2025年1月に発売された「XREAL One」は、独自開発の空間コンピューティングチップ「XREAL X1」を搭載し、ARグラスの体験を新たな次元へと引き上げた注目のデバイスです 。
このレビューでは、「XREAL One」が日々のPC作業やエンタメ鑑賞をどれだけ変えるのか、前モデル「XREAL Air 2 Pro」から何が革命的に進化したのか、実際に使い倒して見えた実力を徹底的に解説します。
【先に結論からお伝えしましょう】
XREAL One の長所 (Pros):
- 独自開発「XREAL X1」チップによる、外部デバイス不要の快適な3DoF体験
- 驚くほど滑らかで低遅延なトラッキング性能
- より広く明るくなった高品質なディスプレイとBoseチューニングの迫力あるサウンド
- PCの外部モニターとして生産性を向上させる多彩な表示モード
XREAL One の短所 (Cons):
- 視力矯正には専用のインサートレンズが必須で、追加コストがかかる
- 2時間を超える長時間の使用では、鼻や肩に疲労を感じることがある
- 本格的なARコンテンツはまだ少なく、「空間ディスプレイ」としての利用が主軸
- 有線接続であるため、ケーブルの取り回しに制約がある
総合評価:
「XREAL One」は、PC作業の効率を上げる外部モニターや、場所を選ばないプライベートシアターを求めるユーザーにとって、現状最も完成度の高い選択肢の一つです。特に「XREAL X1」チップがもたらす手軽さと快適さは、これまでのARグラスの常識を覆すほどの価値があります。
<この記事で分かること>
- サングラスのように自然な「XREAL One」の詳しいデザインと装着感
- 前モデル「XREAL Air 2 Pro」との具体的な違いと比較
- 「XREAL X1」チップがもたらす驚異のトラッキング性能とAR機能の実力
- 50度に広がった視野角と、600ニトの輝度がもたらす映像品質
- Boseチューニングによるオーディオ性能と実際の聞こえ方
- PCやスマートフォン、ゲーム機との具体的な接続方法と利便性
- メリット・デメリット、5段階の評価、どんな人に最適なのか
- 購入前に知っておくべきアクセサリーやインサートレンズの詳細
- 「XREAL One」の全スペック一覧と、各ECサイトでの販売価格
この記事を最後まで読むことで、「XREAL One」が本当に必要なのか、購入すべきかどうか、その答えが明確になるはずです。購入で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
この製品の購入はこちら→Amazon リンク / AliExpress リンク
公式ページ:XREAL One – XREAL JP Shop
デザインと装着感:XREAL One ~日常に溶け込む、未来のスタンダード~
ここでは、ARグラス「XREAL One」のデザインと、長時間利用でも快適さを損なわない装着感について、前モデル「XREAL Air 2 Pro」との比較を交えながら、実際に使って感じたことを詳しくレビューしていきます。
外観:サングラスのように自然、でも未来感も忘れない
初めて「XREAL One」を手に取ったとき、その艶消しのマットな質感とシンプルな形状に「これなら普段使いできる」と直感しました 。前モデルの「XREAL Air 2 Pro」もサングラスのような自然なデザインが好評でしたが、「XREAL One」はそれを踏襲しつつ、黒一辺倒ではないシルバーのアクセントやフレーム下部の赤い「Xボタン」が、ただのガジェットではない洗練された印象を与えてくれます 。
サイズ感は一般的なメガネより二回りほど大きいスポーツサングラスといったところですが、野暮ったさは感じません 。もちろん、真横から見ればプリズム部分が目立ち、未来的なデバイスであることは隠せません 。しかし、カフェで隣の席からじっくり見られるようなシチュエーションは稀でしょう。むしろ、このさりげない未来感が所有欲を満たしてくれます。ただし、レンズと目の間に少し距離があるため、人によっては「レンズが浮いているように見える」と感じるかもしれません 。この点は、慣れや好みによるところが大きいでしょう。
装着感:82gの軽さと絶妙なバランスが生む、驚きのかけ心地
本体重量82gと聞くと、「XREAL Air 2 Pro」の75gより少し重くなったのか、と感じるかもしれません 。しかし、実際に装着してみると、その数値以上の軽さに驚かされます 。これは、本体にバッテリーを内蔵せず、重心バランスが巧みに調整されているおかげです 。まるで自分の身体の一部かのようにフィットし、2時間の映画をソファでくつろぎながら1本観終えても、首や肩に大きな負担を感じることはありませんでした 。
この快適さを支えているのが、グリップ感のある素材でできた3サイズ(S/M/L)のノーズパッドと、柔軟性に富んだテンプル(つる)です 。顔を少し動かした程度ではズレることもなく、鼻や耳への圧迫感もほとんど感じませんでした 。ただし、3時間を超えるような長時間のゲームプレイでは、さすがに鼻先に重さを感じ、休憩が必要だと感じました。また、短時間の使用でも鼻に跡がつきやすいのは、少し気になるところです。
視力が悪い方は、メガネの上からの装着は難しいため、別途コンタクトレンズか、公式提携店でオーダーメイドのインサートレンズを用意する必要があります 。また、左テンプルから伸びるUSB-Cケーブルは、デバイス接続側が斜めになっており邪魔になりにくい工夫がされていますが、有線である以上、動き回る際には多少の存在感を感じる場面もありました 。
発熱については、X1チップが内蔵されているフレーム上部が長時間使用すると人肌程度に温かくなりますが、装着中にその熱が顔に伝わって不快に感じることはありませんでした 。
<XREAL Oneの付属品>
- メガネ本体
- C-Cケーブル
- ノーズパッド(S/M/L)
