2022年9月16日に発売された「Apple Watch Series 8」は、Appleのスマートウォッチ市場における地位を不動のものにしたSeries 7をベースに、ユーザーの健康と安全をさらに深く見守るための新機能を搭載した、注目のフラッグシップモデルです。
このレビューでは、Apple Watch Series 8が日々の生活をどれだけ豊かに、そして安心なものに変えてくれるのか、前モデル「Apple Watch Series 7」と何が違うのか、その実力を徹底的に比較・検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
Apple Watch Series 8 の長所(Pros):
- 先進的な健康・安全機能:皮膚温センサーによる女性の健康管理の進化と、万が一の際の衝突事故検出機能による安心感。
- 賢いバッテリー管理:新搭載の「低電力モード」で、バッテリー駆動時間を最大36時間まで延長可能。
- 最高峰のディスプレイと操作性:Series 7から受け継いだ、大きく明るい常時表示Retinaディスプレイは視認性抜群。
- シームレスなエコシステム連携:Apple Payでの支払いやiPhone・Macのロック解除など、Apple製品との連携は他の追随を許さない快適さ。
Apple Watch Series 8 の短所(Cons):
- Series 7からの進化が限定的:デザインや基本性能がほぼ同じで、Series 7ユーザーには買い替えの動機が弱い。
- 通常モードのバッテリー持ち:標準のバッテリー駆動時間は最大18時間のままで、毎日の充電が必要になる点は変わらない。
- デザインの新鮮味に欠ける:外観上の変化がほとんどなく、新しいデザインを期待していたユーザーには物足りない可能性がある。
総合評価:
Apple Watch Series 8は、Series 7で完成された体験をベースに、より深いレベルでの健康管理と究極の安全機能をプラスした、非常に完成度の高いスマートウォッチです。初めてApple Watchを購入する方、Series 6以前の古いモデルから買い替えを検討している方には、現在考えられる最高の選択肢と言えるでしょう。
<この記事で分かること>
- Apple Watch Series 8の洗練されたデザインと耐久性
- 大きくて見やすいディスプレイと、直感的な操作性
- watchOS 9で進化したランニング機能や新しいコンパスアプリ
- Series 8独自の皮膚温センサーや衝突事故検出機能の詳細
- 「低電力モード」を含めたリアルなバッテリー性能と高速充電
- Apple Payや国際ローミング、通知機能といったスマート機能の使い勝手
- OSとアプリの連携による無限の拡張性
- Apple Watch Series 7とのスペック・機能の徹底比較
- 購入前に役立つメリット・デメリット
- 専門家による5段階評価と詳細な総評
- 最新の価格とお得な購入先
この記事を最後まで読むことで、Apple Watch Series 8を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ニュースリリース:Apple、Apple Watch Series 8と新しいApple Watch SEを発表 – Apple (日本)
デザインと耐久性:Apple Watch Series 8 受け継がれる洗練と、増した安心感
ここではApple Watch Series 8の製品の第一印象となる外観と、日常的な使用における安心感を支える耐久性について、前モデルのApple Watch Series 7と比較しながら、実際に使って感じたことを中心に書いていきます。
変わらない、だからこその完成度
Apple Watch Series 8を手に取って最初に感じるのは、前モデルであるApple Watch Series 7から受け継がれた、完成されたデザインの心地よさです。Apple製品ならではのミニマルで洗練された造形は健在で、Series 7以前のユーザーであれば、まるで長年使い慣れたデバイスのように、全く違和感なく使い始められるでしょう。四角いディスプレイは情報を表示する上で非常に合理的でありながら、ケースの角は柔らかく丸みを帯びており、手首に上品な印象を与えてくれます。
ケースとディスプレイが滑らかに一体化したデザインは、触れるたびにその質の高さを感じさせます。大きなデザイン変更がないことは、一見すると物足りなさを感じるかもしれません。しかし、これはApple Watchのデザインが一つの完成形に達している証しとも言えるでしょう。
軽快な装着感とパーソナライズの楽しみ
サイズ展開はSeries 7と同じく41mmと45mmの2種類です。私は腕が太めなので45mmモデルを選びましたが、重量はGPSモデルでわずか38.8g。長時間のデスクワークはもちろん、「Spotify」で好きなアーティストの曲を聴きながらの通勤中でも、その存在を忘れるほど快適です。まさに「つけていることを忘れるレベル」という評価には、深く共感します。
カラーで魅せる新たな選択肢
アルミニウムケースのカラーバリエーションは、ミッドナイト、スターライト、シルバー、そして(PRODUCT)REDの4色展開です。注目すべきは、Series 7で特徴的だったグリーンとブルーがなくなり、代わりに定番のシルバーがラインナップに加わった点です。
今回はスターライトを選んでみましたが、これが大正解でした。シルバーとゴールドが絶妙に混ざり合ったような上品な色合いは肌なじみが良く、ビジネスシーンのジャケットスタイルから休日のカジュアルな服装まで、どんなコーディネートにも自然に溶け込みます。もちろん、より高級感を求めるならグラファイトやゴールドなどのステンレススチールモデルも選択可能です。
<カラーの違い>
Apple Watch Series 8: アルミニウムケース:スターライト、ミッドナイト、シルバー、(PRODUCT)REDの4色、ステンレススチールケース:シルバー、グラファイト、ゴールド
Apple Watch Series 7: アルミニウムケース:ミッドナイト、スターライト、グリーン、ブルー、(PRODUCT)RED、ステンレススチールケース:シルバー、グラファイト、ゴールド
あらゆるシーンに対応するタフネス性能
見た目の美しさだけでなく、日常のあらゆる場面で安心して使える堅牢性も、Series 7からしっかりと受け継がれています。Apple Watch史上最も強靭だとされる耐亀裂性の高い前面クリスタルに加え、IP6X等級の防塵性能と50メートルの耐水性能を備えています。
IP6Xの防塵性能は、ホコリの侵入を完全に防ぐ最高レベルの保護です。実際にキッチンで料理中に小麦粉が舞ってしまったり、週末に子どもと公園の砂場で遊んだりしても、全く心配する必要はありません。また、50メートルの耐水性能も心強い味方です。先日、ランニング中に突然の雨に見舞われましたが、全く問題なくワークアウトを継続できました。手洗いや汗をかく場面はもちろん、シャワーを浴びる時でさえ外す必要がないという意見があるのもうなずけます。
