
2022年11月に発売された「BOOX Tab Ultra」は、独自の高速リフレッシュ技術「BSR」と専用GPUを搭載し、従来のE Inkタブレットの常識を覆すパフォーマンスで注目を集めました。
このレビューではBOOX Tab Ultraの実機で、読書や手書きノート、さらにはAndroidアプリの実行においてどれほど快適に使えるのか、そのメリット・デメリットを徹底的に検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
BOOX Tab Ultra の長所(Pros):
- BSR技術によるE Inkとは思えない高速な画面レスポンス
- 遅延が少なく「紙以上」と評される滑らかな手書き性能
- Android 11搭載でGoogle Playアプリ(Kindleなど)が使える高い汎用性
- MicroSDカード(最大512GB)によるストレージ拡張性
- 16MPカメラによる資料のスキャンとOCR(文字認識)機能
- ペアリング不要なPogoPin接続の専用キーボード(別売)
BOOX Tab Ultra の短所(Cons):
- 本体約480gと重く、ケース装着時はさらに携帯性が悪化
- 高速タイピング時に表示が追いつかない入力遅延
- E Inkとしてはバッテリー消費が早い(BSR搭載のため)
- 書き心地がガラス質で滑りやすく、紙の抵抗感はない
- 背面カメラの出っ張りのせいで平置きするとガタつく
- 約10万円という高額な価格設定
総合評価:
BOOX Tab Ultraは、従来のE Inkタブレットとは一線を画す、「生産性」を追求した多機能デバイスです。最大の強みは、目に優しい画面上で「書く」「撮る」「打つ」というPCライクな作業を可能にした点にあります。遅延が少なく強力な「手書き機能」、資料をスキャンしテキスト化できる「16MPカメラ」、そしてPogoPinで物理接続できる「専用キーボード(別売)」が、これまで以上に生産性を高めてくれます。もちろん、高速描画「BSR」とAndroid 11(Google Play)による快適さも魅力的です。
<この記事で分かること>
- 高速リフレッシュ技術「BSR」の実際のパフォーマンス
- 「Pen2 Pro」を使ったノート機能の書き心地と文字認識の精度
- Android 11搭載によるアプリ(『Kindle』や『Kobo』など)の動作感
- 16MPカメラを使った資料スキャンの実用性とOCR性能
- MicroSDカードスロットやPogoPin接続キーボードの利便性
- バッテリー持ち(BSRによる消費電力)や本体の重さ(480g)の実際
- デザイン(カメラの出っ張り、筐体の質感)の詳細
- 項目別にまとめた詳細な「口コミ」情報まとめ
- メリット・デメリットの徹底レビュー
- 10項目にわたる5段階評価と詳細な総評
- 現在の価格と購入先情報(※販売終了)
この記事を最後まで読むことで、「BOOX Tab Ultra」がニーズに合うデバイスかどうか、その強みと弱みを深く理解できるはずです。購入を検討していた方はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ: BOOX Tab Ultra | The Official BOOX Store
検証してわかった「BOOX Tab Ultra」の魅力(メリット)
ここでは、E Inkタブレット「BOOX Tab Ultra」を実際に使用して感じた、その具体的な魅力(メリット)について書いていきます。この端末は、従来のE Inkデバイスのイメージを覆す多くの可能性を秘めていました。
E Inkの常識を覆す「BSR」の高速レスポンス
従来のE Inkタブレットに共通する悩みは、画面描画の「もっさり感」でした。しかし、このBOOX Tab Ultraは、その常識を打ち破る快適さを提供してくれます。独自の高速リフレッシュ技術「BSR (BOOX Super Refresh)」と、専用のGPU、そしてクアルコム8コアCPUの組み合わせにより、驚くほどキビキビとした動作を実現しています。
特にWebサイトを閲覧する際のスクロールは、残像感が大幅に軽減され、「Fastモード」などを使えば十分に「使える」と感じるレベルに達しています。さすがに液晶タブレットのように『YouTube』などの動画を滑らかに鑑賞するのは難しいですが、以前の端末に比べれば格段に進歩しており、内容の確認程度なら我慢できるほどの表示性能でした。
「紙以上」の体験をもたらす手書きノート機能
