2023年9月22日に発売された「Apple Watch Series 9」は、新チップ「S9 SiP」の搭載によって性能を劇的に進化させたことで、スマートウォッチ市場で今大きな注目を集めています。
このレビューでは、Apple Watch Series 9が日々の生活をどれだけ快適でスマートなものに変えてくれるのか、前モデル「Apple Watch Series 8」と何がどう違うのか、その真価を徹底的に比較・検証しました。
【先に結論からお伝えしましょう】
Apple Watch Series 9 の長所(Pros):
- 新チップ「S9 SiP」による圧倒的なパフォーマンス向上と高速なSiri応答
- 画面に触れずに操作できる革新的な「ダブルタップ」ジェスチャー
- 最大2,000ニトの輝度で、直射日光下でも抜群の視認性を誇るディスプレイ
- iPhoneを正確に見つける機能の強化と64GBに倍増したストレージ
- 特定の組み合わせで実現したApple初のカーボンニュートラル製品
Apple Watch Series 9 の短所(Cons):
- バッテリー駆動時間が最大18時間と前モデルから据え置きで、毎日の充電が必須
- 外観デザインに新鮮味がなく、Series 8からの変化が分かりにくい
- 新素材「ファインウーブン」バンドの耐久性に懸念がある
- 一部のOS新機能は旧モデルでも利用可能
総合評価:
Apple Watch Series 9は、デザインこそ前モデルを踏襲していますが、その中身は全くの別物です。特に、操作の快適性を劇的に向上させるパフォーマンスと、未来的なダブルタップジェスチャーは、Series 7以前のモデルをお使いの方や、初めてApple Watchを手にする方にとって、最高の体験を約束する一台と言えるでしょう。
<この記事で分かること>
- 前モデルApple Watch Series 8との詳細なスペック・機能比較
- 新チップ「S9 SiP」の性能がもたらす快適な動作感
- 革新的な新操作「ダブルタップジェスチャー」の具体的な使い方と実用性
- 最大輝度2,000ニトのディスプレイが屋外でどれだけ見やすいか
- 実際のバッテリー持ちと高速充電の利便性
- サイクリングやランニングでのスポーツ機能の進化点
- Siri連携で進化した健康管理と、心の健康に寄り添う新機能のレビュー
- watchOS 10の新UI「スマートスタック」の使い勝手
- 公称値以上に感じられるバッテリー持ちと高速充電の利便性
- iPhoneを探す機能やストレージ増量がもたらすスマートな体験
- watchOS 10による新しいUIとアプリの使用感
- 購入前に知っておきたいメリット・デメリット
- 専門家による5段階評価と詳細な総評
- 最新の価格とお得な購入先
この記事を最後まで読むことで、「Apple Watch Series 9」を今購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:Apple Watch Series 9 – Apple(日本)
デザインと耐久性:Apple Watch Series 9 変わらない安心感と、新しい価値
ここではApple Watch Series 9のデザインと耐久性について、前モデルのApple Watch Series 8と比較しながら、実際に使って感じたことを詳しくレビューしていきます。見た目の変化だけでなく、素材の進化や環境への配慮といった新たな価値にも焦点を当てます。
変わらない、完成されたデザイン
Apple Watch Series 9を手に取ってまず感じるのは、そのデザインが前モデルのSeries 8から変わっていないという事実です。角が丸みを帯びた四角い形状は、Apple Watch Series 7から続く洗練されたフォルムで、多くのユーザーにとって馴染み深いものでしょう。Series 7以降のデザインは完成の域に達しているとも感じられ、大きな変更がないことは、むしろ安心感につながります。
しかし、変わらない中にも新しい魅力が加えられました。注目すべきは、アルミニウムケースの新色「ピンク」の登場です。この色は、かつてのiPhone 6sを彷彿とさせる上品な「ピンクゴールド」のような色合いで、腕元を華やかに彩ってくれます。定番のスターライトも落ち着いた色味で、様々なバンドと合わせやすく、ファッションを選ばない万能さが魅力です。
<カラーの違い>
Apple Watch Series 9: アルミニウムケース:ピンク、ミッドナイト、スターライト、シルバー、(PRODUCT)REDの5色、ステンレススチールケース:ゴールド、シルバー、グラファイト
Apple Watch Series 8: アルミニウムケース:ミッドナイト、スターライト、シルバー、(PRODUCT)REDの4色、ステンレススチールケースはグラファイト(PVD)、シルバー、ゴールド(PVD)
性能と軽さの両立、そして環境への配慮
サイズはSeries 8と同様に41mmと45mmの2種類が用意されています。私が試した45mmのGPSモデルは38.7gで、正直なところ、装着した瞬間は「やや重いかな」と感じました。しかし、一日中着けていても気になるほどの負担はなく、60gを超えるApple Watch Ultraと比較すれば、高性能でありながら軽さも両立した絶妙なバランスだと納得できます。
さらに、Series 9はApple製品として初めて「カーボンニュートラル」を実現したモデルでもあります。再生アルミニウムを100%使用したケースと、再設計されたスポーツループを組み合わせることで、環境への負荷を大幅に削減しています。時計としての機能は同じでも、環境に配慮した製品を選ぶことができるというのは、これからの時代における大きな付加価値だと感じます。
新素材バンド「ファインウーブン」の正直な感想
Appleはレザーの使用を廃止し、新たな素材として「ファインウーブン」を導入しました。私が試した「タンモダンバックル」バンドは、スエードのような滑らかな質感で、ビジネスシーンでも違和感のない品の良さがあります。スポーツループではカジュアルすぎると感じる場面で、このバンドは非常に重宝しました。
ただ、実際に1週間ほど使ってみて、素材としての課題も見えてきました。最も気になったのは、水に弱い点です。料理中に少し水がかかっただけでシミのような跡になり、完全に乾くまで半日近くかかりました。また、新品の質感が思ったよりも早く薄れていく印象もあり、素材としてはまだ発展途上かもしれません。一方で、定番のスポーツループは汗がこもりにくく肌への刺激も少ないため、ワークアウトなどアクティブな場面では最高の選択肢であると再認識しました。
日常からアクティブなシーンまで、安心の耐久性
デザインはエレガントですが、その耐久性は非常にタフです。Apple Watch Series 8から引き継がれた50メートルの耐水性能と、IP6X等級の防塵性能は健在です。このおかげで、プールでのスイミングはもちろん、汗をかくジムでのトレーニング、さらには料理中に小麦粉が舞うような場面でも、いちいち時計を外す必要がありません。日常のあらゆるシーンで気兼ねなく使えるこの安心感は、Apple Watchを生活のパートナーとして手放せなくなる大きな理由の一つです。
<Apple Watch Series 9の付属品>
- Apple Watch Series 9 本体
- バンド(ケースと選択した組み合わせ)
- Apple Watch磁気高速充電 – USB-Cケーブル(1m)
まとめ:デザインと耐久性
- 外観デザイン:Apple Watch Series 8から大きな変更はなく、完成されたフォルムを継承。
- 新色の魅力:アルミニウムケースに上品なピンクが追加され、新たな選択肢を提供。
- 環境への価値:特定の組み合わせでApple初のカーボンニュートラル製品となり、環境意識の高いユーザーに応える。
- 新素材バンド:ファインウーブンはビジネスシーンに合う質感だが、水濡れや汚れには注意が必要。
- 優れた耐久性:50m耐水とIP6X防塵性能を備え、アクティブな日常でも安心して使用可能。
ディスプレイと操作性:Apple Watch Series 9 日常を輝かせる光と、魔法のような新操作
ここではApple Watch Series 9のディスプレイと操作性について、その真価をレビューします。前モデルのApple Watch Series 8から最も進化した「ディスプレイの明るさ」と、全く新しい操作体験をもたらす「ダブルタップジェスチャー」を中心に、実際に使って感じた感動と利便性をお伝えします。
鮮やかさを増した、完成されたディスプレイ
Apple Watch Series 9を腕につけて最初に目にするディスプレイは、Apple Watch Series 8と同じくLTPO OLED常時表示Retinaディスプレイを採用しており、その第一印象は非常に馴染み深いものです。発色は自然で美しく、アプリのアイコンや通知のテキストもくっきりと表示されます。時計を見ていないときでも文字盤がほのかに表示され続ける「常時表示」機能は、手首を返さなくてもすぐに時間を確認できるため、一度慣れると手放せない快適さがあります。見た目の形状は変わらないものの、Series 9はこの優れたディスプレイのポテンシャルをさらに引き出すことに成功していると感じました。
