Amazfit T-Rex 3 徹底レビュー!先代比較とメリット・デメリット

Amazfit T-Rex 3 外観 ラバ(赤)
2024年10月10日に発売された「Amazfit T-Rex 3」は、登山などの使用に耐える高いタフネス性能と驚異的なバッテリー寿命で、アウトドア愛好家から注目を集めるGPSスマートウォッチです。

このレビューでは、前モデル「Amazfit T-Rex 2」から飛躍的な進化を遂げた本機の真価を、デザイン、機能、バッテリー性能などあらゆる角度から徹底的に検証しました。

先に結論からお伝えしましょう

Amazfit T-Rex 3 の長所(Pros):

  • 他を圧倒する驚異的なバッテリー寿命
  • MIL規格準拠の高い耐久性と、ステンレス採用による質感の向上
  • 最大2,000ニトの高輝度ディスプレイによる抜群の屋外視認性
  • 等高線に対応した、本格的なオフラインマップ機能
  • AIアシスタントと音楽ストレージ搭載による高い利便性
  • ハイエンド機に迫る性能を誇る、優れたコストパフォーマンス

Amazfit T-Rex 3 の短所(Cons):

  • Suicaなどの非接触決済機能に非対応
  • 限定的なアプリ生態系と、一部データ連携の課題
  • 一部ヘルスケアセンサーの精度には改善の余地あり
  • 大きく武骨なデザインは利用シーンや服装を選ぶ

総合評価:

Amazfit T-Rex 3は、本格的なアウトドア性能と日常使いのスマート機能を驚異的なコストパフォーマンスで両立させた、現時点で最もバランスの取れたタフネス・スマートウォッチです。特に、充電のわずらわしさから解放されたいアクティブなユーザーには、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。

この記事で分かること

  1. T-Rex 3のデザインと前モデルT-Rex 2との素材(ステンレス・ゴリラガラス)や形状(八角形)の違い
  2. 最大2,000ニトの輝度がもたらす、屋外での圧倒的な視認性
  3. ウォッチ単体で使えるオフラインマップとナビゲーション機能の実力(YAMAPのGPX対応)
  4. 新搭載のAIアシスタント「Zepp Flow」と音楽ストレージの使い勝手
  5. 170種以上のスポーツモード(登山体験)と、AIコーチや新指標「レディネス」による健康管理機能の詳細
  6. ハードな使い方で何日持つ?リアルなバッテリー性能を徹底検証
  7. 進化したZepp OS 4の操作性と、Stravaなど外部アプリとの連携性
  8. Garminなどライバル機種とのメリット・デメリット比較
  9. 専門家による項目別の5段階評価と詳細な総評
  10. 最新の価格情報とお得な購入先

この記事を最後まで読むことで、「Amazfit T-Rex 3」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

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公式ページ: Amazfit T-Rex 3 48mm

デザインと耐久性:Amazfit T-Rex 3 ~タフネスDNAに宿る洗練と進化~

Amazfit T-Rex 3 ラバ 外観 屋外

ここでは、Amazfit T-Rex 3のデザインと耐久性について、前モデルAmazfit T-Rex 2との比較を交えながら、実際に使用して感じた進化のポイントを詳しくレビューしていきます。

タフネスを継承し、質感を高めた外観

Amazfit T-Rex 3を手にしてまず目を引くのは、その大胆な形状の変化です。前モデルT-Rex 2の伝統的な円形デザインから一新され、T-Rex 3ではエッジの効いた八角形のベゼルが採用されました。この変更により、アウトドアギアとしての無骨さが一層際立ち、よりメカニカルで強靭な印象を与えます。この力強い八角形のフォルムに、輝きを放つ316Lステンレススチール素材を組み合わせたことで、質感は劇的に向上しています。T-Rex 2のポリマー合金製ボディもタフな印象でしたが、T-Rex 3金属ベゼルは触れるとひんやりとした感触があり、安っぽさを感じさせない精悍で上質な佇まいを手に入れています。

Amazfit T-Rex 3

週末のキャンプで友人に見せたところ、「その時計、すごく高級感があるね」と褒められたほどで、所有する喜びを十分に満たしてくれます。側面にあしらわれた山のマークや赤いアクセントカラーもデザインの質の高さを感じさせ、アウトドアギアとしての魅力を高めています。

カラーバリエーションは、今回レビューした精悍な「オニキス(黒)」の他に、情熱的な「ラバ(赤)」が用意されており、自分のスタイルに合わせて選べます。アウトドアシーンだけでなく、普段のジャケットスタイルにも違和感なく溶け込み、オンオフ問わず使える汎用性の高さも大きな進化点だと感じました。

※2025年2月に新カラー「ヘイズグレー」が追加されました。

カラーの違い

  • Amazfit T-Rex 3:オニキス(黒)、ラバ(赤)、ヘイズグレー
  • Amazfit T-Rex 2:アストロ ブラック&ゴールド、エンバー ブラック、ワイルド グリーン、デザートカーキ

わずかな重量増で得られた快適な装着感

Amazfit T-Rex 3 オニキスを装着。

前モデルのAmazfit T-Rex 2と比較すると、本体サイズは直径47.1mmから48.5mmへ、重量はバンド込みで66.5gから68.3gへと、それぞれわずかに大きく、重くなっています。しかし、この数値ほどの差はまったく感じられませんでした。むしろ、見た目のゴツさとは裏腹に装着感は非常に良好で、T-Rex 3のバンドに採用された液状シリコン素材の恩恵を強く感じます。T-Rex 2のシリコンバンドも柔らかく評価が高かったですが、T-Rex 3のバンドはさらにしなやかで、手首に吸い付くようにフィットします。

サイズ・重量

  • Amazfit T-Rex 3:48.5×48.5×13.75mm、重量 バンドを含めて約68.3g
  • Amazfit T-Rex 2:47.1×47.1×13.65mm、重量 バンドを含めて約66.5g

実際に装着して1時間のランニングをしてみましたが、激しい動きでも時計がずれることはなく、汗をかいても不快な蒸れを感じにくい快適な着け心地でした。睡眠中も含めて一日中装着していても手首への負担はほとんどなく、ストレスフリーで過ごせます。その存在感あるデザインから、腕が細い方や女性には少し大きく感じられるかもしれませんが、調整幅の広いバンドとしなやかな装着感により、多くの人が快適に使えるでしょう。

あらゆる環境に耐えうる軍用レベルの堅牢性

Amazfit T-Rex 3 本体のディスプレイ。屋外で使用。

Amazfit T-Rexシリーズの真骨頂であるタフネスさは、T-Rex 3でも一切の妥協がありません。70℃の高温から-30℃の極寒環境まで耐え抜き、水深100mの水圧にも耐える10ATMの防水性能を誇ります。さらに、9つのMIL規格(米国物資調達規格)に準拠しており、その堅牢性は折り紙付きです。先日、登山中にうっかり岩肌に時計をぶつけてしまいましたが、ディスプレイにもベゼルにも全く傷がつかず、その頑丈さを実感しました。

この安心感は、T-Rex 2から大きく進化した点、ディスプレイに採用されたゴリラガラスによるところも大きいでしょう。日常のふとした衝撃から画面を保護してくれるため、アクティブなシーンでも神経質になることなく、思う存分活動に集中できます。まさに、どんな過酷な冒険にも共に挑める、信頼できる相棒です。

快適性とフィット感を両立する液状シリコンバンド

Amazfit T-Rex 3のバンド。ヘイズグレー。

時計本体に合わせ、バンドも着実な進化を遂げています。Amazfit T-Rex 3には、肌触りが非常に滑らかな「液状シリコン」製のバンドが採用されました。前モデルT-Rex 2のバンドも柔らかいと高評価でしたが、T-Rex 3はさらにしなやかで伸縮性も感じられます。運動時にきつく締めても肌に食い込むような不快感がなく、時計本体のゴツさを忘れさせるほど快適な装着感です。

バンド交換も可能ですが、一般的なクイックリリース式ではなく、付属の専用ドライバーでネジを外す方式のため手間がかかります。スペアネジは付属しないため紛失には注意が必要ですが、標準バンド用のアダプターが付属するのは親切な点です。

Amazfit T-Rex 3の付属品

  • 時計本体(純正バンド含む)
  • 専用充電ベース(ケーブルなし)
  • 取扱説明書
  • バンドを外すための工具(ドライバー)
  • バンド交換用アダプター

まとめ:デザインと耐久性

  • 形状と外観:T-Rex 2の円形から力強い八角形デザインに変更され、ステンレススチール製ベゼルの採用で高級感と質感が飛躍的に向上した。
  • 装着感:本体はわずかに大型化したが重量増は軽微で、優れたフィット感により長時間の着用もストレスフリー。
  • バンド:肌触りの良い液状シリコンバンドに進化し快適性が向上。交換はネジ式で手間がかかるものの、カスタマイズ性を確保している。
  • 堅牢性:MIL規格準拠の圧倒的な耐久性はそのままに、新たにゴリラガラスを搭載したことでディスプレイの耐傷性が強化され、日常使いでの安心感が増した。
  • 総括:本格的なアウトドア性能と、日常にも溶け込む洗練されたデザインを見事に両立させ、あらゆるシーンで活躍する万能なタフネスウォッチへと進化した。

