iPad Pro M1 2021をレビュー!使って分かったメリット・デメリット

iPad Pro M1 2021 外観
2021年5月21日に発売された「iPad Pro M1」(11インチ第3世代、12.9インチ第5世代)は、AppleがMacに搭載した「M1チップ」を採用するという衝撃的なアップデートにより、タブレット市場全体のパフォーマンス基準を塗り替えた注目のモデルです。

このレビューでは、M1チップがもたらす「異次元」のパワーと、12.9インチモデルにのみ搭載された「Liquid Retina XDRディスプレイ」の真価を、動画編集、ゲームプレイ、日常使いなど様々なシーンで徹底的に検証しました。

先に結論からお伝えしましょう

iPad Pro M1 の長所(Pros):

  • Macと同等の「M1チップ」による圧倒的な処理速度
  • (12.9インチ)息をのむほど美しいLiquid Retina XDRディスプレイ
  • 最大16GBの大容量RAMによるアプリの再読み込み激減
  • ビデオ会議で自動追従する「センターフレーム」機能の利便性
  • 最大40Gb/sの高速データ転送が可能なThunderbolt / USB 4ポート

iPad Pro M1 の短所(Cons):

  • M1のパワーを活かしきれないiPadOSの機能制限
  • 11インチモデルはXDRディスプレイ非搭載という明確な「格差」
  • SDカードスロットや3.5mmイヤホンジャックの廃止
  • Magic Keyboard装着時はMacBook Airより重くなる
  • ノートPCが購入できるほどの非常に高価な価格設定

総合評価:

iPad Pro M1は、「ハードウェアは未来、ソフトウェアは現在」を体現したデバイスです。映像美や将来性に投資できるクリエイターや、最高のゲーム体験を求めるユーザーにとっては最強の選択肢ですが、PCの完全な代替を期待するとiPadOSの限界に直面する可能性もあります。

この記事で分かること

  1. M1チップ搭載による前モデル(A12Z)からの具体的な性能向上
  2. 12.9インチ「XDRディスプレイ」のメリットと「ブルーミング」などの副作用
  3. 11インチモデルと12.9インチモデルの明確な違い
  4. Antutu V10ベンチマークの具体的なスコア
  5. 原神』や『崩壊:スターレイル』など重いゲームの動作(FPS)
  6. 動画編集や日常使いでのメモリ(8GB/16GB)の恩恵
  7. iPadOSの限界やSDカードスロット廃止などのデメリット
  8. 項目別に整理したリアルな口コミ情報
  9. 詳細なスペック一覧(対応バンド含む)
  10. 項目別の5段階評価総合評価
  11. 現在の中古・整備済み品の価格と購入先

この記事を最後まで読むことで、「iPad Pro M1」を購入するべきかどうかが、はっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

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公式プレスリリース:Apple、M1チップと美しいLiquid Retina XDRディスプレイを搭載した新しいiPad Proを発表 – Apple (日本)

このページ内の目次

検証してわかった「iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)」の魅力(メリット)

iPad Pro M1 2021 キーボード装着

ここでは、Macと同じM1チップを搭載し、タブレットの常識を塗り替えた「iPad Pro M1」(2021年モデル)について、実際に様々なシーンで使用して感じた具体的な魅力(メリット)を詳しくレビューしていきます。

圧倒的な処理性能「M1チップ」の衝撃

最大の魅力は、なんといってもMacBook Proにも採用された「Apple M1チップ」を搭載したことです。前モデル(2020年モデル)が搭載していたA12Z Bionicチップと比較して、CPU性能は最大50%、GPU性能は最大40%も高速化しています。実際にGeekbench 5のベンチマークスコアを比較すると、1.5倍以上もの差がついています。

このパワーは、正直なところ「オーバースペック」と感じるほどの衝撃です。『LumaFusion』や『Adobe Premiere Rush』といったアプリでの4K動画編集も、PCと遜色ないほど快適にこなせます。まさに「異次元」の処理速度で、あらゆる動作が「ヌルヌルサクサク」と実感できました。

