GEEKOM A7 MAX 徹底レビュー!A8 2025との違いと欠点を評価

GEEKOM A7 MAX 実機が箱に入っている。
2025年12月15日に発売された「GEEKOM A7 MAX」は、パワフルなAMD Ryzen 9 7940HSと圧倒的な美しさで、今最も注目を集めているミニPCです。

このレビューでは、GEEKOM A7 MAXが、似た性能を持つ「GEEKOM A8 2025」とどのように違い、どんな魅力を秘めているのか、その実力と使い勝手を徹底比較・検証しました。

先に結論からお伝えしましょう

GEEKOM A7 MAXの長所(Pros):

  • パワフルなRyzen 9 7940HSプロセッサとAIに強いNPUを搭載
  • CNCアルミニウム一体成型の美しい金属筐体
  • USB4ポートと2.5G LANを各2基搭載した優れた拡張性
  • 「モンハン」や「原神」も遊べる高いグラフィック性能

GEEKOM A7 MAXの短所(Cons):

  • 高負荷時のファンノイズが少し気になる
  • 内部ストレージの増設ができず換装のみ対応
  • OCuLinkポート非搭載でHDMIは2.0規格
  • TDP制限がありデスクトップ級のパワーではない

総合評価:

GEEKOM A7 MAXは、手のひらサイズの筐体にRyzen 9のパワーとNPUによるAI性能を凝縮したプレミアムなミニPCです。動画編集から「モンハン」などのゲームまでこなす高いグラフィック性能を備えつつ、USB4ポートやLANポートなど拡張性にも優れています。

ストレージ増設ができないこと、OCuLinkポートが搭載されていないことなどデメリットはありますが、それらを補って余りある魅力を秘めている一台です。高級感のある美しい金属ボディで、将来のAI時代に備えたいと考えているユーザーにおすすめします。

この記事でわかること

  1. デザイン:CNCアルミニウムユニボディ、サイズ、重量、質感、指紋、VESAマウント
  2. 接続ポート:USB4 (Type-C)×2、前面USB-A×4、デュアル2.5GbE LAN、HDMI 2.0、SDカードスロット
  3. ベンチマーク:AMD Ryzen 9 7940HS、Radeon 780M、Passmark、Cinebench、Geekbench、PC Mark、3D Mark、CPU性能比較(ランキング)、グラフィック性能
  4. ゲーム性能:FF14のベンチマーク結果、『モンスターハンターワイルズ』『原神』、実測フレームレート(FPS)、解像度設定
  5. 冷却・排熱:IceBlast 2.0冷却システム、ファンノイズ、静音性、筐体の発熱、サーマルスロットリング
  6. メモリ・ストレージ:容量、規格、SSD換装(増設不可)、分解の手順、メモリの増設方法
  7. 通信性能:デュアル2.5G LANポート、Wi-Fi 6E (MT7922)、Bluetooth 5.2、NAS運用、Wi-Fiモジュール交換
  8. ソフトウェアと設定:Windows 11 Pro、ライセンス、クリーンなOS、Ryzen AI (NPU)の性能、最大10 TOPS、AI機能・Copilotの動作感、BIOSの起動方法と設定、TDP変更 (54W)
  9. メリット・デメリット:NPUの有無、USB4の数、OCuLink非搭載、ストレージの増設不可
  10. 比較GEEKOM A8 (2025)、GEEKOM A6Minisforum X1 LiteMac mini M4、違い
  11. スペック:仕様詳細
  12. 評価:5段階評価、総評、最適なユーザー
  13. 価格:購入先、GEEKOM公式、セール、Amazon、楽天、安く買う方法、クーポン、最安値

この記事を最後まで読むことで、「GEEKOM A7 MAX」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

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公式ページ:GEEKOM NUC A7 MAXミニPC|Ryzen 9 7940HS搭載|高コスパ・高い拡張性・省スペース

デザインと接続ポート:GEEKOM A7 MAXの筐体美とA8を凌ぐ拡張性

GEEKOM A7 MAX 実機を両手で持ち上げている。天面が見える。

ここでは、GEEKOM A7 MAXの外観デザイン、サイズ感、そして日々の使い勝手を大きく左右するインターフェース(接続ポート)について、比較対象の「GEEKOM A8 2025」との違いを交えながら詳しく解説していきます。

高品質なアルミニウムユニボディの質感

箱から取り出してまず驚かされたのは、その筐体の美しさです。筐体全体がつや消しのシルバーで統一されたアルミニウム合金で作られており、プラスチック特有の安っぽさは微塵も感じません。天面と側面が一体となった継ぎ目のないユニボディデザインは非常に洗練されています。表面はサンドブラスト加工が施されており、さらさらとした手触りで指紋が目立ちにくいのも実用的だと感じました。デスクの上に置くだけで、作業環境のグレードが一段上がったような満足感を得られます。

サイズと重量:A8と比較して見えたメリット

GEEKOM A7 MAX 実機の側面。ケンジントンロックが見えている。

本体サイズは幅135mm × 奥行き132mm × 高さ46.9mm、重量は約671g(実測値)です。比較対象の「GEEKOM A8」が112.4mm角の超コンパクトサイズ(約0.47L)であるのに比べると、A7 MAXは一回り大きく設計されています。

実際にA8と並べてみると確かにA7 MAXの方が設置面積をとりますが、それでも一般的なデスクトップPCに比べれば圧倒的に省スペースです。むしろ、このわずかなサイズアップが、後述するポート数の充実や排熱性能の余裕に直結していると感じました。カラーは落ち着いたシルバー調で、木目調のデスクにもモノトーンのデスクにも自然に溶け込みます。

圧倒的に便利な前面ポートと充実のインターフェース

GEEKOM A7 MAX 実機 前面にある4つのUSB 3.2 Gen 2 Type-Aポート

私がA7 MAXを使っていて最も感動したのは、前面ポートの利便性です。前面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-Aポートがなんと4つも配置されています。これは「GEEKOM A8」が前面にUSBポートを2つしか備えていない点と比べると、決定的な違いです。

実際に作業をする際、マウスとキーボードのドングルを接続し、さらにUSBメモリでデータを読み込み、スマホを充電ケーブルにつなぐといったシチュエーションが多々あります。A8ではポートが足りずに背面に回る必要がありましたが、A7 MAXならすべて前面だけで完結します。特に左端のポートは電源オフ時の給電にも対応しており、PCをシャットダウンした状態でスマホを充電できるのが地味ながら非常に便利でした。また、左側面にはSDカードスロットを備えており、カメラで撮影したデータの取り込みもスムーズに行えます。

