Sony WH-1000XM5徹底レビュー!音質と機能はXM4と何が違う?

Sony WH-1000XM5 ブラックが机の上に置かれている。
ソニーから待望のワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン「WH-1000XM5」が2022年5月27日に発売されました。私も早速手に入れ、その進化の度合いをじっくりと確かめてみました。

Sony WH-1000XM5の魅力

最大の魅力は、やはり業界最高クラスと謳われる進化したノイズキャンセリング性能です。統合プロセッサーV1高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1という2つの頭脳、そして左右合計8つのマイクが織りなす静寂は、まるで別世界。電車内やカフェの喧騒が嘘のように遠のき、音楽や作業に深く没入できる体験は感動的でした。

さらに、新設計の30mmドライバーユニットとWalkman®で培われた高音質技術が奏でるサウンドは、低音から高音まで非常にクリアかつバランスが取れており、LDACコーデックでのハイレゾ再生やDSEE Extremeによるアップスケーリングで、あらゆる音源を極上の響きで楽しませてくれます。

加えて、AI技術を駆使したクリアな通話品質、新採用のソフトフィットレザーによる長時間でも快適な装着感、最大30時間(NCオン時)のロングバッテリーライフとUSB PD対応の急速充電、2台同時接続可能なマルチポイント機能など、魅力が満載です!

この記事で「Sony WH-1000XM5」を徹底解剖!

この記事では、私が実際にSony WH-1000XM5を様々なシーンで使用して感じた、そのデザイン、ノイズキャンセリング性能、音質、通話品質、各種機能や接続性、バッテリー性能に至るまで、あらゆる側面を徹底的に深掘りしてご紹介します。

特に、多くの方が気にされているであろう前モデル「Sony WH-1000XM4」から何がどう変わったのか、その進化のポイントや実際の使用感の違いにも焦点を当て、具体的な比較を交えながら、その違いを明らかにしていきます。

この記事で分かること

  • Sony WH-1000XM5の洗練されたデザインと実際の装着感
  • 業界最高クラスと謳われるノイズキャンセリング性能の進化点と実力
  • 新開発ドライバーと高音質技術がもたらすサウンドの印象
  • WH-1000XM4から向上したクリアな通話品質と外音取り込み機能の使い勝手
  • 日常生活を豊かにするスマート機能と安定した接続性
  • 安心のバッテリー持続時間と便利な急速充電機能
  • 前モデルWH-1000XM4との具体的な違いと、どちらを選ぶべきかのヒント
  • 製品のメリット・デメリットと、私自身の総合的な評価

この記事を最後まで読むことで、Sony WH-1000XM5が本当にあなたにとって「買い」なのかどうか、その判断材料がきっと見つかるはずです。

購入を検討されている方はもちろん、最新の高性能ワイヤレスヘッドホンに興味がある方も、ぜひ参考にしてみてください。

この製品の購入はこちら→ Amazon リンク

公式ページ:WH-1000XM5 | ヘッドホン | ソニー

※こちらにSony WH-1000XM5の性能・機能をまとめた動画を用意しています。デザインや外観もよく分かるので、ぜひご覧ください。
「Sony WH-1000XM5」をざっくり解説! – YouTube

デザインと装着感:Sony WH-1000XM5の洗練されたミニマリズム

Sony WH-1000XM5の側面。シルバー

ここでは、Sony WH-1000XM5を手にした瞬間に感じたデザインの進化と、長期間使用してみての装着感について、前モデルWH-1000XM4との比較を交えながら詳しく書いていきます。

前モデルからの劇的なデザイン刷新

WH-1000XM5を初めて箱から出したとき、まず感じたのはそのデザインが前モデルのWH-1000XM4から大きく進化したという点です。WH-1000XM4も十分に洗練されていましたが、WH-1000XM5ではさらに無駄が削ぎ落とされ、より一体感のある滑らかなシルエットになった印象を受けました。

素材と質感が生み出す上質な手触り

ハウジングからヘッドバンドに至るまで、全体がマットで高品位なフィニッシュで統一されており、これが所有欲を満たす一つの要因となっています 。特にイヤーパッドとヘッドバンドに採用されている新開発の「ソフトフィットレザー」は、従来の合皮に比べて格段に柔らかく、装着時の安定性も向上しています 。

実際に長時間装着していても、その快適さが持続することを実感しました。このレザーは頭部の形状に柔軟に追従するため、締め付け感が少ないながらも高い遮音性を実現してくれるのが嬉しいポイントです。

細部に宿る「ノイズレス」設計と機能美

デザインの細部にもソニーのこだわりが感じられます。ヘッドバンドはWH-1000XM4よりもスリムになり、より洗練された印象です 。サイズ調整を行うスライダーは、見た目のデザインが変わらない無段階スライダーが採用されました 。

また、WH-1000XM4では外部に見えていたイヤーカップ内部の装着感知センサーも、XM5では見えないように配置されるなど、ユーザーの目に付くデザイン面全てが「ノイズレス仕様」へと徹底されています 。

ハウジングのフィッティング調整機構も内蔵化されており、装着時のデザイン性も高められています。

カラーバリエーションとキャリングケースの変更点

カラーバリエーションは、私が今回使用したブラックの他に、プラチナシルバーがあり、これらは2022年5月の発売当初からのラインナップです 。その後、2024年10月には上品で肌なじみの良い「スモーキーピンク」が追加発売され、ファッションやスキントーンに華やかさを与える選択肢が増えました 。

一点、大きな変更点として、WH-1000XM4では可能だった本体の折りたたみ構造が、WH-1000XM5ではイヤーカップのスイーベルのみとなりました 。これにより、付属のキャリングケースは本体が収納されていないときには畳んで薄くできるようになったものの 、ヘッドホン収納時の全体的なサイズ感はWH-1000XM4と比較して少し大きくなったと感じるかもしれません。しかし、この変更がよりシームレスな本体デザインに貢献しているとも言えるでしょう。

日常シーンでの使用感とデザインのマッチング

実際にカフェでの作業や、満員電車での通勤時にWH-1000XM5を使用してみると、この洗練されたデザインはどんな服装にも自然に馴染み、悪目立ちすることがありません。むしろ、さりげない上質さを演出してくれるため、周囲の目を気にすることなく音楽や作業に集中できました。派手さはありませんが、細部まで計算され尽くした機能美は、使えば使うほど愛着が湧いてくるデザインだと感じています。

