
2025年11月13日に発売されたシャープの「AQUOS sense10」は、国民的スタンダードモデルとして使いやすいと評判のsenseシリーズ最新作です。前モデルAQUOS sense9の完成度を引き継ぎつつ、CPU性能やスピーカー、AI機能など、ユーザーが不満に感じていた核心部分を大幅に強化し、スタンダードモデルの決定版として大きな注目を集めています。
このレビューでは、AQUOS sense10が日々の生活をどれだけ快適にしてくれるのか、AQUOS sense9からどれほど進化したのか、その実力を徹底的に検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
AQUOS sense10 の長所 (Pros):
- 飛躍的に向上したCPU性能(AnTuTu 100万点超えでsense9やXperia 10 VIIを圧倒)
- 劇的に進化したスピーカー(デュアルBOXスピーカー搭載で低音が豊かに)
- 実用的なAIカメラ機能(「影除去」や「ショーケースモード」で撮影が快適に)
- 強力なAI通話機能(騒音を消す「Vocalist」を新搭載)
- 通信性能の進化(sense9のWi-Fi 5からWi-Fi 6Eに対応)
- sense9の弱点を解消(指紋センサーの誤作動防止機能を追加)
- microSDカードが最大2TBに対応(sense9の2倍)
AQUOS sense10 の短所 (Cons):
- GPU性能は控えめ(『原神』など重いゲームは画質設定の調整が必要)
- イヤホンジャック非搭載(sense9から引き続き)
- ワイヤレス充電に非対応(sense9から引き続き)
総合評価:
AQUOS sense10は、「sense9の弱点を的確に潰してきた」完成度の高いモデルチェンジです。特にCPU性能の向上は圧倒的で、あらゆる日常操作がsense9より格段にスムーズになりました。さらに、AIによるカメラアシスト(影除去など)が撮影体験を向上させ、最大の不満点だったスピーカー音質も「デュアルBOXスピーカー」で劇的に改善されています。AI通話機能やWi-Fi 6E対応といった確実な進化も遂げており、6万円台のスタンダードモデルとして非の打ち所がない仕上がりです。
<この記事で分かること>
- 外観・デザイン: sense9とのサイズ・重量比較、アルミ筐体の質感、新色6色の詳細、接続ポートの位置、デュアルBOXスピーカーの位置、防水防塵・MIL規格、ケースの互換性、付属品
- パフォーマンス: Snapdragon 7s Gen 3の実力、AnTuTu 100万点超え、Geekbenchスコア、sense9 (Snapdragon 7s Gen 2)・Xperia 10 VIIとのCPU/GPU性能比較、高負荷時の発熱・冷却性能
- ゲーム性能: 『原神』『鳴潮』『崩壊:スターレイル』など人気ゲームの実測フレームレート (FPS)、快適に遊ぶための画質設定
- メモリとストレージ: RAM 6GB/8GB、仮想メモリ(OFF/2/4/6GB)の設定変更、UFS 2.2、microSDカード(最大2TB対応)のメリット
- カメラ性能: 1/1.55インチセンサー、進化した画質エンジン「ProPix」、AI機能(影除去、ショーケースモード)、オートマクロ、11種類のフィルター、ポートレート(2倍画角)、夜景撮影の画質、動画撮影(レンズ切替対応)
- ディスプレイ: 6.1インチ Pro IGZO OLED、輝度(2000nit)の屋外での見やすさ、リフレッシュレート(1-240Hz)の滑らかさ
- オーディオ: デュアルBOXスピーカーの音質(sense9との低音比較)、イヤホンジャック非搭載
- バッテリー: 5,000mAhのスタミナ、実働2日間、動画連続再生時間(約17時間)、充電時間(約90分)、ワイヤレス充電非対応
- 通信性能: Wi-Fi 6E対応(sense9との速度比較)、Bluetooth 5.2
- OS・機能: Android 16、UIデザイン、長期アップデート保証(OS 3回/セキュリティ 5年)、AI通話「Vocalist」の実力、伝言文字起こし、おサイフケータイ、指紋認証(誤作動防止機能)
- 総評: メリットとデメリットの全まとめ、AQUOS R10・Xperia 10 VIIとの比較、5段階評価、「待つべきか」の結論
- スペック: AQUOS sense10の詳細スペック一覧
- 価格・購入先: SIMフリーモデルの価格(シャープ公式)、Amazon、IIJmio(MNP価格)、キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)の価格
この記事を最後まで読むことで、「AQUOS sense10」を購入するべきかどうか、それとも「待つべきか」がはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:AQUOS sense10の特長|AQUOS:シャープ
デザインと耐久性:AQUOS sense10の継承と進化、その上質な手触り
ここでは、AQUOS sense10のデザイン、携帯性、そして日々の使用に耐える耐久性について、前モデルAQUOS sense9と比較しながら詳しく見ていきます。
変わらない安心感、進化した上質感
AQUOS sense10を初めて手に取った瞬間、前モデルAQUOS sense9で感じた「ちょうど良さ」がそのまま継承されていることに気づきました。サイズは約149mm×73mm×8.9mm、重量も約166gと、スペック上も実測(SIM無しで166.3g)でもsense9と全く同じです。この6.1インチクラスにおける軽量コンパクトな設計は、片手でしっかりグリップでき、長時間持っていても疲れにくい絶妙なバランスを維持しています。
デザインは引き続き「miyake design」が監修しており、頑丈なアルミ筐体を採用しています。マットな質感は指紋が目立ちにくく、安っぽさを感じさせません。sense9と見比べると、カメラユニットのアイコニックなデザインは共通ですが、sense10ではカメラ周りにあったFeliCaマークが(本体内蔵はそのままに)ついに消え、よりすっきりとした洗練された印象を受けます。よく見ると、アンテナラインも1箇所減っており、ミニマルなデザインへのこだわりを感じさせます。
ファッションのように選べる6つのカラー
カラーバリエーションはsense9から一新されました。「Casual」(デニムネイビー、カーキグリーン)、「Kireime」(ペールピンク、ペールミント)、「Basic」(フルブラック、ライトシルバー)の3つのスタイル、全6色がラインアップされています。特にデニムネイビーやカーキグリーンは、カメラ周りとのツートン(バイカラー)が個性的で、ファッションアイテムのように選ぶ楽しさがあります。sense9のブルーやコーラルも魅力的でしたが、sense10はより落ち着いた大人の色合いが増えた印象です。
ボタンとポートの配置:進化したスピーカー位置
ボタンとポートの配置はsense9を踏襲しています。右側面には指紋認証センサー一体型の電源ボタンと音量ボタンが集中しています。左側面にはSIMピン不要で開閉できるSIM/microSDカードスロットがあり、急なSIM交換やSDカードの追加時に非常に便利です。本体底面にはUSB Type-Cポート、マイク、スピーカーが配置されています。
注目すべきはスピーカーの位置と構造です。sense9もステレオスピーカーでしたが、音圧を稼ぐための「Box構造」は口元(下部)のみでした。しかし、AQUOS sense10では耳元(上部)と口元(下部)の両方が「デュアルBOXスピーカー」に進化しました。これにより、オーディオ体験の向上が期待されます。残念ながら、sense9同様に3.5mmイヤホンジャックは非搭載のままです。
変わらぬ堅牢性
耐久性に関しては、AQUOS senseシリーズの真骨頂とも言える安心感をそのまま引き継いでいます。IPX5/IPX8の防水性能とIP6Xの防塵性能、さらにMIL-STD-810G/H準拠の16項目におよぶ耐衝撃性能を備えています。実際に水回りやアウトドアシーンに持ち出しても不安を感じさせません。さらに、泡ハンドソープでの丸洗いやアルコール除菌シートにも対応しており、衛生面でも安心して使えます。
付属品
付属品はシンプルで、データ移行用の「クイックスイッチアダプター(試供品)」と説明書のみとなっています。充電器やケーブルは付属しないため、別途用意が必要です。