GEEKOM A7 MAXの背面にあるポート類

背面には、HDMI 2.0ポートが2つ、USB 3.2 Gen 2 Type-AUSB 2.0 Type-A、そして。すべきは2.5GbEの有線LANポート2つ搭載されている点です。A8はLANポートが1つですので、デュアルLAN環境でネットワークを分離したいユーザーや、ホームサーバー(NAS)的な運用を考えている方にとっては、A7 MAXの拡張性は非常に魅力的です。

USB4と4画面出力による強力なデスク環境

背面に搭載された2つのUSB Type-Cポートは、どちらも最大40Gbpsの転送速度を誇る「USB4」規格に対応しています。A8の場合、片方はUSB4ですが、もう片方はUSB 3.2 Gen 2 Type-Cとなっているため、両方のポートで最高スペックを使えるA7 MAXの方が将来性も含めて有利です。

GEEKOM A7 MAXの4画面モニター出力

この2つのUSB4ポートと2つのHDMIポートをすべて使えば、最大4台のモニターへの同時出力が可能です。実際に私もトリプルディスプレイ環境を試してみましたが、USB-Cケーブル1本でモバイルモニターへの映像出力と給電を行えるため、配線が非常にスッキリしました。また、USB4ポートは外付けGPU(eGPU)の接続にも対応できる帯域を持っているため、将来的にグラフィック性能を強化したい場合にも選択肢が残されています。

VESAマウントと付属品

付属品には、HDMIケーブル、ユーザーガイドの他に、専用のVESAマウント金具が含まれています。これを使えばモニターの背面に本体を固定できるため、実質的にデスク上のPC設置スペースをゼロにすることも可能です。電源アダプタは120W出力のものが付属しますが、比較的小型で場所を取りすぎない点も好印象でした。内部へのアクセスは底面のゴム足を剥がしてネジを外す必要がありますが、メモリやSSDの換装・増設が可能な構造になっています。

まとめ:デザインと接続ポート

  • 質感:継ぎ目のないアルミユニボディで、A8同様に非常に高級感がある
  • サイズ:A8(112mm角)より一回り大きい135mm角だが、その分拡張性が高い
  • 前面ポート:USB Type-A×4という構成が圧倒的に便利(A8は前面×2)
  • 背面ポート:2.5GbE LAN×2のデュアルLAN構成はA7 MAXだけの特権(A8は×1)
  • USB4:背面のType-Cは2ポートともUSB4対応で、A8(USB4×1)より高性能
  • 拡張性:SDカードスロット搭載でクリエイティブ用途にも即座に対応可能

ベンチマーク

GEEKOM A7 MAXの3D Markベンチマーク測定画面

GEEKOM A7 MAXは、プロセッサーに「AMD Ryzen™ 9 7940HS」を搭載しています。これはTSMC 4nmプロセスで製造されたZen 4アーキテクチャを採用した8コア16スレッドの高性能モバイルCPUで、最大ブーストクロックは5.2GHzに達します。グラフィックスには「AMD Radeon™ 780M」を内蔵しており、RDNA 3アーキテクチャに基づいたこのiGPUは、従来の統合グラフィックスと比較してもトップクラスの性能を持ち、軽量なゲームやクリエイティブ作業にも対応できる実力を備えています。

ベンチマーク結果は以下のようになっています。

GEEKOM A7 MAXのCPUのベンチマーク結果。グラフ、AMD Ryzen9 7940HS

CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen9 7940HS

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「29951」
  • Geekbench 6のシングルコア「2645」、マルチコア「10177」
  • Cinebench R23 シングルコア「1810」、マルチコア「15920」
  • Cinebench 2024 シングルコア「108」、マルチコア「950」
  • PCMark 10 スコア「7470」(よく利用されるアプリの使用感を計測)

GEEKOM A7 MAXのGPUのベンチマーク結果。グラフ、AMD Radeon 780Mグラフィックスコア

GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 780Mグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「4830」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「4830」
  • Time Spy グラフィックスコアで「1860」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「19110」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「16500」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

CPU性能を比較

GEEKOM A7 MAXが搭載するAMD Ryzen9 7940HSのCPU性能をPassmark(CPUマルチコアスコア)で比較してみました。

GEEKOM A7 MAXのグラフ。CPU性能をPassmarkで比較

CPUランキング

  1. Core Ultra 9 285H(GEEKOM IT15)・・・Passmark:57464
  2. AMD Ryzen AI 9 HX 370(GEEKOM A9 MAX)・・・Passmark:35094
  3. Ryzen9 7940HS(GEEKOM A7 MAX)・・・Passmark:29951
  4. Core Ultra 9 185H(GEEKOM GT1 Mega)・・・Passmark:29317
  5. Ryzen 7 8745HS (GEEKOM A8 2025)・・・Passmark:29010
  6. Core i9-13900HK(GEEKOM GT13 Pro 2025)・・・Passmark:26969
  7. AMD Ryzen 6800(GEEKOM A6)・・・Passmark:22893
  8. Ryzen 5 7430U(GEEKOM A5 2025)・・・Passmark:15969

CPU性能の比較から分かること

このランキングから、GEEKOM A7 MAXに搭載されているRyzen 9 7940HSは、全体の中で上位グループに位置する高い処理能力を持っていることがわかります。最新のフラッグシップモデルである「Core Ultra 9 285H」や「Ryzen AI 9」には及びませんが、インテルのハイエンドCPU「Core Ultra 9 185H」や「Core i9-13900HK」を上回るスコア(29951)を記録しており、非常に高性能です。また、比較対象となる「GEEKOM A8 2025(Ryzen 7 8745HS)」に対しても優位性を保っており、コストと性能のバランスに優れたハイエンド寄りのモデルであることが読み取れます。

GEEKOM A8 2025と比較

GEEKOM A7 MAXとGEEKOM A8 2025のベンチマークを比較

GEEKOM A8 2025は、CPUに「AMD Ryzen™ 7 8745HS」を搭載しています。これはZen 4アーキテクチャ(Hawk Point)を採用した8コア16スレッドのプロセッサーですが、最大の特徴は「NPU(AI処理専用プロセッサ)が搭載されていない点にあり、AI機能を省くことでコストパフォーマンスを高めたモデルとなっています。GPUにはA7 MAXと同じく「AMD Radeon™ 780M」を搭載しています。

ベンチマーク結果は以下のようになっています。

CPUのベンチマーク結果・Ryzen 7 8745HS

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「29010」
  • Geekbench 6のシングルコア「2720」、マルチコア「13390」
  • Cinebench R23 シングルコア「1700」、マルチコア「14060」
  • Cinebench 2024 シングルコア「100」、マルチコア「755」
  • PCMark 10 スコア「6730」(よく利用されるアプリの使用感を計測)

GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 780Mグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「4705」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「2560」
  • Time Spy グラフィックスコアで「1960」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「26850」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「16420」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

