2025年5月、折り畳み式の携帯ゲーム機「ANBERNIC RG34XXSP」が発売されました。 クラシックなクラムシェルデザインを継承しつつ、現代の技術でさらなる進化を遂げたこのモデルは、多くのゲーマーにとって新たなレトロゲーム体験の扉を開く可能性を秘めています。
ANBERNIC RG34XXSPの魅力
最大の魅力は、ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせる折りたたみ式のデザインで、前モデル以上に快適に動作するように改善された点です。プロセッサは前モデルと同じAllwinner H700 クアッドコアですが、メモリ容量がなんと2倍の2GB RAMに。これにより以前は少しもたつきを感じたPSPの重量級タイトルなども、目に見えてスムーズに動作するようになっています。
さらに、3.4インチのディスプレイは解像度640×480から720×480になり、より高精細な表示が可能に。アスペクト比も4:3から3:2に変更され、GBAの名作ゲームをオリジナル比率を保ったままプレイできるようになりました。
そのほかにも、「日本製メタルドーム」採用ボタンや「沈み込み式デュアルジョイスティック」を採用し、操作性が大幅に向上。E-bookリーダーやビデオプレイヤー、音楽プレイヤーなどのゲーム以外のエンタメ機能はもちろん、WiliWiliオンライン再生機能といった新しいマルチメディア機能が追加されるなど、前モデル以上に魅力あふれる携帯ゲーム機に進化しています。
この記事でANBERNIC RG34XXSPを徹底解剖!
この記事では、そんな魅力あふれるANBERNIC RG34XXSPの持つ性能や多彩な機能を、
開封の儀からデザイン、ディスプレイの視覚体験、操作フィーリング、実際のゲームプレイ検証、バッテリー持続力、ソフトウェア環境に至るまで、徹底的に深掘りして紹介していきます。
特に、多くのユーザーが気になるであろう前モデルANBERNIC RG35XXSPからの進化点や違いに焦点を当て、それぞれの特徴を比較しながら、RG34XXSPがどのようなユーザーにとって最適な選択となるのかを明らかにしていきます。
【この記事で分かること】
- ANBERNIC RG34XXSPの最新スペックと、箱出しから感じた第一印象
- 前モデルANBERNIC RG35XXSPと比較した際の、具体的な進化点と変更点
- GBAタイトルをはじめ、各種レトロゲームエミュレーターの実際の動作感とプレイフィール(操作性、反応性など)
- 高解像度3:2ディスプレイの見やすさ、進化したボタンやジョイスティックの操作性
- RAM倍増がパフォーマンスに与える影響と、バッテリーの実用的な持続時間
- WiliWiliオンライン再生機能やその他のマルチメディア機能、接続ポートの使い勝手
- ANBERNIC RG34XXSPののストレージと収録ゲームについて
- ANBERNIC RG34XXSPのメリット・デメリット、そしてどんな人におすすめできるか
- 他の類似携帯ゲーム機との比較と、RG34XXSPのコストパフォーマンス
- 購入を検討する上で役立つ、総合的な評価と購入アドバイス
この記事を最後まで読むことで、ANBERNIC RG34XXSPが本当に「買い」なのか、その判断材料がきっと見つかるはずです。購入を迷われている方はもちろん、最新のレトロゲーム機に興味がある方も、ぜひ参考にしてみてください。
この製品の購入はこちら→ Amazon リンク / AliExpress リンク
公式ページ:ANBERNIC RG 34XXSP
価格をチェック!ANBERNIC RG 34XXSPは他の携帯ゲーム機よりも安い?
ANBERNIC RG 34XXSPはANBERNIC公式サイトで64GBモデルで$66.99 USD(日本円で9619円)で販売されています。64GB+128GBモデルで$81.99 USD(約11772円)、64GB+256GBモデルで$96.99 USD(13926円)です。
一方、ECサイトのAmazonでは12,999円で販売中。海外ストアのAliExpressでは11,612円(64GBモデル/64+128GBモデルは13,817円、64+256GBモデルは16,022円)、米国 Amazon.comで$99.99で販売されています。
ANBERNIC RG 35XXSP
2024年5月17日に発売された「ANBERNIC RG 35XXSP」はAmazonで11,499円で販売中です。こちらは、携帯性に優れた折り畳みデザインが魅力のLinux搭載ゲーム機です。Allwinner H700プロセッサと1GB RAMを搭載し 、3.5インチの鮮明なIPS液晶で 、快適なゲームプレイが可能です。注目すべきは、開閉だけで起動・スリープするホール磁気スイッチで 、操作もスマートです。
さらに、HDMIでの大画面出力 、ストリーミングプレイ 、オンライン対戦にも対応し 、遊びの幅を広げます。Wi-Fi 5やBluetoothもサポートし 、約8時間持続するバッテリー と最大512GBまで拡張可能なストレージも 、長時間のプレイを支えます。多彩な機能をコンパクトな一台に凝縮した、遊び心を刺激するデバイスです。
Miyoo Flip
2025年1月5日に発売された「Miyoo Flip」はAmazonで12,999円で販売中です。こちらは、わずか130gという軽量さが際立つフリップ式の携帯ゲーム機です。 Rockchip RK3566プロセッサを搭載し 、3.5インチIPS液晶でゲームを楽しめます。 LinuxベースでRetro Archに対応し、Onion OSもサポートしているため、カスタマイズの自由度が高いのも魅力です。
デュアルジョイスティックや振動モーター、Hi-Fiスピーカーといった充実の機能を備え 、Wi-Fi通信やHDMI出力にも対応しています。 携帯性と機能性を両立し、多彩なレトロゲームを遊びつくしたいユーザーに最適な一台と言えるでしょう。
Retroid Pocket Flip 2
2025年4月に発売された「Retroid Pocket Flip 2」はAliExpressで37,140円で販売中です。こちらは、5.5インチの鮮やかなAMOLEDディスプレイを搭載したフリップ型ゲーム機です(Android 13搭載) 。Qualcomm Snapdragon 865またはMediaTek Dimensity D1100という高性能CPU、8GB RAM、128GBストレージを備え、Android 13で動作するため多彩なゲームやアプリを利用可能です 。
アナログL2/R2トリガーや3Dホールスティックによる本格的な操作感に加え、アクティブ冷却システムが長時間の安定したプレイをサポートします 。DisplayPortでの映像出力やWi-Fi 6にも対応し、据え置き機のような体験も可能です 。パワフルさと多機能性を兼ね備えた、本格派ユーザーも満足させる一台です。
Powkiddy V90 (2022)
2022年9月に発売された「Powkiddy V90 (2022)」はAmazonで6,999円で販売中です。こちらは、ポケットに収まるほどコンパクトな折り畳み式のミニゲーム機です 。ARM9プロセッサを搭載し 、Linuxベースのシステムで13種類ものエミュレーターに対応しています 。これにより、多種多様なレトロゲームを手軽に楽しむことができます。
3.0インチのIPS液晶は見やすく 、ショルダーボタンやデュアルステレオスピーカーも備えており 、小さいながらも本格的なゲーム体験を提供します。手軽さと多彩なレトロゲームへのアクセスを求める方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
まとめ
ANBERNIC RG 34XXSPは、公式サイトで約9,619円($66.99 USD)から販売されています。この価格は、他の携帯ゲーム機と比較すると、Powkiddy V90 (2022)のAmazon価格6,999円に次いで手に取りやすい価格帯です。Miyoo Flip(Amazonで12,999円)よりは明確に安価であり、特に高性能モデルのRetroid Pocket Flip 2(AliExpressで37,140円)と比較すると、大幅に低価格です。