ディスプレイサイズと解像度の違い
物理的なサイズは41mmと45mm、解像度は326ppiと、仕様上はApple Watch Series 8から変更ありません。エッジまで広がる細いベゼルのデザインも健在で、コンパクトな本体ながら広い表示領域を確保しています。このため、Series 8からの乗り換えでも、サイズ感や文字の精細さにおいて違和感を覚えることはないでしょう。しかし、Series 9にはこの見慣れたディスプレイの体験を根底から変える、大きな進化が隠されていました。
輝度の進化がもたらす圧倒的な視認性
注目すべきは、ディスプレイの「輝度」です。最大輝度はSeries 8の1,000ニトから2倍の2,000ニトへと飛躍的に向上しました。この差は、特に屋外で絶大な効果を発揮します。夏の強い日差しの下でメッセージを確認する場面でも、Series 9なら画面がはっきりと見え、ストレスを感じることがありませんでした。逆に、最小輝度は1ニトまで下がるため、夜中の寝室で時間を見ても目が眩むことがなく、細やかな配慮が嬉しいポイントです。
進化した操作性と快適な動作
操作性において、Series 9は「ダブルタップジェスチャー」という全く新しい体験を提供します。時計を着けている手の人差し指と親指を2回合わせるだけで、電話に出たり、タイマーを止めたり、HomePodの音楽を再生・停止したりできます。両手が塞がりがちな場面で非常に便利ですが、メッセージ返信のような複雑な操作には向かず、ランニング中のように腕の動きが激しい時には使いにくいと感じました。
また、watchOS 10からDigital Crownを回す操作が、ウィジェットをまとめて表示する「スマートスタック」の呼び出しに変わりました。これはSeries 8以前のユーザーにとっては大きな変化で、慣れが必要ですが、必要な情報へ素早くアクセスできる利点もあります。
S9 SiPがもたらす快適なパフォーマンス
これらの新しい操作体験を支えているのが、新しいS9 SiPチップです。このチップの恩恵を最も体感できたのは、Siriの応答速度でした。Series 8では時々待たされることがあったタイマーの設定などが、Series 9ではインターネット接続がない場所でも瞬時に完了します。このサクサクとしたレスポンスは、日々の小さなストレスを確実に解消してくれます。新しいチップによるパフォーマンスの向上が、Apple Watch Series 9全体の快適さを底上げしているのです。
心躍る、個性豊かな新しいウォッチフェイス
watchOS 10では、個性的で楽しい5つの新しい文字盤が追加され、時計を見るたびに新鮮な気持ちにさせてくれます。中でも「スヌーピー」は、キャラクターが天気やワークアウトに反応して活発に動く様子が非常に愛らしく、忙しい日々の癒やしになりました。また、アーティスティックな「パレット」は、3つの色の層が時間の経過と共に変化し、手首を美しいグラデーションで彩ってくれます。クラシックなデザインを好む日には「ソーラーアナログ」を選びました。これは太陽の位置を光と影でダイヤル上に表現する、洗練された美しい文字盤です。これらの新しい文字盤の豊かな色彩や繊細な光の表現は、Series 9の明るいディスプレイによって、その魅力が一層引き立てられていると強く感じました。
<Apple Watch Series 9のディスプレイ仕様>
- 種類: LTPO OLED常時表示Retinaディスプレイ
- 輝度: 最大2,000ニト、最小輝度1ニト
- 常時表示: 対応
- ガラス素材: Ion-X前面ガラス(アルミニウムケース)、サファイア前面クリスタル(ステンレススチールケース)
- 解像度: 326ppi
まとめ:ディスプレイと操作性
- 第一印象:Apple Watch Series 8と同等の高品質なLTPO OLEDディスプレイだが、鮮やかさが向上している。
- 視認性の向上:最大輝度が2倍の2,000ニトになり、直射日光下でも圧倒的に見やすくなった。
- 新しい操作体験:ディスプレイに触れずに操作できる「ダブルタップ」は、両手がふさがっているシーンで魔法のように便利。
- パフォーマンス:新しいS9 SiPにより、特にオフラインでのSiriの応答速度が向上し、ストレスなく操作できる。
- 文字盤の楽しさ:「スヌーピー」や「パレット」など個性豊かな新しい文字盤が追加され、明るいディスプレイでその魅力が一層引き立つ。
スポーツ機能:Apple Watch Series 9 ワークアウトを深化させる機能たち
ここではApple Watch Series 9のスポーツ機能について、Series 8と比較しながら実際に使用した感想を交えてレビューします。日々のワークアウトから本格的なアウトドアアクティビティまで、どのように私たちのスポーツライフを支えてくれるのかを深掘りしていきます。
あらゆる動きを捉える、多彩なワークアウト
Apple Watch Series 9は、ウォーキングやランニング、サイクリングといった基本的なものから、HIIT(高強度インターバルトレーニング)、ヨガ、ピラティスまで、非常に多彩なワークアウトに対応しています。これらの基本的なトラッキング機能はApple Watch Series 8から大きく変わっておらず、日々の運動量を記録し、健康維持のモチベーションを高めるという点では、すでに高い完成度を誇っています。ワークアウトが始まると自動で計測を開始してくれる機能も健在で、意識せずとも日々の活動が記録されていく手軽さは、継続の大きな助けになります。
サイクリングが本格的なトレーニングに変わる体験
週末にロードバイクに乗る私にとって、今回のサイクリング機能の進化は革命的でした。これまで専用機材が必要だったパワーメーターと驚くほど簡単に接続でき、自分のペダリングが「ワット」というプロの数値で手首に表示された時の興奮は忘れられません。感覚に頼っていた坂道でのペース配分も、具体的な「パワーゾーン」を維持するトレーニングへと変わり、いつものライドが格段に面白くなりました。データはiPhoneにもライブアクティビティとして大きく表示されるため、走行中の確認も快適です。まさに、私のサイクリングが「楽しみ」から「本格的なトレーニング」に変わった瞬間でした。
<Apple Watch Series 9のサイクリング機能>
- パワーメーターなどのBluetooth対応サイクリングアクセサリに接続できます。
- サイクリングワークアウトは、iPhoneにライブアクティビティとして表示されます。
- サイクリングパワー(ワット)やケイデンス(RPM)などの新しい指標が追加されました。
- 「機能的作業しきい値パワー(FTP)」を推定し、パーソナライズされたパワーゾーンを算出します。
コンパスとマップで、より安全なアウトドアへ
ハイキングなど、アウトドアでの活動における安心感も格段に向上しました。コンパスアプリが、通信事業者のネットワークに最後に接続できた地点を「緊急電話に発信できる最後の地点ウェイポイント」として自動的に生成してくれるようになったのです。実際に近郊の山道を歩いてみましたが、万が一の際に通信可能な場所まで戻るための目印が自動で作成される安心感は絶大です。さらに、保存したウェイポイントを3次元で表示する新しい高度表示も、ルートの全体像を直感的に把握するのに役立ちました。
<Apple Watch Series 9のコンパスとマップ機能>
- コンパス:可能な場合に「最後のモバイル通信接続地点」と「緊急電話に発信できる最後の地点」という2つのウェイポイントを自動生成します。
- マップ:米国では等高線や標高の詳細情報を含む新しい地形図が表示されます。
- ナビゲーション:iPhoneとペアリングされていれば、オフラインでもターンバイターンのナビゲーションや到着予定時刻にアクセスできます。
ランニングでの実力とGPSの精度
日課のランニングでApple Watch Series 9を試してみました。GPSの精度と心拍数モニタリングの正確性は非常に高く、専門機器であるGarminのランニングウォッチと比較しても遜色のないデータが記録できました。特に心拍数の計測精度は素晴らしく、専門機器との誤差は1%未満というレビューにも頷けます。ただし、本格的なランナーにとっては、ワークアウトの開始・停止を瞬時に行える専用のアクションボタンがない点は、少し物足りなく感じるかもしれません。この点はApple Watch Ultraに軍配が上がりますが、ほとんどの市民ランナーにとっては十分すぎる性能を持っていると言えるでしょう。
万が一に備える、頼れる安全機能
スポーツシーンはもちろん、日常生活においても安心感を与えてくれるのが、Series 8から引き継がれた「衝突事故検出」と「転倒検出」機能です。自動車での深刻な衝突事故や、激しい転倒を検知すると、自動で緊急通報サービスに連絡してくれます。幸いにも、私自身がこの機能のお世話になることはありませんでしたが、万が一の事態に備えてくれる”お守り”が手首にあるという安心感は、何物にも代えがたい価値があります。これらの機能は、自分だけでなく、家族の安全を見守るツールとしても非常に重要です。
<Apple Watch Series 9のスポーツ機能 一覧>
- 対応ワークアウト: ウォーキング、ランニング、サイクリング、ヨガ、筋力トレーニング、HIIT、ピラティス、スイミングなど多数
