2019年3月7日にHPから発売された小型PC「HP 260 G3 DM」をレビュー。スペック、ベンチマーク、性能、価格やASUS「VivoMini UN45H」との比較、違いも紹介します。
「HP 260 G3 DM」のコスパは本物か?
「HP 260 G3 DM」には低電力で動作するインテル Celeron 3865Uプロセッサと第7世代のインテル Core i3-7130U、Core i5-7200Uを搭載したモデルが用意されている。
第7世代のインテル Core iプロセッサを搭載したモデルは他に、「ASUS VivoMini VC66」、「Intel NUC Core i3 7100U」(BLKNUC7I3DNHNC)などがある。
一方、最安モデルとなるCeleron 3865Uは3万円台という低価格で、ASUS「VivoMini UN45H」や「LIVA Z2」、「LIVA Z (N4200)」などとちょうど同じ価格帯となる。
手頃な価格で購入できる小型PCは以前から高いニーズがあることから、「HP 260 G3 DM」に注目が集まるのは必須。
特にこれまで低価格な小型PCとして人気の高かったASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z) と、最近発売された低価格でハイスペックな小型PC「Jumper EZbox i3」と競合していくことは間違いなさそうだ。
「HP 260 G3 DM」
「HP 260 G3 DM」はWindows 10 を搭載した小型PC。手にひらサイズの小型ボディにCeleron 3865U、Core i3-7130U、Core i5-7200U プロセッサと4 / 8GB メモリを搭載。500GB / 1TB HDD、タワースタンド(付属)、M.2ストレージの拡張スロットを備えるほか、2画面表示、有線LAN、VESAマウントにも対応している。
「HP 260 G3 DM」のスペック
- プロセッサ Celeron 3865U、Core i3-7130U、Core i5-7200U
- GPU インテル HD グラフ ィ ッ クス 610 / インテル HD グラフィックス 620
- RAM(メモリ) 4 GB or 8GB
※PC4-17000 (2133MT/s) 4GB×1 (最大32GB)
※Core i3-7130U、Core i5-7200U搭載モデルは8GB(最大32GBまで) - ストレージ 500GB HDD / 1TB HDD
※SATA/600(7,200rpm)
※Core i3-7130U、Core i5-7200U搭載モデルは1TB (SATA/600・7,200rpm) - 拡張スロット M.2 2230/2280×1スロット(空1)(for storage) M.2 2230×1スロット(空1)( for WLAN)
- 拡張ベイ 内部 2.5インチ×1(空0)
- 通信 有線LAN(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)
- ネットワークコントローラー Realtek RTL8111HSH-CG ギガビッ ト ネッ ト ワーク コネクショ ン
- インターフェース USB3.1×4(前面2、背面2)、USB2.0×2 (背面2)、VGA×1、HDMI×1、RJ45、マイク、ヘッ ド フ ォン×1。
- キーボード USBスリムスタ ンダード キーボード (日本語版109Aキーボード )
- マウス USB光学マウス
- OS Windows 10 Home (64bit)
- サイズ 177×175×34.2 mm
- 重量 約1.25kg (タ ワースタ ン ド 含まず)
- カラー ブラック
- 発売日 2019年 3月 7日
「HP 260 G3 DM」のベンチマーク
「HP 260 G3 DM」のベンチマークスコアを紹介します。
<CPU> Celeron 3865U
Passmarkによるベンチマークスコアは「1898」(CPU)。
<CPU> Corei3-7130U
Passmarkによるベンチマークスコアは「2934」(CPU)。
<CPU> Core i5-7200U
Passmarkによるベンチマークスコアは「3369」(CPU)。
<GPU> インテル HD グラフ ィ ッ クス 610
3DMark Fire Strike [DX11_1920x1080] によるグラフィックスコアは「553」。
<GPU> インテル HD グラフィックス 620
3DMark Fire Strike [DX11_1920x1080] によるグラフィックスコアは「808」。
「HP 260 G3 DM」の性能
「HP 260 G3 DM」の性能を、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)との違いをふまえてまとめてみました。
プロセッサ・メモリ・グラフィックの性能
最安となる「HP 260 G3 DM」エントリーモデルのプロセッサはインテル Celeron 3865U デュアルコア 1.80 GHz 、RAM(メモリ)は4 GBを搭載。14nmプロセスで製造された64ビット対応のプロセッサで、最大1.80 GHzの周波数で駆動。グラフィック(GPU)はインテル HD グラフ ィ ッ クス 610を採用し、動画やゲームを滑らかに再生する。
また、インテル Core i3-7130U 、インテル Core i5-7200Uを搭載するモデルも用意。メモリは8GBで、最大32GBまで拡張できる。
一方、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)のCeleron N3000(2コア、1.04GHz)で、メモリ 2GB(最大8GB)。Passmarkによるベンチマークスコアは「909」(CPU)だった。
