「Oculus Quest」で本物のVR空間を体験してみないか?


2019年5月21日に発売されたスタンドアローン型VRヘッドセット「Oculus Quest」をレビュー。スペックや性能、機能、魅力や「Oculus Go」との比較・違いも合わせて紹介しています。

※2020年10月13日、「Oculus Quest 2」が発売されました。

6DoF対応の本格派スタンドアロン型VRヘッドセット「Oculus Quest」

Oculus Quest」は6DoF(頭・体の6方向)の検知に対応のスタンドアロン型(PC不要で使える)のVRヘッドセット。重さ571gのボディに解像度は3,200×1,440(単眼1,600×1,440)のOLED液晶(有機EL)を搭載。2〜3時間ほど駆動するバッテリー、 64GB or 128GBストレージ、6DoF対応のコントローラー「Oculus Touch」(付属)、USB Type-Cポート、3.5mmオーディオジャックを備えるほか、リフレッシュレート 72Hz、ルームスケールトラッキング、ポジショントラッキングにも対応する。

「Oculus Quest」はヤバすぎるほどリアル?

今最も注目されているVRヘッドセットは「6DoF」という頭だけでなく体の6方向(6DoF)の検知に対応したスタンドアロン型のVRヘッドセットで、従来のVRヘッドセットよりも格段にリアルなVR空間を体験できるようになっている。そしてその最新のVRヘッドセットの中でも、最も性能が高いことで注目されているのが「Oculus Quest」だ。

「6DoF」対応のVRヘッドセットにはHTC「VIVE Focus」、レノボ「Mirage Solo」もあるが、「Oculus Quest」はそれらよりもさらにリアルなVR空間を体験できるようになっており、そのリアルさは前モデルの「Oculus Go」の性能をはるかに上回る。

公式製品紹介ページはこちら
https://www.oculus.com/quest/?locale=ja_JP

公式レビュー動画 デザインやボディの質感・操作・ゲームプレイの様子が分かる

「Oculus Quest」のスペック・仕様

  • トラッキング 6DoFサポート
  • ディスプレイ 解像度1440×1660(単眼)のOLED液晶(有機EL)
  • IPD(瞳孔間距離) 調整可
  • リフレッシュレート 72Hz
  • プロセッサ Qualcomm Snapdragon 835
  • RAM(メモリ) 4GB
  • ストレージ 64GB or 128GB
  • バッテリー 内蔵リチウムイオン電池
  • 駆動時間 2~3時間(ゲームプレイで約2時間、メディア視聴で3時間)
  • 充電 USB Type-Cからの給電(約2時間でフル充電)
  • プレイ空間 静止・最小2×2mルームスケールサポート
  • オーディオ スピーカー、マイク(3.5mmイヤホンジャック対応)
  • メガネ(眼鏡) 横142×縦50mm以内のメガネに対応
  • サイズ 193×222×105mm(幅×奥行き×高さ)
  • 重さ 571g
  • 付属品 Oculus Touch2つ、電源アダプター、USB-Cコード、グラススペーサー、Oculus Touch用の単三電池2本、説明書

セットアップ方法・使い方

Oculus Quest」のセットアップに必要なのはスマートフォンと本体、そしてOculus Touchのみ。iOSかAndroid用のOculusアプリでログインし、Oculus Quest本体とペアリング。あとは手順に従って設定するだけで完了する(10分程度)。なお、ヘッドセットはヘッドバンドの頭側面部分を押し上げてからヘッドセットを付け、ヘッドバンドを引っ張りながら被せる。

「Oculus Quest」の性能・機能

Oculus Quest」の性能機能を、前モデル「Oculus Go」との違いをふまえてまとめてみました。

トラッキングの性能

Oculus Quest」は外部センサーなしで6DoF(degrees of freedom)に対応し、VR空間内で頭と体の前後・上下・左右の動き(※歩く・しゃがむなどの動作も含む)を認識。外部センサーがなくても最大2m×2mという空間内を自由に歩き回れるルームスケールトラッキングも可能になっている。また、VR空間内での位置と向きを把握する機能「ポジショントラッキング」も可能になっており、体の動きに合わせて視界も動くようになっている。

なお、前モデル「Oculus Go」は頭の3方向の回転だけを検出するトラッキング「3DoF(3 Degrees of Freedom)」に対応。体の動きに合わせて視界も動くポジショントラッキングは非搭載で体の上下左右前後の動きには反応しなかった。このため、「Oculus Go」は仮想空間を「鑑賞」するのみで「体験」することはできなかった。