この端末の真価は、強力なノート機能にあると言っても過言ではありません。何よりも感動したのは、その「書き心地」です。付属のスタイラスペン(消しゴム機能付きのPen2 Proが標準搭載)で画面に書き込む感覚は、まさに「紙とペン以上」と表現したくなるほどの滑らかさでした。紙のような摩擦抵抗は少ないものの、遅延をほとんど感じさせない追従性の高さで、思考を妨げられることなく、永遠に書き続けたいという喜びを感じさせてくれます。さらに、「ノート」アプリの手書き文字認識機能は驚くほど優秀で、多少崩れた漢字でもかなりの精度でテキストに変換してくれました。
Android 11が拓く無限の汎用性
BOOX Tab Ultraが単なる電子ノートにとどまらない最大の理由は、Android 11を搭載し、Google Playストアが利用できる点です。これにより、用途が爆発的に広がりました。例えば、これまでは端末ごとに分断されがちだった電子書籍ライブラリを、『Kindle』アプリや『Kobo』アプリをインストールするだけで、この1台に集約できます。
また、学習アプリの『AnkiDroid』で暗記をしたり、『Evernote』や『Googleドキュメント』を立ち上げてメモを取ったり文書を作成したりと、自分の使い方に合わせて自由にカスタマイズできるのが最大の強みです。E Ink端末としては珍しい1600万画素のリアカメラも、単なるおまけではなく、会議資料やホワイトボードをその場で撮影し、OCR機能でテキスト化するスキャナとして非常に実用的でした。
生産性を高めるハードウェアとデザイン
細かなハードウェア構成も、生産性を高めるために練られています。特にMicroSDXCカードスロット(最大512GB対応)の搭載は大きな魅力です。本体ストレージ(128GB)だけでも十分ですが、大量の論文PDFや自炊した漫画データなどを容量を気にせず持ち運べるという安心感があります。
また、別売の専用キーボード付きケースは、PogoPinによる物理接続が秀逸です。Bluetoothキーボードのようにペアリングや充電の手間が一切不要で、チクレットスタイルのキーボードは打鍵感も良く、『Googleドキュメント』などで長文を入力する作業も快適に行えました。こうした機能が、フルラミネートディスプレイによる紙のようにクリアな表示と、高級感のあるアルミ削り出し風のデザインの筐体に詰まっています。
まとめ:メリット
- 独自のBSR技術により、Webスクロールやアプリ操作がE Inkとは思えないほど高速で実用的になった。
- ノート機能は「紙以上」と評されるなめらかな書き心地で、遅延が少なく思考を妨げない。
- 手書き文字認識の精度が非常に高く、特に漢字の認識能力が優れている。
- Android 11搭載でGoogle Playに対応し、『Kindle』や『Kobo』などサードパーティ製アプリを自由に使える汎用性がある。
- 1600万画素カメラによる資料スキャンや、MicroSDカードによるストレージ拡張(最大512GB)が可能。
- 別売の専用キーボードはPogoPin接続でペアリング不要、快適なタイピングを実現する。
検証してわかった「BOOX Tab Ultra」の欠点(デメリット)
ここでは、BOOX Tab Ultraを実際に使用して感じた、購入前に知っておくべき欠点(デメリット)について書いていきます。多くの魅力を持つ一方で、E Inkタブレットとしての限界や、高性能化に伴ういくつかの問題点も見えてきました。
読書端末としては無視できない「重さ」
BOOX Tab Ultraは、その高性能と引き換えに「重さ」という代償を抱えています。本体重量は約480gで、これは競合の『Kindle Scribe』(約433g)や、液晶タブレットの『iPad 10.9』(約477g)と比較しても重い数値です。さらに、生産性を高めるための専用キーボード付きケース(約420g)を装着すると合計約900gとなり、もはや軽量なノートPCの領域です。手に持って『Kindle』アプリで読書を楽しむ際、特に寝る前にベッドで仰向けになって使うには重すぎると感じました。『Kindle Paperwhite』のような軽快さは期待できません。
高速化しても残る「表示と入力の遅延」
独自のBSR技術によりE Inkとしては驚異的に高速化されていますが、それでも『iPad』などの液晶タブレットの滑らかさには及びません。Webブラウジング程度なら許容範囲ですが、問題はテキスト入力時です。別売の専用キーボードを使い、『Googleドキュメント』で長文のレビューを作成しようと試みましたが、高速でタイピングすると表示が追いつかず、入力した文字が遅れたり、時には単語が丸ごと抜け落ちたりする現象が発生し、かなりのストレスを感じました。生産性をうたう端末として、この入力遅延は大きな欠点です。