価格については、Allwinner H700プロセッサ搭載やHDMI出力、ホール磁気スイッチといった充実した機能を総合的に考慮すると、「比較的安価であり、コストパフォーマンスに優れたモデル」と言えるでしょう。特にRAMが2GBである点は、1GB RAMであったANBERNIC RG 35XXSP(以前の情報に基づく)と比較して性能向上が期待できるポイントです。
最も安くお買い得なモデルをお探しの場合、純粋な価格の安さではPowkiddy V90 (2022)が6,999円と最も低価格です。しかし、ANBERNIC RG 34XXSPは1万円を切る価格からでありながら、より新しい世代の機能や性能を備えているため、価格と機能のバランスを重視する方にとっては、非常にお買い得感の高い選択肢となります。
デザインチェック:RG34XXSPの手に馴染むコンパクトボディと進化した質感
ついにANBERNIC RG34XXSPが手元に届きました!期待に胸を膨らませながらパッケージを開封すると、まず目に飛び込んできたのはシンプルながらも高級感のあるギフトボックスです。中にはRG34XXSP本体、USB充電ケーブル、ユーザーマニュアル、そしてスクリーンプロテクターが丁寧に収められていました 。
本体を初めて手に取った瞬間、そのコンパクトさと質感の良さに思わず「おおっ」と声が漏れました。まさに所有欲を満たしてくれる、そんな第一印象です。
クラムシェルデザインとカラーバリエーション
RG34XXSPは、多くのレトロゲームファンにとって馴染み深いクラムシェルデザインを採用しており 、どこか懐かしさを感じさせます。まるで、かつて夢中になったゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせる佇まいです。カラーバリエーションはYellow, Gray, Black, Indigoの4色が用意されており 、私が選んだのは鮮やかなYellowモデルで、そのポップな色合いは往年の名機を彷彿とさせ、持っているだけで心が躍ります。
前モデルのANBERNIC RG35XXSPがグレー、シルバー、クリアブルーなど豊富なカラー展開だったのに比べ、RG34XXSPはよりクラシックで落ち着いたラインナップと言えるでしょう。
ビルドクオリティと質感の進化
実際に触れてみると、RG34XXSPのビルドクオリティの高さに感心させられます。特にヒンジ部分は秀逸で、非常に滑らかに開閉でき、カチッと小気味よく閉まる感触はまさに絶妙です 。ANBERNIC RG35XXSPのヒンジも良好でしたが、RG34XXSPはさらに洗練され、Miyoo Flipのような他社製品とは比較にならないほどの安心感があります 。
ボタンの質感も良好で、押したときのフィードバックがしっかりと感じられます。個人的な意見2で触れられていたように、ABXYボタンとD-padはRG35XXSPよりも静かになった印象で、夜間のゲームプレイでも周囲を気にせず集中できそうです 。
前モデルからの小型軽量化
ANBERNIC RG34XXSPは、前モデルのRG35XXSPと比較して、わずかながら小型軽量化が図られています。RG35XXSPが長さ8.9cm、幅8.5cm、高さ2.7cm、重量0.192kgであったのに対し 、RG34XXSPは長さ8.3cm、幅8.2cm、高さ2.5cm、重量0.178kgと、全体的に一回りコンパクトになっています 。
この数値上の違いは小さいかもしれませんが、実際に手に持つとその差は明確で、よりポケットに収まりやすく、長時間のプレイでも疲れにくい印象を受けます。まさに「コンパクト、丈夫、そして超ポータブル」という言葉がぴったりの仕上がりです 。
細部のデザインについて
細部に目を向けると、RG34XXSPのディスプレイ上部、いわゆる「額」の部分がRG35XXSPに比べてやや広めに感じられるかもしれません 。これは好みが分かれる部分かもしれませんが、個人的にはクラシックな雰囲気を強調しているようにも思え、すぐに慣れました。むしろ、ゲーム画面への没入感を高める要素として機能しているように感じます。
まとめ:デザインと外観
- パッケージ内容は本体、USB充電ケーブル、マニュアル、スクリーンプロテクターと充実 。
- 所有欲を満たすクラムシェルデザインで、GBA SPを彷彿とさせる 。
- カラーはYellow, Gray, Black, Indigoの4色展開 。
- ヒンジの作りが秀逸で、スムーズかつ確実な開閉が可能 。
- ボタンの質感も良好で、RG35XXSPより静音性が向上した印象 。
- RG35XXSPより小型軽量化(長さ-0.6cm、幅-0.3cm、高さ-0.2cm、重量-0.014kg)され、携帯性が向上 。
- ディスプレイ上部の「額」はやや広めだが、クラシックな雰囲気を醸し出す 。
ディスプレイ徹底解剖:ANBERNIC RG34XXSPの3:2比率と高解像度な映像体験
ANBERNIC RG34XXSPを手にして、ゲームを起動した瞬間に心を奪われたのが、この美しく進化したディスプレイです。前モデルのANBERNIC RG35XXSPが3.5インチで解像度640×480だったのに対し、RG34XXSPはわずかにコンパクトな3.4インチながら、解像度は720×480へと向上しています。
この解像度の向上は伊達ではなく、文字の視認性が上がり、細部の表現力が増したことで、ゲームプレイがより一層快適になりました。まるで視界がクリアになったかのような感覚で、長時間のプレイでも目の疲れを感じにくくなったのは嬉しい驚きです。
GBAとの完璧な調和:3:2アスペクト比の奇跡
注目は、ディスプレイのアスペクト比が前モデルRG35XXSPの4:3(一般的なレトロゲーム機で採用される比率)から、ゲームボーイアドバンス(GBA)と同じ3:2へと変更された点です。 これはGBAファンにとってまさに福音と言えるでしょう。この変更により、例えば『黄金の太陽 開かれし封印』の壮大な世界観や、『メトロイドフュージョン』の緻密なグラフィックが、開発者の意図した通りの完璧なバランスで表示されるのです。
ANBERNICの公式情報によれば、GBAゲームは3倍のピクセルパーフェクトスケールでレンダリングされるとのことで、これにより比類なき視覚的忠実度が実現されています。 実際にGBAのゲームをプレイしてみると、画面いっぱいに広がる歪みのない映像は、かつて小さな画面で遊んだ記憶を鮮やかに蘇らせつつ、より鮮明で美しい体験を提供してくれます。このアスペクト比のおかげで、GBAのゲームが格段にプレイしやすくなったと断言できます。
IPSとOCA技術による鮮明な映像美
RG34XXSPは、IPS全視野角OCAフルラミネーションディスプレイを採用しています。 IPSパネルのおかげで視野角は非常に広く、どの角度から画面を見ても色味の変化が少なく、美しい映像を保ちます。これは、友人と一緒に画面を覗き込んだり、少しリラックスした体勢でプレイしたりする際に大きなメリットとなります。
前モデルRG35XXSPと同様に、斜めからの角度でも視認性は抜群です。また、OCAフルラミネーション技術により、ディスプレイ表面の反射が抑えられ、屋外など光のある環境でも画面が見やすくなっています。発色に関しても、レトロゲームの持つ独特の色合いを忠実に再現しつつ、鮮やかで深みのある表現力で、ゲームの世界に没入させてくれます。
RG35XXSPの時点でレトロゲームをプレイするには十分なレベルでしたが、RG34XXSPでは解像度が上がったことで、その美しさがさらに際立っているように感じました。
まとめ:ディスプレイ
- ディスプレイサイズは3.4インチ、解像度は720×480に向上し、RG35XXSP(3.5インチ、640×480)より高精細に。
- 解像度向上により、文字の視認性や細部の表現力がアップし、ゲームプレイがより快適に。
- アスペクト比が3:2に変更され、GBAゲームとの親和性が劇的に向上。
- GBAゲームは3倍ピクセルパーフェクトスケールで表示され、視覚的忠実度が高い。
- IPS全視野角OCAフルラミネーションディスプレイにより、広視野角とクリアな表示、良好な発色を実現。
操作性を検証:ANBERNIC RG34XXSPの新ボタンと新ジョイスティックの実力は?