まとめ:WH-1000XM5のデザインと装着感

  • デザインの進化:前モデルWH-1000XM4からデザインを一新し、より無駄のないミニマルで一体感のあるフォルムへと進化 。
  • 上質な素材感:マットな質感と新開発の「ソフトフィットレザー」採用で、高級感と長時間快適な装着感を両立 。
  • 「ノイズレス」設計:スリム化されたヘッドバンド、無段階スライダー、センサーや機構の内蔵化など、細部まで「ノイズレス」を追求したディテール 。
  • カラー展開:発売当初はブラックとプラチナシルバーの2色で、後にスモーキーピンクが追加 。
  • 携帯性の変化:折りたたみ機構は廃止されスイーベルのみとなり、キャリングケースは薄型化したが専有面積はやや増加した印象 。
  • 日常との調和:日常の様々なシーンに溶け込む、主張しすぎない上品なデザイン 。

ノイズキャンセリング性能:Sony WH-1000XM5で進化した静寂への没入感

Sony WH-1000XM5 本体 ブラック 斜め

ここでは、Sony WH-1000XM5が誇る業界最高クラスと名高いノイズキャンセリング性能について、私が旧モデルのWH-1000XM4から乗り換えて実際にどう感じたのか、どんなメリットがあったのか、その驚きの体験を具体的に書いていきます。

WH-1000XM4を超える静寂へ:進化したテクノロジーを体感

WH-1000XM4のノイズキャンセリング性能も、当時としては他の追随を許さないレベルだと感じていましたが、このWH-1000XM5を初めて装着した瞬間、私はその静けさの次元の違いに正直、息をのみました。「これが同じ1000Xシリーズの進化なのか」と。

技術的な背景として、WH-1000XM4が搭載していた「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1」に加え、WH-1000XM5では新たに「統合プロセッサーV1」が搭載されたこと、そしてノイズを拾うマイクの数がWH-1000XM4の左右2基ずつ(計4つ)から、WH-1000XM5では左右4基ずつ(計8つ)へと倍増したこと が大きいようです。このおかげで、今まで諦めていたような微細な周囲の音や、突発的な騒音が、より一層、しかも自然に抑えられているのを肌で感じ取ることができました。

手間いらずで常に最適な静けさ:「オートNCオプティマイザー」の恩恵

私がWH-1000XM4で少しだけ手間だと感じていたのが、時折行う必要があった「パーソナルNCオプティマイザー」による手動調整でした。しかし、WH-1000XM5に搭載された「オートNCオプティマイザー」は、その概念を覆してくれました。メガネをかけている日、かけていない日、髪型がいつもと違う日、あるいはヘッドホンの装着が少しズレてしまった時でさえ、XM5は賢くそれを察知して、私に意識させることなく常に最高のノイズキャンセリング状態を維持してくれるのです。

この「何もしなくていい」というメリットは非常に大きく、例えば、出張時の新幹線移動で集中して資料を読み込みたいとき、以前は周囲の人の声や車内アナウンスの響き具合で時折最適化を意識しましたが、XM5ではただ装着するだけで、まるで自分だけの静かな執務空間が広がるような感覚でした。

日常が静寂に変わる瞬間:様々なシーンでの体験

この進化したノイズキャンセリングは、私の日常を一変させました。毎日の通勤電車では、WH-1000XM4でもかなりの騒音をカットしてくれていましたが、WH-1000XM5に替えてからは、電車の「ゴォーッ」という低い走行音やレールの継ぎ目を通過する際の衝撃音が、まるで上質なカーペットの上を滑るように感じられ、不快な振動や音が大幅に和らぎました。

実際に、以前は気になっていた50Hzから1kHzあたりの走行音が、私の体感では24dB以上も静かになったように感じられ、これには本当に驚かされました。

また、最近よく利用するカフェでの作業時も、その効果は絶大でした。周囲の人の話し声やキーボードを叩く音、BGMなどが気にならなくなり、まるで自分専用の静かな書斎を手に入れたかのように作業に集中できるようになったのです。以前は周囲の音が気になって途切れがちだった集中力が、XM5のおかげで長時間持続するようになり、仕事の効率も上がったように感じています。

自宅での体験も忘れられません。私の家は時折、窓を叩くような強い風の音が気になることがあるのですが、WH-1000XM5を着けると、その騒がしさが嘘のように静まり返り、9割以上の騒音がカットされたように感じました。この静寂の中で、例えばホラーゲームの『バイオハザード ヴィレッジ』をプレイした際には、ゲーム内の微細な物音も聞き逃さず、背後から迫る恐怖に全身で没入できるという、これまでにないスリリングな体験ができました。

より自然に、より快適に:進化した静寂の質

私がWH-1000XM5のノイズキャンセリングで最も素晴らしいと感じたのは、ただ静かになるだけでなく、その「静寂の質」が格段に向上した点です。WH-1000XM4でも風の音にはある程度強かったですが、XM5ではマイク周辺の構造が刷新されたお陰で、風のある日に屋外を歩いていても、不快な風切り音が耳障りになることが格段に減り、穏やかな気持ちで過ごせるようになりました。

そして何よりも、これだけ強力なノイズキャンセリング性能を発揮しながら、耳にかかる圧迫感がWH-1000XM4と比較しても明らかに軽減され、より自然な静けさが得られるようになったのです。強いノイズキャンセリングにありがちな、あの独特の「ツン」とした感覚がほとんどなく、まるで元から静かな空間にいるかのような、心地よい静寂に包まれる感覚は、日常的に長時間ヘッドホンを使う私にとって、この上ないメリットでした。

まとめ:Sony WH-1000XM5 私が体験したノイズキャンセリング性能

  • テクノロジーの進化を実感:WH-1000XM4の「QN1」に「統合プロセッサーV1」を加えたデュアルプロセッサー体制と、マイク数倍増(計8個)の「マルチノイズセンサーテクノロジー」により、ノイズ処理能力と捕捉精度が向上したことをはっきりと体感。
  • 全自動の最適化による快適性:WH-1000XM4の手動調整が必要だった「パーソナルNCオプティマイザー」から、完全自動で常時最適な状態を保つ「オートNCオプティマイザー」へと進化し、手間なく最高の静寂を享受できるという大きなメリットを実感。
  • 日常騒音の劇的な低減効果:WH-1000XM4と比較し、電車内の騒音やカフェでの雑音など、日常の様々なノイズがより一層低減され、特に中高音域の騒音に対する効果向上を強く体感。
  • 向上した耐風性能と装着感:WH-1000XM4よりも風ノイズを物理的に受けにくい新マイク構造で、屋外での快適性が向上し、耳への圧迫感が軽減されたことで、より自然で長時間の使用にも適した静寂を体験。

音質:Sony WH-1000XM5が奏でるクリアで深みのあるサウンド体験

ここでは、Sony WH-1000XM5の音質がいかに素晴らしいか、その中核であるドライバーユニットの進化や、ソニーが誇る高音質技術、そして私が実際に様々なジャンルの音楽を聴いて感じた感動を、具体的にお伝えしていきます。