ディスプレイと操作性:Amazfit T-Rex 3 ~より大きく、より明るく進化した視認性と快適操作~

Amazfit T-Rex 3のディスプレイ。鮮やかな色彩。

ここでは、Amazfit T-Rex 3の要とも言えるディスプレイと、日々の使い勝手を左右する操作性についてレビューします。前モデルAmazfit T-Rex 2からどれほど進化したのか、特に視認性とアウトドアでの利便性に焦点を当てて、実際に使って感じた魅力をお伝えします。

鮮やかな有機ELが映し出す、情報という名の景色

Amazfit T-Rex 3の電源を最初に入れたとき、まず心に響いたのは、その鮮やかで自然な発色でした。搭載されているのはHD AMOLED(有機EL)ディスプレイで、深い黒が背景をしっかりと引き締め、カラフルなウォッチフェイスや運動記録のグラフ、通知で送られてきた写真の色を忠実に再現します。文字のエッジはくっきりとシャープで、小さな数値も潰れることなく読み取れます。この視覚的な満足感は、T-Rex 3が単なる道具ではなく、毎日身に着けたくなるガジェットであることを感じさせてくれます。

この美しい表示は、前モデルT-Rex 2からの着実なスペックアップに支えられています。ディスプレイサイズはT-Rex 2の1.39インチから1.5インチへと大型化し、解像度も454×454から480×480ピクセルへと向上しました。この画面サイズの約16%アップは、情報の見やすさに大きく貢献しています。

ディスプレイサイズ、解像度の違い

  • Amazfit T-Rex 3: 1.5インチのHD AMOLED、解像度 480×480 px
  • Amazfit T-Rex 2: 1.39インチのAMOLED、解像度 454×454 px

屋外での視認性を劇的に向上させた輝度

Amazfit T-Rex 3のディスプレイ。画面に文字とグラフ。

ディスプレイの進化の中でも、最大の進化は輝度です。T-Rex 2の最大1,000ニトでも屋外での視認性は良好でしたが、T-Rex 3ではその2倍となる最大2,000ニトを達成しています。実際に真夏の炎天下で登山ルートを確認した際、T-Rex 2では時折手で影を作って画面を覗き込むことがありましたが、T-Rex 3ではその必要が全くありませんでした。強い日差しを反射する雪山でのスキーや、真夏のビーチでのアクティビティ中でも、サングラスをかけたまま地図や通知をハッキリと確認できるこの視認性の高さは、まさに革命的です。

輝度の違い

  • Amazfit T-Rex 3:最大2,000ニト
  • Amazfit T-Rex 2:最大1,000ニト

指先から伝わる、ストレスフリーな操作感

Amazfit T-Rex 3の側面にあるボタン

Amazfit T-Rex 3の操作は、指先への吸い付くようなタッチ反応が心地よく、非常にスムーズです。Zepp OS 4の最適化により、メニューのスクロールや画面のスワイプに遅延やカクつきはほとんど感じられません。操作性における最大の注目点は、新たに搭載された「グローブモード」です。これまでは物理ボタンでの操作が主だったグローブ装着時も、T-Rex 3ならタッチ操作が可能になります。

先日、スキー場でリフトに乗っている際にメッセージを受信しましたが、厚手のグローブを外すことなく、画面をスワイプして内容をスムーズに確認できました。これは冬のアクティビティを楽しむユーザーにとって革命的な進化です。

もちろん、T-Rex 2から引き続き搭載されている4つの物理ボタンも健在です。大きめで滑り止め加工が施されたボタンは、雨で画面が濡れてタッチ操作が不安定な時や、確実な操作が求められる場面で絶大な安心感をもたらします。タッチ操作と物理ボタンを状況に応じて使い分けられることで、あらゆる環境下で直感的な操作が可能になっています。

楽しみが広がる多彩なウォッチフェイスと目に優しい新機能

Amazfit T-Rex 3のウォッチフェイス

スマートウォッチの楽しみの一つであるウォッチフェイスは、専用のZeppアプリから400種類以上ダウンロード可能です。アウトドア感あふれるメカニカルなデザインから、ビジネスシーンにも馴染むシンプルなアナログデザイン、さらには自分の好きな写真を背景に設定できるものまで、その日の気分や服装に合わせて選ぶ楽しさがあります。常時表示(AOD)のデザインも文字盤と連動しており、統一感のあるスタイルを保てるのも嬉しいポイントです。

また、T-Rex 3から追加された「ナイトディスプレイ」機能も非常に気に入っています。夜間に画面を点灯させると、時刻やデータが目に優しい赤やオレンジ色で表示されるモードです。先日キャンプに行った際、消灯後のテント内で時間を確認するのに使いましたが、通常の表示のように眩しく感じることがなく、睡眠の妨げにもなりませんでした。こうした細やかな配慮が、24時間身に着けるデバイスとしての完成度を一層高めています。

Amazfit T-Rex 3のディスプレイ仕様

  • ディスプレイ素材: HD AMOLED
  • ディスプレイサイズ: 1.5インチ
  • 解像度: 480×480
  • PPI: 322
  • タッチスクリーン: ゴリラガラス

まとめ:ディスプレイと操作性

  • ディスプレイ: T-Rex 2から大型・高解像度化し、輝度が2,000ニトへと倍増したことで、AMOLEDの鮮やかな発色と合わせてあらゆる環境下での視認性が飛躍的に向上した。
  • 操作性: グローブモードが新搭載され、スキーや冬山登山など、これまでタッチ操作が難しかった環境での利便性が大幅にアップした。
  • 新機能: 夜間に目に優しいナイトディスプレイモードは、キャンプや就寝時など、暗い場所で時間を確認する際に非常に便利。
  • 総括: 視認性と操作性の両面で正当進化を遂げ、アウトドアウォッチに求められる「いつでもどこでも確実に情報を確認し、操作できる」という基本性能が格段に高まった。

アウトドア機能:Amazfit T-Rex 3 ~地図と共に進む、新世代の冒険~

Amazfit T-Rex 3 オフラインマップ機能

ここでは、Amazfit T-Rex 3がアウトドアウォッチとして真価を発揮する、各種機能について深掘りします。特に、前モデルAmazfit T-Rex 2から最も大きな進化を遂げたオフラインマップ機能を中心に、ナビゲーションやGPS性能が実際のフィールドでどのように役立つのか、体験を交えながらレビューします。

真のオフラインマップが拓く、新たな冒険の景色

Amazfit T-Rex 3の最大のアドバンテージは、間違いなく「本物の地図」を手に入れたことです。前モデルT-Rex 2のナビゲーション機能も便利でしたが、表示されるのは基本的にルートを示す線のみで、地形を把握することは困難でした。しかしT-Rex 3では、等高線が表示される「コンターマップ」、ゲレンデコースがわかる「スキーマップ」、そして基本的な地形図である「ベースマップ」の3種類を無料でダウンロードできます。出発前にZeppアプリからWi-Fi経由で目的のエリアの地図をダウンロードする一手間はありますが、広大なエリアでも数分から10分程度で完了し、これは非常に合理的だと感じました。

Amazfit T-Rex 3 地図

Amazfit T-Rex 3で利用できるオフラインマップ

1.「ベースマップ」・・・ランニングやウォーキングなどで使用する、道路や基本的な地形を表示する。

2.「スキーマップ」・・・世界10,000カ所以上のゲレンデに対応し、ウォッチ上でスキー場のコースを表示する。

3.「コンターマップ」・・・登山やトレイルランニングなどで使用する、等高線が表示された地形図を表示する。

実際に登山コンターマップを表示させてみると、その情報量の豊かさに驚かされます。2,000ニトの明るいディスプレイのおかげで、真昼の稜線でも地図は驚くほど鮮明です。当初の地図は山名表示が少ないなど物足りなさもありましたが、その後の大型アップデートで等高線の描画が滑らかになり、主要な山名や標高も表示されるように改善。Garminの地図にも匹敵するほどのクオリティに進化し、今ではこれなしでの登山は考えられないほど頼もしい存在です。

頼れるナビゲーションと高精度GPS

Amazfit T-Rex 3のナビゲーション機能。マップ。

地図機能の進化に伴い、ナビゲーションの実用性も飛躍的に向上しました。YAMAPやヤマレコで作成したGPXデータをインポートする手間はT-Rex 2と同様に必要ですが、一度ルートを転送してしまえば、T-Rex 3は非常に優秀なガイドになります。先日、初めてのトレイルランニングコースに挑戦した際、分岐で一瞬迷いましたが、すぐに手首の振動でルート逸脱を知らせてくれました。おかげで道間違いにすぐ気づき、安心してコースに復帰できました。スマホを取り出す手間なく、手元で進むべき方向がわかるのは、安全面でも大きなメリットです。