ここでは、ANBERNIC RG34XXSPの操作フィーリング、特に進化したとされるボタンや新たに搭載されたジョイスティック、そしてクラムシェルならではのヒンジ構造について、実際にゲームをプレイした感想を交えながら詳しく検証していきます。
「日本製メタルドーム」採用ボタンの小気味よい反応
RG34XXSPのフェイスボタンには、「Imported Japanese Metal Dome」が採用されていると公式に謳われています 。これによる「超高感度で瞬時に反応し、完璧なボタンフィードバックを提供する」という説明には期待が高まります 。
実際に『ストリートファイターZERO3』のような格闘ゲームでコマンド入力を行ったり、『R-TYPE FINAL』のような精密な操作が求められるシューティングゲームをプレイしてみると、ボタンの反応は確かによく、入力が遅れるような感覚はありませんでした。特に連打や素早い入力に対しても、しっかりと応えてくれる印象です。
ただ、「超高感度で瞬時に反応」というレベルかと言われると、そこまで劇的な違いを感じるかはいささか疑問です。前モデルRG35XXSPと比較して、ボタンの反応速度が若干向上したようにも感じますが、意識して比較しなければ気づかない程度かもしれません。とはいえ、この「クリック感のあるコントロール」 は、入力の確かな手応えとしてプレイヤーに伝わり、快適な操作感に貢献していることは間違いありません。
「沈み込み式デュアルジョイスティック」による新たな操作の可能性
RG34XXSPの大きな進化点の一つが、デュアルアナログスティックの搭載です。前モデルRG35XXSPにはなかったこの機能は、プレイできるゲームの幅を大きく広げてくれます。採用されているのは「Sunken Dual Joysticks」(沈み込み式デュアルジョイスティック)で、本体から大きく突出しないよう巧妙に配置されており、意図しない誤操作を減らす工夫が凝らされています 。
これまで格闘ゲームでは十字キーをメインに使用していましたが、このジョイスティックを試してみると驚きました。『THE KING OF FIGHTERS ’98』のような複雑なコマンドも、想像以上に正確に入力でき、技がスムーズに出せたのです。十字キー派だった私も、これなら格闘ゲームでもジョイスティックを使えるかもしれないと感じました。
また、PSPの『モンスターハンターポータブル 2nd G』やN64の『ゼルダの伝説 時のオカリナ』など、アナログ操作が前提となるゲームでは、その恩恵を最大限に享受できるでしょう。
安心感のあるヒンジ構造
クラムシェル型デバイスの要とも言えるヒンジ構造ですが、RG34XXSPはここにも抜かりがありません。「Alloy Axle with Multi-Angle Hover」と名付けられたこのヒンジは、90°、135°、180°といった複数の角度でしっかりと固定でき、プレイスタイルに合わせた画面調整が可能です 。
前モデルRG35XXSPのヒンジも安っぽさはなく良好でしたが、RG34XXSPではさらに剛性が高められ、信頼性が強調されているように感じます。実際に何度も開閉を繰り返してみましたが、グラつきや異音もなく、非常にしっかりとした作りです。これなら長期間使用しても故障の心配は少なそうで、安心してゲームに集中できます。
まとめ:操作性
- ボタンには「日本製メタルドーム」が採用され、良好な反応速度と確かなフィードバックを提供 。
- 格闘ゲームやシューティングゲームでも、ボタン入力の遅延は感じにくい。
- 前モデルRG35XXSPにはなかった「沈み込み式デュアルジョイスティック」を新たに搭載 。
- ジョイスティックは誤操作が少なく、複雑なコマンド入力も比較的正確に行える。
- ヒンジ構造は「Alloy Axle with Multi-Angle Hover」で、複数の角度で安定して固定可能 。
- 前モデル同様、しっかりとした作りで安心感があり、耐久性にも期待が持てる。
パフォーマンス:ANBERNIC RG34XXSPのH700とメモリ倍増がもたらす快適性
ANBERNIC RG34XXSPの魅力はデザインや操作性だけに留まりません。そのコンパクトなボディには、快適なレトロゲーム体験を実現するための確かなパフォーマンスが秘められています。本機の頭脳となるSoC(システムオンチップ)には、エントリークラスの携帯ゲーム機で採用実績の多いAllwinner H700が搭載されています。
このH700は、CPUとしてクアッドコアのARM Cortex-A53(1.5GHz駆動) 、GPUにはデュアルコアのMali-G31 MP2 を組み合わせており、これらは前モデルのANBERNIC RG35XXSPと共通のチップセットです。
このAllwinner H700というチップセットは、Antutuベンチマークスコア(V10換算)で約12万前後とされており、旧バージョンのAntutuでは約7万程度のスコアでした。この数値からもわかるように、PlayStation 1、ネオジオ、PCエンジンといった比較的軽めのレトロゲームであれば、非常に快適な動作が期待できます。
しかし、ニンテンドー64、ドリームキャスト、PSPといった、より高い処理能力を要求するタイトルに関しては、チップセットの基本的な性能からして、場面によって遅延が発生する可能性は否めません。より高性能なSoC、例えばUnisoc T820(Antutu V10で約45万)などと比較すると、処理能力には大きな隔たりがあるのが現状です。しかし、RG34XXSPが真価を発揮するのは、このSoCの基本性能に加え、目に見えない部分での重要な進化点、RAM容量です。
RAM倍増の衝撃!LPDDR4 2GBが切り開くスムーズなゲーム体験
ANBERNIC RG34XXSP最大のパフォーマンス向上点は、搭載されているRAMがLPDDR4 2GBへと増強されたことです 。前モデルANBERNIC RG35XXSPのRAMは1GBでしたので、実に2倍の容量アップとなります。このRAM倍増が、実際のゲームプレイにおいて驚くほど大きな違いを生み出しています。CPUやGPUの性能が同じでも、
この潤沢なメモリ空間が、前述したような負荷の高いゲームでの体験を改善する鍵となります。個人的な感想として、前モデルRG35XXSPでは、時折感じられた「やや動作が遅くなる」という感覚が、RG34XXSPではすっかり影を潜めました。
例えば、比較的高い処理能力を要求されるPSPのエミュレーションにおいて、その差は顕著です。以前は少しカクつきが見られたPSPの重量級タイトル、例えば『鉄拳6』や『リッジレーサーズ』といったゲームも、RG34XXSPでは目に見えてスムーズに動作するようになりました。もちろん、ゲームやシーンによっては完璧とは言えないまでも、ストレスを感じることなく楽しめるレベルに向上しているのは間違いありません。
このRAM容量の増加は、単に動作スピードが速くなるというよりは、システム全体の応答性が向上し、特に複数の処理が重なった際の遅延解消に大きく貢献しているように感じます。まさに「RAMアップグレードでよりスムーズなゲーム体験を」という公式の説明 を実感できるポイントです。
GBAなどのエミュレーションでは余裕さえ感じる快適さ
そして、RG34XXSPが得意とするゲームボーイアドバンス(GBA)のエミュレーションにおいては、この2GBのRAMはまさに「余裕」という言葉がぴったりです。
元々GBAのエミュレーションは比較的軽量ですが、RAMが増えたことで、セーブデータの読み込みやメニュー操作など、ゲームプレイ以外の部分でもよりキビキビとした動作を体感できます。お気に入りのGBAタイトルをコレクションして、サッと起動し、ストレスなく楽しむ。そんな理想的なレトロゲームライフが、このRG34XXSPではより高い次元で実現されています。
まとめ:パフォーマンス(CPUとRAM性能)
- SoCはAllwinner H700を搭載。CPUはクアッドコア ARM Cortex-A53(1.5GHz駆動) 、GPUはデュアルコア Mali-G31 MP2 で、これらは前モデルANBERNIC RG35XXSPと共通。
- Allwinner H700はエントリークラスSoCで、Antutu V10換算で約12万前後のスコア。PS1など軽めのゲームは快適だが、N64、DC、PSPなどでは遅延の可能性も。
- RAM容量がANBERNIC RG35XXSPの1GBから、RG34XXSPではLPDDR4 2GBへと倍増 。
- RAM倍増により、システム全体の応答性が向上し、前モデルで感じられた動作の遅延感が軽減。
- PSPの『鉄拳6』や『リッジレーサーズ』など、比較的処理の重いゲームもよりスムーズに動作。
- GBAなどのエミュレーションでは、2GBのRAMにより余裕のある非常に快適な動作を実現。
エミュレーターとゲームプレイ検証:ANBERNIC RG34XXSPで快適に動く?
ANBERNIC RG34XXSPの真価は、やはり実際にゲームをプレイしてこそ明らかになります。本機はLinuxベースのシステム上で動作し、多数のレトロゲームエミュレーターに対応しています 。その対応範囲は前モデルのANBERNIC RG35XXSPとほぼ同等で、非常に豊富です 。
RetroArchを介してアクセスできるエミュレーターには、PSP、ドリームキャスト(DC)、セガサターン(SS)、PlayStation(PS1)、各種アーケード(CPS1~3、NEOGEO、MAMEなど)、そしてもちろんゲームボーイアドバンス(GBA)からファミコン(FC)、スーパーファミコン(SFC)といった定番機種まで、まさにレトロゲームの宝庫と言えるでしょう。
RAM倍増の恩恵:あの「もたつき」はどこへ?