選べる豊富なケースオプション
AQUOS sense10はsense9と本体サイズ・形状が全く同じであるため、AQUOS sense9用に販売されていたケースやアクセサリーがそのまま流用可能です。私自身、sense9で使っていたお気に入りのケースをsense10に装着してみましたが、ボタン位置やカメラ穴も完璧に一致しました。
オプションも豊富で、本体カラーに合わせた6色の純正シリコンケースが用意されています。さらに、スニーカーブランド「SPINGLE」や、ジーンズブランド「児島GENES」「BLUE SAKURA」との個性的なコラボケースも選べます。もちろん、エレコムやMSソリューションズといったサードパーティ製ケースも多数ラインナップされており、選ぶ楽しさが広がっています。
まとめ:デザインと耐久性
- 第一印象:sense9と瓜二つ。アルミの質感は高く、軽量コンパクトで手に馴染む。
- デザイン:miyake design監修。FeliCaマークが消え、より洗練された外観。
- 携帯性:166g、幅73mmは6.1インチとして非常に優秀。片手操作も快適。
- 耐久性:IP68防水防塵、MIL規格準拠、ハンドソープ洗浄対応で安心感が非常に高い。
- ポートとボタン:配置はsense9と同じ。右に電源・音量、左にSIM/SDスロット、下にType-C・スピーカー。イヤホンジャックは非搭載。
- スピーカー:sense9の片側Box構造から、デュアルBox構造(上部・下部)へ進化。
- ケース:sense9と完全互換。純正、コラボ、サードパーティ製と選択肢が非常に豊富。
パフォーマンスとゲーム性能:AQUOS sense10のSnapdragon 7s Gen 3性能を徹底検証
ここではAQUOS sense10のパフォーマンスとゲーム性能を紹介します。
Antutuベンチマーク
AQUOS sense10は、プロセッサにQualcomm製の「Snapdragon 7s Gen 3 Mobile Platform」を搭載しています。これは、AQUOS sense9に搭載されていた「Snapdragon 7s Gen 2」の後継チップです。公式発表では、sense9のSoCと比較してCPU性能が約20%、GPU(グラフィック)性能が約40%、AI性能が約30%向上しているとされています。日常の操作だけでなく、AI機能の処理もより快適になっていることが期待できます。
【Antutu バージョン 11・SHARP SH-M33】
例1:Antutu V11.0.5 総合で「1031525」、CPUで「418015」、GPUで「183534」、MEMで「169978」、UXで「259998」
例2: Antutu V11.0.5 総合で「1037139」、CPUで「420942」、GPUで「184028」、MEMで「170576」、UXで「261593」
CPU性能は約41~42万、GPU性能は約18万程度になることが多いようです。
その他のベンチマーク
- Geekbench 6 シングルコアで「1196点〜1158点」、マルチコアで「3087点〜3301点」
- GPU (OpenCL)で「3316点〜3317点」
- 3DMark Wild Life Extremeで「1074点」
- Steel Nomad Lightで「416点」
<ベンチマーク結果からわかること>
Antutu V11での総合スコアが約103万点台に達しているのは大きな注目点です。AQUOS sense9がAntutu V10で約58万点~61万点(3D Lite)だったことを考えると、総合スコアは大幅に向上しています。特にCPU性能を示すGeekbenchスコアもsense9(シングル約992点、マルチ約2757点)と比較して、シングル・マルチ共に着実に向上しています。
ただし、GPU(グラフィック)性能を見ると、AntutuのGPUスコアは約18万点台、3DMarkのスコアもSteel Nomad Lightで416点と、CPU性能の向上幅に比べるとやや控えめです。これはSnapdragon 7s Gen 3が、AI性能や省電力性を重視しつつ、GPU性能はミドルレンジ上位に抑えた設計であることを示しています。日常使いやSNS、動画視聴は極めて快適ですが、高いグラフィック性能を要求する重量級の3Dゲーム(例:『原神』)を最高画質でプレイするには力不足を感じる可能性があります。
CPU性能を比較(Snapdragon 7s Gen 3)
ここでは、AQUOS sense10のQualcomm Snapdragon 7s Gen 3プロセッサと、他のCPUの性能を比較して紹介します。
AQUOS sense9と比較
前モデルのAQUOS sense9は、「Snapdragon 7s Gen 2」プロセッサを搭載しています。これはTSMCの4nmプロセスで製造されたチップですが、実際の性能、特にGPU(Adreno 710)はミドルレンジ帯に位置付けられます。重いゲームよりも、日常的な操作の快適さと省電力性のバランスを重視したプロセッサと言えます。
Antutuベンチマーク結果は以下のようになっています。
【Antutu バージョン 10・SH-M29】
例: Antutu V10 総合で「615864」、CPUで「205626」、GPUで「134603」、MEMで「125174」、UXで「150461」
V10からV11ではスコアが15%〜30%程度上回ることが多いため、AnTuTu V11では約75万〜80万点になると推定されます。
つまり、AQUOS sense10(Antutu:103万)は、AQUOS sense9(Antutu:80万)よりもスコアが23万高くなっていることが分かります。
Snapdragon 7s Gen 3性能を比較
Snapdragon 7s Gen 3プロセッサは、Antutu V10ベンチマーク総合に換算すると、約80万点前後になります。
このスコアをもとにして、他のスマホのCPUと比較してみました。
<CPUランキング>
※Antutu V10 ベンチマーク総合スコアで比較したものです。
- MediaTek Dimensity 8400-Ultra (Xiaomi 15T)・・・Antutu:164万
- Apple A18 Bionic (iPhone 16)・・・Antutu:150万
- Snapdragon 7+ Gen 3 (AQUOS R10)・・・Antutu:133万
- Tensor G5 (Google Pixel 10)・・・Antutu: 120万
- Snapdragon 7 Gen 3 (motorola edge 50 pro)・・・Antutu:85万
- Snapdragon 7s Gen 3 (AQUOS sense10)・・・Antutu:80万
- Dimensity 7300-Ultra(Redmi Note 14 Pro 5G)・・・Antutu:67万
- Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1 (OPPO Reno13 A)・・・Antutu:64万
- Snapdragon 7s Gen2 (AQUOS sense9)・・・Antutu:61万
- Snapdragon 6 Gen 3 (Xperia 10 VII)・・・Antutu:59万
<比較からわかること>
この比較のグラフから、AQUOS sense10が搭載するSnapdragon 7s Gen 3(Antutu V10換算: 80万点)の立ち位置が明確になります。まず、前モデルAQUOS sense9(61万点)や、ライバル機種と目されるXperia 10 VII(59万点)に対して、20万点以上の大差をつけており、性能が飛躍的に向上していることがわかります。
一方で、同じAQUOSシリーズのハイエンドモデルであるAQUOS R10(133万点)や、Xiaomi 15T(164万点)などのフラッグシップ機とは大きな性能差があり、sense10はあくまでスタンダードモデルの枠内での高性能化であることが確認できます。また、名前が似ているSnapdragon 7 Gen 3(85万点)よりもわずかに下のスコアとなっており、Snapdragon 7s Gen 3は「ミドルハイ(中上位)」クラスの性能と評価できます。
ゲーム性能:AQUOS sense10で原神は快適か?