「紙のような書き心地」とは異なる感覚
手書き機能は優秀ですが、その「書き味」は好みが分かれます。表面は硬質なガラスで覆われており、ペン先が非常に滑りやすい感触です。『クアデルノ』や『reMarkable 2』のような、紙に鉛筆で書くときに生じる「ザラザラ」とした適度な抵抗感を期待していると、大きく裏切られることになります。また、フルラミネートディスプレイで視差(ペン先と描画位置のズレ)は最小限に抑えられていますが、それでもわずかな隙間は感じられ、完璧に紙と同じ感覚とは言えませんでした。
期待を下回るカメラ性能とバッテリー持ち
1600万画素のリアカメラは書類スキャン用ですが、E Inkのモノクロ画面ではピントが合っているかどうかの判断が非常に困難でした。実際にスキャンした画像も、照明が十分な環境でも全体的に暗く影がかってしまい、『iPhone』のカメラでスキャンした方がクリアな場合もあり、期待していたほどの性能ではありませんでした。また、BSRやGPUを搭載している影響で、6300mAhの大容量バッテリーをもってしても、バッテリー消費は他のE Ink端末よりかなり早いです。『Kindle Scribe』が数週間持続する感覚に対し、こちらは数日の使用で充電が必要になる感覚でした。
ケースが必須になる「カメラの出っ張り」
デザイン面での大きな問題点は、背面のカメラレンズが約1mm突出していることです。これにより、ケースを装着せずにデスクに平置きすると本体がガタつき、非常に不安定になります。特にこの端末の魅力である手書きノート機能を使う際に、書くたびに本体が揺れるのは致命的です。このガタつきを解消するにはケースの装着が必須となり、本体の薄さやデザインを活かせないのは残念なポイントです。
10万円近い「価格設定」
最大のハードルは、約99,800円という価格設定です。これはE Inkタブレットとしては非常に高価であり、Apple Pencilやキーボードを追加した『iPad Air』や『iPad 10.9』が十分に購入できてしまう価格帯です。目に優しいE InkディスプレイとAndroidの汎用性というメリットはありますが、液晶タブレットの快適な動作やアプリの完全な互換性と天秤にかけたとき、この価格差を正当化できるかを慎重に判断する必要があります。
まとめ:デメリット
- 本体が約480gと重く、キーボードケース装着時は約900gになり、携帯性や寝ながらの読書には不向き。
- 高速なキーボード入力に画面表示が追いつかず、テキスト入力時に遅延や文字抜けが発生することがある。
- 画面がガラス製で滑りやすく、「紙のような」抵抗感のある書き心地を求めるユーザーには合わない。
- カメラスキャンはピントが合わせにくく、スキャン品質も期待ほど高くなかった。
- BSR搭載の影響でバッテリー消費が早く、一般的なE Ink端末(数週間)に比べて短い(数日)サイクルで充電が必要。
- 背面カメラの出っ張りのせいで平置きするとガタつき、ケースの装着が実質的に必須となる。
- 約10万円という価格は非常に高価で、高性能な液晶タブレット(iPadなど)が競合となる。
BOOX Tab Ultraの口コミ情報 まとめ
ここでは、BOOX Tab Ultraを実際に使用したユーザーからの口コミ情報を、項目別に箇条書きでまとめていきます。
デザインと耐久性
- 筐体はアルミ削り出しのような高級感があり、ファントムブラックの色合いもビジネスシーンに馴染む。
- 手触りはひんやりとした金属感があり、全体的にしっかりとした頑丈な作りだと感じられる。
- 一方で、本体は厚く重いという意見もある 。カバー無しでは軽く感じるが、カバーを付けると重くなる。
- 背面の1600万画素カメラが約1mm突出しており、ケースなしで平置きするとガタつくため、書き物をするにはケースが必須になる。この出っ張りはデザイン的に好ましくないと感じる人もいる。
- 電源ボタン(指紋センサー内蔵)は上端左側にあり、本体と面一なため指先で探しにくい 。USB-Cポートは下端左側、POGOピン(キーボード接続用)は左側面にある。
ディスプレイ
- フルラミネートディスプレイが採用されており、ペン先と描画される線との隙間(視差)はわずかにあるものの、かなり少ない。
- 画面の解像度は227dpiで、最新の300dpiモデルと比較すると鮮明さでは一歩劣る。
- BSR(高速リフレッシュ技術)により、Webサイトのスクロールなどが実用的なレベルまで速くなった。