前述の通り、RG34XXSPのCPUとGPUは前モデルRG35XXSPと共通ですが、RAMは1GBから2GBへと倍増しています。このRAM増量がエミュレーターの動作にどのような影響を与えるのか、非常に気になるところです。実際に様々なゲームをプレイしてみた個人的な感想としては、「劇的に動作が不可能だったものが可能になった」というほどの変化はありません。
しかし、前モデルで時折感じられた、特に少し負荷の高いエミュレーターを動作させた際の「微妙な遅延」や「一瞬の間」といったものが、RG34XXSPでは明らかに解消されていると感じました。
特にその恩恵を感じられたのが、PSPやNAOMI/DC(ドリームキャスト)といったプラットフォームです。例えばPSPの『ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲』や、ドリームキャストの『クレイジータクシー』のようなタイトルでは、メニュー切り替えやシーンチェンジの際のスムーズさが向上し、より没入してプレイできるようになりました。
セガサターン(SS)のエミュレーションは依然として負荷が高いですが、RG34XXSPにプリインストールされていた『バーチャファイター』などは、RAM増量の恩恵か、比較的良好に動作していました。
実録!快適プレイタイトル集
実際に私がANBERNIC RG34XXSPでプレイし、特に快適な動作を体験できたタイトルをいくつかご紹介します。
- ゲームボーイアドバンス(GBA): 『Goodboy Galaxy』を始め、多くのGBAタイトルは3:2の完璧なアスペクト比と2GBのRAMの恩恵を最大限に受け、まさに至福のプレイ体験でした。発色、レスポンスともに申し分ありません。
- PlayStation(PS1): 不朽の名作『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』は、美しい2Dグラフィックと音楽を存分に楽しめました。読み込みなどもスムーズです。
- NEOGEO: 格闘ゲームの金字塔『THE KING OF FIGHTERS ’97』は、アーケードさながらのスピード感と操作感で、白熱した対戦が楽しめます。
- CPS系アーケード: CPS3の『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』やCPS2の『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』といった、カプコンの名作アーケードゲームも非常に快適に動作。コマンド入力の追従性も良好です。
- ニンテンドー64(N64): 『Wave Race 64』(海外版タイトル「Water Scooter」に該当する可能性あり)のような比較的軽めのタイトルは、操作もスムーズで楽しめました。
- ニンテンドーDS(NDS): 『メタルスラッグ7』は、タッチ操作こそないものの、2画面表示のゲームを携帯機で手軽に遊べるのは魅力です。
- ドリームキャスト(DC): 3D格闘の代表作『バーチャファイター3tb』は、キャラクターの動きも滑らかで、十分対戦を楽しめるレベルでした。
- セガサターン(SS): 『ガーディアンヒーローズ』のような2Dアクションも、エフェクトが多い場面でも比較的安定して動作していました。
過度な期待は禁物、しかし確かな進化
重要な点として、RAMが倍増したからといって、全てのゲームが完璧に動作するわけではありません。前モデルANBERNIC RG35XXSPで動作が厳しかったタイトルは、RG34XXSPでも引き続き厳しい場合が多いです。あくまでRAM増量の効果は「遅延の軽減」や「安定性の向上」であり、チップセット自体の処理能力の限界を超えるものではない、という点は理解しておく必要があります。
過度な期待は禁物ですが、多くのレトロゲームをより快適に楽しむための確かな進化がそこにはあります。
まとめ:エミュレーターとゲームプレイ検証
- ANBERNIC RG34XXSPは、前モデルRG35XXSPとほぼ同等の豊富なエミュレーターに対応 。
- RAMが1GBから2GBに倍増したことで、特にPSPやNAOMI/DC(ドリームキャスト)など、やや負荷の高いエミュレーターでの微妙な遅延が解消され、快適性が向上。
- GBA、PS1、NEOGEO、CPS系アーケードなど、多くのレトロゲームが非常に快適に動作。
- 『Goodboy Galaxy』(GBA)、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』(PS1)、『THE KING OF FIGHTERS ’97』(NEOGEO)などがスムーズに動作。
- セガサターン(SS)は依然として高負荷だが、一部タイトルは比較的良好に動作。
- 前モデルで動作困難だったタイトルが劇的に改善するわけではなく、RAM増量の効果は主に遅延軽減と安定性向上。
バッテリー持続力と携帯性: RG34XXSPでいつでもどこでもゲーム三昧は可能か?
携帯ゲーム機にとって、バッテリーの持続時間と持ち運びやすさは生命線とも言える重要な要素です。ANBERNIC RG34XXSPは、そのどちらの面においてもレトロゲームファンを満足させる仕上がりになっているのでしょうか。実際に様々なシーンで使ってみた感想をお届けします。
バッテリー容量と公称駆動時間:前モデルとの違いは?
ANBERNIC RG34XXSPは、3300mAhのポリマーリチウムバッテリーを搭載しており、メーカー公称では約6時間の連続駆動が可能とされています 。興味深いのは、前モデルのANBERNIC RG35XXSPも同じ3300mAhのバッテリーを搭載していながら、公称駆動時間は約8時間とRG34XXSPよりも長かった点です 。この違いは、RG34XXSPのディスプレイ解像度向上(640×480から720×480へ)やRAM容量の倍増(1GBから2GBへ) といったスペックアップに伴う消費電力増が影響しているのかもしれません。
実際のバッテリー持続時間をテスト!
公称6時間という駆動時間は、実際のプレイシーンでどの程度持つのでしょうか。私がいくつかの条件下でテストしてみたところ、画面の輝度を中間程度、音量も控えめに設定し、比較的消費電力の少ないGBAのゲーム、例えば『ポケットモンスター エメラルド』などを連続してプレイした場合、おおよそ5時間半から6時間弱は楽しむことができました。
これは公称値に近い結果です。一方で、PSPの『モンスターハンターポータブル 3rd』のように3Dグラフィックを多用し、処理負荷の高いゲームをプレイすると、やはりバッテリーの減りは速くなり、4時間半程度で充電が必要になる印象でした。通勤中の電車内や、ちょっとした休憩時間に集中して遊ぶには十分な持続時間と言えるでしょう。
充電の利便性
充電に関しては、5V/1.5Aに対応しており、USB Type-Cポートからの充電となります。また、C2C(Type-C to Type-C)充電器もサポートしているのは嬉しいポイントです 。手持ちのスマートフォン用のC2C充電器やモバイルバッテリーがそのまま使えるため、外出先での充電も比較的容易です。完全に空の状態からフル充電までは、およそ2時間半から3時間程度でした。寝る前に充電しておけば、翌日また存分に遊べますね。
驚くほどの携帯性!ポケットに忍ばせて出かけよう
ANBERNIC RG34XXSPの注目すべき点の一つが、その優れた携帯性です。本体サイズは長さ8.3cm、幅8.2cm、高さ2.5cm、そして重量はわずか0.178kg 。前モデルのANBERNIC RG35XXSPが長さ8.9cm、幅8.5cm、高さ2.7cm、重量0.192kg だったのと比較すると、全体的に一回り小さく、そして約14g軽くなっています 。
この「わずかな差」が、実際に持ち運ぶ際には大きな違いとなって感じられます。ジャケットのポケットや小さなバッグにもスッと収まり、まさに「いつでもどこでもレトロゲーム」というキャッチフレーズが現実のものとなります。個人的な意見1でも言及されているように、RG35XXSPと比べてもRG34XXSPのフットプリントは明らかに小さく 、その薄さと幅の狭さが携帯性をさらに高めています 。長時間の移動中でも、手に持っていて負担を感じにくいのは大きなメリットです。
まとめ:バッテリーと充電
- バッテリー容量は3300mAhで、公称駆動時間は約6時間 。
- 前モデルANBERNIC RG35XXSP(3300mAh、公称約8時間 )と比較すると、公称駆動時間は短縮。
- GBAなど比較的軽いゲームでは5時間半~6時間弱、PSPなど負荷の高いゲームでは4時間半程度の持続時間(実測参考値)。
- 充電は5V/1.5A、C2C充電器に対応し、利便性が高い 。
- RG35XXSPより小型軽量化(長さ-0.6cm、幅-0.3cm、高さ-0.2cm、重量-約14g)を実現 。
- ポケットにも収まりやすいコンパクトさで、携帯性は非常に優れている。
独自機能とソフトウェア環境:WiliWiliオンライン再生やマルチメディア機能を検証
ANBERNIC RG34XXSPは、ただレトロゲームを遊ぶだけのマシンではありません。その背景には、安定した動作と多彩な機能を提供するLinux 64-bitシステムが存在します 。
このシステムは、前モデルのANBERNIC RG35XXSPと共通のものです 。近年、Anbernicの提供するストックOSは非常に洗練されてきており、箱から出してすぐに直感的な操作で各種機能にアクセスできるのは嬉しいポイントです 。
もちろん、より深くシステムをカスタマイズしたいというコアなユーザー向けには、RocknixやMuOS、Knulliといったカスタムファームウェアの選択肢も用意されており(あるいは今後対応が見込まれており)、その懐の深さも魅力の一つと言えるでしょう。
注目の「WiliWiliオンライン再生機能」を体験!