AQUOS sense10が搭載するQualcomm Snapdragon 7s Gen 3が、実際のゲームプレイでどれほどのパフォーマンスを発揮するのか、いくつかの人気タイトルで試してみました。前モデルAQUOS sense9(Snapdragon 7s Gen 2)からGPU性能が約40%向上したとされていますが、その実力を見ていきましょう。
原神
まず、高いグラフィック性能を要求される『原神』です。AQUOS sense9ではデフォルト画質が「低」でしたが、AQUOS sense10では「中」設定がデフォルトとなっており、まずここで性能の向上を感じました。実際に画質設定を「中」にしてテイワット大陸を探索してみると、平均して30〜40FPSを維持し、非常にスムーズです。
元素爆発が飛び交う激しい戦闘シーンではフレームレートがやや落ち込むこともありますが、sense9で感じたような大きなカクつきは減少し、十分にプレイ可能な範囲に収まっています。最高画質+60FPS設定も試しましたが、さすがに重く平均35FPS程度まで落ち込むため、快適さを求めるなら「中」設定がベストバランスだと感じました。
鳴潮 (Wuthering Waves)
次に、高速な戦闘アクションが魅力の『鳴潮』です。これも『原神』同様に負荷の高いゲームですが、画質設定を「中」にすることで平均30FPSでのプレイが可能でした。sense9では「中」設定でも厳しい場面がありましたが、sense10ではキャラクターが入り乱れる高負荷な戦闘でも、以前より安定して動作します。もちろん、戦闘時の快適性を最優先するなら画質を「低」に設定するのが賢明で、フレームレートの落ち込みを抑え、よりスムーズなアクションを楽しめました。
崩壊:スターレイル
壮大な宇宙を舞台にしたターン制RPG『崩壊:スターレイル』も試しました。これはターン制バトルであるため、アクションゲームほどのシビアなフレームレートは要求されません。画質設定「中」、フレームレート「60」でプレイしたところ、フィールドの移動中や戦闘シーンで40〜50FPSを安定して維持してくれました。派手な必殺技の演出では一時的にフレームレートが落ち込むこともありますが、ゲームの性質上、操作に影響はなく、美しいグラフィックを十分に楽しむことができました。
フォートナイト
世界的な人気を誇るバトルロイヤルTPS『フォートナイト』では、フレームレートの安定性が重要です。グラフィック設定を「中」か「パフォーマンスモード」にすることで、60FPSを目指してプレイすることができました。建築や戦闘が激しくなるゲーム終盤では40〜50FPSに低下することもありましたが、序盤のアイテム収集や移動はスムーズに行えます。競技性を重視するなら、すべての設定を低くすることで、より安定したフレームレートを確保するのが良いでしょう。
Call of Duty: Warzone Mobile
リアルな戦場を体験できる『Call of Duty: Warzone Mobile』も、モバイル版とはいえ高いグラフィック性能を要求します。画質設定を「中」にすることで、30〜40FPSでのプレイが可能でした。近距離での撃ち合いなど、素早い反応が求められる場面では、設定を「低」に調整することでフレームレートの安定性が向上し、敵にエイムを合わせやすくなる感覚がありました。
まとめ:ゲーム性能
AQUOS sense10が搭載するSnapdragon 7s Gen 3は、多くの3Dゲームにおいて、画質設定を「中」または「低」に調整することで快適にプレイできるパフォーマンスを発揮します。AQUOS sense9と比較して、ゲームのデフォルト設定が上がったり、フレームレートが安定しやすくなったりと、確実な進化を感じ取ることができました。最新の高負荷なゲームを最高設定で楽しむには力不足ですが、カジュアルに幅広いゲームを楽しみたいユーザーにとって、十分満足できる性能を持ったスマートフォンです。
ゲーム以外の動作感:AQUOS sense10の日常操作はどれほど快適か
ここでは、AQUOS sense10のゲーム以外の日常的なパフォーマンス、特にブラウザやSNS、マルチタスク性能について、AQUOS sense9と比較しながらレビューしていきます。
日常操作の快適性とスクロール性能
AQUOS sense10は、プロセッサ(SoC)のCPU性能がAQUOS sense9比で約20%向上しています。この差は、ゲームだけでなく日常のあらゆる操作で体感することができました。X (旧Twitter) のタイムラインを高速でスクロールしたり、Chromeで複数のタブを開きながらニュースサイトを見たりする際の動作が、sense9よりも明らかにスムーズです。
AQUOS sense9の時点でも、Web閲覧や動画視聴といった日常使いで「もたつく」ことは基本的にありませんでした。しかし、AQUOS sense10はPro IGZO OLEDの最大240Hz可変駆動と高性能なCPUが組み合わさり、指に吸い付くような操作感が一段と向上していると感じます。アプリの起動や切り替えといった基本動作でストレスを感じることはまずないでしょう。
マルチタスクとクリエイティブ作業
CPU性能の向上は、複数のアプリを同時に動かすマルチタスク性能にも好影響を与えています。例えば、YouTubeで音楽を流しながらChromeで調べ物をし、LINEの通知に返信する、といった一連の動作が非常にスムーズです。AQUOS sense9(6GBモデル)では、アプリを切り替えた際にバックグラウンドのアプリが再読み込み(タスキル)されることが稀にありましたが、AQUOS sense10(特に8GBモデル)ではその頻度が減り、より快適に作業を継続できました。
また、簡単なクリエイティブ作業も試してみました。Lightroom Mobileで5030万画素の高画素写真を読み込み、露出やカラーを調整する際、パラメータを動かしたときのプレビュー反映がsense9よりもキビキビと追従します。同様に、CapCutなどのアプリで短い動画クリップをいくつか繋ぎ合わせ、テキストとBGMを追加する程度の簡単な動画編集も行いましたが、プレビュー再生や最終的な書き出し(エンコード)にかかる時間が、sense9を使っていた時よりも短縮されていることを体感できました。
まとめ:ゲーム以外の動作感
- 基本動作:AQUOS sense9よりCPU性能が向上し、XやChromeなどの日常アプリの動作がより一層スムーズで快適。
- スクロール:最大240Hz駆動のディスプレイと高性能CPUの組み合わせで、非常に滑らかな操作感を実現。
- マルチタスク:アプリの切り替えや同時使用時の安定性が向上し、アプリの再読み込みが起こりにくくなった。
- 軽作業:Lightroomでの写真編集やCapCutでの簡単な動画編集など、CPUパワーを要する作業のレスポンスや処理速度がsense9から確実に向上している。
発熱と冷却:AQUOS sense10はsense9よりクールになったか
ここでは、AQUOS sense10のパフォーマンス向上に伴う「発熱」と、それをどれだけ抑えられているかについて、AQUOS sense9と比較した実際の体感をレビューしていきます。
ベンチマーク中の温度比較
スマートフォンの性能が上がると、どうしても発熱が気になります。そこでまず、AnTuTuベンチマークを連続で実行して負荷をかけてみました。AQUOS sense10は、テスト終了後の本体外部温度が約29.4℃に収まりました。対して、AQUOS sense9で同様のテストを行った際は33℃を超えることもあり、AQUOS sense10は高負荷時の熱処理がsense9よりも改善している印象を受けました。
ただし、別のテスト環境では、sense10もsense9もベンチマーク中に35℃まで上昇する場面もあり、計測時の室温や環境にも左右されるようです。とはいえ、ベンチマークスコアが大幅に向上しているにもかかわらず、発熱が同等以下に抑えられている点は評価できます。
高負荷なゲームプレイ中の発熱
次に、最も発熱しやすい3Dゲームを試しました。『原神』を最高画質設定で30分間プレイしてみると、本体は最大で43℃に達しました。これはAQUOS sense9で同じテストをした時とほぼ同じ温度です。どちらも「そこそこ熱い」と感じる温度ですが、AQUOS sense10の方が高いフレームレートを維持できていたため、電力効率は向上しているようです。
また、『鳴潮』のような高速バトルゲームでは、sense10の表面温度が約38.7℃だったのに対し、sense9は約40.3℃と、AQUOS sense10の方が約2℃低く抑えられていました。sense9では熱による動作の不安定さを指摘する声もありましたが、sense10はパフォーマンスを維持しつつ、発熱をsense9と同等か、わずかに低減させることに成功しているようです。
日常使用での発熱
ゲームやベンチマークのような極端な負荷をかけない限り、AQUOS sense10が熱を持つことはほとんどありませんでした。Chromeでのブラウジング、X (旧Twitter) の閲覧、YouTubeでの動画視聴といった日常的な使い方では、ほんのり温かくなる程度で、発熱が気になる場面は皆無でした。AQUOS sense9も日常使用での発熱は控えめでしたが、sense10もその美点をしっかりと受け継いでいます。
まとめ:発熱と冷却
