2020年6月に発売されたPowkiddy V90は、コンパクトな折りたたみ式のデザインと手頃な価格で、レトロゲームファンの間で注目を集めている携帯ゲーム機です 。かつての名機、任天堂ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせるその姿は、多くの人々に懐かしさと共に新たなゲーム体験への期待を抱かせています。
Powkiddy V90の魅力
最大の魅力は、何と言ってもその圧倒的なコストパフォーマンスにあります。多くの場合30ドル台後半からという驚きの低価格でありながら、3.0インチの鮮明なIPS液晶ディスプレイを搭載し 、ファミコンから一部のPlayStationタイトルまで、多彩なレトロゲームを一台で楽しむことができます 。
そのプロセッサにはARM9 CPU(Allwinner F1C100Sと推測)を搭載し 、標準状態ではやや限定的ながらも、カスタムファームウェア(MiyooCFWなど)を導入することでその真価を発揮します 。これにより、スーパーファミコンやPlayStationのより多くのタイトルが、驚くほど快適に動作するようになります 。このカスタマイズ性の高さは、自分でシステムを最適化していく楽しみも提供してくれます。
さらに、約114gという軽量コンパクトな筐体 は携帯性に優れ、どこへでも気軽に持ち運べます。また、交換可能な汎用バッテリー(BL-5C)の採用 や、現代的なUSB Type-C充電対応 といった使い勝手の良さも、この小さなゲーム機が持つ大きな魅力と言えます。
この記事でPowkiddy V90を徹底解剖!
この記事では、このPowkiddy V90が秘める性能や多彩な機能について、実際に使用したからこそ分かる視点で徹底的に深掘りし、その全貌を明らかにしていきます。
特に、多くの人が気になるであろう任天堂「ゲームボーイアドバンスSP」(GBA SP)との違いに焦点を当て、デザイン、画面品質、操作性、そしてエミュレーション性能に至るまで、具体的な比較を通じてその差異を明確にしていきます。
【この記事で分かること】
- Powkiddy V90の洗練された外観デザインと、GBA SPとの詳細な比較
- 3.0インチIPS液晶ディスプレイの実際の見え方と画質評価
- 十字キーや各ボタンの操作感と、長時間のプレイにおける快適性
- 各種エミュレータの動作状況と、快適に遊べるゲームタイトルの範囲
- バッテリーの持続時間、充電の利便性、バッテリー交換の可否
- 標準ファームウェアとカスタムファームウェア導入による具体的な変化とメリット
- Powkiddy V90の総合的なメリット・デメリットの整理と評価
この記事を最後まで読むことで、Powkiddy V90が本当に必要な携帯ゲーム機なのか、購入するべきかどうかが、はっきりと見えてくるはずです。
購入を検討されている方、レトロゲームを手軽に楽しみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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公式ページ:POWKIDDY v90 Black Version 3-Inch IPS Screen Flip Handheld Console Dua – Powkiddy official store
Powkiddy V90の外観とデザイン:懐かしさと実用性の融合
ここでは、Powkiddy V90を手にした最初の印象や、そのデザインが往年の名機ゲームボーイアドバンスSP(以下、GBA SP)と比べてどうなのか、そして細部の作り込みについて触れていきます。
第一印象とビルドクオリティ:価格以上の満足感か?
Powkiddy V90を初めて箱から取り出した瞬間、多くの方がゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせるそのフォルムに懐かしさを覚えるのではないでしょうか 。実際、私もその一人で、折りたたみ式のコンパクトな形状は、まさにあの頃のワクワク感を思い出させてくれました。
しかし、正直なところ、本体を手に取ってみると、そのプラスチック製の外装からは、価格相応の、少しばかりチープな印象も受けました 。例えるなら、子供の頃に手にしたおもちゃのような、愛着と少しの安っぽさが同居する感覚です 。
しかし、この第一印象だけで判断するのは早計かもしれません。しばらく使ってみると、ヒンジ部分の作りは意外としっかりしており、グラつきも少ないことに気づきます 。液晶ディスプレイ側を下にして持ち上げても、簡単には開いてしまわない程度の適度な硬さがあります 。
このあたりは、チープな印象とは裏腹に、日常的な使用に耐えうるビルドクオリティを持っていると感じました 。カラーバリエーションは鮮やかなレッドやイエローに加え、落ち着いたブラックも用意されており、好みに合わせて選べるのも嬉しいポイントです 。
GBA SPとの比較:よりコンパクトに、現代的な要素も
GBA SPと比較すると、Powkiddy V90はさらに小型軽量化されている点が特徴です 。実測値でGBA SPが約143gであるのに対し、V90は約114gと明らかに軽く 、サイズも一回り小さい(V90:約77×79×24mm、GBA SP:約82×85×24mm)ため 、ポケットに入れて持ち運ぶ際の負担は軽減されています。この携帯性の向上は、日常的に持ち歩いて空き時間にゲームを楽しみたい私のようなユーザーには大きなメリットです。
ボタンレイアウトはGBA SPを踏襲しつつも、YボタンとXボタン、さらにL2/R2のショルダーボタンが追加されており 、より多くのゲームに対応できる可能性を秘めています。ただし、このL2/R2ボタンはカスタムファームウェアを導入しないと活かしきれない場合もあるようです 。
細部のデザインとインターフェース
本体上面には「Powkiddy」のロゴがあしらわれています 。このロゴデザインについては、正直なところ、好みが分かれるかもしれません。個人的にはもう少しシンプルな方が好みですが、これもまた一つの個性と言えるでしょう。
インターフェース周りを見てみると、前面には3.5mmイヤホンジャックと充電用のUSB Type-C端子が配置されています 。この価格帯でUSB Type-Cを採用しているのは評価できる点ですが、残念ながらデータ転送には対応しておらず、ゲームの追加などにはmicroSDカードを取り出す手間が必要です 。本体右側面にはスライド式の電源スイッチとmicroSDカードスロット 、左側面にはダイヤル式のボリュームが備わっています 。
また、背面にはストラップホールがあり、落下防止に役立つ細やかな配慮も見られます 。バッテリーはGBA SPとは異なり、汎用のBL-5C(1020mAh)が採用されており、ユーザー自身で簡単に交換可能なのは心強い点です 。
まとめ:Powkiddy V90の外観・デザイン
- デザインコンセプト:GBA SPを彷彿とさせる懐かしい折りたたみデザインを採用しています 。