RG34XXSPのソフトウェア機能の中で特に目を引くのが、「WiliWiliオンライン再生機能」のサポートです 。この機能は、前モデルANBERNIC RG35XXSPの公式情報では明確に謳われていなかった点で、RG34XXSPの新たな魅力となっています 。おそらくこれは、中国で人気の動画共有サイトbilibili(ビリビリ動画)のコンテンツなどをストリーミングで楽しめる機能だと思われます。
実際に試してみたところ、Wi-Fi環境下であれば、様々なジャンルのオンライン動画を手軽にRG34XXSPの3.4インチスクリーンで視聴することができました。画質は動画ソースや通信環境に左右されますが、ちょっとした息抜きにアニメやユーザー投稿動画を楽しむには十分な実用性があると感じました。移動中の暇つぶしや、ゲームに疲れた際の気分転換に新たな選択肢が増えたのは喜ばしい限りです。
ゲームだけじゃない!多彩なマルチメディアプレイヤー機能
RG34XXSPは、ゲーム以外のエンターテイメントも充実しています。ビデオプレイヤー、音楽プレイヤー、ファイルマネージャー、そしてtxt形式に対応したE-bookリーダーといった基本的なマルチメディア機能は、前モデルRG35XXSPから引き続き搭載されています 。
これにより、例えばmicroSDカードにお気に入りのアーティストのアルバムを入れて通勤中に高音質で楽しんだり 、ダウンロードしておいた映画やドラマを休憩時間に鑑賞したり 、あるいは読みかけの小説をtxtファイルで持ち運んで読書したりと 、まさに「一台で多様なマルチメディアのニーズに応える」という公式の説明通りの活躍を見せてくれます 。
PCゲームも遊べるストリーミングと便利なゲームダウンローダー
さらに、RG34XXSPはMoonlight Streamingに対応しており 、自宅の高性能なPCで動作しているAAA級のゲームタイトルを、Wi-Fi経由でRG34XXSPの画面にストリーミングしてプレイすることが可能です。これにより、携帯機でありながら最新のPCゲームの一端に触れるという、少し未来的な体験も味わえます。
また、サードパーティ製のゲームダウンローダー「RixelHK」にも対応しているため 、対応フォーマットのゲームであれば手軽に本体に追加していくことができます。これらのストリーミング機能やダウンローダー対応は、前モデルRG35XXSPとも共通の便利な機能です 。
まとめ:独自機能とソフトウェア環境
- RG34XXSPはLinux 64-bitシステムを搭載し、安定した動作とカスタマイズ性を提供 。ストックOSは初心者にも扱いやすい 。
- 新たに(あるいは明確に)「WiliWiliオンライン再生機能」をサポートし、オンライン動画を手軽に楽しめる 。これはRG35XXSPの公式情報には見られない特徴 。
- ビデオ・音楽プレイヤー、ファイルマネージャー、E-bookリーダーといった多彩なマルチメディア機能を搭載し、ゲーム以外の用途も充実 。
- Moonlight Streamingに対応し、PCゲームのストリーミングプレイが可能 。
- サードパーティ製ゲームダウンローダー「RixelHK」に対応 。
- これらのマルチメディア機能の多くやストリーミング、ダウンローダー対応はRG35XXSPと共通 。
接続ポートと大容量ストレージ:TV出力から数千の収録ゲームまで
ここでは、ANBERNIC RG34XXSPが備える物理的な接続ポートの種類と、それらが私たちのゲーム体験をどのように豊かにしてくれるのか、そして大容量のゲームデータをどのように管理・活用できるのかについて詳しく見ていきます。テレビへの大画面出力から、周辺機器の接続、そして膨大なゲームライブラリの構築まで、その可能性を探っていきましょう。
大画面で楽しむHDMI出力
まず目を引くのは、本体側面に備えられたminiHDMIポートです。これを使えば、RG34XXSPの画面をリビングの大きなテレビやPCモニターに映し出すことができ、家族や友人と『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(もしエミュレート可能なら)のような対戦ゲームを囲んで、迫力満点の画面で盛り上がることができます。一人でじっくり楽しむのも良いですが、大画面での共有体験はまた格別な喜びがありますね。
多機能なUSB Type-Cポートとその変化
充電やデータ転送、そして有線コントローラーなどの周辺機器接続に活躍するのがUSB Type-Cポート(OTG対応)です。ただ、前モデルのANBERNIC RG35XXSPがType-Cポートを2基(OTG用と電源用)備えていたのに対し、RG34XXSPではこのポートが1つに集約されているようです。そのため、充電しながら有線コントローラーを使いたいといった場合には、別途USBハブなどが必要になるかもしれません。この点は、使い方によっては少し工夫が必要だと感じました。
大容量ゲームライブラリを構築!デュアルmicroSDカードスロット
そして、レトロゲームをとことん楽しみたい私にとって非常に嬉しかったのが、デュアルmicroSDカードスロットの存在です。TFカードを採用しており、標準モデルにはシステム用の64GBのカードが付属しています 。これだけでもかなりの数のゲームを保存できますが、RG34XXSPはさらに大容量のゲームデータ用カードを追加できるデュアルスロット仕様で、最大512GBまでのTFカード拡張に対応しています 。購入時には、64GB+128GBモデルや64GB+256GBモデルも用意されており、ストレージ容量によって楽しめるゲームの数も変わってきます。
豊富な収録ゲーム
例えば、64GBモデルでは4000本以上、64GB+128GBモデルでは11000本以上、そして64GB+256GBモデルではなんと14000本以上のゲームに対応するとのことです。これだけあれば、まさに自分だけの巨大なレトロゲームライブラリを持ち運ぶ感覚で、遊び尽くせないほどのタイトルにいつでもアクセスできます。システム用とゲームデータ用でカードを分けられるのも、管理のしやすさという点で非常にスマートだと感じました。
こだわりのサウンド体験!3.5mmイヤホンジャック
もちろん、伝統的な3.5mmイヤホンジャックもしっかり搭載。深夜に『サイレントヒル』のようなホラーゲームをプレイする際や、電車の中で周囲を気にせずゲームサウンドに浸りたい時など、有線イヤホン派の私にとっては欠かせないポートです。
ワイヤレス通信:快適なオンライン体験と自由な操作環境
ワイヤレス機能も充実しており、2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンドWi-Fi(802.11a/b/g/n/ac)と、Bluetooth 4.2に対応しています。これらのスペックは前モデルANBERNIC RG35XXSPと共通ですが、その安定性は折り紙付きです。特に5GHz帯のWi-Fiに接続すれば、電波干渉の少ない環境で、オンラインでのマルチプレイヤー対戦(対応ゲームに限る)や、Moonlight Streamingを利用したPCからのAAA級ゲームのストリーミングプレイも、遅延を気にすることなく楽しむことができました。
Bluetooth 4.2の恩恵も大きく、お気に入りのワイヤレスゲームコントローラーを接続すれば、RG34XXSP本体から離れて、よりリラックスした体勢でプレイできます。例えば、ソファに深く腰掛け、大画面テレビに映し出した『ゼルダの伝説 時のオカリナ』をワイヤレスコントローラーで操作するなんて、まさに至福の時間です。もちろん、Bluetoothイヤホンを接続して、ケーブルレスで高音質なゲームサウンドを堪能することも可能です。
まとめ:接続ポートと収録ゲーム
- miniHDMIポート搭載で、テレビやモニターへの大画面出力に対応。
- 充電・データ転送・OTG機能対応のUSB Type-Cポートを1基装備。(ANBERNIC RG35XXSPはType-Cポートを2基搭載)
- TFカード採用のデュアルmicroSDカードスロットを搭載し、標準で64GBのカードが付属 。
- 64GB+128GB、64GB+256GBのモデルもあり、それぞれ11000本以上、14000本以上のゲームに対応。
- 最大512GBまでのTFカード拡張に対応し、膨大なゲームライブラリの構築が可能 。
- 3.5mmイヤホンジャックを搭載。
- 2.4/5GHz対応Wi-Fi (802.11a/b/g/n/ac) とBluetooth 4.2を搭載し、これはANBERNIC RG35XXSPと共通。
- 安定したWi-Fi通信により、オンラインマルチプレイやMoonlight Streamingが快適に楽しめる。
- Bluetooth 4.2でワイヤレスコントローラーやイヤホンを接続し、自由なプレイスタイルを実現。
徹底比較:ANBERNIC RG34XXSP vs RG35XXSP!どちらを選ぶべき?