スタイルを無限に広げるバンドの多様性
Apple Watchの楽しさをさらに深めてくれるのが、驚くほど豊富なバンドの選択肢です。その日の気分やファッションに合わせて簡単に交換できるため、一台のデバイスが全く異なる表情を見せてくれます。例えば、Apple Watch Nikeからは鮮やかな新色のスポーツバンドや「Just Do It」のロゴが織り込まれたスポーツループが登場し、ワークアウトのモチベーションを高めてくれます。
一方で、Apple Watch Hermèsは、レザーとステンレスチェーンを組み合わせた「グルメットメタル」のような、もはや宝飾品ともいえる高級感あふれるストラップを用意しており、その選択肢の幅広さにはいつも驚かされます。
標準付属のスポーツバンドはしなやかで着け心地も良好ですが、夏場など汗をかく季節には少し蒸れを感じることがありました。そんな時でも、気分や用途に合わせてすぐにバンドを交換できるのがApple Watchの素晴らしい点です。Apple Watch Studioを使えば、購入時に自分の好きなケースとバンドの組み合わせを選ぶことも可能です。
さらに、純正品だけでなくサードパーティからも多種多様なバンドが手頃な価格で発売されているため、ファッションアイテムとして気軽に「着せ替え」を楽しめます。仕事の日は落ち着いたレザーバンド、休日はカラフルなナイロンバンドといったように使い分けることで、Apple Watchは単なるガジェットを超え、自己表現のための最高のアクセサリーになります。
<Apple Watch Series 8の付属品>
- Apple Watch Series 8 本体
- バンド/ループ
- Apple Watch磁気高速充電 – USB-Cケーブル(1m)
- ※電源アダプタは同梱されていません。
まとめ:デザインと耐久性
- 第一印象:前モデルSeries 7のデザインを継承しており、新規ユーザーだけでなく既存ユーザーも違和感なく使える完成されたスタイル。
- サイズと装着感:41mmと45mmの2サイズ展開で、軽量なため長時間の装着でも負担を感じさせない快適さ。
- カラーバリエーション:Series 7の個性的なグリーンとブルーに代わり、より幅広いスタイルに合わせやすい定番のシルバーが復活。
- 耐久性:IP6X等級の防塵性能と50メートルの耐水性能を備え、日常のふとした瞬間からアクティブなシーンまで安心して使える堅牢性を実現。
ディスプレイと操作性:Apple Watch Series 8 美しさと使いやすさを両立した、腕元のパートナー
ここでは、Apple Watch Series 8の日常的に最も触れる部分であるディスプレイの見やすさと、Digital Crownをはじめとする操作の快適性について、Apple Watch Series 7との比較を交えながら、実際に使って感じた魅力をお伝えします。
腕元で際立つ、常時表示Retinaディスプレイの美しさ
Apple Watch Series 8の電源を初めて入れたとき、そのディスプレイの美しさに改めて息をのみました。Series 7から受け継がれた常時表示Retinaディスプレイは、ベゼル(縁)が極限まで細く、表示領域がケースの隅々まで広がっています。これにより、まるで文字盤やアプリが手首の上に浮かんでいるかのような、没入感のある体験が得られます。有機ELならではの引き締まった黒と鮮やかな色彩は、屋外の強い日差しの下でも驚くほどクリア。先日、日中に公園を散歩しながら通知を確認した際も、画面の明るさが自動で最適化され、全くストレスを感じませんでした。
この「常時点灯」機能は本当に素晴らしく、会議中に手首を傾けることなく時間をチラ見したり、ワークアウト中にちらっとペースを確認したりと、腕時計としての基本的な使い勝手を劇的に向上させてくれています。
わずかな差が大きな違いを生む、画面サイズ
ケースサイズはSeries 7から変わらず41mmと45mmの2種類ですが、Series 6以前のモデルから乗り換えるとその差は歴然です。以前Series 6の44mmモデルを使っていた友人が私の45mmモデルを見て、「たった1mmの違いなのに、文字もアイコンもぐんと大きく見えて操作しやすそう」と驚いていました。まさにその通りで、この広々としたディスプレイのおかげで、アプリのアイコンをタップしたり、通知を読んだりといった日常的な操作が非常に快適です。特に、マップアプリで経路を確認する際や、カレンダーで予定の詳細をチェックする際には、この表示領域の広さが大きなアドバンテージになると感じます。
直感的で心地よい、洗練された操作性
Apple Watchの操作性は、触れるたびにその完成度の高さを実感させてくれます。右側面にあるDigital Crownは、回すとカタカタと小気味良いフィードバックがあり、リストをスクロールする際の感触は格別です。また、タッチ操作の反応も非常にスムーズで、まるで指に吸い付くように滑らかに動作します。
注目すべきは、watchOS 9から利用可能になった日本語のQWERTYキーボードです。これにより、これまでは音声入力や定型文に頼っていたLINEなどのメッセージ返信が、手元で自由に行えるようになりました。満員電車の中でiPhoneを取り出すのが難しい場面でも、手首だけで簡単な返信が打てるようになったのは、私にとって革命的な変化でした。
気分で変える、自分だけの一枚
Apple Watchのディスプレイを彩るウォッチフェイス(文字盤)は、その日の気分や服装、用途に合わせて無限にカスタマイズできるのが大きな魅力です。watchOS 9では、タイポグラフィが美しい「メトロポリタン」や、アーティストとコラボした遊び心のある「プレイタイム」など、新たな文字盤が追加され、表現の幅がさらに広がりました。
個人的に嬉しいのは、これまでNikeモデル限定だったNikeの文字盤が、すべてのユーザーに開放されたことです。これにより、アクティブな印象の文字盤を気軽に楽しめるようになりました。左右にスワイプするだけで瞬時に文字盤を切り替えられるので、仕事中は情報を詰め込んだ「モジュラー」、休日はお気に入りの写真を使った「ポートレート」といったように使い分けることで、毎日新鮮な気持ちで使い続けることができます。
<Apple Watch Series 8のディスプレイ仕様>
- ディスプレイタイプ: LTPO OLED常時表示Retinaディスプレイ
- 輝度: 最大1,000ニト
- 解像度:
- 45mm: 396 x 484ピクセル
- 41mm: 352 x 430ピクセル
- その他: Series 7から継承した狭額縁デザイン
まとめ:ディスプレイと操作性
- ディスプレイ品質:Series 7から受け継いだ、明るく色鮮やかな常時表示Retinaディスプレイは、屋外での視認性も抜群。
- 画面サイズ:ベゼルが極めて細く、表示領域が広いため、情報の確認やタッチ操作が非常に快適。
- 操作感:Digital Crownの心地よいフィードバックと、スムーズで直感的なタッチ操作は健在。
- キーボード入力:watchOS 9で日本語QWERTYキーボードに対応し、メッセージ返信などの利便性が飛躍的に向上。