快適さを底上げする大容量メモリ

M1チップの圧倒的な性能を確実に支えているのが、大容量のメモリ(RAM)です。ストレージ構成に応じて8GBまたは16GBのRAMを搭載しており、これは前モデル(2020年モデル)の6GBや2018年モデルの4GBから大幅に増加しました。この恩恵は日常使いでこそ絶大で、複数のアプリを切り替えても、以前は頻発していたアプリの再読み込み(タスクキル)がほとんど発生しなくなりました。Safariで多くのタブを開きながら他の作業を行っても、動作が重くなるストレスから解放されます。

息をのむ美しさ「Liquid Retina XDRディスプレイ」(12.9インチ)

12.9インチモデルを選ぶ最大の理由が、この「Liquid Retina XDRディスプレイ」です。1万個以上のミニLEDをバックライトに採用し、1,000,000:1という驚異的なコントラスト比を実現しています。『Apple TV+』でHDR対応のドラマ「SEE 暗闇の世界」を視聴したところ、暗闇の深い黒と、そこから差し込む木漏れ日の眩しさの対比が強烈で、一瞬で映像の世界に引き込まれました。この黒の表現力は、まるでハイエンドの有機ELテレビのようです。『YouTube』でのHDR動画視聴も含め、この体験は他のタブレットでは決して味わえません。

Proの名にふさわしい拡張性と新機能

Proモデルとしてのこだわりは、細部にも宿っています。接続ポートはThunderbolt / USB 4に対応し、最大40Gb/sという転送速度は前モデル(USB 3.1 Gen 2)の4倍にも達します。これにより、6K解像度の「Pro Display XDR」への出力や、外付けSSDからの大容量データ転送が劇的に高速化しました。

また、ビデオ会議で非常に便利だと感じたのが、新しい12MP超広角フロントカメラによる「センターフレーム」機能です。『FaceTime』だけでなく『Zoom』や『Teams』で試したところ、まるでカメラマンがいるかのように自動で自分を追いかけてくれるため、画面の画角を一切気にすることなく会話に集中できました。もちろん、120HzのProMotionディスプレイによる滑らかな操作感や、4スピーカーオーディオの迫力あるサウンドも健在です。

検証してわかった「iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)」の欠点(デメリット)

iPad Pro M1 2021 ディスプレイ

M1チップを搭載し、圧倒的なパフォーマンスを手に入れた「iPad Pro M1」(2021年モデル)ですが、実際に様々なシーンで使い込んでみると、その高性能さゆえのジレンマや、購入後に「こんなはずではなかった」と感じかねないいくつかの重大な欠点(デメリット)が見えてきました。ここでは、購入後に後悔しないために知っておくべきデメリットを、詳しくレビューしていきます。

M1チップのパワーを持て余す「iPadOSの限界」

M1チップはMacBook Proと同じもので、その処理速度はタブレットとしてオーバースペックなほど高速です。しかし、問題はiPadOSがその性能を全く活かしきれていない点にあります。『Final Cut Pro』や『Adobe Premiere Pro』といったMac用の本格的なプロ向けアプリは動作しません。ネット閲覧や動画視聴といった日常使いでは、M1の恩恵を劇的に感じることは少なく、正直なところ、せっかくの高性能さを十分に活かしきれていないと感じました。

マルチタスク機能もノートPCには遠く及ばず、ファイル管理は基本的な操作しかできません。WindowsノートPCの操作感に慣れていると、メール返信の際のキーボード操作やファイル操作ですらストレスを感じることがありました。結局のところ、ハードウェアがどれだけ進化しても「iPadはiPad」であり、ソフトウェアがその可能性に追いついていないのが現状です。

12.9インチ「XDRディスプレイ」の副作用

12.9インチモデルのLiquid Retina XDRディスプレイは、HDRコンテンツ再生時に強烈なコントラストを発揮しますが、ミニLED技術特有の副作用も確認できました。暗い背景で明るい文字やオブジェクトを表示すると、その周囲がぼんやりと白く光る「ブルーミング」と呼ばれる現象が発生します。通常の使用ではほとんど気になりませんが、特定の暗い映像シーンでは違和感を覚えることがありました。

さらに深刻なのは、画面の四隅や端が中央に比べてわずかに暗く見える「減光」や「」が感じられた点です。これは常に目につく可能性があり、Apple製品の完璧な仕上げ品質を期待していると、残念に感じるかもしれません。