ベンチマークの比較からわかること

両機種のベンチマーク結果を比較すると、CPUの純粋なマルチコア性能を示す「Cinebench R23」では、A7 MAXが「15920」、A8が「14060」となり、A7 MAXの方が約13%高いスコアを記録しています。これはRyzen 9とRyzen 7というグレードの違いによる基本性能の差が現れており、動画の書き出しやレンダリング処理などの重い作業ではA7 MAXが有利であることを示しています。

一方で、3Dグラフィックス性能を示す「Time Spy」の結果を見ると、A7 MAXが「1860」であるのに対し、A8は「1960」と、A8の方がわずかに高いスコアを出しています。同じRadeon 780Mを搭載していながら下位モデルのA8が上回っているのは、メモリ構成の違いが影響していると考えられます。A7 MAXはメモリがシングルチャンネル(1枚挿し)であるため帯域幅がボトルネックになりやすく、デュアルチャンネル構成のA8の方が内蔵GPUの性能をより引き出せている結果と言えます。

ゲーム性能と排熱:GEEKOM A7 MAXの真価と冷却への余裕

GEEKOM A7 MAXでモンハンワイルズをプレイしている。

ここでは、GEEKOM A7 MAXのゲーミングパフォーマンスと、それを支える冷却システム「IceBlast 2.0」の実力について、実際のゲームプレイを通じて検証していきます。

意外な結果となったFF14ベンチマーク

まずは定番のベンチマークソフト「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」を使用し、グラフィック性能を数値化してみました。測定結果は以下の通りです。

  • 最高品質 (FHD):2,020(設定変更を推奨)
  • 高品質 (ノートPC FHD):3,220(設定変更を推奨)
  • 標準品質 (ノートPC FHD):3,280(設定変更を推奨)

正直なところ、Radeon 780Mを搭載したRyzen 9 7940HSとしてはかなり控えめなスコアが出ました。通常、このクラスのiGPUであれば標準品質で「快適」判定が出てもおかしくありません。この原因は、A7 MAXの初期構成が「メモリ16GB×1枚のシングルチャンネル」である点に尽きます。

内蔵GPUはメモリ帯域の影響をダイレクトに受けるため、デュアルチャンネル(2枚挿し)を採用している比較対象の「GEEKOM A8 2025」と比べると、グラフィック性能においては明確に不利な結果となりました。ゲームを本気で楽しむなら、購入後にメモリをもう1枚追加してデュアルチャンネル化することを強くおすすめします。

実際のゲームプレイ検証:数値以上の快適さ

ベンチマークでは厳しい結果が出ましたが、実際のゲームプレイではRyzen 9の底力を感じることができました。

モンスターハンターワイルズ

最新の重量級タイトルである本作で、広大なフィールドに降り立ってみました。Time Spyスコア1860という数値を考慮し、解像度1920×1080(フルHD)の「低」設定をベースに、AMD FSR(アップスケーリング)を併用して狩猟を開始。結果として、30~45FPSでのプレイが可能でした。

拠点内やモンスターのいない平原を移動する際は40FPS前後で安定しており、景色を楽しむ余裕があります。しかし、巨大なモンスターと対峙し、激しい攻撃が飛び交う戦闘シーンや、天候が急変してエフェクトが画面を覆う場面では30FPS付近まで低下し、少し重さを感じました。そこで解像度を1280×720まで落としてみたところ、45~60FPSに近い環境となり、ハンティングアクションに求められる俊敏な操作にも十分ついてこられるようになりました。最新ゲームエンジンの高負荷を、CPUパワーでねじ伏せている印象です。

原神

GEEKOM A7 MAXで原神をプレイしている

打って変わって、アニメ調のグラフィックが美しい「原神」では、非常に快適な体験が得られました。フルHDの「最高」画質設定でも45~55FPSを維持。設定を「中」から「高」へ調整すると、常時60FPSに張り付くような滑らかな映像美が実現しました。

広大なテイワット大陸をダッシュで駆け抜け、視点を素早く回転させてもカクつきは皆無。特に戦闘シーンにおいて、4人のキャラクターを次々と切り替えながら元素爆発を連発するような派手なエフェクトが重なる瞬間でも、Ryzen 9 7940HSの高いシングルコア性能が効いているのか、フレームレートの落ち込みは最小限でした。都市部のオブジェクトが密集するエリアでも安定しており、長時間の冒険もストレスフリーで楽しめました。

プレイ中の排熱と静音性:Ryzen 9の熱を制御できているか

GEEKOM A7 MAX 実機の天面と前面

ゲーム検証中、あわせて冷却システム「IceBlast 2.0」が機能しているかも確認しました。結論から言うと、長時間「モンスターハンターワイルズ」をプレイし続けても、熱による急激なフレームレート低下(サーマルスロットリング)は発生しませんでした。高さ37mmという極薄ボディですが、高負荷時にはファンがしっかりと回転し、Ryzen 9のパフォーマンスを維持し続けてくれます。ただし、アルミ筐体全体が放熱板の役割を果たすため、プレイ後の天面は手で触れてはっきり分かるほど温かくなります。これは熱が内部にこもらず、正常に排出されている証拠です。

一方で、静音性については割り切りが必要です。Webブラウジング中は無音に近いですが、ゲームプレイ中は冷却ファンが勢いよく回り、「サーッ」という風切り音が明確に聞こえます。先述のメリットで冷却システムを評価しましたが、それは「このサイズで熱暴走させない」という意味においてであり、決して「無音」ではありません。没入感を削がれないよう、ゲーム中はスピーカーの音量を上げるか、ヘッドセットの使用が推奨されるレベルです。

まとめ:ゲーム性能と排熱

  • ベンチマーク:初期のシングルチャンネルメモリ構成がボトルネックとなり、FF14等のスコアは伸び悩む
  • 実ゲーム性能(モンハン):重量級タイトルでも設定と解像度を調整(720pなど)すれば45-60FPSで遊べるポテンシャルがある
  • 実ゲーム性能(原神):中〜高設定であれば60FPSで安定し、Ryzen 9のCPU性能を活かして非常に快適に動作する
  • 冷却システム:厚さ37mmの薄型ボディだが、IceBlast 2.0により熱暴走(サーマルスロットリング)を防ぎ、パフォーマンスを維持できる
  • 静音性:高負荷時はファンの風切り音がはっきりと聞こえるため、没入感を高めるならヘッドセット推奨

メモリとストレージ:GEEKOM A7 MAXの拡張性とシングルチャンネルの功罪

GEEKOM A7 MAXの内部が見えている。

ここでは、GEEKOM A7 MAXのパフォーマンスを支えるメモリとストレージの構成、そしてユーザー自身によるアップグレードの可能性について、比較対象の「GEEKOM A8 2025」との決定的な違いを交えながら詳細にレビューしていきます。

