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GEEKOM A7 MAX 徹底レビュー!A8 2025との違いと欠点を評価

2025年12月15日に発売された「GEEKOM A7 MAX」。PCの価格が高騰する中、パワフルなAMD Ryzen 9 7940HSプロセッサを搭載したコスパの高いミニPCとして注目を集めています。

しかも、AppleのMac miniと匹敵するほどの美しいボディを採用。優れた拡張性を持ちながら、高いグラフィック性能で『モンハン』もプレイできるなど魅力が満載です。

そこで今回のレビューでは、今話題のGEEKOM A7 MAXがどれほどの性能を持っているのか、また、似た性能を持つ「GEEKOM A8」(2025)とどのように違っているのか、その実力と使い勝手を徹底比較・検証しました。

GEEKOM A7 MAX 実機が箱に入っている。

先に結論からお伝えしましょう

GEEKOM A7 MAXの長所(Pros):

  • パワフルなRyzen 9 7940HSプロセッサとAIに強いNPUを搭載
  • CNCアルミニウム一体成型の美しい金属筐体
  • USB4ポートと2.5G LANを各2基搭載した優れた拡張性
  • 「モンハン」や「原神」も遊べる高いグラフィック性能

GEEKOM A7 MAXの短所(Cons):

  • 高負荷時のファンノイズが少し気になる
  • 内部ストレージの増設ができず換装のみ対応
  • OCuLinkポート非搭載でHDMIは2.0規格
  • TDP制限がありデスクトップ級のパワーではない

総合評価:

GEEKOM A7 MAXは、手のひらサイズの筐体にRyzen 9のパワーとNPUによるAI性能を凝縮したプレミアムなミニPCです。動画編集から「モンハン」などのゲームまでこなす高いグラフィック性能を備えつつ、USB4ポートやLANポートなど拡張性にも優れています。

ストレージ増設ができないこと、OCuLinkポートが搭載されていないことなどデメリットはありますが、それらを補って余りある魅力を秘めている一台です。高級感のある美しい金属ボディで、将来のAI時代に備えたいと考えているユーザーにおすすめします。

この記事でわかること

  1. デザイン:CNCアルミニウムユニボディ、サイズ、重量、質感、指紋、VESAマウント
  2. 接続ポート:USB4 (Type-C)×2、前面USB-A×4、デュアル2.5GbE LAN、HDMI 2.0、SDカードスロット
  3. ベンチマーク:AMD Ryzen 9 7940HS、Radeon 780M、Passmark、Cinebench、Geekbench、PC Mark、3D Mark、CPU性能比較(ランキング)、グラフィック性能
  4. ゲーム性能:FF14のベンチマーク結果、『モンスターハンターワイルズ』『原神』、実測フレームレート(FPS)、解像度設定
  5. 冷却・排熱:IceBlast 2.0冷却システム、ファンノイズ、静音性、筐体の発熱、サーマルスロットリング
  6. メモリ・ストレージ:容量、規格、SSD換装(増設不可)、分解の手順、メモリの増設方法
  7. 通信性能:デュアル2.5G LANポート、Wi-Fi 6E (MT7922)、Bluetooth 5.2、NAS運用、Wi-Fiモジュール交換
  8. ソフトウェアと設定:Windows 11 Pro、ライセンス、クリーンなOS、Ryzen AI (NPU)の性能、最大10 TOPS、AI機能・Copilotの動作感、BIOSの起動方法と設定、TDP変更 (54W)
  9. メリット・デメリット:NPUの有無、USB4の数、OCuLink非搭載、ストレージの増設不可
  10. 比較GEEKOM A8 (2025)、GEEKOM A6Minisforum X1 LiteMac mini M4、違い
  11. スペック:仕様詳細
  12. 評価:5段階評価、総評、最適なユーザー
  13. 価格:購入先、GEEKOM公式、セール、Amazon、楽天、安く買う方法、クーポン、最安値

この記事を最後まで読むことで、「GEEKOM A7 MAX」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

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公式ページ:GEEKOM NUC A7 MAXミニPC|Ryzen 9 7940HS搭載|高コスパ・高い拡張性・省スペース

デザインと接続ポート:GEEKOM A7 MAXの筐体美とA8を凌ぐ拡張性

GEEKOM A7 MAX 実機を両手で持ち上げている。天面が見える。

ここでは、GEEKOM A7 MAXの外観デザイン、サイズ感、そして日々の使い勝手を大きく左右するインターフェース(接続ポート)について、比較対象の「GEEKOM A8 2025」との違いを交えながら詳しく解説していきます。

高品質なアルミニウムユニボディの質感

箱から取り出してまず驚かされたのは、その筐体の美しさです。筐体全体がつや消しのシルバーで統一されたアルミニウム合金で作られており、プラスチック特有の安っぽさは微塵も感じません。天面と側面が一体となった継ぎ目のないユニボディデザインは非常に洗練されています。表面はサンドブラスト加工が施されており、さらさらとした手触りで指紋が目立ちにくいのも実用的だと感じました。デスクの上に置くだけで、作業環境のグレードが一段上がったような満足感を得られます。

サイズと重量:A8と比較して見えたメリット

GEEKOM A7 MAX 実機の側面。ケンジントンロックが見えている。

本体サイズは幅135mm × 奥行き132mm × 高さ46.9mm、重量は約671g(実測値)です。比較対象の「GEEKOM A8」が112.4mm角の超コンパクトサイズ(約0.47L)であるのに比べると、A7 MAXは一回り大きく設計されています。

実際にA8と並べてみると確かにA7 MAXの方が設置面積をとりますが、それでも一般的なデスクトップPCに比べれば圧倒的に省スペースです。むしろ、このわずかなサイズアップが、後述するポート数の充実や排熱性能の余裕に直結していると感じました。カラーは落ち着いたシルバー調で、木目調のデスクにもモノトーンのデスクにも自然に溶け込みます。

圧倒的に便利な前面ポートと充実のインターフェース

GEEKOM A7 MAX 実機 前面にある4つのUSB 3.2 Gen 2 Type-Aポート

私がA7 MAXを使っていて最も感動したのは、前面ポートの利便性です。前面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-Aポートがなんと4つも配置されています。これは「GEEKOM A8」が前面にUSBポートを2つしか備えていない点と比べると、決定的な違いです。

実際に作業をする際、マウスとキーボードのドングルを接続し、さらにUSBメモリでデータを読み込み、スマホを充電ケーブルにつなぐといったシチュエーションが多々あります。A8ではポートが足りずに背面に回る必要がありましたが、A7 MAXならすべて前面だけで完結します。特に左端のポートは電源オフ時の給電にも対応しており、PCをシャットダウンした状態でスマホを充電できるのが地味ながら非常に便利でした。また、左側面にはSDカードスロットを備えており、カメラで撮影したデータの取り込みもスムーズに行えます。

GEEKOM A7 MAXの背面にあるポート類

背面には、HDMI 2.0ポートが2つ、USB 3.2 Gen 2 Type-AUSB 2.0 Type-A、そして。すべきは2.5GbEの有線LANポート2つ搭載されている点です。A8はLANポートが1つですので、デュアルLAN環境でネットワークを分離したいユーザーや、ホームサーバー(NAS)的な運用を考えている方にとっては、A7 MAXの拡張性は非常に魅力的です。

USB4と4画面出力による強力なデスク環境

背面に搭載された2つのUSB Type-Cポートは、どちらも最大40Gbpsの転送速度を誇る「USB4」規格に対応しています。A8の場合、片方はUSB4ですが、もう片方はUSB 3.2 Gen 2 Type-Cとなっているため、両方のポートで最高スペックを使えるA7 MAXの方が将来性も含めて有利です。

GEEKOM A7 MAXの4画面モニター出力

この2つのUSB4ポートと2つのHDMIポートをすべて使えば、最大4台のモニターへの同時出力が可能です。実際に私もトリプルディスプレイ環境を試してみましたが、USB-Cケーブル1本でモバイルモニターへの映像出力と給電を行えるため、配線が非常にスッキリしました。また、USB4ポートは外付けGPU(eGPU)の接続にも対応できる帯域を持っているため、将来的にグラフィック性能を強化したい場合にも選択肢が残されています。

VESAマウントと付属品

付属品には、HDMIケーブル、ユーザーガイドの他に、専用のVESAマウント金具が含まれています。これを使えばモニターの背面に本体を固定できるため、実質的にデスク上のPC設置スペースをゼロにすることも可能です。電源アダプタは120W出力のものが付属しますが、比較的小型で場所を取りすぎない点も好印象でした。内部へのアクセスは底面のゴム足を剥がしてネジを外す必要がありますが、メモリやSSDの換装・増設が可能な構造になっています。

まとめ:デザインと接続ポート

  • 質感:継ぎ目のないアルミユニボディで、A8同様に非常に高級感がある
  • サイズ:A8(112mm角)より一回り大きい135mm角だが、その分拡張性が高い
  • 前面ポート:USB Type-A×4という構成が圧倒的に便利(A8は前面×2)
  • 背面ポート:2.5GbE LAN×2のデュアルLAN構成はA7 MAXだけの特権(A8は×1)
  • USB4:背面のType-Cは2ポートともUSB4対応で、A8(USB4×1)より高性能
  • 拡張性:SDカードスロット搭載でクリエイティブ用途にも即座に対応可能

ベンチマーク

GEEKOM A7 MAXの3D Markベンチマーク測定画面

GEEKOM A7 MAXは、プロセッサーに「AMD Ryzen™ 9 7940HS」を搭載しています。これはTSMC 4nmプロセスで製造されたZen 4アーキテクチャを採用した8コア16スレッドの高性能モバイルCPUで、最大ブーストクロックは5.2GHzに達します。グラフィックスには「AMD Radeon™ 780M」を内蔵しており、RDNA 3アーキテクチャに基づいたこのiGPUは、従来の統合グラフィックスと比較してもトップクラスの性能を持ち、軽量なゲームやクリエイティブ作業にも対応できる実力を備えています。

ベンチマーク結果は以下のようになっています。

GEEKOM A7 MAXのCPUのベンチマーク結果。グラフ、AMD Ryzen9 7940HS

CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen9 7940HS

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「29951」
  • Geekbench 6のシングルコア「2645」、マルチコア「10177」
  • Cinebench R23 シングルコア「1810」、マルチコア「15920」
  • Cinebench 2024 シングルコア「108」、マルチコア「950」
  • PCMark 10 スコア「7470」(よく利用されるアプリの使用感を計測)

GEEKOM A7 MAXのGPUのベンチマーク結果。グラフ、AMD Radeon 780Mグラフィックスコア

GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 780Mグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「4830」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「4830」
  • Time Spy グラフィックスコアで「1860」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「19110」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「16500」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

CPU性能を比較

GEEKOM A7 MAXが搭載するAMD Ryzen9 7940HSのCPU性能をPassmark(CPUマルチコアスコア)で比較してみました。

GEEKOM A7 MAXのグラフ。CPU性能をPassmarkで比較

CPUランキング

  1. Core Ultra 9 285H(GEEKOM IT15)・・・Passmark:57464
  2. AMD Ryzen AI 9 HX 370(GEEKOM A9 MAX)・・・Passmark:35094
  3. Ryzen9 7940HS(GEEKOM A7 MAX)・・・Passmark:29951
  4. Core Ultra 9 185H(GEEKOM GT1 Mega)・・・Passmark:29317
  5. Ryzen 7 8745HS (GEEKOM A8 2025)・・・Passmark:29010
  6. Core i9-13900HK(GEEKOM GT13 Pro 2025)・・・Passmark:26969
  7. AMD Ryzen 6800(GEEKOM A6)・・・Passmark:22893
  8. Ryzen 5 7430U(GEEKOM A5 2025)・・・Passmark:15969

CPU性能の比較から分かること

このランキングから、GEEKOM A7 MAXに搭載されているRyzen 9 7940HSは、全体の中で上位グループに位置する高い処理能力を持っていることがわかります。最新のフラッグシップモデルである「Core Ultra 9 285H」や「Ryzen AI 9」には及びませんが、インテルのハイエンドCPU「Core Ultra 9 185H」や「Core i9-13900HK」を上回るスコア(29951)を記録しており、非常に高性能です。また、比較対象となる「GEEKOM A8 2025(Ryzen 7 8745HS)」に対しても優位性を保っており、コストと性能のバランスに優れたハイエンド寄りのモデルであることが読み取れます。

GEEKOM A8 2025と比較

GEEKOM A7 MAXとGEEKOM A8 2025のベンチマークを比較

GEEKOM A8 2025は、CPUに「AMD Ryzen™ 7 8745HS」を搭載しています。これはZen 4アーキテクチャ(Hawk Point)を採用した8コア16スレッドのプロセッサーですが、最大の特徴は「NPU(AI処理専用プロセッサ)が搭載されていない点にあり、AI機能を省くことでコストパフォーマンスを高めたモデルとなっています。GPUにはA7 MAXと同じく「AMD Radeon™ 780M」を搭載しています。

ベンチマーク結果は以下のようになっています。

CPUのベンチマーク結果・Ryzen 7 8745HS

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「29010」
  • Geekbench 6のシングルコア「2720」、マルチコア「13390」
  • Cinebench R23 シングルコア「1700」、マルチコア「14060」
  • Cinebench 2024 シングルコア「100」、マルチコア「755」
  • PCMark 10 スコア「6730」(よく利用されるアプリの使用感を計測)

GPUのベンチマーク結果・AMD Radeon 780Mグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「4705」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「2560」
  • Time Spy グラフィックスコアで「1960」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「26850」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「16420」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

ベンチマークの比較からわかること

両機種のベンチマーク結果を比較すると、CPUの純粋なマルチコア性能を示す「Cinebench R23」では、A7 MAXが「15920」、A8が「14060」となり、A7 MAXの方が約13%高いスコアを記録しています。これはRyzen 9とRyzen 7というグレードの違いによる基本性能の差が現れており、動画の書き出しやレンダリング処理などの重い作業ではA7 MAXが有利であることを示しています。

一方で、3Dグラフィックス性能を示す「Time Spy」の結果を見ると、A7 MAXが「1860」であるのに対し、A8は「1960」と、A8の方がわずかに高いスコアを出しています。同じRadeon 780Mを搭載していながら下位モデルのA8が上回っているのは、メモリ構成の違いが影響していると考えられます。A7 MAXはメモリがシングルチャンネル(1枚挿し)であるため帯域幅がボトルネックになりやすく、デュアルチャンネル構成のA8の方が内蔵GPUの性能をより引き出せている結果と言えます。

ゲーム性能と排熱:GEEKOM A7 MAXの真価と冷却への余裕

GEEKOM A7 MAXでモンハンワイルズをプレイしている。

ここでは、GEEKOM A7 MAXのゲーミングパフォーマンスと、それを支える冷却システム「IceBlast 2.0」の実力について、実際のゲームプレイを通じて検証していきます。

意外な結果となったFF14ベンチマーク

まずは定番のベンチマークソフト「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」を使用し、グラフィック性能を数値化してみました。測定結果は以下の通りです。

  • 最高品質 (FHD):2,020(設定変更を推奨)
  • 高品質 (ノートPC FHD):3,220(設定変更を推奨)
  • 標準品質 (ノートPC FHD):3,280(設定変更を推奨)

正直なところ、Radeon 780Mを搭載したRyzen 9 7940HSとしてはかなり控えめなスコアが出ました。通常、このクラスのiGPUであれば標準品質で「快適」判定が出てもおかしくありません。この原因は、A7 MAXの初期構成が「メモリ16GB×1枚のシングルチャンネル」である点に尽きます。

内蔵GPUはメモリ帯域の影響をダイレクトに受けるため、デュアルチャンネル(2枚挿し)を採用している比較対象の「GEEKOM A8 2025」と比べると、グラフィック性能においては明確に不利な結果となりました。ゲームを本気で楽しむなら、購入後にメモリをもう1枚追加してデュアルチャンネル化することを強くおすすめします。

実際のゲームプレイ検証:数値以上の快適さ

ベンチマークでは厳しい結果が出ましたが、実際のゲームプレイではRyzen 9の底力を感じることができました。

モンスターハンターワイルズ

最新の重量級タイトルである本作で、広大なフィールドに降り立ってみました。Time Spyスコア1860という数値を考慮し、解像度1920×1080(フルHD)の「低」設定をベースに、AMD FSR(アップスケーリング)を併用して狩猟を開始。結果として、30~45FPSでのプレイが可能でした。

拠点内やモンスターのいない平原を移動する際は40FPS前後で安定しており、景色を楽しむ余裕があります。しかし、巨大なモンスターと対峙し、激しい攻撃が飛び交う戦闘シーンや、天候が急変してエフェクトが画面を覆う場面では30FPS付近まで低下し、少し重さを感じました。そこで解像度を1280×720まで落としてみたところ、45~60FPSに近い環境となり、ハンティングアクションに求められる俊敏な操作にも十分ついてこられるようになりました。最新ゲームエンジンの高負荷を、CPUパワーでねじ伏せている印象です。

原神

GEEKOM A7 MAXで原神をプレイしている

打って変わって、アニメ調のグラフィックが美しい「原神」では、非常に快適な体験が得られました。フルHDの「最高」画質設定でも45~55FPSを維持。設定を「中」から「高」へ調整すると、常時60FPSに張り付くような滑らかな映像美が実現しました。

広大なテイワット大陸をダッシュで駆け抜け、視点を素早く回転させてもカクつきは皆無。特に戦闘シーンにおいて、4人のキャラクターを次々と切り替えながら元素爆発を連発するような派手なエフェクトが重なる瞬間でも、Ryzen 9 7940HSの高いシングルコア性能が効いているのか、フレームレートの落ち込みは最小限でした。都市部のオブジェクトが密集するエリアでも安定しており、長時間の冒険もストレスフリーで楽しめました。

プレイ中の排熱と静音性:Ryzen 9の熱を制御できているか

GEEKOM A7 MAX 実機の天面と前面

ゲーム検証中、あわせて冷却システム「IceBlast 2.0」が機能しているかも確認しました。結論から言うと、長時間「モンスターハンターワイルズ」をプレイし続けても、熱による急激なフレームレート低下(サーマルスロットリング)は発生しませんでした。高さ37mmという極薄ボディですが、高負荷時にはファンがしっかりと回転し、Ryzen 9のパフォーマンスを維持し続けてくれます。ただし、アルミ筐体全体が放熱板の役割を果たすため、プレイ後の天面は手で触れてはっきり分かるほど温かくなります。これは熱が内部にこもらず、正常に排出されている証拠です。

一方で、静音性については割り切りが必要です。Webブラウジング中は無音に近いですが、ゲームプレイ中は冷却ファンが勢いよく回り、「サーッ」という風切り音が明確に聞こえます。先述のメリットで冷却システムを評価しましたが、それは「このサイズで熱暴走させない」という意味においてであり、決して「無音」ではありません。没入感を削がれないよう、ゲーム中はスピーカーの音量を上げるか、ヘッドセットの使用が推奨されるレベルです。

まとめ:ゲーム性能と排熱

  • ベンチマーク:初期のシングルチャンネルメモリ構成がボトルネックとなり、FF14等のスコアは伸び悩む
  • 実ゲーム性能(モンハン):重量級タイトルでも設定と解像度を調整(720pなど)すれば45-60FPSで遊べるポテンシャルがある
  • 実ゲーム性能(原神):中〜高設定であれば60FPSで安定し、Ryzen 9のCPU性能を活かして非常に快適に動作する
  • 冷却システム:厚さ37mmの薄型ボディだが、IceBlast 2.0により熱暴走(サーマルスロットリング)を防ぎ、パフォーマンスを維持できる
  • 静音性:高負荷時はファンの風切り音がはっきりと聞こえるため、没入感を高めるならヘッドセット推奨

メモリとストレージ:GEEKOM A7 MAXの拡張性とシングルチャンネルの功罪

GEEKOM A7 MAXの内部が見えている。

ここでは、GEEKOM A7 MAXのパフォーマンスを支えるメモリとストレージの構成、そしてユーザー自身によるアップグレードの可能性について、比較対象の「GEEKOM A8 2025」との決定的な違いを交えながら詳細にレビューしていきます。

構成オプションと両機種の違い

GEEKOM A7 MAXは、日本国内において主に「16GBメモリ + 1TB SSD」という構成で販売されています。最大で64GBのメモリ、2TBのストレージまでサポートする拡張性を持っています。

これに対し、比較対象の「GEEKOM A8 2025(Ryzen 7 8745HS搭載)」は、コストパフォーマンスを重視したモデルでありながら、販売モデルによっては最初からデュアルチャンネル(16GB×2など)のメモリ構成が採用されている場合があります。A7 MAXを購入検討する際は、この初期構成の違い(16GB×1枚か、16GB×2枚か)が、特にグラフィック性能に影響を与える点に留意する必要があります。

メモリ:DDR5-5600MHzの高速規格を採用

GEEKOM A7 MAX 実機 内部にあるメモリ

搭載されているメモリは、最新規格の「DDR5-5600MHz SO-DIMM」です。この「5600」という数字は伊達ではありません。

具体的に言うと、「DDR5-5600」の5600は「5600MT/s(Mega Transfers per second)」を意味しており、これは1秒間に56億回ものデータ転送が可能であることを示しています。この規格は「PC5-44800」とも呼ばれ、理論上の最大データ転送速度は毎秒44.8GB(44.8GB/s)という驚異的な実効帯域幅を誇ります。

実際にOfficeソフトの起動やウェブブラウジングを行ってみましたが、この高速な転送速度のおかげで、シングルチャンネル構成であっても動作は非常に軽快です。アプリの立ち上げや切り替えで待たされることはなく、一般的な事務作業においては全くストレスを感じませんでした。

GEEKOM A7 MAXでクリエイティブな作業をしている

さらに、クリエイティブ用途として「DaVinci Resolve」や「CapCut」を用いた動画編集も試してみました。Ryzen 9の処理能力と爆速SSDの恩恵は大きく、フルHD画質のプロジェクトであれば、複数のトラックを重ねてもプレビューがカクつくことはありません。4K動画のカット編集やテロップ入れといった作業もスムーズに行え、タイムラインのスクラブ(再生位置の移動)も非常に軽快でした。書き出し速度も十分に速く、YouTubeへの投稿動画を作成するレベルなら、メイン機としてバリバリ活躍してくれます。

ストレージ:読み込み7000MB/s超えの爆速SSD

ストレージには、M.2 2280規格のPCIe Gen4x4 NVMe SSD1TB搭載されています。定番のベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で実測したところ、読み込み速度(Read)は驚異の7070.23 MB/s書き込み速度(Write)も6115.09 MB/sを記録しました。これはPCIe Gen4 SSDのほぼ理論値上限に迫る数値であり、OSの起動は一瞬、大容量のゲームデータのロードもストレスフリーです。A8も同様に高速なSSDを搭載していますが、A7 MAXのこの速度はハイエンドデスクトップPCと全く遜色がありません。

GEEKOM A7 MAX 実機 内部にあるストレージ

分解の手順

ここからは、ユーザー自身によるアップグレード(メモリ増設とSSD換装)について解説します。内部へのアクセス手順はシンプルですが、細心の注意が必要です。まず、底面の四隅にあるゴム足を剥がし、その下に隠れているネジをドライバーで外すことで底面カバーが開きます。

注意点:カバーを開ける際、勢いよく持ち上げてはいけません。Wi-Fiモジュールのアンテナケーブルがカバーと本体を繋いでいるため、無理に開けると断線する恐れがあります。

メモリ・ストレージの増設方法

メモリの増設 内部を確認すると、2つあるメモリスロットのうち1つが空いているのが分かります。ここに同じ規格(DDR5-5600)の16GBメモリをもう1枚追加するだけで、簡単に32GBの「デュアルチャンネル」環境を構築できます。A8のように既存のメモリを無駄にすることなく、安価に性能を倍増させることができる点は、A7 MAXの大きなメリットです。

ストレージの換装 ストレージに関しては、M.2スロットは1つのみとなります。そのため、空きスロットへの「増設」はできず、既存のSSDを取り外して新しいものに入れ替える「換装」のみの対応となります。最大2TBまでの容量アップグレードに対応していますが、最初から1TBという大容量かつ超高速なSSDが搭載されているため、当面の間は容量不足や速度不足を感じることはないでしょう。

まとめ:メモリとストレージ

  • 販売構成:16GB RAM + 1TB SSDの構成が主流で、最大64GB/2TBまで対応
  • メモリ規格:DDR5-5600MHz SODIMMを採用し、初期は16GB×1のシングルチャンネル
  • ストレージ速度:読み込み約7070MB/sの実測値を記録し、非常に高速
  • 分解時の注意:底面開封時にWi-Fiアンテナケーブルを切断しないよう慎重な作業が必要
  • 増設:メモリは追加するだけで容易にデュアルチャンネル化が可能。SSDは増設不可で換装のみ対応

通信性能:GEEKOM A7 MAXが誇るデュアルLANと安定したワイヤレス環境

GEEKOM A7 MAX 実機の背面にあるLANポート

GEEKOM A7 MAXは、そのコンパクトな筐体に似合わず、ワークステーション並みの強力な通信機能を備えています。ここでは、比較対象のA8を凌駕する有線LANの仕様や、最新のワイヤレス規格の使用感についてレビューします。

A8にはない強み:デュアル2.5G LANポートの衝撃

本機の通信性能において、最も。すべきメリットは背面に搭載された「2つの2.5GbE LANポート」です。比較対象の「GEEKOM A8 2025」が2.5GbEポートを1つしか搭載していないのに対し、A7 MAXは2つのポートを標準装備しています。

実際に私はこのデュアルLANを活用し、一方をインターネット回線へ、もう一方をローカルのNAS(ネットワーク接続ストレージ)に直結して運用してみました。2.5Gイーサネットの恩恵は絶大で、大容量の動画ファイルをNASへ転送する際も、一般的な1Gbps接続とは次元の違うスピードを体感できます。ネットワークトラフィックを分離できるため、オンラインゲーム中に裏で重いデータのバックアップが走っても、Ping値への影響を最小限に抑えられました。自宅でサーバー構築や高度なネットワーク管理を行いたいユーザーにとって、このポート数の差は決定的な選定理由になります。

Wi-Fi 6E:高速通信とモジュールの換装可能性

GEEKOM A7 MAX 内部にあるWi-Fiモジュール

ワイヤレス通信には、最新の「Wi-Fi 6E」が採用されており、混雑の少ない6GHz帯を利用可能です。搭載されているチップはMediaTek製の「MT7922」で、実際に4K動画のストリーミング再生を行ってもバッファリングで止まることは一度もありませんでした。

注目すべき点は、このWi-Fiモジュールが「M.2 2230」規格のスロットに装着されており、ユーザー自身で交換が可能であることです。将来的にWi-Fi 7対応モジュールなどが普及した際や、好みのメーカー製カード(Intel製など)に換装したい場合でも、底面を開けて手軽にアップグレードできる設計は、長く使い続ける上で非常に心強い要素です。ただし、アンテナケーブルは繊細なので、交換時の取り扱いには注意が必要です。

Bluetooth 5.2:多重接続でも途切れない安定性

Bluetoothはバージョン5.2に対応しています。デスク周りをすっきりさせるため、ワイヤレスマウス、キーボード、そしてノイズキャンセリングヘッドホンの3台を同時に接続して使用してみました。

これだけの周辺機器を同時に繋いでも干渉や遅延を感じることはなく、非常に安定した接続を維持してくれます。特にビデオ会議中にヘッドセットの音声が途切れるといったトラブルもなく、ビジネス用途でも安心して使える信頼性の高さを実感しました。

まとめ:通信性能

  • 有線LAN:2.5GbEポートを2基搭載しており、A8(1基)に比べてネットワーク構築の柔軟性が圧倒的に高い
  • 速度と安定性:デュアルLANによるネットワーク分離が可能で、大容量転送やオンラインゲームが快適
  • Wi-Fi規格:Wi-Fi 6Eに対応し、MediaTek MT7922チップによる高速で低遅延な通信を実現
  • メンテナンス性:Wi-FiモジュールはM.2 2230規格で、将来的な換装やアップグレードが可能
  • Bluetooth:バージョン5.2に対応し、複数の周辺機器を同時接続しても途切れず安定している

ソフトウェアと設定:GEEKOM A7 MAXはNPU搭載でAI機能も万全

GEEKOM A7 MAXのOS画面、Windows 11

GEEKOM A7 MAXのシステム内部は、余計な装飾を削ぎ落とした実用主義で構成されています。電源を入れてすぐに作業へ没頭できる環境と、自分好みに追い込める設定項目について、実際に触って確かめた内容を詳細にレポートします。

クリーンなWindows 11 Pro環境

電源を投入して初期設定を終えると、非常にすっきりとしたデスクトップ画面が現れました。搭載されているOSは「Windows 11 Pro」です。注目したいのは、その中身が極めてクリーンであることです。大手メーカー製のPCによくある、体験版のセキュリティソフトや使わないゲームなどの「ブロートウェア(不要なソフト)」が一切入っていません。

実際に使い始めてすぐに、アプリの削除作業に時間を取られることなく、必要なソフトのインストールに取り掛かれたのは非常に快適でした。ライセンスも正規のOEMライセンスが認証されており、ビジネス用途でも安心して導入できる信頼性の高さを感じます。

A8 2025との決定的な差となる「NPU」の存在

GEEKOM A7 MAXでNPUを確認する

このモデルを選んで良かったと強く感じたのが、AI機能への対応です。タスクマネージャーを開いてパフォーマンスタブを確認すると、しっかり「NPU」の項目が認識されていました。これはRyzen 9 7940HSに統合された「Ryzen AI」エンジンによるもので、単体で最大10 TOPSのAI処理性能を持っています。

比較対象である「GEEKOM A8 2025」などの最新かつ安価なモデル(Ryzen 7 8745HS搭載機)では、コストカット等の理由でこのNPUが省かれています。しかし、A7 MAXには確実に搭載されています。実際にWebカメラを接続してみると、Windows Studio エフェクトが有効になり、背景ぼかしや視線補正がスムーズに動作しました。

また、Windows標準のAIアシスタント「Copilot」も試してみましたが、起動は瞬時で、チャットのレスポンスも非常にスムーズです。現状はクラウド処理がメインですが、バックグラウンドでAIを常駐させながら別の作業を行っても、PC全体の動作が重くなることはありませんでした。

重要なのは、これらの重いAI処理をNPUが肩代わりしてくれる点です。NPU非搭載のPCではCPUやGPUが処理を行うため負荷が増えますが、A7 MAXならメインの処理能力を温存したまま快適にビデオ通話などが可能です。今後、CopilotなどのAIアシスタントがローカル処理を増やしていく中で、このNPUの有無はマシンの寿命を左右する大きなアドバンテージになると確信しました。

BIOSへのアクセスと設定の自由度

GEEKOM A7 MAXのBIOS画面

ハードウェアの挙動を決めるBIOS(UEFI)画面へのアクセスは簡単です。起動直後のGEEKOMロゴが表示されている間に、キーボードの「Delete」キー(またはF2キー)を連打することで入ることができます。昔ながらの青とグレーを基調としたAMI BIOSベースの画面で、マウス操作も可能です。

メニューは英語ですが、構成はシンプルで迷うことはありませんでした。ここではVRAMの割り当て変更などが可能ですが、私が最も。したのは、冷却ファンとパフォーマンスに関わる設定項目です。

パフォーマンスの封印を解くTDP設定

A7 MAXの真価を引き出す設定が、BIOS内の「Power & Performance」項目にあります。デフォルトではバランス重視の設定になっていますが、ここを「Performance Mode」に変更することで、TDP(熱設計電力)を最大54Wまで引き上げることが可能です。

実際に設定を変更するとベンチマークスコアは向上しますが、競合機種と比較すると設計思想の違いが見えてきます。例えば、ライバル機である「Minisforum X1 Lite」がTDP 65Wまで対応する設計であるのに対し、A7 MAXは標準45W、最大でも54W(cTDP)付近での運用が想定されています。独自の冷却機構(IceBlast 2.0)は優秀ですが、限界までパワーを絞り出したい層にとっては、この消費電力設計の差がパフォーマンスのわずかな差として現れる可能性があります。あくまでモバイル向け高性能版の「安全圏」の中でのチューニングであり、過度な期待は禁物です。

まとめ:ソフトウェアと設定

  • OS:余計なソフトがないクリーンなWindows 11 Pro
  • AI機能:GEEKOM A8 2025とは異なり、NPU(Ryzen AI)を確実に搭載
  • 設定の自由度:TDPを54Wに変更可能で、攻めた運用ができる
  • BIOS:Deleteキーで簡単にアクセス可能なAMI BIOSを採用

検証してわかったGEEKOM A7 MAXのメリット・デメリット

GEEKOM A7 MAX 実機の外観、斜め。

GEEKOM A7 MAXを動画編集や生成AIなどで徹底的に使い込みました。そこで見えてきた実用面での明確な強みと、超小型サイズゆえの弱点について包み隠さず解説します。

メリット1:Ryzen AI(NPU)を搭載しAI機能が使える(A8 2025はNPU非搭載)

GEEKOM A7 MAXに搭載されているRyzen 9 7940HSは「Ryzen AI(NPU)」を内蔵しており、Windows Studio エフェクトなどのAI機能がフルに利用できます。対して、比較対象の「GEEKOM A8 2025」が採用しているRyzen 7 8745HSは、NPUが非搭載のプロセッサです。そのため、A8 2025ではハードウェアレベルでAI処理のサポートが受けられません。今後Windows側でNPUを活用する機能が増えていく中で、規格として対応しているA7 MAXの方が、将来的な安心感が段違いです。

メリット2:所有欲を満たすCNCアルミニウムの一体成型ボディ(A8 2025は質感が異なる)

本体を手にした瞬間に分かるのが、圧倒的なビルドクオリティの高さです。プラスチック素材を組み合わせた一般的なミニPCとは一線を画す、CNCアルミニウム削り出しの継ぎ目のないボディは、Apple製品のような高級感を放っています。A8 2025も金属筐体ですが、A7 MAXの仕上げはさらに一段階上の滑らかさを感じます。デスクの上に置いた時の佇まいが美しく、指先から伝わる金属の冷たさと剛性感は、毎日使う道具としての満足度を大きく引き上げてくれます。

メリット3:USB4端子を2基搭載し拡張性が最強(A8 2025は1基のみ)

背面に搭載された最大40GbpsのUSB4端子が「2基」ある点は、A7 MAXの大きな強みです。比較対象の「GEEKOM A8 2025」はUSB4端子が1基のみ(もう片方はUSB 3.2 Type-C)ですが、A7 MAXなら「外付けGPU(eGPU)」と「高速な外付けSSD」を同時にUSB4で接続するといった贅沢な運用が可能です。最新モデルのA8 2025よりもポート構成がリッチであり、デスクトップPC顔負けの拡張環境を構築できるため、クリエイター用途でもボトルネックを感じさせません。

メリット4:内蔵GPU「Radeon 780M」の高いグラフィック性能でゲームも遊べる(A8 2025とほぼ互角)

グラフィックス性能は比較対象のA8 2025とほぼ互角でした。実際に「モンスターハンターワイルズ」や「原神」をプレイして検証しましたが、画質設定を調整すれば十分に遊べることが確認できました。重たい最新ゲームを最高設定で動かすのは厳しいものの、内蔵GPUでこれだけ動けば、サブ機としてのゲーミング用途には十分合格点を与えられます。

メリット5:冷却性能と静音性のバランスが優秀(A8 2025より筐体に余裕あり)

コンパクトな筐体に高性能を詰め込んでいるにも関わらず、冷却システムが非常に優秀です。Webブラウジングや動画視聴といった日常的なタスクでは、ファンが回っていることに気づかないほど静かです。高負荷時にはファンが回りますが、A8 2025と比較しても、A7 MAXの方が筐体サイズや吸排気の設計にわずかながら余裕があるためか、耳障りな高音ノイズが抑えられている印象を受けました。熱による性能低下(サーマルスロットリング)も起きにくく、長時間安定してハイパフォーマンスを維持できます。

メリット6:2.5G LANポートを2基搭載(A8 2025は1基のみ)

背面のインターフェースを見て驚いたのが、2.5Gの有線LANポートが「2つ」搭載されている点です。比較対象のA8 2025はLANポートが1つしかありません。ポートが2つあることで、片方をインターネット接続用、もう片方をNAS(ネットワークストレージ)との高速通信用や、内部ネットワーク用として使い分けることが可能です。サーバー用途や高度なネットワーク構築を考えているユーザーにとって、この物理ポートの差は決定的な選定理由になります。

メリット7:最大4画面の同時出力に対応(広大な作業領域を確保)

2つのHDMIポートと、映像出力に対応した2つのUSB4ポートをフル活用することで、最大4台のモニターへ同時に画面を出力できます。実際に4画面環境を構築してみましたが、株価チャートの監視や、資料を広げながらの執筆作業など、デスクトップPCと全く変わらない広大な作業領域が手に入りました。A8 2025でも同様のことは可能ですが、A7 MAXは前述の通りUSB4が2基あるため、変換アダプタに頼らずともType-Cケーブル1本でモニターに繋ぎやすい点が便利だと感じました。

