GoPro HERO13 Blackレビュー!HERO12との比較でわかる違い

GoPro HERO13 Black top
2024年9月11日に発売された「GoPro HERO13 Black」は、シリーズ史上初めて、装着するだけでカメラが設定を自動最適化する「HBシリーズレンズ」に対応し、マクロから超広角まで、映像表現の幅を劇的に広げる一台として注目を集めています。

このレビューでは、HERO13 Blackがクリエイターの表現をどう変えるのか、前モデル「GoPro HERO12 Black」と比較して何が進化したのか、その画質や使い勝手を徹底的に検証しました。

先に結論からお伝えしましょう

GoPro HERO13 Black の長所(Pros):

  • 独創的なHBシリーズレンズ: 装着するだけで設定が最適化され、マクロ撮影などが可能に。
  • 進化したバッテリー性能: HERO12より容量が10%増加し、撮影時間が確実に向上。
  • 待望のGPS機能復活: 速度やルートなどのデータを映像に記録できる。
  • クラス最高レベルの手ぶれ補正: 激しい動きでも驚くほど滑らかな映像。
  • 高速なデータ転送: Wi-Fi 6対応で、撮影後のワークフローがより快適に。

GoPro HERO13 Black の短所(Cons):

  • 競合に劣る暗所性能: イメージセンサーが据え置きのため、夜間撮影は依然として弱点。
  • 高価なアクセサリーへの依存: レンズや新マウントなど、魅力を引き出すには追加投資が必要。
  • バッテリーの非互換性: HERO12以前のバッテリーは使用不可。
  • 依然として残る熱問題: 特定の条件下では、高解像度での長時間撮影時に熱で停止するリスクがある。

総合評価:

GoPro HERO13 Blackは、単なるアクションカメラの枠を超え、レンズ交換による多彩な映像表現を手軽に楽しめる「クリエイティブツール」へと進化しました。暗所性能に課題は残るものの、日中の圧倒的な5.3K画質と最強の手ブレ補正、そして拡張性の高さは唯一無二。特に、こだわり抜いた映像作品を作りたいクリエイターや、マクロ撮影などで新しい視点を取り入れたいユーザーには、間違いなくベストな選択肢です。

この記事で分かること

  1. デザインと操作性:HERO12との外観比較、サイズ・重量、ディスプレイの視認性(背面と前面)、タッチスクリーンレスポンス、SDカードスロットの位置と容量、耐久性(防水、耐寒)
  2. 画質【基本性能】:センサーと解像度、フレームレート、5.3K 60fps動画、HLG HDRビデオ、10bitカラー、8:7アスペクト比、色再現性
  3. 特殊撮影:バーストスローモーション(400fps)、HBレンズ(マクロ、ND、超広角)、手ブレ補正と水平維持、ナイトエフェクト、タイムラプス、ズーム機能
  4. 写真(静止画):27MP静止画、ビデオからのフレームグラブ、RAW撮影(.gpr)、SuperPhoto、ナイトフォト、写真モード(連写と長時間露光)、シーン別評価(日中、夕暮れ時、夜間)
  5. バッテリーと熱問題:新型Enduroバッテリー(1900mAh)、連続撮影時間テスト、熱暴走・熱停止の検証、急速充電、互換性
  6. ソフトウェア連携と編集機能:GPS機能の活用、Quikアプリ編集、Wi-Fi 6高速転送、タイムコード同期
  7. 音声品質とマイク:内蔵マイク音質、風切り音低減、外部マイク接続、Bluetoothオーディオ(AirPods連携)、オーディオ調整
  8. アクセサリーと拡張性:HBシリーズレンズ(マクロ、超広角)、マグネット式ラッチマウント、クリエーターエディッション、アクセサリーセット、おすすめ純正アクセサリー
  9. メリット・デメリット:長所(利点)と短所(欠点)、DJI Osmo Action 5 Pro 比較、Insta360 Ace Pro 2 比較
  10. スペック:詳細な仕様
  11. 評価:5段階評価、総評
  12. 価格・購入先:公式サイト、Amazon 価格、楽天、中古、他社ライバル機種との価格比較

この記事を最後まで読むことで、「GoPro HERO13 Black」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

この製品の購入はこちら→ Amazon リンク

公式ページ:GoPro HERO13 Black (HBシリーズレンズ、パワフルなバッテリー) 

デザインと操作性:GoPro HERO13 Blackの外観と進化したマウントシステム

GoPro HERO13 Black 本体 外観

ここでは、GoPro HERO13 Blackのデザイン、サイズ感、ディスプレイの視認性、そして実際の操作感について書いていきます。

外観について:HERO12 Blackからの変化と質感

箱から取り出してまず感じたのは、まさに「石の塊」のような凝縮された堅牢さです。サイズは幅71.8 x 高さ50.8 x 奥行き33.6mmと、前モデルのHERO12 Blackと全く同じ寸法を維持しています。しかし、手に持った瞬間に気づく違いとして、デザインがシンプルになりました。HERO12 Blackではボディ全体に青い斑点模様がありましたが、HERO13 Blackではそれがなくなり、マットなブラック一色で統一されています。

GoPro HERO13 Blackの背面。モニター。

重量に関しては、バッテリー込みで159gと、HERO12 Blackの154gと比較してわずか5gほど重くなりました。数値上は微増ですが、実際に手に持ったりヘルメットに装着したりしても、その差を体感することはほとんどありません。

注目すべき変更点は、レンズの下に新たに設けられた放熱用のヒートシンク(スリット)のようなデザインです。また、底面にはHERO12 Black同様にフォールディングフィンガーと1/4-20マウント用のネジ穴が備わっており、三脚への取り付けもアダプターなしで行える仕様になっています。

画面の視認性と操作性:キビキビ動くUIとタッチ感度

GoPro HERO13 Blackの背面モニター

 

ディスプレイは背面が2.27インチ、前面が1.4インチと、サイズ自体はHERO12 Blackから変更ありません。屋外の明るい日差しの下でサイクリング中に画面を確認しましたが、輝度は十分に高く、構図の確認に困ることはありませんでした。

タッチ操作のレスポンスについては、スマートフォンのようなヌルヌル感とまではいきませんが、メニューの切り替えや設定変更はスムーズに行えます。ただ、水辺での使用時に画面が濡れると、タッチの反応が鈍くなることや、誤動作を防ぐ仕様のためか反応が少し渋いと感じる場面もありました。前面ディスプレイはタッチ非対応ですが、自撮りのフレーミング用としては十分な役割を果たしてくれます。

GoPro HERO13 Blackのモニター。UI画面。

操作方法:硬めのボタンと便利な音声コントロール

物理ボタンは、上部のシャッターボタンと側面のモードボタンの2つだけというシンプルな構成です。実際に押してみると、クリック感はかなり硬めに作られています。これは誤操作防止のためだと思いますが、指先にしっかりと力を込める必要があります。手袋をしている状態だと、押した感覚が少し分かりにくいかもしれません。

そんな時に役立つのが「音声コントロール」です。HERO12 Black同様、日本語でのコマンドに対応しており、「GoPro 写真」や「GoPro ビデオスタート」と声をかけるだけで反応してくれます。自転車のハンドルにマウントして手が離せない時や、自撮り棒を伸ばして手が届かない位置にある時に、この機能は非常に便利でした。

GoPro HERO13 Blackの側面。電源ボタン。

SDカードスロット:配置と最大容量

SDカードスロットは、側面のドアを開けた内部、バッテリーの隣に配置されています。対応するカードはV30またはUHS-3以上のmicroSDカードです。ここで注意が必要なのが、このサイドドアの開閉です。防水性能を維持するためだと思われますが、ロック機構が非常に硬く作られています。

爪を引っ掛けて開けるのにかなりの力が必要で、頻繁にSDカードを出し入れする際には少しストレスを感じました。

耐久性:タフな防水性能と環境耐性

耐久性に関しては、ハウジングなしで水深10mまで潜れる防水性能を持っており、雨天時のトレッキングや水辺のアクティビティでも気兼ねなく使用できます。レンズカバーには撥水コーティングが施されており、水滴がついても弾いてくれるため、クリアな視界を維持できました。

また、動作温度は-10ºCから40ºCまで対応しており、冬のスキー場のような寒冷地から真夏のビーチまで、過酷な環境下でも動作が保証されています。アクションカメラとして、どこへでも持ち出せる安心感は健在です。

GoPro HERO13 Blackの付属品

  • HERO13 Black カメラ本体
  • 取り外し可能な1900mAh Enduroバッテリー
  • 粘着性ベースマウント(曲面)
  • マウント用バックル + サムスクリュー
  • USB-Cケーブル