- 第一印象と質感:本体外装はプラスチック素材で 、手に取った際の第一印象としてチープさを感じるという意見があるものの 、ヒンジの作りはしっかりしており、ビルドクオリティは価格を考慮すると良好だという評価もあります 。
- サイズと重量:オリジナルのGBA SP(約82×85×24mm、約143g)と比較して 、Powkiddy V90はよりコンパクト(約77×79×24mm)かつ軽量(約114g)です 。
- カラーバリエーション:レッド、イエローに加えて、後にブラックバージョンも登場しました 。
- ボタンレイアウト:GBA SPの基本レイアウトを踏襲しつつ、Xボタン、Yボタン、そしてL2/R2のショルダーボタンが追加されています 。
- 搭載インターフェース:充電専用のUSB Type-Cポート 、標準3.5mmイヤホンジャック 、microSDカードスロット 、そしてダイヤル式のボリューム調整が備わっています 。
- 実用的な特徴:落下防止に役立つストラップホールが用意されているほか 、バッテリーはユーザーが交換可能な汎用型のBL-5C(1020mAh)が採用されています 。
ディスプレイ:Powkiddy V90 3.0インチIPS液晶の画面品質と視認性
ここでは、Powkiddy V90に搭載されているディスプレイのサイズや解像度といった基本スペックに加え、実際にゲームをプレイした際の視認性や発色について、ゲームボーイアドバンスSP(GBA SP)との比較も交えながら詳しく見ていきます。特に、IPS液晶の採用が画質にどのような影響を与えているのか、そして屋外での使い勝手についても触れていきます。
ディスプレイの基本スペック:レトロゲームに最適な画面
Powkiddy V90は、3.0インチのIPS液晶ディスプレイを搭載しています 。解像度は320×240ピクセルで 、これはファミコンやスーパーファミコン、ゲームボーイアドバンスといったレトロゲームを遊ぶには非常に適した解像度と言えるでしょう。私自身、この画面サイズと解像度の組み合わせは、ドット絵のレトロゲームの魅力を損なうことなく、かつ携帯ゲーム機としてのコンパクトさも維持できる絶妙なバランスだと感じました。
公式の説明では「3.0″ HD IPS HARD SCREEN」と謳われており 、長時間のゲームプレイでも疲れにくいとされています 。
画質と発色:IPS液晶がもたらす恩恵
注目すべきは、やはりIPS液晶の採用です。かつて私が愛用していたGBA SP(特に初期のフロントライトモデル)と比較すると、Powkiddy V90の画面は格段に鮮明で見やすくなっています 。IPSパネルのおかげで視野角が広く、多少斜めから見ても色が白っぽくなったり、暗くなったりすることが少ないため、プレイ中に体勢を変えても快適な視認性が保たれます。
発色も豊かで、例えば『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』のようなカラフルなゲームも、生き生きとした色彩で楽しむことができました。この美しい表示は、3千円台から購入できる低価格帯のゲーム機としては、正直なところ期待以上でした 。
明るさと屋外での視認性
画面の明るさは、本体の物理ボタンではなく、ショートカットキー(SELECT + LボタンまたはRボタン)で調整する仕様です。これは少し慣れが必要かもしれませんが、覚えてしまえば特に不便は感じませんでした。屋内でプレイする分には、明るさは十分だと感じます。
ただ、晴れた日の屋外など、非常に明るい環境下では、画面がやや見えにくくなる印象は否めません 。これは多くの携帯ゲーム機に共通する課題ではありますが、日差しの強い場所での長時間プレイを考えている方は留意しておくと良いでしょう。
スクリーンティアリングについて
一点、触れておかなければならないのは、スクリーンティアリング(画面のちらつきやズレ)の発生です。Powkiddy V90が採用しているハードウェアと標準のOSの組み合わせでは、一部のゲームでこの現象が見られることがありました 。特に動きの速いアクションゲームなどで気になるかもしれません。
しかし、幸いなことに、有志によって開発されたカスタムファームウェアを導入することで、このスクリーンティアリングは大幅に軽減されることが報告されています 。より快適なプレイ環境を求めるならば、カスタムファームウェアの導入を検討する価値は十分にあるでしょう。
まとめ:Powkiddy V90のディスプレイ
- 画面サイズと種類:3.0インチのIPS LCDを搭載しています 。
- 解像度:320×240ピクセルで、レトロゲームの表示に適しています 。
- 画質比較:ゲームボーイアドバンスSP(特にフロントライトモデル AGS-001)と比較して、IPS液晶により格段に鮮明で見やすくなっています 。
- 視野角と発色:IPSパネルの採用により、広い視野角と良好な色再現性を実現しています。
- 明るさ調整:物理的な調整ボタンはなく、システム側のショートカットキー(SELECT + Lボタン / Rボタン)で調整可能です。
- 屋外視認性:明るい日中の屋外では画面が見えにくくなることがありますが、屋内での使用には十分な明るさです 。
- スクリーンティアリング:標準のファームウェアでは画面のティアリングが発生することがありますが、カスタムファームウェアの導入によって軽減可能です 。
操作性:Powkiddy V90 のコントロールとボタン配置
ここでは、Powkiddy V90の十字キーや各種ボタンの操作感、そしてGBA SPと比較して追加されたボタンの使い勝手について、実際に私が様々なジャンルのレトロゲームをプレイした経験を基に詳しくレビューしていきます。携帯性とのバランスも含め、その実力を探ります。
全体的なレイアウトと持ちやすさ
Powkiddy V90は、オリジナルのゲームボーイアドバンスSP(以下、GBA SP)を彷彿とさせるクラムシェルデザインを採用しており、この形状が操作性にも影響を与えています 。GBA SPと比較すると、本体の大きさが縦横ともに若干小さく(V90:約77×79×24mm 、GBA SP:約82×85×24mm )、重量も約114gとGBA SPの約143gより軽くなっています 。
この小型軽量化は携帯性を高める一方で、手の大きな私にとっては、長時間のプレイではGBA SPの方が若干持ちやすかったかな、と感じることもありました。ただ、全体的なボタン配置はGBA SPに近いため、慣れ親しんだ感覚で操作できるのは良い点です 。
十字キー(D-Pad)の感触
十字キーの感触については、ユーザーの意見が少し分かれる部分かもしれません。私が実際に操作した印象では、キーの高さがやや浅く、少し柔らかいと感じました 。上下左右への直接的な入力時には「コリッ」とした確かなクリック感があるのですが 、例えば格闘ゲームでコマンドを入力する際に斜め方向へ指を滑らせるような操作では、その浅さがやや気になり、反発がもう少し欲しいと感じる場面がありました 。
