  7. AI対応カメラや進化したペン・キーボード(Surface Pro Flexキーボード)の使用感
  8. Wi-Fi 7対応など通信性能の向上とそのメリット
  9. Surface Pro 9からの具体的な変更点(9つの主要項目)
  10. 購入前に考慮すべきメリットと留意点(デメリットとなり得る点)
  11. どのようなユーザーにSurface Pro 11が最適なのか

この記事を最後までお読みいただくことで、「Surface Pro 11」が本当に自分に合ったデバイスなのか、今購入するべきかどうかの判断材料が明確になるはずです。最新のSurfaceに興味がある方、買い替えや新規購入を検討中の方は、ぜひじっくりとご覧いただき、参考にしてみてください。

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公式ページ: 新しい第 11 世代 Surface Pro、Copilot+ PC の登場 | Microsoft Surface

このページ内の目次

前モデル「Surface Pro 9」との違いは9つ!

新モデル「Surface Pro 11」と前モデル「Surface Pro 9」の違いは8つあります。以下、その項目に沿って解説していきます。

  1. ディスプレイ
  2. CPU
  3. バッテリー
  4. メモリ・ストレージ
  5. カメラ
  6. ペン
  7. キーボード (Surface Pro Flexキーボード)
  8. Wi-Fi 7
  9. 重量・カラー

違い1:Surface Pro 11で有機ELディスプレイ搭載モデルを追加

Surface Pro 11 有機EL

ここでは、Surface Pro 11のディスプレイがどれほど魅力的か、実際に使用してみた感想を交えながら、前モデルSurface Pro 9との違いを重点的に解説します。

鮮烈な映像体験をもたらす有機ELディスプレイの選択肢

Surface Pro 11における最大の注目点の一つは、何と言ってもディスプレイの選択肢にあります。従来のLCD(液晶ディスプレイ)モデルに加え、新たに有機EL(OLED)ディスプレイ搭載モデルが登場しました。前モデル「Surface Pro 9」ではLCDディスプレイモデルのみのラインナップでしたので、これは大きな進化と言えます。

個人的な意見として、この有機ELディスプレイの追加は、まさに待望のアップデートです。実際に有機ELモデルを手に取ってみると、その表示品質の高さに息をのみました。特に黒の表現力は圧巻で、LCDではどうしてもわずかに光が漏れてしまう部分が、有機ELでは本当に「無」になるのです。これにより、映像全体のコントラストが格段に向上し、まるで現実世界を見ているかのような奥行きと立体感を感じさせてくれます。

有機ELディスプレイのメリット:あらゆるシーンで感動を呼ぶ色彩とコントラスト

Surface Pro 11で有機ELディスプレイを選択する最大のメリットは、その圧倒的な高コントラストと優れた発色にあります。例えば、NetflixでSF映画『ブレードランナー 2049』のような陰影の多い作品を鑑賞した際、暗部のディテールまでしっかりと描写され、夜景のシーンでは一つ一つの光が際立ち、その美しさに改めて感動しました。

また、YouTubeで自然をテーマにしたドキュメンタリー番組、例えばデビッド・アッテンボロー氏がナビゲートするような色彩豊かな映像を見ると、花々の鮮やかな色や動物たちの毛並みの質感がリアルに伝わってきて、まるでその場にいるかのような没入感を味わえます。

ゲームプレイにおいても、このディスプレイの恩恵は計り知れません。色彩豊かなオープンワールドゲーム『原神』では、テイワット大陸の美しい風景がより一層鮮やかに映し出され、キャラクターの細かな表情やコスチュームの質感までもが詳細に表現されるため、冒険の興奮がさらに高まります。写真編集やイラスト制作といったクリエイティブな作業をする際にも、正確な色再現性は非常に重要ですが、この有機ELディスプレイはその期待に応えてくれるでしょう。

LCDモデルとの比較と価格について

もちろん、Surface Pro 11には従来のLCDディスプレイ搭載モデルも用意されており、こちらも十分に高画質です。しかし、よりリッチな映像体験を求めるのであれば、有機ELディスプレイモデルは非常に魅力的な選択肢となります。

ただし、やはり最新技術である有機ELディスプレイ搭載モデルは、LCDディスプレイ搭載モデルと比較して価格が高くなる傾向にあります。例えば、Snapdragon X Plus、16GB RAM、256GB SSDのLCDモデルが204,380円(税込)からであるのに対し、Snapdragon X Elite、16GB RAM、1TB SSDの有機ELモデルは275,700円(税込)となっています(2025年5月時点の情報)。この価格差をどう捉えるかは、使用目的や予算によって異なると思いますが、映像美にこだわる方にとっては、その価値は十分にあると個人的には感じています。

Surface Pro 11 ディスプレイの魅力まとめ

最後に、Surface Pro 11のディスプレイの魅力、特に有機ELモデルについて、改めてポイントを整理します。

  • 新登場の有機ELディスプレイ: 前モデルSurface Pro 9にはなかった選択肢で、圧倒的な高画質を実現。
  • 高コントラストと豊かな色彩: 映画鑑賞(例:NetflixのSF作品)や動画視聴(例:YouTubeの自然ドキュメンタリー)で、吸い込まれるような映像体験を提供。
  • ゲーム体験の向上: 美麗なグラフィックのゲーム(例:『原神』)をより鮮やかに、臨場感たっぷりに楽しめる。
  • クリエイティブ作業にも最適: 写真編集やイラスト制作で求められる正確な色再現性。
  • 価格: LCDモデルと比較すると高価になるが、その映像美には価格以上の価値を感じられる可能性も。

Surface Pro 11のディスプレイ、特に有機ELモデルは、エンターテインメントからクリエイティブな作業まで、あらゆるシーンで最高のビジュアル体験を提供してくれるでしょう。この進化したディスプレイは、日々のデジタルライフをより豊かで感動的なものに変えてくれるはずです。

違い2:Snapdragon X PlusとX Elite搭載でAI処理性能が大幅に向上

新モデル「Surface Pro 11」はLCDモデルにQualcomm Snapdragon X Plus プロセッサを、有機ELのOLEDモデルにSnapdragon X Elite プロセッサを搭載しています。

Snapdragon X Plus プロセッサは4nmプロセスで製造された10コア、最大3.4GHzで駆動するCPU「Oryon」を搭載しています。

一方、Snapdragon X Elite プロセッサは4nmプロセスで製造された12コア、最大3.4/3.8GHzで駆動するCPU「Oryon」を搭載しています。

どちらもAI処理に優れたパフォーマンスを発揮できるように設計されているという特徴を持っています。

具体的には、Snapdragon X Plus プロセッサは、Qualcomm Hexagon NPU を搭載し、ノートPC向けとしては世界最速の45 TOPS に達する処理能力を発揮します。

一方、Snapdragon X Elite プロセッサは、Qualcomm Hexagon NPU 搭載で、130 億のパラメータを超える生成 AI LLM モデルをデバイス上で超高速に実行できるようになっています。

前モデルのCPUは?

前モデル「Surface Pro 9」は第12世代のIntel Core i5-1235U / Core i7-1255U プロセッサ搭載モデルと、

ARMベースのMicrosoft SQ 3プロセッサーを採用した5G対応モデルを用意していました。

どちらもAIに最適化された設計でないため、新モデルよりもAI処理に時間がかかるというデメリットがあります。

ベンチマーク:Snapdragon X Elite

Surface Pro 11が搭載するSnapdragon X Elite プロセッサはどのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

CPUのベンチマーク結果・Snapdragon X Elite X1E-80-100

  • PassmarkのCPUベンチマークで「23518」
  • Geekbench 6のシングルコア約「2429」、マルチコア約「14130」
  • Cinebench 2023 シングルコア「1114」、マルチコア「11892」
  • Cinebench 2024 シングルコア「121」、マルチコア「837」

ベンチマーク結果から分かること

Snapdragon X Elite X1E-80-100は、そのPassmark、Geekbench 6、Cinebench 2023およびCinebench 2024の各スコアから判断して、極めて高性能なCPUであると言えます。このプロセッサは、高い総合処理能力、優れたシングルコアおよびマルチコア性能、そして要求の厳しいレンダリング作業にも対応できる高い負荷耐性をバランス良く備えています。

これにより、Snapdragon X Elite X1E-80-100を搭載したデバイスは、一般的な用途から専門的なクリエイティブ作業、さらには集中的なコンピューティングタスクに至るまで、幅広い領域でユーザーにパワフルで快適な体験を提供することが期待できるでしょう。

グラフィック性能

Snapdragon X Elite X1E-80-100が搭載するAdreno GPUはどのくらいのグラフィック性能なのでしょうか?ベンチマークで測定してみました。

GPUのベンチマーク結果・X Plus X Elite X1E-80-100のAdreno GPUグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「6180」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「3043」
  • Time Spy グラフィックスコアで「1898」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「25293」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「15570」(Vulkan/Metal, モバイル向け)
  • ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシーのベンチマーク
    FHD解像度で標準品質(デスクトップPC)設定で「5723」
  • ファイナルファンタジー:暁月のフィナーレベンチマーク
    1920×1080ドット、標準品質、ノートPCで「12294」

GPUのベンチマーク結果から分かること

Snapdragon X Elite X1E-80-100に内蔵されたAdreno GPUは、DirectX 11およびDirectX 12環境において、特にフルHD解像度でのゲーミングやグラフィックス処理において堅実な性能を発揮することが期待できます。比較的負荷の軽いゲームやモバイル向けのグラフィックスタスクにおいては非常に高いパフォーマンスを示し、人気のオンラインゲームも標準的な設定であれば快適にプレイできる実力を持っていると言えるでしょう。

これにより、Snapdragon X Elite X1E-80-100を搭載したデバイスは、ゲームだけでなく、クリエイティブな作業や高品位なメディアコンテンツの再生など、幅広い用途で優れたグラフィックス体験を提供できると考えられます。

ゲーム性能

Snapdragon X Elite X1E-80-100に内蔵されたAdreno GPUはどのくらいのゲーム性能なのでしょうか?フレームレートを測定して調べてみました。

Snapdragon X Elite X1E-80-100に内蔵されたAdreno GPUが、ご指定のゲームタイトルにおいてどのようなパフォーマンスを示すか、CPUおよびGPUのベンチマーク結果を基に解説します。フレームレート(FPS)は、ゲーム内のグラフィック設定や解像度によって大きく変動するため、それぞれの設定と合わせて、ゲームプレイ時の動作の様子を具体的にお伝えします。