ディスプレイの性能

Oculus Quest」のディスプレイの解像度は3,200×1,440(単眼1,600×1,440)のOLED液晶(有機EL)を搭載。、リフレッシュレート(画面のチラツキ具合や動画やゲームでの滑らかな動きを計るための値)は72Hz。
有機EL液晶のため、鮮明な色を再現し、コントラスト(明暗)もくっきりしている。

なお、前モデル「Oculus Go」のディスプレイは5.5インチ、解像度 2560×1440(WQHD)のLCD液晶で、リフレッシュレートは最大72Hzだった。

インターフェースの性能

Oculus Quest」のインターフェースはUSB Type-C、3.5mmジャック。USB Type-Cポートから充電することが可能で、3.5mmジャック経由でヘッドホンとも接続できる。
また、ヘッドセットに位置オーディオを内蔵。ヘッドホンがなくても人の声や背後に忍び寄る音などを聞くことができる。

なお、前モデル「Oculus Go」のインターフェースはmicro USBと3.5mmオーディオジャックで、スピーカーとマイクを内蔵していた。

バッテリーの性能

Oculus Quest」のバッテリー駆動時間はゲームの使用で2時間程度、動画視聴で3時間程度。充電 はUSB Type-Cからの給電し、約2時間でフル充電できる。

なお、前モデル「Oculus Go」のバッテリー駆動時間はゲームで2時間程度、動画再生で約2時間30分だった。

ストレージの性能

Oculus Quest」のストレージ容量は64GB と 128GBの2種類を用意。microSDカードには対応していないため、後で拡張することはできない。

なお、前モデル「Oculus Go」のストレージは32GBと64GBの2種類が用意されていた。

コントローラーの性能

Oculus Quest」にはVR空間で手を再現することができるモーションコントローラー「Oculus Touch」が付属。なぎ払う。投げる。つかむなどの操作が、Oculus Riftに付属したxbox oneのゲームパッドよりも直感的に行えるようになっている。本体の親指部分にはジョイスティックと2つのボタン、メニューボタンを搭載。人差し指用と中指用のトリガーも備えている。電源には単3電池が1本を使用する。

なお、前モデル「Oculus Go」のコントローラは3DoF対応でタッチパッド、トリガーボタン、戻る・ホームボタンを備えていた(※コントローラーの位置トラッキングには非対応)。

「Oculus Quest」の対応コンテンツ&アプリ

Oculus Quest」は、「Oculus Store」の配信プラットフォームに対応。Oculus Quest発売と同時に対応済みのVRゲームが50タイトル以上がリリース予定。世界的に人気が高いVRリズムゲーム「Beat Saber」、スターウォーズの世界観をVRで楽しめる「Vader Immortal: A Star Wars VR Series」、日本のアプリ「狼と香辛料VR」などがリリースされる。そのほか、Oculus Quest版「Netflix」、「YouTube VR」アプリがリリースされている。

Oculus Questの対応ゲーム

Oculus Quest」の発売時は50以上のタイトルで遊べることが発表されていました。Windowsパソコン(Steam)やPlayStation VRなどで人気の名作タイトルからの移植が多いです。

主なゲームタイトルには、「Beat Saber」、VRChat、SUPERHOT VR、Vader Immortal: A Star Wars VR Series – Episode I、Thumper、Virtual Virtual Reality、Creed: Rise to Glory、Space Pirate Trainerなどがあります。

Oculus QuestでSteamVRをゲームプレイする方法

Oculus Quest」で「PC版のVRチャット」や「VRカノジョ」などのSteamVRをゲームプレイするには、「ALVR」という無料のオープンソースソフトウェアを使います。これを利用することで、PCVR(SteamVR)をリモートでプレイすることのできます。Gear VRやOculus Goでも使えます。

Oculus QuestでSteamVRをゲームプレイするにはまず最初に次の3つのステップが必要です。

1.「Steam」をPCにインストール(※要アカウント登録)
2.「Steam VR」をPCにインストール※インストール終了後、すぐにSteamVRを起動する
3.ALVRをPCにインストールする

