「raytrektab DG-D10IWP2-R」は最高のお絵かきタブレットか?


は2019年6月27日にドスパラから発売された10.1型WindowsタブレットPC「raytrektab DG-D10IWP2-R」のスペック、ベンチマーク、性能、価格を紹介します。

ドスパラ「raytrektab DG-D10IWP2-R」と前モデル「raytrektab DG-D10IWP」との違い

ドスパラ「raytrektab DG-D10IWP2-R」は、2018年12月に発売された前モデル「raytrektab DG-D10IWP」からスペックが強化されている。

当時の記事を参考に、どの点が違っているかをまとめると、以下のようになる。

・プロセッサがGemini Lake世代の Celeron N4100 クアッドコアから Pentium Silver N5000 クアッドコア へ

・Bluetooth 4.2 から Bluetooth 5.0 に

・OSが Windows10 Home から Windows 10 Pro へ

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その他のスペックは同じで、デジタイザーペンや筆圧検知レベルも変更されていなかった(※現在ドスパラで販売されている「raytrektab DG-D10IWP」もBluetooth 5.0、Windows 10 Proになっている)。

価格は税込で82,792円(楽天市場)。通常のWindowsタブレットとしてみると高い感じがするが、ワコム「MobileStudio Pro13」のような本格的なお絵かきタブレットと比べると、10万円ほども安くなる。

8.0インチで携帯しやすい「raytrektab DG-D08IWP」も販売されているが、10.1インチの「raytrektab DG-D10IWP2-R」の方が画面が大きくてイラスト制作しやすい。初心者レベルから中級者レベルにステップアップしたいと考えている人におすすめだ。

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前モデル「raytrektab DG-D10IWP」の非公式レビュー動画 イラスト制作・ペンで描く様子が分かる

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「raytrektab DG-D10IWP2-R」のスペック 一覧

  • ディスプレイ 10.1インチ解像度1920×1200ドットのWUXGA液晶
    ※マルチタッチ対応
  • プロセッサ インテル Pentium Silver N5000 クアッドコア 1.10GHz
  • GPU インテル UHDグラフィックス600
  • RAM 8GB DDR4
  • ストレージ容量 128GB SSD
    ※microSDカードスロット (128GBまで対応)
  • バッテリー リチウムイオンバッテリー(約7時間)
  • カメラ 背面500万画素、前面200万画素
  • 通信 WiFi 802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.0
  • インターフェース USB3.0 Type-C×1(給電兼用)、 マイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子×1
  • OS Windows 10 Pro
  • 付属品 ACアダプター / 筆圧感知機能付きペン / 手書き風液晶保護フィルム /CLIP STUDIO PAINT DEBUT (シリアルコード同封)
  • ※ キャンペーンで三菱鉛筆コラボデザインの筆圧感知ペン「三菱鉛筆9800デジタイザペン」がプレゼントされる

「raytrektab DG-D10IWP2-R」のベンチマーク

raytrektab DG-D10IWP2-R」のベンチマーク スコアを紹介します。

Passmark によるベンチマークスコアは「2436」(CPU)。

Geekbench によるベンチマークのスコアはシングルコアで「1941」、マルチコアで「5231」。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」のPassmarkによるベンチマークスコアは「4962」(CPU)。Geekbenchによるベンチマークのスコアはシングルコアで「3748」、マルチコアで「7421」だった。

「raytrektab DG-D10IWP2-R」の専用デジタイザーペン

raytrektab DG-D10IWP2-R」の付属デジタイザーペンはワコム製で筆圧検知4,096段階をサポート。充電不要で使用できるほか、低遅延で違和感を感じない描き心地を実現している。また、5gと非常に軽いボディを採用。同じWACOM Feel Technology対応の他のペンも使用可能で、自分の好みのペンでイラスト制作できる。

「raytrektab DG-D10IWP2-R」のイラスト用ソフトウェア

raytrektab DG-D10IWP2-R」は、イラスト用の定番アプリ(株式会社セルシス)の「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」の シリアルコードを全数にバンドル。タブレットを購入後にすぐにイラスト制作が始められる。

「raytrektab DG-D10IWP2-R」の性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」はWindows 10 Pro を搭載した10.1型のタブレットPC。厚さ9mmのボディに Gemini Lake世代の インテル Pentium Silver N5000 クアッドコア CPUと8GB RAMを搭載。フルHD画質のWUXGA液晶、128GB SSD、約7時間 駆動するバッテリー、背面500万画素、前面200万画素カメラを備えるほか、指紋認証、Wi-Fiデュアルバンド、Bluetooth 5.0 、筆圧4096段階の手書き入力(ワコム デジタイザー)にも対応している。