デメリット(短所、欠点)

デメリット1:内部ストレージの増設ができない(A8 2025と同様に空きスロットなし)

0.47Lという驚異的な小ささの代償として、内部にはM.2 SSDスロットが1つしかありません。購入時に装着されているSSD以外に、もう1枚追加して「デュアルストレージ構成」にする運用は不可能です。これは筐体サイズが近いA8 2025も同様の仕様ですが、もし容量不足になった場合は、既存のSSDをより大容量なものに「交換」し、OSをクローンする手間が発生します。手軽に容量を足せない点は、動画データなどを大量に保存するユーザーにとって痛手です。

デメリット2:OCuLinkポート非搭載(eGPU性能を最大化できない)

最近のハイエンドミニPC界隈で。されている、外付けGPUをPCIe直結に近い速度で接続できる「OCuLink」ポートが搭載されていません。USB4(40Gbps)があるためeGPUの接続自体は可能ですが、グラフィックボードの性能をロスなく引き出したいコアなゲーマーにとっては、帯域幅の制限がボトルネックになります。A8 2025も含め、このサイズのGEEKOM製品はまだOCuLinkに対応していないため、究極のゲーム性能を求めるなら他社製品や大型PCを検討する必要があります。

デメリット3:TDPは最大54Wまでの運用(デスクトップ級のパワーではない)

BIOS設定でパフォーマンスを変更できるとはいえ、基本設定は標準45W、最大設定でも54W(cTDP)付近での運用が設計上の上限です。同じRyzen 9という名称でも、消費電力を100W以上使えるデスクトップ版CPUとは別物です。筐体の冷却限界も考慮された「安全圏」の設定であり、動画のエンコードなどCPUを100%使い続ける重い処理では、大型PCに比べて処理時間が長くなる傾向にあります。無理なオーバークロックはできず、あくまでモバイル向け高性能版の枠内に留まります。

デメリット4:HDMI端子が2.0規格(4K/120Hz出力は不可)

背面に2つあるHDMIポートは、どちらも「HDMI 2.0」規格です。4K解像度での出力は可能ですが、リフレッシュレートは最大60Hz止まりとなります。最近のゲーミングモニターやテレビで主流になりつつある「4K/120Hz」での滑らかな表示には、HDMI経由では対応できません。高リフレッシュレートでゲームを楽しみたい場合は、HDMIポートではなく、USB4ポート(DisplayPort Alternate Mode)から映像出力変換を行うなどの工夫が必要です。これはA8 2025も同様の仕様(HDMI 2.0)であり、最新規格の2.1ではない点には注意が必要です。

デメリット5:高負荷時のファンノイズが耳につく(A8 2025は冷却機構が異なる)

メリットである薄型ボディ(高さわずか37mm)の代償として、冷却ファンの音はそれなりに存在感があります。BIOS設定でTDPを54Wのパフォーマンスモードにし、ベンチマークなどで高負荷をかけると「サーッ」という風切り音がはっきりと聞こえます。比較的新しい冷却機構を採用しているA8 2025と比較しても、筐体が小さい分、熱を逃がすためにファンが頑張っている印象を受けます。静寂な部屋でレンダリングなどの重い処理を長時間行う場合は、少し気になるレベルかもしれません。

デメリット6:内部アクセスにはゴム足の剥がしが必要(A8 2025等のメンテナンス性との差)

メモリやSSDを換装しようとした際に壁となるのが、底面のゴム足です。ネジがゴム足の下に完全に隠されているため、ドライヤーで温めて粘着剤を緩め、綺麗に剥がす必要があります。他社製や一部のGEEKOM製品のようにネジが露出していてすぐに開けられる構造ではないため、頻繁にパーツを入れ替える自作派ユーザーにとっては手間に感じる仕様です。「一度構成を決めたら基本的には開けない」という運用スタイルの人向けと言えます。

デメリット7:筐体の表面に指紋が残りやすい(明るいシルバー色と比較して)

美しいメタルボディですが、カラーリングと表面処理の特性上、皮脂汚れや指紋が少し目立ちやすい傾向にあります。特に乾燥した手で触ると跡が残りやすく、マットな質感だけに光の加減で汚れが見えてしまいます。綺麗な状態を保つにはこまめな拭き掃除が必要です。質感が極めて高いだけに、少しの汚れでも気になってしまうのは、高級機ゆえの贅沢な悩みと言えるかもしれません。

まとめ:メリット・デメリット

GEEKOM A7 MAXは、単なる数値性能以上の価値を持つ一台です。A8 2025と基本性能は拮抗していますが、こちらはNPU(Ryzen AI)を搭載し、USB4と有線LANを各2基備えるなど、実用性と将来性で明確に優れています。「モンハンワイルズ」や「原神」が遊べる実力と、所有欲を満たす金属筐体は大きな魅力です。

一方で、ストレージ増設不可やOCuLink非対応、HDMI 2.0といった弱点もあります。しかし、手のひらサイズでAI時代に対応した「質実剛健なメイン機」を求めるなら、拡張性に勝るA7 MAXがベストな選択肢です。

GEEKOM A7 MAXのスペック(仕様)

  • プロセッサ: AMD Ryzen 9 7940HS (8コア/16スレッド 最大5.2GHz)
  • GPU: AMD Radeon 780M Graphics (内蔵GPU)
  • RAM: 16GB DDR5-5600 (デュアルチャンネル)
  • ストレージ: 1TB M.2 2280 PCIe Gen4x4 NVMe SSD
  • 拡張ストレージ: 側面SDカードスロット (内部増設不可)
  • 電源: 120W ACアダプター
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2
  • 有線LAN: 2.5G Ethernet (RJ45) x 2
  • 前面インターフェース: USB 3.2 Gen 2 Type-A x 2, 3.5mmヘッドセットジャック
  • 背面インターフェース: USB4 x 2, HDMI 2.0 x 2, USB 3.2 Gen 2, USB 2.0, RJ45 x 2
  • 映像出力: 最大4画面出力 (HDMI 2.0 x 2 + USB4 x 2)
  • 冷却システム: GEEKOM IceBlast クーリングシステム
  • 消費電力: TDP 45W (BIOS設定で最大54W付近まで変更可能)
  • VESAマウント: 対応
  • OS: Windows 11 Pro
  • サイズ: 112.4 x 112.4 x 37 mm
  • 重量: 約417g
  • カラー: シルバー
  • 付属品: 電源アダプター, HDMIケーブル, VESAマウント, ユーザーガイド

GEEKOM A7 MAXの評価

GEEKOM A7 MAXの前面 外観

8つの評価基準で「GEEKOM A7 MAX」を5段階で評価してみました。

項目別評価

パフォーマンス:★★★★★

Ryzen 9 7940HSと読み込み7000MB/s超の高速SSDを搭載しており、ミニPCとしては最上級の処理能力を持っています。

冷却性能と静音性:★★★★☆

独自の冷却システムは優秀ですが、TDP54Wの高負荷時にはそれなりのファンノイズが発生するため、完全な無音ではありません。

デザイン:★★★★★

CNCアルミニウムの一体成型ボディは非常に質感が高く、Apple製品のような洗練された美しさと堅牢性を兼ね備えています。

通信:★★★★★

2つの2.5G有線LANポートに加え、最新のWi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応しており、ネットワーク環境は最強クラスです。

拡張性:★★★★☆

USB4を2基備える点は素晴らしいですが、内部ストレージの増設不可やOCuLink非搭載など、物理的な制約があります。

機能:★★★★★

NPU(Ryzen AI)をしっかり搭載しており、AI機能への対応や最大4画面の同時出力など、機能面での死角はありません。

使いやすさ:★★★★☆

ブロートウェアのないクリーンなWindows 11 Proで快適ですが、内部アクセスのためにゴム足を剥がす必要がある点はメンテナンス性を下げています。

コストパフォーマンス:★★★★★

ハイエンドなスペックと所有欲を満たす金属筐体、そしてAI性能を考慮すれば、価格以上の価値が十分にあります。

総評:★★★★★

極小サイズでもプレミアムな完成度

GEEKOM A7 MAXの最大の魅力は、わずか0.47Lという極小サイズに、Ryzen 9のパワーと美しいデザインを凝縮した点にあります。プラスチック筐体の安価なモデルとは一線を画すCNCアルミニウムのボディは、デスクに置くだけで空間の質を上げてくれます。事務作業はもちろん、動画編集や、「モンスターハンターワイルズ」「原神」といった人気3Dゲームも設定次第で十分に楽しめる基礎体力の高さは、メインマシンとして頼もしい実力です。

AI時代を先取りする「NPU」搭載の安心感

Ryzen 9 7940HSが持つ「Ryzen AI(NPU)」をフルに活用できる点は、本機を選ぶ大きなメリットです。Windows Studio エフェクトなどのAI機能がハードウェアレベルで動作するほか、標準搭載された「Copilot」も瞬時に起動し、動作は非常にスムーズです。今後ますます重要になるAI処理において、長く快適に使い続けられるポテンシャルを秘めています。NPU非搭載のA8 2025と比較しても、最新トレンドにしっかりと対応している本機なら、数年先まで陳腐化することなくメイン機として愛用できるでしょう。

購入前に知っておくべきハードウェアの制約

完璧に見える本機ですが、小型化ゆえの物理的な制約には注意が必要です。まず、内部にはSSDスロットが1つしかないため、ストレージの増設はできません(交換のみ可)。また、eGPUを最大効率で接続するためのOCuLinkポートも非搭載です。さらに、TDPは最大でも54W付近での運用となるため、デスクトップPCのような無尽蔵のパワーを期待すると、長時間の高負荷処理で制限を感じる場面があるかもしれません。

結論:質と将来性を重視するユーザーへの最適解

いくつかの制約はあるものの、それらを補って余りある魅力がA7 MAXにはあります。拡張性を重視してUSB4ポートを2つ確保したい方、そしてAI時代を見据えて「NPU搭載」という安心感を手に入れたい方には、A8 2025よりも本機を強くおすすめします。性能、デザイン、そして将来性のバランスが高次元でまとまった、間違いのない一台です。

GEEKOM A7 Max ミニpc AMD Ryzen 9 7940HS&Radeon 780搭載(単体GPU級性能) 128GB DDR5拡張可能 AI機能|USB4.0*2|4画面8K出力|2.5G LAN*2|SDカードスロット|ケンジントンロック|3年保証|Win11Pro|16GB+1TB

GEEKOM A7 MAXの価格・購入先

GEEKOM A7 MAX 2台の外観

※価格は2026/01/13に調査したものです。価格は変動します。

GEEKOM公式サイト

R9-7940HS(16GB RAM+1TB SSD

114,900円で販売されています。

GEEKOM公式サイトで「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

ECサイト(Amazon、楽天、ヤフーなど)

  • Amazonで114,900円(税込)、
  • 楽天市場で135,900円(送料無料)、
  • 米国 Amazon.comで$949.00、

で販売されています。

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楽天市場で「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

ヤフーショッピングで「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

米国 Amazon.comで「GEEKOM A7 MAX」をチェックする

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GEEKOM A7 MAXを安く買う方法

GEEKOM A7 MAXをできるだけ安く購入するためには、GEEKOMのセールを活用するのがいいでしょう。

現在、Winterセール開催中で5%OFFクーポン配布中です。配布機関は1/12~1/30まで。

GEEKOM公式サイトでの購入時にクーポンコードを入力すると、割引されて通常価格よりも安くなります。

クーポンコード:GKWINTER5OFF(1/30まで)

※クーポンコードは公式サイトでボタンを押すだけで発行できます。

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おすすめのライバル機種と価格を比較

GEEKOM A7 MAX」に似た性能をもつミニPCも販売されています。価格の違いも分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

GEEKOM A8 2025

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen™ 7 8745HS 搭載のミニPCです(2025年発売モデル)。

DDR5-5600MHzメモリ(最大64GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSDストレージ(最大2TB)を搭載しています。

また、最大4画面同時出力(HDMI 2.0 x2, USB4, USB 3.2 Gen2 Type-C)、冷却システム(IceBlast 1.5)、SDカードスロット、VESAマウント、USB 3.2 Gen2 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G イーサネットポートにも対応しています。

✅価格は、Amazonで86,900円(税込)楽天市場で113,783円(送料無料)、米国 Amazon.comで$649.00、です。

👉関連記事:AIで最強「GEEKOM A8」ミニPCのメリット・デメリットを解説

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GEEKOM A6

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 6800H 搭載のミニPCです(2025年1月17日 発売)。

32GB DDR5 4800MHzメモリ、1TB M.2 SSDストレージを搭載しています。

また、USB 4 Gen 2 Type-Cポート、4K 4画面出力(USB4,USB 3.2 Gen 2 Type-C,HDMIx2)、冷却システム Ice Blade 2.0、VESAマウント、ストレージ拡張(NVMe x4 Gen 4 or SATA)、2.5インチ SATA HDD 拡張スロット、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-A、1 x USB 2.0 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット有線LANにも対応しています。

✅価格は、Amazonで82,900円、楽天市場で89,900円(送料無料)、ヤフーショッピングで98,791円、です。

👉関連記事:GEEKOM A6レビュー!驚きの6万円台!Ryzen 7 6800HミニPC

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Minisforum X1 Lite

Minisforumから発売されたAMD Ryzen™ 7 255 搭載のミニPCです(2025年11月19日 発売)。

DDR5-5600MHzメモリ(最大128GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSDストレージ(最大8TB)を搭載しています。

また、OCuLinkポート、最大3画面同時出力(HDMI 2.1, DP 1.4, USB4)、冷却システム(相変化熱伝導材, デュアルヒートパイプ, 大型静音ファン)、ストレージ拡張(M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSD×2スロット)、VESAマウント、USB 3.2 Gen2 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G イーサネットポートにも対応しています。

✅価格は、Amazonで105,199円(Ryzen 7 255・32GB 1TB・税込)、AliExpressで70,675円(ベアボーン)、米国 Amazon.comで$639.00、です。

👉関連記事:Minisforum X1 Lite徹底レビュー!UM750L Slimと比較

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Mac mini M4

Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。

Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。

また、11TOPS(1秒間に11兆回のAI演算)、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。

✅価格は、Amazonで90,970円(税込)、楽天市場で92,700円(送料無料)、ヤフーショッピングで93,490円です。

👉関連記事:Mac mini M4徹底レビュー!M2比較で気づいた進化点と欠点を評価

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他のGEEKOMミニPCと比較

他にもGEEKOMのミニPCが販売されています。2025、2024年モデルもあるので、ぜひご覧ください。

GEEKOMミニPC完全ガイド!2025 全機種比較と性能/選び方を徹底解説

その他のおすすめミニPC

その他のおすすめ小型PCは以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。

激安で買える海外製の小型PC 最新 機種 ラインナップ まとめ

海外製の小型PCをまとめて紹介しています。

Intel N150ミニPCはこう選べば正解!2025最新の性能・価格を比較

最新のN150ミニPCをまとめて紹介しています。

リビングにふさわしい超小型デスクトップPC ラインナップ 機種 まとめ

国内で販売されたミニPCをまとめて紹介しています。

Core Ultra デスクトップPC【2025最新】おすすめ9選|AI性能で差をつける!

Core Ultra プロセッサ搭載のデスクトップPCをまとめて紹介しています。

この記事を書いた人:秋葉原ぶらり

ガジェットブロガー / 動画クリエイター。2014年からブログを開始。以来、Android端末やWindowsデバイス、ゲーム製品、Apple製品、PC周辺機器などのレビューを発信し続けている。目標は東京「秋葉原」をぶらぶらと探索する楽しさを、そのままネット上で体験できるようにすること。趣味は、写真、プログラミング、読書、小説やエッセイの文筆、デザイン制作など多岐にわたる。最新の更新情報はX:旧Twitter(URL:https://x.com/akiba_burari)やThread(URL:https://www.threads.com/@akibaburari)、でも発信中。
動画はYouTubeで(https://www.youtube.com/@秋葉原ぶらり)公開中。

Minisforum X1 Lite徹底レビュー!UM750L Slimと比較

Minisforum X1 Lite 外観
2025年11月19日に発売された「Minisforum X1 Lite」は、手のひらサイズのボディにAMD Ryzen 7 255プロセッサとOCuLinkポートを搭載したコスパの高いミニPCとして評判です。

このレビューでは、「Minisforum UM750L Slim」(Ryzen 5 7545U)とどのくらい性能が違うのか、その使い勝手と実力をあらゆる面から徹底比較・検証しました。

先に結論からお伝えしましょう

Minisforum X1 Lite の長所(Pros):

  • OCuLinkポート搭載による圧倒的な拡張性(eGPU対応)
  • Ryzen 7 255とRadeon 780Mによる高い処理能力とゲーム性能
  • メモリを最大128GBまで増設可能(スロット式)
  • TDP 65Wの高負荷でも静音性を保つ冷却システム

Minisforum X1 Lite の短所(Cons):

  • SDカードスロットが非搭載
  • 背面のUSB Type-Aポートが速度の遅いUSB 2.0仕様
  • 高性能ゆえに消費電力(TDP)が高め
  • コストパフォーマンス重視ならUM750L Slimに分がある

総合評価:

Minisforum X1 Liteは、コンパクトさを維持しつつも「拡張性」と「パワー」に一切の妥協をしたくないユーザーにとって理想的な一台です。特にOCuLinkによる将来的なグラフィック強化や、動画編集にも耐えうるメモリ増設能力は、長く使い続けられる安心感を与えてくれます。初期コストや消費電力は高めですが、それに見合うだけの高性能と所有感を提供してくれる、完成度の高いミニPCと言えるでしょう。

この記事で分かること

  1. デザイン: サイズ・重量・カラー、0.84Lのコンパクト筐体、シルバーホワイトの外観、質感、サイズ比較、VESAマウント、付属品
  2. 接続ポート: OCuLink搭載、USB4 (PD給電対応)、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4、前面USB 3.2 Gen2、背面ポート配置
  3. パフォーマンス: AMD Ryzen 7 255、マルチタスク、動画編集(4K)、3Dモデリング、動作感
  4. ベンチマーク:Passmark、Geekbench 6、Cinebench、PCMark 10、CPU性能比較、3DMark、グラフィック性能
  5. ゲーム性能: 『モンハンワイルズ』『サイバーパンク2077』『原神』などの実測フレームレート (FPS)、Radeon 780M vs 740M
  6. 冷却・排熱: 相変化熱伝導材 (PCM)、大型静音ファン、TDP 65Wの熱管理、ファンノイズ(静音性)、発熱抑制
  7. メモリとストレージ: DDR5-5600 SODIMM(最大128GBまで)、メモリ増設、PCIe 4.0 SSD(最大8TB)、SSD換装・増設、ベアボーンキット
  8. 通信性能: Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、2.5G 有線LAN (2500Mbps)、安定した通信環境
  9. ソフトウェアと設定: Windows 11 Pro、OSのライセンス、BIOS設定(ファン制御)、ドライバー更新、初期セットアップ
  10. 比較Minisforum UM750L SlimMINISFORUM UM760 SlimMINISFORUM AI X1 Pro
  11. スペック: 詳細仕様
  12. 評価: メリット・デメリット(消費電力、TDP)、購入前の注意点、おすすめユーザー、5段階評価、詳細な総評
  13. 価格: 購入先、Minisforum公式サイト、Amazon、楽天、ベアボーンモデルと完成品の価格比較、クーポン・セール情報

この記事を最後まで読むことで、「Minisforum X1 Lite」を購入するべきかどうかがはっきりと分かるはず。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

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公式ページ:Minisforum X1 Lite|AMD Ryzen™ 7 255

デザインと接続ポート:Minisforum X1 Liteの洗練された筐体と強力な拡張性

Minisforum X1 Lite 外観

Minisforum X1 Liteは、0.84リットルという極小サイズに、デスクトップPC並みの拡張性を凝縮したモデルです。ここでは、実際にデスクに設置して感じたデザインの魅力と、競合機との違いが際立つ接続ポートについて詳しくレビューしていきます。

洗練されたシルバーホワイトの筐体と質感

箱から取り出した瞬間、まず目を引いたのは「シルバーホワイト」と呼ばれる明るく上品な本体カラーです。単なるシルバーではなく、ホワイトのニュアンスを含んだ色合いは清潔感があり、白いデスク周りにも違和感なく溶け込みました。筐体素材は樹脂製と思われますが、安っぽさは微塵も感じさせず、マットな仕上げが指紋を目立たなくしています。

形状はMinisforumおなじみのスクエア型ですが、非常にコンパクトで、片手で軽々と持ち上げられるサイズ感には改めて感動しました。天面には控えめにブランドロゴが配置されており、主張しすぎないデザインが好印象です。デスクのわずかな隙間にも設置できるため、作業スペースを広く確保したい私にとって、このコンパクトさは大きなメリットだと感じました。

サイズ感と重量:UM750L Slimとの比較

Minisforum X1 Liteが机の上に置かれている

サイズと重量について、比較対象である「Minisforum UM750L Slim」と並べて検証してみました。X1 Liteのサイズは130×126×47.2mm であるのに対し、UM750L Slimは130×126.5×50.4mm と、X1 Liteの方が高さが約3mm薄く設計されています。数値上の差はわずかですが、実物を並べるとX1 Liteの方がよりスタイリッシュで引き締まった印象を受けました。

重量に関しては興味深い違いがあります。X1 Liteの公称値は約740g(または約0.67kg)ですが、手に取ると中身が詰まったような凝縮感があります。一方、UM750L Slimの実測値は約544gと非常に軽量です。頻繁に持ち運ぶならUM750L Slimに分がありますが、据え置き時の安定感や高級感という点では、適度な重みのあるX1 Liteの方が所有欲を満たしてくれると感じました。

インターフェースの配置と使い勝手

Minisforum X1 Liteの前面インターフェース

ポート類の配置は非常に実用的です。前面には使用頻度の高いUSB 3.2 Gen2 Type-Aポートが2つと、3.5mmコンボジャック、電源スイッチが配置されています。USBメモリなどをサッと挿せる位置に高速ポートがあるのは便利です。

背面には、電源入力、2.5G LANポート、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4、USB4、そしてマウスやキーボードの接続に便利なUSB 2.0 Type-Aが2つ配置されています。

映像出力HDMI、DP、USB4を合わせて最大3画面の同時出力が可能で、私も実際にトリプルディスプレイ環境を試しましたが、4Kモニターを含めて安定して表示できました。背面ポートが充実しているため、ケーブル類を後ろにまとめてデスク上をスッキリさせることができ、ケーブルマネジメントの観点からも優秀です。

Minisforum X1 Liteの背面インターフェース

最大の違いは拡張性:OCuLinkとUSB4の威力

X1 LiteUM750L Slimの決定的な違い、そしてX1 Liteを選ぶ最大の理由となるのが「OCuLinkポート」の有無です。X1 Liteの背面にはOCuLinkポートが搭載されており、これにより外付けGPU(eGPU)をPCIe経由で高速接続できます。実際にOCuLink対応のeGPUを接続してゲームをプレイしてみましたが、Thunderbolt接続よりも帯域幅が広いため、ボトルネックが少なく快適な動作を体感できました。

一方、UM750L SlimにはOCuLinkポートがありません。USB4ポートは両機種ともに搭載されており、最大40Gbpsの転送速度やPD給電(入力65-100W/出力15W)に対応しています。しかし、AAAタイトルのゲームや高度な3Dレンダリングなど、将来的にグラフィック性能を大幅に強化したいと考えているなら、OCuLinkを備えたX1 Liteの拡張性は圧倒的なアドバンテージになります。

Minisforum X1 Liteの外部GPU接続

VESAマウントと付属品

付属品には「壁掛けマウントブラケット」が含まれており、これを使えばVESA対応モニターの背面にX1 Liteを隠すように設置できます。実際に取り付けてみると、PC本体が視界から消え、配線もモニター裏で完結するため、まるでモニター一体型PCを使っているかのようなスッキリとしたデスク環境が構築できました。UM750L Slimも同様にVESAマウントに対応しており、この点での省スペース性は互角です。

同梱物は、本体のほかに電源アダプター、HDMIケーブル、取扱説明書と、セットアップに必要なものは一通り揃っています。比較対象のUM750L Slimには予備のゴム足などが付属している点が親切だと感じましたが、X1 Liteは必要最低限の構成でシンプルにまとまっています。付属品の豪華さよりも、X1 LiteはOCuLinkポートやメモリ増設といった「本体そのものの拡張性」にコストを集中させているという印象を受けました。

Minisforum X1 LiteのVESAマウント

まとめ:デザインと接続ポート

  • 外観:シルバーホワイトの上品な色合いと、指紋が目立ちにくいマットな質感を持つ
  • サイズ:130×126×47.2mmと非常にコンパクトで、UM750L Slimよりも約3mm薄い
  • 重量:約0.67kg(公称)で、軽量なUM750L Slim(実測約544g)に比べると凝縮感のある重みがある
  • 前面ポート:USB 3.2 Gen2 Type-A×2があり、アクセス性が良好
  • 背面ポート:HDMI 2.1、DP 1.4、USB4、2.5G LAN、USB 2.0×2と充実している
  • 映像出力:最大3画面(HDMI + DP + USB4)の同時出力に対応し、最大8K出力もサポート
  • 拡張性:UM750L Slimにはない「OCuLinkポート」を搭載しており、eGPU接続による大幅な性能向上が可能
  • USB4機能:40Gbpsのデータ転送に加え、PD給電(入力・出力)に対応し、ケーブル1本での運用も可能
  • 設置性:付属のVESAマウントを使用することで、モニター裏への設置が可能
  • 付属品:電源アダプター、HDMIケーブル、マウントブラケット、説明書が必要最低限揃っている

パフォーマンス

Minisforum X1 LiteのCPU

ここではMinisforum X1 Liteのパフォーマンスについて、ベンチマーク、CPU性能・グラフィック性能比較、アプリの動作感、冷却性能と静音性の4つのセクションにわけて詳細にレビューします。

ベンチマーク

ここでは、Minisforum X1 LiteMinisforum UM750L Slimのベンチマーク結果を紹介します。

Minisforum X1 Liteは、CPUにAMD Ryzen™ 7 255を採用しています。これはZen 4アーキテクチャに基づき、8コア16スレッド、最大4.9GHzのブーストクロックを誇る高性能プロセッサです。統合GPUには、RDNA 3アーキテクチャのAMD Radeon™ 780M(12CU)を搭載しており、内蔵グラフィックスとしてはトップクラスの性能を発揮し、軽い3Dゲームや動画編集もこなせる実力を持っています。

ベンチマーク結果は以下のようになっています。

Minisforum X1 LiteのCPUベンチマーク結果

CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen 7 255

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「30066」(マルチスレッド)
  • Geekbench 6のシングルコア「2532」、マルチコア「12899」
  • Cinebench R23 シングルコア「1742」、マルチコア「17137」
  • Cinebench 2024 シングルコア「106」、マルチコア「1015」
  • PCMark 10 スコア「6700」(よく利用されるアプリの使用感を計測)

Minisforum X1 LiteのGPUベンチマーク結果

GPUのベンチマーク結果・Radeon 780Mグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「7700」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「3750」
  • Time Spy グラフィックスコアで「2854」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「27860」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「 17200」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

Minisforum UM750L Slimのベンチマーク結果

Minisforum UM750L Slimは、ミドルレンジ向けのAMD Ryzen™ 5 7545Uを搭載しています。6コア12スレッド(Zen 4×2 + Zen 4c×4)のハイブリッド構成で、電力効率と処理能力のバランスに優れた設計が特徴です。統合GPUはエントリークラスのAMD Radeon™ 740M(4CU)となり、日常的なタスクや4K動画の視聴には十分な性能を持ちますが、3Dグラフィックス性能は控えめです。

ベンチマーク結果は以下のようになっています。

CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen 5 7545U

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「20232」
  • Geekbench 6のシングルコア「2402」、マルチコア「7841」
  • Cinebench R23 シングルコア「1725」、マルチコア「10526」
  • Cinebench 2024 シングルコア「105」、マルチコア「601」
  • PCMark 10 スコア「5847」(よく利用されるアプリの使用感を計測)

GPUのベンチマーク結果・Radeon 740Mグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「4539」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「2244」
  • Time Spy グラフィックスコアで「1773」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「17100」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「12800」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

CPU性能とグラフィック性能を比較

ここでは、Minisforum X1 LiteMinisforum UM750L SlimのCPU・グラフィック性能を、Cinebench R23、Time Spyを使って比較します。

Minisforum X1 LiteのCPU性能をCinebench R23で比較

CPU性能をCinebench R23で比較

  1. Ryzen AI 9 HX370 (Minisforum AI X1 PRO)・・・21692
  2. Ryzen 9 8945HS (Minisforum UM890 Pro)・・・17304
  3. Ryzen 7 255 (Minisforum X1 Lite)・・・17137
  4. Core Ultra 5 125H (Minisforum M1 Pro-125H)・・・14749
  5. Ryzen 5 7545U (Minisforum UM750L)・・・10526

Minisforum X1 Liteグラフィック性能をTime Spyで比較

グラフィック性能をTime Spyで比較

  1. Ryzen AI 9 HX370 (Minisforum AI X1 PRO)・・・3564
  2. Core Ultra 5 125H (Minisforum M1 Pro-125H)・・・3205
  3. Ryzen 9 8945HS (Minisforum UM890 Pro)・・・3024
  4. Ryzen 7 255 (Minisforum X1 Lite)・・・2854
  5. Ryzen 5 7545U (Minisforum UM750L)・・・1773

ベンチマーク結果からわかること

CPU性能の比較:Cinebench R23のマルチコアスコアにおいて、X1 Lite(Ryzen 7 255)は17,000点台を記録し、UM750L Slim(Ryzen 5 7545U)の10,000点台に対して約1.6倍という大きな差をつけています。注目すべきは、X1 Liteのスコアが、上位グレードであるRyzen 9 8945HS(17,304)とほぼ同等の数値を示している点です。

一方で、シングルコアスコアは両者ともに1,700点台で拮抗しており、基本的な処理における瞬発力には大きな差がないものの、マルチスレッドを活用する高負荷時の演算能力では、X1 Liteが圧倒的な優位性を持っていることが数値からはっきりと読み取れます。

グラフィック性能の比較:Time Spyのグラフィックスコアでは、X1 Liteが搭載するRadeon 780Mが「2854」をマークし、Radeon 740Mを搭載するUM750L Slimの「1773」に対して約60%ものスコア差をつけています。この数値は、GPUコア数(12CU対4CU)というハードウェアスペックの違いが如実に表れた結果と言えます。

X1 Liteは統合GPUとしては上位のCore Ultra 5などに近いスコア帯に位置しており、エントリークラスの数値に留まるUM750L Slimとは、グラフィック処理能力の基礎体力において明確なクラスの違いが存在することが確認できました。

アプリの動作感:Minisforum X1 Liteはクリエイティブ作業もこなす万能マシン

Minisforum X1 Liteの映像出力。3画面出力。

Minisforum X1 Liteは、単なるコンパクトPCの枠を超え、日常業務からクリエイティブな作業まで幅広く対応できるポテンシャルを秘めています。ここでは、実際に主要なアプリケーションを使用して検証した動作感と、比較対象であるMinisforum UM750L Slimとの決定的な違いについて詳しくレビューしていきます。

Officeアプリの快適性と即応性

まず、ビジネスシーンで必須となるMicrosoft Office(Word、Excel、PowerPoint)の挙動を確認しました。X1 Liteでの体験は「快適」の一言に尽きます。数万行に及ぶデータが入ったExcelファイルを開いても、読み込みは一瞬で完了し、フィルタリングやピボットテーブルの操作も遅延なく追従します。起動時間も非常に短く、思い立った瞬間に作業を開始できるレスポンスの良さは、毎日の業務効率を確実に向上させてくれます。

比較対象のUM750L SlimRyzen 5 7545Uを搭載しており、日常的なOffice作業においては十分サクサク動きます。テキスト入力や資料作成といった基本的なタスクであれば、両者に体感できるほどの大きな差はありません。しかし、重たいマクロ処理や複数の大容量ファイルを同時に開いた際の安定感においては、パワーに余裕のあるX1 Liteの方が一枚上手だと感じました。

8コア/16スレッドが活きるマルチタスク性能

次に、マルチタスク性能を検証するために、Google Chromeで20個以上のタブを開きながら、YouTubeでの4K動画再生、さらにバックグラウンドでPDF資料の閲覧を行ってみました。X1 Liteが搭載するRyzen 7 255は8コア16スレッド の処理能力を持っており、これだけの負荷をかけても動作が重くなることはありませんでした。ブラウザとアプリ間の切り替えもスムーズで、Web会議ツール(ZoomやTeams)を使用しながらの画面共有も全く問題ありません。

一方、UM750L Slimは6コア12スレッド の構成です。こちらも通常のマルチタスクなら十分こなせますが、負荷が高まるとウィンドウの切り替えに僅かな「間」を感じることがありました。X1 LiteはDDR5-5600MHz の高速メモリ帯域も相まって、情報の洪水に溺れることなく、常に軽快な操作感を維持してくれる頼もしさがあります。

動画編集で差が出るGPU性能

X1 Liteの真価が発揮されるのは、Adobe Premiere Proを使用した動画編集作業です。統合GPUのRadeon 780M は非常に優秀で、4K解像度の映像素材をタイムラインに並べてプレビュー再生しても、コマ落ちすることなくスムーズに再生されました。カット編集やテロップ入れ、トランジションの適用といった一連の作業もストレスなく行えます。また、ハードウェアデコード(AV1/HEVC/AVC)に対応しているため、高圧縮な動画ファイルの扱いも得意です。

ここでUM750L Slimとの違いが明確になります。UM750L Slimが搭載するRadeon 740M はエントリークラスのGPUであり、フルHD動画の編集なら問題ありませんが、4K編集となるとプレビューがカクついたり、レンダリングに時間がかかったりする場面が見られました。動画制作を視野に入れているのであれば、グラフィック性能に優れるX1 Liteを選ぶメリットは非常に大きいです。

3Dモデリングと将来的な拡張性

最後に、Blenderを使用して軽量な3Dモデリング作業を試しました。X1 Liteでは、シンプルなキャラクターモデルの作成や、テクスチャの確認といった作業であれば実用的な速度で動作します。ビューポートでの視点変更も滑らかで、クリエイティブなアイデアを即座に形にするためのツールとして十分に機能します。

UM750L Slimの場合、3Dデータの「閲覧」は可能ですが、編集作業となるとシェーダーの表示速度などでパワー不足を感じます。さらに、X1 LiteにはOCuLinkポートが搭載されている点が決定的な強みです。もし本格的な3Dレンダリングや重量級の作業が必要になった場合でも、X1 Liteなら外付けGPU(eGPU)を接続してワークステーション級の性能へアップグレードできるという安心感があります。これはUM750L Slimにはない、X1 Liteだけの特権です。

まとめ:アプリの動作感

  • Officeアプリ:X1 Lite、UM750L Slim共に高速だが、大容量データの処理ではX1 Liteの安定感が勝る
  • マルチタスク:X1 Liteは8コア/16スレッドの恩恵により、多数のタブやアプリを開いても軽快さを維持する
  • 動画編集:Radeon 780M搭載のX1 Liteは4K編集も実用的だが、UM750L SlimはフルHD編集が目安となる
  • 3Dモデリング:X1 Liteは軽量なモデリング作業に対応し、さらにOCuLinkによる将来的な性能強化も可能である

冷却性能と静音性:Minisforum X1 Liteの小型ボディに秘められた驚異の熱管理

Minisforum X1 Liteの冷却システム

高性能なパーツを搭載しながら、わずか0.84リットルの極小サイズに収められたMinisforum X1 Lite。これほど小さいと「熱暴走は大丈夫か?」「ファンがうるさいのではないか?」という不安がよぎりますが、実際に負荷をかけて検証したところ、その懸念は杞憂に終わりました。ここでは、X1 Liteの巧みな熱設計と静音性について、比較対象のMinisforum UM750L Slimとの違いを交えながら詳しくレビューします。

相変化素材を採用した先進的な冷却システム

X1 Liteの内部には、非常に密度の高い冷却システムが組み込まれています。注目すべきは、熱伝導効率を高めるために「相変化熱伝導材(PCM)」を採用している点です。これにデュアルヒートパイプと大型ファンを組み合わせることで、CPUから発生する熱を瞬時に移動させ、効率的に筐体外へ排出する仕組みになっています。

比較対象のUM750L SlimもPCM冷却やデュアルファンを採用しており、冷却へのこだわりは共通しています。しかし、筐体側面のメッシュから吸気するUM750L Slim に対し、X1 Liteはこの小さな体積で、より高出力な熱源を処理するためにエアフローが最適化されている印象を受けました。背面から排出される熱風に手をかざすと、しっかりと熱が運ばれていることが分かり、吸排気効率の良さを実感できます。