- ただし、E Ink特有の画面リフレッシュ(画面の白黒反転)は依然として発生し、邪魔に感じることがある。
パフォーマンス
- クアルコム8コアCPUと専用GPU(BSR)を搭載しており、E Inkタブレットとしては強力な仕様。
- iPadのようなサクサク感はないものの、アプリの起動やブラウジングは「許容範囲」であり、ストレスは感じにくい。
- MicroSDXCカードスロット(最大512GB対応)が搭載されており、容量を気にせず大量のPDFや自炊データを保存できる点は大きな魅力。
- 高速でキーボード入力を行うと、画面表示が追いつかずに文字が遅れたり、単語が抜け落ちたりすることがある。特に『Googleドキュメント』での長文入力は困難だった。
カメラ性能
- 1600万画素のリアカメラは、文書を撮影してテキスト化(OCR)するスキャナとして使うのが主な用途。
- 縦書きの日本語もOCRでテキスト化できる精度がある。
- ただし、本体のモノクロ画面ではピントが合っているかどうかの確認が非常に難しい。
- スキャンした画像は、十分な照明下でも暗く影がかってしまうことがあり、スマートフォンのスキャン機能の方が高品質な場合もある。
バッテリー持ちと充電
- 6300mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
- バッテリーの持続時間は、朝から晩までメモ主体で使っても1日の消費が15〜20%程度で、通常の利用であれば少なくとも数日間は持つという印象です。
- ただし、BSR(BOOX Super Refresh)技術や専用GPUが搭載されているため、従来のE Ink端末に比べるとバッテリー消費は早い傾向にあります。
- 高速な描画処理を行う分、電力消費が大きくなるようです。
- 具体的な消費目安としては、メモ取りを1時間集中して行うと約8%、読書だけなら1時間で約4%のバッテリーを消費しました。
- この計算では、利用頻度が高い(例:1日にメモと読書を合計5時間程度)場合、約2.4日ごとに再充電が必要になる計算です。
オーディオと通信性能
- デュアルスピーカーとデュアルマイクを本体に内蔵。スピーカーとマイクは、本体の上端と下端にそれぞれ配置されています(横向き時には左右になります)。
- 内蔵スピーカーの音質(サウンド)は「非常に基本的」なレベルであり、制作品質(プロダクションクオリティ)のオーディオは期待できません。
- テキスト読み上げ(TTS)機能や、音楽ファイル(WAV、MP3形式に対応)、ポッドキャストの再生など、日常的な簡単な使用には十分なレベルです。
- 内蔵マイクは、ノートアプリ内での音声メモの録音や、会議の録音などに使用できます。
- Wi-Fiは802.11ac(2.4GHz + 5GHz帯)、Bluetoothは5.0に対応。インターネット利用(ネット利用)は、BSR(高速リフレッシュ技術)により、Webサイトのスクロールが高速化され、実用的に使えるレベルだと感じました。
- 『Chrome』などのブラウザアプリを使っても、ブラウジング自体にストレスを感じることはありませんでした。
- iPhoneやAndroidスマートフォンとのWi-Fiテザリング、Bluetoothテザリングも試しましたが、問題なく接続でき、通信速度も「普通」でした。
- Bluetooth接続は、ワイヤレスヘッドホンの利用 のほか、『HHKB Professional HYBRID』のような外部キーボードを接続するためにも使用できました。
ペンとキーボード(BOOX Pen2 Pro、専用キーボード)
- 付属の「Pen2 Pro」はワコムEMR方式で、充電不要かつ消しゴム機能がペン後部に搭載されていて便利。
- 書き心地は非常に滑らかで、「紙とペン以上」と表現されるほど摩擦を感じさせず、遅延も少ない。
- 一方で、この滑らかさは「ガラスの上を滑る」感覚であり、『クアデルノ』のような紙の「ザラザラ感」や抵抗感を求める人には不自然に感じられる。
- ペンは本体側面にマグネットで装着できるが、バッグの中などで意図せず外れやすいため、紛失が心配になる。
- 標準の「ノート」アプリは非常に多機能で、特に漢字の手書き文字認識精度が素晴らしい。
- 別売の専用キーボードケースは、PogoPinによる物理接続で、ペアリングや充電が不要な点が非常に優れている。
- キーボードの打鍵感は快適で、長文入力にも耐えられる品質だと評価されている。
- ただし、キーボードにバックライトがない点や、角度調整が1段階しかできない点を不満に思う意見もある。
OSと機能
- Android 11を搭載し、Google Playストアが利用できることが最大の強み。