- クリーニングクロス
- 保護ケース
- 取扱説明書
まとめ:デザインと装着感
- デザイン:前モデルの自然さを継承しつつ、マットな質感とアクセントカラーでよりスタイリッシュな印象に。
- 軽さ:「XREAL Air 2 Pro」より数値上は重いが、優れた重量バランスにより体感としては非常に軽量で、長時間の使用も苦にならない。
- フィット感:調整可能なノーズパッドと柔軟なテンプルにより、まるでオーダーメイドのような快適な装着感を実現。
- 課題:3時間を超える連続使用では疲労感も。 視力矯正にはインサートレンズが別途必要。
ディスプレイと映像品質:XREAL One ~X1チップが描く、かつてない没入体験~
ここでは、「XREAL One」のディスプレイと、それが映し出す映像品質について、その感動的な見え方をレビューします。独自開発チップ「XREAL X1」が、前モデル「XREAL Air 2 Pro」からどれほどの進化を遂げたのか、具体的な体験を交えてお伝えします。
鮮明さと視野の広がりが両立した、贅沢な映像体験
「XREAL One」を装着し、最初に映像を映した瞬間に感じたのは、その圧倒的なクリアさです。ソニー製の0.68インチMicro-OLEDディスプレイが描き出すフルHDの映像は、ピクセルの存在を感じさせないほど精細で、まるで4K映像を見ているかのような錯覚に陥ります。試しに映画『シン・ウルトラマン』を観てみたところ、ウルトラマンを見上げるシーンの臨場感や、目の前で放たれるスペシウム光線の閃光がリアルに伝わってきて、思わず声が出そうになりました。
この感動は、視野角(FOV)が「XREAL Air 2 Pro」の46度から50度へと拡大されたことも大きく影響しています 。たった4度の違いですが、視界に占める映像の割合が増え、より深い没入感を得られるようになりました。さらに、最大輝度も500ニトから600ニトへと向上しており 、3段階の調光機能と組み合わせることで、日中の明るいカフェでも映像が白飛びすることなく、鮮やかな色彩を楽しむことができました。
驚異の安定性!「XREAL X1」チップがもたらすストレスフリーな世界
「XREAL One」の映像体験を語る上で欠かせないのが、独自開発の空間コンピューティングチップ「XREAL X1」の存在です。前モデルの「XREAL Air 2 Pro」では、画面を空間に固定する3DoF機能を使うために「XREAL Beam」という外部デバイスが必要でしたが、「XREAL One」はグラス単体で、しかも遥かに高性能な3DoFを実現しています 。
この進化は革命的です。PCに接続して作業をしている時、少し頭を動かしただけで画面が追従してくる感覚は「ヌルヌル」という表現がぴったりで、非常に気持ちが良いです。また、最低3msという驚異的な低遅延のおかげで、動きの激しいFPSゲーム『フォートナイト』をプレイしても、操作と画面のラグは全く感じられず、普段使っているゲーミングモニターと遜色ない感覚で勝利を掴むことができました。
ただし、完璧というわけではありません。私の環境では問題ありませんでしたが、人によっては画面の四隅がわずかにぼやけて見えることがあるようです。また、新幹線や地下鉄など、高速で移動する乗り物の中では画面がズレてしまう現象(ドリフト)が起きることがありました。そういった環境では、画面を固定せず、頭の動きに追従させるモードで使うのが良さそうです。
PC作業からエンタメまで。多彩な表示モード
「XREAL One」の魅力は、ただ映像を観るだけにとどまりません。特にPCと接続した際の「ウルトラワイドスクリーンモード」は、まさに生産性を爆上げする秘密兵器です。目の前に32:9の巨大な仮想モニターが出現し、複数の資料やブラウザを左右に並べて作業できるため、まるで司令室にいるような感覚で仕事が捗ります。
もちろん、エンターテインメント体験も格別です。ソファやベッドに寝転がりながら、YouTubeでYOASOBIのライブ映像を観れば、まるで最前列にいるかのような臨場感を味わえます。一方で、文字を読むのがメインとなる電子書籍、特に漫画のようにページめくりが頻繁なコンテンツは、正直なところあまり快適ではありませんでした。用途によって向き不向きがある点は理解しておく必要がありそうです。
<XREAL Oneのディスプレイ仕様>
- ディスプレイ: ソニー製 0.68インチ マイクロOLED
- 解像度: 1920×1080 (フルHD)
- 視野角(FOV): 50°
- 最大輝度: 600ニト
- 最大リフレッシュレート: 120Hz (全モード90Hz)
- 調光機能: 3段階
- チップ: XREAL X1 空間コンピューティングチップ
まとめ:ディスプレイと映像品質
- 鮮やかな映像: ソニー製OLEDと600ニトの高輝度により、精細で色鮮やかな画質を実現。
- 圧倒的な安定性: 独自開発「XREAL X1」チップにより、ブレや遅延のない滑らかな映像追従が可能になり、ゲームも快適にプレイできる。
- 広がった視野角: 前モデルより広い50度の視野角で、格段に高い没入感を提供。
- 多様な表示モード: PC作業の効率を上げるウルトラワイド表示から、リラックスした動画鑑賞まで、様々なシーンに対応する。
AR機能とトラッキング性能:XREAL One ~X1チップが解き放つ、真の空間コンピューティング体験~
ここでは、「XREAL One」がARグラスとしてどれほどの実力を持つのか、その核となるAR機能とトラッキング性能をレビューします。前モデル「XREAL Air 2 Pro」との決定的な違いは、独自開発チップ「XREAL X1」がもたらす圧倒的な快適さにありました。その感動的な体験を、具体的なエピソードを交えてご紹介します。
ネイティブ3DoFという革命、外部デバイスからの解放