まとめ:デザインと操作性

  • 第一印象:無骨でマットなブラック一色になり、プロフェッショナルな道具感が増した。
  • サイズと重量:HERO12 Blackとサイズは同じだが、約5g重量が増加(体感差はなし)。
  • 外観の特徴:レンズ下に放熱用スリットのようなデザインが追加され、底面には1/4ネジ穴を装備。
  • ボタン操作:誤操作防止のためかボタンは硬めで、しっかり押し込む必要がある。
  • メンテナンス性:サイドドアが非常に硬く、SDカード交換には慣れと力が必要。
  • 耐久性:水深10mの防水性能と撥水レンズにより、悪天候でも安心して使用できる。

画質と映像性能

ここでは、GoPro HERO13 Blackの画質と映像性能について、基本性能、特殊・応用性能、静止画の3つのセクションに分けて詳細にレビューします。

基本性能:GoPro HERO13 Blackのセンサーと画質の実力

GoPro HERO13 Blackで撮影した動画。登山途中で撮影。山と緑、土の道。

ここでは、GoPro HERO13 Blackの基本的な画質性能、センサー仕様、そしてHERO12 Blackと比較した際の違いについて書いていきます。

センサーとプロセッサー:HERO12 Blackから据え置きの実力

まず、ハードウェアのスペックを確認して驚いたのは、システムプロセッサーが「GP2」、イメージセンサーが「1/1.9インチCMOS(有効画素数27.6MP)」と、前モデルのHERO12 Blackと全く同じ仕様である点です。3世代にわたり同じ基本構成が続いているため、ハードウェア面での劇的な画質向上を期待していると肩透かしを食らうかもしれません。

しかし、実際に5.3K(5599×4927)で風景を撮影してみると、その解像感は依然としてアクションカメラ界のトップクラスだと感じました。木々の葉の一枚一枚や、波しぶきのディテールまで鮮明に描写され、HERO12 Blackで完成されていた「GoProらしいクッキリとした画質」は健在です。

解像度とフレームレート:5.3Kの圧倒的な精細感

最大ビデオ解像度5.3K (16:9) で60fps4K (16:9) では120fpsまで撮影可能です。実際にマウンテンバイクでトレイルを走りながら4K/120fpsで撮影してみましたが、動きの速いシーンでもヌルヌルとした滑らかな映像が撮れ、後からスローモーションにしても画質が崩れません。ビデオ圧縮規格はH.265 (HEVC)で、最大ビットレートは120Mbpsに対応しており、情報量の多いシーンでもブロックノイズが目立ちにくいのが特徴です。

アスペクト比とデジタルレンズ:8:7センサーの恩恵

HERO13 Black8:7というほぼ正方形のアスペクト比を持つセンサーを搭載しており、ここから16:9の「ワイドスクリーン」や9:16の「縦動画」を切り出せる柔軟性が非常に便利です。撮影時にデジタルレンズを「HyperView」に設定すると、16:9の画角に8:7の映像をギュッと押し込んだような、スピード感あふれる超広角映像(12mm相当)が撮影できます。狭い室内でのVlog撮影や、自分の手元まで写し込みたいシーンでこの広さは圧倒的でした。

色再現性とHDR:HLG対応で進化したダイナミックレンジ

HERO12 Blackとの最大の違いを感じたのは、HDRビデオの進化です。HERO13 Blackでは新たに「HLG(Hybrid Log Gamma)」プロファイルに対応しました。HERO12 BlackのHDRも優秀でしたが、HERO13 BlackのHLG HDRで夕暮れの海岸を撮影したところ、逆光で潰れがちな岩場のシャドウと、白飛びしやすい夕日のハイライトが、より自然な階調で記録されていました。10-bitカラーにも対応しており、GP-Logエンコーディングを使用して撮影すれば、後編集でのカラーグレーディング耐性も高く、自分好みの色味に仕上げる楽しみがあります。

まとめ:基本性能

  • イメージセンサー:1/1.9インチCMOSセンサーとGP2プロセッサーはHERO12 Blackから据え置き。
  • 解像度とフレームレート:最大5.3K60fps、4K120fpsに対応し、アクションシーンでも高精細かつ滑らか。
  • アスペクト比:8:7のセンサーを活かし、縦動画(9:16)やワイド(16:9)への切り出しが柔軟に行える。
  • HDR性能:HLG(Hybrid Log Gamma)に対応し、HERO12 Blackよりも放送標準に近い自然なダイナミックレンジ表現が可能。
  • 色編集:10-bitカラーとGP-Log対応により、プロフェッショナルなカラーグレーディングが可能。

特殊・応用性能:GoPro HERO13 Blackの進化した撮影機能とHBシリーズレンズ

GoPro HERO13 Blackで撮影した動画。バイク走行中の風景。

ここでは、GoPro HERO13 Blackの特殊撮影機能、手ブレ補正、そして新しいHBシリーズレンズによる拡張性について書いていきます。

バーストスローモーション:一瞬を切り取る新たな表現

HERO13 Blackで新たに追加された機能の中で、特にインパクトが大きかったのが「バーストスローモーション」です。これは、解像度を落とすことで驚異的なハイスピード撮影を可能にする機能で、720pなら400fps(13倍スロー)、5.3Kでも120fps(4倍スロー)というプロ顔負けの映像が撮れます。

GoPro HERO13 Black スローモーション スキーで滑る様子

実際にスケートボードのジャンプトリックを720p/400fpsで撮影してみましたが、空中で板が回転する様子や、着地の瞬間のシューズのたわみまでが手に取るように分かり、まるで映画のワンシーンのような映像が撮れました。ただし、撮影時間には制限があり、720p/400fpsでは15秒、5.3K/120fpsでは5秒間しか録画できません。また、撮影後にデータの書き込み処理で数秒待たされるため、連続して次々撮るようなスポーツシーンではタイミングを見極める必要があります。ここぞという一瞬を狙い撃つための必殺技のような機能だと感じました。

表現力を拡張するHBシリーズレンズ:マクロ、ND、超広角

GoPro HERO13 Black レンズキット

HERO13 Blackの真価は、新しい「HBシリーズレンズ」と組み合わせた時に発揮されます。カメラがレンズを自動検出し、最適な設定に切り替えてくれるのが最大の特徴です。

まず感動したのは「マクロレンズモッド」です。これまでのGoProは最短撮影距離が長く、手元の商品紹介や植物のアップなどを撮ろうとするとピントが合わないことがありました。しかし、このマクロレンズを装着すると最短11cmまで寄れるようになります。実際に花に寄って撮影してみましたが、花びらの質感までクッキリと写り、背景も適度にボケて、これまでのアクションカメラでは撮れなかった表現が可能になりました。フォーカスピーキング機能(ピントが合っている部分を色で表示する機能)も搭載されているため、マニュアルフォーカスでも迷わずにピントを合わせられます。

GoPro HERO13 Black マクロ 蟹を拡大して撮影

次に「NDフィルター」も非常に優秀です。レンズに取り付けるだけでカメラが自動的にフィルターの種類(ND4〜ND32)を検出し、「オートシネマティックビデオモード」に切り替わります。これまではシャッタースピードなどの細かい設定を手動で行う必要がありましたが、HERO13 Blackなら装着するだけで、流れる水を絹のように滑らかに表現したり、疾走感のあるモーションブラー効果を簡単に得られます。

そして「超広角レンズモッド」を装着すると、視野角は最大177度まで広がります。マウンテンバイクのチェストマウントで撮影してみると、ハンドルを握る腕から足元のペダル、そして遠くの景色までが全て画角に収まり、圧倒的なスピード感と没入感が生まれました。

GoPro HERO13 Black 超広角で自動車の正面をワイドに撮影

手ブレ補正と水平維持:HyperSmooth 6.0の真価

手ブレ補正機能「HyperSmooth 6.0」は、HERO12 Blackから引き続き搭載されていますが、その性能は相変わらず強力で、アクションカメラ界のベンチマークと言える存在です。実際に凹凸の激しい砂利道をマウンテンバイクで駆け下りながら撮影しましたが、本来なら画面がガタガタと揺れて何が映っているか分からなくなるような状況でも、まるでドローンで追走しているかのような浮遊感のある映像が記録されていました。

特に素晴らしいのが「自動ブースト」機能です。これは、ブレの大きさに応じてクロップ率(画角の切り取り範囲)を自動で調整し、必要な時だけ強力に補正をかける機能です。これにより、安定している時は広い画角を維持し、激しいアクションの時だけ補正を強めるという処理をカメラが勝手に行ってくれます。

さらに「360度水平ロック」機能も非常に強力です。これはカメラを360度回転させても、映像の水平線がビシッと固定され続ける機能です。ジェットコースターや宙返りのような動きをしても、映像の天地がひっくり返ることがありません。超広角レンズモッド使用時でもこの機能が使えるため、どんなに激しい動きの中でも、視聴者が酔わない安定した映像を確保できる安心感は絶大でした。