- ウォッチフェイス:気分やシーンに合わせてカスタマイズできる豊富な文字盤が用意されており、Nikeフェイスも全モデルで利用可能に。
スポーツ機能:Apple Watch Series 8 日常の運動から本格的な挑戦まで支える、頼れるトレーナー
ここでは、Apple Watch Series 8が日々の健康増進から本格的なトレーニングまで、どのようにユーザーをサポートしてくれるのか、その多彩なスポーツ機能についてレビューします。watchOS 9によって進化したワークアウト体験や、Series 8ならではの安全機能に焦点を当て、実際に使って感じた魅力をお伝えします。
充実した多彩なワークアウト
Apple Watch Series 8は、まさに手首の上にある万能なスポーツトレーナーです。ウォーキングやランニング、サイクリングといった定番の運動はもちろん、watchOSのアップデートで追加されたピラティスや太極拳まで、数十種類ものワークアウトに対応しています。
先日、急いで自転車で出かけた際にワークアウトの開始を忘れてしまったのですが、数分走ったところで手首が振動し、「サイクリングワークアウト中のようです」と通知してくれました。この自動検出機能のおかげで、運動の記録を逃すことがなくなり、日々のモチベーション維持に繋がっています。
ランニングがもっと楽しく、もっと深く
Apple Watch Series 8を語る上で欠かせないのが、watchOS 9によって飛躍的に進化したランニング機能です。これまでも基本的な記録は可能でしたが、今ではより専門的なデータに基づいたトレーニングが可能になりました。例えば「心拍数範囲」表示を使えば、脂肪燃焼や有酸素運動など、目的に合った強度で走れているかをリアルタイムで確認できます。また、「ランニングフォーム指標」として歩幅の長さや接地時間といったデータも記録されるため、より効率的な走りを目指す上で非常に役立ちます。
特に私が夢中になったのが「レースコース」機能です。これは、自分がいつも走っているコースの過去の記録と競争できるというもの。先週の自分に負けたくない一心で、ついペースが上がってしまう、そんなゲームのような楽しさがあります。GPSの精度も非常に高く、近所の公園を走った際も、後からiPhoneの「フィットネス」アプリで確認したルートは驚くほど正確でした。
アウトドアの心強い相棒、新しいコンパスアプリ
ランニングだけでなく、ハイキングや見知らぬ土地の散策といったアウトドア活動でも、Series 8は頼もしいパートナーになります。刷新されたコンパスアプリは、単に方角を示すだけでなく、「ウェイポイント」機能で駐車場の場所などを記録しておいたり、「バックトレース」機能で自分が通ってきた道のりをGPSで記録し、帰り道を示してくれたりします。先日、少し大きな公園を散策した際にこの機能を使ってみたのですが、「帰り道はこっちで合っているかな?」という不安から解放され、心から散策を楽しむことができました。
万が一の時の究極のお守り、「衝突事故検出」
そして、Apple Watch Series 8のスポーツや安全機能を語る上で最大の進化点が、この「衝突事故検出」機能です。これは、Series 7に搭載されていた転倒検出機能とは異なり、自動車での深刻な衝突事故を検知することに特化しています。最大256Gの重力を検知できる新しい高重力加速度センサーと進化したジャイロスコープにより、万が一の事態を検知すると、ユーザーに確認を促し、応答がない場合は自動で緊急通報サービスに発信してくれます。
もちろん、この機能が作動する場面に遭遇しないことが一番の幸せですが、車を運転する機会がある者として、この機能が搭載されているというだけで得られる安心感は計り知れません。これは、Series 7以前のモデルにはない、Series 8ならではの大きなアドバンテージです。
<Apple Watch Series 8のスポーツ機能 一覧>
- ワークアウト: ランニング、サイクリング、スイミング、ヨガ、ピラティス、太極拳など数十種類のワークアウトに対応
- 自動検出: ウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミングなどのワークアウトの開始を自動で検知
- 高度なランニング指標 (watchOS 9): 心拍数範囲、歩幅の長さ、接地時間、上下動などのフォーム指標
- レースコース (watchOS 9): 過去の自分の記録と競争
- GPS: L1 GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDouに対応
- コンパス (watchOS 9): ウェイポイント設定、バックトレース機能
- 安全機能: 衝突事故検出、転倒検出、緊急SOS
- 耐水性能: 50メートル
まとめ:スポーツ機能
- ワークアウトの多様性:定番の運動からピラティスまで幅広く対応し、自動検出機能で記録のし忘れを防止。
- 進化したランニング体験:watchOS 9により心拍数範囲やランニングフォームといった詳細な指標が加わり、トレーニングの質が向上。
- 信頼できるナビゲーション:刷新されたコンパスアプリのバックトレース機能は、アウトドア活動での道迷いの不安を解消。
- 究極の安全機能:Series 8独自の衝突事故検出機能は、万が一の際の安心感をもたらす、かけがえのないお守りとなる。
ヘルスケア機能:Apple Watch Series 8 毎日の健康を、もっと身近に、もっと深く
ここでは、Apple Watch Series 8が「腕の上の健康管理デバイス」としてどのように進化したのか、その価値を新機能を中心に具体的にレビューします。Series 7から追加されたセンサーや、watchOS 9によって洗練された機能が、私たちの健康意識をどう変えるのか、実体験を交えてお伝えします。
Series 8最大の進化点、「皮膚温センサー」
Apple Watch Series 8のヘルスケア機能における最大の進化は、なんといっても新たに搭載された「皮膚温センサー」です。これは、Series 7にはなかったハードウェアの追加であり、特に女性の健康管理に革命をもたらす可能性を秘めています。この機能は、睡眠中に5秒おきに手首の皮膚温を計測し、日々のわずかな変化を記録します。これにより、月経周期の予測精度が向上するだけでなく、過去の排卵日を推定する通知を受け取ることが可能になります。
実際にこの機能を使ってみると、最初の5日間は基準値を設定するための計測期間となりますが、その後はiPhoneの「ヘルスケア」アプリで日々の変動をグラフで確認できます。妊活中の方にとっては非常に強力なツールとなりますが、その価値はそれだけにとどまりません。男性である私にとっても、基準値からの大きな変動は体調不良のサインになり得るため、日々の健康状態を客観的に把握する新しい指標として非常に興味深く感じています。毎朝体温計で検温する手間が、寝ているだけで済むのですから、これほど手軽な健康管理はありません。
心臓の健康を見守る、心電図と心房細動履歴