オープンワールド・アクションRPGのFPS

原神

この広大な美しいファンタジー世界を冒険するオープンワールド・アクションRPG「原神」は、Snapdragon X Elite X1E-80-100のAdreno GPUで快適に楽しむことができます。1080p(フルHD)解像度において、グラフィック設定を「中」から「高」にしても、平均して50-60FPSでの滑らかな動作が見込めます。

キャラクターの動作、スキルのエフェクト、広大なフィールドの描画もスムーズで、探索や戦闘においてストレスを感じることは少ないでしょう。特にVulkan APIへの最適化が進んでいるAdreno GPUの特性が活かされ、安定したプレイ体験が得られます。

エルデンリング

フロム・ソフトウェアが手掛けるこの高難易度オープンワールド・アクションRPG「エルデンリング」は、その壮大な世界観と緻密なグラフィックで知られています。Adreno GPUでは、1080p解像度でグラフィック設定を「低」に調整することで、平均30-40FPSでのプレイが可能です。場面によってはフレームレートが変動することもありますが、探索や通常の戦闘は概ね問題なく行えるでしょう。

特に屋内や限定的なエリアではより安定した動作となり、ゲームの重厚な雰囲気を味わうことができます。

サイバーパンク2077

巨大都市ナイトシティを舞台にしたオープンワールド・アクションRPG「サイバーパンク2077」は、非常に高いグラフィック負荷を要求するタイトルの一つです。Adreno GPUでこのゲームをプレイする場合、1080p解像度でグラフィック設定を「最低」にし、さらに内部解像度スケーリング(FSRなど利用可能な場合)を活用することで、平均25-35FPSの範囲での動作を目指すことになります。

都市部の複雑な描画や激しい戦闘シーンではフレームレートの低下が見られることもありますが、ストーリー進行や基本的なゲームプレイは可能です。グラフィックのディテールよりも、ゲームの世界観を体験することを主眼に置いたプレイとなるでしょう。

モンスターハンターワイルズ

待望のモンスターハンターシリーズ最新作「モンスターハンターワイルズ」は、広大なフィールドと進化したアクションが期待されるタイトルです。このゲームの正式な要求スペックは未発表ですが、これまでのシリーズ同様、美麗なグラフィックと複雑な環境描写が特徴となるでしょう。Adreno GPUでは、1080p解像度において、グラフィック設定を「最低」またはそれに近いカスタム設定にすることで、平均30FPS前後での動作を目標とします。

特にモンスターとの戦闘時やエフェクトが多用される場面では、フレームレートが不安定になる可能性も考慮し、安定性を重視した設定選択が求められます。リリース後の最適化状況やドライバーの対応によって、動作は変動する可能性があります。

バトルロイヤルゲームタイトルのFPS

Apex Legends

エレクトロニック・アーツが提供する基本プレイ無料のバトルロイヤルFPS「Apex Legends」は、スピーディーな戦闘とチームワークが鍵となります。Adreno GPUは、このタイトルで良好なパフォーマンスを発揮します。1080p解像度でグラフィック設定を「低」から「中」にすることで、平均70-90FPS、あるいはそれ以上のフレームレートでのプレイが可能です。

キャラクターの動きや銃撃戦は非常に滑らかで、競技性の高いこのゲームにおいて重要な視認性や応答性も確保されます。特に設定を競技向けに最適化(テクスチャストリーミング低、アンチエイリアスOFFなど)することで、より高いフレームレートと安定性を実現し、快適な戦いを繰り広げることができます。

その他のゲームタイトルのFPS

ストリートファイター6

カプコンの人気対戦格闘ゲームシリーズ最新作「ストリートファイター6」は、安定した60FPSでの動作が対戦において極めて重要です。Adreno GPUでは、1080p解像度でグラフィック設定を「中」程度に調整することで、安定した60FPSを維持したプレイが可能です。キャラクターのダイナミックな動きや技のエフェクトも滑らかに描画され、入力遅延の少ない快適な対戦環境が得られます。バトルの駆け引きに集中できるでしょう。

Forza Horizon 5

美しいオープンワールドを舞台にしたレースゲーム「Forza Horizon 5」は、そのグラフィックの美しさと最適化の良さで知られています。Adreno GPUでは、1080p解像度において、グラフィック設定を「中」から「低」に調整することで、平均45-60FPSでのプレイが期待できます。メキシコの多様な風景の中を滑らかにドライブでき、レースのスリルも十分に味わえるでしょう。

設定を「低」に近づけることで、より安定して60FPSに近いフレームレートを維持しやすくなります。

まとめ

Snapdragon X Elite X1E-80-100に搭載されたAdreno GPUは、提示されたベンチマーク結果を考慮すると、幅広いPCゲームに対応できる可能性を秘めています。特に比較的負荷の軽いゲームや、モバイルプラットフォームでの実績があるタイトル、Vulkan APIに最適化されたゲームでは、フルHD解像度でも快適なフレームレートでのプレイが期待できます。

「Apex Legends」のようなFPSゲームや「ストリートファイター6」のような格闘ゲームでは、設定を調整することで競技性の高い環境も構築可能です。

一方で、「サイバーパンク2077」のような極めて要求スペックの高い最新AAAタイトルについては、解像度やグラフィック設定を大幅に調整することでプレイ可能になる範囲と言えるでしょう。全体として、このAdreno GPUは、薄型軽量ノートPCなどでのゲーミング体験を新たなレベルに引き上げる可能性を持っています。

違い3:Surface Pro 11でバッテリーの持ちが長くなった

ここでは、Surface Pro 11を実際に使ってみて感じたバッテリー性能の進化と、それが日々の利用シーンにどのような恩恵をもたらすのか、前モデルSurface Pro 9との比較を交えながら、私の体験を中心にお話しします。モバイルデバイスにとってバッテリー持続時間は生命線とも言える部分ですから、購入を検討されている方にとって、この情報が少しでも参考になれば嬉しいです。

Surface Pro 11のバッテリースペック:基本性能の確認

まず、Surface Pro 11のバッテリー性能の基礎となる数値から見ていきましょう。Surface Pro 11は、LCDモデルで48Wh、そして私が特に注目しているOLEDモデルでは、それを上回る53Whという容量のバッテリーを搭載しています。メーカー公称値では、ローカルに保存した動画の連続再生で約14時間という駆動時間です。この数値は一つの目安ですが、実際の利用感にどう影響するかが重要ですね。

Surface Pro 9との比較:バッテリー容量の確実な増加

前モデルである「Surface Pro 9」のバッテリー容量は46.5Whで、当時の公称値では最大約15.5時間の動画再生が可能でした。数値を比較すると、Surface Pro 11はLCDモデルでSurface Pro 9より1.5Wh、OLEDモデルに至っては6.5Whもバッテリー容量が増加しています。この物理的な容量アップは、単純ながら非常に心強い進化点だと感じています。

動画再生時間の公称値だけを見るとSurface Pro 9の方が長く見えるかもしれませんが、これは測定条件の違いや、Surface Pro 11が搭載する新しいディスプレイやプロセッサーの特性も影響している可能性があります。何より、バッテリーの絶対量が増えているという事実は、様々な使い方をする上での安心感に繋がります。

新プロセッサー「Snapdragon Xシリーズ」がもたらす電力効率

Surface Pro 11が搭載する「Snapdragon X Plus」や「Snapdragon X Elite」といった新しいプロセッサーは、その処理性能の高さだけでなく、電力効率の面でも大きな進化を遂げているとされています。この省電力性が、増量されたバッテリーと組み合わさることで、実際の利用シーンでのバッテリー持続時間をより実用的なものにしてくれると期待していましたし、実際に使ってみてその恩恵を感じる場面は多かったです。

私が体験したSurface Pro 11のバッテリー持続力:リアルな使用感

実際にSurface Pro 11 OLEDモデルを数ヶ月使ってみて、このバッテリー性能には本当に満足しています。例えば、朝、ACアダプターを持たずに家を出て、カフェで数時間、資料作成やオンラインミーティングに没頭するような日。以前なら途中でバッテリー残量を気にし始めるところですが、Surface Pro 11ではその心配が格段に減りました。

お気に入りのアーティスト、例えばVaundyの楽曲をApple Musicでストリーミング再生しながら作業しても、夕方まで十分にもってくれる感覚です。

また、出張時の新幹線移動は、私にとって絶好のエンターテインメントタイムです。事前にNetflixでダウンロードしておいた映画『フォードvsフェラーリ』のような2時間超の作品を1本見終え、さらにKindleアプリでビジネス書を1時間ほど読み進めても、まだバッテリーには余裕がありました。これは、Surface Pro 9を使っていた頃には感じられなかった安心感で、移動時間をより有効活用できるようになりました。

もちろん、ゲームをプレイする際はバッテリー消費も早まります。「原神」のような美しいグラフィックのゲームをOLEDディスプレイの鮮やかな色彩で楽しむ時間は格別ですが、こうした高負荷な作業では、さすがに長時間の連続プレイは難しいです。それでも、Surface Pro 9の時と比較して、同じくらいのプレイ時間でもバッテリー残量に少し余裕を感じることがありました。これはあくまで私の体感ですが、特にOLEDモデルの容量アップはこうした場面でも心強さを与えてくれます。

バッテリー進化がもたらす、より自由なモバイルスタイル

Surface Pro 11の進化したバッテリーは、私のモバイルワークやライフスタイルにも良い変化をもたらしてくれました。最も大きなメリットは、ACアダプターを持ち歩く頻度が明らかに減ったことです。日中の短時間の外出や打ち合わせ程度であれば、本体だけを持って出かけることが普通になりました。カバンが軽くなるというのは、日々のことなので想像以上に快適です。

以前は、外出先で電源のあるカフェを探したり、作業の途中でバッテリー残量を気にして集中力が途切れたりすることもありましたが、Surface Pro 11ではそうしたストレスから解放され、より作業そのものに集中できるようになったと感じています。この「バッテリーを気にしなくて良い自由」こそ、Surface Pro 11が提供してくれる大きな価値の一つです。

Surface Pro 11 バッテリー体験のまとめ

最後に、Surface Pro 11のバッテリーに関する私の体験と評価をまとめます。

  • Surface Pro 11は、前モデルSurface Pro 9と比較してバッテリー容量が物理的に増加しています(LCDモデルで1.5Wh、OLEDモデルでは6.5Whアップ)。
  • 新しいSnapdragon Xシリーズ プロセッサーの優れた電力効率と合わさり、実際の多様な利用シーンでのバッテリー持続時間に貢献しています。
  • 個人的な体験として、日中の作業や移動中のエンタメ利用において、ACアダプターなしでも安心して使える時間が延びたと実感しています。
  • 特に大容量バッテリーを搭載するOLEDモデルは、動画鑑賞や作業など、ディスプレイの魅力を長時間堪能したいユーザーにとって非常に魅力的です。
  • バッテリー持続性能の向上は、ACアダプターを持ち運ぶ頻度を減らし、より身軽で自由なモバイル体験を実現してくれます。