そのナビゲーションを支えるのが、高精度なGPS機能です。デュアルバンド円偏波GPSアンテナ6つの衛星測位システムに対応しており、木々が生い茂る森の中や、電波が届きにくい沢沿いでも、驚くほど迅速かつ正確に現在地を捉えてくれました。アクティビティ開始時の測位も非常に速く、待たされるストレスがないのも嬉しいポイントです。

登山を科学する各種センサー群

Amazfit T-Rex 3のセンサー

T-Rex 3は、地図とGPS以外にも登山をサポートする多彩なセンサーを備えています。コンパスや気圧高度計はもちろん、嵐の接近を知らせるストーム警報、日の出・日の入り時刻など、アウトドアで役立つ情報が満載です。

特に注目すべきは、高所登山での安全管理に役立つ「標高での血中酸素レベルリマインダー」機能です。これは、高度3,000m以上の場所で急激に標高を上げた際に、血中酸素レベルの測定を促してくれる機能で、高山病の兆候を早期に把握するのに役立ちます。ただ、一部のユーザーからは測定値の精度について改善を望む声もあり、あくまで体調管理の補助として活用するのが良さそうです。これらのセンサー群を使いこなすことで、経験や勘だけでなく、データに基づいた安全な行動計画を立てることが可能になります。

Amazfit T-Rex 3のアウトドア機能 一覧

  • オフラインマップ(ベースマップ、コンターマップ、スキーマップ)
  • ルートインポート&ナビゲーション(ターンバイターン案内、ルート逸脱アラート)
  • デュアルバンド&6衛星測位GPS
  • コンパス
  • 気圧高度計
  • 標高での血中酸素レベルリマインダー
  • 標高アシスタント
  • 嵐の警報、太陽と月、潮汐情報

まとめ:アウトドア機能

  • オフラインマップ: T-Rex 2の線だけだったナビから劇的に進化し、等高線も表示される本格的な地図機能を搭載。アウトドアウォッチとしての価値を決定づける最大の進化点。
  • ナビゲーション: GPXインポートの手間は残るものの、ルート逸脱時の振動アラートなど、フィールドで頼りになる案内機能が充実している。
  • GPS精度: デュアルバンドと6衛星測位に対応し、山中など厳しい環境でも迅速かつ正確な測位を実現。
  • センサー機能: 高度な登山で役立つ血中酸素レベルのリマインダーなど、安全管理をサポートする機能が豊富。
  • 総括: 単なるGPSログ取得デバイスから、地図上で現在地とルートを把握できる本格的なナビゲーションツールへと変貌を遂げ、冒険の信頼性を格段に向上させた。

スポーツ機能:Amazfit T-Rex 3 ~AIコーチとデータが導く、トレーニングの新たな地平~

Amazfit T-Rex 3

ここでは、Amazfit T-Rex 3の多岐にわたるスポーツ機能に焦点を当てます。前モデルAmazfit T-Rex 2の堅牢な基盤の上に、どのような新機能が加わり、トレーニング体験がどう変わったのか。AIコーチングや進化したデータ分析など、実際に使用して感じた魅力と進化点をレビューします。

170種以上のモードと進化した筋力トレーニング

Amazfit T-Rex 3は、前モデルの150種を上回る170種類以上のスポーツモードを搭載しています。ランニングやサイクリングといった定番から、パラグライダーやフリーダイビングといった専門的なアクティビティまで網羅しており、自分の趣味に合ったモードが必ず見つかるでしょう。

特に進化を実感したのが筋力トレーニング機能です。T-Rex 2も一部の種目を自動認識しましたが、T-Rex 3ではその数が25種類に拡大し、レップ数やセット数、休憩時間まで賢くカウントしてくれます。先日ジムでベンチプレスを試したところ、回数が自動で記録され、セット間の休憩タイマーも作動。これまでスマートフォンのメモアプリを片手に行っていた手間が省け、トレーニングそのものに深く集中できたのは大きな収穫でした。Zeppアプリで自分だけのトレーニングメニューを作成し、ウォッチに同期することも可能です。

AIコーチと専門的なデータ分析で賢く鍛える

T-Rex 3は、ただ記録するだけのデバイスではありません。新たに搭載された「Zepp Coach™」は、AIが個別に最適化したトレーニングプランを提供してくれるパーソナルコーチです。ハーフマラソン完走を目標に設定したところ、現在の走力に基づいた具体的な練習メニューが提案され、日々のモチベーション維持に繋がりました。

先日、少しハードな日帰り登山に挑戦したのですが、その真価を存分に体験できました。朝、「レディネス」スコアを確認すると『挑戦の準備は万端』と表示され、自信を持って出発できました。登山口の森の中でもGPSは瞬時に測位を完了。登山中はリアルタイムで心拍ゾーンや獲得標高を確認し、自分のペースを客観的に管理できました。そして下山後、ZeppアプリでVO2 Maxのデータや、次のトレーニングまでに必要な回復時間を確認するのが新しい習慣になりました。ただ記録するだけでなく、次の挑戦へと繋がるデータをくれるのがT-Rex 3の大きな魅力です。

トレーニング効果を可視化するデータ分析

T-Rex 2にも搭載されていたPeakBeats™アルゴリズムによるVO2 Maxやトレーニング負荷、回復時間といった専門的なデータ分析も健在。さらにT-Rex 3では、心身の回復具合をスコアで示す「レディネス(準備度)」機能が追加されました。ハードなトレーニングの翌朝、「今日の準備度は低いので休息を」といった具体的な指標が示されるため、オーバーワークを防ぎ、より効果的に体を鍛えることができます。

本格的なウォータースポーツへの挑戦:フリーダイビング対応

Amazfit T-Rex 3は、新たに45mまでのフリーダイビング認証を取得し、本格的なウォータースポーツにも対応しました。AMOLEDディスプレイは水中でも視認性が高く、水深や潜水時間をリアルタイムで確認できます。ただし、私の体験では、ダイビング中にバッテリー残量低下の警告が表示され、それが解除できなくなるという場面がありました。本格的なダイブコンピュータとしての利用には、こうした点を考慮する必要があるでしょう。

Amazfit T-Rex 3のスポーツ機能 一覧

  • 170種類以上のスポーツモード
  • 25種目の筋力トレーニング自動認識(レップ、セット、休憩時間のカウント)
  • Zepp Coach™(AIによるパーソナライズされたトレーニングプラン)
  • PeakBeats™(VO2 Max、回復時間、トレーニング負荷・効果の分析)
  • レディネス(準備度)スコア
  • 45mまでのフリーダイビング対応
  • 外部センサーへの接続(心拍数ベルト、ケイデンスセンサー等)

まとめ:スポーツ機能

  • スポーツモード: 170種類以上に増加し、特に筋力トレーニングの自動認識機能が大幅に強化され、より実用的になった。
  • データ分析とコーチング: 新たにAIコーチ「Zepp Coach™」と「レディネス」スコアが加わり、T-Rex 2よりもスマートでパーソナライズされたトレーニング指導が可能になった。
  • 新機能: 本格的なフリーダイビングへの対応により、活躍の場が水中にも広がり、より専門的なアクティビティをサポートするようになった。
  • 総括: 単にアクティビティを記録するタフなロガーから、AIと多彩な新機能でユーザーを能動的にサポートする、洗練されたトレーニングパートナーへと進化した。

ヘルスケア機能:Amazfit T-Rex 3 ~日々のコンディションを科学する、新たな指標~

Amazfit T-Rex 3のヘルスケア機能

ここでは、Amazfit T-Rex 3が日々の健康管理をどのようにサポートしてくれるのか、そのヘルスケア機能に焦点を当てます。前モデルAmazfit T-Rex 2から追加された新機能や、基本的な測定項目の実力、そして睡眠トラッキングのリアルな使用感を、体験を交えながら詳しくレビューしていきます。

新たな指標「レディネス」と皮膚温度モニタリング

スポーツ機能のセクションでも触れましたが、Amazfit T-Rex 3のヘルスケア機能における最大の進化は、日々のコンディションを総合的に評価する「レディネス(準備度)」スコアの導入です。これは、前日の活動量だけでなく、睡眠の質や心拍変動など複数の健康データを統合的に分析し、心身がどの程度回復しているかを一つの数値で示してくれます。実際に朝起きてこのスコアを確認するのを習慣にしたところ、「今日はスコアが高いから、少しアクティブに過ごそう」と、その日の活動計画を立てる上で非常に役立ちました。