構成オプションと両機種の違い

GEEKOM A7 MAXは、日本国内において主に「16GBメモリ + 1TB SSD」という構成で販売されています。最大で64GBのメモリ、2TBのストレージまでサポートする拡張性を持っています。

これに対し、比較対象の「GEEKOM A8 2025(Ryzen 7 8745HS搭載)」は、コストパフォーマンスを重視したモデルでありながら、販売モデルによっては最初からデュアルチャンネル(16GB×2など)のメモリ構成が採用されている場合があります。A7 MAXを購入検討する際は、この初期構成の違い(16GB×1枚か、16GB×2枚か)が、特にグラフィック性能に影響を与える点に留意する必要があります。

メモリ:DDR5-5600MHzの高速規格を採用

GEEKOM A7 MAX 実機 内部にあるメモリ

搭載されているメモリは、最新規格の「DDR5-5600MHz SO-DIMM」です。この「5600」という数字は伊達ではありません。

具体的に言うと、「DDR5-5600」の5600は「5600MT/s(Mega Transfers per second)」を意味しており、これは1秒間に56億回ものデータ転送が可能であることを示しています。この規格は「PC5-44800」とも呼ばれ、理論上の最大データ転送速度は毎秒44.8GB(44.8GB/s)という驚異的な実効帯域幅を誇ります。

実際にOfficeソフトの起動やウェブブラウジングを行ってみましたが、この高速な転送速度のおかげで、シングルチャンネル構成であっても動作は非常に軽快です。アプリの立ち上げや切り替えで待たされることはなく、一般的な事務作業においては全くストレスを感じませんでした。

GEEKOM A7 MAXでクリエイティブな作業をしている

さらに、クリエイティブ用途として「DaVinci Resolve」や「CapCut」を用いた動画編集も試してみました。Ryzen 9の処理能力と爆速SSDの恩恵は大きく、フルHD画質のプロジェクトであれば、複数のトラックを重ねてもプレビューがカクつくことはありません。4K動画のカット編集やテロップ入れといった作業もスムーズに行え、タイムラインのスクラブ(再生位置の移動)も非常に軽快でした。書き出し速度も十分に速く、YouTubeへの投稿動画を作成するレベルなら、メイン機としてバリバリ活躍してくれます。

ストレージ:読み込み7000MB/s超えの爆速SSD

ストレージには、M.2 2280規格のPCIe Gen4x4 NVMe SSD1TB搭載されています。定番のベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で実測したところ、読み込み速度(Read)は驚異の7070.23 MB/s書き込み速度(Write)も6115.09 MB/sを記録しました。これはPCIe Gen4 SSDのほぼ理論値上限に迫る数値であり、OSの起動は一瞬、大容量のゲームデータのロードもストレスフリーです。A8も同様に高速なSSDを搭載していますが、A7 MAXのこの速度はハイエンドデスクトップPCと全く遜色がありません。

GEEKOM A7 MAX 実機 内部にあるストレージ

分解の手順

ここからは、ユーザー自身によるアップグレード(メモリ増設とSSD換装)について解説します。内部へのアクセス手順はシンプルですが、細心の注意が必要です。まず、底面の四隅にあるゴム足を剥がし、その下に隠れているネジをドライバーで外すことで底面カバーが開きます。

注意点:カバーを開ける際、勢いよく持ち上げてはいけません。Wi-Fiモジュールのアンテナケーブルがカバーと本体を繋いでいるため、無理に開けると断線する恐れがあります。

メモリ・ストレージの増設方法

メモリの増設 内部を確認すると、2つあるメモリスロットのうち1つが空いているのが分かります。ここに同じ規格(DDR5-5600)の16GBメモリをもう1枚追加するだけで、簡単に32GBの「デュアルチャンネル」環境を構築できます。A8のように既存のメモリを無駄にすることなく、安価に性能を倍増させることができる点は、A7 MAXの大きなメリットです。

ストレージの換装 ストレージに関しては、M.2スロットは1つのみとなります。そのため、空きスロットへの「増設」はできず、既存のSSDを取り外して新しいものに入れ替える「換装」のみの対応となります。最大2TBまでの容量アップグレードに対応していますが、最初から1TBという大容量かつ超高速なSSDが搭載されているため、当面の間は容量不足や速度不足を感じることはないでしょう。

まとめ:メモリとストレージ

  • 販売構成:16GB RAM + 1TB SSDの構成が主流で、最大64GB/2TBまで対応
  • メモリ規格:DDR5-5600MHz SODIMMを採用し、初期は16GB×1のシングルチャンネル
  • ストレージ速度:読み込み約7070MB/sの実測値を記録し、非常に高速
  • 分解時の注意:底面開封時にWi-Fiアンテナケーブルを切断しないよう慎重な作業が必要
  • 増設:メモリは追加するだけで容易にデュアルチャンネル化が可能。SSDは増設不可で換装のみ対応

通信性能:GEEKOM A7 MAXが誇るデュアルLANと安定したワイヤレス環境

GEEKOM A7 MAX 実機の背面にあるLANポート

GEEKOM A7 MAXは、そのコンパクトな筐体に似合わず、ワークステーション並みの強力な通信機能を備えています。ここでは、比較対象のA8を凌駕する有線LANの仕様や、最新のワイヤレス規格の使用感についてレビューします。

A8にはない強み:デュアル2.5G LANポートの衝撃

本機の通信性能において、最も。すべきメリットは背面に搭載された「2つの2.5GbE LANポート」です。比較対象の「GEEKOM A8 2025」が2.5GbEポートを1つしか搭載していないのに対し、A7 MAXは2つのポートを標準装備しています。

実際に私はこのデュアルLANを活用し、一方をインターネット回線へ、もう一方をローカルのNAS(ネットワーク接続ストレージ)に直結して運用してみました。2.5Gイーサネットの恩恵は絶大で、大容量の動画ファイルをNASへ転送する際も、一般的な1Gbps接続とは次元の違うスピードを体感できます。ネットワークトラフィックを分離できるため、オンラインゲーム中に裏で重いデータのバックアップが走っても、Ping値への影響を最小限に抑えられました。自宅でサーバー構築や高度なネットワーク管理を行いたいユーザーにとって、このポート数の差は決定的な選定理由になります。

Wi-Fi 6E:高速通信とモジュールの換装可能性

GEEKOM A7 MAX 内部にあるWi-Fiモジュール

ワイヤレス通信には、最新の「Wi-Fi 6E」が採用されており、混雑の少ない6GHz帯を利用可能です。搭載されているチップはMediaTek製の「MT7922」で、実際に4K動画のストリーミング再生を行ってもバッファリングで止まることは一度もありませんでした。