- GPS機能: L1 GPS、GNSS、Galileo、BeiDouに対応
- 心拍数計測: 第3世代の光学式心拍センサー、高心拍数と低心拍数の通知
- コンパスアプリ: ウェイポイント、バックトレース、高度表示
- 安全機能: 緊急SOS、海外における緊急通報、衝突事故検出、転倒検出
- 耐水性能: 50メートルの耐水性能
- 防塵性能: IP6X等級
- 外部センサー連携: Bluetooth経由でサイクリング用アクセサリ(パワーメーター等)に接続可能
まとめ:スポーツ機能
- サイクリング機能: Bluetoothセンサーとの連携により、パワーやケイデンスといった専門的なデータを計測可能になった。
- コンパスとマップ: 通信可能な地点を自動で記録するウェイポイント機能などが追加され、アウトドアでの安全性が向上した。
- Series 8との共通点: 衝突事故検出や転倒検出などの主要な安全機能はSeries 8と共通で、多くのスポーツ機能も利用可能。
- Series 9の優位性: 向上した処理能力により、新しいソフトウェアの機能をよりスムーズかつ快適に動作させることができる。
- GPSと心拍数: 日常的なランニングやワークアウトにおいて、非常に高精度なトラッキングを実現。
- 安全という価値: スポーツ時だけでなく、日常生活における万が一の事態にも備える”お守り”としての役割を果たす。
ヘルスケア機能:Apple Watch Series 9 日常から、心と体の健康を見守るパートナー
ここではApple Watch Series 9が、私たちの健康とどのように向き合ってくれるのかをレビューします。Series 8から引き継がれた高度なセンサー群に加え、Series 9ならではの利便性の向上や、心の健康に寄り添う新しいアプローチまで、日々の健康管理における頼もしいパートナーとしての一面を深掘りします。
Siriとの連携が生む、新しい健康管理のカタチ
Apple Watch Series 9を使ってみて、ヘルスケア機能で最も大きな進化を感じたのは、Siriとの連携です。注目すべきは、Siriへのリクエストがデバイス上で直接処理されるようになった点です。これにより、インターネット接続がない場所でも健康に関するデータを音声で記録・確認できるようになりました。実際にWi-Fiの繋がりにくい寝室で、服用した薬を音声で記録してみたところ、Series 8では待たされることがあった処理が、Series 9では瞬時に完了しました。この手元で完結するスピード感と安心感は、日々の健康管理をより手軽で継続しやすいものに変えてくれます。
心と向き合うマインドフルネスアプリ
新たに追加されたマインドフルネスアプリの「心の状態」を記録する機能は、身体だけでなく心の健康にも目を向けた新しいアプローチです。Digital Crownを回して美しい多次元の形をスクロールさせ、今の自分の感情が「非常に快適」から「非常に不快」のどの段階にあるかを選ぶというユニークな操作で、手軽に気分を記録できます。ただ、実際に使ってみると、この機能は少し人を選ぶかもしれません。忙しい家事の最中に通知が来た時は、自分の気持ちを記録する余裕がなく、少し戸惑ってしまいました。デジタルデバイスで内面と向き合うよりも、散歩に出かけて外の景色を眺めるほうが、私にとっては効果的な気分転換になると感じることもありました。
充実のセンサー群が捉える、日々のバイタルサイン
Series 9は、Apple Watch Series 8から非常に優秀なヘルスケア機能を数多く受け継いでいます。心拍数計測の精度は極めて高く、専門機器との比較でも誤差は1%未満という正確性を誇ります。これに加えて、心電図アプリによる心房細動の兆候のチェック、血中酸素ウェルネスの測定、そして皮膚温センサーによる女性のための周期記録の推定まで、非常に高度な測定がこの一台で可能です。これらの機能は、日々の健康状態を多角的に把握し、変化の兆候にいち早く気づくための強力なツールとなります。
睡眠の質を可視化する、睡眠ステージ記録
毎晩Series 9を身に着けて眠るのがすっかり習慣になりました。朝、iPhoneのヘルスケアアプリを開いて、自分の睡眠が「レム」「コア」「深い」のステージにどれだけ分類されているかを確認するのが楽しみの一つです。昨晩の睡眠の質がデータとして可視化されることで、「夜更かししたから深い睡眠が短かったな」というように、自分の生活習慣と体調を客観的に結びつけて考えることができるようになりました。また、服薬のリマインダー機能も非常に便利で、飲み忘れを防ぐのに役立っています。Series 9は、まさに眠っている間も私たちの健康を見守ってくれる、頼もしい存在です。
太陽の光を浴びて、心と視覚の健康を
新たに追加された機能の中で特に気に入ったのが、環境光センサーを利用して「日光の下で過ごした時間」を記録してくれる機能です。個人的に、外で過ごす時間は心身の不調に対する万能薬だと感じていたので、この機能はまさに求めていたものでした。夏の終わりに試してみると、その日の活動が驚くほど正確に記録されており、二日酔いでほとんど外出しなかった日には、正直なデータが示されていました。この機能は、近視のリスクを低減するために屋外で過ごすことが推奨されている子どもにとっても非常に有益です。ファミリー共有設定を使えば、親が子どものApple Watchからこのデータを確認することもできます。
<Apple Watch Series 9のヘルスケア機能 一覧>
- 心拍数測定: 第3世代の光学式心拍センサー、高心拍数と低心拍数の通知、不規則な心拍リズムの通知
- 心電図アプリ: 対応(第I誘導心電図に類似した心電図を作成)
- 血中酸素ウェルネスアプリ: 対応
- 皮膚温センサー: 睡眠中の皮膚温を記録し、過去の排卵日を推定
- 周期記録アプリ: 月経周期を記録・予測
- 睡眠記録: 睡眠ステージ(レム、コア、深い)を記録
- 服薬アプリ: 服薬の時間を記録し、リマインダーで通知
- マインドフルネスアプリ: 心の状態を記録する機能
- 日光の下で過ごした時間: 環境光センサーで測定
- 安全機能: 転倒検出、衝突事故検出
まとめ:ヘルスケア機能
- Siriとの連携: インターネット接続なしで健康データを音声記録できるようになり、利便性とプライバシーが向上した。
- 視覚と心の健康: 新たに「日光の下で過ごした時間」を記録する機能が加わり、心身の健康維持に貢献する。
- マインドフルネス: 「心の状態」を記録するユニークな機能が追加されたが、利用シーンや効果は個人のライフスタイルによって評価が分かれる可能性がある。
- 高度なセンサー群: 心拍数、心電図、血中酸素、皮膚温など、Series 8から引き継いだ高精度な測定機能で身体の状態を多角的に把握。
- 睡眠トラッキング: 詳細な睡眠ステージの記録により、睡眠の質を客観的に評価し、生活習慣の改善に役立つ。
- 総合的な健康管理: 服薬リマインダーから緊急時の安全機能まで、日々の健康と安全を包括的にサポートするデバイスへと進化。
バッテリー持ちと充電:Apple Watch Series 9 変わらぬ安心感と、賢い電力効率
ここではApple Watch Series 9のバッテリー性能と充電の利便性について、実際に毎日使ってみて感じたことをレビューします。公称値は前モデルと変わりませんが、新しいチップによる電力効率の向上が、日常の使い勝手にどのような変化をもたらしたのかを詳しく解説します。
公称値を超えた、驚きのバッテリー持続力
Apple Watch Series 9のバッテリー駆動時間は、通常使用で最大18時間と、公称スペック上はApple Watch Series 8から変更ありません。正直なところ、この数値だけを見ると「毎日充電が必要」というこれまでのイメージと変わらず、少し物足りなさを感じるかもしれません。しかし、実際に一週間ほど使い続けてみて、その印象は良い意味で大きく裏切られました。新しいS9 SiPチップの高い電力効率のおかげで、実際のバッテリー持ちはスペックの数値をはるかに超える素晴らしいものでした。
特に驚いたのが、睡眠トラッキングも行った翌朝でも、バッテリーが40〜50%も残っていたことです。これには本当に感動しました。また、ある日は朝7時から深夜0時過ぎまで、常時表示ディスプレイをオンにしたまま一日中過ごしたにもかかわらず、バッテリー残量は50%以上を維持していました。これなら、万が一充電を忘れて寝てしまっても、翌朝慌てることはありません。ただし、常時表示をオンにすると、体感で1.6倍から1.8倍ほどバッテリー消費が早くなる印象なので、長持ちさせたい日はオフにするのが賢明です。
1泊2日の旅行も安心、低電力モード
さらに安心感を高めてくれるのが「低電力モード」です。このモードをオンにすると、通常時の約2倍となる最大36時間の駆動が可能になります。実際に週末の1泊旅行で試してみたところ、充電器を持たずに家を出ましたが、2日目の夕方までバッテリーが持ちこたえてくれました。常時表示や一部のバックグラウンド測定はオフになりますが、通知や基本的な機能は問題なく使えるため、大きな不便は感じません。旅行や出張が多い方にとって、この機能は非常に心強い味方になるでしょう。
朝の短時間で一日分をチャージできる高速充電