Amazfit T-Rex 3のレディネス機能

さらに、T-Rex 3には24時間対応の皮膚温度センサーが新たに搭載されました。これは医療用の体温計ではありませんが、平常時からの変化を追跡することで、体調の変化にいち早く気づくきっかけになります。これらの新機能により、T-Rex 3T-Rex 2よりも一歩進んだ、より能動的な健康管理パートナーへと進化しています。

24時間体制の継続モニタリングとワンタップ測定

心拍数、血中酸素レベル(SpO2)、ストレスレベルの24時間モニタリングは、前モデルから引き続き搭載されており、私たちの健康を常に見守ってくれます。また、忙しい合間に心拍数・血中酸素・ストレス・皮膚温度の4つの指標を一度に測定できる「ワンタップ測定」も非常に便利です。

ただし、各指標の精度については、いくつかの課題も感じました。特に血中酸素レベルの測定値には時折ばらつきが見られ、今後の改善に期待したいところです。また、歩数計が車での移動をウォーキングとして誤認識することがあり、活動量のデータが不正確になる場面もありました。日々の健康管理の目安としては十分ですが、より厳密なデータを求める場合は、これらの特性を理解した上で活用する必要があるでしょう。

睡眠トラッキングの実力とZeppアプリの課題

Amazfit T-Rex 3の睡眠モニタリング。グラフ。

日中のパフォーマンスに直結するため、睡眠トラッキング機能には特に注目していました。最初の数日は、実際の就寝時間よりもかなり遅い時刻に眠りについたと記録され、「昨夜は寝付きが悪かったようですね」という的外れな分析に首をかしげることも。しかし、説明書を参考に一度ウォッチをリセットしてからは、入眠と起床の時刻はかなり正確に記録されるようになりました。

Zeppアプリでは、レム睡眠や深い睡眠といった睡眠段階がグラフで分かりやすく表示され、自分の睡眠パターンを客観的に把握できます。昼寝もしっかり記録してくれるのは嬉しいポイントです。一方で、睡眠全体の質を示す「睡眠スコア」は、寝不足気味の日でもあまり変化せず、日々のコンディションとのズレを感じることもありました。データは豊富ですが、その解釈にはまだ改善の余地があり、アプリの使い勝手を含め、今後のアップデートに期待したいと感じました。

活動を促すPAIスコアと、もしもの時の異常値アラート

T-Rex 3は、前モデルから引き続きPAI健康評価システムを搭載しています。これは運動だけでなく、掃除などの日常的な活動も含めてスコア化し、健康状態を一つの数値で可視化するものです。実際に使ってみると、ゲーム感覚でスコアを稼ぐのが楽しくなり、エスカレーターを階段に変えるなど、自然と体を動かす意識が高まりました。一週間の目標スコアである100を目指すことで、健康的な生活習慣が身につきます。

こうした日々の活動を促す機能に加え、T-Rex 3は私たちの体を24時間見守り、異常検知された際には即座にスマートアラートを発動させるセーフティネットとしての役割も担います。心拍数の異常設定値を下回る血中酸素レベル、高いストレスレベルなどを検知すると、手元のウォッチが知らせてくれます。これは、自分では気づきにくい体のサインを捉えてくれる、心強いお守りのような機能です。

Amazfit T-Rex 3のヘルスケア機能 一覧

  • 24時間モニタリング(心拍数、血中酸素レベル、ストレスレベル、皮膚温度)
  • レディネス(準備度)スコア
  • 睡眠の質のモニタリング(睡眠段階、昼寝、呼吸の質、睡眠スコア)
  • ワンタップ測定(4つの健康指標を同時測定)
  • PAI健康評価システム
  • 異常値アラート(心拍数、血中酸素レベル、ストレス)
  • 生理周期トラッキング
  • 呼吸エクササイズ

まとめ:ヘルスケア機能

  • 新機能: T-Rex 2にはなかった「レディネス」スコアと「皮膚温度モニタリング」が追加され、日々の体調をより多角的に把握できるようになった。
  • 基本機能: 24時間体制の各種モニタリングは心強い一方、血中酸素レベルや歩数計の精度には改善の余地あり。
  • 睡眠トラッキング: 詳細な睡眠段階の分析が可能だが、就寝時間の認識精度が不安定な場合があり、スコアの信頼性には個人差が出やすい。
  • 総括: 新機能の追加により包括的な健康パートナーへと進化したものの、各センサーの精度やアプリによる分析の質が今後の評価を左右するだろう。

バッテリー持ちと充電:Amazfit T-Rex 3 ~さらなる長寿命化と充電スタイルの変化~

Amazfit T-Rex 3で充電している様子。

ここでは、スマートウォッチを選ぶ上で最も重要な要素の一つであるバッテリー性能についてレビューします。元々ロングバッテリーに定評のあったAmazfit T-Rex 2から、T-Rex 3がどれほどの進化を遂げたのか。日常使いから過酷なアウトドアシーンでの持続時間、そして充電方法の変化まで、詳しく解説していきます。

日常使いでの圧倒的な安心感、さらに伸びたバッテリー寿命

Amazfit T-Rex 3は、前モデルT-Rex 2が誇るスタミナをさらに超えてきました。その秘密は、T-Rex 2の500mAhから700mAhへと40%も増量されたバッテリー容量にあります。これにより、メーカー公称値では標準的な使い方で最大24日間から最大27日間へ、心拍数や睡眠など全てのモニタリングを有効にしたハードな使い方でも最大10日間から最大13日間へと、あらゆるシナリオで駆動時間が延長されています。

実際に通知や常時心拍数モニタリングを有効にした標準的な設定で、フル充電からバッテリー残量20%の警告が出るまで実に16日間も持続しました。さらに、常時表示ディスプレイ(AOD)をオンにし、全ての健康モニタリングを有効、週に数回のGPSを使ったワークアウトを行うという最もハードな使い方を試したところ、約1週間は充電なしで余裕を持って乗り切れました。T-Rex 2でも十分長持ちでしたが、T-Rex 3は「充電」という行為自体を忘れさせてくれるほどの圧倒的な安心感を提供してくれます。

GPS使用時も粘り強く、長期縦走にも対応

アウトドアウォッチとしての真価が問われるGPS使用時のバッテリー性能も、目覚ましい進化を遂げています。特に、最も電力を消費する高精度GPSモードでの連続駆動時間は、T-Rex 2の最大26時間から、T-Rex 3では最大42時間へと60%以上も向上しました。これは、2泊3日のテント泊登山でも充電なしで全行程のGPSログを記録し続けられる計算になり、T-Rex 2では難しかった長期縦走への対応力が格段に高まっています。

実際に毎日、1時間半ほどウォーキングやジョギングでGPSを使用してもバッテリーが切れることはなく、約10日ほど持ちました。また、登山で試したところ、丸2日近くバッテリーが持続し、そのスタミナを改めて実感しました。カタログスペック通りのこの粘り強さがあれば、予備バッテリーの心配をすることなく、冒険そのものに集中できます。

充電時間は少し増加、ただしケーブルは付属せず

Amazfit T-Rex 3の背面。

バッテリー容量の大幅な増加に伴い、フル充電にかかる時間はT-Rex 2の約2時間から約3時間へと少し長くなりました。これは大容量化を考えれば納得の範囲内です。

注目すべきは、付属品の仕様変更です。T-Rex 3にはマグネット式の充電ベースは同梱されていますが、USB Type-Cの充電ケーブルは付属していません。これは環境への配慮を目的としたものですが、T-Rex 2のようにケーブルが同梱されていた方が親切だったと感じる人もいるでしょう。自宅にType-Cケーブルが豊富にある私のようなユーザーには問題ありませんでしたが、購入を検討している方はこの点を留意しておく必要があります。

Amazfit T-Rex 3のバッテリー 仕様

  • バッテリー容量: 700 mAh(標準値)
  • 充電方法: マグネット式充電ベース
  • 充電時間: 約3時間
  • 標準的な使用: 最大27日間
  • ハードな使用: 最大13日間
  • 精度GPSモード: 最大42時間

まとめ:バッテリー持ちと充電

  • バッテリー容量: T-Rex 2の500mAhから700mAhへと大幅に増加し、あらゆるシーンでのスタミナが向上した。
  • 持続時間: 標準的な使用で27日間、高精度GPSモードで42時間と、T-Rex 2から全てのシナリオで駆動時間が大幅に延長された。
  • 充電: 充電時間は約3時間に伸び、充電ベースのみ付属でUSB Type-Cケーブルは別途必要という仕様に変更された。
  • 総括: 元々長所だったバッテリー性能をさらに強化し、長期のアウトドア活動でも比類なき安心感を提供する一方、充電アクセサリの仕様変更には注意が必要。

スマート機能:Amazfit T-Rex 3 ~AIがもたらす、腕の上のインテリジェンス~

Amazfit T-Rex 3のZepp Flow機能

ここでは、Amazfit T-Rex 3が単なるタフネスウォッチにとどまらない、日常を豊かにするスマート機能についてレビューします。前モデルAmazfit T-Rex 2から最も大きな飛躍を遂げたAI音声アシスタントを中心に、音楽機能や通知、各種便利機能がどのように進化したのか、その実力を詳しく解説します。