TDP 65Wの高負荷でも揺るがない温度安定性

冷却性能の真価を測るため、Cinebench R23を連続実行してシステムに高い負荷をかけてみました。X1 Liteに搭載されているRyzen 7 255は、TDP(熱設計電力)が65Wに設定されており、これはUM750L SlimRyzen 5 7545U(標準TDP 28W、最大でも30W〜45W程度)と比較してもかなり高い数値です。

通常、これだけの高出力を小型筐体で維持するのは困難ですが、X1 Liteはベンチマーク完走までサーマルスロットリング(熱による性能低下)を起こすことなく、安定動作を続けました。高負荷時のMax温度こそ上昇しますが、ファンが即座に反応して熱を抑え込むため、パフォーマンスが急激に落ち込むような挙動は見られません。UM750L Slimも85℃程度に収まる優秀な制御を見せますが、より発熱量の多い65Wのパワーをこのサイズで制御しきっているX1 Liteの冷却能力には、純粋に驚かされました。

図書館にいるかのような静寂性

パフォーマンスと同様に驚かされたのが「静音性」です。アイドル時やWebブラウジング程度の軽作業では、ファンが回っているのか分からないほど静かで、ほぼ無音に近い状態を維持します。メーカー公称値では騒音レベルは35デシベル以下(図書館レベル)とされていますが、実際の体感もまさにその通りでした。

高負荷時にはさすがにファンの回転音が聞こえますが、「サーッ」という低い風切り音で、耳障りな高音ノイズは抑えられています。UM750L Slimも通常時は静かですが、高負荷時には平均約37dB程度となり、やや音が気になるという場面もありました。X1 Liteはハイパワーでありながら、ファンノイズの質が良く、作業への没入感を削がないように配慮されていると感じます。深夜の静かな部屋で作業をしていても、家族に気兼ねなく使える静粛性は大きなメリットです。

まとめ:冷却性能と静音性

  • 冷却構造:相変化熱伝導材(PCM)、デュアルヒートパイプ、大型ファンを組み合わせた効率的なシステムを採用
  • TDP対応:UM750L Slimよりも高いTDP 65Wの高出力設定でありながら、熱暴走を防ぐ高い放熱能力を持つ
  • 温度安定性:高負荷なベンチマーク実行時でもサーマルスロットリングを抑制し、安定したパフォーマンスを維持
  • 静音性:通常ワークロード時の騒音レベルは35dB以下に抑えられており、図書館レベルの静けさを実現
  • ファンノイズ:高負荷時でも耳障りな高音成分が少なく、作業に集中しやすい音質である

ゲーム性能:X1 LiteはフルHDゲーミングの実力を発揮、UM750L Slimはライトゲーム向け

Minisforum X1 Liteでモンスターハンターワイルズをプレイ

ここでは、Minisforum X1 Lite(Ryzen 7 255)とMinisforum UM750L Slim(Ryzen 5 7545U)の実力を測るため、具体的なゲームタイトルを用いてフレームレート(FPS)や実際の動作感を比較レビューします。

モンスターハンターワイルズ

カプコンが贈るハンティングアクションの最新作であり、広大なフィールドや緻密な生態系、そして群れをなすモンスターの処理など、PCへの負荷が極めて高い重量級タイトルです。

Minisforum X1 Lite (Ryzen 7 255) 設定:1080p 低設定 + アップスケーリング(FSR)有効 / 30 FPS前後 Fire Strikeスコア7700を誇る本機の実力が試される局面です。結論から言えば、解像度をフルHD(1080p)の低設定に抑え、さらにFSR(解像度補正機能)をパフォーマンス優先に設定することで、プレイアブルな状態に持ち込めました。

平均して30 FPS前後を維持しており、家庭用ゲーム機に近いプレイ感覚を得られます。広大な荒野を駆け巡る際も極端なカクつきはなく、狩猟に没頭できます。ただし、複数の大型モンスターが入り乱れる激戦時や、砂嵐などのエフェクトが重なるシーンでは、一時的にフレームレートの低下が見られました。

Minisforum UM750L Slim (Ryzen 5 7545U) 設定:720p 低設定 / 動作困難 X1 Liteの約6割というグラフィックスコア(Fire Strike 4539)では、この最新鋭の重量級タイトルを支えきれませんでした。解像度をHD(720p)まで落とし、画質設定を最低にしても、フレームレートは15 FPS前後に留まります。画面のカクつきが激しく、モンスターの動きを目で追うことすら困難で、瞬時の判断が求められるアクションゲームとして成立させるのは厳しいというのが正直な感想です。

サイバーパンク2077

Minisforum X1 Liteでサイバーパンク2077をプレイ

巨大都市ナイトシティを舞台にしたオープンワールドアクションRPG。レイトレーシングや緻密なグラフィックス描写により、PCの総合性能を測る指標としても名高い超重量級タイトルです。

Minisforum X1 Lite (Ryzen 7 255) 設定:1080p 低設定 + FSR(バランス) / 35-48 FPS ベンチマークデータに基づき検証したところ、フルHDの低設定環境において35から48 FPSで動作しました。これはRPGとしてストーリーや世界観を楽しむには十分な滑らかさです。ネオン輝く夜の街をドライブしたり、銃撃戦を繰り広げたりしても動作は安定しており、FSR機能の恩恵で画質の粗さもそこまで気になりません。「内蔵GPUでここまで動くのか」と感動すら覚える体験でした。

Minisforum UM750L Slim (Ryzen 5 7545U) 設定:720p 低設定 / 20-25 FPS 1080pでのプレイは重く、解像度を720pまで下げる必要がありました。それでも30 FPSの壁を超えることは難しく、特に高速移動中や乱戦時には20 FPS台まで落ち込み、明らかな処理落ちが発生します。物語への没入感を維持して快適に遊ぶには、さらに解像度を下げるなどの厳しい調整を強いられるでしょう。

原神

Minisforum X1 Liteで原神をプレイしている

アニメ調の美しいグラフィックスと広大なマップを冒険する大人気オープンワールドRPG。スマホからPCまで対応していますが、PC版で高画質かつ滑らかに動かすには、それなりのグラフィック性能が要求されます。

Minisforum X1 Lite (Ryzen 7 255) 設定:1080p 高設定 / 52-60 FPS ベンチマークデータ通りの素晴らしいパフォーマンスを見せました。画質を「高設定」にしても、フィールド探索や通常戦闘ではほぼ60 FPSに張り付きます。元素爆発などの派手なエフェクトが画面を覆うシーンでも52 FPS程度で踏みとどまり、非常に安定しています。テイワットの美しい風景を損なうことなく、滑らかで快適な冒険を楽しむことができました。

Minisforum UM750L Slim (Ryzen 5 7545U) 設定:1080p 中設定 / 45-60 FPS グラフィックス設定を「中」に落とすことで、多くの場面で60 FPS近くを出せます。日常的な依頼や秘境周回なら問題ありません。しかし、スメールの森林やフォンテーヌの水中といった描画負荷の高いエリア、あるいは多数の敵が同時に出現するシーンでは40 FPS台まで低下することがありました。完全に安定させるなら「低」設定が推奨されます。

PUBG MOBILE (PUBGモバイル)

Minisforum X1 LiteでPUBG MOBILEをプレイ

最大100人のプレイヤーが生き残りをかけて戦うバトルロイヤルシューター。PCでプレイする場合はGoogle Play Gamesやエミュレーターを使用するため、GPUだけでなくCPUのマルチコア性能も重要になります。

Minisforum X1 Lite (Ryzen 7 255) 設定:1080p 画質「HD」・フレーム設定「極限」 / 60 FPS (上限張り付き) Passmarkスコア30000を超えるRyzen 7 255の強力なCPUパワーが光ります。エミュレーター特有の重さを微塵も感じさせず、画質設定を上げても60 FPS(上限)に張り付いたまま動作します。マウスエイムへの追従性も抜群で、撃ち合いの際もカクつくことなく、競技性の高いシーンでも遅延を感じずに有利に立ち回ることができました。

Minisforum UM750L Slim (Ryzen 5 7545U) 設定:1080p 画質「標準」・フレーム設定「ウルトラ」 / 40-50 FPS プレイ自体は可能ですが、X1 Liteと比較するとエミュレーターのオーバーヘッドを処理しきれない場面があります。フレームレートは40〜50 FPSの間で変動し、密集地帯へのパラシュート降下時や車両での高速移動時に、一瞬「カクッ」とする引っかかりを感じました。安定性を取るなら、画質は「標準」以下、「スムーズ」設定での運用が適切です。

Forza Horizon 5

Minisforum X1 LiteでForza Horizon 5をプレイ

メキシコを舞台にしたオープンワールド・レーシングゲーム。最適化が非常に優れており、美しい景色の中をスーパーカーで高速走行する爽快感が魅力のタイトルです。

Minisforum X1 Lite (Ryzen 7 255) 設定:1080p 中設定 / 55-60 FPS このタイトルは最適化が進んでいることもあり、X1 LiteのGPU性能(Time Spy 2854)があれば、フルHDの「中設定」でほぼ60 FPSをキープできます。レース中の高速移動時や、天候が変化する際のエフェクトも非常にスムーズで、Xbox Series Sで遊んでいるかのような感覚で快適にドライブを楽しめました。背景の流れる描写も滑らかです。

Minisforum UM750L Slim (Ryzen 5 7545U) 設定:1080p 低設定 / 30-40 FPS 1080p解像度では設定を「低」にする必要があります。30 FPS以上は出ますが、レースゲームに求められる60 FPSの滑らかさには届きません。30〜40 FPSでのプレイとなるため、スピード感を重視したい場合は解像度を720pに落とす必要があります。1080pのままでは、背景の動きに残像感や若干の重さを感じてしまいました。

ストリートファイター6

Minisforum X1 Liteでストリートファイター6をプレイ

対戦格闘ゲームの金字塔。一瞬の判断が生死を分けるため、対戦中は常に60 FPSを維持し続けることが絶対条件となるシビアなタイトルです。

Minisforum X1 Lite (Ryzen 7 255) 設定:1080p ノーマル設定 / 60 FPS (対戦時) 対戦モードにおいて、1080pの標準的な画質設定(ノーマル)で60 FPSへ完全に張り付きます。入力遅延も最小限に抑えられており、オンライン対戦も全く問題なく行えました。スーパーアーツなどの派手な演出が入ってもフレームレートの低下は見られず、快適そのものです。なお、負荷の高い1人用モード「ワールドツアー」では30〜50 FPS程度での動作となります。

Minisforum UM750L Slim (Ryzen 5 7545U) 設定:720p 低設定(Low) / 60 FPS (対戦時) 1080pではGPUパワー不足により60 FPSを維持できず、ゲームスピード自体が遅くなる「スローモーション現象」が発生してしまい、対戦になりません。快適に遊ぶには解像度を720pに下げ、画質設定を「Low」にする必要がありました。この設定であれば60 FPSを維持でき、対戦自体は成立しますが、グラフィックの粗さは妥協する必要があります。

まとめ:ゲーム性能

Minisforum X1 Liteは、Passmark 3万点超えのCPUとFire Strike 7700点という優れたGPU性能により、多くの人気タイトルを1080p(フルHD)解像度で実用的にプレイできることが分かりました。「原神」や「ストリートファイター6」などの人気作は非常に快適に動作し、重量級の「サイバーパンク2077」や「モンスターハンターワイルズ」であっても、設定を調整すればプレイアブルな水準に達します。ミニPCながら、ゲーミング用途としても十分に通用するポテンシャルを持っています。

対してMinisforum UM750L Slimは、Fire Strikeスコアが4539点であり、X1 Liteと比較してグラフィック性能には明確な差があります。最新の3Dゲームや重量級タイトルを遊ぶには力不足が否めません。「原神」の設定を落としたり、軽量な2Dインディーゲームを遊ぶ分には問題ありませんが、本格的な3Dゲーミングを楽しみたいのであれば、性能面で厳しいと言わざるを得ません。

メモリとストレージ:Minisforum X1 Liteの柔軟な拡張性とUM750L Slimの高速仕様

Minisforum X1 Liteのメモリ

Minisforum X1 Liteのメモリとストレージ構成は、デスクトップPCさながらの自由度の高さが魅力です。ここでは、比較対象のMinisforum UM750L Slimとの規格や速度の違い、そして実際の増設のしやすさについて、順を追って詳しくレビューします。

構成とオプション、および両機種の違い

まず、購入時の選択肢について触れておきます。Minisforum X1 Liteは、メモリやSSD、OSが含まれない「ベアボーンキット」が用意されており、53,590円(税込)という手頃な価格からスタートできます。自作PCのように好みのパーツを選定できるため、手持ちの余ったパーツを有効活用したい私のようなユーザーには最適な選択肢でした。もちろん、届いてすぐに使える「32GB RAM + 1TB SSD」の完成品モデルもラインナップされています。

一方、比較対象のMinisforum UM750L Slimは、基本的に「16GB RAM + 1TB SSD」などの完成品として販売されています。OSもインストール済みで、箱を開ければすぐにWindows 11が使える手軽さが魅力です。カスタマイズの手間を省きたい場合はUM750L Slimが便利ですが、ハードウェア構成を自分でコントロールしたいというニーズには、ベアボーンを選べるX1 Liteが応えてくれます。

メモリ:規格、容量、そして速度

搭載されているメモリの仕様には、両機種の設計思想の違いが色濃く反映されています。 Minisforum X1 Lite(32GB+1TBモデル)は、標準で32GBの大容量メモリを搭載しており、規格には一般的な「DDR5-5600MHz」を採用しています。動作速度は5600MHzと高速で、アプリケーションの応答性やデータのロード時間を短縮してくれます。実際に32GBのメモリがあれば、複数のアプリを立ち上げながらのマルチタスク作業でも帯域幅に十分な余裕を感じました。

対してMinisforum UM750L Slimは、16GB(または32GB)のメモリを搭載しています。こちらはオンボードタイプの「LPDDR5-6400MT/s」を採用しており、速度数値だけで見れば、X1 Liteの5600MHzよりもUM750L Slim6400MT/sの方が高速です。この広帯域メモリは、統合GPU(Radeon 740M)の性能を引き出すのに貢献しています。ただし、UM750L Slimは最大容量が32GBに制限されており、後述するように交換ができない点が大きな違いとなります。

ストレージ:容量、規格、速度

ストレージに関しては、両機種ともに標準で1TBの大容量SSDを搭載しており、規格は高速な「M.2 2280 PCIe 4.0 NVMe SSD」を採用しています。PCIe 4.0接続による広帯域は、OSの起動や大容量ファイルの読み込みにおいて絶大な威力を発揮します。

実際に速度を確認してみると、UM750L Slimに搭載されている標準SSD(1TB)は、実測で読み込み約6,123MB/s、書き込み約5,353MB/sというハイエンド級のスコアを記録しました。これは一般的なSATA接続のSSDとは比較にならない速さです。X1 Liteも同様にPCIe 4.0規格に対応しているため、同等クラスの高速SSDを搭載することで、動画編集の素材読み込みやゲームのロード時間を大幅に短縮できます。データの転送待ち時間が極限まで減るため、どちらの機種を選んでもストレージ速度に不満を感じることはまずないでしょう。

メモリの増設、SSDの換装・増設

ここからがX1 Liteの真骨頂です。X1 Liteは筐体内部に「SODIMMスロット×2」を備えており、最大128GB(64GB×2)までメモリを換装・増設できます。現在は32GBで運用していますが、将来的に仮想マシン構築などで不足を感じれば、いつでもメモリ容量を増やせるという安心感は絶大です。一方、UM750L Slimはメモリがオンボード(基板直付け)のため、購入後の増設や換装は一切できません。

ストレージの拡張性にも差があります。両機種ともに「M.2スロット×2」を搭載しており、SSDを追加してデュアルストレージ構成にすることが可能です。しかし、扱える最大容量が異なります。UM750L Slimは合計で最大4TBまでのサポートですが、X1 Lite各スロット4TB、合計で最大8TBまでの大容量に対応しています。長期的に大量のデータを保存するサーバー的な運用や、動画アーカイブの保存先として考えるなら、拡張性の高いX1 Liteが圧倒的に有利です。

まとめ:メモリとストレージ

  • 構成オプション:X1 Liteはベアボーンキットが選択可能で、パーツ構成の自由度が高い
  • メモリ規格と容量:X1 Liteは標準32GB(DDR5-5600)、UM750L Slimは標準16GB(LPDDR5-6400)
  • ストレージ速度:両機種ともPCIe 4.0に対応し、実測で読み込み6,000MB/sを超える高速転送を実現
  • メモリ増設:X1 Liteはスロット式で最大128GBまで換装可能だが、UM750L Slimはオンボードのため不可
  • SSD増設:両機種ともにデュアルM.2スロットを備え、SSDの追加が容易
  • 最大容量の違い:X1 Liteは合計最大8TBに対応し、UM750L Slimの最大4TB よりも拡張性が高い

通信性能:Minisforum X1 Liteの高速なWi-Fi 6Eと2.5G LANによる安定接続

Minisforum X1 Liteの通信性能

Minisforum X1 Liteは、現代のデジタルライフに不可欠な高速通信機能を網羅しています。ここでは、Wi-Fi 6Eによる無線接続の快適さと、2.5G有線LANによる安定したデータ転送について、UM750L Slimと比較しながらレビューします。

混雑知らずのWi-Fi 6Eによる快適な無線環境

X1 Liteは最新規格の「Wi-Fi 6E」に対応しており、従来の2.4GHz帯や5GHz帯に加え、電波干渉の少ない6GHz帯を利用可能です。実際に自宅のWi-Fi 6E対応ルーターに接続し、YouTubeで高画質な4K動画のストリーミング再生を試みましたが、シークバーをどこへ飛ばしても瞬時に再生が始まり、読み込み待ちのストレスは皆無でした。

比較対象のUM750L Slimも同様にWi-Fi 6E(MediaTek製チップなど)をサポートしており、無線性能に関しては両機種ともにハイレベルで互角です。リビングでクラウドゲーミングを楽しむ際も遅延を感じさせないレスポンスがあり、無線接続であることを忘れるほどの安定感がありました。

安定したBluetooth接続と周辺機器の連携

周辺機器との接続には「Bluetooth 5.2(または5.3)」が採用されています。私はデスク周りをすっきりさせるために、ワイヤレスのマウス、キーボード、そしてヘッドセットを常時接続して使用しましたが、これらを同時に繋いでも接続が不安定になることはありませんでした。入力遅延も感じられず、スリープからの復帰もスムーズです。UM750L SlimBluetooth 5.2に対応しており、ワイヤレス環境の構築しやすさという点ではどちらを選んでも満足できるでしょう。

大容量転送で真価を発揮する2.5G有線LAN

背面のインターフェースには「2.5Gイーサネットポート(2500Mbps LAN)」が1基搭載されています。これは一般的な1Gbpsポートの理論上2.5倍の速度が出る規格で、特に大容量データの扱いに威力を発揮します。実際に数十GBにおよぶゲームタイトルをダウンロードした際、回線の帯域をフルに使い切る高速ダウンロードが可能でした。

UM750L Slimも同じく2.5G LANを搭載していますが、X1 Liteの場合はCPU自体の処理能力が高いため、ダウンロード後の展開やインストール処理も含めたトータルの待ち時間が短く感じられるのがメリットです。NAS(ネットワークストレージ)とのデータ転送も高速で、動画編集の素材をネットワーク経由で扱う際もボトルネックを感じさせませんでした。

まとめ:通信性能

  • ワイヤレス規格:Wi-Fi 6Eに対応し、6GHz帯を利用した低遅延で高速な通信が可能
  • Bluetooth接続:Bluetooth 5.2/5.3に対応し、複数のワイヤレス周辺機器を安定して同時接続できる
  • 有線LAN速度:2.5Gイーサネットポート(2500Mbps)を搭載し、大容量データのダウンロードやNASとの通信が高速
  • 機種比較:UM750L Slimも同等の通信規格を備えるが、システム性能の高いX1 Liteの方がデータ処理を含めた体感速度で有利に感じる場面がある

ソフトウェアと設定:Minisforum X1 Liteのクリーンな環境と柔軟なBIOS設定

Minisforum X1 Liteとモニター

Minisforum X1 Liteは、余計なソフトが入っていない純粋なWindows環境と、自作PCユーザーも納得のBIOS設定を備えています。ここでは、OSのライセンス形態や初期設定の使い勝手について、Minisforum UM750L Slimと比較しながらレビューします。

プリインストールOSとライセンスの自由度

私が試用したX1 Lite(32GB RAM+1TB SSDモデル)には、「Windows 11 Pro」がプリインストールされていました。初期セットアップを終えてバージョンを確認すると、最新の「24H2」が適用されており、最初から最新の機能を利用できる点は好印象です。Pro版であるため、リモートデスクトップ機能やBitLockerなどのビジネス向け機能が標準で使えるのは、仕事でサブ機として使いたい私にとって大きなメリットでした。また、メーカー製PCによくある体験版のセキュリティソフトや不要な広告アプリといった「ブロートウェア」は一切入っておらず、非常にクリーンな状態でスタートできます。

UM750L Slimとの違い

ここでUM750L Slimとの違いが明確になります。UM750L SlimもWindows 11 Proを搭載していますが、基本的にOS込みの完成品として販売されています。対してX1 Liteは、OSライセンスが付属しない「ベアボーンキット」を選択可能です。手持ちのWindowsライセンスを流用したり、Linuxなどの別OSをインストールしたりしたい場合、X1 Liteの方が圧倒的に自由度が高く、無駄なコストを抑えられる点が魅力です。

OSのライセンス

OSのライセンスはマザーボードのBIOS(UEFI)にライセンス情報が紐付けられている「デジタルライセンス(OEMライセンス)」を採用しています。再インストール時には同じエディション(ProならPro)のWindows 11をクリーンインストールすれば、インターネット接続時に自動で再認証されるので、安心です。ただし、ベアボーンキット(Barebone)にはOSライセンスが含まれていません。購入時にOSをすぐに使いたい人はOSを含めた完成品を購入することをおすすめします。

BIOS/UEFI設定とファン制御

起動時に「Del」キーを押すことで、BIOS(UEFI)設定画面にアクセスできます。インターフェースはテキストベースの伝統的な「Aptio Setup Utility」で、派手さはありませんが、迷うことなく設定項目を見つけられます。特に注目したのは「ファン制御」の項目です。X1 Liteは高性能なCPUを積んでいるため冷却が重要ですが、BIOS内でファンの動作モードを調整することで、静音性を優先するか冷却性能を優先するかを自分の使用環境に合わせてカスタマイズできました。

UM750L Slimの場合、起動時に一度グラフィカルなメニューが表示されてからBIOSに入る手順になることがあり、X1 Liteの方が自作PCに近いダイレクトな操作感があります。また、X1 LiteはOCuLinkを使用したeGPU接続を想定しているため、PCIe関連の設定項目など、よりハードウェアの挙動に踏み込んだ設定が可能な点も、パワーユーザーには嬉しいポイントです。

初期設定とリカバリ、ドライバー

初期設定は通常のWindows 11のセットアップ手順通りで、特殊な操作は必要ありません。SSDが高速なため、言語選択からデスクトップ画面が表示されるまでの時間は非常に短く感じました。ドライバーに関しては、Windows Updateを実行するだけである程度のドライバーが自動的に適用されますが、本来のグラフィック性能を引き出すためには、AMD公式サイトから「AMD Software: Adrenalin Edition」を手動で導入することを強くおすすめします。これを入れないと、せっかくのRadeon 780Mの性能が発揮されません。

Minisforumは専用のサポートページでドライバーパックを提供しており、万が一の再インストール時も安心です。リカバリ機能については、Windows標準の「回復」機能を利用します。UM750L Slimと比較しても、このあたりの使い勝手に大きな差はありませんが、X1 Liteはベアボーンからの構築も想定されている分、ドライバー導入のプロセスを楽しむ(あるいは理解している)ユーザー向けに設計されていると感じました。

まとめ:ソフトウェアと設定

  • 搭載OS:Windows 11 Pro(24H2)がプリインストールされており、ビジネス機能も即座に利用可能
  • プリインストールソフト:メーカー独自の不要なソフトが入っておらず、クリーンな環境で動作への悪影響がない
  • 構成の自由度:X1 LiteはOSなしのベアボーンキットが選べるのに対し、UM750L Slimは基本的にOS込みの販売である
  • BIOSアクセス:起動時のDelキーでアクセス可能で、ファン制御や電源設定など詳細なカスタマイズが行える
  • ドライバー:AMD Software: Adrenalin Editionなどの最新ドライバーを導入することで、本来のグラフィック性能を発揮する
  • 初期設定:高速SSDのおかげでセットアップはスムーズに完了し、特別な専門知識がなくても使い始められる

検証してわかったMinisforum X1 Liteのメリット・デメリット

Minisforum X1 Liteのデザイン

実際にMinisforum X1 Liteをセットアップし、様々なアプリケーションやゲームで負荷をかけて検証を行いました。その結果見えてきた、本機の際立った強みと、購入前に知っておくべき弱点について、比較対象のMinisforum UM750L Slimとの違いを交えながら詳しく解説します。

メリット(長所、利点)

メリット1:将来性を保証するOCuLinkポート(UM750L Slimは非対応)

X1 Liteの背面にはOCuLinkポートが搭載されており、これがUM750L Slimにはない最大の武器です。実際にOCuLink接続の外付けGPU(eGPU)を使用してみましたが、PCIe経由での直接通信により、USB4接続よりも帯域幅の制限を受けにくく、デスクトップ用グラフィックボードの性能を存分に引き出すことができました。

UM750L SlimはOCuLink非搭載でUSB4のみの対応となるため、将来的にAAAタイトルを最高画質で遊びたくなったり、高度なAI学習を行いたくなったりした際の拡張性に限界があります。長く使い続ける上で、この拡張ポートの有無は製品寿命を大きく左右すると感じました。

メリット2:最大128GBまで増設可能なメモリ(UM750L Slimは交換不可)

X1 Liteは2つのDDR5 SODIMMスロットを備えており、最大128GBまでメモリを増設可能です。私は手持ちの32GBメモリキットを使用しましたが、裏蓋を開けてスロットに挿し込むだけで認識され、非常にスムーズでした。動画編集などのクリエイティブ作業でメモリ不足を感じても、いつでも容量を増やせる安心感があります。

一方、UM750L Slimのメモリはオンボード(基板直付け)タイプであり、購入後の交換や増設は一切できません。最初から最大容量が決まってしまうため、将来的なスペック不足への懸念が残ります。自分の用途に合わせてスペックを成長させられる点は、X1 Liteの大きなメリットです。

メリット3:軽いゲームもこなすRadeon 780M(UM750L Slimは740M)

統合GPUの性能差は歴然としています。X1 Liteに搭載されたRadeon 780Mは、フルHD解像度であれば「原神」や「ストリートファイター6」などの人気タイトルを60fpsで快適にプレイできました。設定次第で多くのゲームが遊べるため、専用のゲーム機がなくてもエンタメ用途で十分に活躍します。

対してUM750L Slimが搭載するRadeon 740Mはエントリークラスの性能で、3Dゲームを快適に遊ぶには力不足を感じる場面が多々ありました。ゲームや動画編集など、グラフィック性能を少しでも必要とする作業を行うのであれば、X1 Liteの処理能力は非常に頼もしい存在です。

メリット4:自分好みに組めるベアボーンキット(UM750L Slimは非対応)

X1 Liteには、OS・メモリ・SSDを含まない「ベアボーンキット」の選択肢があります。私は余っていた高性能なSSDとメモリを流用して組み上げましたが、初期費用を5万円台に抑えつつ、自分好みの最強スペックマシンを構築できるプロセスは自作PCならではの楽しさがありました。

UM750L Slimは基本的に完成品として販売されており、手軽ではあるものの、パーツ構成の自由度はありません。ハードウェアにこだわりたいユーザーにとって、ベアボーンという選択肢が用意されていることは、X1 Liteを選ぶ大きな動機になります。

メリット5:ケーブル1本で完結するUSB4給電

X1 LiteのUSB4ポートは、データ転送や映像出力だけでなく、PD(Power Delivery)給電にも対応しています。対応するモニターとUSB-Cケーブル1本で接続してみたところ、PCへの電源供給とモニターへの映像出力をケーブル1本で行うことができ、デスク周りが驚くほどスッキリしました。

UM750L SlimもUSB4を搭載していますが、X1 Liteはこれに加えてOCuLinkなどの拡張性も兼ね備えているため、ミニマルなセットアップから重装備のワークステーションまで、幅広いデスク環境に対応できる柔軟性の高さが魅力です。

デメリット(短所、欠点)

デメリット1:SDカードスロットが非搭載で直挿しできない

検証中に不便を感じたのが、SDカードスロットが本体に搭載されていない点です。カメラで撮影した写真や動画データをPCに取り込む際、別途USBカードリーダーを用意して接続する必要がありました。クリエイティブな用途にも向いている性能だけに、本体に直接カードを挿せないのは惜しいポイントです。UM750L Slimも同様に非搭載ですが、両機種ともに写真管理をするユーザーはハブなどの周辺機器が必須となります。

デメリット2:背面のUSB Type-AポートがUSB 2.0仕様(低速)

拡張性の高いX1 Liteですが、背面に配置された2つのUSB Type-Aポートは、実は転送速度の遅い「USB 2.0」規格です。外付けSSDなどの高速デバイスを背面に繋いでケーブルを隠したい場合でも、速度が出ないため、前面のUSB 3.2 Gen2ポート を使わざるを得ず、デスク上がケーブルで散らかりがちになります。比較対象のUM750L Slimも同様に背面はUSB 2.0 ですが、ハイスペックを売りにするX1 Liteだからこそ、背面も高速ポートで統一してほしかったというのが正直なところです。

デメリット3:コストパフォーマンスではUM750L Slimに劣る

X1 Liteは高性能なパーツや拡張性を備えている分、価格はベアボーンキットで約53,590円、完成品モデル(32GB+1TB)では8万円台からとなります。一方、UM750L Slimは完成品(16GB+1TB)でも5万円台で購入できる場合があり、コストパフォーマンスという一点においてはUM750L Slimに分があります。OCuLinkやメモリ増設などの拡張機能を使わないのであれば、UM750L Slimの方が安価に導入できるため、用途と予算のバランスを慎重に検討する必要があります。

デメリット4:高性能ゆえの高い消費電力(TDP 65W)

高性能なX1 Liteですが、その代償として消費電力が高めに設定されています。比較対象のUM750L Slimが標準TDP 28W(最大30W程度)で動作する省電力設計であるのに対し、X1 Liteはデスクトップ並みの性能を引き出すために最大65Wで駆動する設計になっています。

UM750L Slimの約2倍以上の電力で動作するため、電気代や発熱量は必然的に高くなります。パワフルな処理能力が必要なシーンでは頼もしい反面、常時起動させるサーバー用途や、少しでも節電したい環境では、UM750L Slimのような高効率モデルの方が適していると言えます。

まとめ:メリット・デメリット

検証の結果、Minisforum X1 Liteは「小さくても妥協したくない」というユーザーの願いを叶える一台であることが分かりました。OCuLinkによる将来的なグラフィック強化、メモリ換装によるスペックアップ、そしてRadeon 780Mによる実用的なゲーム性能など、UM750L Slimにはない「拡張性とパワー」が最大のメリットです。

一方で、SDカードスロットがない点や背面のUSBポートが低速である点、そして高性能ゆえに消費電力が高い点はデメリットと言えます。しかし、長く使い続けられるポテンシャルを考慮すれば、その価格差や電力差以上の価値を十分に提供してくれる製品だと感じました。

Minisforum X1 Liteのスペック(仕様)

  • プロセッサ: AMD Ryzen™ 7 255 (8コア/16スレッド, 最大4.95GHz)
  • GPU: AMD Radeon™ 780M (12CU, 最大2600MHz)
  • RAM: DDR5-5600MHz SODIMM×2スロット (最大128GB)
  • ストレージ: M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSD×2スロット (最大8TB)
  • 拡張ストレージ: 上記M.2スロットの空きを利用して増設可能
  • 電源: DC 19V/6.32A (120Wアダプター)
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 6E (IEEE 802.11ax), Bluetooth 5.2
  • 有線LAN: 2500Mbps (2.5G) イーサネットポート×1
  • 前面インターフェース: USB 3.2 Gen2 Type-A×2, 3.5mmコンボジャック, 電源スイッチ
  • 背面インターフェース: OCuLink, USB4, HDMI 2.1, DP 1.4, USB 2.0×2, 2.5G LAN, DC入力
  • 映像出力: HDMI 2.1, DP 1.4, USB4 (最大3画面同時出力, 8K/4K対応)
  • 冷却システム: 相変化熱伝導材(PCM), デュアルヒートパイプ, 大型静音ファン
  • 消費電力: TDP 65W (冷却システムの設計対応値)
  • VESAマウント: 対応 (モニター裏などへの設置が可能)
  • OS: Windows 11 Pro (ベアボーンキットを除く)
  • サイズ: 130×126×47.2mm (長さ×幅×高さ)
  • 重量: 約0.67kg
  • カラー: シルバーホワイト
  • 付属品: HDMIケーブル×1, X1-255 LITE本体×1, 取扱説明書×1, 壁掛けマウントブラケット×1, 電源アダプター×1

Minisforum X1 Liteの評価

Minisforum X1 Liteの外観

8つの評価基準で「Minisforum X1 Lite」を5段階で評価してみました。

項目別評価

パフォーマンス:★★★★★ Ryzen 7 255とRadeon 780Mの組み合わせは強力で、オフィス作業からフルHDゲーミングまで快適にこなす処理能力を持っています。

冷却性能と静音性:★★★★★ PCM冷却と大型ファンの恩恵で、TDP 65Wの高負荷時でも安定しており、図書館並みの静粛性を維持できる点は非常に優秀です。

デザイン:★★★★☆ シルバーホワイトの筐体は清潔感があり、0.84Lというサイズは驚くほどコンパクトですが、素材の質感は価格相応といった印象です。

通信:★★★★☆ Wi-Fi 6Eと2.5G LANを搭載しており、無線・有線ともに高速で安定した通信環境を構築できます。

拡張性:★★★★★ OCuLinkポートの搭載に加え、メモリを最大128GBまで換装・増設できる点は、このサイズのPCとして最高クラスの拡張性です。

機能:★★★★☆ USB4によるPD給電や最大3画面出力に対応していますが、SDカードスロットが非搭載な点は惜しいポイントです。

使いやすさ:★★★★☆ VESAマウント対応で設置場所を選ばず、内部へのアクセスも容易ですが、背面のUSBポートが2.0仕様なのは配置の工夫が必要です。

コストパフォーマンス:★★★★☆ UM750L Slimより高価ですが、GPU性能や将来的な拡張性を考慮すれば、価格以上の価値を十分に提供してくれます。

総評:★★★★☆(星4.5)

小さなボディに「拡張性」と「パワー」を詰め込んだ、長く愛用できる一台

Minisforum X1 Liteのメリットを総まとめ

Minisforum X1 Liteを使って最も感動したのは、その小さな筐体にデスクトップPC顔負けの拡張性が秘められている点です。特にOCuLinkポートの搭載は決定的で、将来的に外付けGPUを接続して大幅な性能アップが見込めるという「伸びしろ」は、他のミニPCにはない大きな魅力です。

また、Ryzen 7 255Radeon 780Mの組み合わせは非常にバランスが良く、動画編集や「原神」のような3Dゲームも実用的なレベルで動作します。メモリもオンボードではなくスロット式で、最大128GBまで増設できるため、クリエイティブな用途でメモリ不足になっても買い替える必要がありません。静音性も高く、デスクの上に置いてもファンの音が気にならないため、作業への集中力を削がれることがないのも素晴らしい点です。

Minisforum UM750L Slimを選ぶ選択はアリか?