魅力が半減する11インチモデルのディスプレイ

2021年モデルの最大のアップデートは「Liquid Retina XDRディスプレイ」ですが、これは12.9インチモデル専用の機能です。11インチモデルは、従来通りのLiquid Retinaディスプレイ(IPSパネル)を搭載しています。もちろん非常に美しい画面であることに間違いはありませんが、XDRの圧倒的なHDR表現力や黒の締まりを体験することはできません。価格差以上に明確な「格差」が設けられている点は、11インチモデルを選ぶ上で大きなデメリットとなります。

PC代わりにはなれない操作性と拡張性

Thunderboltポートは高速ですが、カメラで撮影したデータを頻繁に扱うユーザーにとって便利なSDカードスロットは搭載されていません。また、有線イヤホンを接続するための3.5mmイヤホンジャックも廃止されています。アダプタ経由での接続は可能ですが、Proモデルを名乗るのであれば、これらの拡張性は確保してほしかったところです。

コンテンツ不足で活かせないHDR性能

12.9インチモデルのXDRディスプレイの性能をフルに発揮できるHDRコンテンツは、まだ発展途上だと感じました。『YouTube』や『Apple TV+』では息をのむような素晴らしいHDR体験ができましたが、『Amazon Prime Video』や『Hulu』など、多くの主要な動画配信サービスが(記事執筆時点で)iPadアプリでのHDR再生に対応していません。最高のディスプレイを持っていても、見るものが限られているのが実情です。

高すぎる価格とキーボード装着時の「重さ」

M1チップを搭載し性能は向上しましたが、価格も非常に高価です。動画鑑賞やネット閲覧がメインであれば、iPad Airや無印モデルで十分だと感じるユーザーも多いでしょう。さらに、ノートPCのように使うために別売の「Magic Keyboard」を装着すると、総重量はMacBook Airよりも重くなってしまいます。タブレットの手軽さが失われ、この価格と重さなら最初からノートPCを選んだ方が合理的だったのではないかと感じました。

Antutuベンチマーク

iPad Pro M1 2021 チップ

iPad Pro M1(11インチ、8GBメモリ)が搭載するApple M1チップは、Antutu V10 ベンチマーク総合約182万点を記録しています。

Antutu V10.0.2 総合で「1824845」、CPUで「483703」、GPUで「755716」、MEMで「247753」、UXで「337673」

ゲーム性能

iPad Pro M1(11インチ、8GBメモリ)が搭載するApple M1チップのゲーム性能について、具体的なゲームタイトルとフレームレート(FPS)を交えて説明します。

原神

miHoYoが開発したオープンワールド・アクションRPGです。美しいグラフィックと広大な世界が特徴で、高い描画性能が求められます。M1チップを搭載したiPad Proでは、グラフィック設定を「最高」に設定した場合でも、60FPSでの安定した動作が可能です。元素爆発が多用されるような戦闘シーンや、オブジェクトが多い都市部など、特に負荷が高い状況でもフレームレートの大きな落ち込みは少なく、滑らかな映像で快適にプレイできます。

ProMotionテクノロジーにより、120FPS設定も選択できますが、長時間のプレイでは本体が熱を持つことがあります。安定性を重視するなら60FPS設定が最適です。

崩壊:スターレイル (Honkai: Star Rail)

同じくmiHoYoによるスペースファンタジーRPGで、高品質な3Dグラフィックとターン制のコマンドバトルが特徴です。このゲームもM1チップの性能を活かし、最高画質設定で60FPSを維持して非常にスムーズに動作します。iOS版では120FPSにも対応しており、M1チップ搭載のiPad Proであればその性能を十分に引き出し、戦闘中のエフェクトやキャラクターの動きを極めて滑らかに描画します。広大なマップの探索や戦闘シーンにおいても、カクつきを感じることはほとんどなく、安定したプレイが可能です。

フォートナイト

Epic Gamesが開発した、建築要素のあるバトルロイヤルゲームです。100人のプレイヤーが最後の1人になるまで戦います。M1チップは、フォートナイトを高いフレームレートで動作させる能力を持っています。グラフィック設定を「最高」にした場合でも、60FPSをほぼ維持できます。設定を少し調整すれば、120FPSでのプレイも視野に入ります。建築や素早い視点移動が求められる場面でも遅延を感じさせず、PCや家庭用ゲーム機に匹敵する快適なゲーム体験が得られます。

