日本のAmazonで小型PC「CHUWI GTBox」が3万円台で販売中です。第5世代のインテル Corei3 プロセッサ、8GBメモリ、 256G SSD搭載のスペックは高めです。早速、ドスパラの小型PC「raytrek NUC BC3」と比較してみました。
「CHUWI GTBox」とドスパラ「raytrek NUC BC3」の価格差は?
「CHUWI GTBox」は現在 日本のAmazonで36,000円(税込)で販売されています。GearBestでは35153 円でした。
一方、ドスパラ「raytrek NUC BC3」(Corei3)は公式ショップで74,980 円(税込価格は80,978円)でした。
価格差は 44,978円で、当然のことながらドスパラ「raytrek NUC BC3」(Corei3)の方が圧倒的に性能が高くなるはずですが、実際はどうでしょうか?
両機種のスペックや機能を比較してみましょう。
公式製品紹介ページはこちら
https://www.chuwi.com/product/items/Chuwi-GTbox.html
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「CHUWI GTBox」とドスパラ「raytrek NUC BC3」の違い
以下、スペック・機能を参考にしながら、「CHUWI GTBox」とドスパラ「raytrek NUC BC3」の違いを詳細に説明していきます。
プロセッサ性能の違い
「CHUWI GTBox」は 第5世代のインテル Corei3-5005U (2.00 GHz /2コア/4スレッド)
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は 第8世代のインテル Core i3-8109U (3.00GHz~3.60GHz/2コア/4スレッド)
「CHUWI GTBox」は 第5世代のインテル Corei3-5005Uを採用しています。このプロセッサは別名 Broadwell (Uシリーズ)と呼ばれ、2015年に発売されたものです。ヤフオクでは平均して14,862円で取引されているようです。
一方、ドスパラ「raytrek NUC BC3」が搭載する第8世代のインテル Core i3-8109Uは別名「Coffee Lake-S」と呼ばれ、2017年9月以降に発売された比較的新しいプロセッサです。Amazonではプロセッサ単体販売されていませんが、 Intel CPU Core i3-8100は販売されており、価格は 15,807 円でした。
メモリの違い
「CHUWI GTBox」は 8GB DDR3(※増設不可)
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は 8GB DDR4 SO-DIMM (PC4-19200/4GBx2/2チャネル)
両機種ともにメモリ8GBになりますが、DRAMの規格が異なっており、DDR4 を採用するドスパラ「raytrek NUC BC3」の方がより高速に動作します。ちなみに、DDR3とDDR4は互換性がなく、価格も異なります。DDR4の8GBメモリは安くても6千円ほどです。
GPUの違い
「CHUWI GTBox」は Intel HD Graphic 5500
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は インテル Iris Plus グラフィックス655
Intel HD Graphic 5500 は第5世代のインテル Corei3-5005Uに内蔵されたGPUです。一方、インテル Iris Plus グラフィックス655は、第8世代のインテル Core i3-8109Uに内蔵されたGPUで、Intel UHD Graphics 620の約2倍の性能を発揮すると言われています。 Intel HD Graphic 5500と比べても約2倍以上の性能差があります。
ベンチマークスコアの違い
<CPU性能>
「CHUWI GTBox」のPassmarkによるベンチマークスコアは「2907」(CPU)。Geekbenchによるベンチマークのスコアはシングルコアで「433」、マルチコアで「972」。
ドスパラ「raytrek NUC BC3」のPassmarkによるベンチマークスコアは「6157」(CPU)。Geekbench によるベンチマークのスコアはシングルコアで「880」、マルチコアで「2042」。
<グラフィック性能>
※ [DX11_1920x1080] Fire Strikeを使用
「CHUWI GTBox」は「594」
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は「1885」
両機種のCPUのベンチマーク性能を比べると、ちょうど2倍以上の差があることが分かります。同じインテル Core i3プロセッサですが、第5世代と第8世代とでは処理能力が大きく異なっており、全くの別物であるかのようです。
また、グラフィック性能では、約3倍以上の性能差があることが分かります。この違いは高いグラフィック性能を必要とするゲームで現れ、ゲームプレイ中の動作スピードやグラフィックの再現性で大きな差が生じることになります。なお、ドスパラ「raytrek NUC BC3」のGPUグラフィック ベンチマークスコア「1885」というのは、NVIDIA GeForce 940MX(1818)、AMD Radeon Vega 6 Graphics(1838)と同レベルのベンチマークスコアになります。
ストレージの違い
「CHUWI GTBox」は 256GB SSD
※(Support 128GB – 1TB M.2 SSD / 500GB – 2TB 2.5 inch HDD / 128GB TF card expansion)
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は 250GB SSD (M.2スロット / AHCI接続)