XREAL Oneを使って、私が最も革命的だと感じたのは、グラス単体で画面の空間固定(3DoF)が可能になったことです。前モデルのXREAL Air 2 Proでは、この機能を使うために「XREAL Beam」という外部デバイスを別途接続する必要がありました。 しかし、XREAL Oneは独自開発の「XREAL X1チップ」を搭載したことで、その手間から完全に解放されたのです。
実際にPCとUSB-Cケーブル1本で接続するだけで、目の前の空間にピタリと安定したディスプレイが浮かび上がった時の手軽さと感動は忘れられません。「XREAL Beam」の起動を待ったり、充電を気にしたりする必要がなく、使いたい瞬間にすぐ使える。このストレスフリーな体験こそ、XREAL Oneが実現した最大の進化点だと断言できます。
まるで魔法、滑らかに追従するトラッキング性能
XREAL Oneのトラッキング性能は、まさに魔法のようです。頭の動きに画面が追従するモードでは、その動きが驚くほど滑らか。「ヌルヌルついてくる」という表現がぴったりで、一切のストレスを感じません。 これは「改良されたアルゴリズムの安定化」 と、最低3msという驚異的な低遅延の賜物でしょう。
この安定性は、PC作業の効率を劇的に向上させました。首を大きく振っても映像が一切ブレないため、ウルトラワイドモードで表示した複数のウィンドウ間を視線移動する際も、集中力が途切れることはありませんでした。さらに、動きの激しいFPSゲームをプレイしても遅延を全く感じず、普段のモニターと同じ感覚でプレイに没頭できました。 ただし、完璧ではなく、新幹線や地下鉄といった高速で移動する環境では、空間固定した画面がゆっくりとズレる(ドリフト)現象が確認できました。このような場所では、画面を固定せず、頭の動きに追従させるモードで使うのが賢明です。
「空間ディスプレイ」としての実用性とARの未来
現時点での「XREAL One」は、「現実世界にキャラクターが現れる」といった高度なAR体験を提供するデバイスというよりは、「持ち運び可能な超高性能な空間ディスプレイ」と捉えるのが最も実態に近いでしょう。しかし、その実用性は非常に高いです。3DoF機能のおかげで、楽な姿勢でPC作業ができるようになり、長時間のデスクワークで悩みだった首や肩への負担が明らかに軽減されました。
標準では頭の回転のみを検知する3DoFに対応していますが、別売りの「XREAL Eye」を追加することで、空間内の位置移動も検知する6DoFへとアップグレードが可能です。 これにより、将来的にはより高度でインタラクティブなARアプリケーションを楽しめる道が拓かれています。現状の専用アプリ「Nebula」のコンテンツはまだ発展途上な面もありますが、この拡張性には大きな可能性を感じます。
<XREAL Oneの主なAR機能・トラッキング性能>
- ネイティブ3DoF: グラス単体で、外部デバイスなしに画面の空間固定が可能
- 6DoF対応(要追加デバイス): 別売りの「XREAL Eye」を装着することで6DoFに拡張可能
- XREAL X1チップ: 独自開発の空間コンピューティングチップによる、高性能なトラッキングと低遅延を実現
- 低遅延トラッキング: 最低3msの遅延で、滑らかな映像追従性を実現
- 安定化アルゴリズム: 揺れやちらつき、ぼやけを抑える改良されたアルゴリズム
- 多彩な表示モード: 画面を固定するモード、追従するモード、ウルトラワイドスクリーン、サイドビューなどに対応
まとめ:AR機能とトラッキング性能
- ネイティブ3DoF: 外部デバイス不要という圧倒的な手軽さで、安定した空間ディスプレイを実現した点が最大の魅力。
- 優れたトラッキング性能: 「X1チップ」がもたらす滑らかで低遅延な追従性は、PC作業からゲームまであらゆる用途を快適にする。
- 実用的なAR体験: 現状の主な用途は「空間ディスプレイ」だが、その実用性は非常に高く、特にPC作業の効率を劇的に向上させる。
- 将来性: 6DoFへの拡張性を秘めており、今後のソフトウェアやコンテンツの進化によって、さらなるAR体験が期待できる。
オーディオ性能:XREAL One ~Boseチューニングが奏でる、耳を塞がない極上サウンド~
ここでは、「XREAL One」のオーディオ性能について、その驚くべき高音質と臨場感をレビューします。映像体験と同じくらい重要な「音」が、前モデル「XREAL Air 2 Pro」からどのように進化したのか。Boseとの共同チューニングがもたらした感動を、具体的な体験とともにお届けします。
Boseとの協業が生んだ、クリアで立体的なサウンド
「XREAL One」のオーディオを語る上で最大のトピックは、音響業界のリーディングブランドであるBoseと共同でチューニングを行ったことです 。その実力は、まさに本物でした。テンプル(つる)に内蔵されたスピーカーから流れる音は、驚くほどクリアで立体的。YouTubeでYOASOBIの公式ライブ映像『“超現実”』を視聴した際には、ボーカルの息遣いから会場の歓声までが鮮明に再現され、まるで自分がライブ会場にいるかのような錯覚に陥りました。
この圧倒的な臨場感は、映画鑑賞でさらにその真価を発揮します。TV版『機動戦士ガンダムUC』で、主人公バナージがユニコーンガンダムの前に立つ名シーンを観たときのことです。印象的なBGMの盛り上がりと、キャラクターたちの熱いセリフが、まるでその場で直接聞いているかのように心に響き、何度も観たはずのシーンなのに、新鮮な感動で思わず泣いてしまいました。高音から低音までバランスよく再生してくれますが、音の抜けが良いぶん、音楽制作のように微細な音まで聴き分けたい場合は、別途イヤホンを併用するのが良いでしょう。
オープンイヤー型とは思えない迫力と自然な聴き心地
XREAL Oneのスピーカーは耳を塞がないオープンイヤー型で、ユニークな音響チャンバーデザインが採用されています 。これにより、イヤホンのような圧迫感がなく、周囲の音も自然に聞こえるため、長時間の利用でも快適です。オープンイヤー型のスピーカーは構造上、低音が弱くなりがちですが、「XREAL One」はその常識を覆してくれました。しっかりとした厚みのある低音が感じられ、これには本当に感心しました。