バッテリー持ちと並んで重要なのが充電の手軽さです。Series 9は高速充電に対応しており、約75分でバッテリーを100%まで回復させることができます。私の場合、毎朝の身支度をしている30分ほどの間に充電するだけで、その日一日を乗り切るのに十分な80%近くまで充電が完了しました。万が一充電を忘れてしまっても、この速さがあれば、朝の短い時間でリカバリーできるので安心です。
また、細かな点ですが、付属の充電ケーブルがSeries 8のシリコン製から、より耐久性の高そうなファブリック素材に変更されたのも嬉しいポイントです。見た目にも高級感があり、日々の充電という行為に少しだけ満足感をプラスしてくれます。
<Apple Watch Series 9のバッテリー・充電 仕様>
- バッテリー駆動時間: 通常使用で最大18時間
- 低電力モード: 最大36時間
- 充電方式: USB-C磁気高速充電ケーブルによるワイヤレス充電
- 充電時間: 約45分で0%から80%まで、約75分で0%から100%まで
まとめ:バッテリー持ちと充電
- 体感的なバッテリー持ち: 公称値はSeries 8と同じ18時間だが、新しいチップの電力効率向上により、1日中使っても余裕がある。
- 低電力モードの実用性: 最大36時間の駆動が可能で、1泊2日の旅行程度なら充電器なしでも安心して使える。
- 高速充電の利便性: 朝の短い時間で1日分の充電が可能で、万が一の充電忘れにも素早く対応できる。
- 付属品の進化: 付属の充電ケーブルが耐久性の高いファブリック素材に変更され、質感も向上している。
スマート機能:Apple Watch Series 9 iPhoneとの連携がさらに深化
ここではApple Watch Series 9のスマート機能について、日々の生活をどれだけ便利にしてくれるかをレビューします。Apple Watch Series 8の時点で既に完成度が高かったスマート機能ですが、Series 9では内部の進化によって、体験の質が大きく向上していることを実感できました。
まるでAirTag、iPhoneがすぐに見つかる感動
私は家の中で頻繁にiPhoneを見失うのですが、この「正確な場所を見つける」機能の進化には心から感動しました。Series 8でも音を鳴らして探すことはできましたが、Series 9とiPhone 15シリーズを組み合わせると、体験が全く異なります。時計の画面にiPhoneがある方向を示す矢印と、そこまでの正確な距離が表示されるのです。その矢印を頼りに歩いていく感覚は、まさにAirTagを探すのと同じ。ソファのクッションの下に埋もれていたiPhoneを数秒で見つけ出せた時は、思わず声が出ました。これはもう手放せない機能です。
音楽とストレージ:iPhoneを置いて、もっと遠くへ
ストレージ容量がSeries 8の32GBから64GBに倍増したのも、私にとっては非常に大きなポイントでした。Series 8では、ランニング用に同期するプレイリストを慎重に選んでいましたが、64GBのSeries 9では、お気に入りのプレイリストを複数、さらにポッドキャストのエピソードをまとめてダウンロードしても、まだ余裕があります。これにより、iPhoneを家に置いたまま、その日の気分に合わせて好きな音楽を聴きながらランニングに出かけるという、真に身軽な体験が実現しました。
未来的な連携機能:NameDropとスマートスタック
Series 9は、日々の細かな連携機能も洗練されています。Apple WatchやiPhoneを近づけるだけで連絡先を交換できる「NameDrop」は、名刺交換よりも素早くスマートで、未来的な体験でした。また、Digital Crownを回してウィジェットを呼び出す「スマートスタック」は、朝一番に天気予報を、外出前には次の予定を自動で表示してくれるので、必要な情報に素早くアクセスできて非常に便利です。
手首で完結する決済体験:SuicaもiDもこれ一つで
Apple Payによる支払いの手軽さは、もはや私の生活に不可欠です。Series 9は日本で広く使われているFeliCaに対応しているため、SuicaやPASMOでの鉄道利用はもちろん、コンビニなどでのiDやQUICPay決済も手首をかざすだけで完了します 。私も、両手が買い物袋で塞がっている時に、財布やiPhoneを取り出すことなくサイドボタンをダブルクリックし、手首をかざすだけで支払いが完了した時には、その便利さを改めて実感しました 。Series 9の高速な処理性能のおかげで、決済画面の呼び出しから支払い完了までが本当に一瞬で、レジ前で待たされるストレスもありません。
暮らしに溶け込む通知と通信機能
メールやLINE、SNSの通知が手首で瞬時に確認できるのは、もはやApple Watchの基本ですが、Series 9の向上した処理性能は、その体験をさらにスムーズにします。特に便利なのがメッセージへの返信機能です。友人からの急なLINEにも、音声入力やフリック入力で簡単な返信ができるため、会議中や移動中など、iPhoneを取り出しにくい場面で何度も助けられました。
「GPS + Cellularモデル」を選べば、その利便性は頂点に達します。iPhoneが手元になくても電話を受けたり、メッセージを送受信したりできるため、ランニングや近所への買い物など、身軽に行動したい時に真価を発揮します。
<Apple Watch Series 9のスマート機能 一覧>
- 正確な場所を見つける機能: 第2世代の超広帯域無線チップにより、iPhone 15シリーズの正確な位置を表示
- ストレージ容量: 64GB
- NameDrop: Apple WatchやiPhoneを近づけて連絡先を交換
- スマートスタック: Digital Crownを回して必要な情報をウィジェットで表示
- Apple Pay: Apple Pay、GymKitに対応
- LTE通信: iPhoneがなくても単体で通信・通話が可能(GPS + Cellularモデル)
- 音楽再生: 本体に音楽を保存し、Bluetoothイヤホンで再生可能
- HomePodとの連係: 再生中のメディアを操作、スマートスタックに提案を表示
まとめ:スマート機能
- iPhoneを探す機能の革新: Series 8にはない第2世代超広帯域無線チップにより、iPhone 15をAirTagのように正確に見つけられるようになった。
- ストレージと音楽: Series 8の2倍となる64GBの容量で、iPhoneなしでの音楽体験が格段に豊かになった。
- 通知とメッセージ: iPhoneを取り出さずに通知確認から返信までが完結し、日々のコミュニケーションがよりスムーズになる。
- 決済と通信の自由: SuicaやiDなどFeliCa対応の決済と、単体でも通信できる「GPS + Cellularモデル」が、生活をより身軽で自由にする。
OSとアプリ:Apple Watch Series 9 新しい体験の基盤となるwatchOS 10
ここではApple Watch Series 9のソフトウェアとアプリの体験について、その要とも言えるwatchOS 10を中心にレビューします。UI(ユーザーインターフェース)の大きな変更点や、新しいチップがアプリの動作にどう影響するのかなど、Apple Watch Series 8との比較を交えながら、その実力を深掘りしていきます。
新しい操作感の主役、watchOS 10
Apple Watch Series 9の体験は、マイルストーンとなるアップデートであるwatchOS 10によって定義されます。このOSによってUIの使い勝手は大きく変わりました。天気や株価といった標準アプリはデザインが刷新され、画面全体に情報がリッチに表示されるようになり、格段に見やすくなっています。Series 8も同じOSにアップデートできますが、Series 9の明るいディスプレイで見る再設計されたアプリは、色の鮮やかさや情報の見やすさが一段上に感じられます。
特に、これまで画面下からのスワイプで呼び出していたコントロールセンターが、サイドボタンのクリックに変更された点は大きな変化です。最初は戸惑いましたが、どのアプリを開いていても確実に呼び出せるため、慣れると非常に合理的な操作だと感じました。Series 9のキビキビとした動作と相まって、アプリ間の移動や情報の確認が非常にスムーズに行えました。
将来性も安心な対応OS
Apple Watch Series 9を利用するには、iOS 17以降を搭載したiPhone XS以降が必要です。これはSeries 8の初期要件(iOS 16とiPhone 8)から一歩進んでおり、最新のソフトウェア環境が前提となっています 。Series 8も最新のOSは動作しますが、よりパワフルなチップを搭載したSeries 9は、将来のアップデートにも長く対応してくれるだろうという安心感があります。
標準アプリとアプリの追加
料理で役立つ「タイマー」や集合写真で便利な「カメラリモート」、日々の予定を管理する「カレンダー」といった実用的なアプリが最初からインストールされており、すぐに生活を便利にしてくれます。さらに、Apple Watch上のApp Storeから直接、またはiPhoneのWatchアプリ経由で、サードパーティ製のアプリを簡単に追加できるのも魅力です。
例えば、人気のランニングアプリ「Nike Run Club」を入れれば、より専門的なトレーニングプランを管理できますし、「Yahoo!天気」を追加すれば、手首で詳細な雨雲レーダーを確認することも可能です。このように、自分のライフスタイルに合わせて機能を拡張できるのがApple Watchの大きな楽しみの一つです。