Series 8は、Series 7から引き続き心電図(ECG)アプリや血中酸素ウェルネスアプリといった高度な健康モニタリング機能を搭載しています。以前、健康診断で不整脈の可能性を指摘されたことがあるのですが、動悸を感じた時に手首のDigital Crownに指を当てるだけで心電図を記録できる機能は、何物にも代えがたい安心感を与えてくれます。記録したデータはPDFで簡単に共有できるため、医師に相談する際にも非常に役立ちます。
さらに、watchOS 9では、すでに心房細動と診断された方向けに「心房細動履歴」機能が追加されました。これは、心房細動の兆候が現れた頻度を長期的に記録・管理できる機能で、生活習慣との関連性を把握し、より主体的に健康管理に取り組むことを可能にします。
睡眠の「質」を可視化する、睡眠ステージ
私がSeries 8(watchOS 9)を使って最も感動したのが、進化した睡眠記録機能です。これまでのApple Watchでも睡眠時間の記録はできましたが、新たに「睡眠ステージ」として、眠りが「レム」「コア(浅い睡眠)」「深い睡眠」の3段階に分けられ、それぞれの時間や周期をグラフで確認できるようになりました。
以前は「8時間寝たはずなのに疲れが取れない」と感じることがよくありましたが、この機能で自分の睡眠データを見てみると、「深い睡眠」の時間が極端に短いことに気づきました。そこで、就寝前のスマートフォンの使用を控えるなど生活習慣を少し見直したところ、翌朝のデータで「深い睡眠」の時間が増えていることを確認できたのです。このように、睡眠の「質」を客観的なデータで把握し、改善へのアクションに繋げられるのは、素晴らしい体験でした。
毎日の習慣をサポートする「服薬」アプリ
健康管理は、日々の小さな積み重ねが重要です。watchOS 9で新たに追加された「服薬」アプリは、そんな日々の習慣を力強くサポートしてくれます。ビタミン剤や処方薬などを登録しておけば、設定した時間にリマインダーで通知してくれるだけでなく、服用したことをその場で記録できます。
私も毎日飲むサプリメントがあるのですが、忙しいとつい飲み忘れてしまうことがありました。このアプリを使い始めてからは、手首への優しいタップで通知が来るため、飲み忘れが劇的に減りました。iPhoneを取り出すことなく手元で完結する手軽さが、継続の秘訣だと感じています。
<Apple Watch Series 8のヘルスケア機能 一覧>
- 皮膚温センサー: 睡眠中の皮膚温を測定し、月経周期の予測や過去の排卵日を推定
- 血中酸素ウェルネスアプリ: 血中に取り込まれた酸素のレベルを測定
- 心電図アプリ: いつでも心電図を作成可能
- 心拍数の通知: 高心拍数、低心拍数、不規則な心拍リズムを通知
- 睡眠ステージ: レム、コア、深い睡眠の時間を記録
- 心房細動履歴 (watchOS 9): 心房細動の兆候があった頻度を記録・管理
- 服薬 (watchOS 9): 服薬のスケジュール管理とリマインダー
- 転倒検出: 激しい転倒を検知し、自動で緊急通報サービスに連絡
- 周期記録: 月経周期や症状を記録
まとめ:ヘルスケア機能
- 革新的な新機能:Series 8独自の皮膚温センサーは、特に女性の健康管理を新たなレベルに引き上げる画期的な機能。
- より深い洞察:心電図や血中酸素濃度測定に加え、心房細動履歴や睡眠ステージ分析により、自身の健康状態をより深く理解できる。
- 日常への統合:新しい「服薬」アプリは、日々の健康習慣を忘れずに、かつ手軽に管理するための最適なツール。
- 総合的な見守り:これらの機能が統合されることで、Apple Watch Series 8は単なる活動量計を超え、日々の健康を見守るパーソナルな守護神となる。
バッテリー持ちと充電:Apple Watch Series 8 「毎日充電」の常識を覆す、賢い電力管理術
ここでは、スマートウォッチを選ぶ上で多くの人が最も気にするであろう、バッテリーの持続時間と充電性能についてレビューします。Apple Watch Series 8が、日々の充電のわずらわしさをどのように解消してくれるのか、Series 7との比較や実際の体験を交えながら、その実力を詳しく見ていきましょう。
公称18時間、しかし本当の実力は?
Apple Watch Series 8の公称バッテリー駆動時間は、Apple Watch Series 7と同じく最大18時間です。この数値だけを見ると、「結局、毎日充電が必要なのか」と少しがっかりするかもしれません。実際に、常時表示ディスプレイをオンにして、通知を受け取り、時々ワークアウトを記録するといった一般的な使い方では、1日の終わりには充電が必要になることがほとんどです。私の場合、朝7時に100%の状態で装着し、通勤やデスクワーク、1時間程度のウォーキングをして夜23時に帰宅した時点で、残量は30%前後というのが平均的なところでした。これでは、2日間連続で使うのは少し心許ないのが正直な感想です。
救世主「低電力モード」の驚くべき持続力
しかし、Series 8(とwatchOS 9)には、このバッテリー問題の常識を覆す強力な武器が搭載されました。それが「低電力モード」です。このモードをオンにすると、常時表示ディスプレイや一部のバックグラウンド測定がオフになる代わりに、バッテリー駆動時間が最大36時間まで劇的に延長されます。先日、うっかり充電を忘れたまま朝を迎えてしまい、残量30%で絶望的な気分になりましたが、すぐに低電力モードに切り替えたところ、なんとその日の夜まで余裕でバッテリーが持続したのです。この体験は衝撃的でした。アクティビティの記録や転倒検出といった主要機能は維持されるため、旅行中や週末など、充電を気にせず過ごしたい日には、このモードが心強い味方になってくれます。
時間がない朝も安心、スピーディーな高速充電
バッテリーの持ち時間だけでなく、充電の速さも日々の使い勝手を大きく左右します。Series 8は、Series 7から受け継いだ高速充電に対応しており、そのスピードはまさに驚異的です。公式には約45分でバッテリー残量を0%から80%まで充電できるとされていますが、私の体感ではそれ以上に速く感じます。朝の準備をしているわずかな時間、例えばシャワーを浴びている30分ほどの間に充電器に置いておくだけで、その日1日を乗り切るのに十分なバッテリーを確保できます。特に、睡眠記録を取りたいけれど夜の充電を忘れがちな私にとって、「寝る前の8分間の充電で8時間の睡眠記録が可能」という性能は、まさに革命的でした。
<Apple Watch Series 8のバッテリー・充電 仕様>
- バッテリー駆動時間:
- 通常使用時: 最大18時間
- 低電力モード時: 最大36時間
- 充電:
- USB-C磁気高速充電ケーブルに対応
- 約45分で0%から80%まで充電
- 8分間の充電で約8時間の睡眠記録が可能
まとめ:バッテリー持ちと充電
- 通常使用時のバッテリー:公称値はSeries 7と同じ最大18時間で、毎日の充電が基本となる。
- 低電力モードの効果:watchOS 9の新機能により、駆動時間を最大36時間まで延長可能で、2日に1回の充電という運用も現実的に。
- 高速充電の利便性:Series 7から継承した高速充電により、朝の支度中など短時間で1日分のバッテリーを確保できる。