あるレビューでは「pivot(軸)がなく、少しフニャフニャした感じ」との指摘もあり 、精密な操作を要求されるゲームでは好みが分かれるかもしれません。
フェイスボタンとその他のボタン
A,B,X,Yのフェイスボタンは、GBA SPの浅めでクリック感の強いボタンとは異なり、V90ではもう少しストロークがあり、「スコスコ」と軽い押し心地です 。当初はもっと柔らかい感触を予想していましたが、実際にはしっかりとしたクリック感と反発があり、特にY,Bボタンに比べてX,Aボタンの反発がほんの少し低めに感じられました 。
STARTボタンとSELECTボタンは、このABXYボタンと同様の少し柔らかめの感触です 。画面下中央にある小さなメニューボタン(ファンクションボタン)は、これらのボタンとは異なり、「カチッ」とした明確なクリック感があり、エミュレータのメニュー呼び出しなどに使用します 。
ショルダーボタン(L/Rボタン)
本体背面にはL1/R1ボタンに加え、L2/R2ボタンも搭載されています 。これらのショルダーボタンは小さく、少し窮屈に感じることもありましたが、指が届きやすく押しやすいとの意見もあります 。
標準ファームウェアでは、L2/R2ボタンは主に開発者向けのデバッグモード用とされているようであまり活用できませんでしたが 、カスタムファームウェアを導入し、特定のパッチを適用することで、PlayStationエミュレータなどでL2/R2ボタンが機能するようになります 。ただし、ゲームごとにマッピングが必要な場合もあるようです 。
その他:ボリュームと電源スイッチ
音量調整は本体左側面に配置されたダイヤル式ボリュームで行います 。直感的に操作できるのは便利です。電源スイッチは右側面にあるスライド式ですが 、システムを破損させないためには、設定画面から「Poweroff」を選んでシャットダウンし、その後に物理スイッチをOFFにするという一手間が必要な点には注意が必要です 。
GBA SPとの操作性比較
GBA SPの操作性を基準に考えると、Powkiddy V90の操作性が格段に優れているというわけではありません 。特にボタンの押し心地は異なり、GBA SPの浅く明確なクリック感に対して、V90はやや深めで軽い感触です 。しかし、GBA用ゲームをプレイした際には、「実機と変わらないくらいに操作もいい」と感じるほどしっくりくることもありました 。全体として、この価格帯の携帯エミュレータ機としては十分な操作性を持っていると言えるでしょう 。
まとめ:Powkiddy V90の操作性
- 基本レイアウト:GBA SPに似たボタン配置で、比較的小型軽量(約114g )です。
- 十字キー:高さがやや浅く 、斜め入力時の感触には好みが分かれる可能性があります 。
- フェイスボタン:ABXYボタンはGBA SPよりストロークがあり、軽めの押し心地です 。メニューボタンは明確なクリック感があります 。
- ショルダーボタン:L1/R1に加えL2/R2も搭載 。カスタムファームウェアでPS1などでL2/R2の活用も可能です 。
- その他:ダイヤル式ボリューム 、スライド式電源スイッチを装備しています 。電源OFF時は正規のシャットダウン手順が推奨されます 。
- GBA SP比較:全体の操作性がGBA SPを大幅に上回るわけではないものの 、ゲームによっては同等の良好な操作感を得られることもあります 。
パフォーマンスとエミュレーション:Powkiddy V90 のARM9 CPUとゲーム体験
ここでは、Powkiddy V90のCPUのスペックやストレージ、そしてそれが実際のゲームエミュレーション性能にどう影響するのかを詳しく見ていきます。
特に、ファミコンからPlayStationまで、どのゲーム機のエミュレータがどの程度快適に動作するのか、私が個人的に試したゲームのプレイ体験を交えながら解説していきます。カスタムファームウェアの導入がパフォーマンスに与える影響についても触れたいと思います。
Powkiddy V90の心臓部:CPUとシステム
Powkiddy V90は、CPUとしてARM9を搭載しています 。一部の情報では、このCPUはAllwinner F1C100Sである可能性が示唆されています 。RAM(メモリ)の容量については、一部資料では「不明」と記載されており、具体的な数値は公式にはあまり明らかにされていません 。ストレージは通常、16GBのmicroSDカードが付属しており 、私が購入したモデルも同様でした。
より大容量の64GBモデルも販売されています 。OSにはオープンソースのLinuxが採用されており 、標準ではNxHopeというシステムが搭載されていますが 、多くのユーザーはMiyooCFWなどのカスタムファームウェアを導入して使用しているようです 。このハードウェア構成は、過去に登場したNew BittBoyやPocketGo v1、PowKiddy Q90といった携帯ゲーム機と共通のものです 。
エミュレーション性能の概要:過度な期待は禁物
まず理解しておきたいのは、Powkiddy V90のエミュレータ性能は限定的であり、高性能を期待すべきではないという点です 。この価格帯とコンパクトな筐体を考えれば当然かもしれませんが、最新の3Dゲームや処理の重いスーパーファミコンの特殊チップ搭載ソフトなどを快適にプレイするのは難しいです。
しかし、第4世代(16ビット機)くらいまでの多くのコンソールのエミュレーションには十分なパワーを持っています 。個人的な感想としては、ゲームボーイシリーズ、ファミコン、メガドライブ、PCエンジン、ゲームギアといった比較的古い世代のゲーム機であれば、ストレスなく楽しむことができました 。
各種ゲーム機のエミュレーション:私の体験談
ファミコン (FC/NES):動作は非常に良好で、まさに「文句なし」というレベルです 。標準で搭載されているFCEUXエミュレータで、懐かしの『ギャプラス』などをプレイしましたが、遅延なども感じられず快適でした 。ただし、ファミコンエミュレータの起動が他のエミュレータに比べて少し時間がかかる(体感で10秒ほど)という点は気になりました 。
スーパーファミコン (SFC/SNES):ここが少し壁になるポイントです。標準のファームウェアでは、例えば『ヨッシーアイランド』のような特殊チップを搭載したゲームは8フレーム/秒程度しか出ず、まともに遊べません 。『F-ZERO』も初期状態ではスライドショーのようでしたが、音質設定を下げることでプレイ可能なレベルにはなりました 。
カスタムファームウェアを導入し、フレームスキップを適切に設定することで、見た目上は秒間40フレーム程度で動作しているように見えるようになり、遊べるタイトルが増える印象です 。
ゲームボーイ/ゲームボーイカラー (GB/GBC):こちらもファミコン同様、非常に快適に動作します 。Gambatteというエミュレータが使われており 、ゲームボーイのBIOSファイル(gb_bios.bin、gbc_bios.bin)を所定のフォルダに配置することで、起動時のロゴ表示や互換性の向上が期待できます 。面白い機能として、ゲーム中にLボタンを押すと音がミュートされ、ゲーム速度が倍速になるモードがありました 。