未来が腕にやってきた「Zepp Flow」AI音声アシスタント

Amazfit T-Rex 3における最大の進化は、AI音声アシスタント「Zepp Flow」の搭載です。これは、前モデルT-Rex 2にはなかった画期的な新機能で、スマートウォッチの操作方法を根本から変えてくれます。音声認識の精度は非常に高く、「今日の天気を教えて」といった簡単な質問から、「画面を一番暗くして」といったウォッチ本体の設定変更まで、驚くほど正確に聞き取って実行してくれました。

スピーカー非搭載のため応答はテキスト表示のみですが、静かなオフィスや電車内ではむしろ好都合です。何より感動したのは、LINEやSMSへの音声入力によるメッセージ返信機能です。仕事中にポケットからスマートフォンを取り出すことなく、ウォッチに「後で連絡します」と話しかけるだけで返信が完了したときは、まさに未来を体験した気分でした。この機能だけでも、T-Rex 2から乗り換える価値は十分にあると感じます。

Amazfit T-Rex 3 AI音声アシスタント

Zepp Flowでできること

  1. ワークアウト・スポーツモードの起動と操作
  2. 明るさ、音量、Do Not Disturb(通知オフ)モードの切り替えなど、時計の各種設定の調整
  3. 睡眠データ、心拍数、血中酸素、フィットネスデータなどの個人データへのアクセス
  4. アラームやカウントダウンタイマーの設定、スケジュールの確認など、日常生活のアシスタントとしての機能
  5. 天気についての質問
  6. 日常的な質問にChatGPTと同様の回答可能(※一部の質問には回答できません。)(例)簡単な英会話の翻訳、簡単な計算(四則演算レベル)など
  7. LINEやSMSへの音声入力によるメッセージ返信

スマートフォンいらずの解放感、音楽ストレージ機能

これもT-Rex 2にはなかった待望の新機能が、音楽ストレージの搭載です。ウォッチ本体に最大26GBもの音楽ファイルを保存でき、Bluetoothイヤホンと直接ペアリングすれば、スマートフォンを持たずに音楽を楽しめます。実際にいつものランニングコースへT-Rex 3とイヤホンだけで出かけてみましたが、身軽さと相まって、お気に入りの楽曲、例えば宇多田ヒカルの「traveling」を聴きながら走る爽快感は格別でした。T-Rex 2ではスマートフォンの音楽コントロールしかできませんでしたが、T-Rex 3はこの機能のおかげで、完璧なトレーニングパートナーへと進化しました。

細かな進化と残る課題、通知とデータ連携

通知機能も着実に進化しています。T-Rex 3では、通知に添付された画像が表示されるようになりました。ニュースアプリから送られてきた通知に記事のサムネイル画像が表示された時は、その情報量の多さに驚きました。ただ、LINEの返信メッセージなど、一部のアプリでは画像が表示されない場合もあり、今後のアップデートに期待したいところです。

外部アプリとのデータ連携は、Apple HealthやGoogle Fitといった主要サービスに対応しています。しかし、Apple Healthと連携させた際に、歩数データがうまく統合されないことがありました。また、Suicaなどの非接触決済機能は、T-Rex 2に引き続き日本国内では非対応です。日常の利便性を考えると、ここは唯一残念な点かもしれません。

日常を支える多彩な便利機能

Amazfit T-Rex 3の便利な機能

T-Rex 3は、日々の生活をスムーズにする便利なスマート機能が満載です。特に気に入っているのが、スマートフォンとのカレンダー同期機能です。ウォッチ上で今日の予定をすぐに確認できるため、会議の時間を忘れることがなくなりました。また、朝起きると天気やスケジュール、昨日の活動量などをまとめて表示してくれる「モーニングアップデート」も、一日の始まりを効率的にしてくれます。

その他にも、会員カードのバーコードを表示する機能は、コンビニでの買い物などで財布を取り出す手間を省いてくれて便利です。これらの細やかな機能が、アウトドアシーンだけでなく、日常生活におけるT-Rex 3の価値を大きく高めています。

Amazfit T-Rex 3のスマート機能 一覧

  • Zepp Flow™(AI音声操作アシスタント、設定変更、音声でのメッセージ返信)
  • 音楽ストレージ(最大26GB、Bluetoothイヤホンでの単体再生)
  • 各種通知機能(LINE、SMSなど、一部画像表示対応)
  • データ連携(Apple Health、Google Fit、Stravaなど)
  • カレンダー同期
  • モーニングアップデート
  • 天気予報
  • 会員カード機能
  • スマートフォンを探す、To-Doリスト、リモート撮影など

まとめ:スマート機能

  • AIアシスタント: T-Rex 2にはなかった「Zepp Flow」を搭載し、音声操作やメッセージ返信が可能になり、スマートウォッチとしての利便性が飛躍的に向上した。
  • 音楽機能: 待望の音楽ストレージを搭載し、スマートフォンなしでトレーニングに行ける身軽さを実現した。
  • 通知機能: 通知内の画像表示に対応するなど細かな進化が見られるが、データ連携や決済機能にはまだ課題も残る。
  • 総括: AIと音楽という二大新機能を手に入れたことで、T-Rex 2のタフネスさはそのままに、日常からアクティビティまでをよりインテリジェントにサポートする万能ウォッチへと進化した。

OSとアプリ:Amazfit T-Rex 3 ~滑らかな操作性と広がる可能性~

Amazfit T-Rex 3の本体 ヘイズグレー

ここでは、Amazfit T-Rex 3の体験の核となるOSと専用アプリ「Zepp」についてレビューします。前モデルAmazfit T-Rex 2からUIの使い勝手はどのように進化したのか、ミニアプリや外部機器との連携はどこまで可能なのか、その実力と可能性を深掘りします。

Zepp OS 4が生み出す滑らかなUIと操作感

Amazfit T-Rex 3には、前モデルT-Rex 2から進化した「Zepp OS 4」が搭載されています。このOSの進化により、画面のスクロールやスワイプは非常に滑らかになり、カクつきを感じることはほとんどありません。特にメニューをゆっくり操作した際の追従性は素晴らしく、文字がブレずに読みやすいと感じました。タッチ操作と4つの物理ボタンの組み合わせも秀逸で、雨天時やグローブ装着時など、タッチ操作が難しい場面では物理ボタンが確実な操作を約束してくれます。

UIは全体的に直感的で、スマートフォンに近い感覚ですぐに慣れることができました。ただ、細かな点で気になったのが日本語フォントです。「今」や「認」といった一部の漢字が、いわゆる中華フォントで表示されるため、少しだけ違和感を覚えました。しかし、注目すべきはアップデートによる改善です。実際に使用している期間中に地図機能が大幅に改善される大型アップデートがあり、メーカーの継続的な製品改善への意欲を感じました。

スマートフォンとの連携を司る「Zeppアプリ」

すべてのデータ管理と設定のハブとなるのが、スマートフォンアプリ「Zepp」です。AndroidとiOSの両方に対応しており、健康データやワークアウトの記録を詳細に分析できます。アプリのレイアウトは多機能ゆえに少し複雑で、慣れるまでは目的の項目を探すこともありましたが、データの可視化は非常に優れています。

外部サービスとの連携も可能で、取得したデータをApple Healthに同期できたのは便利でした。しかし、Apple Watchと併用した際に歩数データがうまく統合されないなど、連携の完璧さにはまだ改善の余地があると感じます。また、YAMAPやヤマレコとの直接連携には対応しておらず、GPXファイルを介する必要がある点は、T-Rex 2から変わらない少し手間のかかるポイントです。

ミニアプリによる機能のカスタマイズ

Zeppアプリを通じてウォッチの機能を自分好みに拡張できるのが、ミニアプリの魅力です。特にアウトドアで役立つユニークなものが多く、例えば「GNSS衛星情報」で衛星の補足状況を確認したり、「登山難易度計算機」でルートの計画を補助したりできます。

日常生活をサポートする「水分補給アドバイス」や「服薬リマインダー」、さらには「Sonos製品コントロール」といった便利なアプリも揃っています。実際にいくつか試してみましたが、ウォッチでできることが増えるのは楽しい体験でした。ただ、全体的なアプリの数はまだ豊富とは言えず、一部は日本語に完全対応していないものも見受けられます。今後のラインナップ充実に期待したい、発展途上の機能と言えるでしょう。

外部センサー連携で、より専門的なトレーニングへ

もう一つの大きな強みが、外部のBluetooth機器との連携です。より正確なデータを求める本格的なトレーニングでは、ウォッチ単体のセンサーだけでは不十分な場合があります。そこで手持ちの心拍数測定ベルトを接続したところ、ペアリングはスムーズで、トレーニング中の接続も非常に安定していました。サイクリング用のケイデンスセンサーやパワーメーターにも対応しており、専門的なアスリートの要求にも応えます。ただし、一部の機器とは相性があるようなので、接続の安定性は今後のアップデートでの改善に期待したいです。