ディスプレイの性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」のディスプレイは 10.1インチ、解像度1920×1200 ドットのWUXGA液晶を搭載。マルチタッチに対応した高精細な液晶で、メニューなどの細かい字もくっきりはっきりと見える。発色にも優れており、鮮やかな色彩を使ってイラスト制作できるようになっている。ベゼル幅は広めで、光沢感もあり。ドスパラのWindowsタブレット「Diginnos」シリーズと同じ液晶を採用していると思われる。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」の ディスプレイは13.3インチ、解像度2,560×1,440の液晶を搭載し、Adobe RGBカバー率96%、輝度は150cd/平方m、コントラスト比は1,000:1、視野角は上下/左右ともに178度、最大4K 解像度に対応していた。

プロセッサ・メモリ・グラフィックの性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」のプロセッサは インテル Pentium Silver N5000 クアッドコア 1.10GHz、RAM(メモリ)は 8GB DDR4 を搭載。Gemini Lake世代の64ビット対応の4コア、4スレッドのプロセッサで、最大2.70 GHzの周波数で駆動。グラフィック(GPU)はインテル UHDグラフィックス600 (CPU内蔵)を採用し、動画やゲームを滑らかに再生する。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」のプロセッサはIntel Core i5-6267U、メモリ(RAM)は4GB/8GB/16GB、グラフィックス(GPU)にIntel Iris Graphics 550を採用していた。

バッテリーの性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」のバッテリーはリチウムイオンバッテリーで、駆動時間は 約7時間

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」の駆動時間は最大6時間だった。

ストレージの性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」のストレージ容量は 128GB SSD 。高速で動作するソリッドステートドライブで、HDDよりも読み書きが速く、作動音も静か。撃に強く、発熱、消費電力が少ないというメリットもある。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」の64GB SSD/128GB SSD/256GB SSD/512GB SSDだった。

カメラの性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」のカメラは背面500万画素、前面200万画素。高画質な下書き用 メモ写真を撮影できるほか、Web会議やチャット、Skypeなどでも活用できる。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」の前面500万画素Webカメラだった。

通信の性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」は WiFi 802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.0 をサポート。高速かつ途切れにくいWi-Fiデュアルバンドに対応。Bluetoothバージョンは5.0になり、バージョン4.2から、データレート(通信速度に関連)が2Mbpsと高速化。通信可能エリアが4倍に拡大したほか、ブロードキャスト通信容量が8倍に増大している。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」は、WiFi 802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 4.1をサポートしていた。

インターフェースの性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」のインターフェースは USB3.0 Type-C×1(給電兼用)、 マイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子×1。スピーカー、マイクも内蔵する。USB3.0 Type-Cでは、充電に利用できるほか、映像出力にも対応する。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」のインターフェイスは、USB Type-C×3、microSDカードリーダ(UHS-II対応)、音声入出力だった。

ボディ・筐体の性能

raytrektab DG-D10IWP2-R」のサイズは W 245 × H 176 × D 9mmで、重量は 657g。カラーはブラックをラインナップする。

なお、ワコム「MobileStudio Pro13」のサイズは336.6×228.8×16.4mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1,320gだった。

「raytrektab DG-D10IWP2-R」と ワコム「MobileStudio Pro13」の違い

ドスパラ「raytrektab DG-D10IWP2-R」は ワコム「MobileStudio Pro13」とどのように違っているのだろうか? スペックや機能を比較しながら、その違いを明らかにしてみよう。

ディスプレイは3.2インチ小さい

raytrektab DG-D10IWP2-R」は 10.1インチ、解像度1920×1200ドットのWUXGA液晶を搭載。一方、 ワコム「MobileStudio Pro13」は13.3インチ、解像度2,560×1,440の液晶を搭載。ディスプレイのサイズは ワコム「MobileStudio Pro13」の方が3.2インチ大きく、より画面が見やすくなっていることが分かる。

Adobe RGB対応でない

ワコム「MobileStudio Pro13」のディスプレイは、Adobeが定めた表現できる色の再現率で業界の標準 基準「Adobe RGBカバー率」 96%を実現し、より多くの色を正確に描き出すことができる。一方、 「raytrektab DG-D10IWP2-R」はAdobe RGBカバー率が公開されておらず、正しく色を再現できているかが不明である。

プロセッサのパワーで劣る

raytrektab DG-D10IWP2-R」は インテル Pentium Silver N5000 クアッドコア CPUを搭載し、Passmark によるベンチマークスコアは「2436」(CPU)。Geekbench によるベンチマークのスコアはシングルコアで「1941」、マルチコアで「5231」。

一方、 ワコム「MobileStudio Pro13」はIntel Core i5-6267Uを搭載し、Passmarkによるベンチマークスコアは「4962」(CPU)。Geekbenchによるベンチマークのスコアはシングルコアで「3748」、マルチコアで「7421」。全体的にワコム「MobileStudio Pro13」の方がベンチマークスコアが高く、より高速に動作することが分かる。