注目すべき点は、このWi-Fiモジュールが「M.2 2230」規格のスロットに装着されており、ユーザー自身で交換が可能であることです。将来的にWi-Fi 7対応モジュールなどが普及した際や、好みのメーカー製カード(Intel製など)に換装したい場合でも、底面を開けて手軽にアップグレードできる設計は、長く使い続ける上で非常に心強い要素です。ただし、アンテナケーブルは繊細なので、交換時の取り扱いには注意が必要です。

Bluetooth 5.2:多重接続でも途切れない安定性

Bluetoothはバージョン5.2に対応しています。デスク周りをすっきりさせるため、ワイヤレスマウス、キーボード、そしてノイズキャンセリングヘッドホンの3台を同時に接続して使用してみました。

これだけの周辺機器を同時に繋いでも干渉や遅延を感じることはなく、非常に安定した接続を維持してくれます。特にビデオ会議中にヘッドセットの音声が途切れるといったトラブルもなく、ビジネス用途でも安心して使える信頼性の高さを実感しました。

まとめ:通信性能

  • 有線LAN:2.5GbEポートを2基搭載しており、A8(1基)に比べてネットワーク構築の柔軟性が圧倒的に高い
  • 速度と安定性:デュアルLANによるネットワーク分離が可能で、大容量転送やオンラインゲームが快適
  • Wi-Fi規格:Wi-Fi 6Eに対応し、MediaTek MT7922チップによる高速で低遅延な通信を実現
  • メンテナンス性:Wi-FiモジュールはM.2 2230規格で、将来的な換装やアップグレードが可能
  • Bluetooth:バージョン5.2に対応し、複数の周辺機器を同時接続しても途切れず安定している

ソフトウェアと設定:GEEKOM A7 MAXはNPU搭載でAI機能も万全

GEEKOM A7 MAXのOS画面、Windows 11

GEEKOM A7 MAXのシステム内部は、余計な装飾を削ぎ落とした実用主義で構成されています。電源を入れてすぐに作業へ没頭できる環境と、自分好みに追い込める設定項目について、実際に触って確かめた内容を詳細にレポートします。

クリーンなWindows 11 Pro環境

電源を投入して初期設定を終えると、非常にすっきりとしたデスクトップ画面が現れました。搭載されているOSは「Windows 11 Pro」です。注目したいのは、その中身が極めてクリーンであることです。大手メーカー製のPCによくある、体験版のセキュリティソフトや使わないゲームなどの「ブロートウェア(不要なソフト)」が一切入っていません。

実際に使い始めてすぐに、アプリの削除作業に時間を取られることなく、必要なソフトのインストールに取り掛かれたのは非常に快適でした。ライセンスも正規のOEMライセンスが認証されており、ビジネス用途でも安心して導入できる信頼性の高さを感じます。

A8 2025との決定的な差となる「NPU」の存在

GEEKOM A7 MAXでNPUを確認する

このモデルを選んで良かったと強く感じたのが、AI機能への対応です。タスクマネージャーを開いてパフォーマンスタブを確認すると、しっかり「NPU」の項目が認識されていました。これはRyzen 9 7940HSに統合された「Ryzen AI」エンジンによるもので、単体で最大10 TOPSのAI処理性能を持っています。

比較対象である「GEEKOM A8 2025」などの最新かつ安価なモデル(Ryzen 7 8745HS搭載機)では、コストカット等の理由でこのNPUが省かれています。しかし、A7 MAXには確実に搭載されています。実際にWebカメラを接続してみると、Windows Studio エフェクトが有効になり、背景ぼかしや視線補正がスムーズに動作しました。

また、Windows標準のAIアシスタント「Copilot」も試してみましたが、起動は瞬時で、チャットのレスポンスも非常にスムーズです。現状はクラウド処理がメインですが、バックグラウンドでAIを常駐させながら別の作業を行っても、PC全体の動作が重くなることはありませんでした。

重要なのは、これらの重いAI処理をNPUが肩代わりしてくれる点です。NPU非搭載のPCではCPUやGPUが処理を行うため負荷が増えますが、A7 MAXならメインの処理能力を温存したまま快適にビデオ通話などが可能です。今後、CopilotなどのAIアシスタントがローカル処理を増やしていく中で、このNPUの有無はマシンの寿命を左右する大きなアドバンテージになると確信しました。

BIOSへのアクセスと設定の自由度

GEEKOM A7 MAXのBIOS画面

ハードウェアの挙動を決めるBIOS(UEFI)画面へのアクセスは簡単です。起動直後のGEEKOMロゴが表示されている間に、キーボードの「Delete」キー(またはF2キー)を連打することで入ることができます。昔ながらの青とグレーを基調としたAMI BIOSベースの画面で、マウス操作も可能です。

メニューは英語ですが、構成はシンプルで迷うことはありませんでした。ここではVRAMの割り当て変更などが可能ですが、私が最も。したのは、冷却ファンとパフォーマンスに関わる設定項目です。

パフォーマンスの封印を解くTDP設定

A7 MAXの真価を引き出す設定が、BIOS内の「Power & Performance」項目にあります。デフォルトではバランス重視の設定になっていますが、ここを「Performance Mode」に変更することで、TDP(熱設計電力)を最大54Wまで引き上げることが可能です。

実際に設定を変更するとベンチマークスコアは向上しますが、競合機種と比較すると設計思想の違いが見えてきます。例えば、ライバル機である「Minisforum X1 Lite」がTDP 65Wまで対応する設計であるのに対し、A7 MAXは標準45W、最大でも54W(cTDP)付近での運用が想定されています。独自の冷却機構(IceBlast 2.0)は優秀ですが、限界までパワーを絞り出したい層にとっては、この消費電力設計の差がパフォーマンスのわずかな差として現れる可能性があります。あくまでモバイル向け高性能版の「安全圏」の中でのチューニングであり、過度な期待は禁物です。

まとめ:ソフトウェアと設定

  • OS:余計なソフトがないクリーンなWindows 11 Pro
  • AI機能:GEEKOM A8 2025とは異なり、NPU(Ryzen AI)を確実に搭載
  • 設定の自由度:TDPを54Wに変更可能で、攻めた運用ができる
  • BIOS:Deleteキーで簡単にアクセス可能なAMI BIOSを採用

検証してわかったGEEKOM A7 MAXのメリット・デメリット

GEEKOM A7 MAX 実機の外観、斜め。

GEEKOM A7 MAXを動画編集や生成AIなどで徹底的に使い込みました。そこで見えてきた実用面での明確な強みと、超小型サイズゆえの弱点について包み隠さず解説します。

メリット1:Ryzen AI(NPU)を搭載しAI機能が使える(A8 2025はNPU非搭載)