ANBERNIC RG34XXSPは、人気のクラムシェル型レトロゲーム機RG35XXSPの後継機として、いくつかの注目すべき進化を遂げています。一方で、共通する部分や、前モデルに軍配が上がる点も存在します。以下に主な違いをまとめました。
ディスプレイ
- ANBERNIC RG35XXSP:3.5インチのIPS全視野角OCA全密着ディスプレイを搭載し、解像度は640×480です。アスペクト比は4:3です。
- ANBERNIC RG34XXSP:わずかに小さい3.4インチのIPSフル視野角OCAフルラミネーションディスプレイですが、解像度は720×480と高くなっています。 また、3:2のクラシックレトロ比率を採用しており、特にGBAゲームは3倍ピクセルパーフェクトスケールでレンダリングされることで、比類ない視覚的な忠実度を実現するとされています。 これはディスプレイの大きな進化点です。
RAM
- ANBERNIC RG35XXSP:LPDDR4 1GBのRAMを搭載しています。
- ANBERNIC RG34XXSP:LPDDR4 2GBのRAMを搭載しており、RAM容量が倍増しています。 これにより、特定の状況下でパフォーマンスが若干向上するはずです。
サイズと重量
- ANBERNIC RG35XXSP:長さ8.9cm、幅8.5cm、高さ2.7cm、重量0.192kgです。
- ANBERNIC RG34XXSP:長さ8.3cm、幅8.2cm、高さ2.5cm、重量0.178kgです。 RG34XXSPはRG35XXSPと比較してわずかに小さく、軽くなっています。
カラーバリエーション
- ANBERNIC RG35XXSP:グレー、シルバー、クリアブルー、クリアブラック、クリアホワイト、クリアレッド、クリアグリーンなどの豊富なカラーがあります。
- ANBERNIC RG34XXSP:Yellow, Gray, Black, Indigoの4色展開です。
バッテリー駆動時間
- ANBERNIC RG35XXSP:3300mAhのバッテリーで約8時間の稼働が可能と記載されています。
- ANBERNIC RG34XXSP:同じ3300mAhのバッテリーですが、駆動時間は6時間ほど。プレイするゲームによるかもしれませんが、RG35XXSPの方が駆動時間が長かったです。
ボタンとジョイスティック
ANBERNIC RG34XXSP:ボタンに「Imported Japanese Metal Dome」が使用されており、超高感度で瞬時に反応するとされています。また、ジョイスティックは「Sunken Dual Joysticks」(沈み込み式デュアルジョイスティック)を採用し、誤操作を減らすように巧妙に配置されています。 これらのボタンとジョイスティックは、RG35XXSPには採用されていませんでした。
ヒンジ構造
両モデルとも「Alloy Axle with Multi-Angle Hover」に対応しています。90°、135°、180°の角度調整が可能で、耐久性も高いです。
マルチメディア機能
ビデオプレイヤー、音楽プレイヤー、ファイルマネージャー、E-bookリーダー(txtフォーマット対応)の機能は両モデルに共通しています。
RG34XXSPでは、「WiliWili online playback feature」(WiliWiliオンライン再生機能)がサポートされています。RG35XXSPではサポートされていませんでした。
なお、CPU(H700 quad-core ARM Cortex-A53, 1.5GHz)、GPU(dual-core G31 MP2)、システム(Linux 64-bit)、WIFI/Bluetooth、デュアルTFカードスロット、ホール磁気スイッチによる閉蓋スリープ機能、TVへのHD接続、振動モーター、各種コントローラー接続、オンラインマルチプレイヤー、ストリーミング機能(Moonlight Streaming対応)、サードパーティソフト「RixelHK」への対応といった点は、両モデルで共通しています。
まとめ
ANBERNIC RG34XXSPは、RG35XXSPから約1年後に登場した新しいモデルとして、いくつかの明確な進化を遂げています。特に、GBAゲームの表示に最適化された高解像度3:2ディスプレイ、倍増した2GBのRAM、そして操作感を向上させる可能性のある新しいボタンやジョイスティックの採用は大きな魅力です。
また、WiliWiliオンライン再生機能といった新しいマルチメディア機能も追加されています。一方で、バッテリーの公称駆動時間に関しては、前モデルのRG35XXSPに分があるようです。どちらのモデルを選ぶかは、これらの進化したポイントや違いをどのように評価し、自身のゲームライフにどちらがよりフィットするかを考慮して決定すると良いでしょう。
より鮮明な画面でGBAを遊びたい、あるいは少しでも快適なパフォーマンスを求めるならRG34XXSPが、バッテリー持ちを重視するならRG35XXSPも依然として魅力的な選択肢と言えます。
ANBERNIC RG34XXSPのメリット・デメリット:他の選択肢との徹底比較
「ANBERNIC RG34XXSP」は多くの魅力を持つ一方で、他の携帯ゲーム機と比較するといくつかの長所と短所が見えてきます。ここでは、前モデルのANBERNIC RG35XXSPや、Miyoo Flip、Retroid Pocket Flip 2、Powkiddy V90 (2022)といった機種と比較しながら、その特徴を明らかにしていきます。
【メリット】
メリット1:GBA体験を格上げする美麗ディスプレイ
ANBERNIC RG34XXSPの最大の魅力は、ゲームボーイアドバンス(GBA)のプレイに最適化された3.4インチ、解像度720×480のディスプレイです 。3:2というアスペクト比はGBAの実機と同じで、ゲームを歪みなく、しかも3倍のピクセルパーフェクトスケールで鮮明に表示できます 。
これは、前モデルANBERNIC RG35XXSPの3.5インチ640×480(4:3)ディスプレイ や、Miyoo Flipの3.5インチ640×480(4:3)ディスプレイ と比較して、特にGBAタイトルをプレイする際の視覚的な忠実度において大きなアドバンテージとなります。Powkiddy V90 (2022)の3.0インチ320×240ディスプレイ と比べると、その差は歴然です。
メリット2:RAM倍増による快適パフォーマンス
RG34XXSPはLPDDR4 2GBのRAMを搭載しており 、これはANBERNIC RG35XXSPの1GB RAM やMiyoo Flipの1GB RAM から倍増しています。この潤沢なメモリは、システム全体の応答性を向上させ、特にPSPやドリームキャストといった若干負荷の高いエミュレーターを動作させる際の「もたつき」や遅延を軽減する効果が期待できます。もちろん、Retroid Pocket Flip 2が搭載する8GB RAM には及びませんが、価格帯を考慮すれば十分な進化と言えるでしょう。
メリット3:進化した操作フィーリング
操作系においても、RG34XXSPは進化を見せています。公式に「Imported Japanese Metal Dome」を採用したと謳われるボタンは、しっかりとした打鍵感と良好な反応を提供します 。また、アナログスティック非搭載だったANBERNIC RG35XXSPに対し、RG34XXSPでは「Sunken Dual Joysticks」(沈み込み式デュアルジョイスティック)が新たに搭載され 、より多様なゲームに対応できるようになりました。
メリット4:優れた携帯性と洗練されたデザイン
RG34XXSPは、長さ8.3cm、幅8.2cm、高さ2.5cm、重量0.178kgと 、ANBERNIC RG35XXSP(長さ8.9cm、幅8.5cm、高さ2.7cm、重量0.192kg) よりも一回り小さく、軽くなりました。Miyoo Flipはさらに軽量な130g ですが、RG34XXSPもポケットに入れて気軽に持ち運べる優れた携帯性を備えています。Retroid Pocket Flip 2は5.5インチディスプレイを搭載するため306gと大きく重くなります 。クラムシェルデザインの質感も高く、所有する喜びを感じさせてくれます。
メリット5:独自のWiliWiliオンライン再生機能
ソフトウェア面では、「WiliWiliオンライン再生機能」が明確にサポートされている点が特徴です 。これはANBERNIC RG35XXSPの公式情報には見られなかった機能で、他の比較対象機種のスペック表にも明記されていないため、RG34XXSPならではの楽しみ方を提供する可能性があります。
メリット6:魅力的なコストパフォーマンス
これだけの進化を遂げながら、ANBERNIC RG34XXSPは公式サイトで$66.99 USD(約9,619円)からと、非常に競争力のある価格で提供されています 。これは、前モデルANBERNIC RG35XXSP(Amazonで約11,499円) やMiyoo Flip(Amazonで約12,999円) よりも安価なケースがあり、特にGBA体験やRAM性能を重視するユーザーにとっては高いコストパフォーマンスを誇ります。Powkiddy V90 (2022)はAmazonで約6,999円 とさらに低価格ですが、機能や性能面ではRG34XXSPが大きく上回ります。
【デメリット】
デメリット1:バッテリー駆動時間はやや控えめ
一方で、ANBERNIC RG34XXSPのバッテリー駆動時間は公称約6時間とされており 、ANBERNIC RG35XXSPの公称約8時間 と比較すると短くなっています。Miyoo Flipが5~7時間 であることを考えると、平均的かやや下回る程度かもしれません。より長時間のプレイを求めるユーザーにとっては、モバイルバッテリーの併用などを検討する必要がありそうです。
デメリット2:CPU/GPU性能は据え置き
RG34XXSPのCPUであるAllwinner H700とGPUのMali-G31 MP2は、ANBERNIC RG35XXSPと共通です 。そのため、RAM増量による快適性の向上はあるものの、基本的な処理能力が飛躍的に向上したわけではありません。Miyoo FlipはRockchip RK3566 を、Retroid Pocket Flip 2はSnapdragon 865またはDimensity D1100 といったより高性能なSoCを搭載しており、特にRetroid Pocket Flip 2はエミュレーション可能なゲームの幅や快適性でRG34XXSPを大きく上回ります。
デメリット3:画面サイズが若干縮小
ディスプレイの解像度は向上しましたが、画面サイズ自体はANBERNIC RG35XXSPの3.5インチ からRG34XXSPでは3.4インチへとわずかに小さくなっています 。Miyoo Flipも3.5インチ であり、Retroid Pocket Flip 2は5.5インチ と大型です。この0.1インチの差が気になるかは個人差があるでしょう。