ALVRをPCにインストールする方法は以下の5つのステップが必要です。

1.ALVRを下記からダウンロードする
https://github.com/polygraphene/ALVR/releases

2.ALVRのインストーラー(ALVR-setup-2.4.0-alpha5.exe)をインストールする

3.「Oculus開発者ページ」へアクセスし、ログインする
https://developer.oculus.com/

4. スマホアプリから「開発者モード」をONにする
※スマホに入れた「Oculusのアプリ」を開き、設定ボタンを押し、「Oculus Quest xxxxxxxxxxx」の項目をタップ。その他の設定>開発者モードへタップして、開発者モードのスイッチをONにする。それから、付属のUSB(TypeC)ケーブルでPCとOculus Questを接続し、Oculus Questを起動させます。起動するとUSBの接続音が鳴り、「Allow USB debugging?」というダイアログがでるので、「Always allow frome this computer」をチェックをして、OKボタンを押す。これで「開発者モード」がONになる。

5. Oculus Questへアプリ(apk)をインストールする

付属の充電ケーブル(USB Type-C)をOculus QuestとPCに接続し、Windowsの検索から「cmd」と打ち、コマンドプロンプトを起動させる。その後、APKのあるディレクトリへ移動し、「cd C:\platform-tools」と入力。次に下記のコマンドを入力して、接続を試みます
「adb devices」。その後にOculus Quest被り、USBの接続音がなって「Allow USB debugging?」というダイアログがでるので、「Always allow frome this computer」をチェックをしつつ、OKボタンを押す。再度、下記のコマンドを入力して接続する。「adb devices」。「List of devices attached」とでたら接続成功。最後にAPKwpインストールのコマンドを実行する。「adb install C:\platform-tools\ALVRClient-GithubNormalOvr-release-v2.4.0-alpha5.apk」

「Oculus Quest」と「Oculus Go」の違い

Oculus Quest」は前モデルの「Oculus Go」とどのように違っているのだろうか? スペックや機能を比較しながら、その違いを明らかにしていきたい。

3DoFから6DoF対応へ ポジショントラッキングにも対応

前モデルの「Oculus Go」は「3DoF」に対応し、頭の3方向の回転だけに反応していたが、「Oculus Quest」からは6DoFに対応し、頭だけでなく体の前後・上下・左右の動きも反応できるように改善された。

また、前モデルの「Oculus Go」は「ポジショントラッキング」に対応していなかったが、「Oculus Quest」からは「ポジショントラッキング」に対応し、体の動きに合わせて視界も動くようになっている。

これにより、バーチャルな空間上でただ観賞するだけでなく、実際にその場所で何かをしているかのようなリアルな体験をすることができるようになった。

Oculusインサイトに対応

今まではポジッショントラッキングに外部センサーが必要だったが、「Oculusインサイト」システムにより外部機器なしでポジショントラッキングが可能になっている。「Oculus Quest」はその「Oculusインサイト」システムに対応しているため、別途 外部センサーなどを設置する手間がかからず、手軽にVR空間を体験できるようになっている。

ルームスケールトラッキングに対応

ルームスケールとはVR空間内を自由に歩き回れる距離のこと。「Oculus Quest」はルームスケールのトラッキングに対応しているため、最大2m×2mという空間内を自由に歩き回れる。

なお、「Oculus Rift」 (Oculus Touch 同梱版)は1.5m×1.5mまでで、別売のセンサーを1つ追加することで、2.5m×2.5mまで対応。「HTC VIVE」は3.5m×3.5mまで対応していたが、その分スペースを確保しなければならず、広い部屋が必要だった。

Oculus Quest」は最大2m×2mなので、狭い部屋でもスペースを確保しやすい。

LCD液晶からOLED液晶(有機EL)へ

前モデル「Oculus Go」のディスプレイは解像度 2560×1440(WQHD)のLCD液晶だったが、「Oculus Quest」からは
解像度は3,200×1,440(単眼1,600×1,440)のOLED液晶(有機EL)に変更された。

これにより、従来よりも鮮明な色を再現し、コントラスト(明暗)もくっきりと表示されるように改善された。なお、リフレッシュレート(画面のチラツキ具合や動画やゲームでの滑らかな動きを計るための値)は両者とも72Hzで、変更はされていない。

microUSBからUSB Type-Cへ

前モデル「Oculus Go」ではmicroUSB経由で充電していたが、「Oculus Quest」からはUSB Type-Cに変更された。これにより、従来よりも高速に充電できるように改善された。

Snapdragon 821からSnapdragon 835へ

前モデル「Oculus Go」はQualcomm Snapdragon 821を採用していたが、「Oculus Quest」からはSnapdragon 835へ変更されている。これにより、AnTuTuベンチマークスコアは総合で17万から21万へと向上し、より高速に映像を処理できるように改善された。