GEEKOM A7 MAXに搭載されているRyzen 9 7940HSは「Ryzen AI(NPU)」を内蔵しており、Windows Studio エフェクトなどのAI機能がフルに利用できます。対して、比較対象の「GEEKOM A8 2025」が採用しているRyzen 7 8745HSは、NPUが非搭載のプロセッサです。そのため、A8 2025ではハードウェアレベルでAI処理のサポートが受けられません。今後Windows側でNPUを活用する機能が増えていく中で、規格として対応しているA7 MAXの方が、将来的な安心感が段違いです。

メリット2:所有欲を満たすCNCアルミニウムの一体成型ボディ(A8 2025は質感が異なる)

本体を手にした瞬間に分かるのが、圧倒的なビルドクオリティの高さです。プラスチック素材を組み合わせた一般的なミニPCとは一線を画す、CNCアルミニウム削り出しの継ぎ目のないボディは、Apple製品のような高級感を放っています。A8 2025も金属筐体ですが、A7 MAXの仕上げはさらに一段階上の滑らかさを感じます。デスクの上に置いた時の佇まいが美しく、指先から伝わる金属の冷たさと剛性感は、毎日使う道具としての満足度を大きく引き上げてくれます。

メリット3:USB4端子を2基搭載し拡張性が最強(A8 2025は1基のみ)

背面に搭載された最大40GbpsのUSB4端子が「2基」ある点は、A7 MAXの大きな強みです。比較対象の「GEEKOM A8 2025」はUSB4端子が1基のみ(もう片方はUSB 3.2 Type-C)ですが、A7 MAXなら「外付けGPU(eGPU)」と「高速な外付けSSD」を同時にUSB4で接続するといった贅沢な運用が可能です。最新モデルのA8 2025よりもポート構成がリッチであり、デスクトップPC顔負けの拡張環境を構築できるため、クリエイター用途でもボトルネックを感じさせません。

メリット4:内蔵GPU「Radeon 780M」の高いグラフィック性能でゲームも遊べる(A8 2025とほぼ互角)

グラフィックス性能は比較対象のA8 2025とほぼ互角でした。実際に「モンスターハンターワイルズ」や「原神」をプレイして検証しましたが、画質設定を調整すれば十分に遊べることが確認できました。重たい最新ゲームを最高設定で動かすのは厳しいものの、内蔵GPUでこれだけ動けば、サブ機としてのゲーミング用途には十分合格点を与えられます。

メリット5:冷却性能と静音性のバランスが優秀(A8 2025より筐体に余裕あり)

コンパクトな筐体に高性能を詰め込んでいるにも関わらず、冷却システムが非常に優秀です。Webブラウジングや動画視聴といった日常的なタスクでは、ファンが回っていることに気づかないほど静かです。高負荷時にはファンが回りますが、A8 2025と比較しても、A7 MAXの方が筐体サイズや吸排気の設計にわずかながら余裕があるためか、耳障りな高音ノイズが抑えられている印象を受けました。熱による性能低下(サーマルスロットリング)も起きにくく、長時間安定してハイパフォーマンスを維持できます。

メリット6:2.5G LANポートを2基搭載(A8 2025は1基のみ)

背面のインターフェースを見て驚いたのが、2.5Gの有線LANポートが「2つ」搭載されている点です。比較対象のA8 2025はLANポートが1つしかありません。ポートが2つあることで、片方をインターネット接続用、もう片方をNAS(ネットワークストレージ)との高速通信用や、内部ネットワーク用として使い分けることが可能です。サーバー用途や高度なネットワーク構築を考えているユーザーにとって、この物理ポートの差は決定的な選定理由になります。

メリット7:最大4画面の同時出力に対応(広大な作業領域を確保)

2つのHDMIポートと、映像出力に対応した2つのUSB4ポートをフル活用することで、最大4台のモニターへ同時に画面を出力できます。実際に4画面環境を構築してみましたが、株価チャートの監視や、資料を広げながらの執筆作業など、デスクトップPCと全く変わらない広大な作業領域が手に入りました。A8 2025でも同様のことは可能ですが、A7 MAXは前述の通りUSB4が2基あるため、変換アダプタに頼らずともType-Cケーブル1本でモニターに繋ぎやすい点が便利だと感じました。

デメリット(短所、欠点)

デメリット1:内部ストレージの増設ができない(A8 2025と同様に空きスロットなし)

0.47Lという驚異的な小ささの代償として、内部にはM.2 SSDスロットが1つしかありません。購入時に装着されているSSD以外に、もう1枚追加して「デュアルストレージ構成」にする運用は不可能です。これは筐体サイズが近いA8 2025も同様の仕様ですが、もし容量不足になった場合は、既存のSSDをより大容量なものに「交換」し、OSをクローンする手間が発生します。手軽に容量を足せない点は、動画データなどを大量に保存するユーザーにとって痛手です。

デメリット2:OCuLinkポート非搭載(eGPU性能を最大化できない)

最近のハイエンドミニPC界隈で。されている、外付けGPUをPCIe直結に近い速度で接続できる「OCuLink」ポートが搭載されていません。USB4(40Gbps)があるためeGPUの接続自体は可能ですが、グラフィックボードの性能をロスなく引き出したいコアなゲーマーにとっては、帯域幅の制限がボトルネックになります。A8 2025も含め、このサイズのGEEKOM製品はまだOCuLinkに対応していないため、究極のゲーム性能を求めるなら他社製品や大型PCを検討する必要があります。

デメリット3:TDPは最大54Wまでの運用(デスクトップ級のパワーではない)

BIOS設定でパフォーマンスを変更できるとはいえ、基本設定は標準45W、最大設定でも54W(cTDP)付近での運用が設計上の上限です。同じRyzen 9という名称でも、消費電力を100W以上使えるデスクトップ版CPUとは別物です。筐体の冷却限界も考慮された「安全圏」の設定であり、動画のエンコードなどCPUを100%使い続ける重い処理では、大型PCに比べて処理時間が長くなる傾向にあります。無理なオーバークロックはできず、あくまでモバイル向け高性能版の枠内に留まります。

デメリット4:HDMI端子が2.0規格(4K/120Hz出力は不可)

背面に2つあるHDMIポートは、どちらも「HDMI 2.0」規格です。4K解像度での出力は可能ですが、リフレッシュレートは最大60Hz止まりとなります。最近のゲーミングモニターやテレビで主流になりつつある「4K/120Hz」での滑らかな表示には、HDMI経由では対応できません。高リフレッシュレートでゲームを楽しみたい場合は、HDMIポートではなく、USB4ポート(DisplayPort Alternate Mode)から映像出力変換を行うなどの工夫が必要です。これはA8 2025も同様の仕様(HDMI 2.0)であり、最新規格の2.1ではない点には注意が必要です。

デメリット5:高負荷時のファンノイズが耳につく(A8 2025は冷却機構が異なる)