- 総合的な実用性:低電力モードと高速充電の組み合わせにより、「毎日充電」という心理的な負担が大幅に軽減され、実用性が飛躍的に向上している。
スマート機能:Apple Watch Series 8 iPhoneとの連携で、毎日がもっと自由になる
ここでは、Apple Watch Series 8が私たちの日常生活をいかにスマートで便利にしてくれるか、その多彩な機能を紹介します。キャッシュレス決済から通知の確認、そしてiPhoneを家に置いたまま出かけられる自由まで。Apple Watch Series 7との違いにも触れながら、実際に使って感じた感動と喜びを具体的にお伝えします。
手首一つで完結する、キャッシュレス決済の快感
Apple Watchを使い始めて、最も生活が変わったと感じるのがキャッシュレス決済です。サイドボタンを2回クリックするだけで、SuicaやiD、QUICPayが瞬時に起動。両手がふさがっている時でも、手首をかざすだけで改札を抜け、コンビニでの支払いが完了します。先日、子どもを抱っこしながらスーパーで買い物をした際も、財布やiPhoneを取り出す手間なくスムーズに会計を済ませられた時の快適さは、まさに感動的でした。この体験をしてしまうと、もう以前の生活には戻れません。
大切な連絡を逃さない、手元での通知機能
会議中や移動中など、iPhoneをすぐに確認できない場面でも、LINEやメール、電話の着信を手首の優しい振動で知ることができます。Series 8はSeries 7から受け継いだ大きなディスプレイのおかげで通知が見やすく、watchOS 9で日本語のQWERTYキーボードに対応したことで、定型文だけでなく自由な文章で返信できるようになりました。満員電車の中で友人からの「今どこ?」というLINEに、iPhoneを取り出すことなく「あと5分で着くよ」と手首で返信できた時は、未来が来たことを実感しました。
iPhoneから解放される自由、「GPS + Cellularモデル」
私が選んだのは、iPhoneが近くになくても単体で通信できる「GPS + Cellularモデル」です。これにより、休日のランニングや近所へのちょっとした外出なら、iPhoneを家に置いたままでかけられるようになりました。Series 8は32GBのストレージを内蔵しているため、「Apple Music」でお気に入りのプレイリストをダウンロードしておけば、Bluetoothイヤホンと接続するだけで音楽を聴きながら走れます。身軽になって走る爽快感は格別です。通話品質も非常にクリアで、ランニング中に家族からかかってきた電話にも、立ち止まることなくスムーズに応答できました。
海外でも繋がる安心感、新搭載の国際ローミング
注目すべきは、Series 8のCellularモデルから新たに対応した「国際ローミング」です。これは、Series 7にはなかった大きな進化点。海外旅行や出張の際に、現地の通信事業者のネットワークに自動で接続し、iPhoneがなくてもApple Watch単体で通信が可能になります。これにより、海外でも地図を見たり、メッセージを送受信したり、緊急時に電話をかけたりといったことが可能になり、旅先での安心感が格段に向上します。海外渡航が多い方にとっては、この機能だけでもSeries 8を選ぶ価値があるでしょう。
Appleエコシステムの真骨頂、シームレスなデータ連携
Apple Watchの真価は、他のApple製品との連携でさらに発揮されます。マスクをしていると認識されにくいiPhoneのFace IDも、Apple Watchを身につけていればパスコード入力なしでロックを解除。自宅でMacBookを開く際も同様です。また、「家の中でiPhoneはどこだっけ?」と探すことは日常茶飯事ですが、そんな時もApple WatchからiPhoneを鳴らす機能が何度も私を助けてくれました。これらのシームレスな体験は、Appleエコシステムならではの大きな魅力です。
<Apple Watch Series 8のスマート機能 一覧>
- 通知機能: LINE、メール、電話、SMS、カレンダーなどの通知を受信し、テキストや音声で返信可能(日本語QWERTYキーボード対応)
- Apple Pay: Suica、PASMO、iD、QUICPayなどに対応し、手首でスピーディーな決済が可能
- GPS + Cellularモデル: iPhoneなしでの通話、メッセージ送受信、データ通信が可能
- 国際ローミング (GPS + Cellularモデルのみ): 海外でも単体での通信に対応
- 音楽再生: 32GBのストレージに音楽を保存し、Bluetoothイヤホンで再生可能
- Appleデバイス連携: iPhoneやMacの自動ロック解除、「探す」機能など
- Siri: 音声アシスタントによる各種操作
まとめ:スマート機能
- キャッシュレス決済:サイドボタンのダブルクリックですぐに起動し、日常生活の支払いが格段にスムーズになる。
- 通知と返信:重要な連絡を手元で確認でき、日本語キーボードの搭載で返信の自由度が向上した。
- 単体での通信:GPS + CellularモデルならiPhoneから解放され、ランニングなどのアクティビティがより身軽に楽しめる。
- 国際ローミング:Series 8からの新機能で、海外旅行や出張時の利便性と安心感が大きく向上。
- エコシステム連携:iPhoneやMacとのシームレスな連携は、Appleユーザーにとって代えがたい快適さをもたらす。
OSとアプリ:Apple Watch Series 8 ハードウェアとソフトウェアが織りなす、最高のユーザー体験
ここでは、Apple Watch Series 8の要ともいえるオペレーティングシステム(OS)と、その上で動作するアプリがもたらすユーザー体験について、深掘りしていきます。プリインストールされているwatchOS 9の新機能から、日々の操作感、そしてApple Watchを自分だけのものに育て上げるアプリの拡張性まで、Series 7との比較を交えながら、その魅力を余すところなくお伝えします。
watchOS 9がもたらす体験の深化
Apple Watch Series 8は、購入したその日から最新のwatchOS 9を体験できるのが大きな魅力です。注目すべきは、多くの革新的な機能が、このOSのアップデートによってもたらされている点です。例えば、バッテリー駆動時間を劇的に延ばす「低電力モード」や、睡眠の質を詳細に分析する「睡眠ステージ」、日々の服薬を管理する「服薬」アプリなどは、watchOS 9の主要な新機能です。
これは、前モデルであるApple Watch Series 7のユーザーも、OSをアップデートすることでこれらの機能の恩恵を受けられることを意味します。しかし、Series 8の真価は、この洗練されたOSが、Series 8だけが持つ新しいハードウェアと融合することで最大限に発揮される点にあります。例えば、刷新された「コンパス」アプリのバックトレース機能や、Series 8独自の皮膚温センサー、衝突事故検出機能は、watchOS 9が新しいセンサーを巧みに制御することで実現しており、これはSeries 7では決して味わえない体験です。
