新型Kindle Paperwhiteは買ったほうがいい？

Amazonの新型「Kindle Paperwhite」は果たして買うべき電子書籍リーダーなのか？進化したポイントをおさえながら、購入すべきどうかを検討していきます。

※2018年12月13日に第10世代「Kindle Paperwhite」が発売されました。この記事は第7世代モデルについて説明しています。

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300ppi に高精細化した新型「Kindle Paperwhite」

新型の「Kindle Paperwhite」は従来通りの6インチのE-inkディスプレイを搭載。解像度は212ppi から 300ppi に高精細化し、上位版Voyageと同等になった。

液晶解像度が大幅にアップ！

この300ppi というのは、いまいち分かりづらい数字なので、補足しておくと9.7インチのiPad airで264ppi。8.9インチのNexus9で288dpiになる。比較するとよく分かる通り、文字が高精細になった分、かなり読みやすくなっている。

初代Kindle Paperwhiteモデルでもかなり読みやすいわけだが、この読みやすさが最高レベルに達したと言ってもいい。

しかも、今回は単に解像度をあげているわけではない。高解像度化のほかの更新点として、アマゾンが電子書籍のために開発した英文フォント Bookerly を搭載。文字間隔やレイアウトをさらに読みやすく改善されている。

おまけに今後は印刷本の伝統に近づける新組版エンジンが搭載されることが予告されており、読みやすさは格段に向上するだろう。

新型「Kindle Paperwhite」に弱点はあるの？

しいて弱点を挙げるとすると、Voyageとは違ってフロントライトの自動調整機能が付属していないことぐらい。そうは言っても、しっかりとライトが内蔵されており、自分で調整することは可能だ。もはやAmazonの考えるKindle Paperwhiteは完成の域に達したと言えるだろう。

新型Kindle Paperwhiteのスペック

ディスプレイは6インチ、300ppiのディスプレイ(16階調グレースケール)
※Carta電子ペーパー技術を採用。
ディスプレイの表面を照らす目に優しいライトを内蔵。
内蔵ストレージは4GB。（約1000冊を保存可能。）
Wi-Fi機能は802.11 b/g/n。
対応ファイルフォーマットは、Kindle(AZW3)、TXT、PDF、MOBI、PRCなど。
本体サイズは169×117×9.1ミリ。
重さはWi-Fiモデルが205グラム、Wi-Fi+無料3Gモデルが217グラム

新型「Kindle Paperwhite」は買ったほうがいいの？

新型「Kindle Paperwhite」はディスプレイが高精細化し、新組版エンジンが搭載される予定になっているなど、読みやすさは格段にアップしている。これはAmazonがより読書に向くように「読みやすさ」を重視して「Kindle Paperwhite」を発展させてきた成果だと言えるだろう。

しかし、「読みやすさ」だけの追求は、一般消費者には少し物足りない印象を与え続けているのも事実だ。第一に、画面サイズが6インチのままだというは不満が残る。

高精細なのはいいが、現在の日本のユーザーのほとんどは、E-inkディスプレイの「大型化」を望んでいる。文庫本サイズを拡大して大画面サイズで楽しみたいのだ。これは外出先で読書するのではなく、自宅で読書をする人の割合が多い事情によるものだと考えられる。自宅のみで使用する場合、6インチでは小さ過ぎる。カラータブレットと同様に10インチ前後のサイズが必要だ。

また、機能面でも従来の枠組みに徹しているだけでは不満だ。「Kindle Paperwhite」で専用ペンを追加し、自由にメモ書きできるようにしてはどうだろうか？いたずらに読書以外の機能を増やすのはやめた方がいいが、読書しながらすばやくメモ書きできれば、「Kindle Paperwhite」の用途はかなり広がるように思う。Amazonによる「Kindle Paperwhite」の進化は、自国のアメリカユーザーを多いに満足させるものとなるだろう。だが、それがそのまま日本で当てはまるわけではない。日本人の大半は、より日本人のニーズにあった「Kindle Paperwhite」を望んでいる。