ストレージは両機種ともに256GB SSD で、OSやアプリの起動も高速です。M.2規格なので、メモリと同じようなやり方で交換することが可能です。なお、「CHUWI GTBox」の方は、2.5インチのHDDを追加できる仕様になっており、最大で2TBまで増設できるようになっています。
インターフェースの違い
「CHUWI GTBox」は USB2.0 ×2、USB3.0 ×2、USB3.0 Type-C×1、HDMI ×2、イヤホンジャック×1、マイク×1、DCポート ×1、 ギガビットイーサネット ×1
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は USB3.0 x2(前面)、 USB3.0 x2(背面)、Thunderbolt3(USB-C)x1、ギガビットLANポート x1、HDMI、音声入出力など
ドスパラ「raytrek NUC BC3」が採用する「Thunderbolt 3」はUSB Type-CのAlternate Modeという仕組みを使って動作するもので、要するにUSB Type-Cポートの1種のことです。「Thunderbolt3(USB-C)」と表記されていますが、「USB Type-C (Thunderbolt 3対応) 」という表記と全く同じです。そう考えると、両機種の違いはUSB3.0ポートの数になり、「CHUWI GTBox」が2つ、ドスパラ「raytrek NUC BC3」が4つになります。USB3.0はUSB2.0よりも高速なので、データを転送するときに非常に短時間で済むようになります。
通信性能の違い
「CHUWI GTBox」は Wi-Fi 802.11ac/a/b/g/n (intel3165)、Bluetooth 4.0、ギガビット有線LAN
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac (Intel Wireless-AC 9560)、Bluetooth 5.0、、ギガビット有線LAN
「CHUWI GTBox」とドスパラ「raytrek NUC BC3」は どちらもWi-Fiデュアルバンドに対応し、2.4GHzと高速な5GHzの通信が利用できます。Bluetoothに関しては「CHUWI GTBox」がバージョン 4.0になり、ドスパラ「raytrek NUC BC3」がより高速で途切れにくい バージョン 5.0 になっています。
サイズ・重量・デザインの違い
「CHUWI GTBox」は 17.3cm×15.8cm×7.3cmで、重量は約855g
ドスパラ「raytrek NUC BC3」は 117.0(幅)×112.0(奥行き)×51(高さ)mm で、重量は非公開
サイズはドスパラ「raytrek NUC BC3」の方が小さくなっています。重量は不明ですが、「CHUWI GTBox」よりも軽いことは間違いなさそうです。なお、「CHUWI GTBox」のデザインはすでに販売済みの小型ゲーミングPC「CHUWI HiGame」のものを踏襲しており、外観は瓜二つです。
※OSはどちらもWindows 10 Home 64bitを採用しています。
「CHUWI GTBox」とドスパラ「raytrek NUC BC3」 どちらを買うべきか?
「CHUWI GTBox」とドスパラ「raytrek NUC BC3」の最大の違いはプロセッサ・グラフィック性能の差にあります。ドスパラ「raytrek NUC BC3」はクリエイター向けとして販売された小型PCで、プロ向けの動画の映像編集や音楽ファイルの編集でも高速に動作するようになっています。また、ゲーム用としても高いグラフィック性能を発揮し、負荷の高いゲームでもスムーズに動作します。7万円台と価格が高めになりますが、パワフルな動作スピードと高いグラフィック性能を発揮することを考えると、元は十分に取れるでしょう。
一方、「CHUWI GTBox」はドスパラ「raytrek NUC BC3」よりもパワーが劣るものの、一般的な用途であれば高速に動作する性能を持っています。具体的にはYouTube用の動画の編集・エンコード、イラストレーターやフォトショップなどの映像編集でも快適に動作します。ただし、ゲームに関してはグラフィック性能があまり高くないため、負荷の高いゲームには適してはいません。軽めの3Dゲーム、2Dゲームは全く問題ありません。PCSX2のエミュレーターソフトはそこそこ快適に動作しますが、グラフィック性能が非常に高いゲームでは遅延が生じるようです。
<結論>
プロ向けの動画・音楽編集や負荷の高いゲームで使うなら、ドスパラ「raytrek NUC BC3」を購入するべきでしょう。一般的な動画編集・映像編集・負荷の少ないゲームで使用するなら、「CHUWI GTBox」をおすすめします。
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「CHUWI GBox Pro」はWindows 10を搭載した小型PC。手のひらサイズのコンパクトボディに Apollo Lake世代の Intel Atom X7-E3950 クアッドコア CPUと4GB メモリを搭載。64GB eMMCストレージを備えるほか、4Kハードデコード、ファンレスの静音動作、VESAマウント、USB-Type-C接続、Wi-Fiデュアルバンド、Bluetooth4.0、ギガビット有線LANにも対応している。
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ドスパラ「raytrek NUC BC3」の記事はこちら!
第8Core i3 搭載のドスパラ「raytrek NUC BC3」
「raytrek NUC BC3」はWindows10を搭載した小型PC。手のひらサイズのコンパクトボディに第 8 世代 のインテル Core i3-8109U デュアルコア CPUと 8 GBメモリを搭載。インテル Iris Plus グラフィックス655、250GB SSD、1TB HDD、Thunderbolt3(USB-C)を備えるほか、Wi-Fiデュアルバンド、Bluetooth 5.0、ギガビット有線LANにも対応している。
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