Call of Duty: Warzone Mobile

Activisionが送る、人気のバトルロイヤルシューター「Call of Duty: Warzone」のモバイル版です。最大120人のプレイヤーが参加する大規模な戦闘が特徴です。M1チップを搭載したiPad Proは、この要求の高いゲームも高画質設定で快適に動作させます。グラフィックを「最高」に設定しても、安定して60FPS前後を維持し、激しい銃撃戦や広大なマップでの移動もスムーズです。応答性も高く、モバイル環境でありながら本格的なシューティングゲームを存分に楽しむことができます。

Tower of Fantasy (幻塔)

Perfect Worldが開発したSFオープンワールドRPGで、プレイヤースキルが求められるアクション性の高い戦闘システムが特徴です。このゲームもM1チップのパワーにより、高画質設定で安定したパフォーマンスを発揮します。iPad Pro版では120FPS設定も可能で、非常に滑らかな映像でプレイできます。アクションが重要となるボス戦などでもフレームレートが安定しており、キャラクターのスキルや攻撃をスムーズに繰り出すことができます。広大な世界を探索する際も、美しいグラフィックを損なうことなく快適なプレイが可能です。

まとめ:ゲーム性能

提示されたベンチマークスコアが示す通り、Apple M1チップは現行のモバイル向けゲームのほとんどを最高設定で快適に動作させる卓越した性能を持っています。特にGPU性能が高いため、グラフィックスが美麗で負荷の高いゲームにおいても、高フレームレートを維持し、滑らかで没入感のあるゲーム体験を提供します。

iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)の口コミ情報 まとめ

ここでは、iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)を実際に使ったユーザーからのリアルな口コミ情報をお伝えします。

デザインと耐久性

  • アルミニウムの質感が高く、洗練されたデザインで所有欲を満たす。
  • 従来のモデルから大きな変更はなく、新鮮味はないがiPadらしいデザインである。
  • ホームボタンがなくベゼルレスなデザインがすっきりしている。
  • 11インチモデルは薄く(5.9mm)持ちやすい。
  • 12.9インチモデルは第4世代(2020年モデル)よりわずかに厚く(6.4mm)、重くなっている。
  • カラーバリエーションがスペースグレイとシルバーの2色のみで残念だ。
  • Face IDカメラが上部(縦向き時)にあるため、本体を横向きに持ってビデオ通話や認証を行う際に手でカメラを塞ぎやすい。
  • 背面のカメラの出っ張りがなければデザインとして完璧だった。
  • Thunderbolt / USB 4ポートに対応し、拡張性が高い。

ディスプレイ

11インチモデル

  • 11インチモデルはミニLED(XDR)非搭載だが、非常に美しく、明るく見やすい。
  • 11インチモデルでも120HzのProMotionテクノロジーに対応しており、スクロールやペン操作が非常に滑らかである。
  • 120Hzに慣れると60Hzのディスプレイは動作が重く(モッサリ)感じる。
  • 11インチモデルの画面端が暗く見える(減光している)場合がある。

12.9インチモデル

  • Liquid Retina XDRディスプレイは、コントラスト比が非常に高く、締まった黒を表現できる。
  • 12.9インチモデルは輝度が非常に高く(最大1000nit)、暗い部屋でHDRコンテンツを視聴すると眩しく感じるほどである。
  • 12.9インチモデルのXDRディスプレイは、「ブルーミング」(明るい部分の周囲がぼんやり光る)現象が発生するが、通常の使用で気になることはほぼない 。
  • ブルーミングよりも、12.9インチモデルの画面端(ベゼル周り)が暗く見える影の方が気になる。
  • XDRディスプレイの真価はHDRコンテンツで発揮されるが、現状(2021年時点)は対応する動画配信サービスやコンテンツが限られている。
  • HDRコンテンツをあまり見ない場合、XDRディスプレイの恩恵を感じにくく「宝の持ち腐れ」になる。
  • イラスト制作(お絵描き)用途では、12.9インチモデルのXDRディスプレイの優位性を実感しにくい。