ストレージの性能
「HP 260 G3 DM」は500GB HDD(SATA/600・7,200rpm)ストレージを搭載。空きスロットが1つあり、M.2のストレージを拡張できるようになっている。内蔵ストレージは2.5インチで、空きスロットはない。
また、インテル Core i3-7130U、インテル Core i5-7200U搭載モデルのストレージ容量は1TB (SATA/600・7,200rpm)となる。
一方、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)のストレージは 「32GB SSD M.2」だった。
通信の性能
「HP 260 G3 DM」は有線LAN(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)をサポートする。Wi-Fi、Bluetooth接続には対応しないようで、別途アダプターが必要になる(※Amazonで千円ほど)。
一方、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)は Wi-Fi 802.11n/g/b、Bluetooth 4.0、有線LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)に対応していた。
インターフェースの性能
「HP 260 G3 DM」のインターフェースはUSB3.1×4(前面2、背面2)、USB2.0×2 (背面2)、VGA×1、HDMI×1、RJ45、マイク、ヘッ ド フ ォン×1。
VGAに加えてHDMIを標準装備し、2画面表示にも対応。表示領域を拡大し、複数のアプリケーションを同時に表示できるため、より効率的に作業できる。また、同梱のタワースタンドを使った設置のほか、モニターの背面へのダイレクトマウントやモニターアームへの設置など、用途に適した多彩な使い方ができる。
一方、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)のインターフェース はUSBポート:USB3.0×2 (左側面)、USB3.0×2 (背面) /外部出力:HDMI 1.4a×1、D-Sub×1だった。
ボディ・筐体の性能
「HP 260 G3 DM」のボディには幅34mm、容量わずか1リットルの超小型デザインを採用。縦置き・横置きも可能になっている。
また、VESA規格に対応し、PC本体とモニターと一体化するDMモデル専用「 モニターマウントキット 」が利用可能。テーブルの板下や壁面にPC本体を取り付けることが可能な「 HP フラットパネルモニターQuick Release 」、「HPシングルモニターアーム」とモニターの間にPC本体を挟みこむことが可能な「 VESAジャケット 」、モニター背面に直接DMを一体化させることが可能な「 ダイレクトマウント対応モニター 」(※オプションの「HP フラットパネルモニターQuick Release」を使用)も利用できる。
サイズは177×175×34.2 mmで、重量は約1.25kg(タ ワースタ ン ド 含まず)。カラーはブラックをラインナップする。
一方、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)のサイズは 幅131mm×奥行き131mm×高さ42mmで、重量 は約0.6kgだった。
「HP 260 G3 DM」とASUS「VivoMini UN45H」の違い
「HP 260 G3 DM」はASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z) とどのように違っているのだろうか? スペックや機能を比較しながら、その違いを明らかにしてみよう。
動作スピードは「HP 260 G3 DM」が有利
「HP 260 G3 DM」の最安エントリーモデルはインテル Celeron 3865U プロセッサを搭載し、Passmarkによるベンチマークスコアは「1898」(CPU)。一方、最安モデルとなるASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)はCeleron N3000を搭載し、Passmarkによるベンチマークスコアは「909」(CPU)。
ベンチマークスコアは「HP 260 G3 DM」の方が約2倍高く、動作スピードで大きな差があることが分かる。また、「HP 260 G3 DM」のメモリが4GB (最大32GB)で、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)のメモリが2GB(最大8GB)であることから、「HP 260 G3 DM」の方がよりスムーズに動作することが分かる。
ストレージ容量は多め
「HP 260 G3 DM」の最安エントリーモデルは500GB HDDを搭載し、M.2ストレージを拡張できるようになっている。一方、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)のストレージは 「32GB SSD M.2」で、高速だが容量は少ない。容量を増やすためにはSSD ストレージごと交換する必要がある。
無線LAN&Bluetoothに対応せず
「HP 260 G3 DM」の公式ページで確認したところ、無線LANとBluetoothの記載がなく、どうやら有線LANのみに対応しているようだ。これはおそらく「HP 260 G3 DM」がもともとビジネスモデルとして販売されたもので、用途に合わせてアダプターをつけることを前提に設計されたことが原因だと思われる。