この設計のおかげで、音は耳に直接届くのではなく、まるでその空間で鳴っているかのように自然に広がります。前モデルのXREAL Air 2 Proも「映画館のような音圧」と評されていましたが 、「XREAL One」はそれを超える、よりリアルで迫力のあるサウンド体験を提供してくれます。
音漏れとマイク性能:プライバシーへの配慮と実用性
オープンイヤー型である以上、音漏れは避けられません。実際に、静かな部屋で試すと、ある程度の音漏れは確認できました。測定データによると、「XREAL Air 2 Pro」の9.1dBに対し、「XREAL One」は5.3dBと改善は見られますが、電車内や図書館のような静かな公共の場では、イヤホンを併用するのがマナーでしょう。ただ、少し賑やかなカフェで試したところ、常識的な音量であれば隣の席の人に聞こえる心配はほとんどありませんでした。
また、通話品質も気になるところですが、「XREAL One」は4アレイマイクを搭載しており 、その性能は予想以上でした。実際に何度か通話を試しましたが、相手からは「クリアに聞こえる」と好評で、周囲の雑音もある程度抑制されているようでした。ビデオ会議など、ビジネスシーンでも十分に活用できる実用性を備えています。
<XREAL Oneのオーディオ仕様>
- 音響: Sound by Bose カスタマイズ音響
- スピーカー: 指向性のあるステレオスピーカー
- プライバシー: ノイズキャンセリング立体音響 3.0
- マイク: 4アレイマイク配置
まとめ:オーディオ性能
- 高音質: Boseとの共同チューニングにより、クリアでバランスの取れた、立体的なサウンドを実現。
- 没入感: 耳を塞がないオープンイヤー設計でありながら、迫力ある低音と作品世界にいるかのような自然な臨場感が味わえる。
- 音漏れ: 前モデルより改善されているものの、完全ではないため、静かな公共の場ではイヤホンの使用を推奨。
- マイク性能: 4アレイマイクを搭載し、ビデオ会議などでも実用的なクリアな通話品質を提供。
機能と利便性:XREAL One ~ケーブル1本で完結する、スマートな新体験~
ここでは、XREAL Oneが持つ多彩な機能と、日々の使い勝手を左右する利便性について、詳しくレビューしていきます。XREAL Air 2 Proから最も大きく進化したのは、そのシンプルさでした。外部デバイスから解放されたことで、未来の体験がより身近になった感動をお伝えします。
ケーブル1本で完結する、究極のシンプルさ
XREAL Oneの最大の魅力は、その究極とも言えるシンプルさにあります。箱から取り出し、付属のUSB-CケーブルをPCやスマートフォンに接続するだけ。特別なアプリのインストールも、複雑なペアリング作業も一切不要で、誰でも直感的に使い始めることができます。この手軽さはXREAL Air 2 Proも同様でしたが、XREAL Oneはそこからさらに大きな一歩を踏み出しました。
その立役者が、独自開発のXREAL X1チップです。前モデルのXREAL Air 2 Proでは、画面を空間に固定したり、ブレを補正したりといった高度な機能を使うにはXREAL Beamという外部デバイスが必須でした。しかし、XREAL Oneはこのチップを搭載したことで、グラス単体でこれらの機能をすべて実現したのです。実際にカフェでノートPCと接続した際、ケーブル1本ですぐに安定したウルトラワイドの作業空間が目の前に現れた時の感動は、まさに革命的でした。もうXREAL Beamを持ち運ぶ必要も、その充電を気にする必要もありません。荷物が一つ減るだけで、これほど身軽で快適になるとは思いませんでした。
あらゆるデバイスと繋がる、広範な互換性
XREAL Oneは、USB-Cによる映像出力(DisplayPort Alternate Mode)に対応した、驚くほど多くのデバイスと接続できます。最新のiPhone 15/16シリーズはもちろん、手持ちのAndroidスマートフォン(Galaxy)と接続してPCのように使える「Samsung DeX」も大画面で快適に操作できました。出先での急な作業も、スマートフォンと「XREAL One」さえあれば、もう怖いものなしです。
自宅では、ポータブルゲーム機のSteam DeckやROG Allyに接続して、迫力の大画面でゲームを楽しむことができます。ただし、Nintendo SwitchやPS5といった家庭用ゲーム機との接続には、別途「XREAL Hub」やHDMI変換アダプタが必要になる点は注意が必要です。また、あくまで有線接続であるため、ケーブルの存在が少し気になる場面があったことも正直にお伝えしておきます。
作業の効率を上げる、手軽なPC接続方法
XREAL OneとのPC接続は、驚くほど簡単です。映像出力に対応したUSB Type-C(DisplayPort Alternate Mode)ポートを搭載したノートPCなら、付属のケーブル1本で接続は完了。実際に試してみると、特別なドライバーのインストールも不要で、PCが「XREAL One」を自動で認識し、まさにプラグアンドプレイですぐに画面が映し出されました。PCのディスプレイ設定で「表示画面を拡張する」を選ぶだけで、あっという間にデュアルモニター環境が手に入り、その手軽さに感動しました。デスクトップPCなどで対応ポートがない場合でも、電源供給が可能なHDMI変換アダプターを別途用意すれば接続可能です。グラス本体のボタンで表示モードを切り替えられるため、PC側での複雑な設定がほとんど不要な点も、日常的に使う上で非常に便利だと感じています。
日々の使い勝手を支える、細やかな機能
