「GPD WIN Mini 2024」の変更点とCPU性能を調査してみた

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新モデル「GPD WIN Mini 2024」の変更点とCPU性能を調査してみました。スペックやベンチマーク、ゲーミング性能なども合わせて掲載しています。

※本ページはプロモーション(広告)を含んでいます。

国内版「GPD WIN Mini 2024」が発売開始!

2024年4月下旬、中国の Shenzhen GPD Technology 社の正規代理店 リンクスインターナショナルから国内版「GPD WIN Mini 2024」が発売されました。

QWERTY物理キーボードを備えた超小型のゲーミング ノートPC(クラムシェル型)で、1年間の保証が付いています。

前モデルはパワフルなRyzen 7 7840U プロセッサ搭載でOCuLink ポートも備えていることで、画期的なUMPCとして評判になりました。

新モデルは前モデルのゲーミング性能を受け継ぎつつ、スペックが強化されています。

どのような違いがあるのか、早速くわしく見ていきましょう。

CPUがRyzen 7 8840U、Ryzen 5 8640Uに変更

GPD WIN Mini 2024 main

新モデルはCPUが AMD Ryzen 7 8840URyzen 5 8640Uに変更され、性能が向上しています。前モデルはAMD Ryzen 7 7840U、Ryzen 5 7640Uを搭載していました。

新たに導入された「AMD SmartShift MAX テクノロジー」では電力の割り振りが最適化され、システムのパフォーマンスを向上させています。また、新たに「AMD SmartAccess Memory テクノロジー」も導入したことで、グラフィックス メモリに瞬時にフル アクセスできるようになり、ゲーミング性能が15%向上しました。

ただし、CPUのスペックはそれほど大きく変わっていません。AMD Ryzen 7 8840Uは前モデルRyzen 7 7840U と同じ、Zen 4アーキテクチャ採用で、4nmプロセス、8コア、16スレッド、最大5.1GHz駆動に対応しています。また、Ryzen 5 8640Uは前モデルRyzen 5 7640U と同じZen 4アーキテクチャ採用で、4nmプロセス、6コア、12スレッド、最大4.9GHz駆動に対応しています。

OCuLinkポートは廃止・USB Type-Aが追加

新モデルは前モデルに搭載されていたOCuLink (SFF-8612) メスポートが廃止されています。このポートは、64GT/s 帯域幅、最大 7.877GB/s のスループットで、外付けのGPUボックス「GPD G1」とスムーズに接続できるものでした。

ただし、新モデルでもUSB4ポートを利用して「GPD G1」と接続できます。このポートは40Gbps の帯域幅と Thunderbolt 3 プロトコルをネイティブサポートし、8K映像出力PD急速充電にも対応しています。

また、新モデルから新たに USB Type-A (10Gbps) ポートが1つ追加されています。前モデルはUSB4ポートとUSB 3.2 Gen2 Type-Cポートしかありませんでした。

公式ページ: GPD WIN Mini 2024 | 株式会社リンクスインターナショナル 

GPD WIN Mini 2024 – GPDダイレクト

「GPD WIN Mini 2024」のスペック

  • ディスプレイ 7インチ、解像度1980 x 1080 ドットのLTPS
    ※FHD/16:10/10点マルチタッチ対応/最大開き角168度/314ppi/LTPS技術/DC調光/反射防止/指紋防止
  • 液晶の素材 第5世代 Corning Gorilla Glass / LTPS技術 / AF + ARコーディング
  • リフレッシュレート 60Hz / 120GHz
  • プロセッサ AMD Ryzen
    AMD Ryzen 7 8840U ※4nm/8コア/16スレッド/最大5.1GHz/Zen 4
    AMD Ryzen 5 8640U ※4nm/6コア/12スレッド/最大4.9GHz/Zen 4
  • GPU AMD Radeon
    AMD Radeon 780M (12コア,2700 MHz, RDNA 3)
    AMD Radeon 760M (8コア,2600 MHz, RDNA 3)
  • RAM(メモリ) 16GB/32GB LPDDR5-6400MT/秒
  • ストレージ 512GB / 2TB M.2 NVMe 2230 x1 PCle 4.0 x4
  • 外部ストレージ microSDカードで最大2TBまで ※3.0 プロトコル、読み取り 160MB/s、書き込み 120MB/s
  • バッテリー 44.24Wh リチウムポリマー電池
  • 駆動時間 処理の重いゲームや作業で2時間、普通程度のゲームや作業で3~6時間、処理の軽いゲームや作業で10時間
  • 充電 PD高速充電
  • カメラ なし
  • ワイヤレス通信 Wi-Fi 6E (802.11 a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.2
  • インターフェース USB 4.0 (40Gbps/DP/PD) x1、USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps/PD)x1、USB Type-A(10Gbps)x1、microSDXCスロット x1、3.5mm ヘッドフォンジャック/マイク x1(AppleヘッドフォンUS仕様と互換性あり)
  • センサー 3軸重力センサー、3軸ジャイロスコープ
  • ジャイロスコープ 6軸設計: 3軸重力センサー+3軸ジャイロセンサー
  • スピーカー デュアル ハイパーリニアスピーカー
  • マイク 内蔵
  • オーディオ DTS: X Ultra サウンド エフェクトをサポート
  • キーボード QWERTYキーボード配列、バックライト付き、シザースイッチキー採用
  • ジョイスティック ホール効果ジョイスティック、シンクイン設計 / 押下式 L3 , R3 サポート
  • カスタムキー L4 / R4
  • マウス パッドモード/マウスを切り替え可能(トグルキーあり)
  • 冷却システム アクティブ冷却 / 大型ファン+デュアルヒートパイプ ※熱伝導率50%向上、放熱性35%向上
  • 振動 デュアルリニアモーター
  • 筐体 GPD WIN 2 のエルゴノミクスデザイン
  • OS Windows 11 Home ※Steam OS、GPD OSをサポート
  • サイズ 約 168 x 109 x 26 mm
  • 重量 約520g
  • カラー ラスティブラック