<Apple Watch Series 9のOS・アプリ 仕様>
- 搭載OS: watchOS 10
- 主な新機能: 再設計されたアプリ、新しい文字盤(スヌーピー、パレットなど)
- UIの主な変更点: サイドボタンでコントロールセンターを表示
- アプリストア: App Storeからサードパーティ製アプリをダウンロード可能
- 互換性: iOS 17以降を搭載したiPhone XS以降が必要
まとめ:OSとアプリ
- watchOS 10: 再設計されたアプリにより、画面全体でより多くの情報を確認できるようになった。
- UIの使い勝手: コントロールセンターの呼び出し方法がサイドボタンに変更され、どの画面からでもアクセスしやすくなった。
- Series 9の優位性: Series 8も同じOSアップデートを受けられるが、パワフルなチップを搭載したSeries 9が最もスムーズで快適な体験を提供する。
- 豊富なアプリ体験: 「タイマー」や「カメラリモート」といった便利な標準アプリに加え、App Storeからサードパーティ製アプリを導入し機能を自在に拡張できる。
- 将来性: より新しいチップを搭載しているため、将来的なOSアップデートにも長く対応できるという安心感がある。
- 互換性: 利用にはiPhone XS以降およびiOS 17以降が必要となり、Series 8よりも新しい環境が求められる。
Apple Watch Series 9:GPSモデルとセルラーモデルの違い
Apple Watch Series 9には、標準の「GPSモデル」と、単体での通信が可能な「GPS + Cellularモデル」の2種類があります。この二つのモデルの最も大きな違いは、iPhoneが手元にあるかどうかに関わらず、Apple Watch単体で通信できるかどうかにあります。
iPhoneがなくても通信できるセルラーモデル
GPS + Cellularモデル最大の特長は、iPhoneが近くになくても電話をかけたり、メッセージを送ったり、データ通信を利用できる点です 。これは、Apple Watch自体がLTEやUMTSといった携帯電話ネットワークに直接接続する機能を内蔵しているためです 。ランニング中や少しの外出時にiPhoneを持たずに出かけても、大切な連絡を逃すことがありません。一方、GPSモデルがこれらの通信機能を利用するには、BluetoothやWi-Fiで近くのiPhoneに接続されている必要があります 。
通信プランとファミリー共有設定
セルラー機能を利用するためには、別途、お使いの通信事業者とのサービスプランへの加入が必要です 。この単体通信機能があることで、GPS + Cellularモデルは「ファミリー共有設定」にも対応します。これにより、iPhoneを持っていない子どもやお年寄りでも、家族のiPhoneとペアリングしてApple Watchのコミュニケーション機能や安全機能を利用できるようになります 。
その他の仕様の違い
両モデルには、ごくわずかな仕様の違いも存在します。追加の通信部品を内蔵するため、GPS + CellularモデルはGPSモデルに比べて若干重量が重くなっています 。例えば、45mmのアルミニウムケースでは、GPSモデルが38.7gなのに対し、GPS + Cellularモデルは39.0gです 。また、バッテリーのテスト条件も異なり、セルラーモデルはLTE接続を含んだ状況で計測されています 。
Apple Watch Series 9の口コミ情報・評判 まとめ
ここではApple Watch Series 9の口コミ情報・評判をまとめて紹介します。
【総評・その他】
高評価
- iPhoneユーザーにとっては最高のスマートウォッチであり、手放せないという声が多い。
- 高齢者やその家族にとって、緊急連絡や見守り機能は「なくてはならない必須アイテム」。
- バンドやケースが豊富で、自分好みにカスタマイズできるのが楽しい。
低評価・注意点
- 価格が高い。旧モデルを安く買うのも賢い選択肢との意見もある。
- バンドの耐久性に問題があるケースも報告されており、保証期間内でもユーザー過失と判断され、サポート対応に不満を持つ声があった。
- 全ての機能は必要なく、廉価版のSEモデルで十分だったと感じるユーザーもいる。
- 購入後、最初のうちは使っていたが、次第に使わなくなったという意見もある。
【デザイン】
- 多くのレビューで高評価。シンプルで洗練されており、Appleらしいデザインと評されている。
- カラーバリエーション(スターライト、ピンクなど)も好評で、特にピンクはピンクゴールドのようで男性でも違和感なく使えるとの声がある。
- 以前のモデルから大きな変更はなく、新鮮味には欠けるという意見もある。
【操作性】
高評価な点
- Apple製品らしく直感的で使いやすい。
- Series 9の新機能「ダブルタップ」は、片手がふさがっている時に非常に便利だと評価されている。
- 音声入力の精度が素晴らしく、電話やメッセージ返信が簡単に行える。
改善を求める声
- 41mmモデルは画面が小さく、特に高齢者にとってはパスコード入力などの細かい操作が難しい。
- watchOSのアップデートで操作性が変わり、慣れるまで戸惑うことがある。
- Garminなど他社製品と比較して、アプリ(Watch, ヘルスケア, フィットネス)が分かれているのが分かりにくいという意見がある。
【機能性】
高評価な点
- 健康管理機能: 心電図、心拍数、血中酸素濃度、睡眠トラッキング、転倒検出など、健康を意識するユーザーや高齢者にとって非常に心強い機能が充実していることで、安心感を感じるユーザーが多い。医師に勧められて購入したケースもある。
- 通知機能: iPhoneを取り出さずに電話、LINE、天気などを手元で確認できるのが非常に便利。
- iPhoneとの連携: iPhoneユーザーにとっては連携がスムーズで、最適な選択肢とされている。Macのロック解除も便利。
- セルラーモデルの利便性: iPhoneがなくても通信できるセルラーモデルは、外出時に身軽になれるため強く推奨されている。
【改善・注意を要する点】
- 通知の不具合: iPhoneのアップデート後などに、LINEなどの通知が来なくなる不具合が複数報告されている。
- GPSモデルの制約: iPhoneを常に携帯する必要があり、不便に感じる場面がある。
- フィットネス用途: 本格的なランニング等では、Garminなどの専門的なフィットネスウォッチに比べて「重い」「エクササイズの自動認識が遅い」といった指摘がある。
【サイズ・装着感】
- 24時間着けていても気にならないほど快適で、装着感は非常に良いと高評価。
- バンドの種類が豊富で、汗をかきやすい人や金属アレルギーが心配な人でも自分に合ったものを選べる点が喜ばれている。
- サイズは好みや手首の太さによるが、41mmは見栄えが良いが操作性がやや劣り、45mmは見やすく操作しやすいという意見が多い。
【バッテリー】
最も意見が分かれる項目。
肯定的な意見
- 1日半〜2日程度持ち、入浴中などの短い時間で充電が完了するため、思ったほど気にならない。
- 通常の使用(通知確認や軽い運動)であれば1日は余裕で持つ。
否定的な意見
- 毎日の充電が必要な点を不満に思う声が多数。特に他社製品(Garmin、Fitbitなど)の長寿命バッテリーと比較すると見劣りする。
- OSのアップデート後、意図せず80%で充電が保留される仕様に強い不満を持つユーザーもいる。
- 睡眠中も記録を取りたいが、充電のために夜間に装着できないジレンマがある。
Apple Watch Series 9とSeries 8の違い:スペック比較
Apple Watch Series 9と前モデルのSeries 8は、見た目こそ非常によく似ていますが、中身は大きく進化しています。特にパフォーマンス、操作性、ディスプレイの明るさといった日常的な使い心地に関わる部分で大きな差があります。ここでは、両モデルの主な違いをスペックごとに詳しく比較していきます。
チップ
- Series 9: S9 SiP (64ビットデュアルコア、4コアNeural Engine)
- Series 8: S8 SiP (64ビットデュアルコア)
- 違い: Series 9に搭載されたS9 SiPは、CPUが最大30%高速化し、機械学習タスクは最大2倍高速に処理します。これにより、アプリの起動やSiriの応答など、あらゆる動作がよりスムーズになりました。
操作性
- Series 9: ダブルタップジェスチャーに対応
- Series 8: 非対応
- 違い: Series 9最大の進化点です。画面に触れずに電話応答や音楽の再生/停止などが可能になり、手がふさがっている場面での利便性が劇的に向上しました。
ディスプレイ
- Series 9: 最大輝度 2,000ニト、最小輝度 1ニト
- Series 8: 最大輝度 1,000ニト
- 違い: Series 9は輝度が2倍になり、直射日光の下でも画面が非常によく見えます。逆に映画館など暗い場所では1ニトまで輝度を下げられるため、周囲への配慮も可能です。
ストレージ容量
- Series 9: 64GB