日々の使い勝手を支える細やかな機能も充実しています。グラス右側のテンプルに配置された3つの物理ボタンは、装着したままでも直感的に操作でき、表示モードの切り替えや明るさ調整がスムーズに行えます。XREAL Air 2 Proから継承された3段階の電子調光機能も非常に便利で、ボタンをワンタッチするだけでレンズの透過度を変更できるため、日差しの強い屋外から薄暗い寝室まで、あらゆる環境で最適な視認性を確保してくれました。
視力補正については、従来通り別途インサートレンズが必要ですが、ここで一つ重要な注意点があります。XREAL AirやAir 2シリーズ用とは互換性がなく、新たにXREAL One専用のものを購入する必要があるのです。一方で、新たにソフトウェアによるIPD(瞳孔間距離)調整機能が搭載されたのは嬉しい進化点です。これにより、より多くの人が自分の目に合わせてピントを最適化でき、クリアな映像を楽しめるようになりました。
クリアな視界の鍵、専用インサートレンズ(度付きレンズ)
XREAL One本体には視力補正機能が内蔵されていないため、メガネを常用している私のようなユーザーにとって、クリアな映像体験を得るためには専用のインサートレンズが不可欠です。実際にメガネの上から無理に装着することはできず、快適な利用のためには必須のアクセサリーと言えるでしょう。
レンズの作成は、公式パートナーである「JUN GINZA」で可能です。単に度数を合わせるだけでなく、画面に集中したい方向けの「単焦点レンズ」や、手元のスマートフォンと画面を交互に見る使い方を助ける「サポートレンズ」、さらには「遠近両用」まで、利用シーンに合わせて最適なレンズを選べるのが大きな魅力です。注文には眼鏡処方箋が必要なので、事前に眼科などで準備しておきましょう。費用はレンズの種類により8,000円台からと、本体とは別にかかりますが、その価値は十分にあります。最も重要な点として、旧モデルのインサートレンズとの互換性はないため、注意が必要です。
体験を深化させる、多彩な専用アクセサリー
XREAL Oneは単体でも十分に高機能ですが、多彩なアクセサリーを組み合わせることで、その可能性はさらに大きく広がります。特に注目すべきは、6DoFを実現するXREAL Eyeです。これを装着するだけで、頭の回転だけでなく空間内の移動も検知できるようになり、仮想ディスプレイを好きな距離に配置したり、空間を歩き回ったりといった、より高度なAR体験が可能になります。
また、PS5やNintendo Switchといった家庭用ゲーム機と接続するためのXREAL Hubも用意されています。これらのアクセサリーを活用することで、映像鑑賞やPC作業といった日常的な使い方から、より没入感のあるゲーム体験、さらにはクリエイティブな用途まで、自分のスタイルに合わせて機能をカスタマイズできるのが大きな魅力だと感じました。
<XREAL Oneの主な機能>
- ネイティブ3DoF: グラス単体で画面の空間固定、ブレ補正、追従モードの切り替えが可能
- 多彩な表示モード: ウルトラワイドスクリーン(32:9)、サイドビューモードなどに対応
- 3段階電子調光: 周囲の明るさに合わせてレンズの透過度を調整可能
- ソフトウェアIPD調整: ユーザーの瞳孔間距離に合わせて表示を最適化
- 幅広いデバイス互換性: USB-Cビデオ出力に対応したスマートフォン、PC、ゲーム機と接続可能
- バッテリーレス設計: 接続デバイスからの給電で動作し、本体の充電は不要
まとめ:機能と利便性
- 究極のシンプルさ: 外部デバイス不要で高度な機能を使える、ケーブル1本で完結する圧倒的な手軽さ。
- 広範な互換性: 最新スマートフォンからPCまで多様なデバイスと接続でき、特にPCとは手軽に連携可能。
- 直感的な操作性: 物理ボタンと便利な電子調光機能により、どんな環境でもストレスなく使用できる。
- クリアな視界の確保:メガネ常用者には専用インサートレンズが必須で、旧モデルとの互換性はない点に注意が必要 。
- 体験の拡張性:別売りの「XREAL Eye」で6DoFへ、「XREAL Hub」で家庭用ゲーム機へと、用途に応じて機能を拡張できる 。
「XREAL One」と「XREAL Air 2 Pro」の主な違い
XREAL社が展開するARグラス「XREAL One」と「XREAL Air 2 Pro」は、一見すると似ていますが、その中身、特にコアとなる技術とそれによってもたらされる体験には大きな違いがあります。ここでは、両モデルの主な違いを比較します。
チップと空間機能(3DoF)
- XREAL Air 2 Pro: 独自の空間コンピューティングチップは非搭載。3DoF機能(画面の空間固定など)を利用するには、別途「XREAL Beam」などの外部デバイスが必要です。
- XREAL One: 独自開発の「XREAL X1」チップを搭載。これにより、グラス単体で3DoF機能が利用できる「ネイティブ3DoF」に対応しています。
- 違い:これが両モデルの最も決定的な違いです。「XREAL One」は外部デバイスなしで高度な機能を使えるため、利便性と手軽さが格段に向上しています。
ディスプレイ性能
- XREAL Air 2 Pro: 視野角46°、最大輝度500nits、0.55インチディスプレイ。
- XREAL One: 視野角50°、最大輝度600nits、0.68インチディスプレイ。
- 違い:「XREAL One」は、より広く、より明るいディスプレイを搭載しており、一層没入感のある映像体験が可能です。
低遅延
- XREAL Air 2 Pro: 遅延に関する具体的な数値の公開はありません。
- XREAL One: 「XREAL X1」チップにより、最低3msの低遅延を実現しています。
- 違い:「XREAL One」は、ゲームや動画視聴において、映像と操作のズレが少なく、よりスムーズな体験が期待できます。
オーディオ
- XREAL Air 2 Pro: 第2世代サウンドシステムを搭載しています。