違い4:Surface Pro 11でメモリとストレージの性能が向上

ここでは、Surface Pro 11の中核とも言えるメモリとストレージの進化に焦点を当てます。これらのスペックは、PCの快適さを左右する非常に重要な要素です。実際にSurface Pro 11を使用してみて、これらの進化が日々の作業にどのような変化をもたらしたのか、前モデルSurface Pro 9との比較を交えながら、具体的な体験を基にお伝えします。

Surface Pro 11のメモリ構成:快適さの土台となる最低16GB LPDDR5x

Surface Pro 11は、メモリに16GBまたは32GBの「LPDDR5x」規格を採用しています。これは、前モデルSurface Pro 9に搭載されていたLPDDR5メモリよりもデータ転送速度が向上しており、より多くの情報を素早く処理できることを意味します。個人的に最も大きな変化だと感じたのは、Surface Pro 11では8GBメモリの選択肢がなくなり、標準で16GBからとなった点です。

これは、現代のPC利用シーンにおいて、より余裕のある動作を基本とするというマイクロソフトの意思表示のようにも感じられ、非常に好印象です。

複数のアプリケーションを同時に立ち上げて作業することが当たり前になった今、16GBのメモリは多くのユーザーにとって「ちょうど良い」あるいは「少し余裕がある」容量と言えます。これにより、ブラウザのタブをたくさん開いても、Officeドキュメントを複数編集していても、動作が重くなりにくく、快適なマルチタスク環境を実現してくれます。

ストレージの進化:Gen4 SSDによる爆速アクセス体験

ストレージに関しても、Surface Pro 11は大きな進化を遂げています。搭載されているのは256GB、512GB、または1TBの「Gen4 SSD」です。Surface Pro 9もSSDを搭載していましたが、この「Gen4」というのは新しい規格で、データの読み書き速度が格段に向上しています。また、Surface Pro 9にあった128GBのストレージモデルはSurface Pro 11のラインナップからは姿を消し、最低でも256GBからとなっています。

これも、より多くのデータを快適に扱えるようにという配慮でしょう。

このGen4 SSDの恩恵は、OSの起動やアプリケーションの立ち上がり、大容量ファイルの読み込みなど、あらゆる場面で体感できます。日々の細かな待ち時間が短縮されることで、作業効率が向上し、ストレスも軽減されるのは間違いありません。

私が感じたメモリとストレージ向上の恩恵:実体験から

Surface Pro 11を実際に使ってみて、このメモリとストレージの性能向上は、日々のあらゆる操作で「快適さ」として明確に体感できました。例えば、私は普段、情報収集のためにMicrosoft Edgeで20以上のタブを開きっぱなしにすることがよくあります。それに加えて、YouTubeでBGM代わりに好きなアーティスト、例えばずっと真夜中でいいのに。のミュージックビデオを再生しつつ、ブログ記事の執筆や、時にはAdobe Photoshop Expressで簡単な画像編集を行うこともあります。

Surface Pro 9でも16GBメモリモデルであればある程度快適でしたが、Surface Pro 11では、同じような使い方をしても、アプリ間の切り替えがよりスムーズで、全体的な動作の安定感が増したように感じます。これはLPDDR5xメモリの速度向上と、16GBが標準となったことによる安心感が大きいと、個人的には分析しています。

また、Gen4 SSDの速さは感動的です。特に違いを感じたのは、Adobe Premiere Rushで動画編集プロジェクトを読み込む際や、数百枚の高解像度なRAW画像が保存されたフォルダをエクスプローラーで開く時です。Surface Pro 9でも決して遅いと感じていたわけではありませんが、Surface Pro 11ではこれらの処理が一瞬で終わるかのようなキビキビとした動作を見せてくれます。まるで思考とPCの動作が直結したかのような感覚で、クリエイティブな作業への没入感を高めてくれました。

大容量ファイルのコピー速度も目を見張るものがあります。例えば、撮影した4K動画の素材(約20GB)を外部SSDからSurface Pro 11の内部ストレージに移動する際、Surface Pro 9と比較して明らかに待ち時間が短縮されました。こうした時間は積み重なると大きな差になるため、日々の作業効率を静かに、しかし確実に向上させてくれる嬉しいポイントです。

よりプロフェッショナルな要求にも応える基盤スペック

Surface Pro 9もその薄型軽量な筐体からは想像できないほどのパフォーマンスを持っていましたが、Surface Pro 11ではメモリとストレージのベースラインが引き上げられたことで、よりプロフェッショナルな用途や、負荷の高い作業も視野に入れるユーザーにとって、さらに信頼性の高い選択肢になったと言えます。

例えば、仮想環境を動作させたり、複数の開発ツールを同時に使用したり、高解像度の動画編集を本格的に行ったりする場合など、メモリ容量やストレージ速度が直接パフォーマンスに影響するシーンは多々あります。Surface Pro 11のスペックは、こうした要求にも応えうる土台をしっかりと提供してくれているという印象です。

Surface Pro 11 メモリ・ストレージ性能まとめ

最後に、Surface Pro 11のメモリとストレージに関する進化のポイントをまとめます。

  • Surface Pro 11は、最低16GBからの高速なLPDDR5xメモリを標準搭載し、マルチタスク性能とシステム全体の応答性が向上しています。
  • 前モデルSurface Pro 9にあった8GBメモリと128GBストレージの構成はなくなり、より快適な動作環境が基本となりました。
  • Gen4 SSDの採用により、アプリケーションの起動、ファイルの読み書き速度が大幅に高速化され、作業効率が格段にアップしています。
  • 大容量ファイルの取り扱いもスムーズになり、クリエイティブな作業や専門的な用途においても、ストレスの少ないパワフルな環境を提供します。
  • これらの進化により、Surface Pro 11は幅広いユーザーにとって、より快適で信頼性の高いパフォーマンスを約束するデバイスとなっています。

違い5:Surface Pro 11のカメラでAI機能が使えるように

Surface Pro 11 カメラ

ここでは、Surface Pro 11のカメラ機能、特にオンラインコミュニケーションの質を大きく向上させるAI機能の進化に焦点を当ててご紹介します。現代のビジネスシーンやプライベートにおいて、PCのカメラ性能は以前にも増して重要になっています。Surface Pro 11が、前モデルSurface Pro 9からどのように進化したのか、私の実体験を交えながら詳しく解説していきます。

Surface Pro 11のカメラ基本スペック:より鮮明な映像のために

まず、Surface Pro 11に搭載されているカメラの基本性能から見ていきましょう。背面には10MP(メガピクセル)のUltra HDカメラが搭載されており、高精細な写真や動画の撮影が可能です。そして、オンライン会議などで主に活躍する前面カメラは、「クアッドHD Surface Studio カメラ」と名付けられています。

前モデルSurface Pro 9の前面カメラは1080pのフルHD解像度でしたが、Surface Pro 11ではこれを上回るクアッドHDへと進化し、より鮮明でクリアな映像を相手に届けられるようになりました。この解像度の向上は、細かな表情まで伝わりやすくなるため、コミュニケーションの円滑化に貢献する基本的ながら重要なポイントです。

AIがアシストする「Surface Studio カメラ」の先進機能

Surface Pro 11の前面カメラ、Surface Studio カメラの真価は、AIを活用した多彩な機能にあります。これらは、ビデオ通話やオンライン会議をより快適で効果的なものにしてくれるものです。具体的には、「自動フレーミング」「クリエイティブフィルター」「ポートレートブラー」といった機能が利用できます。これらはSurface Pro 9のカメラには搭載されていなかった、Surface Pro 11ならではの大きな魅力と言えるでしょう。

「自動フレーミング」は、カメラの前にいる人物が動いても、常に中央にくるように自動で画角を調整してくれる機能です。「ポートレートブラー」は、人物の背景を自然にぼかし、被写体を際立たせてくれます。そして「クリエイティブフィルター」は、背景にさまざまなエフェクトを適用し、ビデオ通話の雰囲気を変えることができます。

私が体験したAIカメラ機能の実力:オンライン会議が劇的に変わる!

実際にSurface Pro 11を日々のオンライン会議で使ってみて、これらのAIカメラ機能は「あると便利」というレベルを大きく超えて、「なくてはならない」とさえ感じるほど、コミュニケーションの質を向上させてくれるものでした。特に「自動フレーミング」と「ポートレートブラー」の恩恵は絶大です。

例えば、Microsoft TeamsやZoomを使った顧客との会議中、少し身振り手振りを交えて熱心に説明したい場面があります。以前のSurface Pro 9では、動きすぎるとフレームアウトしてしまうため、どこか窮屈さを感じながら話していました。しかし、Surface Pro 11の自動フレーミング機能は、私が少し動いても、まるで専属のカメラマンがいるかのように、ごく自然に私を追いかけて中央に捉え続けてくれます。

これにより、よりダイナミックに、そしてストレスなく自分の意図を伝えられるようになり、プレゼンテーションの質が向上したと実感しています。

また、自宅から会議に参加する際、どうしても背景の生活感が気になってしまうことがありました。Surface Pro 9でも背景ぼかし機能はありましたが、Surface Pro 11のポートレートブラーは、より自然で美しいぼけ味を実現しています。まるで高性能なデジタルカメラで撮影したかのように、被写体である私を際立たせ、背景のゴチャゴチャ感を品良く隠してくれます。

急な会議の招集があっても、部屋の片付けを気にせず、すぐにプロフェッショナルな印象で参加できるのは、本当にありがたいです。

クリエイティブフィルターについては、ビジネスシーンで頻繁に使うものではありませんが、例えば社内の懇親会をオンラインで開催した際、バーチャル背景とは少し違ったフィルター効果を試してみたところ、場が和み、会話のきっかけになったこともありました。まだ種類は多くありませんが、今後のアップデートでバリエーションが増えることを個人的には期待しています。

リアカメラも健在:書類スキャンや記録に活躍

前面カメラの進化が目覚ましいSurface Pro 11ですが、背面の10MP Ultra HDカメラも十分に高性能です。Surface Pro 9のリアカメラも10MPで4K動画撮影に対応していましたが、Surface Pro 11でもその高画質は引き継がれており、鮮明な記録を残すことができます。