メリットである薄型ボディ(高さわずか37mm)の代償として、冷却ファンの音はそれなりに存在感があります。BIOS設定でTDPを54Wのパフォーマンスモードにし、ベンチマークなどで高負荷をかけると「サーッ」という風切り音がはっきりと聞こえます。比較的新しい冷却機構を採用しているA8 2025と比較しても、筐体が小さい分、熱を逃がすためにファンが頑張っている印象を受けます。静寂な部屋でレンダリングなどの重い処理を長時間行う場合は、少し気になるレベルかもしれません。

デメリット6:内部アクセスにはゴム足の剥がしが必要(A8 2025等のメンテナンス性との差)

メモリやSSDを換装しようとした際に壁となるのが、底面のゴム足です。ネジがゴム足の下に完全に隠されているため、ドライヤーで温めて粘着剤を緩め、綺麗に剥がす必要があります。他社製や一部のGEEKOM製品のようにネジが露出していてすぐに開けられる構造ではないため、頻繁にパーツを入れ替える自作派ユーザーにとっては手間に感じる仕様です。「一度構成を決めたら基本的には開けない」という運用スタイルの人向けと言えます。

デメリット7:筐体の表面に指紋が残りやすい(明るいシルバー色と比較して)

美しいメタルボディですが、カラーリングと表面処理の特性上、皮脂汚れや指紋が少し目立ちやすい傾向にあります。特に乾燥した手で触ると跡が残りやすく、マットな質感だけに光の加減で汚れが見えてしまいます。綺麗な状態を保つにはこまめな拭き掃除が必要です。質感が極めて高いだけに、少しの汚れでも気になってしまうのは、高級機ゆえの贅沢な悩みと言えるかもしれません。

まとめ:メリット・デメリット

GEEKOM A7 MAXは、単なる数値性能以上の価値を持つ一台です。A8 2025と基本性能は拮抗していますが、こちらはNPU(Ryzen AI)を搭載し、USB4と有線LANを各2基備えるなど、実用性と将来性で明確に優れています。「モンハンワイルズ」や「原神」が遊べる実力と、所有欲を満たす金属筐体は大きな魅力です。

一方で、ストレージ増設不可やOCuLink非対応、HDMI 2.0といった弱点もあります。しかし、手のひらサイズでAI時代に対応した「質実剛健なメイン機」を求めるなら、拡張性に勝るA7 MAXがベストな選択肢です。

GEEKOM A7 MAXのスペック(仕様)

  • プロセッサ: AMD Ryzen 9 7940HS (8コア/16スレッド 最大5.2GHz)
  • GPU: AMD Radeon 780M Graphics (内蔵GPU)
  • RAM: 16GB DDR5-5600 (デュアルチャンネル)
  • ストレージ: 1TB M.2 2280 PCIe Gen4x4 NVMe SSD
  • 拡張ストレージ: 側面SDカードスロット (内部増設不可)
  • 電源: 120W ACアダプター
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2
  • 有線LAN: 2.5G Ethernet (RJ45) x 2
  • 前面インターフェース: USB 3.2 Gen 2 Type-A x 2, 3.5mmヘッドセットジャック
  • 背面インターフェース: USB4 x 2, HDMI 2.0 x 2, USB 3.2 Gen 2, USB 2.0, RJ45 x 2
  • 映像出力: 最大4画面出力 (HDMI 2.0 x 2 + USB4 x 2)
  • 冷却システム: GEEKOM IceBlast クーリングシステム
  • 消費電力: TDP 45W (BIOS設定で最大54W付近まで変更可能)
  • VESAマウント: 対応
  • OS: Windows 11 Pro
  • サイズ: 112.4 x 112.4 x 37 mm
  • 重量: 約417g
  • カラー: シルバー
  • 付属品: 電源アダプター, HDMIケーブル, VESAマウント, ユーザーガイド

GEEKOM A7 MAXの評価

GEEKOM A7 MAXの前面 外観

8つの評価基準で「GEEKOM A7 MAX」を5段階で評価してみました。

項目別評価

パフォーマンス:★★★★★

Ryzen 9 7940HSと読み込み7000MB/s超の高速SSDを搭載しており、ミニPCとしては最上級の処理能力を持っています。

冷却性能と静音性:★★★★☆

独自の冷却システムは優秀ですが、TDP54Wの高負荷時にはそれなりのファンノイズが発生するため、完全な無音ではありません。

デザイン:★★★★★

CNCアルミニウムの一体成型ボディは非常に質感が高く、Apple製品のような洗練された美しさと堅牢性を兼ね備えています。

通信:★★★★★

2つの2.5G有線LANポートに加え、最新のWi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応しており、ネットワーク環境は最強クラスです。

拡張性:★★★★☆

USB4を2基備える点は素晴らしいですが、内部ストレージの増設不可やOCuLink非搭載など、物理的な制約があります。

機能:★★★★★

NPU(Ryzen AI)をしっかり搭載しており、AI機能への対応や最大4画面の同時出力など、機能面での死角はありません。

使いやすさ:★★★★☆

ブロートウェアのないクリーンなWindows 11 Proで快適ですが、内部アクセスのためにゴム足を剥がす必要がある点はメンテナンス性を下げています。

コストパフォーマンス:★★★★★

ハイエンドなスペックと所有欲を満たす金属筐体、そしてAI性能を考慮すれば、価格以上の価値が十分にあります。

総評:★★★★★

極小サイズでもプレミアムな完成度

GEEKOM A7 MAXの最大の魅力は、わずか0.47Lという極小サイズに、Ryzen 9のパワーと美しいデザインを凝縮した点にあります。プラスチック筐体の安価なモデルとは一線を画すCNCアルミニウムのボディは、デスクに置くだけで空間の質を上げてくれます。事務作業はもちろん、動画編集や、「モンスターハンターワイルズ」「原神」といった人気3Dゲームも設定次第で十分に楽しめる基礎体力の高さは、メインマシンとして頼もしい実力です。

AI時代を先取りする「NPU」搭載の安心感

Ryzen 9 7940HSが持つ「Ryzen AI(NPU)」をフルに活用できる点は、本機を選ぶ大きなメリットです。Windows Studio エフェクトなどのAI機能がハードウェアレベルで動作するほか、標準搭載された「Copilot」も瞬時に起動し、動作は非常にスムーズです。今後ますます重要になるAI処理において、長く快適に使い続けられるポテンシャルを秘めています。NPU非搭載のA8 2025と比較しても、最新トレンドにしっかりと対応している本機なら、数年先まで陳腐化することなくメイン機として愛用できるでしょう。