- Series 8: 32GB
- 違い: 容量が2倍になったことで、より多くの音楽、ポッドキャスト、アプリをApple Watch本体に保存できるようになりました。
Siri
- Series 9: オンデバイス(デバイス上)処理に対応
- Series 8: ネットワーク経由での処理
- 違い: Series 9はインターネット接続なしでSiriの一部リクエストを処理できるため、応答が速く、より信頼性が高まりました。音声入力の精度も最大25%向上しています。
超広帯域無線(UWB)チップ
- Series 9: 第2世代 UWBチップ
- Series 8: U1チップ
- 違い: Series 9はiPhone 15シリーズとの連携で、より正確な位置情報(距離と方向)を表示する「正確な場所を見つける」機能に対応しています。
OS(初期搭載)
- Series 9: watchOS 10
- Series 8: watchOS 9
- 違い: Series 9は新しいUI「スマートスタック」や新文字盤を最初から搭載しています。Series 8もwatchOS 10にアップデート可能ですが、初期状態での体験が異なります。
サポート期間(アップデート保証)
- Series 9: より長期間のwatchOSアップデートが期待される
- Series 8: Series 9より早くサポートが終了する可能性
- 違い: 新しいモデルであるSeries 9の方が、将来にわたって最新のOSアップデートを受けられる期間が長くなることが一般的です。
サイズ・重量
- Series 9: 41mm/45mm、厚さ10.7mm。重量はほぼ同じ。
- Series 8: 41mm/45mm、厚さ10.7mm。
- 違い: サイズと重量に実質的な違いはありません。これまで使っていたバンドもそのまま利用できます。
カラー(アルミニウムケース)
- Series 9: ピンク、ミッドナイト、スターライト、シルバー、(PRODUCT)RED
- Series 8: ミッドナイト、スターライト、シルバー、(PRODUCT)RED
- 違い: Series 9では新色の「ピンク」が追加され、カラーバリエーションがより豊富になりました。
耐久性
- Series 9: 50メートルの耐水性能、IP6X等級の防塵性能
- Series 8: 50メートルの耐水性能、IP6X等級の防塵性能
- 違い: 耐久性に関するスペックは両モデルで共通しており、どちらも日常利用や水泳などのアクティビティで安心して使用できます。
バッテリー
- Series 9: 通常使用で最大18時間、低電力モードで最大36時間
- Series 8: 通常使用で最大18時間、低電力モードで最大36時間
- 違い: バッテリー駆動時間に関する公称値は同じです。ただし、S9 SiPの電力効率向上により、実際の使用シーンではSeries 9の方が若干長持ちする可能性があります。
環境性能
- Series 9: 一部の組み合わせで初のカーボンニュートラル製品
- Series 8: 環境に配慮した設計(100%再生アルミニウムケースなど)
- 違い: Series 9はAppleの環境目標「Apple 2030」に向けた重要な一歩となるカーボンニュートラルなモデルを選択できます。
ヘルスケア機能
- Series 9: 皮膚温センサー、血中酸素ウェルネス、心電図、衝突事故検出など
- Series 8: 皮膚温センサー、血中酸素ウェルネス、心電図、衝突事故検出など
- 違い: Series 8で搭載された主要なヘルスケアセンサーはSeries 9にもすべて搭載されています。この点において機能的な違いはほとんどありません。
まとめ
Apple Watch Series 9は、Series 8と比較して見た目の変化こそ少ないものの、その中身は大きく進化しています。特に新しいS9チップによるパフォーマンスの向上と、それに伴う「ダブルタップ」ジェスチャーやオンデバイスSiriの実現は、日々の使い勝手を大きく向上させるものです。また、2倍に明るくなったディスプレイは屋外での視認性を劇的に改善しました。
一方で、バッテリー駆動時間や主要なヘルスケア機能、本体デザインといった基本的な要素はSeries 8から引き継がれています。そのため、Series 8のユーザーがすぐに買い替える必要性は低いかもしれませんが、Series 7以前のモデルを使用している方や、初めてApple Watchを購入する方にとっては、Series 9の進化は非常に魅力的であり、満足度の高い選択となるでしょう。
Apple Watch Series 9のメリット・デメリット
「Apple Watch Series 9」は、前モデルである「Apple Watch Series 8」のデザインを踏襲しつつ、内部性能を大幅に向上させたモデルです。一見すると変化が少ないように感じられますが、実際に使ってみると日常の快適さを大きく左右する進化がいくつも盛り込まれています。ここでは、Series 8と比較しながら、Apple Watch Series 9のメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
【メリット】
メリット1:圧倒的なパフォーマンス向上
Apple Watch Series 9に搭載された新しい「S9 SiP」は、これまでのApple Watch体験を根底から変えるほどのパワーを秘めています。Series 8の「S8 SiP」と比較して、機械学習のタスク処理速度は最大2倍に向上しました。これにより、アプリの起動が瞬時に行われるようになり、特にSwitchBotアプリで玄関の鍵を開ける際など、これまで少し待たされていた場面でのレスポンスが格段に速くなったと感じられます。日々の小さな待ち時間がなくなることで、操作は驚くほど快適になります。
メリット2:魔法のような新操作「ダブルタップ」
S9 SiPの高性能化によって実現した「ダブルタップ」ジェスチャーは、Series 9最大の革新です。料理中で手が濡れていたり、荷物で両手がふさがっていたりする状況でも、時計を着けている方の手の人差し指と親指を2回合わせるだけで、電話の応答やタイマーの停止といった操作が可能になります。これはSeries 8にはない画期的な機能であり、スマートウォッチの操作性を新たな次元へと引き上げました。この機能があるだけでも、Series 9を選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。
メリット3:屋外でも抜群の視認性を誇るディスプレイ
ディスプレイの最大輝度が、Series 8の1,000ニトから2倍の2,000ニトへと大幅に向上した点も見逃せません。この進化は、特に屋外での活動時に大きなメリットをもたらします。真夏の強い日差しの下でランニングをしているときでも、画面上の心拍数やペースといった情報をはっきりと確認できます。日常的に使っていても画面が明るくなったことは明確にわかり、視認性が向上したことで解像度まで上がったかのように感じるほどです。
メリット4:Siriの進化とプライバシー保護
Series 9では、Siriへのリクエストの多くがデバイス上で処理されるようになりました。これにより、インターネット接続が不安定な場所でもタイマー設定などの基本的な操作が素早く行えるようになり、応答速度が格段に向上しています。また、音声入力の精度もSeries 8より最大25%向上し、体重や服薬といった健康データを音声で記録できるようになった点も便利です。データがデバイス内で処理されるため、プライバシーの面でも安心感が高まっています。
メリット5:iPhoneをより正確に見つけられる「正確な場所を見つける」機能
第2世代の超広帯域無線(UWB)チップを搭載したことで、iPhone 15シリーズを探す「正確な場所を見つける」機能が強化されました。Series 8でもiPhoneを探すことはできましたが、Series 9ではiPhoneまでの正確な距離と方向を矢印で示してくれるため、まるでAirTagを探すように直感的に見つけ出すことができます。部屋の中でiPhoneをどこに置いたか忘れがちな人にとっては、非常に心強い機能です。
【デメリット】
デメリット1:バッテリー駆動時間は据え置き
これだけの性能向上を果たしながら、バッテリー駆動時間は通常使用で最大18時間、低電力モードで最大36時間と、Apple Watch Series 8から据え置きとなっています。多くのユーザーが指摘するように、バッテリーの持ちは依然として課題であり、睡眠記録を取りたい場合は日中のどこかで充電時間を確保する必要があります。毎日充電する習慣は、Series 9でも変わらず求められます。
デメリット2:デザインに新鮮味がない
外観のデザインはApple Watch Series 7以降、ほとんど変更がありません。そのため、Series 8から買い替えた場合、見た目での変化はほとんど感じられず、新しいデバイスを手に入れたという高揚感は薄いかもしれません。Series 9は中身の進化に重点が置かれているため、デザインの刷新を期待していたユーザーにとっては物足りなさを感じる可能性があります。
デメリット3:一部の新機能はSeries 8以前のモデルでも利用可能