ベンチマークを比較

GPD WIN Mini 2024 CPU

新モデルと旧モデルのベンチマーク スコアを比較してみました。

上位モデルのCPU

新モデル「Ryzen 7 8840U」・・・PassmarkのCPUベンチマークで「25039」、Geekbench 6でシングルコア 「2477」、マルチコア 約「9132」

前モデル「Ryzen 7 7840U」・・・・・・PassmarkのCPUベンチマークで「25023」、Geekbench 6でシングルコア 「2093」、マルチコア 約「8709」

PassmarkのCPUベンチマークでは違いがほとんどありませんが、Geekbench 6で測定すると、明らかに新モデル「Ryzen 7 8840U」のCPU性能が高いことが分ります。ただし、その差はあまり大きなものではありません。

下位モデルのCPU

新モデル「Ryzen 5 8640U」・・・PassmarkのCPUベンチマークで約22,000、Geekbench 6でシングルコア 「2482」、マルチコア「8769」を記録しています。

前モデル「Ryzen 5 7640U」・・・PassmarkのCPUベンチマークで約「21592」、Geekbench 6でシングルコア 「2166」、マルチコア「8840」を記録しています。

まだ十分なベンチマーク結果が出ていないのではっきりしたことは分かりませんが、下位モデルのCPUではベンチマークにおいて大きな差はないようです。

グラフィック性能

上位モデルのGPUはAMD Radeon 780Mで、3DMark Fire Strike [DX11_1920x1080] によるグラフィックスコアで約「8000」前後を記録しています。

下位モデルのGPUはAMD Radeon 760Mで、3DMark Fire Strike によるグラフィックスコアで約「7800」前後を記録しています。

内蔵のGPUは新旧ともに上位モデルがRadeon 780M、下位モデルがRadeon 760Mを搭載しています。

上位モデルに搭載されたGPUの方が性能が高いですが、ベンチマーク結果では下位モデルと大きな差は見られません。

ゲーミング性能

GPD WIN Mini 2024 ゲーム

新モデル「Ryzen 7 8840U」プロセッサでゲーミング性能(フレームレート)を測定すると、以下のようになります。

※数値が高ければ高いほどスムーズにプレイできます。

原神・・・60 FPS (画質 中)

ARMORED CORE VI・・・30 FPS (画質 中)

パルワールド・・・60 FPS (画質 低 720P)

エルデンリング・・・75 FPS (画質 中)

Apex Legends・・・70 FPS (フルHD、画質 中)

サイバーパンク2077・・・60 FPS (画質 低)

ゴット・オブ・ウォー・・・70 FPS (画質 低 + FSR)

フォークライ 6・・・86 FPS (画質 中)

Forza Horizon 5・・・64 FPS (画質 高)

FIFA 22・・・152 FPS (画質 最高)

Valorant・・・126 FPS (画質 カスタム)

原神は画質 中 設定で約60 FPS 以上で動作します。ARMORED CORE VI (アーマード・コア6)はPassmarkのCPUベンチマークで約1万7千以上、3DMark Fire Strike によるグラフィックスコアで最低でも約「9000」以上が必要で、ややグラフィック性能が足りなくなります。画質を中 以下に下げるとある程度 快適にプレイできるようになるようです。

OCuLinkポートとUSB4ポートの違い

GPD WIN Mini 2024 ポート

OCuLinkポートとUSB4ポートにはどのような違いがあるのでしょうか?

調べてみると、「転送速度」に違いがあることが分りました。ご存じの通り、ノートPCと外付けGPUに接続すると、外付けGPUの方からグラフィック性能を上げるためのデータがノートPC側に転送されることになります。そのため、十分な速度が出ないと、うまく外付けGPU (グラフィックカード)の性能が引き出せなくなります。

OCuLinkポート・・・最大転送速度 64Gbps

USB4ポート・・・最大転送速度 40Gbps

約24Gbpsの違いがあるので、かなり大きな差があることが分かります。外付けGPU (グラフィックカード)の性能をフルに引き出すには、USB4よりもOCuLinkポートの方が優れているといえます。

ちなみに、「ケーブルの形状」にも違いがあり、OCuLinkポートには特殊でストッパーが付いています。このため、Type-C (USB4)よりも抜けづらくできています。

「GPD WIN Mini 2024」は買うべきか?