低照度性能とナイトエフェクト:進化は見られるが課題も

GoPro HERO13 Blackで撮影した動画。夜明け。

夜間の撮影に関しては、スタートレイルやライトペインティングといった「ナイトエフェクト」機能がクリエイティブな表現を助けてくれます。特にライトトレイルを使って夜の街を走る車の光跡を撮影するのは非常に楽しく、三脚さえあれば誰でも幻想的な映像が撮れます。

しかし、通常の動画撮影における低照度性能については、HERO12 Blackから大きな向上は感じられませんでした。街灯の少ない夜道などで撮影すると、やはりノイズが目立ち、ディテールが甘くなる傾向があります。この点に関しては、より大型のセンサーを搭載する競合機(DJI Osmo Action 4など)に分があると感じました。暗所での撮影は、あくまで「撮れる」レベルであり、高画質を求めるなら日中の使用がメインになりそうです。

ズーム機能:あくまで補助的な役割

ズーム機能は最大2倍まで対応していますが、光学ズームではなくデジタルズームです。そのため、ズーム倍率を上げるほど画質の劣化は避けられません。遠くの被写体をどうしても大きく映したい緊急時以外は、基本的には広角で最高画質で撮影しておき、編集段階でトリミングする方がきれいな映像が得られるでしょう。

なお、競合製品となるOsmo Action 6は「2倍ロスレスズーム」が利用できます。4K画質のまま劣化を感じさせずに被写体を引き寄せられるため、最大2倍デジタルズームのGoPro HERO13 Blackとは大きな差があるといえます。

GoPro HERO13 Blackの主な撮影モード

  • 標準ビデオモード: 最大5.3K/60fpsでの高解像度撮影
  • バーストスローモーション: 最大720p/400fpsでの超高速撮影
  • TimeWarp / タイムラプス / ナイトラプス: 時間を圧縮した動画撮影
  • ナイトエフェクト: スタートレイル、ライトペインティング、ライトトレイル
  • 静止画モード: 最大27MP、RAW撮影、バースト撮影対応
  • HDRビデオ: HLG方式に対応し、より広いダイナミックレンジを記録

まとめ:特殊・応用性能

  • バーストスローモーション: 720p/400fpsの超スロー映像は圧巻だが、撮影時間と処理待ち時間には注意が必要。
  • マクロ撮影: 別売りのマクロレンズモッドにより最短11cmまで寄れ、Vlogや物撮りの表現力が劇的に向上。
  • NDフィルター: 自動検出機能により、面倒な設定なしでシネマティックなモーションブラー撮影が可能。
  • 超広角撮影: 視野角177度の超広角レンズモッドは、自動検出と水平ロックによりアクション撮影に最適。
  • 手ブレ補正: HyperSmooth 6.0と自動ブーストにより、激しい振動も完全に吸収し、常に最適な画角と安定性を提供する。
  • 水平維持: 360度水平ロックにより、カメラが回転しても映像の水平は完全に保たれる。
  • 低照度性能: ナイトエフェクトは楽しいが、通常の暗所動画撮影における画質は競合に劣る部分がある。
  • ズーム: 最大2倍のデジタルズームが可能だが、画質劣化があるため編集でのトリミングが推奨される。

写真:GoPro HERO13 Blackの静止画撮影能力とフレームグラブの活用

GoPro HERO13 Blackで撮影した写真。山頂の空。

ここでは、GoPro HERO13 Black写真撮影機能について、実際のフィールドで撮影した感触や、前モデルHERO12 Blackと比較して感じた「静止画機としての実力」を書いていきます。

静止画の最大解像度と出力:27MPの高精細とRAW現像の楽しみ

アクションカメラの静止画というと「あくまでオマケ」と思われがちですが、HERO13 Black27.13MP(5568×4872)という解像度は、PCの大型モニターで見てもハッとするほど緻密です。

実際に晴天の山岳ルートで風景を撮影してみましたが、遠くの稜線の岩肌や、手前の草木の緑が潰れることなく描写されていました。JPEG撮って出しでも十分に鮮やかですが、私はあえてRAW形式(.gpr)でも撮影しています。帰宅後にLightroomで現像してみると、HERO12同様、空のハイライト部分の粘りが強く、白飛びしかけた雲の階調をしっかり復元できました。

スペックシート上はHERO12と同じ画素数ですが、HERO13ではGPS情報が写真に埋め込まれるようになったため、「この絶景はどこで撮ったっけ?」と地図上で振り返れるようになったのは、旅の記録として非常に大きな進化だと実感しました。

ビデオからのフレームグラブ:決定的瞬間を逃さない最適解

正直に言いますと、私は動きのあるシーンでは「写真モード」をほとんど使いません。代わりに多用しているのが、5.3Kビデオからの「フレームグラブ(切り出し)」です。

例えば、マウンテンバイクでジャンプした瞬間の写真を撮りたい時、写真モードの連写ではタイミングを合わせるのが至難の業です。しかし、5.3K(8:7)で動画を回しておけば、後からアプリでコマ送りして「ここだ!」という瞬間を約24.7MPの高画質で保存できます。実際にこの方法で切り出した画像は、髪の毛一本一本まで解像しており、普通に撮った写真と見分けがつかないレベルでした。HERO12でも同じことはできましたが、Quikアプリでの転送速度がWi-Fi 6対応で向上しているため、切り出し作業自体がよりスムーズになったと感じます。

SuperPhoto (HDR):明暗差のあるシーンも自動で最適化

SuperPhoto」(スーパーフォト)は、カメラが自動でHDRやノイズ低減を適用してくれる機能です。これを試すために、日陰の森の中から、日向の明るい景色を見上げるような、極端に明暗差のある構図で撮影してみました。

結果は驚くほど自然でした。通常なら黒く塗りつぶされる木の幹の模様が浮かび上がり、同時に青空の色も飛ばずに残っています。HERO12のHDRも優秀でしたが、HERO13の処理はより「やりすぎ感」が抑えられ、見た目に近い自然なトーンに仕上がっている印象を受けました。何も考えずにシャッターを押すだけで「失敗写真」を減らしてくれる頼もしい機能です。

写真モード:連写と長時間露光

もちろん、通常の写真モードも特定のシーンでは輝きます。「バーストフォト」を使って、友人が水たまりに飛び込む瞬間を撮影してみました。秒間30枚の設定で連写すると、水しぶきが王冠のような形になる一瞬を見事に捉えられました。

また、夜のキャンプ場で「ナイトフォト」も試しました。三脚で固定し、シャッター速度を15秒に設定。すると、肉眼では見えにくかった星空や、テントの灯りが幻想的に写し出されました。スマホのナイトモードも優秀ですが、GoProの広角レンズで撮る星空は、空の広がりが段違いで、その場の空気感まで写し取るような迫力があります。

シーン別の性能評価:日中は最強、暗所とレスポンスには課題も

実際に一日中持ち歩いて撮影した感想をシーン別にまとめます。

まず日中は文句なしの最強画質です。HERO12から据え置きのセンサーですが、太陽光の下では発色も良く、解像感も抜群です。夕暮れ時は、SuperPhotoの恩恵を最も感じました。空のグラデーションが美しく、エモーショナルな写真が量産できます。

一方で、やはり弱点と感じたのは暗所です。街灯の少ない夜道を手持ちで撮影しようとすると、手ブレが発生しやすく、ノイズも目立ち始めました。夜景をきれいに撮るには三脚や固定場所が必須です。また、気になったのはシャッターレスポンスです。ボタンを押してから「カシャッ」と音が鳴って保存されるまでに、わずかなラグ(一呼吸置く感じ)があります。動いている子供やペットを写真モードで追いかけると、決定的な瞬間を逃してしまいがちでした。やはり動体撮影は、前述の「動画からの切り出し」に頼るのが正解だと痛感しました。

ちなみに、デジタルズーム(最大2倍)も試しましたが、これは画質が明らかに粗くなるため、私は「どうしても寄りたい緊急時」以外は使わないことに決めました。

まとめ:写真

  • 画質と機能:27MPの高解像度は風景撮影に最適で、GPS情報の復活により旅カメラとしての価値が向上した。
  • ベストな撮影法:動体撮影は写真モードのラグを避けるため、5.3K動画からのフレームグラブ(約24.7MP)が最も確実で高画質。
  • SuperPhoto:明暗差の激しい森の中などでも、白飛び・黒つぶれを防ぎ、失敗の少ない写真を自動で生成してくれる。
  • 暗所性能:夜間の手持ち撮影は厳しく、ノイズも目立つ。きれいな夜景を撮るなら三脚を使ったナイトフォト一択。
  • レスポンス:シャッターボタンを押してからの反応にラグがあり、サクサク撮るスナップ用途には不向き。