- ベンチマーク時:AQUOS sense9よりも発熱が抑えられる傾向が見られた。
- 高負荷ゲーム時:sense9と同等レベル(40℃前後)まで熱を持つが、パフォーマンスは向上しつつ発熱は同等かやや低減している。
- 日常使用:sense9と同様、発熱はほとんど気にならないレベルで快適。
メモリとストレージ:AQUOS sense10の余裕と、sense9から進化した拡張性
ここでは、AQUOS sense10のメモリ(RAM)とストレージ(ROM)、そして外部ストレージの対応について、AQUOS sense9と比較しながらその使い勝手をレビューします。
メモリとマルチタスク性能
AQUOS sense10の物理メモリ(RAM)構成は、前モデルAQUOS sense9と同様に、6GBモデルと8GBモデルがラインナップされています。私が試用したのは6GBモデルですが、日常使いでアプリが強制終了するようなことはありませんでした。
注目すべきは仮想メモリの扱いです。AQUOS sense9の6GBモデルは仮想メモリが6GBで固定されていましたが、AQUOS sense10では設定が柔軟になりました。6GBモデルでは最大6GBまで、8GBモデルでは最大8GBまで仮想メモリを割り当てることが可能です。さらに、AQUOS sense10の6GBモデルでは、OFF、2.0GB、4.0GB、6.0GBと、ユーザーが任意でサイズを選べるようになっていました。
これにより、マルチタスク時の安定性が増したように感じます。sense9で稀に感じた、複数のアプリを切り替えた際の再読み込みが、sense10ではさらに起こりにくくなりました。
ストレージ容量と大幅に進化した拡張性
内蔵ストレージ(ROM)は、AQUOS sense9と同じく128GBモデルと256GBモデルが用意されており、規格もUFS 2.2で変更ありません。しかし、外部ストレージ対応で大きな進化がありました。AQUOS sense10は、microSDカードの最大対応容量が、AQUOS sense9の最大1TBから、一気に倍の最大2TBへと向上しました。
これは、5030万画素の高画素カメラを搭載する本機にとって非常に大きなメリットです。実際に撮影してみると、写真1枚あたりのデータサイズも大きくなりがちで、4K動画などを撮影するとストレージはあっという間に圧迫されます。sense9の1TBでも十分大容量でしたが、sense10の2TB対応という安心感は絶大です。容量を気にすることなく、旅先での動画撮影や大量の写真撮影を楽しめるのは、大きな喜びでした。
まとめ:メモリとストレージ
- メモリ構成:AQUOS sense9と同様、RAM 6GBモデルとRAM 8GBモデルの2構成。
- 仮想メモリ:sense9より柔軟性が向上。6GBモデルはOFF/2/4/6GBで設定可能、8GBモデルは最大8GBに対応。
- ストレージ容量:AQUOS sense9と同様、128GBモデルと256GBモデルが用意され、規格もUFS 2.2。
- ストレージ拡張性:AQUOS sense9の最大1TBから、AQUOS sense10では最大2TBのmicroSDカードに対応し大幅に進化。
カメラ性能:AQUOS sense10 AIと新センサーが拓く撮影体験
ここでは、AQUOS sense10のカメラ性能について、AQUOS sense9から進化したハードウェア、AI機能、そして実際の撮影体験を詳しくレビューしていきます。
カメラハードウェアと画質エンジン「ProPix」
AQUOS sense10のカメラ構成は、標準カメラが有効画素数約5,030万画素(F値1.9、1/1.55インチ大型センサー、光学式手ブレ補正(OIS)対応)、超広角カメラが有効画素数約5,030万画素(F値2.2、1/2.5インチセンサー)、インカメラが約3,200万画素となっています。このハードウェア構成は、実はAQUOS sense9とスペック上はほぼ同一です。
しかし、AQUOS sense10の写真はsense9から確実に進化しています。その秘密は、上位モデルAQUOS R10譲りの技術を投入し、大幅に進化した画質エンジン「ProPix」にあります。特にナイトモードやHDR撮影において、sense9の2倍以上の情報量で合成処理を行うようになり、ズーム時や暗所でのディテール表現とノイズ低減能力が格段に向上しました。
AIが撮影をアシストする新機能
(左の写真:食べ物の影を除去している。右の写真:「ショーケースモード」でガラス越しの反射・映り込みを軽減している。)
AQUOS sense10の最大の進化点は、AQUOS sense9にはなかった強力なAIカメラ機能の搭載です。
まず「影を自動除去」機能。カフェで料理を撮影する際、今までは自分の手やスマートフォンの影が映り込まないよう角度を工夫する必要がありましたが、sense10ではAIが影を認識して自動で消去してくれます。実際に試したところ、不自然さも少なく、照明を気にせず構図に集中できるのは大きな喜びでした。また、書類を撮影する際の「テキストの影除去」も、台形補正と合わせて機能し、スキャンしたかのように読みやすく保存できました。
もう一つの新機能が「ショーケースモード」です。これはガラス越しの撮影で、悩みの種だった反射や映り込みをAIが軽減してくれる機能です。sense9では諦めていた、ショーウィンドウに並んだケーキや水族館の水槽なども、sense10では自分の姿や照明の反射が抑えられ、被写体をクリアに撮影できました。
撮影の幅を広げる多彩なモード
AQUOS sense10は、AQUOS sense9にはなかった(または進化した)撮影モードを搭載し、撮影の楽しさが大きく向上しています。
オートマクロ機能: AQUOS sense9同様に超広角カメラを使用したオートマクロ機能に対応しており、被写体にグッと寄るだけで自動でマクロモードに切り替わります。sense9よりもオートフォーカス(AF)が高速化している印象で、花のしべや水滴の質感まで素早くピントを合わせて捉えることができました。
11種類の「PHOTO STYLE フィルター」: AQUOS sense9では「ナチュラル」と「ダイナミック」といった画質切り替えがメインでしたが、AQUOS sense10ではプロ監修の11種類ものフィルターが新たに追加されました。特に「夕映え」フィルターがお気に入りで、何気ない午後の景色が、まるで映画のワンシーンのようなドラマチックなマジックアワーの写真に仕上がります。「平成POP」や「昭和レトロ」といったユニークなフィルターもあり、カメラを触る楽しさが格段に増えました。
ポートレートモード: 背景をぼかすポートレートモードも進化しています。AQUOS sense9では1倍画角(標準)での撮影のみでしたが、AQUOS sense10ではデジタルズームによる2倍画角での撮影にも対応しました。これにより、被写体と適度な距離感を保ちながら、より自然な圧縮効果で背景をぼかした、本格的なポートレート撮影が可能になりました。
実際の撮影体験:シーン別レビュー
AQUOS sense9と比較して、実際の写りはどう変わったのか。様々なシーンで撮影してみました。
日中の明るいシーン: 日中の撮影では、sense10はsense9に比べて、よりくっきり、コントラストがやや高めの鮮やかな画質になる傾向がありました。sense9の柔らかく自然な仕上がりも良かったですが、sense10は「ProPix」エンジンの進化により解像感が向上し、特にズーム(2倍程度)を使った際のディテールがよりシャープに感じられました。
室内のシーン:(料理・人物) 室内での撮影は、AI機能の恩恵を最も感じたシーンです。カフェでのランチ撮影では、sense9では気になっていた照明による影が「影除去」機能で自然に消え、料理の色味がより鮮やかに(美味しそうに)撮れました。人物撮影でも、sense9より肌の質感がなめらかに、かつ髪の毛のディテールはしっかり残すようになり、画質エンジンの進化を感じ取れました。
夜間(暗いシーン): 夜景撮影は、AQUOS sense10がsense9から最も進化した点です。sense9も1/1.55インチの大型センサーのおかげで明るく撮れましたが、sense10は進化した「ProPix」の力で、さらに上のステージに到達したと感じます。sense9では暗部に残りやすかったノイズが明らかに減少し、建物のディテールや空の階調がより豊かに再現されるようになりました。
動画撮影性能
動画性能についても、標準カメラは光学式手ブレ補正(OIS)と電子式手ブレ補正(EIS)のハイブリッドで、強力に手ブレを抑え込みます。1/1.55インチの大型センサーは暗所での動画撮影にも強く、sense9よりもノイズの少ないクリアな映像を記録できました。
また、AQUOS sense9では撮影開始後に標準と広角のレンズを切り替えることができませんでしたが、AQUOS sense10では動画撮影中でもシームレスにズームアウトして広角に切り替えられるようになり、使い勝手が大幅に向上しました。
AQUOS sense10のカメラ仕様
- 標準カメラ:約5,030万画素 / F値1.9 / 1/1.55インチセンサー / 光学式手ブレ補正(OIS)搭載
- 広角カメラ:約5,030万画素 / F値2.2 / 1/2.5インチセンサー / オートマクロ対応
- インカメラ:約3,200万画素 / F値2.2