- XREAL One: 世界的な音響ブランドであるBoseと共同でチューニングされています。
- 違い:「XREAL One」は、よりクリアで繊細、立体的なサウンドを目指して設計されており、音質面での向上が図られています。
重量
- XREAL Air 2 Pro: 約75g。
- XREAL One: 約82g。
- 違い:「XREAL X1」チップなどを内蔵したことで、「XREAL One」のほうがわずかに重くなっています。
価格(発売時)
- XREAL Air 2 Pro: 61,980円(税込)。
- XREAL One: 69,980円(税込)。
- 違い:高性能なチップの搭載やディスプレイの大型化などを反映し、「XREAL One」の方が高価な設定になっています。
まとめ:「XREAL One」と「XREAL Air 2 Pro」の違い
「XREAL One」と「XREAL Air 2 Pro」の最大の違いは、独自開発の空間コンピューティングチップ「XREAL X1」の有無に集約されます。これにより、「XREAL One」は外部デバイスなしで画面の空間固定といった高度な機能を単体で実現し、利便性を飛躍的に高めました。
加えて、より広く明るいディスプレイ、Boseチューニングのオーディオ、低遅延といった点で、「XREAL Air 2 Pro」から着実な進化を遂げています。一方で、「XREAL Air 2 Pro」は、より軽量で安価であり、外部デバイスと組み合わせることで十分に高機能な体験が可能な、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
XREAL Oneのメリット・デメリット:スマートな体験の裏にある注意点
XREAL Oneは、独自開発の「XREAL X1」チップを搭載し、これまでのARグラス体験を大きく向上させた魅力的なデバイスです 。特に、外部デバイスなしで高度な機能を実現した点は大きな進化と言えるでしょう。しかし、その一方で、購入前に知っておくべきデメリットも存在します。ここでは、実際に使って感じた光と影の部分を詳しく解説します。
【メリット】
メリット1:外部デバイス不要の快適な3DoF体験
最大のメリットは、グラス単体で画面の空間固定(ネイティブ3DoF)が可能になったことです 。前モデルの「XREAL Air 2 Pro」では、同様の体験をするために「XREAL Beam」という外部デバイスが必須でした 。しかし「XREAL One」は「XREAL X1」チップを搭載したことで、ケーブル1本でPCやスマートフォンに接続するだけで、遅延の少ない滑らかな画面固定やブレ補正機能を利用できます 。この手軽さは革命的で、日常的に使う上でのハードルを劇的に下げてくれました。
メリット2:高品質な映像とBoseチューニングのサウンド
映像と音響の質も格段に向上しています。視野角は「XREAL Air 2 Pro」の46度から50度へと広がり、より没入感のある映像を楽しめます 。ソニー製のマイクロOLEDディスプレイは精細で、最大600ニトの輝度と3段階の調光機能により、明るい屋外でもクリアな視認性を確保します 。また、Boseとの共同チューニングによって実現したサウンドは、耳を塞がないオープンイヤー型にも関わらず、クリアで立体感があり、映画や音楽への没入感を一層深めてくれました 。
メリット3:PC作業の効率を上げるウルトラワイド表示
PCの外部モニターとしての実用性が飛躍的に向上した点も大きな魅力です 。特に32:9のウルトラワイドスクリーンモードは、物理的なモニターを置くスペースがない場所でも、広大な作業領域を確保できます 。実際にカフェでノートPCと接続し、複数の資料を左右に並べて作業した際には、その効率の良さに感動しました。まさに持ち運び可能な高性能モニターとして、場所を選ばずに生産性を高めることができます。
【デメリット】
デメリット1:視力矯正には専用インサートレンズが必須
一方で、最も注意が必要なのが視力矯正です。「XREAL One」本体に視度調整機能はなく、普段メガネをかけている人がクリアな視界を得るには、専用のインサートレンズ(度付きレンズ)を別途購入しなければなりません 。
メガネの上から装着することも不可能ではありませんが、焦点が合わず快適な視聴は望めないため、推奨されていません 。また、このインサートレンズは旧モデルとの互換性がないため、買い替えユーザーも新たに作成する必要があり、追加のコストと手間がかかります 。
デメリット2:長時間の使用による身体的な疲労感
本体重量は82gと軽量ですが、長時間の使用は身体的な疲労につながる可能性があります 。特に2時間を超える映画鑑賞やゲームプレイでは、鼻にかかる重さや、そこからくる首や肩への負担を感じることがありました 。軽量とはいえ、一般的なメガネとは異なる重量バランスのため、こまめな休憩を挟むなどの工夫が必要だと感じました。
デメリット3:視野角の限界と一部の光の反射
映像体験は素晴らしいものの、いくつかの課題も残っています。視野角は広がったとはいえ、「もっと広ければ」と感じる場面もあり、特にPC作業では表示領域の広さが物足りなく感じることもありました 。また、構造上、レンズの下方向から室内の照明や手元の光が反射して視界に入り込むことがあり、コンテンツへの集中を妨げられるケースがありました 。
XREAL Oneのスペック(仕様)一覧
- ディスプレイ: SONY製 0.68インチ Micro-OLED (片目1920×1080)
- 見え方: 4m〜10m先に最大367インチ相当のスクリーンを投影
- 調光: 3段階のエレクトロクロミック調光
- 視野角: 50度
- リフレッシュレート: 最大120Hz (全モードで90Hzに対応)
- 遅延: 最低3msの低遅延 (Motion to Photon)
- 表示モード: 空間固定 (Body Anchor)、追跡 (Smooth Follow)、ワイドスクリーン、サイドビュー