GPD WIN Mini 2024 2台

新規で購入するのなら、断然 新モデルを購入するべきです。

CPUの性能はベンチマーク上で大きな差がないにしても、やはり「AMD SmartShift MAX テクノロジー」や「AMD SmartAccess Memory テクノロジー」による恩恵では大きいでしょう。

AMD SmartShift MAX テクノロジー」は動画のエンコードやCGレンダリング、ゲームのエミュレーター、ブラウザのパフォーマンスなどCPU性能が必要なときにはCPUに電力を供給し、ゲームや動画制作、AdobeのグラフィックソフトなどGPUの性能が必要なときにはGPUに電力を供給できるようになっています。

また、「AMD SmartAccess Memory テクノロジー」はゲームプレイ時の性能を15%引き上げることで、性能不足で「あともう少し滑らかに動作してくれたら」と残念に思うこともなくなります。価格も前モデルとそれほど大きく違わないので、新規はやはり新モデルをおすすめします。

GPD WIN Mini 2024 Ryzen

一方で前モデルをすでに持っている人で「買い替える」必要があるかと言われれば、答えはノー(No)です。なぜなら、いくらCPUの性能が上がったとしても、その違いが分かるゲームをしなければ、性能が向上したことが実感できないからです。

すでに説明した通り、ベンチマーク上では新旧の劇的な違いは見られませんでした。負荷が高いゲームをいくつもプレイするのであれば、新モデルのパフォーマンスの違いもよく分かるかもしれません。しかし、それほど重くないゲームをするのであれば、違いがよく実感できず、わざわざ買い替えた意味もなくなってしまいます。

また、新モデルにOCuLinkポートが搭載されていないことも理由の一つです。

たしかにUSB Type-A (10Gbps) ポートが1つ搭載されたことは便利ですが、外付けGPUの接続時にOCuLinkポートよりも転送速度が遅いUSB4ポートを利用しなければならないのは不便です。特に外付けGPU「GPD G1」をすでに購入してしまった人からすると、OCuLinkポートがある前モデルの方が快適にPCゲームをプレイできるはずです。

こうした理由から、すでに前モデルを所有している人はわざわざ新モデルに買い替える必要はないでしょう。

新しく新規に購入する人はもちろん新モデルをおすすめします。

「GPD WIN Mini 2024」の価格・販売先

Amazonで155,000円(税込・Ryzen 7 8840U 32GB/512GB・2024年5月10日発売)、

楽天市場で167,522円(送料別・8840U・32GB/2TB)、

ヤフーショッピングで167,522円(5月中旬発売)、

リンクスダイレクトで166,000(税込・8840U・32GB/2TB・5/11発売)

AliExpressで$893.21 (日本円で約141435円)、

で販売されています。

※32GB/2TBモデルを4月下旬から発売されますが、32GB/512GBモデルを6月ごろの発売になります。

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類似モデルの紹介

GPD WIN Mini 2024」と似た性能を持つUMPCを紹介します。

「AYANEO SLIDE」

AYANEOから発売されたQWERTYキーボード搭載の6型ポータブルゲーミングPCです。Ryzen 7 7840Uプロセッサ搭載で、USB4ポートやWi-Fi 6E、マスターコントローラーに対応しています。

価格はAmazonで138,420円(税込・Ryzen 7 7840U)、楽天市場で138,000円(税込・送料無料)、ヤフーショッピングで168,300円です。

関連記事:「AYANEO SLIDE」はGPD以上か? 最新ポータブルゲーミングPCと徹底 比較!

「ONEXPLAYER X1」

One-Netbookから発売された10.95型のUMPCです。専用カバーキーボードが用意され、ノートPCスタイルでも使用できます。Core Ultra 7 155H搭載で、OCuLinkポート、冷却システムに対応しています。

価格は、Amazonで196,880円(税込・Core Ultra 7 155H/32GB/1TB)、AliExpressで$1,049.00、One-Netbookストアで187,200円(Core Ultra 7,32GB+1TBモデル)です。

関連記事「ONEXPLAYER X1」は超ハイエンド級? 最新ポータブルゲーミングPCと徹底 比較!

「GPD WIN 4 2024」

GPDから発売されたスライド式キーボード搭載の6型 UMPCです。2024年モデルからRyzen 7 8840Uプロセッサを搭載。USB 4.0ポートや4G LTE通信にも対応しています。

価格は、Amazonで169,800円 (Ryzen 7 8840U)、ヤフーショッピングで167,273円、AliExpressで$992.15、GPDダイレクトで169,800円(税込)です。

関連記事:「GPD WIN 4」(日本版)と最強ポータブルゲーミングPCを徹底 比較!

その他のおすすめゲーム製品は?

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