日本のAmazonで発売中のサムスン「GALAXY Tab S6」をレビュー。実機を使った動画レビューを参考にしながら、Appleの「iPad Pro」との違いを徹底的に検証していきます。

「GALAXY Tab S6」と「iPad Pro」(2018)の価格差は？

「GALAXY Tab S6」は現在 Amazonで Wi-Fi・256GB 版が104,900円、LET版が114,900円で販売されています。

一方、Appleの「iPad Pro」(2018)は 11インチ・Wi-Fi ・ 64GB ROM 版が96,973円、12.9インチ・Wi-Fi ・256GB 版が139,093円で販売されていました。

Wi-Fiモデルを基準にして11インチモデルの「iPad Pro」と比較すると、「GALAXY Tab S6」の方が約8千円 高くなります。

また、Wi-Fiモデルを基準にして12.9インチの「iPad Pro」と比較すると、約 3万4千円ほど「iPad Pro」の方が高くなります。

果たしてどのモデルが最もコスパに優れるタブレットなのでしょうか？　実機を用いた動画レビューを参考にして検証してみましょう。

「GALAXY Tab S6」と「iPad Pro」(2018)の違い

以下、実機を使った動画レビューを参考にして、「GALAXY Tab S6」と「iPad Pro」(2018)のスペック・機能の違いを検証していきます。

ディスプレイの違い

「GALAXY Tab S6」は 10.5インチ、解像度1600 x 2560ドットのSuper AMOLED液晶（287 ppi / 16:10 / 画面比率 82.5% / 有機EL）

「iPad Pro」は2種類あり

11インチ、解像度1668 x 2388ドットのIPS液晶（※265 ppi / 4.29:3 / 画面比率 82.9%）

12.9インチ、解像度2048 x 2732のIPS液晶（※265 ppi / 4:3 / 画面比率 85.4%）

スペック上では解像度はほぼ互角で、ピクセル密度、画面比率もそれほど大きな差はないようです。大きな違いは「サイズ」で、「iPad Pro」の12.9インチを選択した場合、「GALAXY Tab S6」よりも2.4インチも大きくなります。また、「GALAXY Tab S6」が16:10の有機EL液晶で、「iPad Pro」が4:3のIPS液晶であるという違いもあります。

実際に実機を使った動画レビューを見てみると、やはり、「iPad Pro」の12.9インチ版は大きく、相当なインパクトがあります。Webサイトを見ると、デスクトップPCとほとんど変わらないように表示されていることが分かります。

ただし、11インチの「iPad Pro」は「GALAXY Tab S6」とそれほど大きな違いがないように見えます。アスペクト比4:3なので電子書籍などは見えやすいかもしれませんが、Webサイズの閲覧やゲームプレイではほぼ同じ見え方です。

画質に関してはやはり有機EL液晶を使った「GALAXY Tab S6」の方が一歩リードしているように見えます。「iPad Pro」の方はベゼル幅が狭いので、より画面が広く見えるようです。

プロセッサの違い

「GALAXY Tab S6」は Qualcomm SDM855 Snapdragon 855 Octa-core 1×2.84 GHz & 3×2.42 GHz & 4×1.78 GHz

「iPad Pro」は Apple A12X Bionic  Octa-core (4×2.5 GHz Vortex + 4×1.6 GHz Tempest)

メモリの違い

「GALAXY Tab S6」は 6GB or 8GB

「iPad Pro」は 4GB or 6GB

ベンチマークの違い

「GALAXY Tab S6」のAnTuTuアプリによるベンチマークスコアは、総合で「365309」、CPUで「114742」、GPUで「158177」、UXで「77650」、MEMで「14740」。

「iPad Pro」はのAnTuTuアプリによるベンチマークスコアは、総合で「563184」、CPUで「161990」、GPUで「322262」、UXで「66609」、MEMで「12323」。

