「ビジネス」とは、モノやサービスを売って利益を得ること。
私たちはそう思い込んでいるが、本来「ビジネス」とは、一見価値のないように見えるモノをそれを必要としている人に提供することである。
従来の「ビジネス」においては、モノは消費され、使い終わったものは不要品として捨てられる運命にあった。
だが、その不要なモノは、実は他の誰かが必要としている可能性がある。
そのとき、その不要なモノを必要としている人へ橋渡ししてあげることで、見返りとなる利益が生じ、ビジネスが成立する。
本書で触れられているように、
自転車のシェア、家を交換する、ファッション品の交換パーティ、オフィスのシェア、部屋の短期的貸し出し、音楽スタジオの共同利用、機械工具の貸し出し、食料品やワインの協同製造など、
メッシュビジネスは大きな広がりを見せるようになっている。
モノが大量に出回るようになった現代では、モノそのものを所有することにはそれほど価値はなくなった。
本当に必要なモノだけを所有していれば、その他のものは共有(シェア)してもかまわないという風潮がメッシュビジネスの拡大に拍車をかけている。
モバイルネットワーク、GPSなどの位置検索機能、ウェブとソーシャルネットワークの普及などと融合して、メッシュビジネスは今後さらに広がりを見せてゆくことだろう。
問題はいかに価値のないものを価値あるものとして見いだし、サービスの仕組みを作り出せるか、ということにある。
そしてそのヒントは、私たちが普段の生活の中で感じる「不便さ」やちょっとした「疑問」に潜んでいる。
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