watchOS 10で導入された「スマートスタック」や新しい文字盤、再設計されたアプリUIなどは、Series 9ならではの機能ではありません。これらのソフトウェアによる進化は、Apple Watch Series 4以降のモデルであればアップデートによって利用可能です。そのため、ハードウェアに依存する「ダブルタップ」やディスプレイの明るさに魅力を感じなければ、買い替えるメリットは薄れてしまいます。
デメリット4:「ファインウーブン」バンドの耐久性への懸念
環境への配慮からレザーに代わって導入された新素材「ファインウーブン」のバンドですが、水濡れの跡が消えにくかったり、汚れや傷がつきやすかったりすることがあります。スエードのような質感は魅力的ですが、日常的に身に着ける腕時計のバンドとしては、耐久性の面でまだ改善の余地があるかもしれません。
Apple Watch Series 9のスペック(仕様)一覧
- ディスプレイ: LTPO OLED常時表示Retinaディスプレイ (最大輝度2,000ニト、41mm/45mm)
- ケース: アルミニウム、ステンレススチール
- コントロール: 触覚的な反応を返すDigital Crown、サイドボタン、ダブルタップのジェスチャー
- チップ: S9 SiP (64ビットデュアルコア)、4コアNeural Engine、第2世代UWBチップ
- ストレージ容量: 64GB
- バッテリー駆動時間: 通常使用で最大18時間、低電力モードで最大36時間
- 充電: 高速充電対応 (Apple Watch磁気高速充電 – USB-Cケーブル使用)
- ワイヤレス通信: Wi-Fi 4 (802.11n)、Bluetooth 5.3
- GPS: L1 GPS、GNSS、Galileo、BeiDouに対応
- NFC/Apple Pay: 対応 (Suica決済に対応)
- センサー: 電気/光学式心拍、皮膚温、血中酸素ウェルネス、コンパス、高度計、加速度計、ジャイロ
- スピーカー/マイク: 搭載
- 音声操作: オンデバイス処理対応Siri (音声入力精度が最大25%向上)
- 耐久性: 50メートルの耐水性能、IP6X等級の防塵性能
- OS: watchOS
- サイズ: 41mm (41x35x10.7mm) / 45mm (45x38x10.7mm)
- 重量: 31.9g (41mmアルミ) 〜 51.5g (45mmステンレス)
- カラー: アルミニウム (5色)、ステンレススチール (3色)
- 携帯電話通信: LTE、UMTSに対応 (GPS + Cellularモデル)
- SIMカード: eSIM (GPS + Cellularモデル)
Apple Watch Series 9の評価
8つの評価基準で「Apple Watch Series 9」を5段階で評価してみました。
【項目別評価】
画面の見やすさ:★★★★★
Series 8の2倍となる最大2,000ニトの輝度を実現し、明るい太陽光の下でも文字が格段に読みやすくなりました。
健康管理・スポーツ:★★★★★
従来の豊富なヘルスケア機能はそのままに、Siriでのデータ記録や睡眠時無呼吸の通知機能が加わり、より多角的な健康管理が可能です。
機能性:★★★★★
新チップ「S9 SiP」による処理性能の向上と、革新的な「ダブルタップ」ジェスチャーの追加で、操作性と利便性が飛躍的に向上しました。
バッテリーの持ち:★★★☆☆
通常使用で最大18時間と前モデルから据え置きで、毎日の充電は必須です。高速充電や低電力モードで補う必要があり、改善の余地が残ります。
耐久性:★★★★☆
50メートルの耐水性能とIP6X等級の高い防塵性能を備えており、日常の様々なシーンで安心して使用できます。
ファッション性:★★★★☆
新色のピンクが加わり、環境に配慮した新素材「ファインウーブン」のバンドが登場するなど、選択の幅が広がりました。
価格:★★★☆☆
性能が大幅に向上しながらも、価格は前モデルから据え置きの59,800円からとなっており、コストパフォーマンスは高いといえます。
使いやすさ:★★★★★
「ダブルタップ」により手が塞がっていても操作でき、Siriの応答も高速化。watchOS 10の新しいUIと合わせて、日常の使い勝手が大きく向上しています。
【総評】 ★★★★☆
Apple Watch Series 9は、デザインこそ前モデルのApple Watch Series 8から大きな変化はありませんが、内部性能の劇的な進化によって、これまでのApple Watch体験を新たなレベルへと引き上げた「正統進化」モデルです。見た目以上に中身の進化が大きく、特にSeries 7以前のモデルからの買い替えであれば、その差に感動を覚えるでしょう。
チップ性能の向上による快適な操作体験
新しい「S9 SiP」の搭載は、Series 9の最も注目すべき点です。これにより、これまで時々待たされることがあったSiriの応答が驚くほど高速化しました。特にタイマーの設定やワークアウトの開始といった、通信を必要としないリクエストはデバイス上で処理されるため、Wi-Fi環境がない場所でも瞬時に反応してくれます。玄関の鍵を開ける際など、これまで少し待たされていたアプリの起動もスムーズになり、日々の小さなストレスが着実に解消されていくのを感じます。
魔法のような新操作「ダブルタップ」
そして、この高性能チップが可能にしたのが、スクリーンに触れることなく操作できる「ダブルタップ」ジェスチャーです。料理中に手が濡れていたり、買い物袋で両手がふさがっていたりする場面で、人差し指と親指を2回合わせるだけで電話に出たり、音楽を停止したりできるのは、まさに未来の操作体験です。この機能だけでも、Series 9を選ぶ価値があると感じるほど、日常の利便性を大きく向上させてくれます。
視認性の向上とバッテリーの課題
ディスプレイの最大輝度がSeries 8の2倍となる2,000ニトになったことで、真夏の強い日差しの下でのランニング中でも、画面の表示がくっきりと見えるようになりました。一方で、これだけの進化を遂げながらも、バッテリーの持続時間が最大18時間と、前モデルから変わらなかった点は唯一の課題と言えるでしょう。睡眠記録を取るためには、入浴中などにこまめに充電する工夫が必要です。
どんな人に最適か
Apple Watch Series 9は、特にSeries 7以前のモデルをお使いの方に最適な一台です。チップ性能の向上による操作の快適さや、屋外での視認性が増した明るいディスプレイは、日々の使い勝手を大きく向上させ、買い替えることで大きな満足感を得られるでしょう。また、これから初めてApple Watchを手にする方にとっても、完成度が高く最新の機能を余すことなく体験できるため、最良の選択肢となります。両手がふさがっていても操作できるダブルタップのような新しい体験を求めるガジェット好きの方にも、強くおすすめします。
まとめ
Apple Watch Series 9は、見た目の変化が少ないためにマイナーアップデートと捉えられがちですが、実際に使ってみるとその進化は明らかです。高速なパフォーマンス、明るいディスプレイ、そして革新的なダブルタップ操作は、日々の生活をより快適でスマートなものにしてくれます。バッテリーの持ちという課題は残るものの、それを補って余りある魅力と完成度を備えた、現時点で最高のスマートウォッチの一つであることは間違いありません。
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※価格は2025/09/24に調査したものです。価格は変動します。
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「Apple Watch Series 9」に似た性能をもつスマートウォッチも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。
Apple Watch Series 11
Appleから発売されたwatchOS 26搭載のスマートウォッチです(2025年9月19日に発売)。
LTPO3広視野角OLED常時表示Retinaディスプレイ、通常使用時で最大24時間(低電力モードで最大38時間)駆動できるバッテリー、第3世代の光学式心拍センサーを搭載しています。
また、5G通信、AIコーチ「Workout Buddy」、睡眠スコア、バイタル監視、手首フリック、スマートスタック、ライブ翻訳、UIデザイン「Liquid Glass」、メモアプリに対応。
数十種類のワークアウトモード、高度なランニング指標、高速充電(約30分で80%)、低電力モード、血中酸素ウェルネス・心電図・皮膚温・心拍数・睡眠モニタリング、音楽再生、マインドフルネス(呼吸エクササイズ)、衝突事故検出・転倒検出、
マルチGNSS(GPSセンサー内蔵)、Taptic Engine、LTE通話、50メートルの耐水性能、IP6X等級の防塵性能、Apple Pay、通知の受信(LINE対応)、カメラのリモート操作、iPhoneの検索、懐中電灯、天気予報、文字盤デザインのカスタマイズ、クイックリリースバンド、Bluetooth 5.3にも対応しています。
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関連記事:Apple Watch Series 11 レビュー!Series 10との違いと欠点とは?