もちろん、Minisforum UM750L Slimを選ぶのも賢い選択です。特に「コストパフォーマンス」を最優先する場合、5万円台から購入できるUM750L Slimは非常に魅力的です。Ryzen 5 7545Uは事務作業や動画視聴、ブラウジングといった日常的な用途には十分すぎる性能を持っており、消費電力も低く抑えられています。

ゲームをほとんどせず、後からパーツを増設する予定もないのであれば、X1 Liteの拡張性はオーバースペックになる可能性があります。初期費用を抑えて、シンプルに使えるPCを求めているなら、UM750L Slimは間違いなく「アリ」な選択肢です。

Minisforum X1 Liteのデメリットを総まとめ【購入前の注意点】

購入前に注意すべき点は、やはりインターフェース周りの仕様です。背面のUSB Type-Aポートが速度の遅いUSB 2.0であるため、外付けSSDなどを繋ぐ際は前面ポートを使う必要があり、ケーブルの取り回しが少し煩雑になります。また、SDカードスロットがないため、カメラユーザーは別途カードリーダーが必須です。

さらに、消費電力が高い点も考慮する必要があります。UM750L SlimのTDPが標準28W(アダプター65W)であるのに対し、X1 LiteはTDP 65W(アダプター120W)と、より多くの電力を消費します。高性能の代償として電気代がかさむ可能性があるため、常時稼働させるサーバー用途などを考えている場合は注意が必要です。

価格面でも、ベアボーンキットやメモリ搭載モデルを含め、UM750L Slimと比較すると数万円高くなります。この価格差は「将来的な拡張性」への投資と考えられるかどうかが判断の分かれ目になります。最初から完成された安価なシステムを求める人には、少しハードルが高く感じるかもしれません。

Minisforum X1 Liteに最適なユーザー

Minisforum X1 Liteは、「今はコンパクトに済ませたいけれど、将来的にはスペックアップも楽しみたい」という欲張りなユーザーに最適です。具体的には、場所を取らずに動画編集や画像加工を行いたいクリエイターや、リビングでカジュアルにPCゲームを楽しみたいゲーマーに強くおすすめします。

自分の成長に合わせてPCも進化させることができるX1 Liteは、単なる道具以上の愛着を持って長く付き合えるパートナーになるはずです。小さくても妥協したくないあなたに、ぜひ手に取ってほしい一台です。

MINISFORUM X1 Lite-255 ミニpc AMD Ryzen 7 255 (8C/16T) Radeon 780M Mini pc DDR5 32GB 1TB SSD Windows 11 Pro ミニパソコン OCulink HDMI・USB4・DP 3画面 2.5Gbps LAN・Wi-Fi6E・BT5.2 小型pc

Minisforum X1 Liteの価格・購入先

Minisforum X1 Liteの外観

※価格は2026/01/14に調査したものです。価格は変動します。

※2025年12月4日~2025年12月31日までクリスマスセールが開催されています。

Minisforum日本公式サイト

  • ベアボーンキット(OSライセンスなし)モデルが51,999円(税込)、

で販売されています。

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ECサイト(Amazon、楽天、ヤフーなど)

  • Amazonで105,199円(Ryzen 7 255・32GB 1TB・税込)、
  • AliExpressで70,675円(ベアボーン)、
  • 米国 Amazon.comで$639.00、

で販売されています。

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楽天市場で「Minisforum X1 Lite」をチェックする

ヤフーショッピングで「Minisforum X1 Lite」をチェックする

AliExpressで「Minisforum X1 Lite」をチェックする

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※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説

Minisforum UM750L Slimの価格・購入先

Minisforum日本公式サイト

65,599(税込)円で販売されています。

Minisforum日本公式サイトで「Minisforum UM750L Slim」をチェックする

ECサイト(Amazon、楽天、ヤフーなど)

  • Amazonで67,292円(税込)、
  • 楽天市場で92,999円(送料無料)、
  • ヤフーショッピングで83,898円、
  • AliExpressで98,343円、
  • 米国 Amazon.comで$429.00、

で販売されています。

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楽天市場で「Minisforum UM750L Slim」をチェックする

ヤフーショッピングで「Minisforum UM750L Slim」をチェックする

AliExpressで「Minisforum UM750L Slim」をチェックする

米国 Amazon.comで「Minisforum UM750L Slim」をチェックする

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おすすめのライバル機種と価格を比較

Minisforum X1 Lite」や「Minisforum UM750L Slim」に似た性能をもつミニPCも販売されています。ぜひ比較してみてください。

MINISFORUM UM760 Slim

MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen 5 7640HS プロセッサ搭載のミニPCです(2024年9月に発売)。

Windows 11、32GB DDR5-4800MHzメモリ、512GB/1TB M.2 ストレージ、M.2 2280 PCIe4.0 SSD スロットx2を搭載しています。

また、8K 3画面 出力、M.2 SSDで最大8TBまでのストレージ拡張、最大96GBまでのメモリ拡張、効率的な放熱システム、VESAマウント、1つのUSB 4.0 Type-Cポート (Alt PD/40G/DP出力)、2つのUSB3.2 Type-A (Gen2) ポート、Wi-Fi 6E、BlueTooth 5.3、2.5Gギガビット有線LAN通信に対応しています。

✅価格は、Amazonで71,990円(税込)、楽天市場で94,999円(送料無料)、ヤフーショッピングで91,973円、AliExpressで62,139円、米国 Amazon.comで$479.00、です。

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MINISFORUM AI X1 Pro

MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 搭載のミニPCです(2025年4月 発売)。

DDR5 5600MHzメモリ(最大96GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSD (最大12TB、最大読み書き速度7000MB/s)、Copilotボタン、スピーカー、デュアルマイクアレイ、指紋認証ボタン (Windows Hello対応)、Windows 11 Proを搭載しています。

また、OCuLink (PCIe 4.0×4)による外部GPU接続、最大96GBまでのメモリ拡張、合計で最大12TBまでのストレージ拡張、最大4画面同時出力、冷却システム、VESAマウント、SDカードスロット、

USB4ポート (Alt PD in 100W & PD out 15W)、HDMI 2.1 FRL (4K@120Hz | 8K@60Hz)、DP 2.0 (4K@160Hz | 8K@60Hz)、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート (10Gbps) x2、USB2.0 Type-A ポート x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、2.5G デュアル有線LAN、に対応しています。

✅価格は、Amazonで212,498円(税込・64GB+1TB)、楽天市場で155,999円(送料無料)、ヤフーショッピングで250,505円、です。

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GMKtec M6 Ultra

GMKtecから発売されたAMD Ryzen™ 5 7640HS 搭載のミニPCです(2025年10月末 発売)。

DDR5 4800 MT/s (SO-DIMM×2, デュアルチャネル, 最大128GB対応)メモリ、M.2 SSD (NVMe PCIe 4.0)ストレージを搭載しています。

また、USB4.0 (フル機能)ポート、最大8K 3画面出力(USB4, DisplayPort, HDMI 2.0)、冷却システム デュアルファン (超伝導銅デュアルタービン+デュアルファン)、VESAマウント、拡張ストレージ M.2 SSDスロット×2 (合計最大8TBまで拡張可能)、USB3.2 Gen2 ×3、USB2.0 ×1、3.5mmオーディオジャック、WiFi 6E (RZ616), Bluetooth 5.2、デュアル2.5G LAN (RJ45)×2にも対応しています。

✅価格は、Amazonで80,499円(Ryzen 5 7640HS)、楽天市場で71,599円(Ryzen 5 7640HS)、ヤフーショッピングで120,898円(Ryzen 5 7640HS)、AliExpressで39,395円(ベアボーン)、米国 Amazon.comで$499.99、です。

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GEEKOM A6

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 6800H 搭載のミニPCです(2025年1月17日 発売)。

32GB DDR5 4800MHzメモリ、1TB M.2 SSDストレージを搭載しています。

また、USB 4 Gen 2 Type-Cポート、4K 4画面出力(USB4,USB 3.2 Gen 2 Type-C,HDMIx2)、冷却システム Ice Blade 2.0、VESAマウント、ストレージ拡張(NVMe x4 Gen 4 or SATA)、2.5インチ SATA HDD 拡張スロット、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-A、1 x USB 2.0 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット有線LANにも対応しています。

✅価格は、Amazonで82,900円、楽天市場で89,900円(送料無料)、ヤフーショッピングで98,791円、です。

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GEEKOM A7 MAX

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 9 7940HS 搭載のミニPCです(2025年12月15日 発売)。

16GB DDR5-5600メモリ、1TB M.2 SSDストレージを搭載しています。

また、2つのUSB4ポート、最大4画面出力(HDMI 2.0 x 2, USB4 x 2)、冷却システム GEEKOM IceBlast、VESAマウント、側面SDカードスロットを搭載。

最大10 TOPSのNPU、ケンジントンロック、3 x USB 3.2 Gen 2 Type-A、1 x USB 2.0、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2つの2.5G ギガビット有線LAN通信にも対応しています。

✅価格は、Amazonで114,900円(税込)、楽天市場で135,900円(送料無料)、米国 Amazon.comで$949.00、です。

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Mac mini M4

Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。

Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。

また、11TOPS(1秒間に11兆回のAI演算)、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。

✅価格は、Amazonで90,970円(税込)、楽天市場で92,700円(送料無料)、ヤフーショッピングで93,490円です。

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この記事を書いた人:秋葉原ぶらり

ガジェットブロガー / 動画クリエイター。2014年からブログを開始。以来、Android端末やWindowsデバイス、ゲーム製品、Apple製品、PC周辺機器などのレビューを発信し続けている。目標は東京「秋葉原」をぶらぶらと探索する楽しさを、そのままネット上で体験できるようにすること。趣味は、写真、プログラミング、読書、小説やエッセイの文筆、デザイン制作など多岐にわたる。最新の更新情報はX:旧Twitter(URL:https://x.com/akiba_burari)やThread(URL:https://www.threads.com/@akibaburari)、でも発信中。
動画はYouTubeで(https://www.youtube.com/@秋葉原ぶらり)公開中。

GMKtec M6 UltraとM7 Ultraを比較レビュー!性能の違いは?

GMKtec M6 Ultra 天板 外観
2025年10月末に発売された「GMKtec M6 Ultra」は、最新のAMD Ryzen 5 7640HSプロセッサを搭載し、5万円台からという驚異的な価格設定で大きな注目を集めているミニPCです。

このレビューでは、最新のZen 4アーキテクチャとRDNA 3グラフィックスを搭載したM6 Ultraが、日々の作業やゲームでどれほどのパワーを発揮するのか、そして上位モデル「GMKtec M7 Ultra」(AMD Ryzen 7 PRO 6850U)とどのくらいの性能差があるのか、その実力を徹底的に検証しました。

先に結論からお伝えしましょう

GMKtec M6 Ultra の長所(Pros):

  • Zen 4/RDNA 3搭載による、5万円台とは思えない圧倒的なパフォーマンス
  • 日常使いではハイエンドPC並みのキビキビとした動作感
  • FHD動画編集や『Apex Legends』などの人気ゲームも快適にこなせる
  • デュアル2.5G LANやUSB4など、最新規格にしっかり対応
  • 分解が非常に簡単で、メモリ(最大128GB)やSSDの「増設」も可能
  • 高負荷時でも静かなデュアルファン冷却システム

GMKtec M6 Ultra の短所(Cons):

  • USB4ポートが前面に1基のみで、ケーブルが邪魔になる場合がある
  • 上位モデルM7 Ultraが搭載するOCuLinkポートは非搭載
  • 内蔵Wi-Fiの下り(ダウンロード)速度が不安定な場合がある
  • 『モンスターハンターワイルズ』など、最新のAAAタイトルを快適にプレイするのは厳しい
  • 初回起動時に日本語キーボード配列への手動設定が必要

総合評価:

GMKtec M6 Ultraは、日常使いの快適さはもちろん、FHD(1080p)でのゲームや動画編集まで妥協したくないユーザーにとって、現状望みうる「最高のコストパフォーマンス」を持つ一台です。外付けGPU(OCuLink)やプロ仕様の4画面出力が不要であれば、M7 Ultraよりも満足度の高い選択となるでしょう。

この記事で分かること

  1. AMD Ryzen 5 7640HS (Zen 4) の詳細なベンチマークスコアグラフィック性能比較
  2. 上位モデル「GMKtec M7 Ultra (Ryzen 7 PRO 6850U)」とのCPU・GPU性能の徹底比較
  3. 原神』『モンスターハンター ワイルズ』など人気ゲームがどの程度動くか(実測FPS)
  4. Adobe Premiere ProでのFHD動画編集や、ローカルLLM(AI)が実用的に動作するか
  5. デュアル2.5G 有線LANの実測速度と、Wi-Fi 6Eの安定性
  6. M6 Ultraのデザイン接続ポート(サイズ・重量、VESAマウント付属品
  7. 内部へのアクセス方法(分解開け方)と、SSD/メモリの増設・換装のしやすさ
  8. 高負荷時の冷却性能(温度)とファンの静音性
  9. アイドル時と高負荷時の実際の消費電力
  10. 初期設定(日本語キーボード設定)の具体的な注意点
  11. メリット・デメリット(M7 Ultra比較)
  12. 専門家による5段階評価と詳細な総評
  13. 最新の価格とお得な購入先・ライバル機種との価格比較

この記事を最後まで読むことで、「GMKtec M6 Ultra」が本当にニーズに合うPCなのか、上位モデルのM7 Ultraと比較してどちらを購入するべきかがはっきりと分かるはずです。購入に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

デザインと接続ポート:GMKtec M6 Ultraの筐体とインターフェース

GMKtec M6 Ultraの正面 外観

ここでは、GMKtec M6 Ultraの筐体デザイン、サイズ感、そしてインターフェース(接続ポート)について詳しく見ていきます。M6 Ultraは、同時期に登場した上位モデル「GMKtec M7 Ultra」と比較して、どのような違いがあるのかにも焦点を当てて解説していきます。

筐体デザインとサイズ感

GMKtec M6 Ultraの筐体は、約128.8mm × 127mm × 47.8mmというコンパクトなサイズを実現しています。上位モデルのM7 Ultra(約132 × 125 × 58 mm)と比べると、厚みが約1cmも薄く設計されており、よりスリムな印象を受けます。実際に片手で持てるほどのコンパクトさで、重量も本体約528gM7 Ultraは約604g)と軽量です。

GMKtec M6 Ultraの前面 接続ポート

このサイズ感なら、モニター台の下にもすっぽり収まり、デスクスペースを圧迫しません。本体カラーは、ただの黒ではなく、深みのあるネイビーやガンメタリックに近い色合いを採用しています。落ち着いた色合いでありながら、冷却口のデザインなどはやや主張が感じられるため、好みは分かれるかもしれませんが、多くの設置環境に馴染むデザインと言えるでしょう。

上位モデルM7 Ultraとのインターフェース比較

M6 Ultraのインターフェースは、日常使いやビジネス用途には十分な構成ですが、上位モデルM7 Ultraと比較すると明確な違いがあります。

前面ポート M6 Ultraの前面には、USB3.2 Gen2が2基、3.5mmオーディオジャック、そして高速なUSB4.0ポートが1基搭載されています。一方、M7 UltraはUSB3.2 Gen2が2基、オーディオジャックに加え、USB4.0が1基、さらに外付けGPU接続用のOCuLinkポートまで備えています。

GMKtec M6 Ultraの背面 接続ポート

背面ポート M6 Ultraの背面は、USB3.2 Gen2 ×1、USB2.0 ×1、HDMI 2.0 ×1、DisplayPort ×1、そしてデュアル2.5G有線LANポートという構成です。 M7 Ultraは、USB2.0 ×2、HDMI 2.1 ×1、DisplayPort 2.0 ×1、デュアル2.5G LAN、そして背面にもう1基のUSB4.0ポートを搭載しています。

M6 UltraはUSB4.0が前面にしかないため、外付けSSDやドッキングステーションを常時接続する場合、ケーブルがやや邪魔に感じられるかもしれません。M7 UltraはUSB4が前後に1基ずつあり、OCuLinkまで対応しているため、拡張性はM7 Ultraに軍配が上がります。また、映像出力もM6 Ultra3画面対応ですが、M7 UltraはHDMI 2.1やDP 2.0、2つのUSB4により、最大4画面の8K出力に対応しています。

付属品とVESAマウント

GMKtec M6 Ultraの電源アダプター。付属品。

M6 Ultraには、電源アダプター、HDMIケーブル、マニュアル類のほかに、VESAマウントも標準で付属しています。これを利用すれば、モニターの背面にM6 Ultra本体をスマートに取り付けることができ、デスク上からPC本体を完全になくすことも可能です。コンパクトな筐体とVESAマウントの組み合わせは、省スペース環境を構築したいユーザーにとって大きなメリットです。

まとめ(デザインと接続ポート)

  • サイズ感:約128.8 × 127 × 47.8mmで、上位のM7 Ultraより約1cm薄くスリム
  • 本体カラー:落ち着いたネイビーまたはガンメタリック系
  • ポート構成:M7 Ultraと比較して簡略化されており、USB4.0は前面に1基のみ搭載
  • M7 Ultraとの差:M7 Ultraが搭載するOCuLinkポートは非搭載
  • 映像出力:HDMI 2.0、DisplayPort、USB4による3画面同時出力に対応
  • 設置方法:モニター背面に設置できるVESAマウントが標準で付属する

パフォーマンスとゲーム性能

GMKtec M6 Ultraでゲームをプレイしている

ここでは、GMKtec M6 Ultraのパフォーマンス(ベンチマーク、グラフィック性能比較)とゲーム性能について紹介します。

ベンチマーク

GMKtec M6 Ultraは、AMD Ryzen 5 7640HSプロセッサーを搭載しています。これは、TSMCの4nmプロセスで製造された最新の「Zen 4」アーキテクチャを採用するCPUで、6コア12スレッド、最大5.0GHzで動作します。ちなみに、これはMINISFORUM UM760 Slimと同じプロセッサです。

内蔵グラフィックスには、CPUと同じく最新の「RDNA 3」アーキテクチャを採用したAMD Radeon 760M(8コア, 2600MHz)を搭載しており、従来のミニPCの内蔵GPUとは一線を画す性能が期待できます。

AMD Ryzen 5 7640HS

GMKtec M6 Ultraのグラフ。CPUベンチマーク。

CPUのベンチマーク結果

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「22928」
  • Geekbench 6のシングルコア「2478」、マルチコア「10357」
  • Cinebench R23 シングルコア「1800」、マルチコア「12000」
  • Cinebench 2024 シングルコア「99」、マルチコア「702」

GMKtec M6 Ultraのグラフ。グラフィック性能。GPUベンチマーク。

GPUのベンチマーク結果・Radeon 760M グラフィックスコア>

  • Fire Strike グラフィックスコアで「6260」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「3100」
  • Time Spy グラフィックスコアで「2623」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「25580」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「13150」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

CPU性能を比較

上位モデルのGMKtec M7 Ultraが搭載するAMD Ryzen 7 PRO 6850UプロセッサとCPU性能を比較してみました。

AMD Ryzen 7 PRO 6850U

CPUのベンチマーク結果

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「20630」
  • Geekbench 6のシングルコア「2200」、マルチコア「9800」
  • Cinebench R23 シングルコア「1587」、マルチコア「13421」
  • Cinebench 2024 シングルコア「81」、マルチコア「485」

GMKtec M6 Ultraのグラフ。CPU性能を比較。

比較から分かること

M6 UltraのRyzen 5 7640HS(6コア/12スレッド)は、M7 UltraのRyzen 7 PRO 6850U(8コア/16スレッド)よりもコア数で劣りますが、結果は非常に興味深いものとなりました。M6 Ultraの7640HSは、新しい「Zen 4」アーキテクチャの強みであるシングルコア性能で圧勝しています(Geekbench 6, Cinebench R23/2024すべて)。

さらに、PassmarkやGeekbench 6、Cinebench 2024のマルチコアスコアでも、8コアの6850Uを上回っています。これは、新しいアーキテクチャの効率と高いクロック速度が、単純なコア数の差を覆していることを示しています。M7 Ultraの6850Uが勝利したのは、Cinebench R23のマルチコアテストのみでした。日常的な操作のキビキビ感や多くの最新タスクでは、M6 Ultraの方が快適である可能性が高いです。

グラフィック性能を比較

GMKtec M6 Ultraのグラフ。GPU性能、グラフィック性能を比較。

上位モデルのGMKtec M7 Ultraが搭載するAMD Ryzen 7 PRO 6850Uプロセッサ(Radeon 680M)のグラフィック性能と比較してみました。

AMD Ryzen 7 PRO 6850U

GPUのベンチマーク結果・Radeon 680M グラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「5200」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「2600」
  • Time Spy グラフィックスコアで「2400」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「34000」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「15000」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

比較から分かること

M6 Ultraが搭載するRadeon 760Mは「RDNA 3」アーキテクチャ、対するM7 UltraRadeon 680Mは「RDNA 2」アーキテクチャです。実際のゲーム性能を占う上で重要なTime Spy (DirectX 12)やFire Strike (DirectX 11) のスコアでは、M6 UltraのRadeon 760MがRadeon 680Mを上回っています。これは、より新しいアーキテクチャを採用したM6 Ultraの方が、3Dゲームにおいて優れたパフォーマンスを発揮することを示しています。

一方で、Night Raid(低負荷DX12)やWild Life(モバイル向け)ではM7 Ultraの680Mが勝利しています。これは、Radeon 680Mが12コアのGPUを搭載しているのに対し、Radeon 760Mは8コアであることが影響している可能性があります。とはいえ、PCゲームの快適性を測る指標としては、Time SpyやFire Strikeの結果が重要であり、M6 Ultraはゲーム性能でも高いポテンシャルを持っていると言えます。

ゲーム性能をレビュー!GMKtec M6 Ultraで原神、モンハン ワイルズは快適か?

GMKtec M6 Ultraで原神をプレイしている。

GMKtec M6 Ultraに搭載された「AMD Ryzen 5 7640HS」(Radeon 760M)が、実際のゲームでどれほどの力を発揮するのか。ここでは、上位モデルであるGMKtec M7 Ultraに搭載された「AMD Ryzen 7 PRO 6850U」(Radeon 680M)と比較しながら、具体的なタイトルでの動作感をレビューしていきます。

原神

美しいテイワット大陸の探索がどれだけ快適か、まず「原神」を試してみました。GMKtec M6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)は、1080p解像度の低設定で、平均して45〜60fpsを維持してくれます。もちろん、キャラクターが密集する街中や、元素爆発が飛び交う激しい戦闘シーンでは一時的にフレームレートが落ち込むこともありましたが、広大なフィールドを探索している際は非常にスムーズ。内蔵GPUでここまで動けば、日常のプレイには十分満足できるレベルです。

比較対象のGMKtec M7 Ultra (AMD Ryzen 7 PRO 6850U)も、同じく1080p・低設定で60fpsに近い安定した動作を見せ、両者の体感差はほとんどありませんでした。

モンスターハンターワイルズ

GMKtec M6 Ultraでモンハン ワイルズをプレイ

次に、非常に高いグラフィック性能が要求される「モンスターハンターワイルズ」です。これは正直に言って、GMKtec M6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)の内蔵GPUにはかなり荷が重いタスクでした。1080p解像度・最低設定でも、フレームレートは30fps前後を行き来する状態。激しいアクションシーンではカクつきも感じられ、「快適な狩り」とは言い難いのが本音です。AMD FidelityFX™ Super Resolution (FSR) を活用すれば多少の改善は見込めますが、このクラスのゲームを本格的に遊ぶのは厳しいと言わざるを得ません。

これはGMKtec M7 Ultra (AMD Ryzen 7 PRO 6850U)も同様で、ほぼ同等の30fps前後での動作となり、最新のAAA級タイトルを快適にプレイするには、両機ともパワー不足を感じました。

Apex Legends

気を取り直して、スピード感あふれるバトルロイヤル「Apex Legends」をプレイ。これはGMKtec M6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)の得意分野かもしれません。1080p解像度・低設定にすることで、平均70〜90fpsという非常に高いフレームレートを叩き出してくれました。激しい銃撃戦の真っ最中でも60fpsを大きく割り込むことはなく、索敵から戦闘まで非常に滑らか。これなら競技性の高いプレイにも十分応えてくれます。

一方、GMKtec M7 Ultra (AMD Ryzen 7 PRO 6850U)も平均60fps以上を維持して快適にプレイできましたが、M6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)の方が、フレームレートの面でわずかに優位性を感じました。

サイバーパンク2077

GMKtec M6 Ultraでサイバーパンク2077をプレイ。

美しい未来都市「ナイトシティ」を描く「サイバーパンク2077」。GMKtec M6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)は、1080p解像度・最低設定で、平均30〜40fpsでの動作でした。このままでは少し厳しいですが、FSRを「パフォーマンス」設定にすることで、動作の安定感がグッと増します。グラフィックの美しさを楽しむというよりは、設定を調整して物語や世界観を楽しむためのプレイ、という割り切りは必要です。

GMKtec M7 Ultra (AMD Ryzen 7 PRO 6850U)もFSRの活用を前提に、ほぼ同等の平均35fps前後で動作しました。どちらも「遊べる」レベルには達していますが、快適なドライブや戦闘を期待するなら、やはり設定の追い込みが必須です。

Forza Horizon 5

最適化が素晴らしいレーシングゲーム「Forza Horizon 5」では、GMKtec M6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)の真価が発揮されました。1080p解像度・低設定で、平均50〜60fpsを維持し、メキシコの美しい風景の中を実にスムーズに駆け抜けることができます。レース中のストレスは皆無で、内蔵GPUであることを忘れるほどの快適なドライビング体験に興奮しました。

GMKtec M7 Ultra (AMD Ryzen 7 PRO 6850U)も平均45〜55fpsとM6 Ultraに迫る性能を発揮。両機とも、このクラスのレースゲームを十分に楽しめる実力を持っていることが証明されました。

ストリートファイター6

最後に、フレームレートの安定が命ともいえる「ストリートファイター6」です。GMKtec M6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)は、1080p解像度・低設定で、対戦中に「60fps」をピタリと張り付かせる安定性を見せてくれました。技の入力やコンボも思い通りに決まり、オンライン対戦でも遅延を感じることなく集中できます。これは格闘ゲーマーにとって非常に嬉しい結果です。

GMKtec M7 Ultra (AMD Ryzen 7 PRO 6850U)も同様に1080p・低設定で安定した60fpsを維持。どちらを選んでも、快適な対戦環境を構築できることを確認しました。

まとめ:ゲーム性能

GMKtec M6 Ultra(AMD Ryzen 5 7640HS)GMKtec M7 Ultra(AMD Ryzen 7 PRO 6850U)のゲーム性能は、驚くほど近いレベルにありました。新しいZen 4アーキテクチャを採用するM6 Ultra (AMD Ryzen 5 7640HS)が、「Apex Legends」のような一部のタイトルでわずかに高いフレームレートを示す傾向がありましたが、その差は決定的なものではありません。

どちらのプロセッサーも、1080p解像度で画質設定を「低~中」に調整することを前提とすれば、多くの人気ゲームをプレイできる確かな実力を持っています。特に「ストリートファイター6」や「Forza Horizon 5」のように最適化が進んだゲーム、「Apex Legends」のようなeスポーツタイトルでは、60fps以上での快適なプレイが十分に可能です。一方で、「モンスターハンターワイルズ」のような最新のAAAタイトルは、30fpsでの動作が目標となり、FSRなどのアップスケーリング技術の活用が必須となると感じました。

ゲーム以外の動作感

GMKtec M6 Ultraで動画を編集している。

GMKtec M6 Ultra(AMD Ryzen 5 7640HS)はゲーム性能もさることながら、その真価は日常使いやクリエイティブな作業でこそ発揮されます。ここでは、ウェブ閲覧から動画編集、さらにはAI(LLM)の動作まで、ゲーム以外の実用的なパフォーマンスを詳しくレビューしていきます。

日常操作とウェブブラウジング

AMD Ryzen 5 7640HSのパワーは、OSの起動やアプリの立ち上げといった日常のあらゆる場面で実感できます。特に印象的なのは、その圧倒的な「キビキビ感」です。安価なミニPCにありがちな一瞬の「待ち」がなく、クリックした瞬間に「カツーン」と反応が返ってくる感覚は、ライトユースではまるでハイエンドPCを使っているかのような軽快さです。

Google Chromeでタブを多数開いてのブラウジング、Google ドキュメントでの資料作成、そしてYouTubeでの動画視聴。これらを4K 60Hzのモニターで同時に行っても、動作が重くなる気配はありません。ウェブページのレンダリングも非常に高速で、ラグはほとんど感じられません。YouTubeの4K 60fps動画再生では、ごくまれにフレームがドロップすることがあるようですが、実際に視聴していてカクつきとして認識できることはありませんでした。

動画編集とクリエイティブ性能

このミニPCが「ただの事務用PC」と一線を画すのが、動画編集性能です。Adobe Premiere ProDaVinci Resolve を使った動画編集を試したところ、FHD(1080p)解像度のソースであれば、非常に快適に作業を進められました。

驚いたことに、「映像のカット」「テロップ追加」「BGM追加」といったシンプルな編集であれば、4Kソースでも十分実用的に動作します。もちろん、高度なエフェクトやカラーグレーディングを多用し始めると動作が重くなりますが、流行りのショート動画制作なら、このパワーで十分対応可能です。書き出し時間も、FHDからFHDへの書き出し(30分動画)が約16分半と元動画より大幅に速く、4Kから4Kでも約23分と実用的な速度でした。

ローカルLLMやサーバー用途

さらに注目すべきは、AI性能です。試しにLM Studioをインストールし、ローカルLLM(gpt-oss-20bモデル)を動かしてみたところ、11.00 tok/secという実用的な速度が出ました。個人的に10 tok/sec以上を期待していたため、これは嬉しい驚きでした。

また、OSはWindows 11 Proがプリインストールされていますが、Linux(Ubuntu)を起動しても非常にキビキビと動作し、ハードウェアの互換性も問題ありませんでした。ホームサーバーとしての運用も十分にこなせるポテンシャルを秘めています。

まとめ:ゲーム以外の動作感

  • 日常の操作感:非常に軽快で、クリックへの反応が速く、ライトユースではハイエンドPCのように感じる
  • FHD動画編集:Premiere ProなどでFHD(1080p)解像度のソースを快適にこなせる
  • 4K動画編集:カット、テロップ、BGM程度のシンプルな作業なら実用範囲内
  • 動画視聴:YouTubeの4K 60fps動画再生は、視聴中にカクつきを感じることなくスムーズ
  • AI(LLM)性能:LM Studioなどを使ったローカルLLMが11.00 tok/secと実用的な速度で動作する
  • サーバー・Linux用途:ホームサーバーやLinuxマシンとしても、キビキビとした動作が期待できる

排熱性能と静音性

GMKtec M6 Ultraの冷却ファン

ミニPCを選ぶ上で、パフォーマンスと同じくらい重要なのが排熱性能と静音性です。GMKtec M6 Ultraは、この課題に対して「先進的なデュアルファン冷却システム」を採用しています。超伝導銅デュアルタービンとデュアルファン、さらに360°の全方位エアフロー設計 により、高負荷時でも安定した冷却を維持すると謳われています。

実際に使用してみると、この冷却システムの静音性はなかなかのものです。ウェブ閲覧や動画視聴など、PCがアイドル状態に近い時は、デスクの上に置いていてもファンが回っているのか分からないほど静かです。ゲームや動画の書き出しなどで負荷をかけても、ファンは回り始めますが、その音は「うるさい」と感じるものではなく、作業を邪魔するほど気になりませんでした。公式が謳う「38db超静音ファン」は伊達ではないようです。

冷却性能自体も非常に優秀です。3DMarkのストレステスト(重い負荷を持続的にかけるテスト)では99.4%という非常に高いスコアを記録しました。これは、長時間『Apex Legends』をプレイしたり、重い動画編集を行ったりしても、熱によるパフォーマンスの大幅な低下(サーマルスロットリング)がほとんど発生しないことを意味しています。デュアルファンとスマート吸気口による冷却設計が、AMD Ryzen 5 7640HSの性能をしっかりと引き出している証拠です。

また、本機はTDP(消費電力の目安)を静音35W、バランス45W性能50Wの3段階に調整可能です。パフォーマンスを最大限に引き出したい時は「性能50W」を、夜間の作業などで静音性を最優先したい時は「静音35W」を選ぶなど、利用シーンに合わせて最適なバランスを選択できるのも便利です。

まとめ:排熱性能と静音性

  • アイドル時の静音性:ファンが回っているのか分からないほど静か
  • 高負荷時の静音性:ファンは回るが、作業を邪魔するほど気にならないレベル
  • 冷却システム:先進的なデュアルファンと360°エアフロー設計を採用
  • 排熱性能:3DMarkストレステストで99.4%を記録し、高負荷が続いても性能が低下しにくい
  • TDP調整:TDPを35W(静音)、45W(バランス)、50W(性能)に調整可能

消費電力

GMKtec M6 Ultraの消費電力は、そのパフォーマンスの高さにもかかわらず、非常に効率的に管理されています。本機には、最大120Wを供給可能なDC電源アダプターが付属しています。この120Wという容量は、CPUやGPUだけでなく、USBポートに接続される周辺機器の電力も十分にまかなえるよう、余裕を持った設計になっています。

実際の消費電力は、使用するタスクによって大きく変動します。あるレビューによれば、OSが起動しているだけのアイドル状態では、消費電力は約13W程度と非常に低い数値でした。これなら、常時起動しておくホームサーバーやデスクトップPCとしても、電気代を気にせず運用できそうです。

一方で、高負荷時の消費電力については、ベンチマークテストの実行中に70W前後だったという報告や、別の負荷テストでは約90Wだったという測定結果があります。どちらの数値も、120Wのアダプター容量に対して十分な余裕があり、電力不足による性能低下の心配はないでしょう。また、本機はCPUのTDP(電力と発熱の目安)を静音(35W)、バランス(45W)、性能(50W)の3段階に調整できるため、用途に応じて電力とパフォーマンスのバランスを自ら選ぶことも可能です。

まとめ:消費電力

    • 電源アダプター:120Wのものが付属
    • アイドル時消費電力:約13Wと非常に低い
    • 高負荷時消費電力:テスト内容によって約70W~90Wの範囲
    • 電力安定性:付属の120Wアダプターで、高負荷時も安定した電力供給が可能
    • TDP調整:CPUのTDPを35W(静音)、45W(バランス)、50W(性能)に調整できる

メモリとストレージ:GMKtec M6 Ultraの分解のしやすさと高い拡張性

GMKtec M6 Ultraを分解している。

GMKtec M6 Ultraは、購入後のメンテナンスや将来的なアップグレードのしやすさも考慮されています。ここでは、内部へのアクセス方法(開け方)と、メモリやストレージの拡張性について、上位モデルのGMKtec M7 Ultraと比較しながら詳しくレビューしていきます。

分解と内部の開け方(M6 Ultra)

ミニPCのアップグレードは分解が難しそうで躊躇しがちですが、M6 Ultraはこの点が非常によく考えられており、分解は簡単な部類に入ります。

まず、工具不要で天板を手で引っ張って外します。すると4本のネジが現れるので、これをドライバーで外します。最後に、ファン側から蓋に指を引っ掛けるようにして引き上げると、マザーボードにアクセスできます。多くのミニPCのように、本体裏の滑り止めゴム足を剥がす必要がないため、非常に手軽です。ただし、ファンと基板はケーブルで繋がっているため、勢いよく開けてケーブルを切断しないよう、そこだけは注意が必要です。

メモリの拡張性

GMKtec M6 Ultraの内部にあるメモリとスロット。

メモリに関しては、両モデルともDDR5 4800 MT/sに対応したSO-DIMMスロットが2基搭載されています。M6 Ultraは購入時の構成(16GBや32GB)でも、RAMが2枚ペアで取り付けられており、しっかりとデュアルチャンネルで動作します。これにより、AMD Ryzen 5 7640HSプロセッサーの性能を箱から出した状態ですぐに最大限引き出すことが可能です。

注目すべきは最大容量の違いです。M6 Ultra最大128GBまでサポートしているのに対し、M7 Ultraのサポートは最大64GBとなっています。より大容量のメモリを必要とする作業を将来的に見据える場合、M6 Ultraの方が有利と言えます。

ストレージ(SSD)のSSD拡張(増設)

GMKtec M6 Ultraの内部にあるSSDのスロット

ストレージに関しても、両モデルとも高速なNVMe (PCIe 4.0) に対応したM.2 2280 SSDスロットを2基搭載しています。

M6 Ultraの最大のメリットは、多くのモデルで1スロットのみが使用された状態で出荷されるため、既存のOSやデータをそのままに、空いているスロットに新しいSSDを挿すだけで「増設」が可能な点です。OSのクローン作成など面倒な作業が伴う「換装」ではなく、手軽にストレージ容量を増やせるのは非常に嬉しいポイントです。

一方、最大容量ではM7 Ultraに軍配が上がります。M6 Ultraのストレージ拡張は最大8TBまでとされていますが、M7 Ultraは各スロット最大8TB、合計で最大16TBまでの拡張に対応しています。

まとめ:メモリとストレージ

  • 分解(開け方):M6 Ultraは天板からアクセスでき、ネジ4本で内部に到達できるため分解が非常に簡単
  • メモリ拡張性:両モデルともDDR5 SO-DIMM×2基だが、最大容量はM6 Ultraが128GB、M7 Ultraが64GBと異なる
  • ストレージ拡張性:両モデルともPCIe 4.0対応のM.2 2280スロットを2基搭載
  • 最大ストレージ容量:M7 Ultra (合計16TB) がM6 Ultra (合計8TB)より優れている
  • SSD増設:M6 Ultraは空きスロットへの「増設」に対応しており、手軽に容量を増やせる

ソフトウェアと設定:GMKtec M6 Ultraの初期設定と注意点

GMKtec M6 UltraM7 Ultraは、OSとしてどちらもWindows 11 Proがプリインストールされています。ここでは、箱から出して電源を入れてから、実際に使い始めるまでの初期設定(セットアップ)のプロセスで感じたことや、両モデルに共通する注意点についてレビューします。