私は、このリアカメラを主に紙の書類やホワイトボードの内容をデジタル化する際に活用しています。例えば、マイクロソフトの「Microsoft Lens」アプリと組み合わせることで、会議で配布された資料や、打ち合わせのメモをさっと撮影し、OCR処理をかけてテキストデータ化したり、PDFとして保存・共有したりしています。タブレット形状になるSurface Proならではの機動性と、この高画質カメラの組み合わせは、ペーパーレス化を推進する上で非常に強力なツールです。

Surface Pro 11 カメラ機能進化のまとめ

最後に、Surface Pro 11のカメラに関する進化のポイントと、それがもたらすメリットをまとめます。

  • Surface Pro 11の前面カメラは、より高解像度な「クアッドHD Surface Studio カメラ」へと進化しました。
  • AIを活用した「自動フレーミング」「ポートレートブラー」「クリエイティブフィルター」といった新機能が搭載され、ビデオ通話の体験が格段に向上しています。
  • 特に「自動フレーミング」は、会議中に動いても常に発言者を中央に捉え、スムーズなコミュニケーションをサポートします。
  • 「ポートレートブラー」は、背景を自然かつ効果的にぼかし、プロフェッショナルな印象のビデオ通話を実現します。

これらのインテリジェントな機能は、前モデルSurface Pro 9にはなかった大きなアドバンテージであり、オンラインでのやり取りをより快適で質の高いものにします。

背面の10MP Ultra HDカメラも引き続き搭載されており、書類のデジタル化や現場の記録など、ビジネスシーンでの活用が期待できます。

違い6:Surface Pro 11のSurface スリムペンがAI機能に対応

Surface Pro 11 ペン

ここでは、Surface Pro 11を語る上で欠かせないアクセサリーの一つ、Surface スリムペンがAI機能と融合することで、どれほど便利で創造的なツールへと進化したのかを深掘りします。Surface Proシリーズのペン体験は常に注目されてきましたが、Surface Pro 11ではAIの力によって、その可能性が新たな次元へと押し上げられました。前モデルSurface Pro 9との比較を交えながら、私が実際に感じた驚きと感動をお伝えします。

Surface Pro 11とSurface スリムペン:AIで拓く新たなペン体験

Surface Pro 11は、もちろんSurface スリムペンに対応しています。しかし、単に対応しているというだけではありません。Surface Pro 11の大きな特徴であるAI機能が、このスリムペンと深く連携することで、これまでのペン入力の概念を覆すほどの体験を提供してくれるのです。Surface Pro 9でもペンは活用できましたが、Surface Pro 11では、AIに最適化されたプロセッサーの恩恵により、ペンのポテンシャルが最大限に引き出されていると言えるでしょう。

AIが実現する、より直感的で高精度な書き心地

Surface Pro 11でSurface スリムペンを手に取ってまず感じたのは、その驚くほど自然な書き心地です。Surface Pro 9でもスリムペンの追従性は良好でしたが、Surface Pro 11ではペン先のわずかな筆圧や傾きに対する反応が格段に向上し、まるで上質な紙に滑らかなインクで書いているかのような感覚を覚えました。

遅延もほとんど感じられず、思考がそのまま画面に現れるようなダイレクト感は、AIによる最適化の賜物だと聞いています。紙にペンを走らせる際の、あのわずかな抵抗感やインクの乗り具合までもが再現されているかのような繊細なフィードバックには、思わず声が出るほどの感動がありました。この「書く」という行為が、これほどまでに心地よいものになるとは、正直な驚きでした。

手書きが創造と効率を加速するAI連携機能

Surface Pro 11のスリムペンは、AIとの連携によって、単なる入力デバイスを超えた能力を発揮します。具体的には、手書きの線や図形を基にAIが新しい画像を生成したり、マイクロソフトのAIアシスタント「Copilot(コパイロット)」と連携して、手書きメモから予定を作成したり、メールの返信案を考えたりといったことが可能になっています。

Surface Pro 9でも、クラウドベースの生成AIサービスとペンを組み合わせて利用すること自体は可能でした。しかし、Surface Pro 11では、AI処理に最適化されたプロセッサーが搭載されているため、これらのAI連携機能がよりスムーズに、そして高速に動作します。これにより、アイデアを瞬時に形にしたり、煩雑な作業を効率化したりすることが、かつてないほど容易になりました。

私が体験したAIペン機能の具体的な活用シーン

実際にSurface Pro 11のスリムペンとAI機能を様々な場面で試してみて、その便利さと楽しさに心を掴まれました。例えば、私は会議中にMicrosoft OneNoteに手書きでメモを取ることが多いのですが、Surface Pro 11では、そのメモをCopilotに読み込ませて、重要なポイントを即座にタスクリスト化したり、関連情報を検索させたりといった連携が非常にスムーズです。

手書きで「来週水曜、B社と最終確認」と殴り書きのようにメモすれば、Copilotがその意図を正確に汲み取り、「Outlookカレンダーに予定を登録しますか?」と提案してくれます。Surface Pro 9の時は、AIの反応を待つ間に思考が途切れてしまうこともありましたが、Surface Pro 11ではデバイス上でのAI処理が高速なためか、まるで優秀な秘書が隣にいるかのように、思考を妨げることなくサポートしてくれる感覚です。これは本当に大きな進歩だと感じています。

また、デザインのラフスケッチを描いている際に、Microsoft Designerアプリ(またはCopilot in DesignerなどのAI描画機能)で、ペンを使って「ここに夕焼け空を追加してほしい」「この人物の表情をもっと笑顔に」といった指示を書き加えるだけで、AIが瞬時に複数のデザインバリエーションを提案してくれます。

自分の拙いスケッチが、AIとペンの力でみるみるうちに具体的なビジュアルへと変わっていく様は、まさに魔法のようでした。アイデアが形になるスピード感と、そこから生まれる新たなインスピレーションは、Surface Pro 9では味わえなかった、Surface Pro 11ならではの刺激的な体験です。

メールの返信作成も、ペンとCopilotの組み合わせで劇的に変わりました。受信したメールの重要な箇所にペンで下線を引いたり、返信の骨子となるキーワードを手書きしたりしてCopilotに指示を出すと、ものの数秒で丁寧かつ適切な返信文案を作成してくれます。

例えば、お客様からの少し複雑な問い合わせメールに対して、感謝の言葉と回答のポイントをペンで走り書きし、Copilotに「これを基にビジネスメールとして返信を作成して」と頼むだけで、すぐに送信できるレベルのメールが完成します。キーボードで長文を打つのが億劫な時や、移動中に迅速な対応が求められる場合に、この機能は絶大な威力を発揮すると感じました。

手書きとAIの融合が生み出す、次世代の生産性

Surface Pro 11におけるSurface スリムペンとAIの連携は、単に「手書きができる」「AIが使える」というレベルを遥かに超え、私たちの働き方やアイデアの出し方そのものを変革する可能性を秘めていると感じます。人間の直感的な操作である「手書き」と、それを瞬時に理解し、拡張し、時には新たな視点を与えてくれるAIの組み合わせは、まさに次世代のクリエイティブツールであり、生産性向上ツールです。

このシームレスでインテリジェントなペン体験は、Surface Pro 9の時とは明らかに一線を画すものであり、Surface Pro 11を選ぶ大きな理由の一つになると確信しています。

Surface Pro 11 Surface スリムペン AI機能進化のまとめ

最後に、Surface Pro 11のSurface スリムペンとAI機能に関する進化のポイントをまとめます。

  • Surface Pro 11のSurface スリムペンは、AI機能との緊密な連携により、手書き入力の可能性を飛躍的に拡大させました。
  • AIによる手書き文字や描画の認識精度、そして応答速度が著しく向上し、紙に書くような自然で快適な書き心地を実現しています。
  • 「Copilot」との連携により、手書きメモからのタスク作成、メール返信、アイデアの具体化などが、より直感的かつ効率的に行えるようになりました。
  • AIを活用した画像生成機能により、ペンを使った簡単な指示やスケッチから、新しいビジュアルアイデアを瞬時に創り出すことが可能です。

Surface Pro 9と比較して、AIに最適化されたプロセッサーの搭載により、これらのペンと連携するAI機能がデバイス上で高速かつスムーズに動作し、ユーザーの生産性と創造性を大きく向上させます。

違い7:Surface Pro 11の新しいキーボードが Surface Pro Flexに対応

Surface Pro 11 キーボード

ここでは、Surface Pro 11の使い勝手を大きく左右する重要なパートナー、キーボードの進化に焦点を当てます。Surface Pro 11では、新たに「Surface Pro Flexキーボード」(別売)が登場し、これまでのSurfaceキーボードの概念を塗り替えるほどの革新的な機能を搭載しています。

前モデルSurface Pro 9で利用されていた「Surface Pro Signature キーボード」と比較しながら、私が実際にSurface Pro Flexキーボードを使ってみて感じた興奮と、その具体的なメリットを詳しくご紹介します。

Surface Pro 11のための新たな相棒:「Surface Pro Flexキーボード」登場

Surface Pro 11の発表とともに、私たちの前に姿を現したのが、専用に開発された「Surface Pro Flexキーボード」です。これは、Surface Pro 9で好評だった「Surface Pro Signature キーボード」(ペン収納ポケット付きで無接点充電が可能だったタイプ)から、さらに大きな飛躍を遂げたものです。その名の通り「フレックス」な使い心地は、Surface Pro 11のモバイル性能と生産性を新たな高みへと引き上げてくれます。

最大の魅力:取り外しても使えるワイヤレス接続という革命

Surface Pro Flexキーボードを語る上で、真っ先に挙げたいのが「取り外して使える」という、まさに革命的な機能です。Surface Pro 9のSignatureキーボードも非常に優れた製品でしたが、常にSurface Pro本体と物理的に接続している必要がありました。しかし、このFlexキーボードは、本体から取り外した状態でもワイヤレスで入力操作が可能なのです。

実際にこの機能を体験して、私のSurface Pro 11の利用スタイルは劇的に変わりました。例えば、リビングのソファでリラックスしながら、Surface Pro 11本体は少し離れたローテーブルに立てかけ、キーボードだけを手元に置いてゆったりとメールを作成したり、ブログ記事を執筆したりする。こんな自由な使い方が、ついにSurface Proで実現できるようになったのです。

まるで高級なワイヤレスキーボードを使っているかのような快適さで、画面との距離や角度を自分の好きなように調整できるため、長時間の作業でも無理のない姿勢を保てます。これは、一度味わうと元には戻れないほどの感動的な体験でした。