Amazfit T-Rex 3のOSとアプリ 仕様

  • 搭載OS: Zepp OS 4
  • 対応デバイス: Android 7.0 以上、iOS 14.0 以上
  • 連携アプリ: Zeppアプリ(タブレット未対応)
  • ミニアプリ: Zeppアプリ経由で追加可能
  • 外部機器接続: Bluetooth(心拍数測定ベルト、ケイデンス計測器などに対応)

まとめ:OSとアプリ

  • OSとUI: Zepp OS 4はT-Rex 2からさらに洗練され、滑らかな操作感を実現。一部フォントに課題は残るが、アップデートによる改善に期待が持てる。
  • Zeppアプリ: 詳細なデータ分析が可能だが、UIの複雑さや外部サービスとの連携の完璧さにはまだ改善の余地がある。
  • 拡張性: ミニアプリや外部センサーとの連携により、ウォッチの機能を自分好みに拡張できる可能性を秘めている。
  • 総括: ソフトウェアはハードウェアの進化に追いつこうとしている段階だが、頻繁なアップデートと高い拡張性が、今後のさらなる進化を期待させる。

Amazfit T-Rex 3 vs T-Rex 2の違いを徹底比較

Amazfit T-Rex 3 防水

Amazfit T-Rex 3は、前モデルのT-Rex 2から単なるマイナーチェンジにとどまらない、多岐にわたる進化を遂げたモデルです。デザインや基本性能の向上はもちろん、特にナビゲーション機能やAIを活用したスマート機能において大きな飛躍が見られます。ここでは、両モデルの主な違いを項目別に詳しく比較し、その進化点を解説します。

デザイン(サイズ・重量・カラー)

  • Amazfit T-Rex 2: 47.1×47.1×13.65mm、66.5g、4色展開(アストロ ブラック&ゴールド、エンバー ブラックなど)
  • Amazfit T-Rex 3: 約48.5×48.5×15.85mm(心拍ベース含む)、約68.3g、2色展開(オニキス、ラバ)
  • 違い:T-Rex 3はわずかに大きく、厚みと重量も微増しています。カラーバリエーションは絞られました。

素材と耐久性

  • Amazfit T-Rex 2: ボディ素材はポリマー合金、15種類のMIL規格テストをクリア。
  • Amazfit T-Rex 3: ステンレススチール製ベゼルとポリマー製ミドルフレーム、ゴリラガラスを採用し、9種類のMIL-STD-810G準拠テストに合格。
  • 違い:T-Rex 3はテストの数は少ないものの、ステンレスやゴリラガラスといったより高品位な素材を採用することで、日常的な傷への耐性や質感を向上させています。

ディスプレイ性能

  • Amazfit T-Rex 2: 1.39インチ AMOLED、解像度454×454、最大輝度1,000nit。
  • Amazfit T-Rex 3: 1.5インチ AMOLED、解像度480×480、最大輝度2,000nit、グローブモード搭載。
  • 違い:T-Rex 3は画面がより大きく高解像度になり、輝度が倍になったことで屋外での視認性が劇的に向上しました。また、手袋を着けたまま操作できるグローブモードが追加され、利便性が高まっています。

バッテリー性能

  • Amazfit T-Rex 2: 500mAh。標準使用で最大24日間、高精度GPSモードで最大26時間。
  • Amazfit T-Rex 3: 700mAh。標準使用で最大27日間、精度GPSモードで最大42時間、耐久GPSモードでは最大180時間。
  • 違い:バッテリー容量が40%増加し、特にGPS使用時の駆動時間が大幅に延長されました。長期の縦走など、より過酷なアクティビティにも対応可能です。

測位システム

  • Amazfit T-Rex 2: デュアルバンド&5衛星測位システム。
  • Amazfit T-Rex 3: デュアルバンド&6衛星測位システム(NavIC追加)。
  • 違い:対応する衛星システムが一つ増え、より高精度で安定した測位が期待できます。

OSとサポート期間(アップデート保証)

  • Amazfit T-Rex 2: Zepp OS
  • Amazfit T-Rex 3: Zepp OS 4
  • 違い:T-Rex 3はより新しいバージョンのOSを搭載し、操作性が最適化されています。なお、両モデルの具体的なサポート期間やアップデート保証年数に関する情報はありません。

スポーツ・ワークアウト機能

  • Amazfit T-Rex 2: 150種以上のスポーツモード、15種以上の筋力トレーニング自動認識。
  • Amazfit T-Rex 3: 170種以上のスポーツモード、25種の筋力トレーニング自動認識、Zeppコーチ、仮想ペーサー機能。
  • 違い:対応モード数が増えただけでなく、AIによるトレーニングプランの提案など、より賢くトレーニングをサポートする機能が追加されました。

ナビゲーション・地図機能

  • Amazfit T-Rex 2: ルートインポートやリターンナビゲーション機能。
  • Amazfit T-Rex 3: 無料オフラインマップ(等高線対応)、ターンバイターンナビゲーション、ナビ音声案内(Bluetoothイヤホン経由)。
  • 違い:T-Rex 3最大の進化点であり、単なるルート表示から「地図上でのナビゲーション」へと根本的に機能が向上しました。

スマート機能

  • Amazfit T-Rex 2: Bluetooth 5.0対応。
  • Amazfit T-Rex 3: マイク搭載、AI音声アシスタント「Zepp Flow」、Wi-Fi対応、音楽ストレージ、ストアカード機能、モーニングアップデート。
  • 違い:AIアシスタントや音楽再生機能の追加により、スマートウォッチとしての利便性が飛躍的に向上しています。

まとめ

Amazfit T-Rex 3は、T-Rex 2の強みであったタフネスさとロングバッテリーをさらに強化しつつ、ディスプレイの視認性、測位精度といった基本性能を底上げしています。それに加え、最大の進化点であるオフラインマップ機能や、AIアシスタント「Zepp Flow」、音楽ストレージといったスマート機能の充実は、本機を単なるアウトドアウォッチから、日常的にも活用できる万能なデバイスへと昇華させました。それでいて発売時の価格が前モデルより抑えられている点は、驚異的なコストパフォーマンスを示しており、T-Rex 2ユーザーにとっても魅力的なアップグレードと言えるでしょう。

Amazfit T-Rex 3のメリット・デメリット

Amazfit T-Rex 3の本体 ヘイズグレーを手に持っている。

ここでは、Amazfit T-Rex 3を多角的に評価し、そのメリット(長所)とデメリット(弱点)を明らかにします。前モデルであるAmazfit T-Rex 2からの進化点に加え、Garmin Instinct 3、TicWatch Atlas、Galaxy Watch8といった他の有力なスマートウォッチと比較することで、T-Rex 3がどのようなユーザーにとって最適な選択なのかを詳しく解説していきます。

【メリット】

メリット1:圧倒的なバッテリー寿命

Amazfit T-Rex 3最大の武器は、他を寄せ付けない驚異的なバッテリー性能です。標準的な使用で最大27日間、高精度GPSモードでも最大42時間という駆動時間は、数日しかもたないGalaxy Watch8(最大40時間)やTicWatch Atlas(最大90時間)を遥かに凌駕します。Garmin Instinct 3の最大18日間(GPSで最大32時間)と比較してもその優位性は明らかで、充電の心配をせずに長期の登山や旅行に出かけられる安心感は、何物にも代えがたいメリットです。

メリット2:MIL規格のタフネス性能

MIL規格に準拠した堅牢なボディは、T-RexシリーズのDNAです。ステンレススチール製ベゼルとゴリラガラスで強化されたT-Rex 3は、10気圧防水性能と合わせて過酷な環境下で絶大な信頼性を発揮します。これは、同じくタフネスを誇るGarmin Instinct 3に匹敵する性能であり、5気圧防水のTicWatch Atlasや、よりタウンユースを意識したGalaxy Watch8とは一線を画す、本格的なアウトドアウォッチとしての強みです。

メリット3:屋外でも見やすい高輝度ディスプレイ

最大2,000ニトを誇る1.5インチの大型AMOLEDディスプレイは、T-Rex 3の視認性を劇的に向上させました。これはT-Rex 2から輝度・サイズともに進化した点であり、強い日差しの下でも地図や通知をはっきりと確認できます。Galaxy Watch8は最大3000ニトとさらに明るいですが、アウトドアウォッチというカテゴリーでこの視認性を実現している点は高く評価できます。

メリット4:本格的なオフラインマップ機能

T-Rex 2ではルートの線が表示されるだけでしたが、T-Rex 3は等高線も表示可能な、本格的なオフラインマップ機能を搭載しました。これは、通常はGarmin Instinct 3のような高価なモデルに搭載される機能であり、スマートフォンが圏外になる山中でも現在地と地形を確実に把握できる、非常に価値のある進化点です。