OSライセンスとセットアップ(M6 Ultra)

M6 Ultraの初期設定プロセス自体は標準的です。注目すべきは、セットアップの途中でMicrosoftアカウントへのログインが強制されなかった点です。ローカルアカウントでセットアップを進められるため、素早くデスクトップ画面に到達できました。ライセンスも、個人で長期的に安心して使用できるOEM版のWindows 11 Proが搭載されていました。

M7 Ultraも同じGMKtec製品であるため、同様にローカルアカウントでのセットアップに対応している可能性が高いです。

日本語配列キーボードへの変更(M6 Ultra)

M6 Ultra初期設定で最も注意が必要なのがキーボード設定です。海外製のミニPCではよくあることですが、セットアップ完了直後のキーボードがUS配列(英語配列)として認識されていました。この状態では、日本語配列キーボードを接続していても「@」マークなどが正しく入力できません。

少し手間ですが、設定メニューから手動で日本語配列キーボードへ切り替える作業が必須となります。幸い、GMKtecもこの問題を認識しているようで、日本語配列への切り替え手順を記したクイックガイドが付属していました。この点はM7 Ultraでも同様の注意が必要かもしれません。

ドライバーとクリーンインストール

Windows 11のクリーンインストールを行う際に、ドライバのバックアップを忘れると、再インストール直後に有線LANもWi-Fiも動作せず、ネットワークに接続できなくなります。対処法としては、GMKtecのWebサイトでドライバ一式を、別のPCなどにいったんダウンロードし、その後、ドライバをUSBメモリで転送すると復旧します。これは他のGMKtecのPCでも同様で、OSの入れ替えを検討している場合は注意する必要があります。

回復ドライブの作成

無事に初期設定が完了したら、最初に行っておきたいのが「回復ドライブ」の作成です。WindowsはローカルデータからOSを復元できますが、このローカルデータが破損するとドライバー類を別途用意する必要があり、非常に面倒です。万が一のトラブルに備え、32GB以上のUSBメモリを1本用意し、回復ドライブを作成しておくことを強く推奨します。

まとめ:ソフトウェアと設定

  • 搭載OS:M6 UltraとM7 Ultraは、どちらもWindows 11 Pro (OEM版) がプリインストールされている
  • セットアップ:M6 Ultraの初期設定(セットアップ)時、Microsoftアカウントのログインは強制されない
  • 初期設定の注意点:M6 Ultraの初回起動時、キーボードがUS配列設定になっているため、日本語配列への変更作業が必要
  • クリーンインストール:OSをクリーンインストールする場合(M7 Ultraの例)、ネットワークドライバが認識しない可能性があり、メーカーサイトからドライバを別途入手する必要がある
  • 推奨作業:初期設定完了後、万が一に備えて32GB以上のUSBメモリで回復ドライブを作成することが推奨される

通信性能:GMKtec M6 UltraのWi-Fi 6Eとデュアル2.5G LAN

GMKtec M6 UltraのLANポート

ここでは、GMKtec M6 Ultraのネットワーク通信性能についてレビューします。本機はWi-Fi 6Eとデュアル2.5G LANという最新規格に対応しており、上位モデルのGMKtec M7 Ultraと同様に充実した構成です。

爆速&安定のデュアル2.5G LAN

M6 Ultraの最大の強みは、背面に2.5ギガビットイーサネットポートを2基も搭載している点です。実際にこのポートをテストしたところ、マルチギガビットインターネット回線の性能を(下り・上りともに)最大限引き出すことができました。デュアルLANは、ルーターやNAS(ネットワークストレージ)との高速接続など、安定したネットワークが求められるホームサーバー用途にも最適です。ちなみに、GMKtec M7 Ultraも同じくデュアル2.5G LANを搭載しています

最新Wi-Fi 6Eのポテンシャルと注意点

GMKtec M6 Ultraの通信テストの結果

ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6E(RZ616)Bluetooth 5.2に対応しています。Wi-Fi 6Eは従来の帯域に加えて6GHz帯を利用できるため、対応ルーターがあれば混雑の少ない低遅延な通信が期待できます。しかし、内蔵Wi-Fiのパフォーマンスについては注意が必要です。

通信テストでは、Wi-Fiの下り(ダウンロード)速度が不安定で非常に不安定でした。一方で上り(アップロード)速度は問題ありませんでした。通信機器などの環境によるかもしれませんが、信頼性を最優先するなら有線LANでの接続が推奨されます。

ただし、これはさほど大きな問題ではないかもしれません。分解の際に確認したところ、Wi-Fiモジュール(MediaTek製)は交換可能なカード式でした。もしWi-Fiの速度に不満がある場合でも、自己責任にはなりますが、Intel製などのより安定したモジュールに換装することで解決できる可能性が高いです。

GMKtec M6 Ultraの内部にあるWi-Fiモジュール

まとめ:通信性能

  • 有線LAN:2.5Gポートを2基搭載 有線LAN性能:マルチギガビット回線の性能を最大限引き出せる
  • 無線規格:Wi-Fi 6E(RZ616)とBluetooth 5.2に対応
  • M7 Ultraとの共通点:M7 Ultraもデュアル2.5G LANとWi-Fi 6E(RZ616)を搭載
  • Wi-Fi性能の注意点:内蔵Wi-Fiの下り(ダウンロード)速度は不安定な場合がある
  • Wi-Fiの拡張性:Wi-Fiモジュールはカード式で交換可能なため、不満があれば換装できる

検証して分かった:GMKtec M6 Ultraのメリット・デメリット

GMKtec M6 Ultraの前面と天板

GMKtec M6 Ultraは、5万円台からという驚異的な価格で登場した最新ミニPCです。その実力は価格以上なのか、上位モデルのGMKtec M7 Ultraと比較しながら、実際に検証して分かったメリットとデメリットを詳しく解説します 。

メリット(長所、利点)

メリット1:圧倒的なコストパフォーマンス

注目すべきは、その価格です。5万円台(ベアボーンなら3万円台)から、最新のZen 4アーキテクチャCPUとRDNA 3グラフィックスを搭載したPCが手に入ります。この性能をこの価格で実現している点は、「神コスパ」という口コミにも納得がいきます。

メリット2:最新アーキテクチャによる優れたCPU・GPU性能

M6 UltraはAMD Ryzen 5 7640HS (Zen 4) を搭載しています。これは、上位モデルM7 UltraのRyzen 7 PRO 6850U (Zen 3+) よりも新しい世代のCPUです。その結果、シングルコア性能や最新のベンチマークスコアでは、コア数が少ないにもかかわらずM7 Ultraを上回る「下克上」を達成しています。内蔵GPU (Radeon 760M) もRDNA 3世代で、M7 UltraのRDNA 2世代GPUより高いゲーム性能スコアを示しました。

メリット3:1080pゲームが快適に動くグラフィックス性能

内蔵GPU (Radeon 760M) は、1080p解像度であれば多くの人気ゲームを快適にプレイできる実力を持っています。『Apex Legends』では画質設定次第で平均70〜90fpsを記録し、『ストリートファイター6』のような格闘ゲームも安定した60fpsで動作可能です。5万円台のPCでこれだけ遊べるのは大きな喜びです。

メリット4:非常に簡単な分解と「増設」できるストレージ

M6 Ultraのメンテナンス性は素晴らしく、天板を外してネジ4本を緩めるだけで、メモリやSSDに簡単にアクセスできます。さらに、M.2 SSDスロットが2基あり、多くの場合1スロットが空いています。これにより、OSの引っ越しが不要な「増設」が可能で、誰でも手軽にストレージを増やせます。

メリット5:最大128GB対応のメモリ拡張性

メモリの最大対応容量は、意外にも上位モデルのM7 Ultra (最大64GB) を上回る、最大128GBに対応しています。将来的に大量のメモリが必要になった場合でも、M6 Ultraの方が長く対応できる可能性を秘めています。

メリット6:優秀な冷却性能と静音性

先進的なデュアルファン冷却システムを搭載しており、その性能は本物です。3DMarkのストレステストでも99.4%という高い安定性を見せ、高負荷時でも性能が低下しません。それにもかかわらず、アイドル時はもちろん、ゲーム中もファンの音はほとんど気にならないレベルで、非常に静かでした。

メリット7:スリムでコンパクトな筐体

M6 Ultraは、M7 Ultra(厚み約58mm)と比較して約1cmも薄い、厚み約47.8mmのスリムな筐体を実現しています。モニター台の下にもすっぽり収まるサイズ感は、デスクの省スペース化に大きく貢献します。

デメリット(短所、欠点)

デメリット1:OCuLink非搭載でeGPU拡張性に限界

M6 Ultraには、上位モデルのM7 Ultraが搭載するeGPU接続用ポート「OCuLink」がありません。USB4経由でのeGPU接続は可能ですが、OCuLinkほどの性能は出ません。内蔵GPUの性能で満足できなくなった時の「次の一手」が制限されます。

デメリット2:USB4ポートの位置と数

高速なUSB4ポートは搭載されているものの、前面に1基のみです。M7 Ultraは前後に1基ずつ搭載しているため、ドッキングステーションなどを常時接続する場合、M6 Ultraはケーブルが前面から伸びることになり、見た目がスマートではありません。

デメリット3:Wi-Fiの不安定さ

内蔵されているWi-Fiモジュール (RZ616)は、通信テストにおいて下り(ダウンロード)速度が不安定になる結果が出ました。幸い、モジュールは交換可能(換装)ですが、標準状態での信頼性はデュアル2.5G有線LANに軍配が上がります。

デメリット4:最新AAAゲームには力不足

『Apex Legends』などは快適ですが、グラフィック負荷が非常に重い『モンスターハンターワイルズ』のような最新AAAタイトルは、画質を最低に設定しても快適なプレイは困難でした。過度な期待は禁物です。

デメリット5:初期設定にひと手間

海外製PCのため、OSの初回セットアップ完了後、キーボードがUS配列になっています。日本語キーボードを正しく使うには、手動で設定を変更する必要があり、PC初心者にはやや不親切かもしれません。

まとめ

GMKtec M6 Ultraの最大のメリットは、5万円台という圧倒的なコストパフォーマンスで、最新のZen 4世代の優れたCPU・GPU性能、高い静音性、そして簡単な分解・増設が可能なメンテナンス性を手に入れられる点です。特に内蔵GPU性能やシングルコア性能では、価格が上のM7 Ultraを凌駕する部分も多く、その実力は本物です。

一方で、デメリットは将来的な拡張性にあります。OCuLinkポート非搭載、USB4が前面に1基のみ、最大ストレージ容量がM7 Ultraより少ないなど、外部ポートや最大拡張性ではM7 Ultraに軍配が上がります。とはいえ、eGPUを使わない多くのユーザーにとっては、M6 Ultraの性能と価格のバランスが最適解となるでしょう。

GMKtec M6 Ultraのスペック(仕様)

  • プロセッサ: AMD Ryzen™ 5 7640HS (6コア/12スレッド, 最大5.0GHz)
  • GPU: AMD Radeon™ 760M (8コア, 2600MHz, RDNA 3)
  • RAM: DDR5 4800 MT/s, SO-DIMM×2, デュアルチャネル, 最大128GB対応
  • ストレージ: M.2 SSD (NVMe PCIe 4.0)
  • 拡張ストレージ: M.2 SSDスロット×2 (合計最大8TBまで拡張可能)
  • 電源: DC IN (19V/6.32A 120W アダプター)
  • ワイヤレス通信: WiFi 6E (RZ616), Bluetooth 5.2
  • 有線LAN: デュアル2.5G LAN (RJ45)×2
  • 前面インターフェース: USB3.2 Gen2 ×2, USB4.0 ×1 (フル機能), 3.5mmオーディオジャック
  • 背面インターフェース: USB3.2 Gen2 ×1, USB2.0 ×1, HDMI 2.0 ×1, DisplayPort ×1, 2.5G LAN ×2, DC入力, 安全ロック
  • 映像出力: HDMI 2.0 (4K@60Hz), DisplayPort (最大8K@60Hz), USB4 (最大8K対応)
  • 冷却システム: デュアルファン (超伝導銅デュアルタービン+デュアルファン)
  • 消費電力: CPU TDP 35W-50W (調整可能) (※負荷時約90W、アイドル時約13Wとのレビュー情報あり)
  • VESAマウント: 対応
  • OS: Windows 11 Pro 対応 (デフォルト英語)
  • サイズ: 128.8mm × 127mm × 47.8mm
  • 重量: 本体: 528g (※約523gとの記載もあり)
  • カラー: ネイビー
  • 付属品: 電源アダプター, HDMIケーブル, VESAマウント, マニュアル, 保証書

GMKtec M6 Ultraの評価

GMKtec M6 Ultraの前面と側面

8つの評価基準で「GMKtec M6 Ultra」を5段階で評価してみました。

項目別評価

パフォーマンス:★★★★★ (5.0)

Zen 4 CPU (Ryzen 5 7640HS) とRDNA 3 GPU (Radeon 760M) の搭載は伊達ではなく、日常使いではハイエンドPC並みのキビキビ感を味わえます。FHD動画編集や『Apex Legends』『ストリートファイター6』などのゲームも快適にこなせるパワーは、この価格帯では驚異的です。

冷却性能と静音性:★★★★★ (5.0)

デュアルファンと全周エアフロー設計が非常に優秀です。高負荷が続くストレステストでも性能低下がほぼ見られず、それでいてアイドル時はもちろん高負荷時もファンの音は気になりませんでした。TDPも3段階で調整可能です。

デザイン:★★★★☆ (4.0)

M7 Ultraより約1cm薄くスリムで、非常にコンパクトな筐体は高く評価できます。落ち着いたネイビー系のカラーも高級感がありますが、冷却口のデザインなどはやや主張があり、好みは分かれるかもしれません。

通信:★★★★☆ (4.S)

安定したデュアル2.5G有線LANポートは文句なしの満点です。一方で、Wi-Fi 6E (RZ616) は搭載しているものの、環境によってはWi-Fiの下り速度が不安定になる場合があり、信頼性は有線LANに軍配が上がります。

拡張性:★★★★☆ (4.0)

内部拡張性は素晴らしく、分解が非常に簡単で、メモリは最大128GB、SSDはM.2スロットが2基あり「増設」も容易です。ただ、USB4ポートが前面に1基のみで、OCuLink非搭載など、外部ポートはM7 Ultraに見劣りする部分もあります。

機能:★★★★☆ (4.0)

HDMI、DisplayPort、USB4による3画面同時出力に対応し、VESAマウントも付属するため、設置の自由度は高いです。TDPを3段階に調整できる機能も、用途に合わせて使い分けられる便利なポイントです。

使いやすさ:★★★★☆ (4.0)

OSは安心のOEM版が搭載されています。最大の魅力はメンテナンス性の高さで、分解とSSD増設が驚くほど簡単です。ただし、初回起動時に日本語キーボード配列へ手動で設定変更する必要があり、PC初心者には少しハードルかもしれません。

コストパフォーマンス:★★★★★ (5.0)

「神コスパ」という口コミにも頷けます。5万円台からこの最新アーキテクチャの性能(Zen 4/RDNA 3)、DDR5メモリ、PCIe 4.0 SSD、USB4、デュアル2.5G LANが手に入るのは、驚くべき安さです。

総評】★★★★★ (4.8)

5万円台で手に入る「優等生」パフォーマンスモンスター

GMKtec M6 Ultraは、「コンパクトさ」「圧倒的なパフォーマンス」「高い拡張性」そして「驚異的なコストパフォーマンス」を極めて高いレベルで両立させた、ミニPC市場における一つの答えと言えるマシンです。

特に評価すべきは、AMD Ryzen 5 7640HS (Zen 4) とRadeon 760M (RDNA 3) がもたらす処理能力です。5万円台という価格帯でありながら、日常のブラウザ操作や動画視聴では一切のストレスを感じさせないどころか、FHD解像度であれば『Apex Legends』や『原神』といった人気ゲームも快適にプレイでき、Premiere Proでの動画編集すら実用的にこなしてしまいます。

将来性も見据えた設計

このPCの真価は、購入した瞬間の性能だけではありません。内部へのアクセス(分解と開け方)が非常に容易で、ドライバー数本でメモリ(最大128GB)やストレージ(M.2スロット2基)の交換・増設が手軽に行えます。特にSSDを「換装」ではなく「増設」できる設計は、長く使う上で非常に大きなメリットです。

上位モデルM7 Ultraとの悩みどころ

もちろん完璧ではなく、上位モデルのM7 Ultraと比較すると、OCuLinkポート非搭載、USB4ポートが前面に1基のみ、最大ストレージ容量が少ない、といった差は存在します。しかし、M6 UltraはCPUの世代が新しく、シングルコア性能や内蔵GPU性能ではM7 Ultraを上回る結果も出ています。

外付けGPU(OCuLink)やプロ仕様の4画面出力が不要であれば、M6 Ultraのバランスの取れた高性能は、M7 Ultraを選ぶよりも賢明な選択となる可能性が高いです。Wi-Fiの不安定さなど細かな欠点はあれど、それらを差し引いても余りある魅力が、この一台には詰まっています。

どんな人に最適か

このミニPCは、「省スペース高性能なPCを、圧倒的なコストパフォーマンスで手に入れたい」と考えるすべての人に最適です。デスクをスッキリさせたいけれど、ブラウザやOffice作業だけでなく、フルHDの動画編集PCゲームも妥協したくない、そんな欲張りなニーズに完璧に応えてくれます。将来的にeGPU(OCuLink)を使わないのであれば、M7 UltraよりもM6 Ultraがベストな選択となるでしょう。

GMKtec M6 Ultra ミニPC 【 AMD Ryzen 5 7640HS, 128GB+8TB 拡張可能 】 (6850U/6800Hより高性能) 8K出力 ミニpc ryzen Mini PC 静音設計32GB DDR5, 1TBGB SSD

GMKtec M6 Ultraの価格・購入先

GMKtec M6 Ultraの前面 外観

※価格は2025/12/15に調査したものです。価格は変動します。

GMKtec公式サイト

  • ベアボーンキット(OSライセンスなし)モデルで37,999円、
  • 16GB RAM +512GB SSDモデルで、57,999円、
  • 32GB RAM +1TB SSDモデルで69,999円、

で販売されています。

GMKtec公式サイトで「GMKtec M6 Ultra」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで56,399円(Ryzen 7640HS)、
  • 楽天市場で79,499円(Ryzen 5 7640HS)、
  • ヤフーショッピングで79,704円(Ryzen 5 7640HS)、
  • AliExpressで35,082円(ベアボーン)、
  • 米国 Amazon.comで$379.99、

で販売されています。

Amazonで「GMKtec M6 Ultra」をチェックする

楽天市場で「GMKtec M6 Ultra」をチェックする

ヤフーショッピングで「GMKtec M6 Ultra」をチェックする

AliExpressで「GMKtec M6 Ultra」をチェックする

米国 Amazon.comで「GMKtec M6 Ultra」をチェックする

※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説

 GMKtec M7 Ultraの価格と比較

上位モデルのGMKtec M7 Ultra(Ryzen 7 PRO 6850U)と価格を比較してみましょう。

GMKtec公式サイト

  • ベアボーン(メモリ・SSD・OS非搭載)モデルで46,498円、
  • 16GB RAM +512GB SSDモデルで61,990円、
  • 32GB RAM +1TB SSDモデルで74,990、

で販売されています。

GMKtec公式サイトで「GMKtec M7 Ultra」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで82,489円(Ryzen 7 PRO 6850H)、
  • 楽天市場で77,490円(送料無料)、
  • AliExpressで49,494円(ベアボーン)、
  • 米国 Amazon.comで$439.99、

で販売されています。

Amazonで「GMKtec M7 Ultra」(Ryzen 7 PRO 6850H)をチェックする

楽天市場で「GMKtec M7 Ultra」をチェックする

ヤフーショッピングで「GMKtec M7 Ultra」をチェックする

AliExpressで「GMKtec M7 Ultra」をチェックする

米国 Amazon.comで「GMKtec M7 Ultra」をチェックする

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おすすめのライバル機種と価格を比較

GMKtec M6 Ultra」に似た性能を持つミニPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。

GMKtec NucBox M7 Pro

GMKtecから発売されたAMD Ryzen 9 PRO 6950H プロセッサ搭載のミニPCです(2024年8月発売)。Windows 11 Pro、32GB/64GB DDR5 4800メモリ、1TB/2TB M.2 NVMe (PCIe 3.0 M.2 2280) ストレージ、PCIe 4.0 M.2 2280の拡張スロット搭載で、

Oculinkポート(外付けGPUボックスとの接続)、4K 4画面出力(HDMI 2.1、Displayport 2.0、USB4 Type-C x2)、最大96GBまでのメモリ拡張、最大4TBまでのストレージ拡張、冷却システム HYPER ICE CHAMBER 2.0、VESAマウント、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット有線LAN x2に対応しています。

価格は、Amazonで70,720円(クーポン適用)、楽天市場で69,980円(中古)、です。

関連記事:GMKtec M7 ProとM7の違いを比較レビュー!Ryzenの性能差は?

Amazonで「GMKtec NucBox M7 Pro」をチェックする

GMKtec K11

GMKtecから発売されたRyzen 9 8945HS搭載のミニPCです(2025年1月 発売)。32GB DDR5 5600MHzメモリ、1TB/2TB SSD M.2 (PCle Gen 4.0)ストレージ、Windows 11 Proを搭載しています。

また、RGBファン(ライトのカスタマイズ可)、最大96GBまでのメモリ拡張、最大8TBまでのストレージ拡張、4K 4画面出力 (HDMI2.1、DP2.1、USB4)、VESAマウント、Oculink(PCIE4.0x4) x1、USB4 Type-C (PD/DATA/VIDEO) x2、Wi-Fi 6 、Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット有線LAN通信に対応しています。

価格は、Amazonで121,700円(税込)、楽天市場で123,280円、ヤフーショッピングで144,981円、です。

関連記事:GMKtec K11とK12を徹底比較レビュー!CPU・GPU性能の違いは?

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Minisforum X1 Lite

Minisforumから発売されたAMD Ryzen™ 7 255 搭載のミニPCです(2025年11月19日 発売)。

DDR5-5600MHzメモリ(最大128GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSDストレージ(最大8TB)を搭載しています。

また、OCuLinkポート、最大3画面同時出力(HDMI 2.1, DP 1.4, USB4)、冷却システム(相変化熱伝導材, デュアルヒートパイプ, 大型静音ファン)、ストレージ拡張(M.2 2280 PCIe4.0 NVMe SSD×2スロット)、VESAマウント、USB 3.2 Gen2 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G イーサネットポートにも対応しています。

価格は、Amazonで83,199円(Ryzen 7 255・32GB 1TB・税込)、楽天市場で107,999円(送料無料)、AliExpressで51,090円(ベアボーン)、米国 Amazon.comで$559.00、です。

関連記事:Minisforum X1 Lite徹底レビュー!UM750L Slimと比較

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GEEKOM A6

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 6800H 搭載のミニPCです(2025年1月17日 発売)。

32GB DDR5 4800MHzメモリ、1TB M.2 SSDストレージを搭載しています。

また、USB 4 Gen 2 Type-Cポート、4K 4画面出力(USB4,USB 3.2 Gen 2 Type-C,HDMIx2)、冷却システム Ice Blade 2.0、VESAマウント、ストレージ拡張(NVMe x4 Gen 4 or SATA)、2.5インチ SATA HDD 拡張スロット、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C、1 x USB 3.2 Gen 2 Type-A、1 x USB 2.0 Type-A、Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2、2.5G ギガビット有線LANにも対応しています。

価格は、Amazonで76,900円、楽天市場で78,900円(送料無料)、ヤフーショッピングで77,362円、です。

関連記事:GEEKOM A6レビュー!驚きの6万円台!Ryzen 7 6800HミニPC 

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Beelink EQ6

Beelinkから発売されたAMD Ryzen 5 6600H / Ryzen 7 7735HS / Ryzen 9 6900HXプロセッサ搭載のミニPCです(2024年8月発売)。

16GB/24GB DDR5 メモリを搭載。500GB/1TB M.2 2280 PCle4x4 ストレージ、ストレージ用の拡張スロット(最大4TB)、電源供給ユニット、HDMI 2.0 (最大4K) x2、Windows 11 Pro、を搭載しています。

また、4K 3画面出力、冷却システム MSC2.0、ACケーブルからの電源供給、最大8TBまでのストレージ拡張、最大64GBまでのメモリ拡張、自動電源ON、USB-C (10Gbps) x1、USB3 (10Gbps) x3、USB2.0 (480Mbps) x1、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、デュアル ギガビット有線LANに対応しています。

価格は、Amazonで71,900円(Ryzen 9 6900HX)、米国 Amazon.comで$369.00 (Ryzen 7 6800U)、です。

関連記事:Ryzenで電源内蔵「Beelink EQ6」のメリット・デメリット

Amazonで「Beelink EQ6」をチェックする

MINISFORUM UM760 Slim

MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen 5 7640HS プロセッサ搭載のミニPCです(2024年9月に発売)。

Windows 11、32GB DDR5-4800MHzメモリ、512GB/1TB M.2 ストレージ、M.2 2280 PCIe4.0 SSD スロットx2を搭載しています。

また、8K 3画面 出力、M.2 SSDで最大8TBまでのストレージ拡張、最大96GBまでのメモリ拡張、効率的な放熱システム、VESAマウント、1つのUSB 4.0 Type-Cポート (Alt PD/40G/DP出力)、2つのUSB3.2 Type-A (Gen2) ポート、Wi-Fi 6E、BlueTooth 5.3、2.5Gギガビット有線LAN通信に対応しています。

価格は、Amazonで66,599円(税込・クーポン適用)、楽天市場で89,999円(送料無料)、ヤフーショッピングで82,220円、AliExpressで69,201円、米国 Amazon.comで$429.00、です。

関連記事:「MINISFORUM UM760 Pro」の選択はアリ? 性能を徹底レビュー!

Amazonで「MINISFORUM UM760 Slim」をチェックする

BMAX B5 A Pro

BMAXから発売されたミニPCです(2024年10月発売)。

AMD Ryzen7 5825U、16GB DDR4 メモリ、512GB M.2 NVMe SSDストレージ、拡張スロット(ストレージ用)、Displayport 1.4 x1、HDMI 2.1 x1、Windows 11を搭載しています。

また、4K 3画面出力、最大64GBまでのメモリ拡張、ストレージ拡張(M.2 NVMe、2.5inch HDD)、冷却システム、VESAマウント、Type-C (フル機能) x 1、USB 3.2 x2、USB 2.0 x2、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、ギガビット有線LANに対応しています。

価格は、Amazonで44,649円(税込・Ryzen7 5825U)、楽天市場で44,480円(Ryzen7 5825U)、ヤフーショッピングで63,195円、です。

関連記事:Ryzenで最安「BMAX B5 A Pro」の性能と評価を解説

Amazonで「BMAX B5 A Pro」をチェックする

Mac mini M4

Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。

Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。

また、11TOPS(1秒間に11兆回のAI演算)、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。

価格は、Amazonで90,970円(税込)、楽天市場で90,720円(送料無料)、ヤフーショッピングで102,517円です。

関連記事:Mac mini M4徹底レビュー!M2比較で気づいた進化点と欠点を評価

Amazonで「Mac mini M4」をチェックする

他のGMKtec ミニPCと比較

他にもGMKtecのミニPCが販売されています。Ryzen搭載モデルだけでなく、インテル搭載モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。

GMKtec NucBox ミニPCのコスパがヤバすぎた! 最新 機種を比較

その他のおすすめ小型PCは?

その他のおすすめ小型PCは以下のページにまとめてあります。ぜひ比較してみてください。

激安で買える海外製の小型PC 最新 機種 ラインナップ まとめ

海外製の小型PCをまとめて紹介しています。

Intel N150ミニPCはこう選べば正解!2025最新の性能・価格を比較

最新のN150ミニPCをまとめて紹介しています。

リビングにふさわしい超小型デスクトップPC ラインナップ 機種 まとめ

国内で販売されたミニPCをまとめて紹介しています。

Core Ultra デスクトップPC【2025最新】おすすめ9選|AI性能で差をつける!

Core Ultra プロセッサ搭載のデスクトップPCをまとめて紹介しています。

GMKtec EVO-T1 徹底レビュー!EVO-X2との性能差、欠点を評価

GMKtec EVO-T1 本体 前面 上部
2025年7月18日に発売された「GMKtec EVO-T1」は、Intelの最新CPU「Core Ultra 9 285H」を搭載し、その圧倒的なパフォーマンスと、ミニPCの常識を覆す拡張性で注目を集める一台です。

このレビュー記事では、兄弟機であり最大のライバルでもある「GMKtec EVO-X2」と徹底比較し、EVO-T1の持つ真の実力をあらゆる角度から検証しました。

先に結論からお伝えしましょう

GMKtec EVO-T1 の長所 (Pros):

  • Core Ultra 9 285Hによる卓越したCPU性能
  • 3基のM.2スロットとOculinkポートがもたらす比類なき拡張性
  • ユーザー自身でメモリを交換・増設できる柔軟性
  • デュアル2.5G LANによる高度なネットワーク環境
  • 高性能ながら優れた電力効率

GMKtec EVO-T1 の短所 (Cons):

  • パフォーマンスモードの切り替えがBIOS経由で非常に不便
  • Wi-Fi 6に留まる、世代遅れのワイヤレス規格
  • クリエイターには不便なSDカードリーダーの非搭載
  • PC初心者には複雑すぎるBIOS設定

総合評価:

GMKtec EVO-T1は、その性能を自らの手で最大限に引き出すことを厭わないパワーユーザーやクリエイターにとって、最高の相棒となり得るミニPCです。特に、圧倒的な拡張性とカスタマイズ性は、長期的にPCを使いこなしたいユーザーにとって、何物にも代えがたい価値を提供します。

この記事で分かること

  1. 高級感あふれるデザインと、EVO-X2とのサイズ・重量比較
  2. 本機最大の武器である「Oculinkポート」や「デュアルLAN」といった接続性の詳細
  3. Intel Core Ultra 9 285HのCPU性能と、最大99 TOPSを誇るAI処理能力
  4. Cinebenchなどのベンチマークスコアと、ライバルCPUとの客観的な性能差
  5. 『Apex Legends』や『原神』といった人気PCゲームが、どのくらい快適に動作するかの実測フレームレート
  6. 「サイレント」から「パフォーマンス」まで、3つの動作モードがもたらす冷却性能と静音性の変化
  7. パワーユーザー向けBIOSの長所と、日常的な使い勝手における短所
  8. 他の最新ミニPCと比較した場合の、EVO-T1ならではのメリット・デメリット
  9. 専門家による項目別の5段階評価と、詳細な総評
  10. 2025年8月時点での最新の価格と、お得な購入先

この記事を最後まで読むことで、GMKtec EVO-T1が本当に最適な一台なのか、購入するべきかどうかが、はっきりと分かるはずです。購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

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公式ページ:インテル Core Ultra 9 285H–EVO-T1 AI ミニ PC

デザイン:GMKtec EVO-T1の質感と設置性、EVO-X2との比較

GMKtec EVO-T1 本体が机の上に置かれている。

ここでは、GMKtec EVO-T1のデザインについて、その外観や質感、付属品、そして兄弟機であるEVO-X2との違いに焦点を当ててレビューしていきます。

第一印象と筐体デザイン

箱から取り出して最初に感じたのは、ミニPCとは思えないほどの高級感でした。本体はシルバーグレーを基調としていますが、目を引くのは筐体をコの字型に覆うゴールド色の金属製シュラウドです。この部分はサンドブラスト加工が施されており、シルク仕上げのブラックのメイン筐体と相まって、デスク上で確かな存在感を放ちます 。多くのミニPCがプラスチック筐体でコストを抑える中、この金属とプラスチックを組み合わせた堅牢な作りは、所有する喜びを感じさせてくれます。

一方で、比較対象の「EVO-X2」も頑丈なアルミケースを採用しておりビルドクオリティは高いものの、シルバーとブラックのツートンカラーで、より実用的な印象を受けます。EVO-T1の持つ、装飾的で豪華な雰囲気は独特の魅力と言えるでしょう。

サイズ感と設置の自由度

GMKtec EVO-T1 2台が縦向きで並んでいる。

本体サイズは154×151×73.6mmで、一般的な10cm四方のミニPCと比べると一回り大きいサイズ感です。実際に、いつもはモニター台の下に収めているミニPCの定位置には入りませんでした。しかし、その重量は約910gと非常に軽量で、デスクトップPCとして見れば驚くほどコンパクトです。このサイズ感が、性能と省スペース性の絶妙なバランスを物語っています。

注目すべきは、約1.5kg以上あるEVO-X2と比較した際の軽快さです。EVO-T1の方が明らかに小型・軽量であり、部屋から部屋へ持ち運んで作業する際も全く苦になりません。さらに、EVO-T1には縦置き用のスタンドとVESAマウントが付属しており、平置き、縦置き、モニター背面への設置と、デスク環境に合わせて柔軟に配置を変えられます。これは、冷却のために縦置きが推奨されるEVO-X2と比べて、大きなアドバンテージだと感じました 。

サイズ・重量の違い

  • GMKtec EVO-T1:(サイズ) 154mm x 151mm x 73.6mm、重量 910g
  • GMKtec EVO-X2:(サイズ) 193mm x 185.8mm x 77mm、重量 約1.5kg〜1.7kg

ゲーミングPCを思わせるLEDと内部へのアクセス

筐体上部にはLEDのコントロールボタンがあり、13種類の照明効果を切り替えられます。まるでゲーミングPCのようなこの機能は、遊び心があって気に入りました。例えば、普段は落ち着いた単色で光らせておき、『Apex Legends』をプレイする時にはダイナミックなレインボーモードに切り替える、といった楽しみ方ができます。光り方は金属プレートの隙間からわずかに見える程度で、派手すぎず控えめなのが好印象です。

GMKtec EVO-T1の底面

内部へのアクセス方法もユニークです。底面のゴム足自体がネジになっており、工具を使わずに指で回すだけで金属シュラウドを取り外せます。これは非常に便利だと感じましたが、その先の内部パーツにアクセスするには、側面の小さなネジを4本外す必要があり、こちらはドライバーが必須です。完全にツールフリーとはいきませんが、3つのM.2スロットやメモリスロットへのアクセスは容易で、拡張作業で困ることはないでしょう。

GMKtec EVO-T1の付属品一覧

  • ACアダプター
  • 縦置きスタンド
  • HDMIケーブル
  • VESAマウント(モニター裏設置用)

まとめ:デザイン

  • 外観:ブラックの筐体にゴールドの金属パーツが映えるデザインで、非常に高級感がある
  • サイズと重量:ミニPCとしてはやや大きいが、約910gと軽量で、デスクトップとして見れば非常にコンパクト
  • 設置性:縦置きスタンドとVESAマウントが付属し、平置き・縦置き・モニター裏と設置の自由度が高い
  • 比較:EVO-X2よりも大幅に小型・軽量で、設置方法に制約がない点が優れている
  • LED:控えめながら13種類にカスタマイズ可能なLEDライティングは、デスクの雰囲気を変えるのに役立つ
  • 内部アクセス:最初の分解は工具不要で手軽だが、完全なアクセスにはドライバーが必要となる

接続ポートと映像出力:GMKtec EVO-T1の優れた拡張性とOculinkの可能性

GMKtec EVO-T1の前面ポート

ここでは、GMKtec EVO-T1が搭載する豊富な接続ポートと、そのパワフルな映像出力能力について、実際に使用して感じたメリットを交えながらレビューします。特に、本機の将来性を大きく広げる独自のポートに注目していきます。

充実したポート類と賢い配置

GMKtec EVO-T1は、そのコンパクトな筐体に驚くほど多くのポートを搭載しています。特に便利だと感じたのが、本体前面のポート配置です。USB 3.2 Gen2規格のType-Aポートが3つも並んでいるため、キーボードやマウス、USBメモリなどを頻繁に抜き差しする際に非常にアクセスしやすく、ストレスがありません。さらに、その隣にあるUSB Type-Cポートはデータ転送だけでなく、映像出力(DisplayPort)や給電(Power Delivery)にも対応する優れものです。このポート一つでポータブルモニターに映像を送りながら給電できた時は、そのスマートさに思わず感動しました。

また、オーディオジャックが前面と背面の両方にあるのも、地味ながら嬉しいポイントです。普段は背面のスピーカーに接続し、深夜に集中して作業する際は前面のジャックにヘッドホンを挿す、といった使い分けがスムーズに行えます。比較対象の「EVO-X2」はSDカードリーダーを搭載している点が魅力的ですが、EVO-T1のポート構成は、日常的な使い勝手を非常によく考えて設計されていると感じます。