バッテリーと熱問題:GoPro HERO13 Blackの長時間駆動と発熱対策の実力

GoPro HERO13 Blackの側面。バッテリー。

ここでは、GoPro HERO13 Blackのバッテリー性能の進化、実際の持続時間、そしてアクションカメラにつきものの「熱問題」について、前モデルHERO12 Blackとの比較を交えながら詳しくレビューしていきます。

バッテリー仕様と互換性:10%増量の代償

まずハードウェア面で大きな変更点となるのがバッテリーです。HERO13 Blackには、新開発の1900mAh Enduroバッテリーが採用されました。これはHERO12 Blackの1720mAhと比較して約10%の容量増加となります。

実際に手に取ってみると、サイズや端子の形状が微妙に異なっており、残念ながらHERO12 Black以前のバッテリーとは互換性がありません。私はHERO12用の予備バッテリーをいくつか所有していましたが、それらが使い回せない点は正直なところ痛手でした。しかし、この変更は新しい電源コネクターの採用と効率化のためであり、より長く撮れるようになるなら必要な進化だと受け入れています。

駆動時間の実証:タフな現場で頼れる持久力

実際にフィールドで持ち出して、そのスタミナを試してみました。公称値では、最高画質の5.3K30や4K30で1.5時間以上、標準的な1080p30なら2.5時間以上の連続撮影が可能とされています。

私がマウンテンバイクの走行動画を4K/60fpsで撮影した際は、バッテリー1本で約80分ほど録画を続けることができました。これはHERO12 Blackを使用した時よりも体感で10〜15分ほど長く持っている印象です。また、撮影と停止を繰り返しながら写真も撮るといった一般的な使い方では、3時間半ほど使用してもバッテリー残量がまだ10%ほど残っており、予備バッテリー交換の頻度が減ったのは明確なメリットだと感じました。

寒冷地での性能向上も謳われており、スキー場のような環境でもEnduroバッテリーの特性がいかんなく発揮されることが期待できます。

熱問題の検証:風があれば無敵、静止画質は要注意

GoProユーザーにとって永遠の課題である「熱暴走(過熱による強制停止)」についても検証しました。HERO13 Blackはレンズの下に放熱用のヒートシンクのようなスリットが設けられており、熱対策が強化されていることが外観からも伺えます。

実際に、風のない室内(気温約25度)で5.3K/60fpsの高負荷撮影を試みたところ、約16分〜24分程度で本体がかなり熱くなり、過熱保護により撮影が停止しました。静止状態での長時間・高画質撮影は、依然としてGoProの苦手分野であると言わざるを得ません。

しかし、屋外で風を受けている状態であれば話は別です。自転車に取り付けて走行しながら撮影した場合は、空気の流れによる冷却効果(エアフロー)が働き、バッテリーが切れるまで一度も止まることなく録画を継続できました。アクションカメラ本来の用途である「動きのあるシーン」においては、熱問題はほぼ解消されていると言って良いでしょう。

充電と給電:Contactoによる無限の可能性

充電は側面のUSB-Cポートから行いますが、HERO13 Blackには非常に魅力的な新オプションが登場しました。それがマグネット式ドアと電源ケーブルキット「Contacto」です。

これを装着すると、バッテリードアを開けることなく、マグネットでパチッとケーブルを繋ぐだけで給電が可能になります。注目すべきは、この状態で防水性が維持される点です。これまでは雨の中で給電しながら撮影することはリスクがありましたが、Contactoを使えば、モバイルバッテリーから給電しつつ、雨天の長時間タイムラプスや釣りの動画などを安心して撮り続けられます。これはクリエイターにとって非常に心強いアップグレードです。

GoPro HERO13 Blackのバッテリー仕様

  • バッテリータイプ: 取り外し可能な1900mAh Enduroバッテリー
  • 公称撮影時間 (一例): 1080p/30fpsで最大2.5時間
  • 実測撮影時間 (一例): 5.3K/60fpsで約65分、4K/60fpsで約80分
  • 充電方式: USB-C
  • 外部給電: 対応(別売りアクセサリーで防水給電も可能)

まとめ:バッテリーと熱問題

  • バッテリー容量:1900mAhに増量し、HERO12 Black比で約10%アップしたが、旧バッテリーとの互換性はなし。
  • 連続撮影時間:1080p30で2.5時間以上、4K/5.3K30で1.5時間以上と、実用的なスタミナを実現。
  • 熱対策(静止):無風の室内で最高画質(5.3K60fps)を回すと20分前後で熱停止する場合があり、HERO12から劇的な改善は見られない。
  • 熱対策(移動):移動中など風が当たる環境(エアフローあり)では冷却が機能し、バッテリー切れまで安定して動作する。
  • 給電撮影:新アクセサリー「Contacto」により、防水性を保ったまま外部給電が可能になり、長時間の全天候撮影に対応した。

ソフトウェア連携と編集機能:GoPro HERO13 Blackの快適な転送とGPSの復活

GoPro HERO13 Black アプリ

ここでは、GoPro HERO13 Blackのソフトウェア連携について、Quikアプリの使い勝手、Wi-Fi 6による高速転送、そして待望の復活を遂げたGPS機能を中心にレビューします。

Quikアプリでの編集と自動ハイライト作成

GoProを使う上で欠かせないのが、スマートフォンアプリ「Quik」との連携です。アプリを立ち上げるとすぐにカメラを認識し、スマホ画面をモニター代わりにしてプレビューを確認したり、離れた場所から設定を変更したりといったリモコン操作がスムーズに行えます。

撮影後の編集機能も優秀です。アプリ内で動画のトリミングや拡大、フィルターによる色調整といった基本編集が直感的に行えるため、PCを立ち上げなくてもその場でSNS用の動画を完成させることができます。特に便利だと感じているのが、GoProサブスクリプション特典の「自動ハイライトビデオ」機能です。帰宅後にカメラを充電器に繋いでおくだけで、撮影データがクラウドに自動アップロードされ、音楽やエフェクトと同期したダイジェスト動画が勝手に作成されてスマホに届きます。自分で編集する時間がない時でも、その日の思い出をすぐにシェアできるので、非常に重宝しています。

高速転送:Wi-Fi 6対応で待ち時間を短縮

 

GoPro HERO13 Blackの専用アプリ。

データの転送速度に関しては、地味ながら確実な進化を感じました。HERO13 Blackは新たに「Wi-Fi 6」に対応しており、HERO12 Blackと比較してスマートフォンへのワイヤレス転送速度が最大13%高速化しています。

高画質な5.3K動画を撮影するとファイルサイズが巨大になりがちですが、撮影の合間にスマホへデータを移す際の待ち時間が短縮されたのは嬉しいポイントです。また、USB-Cケーブルを使った有線転送も可能で、大量のデータを一気にバックアップしたい時にはこちらの方が安定して高速に処理できました。

タイムコード機能:複数台撮影の強力な味方

プロフェッショナルな制作現場で役立つのが「タイムコード同期」機能です。これはHERO12 Blackから搭載されている機能ですが、Quikアプリを使って複数のHERO13 Blackのタイムコードをワイヤレスで同期させることができます。

実際に2台のカメラを使ってマルチアングルで撮影し、Adobe Premiere Proに取り込んでみましたが、タイムコードが合っているため一瞬で映像のタイミングを同期できました。編集時の「音合わせ」などの手間が省けるため、複数のカメラを運用するユーザーにとっては必須の機能と言えます。

GPS機能:待望の復活とデータオーバーレイ

HERO12 Blackとの最大の違いであり、多くのユーザーが待ち望んでいたのが「GPS機能」の復活です。HERO12 Blackでは省かれていたこの機能が戻ってきたことで、撮影したデータに緯度・経度・高度といった位置情報が正確に記録されるようになりました。

単に場所を記録するだけでなく、Quikアプリを使うことで「パフォーマンスステッカー」として動画上にスピードメーターや高度計、コースの軌跡などをアニメーショングラフィックとして重ねて表示できます。実際にロードバイクでのダウンヒル映像に速度計を表示させてみましたが、映像の迫力に具体的な数値情報が加わることで、臨場感が段違いに増しました。旅の記録やスポーツのログとして映像を残したい私にとって、GPSの有無はHERO13 Blackを選ぶ決定的な理由になりました。

まとめ:ソフトウェア連携と編集機能

  • Quikアプリ連携:リモコン操作や編集がスムーズで、充電中の自動クラウドアップロードとハイライト作成が非常に便利。
  • 高速転送:Wi-Fi 6対応により、HERO12 Blackよりもワイヤレス転送が高速化し、待ち時間のストレスが軽減された。
  • タイムコード:複数台のカメラをワイヤレスで同期でき、編集ソフトでのマルチカメラ編集が劇的に楽になる。
  • GPS機能:HERO12 Blackで削除されたGPSが復活し、位置情報の記録や速度・高度などのデータオーバーレイが可能になった。