- UI(ユーザーインターフェース)の設定項目が多すぎたり、翻訳が不自然だったりして、直感的でないと感じる部分もある。
- 『Kindle』『Kobo』『Evernote』など、普段使っているAndroidアプリをインストールして使える汎用性が高い。
- 独自機能として、ONYXクラウド(5GB無料)を使ったメモやPDFの同期機能がある。
- 『BOOXDrop』アプリやQRコード読み取り機能により、PCやスマートフォンとのファイル連携が簡単に行える。
- 電源ボタンには指紋認証センサーが内蔵されており、素早いロック解除が可能。
BOOX Tab Ultraのスペック
- ディスプレイ: 10.3インチ フラットHD Cartaスクリーン 、解像度1872×1404 Carta (227 dpi) ※HDガラススクリーン 、フラットカバーレンズ 、静電容量方式タッチ 、ペン入力 (BOOX stylus touch 4096段階筆圧検知) 、フルラミネートディスプレイ
- フロントライト: 寒色、暖色
- プロセッサ: Qualcomm オクタコア
- GPU: 独自の高速リフレッシュGPU (BSR: BOOX Super Refresh)
- RAM(メモリ): 4GB LPDDR4X
- ストレージ: 128GB UFS2.1
- 拡張ストレージ: microSDカードスロット(最大512GBのMicroSDXCに対応)
- バッテリー: 6300mAh
- 駆動時間: 数日(使用状況による)
- 充電: Type-C
- 背面カメラ: 16MP ※テキスト変換可
- ワイヤレス通信: Wi-Fi (802.11ac、2.4GHz+5GHz)、Bluetooth 5.0
- インターフェース: USB-Cポート(OTGサポート/オーディオジャックとして使用)、microSDカードスロット
- センサー: 自動回転用Gセンサー、指紋センサー
- スタイラスペン: BOOX Pen2 Pro (ブラック)、筆圧4096段階の圧力感度、消しゴム付き
- キーボード: 「キーボード付きマグネティックケース」(別売、PogoPin接続)
- スピーカー: デュアルスピーカー
- マイク: デュアルマイク
- 操作: ボタン、タッチ、ジェスチャー
- モード: HDモード、バランスモード、高速モード、超高速モード
- 機能: ハイパーリンク(ノート内の別ページやWebへのリンク)、クラウド同期(メモ、本の注釈)、ウィジェット、自動回転、BOOXスーパーリフレッシュ、レコーダー
- アプリ: 内蔵NeoReader 、Android 11 OSによりサードパーティ製アプリをサポート (Google Play ストア経由で700万以上のアプリがダウンロード可能)
- 生体認証: 指紋認証(電源ボタン)
- 筐体の素材: メタル(背面:指紋防止コーティング)
- OS: Android 11
- サイズ: 225 x 184.5 x 6.7 mm
- 重量: 480g
- カラー: ブラック (ファントムブラック)
- 付属品: BOOX Pen2 Pro (ブラック)×1、USB-Cケーブル×1、カードトレイ取り出しツール×1、クイックスタートガイド×1、保証書×1
- ドキュメント形式: PDF、DJVU、CBR、CBZ、EPUB、AZW3、MOBI、TXT、DOC、DOCX、FB2、CHM、RTF、HTML、ZIP、PRC、PPT、PPTX、EPUB3 ※日本版スペックでは docm, odt, sxw, trc なども記載
- 画像フォーマット: PNG、JPG、BMP、TIFF
- オーディオ形式: WAV、MP3
BOOX Tab Ultraの評価
10の基準で「BOOX Tab Ultra」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
ディスプレイの見やすさ: ★★★★☆
フルラミネートディスプレイで視差が少なく、紙のようにクリア。フロントライトも搭載し昼夜問わず見やすいです。
ペンでの描画性能: ★★★★★
遅延が少なく非常に滑らかで「紙以上」と評される書き心地。消しゴム付きペンも付属し、ノート機能が強力です。
パフォーマンス: ★★★☆☆
BSRによりE Inkとしては高速ですが、iPadには及びません。高速タイピングでは表示が追いつかないのが難点です。
機能: ★★★★★
Android 11とGoogle Playに対応し汎用性が抜群。MicroSD、指紋認証、スキャン用カメラも搭載しています。
接続性: ★★★★★