メリット5:優れたコストパフォーマンス

これだけの高機能と耐久性を備えながら、39,900円という価格は驚異的です。約6万円台のGarmin Instinct 3や約5万円台のGalaxy Watch8と比較すると、そのコストパフォーマンスの高さは際立っています。本格的なアウトドアウォッチを、より手頃な価格で手に入れたいユーザーにとって、T-Rex 3は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

【デメリット】

デメリット1:非接触決済機能(Suica)の非対応

Amazfit T-Rex 3の最大の弱点は、日本国内で利用できる非接触決済機能がないことです。Garmin Instinct 3のGarmin Pay(Suica対応)、TicWatch AtlasのGoogle Pay、Galaxy Watch8のFeliCaといったライバル製品が軒並み対応している中、この点は日常使いの利便性において大きく見劣りします。

デメリット2:限定的なスマート機能とアプリ生態系

T-Rex 3が搭載するZepp OSは、AIアシスタントや音楽機能を備えるなど大きく進化しましたが、GoogleのWear OSを搭載するTicWatch AtlasやGalaxy Watch8と比較すると、アプリの拡張性では及びません。GoogleマップやGmailといった便利なサードパーティアプリが利用できない点は、スマートウォッチとしての汎用性を重視するユーザーにとってはデメリットに感じるでしょう。

デメリット3:センサー精度とソフトウェアの成熟度

心拍数や血中酸素濃度といったヘルスケアセンサーの精度にばらつきがあります。また、ZeppアプリのUIや外部サービスとのデータ連携においても、Garminのような成熟したプラットフォームと比較すると、まだ改善の余地が感じられます。

デメリット4:独自の充電方式と付属品

T-Rex 3は独自のマグネット式充電を採用しており、Qiワイヤレス充電に対応するGalaxy Watch8と比べると汎用性で劣ります。また、T-Rex 3には充電ケーブルが付属せず、別途USB Type-Cケーブルを用意する必要があります。

デメリット5:大きく武骨なデザイン

堅牢性の裏返しとして、デザインは大きく武骨です。アウトドアシーンでは魅力的に映りますが、よりスリムで洗練されたGalaxy Watch8や、複数のケースサイズを選べるGarmin Instinct 3と比較すると、T-Rex 3は装着する人や服装を選ぶデザインと言えるでしょう。

Amazfit T-Rex 3のスペック(仕様)一覧

  • ディスプレイ:1.5インチ、解像度480 x 480 pxのHD AMOLED
    ※322ppi/最大輝度2000ニト/ゴリラガラス/タッチ対応/常時表示
  • バッテリー:700 mAh(標準値)リチウムイオンポリマー電池
  • 駆動時間:一般的な使用:27日、ハードな使用:13日、耐久GPSモード:180時間、自動GPSモード:180時間、精度GPSモード:42時間
  • 充電:時間:約3時間 ※マグネット式充電ベース
  • ワイヤレス通信:Wi-Fi 2.4GHz、Bluetooth 5.2 BLE
  • 衛星測位:デュアルバンド、6衛星測位(GPS、GLONASS、GALILEO、BDS、QZSS、NavIC)
  • インターフェース:充電端子、ボタン(4個)
  • センサー:バイオトラッカー™ PPG、加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、気圧高度計、周囲光センサー、温度センサー
  • スピーカー:なし
  • マイク:あり
  • 防水:10 ATM (10気圧防水・100m防水)
    ※水しぶき、雪、シャワー、水泳、一部の高速ウォータースポーツ、フリーダイビングに対応
  • 耐久性:MIL-STD-810G準拠・9種類のテストに合格(低圧、極端な高温(最大70℃まで)、極端な低温(最低-30℃まで)、熱による衝撃、湿度、振動、衝撃、液体汚染、着氷性/凍結性降雨)
  • 筐体:ステンレススチール製ベゼル・ポリマー製ミドルフレーム
  • AI音声アシスタント:Zepp Flow™
  • アプリ:Zeppアプリ ※タブレット未対応
  • 対応OS:Android 7.0 以上、iOS 14.0 以上
  • OS:Zepp OS 4
  • サイズ:約48.5 x 48.5 x 13.75mm(心拍ベース除く)/ 約48.5 x 48.5 x 15.85 mm(心拍ベース含む)
  • 重量:約49g(バンドを除く)、約68.3g(バンドを含む)
  • カラー:オニキス(黒)、ラバ(赤)、ヘイズグレー
  • バンド:素材:液状シリコン、長さ:145mm ~ 210mm、幅:22mm、仕様:クラシックピンバックル
  • 付属品:時計本体(純正バンド含む)、専用充電ベース(ケーブルなし)、取扱説明書、バンドを外すための工具(ドライバー)、バンド交換用アダプター

Amazfit T-Rex 3の評価

Amazfit T-Rex 3 オニキスが置かれている。

8つの評価基準で「Amazfit T-Rex 3」を5段階で評価してみました。

項目別評価

画面の見やすさ ★★★★★
最大2,000ニトの輝度を誇る1.5インチAMOLEDは、真夏の直射日光下でも圧倒的な視認性を確保。T-Rex 2から飛躍的に進化し、表示品質は最高レベルです。

健康管理・スポーツ ★★★★☆
170種以上のスポーツモードやAIコーチ、レディネススコアなど機能は非常に豊富。ただし、一部のユーザーからは心拍数や血中酸素濃度の精度に改善を望む声もあります。

機能性 ★★★★☆
AIアシスタント「Zepp Flow」や音楽ストレージの搭載はT-Rex 2にはなかった大きな進化点。本格的なオフラインマップも加わり、機能性はハイエンド機に迫ります。

バッテリーの持ち ★★★★★
700mAhの大容量バッテリーは、通常使用で2週間以上、高精度GPSモードで42時間という驚異的なスタミナを誇ります。充電を忘れさせてくれるほどの安心感は満点評価に値します。

耐久性: ★★★★★
MIL規格準拠の堅牢なボディに、ステンレススチール製ベゼルとゴリラガラスを加え、T-Rex 2からさらに質実剛健に。あらゆる過酷な環境に耐えうる信頼性があります。

ファッション性 ★★★☆☆
タフネスデザインは洗練されましたが、その大きさと無骨さは利用シーンや服装を選びます。アウトドアスタイルには最適ですが、汎用性の面で評価は標準的です。

価格 ★★★★★
39,900円という価格で、これだけの耐久性と機能を備えているのは驚異的です。他社ハイエンドモデルに匹敵する性能を考えると、コストパフォーマンスは最高クラスです。

使いやすさ ★★★★☆
滑らかなZepp OS 4とグローブモードで、ウォッチ本体の操作性は非常に良好です。ただ、多機能なZeppアプリのUIには、まだ少し分かりにくさが残ります。

【総評】 ★★★★☆

アウトドアウォッチの新たな基準

Amazfit T-Rex 3は、前モデルT-Rex 2の強みを全て受け継ぎながら、弱点を克服し、新たな高みへと到達した正統進化モデルです。クラス最高レベルのバッテリー寿命と軍用規格の耐久性はそのままに、最大の進化点であるディスプレイは、輝度・サイズともに向上し、あらゆる状況で完璧な視認性を提供します。そして何より、等高線も表示可能な本格的オフラインマップの搭載は、本機を単なるGPSロガーから、真のナビゲーションツールへと昇華させました。

日常を豊かにするスマート機能の進化

アウトドア性能の影に隠れがちですが、スマートウォッチとしての日常的な利便性も飛躍的に向上しています。T-Rex 2にはなかったAI音声アシスタント「Zepp Flow」は、音声でのメッセージ返信を可能にし、両手がふさがっている場面での利便性を大きく高めました。また、待望の音楽ストレージ搭載により、スマートフォンを持たずにランニングへ出かける解放感は、一度体験すると手放せなくなる魅力があります。

ソフトウェアとセンサー精度に残る課題

ほぼ完璧に近い仕上がりですが、いくつかの課題も残されています。心拍数や血中酸素濃度といった一部センサーの精度については、ユーザーから改善を望む声が上がっており、より厳密なデータを求めるアスリートにとっては物足りない場面があるかもしれません。また、多機能化したZeppアプリのUIや、Suica非対応といった点は、今後のアップデートや次世代機での改善に期待したいところです。

こんな人におすすめ

このウォッチは、まず第一に本格的なアウトドア愛好家におすすめです。数日間にわたる登山や過酷な環境下でのアクティビティで、その圧倒的なバッテリー性能と堅牢性、そしてオフラインマップ機能が真価を発揮します。また、一般的なスマートウォッチの利便性は欲しいけれど、バッテリー持ちに不満があるという人にも最適です。高価なハイエンドモデルに匹敵する機能を、優れたコストパフォーマンスで手に入れたいユーザーにとって、これ以上の選択肢は少ないでしょう。

[amazon]