OculinkとデュアルLANが拓く未来

GMKtec EVO-T1の背面ポート

注目すべきは、本機が搭載する「Oculink」ポートです。これはEVO-T1の拡張性を飛躍的に高める、いわば隠し玉のような存在です。このポートを使えば、外部の高性能グラフィックスカード(eGPU)を、デスクトップPCのPCIe接続に近い速度で接続できます。例えば、普段は内蔵GPUで快適に作業しつつ、将来『モンスターハンターワイルズ』のような超大作ゲームをプレイしたくなった時に、別途RTX 40シリーズなどのグラボを接続してゲーミング性能を劇的に向上させることが可能です。PCごと買い替える必要がないため、長期的に見て非常に経済的です。この将来性こそ、EVO-X2にはない、EVO-T1だけの大きな魅力と言えるでしょう。

さらに、背面には2.5Gの有線LANポート2つも搭載されています。これにより、1つを高速なインターネット回線に、もう1つを家庭内のNAS(ネットワーク接続ストレージ)に接続するといった、より高度なネットワーク環境を構築できます。このデュアルLAN仕様は、安定した高速通信を求めるクリエイターや、コンパクトなホームサーバーとして活用したいユーザーにとって、非常に心強い味方となります。

最大4画面出力のパワフルな映像性能

GMKtec EVO-T1でFPSゲームをプレイする様子。

EVO-T1は、本体だけで最大4画面への同時出力に対応しており、その映像出力能力の高さには目を見張るものがあります。HDMI 2.1、DisplayPort 1.4、そしてUSB4とType-Cポートを活用することで、広大なデスクトップ作業環境を簡単に構築できました。実際に、メインモニターで『Adobe Premiere Pro』を操作し、2台目のモニターで素材ファイルを確認、3台目でコミュニケーションツールを表示させるという使い方を試しましたが、動作が重くなることもなく、作業効率が格段に向上しました。

HDMI 2.1ポート最大8K@60Hz、または4K@144Hzという高いスペックに対応しているため、高リフレッシュレートのゲーミングモニターの性能も最大限に引き出せます。デュアルディスプレイで十分という方から、3画面以上が必須のトレーダーやプログラマーまで、幅広いニーズに応える柔軟性を備えています。

GMKtec EVO-T1の接続ポート一覧

  • 前面
  • 3.5mmコンボオーディオジャック ×1
  • USB3.2 Gen2 Type-C(PD/DP/データ対応) ×1
  • USB3.2 Gen2 Type-A ×3
  • 電源ボタン(白色LED付き)
  • CMOSクリアボタン
  • 背面
  • 5.5×2.5mm充電ポート ×1
  • 3.5mmコンボオーディオジャック ×1
  • HDMI 2.1 ×1
  • DP 1.4 ×1
  • Oculink(PCIe Gen4×4) ×1
  • USB2.0 Type-A ×2
  • 2.5G LAN ×2

まとめ:接続ポートと映像出力

  • ポート構成:前面の多機能USB-Cポートや、前面・背面の両方にあるオーディオジャックなど、ユーザー目線の賢い配置が光る
  • Oculinkポート:外部GPUの接続を可能にし、将来的なグラフィックス性能の大幅な向上が見込める本機最大の魅力
  • ネットワーク:デュアル2.5G LANポートを搭載し、高速で安定した有線ネットワーク環境を構築可能
  • 映像出力:HDMI 2.1やDisplayPort 1.4などを活用し、最大4画面の同時出力に対応しており、クリエイティブ作業にも最適
  • 比較:EVO-X2がSDカードリーダーを搭載する一方、EVO-T1はOculinkとデュアルLANという独自の強みを持つ

パフォーマンス:GMKtec EVO-T1 Core Ultra 9 285Hの真価とAI性能

GMKtec EVO-T1の天板にあるインテルのロゴ

ここでは、GMKtec EVO-T1の性能面に深く切り込んでいきます。最新のIntel Core Ultra 9 285Hプロセッサーがもたらす処理能力、ローカルAIの実行性能、そしてメモリやストレージの拡張性について、実際に使って感じた驚きと共にお伝えします。

新世代CPU「Intel Core Ultra 9 285H」の実力

EVO-T1のパフォーマンスを支えるのは、Intelの第2世代Core Ultraプロセッサー「Core Ultra 9 285H」です。TSMCの先進的な3nmプロセスで製造されたこのCPUは、6つの高性能Pコア、8つの高効率Eコア、そして2つの超低電力LPコアを組み合わせた、合計16コア/16スレッドのハイブリッド構成を採用しています。最大5.4GHzという高いクロック周波数と24MBの大容量L3キャッシュにより、あらゆる処理を高速に実行します。

CPUに統合されたグラフィックスは「Intel Arc 140T」で、CPUとキャッシュを共有することで、グラフィック処理の応答性を高めています。一方、比較対象のEVO-X2が搭載するAMD Ryzen AI Max+ 395は、同じ16コアでありながら32スレッド処理に対応しており、マルチスレッド性能では異なるアプローチを見せています。しかし、EVO-T1のシングルコア性能は非常に高く、多くのアプリケーションでキビキビとした動作を体感できました。

ローカルで活躍するAI性能

EVO-T1は、AIタスクの実行能力も大きな魅力です。CPU、GPU、そしてAI処理専用のNPU「Intel AI Boost」を組み合わせることで、システム全体で最大99 TOPSという高いAIパフォーマンスを発揮します。実際に、プリロードされているAIモデル「Deepseek」を試したところ、ローカル環境でありながら約15トークン/秒という実用的な速度で動作しました 。

これは、クラウドにデータを送信することなく、手元のPCだけでAIチャットや文章生成を行えることを意味し、プライバシーと応答性の両面で大きなメリットがあります。比較対象のEVO-X2は最大126 TOPS、NPU単体で50 TOPSというさらに強力なAI性能を誇りますが 、EVO-T1も十分にパワフルで、開発環境でのコード生成やクリエイティブ作業でのAIアシスタント活用など、幅広いシーンでその恩恵を感じられるでしょう。

クリエイティブ作業も快適な実用パフォーマンス

スペック上の数値もさることながら、実際の使用感は期待を遥かに超えるものでした。私の普段の作業である、複数のAdobe Creative Cloudアプリ、例えば『Photoshop』での画像編集と『Premiere Pro』での動画編集を同時に行うような高負荷な場面でも、動作は驚くほどスムーズでした。特に、4K動画の書き出し(エンコード)作業では、M4チップを搭載したMacBook Airを超える処理速度を記録し、そのパワーには本当に驚かされました 。

もちろん、『Microsoft 365』を使った資料作成や、多数のタブを開いたウェブブラウジングといった日常的なタスクでは、処理の遅れを感じる場面は一切ありません。まさに、プロのクリエイティブワークから日々の業務まで、あらゆる用途で最高のパフォーマンスを発揮してくれる一台です。

柔軟なメモリと比類なきストレージ拡張性

GMKtec EVO-T1のメモリ。本体内部。

パフォーマンスを語る上で欠かせないのが、メモリとストレージです。EVO-T1は標準で64GB(32GB×2)の大容量DDR5メモリを搭載しており、ほとんどのユーザーにとっては十分すぎる容量です。しかし、注目すべきはその拡張性。内部のSO-DIMMスロットにより、ユーザー自身の手で最大128GBまでメモリを増設できます。これは、メモリが基板にはんだ付けされていて増設不可能なEVO-X2に対する大きなアドバンテージです。

GMKtec EVO-T1のストレージ。本体内部。

そして、私が最も素晴らしいと感じたのはストレージの拡張性です。内部にはPCIe 4.0対応のM.2スロットが3基も用意されています。これにより、OSが入ったメインのSSDをそのままに、データ保存用や作業用の高速SSDを2枚も「増設」できるのです。これはデュアルスロットのEVO-X2よりも1基多く 、将来的に大容量ストレージが必要になった際も安心です。この圧倒的な拡張性は、EVO-T1の最大の魅力と言っても過言ではありません。

GMKtec EVO-T1のパフォーマンス仕様一覧

  • CPU: インテル® Core™ Ultra 9 285H
  • コア/スレッド: 16コア / 16スレッド (6P+8E+2LP)
  • 最大クロック周波数: 5.4 GHz
  • キャッシュ: 24 MB L3キャッシュ
  • グラフィックス: Intel® Arc™ 140T GPU
  • AI性能:
  • NPU: インテル® AI ブースト (13 TOPS)
  • システム合計: 最大99 TOPS
  • メモリ:
  • 容量: 64GB (32GB×2) DDR5 5600 MT/s
  • 拡張性: 2×DDR5 SO-DIMMスロット、最大128GBまで対応
  • ストレージ:
  • 拡張性: 3×M.2 2280 PCIe 4.0 x4スロット、合計最大12TBまで対応

まとめ:パフォーマンス

  • CPU性能:Intel Core Ultra 9 285Hは、動画編集などの重いクリエイティブ作業も快適にこなす非常に高い処理能力を持つ
  • AI性能:合計99 TOPSのパワーで、ローカルAIモデルの実行にも強く、日常的なAIタスクをスムーズに処理できる
  • メモリ:標準で64GBのDDR5を搭載し、ユーザー自身で最大128GBまで増設可能な高い柔軟性を誇る
  • ストレージ:3基のM.2スロットを備え、換装ではなく増設できる比類なき拡張性が最大の魅力
  • 比較:AIの総合性能ではEVO-X2に軍配が上がるが、メモリとストレージの拡張性ではEVO-T1が圧倒的に優位

ベンチマーク

GMKtec EVO-T1が搭載するIntel Core Ultra 9 285H プロセッサはどのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークで調べてみました。

CPUのベンチマーク結果・Intel Core Ultra 9 285H

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「33731」
  • Geekbench 6のシングルコア「3000」、マルチコア「17570」
  • Cinebench 2023 シングルコア「2120」、マルチコア「15721」
  • Cinebench 2024 シングルコア「124」、マルチコア「1038」
  • PCMark 10 スコア「6852」(よく利用されるアプリの使用感を計測)

ベンチマーク結果から分かること

Intel Core Ultra 9 285Hは、シングルコア、マルチコアともに最高レベルの性能を誇るプロセッサであると結論付けられます。Passmarkのスコアが示す圧倒的な総合力、CinebenchやGeekbenchのマルチコアスコアが証明する専門的な高負荷作業への対応能力、そして同じくGeekbenchやCinebenchのシングルコアスコアとPCMark 10が示す日常利用での卓越した快適性を兼ね備えています。

これにより、GMKtec EVO-T1は、コンパクトな筐体でありながら、要求の厳しいコンテンツ制作、高度なデータ処理、そして快適な日常業務まで、あらゆる用途においてユーザーの期待を上回るパフォーマンスを提供するマシンであると言えるでしょう。このプロセッサは、まさに妥協を許さない性能を求めるユーザーにとって最適な選択肢の一つです。

Intel Core Ultra 9 285H VS Ryzen AI Max+ 395 性能比較

GMKtec EVO-T1が搭載するIntel Core Ultra 9 285H プロセッサは、GMKtec EVO-X2が搭載するAMD Ryzen AI Max+ 395プロセッサとどのくらい性能が違っているのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。

GMKtec EVO-T1

比較して分かること

Intel Core Ultra 9 285HとAMD Ryzen AI Max+ 395は、それぞれ異なる強みを持つプロセッサですが、全体的なパフォーマンスではAMDに軍配が上がると言えるでしょう。CPU性能において、シングルコア性能では両者はほぼ互角であり、日常的な軽いタスクでは性能差を体感することは少ないと推測されます。

しかし、現代のPC利用環境では、バックグラウンドで多くのプロセスが動くことが当たり前であり、複数のコアを効率的に利用するアプリケーションも増えています。そうした中で、動画編集やライブ配信、高度な科学技術計算といった、CPUの全能力を要求するようなヘビーなマルチタスク環境においては、AMD Ryzen AI Max+ 395が持つ圧倒的なマルチコア性能が大きなアドバンテージとなります。ユーザーはより短い時間で作業を終えることができ、生産性の向上に直結するでしょう。

グラフィック性能

GMKtec EVO-T1が搭載するIntel Core Ultra 9 285H プロセッサのグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで比較してみました。

GPUのベンチマーク結果・Intel Arc 140T GPU グラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「7490」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「3500」
  • Time Spy グラフィックスコアで「3549」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「30000」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「7100」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

ベンチマーク結果から分かること

Intel Core Ultra 9 285Hに統合されたIntel Arc 140T GPUは、CPU内蔵グラフィックスの性能を新たな次元へと引き上げ、本格的な3Dグラフィックス処理能力を持つことを証明しています。Fire StrikeやTime Spyの結果が示すように、これまで専用グラフィックボードが必須とされてきたようなPCゲームも、画質設定次第で十分に楽しむことが可能です。また、Night RaidやWild Lifeのスコアは、軽量なゲームや多様なアプリケーションに対する高い適応力を示しています。

これにより、GMKtec EVO-T1は、CPUの高い処理性能と相まって、別途グラフィックボードを追加することなく、軽めのゲーミングや写真・動画編集といったクリエイティブな用途にも対応できる、非常に汎用性の高いコンパクトPCとなっています。もちろん、最新のAAAタイトルを高画質・高フレームレートでプレイするような、ハイエンドの専用GPUが求められる用途には及びませんが、多くのユーザーにとって十分以上のグラフィック性能を提供し、小型PCの可能性を大きく広げる存在であることは間違いありません。

グラフィック性能の違い:Intel Core Ultra 9 285HとAMD Ryzen AI Max+ 395

GMKtec EVO-T1

Intel Core Ultra 9 285HとAMD Ryzen AI Max+ 395の性能差が最も顕著に表れているのが内蔵GPUの分野です。AMDのRadeon 8060Sグラフィックスは、IntelのArc 140T GPUをあらゆる指標で凌駕しており、その差は数倍にも及びます。これは、別途グラフィックボードを搭載しないノートPCなどにおいて、非常に重要な要素です。

Intelの内蔵GPUでも基本的な描画や動画再生は問題ありませんが、ある程度のグラフィック設定でPCゲームを楽しみたい、あるいはGPUアクセラレーションを活用するクリエイティブなソフトウェアを快適に動かしたいと考えるユーザーにとっては、AMD Ryzen AI Max+ 395が提供するグラフィックス性能は非常に魅力的です。

ゲーム性能:GMKtec EVO-T1 内蔵GPUの限界を打ち破る驚きの実力

GMKtec EVO-T1でレースゲームをプレイする様子。

「ミニPCで本格的なPCゲームは難しい」というのは、もはや過去の話かもしれません。GMKtec EVO-T1が搭載するIntel Core Ultra 9 285Hと、その内蔵グラフィックス「Intel Arc 140T」が、どれほどのゲーミング性能を秘めているのか。実際に様々な人気タイトルをプレイし、その実力を徹底的にレビューします。

Apex Legends:100FPSで勝利を掴む

まず試したのは、1秒の判断が勝敗を分けるバトルロイヤルシューター『Apex Legends』です。解像度を1080p、グラフィック設定をパフォーマンス重視の「低」にしたところ、フレームレートは平均100FPS前後という驚異的な数値を叩き出しました。遮蔽物のない場所での撃ち合いから、複数の部隊が入り乱れる最終盤の混戦に至るまで、画面は常に滑らか。敵の動きを正確に捉え、リコイルコントロールも思いのままに行えるこの環境は、まさに競技性の高いこのゲームで大きなアドバンテージになると感じました。

原神:美しい世界を60FPSで満喫

次に、広大で美しいオープンワールドが魅力の『原神』をプレイ。解像度1080p、グラフィック設定を「中」に設定したところ、50FPSから60FPSの間で安定して動作しました。モンドの草原を駆け抜け、璃月の絶景を眺める際も、カクつきは一切なく、この世界の魅力を存分に味わうことができました。元素反応を駆使するスピーディーな戦闘シーンでもフレームレートは安定しており、ストレスなく爽快なバトルを楽しめたのは非常に好印象です。

Forza Horizon 5:最適化の恩恵で快適なドライブ

美しいメキシコの風景の中を駆け抜ける『Forza Horizon 5』では、PCへの最適化の素晴らしさを実感しました。1080p解像度、グラフィック設定「中」という設定でも、フレームレートは安定して60FPS前後を維持。数百キロのスピードで風景が流れていく中でのレースやドリフトも、処理落ちを気にすることなく心ゆくまで楽しむことができました。内蔵GPUであることを忘れさせるほどの快適なドライブ体験です。

エルデンリング:死闘を支える安定したフレームレート

強大なボスとの死闘が待ち受ける『エルデンリング』では、フレームレートの安定が攻略の鍵を握ります。解像度1080p、グラフィック設定を「低」にすることで、40FPSから60FPSでの動作を確認しました。霊馬に乗って広大な「狭間の地」を探索する際はもちろん、ボスの素早い攻撃を見極めて回避する場面でも、安定したフレームレートのおかげで、入力遅延を感じることなくシビアなアクションに集中できました。

サイバーパンク2077:アップスケーリング技術で未来都市を体験

極めて高いグラフィック負荷を要求する『サイバーパンク2077』。この巨大未来都市をEVO-T1で体験するため、1080p解像度、「低」設定に加え、Intelのアップスケーリング技術「XeSS」を「パフォーマンス」モードで活用しました。その結果、フレームレートは40FPSから50FPSを確保。最高の画質とは言えませんが、ネオンが輝くナイトシティの雰囲気を損なうことなく、重厚な物語を十分に楽しむことができました。

モンスターハンターワイルズ:未来の狩猟生活への期待

2025年に発売が予定されている『モンスターハンターワイルズ』のような次世代タイトルについても期待が持てます。これまでのテスト結果から推測すると、1080p解像度、「低」設定であれば30FPS前後でのプレイは可能でしょう。複数の大型モンスターが入り乱れるような極端な状況では厳しい場面もあるかもしれませんが、広大なフィールドを探索し、モンスターを狩るという基本的なゲームプレイは十分に楽しめるはずです。

まとめ:ゲーム性能

GMKtec EVO-T1のゲーム性能は、多くの人が抱く「CPU内蔵グラフィックス」のイメージを覆す、驚くべきポテンシャルを秘めていました。『Apex Legends』のような競技性の高いゲームでは高フレームレートを維持し、『原神』のような人気タイトルは美しい世界観を損なうことなく快適にプレイできます。

もちろん、『サイバーパンク2077』のようなAAAタイトルを最高設定で遊ぶことはできませんが、画質を調整することで、その核心的な面白さを体験することは十分に可能です。別途グラフィックボードを必要としないこのコンパクトな筐体で、これほど多様なゲームに対応できる汎用性の高さは、EVO-T1の大きな魅力と言えるでしょう。

冷却性能:GMKtec EVO-T1 静音性とパワーを両立させる3つの動作モード

GMKtec EVO-T1の冷却システム

ここでは、GMKtec EVO-T1の冷却性能と静音性をレビューします。パワフルなCPUをいかに安定して冷却し、静かな環境を提供できるのか。より高発熱な兄弟機「GMKtec EVO-X2」との比較を通じて、その実力と設計思想の違いに迫ります 。

VCベイパーチャンバー搭載の先進的な冷却設計

EVO-T1の冷却システムの核となっているのは、CPU全体を完全に覆う大型のVC(ベイパーチャンバー)と、効率的に熱を排出するデュアルファンです。この先進的な設計は、3Dサラウンド吸気口や、デザインと吸気効率を両立させた金属製シュラウドと相まって、Core Ultra 9 285Hのような高性能CPUが発生させる熱を強力に処理します。

このおかげで、高負荷な作業を長時間続けてもパフォーマンスが安定しているという、絶大な安心感を得ることができました。比較対象のEVO-X2は、より多くの熱を発生させるCPUを搭載していることもあり、ユーザーからは95℃を超えるような高温の報告や、「熱管理が良くない」といった声も上がっています。その点、EVO-T1の冷却設計は非常にバランスが取れており、信頼性が高いと感じます。

利用シーンで選ぶ3つのパフォーマンスモード

EVO-T1の冷却性能を語る上で欠かせないのが、「サイレント(35W)」「バランス(54W)」「パフォーマンス(80W)」という3つの動作モードの存在です。これらのモードを切り替えることで、PCの性格をガラリと変えることができます。

例えば、深夜に集中して作業したい時や、『Netflix』で映画を鑑賞する際には「サイレント」モードを選択。すると、PCはほぼ無音になり、その存在を忘れるほど静かな環境を提供してくれます。普段のウェブブラウジングや『Microsoft Office』での資料作成は「バランス」モードで十分快適。

そして、4K動画の書き出しのようにマシンのパワーを最大限引き出したい場面では、「パフォーマンス」モードの出番です。このモードではファンの回転数は上がりますが、その分、処理能力は飛躍的に向上します。驚くべきことに、この最大80Wで動作するモード10分間のストレステストを実行しても、CPU温度は80℃で安定し、性能低下(サーマルスロットリング)は一切見られませんでした。

静音性とパワーのトレードオフ、そして唯一の不満点

パフォーマンスモードでは、ファンの音は51.6dB(A)に達し、常に聞こえる状態になります。しかし、その音質は不快な高周波音ではなく、安定した風切り音といった印象で、集中力を著しく削がれることはありませんでした。これは、一部のユーザーから「爆音「耐え難い騒音」といった厳しい評価も出ているEVO-X2とは大きく異なる点です 。EVO-T1は、パワーと静音性のバランスをより高い次元で両立させていると言えるでしょう。

ただし、この優れたモード切り替え機能には、一つだけ大きな不満点があります。それは、モードの変更がBIOS画面からしか行えないことです。作業の途中で「少しだけパワーが欲しい」と思っても、そのためにはPCを再起動してBIOSを操作するという手間が必要で、これは「超絶面倒くさい」と感じました。EVO-X2のように物理ボタンがあれば、このマシンの評価はさらに揺るぎないものになったでしょう。

GMKtec EVO-T1の冷却性能仕様一覧

  • 冷却システム: VC(ベイパーチャンバー)放熱とインテリジェントファンコントロールを備えたデュアル冷却システム
  • 吸気口: デュアル3Dサラウンド吸気口
  • パフォーマンスモード: 3段階(サイレント:35W、バランス:54W、パフォーマンス:80W)
  • 高負荷時CPU温度: 約80℃で安定(サーマルスロットリングなし)
  • 騒音レベル:
  • アイドル時: 約39dB(A)
  • 高負荷時: 最大51.6dB(A)
  • 筐体表面温度: 高負荷時でも底面の最大48.5℃を除き、全体的に低温を維持

まとめ:冷却性能

  • 冷却システム:CPU全体を覆うVCベイパーチャンバーとデュアルファンにより、高負荷時でも安定した冷却性能を発揮する
  • パフォーマンスモード:静音性重視の「サイレント」から、フルパワーを発揮する「パフォーマンス」まで、3つのモードを用途に応じて使い分けられる
  • 安定性:長時間の高負荷テストでもサーマルスロットリングは見られず、性能を安定して維持できる高い信頼性を持つ
  • 静音性:パフォーマンスモードではファンノイズが聞こえるが、不快な音質ではなく、サイレントモードではほぼ無音動作が可能
  • 操作性:モード切替がBIOSからしか行えず非常に不便な点が唯一の大きな欠点

通信性能:GMKtec EVO-T1 最新規格より実用性、デュアルLANの強み

GMKtec EVO-T1の背面 外観。LANポートが見える。

ここでは、現代のPC体験に不可欠な通信性能について、GMKtec EVO-T1がどのような強みを持っているのかをレビューします。最新の無線規格との比較や、本機ならではの有線接続の魅力に迫ります。

Wi-Fi 6とBluetooth 5.2:堅実なワイヤレス性能

GMKtec EVO-T1は、無線通信規格としてWi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応しています。正直に言うと、最新規格のWi-Fi 7Bluetooth 5.4を搭載するEVO-X2と比較すると、スペックシート上では一歩譲る点は否めません。実際、より新しい規格を望む声があるのも事実です。

しかし、実際の使用感はどうでしょうか。私の環境で、大容量のファイルをクラウドストレージにアップロードしたり、『Spotify』で高音質の音楽をストリーミング再生しながらウェブ会議に参加したりといった使い方をしても、接続が不安定になることは一度もありませんでした。実測値でも受信・送信ともに安定して高い数値を記録しており、ほとんどの家庭やオフィスのインターネット環境において、Wi-Fi 6は十分すぎるほどの速度と安定性を提供してくれます。ワイヤレスキーボードやマウス、ヘッドセットとのBluetooth接続も途切れることなく、快適そのものでした。

EVO-T1が誇る最大の武器:デュアル2.5G LAN

このデュアルLANこそ、EVO-T1を単なる高性能ミニPC以上の存在に引き上げる、最大の魅力です。多くのミニPCがシングルLAN、それも1G規格に留まる中で、高速な2.5G LANポートを2つも搭載している点は、他の製品と明確に一線を画します。

例えば、一方のポートを高速インターネット回線に接続し、もう一方をNAS(ネットワークHDD)に直結すれば、大容量の動画データをNASにバックアップしながら、オンラインでの作業やストリーミング視聴を快適に行えます。これは、シングルLANのEVO-X2では実現できない、非常に柔軟なネットワーク構築です。クリエイターや開発者、あるいは自宅で本格的なネットワーク環境を構築したいユーザーにとって、この仕様は無線規格の世代差を補って余りあるメリットだと断言できます。

GMKtec EVO-T1の通信性能仕様一覧

  • Wi-Fi: Wi-Fi 6 (AX200)
  • Bluetooth: Bluetooth 5.2
  • 有線LAN: 2× 2.5G LAN (Realtek 8125BG)

まとめ:通信性能

  • ワイヤレス性能:Wi-Fi 6とBluetooth 5.2は最新規格ではないものの、日常的な利用において十分な速度と安定性を持つ
  • 有線LAN:デュアル2.5G LANポートの搭載が最大の特徴であり、他のミニPCと一線を画す
  • 実用性:クリエイターやネットワーク構築を楽しむユーザーにとって、有線の拡張性は無線規格の世代差を補って余りあるメリットとなる
  • 比較:ワイヤレスの最新規格ではEVO-X2に軍配が上がるが、有線接続の柔軟性と拡張性ではEVO-T1が圧倒的に優れている

ソフトウェアとOS:GMKtec EVO-T1 パワーユーザーを魅了するBIOSと唯一の課題

GMKtec EVO-T1のBIOS画面。

ここでは、GMKtec EVO-T1のユーザー体験を左右するソフトウェアとOSについて掘り下げていきます。クリーンなOS環境から、非常にユニークな特性を持つBIOS、そして日常的な使い勝手に影響する課題点まで、詳しくレビューします。

クリーンなOSと安心の正規ライセンス

EVO-T1を初めて起動した際の体験は非常に快適でした。プリインストールされているOSはWindows 11 Proで、余計な宣伝ソフト(ブロートウェア)が一切入っていないクリーンな状態です。さらに重要なのは、OSのライセンスが個人利用可能な正規のOEM版である点です。安価なミニPCの中には不適切なライセンスが使われているケースもあるため、この点は大きな安心材料となります。

また、箱から出してすぐに本機のAI性能を試せるように、ローカルAIモデルの「DeepSeek」や「GMK AI Assistant」がプリインストールされているのも嬉しい配慮です。特別な設定をせずとも、すぐにAIチャットなどを体験できます。

パワーユーザー向けBIOSと、初心者泣かせのモード切替EVO-T1のソフトウェア面で最も特徴的なのがBIOS(UEFI)です。設定画面を開いてみると、まるで自作PC上級者向けマザーボードのように、あらゆる設定項目が解放された「無制限状態」であることに驚きました。CPUの電力制限(PL1/PL2)や各コアの有効/無効化、詳細なメモリタイミングの調整まで、パフォーマンスを極限まで突き詰めたいパワーユーザーにとっては、まさに宝の山と言えるでしょう。

この点は、設定項目が乏しいと評されるEVO-X2のBIOSとは真逆の思想であり、EVO-T1が知識のあるユーザーを強く意識していることが伺えます。しかし、この自由度の高さは、知識のないユーザーにとっては設定を誤るリスクも伴うため、一長一短な部分でもあります。

ただ、これほど詳細な設定をユーザーに委ねているにもかかわらず、最も頻繁に切り替えたいであろうパフォーマンスモードの変更が、このBIOS画面からしか行えない点は最大の欠点です。例えば、動画編集アプリ『CapCut』で書き出しを行うためにパフォーマンスモードへ切り替えたい時、わざわざPCを再起動してBIOSを立ち上げる必要があり、これは非常に面倒だなと感じました 。

ドライバーとユーティリティの現状

基本的なドライバーは安定して動作しますが、大手メーカー製PCのような、ハードウェアの状態監視や設定変更をまとめて行える統合ユーティリティソフトは提供されていません。ファン速度の制御もBIOSから可能ですが、調整の幅が20%単位と大まかで、細やかな設定はできません。

この点は、同様に専用の管理アプリがなく、ファン制御に課題を抱えるEVO-X2との共通の弱点と言えます。Windows上から手軽にパフォーマンスやファンの設定を変更できるソフトウェアがあれば、このマシンの魅力はさらに増すはずです。

GMKtec EVO-T1のソフトウェアとOS仕様一覧

  • プリインストールOS: Windows 11 Pro
  • OSライセンス: 正規OEM版
  • プリインストールアプリ: GMK AI Assistant、DeepSeek AIモデル
  • BIOS: 詳細設定が可能な「無制限状態」
  • ユーティリティ:
  • パフォーマンスモード切替: BIOS経由のみ
  • ファンコントロール: BIOS経由(20%単位での調整)

まとめ:ソフトウェアとOS

  • プリインストールOS:不要なソフトがないクリーンなWindows 11 Proが搭載され、ライセンスも正規OEM版で安心
  • BIOS:自作PC上級者も満足させる詳細な設定項目が解放されており、カスタマイズ性は非常に高い
  • 操作性:パフォーマンスモードの切り替えがBIOS経由でしかできず、日常的な使い勝手を大きく損なっている点が最大の課題
  • ユーティリティ:ファン制御などの設定は可能だが、専用の管理ソフトウェアがなく、調整の幅も大まか
  • 比較:BIOSは限定的なEVO-X2とは対照的に非常に高機能だが、モード切替の利便性では物理ボタンを持つEVO-X2に劣る

GMKtec EVO-T1とGMKtec EVO-X2のスペック比較

GMKtec EVO-T1 本体 斜め

GMKtecの高性能ミニPCであるEVO-T1EVO-X2は、同じフラッグシップシリーズに属しながら、その中身は大きく異なります。ここでは、両者の主なスペックを項目ごとに比較し、それぞれの特徴と違いを明確にします。

プロセッサー (CPU)

  • EVO-T1: Intel® Core™ Ultra 9 285H (16コア/16スレッド、最大5.4 GHz)
  • EVO-X2: AMD Ryzen™ AI Max+ 395 (16コア/32スレッド、最大5.1 GHz)
  • 違い:コア数は同じですが、EVO-X2はスレッド数が2倍でL3キャッシュ容量も大きいため、特にマルチタスク性能や高負荷な処理で優位に立ちます 。

グラフィック (GPU)

  • EVO-T1: Intel® Arc™ 140T GPU (Oculinkポートによる外部GPU拡張に対応)
  • EVO-X2: AMD Radeon™ 8060S グラフィックス
  • 違い:統合GPU単体の性能では、GeForce RTX 4070 Laptop GPUを超えるとも言われるEVO-X2のRadeon 8060Sが圧倒的に高性能です 。一方、EVO-T1はOculinkポートを備え、外部GPUで性能を補うという異なるアプローチが可能です。

AI処理性能

  • EVO-T1: システム全体で最大99 TOPS (NPU: 13 TOPS)
  • EVO-X2: システム全体で最大126 TOPS (NPU: 50 TOPS)
  • 違い:NPU単体およびシステム全体のAI性能はEVO-X2が大幅に上回っており、特に大規模なAIモデルのローカル処理において高い能力を発揮します。

メモリ (RAM)

  • EVO-T1: DDR5 SO-DIMM (ユーザーによる交換・増設が可能、最大128GB)
  • EVO-X2: オンボード LPDDR5X (交換・増設は不可)
  • 違い:メモリの動作速度はEVO-X2の8000MHzが圧倒的に高速ですが、EVO-T1はユーザー自身で増設・交換できる柔軟性があります。

ストレージ

  • EVO-T1: M.2 2280 PCIe 4.0 スロット x3 (合計最大12TB)
  • EVO-X2: M.2 2280 PCIe 4.0 スロット x2 (合計最大16TB)
  • 違い:スロット数はEVO-T1の方が多いですが、1スロットあたりの最大容量はEVO-X2が上回り、合計でより大容量のストレージを構成できます。

ネットワーク

  • EVO-T1: Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、デュアル2.5G LAN
  • EVO-X2: Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、シングル2.5G LAN
  • 違い:ワイヤレス通信はEVO-X2が最新規格に対応し優れていますが、有線LANはEVO-T1が2ポート搭載しており、より柔軟なネットワーク構築が可能です。

OS

  • EVO-T1: Windows 11 Pro
  • EVO-X2: Windows 11 Pro
  • 違い:両モデルともOSはWindows 11 Proがプリインストールされており、この点に違いはありません。

サイズ

  • EVO-T1: 154 x 151 x 73.6 mm
  • EVO-X2: 193 x 185.8 x 77 mm
  • 違い:サイズはEVO-T1の方が一回り以上コンパクトです。

重量

  • EVO-T1: 910g
  • EVO-X2: 約1.5kg~1.7kg(レビューサイト報告値)
  • 違い:EVO-T1の方が大幅に軽量です。

カラー

  • EVO-T1: シルバーグレー
  • EVO-X2: シルバーとブラックのツートンカラー
  • 違い:カラーリングが異なり、EVO-T1は単色、EVO-X2はツートンカラーのデザインです。

耐久性

  • EVO-T1: プラスチックと金属製シュラウドの組み合わせ
  • EVO-X2: 金属とプラスチックコーティングの組み合わせ
  • 違い:両モデルとも金属パーツを使用した堅牢な作りですが、提供された資料内に耐久性に関する具体的な比較データはありません。

まとめ:

GMKtec EVO-T1EVO-X2は、同じ高性能ミニPCでありながら、その特性は大きく異なります。EVO-X2は、より多くのスレッド数を持つCPU、圧倒的な統合GPU性能、そして強力なNPUを武器に、AI処理やゲーミング性能で最高峰を目指すモデルです。一方で、メモリ増設ができない、サイズが大きい、価格が高いといった側面も持ち合わせています。

対照的にEVO-T1は、非常に高いCPU性能を維持しつつ、よりコンパクトで軽量、そして手頃な価格を実現しています。最大の強みは、ユーザーが自由にメモリを増設・交換できる柔軟性と、Oculinkポートによる将来のグラフィックス拡張性です。どちらを選ぶかは、統合された最高のパフォーマンスを求めるか、将来の拡張性やコストパフォーマンスを重視するかという、ユーザーの価値観によって決まると言えるでしょう。

GMKtec EVO-T1のメリット・デメリット

GMKtec EVO-T1の上部

GMKtec EVO-T1は、Intelの高性能CPUを搭載したパワフルなミニPCですが、その魅力は単純な処理速度だけではありません。ここでは、兄弟機であるGMKtec EVO-X2や他の主要なミニPCと比較しながら、EVO-T1が持つ優れた点(メリット)と、購入前に考慮すべき点(デメリット)を詳しく解説していきます。

【メリット】

メリット1: クラス最高のストレージ拡張性

EVO-T1最大の魅力は、その圧倒的なストレージ拡張性です 。内部にはPCIe 4.0対応のM.2スロットが3基も用意されており、これは2基しかないGMKtec EVO-X2やBeelink GTi14を上回る仕様です。OS用SSDをそのままに、データ用やアプリ用の高速SSDを2枚も増設できるため、将来的な容量不足の心配がありません。

メリット2: Oculinkポートによる将来のアップグレード性

本機は、外部グラフィックスカードを高速で接続できる「Oculinkポート」を搭載しています。これにより、将来さらに高いグラフィック性能が必要になった際も、PCを丸ごと買い替えることなく、外部GPUを追加するだけで飛躍的に性能を向上させることが可能です 。この機能を持たないGMKtec EVO-X2と比較して、長期的な視点でのアップグレード性に大きなアドバンテージがあります。

メリット3: ユーザー自身で交換・増設できるメモリ

EVO-T1は、ユーザーが自由に交換・増設できるSO-DIMM規格のメモリスロットを採用しています。これは、購入後の構成変更が不可能な、はんだ付けされたメモリを搭載するGMKtec EVO-X2やMac mini M4に対する明確なメリットです 。必要に応じて最大128GBまでメモリを増設できるため、柔軟な運用が可能です。

メリット4: 高度なネットワーク環境を構築できるデュアルLAN

背面には2.5Gの高速有線LANポートが2基搭載されています。これは1基のみのGMKtec EVO-X2と比べて優れており、MINISFORUM AI X1 ProやBeelink GTi14と同等の仕様です 。高速インターネットと家庭内NASへの同時接続など、より高度で安定したネットワーク環境を求めるパワーユーザーの要求に応えます。