USB3.0 Type-Cは一つだけ

raytrektab DG-D10IWP2-R」は USB3.0 Type-Cポートを一つだけ搭載するが、ワコム「MobileStudio Pro13」はUSB3.0 Type-Cポートを3つ搭載する。ポートの数が多い方がハブ機器を経由することなく、より多くの周辺機器と直接接続できるというメリットがある。

筆圧検知は4,096段階まで

raytrektab DG-D10IWP2-R」は 筆圧検知 4,096段階に対応しているが、ワコム「MobileStudio Pro13」は筆圧検知 8192段階に対応。筆圧レベルが高い方がより細かい線を正確に描きやすくなるというメリットがある。

Bluetooth 5.0をサポート

ワコム「MobileStudio Pro13」はBluetooth 4.2をサポートしているが、「raytrektab DG-D10IWP2-R」は Bluetooth 5.0をサポート。4.2から5.0にバージョンアップしたことで、データレート(通信速度に関連)が2Mbpsと高速化。通信可能エリアが4倍に拡大したほか、ブロードキャスト通信容量が8倍に増大している。

付属ソフトあり

raytrektab DG-D10IWP2-R」は 付属ソフト「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」(プロダクトキー)ですぐにイラスト制作が行えるようになっている。一方、 ワコム「MobileStudio Pro13」はソフトが付属しない。

価格が10万円ほど安い

raytrektab DG-D10IWP2-R」の価格は税込 82,792円(楽天)。一方、 ワコム「MobileStudio Pro13」は177,652円(Amazon)となっており、「raytrektab DG-D10IWP2-R」の方が10万円ほど安いことになる。

「raytrektab DG-D10IWP2-R」のメリット・デメリット

raytrektab DG-D10IWP2-R」は本当に買うべきお絵かきWindowsタブレットなのだろうか? メリットやデメリット、13.3型のワコム「MobileStudio Pro13」、8.0型の「raytrektab DG-D08IWP」との比較を参考にして、その是非を明らかにしてみよう。

メリット

・フルHD画質で使える

※、解像度1920×1200ドットでHD画質よりも高精細

・8インチサイズよりも圧倒的に見やすい

※「raytrektab DG-D08IWP」は8.0インチで「raytrektab DG-D10IWP2-R」よりも2.1インチ画面が小さい

・お絵かきに十分な動作スピード

※Pentium Silver N5000搭載と8GBメモリ搭載
※Passmark によるベンチマークスコアは「2436」(CPU)。Geekbench によるベンチマークのスコアはシングルコアで「1941」、マルチコアで「5231」

・SSDストレージやUSB Type-Cが使える

※128GB SSD搭載
※USB Type-C搭載で充電&外部出力を一本のケーブルで接続できる

・筆圧検知 4,096段階をサポート

・付属ソフトあり

※「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」がすぐに使える

・Windowsアプリが使える

※豊富なグラフィックソフトが利用できる

・携帯して持ち運べる

※重量は657g

・価格が安い

※税込 82,792円(楽天)
※ ワコム「MobileStudio Pro13」は177,652円(Amazon)

デメリット

・Adobe RGB対応でない

※カバー率が不明。 ワコム「MobileStudio Pro13」は対応している。

・ Intel Core i プロセッサを搭載していない

※Pentium Silver N5000でもグラフィックソフトは快適に使えるが、負荷がかかりすぎるとフリーズする可能性がある。

・筆圧検知 8192段階に対応していない

※最近の液晶ペンタブレットは筆圧検知 8192段階に対応しているものが多い
※ワコム「MobileStudio Pro13」は対応している

総合 評価

ドスパラ「raytrektab DG-D10IWP2-R」はお絵かき用のWindowsタブレットとして十分なスペックと機能を持っている。Pentium Silver N5000プロセッサと8GB RAM搭載で、PhotoshopやIllustratorなどのグラフィックソフトも軽快に動作。
フルHD液晶や128Gb SSDストレージやUSB Type-C端子、筆圧検知 4,096段階のデジタイザーペンも搭載し、イラスト制作に必要な性能はすべて揃えているといえるだろう。

ただし、このタブレットはワコム「MobileStudio Pro13」のようなプロフェッショナル用のWindowsタブレットではない。Adobe RGB、筆圧検知 8192段階に対応せず、パワフルなIntel Core i プロセッサも搭載していない。初級から中級レベルで趣味でお絵かきする程度ならいいが、プロとして本格的なイラスト制作を行うのであれば、やはりワコム「MobileStudio Pro13」のようなタブレットが必要になるだろう。

ドスパラ「raytrektab DG-D10IWP2-R」はあくまで趣味レベルでイラスト制作をしたいと考えている人におすすめだ。

「raytrektab DG-D10IWP2-R」の価格は?

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