直感的で、さらに快適になったUIの使い勝手
Apple Watchを操作するたびに感じるのは、そのサクサクとした快適な動作です。特にSeries 4以前の古いモデルから乗り換えたユーザーであれば、アプリの起動や画面の切り替えの速さに、技術の進化をはっきりと感じ取れるでしょう。UIは非常にシンプルで、初めて触れる人でも直感的に操作できます。詳細な設定はiPhoneの「Watch」アプリから行う方が簡単ですが、日常的な操作は手首の上だけで完結する、見事な連携が実現されています。
自分仕様に進化するアプリと、長期的な安心感
Apple Watchの本当の面白さは、購入した後、自分自身で機能を拡張していける点にあります。プリインストールされているアプリだけでも十分に高機能ですが、App Storeには、あなたのライフスタイルをさらに豊かにする無数のアプリが待っています。特定のワークアウトを記録する専門的なアプリや、お気に入りのデザインに変更できるサードパーティ製の文字盤アプリなど、その選択肢は無限大です。
Apple Watch Series 8を使用するには、iOS 16以降を搭載したiPhone 8またはiPhone SE(第2世代)以降が必要です。では、どのモデルから買い替えるべきか。Series 7のユーザーであれば、OSアップデートで多くの新機能を享受できるため、買い替えのメリットは限定的かもしれません。しかし、Series 6以前のモデルをお使いで、バッテリーの持ちに不満を感じている方にとっては、パフォーマンスの向上とwatchOS 9の新機能がもたらす体験は、十分に買い替えを検討する価値があると言えるでしょう。
<Apple Watch Series 8のOS・アプリ仕様>
- OS: watchOS 9
- UI: QWERTYキーボード(日本語対応)、新しい通知バナー
- アプリ: App Storeからの追加ダウンロードに対応
- 対応機種: iOS 16以降を搭載したiPhone 8、iPhone SE(第2世代)以降
- アップデート: 長期的なソフトウェアアップデートを提供
まとめ:OSとアプリ
- OSの進化:watchOS 9がプリインストールされており、「低電力モード」や「睡眠ステージ」などの新機能で、基本的な体験が大きく向上。
- 快適な操作性:待望の日本語QWERTYキーボードに対応し、メッセージ返信などの実用性が飛躍的にアップ。
- 無限の拡張性:豊富なApp Storeのエコシステムにより、自分の趣味やライフスタイルに合わせて機能を無限に追加できる。
- 買い替えの価値:Series 7からの進化は限定的だが、Series 6以前のユーザーにとっては、ハードとソフト両面での大きな進化を体感できる。
Apple Watch Series 8 vs Series 7: 主な違いを徹底比較
「Apple Watch Series 8」は、Series 7の優れた点を多く受け継ぎながら、健康と安全に関わる重要な新機能を搭載したモデルです。一見すると違いが分かりにくい両モデルですが、細かなスペックを比較すると、特定のユーザーにとっては大きな差となるポイントがいくつか見えてきます。ここでは、両モデルの主な違いを項目別に詳しく解説します。
ヘルスケア機能:皮膚温センサー
- Apple Watch Series 8: 搭載
- Apple Watch Series 7: 非搭載
- 違い:Series 8最大のハードウェア的な進化点です。睡眠中の手首の皮膚温を計測し、月経周期の予測精度向上や、過去の排卵日を推定するために活用されます。これはSeries 7にはない、Series 8独自の機能です。
安全機能:衝突事故検出
- Apple Watch Series 8: 対応(最大256Gの高重力加速度センサー)
- Apple Watch Series 7: 非対応(転倒検出は対応、最大32G)
- 違い:Series 8は、よりパワフルになったセンサーにより、自動車での深刻な衝突事故を検知し、自動で緊急通報する機能が追加されました。Series 7の転倒検出よりも、さらに高度な安全機能です。
接続性:国際ローミングとBluetooth
- Apple Watch Series 8: 国際ローミング対応(Cellularモデルのみ)、Bluetooth 5.3
- Apple Watch Series 7: 国際ローミング非対応、Bluetooth 5.0
- 違い:海外へ行く機会が多い方にとって、Series 8の国際ローミング対応は大きなメリットです。また、Bluetoothのバージョンが新しくなり、接続の安定性や効率が向上しています。
OS(オペレーティングシステム)
- Apple Watch Series 8: watchOS 9を搭載して発売
- Apple Watch Series 7: watchOS 8を搭載して発売(watchOS 9へアップデート可能)
- 違い:Series 8は最新のOSで発売されましたが、Series 7もアップデートすることで「低電力モード」や「睡眠ステージ」など、watchOS 9の主要な機能のほとんどを利用できます。ただし、皮膚温センサーや衝突事故検出といったハードウェアに依存する機能はSeries 8でしか使えません。
デザイン:ケースカラー
- Apple Watch Series 8 (アルミニウム): ミッドナイト、スターライト、シルバー、(PRODUCT)RED
- Apple Watch Series 7 (アルミニウム): ミッドナイト、スターライト、グリーン、ブルー、(PRODUCT)RED
- 違い:Series 8では、Series 7で人気だったグリーンとブルーがなくなり、代わりに定番のシルバーがラインナップに加わりました。
サイズ・重量・耐久性
- Apple Watch Series 8: 41mm/45mm、IP6X等級の防塵性能、50メートルの耐水性能
- Apple Watch Series 7: 41mm/45mm、IP6X等級の防塵性能、50メートルの耐水性能
- 違い:ケースサイズ、重量、そして防塵・耐水性能といった基本的な筐体の仕様は、両モデルで全く同じです。そのため、装着感や日常的な使用における堅牢性に違いはありません。
まとめ
Apple Watch Series 8とSeries 7の比較をまとめると、Series 8は「Series 7の完成されたデザインとディスプレイをベースに、皮膚温センサーと衝突事故検出という2つの重要な健康・安全機能を追加したモデル」と言えます。OSの進化による「低電力モード」や「睡眠ステージ」といった便利な機能はSeries 7でも体験できますが、ハードウェアに依存するこれらの新機能はSeries 8ならではの価値です。どちらのモデルを選ぶかは、これらの新しい機能にどれだけ魅力を感じるかにかかっていると言えるでしょう。
Apple Watch Series 8のメリット・デメリット