新設計30mmドライバーユニットとWalkman®技術の融合が織りなす音

WH-1000XM5の音質の核となるのは、専用設計された30mmドライバーユニットです 。前モデルWH-1000XM4は40mmでしたが、この新しい30mmドライバーはドーム部に軽量かつ高剛性なカーボンファイバーコンポジット素材を、エッジ部には柔らかい素材を採用することで、伸びのある高域と再現性の高い低音域を両立させていると聞き、その音に大きな期待を寄せました。実際に聴いてみると、その期待を裏切らない、非常にバランスの取れたクリアなサウンドが耳に飛び込んできました。

さらに、ソニーが長年培ってきたWalkman®の高音質化技術がヘッドホンに最適化されて投入されている点も、この素晴らしい音質に貢献していると感じました 。基板と部品の接合部やヘッドホン出力のはんだ付け部などに金入りの高音質はんだが使われていたり、プロセッサー周辺に銅メッキを施した大型高音質抵抗が採用されていたりするそうです。

こうした細部へのこだわりが、音の微細なニュアンスの再現や、音の広がり、定位感の向上に繋がり、私が聴いた一つひとつの音がより豊かに、そして艶やかに感じられたのだと思います。

ハイレゾからストリーミングまで:あらゆる音源を極上の響きで

私は普段、ハイレゾ音源はAmazon Music HDで、ストリーミングはSpotifyで楽しんでいます。WH-1000XM5はLDACコーデックに対応しているため、AndroidスマートフォンとLDACで接続し、宇多田ヒカルさんの「One Last Kiss (Hi-Res)」を聴いたのですが、ボーカルの息遣いや細かなビブラート、そして楽曲全体の空気感までが驚くほどリアルに伝わってきて、まるで目の前で歌っているかのような深い感動を覚えました 。

また、CD音源やMP3、ストリーミングなどの圧縮音源も、AI技術を活用した「DSEE Extreme」によって、その音質が向上するのには本当に驚きました 。

例えば、SpotifyでOfficial髭男dismの「Subtitle」を再生すると、DSEE Extremeが働くことで音全体の解像感が増し、楽器の音色やボーカルの質感がより豊かになり、いつも聴いているはずの曲がまるで新しい魅力を持って生まれ変わったかのように感じられました。この技術のおかげで、手持ちのあらゆる音源をより一層楽しむことができています。

私が感じたサウンドバランスと音楽の楽しさ

WH-1000XM5のサウンドは、全体的に非常にバランスが良く、どんなジャンルの音楽も心地よく聴かせてくれると感じました。私が特に気に入ったのは、その低音の表現力です。ただ量が多いのではなく、楽曲全体を下からしっかりと支えるような、深みとクリアさを兼ね備えた低音で、例えばKing Gnuの「白日」のような複雑なベースラインも、ぼやけることなく一音一音が正確に、そして力強く響きました。

中音域は、楽器の音に厚みがあり、ボーカルも非常に聴き取りやすく、YOASOBIのikuraさんのようなハイトーンボイスも埋もれることなく、スッと耳に届き、その伸びやかさを存分に楽しむことができました。高音域は、耳に刺さるようなシャープさはなく、それでいて繊細なシンバルの余韻やアコースティックギターの弦のきらめきまでしっかりと描き出す解像度の高さがあり、長時間聴いていても全く疲れない、非常に洗練されたサウンドだと感じました。

音の広がり、いわゆる音場については、個人的には広大なコンサートホールというよりは、上質なリスニングルームでアーティストが目の前で演奏しているかのような、程よい距離感と定位の良さを感じました。その基本性能の高さから、様々なジャンルの音楽を楽しく聴かせてくれましたが、その上で音のバランスは非常にナチュラルで、多くの人が心地よいと感じるであろうチューニングだと私は思いました。

まとめ:Sony WH-1000XM5の音質

  • 新開発ドライバーの威力:専用設計30mmドライバーユニットが、カーボンファイバーコンポジット素材のドームと柔らかいエッジにより、伸びやかな高域と豊かな低域を両立し、クリアでバランスの取れたサウンドを実現していることを実感。
  • Walkman®技術の継承:金入り高音質はんだや高音質抵抗の採用、最適化された基板レイアウトなど、Walkman®で培われた技術が微細な音の再現性や空間表現力を向上させていると感じられた。
  • ハイレゾ音源への対応力:LDACコーデックによるワイヤレスでのハイレゾ再生はもちろん、圧縮音源も「DSEE Extreme」によって音質が向上し、あらゆる音源で満足度の高いリスニング体験が得られた 。
  • 絶妙なサウンドバランス:楽曲を支えるようなクリアで深みのある低音、厚みがあり聴き取りやすい中音、刺さらず繊細な高音と、全体的に非常にバランスが良く、長時間聴いても疲れない自然なサウンドを体験。

通話と外音操作:Sony WH-1000XM5のクリアなコミュニケーション体験

ここでは、Sony WH-1000XM5の「通話品質」がいかに進化したか、そして音楽を楽しみながらも周囲との繋がりを保つ「外音取り込みモード」や関連機能が、私の日常をどれほど快適にしてくれたか、前モデルWH-1000XM4との比較も交えながら、私の実体験に基づいて詳しく書いていきます。

騒がしい場所でも驚くほどクリアな「通話品質」

WH-1000XM5を使用して最も感動した機能の一つが、この通話品質の向上です。前モデルWH-1000XM4もビジネスシーンでのオンライン会議などで十分な性能を発揮してくれましたが、WH-1000XM5はそれを遥かに凌駕すると感じました。

ソニーによると、左右合わせて4つのマイクを用いたビームフォーミング技術と、5億サンプルを超えるAIの機械学習で進化した高精度ボイスピックアップテクノロジーにより、私の声と周囲のノイズを的確に分離してくれるとのことです 。

実際に、駅のホームや賑やかなカフェからオンライン会議に参加した際、相手からは「周りが騒がしいはずなのに、声がすごくクリアに聞こえる」と何度も言われました。WH-1000XM4では少し気になった風の強い日の屋外での通話も、WH-1000XM5では新設計の風ノイズ低減構造のおかげで、自分の声が風の音にかき消されることなく、相手にしっかりと届いているのを実感できました。

まさに「業界最高クラスの通話品質」という謳い文句は伊達ではないと、私は確信しました。うるさい環境下でもスムーズに会話ができるようになったのは、日々のコミュニケーションにおいて非常に大きなメリットです。

自然に周囲の音を取り込む「アンビエントサウンドモード」

音楽に没頭したいけれど、周囲の状況も把握しておきたい。そんな時に重宝するのが「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」です。WH-1000XM5では、このモードの自然さがWH-1000XM4からさらに向上したように感じました。ヘッドホンの外側に配置されたマイクが周囲の音を拾ってくれるのですが 、AV Watchの記事によればマイクが増えたこともあり、よりクリアに、そして不自然さなく音を取り込んでくれるようになったとのことです。