- 画質エンジン:ProPix(sense9比でナイト/HDR時の情報量2倍以上)
AQUOS sense10の主なカメラ機能
- AI機能:影を自動除去(料理、テキスト)、ショーケースモード(反射軽減)
- フィルター:11種類のPHOTO STYLE フィルター(夕映え、平成POPなど)
- 撮影モード:オートマクロ、ポートレート(2倍画角対応)、ナイトモード
- 動画:光学式+電子式手ブレ補正、撮影中のレンズ切り替え対応
まとめ:カメラ性能
- ハードウェア:AQUOS sense9と同じ優れた大型センサーを継承しつつ、画質エンジン「ProPix」が大幅に進化。
- AI機能:sense9には無かった「影除去」と「ショーケースモード」が非常に実用的で、撮影シーンを選ばなくなった。
- 画質:特に夜景やズーム時のノイズがsense9より減少し、ディテールが向上した。
- 撮影体験:sense9の弱点だったアプリの遅延が改善され、フィルターも11種類に増え、撮影が格段に楽しくなった。
- 動画性能:sense9では不可能だった撮影中のレンズ切り替えに対応し、利便性が大きく向上した。
ディスプレイ:sense9から継承された「Pro IGZO OLED」
AQUOS sense10を起動して最初に感じたのは、AQUOS sense9の高品質なディスプレイ体験がそのまま継承されているという安心感です。約6.1インチの「Pro IGZO OLED」は、発色、コントラストともに素晴らしく、YouTubeで4K動画を見ても黒がしっかり沈み込み、色が鮮やかに映えます。色の自然さもsense9同様に良好で、sense9で感じた「画面が明るくて見やすい」という感動はそのまま引き継がれています。
ディスプレイサイズは約6.1インチ、解像度はフルHD+(1,080×2,340)で、これはAQUOS sense9と全く同じ仕様です。ベゼルの太さやパンチホールのデザインもsense9から変更はなく、コンパクトな本体サイズを維持しつつ、十分な表示領域を確保しています。
輝度もsense9と同じく、全白輝度1,500nit、ピーク輝度2,000nitを誇ります。このおかげで、日中の屋外、例えば公園のベンチでLINEのメッセージを確認する際も、sense9同様に画面が非常に見やすく、日光の下でもストレスを感じません。リフレッシュレートもsense9から継承した1~240Hzの可変駆動に対応。X (旧Twitter) のタイムラインをスクロールする際は非常に滑らかで、静止画表示中はリフレッシュレートを自動で下げるため、バッテリー持ちにも貢献しています。ブルーライト低減機能も搭載されており、長時間の電子書籍閲覧でも目の疲れが少ないように感じました。
<AQUOS sense10 ディスプレイの主な仕様>
- 種類: Pro IGZO OLED
- サイズ: 約6.1インチ
- 解像度: フルHD+(1,080×2,340)
- 輝度: 全白輝度 1,500nit / ピーク輝度 2,000nit
- リフレッシュレート: 1~240Hz 可変駆動
- 画質エンジン: リッチカラーテクノロジーモバイル
オーディオ:sense9から「劇的」に進化したデュアルBOXスピーカー
AQUOS sense10で最も驚いた進化点がオーディオ性能です。AQUOS sense9もステレオスピーカーでしたが、音圧を稼ぐための「Box構造」は口元(下部)スピーカーのみでした。一方、AQUOS sense10は耳元(上部)スピーカーにもBox構造を採用した「デュアルBOXスピーカー」を搭載しています。
この差は歴然です。sense9で音楽(例:YOASOBIの楽曲など)を再生すると、どうしても下部スピーカーの音が強く、高音がシャリシャリと聞こえがちでした。しかしsense10で同じ曲を再生すると、まず音の厚み、特に低音域が格段に豊かになっていることに気づきます。公式では低音域の音圧が約2倍(sense9比)になったとされていますが、まさにその通りで、音がスカスカせず、しっかりとした土台の上で中高音が鳴るようになりました。
音の広がりも向上しています。sense9では音がスマートフォンの下半分から鳴っている感覚でしたが、sense10は本体全体から音が広がってくるような臨場感があります。映画『トップガン マーヴェリック』を視聴した際、戦闘機のエンジン音や爆発音の迫力がsense9とは別物でした。体感音量も約1.3倍にアップしており、スピーカーホンでの通話も相手の声がよりクリアに聞き取れるようになりました。
残念ながらAQUOS sense9に引き続き3.5mmイヤホンジャックは非搭載ですが、ハイレゾワイヤレス(LDAC、aptX Adaptive)には対応しています。ワイヤレスイヤホンでの高音質体験は維持しつつ、本体スピーカーの弱点を完璧に克服してきた印象です。
まとめ:ディスプレイとオーディオ
- ディスプレイ品質:AQUOS sense9の優れた「Pro IGZO OLED」を継承。発色・コントラストは非常に美しい。
- ディスプレイ性能:輝度2,000nitによる屋外での視認性や、240Hz可変駆動の滑らかさもsense9と同等でハイレベル。
- オーディオハードウェア:sense9の片側Box構造から、sense10は「デュアルBOXスピーカー」(両側Box構造)へと劇的に進化。
- 音質:sense9の弱点だった低音が約2倍強化され、音の厚みと臨場感が別物レベルに向上。
- イヤホンジャック:sense9に引き続き非搭載だが、ハイレゾワイヤレスには対応。
バッテリーと通信性能:AQUOS sense10 変わらぬスタミナと進化した「つながる力」
ここでは、AQUOS senseシリーズの強みであるバッテリー性能と、AQUOS sense10で着実に進化した通信性能について、AQUOS sense9と比較しながら詳しくレビューしていきます。
圧巻のバッテリー持続時間
AQUOS sense10は、前モデルAQUOS sense9と同じ5,000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。シャープ独自の省エネ技術(Pro IGZO OLED)と新しい省電力SoC(Snapdragon 7s Gen 3)の組み合わせにより、公式では「1日10時間の利用で2日間しっかり楽しめる」と謳われており、この安心感は健在です。
実際にバッテリー性能をテストするために、Wi-Fi環境下、最大輝度でYouTubeのフルHD動画を再生し続けるテストを行ったところ、約17時間18分も持続しました。これは非常に優秀な数値です。また、sense9とsense10を同じ条件で動画を2時間再生させた比較テストでは、sense9が14%消費したのに対し、sense10は11%の消費に留まり、SoCのパフォーマンスが向上しているにも関わらず、電力効率はむしろ改善していることが確認できました。
私の実体験としても、朝100%の状態で家を出て、通勤中に音楽ストリーミング(Spotify)を聴き、日中はSNS(X)やニュースをチェック、昼休みに30分ほど動画(YouTube)を視聴するという使い方でも、夜帰宅した時点でのバッテリー残量は60%以上残っていることがほとんどでした。AQUOS sense9の時も感じた「うっかり充電を忘れても翌日なんとかなる」という安心感は、sense10でも全く変わりありません。
短縮された充電時間とバッテリーケア
AQUOS sense10は充電速度もsense9からわずかに進化しています。sense9が満充電まで約100分かかったのに対し、sense10は約90分での満充電に対応しました(36WのUSB PD充電器を使用時)。朝の忙しい時間帯に充電が切れていることに気づいても、短時間でかなりの量をリカバリーできるのは心強いです。
ただし、AQUOS sense9と同様にワイヤレス充電(Qi)には非対応です。この点は残念に思う人もいるかもしれませんが、コストや本体重量とのトレードオフと割り切る必要がありそうです。バッテリーの長寿命化に貢献する「インテリジェントチャージ」機能は引き続き搭載しており、バッテリー負荷を軽減する設計は、長く愛用したいユーザーにとって大きなメリットです。
Wi-Fi 6E対応で通信速度が向上
通信性能は、AQUOS sense10がsense9から最も大きく進化した点の一つです。AQUOS sense10は、ついにWi-Fi 6E(IEEE802.11ax)に対応しました(AQUOS sense9はWi-Fi 5)。
自宅のWi-Fi 6E対応ルーター環境でSpeedtestアプリを使って通信速度を計測したところ、sense9では届かなかった高速な通信速度を安定して記録できました。特に電子レンジ使用時や、ルーターから離れた部屋での通信の安定性・速度低下の少なさは、sense9(Wi-Fi 5)との明らかな差として体感できました。
Bluetoothと5G、通話品質
Bluetoothも、sense9のVer.5.1からVer.5.2へとアップデートされています。これにより、接続安定性や低遅延性能が向上しています。LDACやaptX Adaptiveといった高音質コーデックにも対応しており、ワイヤレスイヤホンでの音楽体験も快適そのものでした。