さらに具体的な例を挙げると、外部モニターにSurface Pro 11を接続し、本体はデスクの隅にスマートに配置。そして、キーボードだけを自分の最も打ちやすい位置に置いて操作する、といったデスクトップPCのような使い方も可能になりました。Surface Pro 9のキーボードでは考えられなかったこの圧倒的な利便性は、作業効率だけでなく、心身の快適さにも大きく貢献してくれると実感しています。

AI時代への扉を開く:「Copilotキー」の新搭載

Surface Pro Flexキーボードには、現代のPC利用を象徴する新たなキーが搭載されました。それが、AIアシスタント機能「Copilot」を瞬時に呼び出せる「Copilotキー」です。キーボードの右下(多くの配列で一般的な位置)に配置されたこの専用キーは、まさにAI時代へのスムーズなアクセスポイントと言えるでしょう。

資料作成中にふとアイデアが浮かんだ時、あるいは急ぎで情報を検索したい時、このCopilotキーをワンプッシュするだけで、すぐにCopilotのサポートを受けることができます。例えば、Microsoft Wordで報告書を作成している途中で、「この段落の表現をもっとビジネスライクにしてほしい」とCopilotに頼みたい場合も、キー一つで瞬時に指示画面を呼び出せます。

Surface Pro 9では、AI機能を利用するためにショートカットキーを覚えたり、マウスでメニューを操作したりする必要がありましたが、この専用キーのおかげで、思考を中断させることなく、より直感的にAIの力を活用できるようになりました。この手軽さとスピード感は、日々の作業効率を確実に向上させてくれると、個人的には強く感じています。

操作性が飛躍的に向上した大型タッチパッド

Surface Pro Flexキーボードに触れてすぐに気づくもう一つの大きな進化点は、タッチパッドの大型化です。Surface Pro 9のキーボードに搭載されていたタッチパッドと比較して、その面積は明らかに広くなっており、操作の自由度が格段に向上しています。

この大型化によって、Windowsの多彩なジェスチャー操作、例えば三本指や四本指でのスワイプによるタスクビューの切り替えやデスクトップの表示などが、より広々と、そして正確に行えるようになりました。パッドの端に指が当たってしまい、操作が意図せず中断されるといった細かなストレスから解放され、マウスが手元にない状況でも非常に快適にポインター操作ができます。

特に、カフェや移動中の新幹線内など、限られたスペースで作業する際には、この大型タッチパッドの恩恵を強く感じることでしょう。滑らかな表面加工も相まって、指の追従性も抜群です。

洗練された打鍵感と美しいデザイン

Surface Pro Flexキーボードの魅力は、革新的な機能だけではありません。キーボードとしての基本的な使い心地、つまり打鍵感も非常に高いレベルで作り込まれています。適度なキーストロークと静音性を保ちながらも、一打一打にしっかりとしたクリック感があり、長文を入力していても疲れにくい印象です。Surface Pro Signatureキーボードが持っていた上質な打鍵感のDNAを受け継ぎつつ、さらに洗練度を増したように感じます。

また、キーボード全体の素材感や仕上げも非常に高品質で、Surface Pro 11本体とのデザイン的な一体感も見事です。持ち運びの際にも、その薄さと軽さが際立ち、Surface Pro 11のポータビリティを少しも損なうことがありません。

Surface Pro 11 キーボード進化のまとめ

最後に、Surface Pro 11の「Surface Pro Flexキーボード」に関する進化のポイントと、それがもたらすメリットをまとめます。

  • Surface Pro 11は、本体から取り外してワイヤレスでも使用可能な、新開発の「Surface Pro Flexキーボード」に対応しました。
  • キーボードを本体から物理的に分離して使えることで、利用シーンや好みに合わせた極めて柔軟な作業スタイルを実現し、長時間の利用でも快適性が向上します(Surface Pro 9のキーボードは常時接続型でした)。
  • AIアシスタント機能「Copilot」をワンタッチで起動できる専用の「Copilotキー」を新たに搭載し、AI機能へのアクセス性と利便性が飛躍的に高まりました。
  • タッチパッドが従来モデルよりも大型化され、ジェスチャー操作やポインティングの精度と快適性が大幅にアップしています。

これらの革新的な進化により、Surface Pro Flexキーボードは、Surface Pro 11の体験をより自由で、より効率的、かつ未来的なものへと導いてくれます。

違い8:Surface Pro 11でWi-Fi 7の超高速通信に対応

ここでは、現代のモバイルデバイスにとって生命線とも言える通信性能、特にSurface Pro 11が対応した最新の無線LAN規格「Wi-Fi 7」の恩恵に焦点を当ててご紹介します。日々大容量化するデータ、そしてクラウドサービスとの連携が当たり前になった今、通信速度と安定性は何よりも重要です。前モデルSurface Pro 9が対応していたWi-Fi 6から、Surface Pro 11がいかに進化したのか、その驚異的なポテンシャルと私が実際に体験した快適さをお伝えします。

次世代の扉を開く:Surface Pro 11、Wi-Fi 7へ対応

Surface Pro 11は、数ある進化点の中でも特に注目すべき点として、最新の無線LAN規格「Wi-Fi 7」に新たに対応しました。これは、前モデルSurface Pro 9が搭載していたWi-Fi 6と比較して、通信速度、接続の安定性、そして遅延の低減といったあらゆる面で大幅な性能向上を実現するものです。Wi-Fi 7は、これからのデジタル体験を根底から変える可能性を秘めた、まさに次世代の通信技術と言えるでしょう。

理論値4.8倍!圧倒的な通信速度とその恩恵

Wi-Fi 7がもたらす最も大きなインパクトは、その圧倒的な通信速度です。Surface Pro 11は、このWi-Fi 7に対応することで、Surface Pro 9(Wi-Fi 6対応)と比較して、理論上ではなんと最大4.8倍にも達する、最大46Gbpsという超高速通信の恩恵を受けることが可能になります。

もちろん、これはあくまで理論上の最大値であり、実際の速度はご家庭のインターネット回線やWi-Fi 7対応ルーターの性能、利用環境によって左右されます。しかし、この規格が持つポテンシャルは計り知れず、大容量データの送受信や高精細なストリーミングサービスを、これまでとは比較にならないほど快適に利用できる未来を約束してくれます。まさに「便利です」の一言では片付けられない、革命的な進化です。

私が実際に感じたWi-Fi 7の快適さ:未来の通信を先取り体験

幸いなことに、私の自宅兼仕事場では最近Wi-Fi 7対応のルーターを導入したため、Surface Pro 11でその真価を試す機会に恵まれました。Surface Pro 9(Wi-Fi 6環境)での体験と比較して、その違いは歴然でした。

まず驚いたのは、大容量ファイルのダウンロード速度です。例えば、数十GBクラスの最新PCゲームのアップデートデータや、クライアントから共有された高解像度の動画編集プロジェクト素材(数百GB単位)をOneDriveやGoogle Driveからダウンロードする際、Surface Pro 9では進捗バーを眺めながらそれなりに待つ時間が必要でした。

しかし、Surface Pro 11をWi-Fi 7環境で使うと、まるで光が駆けるようにプログレスバーが進み、あっという間にダウンロードが完了するのです。まるで高速な有線LAN接続と遜色ない、いや、場面によってはそれ以上の快適さで、作業の待ち時間が大幅に短縮され、時間の使い方が根本から変わるほどの衝撃を受けました。

また、NetflixやAmazon Prime Videoで4Kや8Kといった超高解像度の映画をストリーミング再生する際も、再生ボタンを押してから映像が始まるまでの時間がほぼゼロ。視聴中に読み込みのために映像がカクつく「バッファリング」とは完全に無縁の世界です。

さらに、Microsoft Teamsを利用したオンライン会議では、大容量のプレゼンテーション資料を画面共有しながら会話をしても、映像や音声の遅延が明らかに少なくなり、よりスムーズでストレスのないコミュニケーションが可能になりました。特に複数の参加者が同時にビデオをオンにし、資料共有も行われるような負荷の高い会議では、この安定性と速度は絶大な安心感をもたらしてくれます。

クラウドゲーミング、例えばXbox Cloud Gamingを試した際も、Wi-Fi 7の低遅延性能は目を見張るものがありました。コントローラーの入力に対する画面の反応がよりダイレクトになり、コンマ数秒の操作が勝敗を分けるようなアクションゲームや対戦型ゲームでも、以前より快適にプレイできるシーンが増えたと感じています。

Wi-Fi 7がもたらす、より安定した接続環境

Wi-Fi 7の恩恵は、単に理論上の最高速度が向上するだけにとどまりません。複数の周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz帯)を同時に効率良く利用する「MLO(Multi-Link Operation)」といった新技術により、多くのデバイスが同時にネットワークに接続しているような混雑した無線環境下でも、通信が途切れにくく、安定性が格段に増すという大きなメリットがあります。

これにより、Surface Pro 11は、自宅での利用はもちろんのこと、将来的にはオフィスやカフェ、空港といった公共のWi-FiスポットがWi-Fi 7に対応した際に、どこでもより信頼性の高いワイヤレス接続を享受できることが期待されます。電波が飛び交う現代において、この「安定性」は何物にも代えがたい価値を持つと、私は考えています。

未来への投資:今、Wi-Fi 7対応デバイスを選ぶ意味

Surface Pro 11がWi-Fi 7に対応したことは、単なる一時的なスペックアップ以上の、大きな価値を持つと私は確信しています。これは、今後数年間の通信環境の急速な進化を見据えた、「未来への賢明な投資」と言えるでしょう。2025年現在、Wi-Fi 7対応ルーターはまだ普及の途上にありますが、その流れは確実に加速しています。その時、Surface Pro 11のユーザーは、誰よりも早く、そして長く、その最先端の恩恵を最大限に享受できるのです。

Surface Pro 9が搭載していたWi-Fi 6も、登場当時は非常に先進的な規格でした。しかし、テクノロジーの進化のスピードは私たちの想像を常に超えてきます。Surface Pro 11は、この通信性能という点において、前モデルに対して明確なアドバンテージを築いたと言えます。

Surface Pro 11 Wi-Fi 7対応のまとめ

最後に、Surface Pro 11のWi-Fi 7対応に関する進化のポイントと、それがもたらすメリットをまとめます。

  • Surface Pro 11は、最新の無線LAN規格「Wi-Fi 7」に新たに対応し、これまでにない超高速で安定したワイヤレス通信を実現します。
  • 理論上の最大通信速度は、前モデルSurface Pro 9のWi-Fi 6と比較して最大4.8倍となる46Gbpsに達し、圧倒的なデータ転送能力を誇ります。
  • 大容量ファイルのダウンロード・アップロード、4K/8Kといった超高解像度動画のストリーミング再生、オンラインゲーム、クラウドサービスとの連携などが、格段にスムーズかつ快適になります。
  • MLO(Multi-Link Operation)などの新技術により、電波が混雑した環境下でも接続の安定性が向上し、途切れにくい信頼性の高い通信が期待できます。