実際に、駅で電車を待っている時にアナウンスを聞き逃したくない場合や、オフィスで同僚に話しかけられる可能性のある場面でこのモードをオンにしておくと、音楽を楽しみつつも必要な情報をキャッチでき、非常に助かりました。アプリ「Sound Connect」で「ボイスフォーカス」をオンにすれば、ノイズを抑えつつ人の声だけをクリアに拾ってくれるので 、レジでの会計時など、ちょっとした会話の際にもヘッドホンを外す必要がありませんでした。

もちろん、ヘッドホンを外した状態のようにはいきませんが、実用レベルとしては十分満足のいくものでした。

よりスマートになった便利な外音コントロール機能

WH-1000XM5には、外音取り込みをさらに便利にする機能が搭載されています。その一つが「クイックアテンションモード」です。右側のハウジングに手のひらを当てるだけで、再生中の音楽の音量が一時的に小さくなり、瞬時に周囲の音を聞き取ることができます 。急なアナウンスを聞きたい時や、誰かに話しかけられた時に、この機能のおかげで慌てずに対応できました。

そして、私が特にWH-1000XM4の時から愛用しているのが「スピーク・トゥ・チャット」機能です。これは、私が話し始めると自動で音楽再生を一時停止し、外音取り込みモードに切り替えてくれる優れものです 。WH-1000XM5では、この機能使用時に自分の声がよりクリアに聞こえるように改善されたとのことで 、実際にカフェで注文する際など、ヘッドホンをつけたままでもスムーズに会話が成立し、非常に快適でした。

これらの機能は、まさに「スマート」という言葉がぴったりの体験を提供してくれます。

まとめ:Sony WH-1000XM5の通話品質と外音取り込み機能

  • 進化した通話品質:WH-1000XM4からマイク性能やAI処理が進化し、左右4マイクのビームフォーミング技術とAIノイズリダクション、新風ノイズ低減構造により、騒音下や風の強い場所でも驚くほどクリアな通話を実現したことを体験。
  • 自然な外音取り込み:WH-1000XM4よりも周囲の音を自然かつクリアに取り込めるようになり、「ボイスフォーカス」機能で人の声も聞き取りやすく、実用性が向上したと感じた。
  • 便利なクイックアテンション:ハウジングに触れるだけで瞬時に外音が聞ける「クイックアテンションモード」は、WH-1000XM4同様に非常に便利で、咄嗟の状況に対応しやすかった 。
  • 改良されたスピーク・トゥ・チャット:話しかけると自動で音楽が止まり外音取り込みに切り替わる「スピーク・トゥ・チャット」は、WH-1000XM4から自分の声の聞こえやすさが改善され、よりスムーズな会話が可能になったと実感 。

スマート機能と接続性:Sony WH-1000XM5がもたらす快適な毎日

ここでは、Sony WH-1000XM5が音楽を聴くという行為をいかに快適でスマートなものにしてくれるか、その多彩な機能と優れた接続性、そしてバッテリー性能など、日々の使い勝手を格段に向上させる魅力について、私が実際に使用してどう感じたのか、どんなメリットがあったのかを具体的に書いていきます。

日常を賢くサポートする「スマート機能」の数々

WH-1000XM5を使い始めて、まずその「賢さ」に日々助けられています。特に「アダプティブサウンドコントロール」機能は、私の行動やよく行く場所に合わせてノイズキャンセリングや外音取り込みの設定を自動で切り替えてくれるので、本当に手間いらずです。例えば、自宅の書斎で作業している時はノイズキャンセリングを最大にして集中モードに、

そして、駅に向かって歩き出すと、ヘッドホンがそれを察知して自動で外音取り込みモードに変わり、周囲の車の音やアナウンスに気付けるようにしてくれます。この自動切り替えのおかげで、スマートフォンを取り出して設定を変更する煩わしさから解放され、日常の移動や作業が格段にスムーズになりました。

装着検出」機能も、私にとってはなくてはならない存在です。ヘッドホンを耳から外すと、再生中の音楽、例えばSpotifyで流していたお気に入りのJAZZのプレイリストがピタッと一時停止し、再び装着すると何事もなかったかのように再生が始まります。

この一連の動作が非常にスムーズで、まるでヘッドホンが私の行動を理解してくれているかのようでした。うっかり電源を切り忘れてヘッドホンを放置してしまっても、一定時間が経過すると自動で電源がオフになるので、バッテリーの無駄な消費を心配する必要がないのも嬉しいポイントです。

右ハウジングに搭載されたタッチセンサーコントロールパネルも、使ってみると非常に直感的で、再生や一時停止、曲送りや曲戻し、音量の調整といった基本的な操作が、指先で軽く触れるだけで完結します。使い始めの頃は、センサーの感度が非常に良いため、時折、意図しない操作をしてしまうこともありましたが、すぐに指の動きのコツを掴むことができ、慣れてからはこれ以上ないほど快適でスムーズな操作感だと感じています。

途切れない、手間いらずの「接続性能」

ワイヤレスヘッドホンを選ぶ上で、接続性の高さは非常に重要なポイントですが、WH-1000XM5はその点でも私の期待を裏切りませんでした。特に感動したのは「マルチポイント接続」です。これにより、仕事で使っているノートパソコン(Windows 11)とプライベートのスマートフォン(Android)の2台に同時に接続しておくことが可能になりました。

例えば、パソコンでYouTubeのBGM集(例えば「Lofi Girl」のチャンネル)を聴きながら作業している最中にスマートフォンに着信があっても、ヘッドホンが自動で通話に切り替わり、そのままハンズフリーで応答できるのです。このシームレスな切り替えは、複数のデバイスを日常的に使い分ける私にとって、作業の流れを止めずに済むという、計り知れないメリットをもたらしてくれました。

ペアリングの簡単さも特筆すべき点です。私のAndroidスマートフォンでは「Google Fast Pair」機能のおかげで、ヘッドホンの電源を入れて近づけるだけで画面に接続を促すポップアップが表示され、タップ一つでペアリングが完了しました。Windows 11のPCとの接続も「Swift Pair」に対応しており、同様に非常にスムーズでした。

前モデルのWH-1000XM4に搭載されていたNFC機能WH-1000XM5では非搭載となりましたが、これらの新しいペアリング機能が非常に優秀なので、私自身は特に不便を感じることはありませんでした。むしろ、様々なデバイスとの接続がより簡単になったとさえ感じています。

万が一ヘッドホンをどこに置いたか忘れてしまっても、Fast Pairで接続していれば「デバイスを鳴らす」機能で音を鳴らして探せたり、Googleの「端末を探す」アプリで最後に接続した場所を地図で確認できるのも、うっかり者の私には心強い機能です。