Wi-Fi (ac)、BT 5.0に加え、PogoPinでのキーボード物理接続に対応し、ペアリングの手間がありません。
バッテリー: ★★★☆☆
6300mAhと大容量ですが、BSR搭載により従来のE Ink端末より消費は早い。「数日」は持つが「数週間」は持たない感覚です。
デザイン: ★★★☆☆
高級感のあるスリムな筐体ですが、480gと重いです。背面のカメラが出っ張っており、平置きするとガタつきます。
オーディオ: ★★☆☆☆
デュアルスピーカー搭載ですが音質は「非常に基本的」なレベル。メモ録音やTTS(読み上げ)には使える程度です。
価格: ★★☆☆☆
発売時約10万円と非常に高価。iPadなど高性能な液晶タブレットが競合となる価格帯です。
使いやすさ: ★★★☆☆
Androidの汎用性は高いものの、タイピング遅延や本体の重さが難点。E Ink独自のUIは設定がやや直感的でない部分もあります。
総評: ★★★☆☆
E Inkの常識を覆す「BSR」の高速レスポンス
BOOX Tab Ultraの最大の革新は、専用GPUとクアルコム8コアCPUによる独自の高速リフレッシュ技術「BSR (BOOX Super Refresh)」の搭載です。これにより、従来のE Ink端末の弱点だった「もっさり感」が劇的に改善されました。Webサイトの閲覧時のスクロールは非常にスムーズになり、残像感が大幅に軽減され、十分に「使える」と感じるレベルに達しています。アプリの起動やブラウジングも体感速度が向上しており、E Inkの目に優しい特性はそのままに、液晶タブレットに近い応答性を実現しようとしています。
メリット2: 生産性を追求した強力なハードウェア群
本機は「ビジネスプロ向け」とうたわれる通り、生産性を高めるハードウェアが充実しています。手書き機能は秀逸で、遅延が少なく「紙とペン以上」と評されるなめらかな書き心地を提供します(個人的な意見4)。また、E Ink端末としては珍しい1600万画素のリアカメラを搭載し、資料やホワイトボードをその場でスキャンし、OCRでテキスト化できます。さらに、最大512GBに対応するMicroSDXCカードスロットや、充電・ペアリング不要で使えるPogoPin接続の専用キーボード(別売)にも対応しており、単なる閲覧端末を超えた活用が可能です。
購入する前の注意点
高性能と引き換えに、いくつかの妥協点が存在します。まず、約10万円という価格は『iPad Air』など高性能な液晶タブレットが競合となる高価格帯です。また、BSR技術の影響でバッテリー消費は従来のE Ink端末より早く、数週間単位ではなく「数日」単位での充電が必要です。本体重量480g(キーボードケース装着時約900g)という重さも、携帯性や寝ながらの読書を妨げる要因となります。さらに、高速タイピング時には画面表示が追いつかない入力遅延が発生するため、長文作成にはストレスを感じる場面がありました。
どんな人に最適か
この端末は、E Inkの目に優しい画面上で、高速な動作と強力な手書き機能、そしてハードウェアの拡張性(MicroSDやキーボード)を求める人に最適です。大量の論文PDFに高速で書き込みたい研究者や学生、スキャン機能や物理キーボード入力まで1台で完結させたいビジネスユーザーには強力な選択肢となります。また、本機はAndroid 11を搭載しているため、『Kindle』などサードパーティ製の読書アプリを1台に集約したいというニーズにも応えられます。
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BOOX Tab Ultraの価格・購入先
※価格は2025/11/01に調査したものです。価格は変動します。
ECサイト
BOOX Tab Ultraの販売は終了しました。現在は販売されていません。
かつては、
- Amazonで99,800円 (税込)、
- 楽天市場で99,800円 (税込・送料無料)、
- ヤフーショッピングで99,800 円 (税込・送料無料)、
- 米国 Amazon.comで$599.99、
で販売されていました。今後中古で再入荷するかもしれません。
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おすすめのライバル機種と価格を比較
「BOOX Tab Ultra」に似たEinkタブレットも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
BOOX Note Air5 C
Onyxから発売された10.3インチのカラー表示対応E inkタブレットです(2025年10月27日 発売)。