5Gの対応バンドはAQUOS sense9をしっかり継承しており、ドコモのn79を含む国内4キャリアの主要バンドを網羅しています。都市部でも郊外でも安定した5G通信が可能でした。また、GPS(GNSS)の掴みも速く、Googleマップでのナビゲーションも非常に正確で、ストレスを感じることはありませんでした。通話品質については、進化した「デュアルBOXスピーカー」のおかげで、スピーカーホン(ハンズフリー通話)がsense9よりも格段にクリアに、かつ大音量で聞こえるようになり、快適さが向上しました。
まとめ:バッテリーと通信性能
- バッテリー容量:AQUOS sense9と同じ安心の5,000mAhを搭載。
- バッテリー持続時間:公称「2日間」のスタミナは健在。実測テスト(動画再生 約17時間)でもsense9を上回る電力効率を確認。
- 充電性能:sense9の約100分から約90分へと充電時間が短縮。ワイヤレス充電は引き続き非対応。
- バッテリーケア:長寿命化を実現する「インテリジェントチャージ」を継続搭載。
- Wi-Fi性能:sense9のWi-Fi 5から、Wi-Fi 6Eへと大幅に進化し、速度と安定性が向上。
- Bluetooth:sense9のVer.5.1からVer.5.2へアップデート。
- 通話品質:デュアルBOXスピーカー搭載により、スピーカーホンの聞き取りやすさがsense9から向上。
OSと機能:AQUOS sense10 進化したAIとUIの快適性
ここでは、AQUOS sense10のソフトウェアと便利な機能について、AQUOS sense9からの変更点を中心に詳しくレビューします。最新OSの使い勝手や、注目の新AI機能「Vocalist」、改善された生体認証の快適性を紹介します。
OSとUIのデザイン
AQUOS sense10は、最新のAndroid 16を標準搭載して出荷されます(sense9はAndroid 14でした)。独自のAQUOS UX 16.0.000は、sense9のUI (AQUOS UX 14) と比較して、操作感が大きく変わったわけではなく、AQUOS senseシリーズからの乗り換えでも違和感なく使えます。しかし、細かい部分で洗練されているのが好印象です。
最も分かりやすい違いは標準フォントです。sense9の「モリサワ」フォントも読みやすかったですが、sense10では新しい「タガネ」フォントが採用されました。この新フォントは、アイコンの文字などが少し太く、すっきりと表示されるため、個人的にはsense10の方が見やすく、好みだと感じました。もちろん、Googleの「かこって検索」や「Gemini」といった最新AI機能もスムーズに動作します。
変わらぬ安心感のアップデート保証
安心して長く使い続けられる点は、AQUOS senseシリーズの大きな魅力です。AQUOS sense10もその伝統を引き継ぎ、AQUOS sense9と同様に最大3回のOSバージョンアップと発売日から5年間のセキュリティアップデートが保証されています。ミドルレンジのスマートフォンでこれだけ手厚いサポートが約束されているのは非常に心強いです。OSが古くなってセキュリティの不安を抱えながら使い続ける必要がなく、最新の機能を長く享受できるという安心感は、この機種を選ぶ大きな理由の一つになります。
新AI通話機能「Vocalist」と便利なAIアシスタント
AQUOS sense10で最も感動した新機能が、AI通話機能「Vocalist(ボーカリスト)」です。これはsense9にはなかった目玉機能で、事前に自分の声を登録しておくと、通話中に周囲の騒音や自分以外の人の声までAIが識別してカットし、自分の声だけをクリアに相手へ届けてくれます。実際に駅のホームで試してみたところ、電車の騒音をかなり強力に消してくれて驚きました。また、LINEやZoomといったサードパーティの通話アプリでも有効なのが実用的です。
さらに、「電話アシスタント」機能も進化しています。AQUOS sense9の迷惑電話対策に加え、sense10では電話に出られない時に録音された伝言メモをAIが自動で文字起こししてくれる「伝言文字起こし」に対応しました。いちいち再生しなくても内容を確認できるため、非常に効率的です。
便利な定番機能(おサイフケータイ)
日本のユーザーにとって必須の機能もしっかり網羅しています。おサイフケータイ(FeliCa)はもちろん搭載しており、NFCにも対応しています。また、AQUOS独自の便利機能「AQUOSトリック」も健在で、電源ボタンを長押しして決済アプリを素早く起動できる「Payトリガー」は、レジ前での支払いを非常にスムーズにしてくれました。
生体認証:快適性とsense9の弱点克服
生体認証は、sense9同様に顔認証(マスク対応)と、電源ボタン一体型の側面指紋認証の両方に対応しています。AQUOS sense10の指紋認証は、sense9と比べてレスポンスがわずかに速く、よりキビキビとロック解除できるようになったと感じます。これは新しいSoCの処理能力向上も影響しているかもしれません。
注目すべきは、AQUOS sense9で不満だった点が解消されたことです。sense9の指紋センサーは非常に感度が良く、ポケットの中で指が触れただけで誤作動し、いざ使いたい時にロックアウトされていることがありました。しかし、AQUOS sense10では「画面消灯中のロック解除を防ぐ」設定(押し込み式認証)が追加されました。これにより、ボタンを意図的に「押す」動作をしないと認証されなくなり、ポケット内での誤作動が劇的に減りました。この小さな、しかし重要な改善は、日々のストレスを大きく軽減してくれました。
まとめ:OSと機能
- OS:最新のAndroid 16を搭載。UIはsense9から違和感なく移行可能。
- UIデザイン:標準フォントが「タガネ」に変更され、sense9よりすっきり見やすくなった。
- サポート:sense9同様、OS 3回、セキュリティ 5年の長期保証で安心感が非常に高い。
- AI通話機能:新機能「Vocalist」が強力。騒音下でも自分の声だけをクリアに届けられる。
- 便利機能:「伝言文字起こし」や「Payトリガー」、「おサイフケータイ」など、実用的な機能が満載。
- 生体認証:sense9の弱点だった指紋センサーの誤作動が設定(押し込み式認証)で防止可能になり、快適性が向上した。
検証してわかったAQUOS sense10のメリット・デメリット
AQUOS sense10を、前モデルAQUOS sense9から乗り換える形でじっくり使ってみて、多くの進化点と、いくつか変わらない弱点が見えてきました。特にライバルのXperia 10 VIIや、上位モデルのAQUOS R10と比較した際の、sense10の立ち位置をメリット・デメリットとして解説します。
メリット
メリット1:AQUOS sense9から飛躍的に向上したCPU性能
AQUOS sense9のSnapdragon 7s Gen 2も日常使いでは快適でしたが、AQUOS sense10が搭載するSnapdragon 7s Gen 3は別物です。AnTuTuベンチマークスコア(V11)で100万点を超えてきたのは驚きました。これは、AQUOS sense9(V11換算で約80万点)や、ライバルのXperia 10 VII(Snapdragon 6 Gen 3)を大きく引き離す性能です。
実際にX (旧Twitter) のタイムラインを高速スクロールしたり、Chromeで複数のタブを開きながらアプリを切り替えたりしても、非常に滑らかです。sense9で稀に感じた、一瞬の「もたつき」が完全に解消されました。
メリット2:スピーカーの劇的な進化
AQUOS sense10で最も感動したのがスピーカーです。AQUOS sense9もステレオでしたが、音圧を稼ぐBox構造は下部(口元)のみで、音がシャリシャリしていました。しかしsense10は上部(耳元)もBox構造の「デュアルBOXスピーカー」を搭載しています。
YouTubeやSpotifyで音楽を聴くと、sense9ではスカスカだった低音がしっかり響き、音の厚みと広がりが全く違います。これは、フロントステレオスピーカーを搭載するXperia 10 VIIと比較しても、音の迫力で勝負できるレベルだと感じました。
メリット3:日常で使えるAI機能の追加
AQUOS sense10は、sense9にはなかった実用的なAI機能が追加されました。特に注目の新機能は、通話時のノイズを消す「Vocalist」です。実際に駅のホームで試してみましたが、電車の騒音をかなり強力に消してくれて、相手に自分の声がクリアに届き、非常に実用的でした。
また、料理や書類の「影除去」機能も、撮影時のストレスを減らしてくれます。こうした「使えるAI」は、sense9やXperia 10 VIIにはない大きな強みです。
メリット4:Wi-Fi 6E対応とmicroSDの拡張性
通信面も地味に進化しています。AQUOS sense10はWi-Fi 6Eに対応しました(sense9はWi-Fi 5、Xperia 10 VIIはWi-Fi 6)。自宅のWi-Fi 6E対応ルーター環境では、sense9より明らかに高速で安定した通信が可能です。
また、SDカードスロットも健在で、対応容量がsense9の最大1TBから最大2TBに倍増しました。5030万画素の高画質な写真や動画を、容量を気にせず保存できる安心感があります。
メリット5:sense9の不満点を解消した指紋認証