「Apple Watch Series 8」は、多くの点で前モデルの完成度を引き継ぎつつ、着実な進化を遂げたスマートウォッチです。しかし、その進化点と据え置かれた点を正しく理解することが、購入後の満足度に繋がります。ここでは、Apple Watch Series 7と比較しながら、Series 8を実際に使って感じたメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
【メリット】
メリット1:未来の健康と安全を見据えた、先進的な新センサー
Series 8最大のメリットは、Series 7にはない新しいセンサーが搭載された点です。特に「皮膚温センサー」は、睡眠中の手首の皮膚温を計測することで、女性の月経周期の予測精度を高め、過去の排卵日を推定するのに役立ちます。また、「衝突事故検出」機能は、万が一自動車で深刻な事故に遭った際に自動で緊急通報サービスに知らせてくれる、まさに「お守り」のような存在です。これらの機能は、日々の安心感を大きく高めてくれます。
メリット2:「低電力モード」による、劇的に改善されたバッテリー体験
公称のバッテリー駆動時間は最大18時間とSeries 7から変わっていませんが、watchOS 9で追加された「低電力モード」の存在がその常識を覆します。このモードを使えば、アクティビティの記録など主要な機能を維持しつつ、バッテリーの持ちを最大36時間まで延長できます。実際に充電を忘れた日も、このモードのおかげで丸一日安心して使用できました。2日に1回の充電という運用も現実的になり、旅行や出張時の心理的な負担が大幅に軽減されます。
メリット3:手首の上で完結する、シームレスなAppleエコシステム
Apple Payによるキャッシュレス決済の快適さは、一度体験すると手放せません。子どもを抱っこしている時でも、サイドボタンを2回クリックして手首をかざすだけで支払いが完了します。また、iPhoneやMacのロックを自動で解除してくれる機能は、地味ながら日々の小さなストレスを確実に解消してくれます。LINEやメールの通知も手元で確認・返信できるため、iPhoneを取り出す頻度が減り、目の前のことに集中できる時間が増えました。
メリット4:海外でも繋がる安心感、「国際ローミング」対応
GPS + Cellularモデル限定ですが、Series 8から新たに対応した「国際ローミング」は、海外へ行く機会が多い方にとって大きなメリットです。これまでは海外でiPhoneが手元にないと通信できませんでしたが、Series 8なら現地の通信事業者のネットワークに接続し、単体で通話やデータ通信が可能になります。海外旅行や出張先でも、道に迷うことなく地図を確認したり、大切な連絡を受け取ったりできる安心感は計り知れません。
【デメリット】
デメリット1:Series 7からの進化が限定的
Series 8は優れたデバイスですが、Series 7ユーザーにとっては、買い替えを即決するほどの大きな進化は感じにくいかもしれません。デザイン、ディスプレイの品質、基本的な動作性能はほぼ同じです。追加された皮膚温センサーや衝突事故検出機能に強い魅力を感じなければ、Series 7を使い続ける、あるいは価格が下がったSeries 7を探すという選択も十分に考えられます。
デメリット2:通常モードでのバッテリー持ちは変わらず
「低電力モード」は非常に優秀ですが、常時表示ディスプレイや心拍数の常時測定など、すべての機能をフル活用したい場合のバッテリー駆動時間は、Series 7から変わらず最大18時間です。これは、多くのユーザーにとって「毎日充電する必要がある」ことを意味します。他社のスマートウォッチには1週間以上充電不要なモデルもある中で、この点は依然としてApple Watchの課題と言えるでしょう。
デメリット3:新鮮味に欠けるデザイン
デザインが完成されていることの裏返しとも言えますが、見た目の変化がほとんどないため、新しいデバイスを手に入れたという高揚感は薄いかもしれません。Series 7からケースカラーのバリエーションが一部変更(グリーンとブルーが廃止されシルバーが復活)されたものの、基本的な形状は同じです。時計らしい丸型のデザインなど、全く新しい外観を期待していたユーザーにとっては、少し物足りなく感じる可能性があります。
Apple Watch Series 8の口コミ情報・評判 まとめ
ここでは、Apple Watch Series 8の口コミ情報・評判をまとめて紹介します。
【全体の評価】
ポジティブな意見:
- 「買ってよかった」「手放せない生活必需品」など、全体的な満足度は非常に高い。
- iPhoneとの連携による通知確認、電子決済、iPhoneを探す機能などが非常に便利。
- 健康管理ツールとして、心電図や睡眠記録などが役立つとの声が多数。
- 旧モデル(Series 3やSE)からの買い替えでは、動作速度、常時点灯、高速充電などの進化に満足する意見が多い。
ネガティブな意見:
- 最大の不満点として、ほぼ全てのレビューで「バッテリー持ちの悪さ」が指摘されている。
- 他社のスマートウォッチと比較してバッテリー性能が劣るという意見がある。
- 機能が多すぎて使いこなせない、価格が高いと感じる声もある。
■ 項目別まとめ
【デザイン・サイズ・装着感】
- シンプルで完成されたデザインと評価されている。
- 41mmは女性や腕の細い人向け、45mmは画面が大きく見やすい・操作しやすいという意見がある。
- 装着感は軽く快適で、「つけていることを忘れる」という声もある。
- バンドを交換して着せ替えを楽しめる点が評価されている。
【操作性】
- 動作はサクサクで、直感的に操作できると高評価。
- デジタルクラウン(ダイヤル)のクリック感が心地よいという意見がある。
- 一方で、画面が小さいため細かい操作や文字入力はしにくいという指摘もある。
【機能性】
- 健康管理: 心電図、血中酸素飽和度、皮膚温測定、睡眠トラッキング機能が「安心感がある」「健康意識が高まる」と高く評価されている。
- 特に心房細動の発見を目的として購入したユーザーから満足の声が上がっている。
- 電子決済: Apple Payでの支払いが、iPhoneを取り出す手間なくスムーズに行える点が便利だと評価されている。
- 通知機能: LINEや電話の着信などを手元で確認できるのが便利。
- 常時点灯: 常に時刻が表示される機能が便利(オフ設定も可能)。
【バッテリー・充電】
- 持ちの悪さ: 多くのユーザーが「1日〜1.5日しかもたない」「毎日充電が必須」と指摘している。
- 充電速度: 高速充電に対応しており、短時間(朝の支度中など)で充電が完了する点は評価されている。
- その他: 低電力モードを使えば2日程度持つという声や、マグネット充電がうまくできていないことがあるという注意喚起もある。
【バンドに関する意見】
付属のソロループバンドが半年~1年程度で劣化して切れたという報告が複数ある。
【その他】
- 他社製品との比較: Huaweiなどの製品と比べるとバッテリー持ちは劣るが、iPhoneとの親和性やアプリの豊富さ、心電図機能で優位性がある。
- 注意点: Apple Watchの電池が切れるとSuica/PASMOも使えなくなる(iPhoneとは仕様が異なる)。
Apple Watch Series 8 スペック(仕様)一覧