Amazfit T-Rex 3の価格・購入先

Amazfit T-Rex 3 本体 正面 オニキス

※価格は2025/09/12に調査したものです。価格は変動します。

Amazfit 日本公式オンラインストア

39,900円で販売されています。

Amazfit 日本公式オンラインストアで「Amazfit T-Rex 3」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで39,900円、
  • 楽天市場で39,900円(送料無料)、
  • ヤフーショッピングで39,418円、
  • 米国 Amazon.comで$279.99、

で販売されています。

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楽天市場で「Amazfit T-Rex 3」をチェックする

ヤフーショッピングで「Amazfit T-Rex 3」をチェックする

AliExpressで「Amazfit T-Rex 3」をチェックする

米国 Amazon.comで「Amazfit T-Rex 3」をチェックする

おすすめのライバル機種と価格を比較

Amazfit T-Rex 3」に似た性能をもつスマートウォッチも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。

Amazfit T-Rex 3 Pro

Amazfitから発売されたZepp OS 5.0搭載のスマートウォッチです(2025年9月に発売)。

1.5インチのHD AMOLED タッチスクリーン、標準的な使用で最大25日間駆動できるバッテリーを搭載しています。

また、オフラインマップ、オフラインルートプランニング機能、ルートナビゲーション機能(GPXデータのインポート、ターンバイターン方式)、デュアルLEDフラッシュライト(白色光、赤色光、SOSモード)、デュアルバンド円偏波GPSアンテナ(6衛星測位システム対応)10気圧防水(ダイビング対応)、米国MIL規格に対応しています。

180種類以上のスポーツモード、Zeppコーチ、「レディネス」「BioCharge」などの健康管理機能、音楽ストレージ(単体での音楽再生)、Bluetooth通話、音声アシスタント(Zepp Flow)、ウォッチフェイスのカスタマイズ(170種類以上)、通知の受信、Bluetooth 5.2、にも準拠しています。

価格は、Amazonで53,500円(税込)、楽天市場で57,900円、ヤフーショッピングで39,900円、米国 Amazon.comで$329.99、です。

関連記事:Amazfit T-Rex 3 Proレビュー!ナビで差がつくタフウォッチ評価

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Garmin Instinct 3 Tactical(AMOLED/Dual Power)

Garminから発売される独自OS搭載のタフネスGPSスマートウォッチです(2025年5月9日に発売)。

AMOLEDカラー液晶(1.3インチ)/MIPモノクロ液晶(0.9インチ)、4GB内蔵メモリ、スマートウォッチモードで約24日間/GPSモードで約40時間稼働するバッテリー(AMOLEDの場合)、Garmin Elevate光学式心拍計、ABCセンサー(高度計、気圧計、電子3軸コンパス)、ジャイロセンサー、加速度計、温度計を搭載しています。

また、通知に画像表示(AMOLEDのみ)、ソーラー充電(Dual Powerのみ)、Applied Ballisticsによる精密射撃、ラッキングアクティビティ、LEDフラッシュライト、ステルスモード、ジャンプマスター、ナイトビジョンモード、キルスイッチ、マルチGNSS、SatIQ機能搭載)、トラックバックルーティング、Garmin Messengerアプリに対応。

血中酸素トラッキング、Body Battery、ストレス計測、睡眠・回復機能の強化: 睡眠コーチ、昼寝検出、HRVステータス、モーニングレポート、MIL規格準拠の耐久性(耐熱・耐衝撃・耐水性)、Garmin PayおよびSuicaによるキャッシュレス決済機能、Connect IQ・Garmin Connectなどのアプリ連携、ゲーム機能(GameOnアプリ対応など)、Bluetooth・ANT+通信、10気圧防水にも対応しています。

価格は、Amazonで70,538円(AMOLED、45mm)、楽天市場で79,745円(送料無料・Dual Power)、ヤフーショッピングで79,744円(Dual Power)、米国 Amazon.comで$499.99 (solar)、です。

関連記事:Garmin Instinct 3 Tacticalレビュー:進化と選び方を解説

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TicWatch Atlas

Mobvoiから発売されたWear OS 4搭載のスマートウォッチです(2024年10月16日 発売)。

1.43インチ、解像度466 x 466 pxの二層ディスプレイ(OLED + FSTN液晶)を搭載。Snapdragon W5+ Gen 1、2GBメモリ、32GBストレージ、スマートモードで90時間、エッセンシャルモードで45日駆動できる628mAhバッテリー、GPSセンサー、スピーカー・マイクを搭載しています。

また、ヒートマップ機能、110種類以上のワークアウト モード、「TicMotion」(スポーツの自動認識)、転倒検出&緊急SOS、登山アプリのYAMAPと連携、文字盤デザインのカスタマイズ、サファイアクリスタル(液晶を保護)、

MIL-STD-810H、5つの衛星測位(GPSナビゲーション)、5気圧防水、Googleアシスタント、Google マップ、Google Pay、Mobvoi Health アプリ、Wi-Fi、Bluetooth 5.2に対応しています。

価格は、Amazonで25,000円(税込)、楽天市場で27,499円(送料無料)、ヤフーショッピングで27,498円、AliExpressで29,053円、米国 Amazon.comで$199.99、です。

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Amazfit T-Rex Ultra

Amazfitから発売されたタフネス仕様のスマートウォッチです(2023年3月発売)。Zepp OS 2.0、1.39インチのAMOLEDスクリーン、通常使用で約20日間駆動できる500mAhバッテリー、BioTrackerセンサー搭載で、

70℃の耐熱、-40℃の耐寒、耐湿度、耐衝撃性能、10気圧防水、6つの衛星測位システム、マップ機能、ルート機能、160種類のスポーツモード(8つのスポーツを自動検知)、筋力トレーニングの測定、Zepp コーチ、トレーニングテンプレート、他デバイスとの接続、モーニング アップデート、ワークアウトデータの共有、ウォッチフェイスの変更、ミニアプリの追加、通知の受信、Wi-Fi (2.4GHz)、Bluetooth 5.0 BLEに対応しています。

価格は、楽天市場で49,900円(送料無料)、ヤフーショッピングで49,900円、米国 Amazon.comで $345.16、 です。

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Amazfit Active Edge

Amazfitから発売されたタフネス仕様のスマートウォッチです。1.32のTFTスクリーン、最大16日間バッテリ搭載で、10気圧防水、MIL規格、130種類のスポーツモード、Zeppコーチ 2.0、5衛星測位、5つのナビゲーション機能に対応しています。

価格は、Amazonで14,469円(税込)、楽天市場で15,900円(送料無料)、ヤフーショッピングで15,900円(送料無料)、米国 Amazon.comで$109.99、です。

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Garmin Instinct 2X

ガーミンから発売されたタフネスGPSウォッチです(2023年5月発売)。1.1インチのモノクロ半透過MIPスクリーン、40日間 駆動するバッテリー搭載で、

ソーラー充電、フラッシュライト、GNSSマルチバンド(みちびきGPSを含む)、Garmin Pay/Suicaキャッシュレス決済、セーフティ&トラッキング機能、トラックバックルーティング機能、10気圧防水、「MIL-STD-810」(耐熱、耐衝撃、耐水)、30種類以上のスポーツモード、ヘルスケア機能(血中酸素、心拍、睡眠、VO2 MAXの計測)、CONNECT IQ ストア、Bluetooth、ANT+にも対応しています。

価格は、Amazonで54,555円(税込)、楽天市場で61,941円(送料無料)、ヤフーショッピングで61,943円、米国 Amazon.comで$310.23、です。

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Garmin Enduro 3

ガーミンから発売されたAndroid、iOSに対応したGPSウォッチ(スマートウォッチ)です(2024年8月発売)。1.4インチ (35.56 mm)のディスプレイ、32 GBストレージ、約36日間(ソーラー充電利用で+54日間) 駆動できるバッテリー搭載で、

LEDフラッシュライト(赤色LEDモード、ストロボモード)、マップ機能(日本詳細地形図、海外大陸地図)、音楽再生(2000曲保存、ストリーミング音楽アプリ対応)、パワーセーブモード、「Garminシェア」機能、アプリ「Garmin Messenger APP」、

10気圧防水、「MIL-STD-810」、「セーフティ トラッキング」(事故・転倒検出)機能、抗菌ナイロン織りの「UltraFit 2 Nylon Strap」バンド、Suica決済、Garmin Pay、100種類以上のスポーツアプリ、VO2Max(最大酸素摂取量)、GNSSマルチバンド、SatIQ(衛星自動選択モード)機能、Bluetooth、ANT+、Wi-Fiにも対応しています。

価格は、Amazonで134,518円(税込)、楽天市場で134,422円(送料無料)、ヤフーショッピングで134,422円、米国 Amazon.comで$899.99、です。

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他のAmazfitスマートウォッチと比較

他にもAmazfitのスマートウォッチが販売されています。2024年モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。

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