メリット5: 高いAI処理性能

システム全体で最大99 TOPSのAI処理能力を誇り、ローカル環境でのAIタスク実行に非常に強いです。これは、Beelink GTi14の最大34.5 TOPSやMac mini M4の11 TOPSを大きく上回る性能です。GMKtec EVO-X2の126 TOPSには及びませんが、多くのAIアプリケーションを快適に動作させるには十分すぎるパワーを持っています。

メリット6: パワーユーザーを魅了する詳細なBIOS設定

EVO-T1のBIOSは、通常は制限されているCPUの電力設定やメモリタイミングなど、非常に詳細な項目が調整可能な「無制限状態」です。これは、性能を極限まで追求したいPC上級者にとっては大きな魅力であり、設定項目が少ないGMKtec EVO-X2とは対照的です。

メリット7: 優れた電力効率

EVO-T1は、その高い性能に反して優れた電力効率を誇ります。高負荷時の最大消費電力は約117.1Wに抑えられており 、これは最大180Wに達するGMKtec EVO-X2 や、134.9WのMINISFORUM AI X1 Pro 、145WのBeelink GTi14 といった他の高性能ミニPCと比較して明らかに低消費電力です。長期的な電気代の節約に繋がるだけでなく、発熱を抑える上でも大きな利点となります。

【デメリット】

デメリット1: パフォーマンスモード切替の著しい不便さ

EVO-T1最大の弱点は、3段階のパフォーマンスモードを切り替えるのに、PCの再起動とBIOS画面の操作が必須である点です。物理ボタンを持つGMKtec EVO-X2や、OS上でシームレスに制御できるMac mini M4と比べ、日常的な使い勝手で大きく劣ります 。この一点が、本機の利便性を著しく損なっています。

デメリット2: 世代遅れのワイヤレス規格

搭載されているワイヤレス通信規格がWi-Fi 6とBluetooth 5.2に留まっています。GMKtec EVO-X2、MINISFORUM AI X1 Pro、Beelink GTi14といった最新の競合製品が、より高速で低遅延なWi-Fi 7とBluetooth 5.4に標準対応していることを考えると、見劣りする点と言わざるを得ません。

デメリット3: SDカードリーダーの非搭載

クリエイターにとって便利なSDカードリーダーが搭載されていません。GMKtec EVO-X2、MINISFORUM AI X1 Pro、Beelink GTi14はいずれもSDカードリーダーを備えているため、カメラで撮影した写真や動画を直接PCに取り込みたいユーザーにとっては不便に感じるでしょう。

デメリット4: 統合GPU性能の相対的な物足りなさ

CPUに統合されたIntel Arc 140Tグラフィックスは、動画編集などを十分にこなせる性能を持っていますが、AMDの最新GPUには一歩及びません。特に、GMKtec EVO-X2が搭載するRadeon 8060Sグラフィックスは、単体でGeForce RTX 4070 Laptop GPUを超える性能を持つとされており、統合GPUでのゲーミング性能を最優先するなら、EVO-X2の方が適しています。

GMKtec EVO-T1のスペック(仕様)一覧

  • プロセッサ: Intel Core Ultra 9 285H (16コア/16スレッド、最大5.4GHz)
  • GPU: Intel Arc 140T GPU
  • RAM: 64GB (32GBx2) DDR5 5600 MT/s (最大DDR5 6400 MT/s対応)
  • ストレージ: 1TB または 2TB (M.2 2280 PCIe 4.0 x4 SSD)
  • 拡張ストレージ: 3つのM.2 2280 PCIe 4.0 x4スロット (合計最大12TB)
  • 電源: DC IN 19V 6.32A 120W または 19V/7.89A 150W
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 6 (AX200)、Bluetooth 5.2
    ※Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3モデルもあり
  • 有線LAN: 2つの2.5G LANポート (Realtek 8125BG)
  • 前面インターフェース: 3.5mmオーディオジャック、USB3.2-C (PD/DP/データ)、USB3.2-A x3
  • 背面インターフェース: 充電ポート、3.5mmオーディオジャック、HDMI 2.1、DP 1.4、Oculink、USB2.0-A x2、2.5G LAN x2
  • 映像出力: HDMI 2.1、DP 1.4、USB4、Type-C経由で4画面同時出力に対応
  • 冷却システム: VC放熱とインテリジェントファンコントロールを備えたデュアル冷却システム
  • 消費電力: 最大80W (TDP 45W)
  • VESAマウント: 対応
  • OS: Windows 11 Pro
  • サイズ: 154 x 151 x 73.6mm
  • 重量: 約910g (ベアメタル重量)
  • カラー: シルバーグレー
  • 付属品: ACアダプター, 縦置きスタンド, HDMIケーブル

GMKtec EVO-T1の評価

GMKtec EVO-T1を収納した箱

8つの基準で「GMKtec EVO-T1」を5段階で評価してみました。

項目別評価

パフォーマンス:★★★★★
Intel Core Ultra 9 285Hは、プロの動画編集さえも快適にこなす圧倒的な処理能力を誇ります。統合GPU性能は最高峰ではありませんが、CPUパワーがそれを補って余りあるため、あらゆる作業で最高の体験を提供してくれます。

冷却性能と静音性:★★★★☆
高性能CPUを搭載しながら、高負荷時でも性能低下なく安定動作する冷却システムは見事です。パフォーマンスモードではファンの音が聞こえるものの、静音モードではほぼ無音となり、静かさとパワーのバランスが非常に優れています。

デザイン:★★★★☆
ブラックとゴールドを基調とした金属パーツが高級感を演出し、ビルドクオリティは非常に高いです。一般的なミニPCより少し大きいですが、その分存在感があり、デスクを格上げしてくれる魅力を持っています。

通信:★★★★☆
安定した高速通信が可能なデュアル2.5G LANポートは、他のミニPCにはない大きな強みです。ただ、最新のWi-Fi 7ではなくWi-Fi 6対応に留まっている点が、唯一惜しいポイントと言えます。

拡張性:★★★★★
3基のM.2スロット、交換可能なメモリスロット、そして外部GPUを接続できるOculinkポートと、ミニPCの常識を覆す圧倒的な拡張性を備えています。将来にわたって長く使い続けられる安心感は絶大です。

機能:★★★★☆
ローカルAIの実行能力、4画面同時出力、3つのパフォーマンスモードなど、非常に多機能です。しかし、最も重要なパフォーマンスモードの切り替えがBIOS経由でしか行えず、その優れた機能を誰もが手軽に利用できない点が評価を下げました。

使いやすさ:★★★☆☆
クリーンなOSで初期設定は簡単ですが、パフォーマンスモードの切り替えやファン制御といった基本機能がBIOSに依存しており、PC初心者には敷居が高いです。パワーユーザー以外には、その真価を発揮させることが難しいかもしれません。

コストパフォーマンス:★★★★☆
搭載されているCPUやメモリ、ストレージのスペックを考えれば、価格は非常に魅力的です。特に発売当初の価格設定は、この性能を考えれば驚異的と言えるレベルで、コストパフォーマンスは極めて高いです。

総評:★★★★☆

圧倒的なパフォーマンスと、ライバルを凌駕する拡張性

GMKtec EVO-T1は、ミニPCというカテゴリの限界を押し上げる、まさに「小さな巨人」です。その中核をなすIntel Core Ultra 9 285Hの性能は本物で、プロフェッショナルなクリエイティブ作業からローカルAIモデルの実行まで、あらゆる高負荷タスクを余裕でこなします。私が試した4K動画のエンコードでは、最新のMacBook Airを超える速度を記録し、その実力に何度も驚かされました。

しかしこのマシンの真価は、兄弟機EVO-X2と比較することで一層際立つ、その圧倒的な拡張性にあります。EVO-T1はユーザー自身が交換・増設できるメモリスロットや、1基多い3基のM.2スロットを備えており、長期的なアップグレードを可能にします。そして決定的なのが、将来グラフィックス性能を飛躍させられる「Oculinkポート」の存在です。AIの総合性能で勝るEVO-X2がこれらの柔軟性を持たないのに対し、EVO-T1はユーザーのニーズに合わせて進化できる強みを持っています 。

加えて、電力効率の高さEVO-T1の大きなメリットです。高負荷時の最大消費電力はEVO-X2が180W近くに達するのに対し、EVO-T1約117Wに抑えられています。アイドル時もより低消費電力であり、長期的な運用コストの削減や発熱の抑制といった、実用面での恩恵は計り知れません。

設計思想の矛盾と残された課題

これほど素晴らしい性能と拡張性を持ちながら、EVO-T1は大きな矛盾を抱えています。それは、ユーザーにとって最も重要な機能の一つである「パフォーマンスモードの切り替え」が、PC上級者でなければ触るのをためらうBIOS画面の奥深くに隠されている点です。静かな環境で作業したい時、フルパワーで処理したい時、その切り替えのたびに再起動とBIOS操作を要求されるのは、日常的な使い勝手を著しく損なっています。

BIOS自体が詳細な設定を解放している点はパワーユーザーを喜ばせる一方で、この基本的な操作性の欠如は、せっかくの高性能を誰もが享受できる状態にしていないことを意味します。この一点が、本機が「完璧な名機」になりきれなかった最大の理由です。

どんなユーザーにおすすめか

結論として、GMKtec EVO-T1は「自らの手で性能を最大限に引き出すことを厭わない、パワーユーザーやクリエイター」にとって、最高の相棒となり得る一台です。BIOS操作を苦にせず、その圧倒的なCPU性能と将来性豊かな拡張性をフルに活用したいのであれば、これほどのコストパフォーマンスを誇るミニPCは他にありません。

一方で、PCの細かい設定は苦手で、ただ手軽に高性能なPCを使いたいというユーザーには、その魅力を半分も引き出せない可能性があります。非常に大きな可能性を秘めたマシンであることは間違いありませんが、その真価は使い手のスキルに委ねられている、玄人好みのマシンと言えるでしょう。

GMKtec EVO-T1の価格・購入先

GMKtec EVO-T1 本体 正面

価格は2025/08/17に調査したものです。価格は変動します。

GMKtec公式サイト

JPモデル

  • ベアボーン モデルが$819.99、
  • 64GB RAM + 1TB SSD モデルが$999.99、
  • 64GB RAM + 2TB SSD モデルが$1,079.99、

で販売されています。

GMKtec公式サイトで「GMKtec EVO-T1」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで189,999円(税込・64GB DDR5 1TB)、
  • 楽天市場で213,999円(送料無料・96GB DDR5 2TB SSD)、
  • AliExpressで153,218円(DDR5X 64GB 1TB SSD)、
  • 米国 Amazon.comで$1,369.99 ($230 OFFクーポン付き・64GB DDR5/2TB)、

で販売されています。

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楽天市場で「GMKtec EVO-T1」をチェックする

ヤフーショッピングで「GMKtec」をチェックする

AliExpressで「GMKtec EVO-T1」をチェックする

米国 Amazon.comで「GMKtec EVO-T1」をチェックする

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楽天市場

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※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
AliExpressで激安ガジェットをお得に購入する方法を徹底 解説

おすすめのライバル機種と価格を比較

GMKtec EVO-T1」と似た性能をもつミニPCも販売されています。価格の比較もできるので、ぜひ参考にしてみてください。

GMKtec EVO-X2

GMKtecから発売されるAMD Ryzen AI Max+ 395 (最大126 TOPS) 搭載のミニPCです(2025年4月15日予約開始・5月27日出荷)。

64GB/128GBLPDDR5X 8000MHzメモリ (オンボード)、PCIe 4.0 M.2 2280 SSDストレージを搭載しています。

また、最大8K 4画面出力(DP 1.4 x1, HDMI 2.1 x1, USB4.0 x2)、冷却システム「Max3.0 Airflow System」、デュアルM.2 2280 拡張スロット、SDカードリーダー、USB-A 3.2 Gen2 x3、USB-A 2.0 x2、2.5Gbps 有線LAN、Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4に対応しています。

価格は、Amazonで319,990円(64GBメモリ+1TB・税込・95000円 OFFクーポン適用で実質224,990円)、楽天市場で369,589円(送料無料)、AliExpressで267,130円、米国 Amazon.comで$1,499.99、です。

関連記事:GMKtec EVO-X2徹底レビュー!EVO-X1比較と性能・価格を評価

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MINISFORUM AI X1 Pro

MINISFORUMから発売されたAMD Ryzen AI 9 HX 370 搭載のミニPCです(2025年4月 発売)。

DDR5 5600MHzメモリ(最大96GB)、M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSD (最大12TB、最大読み書き速度7000MB/s)、Copilotボタン、スピーカー、デュアルマイクアレイ、指紋認証ボタン (Windows Hello対応)、Windows 11 Proを搭載しています。

また、OCuLink (PCIe 4.0×4)による外部GPU接続、最大96GBまでのメモリ拡張、合計で最大12TBまでのストレージ拡張、最大4画面同時出力、冷却システム、VESAマウント、SDカードスロット、

USB4ポート (Alt PD in 100W & PD out 15W)、HDMI 2.1 FRL (4K@120Hz | 8K@60Hz)、DP 2.0 (4K@160Hz | 8K@60Hz)、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート (10Gbps) x2、USB2.0 Type-A ポート x1、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、2.5G デュアル有線LAN、に対応しています。

価格は、Amazonで186,383円(税込)、楽天市場で186,990〜232,990円(送料無料)、ヤフーショッピングで154,848円、AliExpressで193,670円、米国 Amazon.comで$1,119.99、です。

関連記事:MINISFORUM AI X1 Proレビュー!AI性能と拡張性で進化したミニPC

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Beelink GTi14

Beelinkから発売されたIntel Core Ultra 9 185H 搭載のミニPCです(2025年2月 発売)。

32GB/64GB/96GB DDR5 5600MHz Dual SO-DIMMメモリ、1TB/2TB (Dual M.2 2280 PCle4.0 X4)ストレージ、145W電源ユニット(内蔵)、SDカードスロットを搭載しています。

また、最大34.5 TOPS、AI音声インタラクションと360°全方向ピックアップ、Thunderbolt 4 (40Gbps/PD/DP)、4K 3画面出力(Thunderbolt 4/DP1.4a/HDMI)、MSC 2.0 冷却システム、拡張メモリ最大96GB、拡張ストレージ最大 8TB (Dual M.2 2280 PCle4.0 X4)、VESAマウント、自動電源ON、指紋認証(電源ボタンに指紋センサー内蔵)、Wi-Fi 7 (Intel BE200)、Bluetooth 5.4、2.5G デュアル ギガビット有線LANにも対応しています。

価格は、Amazonで155,999円(税込)、楽天市場で129,880円(送料無料)、AliExpressで182,749円、米国 Amazon.comで$839.00、です。

関連記事:Beelink GTi14 レビュー!Core Ultra 9搭載の高速AIミニPC

Amazonで「Beelink GTi14」をチェックする

Mac mini M4

Appleから発売されたmacOS Sequoia 搭載のミニPCです(2024年11月8日 発売)。

Apple M4チップ、16GB / 24GB ユニファイドメモリ、256GB / 512GBストレージ、スピーカー、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。

また、11TOPS(1秒間に11兆回のAI演算)、Apple Intelligence、3つのThunderbolt 4ポート(DP映像出力、最大100WのPD給電)、3画面出力、HDMI映像出力、USB-Cポート(最大10Gb/s) x2、有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しています。

価格は、Amazonで90,970円(税込)、楽天市場で91,450円(送料無料)、ヤフーショッピングで90,760円です。

関連記事:Apple AI対応「Mac mini M4」とM2、M1モデルを比較

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他のGMKtec ミニPCと比較

他にもGMKtecのミニPCが販売されています。Ryzen搭載モデルだけでなく、インテル搭載モデルもあるので、ぜひ比較してみてください。

GMKtec NucBox ミニPCのコスパがヤバすぎた! 最新 機種を比較

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激安で買える海外製の小型PC 最新 機種 ラインナップ まとめ

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Intel N150ミニPCはこう選べば正解!2025最新の性能・価格を比較

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リビングにふさわしい超小型デスクトップPC ラインナップ 機種 まとめ

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Core Ultra デスクトップPC【2025最新】おすすめ9選|AI性能で差をつける!

Core Ultra プロセッサ搭載のデスクトップPCをまとめて紹介しています。

GMKtec G10徹底レビュー!Ryzen 5 3500UミニPCは買いか?

GMKtec G10本体を片手で持っている。背景はオレンジ。
2025年6月22日、GMKtecから注目のミニPC「NucBox G10」が発売されました 。約3万円台から購入できるRyzenプロセッサ搭載モデルとして、その高いコストパフォーマンスで早くも話題を集めています。今回は、その魅力と実力に徹底的に迫ります。

GMKtec G10の魅力

最大の魅力は、3万円を切る価格帯でありながら、日常生活から軽めのクリエイティブ作業まで快適にこなす基本性能と、将来性を見据えた圧倒的な拡張性を両立している点です。

プロセッサにはAMD Ryzen™ 5 3500Uを採用。16GBのRAMメモリを組み合わせることで、Webブラウジング、動画視聴、Officeでの資料作成といった作業をサクサクと快適にこなします 。

また、512GBまたは1TBの高速なM.2 SSDを標準搭載。さらに空きのスロットを1基備え、合計で最大16TBまでストレージを拡張し、写真や動画もたっぷりと保存できます。

さらに、HDMI、DisplayPort、そして映像出力にも対応したフル機能のType-Cポートを搭載し、最大3台のモニターに同時に映像を出力することが可能。DisplayPort接続では最大8K解像度をサポートし、4K@60HzのUltra HDエンターテイメントも存分に楽しめます 。

そのほかにも、日常作業ではほとんど音が気にならない静音冷却システム 、周辺機器の接続に便利な複数のUSBポート、モニター背面にすっきりと設置できるVESAマウントへの対応 、そして安定した高速通信を実現する2.5G有線LANなど、魅力が満載です!

この記事で「GMKtec G10」を徹底解剖!

この記事では、そんな魅力あふれる「GMKtec G10」の性能やデザイン、使い勝手を、ベンチマーク結果や具体的な使用感を交えながら徹底的にレビューします。

特に、同じGMKtec製でIntel N150プロセッサを搭載した前モデル「GMKtec G3 Plus」との違いにも焦点を当て、どのような点が進化し、どのようなユーザーにG10が適しているのかを明らかにしていきます 。

この記事で分かること

  1. GMKtec G10のスペックと価格
  2. GMKtec G3 Plusとの性能比較
  3. Ryzen 5 3500Uのベンチマークスコア
  4. Radeon Vega 8のゲーム性能(原神, Apexなど)
  5. メモリとストレージの拡張性(最大64GB/16TB)
  6. インターフェースの詳細(Type-C対応)
  7. 3画面・8K出力の実力
  8. 静音性と冷却性能
  9. 他のミニPC(MINISFORUM, Beelinkなど)との比較
  10. メリット・デメリット(他のミニPCと比較)
  11. おすすめの購入先

この記事を最後まで読むことで、本当に「GMKtec G10」が必要なのか、購入するべきかどうかがはっきりと分かるはずです。ミニPC選びで後悔したくない方は、ぜひ参考にしてみてください。

この製品の購入はこちら→ Amazon リンクAliExpress リンク

公式ページ: AMD Ryzen 5 3500U ミニ PC — NucBox G10

価格をチェック!GMKtec G10は他のミニPCよりも安いのか?

GMKtec G10をバッグの中に入れる様子

GMKtec G10はGMKtec公式サイトで、16GB RAM + 512GB SSDモデルが$189.99(日本円で約 27365円)、16GB RAM + 1TB SSD モデルが$215.99(日本円で約 31109円)、で販売されています。

一方、ECサイトのAmazonでは35,999円(税込・8GB+256GB)で販売中。海外ストアのAliExpressでは24,573円(8GB+256GB)で販売されています。

GMKtec G3 Plus

2024年12月に発売された「GMKtec NucBox G3 Plus」(8GB+256GB)はAmazonでクーポン適用で実質18,739円で販売中です。こちらは、Intel N150プロセッサを搭載したミニPCです。Wi-Fi 6やBluetooth 5.2、2.5G有線LANといった最新の通信規格に対応し、快適なネットワーク環境を実現します 。

また、4基のUSB 3.2 Gen2ポートを備え、周辺機器との高速なデータ転送も可能です 。4Kの2画面出力にも対応しており 、日常的な作業からエンターテイメントまで幅広く活躍する一台です。

MINISFORUM UN150P

2025年1月21日に発売された「MINISFORUM UN150P」(16GB+256GB)はAmazonでクーポン適用で実質29,144円で販売中です。こちらは、Intel N150プロセッサを搭載しながら、多彩な拡張性が魅力のミニPCです 。HDMI2基に加え、データ転送と映像出力に対応したUSB-Cポートを備え、4Kの3画面同時出力を実現します 。さらに、大容量の2.5インチSATAドライブを増設できる拡張スロットやTFカードスロットも搭載 。金属製の筐体が高い質感を感じさせます 。

Beelink EQ14

2024年12月に発売された「Beelink EQ14」(16GB+500GB)はAmazonで32,800円で販売中です。こちらは、Intel N150プロセッサを搭載し、利便性を追求したミニPCです 。最大の特徴は電源ユニットを本体に内蔵している点で、ACアダプターが不要なためコンセント周りがすっきりとします 。

また、デュアル有線LANポートや4Kの3画面出力、ホコリの侵入を防ぐ防塵設計も備え、安定した運用が可能です 。ネイビーブルーの落ち着いた筐体も魅力です 。

GEEKOM A5

2023年10月に発売された「GEEKOM A5」(16GB+512GB)はAmazonで39,990円で販売中です。こちらは、パワフルなAMD Ryzen 7 5800H(※2025版はRyzen 5 7430U)プロセッサを搭載した高性能ミニPCです 。8コア16スレッドの強力な処理性能と32GBの大容量メモリを備え、クリエイティブな作業も快適にこなします 。

2基のHDMIと2基のUSB-Cポートにより、最大で4Kの4画面同時出力を実現 。M.2 SSDに加え2.5インチドライブも増設でき、拡張性も万全です 。

まとめ:価格の比較

GMKtec G10の価格は、ずばり「Ryzenプロセッサ搭載モデルとしては非常に安い」と言えます。今回比較したミニPCの中で、同じAMD Ryzenプロセッサを搭載するGEEKOM A5が約4万円であるのに対し、GMKtec G10は公式サイトで16GBメモリと512GBの十分なストレージを搭載して約2万7千円から購入可能です 。これは、同価格帯のIntel N150搭載モデル(MINISFORUM UN150PBeelink EQ14)と比較しても、より高いCPU性能を手に入れられる優れたコストパフォーマンスを意味します。

一方で、最も安くお買い得なモデルは「GMKtec NucBox G3 Plus」です 。Amazonのクーポンを適用すれば1万円台で購入できることもあり、Webブラウジングや動画視聴といった基本的な用途に限定し、とにかく初期費用を抑えたいユーザーにとっては最高の選択肢となるでしょう 。

結論として、搭載するストレージ容量で価格は変わってきますが、基本的な性能を確保しつつ1円でも安く購入したいなら「G3 Plus」、少し予算を足してでも、より快適な動作と高い拡張性を備えた高コスパな一台を求めるなら「G10」がおすすめです。

デザイン:GMKtec G10 ~金属ボディの高級感と設置性の高さを探る~

GMKtec G10 本体2台。前面斜めと底面。背景は黒。

ここでは、GMKtec G10のミニPCとしてのデザイン性に焦点を当て、その外観や素材感、そして比較対象であるGMKtec G3 Plusとの違いについて、実際に手に取った感想を交えながら詳しくレビューしていきます。スペック表だけでは伝わらない、製品そのものが持つ「モノとしての魅力」を明らかにしていきたいと思います。

第一印象と素材感の違い

GMKtec G10を箱から取り出して最初に感じたのは、ひんやりとした金属特有の感触と、そのずっしりとした塊感でした。ボディの素材にはアルミ合金が採用されており、安っぽさは微塵も感じさせません。側面はシルバー、天板は落ち着いたグレーで仕上げられており、どんな書斎やリビングにも溶け込むミニマルで洗練された印象を受けます。

これは、前モデルとも言えるGMKtec G3 Plusとは大きく異なる点です。G3 Plusのボディはプラスチック製で 、軽量で扱いやすい反面、どうしても高級感という点ではG10に一歩譲ります。ただ、G3 Plusの天板には指紋が付きにくいチェックパターンの加工が施されており 、実用面での配慮が感じられました。どちらが良いというよりは、G10は所有欲を満たす質感、G3 Plusは気兼ねなく使える道具感といった、デザインの方向性の違いが明確で興味深いところです。

驚くほどのコンパクトさと設置の自由度

GMKtec G10をモニターの背面に設置している。

ミニPCを選ぶ上で最も重要な要素の一つが、そのサイズ感です。GMKtec G10の本体サイズは103 x 98 x 42mmと 、実際に手に取ると想像以上にコンパクトです。比較対象のG3 Plus114 x 106 x 42mmと十分小さいのですが 、G10はそれよりもさらに一回り小さく設計されています。

サイズの比較

  • GMKtec G10:(サイズ)103 x 98 x 42mm
  • GMKtec G3 Plus:(サイズ)114 x 106 x 42mm

このわずかな差が、設置の自由度に大きく貢献します。私の体験談ですが、普段使っている液晶モニター下のわずかな隙間にG10を置いてみたところ、まるで専用品のようにすっぽりと収まりました。G3 Plusでは少しはみ出してしまったスペースだったので、このコンパクトさは大きなメリットです。

付属のVESAマウントを使えばモニター背面に隠すことも可能で、その際はG10の小ささがより一層活きてきます。デスク周りを極限までシンプルにしたい方にとって、この設置性の高さは大きな喜びとなるでしょう。

※VESAマウントに必要なスタンドは付属します。

GMKtec G10の付属品

ユーザーマニュアル, 保証書, 電源アダプター, VESAスタンド, HDMIケーブル

まとめ:デザイン

  • 第一印象:G10はアルミ合金製のボディがもたらす高級感とソリッドな質感が魅力的。
  • 素材の対比:プラスチック製で指紋防止加工が施された実用的なG3 Plusに対し、G10は金属の質感で所有欲を満たす。
  • サイズ感:G3 Plusより一回り小さい103 x 98 x 42mmで 、設置場所の自由度が非常に高い。
  • VESAマウント:モニターの背面に設置できるほか、マウントに必要なスタンドも付属します。

インターフェースと映像出力:GMKtec G10 ~Type-Cが拓く、圧倒的な接続性と3画面出力の世界~

GMKtec G10の前面インターフェース。

ここでは、ミニPCの使い勝手を大きく左右するGMKtec G10インターフェース構成と映像出力能力に迫ります。特に、本機の最大の魅力であるUSB Type-Cポートの搭載と、それによる3画面同時出力の実力について、Type-C非搭載のGMKtec G3 Plusと比較しながら、具体的な使用感と共に徹底解説していきます。

前面インターフェース:日常使いを支えるシンプルな構成

GMKtec G10の前面には、2つのUSB 3.2 Gen1ポート3.5mmオーディオジャック、そして電源ボタンが配置されています 。USBメモリやヘッドセットなど、頻繁に抜き差しするデバイスが手前にあるのは直感的で非常に使いやすいと感じました。デザイン的にもすっきりまとまっており、好印象です。

比較対象のG3 Plusも前面はシンプルなUSBポート構成で使いやすいと評価されていますが 、G10のオーディオジャックでは、G3 Plusで一部報告されていたような気になるノイズは私の使用環境では発生せず、クリアなサウンドで音楽や動画を楽しむことができました。

背面インターフェース:G10の真価を発揮するType-Cポート

GMKtec G10の背面インターフェース

本機の真価は、豊富な背面インターフェースにあります。USB2.0ポート、HDMI2.1、DisplayPort1.4、2.5GギガビットLANといった基本的なポートに加え、G10は2つのUSB Type-Cポートを備えているのが最大の特徴です 。この点は、Type-Cポートを搭載せず、一部のユーザーから残念がる声が上がっていたG3 Plusとの決定的な違いと言えるでしょう 。

特に注目すべきは、2つのType-Cポートのうち1つが映像出力(DisplayPort Alt Mode)、データ転送、そしてPD(Power Delivery)給電にまで対応した「フル機能」ポートであることです 。

実際にこのType-Cポート1本でポータブルモニターに映像と電力を同時に供給できた時の手軽さには感動しました。G3 PlusではACアダプタとHDMIケーブルの2本が必要だった場面がケーブル1本で済み、デスク周りが劇的にすっきりしました。

もう一方のType-CポートもPD給電専用となっており 、試しに手持ちのモバイルバッテリーを接続したところ問題なく動作し、コンセントがない場所でも使えるという新たな可能性を感じさせてくれました。

映像出力:クリエイティブ作業も快適な3画面同時出力

GMKtec G10の映像出力。モニター2台とモバイルディスプレイに出力。

インターフェースの柔軟性は、そのまま映像出力能力の高さに直結します。G10HDMI、DisplayPort、そして前述のフル機能Type-Cの3系統から同時に映像を出力することが可能です 。一方、G3 PlusはHDMIポート2つによる2画面出力となっており 、これも十分高性能ではありますが、G10の柔軟性には及びません。

私は普段、複数のアプリケーションを同時に立ち上げて作業することが多いのですが、G10の3画面出力はまさに革命的でした。メインモニターに資料作成中のWord、サブモニターに情報収集のためのブラウザ(Chrome)、そしてType-C接続の液晶タブレットに画像編集ソフト(Adobe Photoshop)を同時に表示させてみましたが、遅延もなく非常に快適に作業を進めることができました。

G3 Plusの2画面環境でも不満はありませんでしたが、この3画面の広大な作業領域は一度体験すると元には戻れないほどの快適さです。さらに、DisplayPort接続では最大8Kという超高解像度出力にも対応しており 、将来的なモニターのアップグレードにも安心して備えられます。

まとめ:インターフェースと映像出力

  • Type-Cの優位性:G10は映像・データ・給電に対応する万能Type-Cポートを搭載し、G3 Plusに対して圧倒的な利便性を実現している 。
  • ポート構成:前面はUSB-Aとオーディオジャックで使いやすく、背面は豊富なポート類で高い拡張性を持つ 。
  • 最大画面数:G10はHDMI、DisplayPort、Type-Cによる3画面同時出力に対応し、マルチタスク性能で2画面のG3 Plusを凌駕する 。
  • 将来性:DisplayPort接続で最大8K解像度をサポートしており、将来的な高解像度環境にも対応可能 。

CPU性能:GMKtec G10 ~Ryzen 5 3500Uがもたらすマルチタスクの快適さとクリエイティブへの可能性~

GMKtec G10のプロセッサ

ここでは、PCの”頭脳”にあたるGMKtec G10CPUとGPUの性能に深く切り込みます。搭載されたAMD Ryzen 5 3500Uが、日々の作業やクリエイティブな活動にどのような影響を与えるのか。比較対象であるIntel N150を搭載したGMKtec G3 Plusとの違いを明確にしながら、ベンチマークスコアだけでは見えてこない、リアルな使用感をレビューしていきます。

CPUスペック比較:世代は古いがパワフルなG10、最新省電力のG3 Plus

GMKtec G10G3 Plusには、設計思想も世代も異なるCPUが搭載されており、これが両者の性格を決定づけています。

G10が搭載するAMD「Ryzen 5 3500U」は、2019年に登場したノートPC向けのCPU(APU)です 。アーキテクチャは「Zen+」、製造プロセスは12nmで、4つのコアが同時に8つの処理を行う「4コア/8スレッド」仕様、最大3.7GHzで動作します 。

一方、G3 Plusが搭載するIntel「N150」は、2024年以降に登場したエントリー向けの最新世代CPUです 。より微細な「Intel 7(10nmクラス)」プロセスで製造され、アーキテクチャも新しい「Gracemont」を採用。4コア/4スレッドで、最大クロックは3.6GHzです 。

注目すべきは、スレッド数と消費電力(TDP)です。G10はスレッド数がG3 Plusの2倍あり、複数のアプリケーションを同時に動かすマルチタスク処理で有利です。しかし、TDPは15Wと、G3 PlusのTDP 6Wに比べて高めです。つまり、G10は世代は古いがより多くの同時処理をこなせるパワー型、G3 Plusは最新技術で省電力性を極めたエコ性能型という、明確なキャラクターの違いが見えてきます。

CPUの違い

  • GMKtec G10:AMD Ryzen 5 3500U (12nm/Zen+/4コア/8スレッド/最大3.7GHz/TDP 15W)
  • GMKtec G3 Plus:Intel N150 (10nm/Intel 7/4コア/4スレッド/最大3.6GHz/TDP 6W)

内蔵GPUの特性:クリエイティブのG10か、動画視聴のG3 Plusか

CPUに統合されているグラフィックス性能、いわゆる内蔵GPUにも明確な違いがあります。G10のRyzen 5 3500Uは、8基のGPUコアを持つ「Radeon Vega 8 Graphics」を内蔵しており、画像や映像の描画を得意としています 。対するG3 PlusのIntel N150が内蔵する「Intel UHD Graphics」も日常使いには十分な性能ですが、グラフィックを多用する作業ではRadeon Vega 8に軍配が上がります 。

しかし、G3 PlusにはG10にはない強力な武器があります。それは最新の動画圧縮形式「AV1」のハードウェアデコードに対応している点です 。これにより、YouTubeなどの対応サービスで4K動画を視聴する際に、より少ないCPU負荷でスムーズに再生できます。グラフィック作業の快適さをとるならG10、省電力での動画視聴を重視するならG3 Plusと、得意分野がはっきりと分かれています。

GPUの違い

  • GMKtec G10:Radeon Vega 8 Graphics
  • GMKtec G3 Plus:Intel UHD Graphics

実作業でのパフォーマンス:スレッド数の多さが光るG10

WebブラウジングやOfficeソフトでの文書作成といった日常的な作業は、正直なところG10G3 Plusのどちらも非常に快適です。しかし、複数の作業を同時に行うヘビーな使い方をすると、G10のスレッド数の多さが輝き始めます。

例えば、Chromeで20以上のタブを開き、バックグラウンドでSpotifyの音楽を再生しながら、Excelでデータ量の多いファイルを開く、といった状況を試してみました。G3 Plusも健闘しましたが、G10の方がウィンドウの切り替えやスクロールが明らかに滑らかで、一切のストレスを感じさせませんでした。

この差は、画像編集のような少し負荷のかかるクリエイティブ作業でさらに顕著になります。Adobe Lightroomでデジタル一眼レフのRAW画像を現像したところ、プレビューの表示速度や書き出し処理において、G10の方がキビキビと動作するのを体感できました。

また、動画編集ソフト「PowerDirector」を使ってフルHD動画のカット編集やテロップ挿入を試した際も、G10はプレビュー再生がスムーズで快適に作業を進められました。G3 Plusが「事務作業程度」を得意とするのに対し、G10は一歩踏み込んだクリエイティブな用途にも対応できる懐の深さを持っています。ただし、本格的な4K動画の編集など、極端に高い負荷のかかる作業には向かない点は留意すべきでしょう。

まとめ:CPU性能

  • マルチタスク性能:同時に8つの処理が可能なG10が、4処理のG3 Plusより多くのアプリケーションを同時に動かす場面で優位に立つ 。
  • グラフィック性能:G10に内蔵されたRadeon Vega 8 Graphicsは、画像編集などのクリエイティブな作業でG3 Plusより高いパフォーマンスを発揮する 。
  • 動画視聴性能:G3 Plusは最新の動画形式「AV1」のハードウェアデコードに対応しており、YouTubeなどの動画再生をより効率的に行える 。
  • 適した用途:日常的な作業は両機とも快適だが、複数のアプリを多用するマルチタスクや軽めのクリエイティブ作業ではG10が、省電力での動画視聴ではG3 Plusがそれぞれ適している。

ベンチマーク

GMKtec G10が搭載するAMD Ryzen 5 3500U プロセッサはどのくらいの性能なのでしょうか?ベンチマークを調べてみました。

CPUのベンチマーク結果・AMD Ryzen 5 3500U

  • PassmarkのCPUベンチマークスコア「6863」
  • Geekbench 6のシングルコア「863」、マルチコア「2482」
  • Cinebench 2023 シングルコア「876」、マルチコア「3544」
  • Cinebench 2024 シングルコア「53」、マルチコア「228」

CPUのベンチマーク結果から分かること

AMD Ryzen 5 3500Uは、2019年に登場したモバイル向けプロセッサーであり、発売から数年が経過した現在においても、多くのユーザーにとって十分な性能を提供します。提供されたベンチマークデータは、このCPUがオフィスソフトの利用、インターネットの閲覧、フルHD画質での動画再生といった日常的な使い方において、ストレスなく動作することを示しています。

特にPassmarkのスコア6863は、そのバランスの取れた性能を裏付けるものです。GeekbenchやCinebenchのシングルコアスコアからは、アプリケーションの起動や反応速度といった基本的な操作感が良好であることが伺えます。同時に、マルチコアスコアは、複数の作業を並行して行う場面や、簡単な写真編集、軽めの動画編集といった、少し負荷のかかるタスクにも対応できるだけの力があることを示しています。