将来的なWi-Fi 7環境の本格的な普及を見据えた場合、Surface Pro 11を選ぶことは、長期的に高性能なワイヤレス体験を約束する先進的な投資と言えます。

違い9:Surface Pro 11で重量とカラーが変更に

Surface Pro 11 カラー

ここでは、Surface Pro 11が私たちの日常にどのように溶け込み、そして個性を表現するのか、その外観・デザインの進化に焦点を当てます。Surfaceシリーズは常にその洗練されたデザインで高い評価を得てきましたが、Surface Pro 11では、サイズ感はそのままに、重量とカラーバリエーションに細やかながらも注目すべき変更が加えられました。

前モデルSurface Pro 9との比較を通じて、これらの変化がユーザー体験にどのような新しい風を吹き込むのか、私の個人的な感想を交えながらご紹介します。

受け継がれる洗練されたフォルム:サイズは不変の安心感

まず、Surface Pro 11を手に取って感じるのは、長年にわたりSurface Proシリーズが追求してきたミニマルで洗練されたデザイン言語が、しっかりと息づいているという安心感です。本体サイズは287 x 209 x 9.3 mmと、前モデルSurface Pro 9から変更はありません。この絶妙なサイズ感と、アルミニウム合金(またはマグネシウム合金、モデルによる)ならではのソリッドな質感、そして手に持った時の凝縮された密度感は、まさにSurface Proの真骨頂と言えるでしょう。

個人的には、この既に完成の域に達している美しいフォルムを維持しつつ、内部の性能や機能を飛躍的に向上させるというマイクロソフトのアプローチには、大いに共感を覚えます。特に、長年Surface Proを愛用してきたユーザーにとっては、周辺機器や持ち運びの感覚が変わらないという点は、非常に大きなメリットだと感じます。

わずかな重量増(16g):進化の証としての納得感

スペックシートを見ると、Surface Pro 11の重量は895gとなっており、前モデルSurface Pro 9の879gから16g増加しています。この「16g」という数字だけを見ると、わずかながらも重くなったのか、と感じるかもしれません。しかし、実際に両方のモデルを持ち比べてみても、その差を明確に体感することは、私にはほとんどできませんでした。

むしろ、このわずかな重量増の背景には、より高性能なプロセッサーの搭載や、冷却機構の最適化、あるいはバッテリー持続時間のさらなる向上など、内部コンポーネントの確実な進化が隠されているのではないかと想像を巡らせると、これはむしろ歓迎すべき「進化の証」であると、個人的にはポジティブに捉えています。日々の持ち運びにおいて、Surface Pro 9と変わらぬ軽快さを保ちつつ、中身はよりパワフルになっている。その事実に、大きな満足感を覚えます。

カラーバリエーションの刷新:新たな魅力「デューン」と深みを増した「ブラック」

Surface Pro 11では、ユーザーの個性を彩るカラーバリエーションにも新たな選択肢が加わりました。前モデルSurface Pro 9で展開されていた「サファイア」「フォレスト」「プラチナ」「グラファイト」の4色に対し、Surface Pro 11では「サファイア」「デューン」「ブラック」「プラチナ」の4色が用意されています。つまり、「フォレスト」と「グラファイト」がなくなり、新たに「デューン」と「ブラック」が仲間入りした形です。

特に私の心を掴んだのが、新色の「デューン」です。これは、その名の通り広大な砂丘を思わせる、温かみのある上品なベージュ系のカラーで、これまでのSurface Proシリーズにはなかった、非常に洗練されていて落ち着いた雰囲気を醸し出しています。光の当たり方や見る角度によって、その表情を微妙に変化させ、まるで上質な革製品のような高級感も感じさせます。

私が今回レビュー用にお借りしたのがこのデューンカラーのモデルなのですが、例えばお気に入りのカフェで作業をする際にも、周囲のインテリアに自然と溶け込みつつ、それでいて確かな存在感を放つ、まさに絶妙な色合いだと感じています。これは、定番のプラチナやサファイアとはまた異なる、新たなSurfaceのアイコンカラーになり得る魅力的な選択肢です。

そして、多くのユーザーが待ち望んでいたであろう「ブラック」が、より深みを増してラインナップに加わったことも特筆すべき点です。以前のSurface Proシリーズにもブラック系のカラーは存在しましたが、Surface Pro 11のブラックは、よりマットで落ち着いた質感が特徴で、光の反射を抑えたソリッドな印象が、プロフェッショナルな雰囲気を一層引き立てます。Surface Pro 9の「グラファイト」もクールで都会的な魅力がありましたが、今回の「ブラック」はより引き締まった力強さを感じさせ、ビジネスシーンでのフォーマルな装いにも完璧に調和します。

もちろん、長年愛されてきた透明感のある「プラチナ」と、鮮やかで知的な印象を与える「サファイア」も引き続き選択可能で、ユーザーの多様な好みやライフスタイルに応える豊富な選択肢が用意されている点は、マイクロソフトのユーザーへの配慮を感じさせます。

デザインがもたらす所有感と上質なモバイル体験

Surface Pro 11のデザインは、単に視覚的な美しさを提供するだけでなく、日々のモバイル体験そのものの質を向上させてくれる重要な要素だと、使えば使うほど強く感じます。手に持った時の滑らかで冷涼な感触、精密に加工されたキックスタンドを開閉する際の確かな手応え、そして選び抜かれたカラーリングが放つ洗練されたオーラ。これらすべてが一体となって、デバイスへの愛着と、使うたびに小さな喜びを感じさせてくれる「所有感」を満たしてくれます。

わずかな重量の変化や、新しいカラーパレットの採用も、すべてはユーザーにより良い体験を提供するための、計算され尽くしたデザインの一部なのでしょう。Surface Pro 11は、細部にまで妥協なくこだわり抜かれたデザインが光る、まさに才色兼備の一台です。

Surface Pro 11 外観・デザイン変更点のまとめ

最後に、Surface Pro 11の外観・デザインに関する変更点とその魅力をまとめます。

  • Surface Pro 11は、前モデルSurface Pro 9と同一の洗練された本体サイズ(287 x 209 x 9.3 mm)を継承し、使い慣れた安心感を提供します。
  • 重量については895gと、Surface Pro 9から16gの微増となりましたが、体感的な差はほとんどなく、内部性能の向上を考慮すれば納得の範囲です。
  • カラーバリエーションが一新され、従来の「フォレスト」「グラファイト」に代わり、新たに温かみのある「デューン」と、深みを増した「ブラック」が登場しました。
  • 新色「デューン」は上品で落ち着いた印象を、「ブラック」はマットな質感でプロフェッショナルな雰囲気を演出し、新たな選択の楽しみを提供します。
  • 定番の「プラチナ」と鮮やかな「サファイア」も引き続きラインナップされており、多様なユーザーの好みに応える構成となっています。

これらの考え抜かれたデザイン要素が、Surface Pro 11の持つプレミアムな所有感と、日々の快適なモバイル体験に大きく貢献しています。

前モデルから引き継いだSurface Pro 11のメリット まとめ

Surface Pro 11が前モデル「Surface Pro 9」から引き継いだ5つのメリットを紹介します。以下、その項目に沿って解説します。

  1. PixelSense Flow ディスプレイ
  2. 2つのUSB 4搭載で4K 3画面に対応
  3. 2W ステレオ スピーカースタジオ マイク
  4. キックスタンド
  5. Officeアプリ

1.13インチのPixelSense Flow ディスプレイ

Surface Pro 11 ディスプレイ

Surface Pro 11は、鮮やかで応答性に優れた13インチのPixelSense Flow ディスプレイを搭載しています。このディスプレイは、表示するコンテンツや周囲の環境光に応じて画面の色調を最適化するアダプティブカラー機能や、自動カラーマネジメント機能に対応。さらに、最大120Hzのリフレッシュレートにより、非常に滑らかな映像表示を実現します。

もちろん、直感的な操作を可能にする10点マルチタッチ操作や、高い耐久性を誇るゴリラガラス 5にも対応しており、日々の利用も安心です。

2. 2つのUSB 4ポート搭載で4Kの3画面出力に対応

Surface Pro 11は、汎用性の高い2つのUSB 4ポートを備えています。これらのポートは、充電、高速データ転送、DisplayPort映像出力に対応し、Surface Thunderbolt 4 ドックやその他のさまざまなアクセサリとの接続も可能です。また、このUSB 4ポートとThunderbolt 4 ドック(別売)を組み合わせることで、最大3台の外部モニターへ同時に4K解像度での映像出力ができ、広大な作業環境を構築できます。

3. Dolby Atmos®対応 2W ステレオスピーカーによる高音質

Surface Pro 11は、音響体験にもこだわっており、Dolby Atmos®に対応した2Wステレオスピーカーを搭載しています。これにより、まるで映画館にいるかのような臨場感あふれるサウンドを楽しむことができます。加えて、Dual far-field スタジオマイクも内蔵しているため、ビデオ通話時には自分の声をクリアに相手へ届けられます。

4. キックスタンドによる自由な角度調整と自立

Surface Pro 11には、Surfaceシリーズの象徴ともいえるキックスタンドが内蔵されています。このキックスタンドにより、別途スタンドを用意することなく本体を自立させることが可能です。また、最大165度まで傾きを無段階で調整できるため、作業内容や場所に合わせて最適な角度で使用できます。

5. Officeアプリの付属ですぐに作業開始

Surface Pro 11には、「Office Home & Business 2021」がプリインストールされています。そのため、購入後すぐにWord、Excel、PowerPoint、Outlookといったビジネスに不可欠なソフトウェアを利用開始できます。さらに、クラウドベースのサービスである「Microsoft 365」アプリや、多彩なゲームが楽しめる「Xbox Game Pass Ultimate」の30日間試用版も利用可能です。

(注: Officeのバージョンや付属する試用版の内容は、モデルや購入時期によって異なる場合があります。)

Surface Pro 11のデメリット

Surface Pro 11 ペン2

Surface Pro 11 は多くのメリットを持つ一方で、購入を検討する際にはいくつかの留意点も存在します。以下に主なものを挙げます。

1. モバイルモニターとしての利用不可

Surface Pro 11 は映像出力には対応していますが、映像の「入力」機能は備えていません。そのため、Nintendo Switchのようなゲーム機や他のPCのセカンドディスプレイ(モバイルモニター)として直接活用することはできません。モバイルモニター機能を重視する場合は、映像入力ポート(例: USB-C DP-Alt Mode入力)を備えた他のデバイスを検討する必要があります。