ゲームボーイアドバンス (GBA):スーパーファミコンよりは良好に動作するものの、一部のゲームでは動作が重くなることがあります 。こちらもGBAのBIOSファイル(gba_bios.bin)を導入することで、互換性やパフォーマンスの向上が見込めます 。私が試した『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』は問題なく楽しめました 。
メガドライブ (MD/Genesis)/PCエンジン (PCE/TG-16):これらの機種も非常に良く動作し、快適にプレイできました 。
PlayStation (PS1):正直なところ「おまけ程度」と考えていましたが、意外にもいくつかのゲームはちゃんと動作します 。パフォーマンスは、以前のLDKやRG300といったJZ4760Bチップ搭載機と同等か、一部ではそれ以上かもしれません 。しかし、RG350などのJZ4770搭載機には遠く及びません 。PCSX ReARMedというエミュレータを使用し 、SCPH1001.BINというBIOSファイルが必要です 。
カスタムファームウェア上で、有志が作成した人気ゲーム100本以上に対応する最適化設定ライブラリを導入すると、驚くほど多くのPS1ゲームがプレイ可能かつ楽しめるレベルになります 。私も処理が重いとされる『Wipeout XL』を試しましたが、カスタムファームウェアと設定のおかげか、予想以上にスムーズに動作しました 。もしゲーム起動時にフリーズする場合は、エミュレータのCPUクロック設定を調整すると改善することがあります 。
Neo Geo:ネオジオのゲームもいくつか試しました。GnGeoエミュレータを使用し 、ROMフォルダにneogeo.zipというBIOSファイルが必要です 。ただし、V90のRAM容量の制約から、ZIP圧縮状態で40MBを超える大きなROMは動作しないようです 。そのため、『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’98』あたりがプレイできる上限サイズの目安となります 。私が試した『メタルスラッグ』は快適に遊べました 。
アーケードゲーム:FBA(Final Burn Alpha)エミュレータに対応しており、一部のアーケードゲームも楽しめます 。ただし、縦画面のシューティングゲームをプレイした際、画面が自動で縦表示にはなりませんでした 。設定で変更できるかもしれませんが、一手間必要そうです。
カスタムファームウェアの重要性
Powkiddy V90の性能を最大限に引き出すには、カスタムファームウェア(CFW)の導入がほぼ必須と言えるでしょう。
標準のOSやエミュレータはバージョンが古く、動作が不安定だったり、パフォーマンスが出なかったりすることがあります 。MiyooCFWなどのカスタムファームウェアを導入することで、エミュレータの動作が改善されるだけでなく、スクリーンティアリングの問題も大幅に軽減され 、全体的な操作性や安定性が向上します。多くのレビューで指摘されている通り、CFWの導入はV90の体験を「劇的に改善」します 。
まとめ:Powkiddy V90のパフォーマンスとゲーム動作
- CPUとシステム:ARM9 CPU(Allwinner F1C100Sと推測される )を搭載し、OSはオープンソースLinuxベースです 。RAM容量は非公開または不明とされています 。
- 得意なエミュレーション:ゲームボーイシリーズ、ファミコン、メガドライブ、PCエンジン、ゲームギアなどの比較的古い世代のゲーム機は快適に動作します 。
- スーパーファミコン:標準状態では一部ゲームの動作が困難ですが 、カスタムファームウェアと設定次第で改善が見込めます 。
- PlayStation (PS1):カスタムファームウェアと適切なBIOS 、設定 を用いることで、多くのタイトルが予想以上にプレイ可能です 。
- Neo Geo:ZIP圧縮で40MB以下のROMであれば動作しますが、RAM容量に制約があります 。
- カスタムファームウェア:パフォーマンス向上、スクリーンティアリング軽減 、機能追加のために導入が強く推奨されます 。
- 総評:高性能ではありませんが 、価格とコンパクトなGBA SP風デザインを考慮すれば、多くのレトロゲームを手軽に楽しむには十分な性能を持っています 。
バッテリー駆動時間と充電方法:Powkiddy V90 のスタミナと利便性
ここでは、Powkiddy V90のバッテリー性能に焦点を当て、実際のプレイでどのくらいの時間楽しむことができるのか、充電の仕様やバッテリー交換の可否など、携帯ゲーム機としての使い勝手に関わる重要なポイントを詳しく解説していきます。特に、汎用バッテリー採用のメリットや、携帯時のスタミナについて掘り下げていきます。
バッテリーの仕様と実際の駆動時間
Powkiddy V90は、BL-5Cという型番の1020mAhリチウムイオンバッテリーを搭載しています 。これは、かつてのノキア製携帯電話などで広く使われていた汎用的なバッテリーです 。公式スペックでは、バッテリーライフは約4時間とされています 。しかし、私が実際に画面の明るさを最大、音量を中程度にしてゲームをプレイした際には、おおよそ2時間30分ほどでバッテリーが切れました 。
他のユーザーレビューでも、実働時間は3時間程度という報告が見られます 。これは、かつての名機ゲームボーイアドバンスSPが公称約10時間持続したのと比べると、やや短く感じるかもしれません 。消費電力は1.5W/Hとされています 。
充電方法と所要時間
充電は、本体前面に搭載されたUSB Type-Cポート経由で行います 。この価格帯の携帯ゲーム機でUSB Type-Cを採用しているのは、現代的で非常に便利な点だと感じました 。入力電力は5V/1000mA で、充電時間は約2.5時間とされています 。ただし、このUSB Type-Cポートは充電専用で、データの転送には対応していません 。ゲームイメージなどをmicroSDカードに転送する際は、カードリーダーなどを使用する必要があります。
注目すべき点:交換可能な汎用バッテリー
Powkiddy V90のバッテリー周りで最も魅力的なのは、このBL-5Cバッテリーがユーザー自身の手で簡単に交換可能であるという点です 。本体背面のバッテリーカバーを外すだけで、手軽に予備バッテリーと交換できます 。私自身、これは非常に大きなメリットだと感じています。外出先でバッテリーが切れても、予備のBL-5Cバッテリー(比較的安価で入手しやすいです)を持っていれば、すぐにプレイを再開できます。
ShenMZやTaeozi、Patonaといったブランドの互換バッテリーが推奨されているようです 。
省電力機能について
少し残念だったのは、本体を折りたたんでも自動的にスリープモードや省電力モードにはならない点です 。電源を節約するには、手動で操作する必要があります。標準ファームウェアでは、本体中央のメニューボタンを押すことで省電力モードに入れますが、ゲームプレイ中にはこの操作ができないという制約がありました 。