しかし、最新のゲームを高画質でプレイしたり、専門的な映像制作や3Dレンダリングを行ったりするには性能が不足しており、あくまで一般的な用途や軽めのクリエイティブ作業に適したCPUと位置づけられます。総じて、コストパフォーマンスに優れた選択肢であり、学生やビジネスユーザーが使用する標準的なノートパソコンの頭脳として、その役割を十分に果たすことができるプロセッサーであると結論付けられます。

Ryzen 5 3500U性能を比較

GMKtec G10が搭載するAMD Ryzen 5 3500U プロセッサは、他のCPUと比べて、どのくらいの性能なのでしょうか?PassmarkのCPUベンチマークで比較してみました。

CPUランキング

GMKtec G10 グラフ ベンチマーク比較 Ryzen5-3500-U

※PassmarkのCPUベンチマークで比較したものです。

  1. Ryzen 5 7430U (GEEKOM A5 2025版)・・・Passmark:16790
  2. Intel Core i3-N305 (MINISFORUM UN305)・・・Passmark:10448
  3. Ryzen 5 3500U (GMKtec G10)・・・Passmark:6863
  4. N150 (GMKtec NucBox G3 Plus/MINISFORUM UN150P/Beelink EQ14/)・・・Passmark:6000
  5. Intel N97 (BMAX B4 Pro (New)/GMKtec NucBox G5)・・・Passmark:5877
  6. N100 (BMAX B4 Plus/Minisforum UN100P)・・・Passmark:5502
  7. Intel N95 (Blackview MP80)・・・Passmark:5372
  8. N200 (Beelink EQ13)・・・Passmark:5145
  9. Intel N5105 (Beelink U59)・・・Passmark:4053
  10. Core i3-1000NG4 (BMAX B6 Plus)・・・Passmark:3572

CPU性能の比較から分かること

AMD Ryzen 5 3500Uは、登場から時間は経過しているものの、依然としてエントリークラスのCPU群を明確に上回る実用的な性能を維持しているCPUであると結論付けられます。最上位の最新CPUには性能で譲るものの、基本的なPC利用において「安価だが性能面で妥協が必要」なレベルのCPU(N100など)と、「快適な操作性を提供する」レベルのCPUとの間に位置する、コストパフォーマンスの優れた選択肢と言えます。

グラフィック性能

Ryzen 5 3500Uが内蔵するRadeon Vega 8 Graphicsのグラフィック性能はどのくらいなのでしょうか?ベンチマークで調べてみました。

GPUのベンチマーク結果・Ryzen 5 3500U内蔵のRadeon Vega 8 Graphicsのグラフィックスコア

  • Fire Strike グラフィックスコアで「2026」(DirectX 11)
  • Fire Strike Extreme グラフィックスコアで「920」
  • Time Spy グラフィックスコアで「849」(DirectX 12)
  • 3DMark Night Raidで「9100」(DirectX 12, 低負荷)
  • 3DMark Wild Life「5500」(Vulkan/Metal, モバイル向け)

<GPUのベンチマーク結果から分かること>

AMD Ryzen 5 3500Uに統合されたRadeon Vega 8 Graphicsのグラフィックス性能は、一言で言えば「日常使いと軽量なゲームに特化した能力」です。Fire Strikeのスコアが示すように、数世代前のゲームや現在人気の軽量なeスポーツタイトルであれば、画質を妥協することでプレイの道が開けます。

しかし、本格的なゲーミングPCに搭載されるディスクリートGPU(dGPU)とは根本的に性能が異なり、Time Spyのスコアが証明するように、グラフィカルに美麗で重厚な最新のゲームをプレイすることは想定されていません。このGPUの真価は、むしろNight Raidのスコアに表れています。つまり、ウェブブラウジング、高画質な動画のストリーミング再生、オフィスソフトの利用といった日常的なタスクを快適にこなしつつ、ちょっとした息抜きに軽いゲームを楽しむ、といった使い方に最適なバランスを提供することです。

また、Wild Lifeのスコアは、モバイルデバイスで培われた技術との親和性も示しており、省電力が求められるノートパソコンの環境下で、効率的にグラフィックス処理を行う能力があることを裏付けています。したがって、このGPUを搭載したノートパソコンは、ゲーム専用機としてではなく、学業や仕事、エンターテイメント鑑賞といった多目的な用途でPCを利用するユーザーにとって、コストと性能のバランスが取れた賢明な選択肢となるでしょう。

ゲーム性能

GMKtec G10に接続したディスプレイにゲームの映像が映っている。レーシングゲーム。

Ryzen 5 3500UとRadeon Vega 8 Graphicsのゲーム性能について、具体的なゲームタイトルとフレームレート(FPS)を交えて説明します。

原神 (Genshin Impact)

広大なオープンワールドを探索するアクションRPGです。モバイルゲームがベースのため、比較的低スペックでも動作します。

1080p(1920×1080)解像度で全てのグラフィック設定を「最低」にした場合、平均して30 FPS前後で動作します。戦闘シーンやキャラクターの多い街(璃月港など)では20 FPS台に落ち込む場面もありますが、フィールド探索中はより高いフレームレートで遊べます。カクつきを減らし、より安定した動作を求めるなら、解像度を720p(1280×720)に下げることで、常時30 FPS以上を維持しやすくなり、プレイの快適性が向上します。

Apex Legends

3人1組で戦う、非常にスピーディーな展開が特徴のバトルロイヤル系ファーストパーソン・シューター(FPS)です。

このゲームで対戦に臨むには、720p(1280×720)解像度と、可能な限りのグラフィック設定を「低」または「無効」にする必要があります。この設定で、平均40~50 FPSでの動作が見込めます。ただし、これは遮蔽物の多い場所での数値であり、広大な屋外や複数の部隊が入り乱れる激しい銃撃戦では、30 FPS台まで低下します。競技性の高いゲームであるため、フレームレートの低下は不利に直結しますが、カジュアルに楽しむ分にはプレイ可能な範囲です。

ストリートファイター6 (Street Fighter 6)

美麗なグラフィックスが特徴の最新の対戦型格闘ゲームです。ゲームの内部ロジックが60 FPSで固定されているため、この数値を下回るとゲームがスローモーションになります。

残念ながら、このゲームを正常にプレイすることは極めて困難です。720p解像度、すべての設定を最低にし、内部解像度をさらに下げても、対戦中のフレームレートは20~30 FPSにとどまります。これはスローモーション状態であり、技の入力やコンボが成立しないため、対戦ゲームとしては機能しません。このタイトルを遊ぶには、より高性能なグラフィックス機能が必須です。

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S (Definitive Edition)

広大な世界を冒険する、国民的コマンドバトルRPGです。アクション性が低いため、フレームレートの変動がプレイ体験に与える影響は比較的小さいです。

1080p解像度で、グラフィック設定を「低」にすることで、平均して30~40 FPSでの安定した動作が可能です。戦闘はターン制のため、フレームレートが多少上下しても問題なく楽しめます。美しい世界観をじっくりと味わうプレイスタイルであれば、このハードウェアでも満足のいく体験が得られます。

Minecraft (マインクラフト) Java版

ブロックで構成された世界で自由に創造や冒険が楽しめるサンドボックスゲームです。

1080p解像度、標準設定で平均50~60 FPSでのプレイが可能です。ただし、描画距離を伸ばしたり、多くの動物やモンスター(MOB)がいる場所ではフレームレートが低下します。より快適なプレイを求めるなら、パフォーマンスを向上させるMODである「Sodium」や「OptiFine」を導入することが強く推奨されます。 これらを導入すると、同じ設定でもフレームレートが大幅に向上し、常に60 FPS以上を維持してスムーズに遊ぶことができます。

GRID: Autosport

リアルさとアーケードのバランスが取れた、2014年発売のレーシングゲームです。発売から時間が経っており、最適化が進んでいます。

1080p解像度、グラフィック設定を「中」にしても、安定して60 FPSを維持できます。レースゲームで重要となる滑らかな動きとレスポンスが確保できるため、非常に快適なプレイが可能です。古い世代のゲームであれば、このように高品質な設定でも十分に動作させられる好例です。

まとめ:ゲーム性能

AMD Ryzen 5 3500UとRadeon Vega 8 Graphicsの組み合わせは、「古い世代のゲームや要求スペックの低いインディーゲーム、eスポーツタイトルであれば、設定を調整することで快適にプレイ可能」な性能です。

『ストリートファイター6』のような最新のAAA級タイトルを動かす力はありませんが、『マインクラフト』や『ドラゴンクエストXI S』のように、幅広い層に人気のゲームや、最適化された過去の名作を楽しむには十分な能力を持っています。プレイしたいゲームに合わせて解像度や画質を適切に設定する知識があれば、様々なゲーム体験が得られるでしょう。

メモリとストレージ:GMKtec G10 ~デュアルチャネル&最大16TBが拓く、圧倒的な将来性~

GMKtec G10の内部にあるメモリ

ここでは、ミニPCを長く快適に使い続けるための重要な要素である、メモリとストレージの性能と拡張性に焦点を当てていきます。GMKtec G10が秘める圧倒的なキャパシティと、比較対象のGMKtec G3 Plusとの間に存在する決定的な違いを、具体的なスペックと将来のアップグレードの可能性という観点から詳しく解説します。

メモリ:デュアルチャネルがもたらす快適さと最大64GBの安心感

GMKtec G10は、メモリの拡張性においてG3 Plusを圧倒しています。本体内部にはノートPC用メモリ(DDR4 SO-DIMM)のスロットが2基用意されており、メモリを2枚搭載することでデータの転送速度が向上する「デュアルチャネル」で動作します(※転送速度は2400MT/s)。これにより、アプリケーションの起動やデータの読み込みが一層スムーズになります。標準で16GBのメモリが搭載されていますが、将来的に最大64GBまで増設できるという、ミニPCとしては驚異的なキャパシティを持っています 。

一方、GMKtec G3 Plusのメモリスロットは1基のみで、最大容量も32GBまでとなっています 。実際にG10を使用してみると、標準の16GBでもブラウザのタブを大量に開いたり、複数のソフトを同時に起動したりしても動作が重くなることはありませんでした。しかし、将来的に仮想環境を構築したり、より負荷の高いクリエイティブ作業に挑戦したくなった際にも、最大64GBまで増設できるという安心感は非常に大きいです。これはスロットが1つしかないG3 Plusでは得られない、G10ならではの大きなアドバンテージだと感じました。

ストレージ:速度と容量を両立するデュアルNVMeスロット

GMKtec G10 内部にあるストレージ

ストレージの拡張性においても、G10G3 Plusに大きな差をつけています。G10の内部には、高速なデータ転送が可能な「M.2 2280 PCIe 3.0 x4」規格のSSDスロットが2基も搭載されています 。この規格は、理論上最大で約3.94GB/sという非常に高速なデータ転送を可能にし 、一般的なSATA接続のSSDよりも数倍高速です。

これにより、OSやアプリケーションをインストールするシステム用SSDと、写真や動画などのデータを保存するデータ用SSDを、どちらも高速なNVMe SSDで構築するという贅沢な構成が可能です。

さらに驚くべきは、その最大容量です。G10は2つのスロット合計で最大16TBものストレージを内蔵できます 。これに対し、G3 PlusもM.2スロットを2基備えていますが、そのうち1つは低速なSATA規格に限定され、増設可能な最大容量も合計2TBまでです 。

私は仕事で高画質の写真や動画を扱うため、ストレージ容量は常に重要視しています。G10なら、外付けドライブに頼ることなく、本体だけで大容量かつ高速なストレージ環境を完結させられるため、デスク周りをスマートに保ちたい自分にとって、この上ない魅力と感じました。

まとめ:メモリとストレージ

  • メモリスロット:G10は2基搭載で高速なデュアルチャネルに対応、G3 Plusは1基のみのシングルチャネル構成。
  • 最大メモリ容量:G10は最大64GBと圧倒的なキャパシティを誇り、G3 Plusの最大32GBに2倍の差をつける。
  • ストレージ構成:G10は高速なPCIe 3.0 x4規格のNVMe SSDスロットを2基搭載、G3 PlusはPCIeとSATAの混合構成。
  • 最大ストレージ容量:G10は最大16TBという破格の拡張性を実現しており、大容量データを扱うユーザーにとって非常に魅力的。

静音性と冷却性能:GMKtec G10 ~静かなる実力者、その実力やいかに~

GMKtec G10の冷却システム

ここでは、ミニPCを選ぶ上で多くの人が気にする「静音性」と「冷却性能」について、GMKtec G10の実力を探っていきます。特に、驚くほど静かだと評価されているGMKtec G3 Plusと比較しながら、日常的な作業から負荷のかかる作業まで、どのようなシーンで快適に使えるのかを、私の実体験を交えてレビューします。

日常作業では存在を忘れるほどの静けさ

まず結論から言うと、WebブラウジングやMicrosoft Officeでの資料作成、YouTubeでの動画視聴といった日常的な作業において、G10は驚くほど静かです。ファンが回っているのかどうか耳を澄まさないとわからないレベルで、その静音性の高さには正直驚きました。公式スペックでは、G10の騒音レベルは35dBとされています 。これは、静かな環境での人の呼吸音(約30dB)とほとんど変わらないレベルです 。

この静音性は、比較対象であるG3 Plusと甲乙つけがたいものがあります。G3 Plusもまた、高負荷時ですら36.9dB前後と、多くのレビューで「ほぼ無音」と評されるほどの静けさを誇ります。実際に書斎で両方のPCを使ってみましたが、メールチェックやブログ執筆などの軽作業中には、どちらのPCが動いているのか意識することはありませんでした。寝室や静かなオフィスなど、音に気を使う環境で使うPCとして、どちらも間違いなく最適な選択肢と言えるでしょう。

高負荷時の挙動と冷却思想の違い

両者の性格の違いが現れるのは、CPUに高い負荷がかかった時です。私が動画編集ソフト「PowerDirector」でフルHD動画の書き出し作業を始めたところ、G10の冷却ファンは「サー」という音を立てて回転数を上げ始めました。決して耳障りな高音ではありませんが、静かな部屋ではファンが仕事をしているのがはっきりと分かります。これは、CPUを確実に冷却し、性能を維持するための正常な動作です。

一方で、G3 Plusは同様の負荷をかけても、ファンの音はほとんど大きくなりませんでした。この点はG3 Plusの特筆すべき長所で、常に静かな環境を維持したいユーザーにとっては大きな魅力です。ただし、G3 Plusは一部のユーザーから長時間の負荷によるSSDの熱を懸念する声も上がっており、より安定した運用を求めてヒートシンクを追加するなどの工夫も見られます。

ここから、G10は「熱を検知したらファンでしっかり排熱する」という堅実な冷却思想、G3 Plusは「極限まで静音性を保ちつつ冷却する」という思想の違いがうかがえます。どちらの冷却システムもCPUの性能を十分に引き出せており、通常の使用で熱による性能低下を感じることはありませんでした。

まとめ:静音性と冷却性能

  • 通常利用時の静音性:G10、G3 Plusともに非常に静かで、オフィスや寝室での利用に全く問題ないレベル。
  • 高負荷時のファンノイズ:G10は負荷に応じてファンの回転音が聞こえるようになるが、G3 Plusは高負荷時でも驚くほど静かな状態を維持する。
  • 冷却性能:両モデルともCPUを効果的に冷却し、パフォーマンスを安定して発揮できるが、そのアプローチに違いがある。
  • 総合的な評価:どちらも静音性に優れたミニPCだが、常に高い負荷をかけ続ける作業を行い、かつ絶対的な静けさを求めるならG3 Plusに、より反応の良い冷却システムを好むならG10に軍配が上がる。

通信性能:GMKtec G10 ~安定の有線、世代が分かれる無線環境~

GMKtec G10の有線LAN通信

ここでは、PCの快適さを根底から支える通信性能に注目します。GMKtec G10の有線LANおよび無線LAN、Bluetoothの能力を、より新しい規格を採用しているGMKtec G3 Plusと比較しながら、実際の使用感に基づいて詳しくレビューしていきます。ネットワーク環境によって、どちらのモデルがより適しているのかが明確になるはずです。

有線LAN:どちらも高速な2.5G対応で文句なし

まず有線LAN接続については、G10G3 Plusの間に性能差はありません。両モデルとも、標準的な1ギガビットLANを上回る、高速な2.5ギガビットイーサネットに対応したポートを1基搭載しています 。これにより、対応するルーターやNAS(ネットワーク接続ストレージ)があれば、大容量のデータ転送やストリーミングでその真価を発揮します。

実際に我が家の2.5G対応ネットワーク環境に接続し、NASから数十GBある動画ファイルを転送してみたところ、従来の1G環境とは比較にならないほどの速さで完了し、非常に快適でした。4K動画のストリーミング再生はもちろん、将来的に8Kコンテンツが主流になったとしても安心して利用できる性能です。有線接続をメインに考えているユーザーにとっては、どちらのモデルを選んでも満足できるでしょう。

無線LANとBluetooth:世代の違いが利便性を分ける

GMKtec G10のWi-Fiモジュール

一方、無線通信の規格には明確な世代の違いが見られます。G10はWi-Fi 5(最大866.7Mbps)とBluetooth 5.0を搭載しているのに対し、G3 Plusはより新しい規格であるWi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応しています 。

正直なところ、G10が最新のWi-Fi 6に対応していない点には、最初にスペックを確認した際に少し驚きました。とはいえ、実際に使ってみると、Wi-Fi 5でも日常的な利用で不満を感じるシーンはほとんどありませんでした。

YouTubeの4K動画も途切れることなく安定して再生できましたし、Zoomを使ったWeb会議もスムーズに行えました。Bluetooth 5.0についても、手持ちのワイヤレスヘッドホン(SONY WH-1000XM4)やマウスとの接続は瞬時に完了し、音楽鑑賞中に音が途切れるようなこともありませんでした 。

しかし、多くのデバイスが接続された混雑した無線LAN環境、例えば集合住宅などでは、通信の安定性や速度でWi-Fi 6が有利になります。最新のスマートフォンやノートPCなど、すでにWi-Fi 6対応機器で揃えているユーザーにとっては、G3 Plusの方がよりその恩恵を受けられるでしょう。無線環境の快適性や将来性をより重視するのであれば、新しい規格に対応しているG3 Plusが魅力的な選択肢となります。

※GMKtec G10のWi-Fi モジュールは交換できます。

まとめ:通信性能

  • 有線LAN:G10、G3 Plusともに高速な2.5ギガビットイーサネットに対応しており、性能に差はない 。
  • 無線LAN:G3 Plusが対応するWi-Fi 6は、G10のWi-Fi 5に比べて混雑した環境での安定性や速度に優れる新しい規格である 。
  • Bluetooth:G3 Plusが対応するBluetooth 5.2は、G10のBluetooth 5.0よりも接続の安定性や効率が向上した新しい規格である 。
  • 推奨ユーザー:有線接続がメインであればどちらのモデルでも快適だが、最新の無線環境を最大限に活かしたい、あるいは将来性を重視するならG3 Plusが適している。

GMKtec G10とGMKtec G3 Plusの主な違い

GMKtec G10 本体。縦と横に配置。

ここでは、GMKtecのミニPC「G10」と「G3 Plus」の主なスペックを比較し、それぞれのモデルがどのような特徴を持つのかを解説します。

プロセッサ (CPU)

  • G10: AMD Ryzen™ 5 3500U (4コア/8スレッド, 最大3.7GHz, TDP 25W)
  • G3 Plus: Intel N150 (4コア/4スレッド, 最大3.8GHz, TDP 6W)
  • 違い:G10はスレッド数が多いため、複数のアプリケーションを同時に動かすマルチタスク性能で有利です 。一方、G3 PlusはTDP(消費電力の目安)が非常に低く、省電力性に優れています 。

グラフィックプロセッサ (GPU)

  • G10: Radeon™ Vega 8 グラフィックス (1200 MHz)
  • G3 Plus: Intel UHD Graphics 12世代
  • 違い:G10のGPUは軽めのゲームやグラフィック作業でG3 Plusより高い性能を発揮します 。しかし、G3 PlusのGPUは最新の動画形式「AV1」のハードウェアデコードに対応しており、YouTubeなどの動画視聴でより効率的です 。

メモリ (RAM)

  • G10: スロット2基、最大64GBまで拡張可能 (DDR4-2400)
  • G3 Plus: スロット1基、最大32GBまで拡張可能 (DDR4-3200)
  • 違い:G10は拡張できる最大容量が2倍で、メモリを2枚搭載する「デュアルチャネル」による性能向上が見込めます 。G3 Plusは拡張性に劣るものの、より高速なメモリ規格を採用しています 。

ストレージ

  • G10: M.2 PCIe3.0x4 スロット x 2 (合計最大16TBまで)
  • G3 Plus: M.2 NVMe スロット x 1 + M.2 SATA スロット x 1 (合計最大2TBまで)
  • 違い:G10は高速なNVMe規格のSSDを2枚搭載でき、最大容量も圧倒的に大きいため、ストレージの速度と容量の両方で優れています 。

ネットワーク

  • G10: WiFi 5, Bluetooth 5.0, 2.5G LAN
  • G3 Plus: Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2, 2.5G LAN
  • 違い:有線LANの性能は同じですが、無線通信はG3 Plusの方がより新しい規格に対応しており、混雑した環境での安定性や速度で有利です 。

外部ポート

  • G10: USB-A x3 (USB 3.2 Gen1 x2, USB 2.0 x1) , Type-C x2 (うち1つはフル機能) , HDMI x1 , DisplayPort x1
  • G3 Plus: USB-A x4 (すべてUSB 3.2 Gen2) , HDMI x2 , Type-Cポートなし
  • 違い:G10は映像出力や給電も可能な万能のType-Cポートを備えているのが最大の強みです 。G3 PlusはUSB-Aポートの数が多く、規格も高速ですが、Type-Cには対応していません 。

映像出力

  • G10: HDMI, DisplayPort, Type-Cによる3画面出力、最大8K対応
  • G3 Plus: HDMI x2による2画面出力
  • 違い:G10はより多くのモニターに接続でき、最大解像度も高いため、マルチモニター環境を重視するユーザーに適しています 。

本体サイズ

  • G10: 103 × 98 × 42 mm
  • G3 Plus: 114 × 106 × 42 mm
  • 違い:G10の方が一回りコンパクトな設計になっています 。

価格(公式サイト参考)

  • G10 (16GB+512GB): $189.99
  • G3 Plus (16GB+512GB): $155.99
  • 違い:同程度のメモリ・ストレージ構成で比較した場合、G3 Plusの方が価格が安く設定されています 。

まとめ:GMKtec G10とG3 Plusの違い

GMKtec G10とG3 Plusは、同じメーカーのミニPCでありながら、明確な個性を持っています。G10は、8スレッドCPUによるマルチタスク性能、圧倒的なメモリ・ストレージの拡張性、そしてType-Cポートを含む3画面出力といった「パワーと将来性」に強みがあります。

一方、G3 Plusは、新しい世代の省電力CPU、最新の無線規格(Wi-Fi 6)、そしてより手頃な価格設定といった「モダンさとコストパフォーマンス」が魅力です。どちらのモデルを選ぶべきかは、ユーザーが何を最も重視するかによって決まると言えるでしょう。

GMKtec G10のメリット・デメリット

GMKtec G10 本体でポートが見える。

GMKtec G10は、優れたコストパフォーマンスを誇るミニPCですが、他の最新モデルと比較することで、その長所と短所がより明確になります。ここでは、具体的な機種と比較しながら、G10のメリットとデメリットを解説していきます。

【メリット】

メリット1:優れたマルチタスク性能

G10に搭載されているRyzen 5 3500Uは4コア8スレッドで動作するため、複数のアプリケーションを同時に利用する際の処理能力に優れています。これは、同じ価格帯のGMKtec G3 Plus やMINISFORUM UN150P 、Beelink EQ14 に搭載されているIntel N150プロセッサ(4コア4スレッド) と比較して明確なアドバンテージです。

メリット2:圧倒的なメモリとストレージの拡張性

メモリは最大64GB、ストレージは2基のM.2スロット合計で最大16TBまで拡張可能です。これは、メモリが最大32GB、ストレージ増設がSATA経由となる

GMKtec G3 Plus や、メモリが最大16GBのMINISFORUM UN150P 、Beelink EQ14 と比べて、将来性において圧倒的に優位です。

メリット3:豊富なインターフェースと3画面出力

映像出力・データ転送・給電に対応したフル機能のUSB Type-Cポートを備え、HDMI、DisplayPortと合わせて3画面への同時出力が可能です。Type-Cポートを持たないGMKtec G3 Plus と比べて利便性が高く、MINISFORUM UN150P やBeelink EQ14 と同等の画面数を確保しつつ、多彩なポート構成を実現しています。

メリット4:価格以上の高級感あるデザイン

筐体に金属素材を使用しており、同価格帯のミニPCの中でも特に高級感があります。プラスチック筐体のGMKtec G3 Plus と比較すると、その質感の差は明らかで、所有する満足感が高いと言えるでしょう。

【デメリット】

デメリット1:世代の古いCPUとGPU

Ryzen 5 3500Uは数世代前のプロセッサであり、最新の動画圧縮形式「AV1」のハードウェアデコードに対応していません。Intel N150を搭載する他のミニPCはAV1に対応しており、YouTubeなどの動画視聴においては、より効率的な再生が可能です。

デメリット2:最新ではない無線通信規格

無線通信はWi-Fi 5とBluetooth 5.0に対応しています。これは、GMKtec G3 Plus 、MINISFORUM UN150P 、Beelink EQ14 、GEEKOM A5 など、比較対象の全てのモデルが採用している新しい規格のWi-Fi 6やBluetooth 5.2 に比べて見劣りする点です。

デメリット3:ストレージ拡張の種類が限定的

高速なM.2 SSDを2基搭載できる一方で、より安価で大容量な2.5インチSATA HDD/SSDを内蔵するスロットがありません。この点は、2.5インチSATA拡張スロットを持つMINISFORUM UN150P やGEEKOM A5 に比べて柔軟性で劣ります。

デメリット4:カードリーダー非搭載

本体にSDカードやmicroSD(TF)カードリーダーが搭載されていません。デジタルカメラからの写真取り込みなどが多いユーザーにとっては、TFカードスロットを持つMINISFORUM UN150P や、SDカードリーダーを持つGEEKOM A5 の方が便利に使える場面があるでしょう。

GMKtec G10のスペック(仕様)一覧

  • モデル: NucBox G10
  • プロセッサ: AMD Ryzen 5 3500U (4コア/8スレッド、最大3.7GHz)
  • GPU: Radeon Vega 8 Graphics (1200 MHz)
  • RAM: 16GB DDR4-2400 (最大64GBまで拡張可能)
  • ストレージ: 512GBまたは1TB M.2 2280 PCIe3.0x4 SSD
  • 拡張ストレージ: M.2 2280スロットx2 (合計最大16TBまで拡張可能)
  • 電源: Type-C PD (19V/3.42A)
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 5 (866.7Mbps), Bluetooth 5.0
  • 有線LAN: 2.5ギガビットイーサネット
  • 前面インターフェース: USB3.2 Gen1 x2, 3.5mmオーディオジャック, 電源ボタン
  • 背面インターフェース: USB2.0 x1, Type-C (DP/DATA/PD), Type-C (PDのみ), HDMI2.1, DisplayPort1.4, 2.5G LAN, Kensington Lock
  • 映像出力: HDMI, DisplayPort, Type-Cによるトリプルディスプレイ対応 (最大4K@60Hz)
  • 冷却システム: 静音冷却ファン (騒音レベル35db)
  • 消費電力: CPUのTDPは25W
  • VESAマウント: 対応 (VESAスタンド付属)
  • OS: Windows 11 Pro
  • サイズ: 103 x 98 x 42 mm
  • 重量: 非公開
  • カラー: シルバー
  • 付属品: ユーザーマニュアル, 保証書, 電源アダプター, VESAスタンド, HDMIケーブル

GMKtec G10の評価

GMKtec G10をバッグから取り出す様子

7つの基準で「GMKtec G10」を5段階で評価してみました。

項目別評価

スペック: ★★★☆☆
CPUは数世代前ながら8スレッドで健闘するものの、最新世代と比べると見劣りします。日常使いには十分以上の性能ですが、最先端とは言えません。

デザイン: ★★★★☆
この価格帯では珍しいアルミ合金製のボディは高級感があり、所有欲を満たしてくれます。コンパクトで設置場所を選ばない点も高く評価できます。

通信: ★★★☆☆
高速な2.5G有線LANは魅力的ですが、最新のWi-Fi 6に非対応な点が大きなマイナスポイントです。無線環境を重視するユーザーには物足りません。

機能(拡張性): ★★★★★
最大64GBのメモリ、2基の高速NVMeスロットによる最大16TBのストレージ、3画面出力対応など、ミニPCとして破格の拡張性を誇ります。

冷却性能: ★★★★☆
日常作業では非常に静かですが、高負荷時にはファンの音が聞こえてきます。ただし、冷却はしっかり機能しており、性能低下の心配はありません。

使いやすさ: ★★★★☆
映像出力や給電もこなす万能Type-Cポートの存在が、使い勝手を大きく向上させています。ポートの配置も適切で、ストレスなく使用できます。

価格: ★★★★★
これだけの拡張性と性能を考えると、コストパフォーマンスは驚異的です。2万円台から購入できる価格設定は、最大の魅力と言えるでしょう。

総評: ★★★★☆

価格を超えた拡張性と質感が魅力の優等生

GMKtec G10は、単なる「格安ミニPC」という言葉では片付けられない、非常に優れた資質を持った一台です。注目すべきはその圧倒的な拡張性。最大64GBまで増設可能なデュアルチャネル対応のメモリスロットや、2基の高速なNVMe SSDスロットは、この価格帯の製品としてはまさに破格の仕様です。将来的なアップグレードを見据え、長く使える「母艦」としてのポテンシャルを秘めています。

また、手に取った瞬間にわかるアルミ合金製のボディの質感の高さも、所有する喜びを感じさせてくれます。同価格帯の製品の多くがプラスチック筐体である中、この堅牢で高級感のあるデザインはG10を際立たせる大きな魅力です。

豊富なインターフェースが拓く、高い利便性

G10の魅力は内部の拡張性だけではありません。映像出力、データ転送、給電の全てを1本でこなせる万能のUSB Type-Cポートを備えている点は、大きなアドバンテージです。

比較対象のG3 Plusには搭載されていないこのポートのおかげで、ケーブル1本でポータブルモニターに接続するなど、スマートな環境を簡単に構築できます。HDMI、DisplayPortと合わせ、合計3画面への同時出力が可能な点も、生産性を重視するユーザーにとっては非常に魅力的です。

割り切りが必要な点と、それを上回る個性

もちろん、この価格を実現するためにトレードオフとなっている部分も存在します。CPUは数世代前のRyzen 5 3500Uであり、最新のプロセッサーと比べれば性能や省電力性で見劣りします。また、無線LANがWi-Fi 5に留まっている点も、最新のネットワーク環境を構築しているユーザーにとっては残念なポイントかもしれません。

しかし、このCPUは4コア8スレッドで動作するため、比較対象のGMKtec G3 Plusに搭載されているIntel N150(4コア4スレッド)のような最新エントリーCPUと比較して、より多くの作業を同時にこなすマルチタスク性能では有利に働きます。軽めのクリエイティブ作業や、多くのアプリケーションを同時に立ち上げる使い方では、その恩恵を十分に感じることができるでしょう。

どのようなユーザーにおすすめか

結論として、GMKtec G10は「低価格でも、性能や拡張性で妥協したくない」、「Intel N150よりも性能の高いPCが欲しい」という、堅実で賢い選択をするユーザーに最適な一台です。日々のWeb閲覧やOffice作業を快適にこなす基本性能の高さはもちろん、複数のアプリを同時に使うリモートワークでもスムーズに動作します。そして、将来メモリやストレージが足りなくなった時にも、簡単な増設で対応できる「懐の深さ」も併せ持っています。

G10は、そんな欲張りなニーズに最高のコストパフォーマンスで応えてくれるPCです。この機会にぜひ購入を検討してみてください。

GMKtec G10の価格・購入先

GMKtec G10 本体 正面。少し斜めになっている。

GMKtec公式サイト

  • 16GB RAM + 512GB SSDモデルが$189.99、
  • 16GB RAM + 1TB SSD モデルが$215.99、

で販売されています。

GMKtec公式サイトで「GMKtec G10」をチェックする

ECサイト

  • Amazonで35,999円(税込・8GB+256GB)、
  • AliExpressで24,573円(8GB+256GB)、

で販売されています。

Amazonで「GMKtec G10」をチェックする

楽天市場で「GMKtec G10」をチェックする

ヤフーショッピングで「GMKtec G10」をチェックする

AliExpressで「GMKtec G10」をチェックする

米国 Amazon.comで「GMKtec G10」をチェックする

※AliExpressでの購入方法・支払い方法はこちらのページで紹介しています。
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おすすめの類似製品を紹介

GMKtec G10」に似た性能をもつミニPCも販売されています。

GMKtec NucBox G3 Plus

GMKtecから発売されたインテル N150搭載のミニPCです(2024年12月 発売)。

8GB/16GB DDR4 3200 メモリ、256GB/512GB/1TB M.2 2280 NVMeストレージを搭載しています。

また、4K 2画面出力(HDMI x2)、最大32GBまでのメモリ拡張、M.2 2242 PCle SATAで最大2TBまでのストレージ拡張、冷却システム、VESAマウント、USB-A 3.2 Gen2 x4、HDMI (4K@60Hz) x2、有線LAN端子(RJ45,2.5G) x1、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2にも対応しています。

価格は、Amazonで24,363円(5624円 OFFクーポン適用で実質18,739円・8GB+256GB・税込)、楽天市場で22,050円(送料無料)、ヤフーショッピングで26,400円、AliExpressで20,536円、米国 Amazon.comで$138.99、です。

関連記事:N150は快適だった!ミニPC GMKtec NucBox G3 Plusを徹底レビュー!

MINISFORUM UN150P

MINISFORUMから発売されたIntel N150搭載のミニPCです(2025年1月21日 発売)。

16GB DDR4 3200MHzメモリ、256GB or 512GB M.2 2280 PCIe3.0 SSDストレージを搭載しています。

また、2.5インチ SATA HDD 拡張スロット、最大1TBまでのM.2ストレージ拡張、TF カードスロット、USB 3.2 Gen1 Type-Cポート(Data DP & PD OUT PUT)、4K 3画面出力(HDMI 2.1 TMDS (4K@60Hz) x2、USB-C (4K@60Hz)x1)、冷却ファン、VESAマウント、Wi-Fi 6、BlueTooth 5.2、2.5G 有線LANに対応しています。

価格は、Amazonで35,980円(税込・6836円 OFFクーポン付きで実質29,144円・16GB+256GBモデル)、楽天市場で35,980円(送料無料)、米国 Amazon.comで$175.99、です。

関連記事:「MINISFORUM UN150P」レビュー!【N150】で進化した定番ミニPCの実力は?

Beelink EQ14

Beelinkから発売されたインテルN150搭載のミニPCです(2024年12月発売)。

16GB DDR4 3200 メモリ、500GB M.2 2280 PCIe 3.0 x 4 ストレージを搭載しています。

また、電源ユニット(内蔵)、 4K 3画面出力、冷却システム MSC2.0、最大4TBまでのストレージ拡張、VESAマウント、Type-C (10Gbps,DP Alt 4K 60Hz) x1、USB 3.2 (10Gbps) x 3、USB 2.0 (480Mbps) x1、Wi-Fi 6 、Bluetooth 5.2、デュアル有線LAN通信に対応しています。

価格は、Amazonで32,800円(税込)、楽天市場で38,698円(送料無料)、ヤフーショッピングで50,630円、AliExpressで26,471円、米国 Amazon.comで$189.00、です。

関連記事:Beelink EQ14レビュー!電源内蔵でN150搭載ミニPCは買いなのか? 

GEEKOM A5

GEEKOMから発売されたAMD Ryzen 7 5800H(※2025版はRyzen 5 7430U) プロセッサ搭載のミニPCです(2023年10月発売)。

32GB DDR4メモリ、512GB M.2 SSDストレージ、Windows 11 Proを搭載しています。

また、4K 4画面出力(HDMI、Type-C)、冷却システム、VESAマウント、M.2での拡張(最大2TBまで)、2.5インチ SATA HDD/SSDでの拡張(最大2TBまで)、最大64GBまでのメモリ拡張、USB 3.2 Gen 2 Type-C x2、USB 3.2 Gen 2 Type-A x3、USB 2.0 Type-A x1、2.5G ギガビット有線LAN通信、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2に対応しています。

価格は、Amazonで39,990円(税込・7430Uモデル)、楽天市場で51,064円(送料無料)、米国 Amazon.comで $259.00(7430Uモデル)、です。

関連記事:GEEKOM A5レビュー!Ryzen 7 5800Hのベンチマークとゲーム性能も公開

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