その他の便利な機能と付属品

これまで述べてきた機能以外にも、WH-1000XM5には日々の使い勝手を向上させる細やかな配慮が感じられます。専用のスマートフォンアプリ「Sound Connect」(旧称Headphones Connect)を使えば、ノイズキャンセリングのレベル調整や外音取り込みのバランス、イコライザーの設定など、自分好みにヘッドホンを細かくカスタマイズできます。

ただ、各種設定変更は基本的にこのスマートフォンアプリ経由となるため、普段PCをメインで使用している私にとっては、設定変更の度にスマートフォンを取り出して接続するのが、ほんの少しだけ手間に感じられることもありました。とはいえ、一度自分好みの設定を見つけてしまえば頻繁に変更するものでもないので、大きな支障はありませんでした。

付属のキャリングケースも、WH-1000XM4のものから進化しており、ヘッドホン本体を収納していない時には平たく畳んでコンパクトにできるようになったのは、カバンの中で場所を取らず、持ち運びの際に非常にありがたいと感じました。

また、製品の個装箱にプラスチックを一切使用せず、竹やさとうきび、市場で回収したリサイクル紙を由来とするソニー独自開発の素材を使用しているという点も、環境への配慮が感じられ、製品を選ぶ上での隠れた満足感を私に与えてくれました。

まとめ:Sony WH-1000XM5の機能と接続性

  • 賢い自動化による快適操作:「アダプティブサウンドコントロール」によるシーンに合わせた設定の自動切り替えや、「装着検出」による音楽の自動再生/一時停止・自動電源オフが、日々の操作の手間を大幅に削減してくれた。
  • 直感的なインターフェース:タッチセンサーコントロールパネルは慣れると非常に快適で、スマートフォンを取り出すことなく基本的な操作が完結する点が便利だった。
  • ストレスフリーなマルチデバイス体験:2台の機器に同時接続できる「マルチポイント接続」が特に秀逸で、PCとスマートフォン間の音声切り替えが非常にスムーズに行え、作業効率が向上した。Google Fast PairやSwift Pairによるペアリングも簡単だった。
  • 細やかな配慮と使い勝手の向上:専用アプリ「Sound Connect」による詳細なカスタマイズ性、薄型化できるキャリングケース、環境に配慮したパッケージなど、総合的なユーザー体験を高める工夫が随所に感じられた。

バッテリー性能:Sony WH-1000XM5の安心のスタミナと進化した充電体験

ここでは、ワイヤレスヘッドホンを選ぶ上で非常に重要なポイントとなる、Sony WH-1000XM5のバッテリー持続時間と充電性能について、私が実際にどれほどの恩恵を受けたか、前モデルWH-1000XM4と比較して進化した点や、その驚異的なスタミナがもたらす安心感を、具体的な体験を交えて詳しく書いていきます。

1000Xシリーズの伝統を受け継ぐ「圧倒的なバッテリー持続時間」

前モデルのWH-1000XM4も、そのバッテリーの持ちの良さには多くのユーザーから高い評価を得ていましたが、このWH-1000XM5もその優れた伝統をしっかりと受け継ぎ、さらに磨きをかけていると感じました。カタログスペックでは、ノイズキャンセリングをONにした状態で最大30時間、OFFにした状態では最大40時間もの連続音声再生が可能とされています 。

この数値は、WH-1000XM4が誇っていたスタミナと同等か、使い方によってはそれ以上とも言える安心感で、実際に使ってみると、その頼もしさは私の音楽ライフをより自由なものにしてくれました。

例えば、平日は毎日の通勤時に加え、日中のオンライン会議や作業中のBGM再生、そして夜のリラックスタイムにと、1日に数時間以上はヘッドホンを使用していますが、それでも1週間近く充電ケーブルを繋ぐことなく余裕で過ごせています。

以前WH-1000XM4を使っていた時も、そのバッテリーの持ちには満足していましたが、WH-1000XM5でも同様の、あるいはそれ以上の安心感を得られているのは、毎日使う上で非常に大きなメリットです。ある時、2日間にわたって合計15時間ほど集中的に使用した後でも、バッテリー残量を確認したらまだ半分以上(53%)も残っていたのには、改めてそのスタミナに感心しました。

「しまった!」を救う充電性能 – USB PD対応でWH-1000XM4からさらに進化

いくらバッテリーの持ちが良いとはいえ、充電を忘れてしまうことはあります。そんな時、WH-1000XM5の充電性能は、前モデルWH-1000XM4から確かな進化を遂げていると感じました。標準の急速充電機能でも、わずか10分間充電するだけで約5時間の再生が可能なので、朝、出かける準備をしている間にヘッドホンの充電が少ないことに気づいても、慌てる必要はありません。コーヒーを一杯飲み終える頃には、その日の移動時間は十分にカバーできるほどのバッテリーを確保できるのです。

そして、WH-1000XM5で私が特に大きな進化だと感じたのが、USB PD(Power Delivery)充電への対応です。これは、WH-1000XM4の時代にはなかった、さらに効率的な急速充電を可能にするものです。USB PDに対応したACアダプター(これは別途用意が必要です)と付属のUSB Type-Cケーブルを使用すれば、たったの3分間充電するだけで、約3時間も再生が可能になるというのですから、これは本当に驚きです。

家を出る本当に直前、「あと5分しかない!」というような切羽詰まった状況でも、このUSB PD充電のおかげで、移動中に音楽を楽しんだり、大切なオンライン会議に遅刻せずに済んだりする安心感を得られました。この進化は、忙しい日々を送る私にとって、まさに「神対応」とも言える機能でした。

まとめ:Sony WH-1000XM5のバッテリー性能

  • 伝統のスタミナ:前モデルWH-1000XM4から受け継ぐ、ノイズキャンセリングONで最大30時間、OFFで最大40時間という圧倒的な連続再生時間を実現し 、1週間近く充電なしでも使用できるほどの持続力を私の実体験でも確認。
  • 急速充電の利便性:わずか10分間の充電で約5時間の再生が可能になる標準の急速充電機能は、WH-1000XM4同様に時間がない時の大きな助けとなった。
  • 進化したUSB PD対応:WH-1000XM4にはなかったUSB PD充電に新たに対応し、対応アダプター使用時には3分間の充電で約3時間の再生が可能となり、充電の利便性が飛躍的に向上したと実感。
  • 充電ストレスからの解放:これらの優れたバッテリー性能と進化した充電機能のおかげで、日々の使用における充電に関するストレスがWH-1000XM4の時以上に軽減され、より音楽に集中できる環境が手に入った。

徹底比較:Sony WH-1000XM5とWH-1000XM4の主な違い

ここでは、多くのユーザーに愛された名機WH-1000XM4から、Sony WH-1000XM5がどのような進化を遂げたのか、その主要な変更点を項目ごとに比較して具体的に見ていきます。

ノイズキャンセリング性能:

  • プロセッサー構成: WH-1000XM5は「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」に加え、新たに「統合プロセッサーV1」を搭載したデュアルプロセッサー構成で処理能力が向上しました。WH-1000XM4は主にQN1プロセッサーに依存していました。
  • マイク数: WH-1000XM5はノイズキャンセリング用に左右それぞれ4つ、合計8つのマイクを使用しており、WH-1000XM4の左右それぞれ2つ(計4つ)から倍増し、より多くのノイズを正確に捉えられるようになりました。
  • 最適化機能: WH-1000XM5は装着状態や気圧を自動で検知・最適化する「オートNCオプティマイザー」を搭載しています。WH-1000XM4は測定音を用いた「パーソナルNCオプティマイザー」でした。
  • 特定周波数帯への効果: WH-1000XM5は、新30mmドライバーユニットの恩恵もあり、特に人の声など中高音域のノイズキャンセリング性能が向上し、低音域のノイズ除去も強化されたとされています 。

音質:

ドライバーユニット: WH-1000XM5は専用設計の30mmドライバーユニットを搭載しています。WH-1000XM4は40mmドライバーユニットでした。XM5の30mmドライバーは軽量高剛性なカーボンファイバーコンポジット素材のドーム部と柔らかいエッジ部を特徴としています 。

高音質化技術: WH-1000XM5には、Walkman®で培われた金入り高音質はんだや銅メッキを施した大型高音質抵抗、最適化された基板レイアウトなどの高音質技術が新たに採用されています。

通話品質:

マイク構成とAI技術: WH-1000XM5は会話用に左右2つずつ、計4つのマイクを用いたビームフォーミング技術とAIによるノイズリダクションシステムを採用しています。WH-1000XM4は左側ハウジングの2つのマイクが主に使用されていました。

風ノイズ低減: WH-1000XM5はマイク周辺機構を新規設計し、風ノイズ低減構造が強化されました。

デザイン・装着性:

本体デザインと重量: WH-1000XM5は全体的にスリムで継ぎ目の少ない、よりモダンなデザインに刷新されました。重量は約250gで、WH-1000XM4(約254g)からわずかに軽量化されています。

イヤーパッド素材: WH-1000XM5には、より柔らかく装着時の安定性に優れた「ソフトフィットレザー」が採用されました。

折りたたみ機構: WH-1000XM5はイヤーカップのスイーベル(回転)のみで、WH-1000XM4のようなコンパクトな折りたたみはできなくなりました。これによりキャリングケースの形状も変更されています。

その他: WH-1000XM5ではヘッドバンドのスライダーが無段階式になり、装着センサーが目立たないように内蔵されるなど、細部も洗練されました。

機能・その他:

スピーク・トゥ・チャット: WH-1000XM5では、この機能使用時のユーザー自身の声の取り込み量が増え、よりクリアに自分の声が聞こえるように改善されました 。

NFC搭載の有無: WH-1000XM5はNFC非搭載となりました。WH-1000XM4にはNFCが搭載されていました。

充電機能: WH-1000XM5は新たにUSB PD充電に対応し、3分間の充電で約3時間の再生が可能になりました。

操作音: WH-1000XM5では電源オン・オフやモード変更時のガイダンスが、従来の音声アナウンスから操作音(サウンドエフェクト)に変更されました。

付属品: WH-1000XM5では紙の説明書が廃止されWebでの確認となり、ACアダプターも付属しません。

これらの変更点から、WH-1000XM5はWH-1000XM4の優れた基本性能を継承しつつ、特にノイズキャンセリング性能、通話品質、そしてデザインと装着感を現代のニーズに合わせて大幅に進化させたモデルであると私は感じました。

Sony WH-1000XM5のメリット・デメリット

ここでは、私がSony WH-1000XM5をじっくりと使ってみて、心から素晴らしいと感じた点(メリット)と、一方で少し気になった点や改善を期待したい点(デメリット)を、具体的にお伝えしていきます。

【メリット】

メリット1:業界最高クラスの静寂体験

まず何よりも、このヘッドホンのノイズキャンセリング性能には脱帽しました。前モデルWH-1000XM4からさらに進化したと聞いていましたが、実際に装着すると、周囲の騒音が驚くほど自然に、そして強力に打ち消されます。電車内やカフェといった騒がしい場所でも、まるで自分だけの静かな空間にいるかのように音楽や作業に没頭できたのは、この上ないメリットでした。

特に「オートNCオプティマイザー」が常に最適な状態を保ってくれるので、私が何かを意識する必要がない点も素晴らしいと感じました。

メリット2:バランスの取れた上質なサウンド

ノイズキャンセリングだけでなく、音質そのものも非常に高いレベルにあると感じました。新設計の30mmドライバーユニットと、Walkman®で培われた高音質技術の恩恵は大きく、低音から高音まで非常にバランスが良く、クリアで深みのあるサウンドを楽しむことができました。LDACコーデックでのハイレゾ再生はもちろん、DSEE Extremeによってストリーミング音源も高音質化されるため 、どんな音源でも満足のいくリスニング体験が得られたのは大きな喜びでした。

メリット3:クリアで快適な通話性能

オンライン会議や通話の機会が多い私にとって、WH-1000XM5の通話品質の高さは特筆すべきメリットでした。AIを活用した高精度ボイスピックアップテクノロジーと左右4つのマイク、そして風ノイズ低減構造のおかげで、騒がしい場所や風の強い屋外でも、自分の声が相手にクリアに届き、また相手の声も聞き取りやすかったです。これにより、ビジネスシーンでもプライベートでも、コミュニケーションが非常にスムーズになりました。

メリット4:洗練されたデザインと快適な装着感

毎日使うものだからこそ、デザインと装着感は重要ですが、WH-1000XM5はその両方を高いレベルで満たしてくれました。前モデルから一新されたデザインは非常に洗練されており、どんな服装にも合わせやすいと感じました。また、新採用の「ソフトフィットレザー」のイヤーパッドとヘッドバンドは驚くほど柔らかく、本体も約250gと軽量なため、長時間装着していても耳や頭が痛くなりにくく、快適そのものでした。

メリット5:安心のバッテリー性能とスマートな機能群

ワイヤレスヘッドホンで常に気になるバッテリー持ちも、WH-1000XM5は非常に優秀です。ノイズキャンセリングONでも最大30時間というスタミナは、数日間の外出なら充電を気にせず使えるほどで、大きな安心感を与えてくれました。さらに、USB PD充電に対応したことで、わずか3分の充電で約3時間再生可能という急速充電は、忙しい現代人にとってこの上ないメリットです。