しかし、カスタムファームウェアを導入すると、ファンクションボタン(メニューボタン)のタップでスリープモードに入れるようになったり 、R1ボタンとSTARTボタンの同時押し(またはSTARTボタン長押し)で安全なシャットダウンメニューを呼び出せるようになったりする など、使い勝手が向上します。
まとめ:Powkiddy V90のバッテリーと充電
- バッテリータイプ:交換可能なBL-5C 1020mAhリチウムバッテリーを搭載しています 。
- 駆動時間:公式では約4時間 とされていますが、実際の使用では画面輝度などにより2.5時間から3時間程度となることがあります 。
- 充電ポート:充電にはUSB Type-Cポートを採用しており 、充電時間は約2.5時間です 。ただし、このポートは充電専用です 。
- バッテリー交換:ユーザー自身で簡単にバッテリー交換が可能で 、予備バッテリーの入手も比較的容易です 。
- 省電力機能:標準ファームウェアでは、クラムシェルを閉じてもスリープにはならず 、手動での省電力操作が必要です 。カスタムファームウェアで改善される場合があります 。
機能とオーディオ:Powkiddy V90 のメディア再生と音質
ここでは、Powkiddy V90がゲームエミュレーション以外にどのような機能を備えているのか、特にメディアプレイヤーとしての可能性や内蔵スピーカーの音質、ヘッドホン使用時の体験について、私の感想を交えながらレビューしていきます。また、本体に備わる細かな機能性についても触れていきます。
メディア再生機能:ゲームが主役、その他は限定的
Powkiddy V90の主な用途はレトロゲームのエミュレーションであり、音楽再生や動画鑑賞といったメディアプレイヤーとしての機能は、標準ではあまり前面に出ていません。一部のレビューでは「各種便利なアプリやエミュレーターが入っています」との記述も見られますが 、具体的にどのようなメディア再生アプリが標準で搭載されているかの詳細な情報は少ないのが現状です。
システムがオープンソースLinuxベースであるため 、ユーザーが自身で対応するプレイヤーソフトを導入すれば、音楽や動画を楽しめる可能性はありますが、箱出しの状態で高度なメディア再生機能を期待するのは難しいかもしれません。あくまでゲームプレイが主目的のデバイスと捉えるのが良さそうです。
内蔵スピーカーの音質と特徴
本体下部には左右に2つのスピーカーが搭載されており 、公式には「SUPER VOLUME STEREO」と謳われています 。実際にゲームをプレイしてみると、モノラルスピーカーだったゲームボーイアドバンスSPと比較して、明らかに迫力のあるサウンドを楽しめました 。特に、ゲーム内の効果音やBGMが左右から聞こえてくる感覚は新鮮です。
ただ、一部のレビューでは、これらが真のステレオサウンドなのか、単に2つのアナログスピーカーが搭載されているだけなのか判然としない、という意見もありました 。
音量に関しては、初期状態でもかなり大きく感じることがありましたので、プレイ環境に応じてシステム側での音量調整がほぼ必須となるでしょう 。また、スピーカーの配置がコントローラー下部にあるため、ゲームに熱中して握り込んでいると、意図せずスピーカーの穴を塞いでしまい、音がこもってしまうことがあったのは少し気になった点です 。
ヘッドホン出力とその他の機能
本体前面には標準的な3.5mmヘッドホンジャックが備わっています 。電車内など周囲に音を漏らしたくない場面や、より集中してゲームの音響を楽しみたい場合には、ヘッドホンの使用が推奨されます。ヘッドホンを使用すれば、スピーカーの配置位置を気にすることなく、クリアなサウンドを直接耳に届けられるでしょう。
その他の細かな機能として、本体背面にはストラップホールが設けられています 。これは落下防止に役立つため、携帯ゲーム機としては地味ながらも嬉しい配慮だと感じました 。また、いざという時のためのリセットボタンも搭載されています 。一方で、Wi-FiやBluetoothといったワイヤレス通信機能は搭載されていません 。そのため、オンライン機能やワイヤレスヘッドホンの利用はできません。
まとめ:Powkiddy V90の機能(メディア再生、音質など)
- メディア再生機能:主にレトロゲームエミュレーションに特化しており、標準での高度な音楽・動画再生機能は限定的です。システムはオープンソースLinuxベースです 。
- 内蔵スピーカー:本体下部にデュアルスピーカー(1W x 2)を搭載し 、GBA SPのモノラルサウンドより迫力があります 。ただし、配置上、プレイ中に塞いでしまう可能性があります 。
- 音量:スピーカー音量は初期状態でも大きめなため、システムでの調整が推奨されます 。
- ヘッドホンジャック:標準3.5mmヘッドホンジャックを搭載しており 、周囲を気にせずプレイに集中できます。
- その他の特徴:落下防止に役立つストラップホールが装備されています 。リセットボタンも搭載しています 。
- ワイヤレス通信:Wi-FiやBluetooth機能は搭載されていません 。
システムの可能性を解放:Powkiddy V90 のソフトウェアとカスタムファームウェア
ここでは、Powkiddy V90のソフトウェア面に焦点を当て、標準で搭載されているOS(ファームウェア)の特徴と、そのデバイスの真価を引き出すとも言えるカスタムファームウェアについて詳しく解説します。カスタムファームウェアを導入することでどのような変化があり、パフォーマンスや使い勝手がどう向上するのか、そして導入方法の概要についても触れていきます。
標準ファームウェア(NxHope OS)の特徴と限界
Powkiddy V90には、Linuxベースの「NxHope」というOSが標準で搭載されています 。このOSのユーザーインターフェースは、一部のユーザーにはシンプルで使いやすいと評価されており、複数のテーマもプリロードされています 。しかし、実際に使用してみると、いくつかの課題も見えてきました。
まず、多くのレビューで指摘されているのが、画面のティアリング(ちらつきや映像の乱れ)です 。これは特に動きの速いゲームで気になることがありました。また、搭載されているエミュレータのバージョンが古く、最適化も十分でないため、本来V90の持つハードウェア性能を活かしきれていないと感じることが多かったです 。
一部のゲームでは動作がカクカクしたり、OS自体が不安定になったりする場面もありました 。あるレビュアーは「デフォルトOSの質が悪く、エミュの質も低い」とまで述べています 。さらに、NxHope OSはソースコードが公開されていないため、コミュニティによる改善や機能追加が難しいという側面もあるようです 。
カスタムファームウェア(CFW)導入という選択肢