パフォーマンス

  • M1チップの搭載により処理速度は極めて高速で、重い3Dゲームや4K動画編集(Luma Fusion)もカクつくことなく処理できる。
  • 2024年時点でも性能は申し分なく、オーバースペックだと感じる。
  • 一方で、Web閲覧や動画視聴、簡単な書類作成といった日常的な使い方では、M1の圧倒的なパワーを実感しにくい。
  • A2サイズ(350dpi)のイラスト作業において、2018年モデル(A12X)でメモリ不足警告が出たが、M1モデル(16GB)では出なかった。
  • 大容量のイラストファイル(423.9MB)の自由変形処理が、2018年モデルより倍近く速い。
  • 高負荷なゲーム(PUBG)をプレイしても発熱がまったくない 。ただし、特定の配信アプリ(Mirrativ)では発熱する。
  • メモリが8GB(または16GB)に増えたことで、複数のアプリを切り替えた際にアプリが再読み込み(タスクキル)されることがほとんどなくなった。
  • ストレージ1TB/2TBモデルはメモリ16GBだが、CLIP STUDIO PAINTなどのアプリ側が使用できるメモリ容量には制限があり、16GBの恩恵を完全には得られていない(2021年時点)。

カメラ性能

  • ビデオ通話時の「センターフレーム」機能が非常に便利で、驚いた。
  • センターフレームは、顔を認識して自動で追従し、常にフレームの中央に映るよう調整してくれる。
  • 複数人がフレームに入ると、全員が映るように自動でズームアウトしてくれる。
  • 追従動作は機械的ではなく、人がカメラを操作しているかのように滑らかである。
  • FaceTimeだけでなく、ZoomやTeamsなど他社製アプリでも利用できる。
  • ただし、薄暗い部屋では顔が認識されず、トラッキングできないことがあった。
  • 標準のカメラアプリでの動画撮影時にはセンターフレームを利用できない(2021年6月時点)。
  • 背面カメラは12MP広角と10MP超広角を搭載し、画質は十分である。
  • LiDARスキャナ(3Dスキャナ)は遊べる機能だが、実用的な活用シーンはまだ少ない。
  • デジタルノイズが目立ち、以前のiPad Proより写真やビデオの品質が悪いと感じる。

バッテリー持ちと充電

  • 11インチモデルはバッテリー持ちが非常に良く、Web閲覧テストで13時間42分持続した。これは12.9インチモデル(10時間48分)より長い。
  • 動画視聴やゲームをし続けてもかなり持つ。
  • M1チップの電力効率が良く、高負荷なゲーム中のバッテリー消費が(無印iPadと比べて)大幅に抑えられている。
  • 4年使用した旧モデルからの買い替えでは、バッテリー持ちが劇的に改善したと感じる。
  • 一方で、バッテリーの消費が早い、持ちが良くないという意見もある。
  • Magic Keyboardを接続したままスタンバイにすると、バッテリーの消耗が少し早くなる。
  • 充電速度は18Wで、他のタブレットと比較して速くはない。
  • USB PD 30W充電に対応している。

オーディオと通信性能

  • 4スピーカー(クアッドスピーカー)を搭載しており、音質が良く、包み込まれるようなサウンドである。
  • Magic Keyboardを装着して横向きで聴く音の良さに驚く。
  • 低音(ベース)が力強く、高音(シンバル)も歯切れよく響き渡る。
  • 一方で、音質は「Pro」を名乗るレベルではないという意見もある。
  • イヤホンジャックが廃止された点は不満である。

ペンとキーボード(Apple Pencil Pro、Magic Keyboard)

  • Magic Keyboardは高価だが、マグネットでの着脱が簡単で、タイピングの打鍵感も良く、購入する価値がある。
  • Magic Keyboardを装着すると、MacBook Airより重くなる。
  • ステージマネージャー機能を使う際は、外部キーボードが必須だと感じる。
  • Bluetoothキーボードとマウスを接続しても、Windows PCのようには使えず、キー配置や変換の違いでストレスがたまる。
  • Apple Pencil(第2世代)は高価だが素晴らしく、120Hzディスプレイのおかげで遅延はほとんど感じない。
  • Scribble(手書きテキスト入力)機能も実用的である。
  • 一方で、Apple Pencilはペン先が滑る、ガラスを叩く感触が悪い、描画位置のズレや「空中筆圧」(ペン先が浮いていても線が描かれる)の問題が残っている。