「GALAXY Tab S6」は Snapdragon 855 を搭載し、AnTuTuアプリによるベンチマークスコアは、総合で「365309」。「iPad Pro」は Apple A12X Bionicを搭載し、AnTuTuアプリによるベンチマークスコアは、総合で「563184」となっています。両機種のベンチマークスコアの差は約、2万となっており、「iPad Pro」の方がかなり高速に動作することが分かります。

ただし、「GALAXY Tab S6」の36万台というベンチマークスコアも驚異的で、かなり高速に動作することに変わりはありません。実際に動画レビューを見てみると、FPSシューティングゲームや3Dカーレースゲーム、RPGゲームなどあらゆるゲームアプリが遅延することなく、超高速に動作することがわかります。「GALAXY Tab S6」の8GB メモリ版は「iPad Pro」の6GBメモリ版よりも2GB分メモリ容量が多くなるため、ゲーム用途には最適であるといえます。

バッテリーの違い

「GALAXY Tab S6」は 7040 mAh  駆動時間は最大15時間 15Wの急速充電に対応

「iPad Pro」は 7812 mAh  駆動時間は 最大約10時間 急速充電に非対応

ストレージの違い

「GALAXY Tab S6」は 128GB or 256GB

「iPad Pro」は 64GB / 256GB / 512GB / 1TB

カメラ性能の違い

「GALAXY Tab S6」は背面1300万画素+500万画素、前面800万画素

「iPad Pro」は 背面1200万画素、前面700万画素

「GALAXY Tab S6」はデュアルカメラで、視野123度のウルトラワイドカメラ (F2.2)と視野80度のワイドカメラ (F2.0)が使えるようになっています。また、機械学習を用いた画像処理で写真を美しく仕上げることもできるようになっています。

機能の違い

「GALAXY Tab S6」はディスプレイ内指紋認証、Sペンの機能（手書入力、リモート操作、ジェスチャー機能）、Samsung Dexなど

「iPad Pro」は顔認証

「GALAXY Tab S6」にはBluetooth LE (BLE)接続の「S Pen」が付属しており、新たに加わったさまざまな機能が利用できるようになっています。具体的にはリモコンとして、離れた場所からセルフィー撮影したり、メディアプレーヤーを操作したりすることができます。「Airアクション」と名付けられたジェスチャー機能も使えます。

また、手書き入力アプリ「Samsung Notes」上では、Sペンを使って手書きでテキストを入力することで、自動的にデジタルテキストへ変換し、Word、PDFに出力することも可能です。透明度を調整して、他のアプリを見ながらメモを取ることもできるので非常に便利です。

そのほか、GalaxyシリーズをPCのように使えるようにする「Samsung DeX」に対応し、キーボード兼カバーの「BookCover Keyboard」のDeXキーで タブレット状態とDeX（PCデスクトップ環境）を簡単に切り替えることもできます。

「iPad Pro」に関しては顔認証の他に目立った機能はありませんでした。新しいApple Pencil（磁石でiPad Proに装着・充電）が使えたり、新しいスマートキーボードが使えたり、デザインが変更されたりしますが、どれも劇的に変化したとは言えず、ただスペックが向上しただけのように見えてしまいます。

サイズ・重さ・デザインの違い

「GALAXY Tab S6」はサイズ 244.5 x 159.5 x 5.7 mm、重量 420 g

「iPad Pro」は2種類あり

（11インチ） 247.6 x 178.5 x 5.9 mm　重量 468 g、

（12.9インチ） 280.6 x 214.9 x 5.9 mm　重量 631 g (Wi-Fi), 633 g (LTE)

「GALAXY Tab S6」と11インチ版の「iPad Pro」は縦の長さがほぼ同じになりますが、横幅は大きくことなっており、「GALAXY Tab S6」の方が細長い形状になっています。また、「GALAXY Tab S6」の背面にはSペンをマグネットで固定する際に使う細長い溝穴があります。

背面の左上にあるカメラはデュアル仕様で2つあるのに対し、「iPad Pro」ではシングル仕様の1つしかないという違いもあります。厚さは「GALAXY Tab S6」が5.7 mmで、「iPad Pro」が5.9 mmとほぼ同じになっています。