このような標準ファームウェアの限界を打破し、Powkiddy V90のポテンシャルを最大限に引き出す方法として、カスタムファームウェア(CFW)の導入があります。CFWを導入することで、デバイスの体験が劇的に向上すると多くのユーザーが報告しています 。私も実際にCFW(MiyooCFW 1.3.3 や、PocketGoと互換性のあるもの )を導入してみましたが、その効果は絶大でした。
カスタムファームウェアの導入効果:
パフォーマンス向上:エミュレータの動作が最適化され、標準ファームウェアでは重かったスーパーファミコンの一部のゲームなども、フレームスキップなどを活用することでよりスムーズにプレイできるようになりました 。PlayStationエミュレータも、設定次第で多くのタイトルが快適に動作するようになります 。
スクリーンティアリングの軽減:悩ましかった画面のティアリングが大幅に軽減され、視覚的な快適さが向上しました 。完全な解消とはいかないまでも、十分に改善されると感じました 。
エミュレータのアップデートと追加:より新しいバージョンのエミュレータ(snes9x4d、Gambatte、fceux、pcsx_rearmedなど)に入れ替えることが可能になり、互換性や機能が向上します 。RetroArchを導入して、さらに多くのエミュレータコアを利用することも可能です 。
BIOSファイルの管理:各種エミュレータが必要とするBIOSファイル(ゲームボーイ、GBA、PlayStation、Neo Geoなど)の適切な配置と認識が改善され、互換性や安定性が向上します 。
機能追加と操作性向上:ファンクションボタン(メニューボタン)でのスリープモード移行 、安全なシャットダウンメニューの呼び出し 、PlayStationエミュレータでのL2/R2ボタンの有効化(別途パッチ適用が必要な場合あり) など、使い勝手を向上させる機能が追加されます。UIテーマのカスタマイズや、ゲームリストでのボックスアート表示なども可能になります 。
カスタムファームウェアの導入方法(概要)
カスタムファームウェアの導入は、一般的に以下の手順で行います。
- 信頼できるソースから、Powkiddy V90に対応したカスタムファームウェアのイメージファイル(MiyooCFWなど)をダウンロードします。
- 現在のmicroSDカードのデータをバックアップした後、そのカード、または新しいmicroSDカードを用意します。
- BalenaEtcherやRaspberry Pi Imagerといったイメージ書き込みソフトを使用して、ダウンロードしたファームウェアイメージをmicroSDカードに書き込みます。
- 書き込みが完了したmicroSDカードをV90に挿入し、起動します。
詳細な手順については、多くのレビュアーが自身のブログやYouTubeチャンネルで解説しているため、それらを参考にすると良いでしょう 。特にPocketGoやPowkiddy Q90といった同系統の機種でCFWを導入した経験がある方にとっては、比較的簡単な作業です 。
ただし、注意点として、ファームウェアの書き換え作業は、手順を誤るとシステムが起動しなくなるリスクも伴います。特に初心者の方は、情報をよく確認し、慎重に作業を行うか、あるいは無理に導入せず標準ファームウェアの範囲で楽しむという選択も考慮すべきです 。しかし、V90の性能をフルに活かしたいのであれば、CFWの導入は非常に効果的な手段であると断言できます 。
まとめ:Powkiddy V90のソフトウェアとカスタマイズ
- 標準ファームウェア:LinuxベースのNxHope OSを搭載しており、シンプルなUIですが、エミュレータのバージョンが古く、画面ティアリングやパフォーマンスに課題が見られます 。
- カスタムファームウェア(CFW):MiyooCFWなどが利用可能で、導入によりパフォーマンスの大幅な向上、スクリーンティアリングの軽減、エミュレータの更新、新機能の追加といった多大な恩恵が期待できます 。
- CFWの主な効果:エミュレーション性能の最適化 、画面表示の改善 、UIのカスタマイズ性向上(テーマ、ボックスアート表示など) 、操作性の改善(スリープ機能、L2/R2サポートなど) 。
- CFW導入方法:ファームウェアイメージをダウンロードし、専用ソフトでmicroSDカードに書き込むのが一般的な手順です 。
- RetroArch:CFW環境下でRetroArchを導入し、さらに多くのエミュレータや高度な設定を利用することも可能です 。
- 推奨事項:Powkiddy V90のポテンシャルを最大限に引き出すためには、カスタムファームウェアの導入が強く推奨されますが、作業には注意が必要です 。
Powkiddy V90のメリット・デメリット
Powkiddy V90は、多くの魅力を持つ一方で、価格相応のいくつかの注意点も存在します。ここでは、その主な利点と欠点を整理してご紹介します。
【メリット】
メリット1:圧倒的なコストパフォーマンス
Powkiddy V90最大の魅力は、その手頃な価格にあります。多くの場合、30ドル台後半から40ドル台という低価格で入手可能でありながら、多彩なレトロゲームをプレイできる環境を提供してくれます。この価格でIPS液晶や交換可能なバッテリー、そしてGBA SP風のクラムシェルデザインを備えている点は、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
メリット2:懐かしくも実用的なデザイン
ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせる折りたたみ式のクラムシェルデザインは、多くのユーザーにとって懐かしさを感じさせるだけでなく、液晶画面を保護するという実用的な利点ももたらします。また、オリジナルのGBA SPよりも若干小型かつ軽量であり、ポケットに入れて気軽に持ち運べる携帯性も魅力です。
メリット3:カスタムファームウェアによる高い拡張性
標準のファームウェアでも基本的なゲームプレイは可能ですが、MiyooCFWなどのカスタムファームウェアを導入することで、Powkiddy V90の性能や機能は大幅に向上します。エミュレータの動作改善、スクリーンティアリングの軽減、スリープ機能の追加など、より快適なゲーム体験を追求できる拡張性の高さは大きな利点です。
メリット4:交換可能な汎用バッテリー
バッテリーには、入手が容易な汎用型のBL-5Cリチウムバッテリーが採用されています。ユーザー自身で簡単にバッテリー交換ができるため、長時間の外出時やバッテリーが劣化した際にも、予備バッテリーを用意しておくことで対応可能です。これは携帯ゲーム機としての利便性を高める重要なポイントです。
【デメリット】
デメリット1:価格相応のビルドクオリティと質感
本体の主な素材はプラスチックであり、手に取った際に「チープ」だと感じるユーザーもいます。ヒンジの作りなどは比較的しっかりしているものの、全体的な質感は価格相応と言えるでしょう。過度な高級感を期待すべきではありません。
デメリット2:標準状態でのパフォーマンスの限界