加えて、アダプティブサウンドコントロールやマルチポイント接続など、日々の使い勝手を向上させるスマートな機能も豊富で、本当にストレスなく使用できました。

【デメリット】

デメリット1:携帯性とNFC非搭載という変化点

一方で、いくつか気になった点もあります。まず、WH-1000XM5は前モデルWH-1000XM4のようなコンパクトな折りたたみ機構がなくなり、イヤーカップのスイーベルのみとなったため、キャリングケース自体は薄型化されましたが、カバンの中で占める面積は少し大きくなったように感じました。また、WH-1000XM4には搭載されていたNFC機能が非搭載となった点も、NFCでのペアリングに慣れていた方にとっては少し残念なポイントかもしれません。

デメリット2:価格と細かな使い勝手における注意点

WH-1000XM5はソニーのフラッグシップモデルということもあり、価格は決して安くありません(ソニーストア価格で56,100円(税込) )。その価格に見合うだけの素晴らしい性能を持っているとは感じましたが、購入には勇気が必要かもしれません。また、タッチセンサーの感度が非常に良いため、慣れるまでは意図しない操作をしてしまうことがありました。

そして、各種カスタマイズ設定はスマートフォンアプリ「Sound Connect」から行う必要があるため、普段PCメインで使用している私にとっては、設定変更の都度スマートフォンに接続するのが少しだけ手間に感じられることもありました。

デメリット3:長期使用で見えてくる可能性のある点

長期間使用することを考えると、いくつか留意しておきたい点もあります。まず、イヤーパッドの素材である「ソフトフィットレザー」は非常に快適ですが、通気性があまり高くないため、特に夏場や運動時など汗をかくシーンでは蒸れを感じやすいかもしれません。また、これはヘッドホン全般に言えることですが、装着すると髪型が崩れやすい点は、お出かけ前などには少し気を使う部分でした。

そして、非常に柔らかい合成皮革部分は、丁寧な扱いや場合によっては別売りカバーの使用を検討するなど、その耐久性については少し気を配る必要があるかもしれないと感じました。

総じて、WH-1000XM5はいくつかの小さな注意点はあるものの、それを補って余りある素晴らしいメリットを提供してくれるヘッドホンだと私は感じました。特にノイズキャンセリング性能と音質、通話品質、そして装着感においては、価格以上の満足感を得られるのではないでしょうか。

ソニー WH-1000XM5のスペック(仕様)

  • ドライバーユニット: 30mm径専用設計ドライバー、カーボンファイバーコンポジット素材採用。
  • 再生周波数帯域: 4 Hz – 40,000 Hz (JEITA)。
  • 対応コーデック: SBC, AAC, LDAC。
  • Bluetoothバージョン: Bluetooth標準規格 Ver.5.2。
  • 対応プロファイル: A2DP, AVRCP, HFP, HSP。
  • バッテリー: 再生: NC ON最大30h/OFF最大40h。通話: NC ON最大24h/OFF最大32h。
  • 充電: USB充電、約3.5時間。クイック充電(3分で約1h)、USB PD充電(3分で約3h)。
  • ノイズキャンセリング機能: QN1+V1プロセッサー、8マイクマルチノイズセンサー、オートNCオプティマイザー。
  • 外音取り込み機能: アンビエントサウンドモード、ボイスフォーカス対応、アプリでレベル調整可。
  • その他の機能: アダプティブサウンドコントロール、スピーク・トゥ・チャット、クイックアテンション、360 Reality Audio、DSEE Extreme、マルチポイント。
  • マイク: MEMS型全指向性。通話用: 4マイクビームフォーミング+AI、風ノイズ低減構造。
  • 有線接続: 付属ケーブルで接続可、ハイレゾ対応(電源ON時)、マイク通話不可。
  • 操作: 右側タッチセンサーコントロールパネル、左側物理ボタン(電源,NC/AMB)、装着検出。
  • アプリ: 専用スマートフォンアプリ「Sound Connect(旧Headphones Connect)」。
  • 防水・防塵性能: 非対応(公式記載なし)。
  • サイズ: 折りたたみ不可(イヤーカップスイーベルのみ)、薄型キャリングケース付属。
  • 重量: 約250g。
  • カラー: ブラック、プラチナシルバー、スモーキーピンク。
  • 付属品: USBケーブル、保証書、キャリングケース、接続ケーブル、リファレンスガイド。
  • 発売日: 2022年05月27日

Sony WH-1000XM5の評価

Sony WH-1000XM5のケース

8つの基準で「Sony WH-1000XM5」を5段階で評価してみました。

はい、承知いたしました。Sony WH-1000XM5の評価を5段階(星の数)で行い、その理由を説明します。データは提供されたファイルのみを参照し、のような出典表示はいたしません。

項目別評価

音質: ★★★★☆ (4.5)
新設計30mmドライバーとWalkman®技術の融合により、低音から高音まで非常にバランスが良くクリアなサウンドです。特にLDAC接続時のハイレゾ音源や、DSEE Extremeによるアップスケーリング音源の質の高さには感心しました。

装着感: ★★★★★ (5)
新開発のソフトフィットレザーと軽量設計のおかげで、驚くほど快適です。長時間装着していても耳や頭が痛くなりにくく、まるで体の一部のように自然にフィットしました。

デザイン: ★★★★★ (5)
前モデルから一新され、非常に洗練されたミニマルなデザインは所有欲を満たしてくれます。マットな質感と継ぎ目の少ない滑らかなフォルムは、どんなシーンにもマッチすると感じました。

機能性: ★★★★☆ (4.5)
アダプティブサウンドコントロールやマルチポイント接続など、日常の使い勝手を向上させるスマート機能が満載です。タッチセンサーの操作性も慣れると非常に快適でした。

遮音性・音漏れ耐性: ★★★★★ (5)
業界最高クラスと謳われるノイズキャンセリング性能は本物で、圧倒的な静寂空間を実現してくれます。ソフトフィットレザーによる物理的な密閉性も高く、音漏れも気になりませんでした。

ビルドクオリティ(耐久性、素材): ★★★★☆ (4)
マット仕上げの本体やソフトフィットレザーなど、全体的に上質な素材感が際立ちます。ただ、非常に柔らかいイヤーパッドの合成皮革は、長期的な耐久性については少し丁寧な扱いが必要かもしれません。

コストパフォーマンス(価格): ★★★☆☆ (3.5)
フラッグシップモデル相応の価格設定(ソニーストア価格56,100円)ですが、その卓越したノイズキャンセリング性能や音質、多機能性を考慮すれば、納得感はありました。より手軽さを求めるなら、価格がこなれたWH-1000XM4も選択肢に入るかもしれません。

使いやすさ: ★★★★☆ (4)
装着検出や各種自動機能、Fast PairやSwift Pairによるペアリングの容易さなど、日常的な使いやすさは非常に高いです。ただ、一部設定はスマホアプリ経由となる点や、NFCが非搭載になった点は、使い方によっては少しだけ手間を感じる方もいるかもしれません。

総評:Sony WH-1000XM5】 ★★★★★ (5)