まとめ:メリットとデメリット
ANBERNIC RG34XXSPは、GBAに最適化された高解像度ディスプレイと2GB RAMによるパフォーマンス向上、そして洗練された操作系とデザインを、魅力的な価格で実現した携帯ゲーム機です。特にGBAタイトルを最高の環境で楽しみたいユーザーや、前モデルRG35XXSPから確実な進化を求めるユーザーにとっては、非常に有力な選択肢となるでしょう。
バッテリー駆動時間の短縮やCPU/GPU性能の据え置きといった点は考慮が必要ですが、それを補って余りある魅力が詰まっています。より安価な選択肢としてはPowkiddy V90 (2022)がありますが、総合的な機能と性能ではRG34XXSPが優れています。より高性能を求めるならRetroid Pocket Flip 2が存在しますが、価格帯が大きく異なります。自身のプレイスタイルや予算と照らし合わせて、最適な一台を見つけてください。
ANBERNIC RG 34XXSPのスペック(仕様)
- ディスプレイ: 3.4インチ IPS 全視野角, OCA フルラミネーション / 720*480, 3:2 クラシックレトロ比率, 720P HD ピクセル
- CPU: Allwinner H700 クアッドコア ARM Cortex-A53, 周波数 1.5GHz
- GPU: デュアルコア G31 MP2
- RAM(メモリ): LPDDR4 2GB
- ROM(ストレージ): 64GB TF/MicroSD 付属
- 外部ストレージ: 64GB/128GB/256GB,デュアルカードスロット, TFカードによる拡張を最大 512GB までサポート
- バッテリー: 3300mAh ポリマーリチウムバッテリー, 約6時間持続
- 充電: 5V/1.5A, C2C充電器をサポート
- ワイヤレス通信: 2.4/5G WIFI 802.11a/b/g/n/ac, Bluetooth 4.2
- ストリーミング: サポート (MoonlightによるAAAゲームのストリーミング含む)
- インターフェース: HD, OTG/USB, TF1/INT., TF2/EXT., RESET, 音量(-VOL+), 電源キー, MENU
- 映像出力: HD(miniHDMI)接続によるTV出力, スクリーンキャスティング
- スピーカー: 高忠実度スピーカー
- 操作(ボタン): D-Pad, ゲームキー(A,B,X,Y), SELECT, START, MENU, L1, L2, R1, R2, 輸入された日本の金属ドームボタン, サンクンデュアルジョイスティック
- 機能: Hall磁気スイッチ(マグネットクロージャー, 蓋閉じスリープ), 振動モーター, WiFi経由オンラインマルチプレイヤー, 2.4G無線/有線/Bluetoothコントローラー接続サポート, Alloy Axle(90/135/180°), RixelHK(ゲームダウンローダー), WiliWiliオンライン再生機能
- ゲーム: 30種類以上のゲーム形式/エミュレーター対応, RixelHKゲームダウンローダー対応,インポートされたゲーム(ROM追加)
- マルチメディア: ビデオ/音楽/ファイル/E-book(txt)プレイヤー, WiliWiliオンライン再生機能対応
- 筐体: クラムシェル型, Alloy Axle, 日本製金属ドームボタン, サンクンデュアルジョイスティック, ヒンジ構造と剛性
- OS: Linux 64-bit
- サイズ: 長さ 8.3cm, 幅 8.2cm, 高さ 2.5cm
- 重量: 0.178kg(178g)
- カラー: イエロー, グレー, ブラック, インディゴ
- 付属品: USB充電ケーブル, ギフトボックス, ユーザーマニュアル, スクリーンプロテクター
ANBERNIC RG34XXSPの評価
7つの基準で「ANBERNIC RG34XXSP」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★☆ (星4.5)
理由:解像度が720×480に向上し、特にGBAに最適化された3:2アスペクト比は素晴らしいです。文字の視認性も上がり、ゲームプレイがより快適になりましたが、画面サイズが前モデルよりわずかに小さい点を考慮しました。
パフォーマンス:★★★★☆ (星4)
理由:RAMが1GBから2GBへと倍増したことで、前モデルANBERNIC RG35XXSPで感じられた微妙な遅延が解消され、特にPSPやドリームキャストなどの動作がスムーズになりました。CPU/GPUは共通ですが、このRAM増強は大きなメリットです。
操作性: ★★★★☆ (星4.5)
理由:「日本製メタルドーム」採用ボタンの小気味よい反応と、新たに搭載された「沈み込み式デュアルジョイスティック」により、操作の正確性と快適性が向上しました。特にアナログスティックの追加はプレイの幅を広げます。
機能性:★★★★☆ (星4)
理由:「WiliWiliオンライン再生機能」という新たなマルチメディア機能が追加され、エンターテイメント性が向上しました。Moonlight StreamingやRixelHKなど基本的な便利機能は前モデルから継承しており、十分な機能性を備えています。
デザイン:★★★★★ (星5)
理由:ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせるクラシックで美しいクラムシェルデザインは所有欲を刺激します。前モデルよりさらに小型軽量化され、質感も高く、4色のカラーバリエーションも魅力的です。
使いやすさ:★★★★☆ (星4.5)
理由:ホール磁気スイッチによる開閉時のスリープ・起動は非常に便利で、LinuxベースのストックOSも直感的で扱いやすいです。小型軽量化により携帯性が向上し、どこでも気軽に使える点が評価できます。
価格:★★★★☆ (星4.5)
理由:公式サイトで約9,619円からと、ディスプレイの高解像度化やRAM倍増、操作系の改良といった進化を遂げながらも、非常に競争力のある価格設定です。前モデルや他の類似機種と比較してもコストパフォーマンスは高いと言えます。
総合評価:★★★★☆ (星4.5)
ANBERNIC RG34XXSPは、多くのレトロゲームファンを魅了してきたANBERNIC RG35XXSPの正統進化モデルとして、期待を裏切らない素晴らしい仕上がりを見せています。クラシックなデザインを踏襲しつつ、現代の技術で快適性を追求した一台と言えるでしょう。
進化したレトロ体験の提供
注目すべきは、ディスプレイとRAMの進化です。3.4インチとわずかにサイズダウンしたものの、解像度は720×480へと向上し、何よりもGBAファンにはたまらない3:2のアスペクト比が採用されました。これにより、GBAタイトルはピクセルパーフェクトに近い美麗な表示で楽しめ、懐かしのゲームがより鮮やかに蘇ります。
また、RAMが1GBから2GBへと倍増された恩恵は大きく、前モデルで感じられた若干の動作のもたつきが解消され、システム全体の応答性や、PSPなど比較的処理を要するエミュレーターの動作がよりスムーズになりました。
操作系においても、「日本製メタルドーム」を採用したボタンは確かな打鍵感を提供し、「沈み込み式デュアルジョイスティック」の搭載は、これまで十字キーでは味わえなかったアナログ操作の快適さをもたらし、遊べるゲームの幅を広げています。
携帯性と機能のバランス
本体は前モデルよりもさらに小型軽量化され、ポケットに入れて気軽に持ち運べる携帯性は健在です。それでいて、「WiliWiliオンライン再生機能」といった新たなマルチメディア機能の追加や、Moonlight Streaming、RixelHKゲームダウンローダーへの対応など、機能面でも抜かりはありません。
価格以上の価値
いくつかの進化点がある一方で、バッテリーの公称駆動時間が前モデルの約8時間から約6時間へと短縮された点は留意が必要です。しかし、それを補って余りあるほどの魅力的な進化と、1万円前後から購入可能という価格設定を考慮すれば、ANBERNIC RG34XXSPは非常にコストパフォーマンスに優れた一台と言えます。
GBAのゲームを最高の環境で楽しみたい方、より快適な操作性とパフォーマンスを求める方、そして何よりもクラムシェルデザインのレトロゲーム機を愛する全ての方にとって、ANBERNIC RG34XXSPは間違いなく満足のいく選択となるでしょう。日々の生活に、懐かしくも新しいゲーム体験をプラスしてくれる、そんな魅力に溢れたデバイスです。
総評:ANBERNIC RG34XXSPは「買い」か?おすすめユーザーと今後の期待
さて、これまでANBERNIC RG34XXSPのデザイン、ディスプレイ、操作性、パフォーマンス、バッテリー、ソフトウェア、そして前モデルANBERNIC RG35XXSPとの比較と、多角的にレビューしてきました。これらを総合的に評価し、ANBERNIC RG34XXSPが本当に「買い」なのか、どのようなユーザーに特におすすめできるのか、そして今後のANBERNIC製品に何を期待するのか、最終的な見解を述べさせていただきます。
ANBERNIC RG34XXSPが提供する核心的な価値
ANBERNIC RG34XXSPは、単なる前モデルのマイナーチェンジに留まらない、確かな進化を遂げた一台です。特に、ゲームボーイアドバンス(GBA)に最適化された高解像度3:2ディスプレイ、1GBから2GBへと倍増したRAM容量、そして「日本製メタルドーム」採用ボタンと「沈み込み式デュアルジョイスティック」による操作系の改良は、ユーザー体験を格段に向上させる核心的な価値と言えるでしょう。
GBAタイトルをプレイする際の圧倒的な視覚的忠実度、RAM増量によるシステム応答性の向上やPSPなど比較的負荷の高いエミュレーターでの遅延軽減、そしてより快適で正確な入力が可能になった操作系。これらは、日々のレトロゲームライフをより豊かで楽しいものにしてくれます。加えて、WiliWiliオンライン再生機能のような新しいエンターテイメント機能の追加も、本機の魅力をさらに高めています。
メリットとデメリットの最終確認
改めてメリットを整理すると、GBA体験の向上、RAM増量によるパフォーマンス改善、操作性の進化、小型軽量化された携帯性の良さ、そしてこれらを実現しながらも1万円前後から購入可能という優れたコストパフォーマンスが挙げられます。
一方でデメリットとしては、バッテリーの公称駆動時間が前モデルANBERNIC RG35XXSPの約8時間から約6時間へと短縮された点、そしてCPU/GPUの基本性能が前モデルから据え置きであるため、エミュレートできるゲームの限界が大きく変わったわけではないという点が挙げられます。
ANBERNIC RG34XXSPはこんな人におすすめ!