ファミコンやゲームボーイといった古い世代のゲームは快適に動作しますが、スーパーファミコンの一部のタイトルやPlayStationのゲームに関しては、標準ファームウェアの状態ではパフォーマンス不足を感じることがあります。これらのシステムを快適に楽しむには、カスタムファームウェアの導入や設定の調整が推奨されます。
デメリット3:標準ファームウェアの使い勝手
標準で搭載されているNxHope OSは、画面のティアリングが発生しやすかったり、一部エミュレータのバージョンが古かったりといった課題が指摘されています。また、電源を完全に切るための手順が少し煩雑である点や、クラムシェルを閉じてもスリープモードにならない点なども、使い勝手の面でマイナスとなる場合があります。
デメリット4:十字キーの操作感
十字キーの操作感については、一部のユーザーから「柔らかすぎる」「高さが浅い」といった意見があり、特に精密な操作が求められるゲームでは好みが分かれる可能性があります。この点は、購入前に留意しておくと良いかもしれません。
Powkiddy V90のスペック(仕様)
- ディスプレイ:3.0インチ IPS LCD 、解像度 320×240ピクセル
- プロセッサ:ARM9 (AllWinner F1C100Sと推測 )
- RAM(メモリ):非公開
- 外部ストレージ:標準16GB microSDカード付属 (OSとゲームROMへのアクセスに使用 ) ※64GBモデルも存在します 。
- バッテリー:BL-5C 1020mAh リチウムバッテリー、駆動時間:約4時間(公称値) 、充電時間:約2.5時間
- ワイヤレス通信:非対応
- インターフェース:USB Type-Cポート(充電専用 )、microSDカードスロット 、3.5mmイヤホンジャック
- スピーカー:内蔵デュアルスピーカー(1W×2)※ステレオ対応とされています 。
- ボタン:十字キー、ABXYボタン、L1/L2・R1/R2ショルダーボタン、メニューボタン(ファンクションボタン)、スタートボタン、セレクトボタン、リセットボタン、電源スイッチ
- OS:Open Source for Linuxベース (標準ではNxHope OS 、カスタムファームウェア導入可能 )
- サイズ:約77mm × 79mm × 24mm
- 重量:約114g(実測値)
- カラー:レッド、イエロー、ブラック
Powkiddy V90の収録ゲームと対応エミュレーター
Powkiddy V90には、購入時の構成によってmicroSDカード(例:16GB/64GB)に多数のゲームがプリインストールされていることがあります。ユーザーレビューによれば、1000本以上のゲームが収録されているとの報告もありますが、具体的な収録数や内容は販売店や時期によって異なる可能性があります。
これらのプリインストール、またはユーザーが追加することでプレイ可能なゲームは、主に以下のクラシックなコンソールに対応しています:
- ファミリーコンピュータ (NES/FC)
- スーパーファミコン (SNES/SFC)
- ゲームボーイ (GB)
- ゲームボーイカラー (GBC)
- ゲームボーイアドバンス (GBA)
- メガドライブ (Sega Genesis/MD)
- セガ マスターシステム (SMS)
- ゲームギア (GG)
- PCエンジン (PCE/TurboGrafx-16)
- ワンダースワン (WS)
- ネオジオポケット (NGP)
- PlayStation 1 (PS1)
- アーケードゲームの一部 (FBA, CPS, NEOGEOなど)
Powkiddy V90を徹底評価
7つの基準で「Powkiddy V90」を5段階で評価してみました。
はい、承知いたしました。Powkiddy V90の項目別評価と総評を、ご指定の形式で記述します。根拠となる情報は提供されたファイルの内容に基づいています。
【項目別評価】
画面の見やすさ: ★★★★☆
3.0インチIPS液晶は価格を考えると鮮明で、レトロゲームに適しています。視野角も良好ですが、明るい屋外ではやや見づらいこともあります。
パフォーマンス: ★★★☆☆
ファミコンやゲームボーイなどの古い世代のゲームは快適です。カスタムファームウェアで改善の余地がありますが、標準状態ではスーパーファミコンやPS1の一部タイトルは動作が重めです。
操作性: ★★★☆☆
GBA SP風の馴染みやすいボタン配置です。十字キーの感触は好みが分かれるかもしれませんが、レトロゲームを遊ぶ上では概ね良好です。
機能性: ★★★★☆
多数のエミュレータに対応し、ゲームプレイに特化しています。バッテリー交換可能、カスタムファームウェアによる拡張性が魅力ですが、ワイヤレス機能はありません。
デザイン: ★★★★☆
ゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせる折りたたみ式デザインは、懐かしさと画面保護の実用性を兼ね備えています。素材は価格相応ですが、ヒンジの作りはしっかりしています。
使いやすさ: ★★★☆☆
標準OSのUIはシンプルですが、カスタムファームウェア導入で真価を発揮します。電源オフ手順など一部慣れが必要な部分もあります。
価格: ★★★★★
30ドル台後半から購入可能という非常に安価な価格設定は、このデバイス最大の魅力の一つです。コストパフォーマンスは抜群と言えるでしょう。
総評: ★★★★☆
Powkiddy V90は、その低価格からは想像できないほどの魅力と楽しさを詰め込んだ携帯レトロゲーム機です。GBA SPを思わせるデザインと充実した基本性能は、多くのレトロゲームファンにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
デザインと携帯性
まず、折りたたみ式のクラムシェルデザインは、かつてのゲームボーイアドバンスSPを彷彿とさせ、多くのユーザーに懐かしさを感じさせます。このデザインは見た目の良さだけでなく、液晶画面を傷や衝撃から保護するという実用的なメリットも兼ね備えています。約114gという軽さとコンパクトなサイズは、ポケットに入れて気軽に持ち運ぶのに最適で、通勤中やちょっとした空き時間にレトロゲームを楽しむのにうってつけです。
画面とサウンド
3.0インチのIPS液晶は、この価格帯の製品としては非常に高品質で、視野角が広く発色も良好です。GBA SPのフロントライト液晶と比較すると、その鮮明さ、見やすさは格段に向上しており、レトロゲームのドット絵も美しく表示してくれます。内蔵スピーカーもステレオ対応で、GBA SPのモノラルサウンドより迫力あるゲーム体験が可能です。
パフォーマンスとカスタマイズ性
ARM9ベースのCPUは、ファミコン、ゲームボーイ、メガドライブといった8ビット〜16ビット世代のゲーム機のエミュレーションには十分な性能を発揮します。スーパーファミコンやPlayStationの一部タイトルは標準状態では動作が重いものの、カスタムファームウェア(MiyooCFWなど)を導入することで、パフォーマンスが大幅に向上し、遊べるゲームの幅が大きく広がります。