- ディスプレイ: 41mm/45mm LTPO OLED常時表示Retinaディスプレイ (最大輝度1,000ニト)
- 操作: 回転式クラウン(Digital Crown)およびタッチ操作
- プロセッサ: S8 SiP (64ビットデュアルコア)、W3ワイヤレスチップ、U1チップ
- ストレージ: 32GB
- バッテリー駆動時間: 通常使用で最大18時間、低電力モードで最大36時間
- 充電: USB-C磁気高速充電(約45分で80%まで充電可能)
- ワイヤレス通信: Wi-Fi (802.11b/g/n, 2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.3
- GPS: L1 GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDouに対応
- NFC & Apple Pay: 対応 (Suica、PASMOなどの決済が可能)
- センサー: 皮膚温、血中酸素、電気心拍、第3世代光学式心拍、高重力加速度、ジャイロ、高度計、コンパス、環境光
- スピーカーとマイク: 搭載
- 耐水・防塵: 50メートルの耐水性能およびIP6X等級の防塵性能
- OS: watchOS 9 (発売時)
- サイズ: 41mm: 41x35x10.7mm / 45mm: 45x38x10.7mm
- 重量: 41mm: 31.9gから / 45mm: 38.8gから (モデルにより異なる)
- カラー: アルミニウムは4色、ステンレススチールは3色展開
- SIMカード: eSIMに対応 (GPS + Cellularモデルのみ)
Apple Watch Series 8の評価
8つの評価基準で「Apple Watch Series 8」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★★
Series 7から受け継いだ、ベゼルが細く広々とした常時表示Retinaディスプレイは、日中の屋外でも非常に見やすく、通知やワークアウト中の指標を瞬時に確認できます。
健康管理・スポーツ:★★★★★
皮膚温センサーや衝突事故検出など、Series 7にはない先進的な機能が追加されました。心電図や血中酸素ウェルネス測定も引き続き搭載し、日々の健康管理から万が一の安全確保まで、手首の上のパートナーとして最高の性能を誇ります。
機能性:★★★★☆
watchOS 9で追加された低電力モードや新しいコンパスアプリ、服薬リマインダーなどは非常に便利です。しかし、革新的な機能の多くはOSアップデートによるもので、Series 7でも体験できるため、星4つとしました。
バッテリーの持ち:★★★☆☆
公称18時間は変わらず、毎日の充電が基本です。しかし、最大36時間まで延長できる「低電力モード」と高速充電の組み合わせにより、実用性は向上しているため、致命的な弱点ではなくなりました。
耐久性:★★★★☆
耐亀裂性の高い前面クリスタルとIP6X等級の防塵性能、50mの耐水性能を備え、日常生活からアクティブなシーンまで安心して使えます。ただし、アルミニウムケースは強い衝撃による傷や凹みには注意が必要です。
ファッション性:★★★★★
洗練されたデザインはそのままに、豊富な純正バンドやサードパーティ製バンドによって、フォーマルからカジュアルまであらゆるスタイルに合わせられます。カスタマイズ性が高く、ファッションアイテムとしての完成度は非常に高いです。
価格:★★★☆☆
発売時の価格はSeries 7から大きな変動はありませんでした。しかし、Series 7との機能差が限定的であることを考えると、コストパフォーマンスの面でやや割高に感じる可能性もあります。
使いやすさ:★★★★★
直感的な操作性は健在で、Appleデバイス間のシームレスな連携は他の追随を許しません。日本語キーボードへの対応など、ソフトウェアの進化により、さらに使いやすさが向上しています。
【総評:★★★★☆】
完成されたデザインと、未来への安心感をプラスした正統進化モデル
Apple Watch Series 8は、一言で表すなら「完成されたスマートウォッチの、さらなる熟成」です。前モデルのSeries 7で実現した、大きくて美しいディスプレイや高速充電といった優れた特徴はそのままに、未来の健康と安全を見据えた新機能を静かに、しかし着実に搭載してきました。
日々の健康管理を、より深く、より手軽に
最大の注目点は、新たに搭載された「皮膚温センサー」と「衝突事故検出」機能です。特に皮膚温センサーは、女性の月経周期トラッキングの精度を向上させる画期的な機能であり、日々の体調変化を客観的なデータで把握する新しい指標となります。また、衝突事故検出機能は、万が一の際に自動で助けを呼んでくれる「お守り」のような存在。これらの機能は、Series 7にはない、Series 8ならではの大きな価値と言えるでしょう。
ソフトウェアの進化が体験を加速させる
一方で、低電力モードによるバッテリー持続時間の大幅な向上や、睡眠ステージの詳細な分析、新しいコンパスアプリといった魅力的な機能の多くは、watchOS 9のアップデートによるものです。これにより、Apple Watchの体験はハードウェアだけでなく、ソフトウェアの面でも大きく深化しており、日々の利便性をさらに高めています。
購入前の注意点
このソフトウェアの進化は、購入を検討する上で重要な注意点も示唆しています。watchOS 9の主要な新機能はSeries 7でも利用できるため、すでにお使いの方は、皮膚温センサーや衝突事故検出といったSeries 8独自の機能に強い価値を感じるかどうかが、買い替えの判断基準となるでしょう。
どんな人に最適か
では、どのような方にApple Watch Series 8は最適なのでしょうか。まず、Series 6以前のモデルをお使いの方です。画面の大型化、パフォーマンスの向上、そして最新OSの全機能を享受できるため、あらゆる面で大きな進化を体感できます。また、最新の健康管理や安全機能を重視する方、そして初めてApple Watchを手にする方にとっても、最も完成された体験ができるSeries 8が最高の選択肢となります。日々の生活をより豊かに、そして安心して過ごすための投資として、Apple Watch Series 8は非常に優れた選択肢であると結論付けます。
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Apple Watch Series 8の価格・購入先
※価格は2025/09/25に調査したものです。価格は変動します。
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他のApple Watchと比較
他にもAppleのスマートウォッチが販売されています。2025年、2024年モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。
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