OSと機能

  • M1チップというMac並みのハードウェアを搭載しているにもかかわらず、iPadOSの機能制限のせいでその性能を活かしきれていない。
  • 「ノートパソコンの代わりにはならない」「パソコンと同じ感覚で使える」という両極端の意見がある。
  • iPadOSはiOSの延長線上にあり、Mac向けのアプリが使えるわけではない。
  • マルチタスク機能は改善されているが、PCのような本格的な作業にはまだ不十分である。
  • iPhoneやMacとの連携機能(ユニバーサルコントロールなど)は非常に便利である。
  • Face IDは認証が高速で、iPadがどの向きでもロック解除できるため素晴らしい。
  • ただし、横向き時にカメラを手で塞いでしまい、認証に失敗することがある。
  • iPad Airのように、電源ボタンにTouch IDも搭載してほしかった。

iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)のスペック

  • モデル: 12.9インチは第5世代・11インチは第3世代
  • ディスプレイ: 11インチ、解像度2,388 x 1,668 pxのLiquid Retina液晶 (IPS LCD/最大600 nit) 12.9インチ、解像度2,732 x 2,048 pxのLiquid Retina XDR液晶(mini-LED LCD/フルスクリーン最大1,000 nit) ※共通:ProMotionテクノロジー(120Hz) /HDR対応(ドルビービジョン、HDR10、HLG) /264 ppi /耐指紋性撥油コーティング
  • リフレッシュレート: ProMotionテクノロジーにより最大120Hzに対応
  • プロセッサ: Apple M1チップ (8コアCPU) ※4つの高性能コアと4つの高効率コア
  • GPU: Apple GPU (8コア)
  • Neural Engine: 16コア
  • RAM(メモリ): 8GB (128GB、256GB、512GBストレージ搭載モデル) 16GB (1TBまたは2TBストレージ搭載モデル)
  • ストレージ: 128GB、256GB、512GB、1TB、2TB
  • バッテリー: 11インチ: 28.65 Wh 12.9インチ:40.88 Wh
  • 充電: 20W USB-C電源アダプタ同梱
  • 背面カメラ: Proのカメラシステム:12MP広角 + 10MP超広角 + LiDARスキャナ ※スマートHDR 3対応 広角:12 MP、ƒ/1.8絞り値 超広角:10 MP、ƒ/2.4絞り値、125°視野角 TOF 3D LiDARスキャナー(深度)
  • 前面カメラ: TrueDepthカメラ:12MP超広角 ※スマートHDR 3対応 12 MP、ƒ/2.4絞り値、122°視野角
  • 動画撮影: (背面)4K @ 24/25/30/60fps (広角) 、1080p @ 25/30/60fps 、1080pスローモーション @ 120/240fps; 映画レベルのビデオ手ぶれ補正 (ジャイロ-EIS) (前面)1080p @ 25/30/60fps 、映画レベルのビデオ手ぶれ補正 (ジャイロ-EIS)
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 6(802.11ax、同時デュアルバンド対応)、Bluetooth 5.0 内蔵GPS/GNSS (※Wi‑Fi + Cellularモデルのみ対応) ※5G通信に対応 (米国のモデルは最大4Gbpsに対応)
  • インターフェース: Thunderbolt / USB 4ポート (DisplayPort、Thunderbolt 3、USB 4に対応) 、磁気コネクタ 、Smart Connector ※3.5mmイヤホンジャックなし
  • センサー: Face ID、LiDARスキャナ、3軸ジャイロ、加速度センサー、気圧計、環境光センサー
  • スピーカー: 4スピーカーオーディオ (ドルビーアトモス対応)
  • マイク: スタジオ品質の5つのマイク
  • スタイラスペン: Apple Pencil(第2世代)、Apple Pencil (USB‑C) に対応 ※別売
  • キーボード: Magic Keyboard、Smart Keyboard Folioに対応 ※別売
  • Apple Pay: 対応
  • 音声認識: Siri
  • 生体認証: Face ID (TrueDepthカメラによる顔認識)
  • OS: iPadOS 15 (※提供ファイル記載時点)
  • サイズ: 11インチ:247.6 x 178.5 x 5.9 mm / 12.9インチ:280.6 x 214.9 x 6.4 mm
  • 重量: 11インチ:466 g (Wi-Fi), 468 g (Wi-Fi + Cellular) / 12.9インチ:682 g (Wi-Fi), 684 g (Wi-Fi + Cellular)
  • カラー: シルバー、スペースグレイ
  • SIMカード: nano-SIM、eSIM ※Apple SIM対応
  • 対応バンド:Cellularモデル:
    5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n28、n38、n40、n41、n66、n71、n77、n78、n79)
    4G FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71)TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48)
    3G UMTS/HSPA/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
    2G GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)内蔵GPS/GNSS ※5G通信に対応 (米国のモデルは最大4Gbpsに対応)

iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)の評価

8つの評価基準で「iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)」を5段階で評価してみました。

項目別評価

画面の見やすさ:★★★★★

120HzのProMotionが非常に滑らか。特に12.9インチのLiquid Retina XDRディスプレイは、圧倒的な輝度とコントラストで映像美を体験できます。

スペック:★★★★★

Macと同じM1チップを搭載し、メモリも最大16GB。タブレットとしては「オーバースペック」とも言える異次元の処理速度を誇ります。

デザイン:★★★★★

薄型・軽量で洗練されたアルミニウムボディ。ベゼルが狭く、高級感のあるデザインが所有欲を満たしてくれます。

耐久性: ★★★★☆

アルミニウム製のボディやサファイアクリスタル製レンズカバーなど素材は高品質ですが、大画面のガラスは取り扱いに注意が必要です。

通信:★★★★★

5Gに対応し、ポートも超高速なThunderbolt / USB 4を搭載。Wi-Fi 6にも対応し、通信機能は万全です。

機能:★★★★★

ビデオ会議で自動追従する「センターフレーム」機能が非常に便利。LiDARスキャナ、4スピーカーオーディオなど、Proの名に恥じない多機能性を備えます。

使いやすさ:★★★★☆

Face IDは便利で動作も快適ですが、M1の性能を活かしきれないiPadOSが最大のネック。PCの代わりを期待すると使いにくさを感じる場面があります。

価格:★★☆☆☆

非常に高価です。特に12.9インチモデルや大容量ストレージを選ぶと、高性能なノートPCを超える価格になります。

総評:★★★★☆

ハードウェアは「未来」、ソフトウェアは「現在」

M1チップの搭載により、このiPad Proはハードウェア性能において、他のすべてのタブレットを引き離す圧倒的な存在となりました。特に1TB以上のモデルに搭載される16GBのRAMは、動画編集や高解像度のイラスト制作において、メモリ不足のストレスを劇的に解消してくれます。

究極のポータブルシアター(12.9インチ)

12.9インチモデルのLiquid Retina XDRディスプレイは、この製品を選ぶ最大の理由になるでしょう。HDRコンテンツを再生した際の黒の深みとピーク輝度は、まさに「息をのむ美しさ」であり、映像体験を根底から変える力を持っています。4スピーカーオーディオと組み合わせれば、これ以上のポータブルシアターは存在しません。

「Pro」の可能性を広げる機能

Thunderboltポートの搭載により、外部ストレージへのアクセス速度が劇的に向上し、6Kディスプレイへの出力も可能になりました。また、ビデオ会議で非常に実用的な「センターフレーム」機能も、このモデルで初めて搭載された大きな魅力です。

最大の課題は「iPadOS」

これだけのモンスターマシンでありながら、その性能をフルに発揮できるかはiPadOSにかかっています。実際に使ってみると、M1のパワーを持て余してしまう場面が多く、PCの完全な代替とは言えません。しかし、このオーバースペックな性能は、数年後も快適に使い続けられるという「将来性」への投資でもあります。価格は非常に高いですが、最高のタブレット体験を求めるならば、間違いなく最強の選択肢です。

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iPad Pro M1(11インチ、12.9インチ)の価格・購入先

iPad Pro M1 2021 正面の外観

※価格は2025/10/27に調査したものです。価格は変動します。

11インチモデル: 第3世代

  • Amazonで89,800円(税込・整備済み品)、
  • 楽天市場で74,000円〜(送料無料・中古)、

で販売されています。

12.9インチモデル: 第5世代

  • Amazonで106,500円(整備済み品)、
  • 楽天市場で70,000円~(中古)、
  • ヤフーショッピングで103,000円(中古・Aランク品)、

で販売されています。

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