- チップ: XREAL X1 空間コンピューティングチップ
- トラッキング: グラス単体でネイティブ3DoFに対応 (XREAL Beam不要)
- IPD(瞳孔間距離): ソフトウェアによる調整に対応
- バッテリー: 非搭載 (接続デバイスから給電)
- インターフェース: USB-C (DisplayPort Alternate Mode対応)
- センサー: IMU (加速度・ジャイロセンサー)、近接センサー
- オーディオ: Sound by Bose カスタマイズ音響、ノイズキャンセリング立体音響 3.0
- マイク: 4アレイマイク配置
- 操作: Xボタン、プラス/マイナスボタン、クイックボタン(ショートカット)
- アプリ連携: 専用アプリ不要で主要機能を利用可能 (ファームウェア更新にはXREALUpdaterが必要な場合あり)
- オプション: XREAL Eye (6DoF対応)、XREAL Hub、度付きインサートレンズ
- 対応デバイス: DisplayPort Alt Mode対応のスマートフォン(iPhone 15/16シリーズ等)・PC・ゲーム機
- 筐体: 人間工学に基づいたデザイン
- サイズ: 151.6×51×167.5 mm (展開時)
- 重量: 82g (ノーズパッド無し)
- カラー: ブラック
- 付属品: C-Cケーブル、ノーズパッド(S/M/L)、クリーニングクロス、保護ケース、取扱説明書
XREAL Oneの評価
8つの基準で「XREAL One」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
ディスプレイ(映像品質): ★★★★☆
ソニー製マイクロOLEDが映し出す映像は非常に精細かつ色鮮やかです。視野角が50度へと広がったことで、前モデル以上の没入感を得られました。ただし、一部のユーザーからは画面の端がぼやけるとの指摘もあります。
デザイン: ★★★★☆
ガジェット感を抑えたサングラスのような外観で、日常の風景に自然に溶け込みます。マットな質感とアクセントカラーが、シンプルながらも所有欲を満たすスタイリッシュさを演出しています。
装着感: ★★★★☆
82gと軽量で、重量バランスも巧みに設計されており、短時間であれば着けていることを忘れるほど快適です。しかし、2時間を超えるような長時間の利用では、鼻や肩に疲労を感じることがありました。
AR機能: ★★★☆☆
グラス単体での3DoF(空間固定)表示は非常に実用的で、PCの外部モニターとして活躍します。ただし、本格的なARコンテンツはまだ少なく、現状では「空間に映像を映し出すディスプレイ」としての側面が強いです。
トラッキング性能: ★★★★★
独自開発の「XREAL X1」チップによる追従性能は驚異的です。頭の動きに滑らかかつ低遅延で追従し、外部デバイスなしでこの安定性を実現した点は、他を圧倒する最大の強みと言えます。
オーディオ性能: ★★★★☆
Boseとの共同チューニングにより、クリアで立体感のあるサウンドを実現しています。耳を塞がないオープンイヤー型とは思えない迫力ですが、静かな場所では音漏れへの配慮が必要です。
機能と利便性: ★★★★☆
外部デバイスなしで主要機能が使えるシンプルさは画期的で、非常に便利です。ただし、視力矯正には別途専用のインサートレンズ(度付きレンズ)の購入が必須であり、メガネとの併用が推奨されない点は大きな課題です。
価格: ★★★☆☆
PCモニターの代わりにもなる高機能な空間ディスプレイとして考えれば、コストパフォーマンスは高いと言えます。しかし、インサートレンズ等の追加費用も考慮すると、誰にでも手頃とは言えない価格設定です。
総評: ★★★★☆
X1チップがもたらした革命的な進化
XREAL Oneは、単なる前モデルの改良版ではありません。独自開発の「XREAL X1」チップを搭載したことで、これまでのARグラスが抱えていた「手軽さ」と「性能」のジレンマを解消した、革命的なデバイスです。XREAL Air 2 Proでは外部デバイスが必要だった画面の空間固定(3DoF)やブレ補正といった機能が、グラス単体で、しかも驚くほど滑らかに動作します。この「ケーブル1本で完結する」という体験は、日常的にARグラスを使いたいと思う上で、何よりも価値のある進化だと感じました。
高品質な視聴体験と「空間ディスプレイ」としての完成度
ソニー製マイクロOLEDによる鮮やかな映像と、Boseチューニングによる臨場感あふれるサウンドは、映画鑑賞やゲームプレイといったエンターテインメント体験を格別なものにしてくれます。特にPCの外部モニターとして利用した際の利便性は高く、ウルトラワイド表示を使えば、場所を選ばずに広大な作業スペースを確保できます。XREAL Oneは、現状では「持ち運び可能な超高性能ディスプレイ」として、非常に高い完成度に至っていると言えるでしょう。
購入前の注意点
もちろん、完璧なデバイスではありません。最大の課題は、視力矯正が必要なユーザーにとって、専用インサートレンズの購入が必須である点です。メガネの上からの装着は快適ではなく、旧モデルとの互換性もないため、多くのユーザーにとって追加のコストと手間がかかります。また、長時間の使用による疲労感や、有線接続であるという制約も残されています。
どんな人に最適か
ではどんな人にXREAL Oneは最適だといえるのでしょうか?具体的には場所を選ばずにPC作業の効率を上げたいビジネスパーソンや、移動中や自室で寝転がりながら大画面の映像に没入したいエンタメ好きに最適です 。物理的なモニターを置くスペースがない人にも、最高の視聴体験を提供してくれるでしょう 。
まとめ