Android 15、解像度 B/W: 2480×1860・カラー: 1240×930ドットのKaleido 3スクリーン、Qualcomm 8コアプロセッサ、6GBメモリ、64GBストレージ、3,700mAhバッテリー、デュアルスピーカー、マイクを搭載しています。
また、AIアシスタント機能、「物理音量ロッカーボタン」、Pogoピン(キーボード接続用)、専用ケース(閉じたまま充電可)、「BOOX EinkWise」機能、BOOX Super Refresh (BSR) テクノロジー、メモアプリ「Notes」、PDFアプリ「NeoReader」、フロントライト CTM(暖色・寒色)、オーディオ再生(音楽再生)に対応。
筆圧4096段階のBOOX Pen3(付属)、純正キーボードカバー(別売)、純正カバー(別売)、自動回転用Gセンサー、指紋認証センサー、Google Playストア、サードパーティのアプリ、Type-C(OTG、オーディオジャック対応)、microSDカードスロット、Wi-Fi、Bluetooth 5.1にも対応しています。
価格は、Amazonで89,800円、楽天市場で87,800円(送料無料・ポイント10倍あり)、ヤフーショッピングで87,800円、です。
関連記事:BOOX Note Air5 C 徹底レビュー!Air4 Cからの進化点と欠点
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BOOX Note Air4 C
ONYXから発売されたカラー表示対応の10.3型 E inkタブレットです(2024年10月24日に発売)。
Android 13、オクタコアプロセッサ、6GBメモリ、10.3インチのKaleido 3 スクリーン、64GB ストレージ、3700 mAhバッテリーを搭載しています。
また、150 ppiのカラー表示、300 ppiの高精細なモノクロ表示、筆圧4096段階のBOOX Pen Plus (別売) 、デュアルスピーカー(オーディオブック、音楽再生)、マイク(録音)、ストレージ拡張(microSDカード)、BOOXスーパーリフレッシュ、「BOOX Drop」、
マグネットケース(別売)、2色フロントライト(寒色、暖色)、自動回転(Gセンサー)、アートマジック、スマート スクライブ機能、指紋認証(電源ボタンにセンサー内蔵)、Google Playストア、USB-Cポート (OTG)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.1に対応しています。
価格は、Amazonで87,800円、楽天市場で87,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで87,800円、米国 Amazon.comで$499.99、です。
関連記事:「BOOX Note Air4 C」とAir3 C、Ultra Cを比較
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BOOX Tab X C
Onyx から発売された13.3インチのカラーE inkタブレットです(2025年4月 発売)。
Android 13、Kaleido 3 カラーePaperスクリーン、2.8GHz オクタコア プロセッサ(BSR搭載、最大2.84 GHz)、6GBメモリ、128GBストレージ、5,500mAhバッテリーを搭載しています。
また、フロントライト (CTM付き、暖色・寒色、調整可能)、筆圧4096段階・傾き検知対応のBOOX InkSpire stylus(別売、磁気ワイヤレス充電対応)、Sleek keyboard cover(別売)、自動回転用Gセンサー、内蔵デュアルスピーカーに対応。
分割画面モード、クラウドストレージ、BOOXDropでのファイル転送、ウィジェットカスタマイズ可能なホーム画面、Google Playストア、サードパーティアプリサポート(Smart Writing Tools、NeoReaderなど)、BOOX スーパーリフレッシュテクノロジー、USB-Cポート(OTG/オーディオジャック対応)、Wi-Fi + Bluetooth 5.0にも対応しています。
価格は、Amazonで138,000円、楽天市場で138,000円、ヤフーショッピングで138,000円、米国 Amazon.comで$819.99、です。
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