このカスタマイズ性の高さが、V90の価値をさらに高めていると言えるでしょう。自分でシステムを弄る楽しさも提供してくれます。
バッテリーと価格
バッテリーは交換可能なBL-5Cを採用しており、予備バッテリーを用意すれば長時間の外出でも安心です。USB Type-Cでの充電に対応している点も現代的で便利です。そして何よりも、3000円台後半から4000円台で購入できるという圧倒的なコストパフォーマンスは特筆すべき点です。この価格でこれだけのレトロゲーム体験ができるデバイスは他にはなかなか見当たりません。
総括
もちろん、D-padの感触に好みが分かれたり、標準ファームウェアのままでは一部機能が制限されたりといった細かな不満点がないわけではありません。しかし、それらを補って余りある魅力と、何よりも「手軽にレトロゲームをたくさん遊べる」という楽しさを提供してくれます。初めての携帯エミュレータ機として、あるいはGBA SPのデザインが好きな方、手頃な価格で暇つぶし用のおもちゃを探している方に、Powkiddy V90は非常におすすめできる一台です。
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Powkiddy V90の価格・購入先
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Amazonで6,999円 (税込)、
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Powkiddy V90に似た性能をもつ携帯ゲーム機も販売されています。
ANBERNIC RG34XXSP
ANBERNICから発売された3.4インチの折りたたみ式Linux携帯ゲーム機です(2025年5月 発売)。
Linux 64-bit OS、Allwinner H700 クアッドコア ARM Cortex-A53、2GB LPDDR4、解像度720 x 480 pxのIPS液晶、3300 mAhバッテリーを搭載しています。
また、サンクンデュアルジョイスティック(沈み込み式デュアルジョイスティック)、「日本製メタルドーム」採用ボタン、WiliWiliオンライン再生機能、Hall磁気スイッチ(マグネットクロージャー、蓋閉じスリープ)、角度調整 Alloy Axle(90/135/180°)、30種類以上のエミュレーター、HD(miniHDMI)映像出力、振動モーター、最大512GBまでのTFカードによる拡張、HiFiスピーカーに対応。
ゲームの追加(インポートされたゲーム)、セーブ機能(Linux標準機能として想定)、に対応しています。MoonlightによるAAAゲームのストリーミング、WiFi経由オンラインマルチプレイヤー、2.4G無線/有線/Bluetoothコントローラー接続、、RixelHK(ゲームダウンローダー)、Type-Cポート(OTG対応)、Wi-Fi 5、Bluetooth 4.2にも対応しています。
価格は、Amazonで12,999円、AliExpressで11,612円(64GBモデル/64+128GBモデルは13,817円、64+256GBモデルは16,022円)、米国 Amazon.comで$99.99、です。
関連記事:ANBERNIC RG34XXSPレビュー!GBA最適化&RAM倍増の実力は?
ANBERNIC RG 35XXSP
ANBERNICから発売された折り畳み式のLinux 携帯ゲーム機です(2024年5月17日に発売)。
Allwinner H700 プロセッサ、1GB LPDDR4 メモリ、3.5インチのIPS液晶、3300 mAhバッテリー、2つのTFカードスロット、miniHDMIポートを搭載しています。
また、ホール磁気スイッチ(自動起動、自動スリープ)、HDMI映像出力、ストリーミングプレイ、オンライン対戦プレイ、無線/有線 ゲームパッド接続、ゲームの追加、振動モーター、高音質スピーカー、Type-C x2 (OTG/電源用)、Wi-Fi 5 のac デュアルバンド、Bluetooth 4.2に対応しています。
価格は、Amazonで11,499円、楽天市場で13,550円、ヤフーショッピングで14,288円、AliExpressで7,006円、米国 Amazon.comで$78.98、です。
関連記事:折り畳み式「ANBERNIC RG35XXSP」ゲーム機の性能を比較・検証
Miyoo Flip
Miyooから発売されたフリップ式の携帯ゲーム機です(2025年1月5日 発売)。
Rockchip RK3566、1GBメモリ、3.5 インチのIPS液晶、64GB 2つのTF/MicroSDスロット、3000 mAバッテリー、Linux (Retro Arch対応・Onion OSサポート) を搭載しています。
また、振動モーター、Hi-Fi スピーカー、HDMI、外部ゲームパッド接続、デュアルジョイスティック、セーブ機能、ゲームの検索機能、お気に入り登録、対戦プレイ、ビデオプレーヤー、音楽プレーヤー、E-bookプレイヤー(電子書籍リーダー)、Miyoo UI、ES emulationstation、Wi-Fi通信、USB Type-C (OTG) に対応しています。
価格は、Amazonで12,999円、楽天市場で11,250円(送料無料)、AliExpressで8,972円、米国 Amazon.comで$72.99、です。
関連記事:レトロでフリップ式!「Miyoo Flip」レビュー!ANBERNICを超えた?
Retroid Pocket Flip 2
Retroid Pocketから発売された5.5インチのフリップ型携帯ゲーム機です(2025年4月 発売)。
Android 13、Qualcomm Snapdragon 865 / MediaTek Dimensity D1100、8GB LPDDR4x RAM、128GB UFS 3.1 ROM、、AMOLEDディスプレイ(1920×1080、輝度500 Nits)、5000mAhバッテリーを搭載しています。
また、3Dホールスティック、アナログL2/R2トリガー、アクティブ冷却システム、強化されたヒンジデザイン (178°可動域, 150°クリックストップ)、DisplayPort映像出力(1080p)、交換可能なボタンレイアウト、ランヤードループに対応しています。
さらに、27W急速充電、ストレージ拡張(TFカードスロット搭載)、Google Playストア、ストリーミングプレイ、USB-C(OTG)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 (SD865モデル) / 5.2 (D1100モデル)にも対応しています。
価格は、AliExpressで37,140円、Retroid Pocket公式サイトで$229.00、です。
関連記事:Retroid Pocket Flip 2徹底レビュー!Pocket 5と比較
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