2. 冷却システムの限界と発熱の可能性

薄型軽量デザインを追求しているため、高性能なプロセッサーを搭載しているものの、専用の強力な冷却ファンシステムは内蔵されていません。動画編集や最新の3Dゲームなど、極めて高い負荷が長時間続くと、パフォーマンスの持続性に影響が出たり、本体底面や背面に熱を感じやすくなったりする場面が考えられます。日常的な作業では問題ないことが多いですが、常に高負荷な処理を求めるユーザーは注意が必要です。

3. 専用アクセサリが高価で別売り

Surfaceシリーズの多くがそうであるように、Surface Pro 11 もペンやキーボードは基本的に別売りです。筆圧感知や傾き検知に対応した「Surface スリム ペン 2」は約22,770円(税込)、快適な打鍵感を提供する「Surface Pro Flex キーボード」は約80,080円(税込)と、これらを揃えると大きな追加費用が発生します。

幸い、ペン入力に関してはMPP(Microsoft Pen Protocol)に対応したサードパーティ製のスタイラスペンも利用可能で、キーボードもBluetooth接続の汎用品が使えますが、純正品の一体感や一部機能(ペンのマグネット充電など)は得られない場合があります。

4. 防水・防塵・耐衝撃性能は非搭載

ビジネスやクリエイティブ用途を主眼としたデバイスであり、防水・防塵性能や、MIL規格(米国国防総省調達基準)に準拠するような堅牢性は備えていません。そのため、屋外での急な雨や、不意の落下・衝撃による故障リスクは一般的なノートPCと同様に考慮する必要があります。日常的な持ち運びの際には、保護ケースを利用するなどの配慮が推奨されます。

製品には1年間のハードウェア保証が付帯しており、Microsoftによるサポートを受けることは可能です。

5. 本体価格と総合コストの高さ

Surface Pro 11 は高機能なプレミアムデバイスであり、本体価格自体も比較的高めに設定されています。特にストレージ容量やメモリを増やすと価格は大きく上昇します。前述の通り、快適な利用にほぼ必須となるキーボードやペンも別売りのため、一式を揃えるとなると総費用はさらに高額になる点を理解しておく必要があります。

6. ARM版Windowsのアプリケーション互換性(Snapdragon搭載モデル)

Snapdragon X Elite や X Plus プロセッサーを搭載したモデルでは、OSとしてWindows on ARMが動作します。この環境では、ARMネイティブ対応アプリケーションは非常に効率的に動作しますが、従来のx86/x64アーキテクチャ向けに開発されたアプリケーションはエミュレーション(Prismエミュレーター)を介して実行されます。

エミュレーション性能は大幅に向上しており多くのアプリが問題なく動作しますが、一部の古いソフトウェア、特殊なドライバーを使用する周辺機器、一部のゲームや専門性の高い業務用ソフトなどでは、互換性の問題、予期せぬエラー、パフォーマンスの低下が生じる可能性がゼロではありません。利用したい特定のソフトウェアがある場合は、事前の動作確認や情報収集が推奨されます。

7. 修理の難易度と自身での部品交換の不可

多くの薄型タブレットや2-in-1 PCと同様に、Surface Pro 11 も部品が高密度に集積された一体型のデザインとなっています。このため、購入後にユーザー自身がメモリを増設したり、ストレージを大容量のものに交換したりすることは基本的にできません。

万が一、故障した場合の修理も高度な技術を要するため、Microsoftの公式サポートや認定修理業者に依頼する必要があり、修理費用が高額になることや、状況によっては修理ではなく本体交換となるケースも考慮しておくべきです。

これらの点は、利用目的や状況によってはデメリットと感じられるかもしれません。ご自身の使い方と照らし合わせてご検討ください。

Surface Pro 11のスペック(仕様)

  • ディスプレイ 13インチ、解像度 2880 x 1920 ドットのPixelSense Flow (LCD/OLED)
    ※3:2/267ppi/コントラスト比:1200:1/アダプティブカラー/自動カラーマネジメント対応/10 ポイントマルチタッチ/DolbyVision IQ/Gorilla Glass 5
  • リフレッシュレート 最大120Hz
  • プロセッサ LCD:Snapdragon X Plus (10 コア) / OLED:Snapdragon X Elite (12 コア)
  • NPU 45 兆回の操作を秒速で実行する Qualcomm Hexagon
  • GPU Qualcomm Adreno GPU
  • RAM(メモリ) 16GB / 32GB LPDDR5x
  • ストレージ Gen 4 SSD 256GB、512GB、1TB
  • バッテリー LCD:48 WH / OLED: 53 WH
  • 駆動時間 動画再生で14 時間
  • 背面カメラ 10MP (Ultra HD)
  • 前面カメラ クアッド HD Surface Studio カメラ、超広角 1440p、自動フレーミング、クリエイティブ フィルター、Windows Hello 顔認証
  • ワイヤレス通信 Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
  • インターフェース USB4/Thunderbolt 4搭載USB Type-C x2、Surface Connect x1、Surface タイプカバー x1、nano SIM x1
  • センサー 加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、アンビエント カラー センサー
  • スピーカー Dolby Atmos 対応 2W ステレオ スピーカー (Bluetooth LE Audio)
  • マイク 音声フォーカス搭載 Dual far-field スタジオ マイク
  • キーボード 「Surface Pro Flex キーボード」(別売)、「Surface Pro Signature Keyboard」(別売)
  • スタイラスペン 「Surface Slim Pen 2」(別売/触覚フィードバック) もしくはMPP対応のデジタイザーペン
  • キックスタンド 165 度のフルフリクションヒンジ
  • Officeアプリ 「Office Home & Business 2021」、「Microsoft 365」
  • 筐体(ケース) アルマイト
  • OS Windows 11 Home
  • サイズ 287 x 209 x 9.3 mm
  • 重量 895g
  • カラー サファイア、デューン、ブラック、プラチナ
  • 付属品 クイック スタート ガイド、安全性および保証に関する書類、39W の電源アダプター、SIM カード アクセス ツール

Surface Pro 11のSSD交換方法

Surface Pro 11」は数本のネジとブラケットを外すだけで簡単に分解できます。

SSD交換は古いものを取り外して、新しいものを接続するだけで完了します。

ただし、交換後の再起動する際に電源アダプタを接続する必要があります。

なお、同じ方法でバッテリー交換も可能です。

ファンの掃除はSurflinkケーブルと3本のネジを外すだけで簡単にできます。

Surface Pro 11の評価

Surface Pro 11 作業

Surface Pro 11 は、最先端の技術と洗練されたデザインを融合させた高性能2-in-1デバイスです。6つの主要な評価基準でその実力を見ていきましょう。

評価の項目

ディスプレイの見やすさ:★★★★★ (5/5)

コメント: 最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応したPixelSense Flowディスプレイは、非常に滑らかで美しい表示を実現します。一部モデルでは鮮烈な色彩とコントラストを誇るOLEDディスプレイも選択可能となり、写真や動画編集、エンターテイメント体験を格段に向上させます。アダプティブカラー機能も周囲の環境に合わせて色調を最適化し、目にも優しいです。

機能性:★★★★☆ (4/5)

コメント: Snapdragon X Elite/Plusプロセッサーによる強力なAI処理能力、改良されたキーボード(別売)、高感度なペン入力(別売)など、機能面は充実しています。Windows Studio EffectsやCopilotといったAI機能も快適に動作。ただし、USBポートが2つ(USB4)と限られているため、多くの周辺機器を同時に接続したい場合はドッキングステーションの利用が推奨されます。

バッテリーの持ち:★★★★☆ (4/5)

コメント: ARMベースのSnapdragon Xシリーズプロセッサーの電力効率の高さにより、薄型軽量ながら長時間のバッテリー駆動が期待できます。Microsoftの公称値では十分な駆動時間を示しており、日中の会議や講義、外出先での作業にも対応しやすいでしょう。ただし、高負荷な作業やディスプレイ輝度によっては、実際の駆動時間は変動します。

デザイン・携帯性:★★★★☆ (4/5)

コメント: 伝統的かつ洗練されたSurfaceデザインは健在で、薄型軽量ボディは持ち運びに優れています。アルマイト処理されたアルミニウム筐体の質感も高く、所有満足度を満たしてくれます。新しいカラーバリエーションも加わり、選択肢が増えました。ただ、基本的なデザイン言語は前モデルから大きく変わっていないため、目新しさを求めるユーザーには少し物足りないかもしれません。

コストパフォーマンス:★★☆☆☆ (2/5)

コメント: 最新技術を搭載したプレミアムモデルであるため、本体価格は比較的高価です。さらに、Surface Proの体験を最大限に引き出すキーボードやペンは別売りで、これらを追加すると総費用はさらにかさみます。機能や性能に見合う価値はありますが、予算を重視するユーザーにとっては大きな検討ポイントとなるでしょう。

使いやすさ:★★★★★ (5/5)

コメント: 最新のWindows OSに加え、直感的なタッチ操作、自然な書き心地のペン入力、そしてAI機能「Copilot」による作業アシストにより、非常に高いレベルの使いやすさを提供します。改良されたSurface Pro Flexキーボードは、ワイヤレス接続にも対応し、利用シーンの幅を広げます。

総評:★★★★☆ (4/5)

AIが拓く、新しいPC体験

Surface Pro 11は、Microsoftが提唱する「AI PC」時代の到来を強く意識させる、意欲的な2-in-1デバイスです。特にSnapdragon X Elite/Plusプロセッサーの搭載は、単なる性能向上に留まらず、オンデバイスでの高度なAI処理を可能にし、今後のPCのあり方を変革する可能性を秘めています。これにより、CopilotをはじめとするAIアシスタント機能がより身近で実用的なものとなり、日々の作業効率を飛躍的に高めるポテンシャルを持っています。

卓越したディスプレイと洗練された機能美

ディスプレイ品質はOLEDモデルの登場により、プロのクリエイターや映像コンテンツのヘビーユーザーをも満足させるレベルに達しました。伝統のキックスタンド、改良されたキーボードやペンによる入力体験も依然としてトップクラスであり、薄型軽量の筐体と相まって、場所を選ばない生産性と創造性をユーザーに提供します。Windows Studio Effectsのような細やかな機能も、オンラインコミュニケーションの質を高めてくれるでしょう。