モーションコントローラー「Oculus Touch」で手の動きも再現

前モデル「Oculus Go」のコントローラは3DoF対応だったが、「Oculus Quest」のモーションコントローラー「Oculus Touch」では6DoFに対応し、VR空間で手の動きも再現できるようになった。

IPD調節ありに

前モデル「Oculus Go」はIPD調節(両目の黒目の中心の距離のことで個人差あり)に対応していなかったが、「Oculus Quest」からはIPD調節が可能になっている。これにより、映像がぼやける、歪んでいるといった状態からはっきりくっきりとした映像が見られるようになっている。

「Oculus Quest」の魅力

Oculus Quest」にはどのような魅力があるのだろうか? スペックや機能、前モデルの「Oculus Go」、「Oculus Rift」、6DoF対応のスタンドアロン型VRヘッドセットHTC「VIVE Focus」、レノボ「Mirage Solo」HTC「VIVE Pro」などの他のVRヘッドセットと比較しながら、その実力と魅力を明らかにしてみよう。

ハンドトラッキング対応で触覚も超リアル

Oculus Quest」はハンドトラッキングに対応しており、VR空間内の指1本1本の動きまで検知できる。これにより、物を掴む、ボタンを押すといった操作がより直観的に行えるようになり、よりリアルなゲーム・映像体験ができるようになっている。

前モデルの「Oculus Go」、「Oculus Rift」、および6DoF対応のスタンドアロン型VRヘッドセット「VIVE Focus」、「Mirage Solo」はハンドトラッキングに対応していないため、VR空間内でリアルな触覚を体験することはできない。なお、HTC「VIVE Pro」にはハンドトラッキング機能が追加されている。

超絶リアルなゲーム体験が楽しめる

Oculus Quest」は前モデルの「Oculus Go」と違い、VR空間内を自由に歩き回れる「360度ルームスケールトラッキング」に対応している。

また、ポジッショントラッキング(※体の動きに合わせて視界も動くこと)やハンドトラッキング(指の動きも検知)にも対応しているため、よりリアルなゲーム体験を楽しめるようになっている。

前モデルの「Oculus Go」では見たり聴いたりするだけの「観賞」レベルだったが、「Oculus Quest」からはあちこちに歩き回ってゲームをプレイする「体験」レベルへ移行し、これまでにないリアルなゲーム体験が味わえる。

常識を超えたハイクオリティ映像でVR体験できる

レノボ「Mirage Solo」の解像度は片目あたりで1280×1440(両目あたりで2560×1440ドット)。一方、「Oculus Quest」の解像度は片目あたりで1,600×1,440(両目あたりで3,200×1,440)でレノボ「Mirage Solo」よりも解像度が高く、より美しいVR体験が可能になっている。

この解像度はHTC「VIVE Focus」と全く同じで、両者はともに鮮明な色合いでコントラストも高い有機EL液晶を採用している。なお、「Oculs Rift」は有機EL液晶を採用していたが、解像度は1080×1200と低めになっている。

外部センサー不要で使える

前モデルの「Oculus Rift」は外部センサーとして赤外線センサーを最低1台設置する必要があったが、「Oculus Quest」からは外部センサーを必要とすることなく利用できるようになった。

また、前モデル「Oculus Rift」ではVR空間内を自由に歩き回れる「360度ルームスケールトラッキング」を利用するために外部センサーを合計で最低3つ必要とし、別途費用がかかってしまうというデメリットがあったが、「Oculus Quest」は外部センサーを必要としないため、追加の費用が一切かからない。

128GBストレージモデルも選択できる

レノボ「Mirage Solo」やHTC「Vive Focus」は64GBストレージを搭載しているが、「Oculus Quest」は64GBモデルの他に128GBモデルも用意されている。ストレージ容量は多ければ多いほどアプリを大量にインストールできる。

ゲームや映像系のVRアプリは今後も続々と新しいものがリリースされてくるので、できるだけストレージ容量が多いものを選びたい。ただし、レノボ「Mirage Solo」やHTC「Vive Focus」はmicroSDカードに対応しており、容量を拡張できる。「Oculus Quest」はmicroSDカードに対応していないため、後でストレージ容量を増やすことはできない。

「Oculus Quest」の価格は?

Oculus Quest」は、

Amazonで26,800円(中古)、

楽天市場で45,800円 〜 (税込)、

ヤフーショッピングで22,000 円〜 (税込・中古)、

で販売されています。

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