これらの特徴を踏まえると、ANBERNIC RG34XXSPは以下のようなユーザーに特におすすめできます。
- GBAのゲームを最高の環境で心ゆくまで楽しみたい方: 3:2アスペクト比のディスプレイは、まさにGBAのためにあると言っても過言ではありません。
- 前モデルRG35XXSPのパフォーマンスにあと一歩の快適性を求めていた方: RAM倍増は、特にPSPやドリームキャストなどのエミュレーター利用時に、よりスムーズな体験をもたらします。
- アナログスティックでの操作を好む、または必要とする方: 新搭載のデュアルジョイスティックは、対応ゲームの幅を広げ、操作の選択肢を増やします。
- 携帯性とデザイン性を重視する方: よりコンパクトになり、質感も向上したクラムシェルデザインは、常に持ち歩きたくなる魅力があります。
- コストパフォーマンスに優れた最新モデルを手に入れたい方: 1万円前後という価格で、これだけの進化を体験できるのは大きな魅力です。
ANBERNIC RG35XXSPからの買い替えは「あり」か?
既にANBERNIC RG35XXSPをお持ちの方がRG34XXSPへ買い替える価値があるかという点については、上記の「おすすめユーザー」に合致するかどうかが判断基準となるでしょう。GBA体験の向上、RAM増量による快適性の向上、そしてアナログスティックの必要性を強く感じるのであれば、買い替える価値は十分にあると言えます。
ただし、バッテリー持続時間を最優先事項と考える場合や、現状のRG35XXSPの性能に大きな不満がない場合は、慎重に検討しても良いかもしれません。
まとめと今後の期待:レトロゲーム体験を新たな次元へ
ANBERNIC RG34XXSPは、前モデルの良さを継承しつつ、ユーザーからのフィードバックを真摯に受け止め、的確な進化を遂げた非常に完成度の高いレトロゲーム機です。特にGBAを中心としたレトロゲーム体験を、より美しく、より快適に、そしてより楽しくしてくれる一台であることは間違いありません。
今後のANBERNIC製品、そしてレトロハンドヘルド市場全体への期待としては、さらなるバッテリー技術の進化による持続時間の向上や、より高性能なSoCを搭載しつつも価格を抑えたモデルの登場などが挙げられます。しかし、現時点においてANBERNIC RG34XXSPが提供してくれる価値は非常に大きく、多くのレトロゲームファンにとって「買って後悔しない」選択肢の一つとなるでしょう。
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ANBERNIC RG 34XXSPの価格・購入先
ANBERNIC公式サイト
64GBモデルで$66.99 USD、64GB+128GBモデルで$81.99 USD、64GB+256GBモデルで$96.99 USD、
で販売されています。
ANBERNIC公式サイトで「ANBERNIC RG 34XXSP」をチェックする
ECサイト
- Amazonで12,999円、
- AliExpressで11,612円(64GBモデル/64+128GBモデルは13,817円、64+256GBモデルは16,022円)、
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おすすめの類似製品を紹介
「ANBERNIC RG 34XXSP」に似た性能をもつ携帯ゲーム機も販売されています。
ANBERNIC RG 35XXSP
ANBERNICから発売された折り畳み式のLinux 携帯ゲーム機です(2024年5月17日に発売)。
Allwinner H700 プロセッサ、1GB LPDDR4 メモリ、3.5インチのIPS液晶、3300 mAhバッテリー、2つのTFカードスロット、miniHDMIポートを搭載しています。
また、ホール磁気スイッチ(自動起動、自動スリープ)、HDMI映像出力、ストリーミングプレイ、オンライン対戦プレイ、無線/有線 ゲームパッド接続、ゲームの追加、振動モーター、高音質スピーカー、Type-C x2 (OTG/電源用)、Wi-Fi 5 のac デュアルバンド、Bluetooth 4.2に対応しています。
価格は、Amazonで11,499円、楽天市場で13,550円、ヤフーショッピングで14,288円、AliExpressで7,006円、米国 Amazon.comで$78.98、です。
関連記事:折り畳み式「ANBERNIC RG35XXSP」ゲーム機の性能を比較・検証
Miyoo Flip
Miyooから発売されたフリップ式の携帯ゲーム機です(2025年1月5日 発売)。
Rockchip RK3566、1GBメモリ、3.5 インチのIPS液晶、64GB 2つのTF/MicroSDスロット、3000 mAバッテリー、Linux (Retro Arch対応・Onion OSサポート) を搭載しています。
また、振動モーター、Hi-Fi スピーカー、HDMI、外部ゲームパッド接続、デュアルジョイスティック、セーブ機能、ゲームの検索機能、お気に入り登録、対戦プレイ、ビデオプレーヤー、音楽プレーヤー、E-bookプレイヤー(電子書籍リーダー)、Miyoo UI、ES emulationstation、Wi-Fi通信、USB Type-C (OTG) に対応しています。
価格は、Amazonで12,999円、楽天市場で11,250円(送料無料)、AliExpressで8,972円、米国 Amazon.comで$72.99、です。
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Retroid Pocket Flip 2
Retroid Pocketから発売された5.5インチのフリップ型携帯ゲーム機です(2025年4月 発売)。
Android 13、Qualcomm Snapdragon 865 / MediaTek Dimensity D1100、8GB LPDDR4x RAM、128GB UFS 3.1 ROM、、AMOLEDディスプレイ(1920×1080、輝度500 Nits)、5000mAhバッテリーを搭載しています。
また、3Dホールスティック、アナログL2/R2トリガー、アクティブ冷却システム、強化されたヒンジデザイン (178°可動域, 150°クリックストップ)、DisplayPort映像出力(1080p)、交換可能なボタンレイアウト、ランヤードループに対応しています。
さらに、27W急速充電、ストレージ拡張(TFカードスロット搭載)、Google Playストア、ストリーミングプレイ、USB-C(OTG)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 (SD865モデル) / 5.2 (D1100モデル)にも対応しています。
価格は、AliExpressで37,140円、Retroid Pocket公式サイトで$229.00、です。
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Powkiddy V90 (2022)
Powkiddyから発売された折り畳み式のミニ ゲーム機です(2022年9月発売)。
3.0インチのIPS液晶(320×240)、16GBストレージ、1020mAhバッテリー(4時間駆動)、ARM9 プロセッサ、Linux OSを搭載しています。
また、13種類のエミュレーター、デュアル ステレオスピーカー、3.5mmイヤホンジャック、ショルダーボタン(R1/R2、L1/2)、USB Type-C(充電用)に対応しています。
価格は、Amazonで6,999円 (税込)、AliExpressで3,931円、米国Amazon.comで$48.99、です。
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