音声品質とマイク:GoPro HERO13 Blackのクリアな録音と自由な接続性

ここでは、GoPro HERO13 Blackの内蔵マイクによる音質、Bluetoothオーディオを含めた外部接続の利便性、そしてシーンに合わせたオーディオ調整機能について書いていきます。

内蔵マイクの性能:風の中でもクリアなステレオサウンド

アクションカメラの映像がどれだけ美しくても、音が割れていたり風切り音だらけだと視聴体験は台無しになります。HERO13 Black3つの内蔵マイクを搭載しており、デフォルトでステレオオーディオ録音に対応しています。

実際に風の強い海岸沿いでVlog撮影を行ってみましたが、進化したノイズ低減機能(ウィンドノイズ低減)が非常に優秀でした。強風が吹き荒れる中でも、ゴォーッという不快な風切り音を効果的に抑え込み、私の声をしっかりと拾ってくれました。もちろん、完全に無音になるわけではありませんが、編集で少し調整すれば十分使えるレベルです。

さらに、設定でRAW形式(.wav)の音声取得をオンにしておけば、編集時に音声を細かく調整したい場合にも対応できるため、映像制作の素材としても信頼性が高いと感じました。基本性能はHERO12 Blackから大きく変わっていませんが、その分、完成された安定感があります。

Bluetoothオーディオ:AirPodsがワイヤレスマイクに早変わり

HERO12 Blackで追加され、個人的に最も重宝している機能の一つが「Bluetoothオーディオ接続」です。HERO13 Blackでもこの機能は健在で、手持ちのAirPodsやPixel BudsなどのBluetoothイヤホンをワイヤレスマイクとして使用できます。

これを活用して、バイクに乗って走行動画を撮影してみました。これまでは風切り音で声がかき消されがちでしたが、ヘルメットの中でAirPodsを装着して喋ることで、エンジン音や風音に邪魔されず、クリアなナレーションを録音することに成功しました。また、カメラが手の届かない場所に設置してあっても、イヤホンのマイクを通じて「GoPro ビデオスタート」と音声コマンドを送れば確実に反応してくれるため、リモコン代わりとしても非常に優秀です。専用のワイヤレスマイクを用意しなくても、手持ちの道具で撮影の幅が広がるのは大きなメリットです。

外部マイクとオーディオ調整:用途に合わせたカスタマイズ

より本格的な音質を求める場合、3.5mmのマイクジャックは本体に搭載されていないため、別売りの「メディアモッド」や「Pro 3.5mmマイクアダプター」が必要になります。この仕様は従来通りですが、メディアモッドを装着すれば指向性マイクも利用でき、インタビュー撮影などではさらにクリアな集音が可能です。

また、HERO13 Blackには新たにオーディオモードの調整機能が搭載されています。「標準」モードでは環境音を含めたリアルな音を、「音声」モードでは人の声を優先してクリアに録音します。実際に賑やかなカフェで「音声」モードを試してみたところ、周囲のザワザワした雑音が抑えられ、カメラに向かって話している私の声が驚くほど浮き上がって録音されました。Vlog撮影ではこのモードが常用になりそうです。一方で、操作音に関しては設定で「小」にしても依然として音が大きく、静かな場所での撮影時には完全にオフにする必要がありました。

まとめ:音声品質とマイク

  • 内蔵マイク:3つのマイクによるステレオ録音と強力なノイズ低減により、風のある屋外でも実用的な音質を確保。
  • Bluetoothオーディオ:AirPodsなどをワイヤレスマイクとして利用でき、モトブログや離れた場所からの音声操作に最適。
  • 外部マイク接続:3.5mmジャックはなく、メディアモッド等のアダプターが必須(従来仕様)。
  • オーディオ調整:「音声」モードが人の声を優先的に拾うため、騒音下でのVlog撮影に非常に効果的。
  • 操作音:音量を最小にしても響くため、静粛な環境ではオフ設定が推奨される。

アクセサリーと拡張性:GoPro HERO13 BlackのマウントシステムとHBレンズ

GoPro HERO13 Blackに自撮り棒を装着する様子。

ここでは、GoPro HERO13 Blackの拡張性を高めるマウントシステム、革新的な自動検出レンズ、そして撮影スタイルを広げるおすすめの純正アクセサリーについて書いていきます。

マウントシステム:ついにマグネット式に対応し、死角なしへ

アクションカメラの使い勝手を左右するマウントシステムですが、HERO13 Blackはついに「全部入り」になりました。底面には従来通りの「フォールディングフィンガー」があり、既存の膨大なGoProアクセサリー資産をそのまま活かせます。さらに、HERO12 Blackから導入された「1/4-20インチネジ穴」も健在で、一般的なカメラ用三脚にアダプターなしで直付けできるのは、Vlog撮影などで地味ながら絶大なメリットを感じます。

そして最大の違いが、別売りの「マグネット式ラッチマウント」への対応です。HERO12 Blackまでは、マウントを交換するたびにネジを回す手間がありましたが、このラッチマウントを使えば「カチッ」と一瞬で着脱が可能になります。実際にヘルメットから自撮り棒へ、そして自転車のハンドルへと付け替える際、このスピード感に一度慣れてしまうともうネジ式には戻れません。他社製品に遅れをとっていた部分ですが、純正でしっかり対応してきた点は高く評価できます。

GoPro HERO13 Black ラッチマウント

HBシリーズレンズ:装着するだけで設定完了のスマートさ

「特殊・応用性能」のセクションでも触れましたが、HERO13 Black専用の「HBシリーズレンズ」は、単なる交換レンズ以上のシステムです。このレンズの真の魅力は、カメラ本体との連携にあります。

HERO12 BlackのMaxレンズモッド2.0では、装着後に手動で設定モードを切り替える必要がありました。しかし、HERO13 Blackではレンズをひねって装着するだけで、カメラが瞬時にレンズの種類を認識し、最適な設定に自動で切り替わります。

例えば、NDフィルターを付ければ自動でシネマティックな設定になり、マクロレンズを付ければマクロモードになります。現場で細かいメニュー操作をする必要がなく、レンズを変えるだけで撮影準備が整うこのシームレスな体験は、撮影のテンポを崩さず非常に快適でした。

GoPro HERO13 Black 本体を手で持っている。

おすすめの純正オプション製品:撮影スタイルを変える強力なツール

HERO13 Blackには、撮影の幅を広げる純正アクセサリーが多数用意されています。ここでは特に実用性が高い4つのアイテムを紹介します。

まず、HERO13 Black専用の「Contacto(マグネット式ドア+電源ケーブルキット)」です。これはバッテリードアを専用の接点付きドアに交換し、マグネットケーブルで給電を行うアイテムです。何が凄いかというと、ケーブルを接続した状態で防水性が維持される点です。これまでは雨天時や水辺での長時間撮影で外部給電を行うのはリスクがありましたが、Contactoを使えばモバイルバッテリーから給電しつつ、悪天候下のタイムラプス撮影なども安心して行えます。

次に、「The Remote(ザ リモート)」です。これは腕時計のように装着したり、マウントに取り付けたりできる防水リモコンです。例えば、カメラを車のルーフやヘルメットの頭頂部など、手の届かない場所に設置した場合に非常に役立ちます。スマホアプリでも操作はできますが、The Remoteなら手袋をしたままでも物理ボタンで確実に録画開始・停止ができ、接続の安定性も高いため、アクションスポーツ中の操作ストレスが激減します。

長時間のVlog撮影や旅行には「Volta」が欠かせません。これはバッテリー内蔵グリップ、三脚、リモコンが一体化した多機能グリップです。HERO13 Black本体のバッテリーと合わせることで、5.3K録画でも4時間以上の撮影が可能になります。片手で持ちやすく、そのままテーブルに置いて三脚としても使えるため、私は旅行中ほぼこれにつけっぱなしにしていました。

そして、過酷な環境に挑むなら「保護ハウジング」です。本体だけでも水深10mの防水性能がありますが、このハウジングを装着すれば水深60mまでのダイビングに対応します。また、泥や飛び石が激しいモトクロスや、岩場でのアクティビティにおいても、本体への傷を完璧に防いでくれる保険として機能します。

セット製品:用途に合わせて賢く選ぶ

HERO13 Blackには単体以外にも魅力的なセット製品が用意されています。「アクセサリーセット」には、予備のEnduroバッテリー、フローティングハンドグリップ、カメラケースなどが含まれており、初めてGoProを買う人には必須級のアイテムが揃っています。