圧倒的なノイズキャンセリングと没入感のある高音質

Sony WH-1000XM5を使い込んでみて、私が最も強く感じたのは、その卓越したノイズキャンセリング性能が生み出す「静寂の質」の高さと、そこで奏でられる「音の魅力」です。前モデルWH-1000XM4でも十分に高いレベルにありましたが、XM5では統合プロセッサーV1とQN1のデュアルプロセッサー体制、そしてマイク数の倍増により、これまで以上に幅広い帯域のノイズを、しかも極めて自然に低減してくれるようになりました。

電車内やカフェといった日常の騒音環境が、まるで自分だけのリスニングルームに変わるような体験は、まさに感動的でした。

この静寂の中で聴く音楽は格別です。新設計の30mmドライバーユニットは、カーボンファイバーコンポジット素材の採用やWalkman®で培われた高音質技術によって、低音域の深みとクリアさ、中音域の豊かさ、そして高音域の伸びやかさを見事に両立させていると感じました。

LDACコーデックでのハイレゾ再生はもちろんのこと、DSEE Extremeによって普段聴いているストリーミング音源までもが、まるでベールを一枚剥がしたかのように生き生きと響き渡り、音楽を聴く楽しさを再発見させてくれました。

洗練を極めたデザインと長時間快適な装着性

デザインもWH-1000XM4から大きく刷新され、よりミニマルで洗練された印象を受けました。ハウジングからヘッドバンドまで一体感のある滑らかなフォルムと、マットで上品な質感は、所有する喜びを与えてくれます。そして何より、新開発の「ソフトフィットレザー」を採用したイヤーパッドとヘッドバンドによる装着感は注目すべき点です。

驚くほど柔らかく、かつ安定したフィット感で、私がこれまで体験したヘッドホンの中でもトップクラスの快適さでした。約250gという軽量さも相まって、長時間装着していても耳や頭への負担が少なく、作業に集中したり、じっくりと音楽の世界に浸ったりすることができました。

スマートな機能と接続性がもたらすストレスフリーな体験

日々の使い勝手を格段に向上させてくれるスマート機能の充実ぶりも、WH-1000XM5の大きな魅力です。私の行動や場所に合わせてノイズキャンセリング設定を自動で最適化してくれる「アダプティブサウンドコントロール」や、ヘッドホンを外すだけで音楽が一時停止する「装着検出」、2台の機器に同時接続できる「マルチポイント接続」などは、一度体験すると手放せなくなるほど便利でした。

特にマルチポイント接続は、PCでの作業中にスマートフォンにかかってきた電話にシームレスに応答できるなど、現代のワークスタイルに非常にマッチしていると感じます。

また、通話品質も飛躍的に向上しており、AIとビームフォーミングマイクのおかげで、騒がしい環境でも自分の声が相手にクリアに届き、ストレスのないコミュニケーションが可能になりました。

価格といくつかの留意点

もちろん、これだけの高性能と多機能性を備えているため、価格はフラッグシップモデル相応です。購入にはある程度の予算が必要となるでしょう。また、WH-1000XM4にあったNFC機能が非搭載になった点や、本体の折りたたみ機構がスイーベルのみに変更され、ケース収納時のコンパクトさが少し失われた点は、一部のユーザーにとってはマイナスポイントかもしれません。タッチセンサーの感度の良さも、慣れるまでは少し戸惑う場面があるかもしれません。

総合的な判断:最高の音楽体験を求めるすべての人へ

しかし、これらの点を考慮してもなお、Sony WH-1000XM5が提供してくれる体験価値は非常に高いと私は断言します。圧倒的な静寂の中で、極上の音質に包まれ、日々の操作はスマートで快適。これは、音楽を愛する人、集中できる環境を求める人、そして日々のコミュニケーションをよりクリアにしたいと願うすべての人にとって、投資する価値のあるヘッドホンです。

前モデルWH-1000XM4も依然として魅力的な選択肢ですが、更なる進化を遂げたWH-1000XM5は、間違いなく現時点で最高峰のワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンの一つと言えるでしょう。私はこのヘッドホンと出会えたことで、音楽との向き合い方がより深く、豊かなものになりました。

Sony-WH-1000XM5の価格・購入先

ECサイト

Amazonで40,970円(税込)、

楽天市場で40,298円(送料無料)、

ヤフーショッピングで40,806円、

AliExpressで43,758円、

米国 Amazon.comで$298.00、

で販売されています。

Amazonで「Sony-WH-1000XM5」をチェックする

楽天市場で「Sony-WH-1000XM5」をチェックする

ヤフーショッピングで「Sony-WH-1000XM5」をチェックする

AliExpressで「Sony-WH-1000XM5」をチェックする

米国 Amazon.comで「Sony-WH-1000XM5」をチェックする

おすすめの類似製品を紹介

Sony WH-1000XM5に似た性能をもつヘッドホンも販売されています。

ソニー WH-1000XM6

ソニーから発売された最上位のワイヤレスヘッドホンです(2025年5月30日発売)。

30mm径の専用設計ドライバーユニット、新プロセッサーQN3、左右合計12個のマイク、NC ON時 最大30時間 / NC OFF時 最大40時間駆動するバッテリー、NC/AMBボタン (物理ボタン)を搭載しています。

また、折りたたみ機構、ノイズキャンセリング機能、外音取り込み機能(アンビエントサウンドモード、ボイスフォーカス、20段階レベル調整)、新技術「先読み型ノイズシェーパー」、「アダプティブNCオプティマイザー」、360 Upmix for Cinema、マルチポイント接続、LE Audioに対応。

スマートリスニング (アダプティブサウンドコントロール)、スピーク・トゥ・チャット、クイックアテンションモード、クイック充電、USB PD充電、装着検出、専用アプリ「Sony Sound Connect」、コンパクトなキャリングケース (マグネット式開閉)、Bluetooth 5.3にも対応しています。

価格は、Amazonで60,000円(税込)、楽天市場で61,300円(送料無料)、ヤフーショッピングで61,300円、ソニーストアで59,400円(税込)、です。

関連記事:ソニーWH-1000XM6徹底レビュー!XM5と音質・ノイキャン・機能を比較

その他のおすすめ音楽製品は?

その他のおすすめ音楽製品は以下のページにまとめてあります。ぜひチェックしてみてください。

とことん音にこだわる!音質重視のワイヤレスヘッドホン おすすめ 2025

人気の高いワイヤレスヘッドホンをまとめて紹介しています。

【2025年最新】ポータブルスピーカーおすすめ10選!目的別の選び方と徹底比較

最新のポータブルスピーカーをまとめて紹介しています。

最新 完全ワイヤレス どれが一番いい? 機能・スペックを徹底 比較!

最新の完全ワイヤレスイヤホンをまとめて紹介しています。