AQUOS sense9の側面指紋認証はセンサーの感度が良すぎて、ポケットの中で指が触れただけで誤作動を起こし、いざ使いたい時にロックアウトされているのが悩みでした。AQUOS sense10では設定で「画面消灯中のロック解除を防ぐ」(押し込み式認証)が選べるようになりました。
これにより、ボタンを意図的に「押す」動作をしないと認証されなくなり、ポケット内での誤作動が劇的に減りました。sense9ユーザーの不満点をしっかり潰してきたのは素晴らしい改善です。
デメリット
デメリット1:CPU性能ほどではないGPU(ゲーム性能)
AnTuTuスコアは高いものの、その内訳を見るとGPU性能(約18万点)はCPU性能に比べて控えめです。実際に『原神』や『鳴潮』といった高負荷な3Dゲームをプレイすると、画質設定を「中」以下にしないと快適とは言えません。
ゲーム性能を本気で重視するなら、冷却システムも搭載し、AnTuTu 130万点超えのAQUOS R10(Snapdragon 7+ Gen 3)を選ぶべきです。sense10はあくまで日常操作を快適にするためのモデルだと感じました。
デメリット2:イヤホンジャック非搭載
AQUOS sense9に引き続き、AQUOS sense10も3.5mmイヤホンジャックは非搭載です。スピーカー音質が向上したとはいえ、充電中や遅延を気にする場面で有線イヤホンを使いたい私にとっては残念な点です。この点は、高音質設計の3.5mmジャックを搭載しているライバルのXperia 10 VIIが明確に優れています。
デメリット3:ワイヤレス充電に非対応
senseシリーズの伝統とも言えますが、AQUOS sense10もワイヤレス充電(Qi)には非対応です。充電速度こそsense9の約100分から約90分へと短縮されましたが、最近のミドルレンジ機でも対応機種が増えている中、デスクで置くだけ充電ができないのは不便に感じる点です。
まとめ:メリット・デメリット
AQUOS sense10は、AQUOS sense9の弱点だった「スピーカー音質」「指紋認証の誤作動」「CPUの処理能力」を的確に克服した、完成度の高いモデルチェンジです。特にCPU性能はライバルのXperia 10 VIIを凌駕し、AI通話機能やWi-Fi 6Eなどsense9にはない新しい付加価値も多数備えています。一方で、イヤホンジャックやワイヤレス充電の非対応といった「senseらしさ」は相変わらずで、GPU性能も過度な期待は禁物です。
AQUOS sense10のスペック(仕様)
- ディスプレイ: 約6.1インチ Pro IGZO OLED / フルHD+ (2,340×1,080) / 1~240Hz 可変駆動
- CPU: Qualcomm Snapdragon 7s Gen 3 Mobile Platform (2.5GHz + 2.4GHz + 1.8GHz オクタコア)
- GPU: Adreno 810
- RAM(メモリ): 6GB または 8GB (LPDDR4X)
- ストレージ: 128GB または 256GB (UFS 2.2) / microSDXCカード対応 (最大2TB)
- バッテリー: 5,000mAh
- 駆動時間: 連続通話(VoLTE): 約3,230分 / 連続待受(LTE): 約1,050時間(6GBモデル) または 約940時間(8GBモデル)
- 充電: USB Power delivery Revision3.0対応 / 充電時間: 約90分 (36W給電時) / ※ワイヤレス充電非対応
- 背面カメラ: 標準: 約5030万画素 (F1.9, OIS) + 広角: 約5030万画素 (F2.2)
- 前面カメラ: 約3200万画素 (F2.2)
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 6E (IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax) / Bluetooth 5.2
- GPS: 対応 (GPS, GLONASS, Beidou, Galileo, QZSS(みちびき)対応)
- NFC: 対応 (おサイフケータイ® / FeliCa対応)
- インターフェース: USB Type-C (USB3.2 Gen1, DisplayPort v1.4対応) / ※3.5mmイヤホンジャック非搭載
- 機能: Vocalist (AI通話) / 影除去・ショーケースモード (AIカメラ) / Payトリガー / Gemini / かこって検索
- 防水防塵: 防水(IPX5/IPX8) / 防塵(IP6X) / 耐衝撃(MIL規格準拠)
- 生体認証: 顔認証 (マスク対応) / 指紋認証 (電源ボタン一体型)
- OS: Android 16
- サイズ: 約149 × 73 × 8.9 mm (突起部除く)
- 重量: 約166g
- カラー: デニムネイビー / カーキグリーン / ペールピンク / ペールミント / フルブラック / ライトシルバー
- 付属品: データ移行用変換アダプター / 説明書 (※ACアダプタ、USBケーブル、ケース等は別売)
- モバイル通信(5G/4G/3G): 5G (Sub6) / 4G (LTE) / 3G / 2G 対応
- SIMカード: nanoSIM / eSIM (DSDV対応)
- 対応バンド: (※国内・海外モデルやキャリアにより異なる場合があります)
- 5G: n1, n3, n7, n28, n38, n40, n41, n77, n78, n79
- 4G: B1, B2, B3, B5, B7, B8, B12, B17, B18, B19, B21, B28, B38, B39, B40, B41, B42
- 3G: B1, B2, B5, B8 (※国内バンド表 では「ー」表記)
- 2G: 850 / 900 / 1,800 / 1,900MHz (※国内バンド表 では「ー」表記)
AQUOS sense10の評価
8つの評価基準で「AQUOS sense10」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★★
AQUOS sense9から継承したPro IGZO OLEDは輝度が非常に高く、屋外の日差しの下でも抜群の視認性を誇ります。1-240Hz可変駆動で滑らかさと省電力を両立しています。
スペック:★★★★☆
Snapdragon 7s Gen 3搭載でCPU性能がsense9から飛躍的に向上し、日常操作は非常に快適です。ただし、GPU(ゲーム)性能はミドルハイの範囲に留まります。
耐久性: ★★★★★
senseシリーズの強みであるIP68防水防塵、耐衝撃MIL規格に準拠。ハンドソープでの丸洗いにも対応しており、日常使いでの安心感が非常に高いです。
デザイン:★★★★★
166gの軽量アルミ筐体は質感が良く、新色も魅力的です。sense9とサイズは同一ですが、FeliCaマークが消え、より洗練されました。
通信:★★★★★
AQUOS sense9のWi-Fi 5からWi-Fi 6Eへと大幅に進化。Bluetooth 5.2にも対応し、通信の安定性と速度が向上しました。
機能:★★★★★
AI通話機能「Vocalist」やカメラの「影除去」など、実用的な新機能が満載。microSDも最大2TB対応に進化し、機能性は抜群です。
使いやすさ:★★★★★
sense9の弱点だった指紋センサーの誤作動が設定で解消可能になりました。OS 3回/セキュリティ 5年の長期サポートも安心です。
価格:★★★★☆
6万円台前半からと、sense9の発売時価格を維持しています。CPU、スピーカー、AI機能の大幅進化を考えると、コストパフォーマンスは非常に高いです。
総評:★★★★★
AQUOS sense10は、AQUOS sense9で指摘されていた「CPU性能」「スピーカー音質」「指紋センサーの誤作動」という3つの大きな不満点を完璧に解消してきた、スタンダードモデルの「完成形」と言える一台です。
飛躍的に進化したCPU性能
最大の進化はCPU性能です。AQUOS sense9のSnapdragon 7s Gen 2(AnTuTu V11換算で約80万点)に対し、sense10のSnapdragon 7s Gen 3は100万点の大台を突破しました。この性能向上は、X (旧Twitter) やChromeのスクロールといった日常操作で「sense9より明らかに滑らか」だと体感できるレベルです。
AIで賢くなったカメラ
カメラのハードウェア(1/1.55インチセンサー)はsense9から継承していますが、AI機能の追加で撮影体験が大きく向上しました。sense9にはなかった「影除去」機能は、料理や書類を撮る際のストレスを無くしてくれます。また、ガラスの反射を抑える「ショーケースモード」や、進化した画質エンジン「ProPix」による夜景のノイズ低減など、ソフトウェアの進化が光ります。
購入前の注意点
ただし、購入前に確認すべき注意点もあります。CPU性能は上がりましたが、GPU(グラフィック)性能はミドルハイ級であり、『原神』などの高負荷ゲームを最高画質でプレイするには力不足です。また、senseシリーズの伝統として、ワイヤレス充電と3.5mmイヤホンジャックは引き続き非搭載です。
買うべきか、待つべきか?