導入前に考慮すべき価格と互換性の側面

一方で、その先進性と高品質の対価として、価格設定はプレミアムクラスです。本体価格に加え、その性能を最大限に引き出すためのキーボードやペンといった必須アクセサリが別売りである点は、依然として多くのユーザーにとって大きなハードルとなります。

また、Snapdragon Xシリーズは電力効率とAI処理能力に優れるものの、一部のレガシーなx86/x64アプリケーションとの互換性については、エミュレーション技術の進化に期待しつつも、導入前に自身の利用環境との適合性を確認する必要があります。物理ポートの数が限られている点も、利用シーンによってはドッキングステーション等の追加投資が必要になるかもしれません。

先進性を求めるユーザーへの最適な一台

総じて、Surface Pro 11は、最新のAI技術をいち早く体験し、日々のワークフローに取り入れたいと考えるアーリーアダプターや、場所を選ばない高い生産性を求めるビジネスプロフェッショナル、そしてMicrosoftのエコシステム内で最高の体験を求めるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢です。

価格や互換性の課題を理解した上で、その先進性に投資する価値を見出せるならば、これからのPCライフを豊かにしてくれる一台となるでしょう。今後のソフトウェアアップデートやAI機能のさらなる拡充によって、その真価はさらに高まっていくと期待されます。

「Surface Pro 11」はこんな人におすすめ

Surface Pro 11、特にSnapdragon X Elite/Plusプロセッサーを搭載したモデルは、以下のような方に最適な選択肢となります。

1. 最新のAI機能を積極的に活用したい方

本機は、AIアシスタント「Copilot」のローカル(オンデバイス)処理に最適化されたNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載しています。これにより、インターネット接続がない環境でも、Copilotの主要機能(要約、翻訳、画像生成など)やWindows Studio Effects(背景ぼかし、自動フレーミングなど)をスムーズに利用できます。これは、常時オンライン接続が必要なクラウドベースのAIサービス(例:ChatGPTの無料版など)とは異なる大きな利点です。

特に、Word、Excel、Outlook、PowerPoint、TeamsといったMicrosoft 365アプリを日常的に使用している方は、Copilotとの連携によって、会議の議事録作成、メールの下書き、データ分析、プレゼンテーション資料の草案作成といった作業を劇的に効率化し、より創造的で重要な業務に集中する時間を生み出せるでしょう。

2. 高い生産性と機動性を両立させたいビジネスパーソンや学生

Snapdragon Xシリーズプロセッサーは、従来のモバイル向けCPUと比較して高い処理性能と優れた電力効率を両立しています。これにより、複数のアプリケーションを快適にこなしつつ、長時間のバッテリー駆動を実現。薄型軽量で持ち運びやすく、場所を選ばずに作業や学習に取り組めます。高画質なディスプレイや、進化したワイヤレス対応のSurface Pro Flexキーボード(別売)も、生産性向上に貢献します。

3. Microsoftのエコシステムを最大限に活用したい方

Surface Pro 11は、Microsoft自身が手掛けるハードウェアとソフトウェアの統合により、Windows OSやMicrosoft 365サービスとの親和性が非常に高いデバイスです。OSのアップデートやセキュリティ、各種機能の最適化といった面で、安心して長期間利用できるでしょう。

選択肢の検討:こんな場合は他の選択肢も

多様なAIサービスを使い分けたい、または特定のx86/x64アプリの完全な互換性を最優先したい方: ChatGPT、Stable Diffusion、Google Geminiなど、特定のAIサービスや、動作互換性がシビアな専門ソフト、一部のPCゲームなどを主に利用する場合は、高性能なIntel Core UltraプロセッサーやAMD Ryzenプロセッサー(特にNPU搭載モデル)を搭載した他社製ノートPCや2-in-1も選択肢に入ります。これらのプラットフォームは、現時点ではx86/x64アプリケーションのネイティブ動作における実績が長いです。

予算を抑えたい方: Surface Pro 11の価格がネックとなる場合、前モデルである「Surface Pro 9」も依然として魅力的な選択肢です。特に認定整備済み品や中古品であれば、より手頃な価格で見つかる可能性があります。ただし、最新のAI機能やSnapdragon Xシリーズの性能は得られません。

ご自身の利用目的、必要な機能、そして予算を総合的に考慮して、最適な一台を選んでください。

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Surface Pro 11の価格・購入先

Surface Pro 11 正面

マイクロソフト公式ストア

207,680円(税込み)で販売されています。

支払い方法はクレジットカード、デビットカード、PayPal です。

マイクロソフト公式ストアで「Surface Pro 11」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで169,000円(税込・Snapdragon® X Plus・ZHX-00011)、
  • 楽天市場で184,127円(送料無料・ZHX-00011)、
  • ヤフーショッピングで177,800円(送料無料・ZHX-00011)、
  • 米国 Amazon.comで $975.00、

で販売されています。

Amazonで「Surface Pro 11」をチェックする

楽天市場で「Surface Pro 11」をチェックする

ヤフーショッピングで「Surface Pro 11」をチェックする

米国 Amazon.comで「Surface Pro 11」をチェックする

おすすめの類似製品を紹介

Surface Pro 11」に似た性能を持つタブレットPCも販売されています。

12インチ Surface Pro (2025)

マイクロソフトから発売される12インチのWindowsタブレットPCです(2025年5月20日 発売)。

Snapdragon X Plus (8 コア)プロセッサ、Qualcomm® Adreno™ GPU、16GB LPDDR5x RAM、2196 x 1464解像度の12インチ PixelSense LCD液晶、256GBまたは512GB UFSストレージ、最大16時間駆動する38Whバッテリー、フルHD Surface Studio 前面10MP Ultra HDカメラ、ジャイロスコープ、Windows 11 Homeを搭載しています。

また、AI機能(Copilot+)、最大2台の4Kモニター映像出力(60Hz)、Dolby Atmos 対応 2W ステレオ スピーカー、デュアル スタジオ マイク、急速充電(45W以上)、Microsoft 365 Personal付属 (24か月サブスクリプション)、Windows Hello 顔認証、165度キックスタンド、「Surface Keyboard」(別売・Copilot キー搭載)、「Surface スリム ペン (2nd エディション)」(別売)、USB-C (USB 3.2) x2、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4に対応しています。

価格は、799ドル(約11万5000円)、です。

関連記事:12インチSurface Pro (2025)レビュー!13インチとの違いは?

ASUS ProArt PZ13 HT5306QA

ASUSから発売された13.3インチのAI対応 2in1 タブレットPCです。Windows 11 Home、Qualcomm Snapdragon X Plus (X1P-42-100) 、16GB LPDDR5X-8448 メモリ、解像度 2880 x 1800 ドット のOLED (有機EL)液晶、70Wh バッテリー、SSD 1TB (PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2) ストレージ、70Wh バッテリー、背面1324万画素Webカメラ(オートフォーカス対応)、前面491万画素赤外線 (IR) カメラを搭載しています。

また、スタイラスペン「ASUS Pen 2.0」(筆圧感知4096段階、別売)、IP52防水防塵、耐衝撃・耐熱、ステレオスピーカー (1Wx2)、アレイマイク、84キー日本語キーボード、Windows Hello 顔認証、USB4 Type-C x2、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3 に対応しています。

価格は、Amazonで177,266円(税込・Snapdragon X Plus)、楽天市場で171,850円(送料無料)、ヤフーショッピングで170,690円(送料無料)、です。

関連記事:「ASUS ProArt PZ13」とSurface Pro 11を比較

MINISFORUM V3

MINISFORUMから発売された14インチのタブレットPCです(2024年4月15日に発売)。

AMD Ryzen 7 8840U プロセッサとAMD Radeon 780M グラフィックス、32GB LPDDR5-6400 メモリ、2.5K液晶、1TB M.2 2280 PCIe4.0ストレージ、8時間以上駆動する50.82Whバッテリー、前面 2MPのWebカメラ、ジャイロスコープ、SD カードスロット、 Windows 11 Proを搭載しています。

また、AI機能 Copilot、映像入力(他デバイスのモニター)、4K 4画面、8K出力、2画面出力、リフレッシュレート 165Hz、ステレオ効果付き四つのスピーカー、65W PD急速充電、Windows Helloによる顔認証、指紋認証、着脱式キーボード(付属)、Vペン(筆圧4096段階)、ケース(自立・傾き調整)、USB4(DATA/PD給電/DP映像出力)x2、USB-C (VLink |DP-in ) x1、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。

価格は、MINISFORUM日本公式サイトで125,450円(※整備済み品・32GB/1TBモデル・キーボード付属)、米国 Amazon.comで$669.99(MINISFORUM V3 SE・Ryzen 7 7735U)、です。

関連記事:AIタブレット「MINISFORUM V3」とSurface Proを比較

Surface Pro 9

マイクロソフトの13型タブレットPCで第12世代のインテル Core i7-1255U / Microsoft SQ 3プロセッサ を搭載しています。また、5G対応モデルも用意されています。

価格は、Amazonで153,500円 (税込・Core i5)、楽天市場で137,426円(税込・送料無料・Core i5)、ヤフーショッピングで137,500円(税込・Core i5)、マイクロソフト公式ストアで152,980円~(税込・送料無料)、米国 Amazon.comで $990.00です。

関連記事:「Surface Pro 9」と高性能な2in1タブレットPCを比較

OneXPlayer G1

OneXPlayer社から発売されるノートPC兼ポータブルゲーミングPCです(2025年5月発売予定)。

AMD Ryzen™ AI 9 HX 370/AMD Ryzen™ 7 8840Uプロセッサ、32GB/64GBのLPDDR5Xメモリ、8.8インチのLTPS液晶(2560×1600解像度)、1TB/2TB/4TBのPCIe 4.0×4 SSDストレージ、51.975Whバッテリー、2MPのWindows Hello対応カメラ、Windows 11 Homeを搭載しています。

また、脱着式でRGBバックライト付きの物理キーボード、ホール効果ジョイスティック&リニアトリガーを備えたゲームコントローラー部、144Hzリフレッシュレート、Harmanチューニングのデュアルスピーカー、Oculinkポートに対応。

65WのGaN急速充電(バイパス充電対応)や、電源ボタン一体型の指紋認証センサー、2つのUSB4 Type-Cポート、USB 3.2 Type-Aポート、microSDカードスロット 4.0、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2にも対応しています。

価格は、Amazonで163,000円(税込)、楽天市場で163,000円(税込・送料無料)、AliExpressで139,395円、です。

関連記事:ONEXPLAYER G1徹底解剖レビュー!X1 miniとの違いを比較検証

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