Wi-Fi、BluetoothのアダプターはAmazonで千円ほどで購入できるが、余計なコストがかかるのはマイナス点といっていいだろう。ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)は有線LANはもちろん、 Wi-Fi 802.11n/g/b、Bluetooth 4.0にも対応している。
サイズは少し大きめ
「HP 260 G3 DM」のサイズは177×175×34.2 mmで、重量は約1.25kg。一方、ASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)のサイズは 幅131mm×奥行き131mm×高さ42mmで、重量 は約0.6kg。「HP 260 G3 DM」の方が幅や奥行きなどで4cmほど大きいことが分かる。また、重さに関しても約650gほど「HP 260 G3 DM」の方が重くなる。
キーボードとマウスは有線接続
Amazonで販売されている「HP 260 G3 DM」は、有線式のUSBキーボードと光学マウスが付属する(※HP公式ショップは別売)。ワイヤレスで使用する場合は、別途アダプターが必要になる。一方、公式ショップで販売されているASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z)の方はワイヤレス接続のキーボードとマウスが付属する(※Amazonは不明)。
参考資料「VivoMini UN45H」(VM163Z)のスペック
- プロセッサ Celeron N3000(2コア、1.04GHz)
- GPUはインテル HD グラフィックス (CPU内蔵)
- メモリ 2GB / 最大8GB (DDR3L-1600 (PC3L-12800))
- ストレージ 32GB SSD M.2
- インターフェース USBポート:USB3.0×2 (左側面)、USB3.0×2 (背面) /外
- 部出力:HDMI 1.4a×1、D-Sub×1
- 映像出力 3,840×2,160ドットの4K UHD出力
- 通信 Wi-Fi 802.11n/g/b、Bluetooth 4.0、有線LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)
- サウンド インテル ハイ・デフィニション・オーディオ
- 静音動作 対応
※完全ファンレス動作モデル UN45-VM163Z もあり - 電源 ACアダプター
- 消費電力:最大約45W
- VESAマウント 対応
- サイズ 幅131mm×奥行き131mm×高さ42mm
- 重量 約0.6kg
- カラー ミッドナイトブルー
- OS Windows 10 Home 64bit
- 主な付属品 キーボード(ワイヤレス)、マウス(ワイヤレス)、ACアダプター、
- 製品保証書、ユーザーマニュアル、VESA規格対応マウント
「HP 260 G3 DM」は買うべきか?
「HP 260 G3 DM」は本当に買うべき小型PCなのだろうか? 同じ3万円台のASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z) 、「LIVA Z2」、「LIVA Z (N4200)」、「Jumper EZbox i3」などと比較しながら検討してみよう。
動作スピード&HDD容量でリード
「HP 260 G3 DM」はすでに見たようにASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z) よりも動作スピードが速く、HDDストレージ容量も多めになっているのが特徴的だ。
動作スピードに関していえば「LIVA Z2」(ベンチマークスコア「2310」)、「LIVA Z (N4200)」(ベンチマークスコア「2027」)よりもわずかに劣る程度で、WebブラウジングやOfficeアプリを使った文書作成、軽めのゲーム・動画の録画などは快適に動作するだろう。
また、ストレージ容量は500GBと、32GBのASUS「VivoMini UN45H」(VM163Z) 、「LIVA Z2」、「LIVA Z (N4200)」よりも大きく上回る。SSDでなく、動作が遅めのHDD仕様だが、これはM.2の拡張スロットにSSDを追加することで解消されるだろう(Amazonで3千円程度)。
ただし、最近では3万円台で第 5 世代のIntel Core-i3-5005Uプロセッサを搭載する「Jumper EZbox i3」が販売されており、コストパフォーマンスの面で「HP 260 G3 DM」が最も高いとはいえない。「Jumper EZbox i3」はメモリ8GB Rと高速な128GB SSDを搭載しており、スペック・性能面で現在販売されている小型PCを圧倒している。
弱点は通信面 余計なコストもかかる
すでに述べたように「HP 260 G3 DM」は無線LANとBluetoothに対応しておらず、有線LANのみに対応している。もちろん、別途アダプターを用意することで、この問題は解消されるが、その分余計なコストがかかってしまうのが弱点である。
付属のUSBマウスとキーボードが有線式のために、ワイヤレスに変更する場合は別途ワイヤレスキーボードとマウスを購入する必要があり、この点でも余計なコストがかかってしまう。「HP 260 G3 DM」は最新のプロセッサと大量データを保存できるHDDストレージを搭載するというメリットあるが、購入後にもある程度コストがかかってしまうのが難点だ。
「HP 260 G3 DM」
「HP 260 G3 DM」は、
Amazonで73,700円(5%OFF・Core i5)、
楽天市場で59,800円 (税込・Core i5)、
ヤフーショッピングで54,500円(※Corei3-7130U)、
HP直販サイトで49,800〜円(税抜・Core i3-7130U)で販売されています。
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