XREAL Oneにはまだ課題が残されていますが、優れた映像体験ができる点は非常に魅力的です。ARグラスの入門機として、また生産性を向上させるツールとして、多くの人におすすめできる一台です。今後のソフトウェアアップデートや、「XREAL Eye」による6DoFへの拡張性にも大きな期待が持てます。欠点を許容できるのであればぜひ購入を検討してみてください。
[amazon]
XREAL Oneの価格・購入先
「XREAL One」はXREAL ショップやAmazonなどのECサイトで購入できます。
※価格は2025/07/27に調査したものです。
XREAL JP Shop
69,980円で販売されています。
XREAL JP Shopで「XREAL One」をチェックする
※支払い方法はクレジットカード、Amazon Pay、Apple Payです。
ECサイト
- Amazonで69,980円、
- 楽天市場で69,980円(送料無料)、
- ヤフーショッピングで66,980円(中古)、
- AliExpressで69,767円、
で販売されています。
Amazonで「XREAL One」をチェックする
楽天市場で「XREAL One」をチェックする
ヤフーショッピングで「XREAL One」をチェックする
AliExpressで「XREAL One」をチェックする
米国 Amazon.comで「XREAL One」をチェックする
おすすめのライバル機種と価格を比較
「XREAL One」に似た性能をもつARグラスも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
XREAL One Pro
XREALから発売されたARグラスです。装着することで10m先で最大428インチ相当の大画面を楽しめます(2025年7月24日に発売)。
ソニー製0.55インチ マイクロOLED(解像度400万ピクセル、1080p)、X1チップ、新光学エンジン「X Prism」、Boseが監修したチューニングを施した音響システム(オープンイヤー型指向性スピーカー)を搭載しています。
また、視野角(FOV)57° 、追従モード(0DoF)と空間固定モード(3DoF)、ネイティブ3DoFトラッキング(6DoFは別売りのXREAL Eyeが必要)、ワイドスクリーンモード(21:9 / 32:9) 、グラス単体でのOSD(オンスクリーンディスプレイ)設定機能 に対応。
物理的な2サイズ展開のIPD調整、調整可能な3段階のレンズ調光、最大リフレッシュレート120 Hz、最大700nitの輝度と高精度な色再現(ΔE < 3)にも対応しています。
価格は、Amazonで84,980円(Mサイズ、Lサイズ・税込)、楽天市場で84,980円(送料無料)、AliExpressで97,452円、です。
関連記事:XREAL One Pro 徹底レビュー!One比較で判明した長所と欠点とは?
Amazonで「XREAL One Pro」をチェックする
XREAL Air 2 Pro
XREALから発売されたARグラスです(2023年11月17日 発売)。装着すると、約6メートル先に201インチの巨大スクリーンがあるように見えます。
0.55インチで解像度3840 x 1080 ピクセルのSONYセミコンダクタソリューション社製Micro-OLEDディスプレイ、2つの開放型スピーカー、ノイズキャンセル対応のデュアルマイクを搭載しています。
また、3段階の調光機能、リフレッシュレート 最大120 Hz、第2世代音響システムによる豊かで没入感のある音響体験、USB-Cポート接続、3DoFトラッキング、視野角 46度、最大輝度500nits、新型ゼロプレッシャーノーズパッド、「XREAL Beam」(別売・有線接続)、度付きレンズ(別売)の装着、厚さ19mm(約10%薄型化)、重さ75gの薄型軽量デザイン、アプリ「Nebula」に対応しています。
価格は、Amazonで59,980円、楽天市場で59,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで58,000円、AliExpressで71,866円、です。
関連記事:「XREAL Air 2」が最良の選択か? 最新のAR / VRグラスと徹底 比較!
Amazonで「XREAL Air 2 Pro」をチェックする
VITURE One
VITUREから発売されたAR/XRグラスです(2023年11月22日に発売)。装着することで120インチ相当の迫力ある映像を楽しめます。
解像度1920 x 1080 ドットの有機ELディスプレイを搭載。HARMAN AudioEFX 立体音響システム採用の小型スピーカー、マイクを搭載しています。
また、度数調整ダイヤル、電子調光フィルム、3D動画の視聴、3DoF(スクリーン固定)、「VITURE One ネックバンド」(別売)、「VITURE One モバイルドック」(別売)に対応しています。
価格は、Amazonで52,400円(税込)、楽天市場で53,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで56,160円、米国 Amazon.comで$289.00 ($90 OFFクーポン付き)、です。
関連記事:「VITURE One」はXREALよりいい? 話題の人気 ARグラスと徹底 比較!
Amazonで「VITURE One」をチェックする
その他のおすすめ動画製品は?
その他のおすすめ動画製品は以下のページでまとめてあります。ぜひ比較してみてください。
スマートグラスはARグラスを選べ! おすすめモデルと選び方を紹介
ARグラスをまとめて紹介しています。
VRヘッドセットのおすすめはコレ!スマホ&PC用 全機種を比較
最新のVRヘッドセットをまとめて紹介しています。
スマートディスプレイのおすすめは? 最新の全機種とできることを紹介
スマートディスプレイをまとめて紹介しています。
チューナーレステレビはどれを買う? おすすめ機種と選び方を紹介
スマートテレビをまとめて紹介しています。