また、Vlog撮影をメインにするなら「クリエーターエディッション」(Creator Edition)が最強の選択肢です。指向性マイク内蔵のメディアモジュラー、照明用のライトモジュラー、そして長時間撮影を可能にするVoltaグリップがセットになっており、これ一つでプロ並みの撮影システムが完成します。個別に揃えるよりも価格的なメリットが大きいため、自分の撮影スタイルが決まっているなら最初からセットを選ぶのが正解でしょう。

まとめ:アクセサリーと拡張性

  • マウントシステム:従来のフィンガーと1/4ネジに加え、別売りのマグネット式ラッチマウントに対応し、着脱の利便性が劇的に向上。
  • HBシリーズレンズ:レンズを装着するだけでカメラ設定が自動で切り替わるため、設定ミスの防止と撮影テンポの向上に貢献。
  • Contacto:防水性を保ったまま外部給電が可能になり、雨天時の長時間撮影という新たな可能性を開いた。
  • Volta:バッテリー、三脚、リモコンが一体化しており、Vlogや長時間の旅行撮影において最強のパートナーとなる。
  • アクセサリーセット:予備のEnduroバッテリー、フローティングハンドグリップ、カメラケースなどもあり、初めてGoProを買う人におすすめ。
  • クリエーターエディッション:マイク、ライト、バッテリーグリップがセットになり、Vlog撮影に必要な機材を一括でお得に揃えられる。
  • 互換性:マグネットマウントやHBレンズはHERO13専用だが、既存のGoProマウントやメディアモジュラーなどはHERO12と共用可能。

GoPro HERO13 Blackのメリット・デメリット

GoPro HERO13 Black 本体。広角レンズ装着。

GoPro HERO13 Blackは、アクションカメラの王者の名にふさわしい高い完成度を誇る一方、進化の過程で見えてきた新たな課題も抱えています。ここでは、前モデルのHERO12 Blackや、Insta360 Ace Pro 2Osmo Action 5 Proといった強力なライバル機種と比較しながら、そのメリットとデメリットを徹底的に解説します。

【メリット】

メリット1:独創的な表現を可能にする「HBシリーズレンズ」

HERO13 Black最大のメリットは、HERO12 Blackにはなかった、カメラが自動認識する交換式レンズ「HBシリーズレンズ」の存在です。マクロ、超広角、NDフィルターといったレンズを装着するだけで、カメラが設定を最適化してくれるこのシステムは、他のアクションカメラにはない独創的な強みです。Insta360 Ace Pro 2のライカレンズは高性能ですが固定式であり、HERO13 Blackほど多彩な表現ができるわけではありません。

メリット2:クラス最高レベルの安定感を誇る手ぶれ補正

HERO12 Blackから引き継がれた手ぶれ補正機能「HyperSmooth 6.0」は、依然として業界最高レベルの性能を誇ります。Insta360のFlowStateやDJIのHorizonSteadyも強力ですが、GoProの補正は特に激しい動きの中での滑らかさに定評があります。マウンテンバイクで荒れた道を下っても、まるでジンバルを使っているかのような安定した映像が手軽に撮れる信頼感は、大きなメリットです。

メリット3:復活したGPS機能による付加価値

HERO12 Blackで廃止され、多くのユーザーを落胆させたGPS機能がHERO13 Blackで待望の復活を遂げました。これにより、専用アプリで速度や高度、移動ルートなどを映像に重ねて表示できるようになり、アクティビティの記録に新たな楽しさが加わりました。これはHERO12 Blackに対する明確な優位点です。

メリット4:用途で選べるアクセサリーセット

HERO13 Blackは、撮影スタイルに合わせて選べる公式のアクセサリーセットが充実しています。例えば「アクセサリーセット」には、水に浮くハンドグリップや予備バッテリーが含まれ、ウォータースポーツや旅行に最適です。より本格的な映像制作を目指すなら、高性能マイクやライト、長時間バッテリーを兼ねるグリップ「Volta」がセットになった「クリエイターエディション」を選ぶことで、Vlogなどで最高のパフォーマンスを発揮できます。

【デメリット】

デメリット1:競合に劣る暗所性能

3世代にわたって同じイメージセンサーを搭載しているため、暗所性能はHERO13 Blackの明確な弱点です。Insta360 Ace Pro 2Osmo Action 5 Proがより大きな1/1.3インチセンサーを搭載し、夜間や室内でのノイズの少ないクリアな映像を実現しているのに対し、HERO13 Blackは光量が少ない場面では画質の低下が目立ちます。

デメリット2:依然として残る熱暴走のリスク

HERO12 Blackより熱管理性能は向上したものの、熱暴走のリスクが完全になくなったわけではありません。特に、風通しのない室内で5.3Kのような高解像度で連続撮影すると、15分から20分程度で録画が停止することがあります。屋外でのアクティビティ中など、風が当たる環境では撮影時間が伸びますが、長時間の定点撮影などでは注意が必要です。

デメリット3:高価なアクセサリーへの依存度

HERO13 Blackの魅力を最大限に引き出す「HBシリーズレンズ」や「マグネット式マウント」は、すべて別売りの高価なアクセサリーです。カメラ本体の価格はInsta360 Ace Pro 2などと大きく変わりませんが、システム全体で考えるとコストはかなり高額になります。

デメリット4:旧モデルとのバッテリー非互換性

撮影時間が向上した新型バッテリーは、HERO13 Blackのメリットの一つですが、HERO12 Black以前のモデルとは互換性がありません。長年GoProを愛用し、予備バッテリーを複数所有しているユーザーにとっては、乗り換えの際にすべてのバッテリーを買い直す必要があり、大きなデメリットとなります。

GoPro HERO13 Blackのスペック(仕様)一覧

  • モニター: 背面2.27インチ タッチディスプレイ、前面1.4インチ カラーディスプレイ
  • ストレージ: 内蔵ストレージなし、microSDカードを使用
  • 対応SDカード: A2 V30以上のmicroSDカード1枚
  • バッテリー: 取り外し可能な1900mAh Enduroバッテリー
  • 撮影時間: 最大2.5時間 (1080p30)、5.3K/60fpsで約65分、4K/60fpsで約80分
  • 充電 時間: スペックの情報が不足しています。
  • インターフェース: USB-C
  • 通信(接続性): Wi-Fi 6 (2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.3
  • センサー: 1/1.9インチCMOS、有効27.6MP (5599×4927)
  • ジャイロスコープ: スペックの情報が不足しています。
  • 画質: 動画 最大5.3K/60fps、静止画 最大27.13MP、10bitカラー (4K以上)
  • 手ブレ補正: HyperSmooth 6.0
  • 耐久性: 水深10mまでの防水性能
  • レンズ: F2.5口径、35mm換算焦点距離 12mm-39mm
  • 画角: 最大156度 (8:7アスペクト比)
  • ISO感度: スペックの情報が不足しています。
  • マイク: 3マイク搭載、ワイヤレスオーディオ対応
  • 操作性: 14種のコマンドによる音声コントロール
  • 動作温度: -10℃ 〜 40℃
  • サイズ: 幅71.8 x 高さ50.8 x 奥行き33.6 mm
  • 重量: 159g (バッテリー、マウントフィンガー込み)
  • カラー: Black、フォレストグリーン
  • マウント(アクセサリー): 内蔵フォールディングフィンガー、1/4-20マウント
  • 付属品: HERO13 Blackカメラ本体、Enduroバッテリー、粘着性ベースマウント(曲面)、マウント用バックル、サムスクリュー、USB-Cケーブル

GoPro HERO13 BLACKの純正アクセサリーセット

GoPro HERO13 Blackに三脚を装着。

GoPro HERO13 Blackの純正アクセサリーセット」は、GoProが公式に提供しているバンドルで、用途に合わせていくつかの種類があります。これらはGoProのオンラインストアや正規販売店で購入できます。

1. HERO13 Black + アクセサリーバンドル

これは、GoProを初めて手にする方や、基本的な撮影に必要なアクセサリーをまとめて手に入れたい方向けの標準的なセットです。

セット内容の例:

  • GoPro HERO13 Black カメラ本体
  • Enduroバッテリー (2個): HERO13 Blackは新しい1900mAhのEnduroバッテリーを使用しており、旧モデル(HERO12 Blackなど)の1720mAhバッテリーよりも容量が増え、低温環境でのパフォーマンスも向上しています。予備が1個付いているので、長時間の撮影でも安心です。
  • The Handler (フローティングハンドグリップ): 水に浮くため、水辺での撮影に最適です。手持ち撮影での安定性も向上します。
  • 粘着性ベースマウント (曲面) (2個): ヘルメットなど、曲面のある場所にGoProを固定するための強力なマウントです。
  • microSDカード (通常64GBまたは128GBのSanDisk製など): 高解像度動画の記録に必要な高速SDカードが含まれています。
  • 携帯ケース: GoPro本体と付属アクセサリーを安全に収納・持ち運びするためのケースです。
  • USB-Cケーブル: 充電やデータ転送に使用します。

