スティックPCにUbuntuをインストールして使いたい場合は、通常「64ビット」対応のものを選ぶ。例えばインテルの「Compute Stick STK1AW32SC」では、内蔵するファームウェアの設定を切り替えるだけで最新のUbuntuをインストールすることができる。
やり方は簡単で、電源投入後、F2キー押下でBIOS(UEFI)の設定画面へ入りUbuntuに切り替え。その後、UbuntuをインストールしたライブUSBを挿して起動させるだけで済む。
しかし、32ビット版の場合は簡単にUbuntuをインストールすることはできない。
これはファームウェアが「UEFI」のため、Ubuntuの標準ブートローダー(64ビット対応)に対応していないためだ。しがたって、32ビット版のスティックPCにUbuntuをインストールする場合は、32ビット版のUEFIに変更する必要がある。
一万円前後で販売されているレノボ製スティックPC「ideacentre Stick300」やマウスコンピューター「 m-Stick MS-NH1
」の場合は以下の手順を参考にしてUbuntuをインストールしよう。
参考:日経Linux 2016 3月号/6月号
レノボ「ideacenter Stick 300」に linux Ubuntu 14 LTSをインストールする方法
https://drive.google.com/file/d/0B99O3A0dDe67MWptY01KazZOMWM にアクセスする
イメージファイル「ubuntu-14.04.3-desktop-linuxium.iso」を入手する
ターミナル(端末)を開き、USBメモリを挿した状態で以下のコマンドを実行する。
$ LANG=C sudo fdisk -l | grep Disk | grep dev
Disk /dev/sda: 251.0 GB , 251000193024 bytes
Disk /dev/sdc: 4043 MB , 4043309056 bytes
※「dev/sdc:」がデバイスファイル名を示す
※「4043 MB」=USBメモリと同じ容量であることを示す
以下のコマンドを実行
$ cd ~/ダウンロード
$ dd if=ubuntu-14.04.3-desktop-linuxium.iso of=/dev/sdc bs=lM
コマンド実行後、USBメモリを取り外す。
それから、「ideacenter Stick 300」にUSBハブを接続し、キーボード、マウス、LANケーブルをつないだLANアダプター、USBメモリ(※先ほど使用したものを使う)を接続。
次に、「ESC」ボタンを押しながら電源ボタンを押して起動させる。
すると、画面に「Boot option」画面が表示されるので、「Boot Manager」をクリックし、起動ディスクの一覧からUSBメモリを選択。
起動画面が表示されたら、「Install Ubuntu」を選択し、インストールを始める(※通常のUbuntuインストール方法と全く同じ)。
次に再起動。
「ESC」ボタンを押しながら電源ボタンを押し、起動画面を表示させる。
「C」キーを押して、「GRUBシェル」を起動させる。
以下のコマンドでUbuntuを起動させる。
grub> ls (hd1 ,gpt2)/boot
grub> linux (hdl ,gpt2)/boot/vmlinuz-x.x-x-x-generic root=/dev/mmcblk0p2 reboot=pci
grub> initrd (hdl ,gpt2)/boot/initrd-x.x-x-x-generic
grub> boot
デスクトップ表示後にターミナル(端末)を開き、以下のコマンドを実行する。
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install grub-efi-ia32 grub-efi-ia32-bin
コマンド実行後、32ビット版のUEFIに対応するブートローダーがインストールされて、次回以降 Ubuntuが自動起動するようになる。
マウスコンピューター「m-Stick MS-NH1-W10」にUbuntuをインストールする方法
https://drive.google.com/file/d/0B99O3A0dDe67MWptY01KazZOMWM にアクセスする
イメージファイル「ubuntu-14.04.3-desktop-linuxium.iso」を入手する。
このイメージを書き込んだUSBメモリを挿した状態で「Esc」キーを押しながら起動させる。
すると、画面に「Boot option」画面が表示されるので、「Boot Manager」をクリックし、起動ディスクの一覧からUSBメモリを選択。
起動画面が表示されたら、「Install Ubuntu」を選択し、インストールを始める(※通常のUbuntuインストール方法と全く同じ)。
次に再起動。
「ESC」ボタンを押しながら電源ボタンを押し、起動画面を表示させる。
「C」キーを押して、「GRUBシェル」を起動させる。
以下のコマンドでUbuntuを起動させる。
grub> ls (hd1 ,gpt2)/boot
grub> linux (hdl ,gpt2)/boot/vmlinuz-x.x-x-x-generic root=/dev/mmcblk0p2 reboot=pci
grub> initrd (hdl ,gpt2)/boot/initrd-x.x-x-x-generic
grub> boot
(※「x.x-x-x」の部分はバージョン番号を示す。)
Ubuntuを起動させたら、デスクトップ表示後にターミナル(端末)を開き、以下のコマンドを実行する。
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install grub-efi-ia32 grub-efi-ia32-bin
コマンド実行後、32ビット版のUEFIに対応するブートローダーがインストールされて、次回以降 Ubuntuが自動起動するようになる。