重さに関しては「GALAXY Tab S6」よりも「iPad Pro」の方が重くなります。11インチ版は「GALAXY Tab S6」よりも48g重く、12.9インチ版では 約 211g ほど重くなります。

通信性能・インターフェースは同じ

「GALAXY Tab S6」と「iPad Pro」には共通するスペックもあり、通信性能（Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.0、GPS）・インターフェース（USB Type-C）は同じになります。

「GALAXY Tab S6」と「iPad Pro」(2018) どちらを買うべきか？

「GALAXY Tab S6」 スペック・特徴・Galaxy Tab S5e との違い

「GALAXY Tab S6」と「iPad Pro」(2018) の大きな違いは、「ディスプレイ」・「プロセッサ」（動作スピード）・「機能」です。

「ディスプレイ」に関しては12.9インチ版を用意している「iPad Pro」(2018) が圧倒的に有利で、10.5インチの「GALAXY Tab S6」はやや不利になります。だたし、11インチ版の「iPad Pro」(2018) と比べた場合は、有機ELを採用している「GALAXY Tab S6」の方がより色鮮やかで美しく見えました。11インチ版の「iPad Pro」(2018) と「GALAXY Tab S6」は、サイズが似ており、画質を除いて大きな差はないように見えます。

「プロセッサ」（動作スピード）に関しても「iPad Pro」(2018) が圧倒的に有利です。ベンチマークスコア 56万という驚異的な性能で、まさにデスクトップPCに近い使い方ができそうです。ただし、「GALAXY Tab S6」のベンチマークスコア 36万という記録も非常に高速に動作することを表しており、Androidタブレットでも最上位になる動作スピードを発揮することは間違いありません。

「機能」面では「GALAXY Tab S6」が圧倒的に有利になります。Bluetooth LE (BLE)接続のS Penの機能は強力で、リモコン機能やジェスチャー機能など便利な機能が加わっています。手書き入力アプリ「Samsung Notes」と組み合わせることで、さらに手書き入力が便利になるため、さまざまなシーンで活用できそうです。

また、Samsung DeXに対応し、デスクトップPCのように使用できるのも大きなメリットです。「iPad Pro」(2018) でもノートPCのように使うことができますが、Samsung DeXのようにドッキングステーションを利用してUSB機器などを使うことはできません。

（結論）

「ディスプレイ」・「プロセッサ」（動作スピード）を重視するなら、「iPad Pro」(2018) がおすすめ。「機能」やSペンの手書き入力を重視するなら、「GALAXY Tab S6」をおすすめします。

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参考資料「iPad Pro」(2018) スペック 一覧

• ディスプレイ
  11インチ、解像度1668 x 2388ドットのIPS液晶（※265 ppi / 4.29:3 / 画面比率 82.9%）
  12.9インチ、解像度2048 x 2732のIPS液晶（※265 ppi / 4:3 / 画面比率 85.4%）
• プロセッサ Apple A12X Bionic　Octa-core (4×2.5 GHz Vortex + 4×1.6 GHz Tempest)
• GPU Apple GPU (7-core graphics)
• RAM 4GB / 6GB
• ストレージ容量 64GB / 256GB / 512GB / 1TB
• バッテリー 7812 mAh
• カメラ 背面1200万画素、前面700万画素
• 通信 Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.0、GPS(A-GPS,GLONASS, BDS, GALILEO)
• インターフェース USB Type-C (USB 3.1, Gen 1)
• 搭載センサー 顔認証、加速度計、ジャイロ、近接、気圧計 Siri自然言語コマンドとディクテーション
• OS iOS 12（ iOS 12.4 にアップグレードが可能）
  ※専用キーボードカバーSmart Keyboard Folio （オプション）あり
  ※Apple Pencil で手書き入力が可能
• サイズ ・重量
  （11インチ） 247.6 x 178.5 x 5.9 mm　重量 468 g
  （12.9インチ） 280.6 x 214.9 x 5.9 mm　重量 631 g (Wi-Fi), 633 g (LTE)