特徴: 撮影をすぐに始められる基本的なアイテムが揃っており、個別に購入するよりもお得な価格設定になっていることが多いです。

2. HERO13 Black Creator Edition (クリエイターエディション)

こちらは、Vlog撮影、ストリーミング、高音質な動画制作を目指すクリエイターに特化したセットです。

セット内容の例:

  • GoPro HERO13 Black カメラ本体
  • Volta (バッテリーグリップ / 三脚 / ワイヤレスリモコン): これ一つで、カメラグリップ、ミニ三脚、長時間のバッテリー(内蔵バッテリーにより最大5時間以上の5.3K30fps録画が可能)、GoProを最大30m離れた場所から操作できるワイヤレスリモコンの4役をこなします。
  • メディアモジュラー: GoProに外付けできるモジュラーで、指向性マイク内蔵、3.5mmマイク端子(外部マイク接続用)、HDMI出力ポート、コールドシューマウント(ライトや追加モニター用)を備えています。これにより、音質と拡張性が大幅に向上します。
  • ライトモジュラー: GoProに装着できるコンパクトなLEDライトで、暗い場所での撮影時に被写体を明るく照らすことができます。
  • Enduroバッテリー (通常1個): Voltaに内蔵されているバッテリーと合わせて、長時間の撮影に対応します。
  • 磁気ラッチマウント: 新しいHERO13 Blackのマグネットマウントシステムに対応し、素早くカメラを着脱できます。
  • 粘着性ベースマウント (曲面): こちらも標準セットと同様に含まれます。
  • 携帯ケース: カメラとアクセサリーをまとめて収納できます。

特徴: 音声、照明、長時間の撮影といったクリエイティブなニーズに応えるためのプロフェッショナルなアクセサリーが充実しています。特にVlogerや配信者には魅力的なセットです。

GoPro HERO13 Blackの評価

GoPro HERO13 Black 本体。上部と前面。

9つの基準で「GoPro HERO13 Black」を5段階で評価してみました。

項目別評価

画質: ★★★★☆
日中の画質は5.3K解像度と進化したHDRにより非常に美しいですが、センサーが前モデルから据え置きで、暗所性能には課題が残ります。

手ぶれ補正: ★★★★★
HyperSmooth 6.0は、激しい動きでもジンバルを使ったかのような滑らかな映像を実現し、クラス最高レベルの性能を誇ります。

耐久性・防水性: ★★★★★
水深10mの防水性能と、落下にも耐える堅牢な作りは健在。アクションカメラとして最高レベルの信頼性があります。

バッテリー性能: ★★★★☆
容量10%増の新型バッテリーにより撮影時間は確実に向上しましたが、旧モデルとの互換性がなく、競合には及ばないため星4つとしました。

携帯性: ★★★★★
ポケットにも収まるコンパクトさと約159gという軽さは、どんなアクティビティにも気軽に持ち出せるため満点です。

操作性: ★★★★☆
UIは直感的になりましたが、タッチスクリーンの反応やカバーの開閉のしやすさなど、物理的な操作性にはまだ改善の余地があります。

機能性: ★★★★★
新しいレンズシステムと自動検出機能、強化されたスローモーション、GPSの復活など、撮影の可能性を大きく広げる機能が満載です。

価格: ★★★☆☆
本体価格は妥当ですが、新機能の多くは高価な別売りアクセサリーを必要とし、システム全体のコストは高額になるため星3つとしました。

使いやすさ: ★★★★☆
自動ハイライトビデオやレンズ自動検出機能により初心者でも扱いやすい一方、全機能を使いこなすにはある程度の慣れが必要です。

総評】 ★★★★☆

正統進化と「レンズ革命」の融合

GoPro HERO13 Blackは、前モデルHERO12 Blackの優れた点を着実に進化させた、完成度の高いアクションカメラです。特に、容量が増加した新型バッテリーによる撮影時間の延長や、ユーザーからの要望が強かったGPS機能の復活は、日々の使い勝手を向上させる大きな改善点と言えます。基本的な画質や手ぶれ補正の性能はHERO12の時点ですでに高水準にありましたが、その信頼性は揺るぎません。

しかし、HERO13 Blackを単なる「改良版」以上の存在に押し上げているのは、間違いなく新しい「HBシリーズレンズ」の登場です。カメラがレンズを自動認識し、設定を最適化するインテリジェントなシステムは、まさに革命的。これまでアクションカメラが苦手としてきたマクロ撮影や、NDフィルターを使った本格的な映像表現が、驚くほど手軽に実現できるようになりました。この拡張性こそが、HERO13 Blackが持つ最大の魅力であり、映像制作の新たな扉を開く鍵となります。

残された課題とユーザーを選ぶ側面

一方で、イメージセンサーが過去2世代から据え置きであるため、暗所での撮影性能は競合製品と比較して依然として弱点です。また、新型バッテリーは旧モデルとの互換性がないため、長年のGoProユーザーにとっては乗り換えの際にバッテリー資産を活かせないというデメリットも存在します。

さらに、HERO13 Blackの真価を最大限に引き出すには、マクロレンズやNDフィルター、マグネットマウントといった別売りのアクセサリーが不可欠です。カメラ本体だけでなく、システム全体で考えるとコストは決して安くはありません。そのため、基本的な撮影性能だけを求めるのであれば、価格が下がったHERO12 Blackも依然として有力な選択肢となるでしょう。

どんな人におすすめか

結論として、GoPro HERO13 Blackは「映像表現の幅を広げたいクリエイティブなユーザー」にこそ、最もおすすめできる一台です。特に、新しいレンズシステムに魅力を感じるならば、これ以上の選択肢はありません。初めてアクションカメラを購入する方で、予算が許すのであれば、最新の機能と将来性を備えたHERO13 Blackを選ぶことで、長く満足できることは間違いないでしょう。

GoPro HERO13 Blackの価格・購入先

GoPro HERO13 Black 本体 正面

※価格は2025/11/28調査のものです。

GoPro公式サイト

  • 通常モデルが60,800円、
  • HERO13 Black + アクセサリーセットが69,800円、
  • HERO13 Black + HBシリーズレンズコレクションが103,800円、

で販売されています。

GoPro公式サイトで「GoPro HERO13 Black」をチェックする

ECサイト(Amazon、楽天、ヤフーなど)

  • Amazonで55,800円(税込)、
  • 楽天市場で54,450円、
  • ヤフーショッピングで54,450円、
  • 米国 Amazon.comで$309.99、

で販売されています。

Amazonで「GoPro HERO13 Black」をチェックする

楽天市場で「GoPro HERO13 Black」をチェックする

ヤフーショッピングで「GoPro HERO13 Black」をチェックする

米国 Amazon.comで「GoPro HERO13 Black」をチェックする

おすすめのライバル機種と価格を比較

GoPro HERO13 Black」に似た性能をもつアクションカメラも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。

GoPro HERO12 Black

GoProから発売されたアクションカメラです(2023年9月発売)。1/1.9型CMOSセンサー、背面2.27型モニター、前面1.4型モニター、1720mAhのEnduroバッテリー、底面1/4-20ネジ穴を搭載しています。

また、最大5.3Kの動画記録、HDRによる動画撮影/静止画撮影、GP-LogによるLog撮影、Bluetoothオーディオ接続での音声の取り込み(ワイヤレスイヤホン/ヘッドホンやマイクなど)、ビデオブレ補正「Hypersmooth 6.0」、「水平ロック機能」、水深10mまで対応する防水性能(保護ハウジングありで60m)、アクセサリー「Maxレンズモジュラー2.0」(別売・視野角やブレ補正などが強化)に対応しています。

価格は、Amazonで49,800円(税込)、楽天市場で60,349円(送料無料)、ヤフーショッピングで59,800円(送料無料)、米国 Amazon.comで$299.00、です。

関連記事:「GoPro HERO12 Black」の進化した点と評判、価格を紹介

Amazonで「GoPro HERO12 Black」をチェックする

GoPro HERO

GoProから発売されたエントリー向けの4K アクションカメラです(2024年9月22日発売)。

背面1.76型タッチスクリーン、1255mAhの「Enduroバッテリー」、microSDメモリーカードスロット、ヒートシンク(熱対策)、マウントフィンガー(アクセサリー接続用)を搭載しています。

また、最大4K/30fps(16:9)の4K動画記録、最大2.7K/60fpsでのスローモーション撮影、12MPの静止画撮影、手ブレ補正、「Quik」アプリ、「HyperSmoothビデオブレ補正」、水深5mまでの防水性能、アクセサリー「Floaty」(別売)、「保護スリーブ」(別売)に対応しています。