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Apple Watch Series 10
Appleから発売されたwatchOS 11搭載のスマートウォッチです。
厚さ9.7 mmのアルミニウム / チタニウムケース、42mm / 46mmの Retina(広角OLED)ディスプレイ、Apple S10 Sip デュアルコア プロセッサ、1GBメモリ、64GB ストレージ、通常使用時で最大18時間 駆動できるバッテリー、水深計、水温センサーを搭載しています。
また、オーディオ再生(音楽再生)、「潮位アプリ」、ダブルタップのジェスチャーの操作、睡眠時無呼吸症の検知、水中アクティビティの詳細な測定、Siri音声操作、Apple Pay、Suica決済、心電図の測定、高速充電(約30分で80%まで回復)、ワイヤレス充電(※充電器は別売)、50m防水、IP6X等級の防塵、緊急SOS、、衝突事故検出、転倒検出、Wi-Fi 4( 802.11n)、Bluetooth 5.3、GPS、4G通信(※セルラーモデルのみ)に対応しています。
価格は、Amazonで58,592円(税込・GPSモデル)、楽天市場で80,800円(送料無料・GPS+Cellularモデル)、ヤフーショッピングで60,720円(GPSモデル)、です。
関連記事:Apple Watch Series 10徹底レビュー!Series 9と比較
HUAWEI WATCH 5
ファーウェイから発売されたハイエンドなスマートウォッチです(2025年6月3日に発売)。
1.38インチ/1.5インチ LTPO 2.0 AMOLEDカラースクリーン(解像度466×466ピクセル, 最大輝度3000nit)
46mmモデル標準モード通常使用で約4.5日間、42mmモデル標準モード通常使用で約3日間駆動できるバッテリー、光学式心拍センサー 6.0を搭載しています。
また、HUAWEI X-TAP技術を活用したヘルスケアチェック、ヘルスケアチェック機能「Health Glance」、高性能NPUを活用したスマートジェスチャー操作、心電図(ECG)・心拍数・睡眠・血中酸素(10秒)・ストレス・体温のモニタリング、情緒モニタリング機能、100種類以上のワークアウトモード、ゴルフナビ機能、カラーマップナビゲーションに対応。
5気圧防水(IP69準拠、水深40mまでのフリーダイビングに対応)、ワイヤレス急速充電(約15分の充電で約1日使用可能)、、音楽ファイルの保存と再生、ウォッチフェイスのカスタマイズ、HUAWEI Healthアプリ、アプリ追加(HUAWEI AppGallery)、Wi-Fi 6、eSIMによるBluetooth通話、L1+L5デュアルバンド対応マルチGNSS(GPSセンサー内蔵)、などにも対応しています。
価格は、Amazonで29,518円(Pro版は39,418円)、楽天市場で29,510円(送料無料)、ヤフーショッピングで29,518円、AliExpressで31,713円、です。
関連記事:HUAWEI WATCH 5徹底レビュー!WATCH 4と機能・健康管理を比較
Garmin vivoactive 6
Garminから発売された独自OS搭載のスマートウォッチです(2025年4月10日に発売)。
直径1.2インチ(30.4 mm)の鮮やかなAMOLEDタッチスクリーン(常時表示オプション対応、390 x 390ピクセル)、スマートウォッチモードで約11日間(常時表示モードで約5日間)、GPSモードで約21時間駆動できるバッテリー、8GBのメモリ、Garmin Elevateリストベース心拍計、内蔵センサー(コンパス、ジャイロスコープ、加速度計、環境光センサー、別売りのtempeセンサーで温度測定も可能)を搭載しています。
また、80種類以上のスポーツアプリ(車いすモード対応)、「スマート起床アラーム」、カスタマイズ可能なモーニングレポート、「MOVEアラート」、「モビリティアクティビティ」、SuicaおよびGarmin Payによる非接触決済、音楽再生・音楽保存機能、セーフティ機能(事故検出・援助要請)、高精度なマルチGNSS(GPS、GLONASS、Galileo、みちびき、BeiDou)、クイックリリースに対応した20mmバンドに対応しています。
さらに、血中酸素、睡眠モニタリング(睡眠スコアと睡眠コーチ)、Body Battery、ストレスレベル計測、呼吸、スマートフォン通知(テキストメッセージ、着信、アプリ通知など)、ワイヤレス接続(Bluetooth, ANT+, Wi-Fi)、Garmin Connectアプリ、Connect IQストア、Garmin Messengerアプリ、Garmin Golfアプリとの連携、5気圧防水にも対応しています。
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関連記事:Garmin vivoactive 6徹底レビュー!前モデルからの進化点を解説
Google Pixel Watch 3
Googleから発売されたWear OS 5.0搭載のスマートウォッチです。Qualcomm SW5100、2GB メモリ、1.6/1.7インチのActua液晶、32 GB eMMCストレージ、 307 mAh / 420 mAh バッテリー、スピーカー、マイク搭載で、
高度なランニング機能、Suica決済、音楽再生、Bluetooth通話、4G通信(LETモデルのみ)、「朝のブリーフィング」機能、Googleサービスの連携、最大輝度 2000 ニト、カスタム 3D Corning Gorilla Glass 5、安全確認機能、40種類以上のスポーツモード、自動検出、エナジースコア、有酸素運動負荷、バッテリー セーバーモード(最長36時間)、5気圧防水、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3、GPSに対応しています。
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Galaxy Watch7
サムスンから発売されたWear OS 5 + One UI 6を搭載したスマートウォッチです。に1.31/1.47インチSuper AMOLED スクリーン、Exynos W1000、2GBメモリ、32GBストレージ、最大40時間 駆動する300 mAh / 425 mAhバッテリー搭載で、AI機能、Felica(電子マネー決済)、バイオアクティブセンサーによる高精度な測定、IP68防水防塵、5気圧防水、MIL-STD-810H、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.3、GPSにも対応しています。
価格は、Amazonで62,600円(SM-L310NZSJXJP)、楽天市場で46,980円(送料無料)、ヤフーショッピングで44,980円(送料無料)、AliExpressで38,738円、米国 Amazon.comで$199.99、です。
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