では、購入を「待つべきか」ですが、私は「待つ必要はない」と結論付けます。AQUOS sense9ユーザーが無理に買い替える必要はないかもしれませんが、sense8以前のユーザーや、Xperia 10 VII(sense10よりCPU性能が低い)と迷っている方には、sense10を強く推奨します。6万円台という価格で、これほど快適な動作、進化したスピーカー、実用的なAI機能、そして長期サポートを両立させた本機は、スタンダードモデルの傑作です。
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AQUOS sense10の価格・購入先
※価格は2025/11/17に調査したものです。価格は変動します。
COCORO STORE(ココロストア)【シャープ公式通販】
SIMフリーモデル・SH-M33
- RAM6GB / ROM128GBモデルで62,700円(税込)、
- RAM8GB / ROM256GBモデルで69,300円(税込)、
で販売されています。
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ECサイト(Amazon、楽天、ヤフーなど)
※Amazon.co.jpにも入荷予定です。
- 楽天市場で67,430円(SIMフリー・送料無料)、
- ヤフーショッピングで63,275円、
で販売されています。
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楽天市場で「AQUOS sense10」をチェックする
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AQUOS sense10を安く購入する方法
AQUOS sense10をできるだけ安く購入するには、IIJmioなどの格安スマホを利用するといいでしょう。また、ドコモやau、ソフトバンク、楽天モバイルなどのキャリアでも値下げされることがあるので、こまめにチェックすることをおすすめします。
IIjmio
AQUOS sense10のIIJmioでの販売価格は、容量と購入方法によって異なります。
RAM 6GB / ROM 128GB モデル
- 乗り換え(MNP)による期間限定価格は税込44,800円です。
- 通常価格は税込61,000円です。
RAM 8GB / ROM 256GB モデル
- 乗り換え(MNP)による期間限定価格は税込54,800円です。
- 通常価格は税込68,000円です。
IIjmioで「AQUOS sense10」をチェックする
ドコモ
AQUOS sense10 SH-53F
ドコモでのAQUOS sense10の支払総額は73,370円(税込)です。
「いつでもカエドキプログラム」を利用し、23か月目に機種を返却した場合の実質負担額は以下の通りです。
- 機種変更:54,890円
- 新規・のりかえ(MNP):50,930円
ドコモで「AQUOS sense10」をチェックする
au
機種代金(支払総額)は、購入方法にかかわらず71,800円です。
キャンペーン適用後の実質負担額(スマホトクするプログラム利用時)
auの割引と「スマホトクするプログラム」を利用し、25か月目までに機種を返却した場合の実質負担額は以下の通りです。
- 機種変更・povo1.0からの乗り換え:19,800円(最大割引後の機種代金は49,800円)
- 他社/povo2.0からの乗り換え(MNP):19,800円(最大割引後の機種代金は49,800円)
- UQ mobileからの乗り換え:19,800円(最大割引後の機種代金は49,800円)
- 新規契約:30,800円(最大割引後の機種代金は60,800円)
auでは、新規契約が最も実質負担額が高くなります。
auで「AQUOS sense10」をチェックする
ソフトバンク
ソフトバンクでの販売価格(支払総額)は、購入方法にかかわらず69,840円です。
新トクするサポート+を利用した場合の実質負担額
「新トクするサポート+」を利用し、25か月目(または13か月目)に機種を返却した場合のお客様負担額は以下の通りです。
- のりかえ(MNP)、新規契約、機種変更の全てで、支払総額は34,380円となります。
- このプログラムを利用した場合、25か月目以降の残りの支払いは不要になります。
ソフトバンクで「AQUOS sense10」をチェックする
楽天モバイル
楽天モバイルでの販売価格(一括払い・支払い総額)は、以下の通りです。
- 128GB モデル:59,900円(税込)
- 256GB モデル:65,890円(税込)
キャンペーン適用時の実質負担額(128GBモデル)
- 「初めてお申し込み」で「他社からの乗り換え」をする場合、最大16,000ポイントの還元があり、これを利用した際の実質負担額は以下の通りです。
- 実質負担額:43,900円(ポイント還元16,000ポイント適用時)
- この実質負担額は、ポイント還元前の価格59,900円から最大16,000ポイントを引いた場合の目安です。
楽天モバイルで「AQUOS sense10」をチェックする
おすすめのライバル機種と価格を比較
「AQUOS sense10」に似た性能をもつスマートフォンも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
AQUOS sense9
シャープから発売された6.1インチの5Gスマートフォンです(2024年11月17日 発売)。
Android 14、Snapdragon 7s Gen2、Pro IGZO OLED液晶、6GB / 8GB LPDDR4X メモリ、128GB / 256GB UFS 2.2 ストレージ、5000 mAhバッテリー、背面50.3MP + 50.3MPの2眼カメラ、32MPのフロントカメラを搭載しています。
また、ステレオスピーカー、ハイレゾ、ハイレゾワイヤレス、最大240Hzの可変リフレッシュレート、おサイフケータイ(FeliCa)、IP68防水防塵、MIL-STD-810G、+6GBの仮想メモリ機能、
最大1TBまでのストレージ拡張、デザリング、顔認証(マスク対応)、サイド指紋認証、音声認識 エモパー、アルコール除菌シート、ハンドソープ、eSIM、
USB3.2 Gen1 Type-C (OTG/DisplayPort v1.4)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.1、GPSに対応しています。
価格は、Amazonで49,999円、楽天市場で54,800円(送料無料)、ヤフーショッピングで62,184円(送料無料)、です。
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AQUOS R10
シャープから発売された約6.5インチの5Gスマートフォンです(2025年7月10日発売)。
Android™ 15、Snapdragon® 7+ Gen 3 Mobile Platform、12GBメモリ、1,080×2,340 pxのPro IGZO OLEDディスプレイ、256GBまたは512GBストレージ、連続待受時間 約800時間(LTE)駆動する5,000mAhバッテリー、ライカカメラ社が監修した背面 約5,030万画素+約5,030万画素の2眼カメラ、前面約5,030万画素のフロントカメラ、フルメタルBOXスピーカーを搭載しています。
また、AI機能(電話アシスタント、迷惑電話対策機能、Glance AI for AQUOS、Google Geminiなど)、ピーク輝度3,000nit、1Hz〜240Hzの可変リフレッシュレート、ハイブリッド手ブレ補正(光学式+電子式)、14chスペクトルセンサー、立体音響技術 Dolby Atmos、8Way Audio(ワイヤレス接続時)、冷却システム(高熱伝導素材である銅ブロック)に対応。
UWB(超広帯域無線通信)、AQUOSトリック(Payトリガー、スクロールオート、Clip Now など)、おサイフケータイ、IPX5・IPX8 / IP6X防水防塵、MIL規格、最大2TBまでのストレージ拡張、顔認証(マスク対応)、指紋認証、USB Type-C、5G通信、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、GPSにも対応しています。
価格は、楽天市場で91,462円(送料無料)、ヤフーショッピングで91,480円(送料無料)、COCORO STORE(ココロストア)で99,770円~、です。
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Xperia 10 VII
Sonyから発売された約6.1インチの5Gスマートフォンです(2025年10月9日発売)。
Android 15、Snapdragon 6 Gen 3 プロセッサ、8GBメモリ、2340×1080 pxの有機ELディスプレイ(19.5:9)、128GBストレージ、約2日間持続する5000mAhバッテリー、背面約5000万画素+約1300万画素の2眼カメラ、前面約800万画素のフロントカメラを搭載しています。
また、AI機能(Google Gemini、かこって検索)、120Hzリフレッシュレート、「即撮りボタン」、1/1.56型センサー「Exmor RS™ for mobile」、「ルック」機能、フロントステレオスピーカー(フルエンクロージャー構造)、3.5mmオーディオジャック(高音質設計)、USB PD 急速充電(充電器・ケーブルは別売)に対応。
防水(IPX5/IPX8)・防塵(IP6X)、おサイフケータイ、最大2TBまでのストレージ拡張、いたわり充電、4年間使い続けても劣化しにくい長寿命設計、保護ガラス Corning Gorilla Glass Victus 2、指紋認証、eSIM、USB Type-C、5G通信、Wi-Fi 6 (IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.4、GPSにも対応しています。
価格は、Amazonで74,800円(税込・XQ-FE44)、楽天市場で76,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで73,980円(海外版)、ソニーストアで74,800円(税込)、です。
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Xiaomi 15T
Xiaomiから発売された6.83インチの5Gスマートフォンです(2025年9月26日発売)。
Android 15 (Xiaomi HyperOS 2)、MediaTek Dimensity 8400-Ultra、12GBメモリ、2772×1280 pxの有機EL液晶、256GB / 512GBストレージ、最大13.19時間(連続使用時)駆動する5,500mAhバッテリー、背面50MP+50MP+12MPのライカ監修3眼カメラ、前面32MPのフロントカメラを搭載しています。
また、AI機能(Xiaomi HyperAI、AI文章生成、AI音声認識、AI通訳、AI検索、AIダイナミック壁紙、Google Gemini)、AIディスプレイ機能、リフレッシュレート:最大120Hz、カメラの新センサー「Light Fusion 800」、光学2倍ズーム、動画プロモード(Log撮影、LUTインポート対応)、ShootSteady(動画手ブレ補正)、Xiaomi 3D IceLoop冷却システムに対応しています。
また、67W急速充電、画面内指紋認証、AI顔認証、IP68防水防塵、NFC、X軸リニア振動モーター、USB Type-C、5G通信、Wi-Fi 6E、Bluetooth 6.0、GPS (L1+L5)にも対応しています。
価格は、Amazonで64,800円(税込・15Tモデル)、楽天市場で64,800円(送料無料・15T)、ヤフーショッピングで64,800円、です。
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