購入前に知っておくべきハードウェアの制約

完璧に見える本機ですが、小型化ゆえの物理的な制約には注意が必要です。まず、内部にはSSDスロットが1つしかないため、ストレージの増設はできません(交換のみ可)。また、eGPUを最大効率で接続するためのOCuLinkポートも非搭載です。さらに、TDPは最大でも54W付近での運用となるため、デスクトップPCのような無尽蔵のパワーを期待すると、長時間の高負荷処理で制限を感じる場面があるかもしれません。

結論:質と将来性を重視するユーザーへの最適解

いくつかの制約はあるものの、それらを補って余りある魅力がA7 MAXにはあります。拡張性を重視してUSB4ポートを2つ確保したい方、そしてAI時代を見据えて「NPU搭載」という安心感を手に入れたい方には、A8 2025よりも本機を強くおすすめします。性能、デザイン、そして将来性のバランスが高次元でまとまった、間違いのない一台です。

GEEKOM A7 Max ミニpc AMD Ryzen 9 7940HS&Radeon 780搭載(単体GPU級性能) 128GB DDR5拡張可能 AI機能|USB4.0*2|4画面8K出力|2.5G LAN*2|SDカードスロット|ケンジントンロック|3年保証|Win11Pro|16GB+1TB

GEEKOM A7 MAXの価格・購入先

GEEKOM A7 MAX 2台の外観

※価格は2026/01/13に調査したものです。価格は変動します。

GEEKOM公式サイト

R9-7940HS(16GB RAM+1TB SSD

114,900円で販売されています。

GEEKOM公式サイトで「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

ECサイト(Amazon、楽天、ヤフーなど)

  • Amazonで114,900円(税込)、
  • 楽天市場で135,900円(送料無料)、
  • 米国 Amazon.comで$949.00、

で販売されています。

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楽天市場で「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

ヤフーショッピングで「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

米国 Amazon.comで「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

GEEKOM A7 MAXを安く買う方法

GEEKOM A7 MAXをできるだけ安く購入するためには、GEEKOMのセールを活用するのがいいでしょう。

現在、Winterセール開催中で5%OFFクーポン配布中です。配布機関は1/12~1/30まで。

GEEKOM公式サイトでの購入時にクーポンコードを入力すると、割引されて通常価格よりも安くなります。

クーポンコード:GKWINTER5OFF(1/30まで)

※クーポンコードは公式サイトでボタンを押すだけで発行できます。

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おすすめのライバル機種と価格を比較

GEEKOM A7 MAX」に似た性能をもつミニPCも販売されています。価格の違いも分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

GEEKOM A8 2025

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen™ 7 8745HS 搭載のミニPCです(2025年発売モデル)。

DDR5-5600MHzメモリ(最大64GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSDストレージ(最大2TB)を搭載しています。

また、最大4画面同時出力(HDMI 2.0 x2, USB4, USB 3.2 Gen2 Type-C)、冷却システム(IceBlast 1.5)、SDカードスロット、VESAマウント、USB 3.2 Gen2 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G イーサネットポートにも対応しています。

✅価格は、Amazonで86,900円(税込)楽天市場で113,783円(送料無料)、米国 Amazon.comで$649.00、です。

👉関連記事:AIで最強「GEEKOM A8」ミニPCのメリット・デメリットを解説

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GEEKOM A6

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 6800H 搭載のミニPCです(2025年1月17日 発売)。

32GB DDR5 4800MHzメモリ、1TB M.2 SSDストレージを搭載しています。

また、USB 4 Gen 2 Type-Cポート、4K 4画面出力(USB4,USB 3.2 Gen 2 Type-C,HDMIx2)、冷却システム Ice Blade 2.0、VESAマウント、ストレージ拡張(NVMe x4 Gen 4 or SATA)、2.5インチ SATA HDD 拡張スロット、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-A、1 x USB 2.0 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット有線LANにも対応しています。

✅価格は、Amazonで82,900円、楽天市場で89,900円(送料無料)、ヤフーショッピングで98,791円、です。

👉関連記事:GEEKOM A6レビュー!驚きの6万円台!Ryzen 7 6800HミニPC

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Minisforum X1 Lite

Minisforumから発売されたAMD Ryzen™ 7 255 搭載のミニPCです(2025年11月19日 発売)。

DDR5-5600MHzメモリ(最大128GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSDストレージ(最大8TB)を搭載しています。

また、OCuLinkポート、最大3画面同時出力(HDMI 2.1, DP 1.4, USB4)、冷却システム(相変化熱伝導材, デュアルヒートパイプ, 大型静音ファン)、ストレージ拡張(M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSD×2スロット)、VESAマウント、USB 3.2 Gen2 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G イーサネットポートにも対応しています。

✅価格は、Amazonで105,199円(Ryzen 7 255・32GB 1TB・税込)、AliExpressで70,675円(ベアボーン)、米国 Amazon.comで$639.00、です。

👉関連記事:Minisforum X1 Lite徹底レビュー!UM750L Slimと比較

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Mac mini M4

Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。

Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。

また、11TOPS(1秒間に11兆回のAI演算)、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。

✅価格は、Amazonで90,970円(税込)、楽天市場で92,700円(送料無料)、ヤフーショッピングで93,490円です。

👉関連記事:Mac mini M4徹底レビュー!M2比較で気づいた進化点と欠点を評価

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他のGEEKOMミニPCと比較

他にもGEEKOMのミニPCが販売されています。2025、2024年モデルもあるので、ぜひご覧ください。

GEEKOMミニPC完全ガイド!2025 全機種比較と性能/選び方を徹底解説

その他のおすすめミニPC

その他のおすすめ小型PCは以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。

激安で買える海外製の小型PC 最新 機種 ラインナップ まとめ

海外製の小型PCをまとめて紹介しています。

Intel N150ミニPCはこう選べば正解!2025最新の性能・価格を比較

最新のN150ミニPCをまとめて紹介しています。

リビングにふさわしい超小型デスクトップPC ラインナップ 機種 まとめ

国内で販売されたミニPCをまとめて紹介しています。

Core Ultra デスクトップPC【2025最新】おすすめ9選|AI性能で差をつける!

Core Ultra プロセッサ搭載のデスクトップPCをまとめて紹介しています。

この記事を書いた人:秋葉原ぶらり

ガジェットブロガー / 動画クリエイター。2014年からブログを開始。以来、Android端末やWindowsデバイス、ゲーム製品、Apple製品、PC周辺機器などのレビューを発信し続けている。目標は東京「秋葉原」をぶらぶらと探索する楽しさを、そのままネット上で体験できるようにすること。趣味は、写真、プログラミング、読書、小説やエッセイの文筆、デザイン制作など多岐にわたる。最新の更新情報はX:旧Twitter(URL:https://x.com/akiba_burari)やThread(URL:https://www.threads.com/@akibaburari)、でも発信中。
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