価格は、Amazonで21,497円(税込)、楽天市場で24,800円、ヤフーショッピングで35,800円、米国 Amazon.comで$199.00、 です。

Amazonで「GoPro HERO」をチェックする

Osmo Action 6

DJIから発売された1/1.1インチCMOSセンサー搭載のアクションカメラです(2025年11月18日 発売)。

内蔵50GBストレージ、1/1.1インチCMOS(正方形センサー)、155度の広角レンズ(f/2.0-f/4.0可変絞り)、フロント1.46インチ・リア2.5インチのOLEDタッチスクリーン、最大240分の撮影が可能な1950mAhバッテリー、SDカードスロットを搭載しています。

また、可変絞り(f/2.0〜f/4.0)、「4Kフリークロップモード」、「フィルムトーン」機能、「2倍ロスレスズーム」、FOVブーストレンズ(別売)、マクロレンズ(別売)、約38MP静止画、RockSteady 3.0 / 3.0+およびHorizonSteadyによる手ブレ補正、「OsmoAudio」(Bluetoothマイク直接接続)、マグネット式のクイックリリースシステム(両方向対応)、タイムコードに対応。

ジェスチャー操作、音声操作、スーパーナイトモード(動画ISO最大51200)、最大4K120fpsのフレームレート動画、スローモーション撮影(4K120fps)、10-bit D-Log Mカラーシステム、水深20m防水(ケースなし)、60m防水(ケースあり)、IP68等級の耐久性、-20℃の耐寒性(ケースなし)にも対応しています。

販売形態は、スタンダードコンボ、アドベンチャーコンボ(バッテリー3個、充電ケース、延長ロッド等付属)が用意されています。

価格は、Amazonで59,730円(税込)、楽天市場で61,270円(税込・送料無料)、ヤフーショッピングで61,270円、AliExpressで79,046円、米国 Amazon.comで$369.00、です。

関連記事:Osmo Action 6徹底レビュー!5 Proとの決定的な違いと進化点は?

Amazonで「Osmo Action 6」をチェックする

Insta360 GO Ultra

Insta360から発売されたアクションカメラです(2025年8月21日 発売)。

1/1.28インチセンサー、156°の超広角レンズ(F2.85)、アクションポッドに搭載された2.5インチのフリップ式タッチスクリーン、カメラ単体で70分、アクションポッドとの併用で200分の撮影が可能なバッテリー(カメラ: 500mAh, アクションポッド: 1450mAh)を搭載しています。

また、AI編集(FlashCut)、豊富なテンプレートを使った編集、最高4K60fpsの動画撮影、PureVideoモード、FlowState手ブレ補正技術と360度水平維持、スローモーション撮影、クリエイティブモード、AIによるノイズリダクション機能付きマイク、ジェスチャー操作、音声制御2.0、最大50MPの写真解像度、防水(カメラ本体は水深10mまで)、IPX4防滴のアクションポッド、マグネット式のマウントシステムに対応しています。

価格は、Amazonで55,000円、楽天市場で55,000円(送料無料)、ヤフーショッピングで64,800円、です。

関連記事:Insta360 GO Ultra 徹底レビュー!GO 3Sからの進化点と欠点

Amazonで「Insta360 GO Ultra」をチェックする

Insta360 Ace Pro 2

Insta360から発売されたライカレンズ搭載のアクションカメラです(2024年10月22日 発売)。

デュアルチップ、1/1.3インチ8Kセンサー、157度のライカ・ズマリットレンズ、2.5インチのタッチスクリーン(フリップ式)、180分の撮影が可能な1800mAhバッテリーを搭載しています。

また、「ポーズ録画」(録画の一時停止やキャンセル)、ジェスチャー操作、音声制御2.0(音声による操作)、AIハイライト・アシスタント、自動編集、8K30fps動画、4K60fpsアクティブHDR、PureVideoによる低照度性能、4K120fpsスローモーション、FlowState手ブレ補正技術、

風切り音を軽減するためのウィンドガード(付属)、防水(潜水ケースなしで12m、潜水ケースに入れた状態で60mまで)、マグネット式のマウントシステムに対応しています。

価格は、Amazonで51,800、楽天市場で51,800円(税込)、ヤフーショッピングで51,800円(送料無料)、です。

関連記事:Insta360 Ace Pro 2を徹底レビュー!初代からの進化点と欠点は?

Amazonで「Insta360 Ace Pro 2」をチェックする

Osmo Action 5 Pro

DJIから発売されたデュアルOLEDタッチスクリーンを搭載したアクションカメラです(2024年9月19日発売)。

1/1.3インチCMOSセンサー、新型のチップセット、47GBのストレージ、1950 mAhバッテリー、3つのマイク、SDカードスロットを搭載しています。

また、スーパーナイトモード、4:3の4K動画撮影、プリ録画機能、960fpsの超スローモーション撮影、10-bit D-Log M/HLGに対応した高画質な撮影、被写体センタリング/トラッキング機能、360°HorizonSteadyの手ブレ補正機能、

防水ケースなしで20mの防水性能、ホワイトバランス精度の向上、30WのUSB PD充電、DJI製ワイヤレスマイク「DJI Mic 2」の接続、155°の超広角撮影、4000万画素の静止画撮影、microSDカード(最大1TBまで)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1に対応しています。

価格は、Amazonで45,000円(税込)、楽天市場で45,000円(送料無料)、ヤフーショッピングで49,070円、です。

関連記事:Osmo Action 5 Pro 徹底レビュー!Action 4比較と欠点

Amazonで「Osmo Action 5 Pro」をチェックする

Osmo 360

DJIから発売される360度撮影に対応したアクションカメラです(2025年8月1日 発売)。

1/1.1インチ角型CMOSセンサー、f/1.9レンズ(シングルレンズモードで最大170°)、2.0インチモニター、最大190分(6K/24fps時)の撮影が可能な1950mAhバッテリー、128GBの内蔵ストレージを搭載しています。

また、スマートトラッキング、体性感覚フレーミング、ジェスチャーコントロールや音声操作、最大8K/50fpsのパノラマ動画、1億2000万画素のパノラマ写真撮影、手ブレ補正技術「RockSteady 3.0」および「HorizonSteady」に対応。

水深10mまでの防水性能と-20℃の耐寒性、4マイク搭載による高音質録音、Osmo Actionシリーズのアクセサリーと互換性のある磁気クイックリリースマウント、PC用編集ソフト「DJI Studio」、急速充電にも対応しています。

価格は、Amazonで50,380円(税込)、楽天市場で50,380円(送料無料)、ヤフーショッピングで56,880円、です。

関連記事:Osmo 360 レビュー!Insta360 X5比較で判明した利点と欠点

Amazonで「Osmo 360」をチェックする

Insta360 X5

Insta360から発売された8K 360度動画撮影に対応したアクションカメラです(2025年4月22日 発売)。

デュアル1/1.28インチセンサー(X4比144%拡大)、Corning Gorilla Glass採用の2.5インチ大型タッチスクリーン、2400mAhバッテリー(5.7K24fps・耐久モードで最長185分の撮影が可能)、microSDカードスロット(UHS-I V30以上のmicroSDカード対応)、4基の内蔵マイクを搭載しています。

また、最高8K@30fpsの360度動画撮影、交換式レンズシステム、超高速トリプルAIチップシステム、新ウインドガードによる風切り音の低減、マグネット式マウント、「ツイスト撮影」、ジェスチャー操作、音声制御 2.0に対応。

約72MP写真撮影、低照度性能を高めるPureVideoモード、アクティブHDR(5.7K 60fps)、強力なFlowState手ブレ補正と360度水平維持機能、光学式ウルトラハードフィルム、単体で15mの防水性能、急速充電(30W PD充電器使用時、35分で100%、20分で80%まで)、USB-C 3.0ポート、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2にも対応しています。

価格は、Amazonで67,800円(税込)、楽天市場で67,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで70,950円、です。

関連記事:Insta360 X5レビュー!X4から買い替えるべき?徹底比較して解説

Amazonで「Insta360 X5」をチェックする

他のアクションカメラと比較する

他にもアクションカメラが販売されています。2025、2024年の最新モデルもあるので、ぜひチェックしてみてください。

アクションカメラを徹底比較!画質・目的・機能重視の選び方と口コミ評価を紹介

その他のおすすめカメラ製品は?

その他のおすすめカメラ製品は以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。

【徹底比較】360度カメラのおすすめは?目的・用途別の選び方を解説

最新の360度カメラをまとめて紹介しています。

【徹底比較】タフネスデジカメのおすすめは?目的・用途別に選び方を紹介

最新のアウトドア用の防水対応デジカメをまとめて紹介しています。

【2025】instaxチェキ選び方ガイド!アナログ&ハイブリッド9機種徹底比較

最新のinstaxチェキカメラをまとめて紹介しています。